特表2016-530157(P2016-530157A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2016-530157車両座席用のアクチュエータ及び車両座席
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-530157(P2016-530157A)
(43)【公表日】2016年9月29日
(54)【発明の名称】車両座席用のアクチュエータ及び車両座席
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/02 20060101AFI20160902BHJP
【FI】
   B60N2/02
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-539572(P2016-539572)
(86)(22)【出願日】2014年9月8日
(85)【翻訳文提出日】2016年4月21日
(86)【国際出願番号】EP2014069090
(87)【国際公開番号】WO2015032946
(87)【国際公開日】20150312
(31)【優先権主張番号】102013218016.0
(32)【優先日】2013年9月9日
(33)【優先権主張国】DE
(31)【優先権主張番号】102013224248.4
(32)【優先日】2013年11月27日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】511007886
【氏名又は名称】ジョンソン コントロールズ コンポーネンツ ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】ヘーグ、 ノルベルト
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー、 ペーター
【テーマコード(参考)】
3B087
【Fターム(参考)】
3B087AA02
3B087BD03
3B087DE08
3B087DE10
(57)【要約】
本発明は、筐体(11)、前記筐体に固定され且つモーターシャフト(12a)を備えるモーター(12)、前記モーターシャフト(12a)によって前記モーターに出力側で接続されるトランスミッション(13)、前記トランスミッション(13)に前記出力端で接続されるアクチュエータ出力駆動部(14)、及び制御装置(21)を備える、車両座席(1)用のアクチュエータ(110、210)に関する。このアクチュエータ出力駆動部(14)は、第1の回転方向に前記モーターシャフト(12a)を回転させることによって、開始位置から終了位置の方向に移動可能な出力要素(14b)を備える。前記モーターシャフト(12a)の第1の回転方向は、前記制御装置(21)によって前記第1の回転方向から反対の第2の回転方向に反転可能であり、それにより前記出力要素(14b)を前記終了位置から前記開始位置の方向に動かすことができる。キャリッジ(15)が前記筐体(11)に対して移動可能であり、このキャリッジは、前記出力要素(14b)の移動中に、前記開始位置から前記終了位置の方向に駆動可能であり、前記キャリッジ(15)の少なくとも1つの位置を検出するための位置センサが設けられる。本発明は、前記アクチュエータ(210)に対する重力の作用を検出するために位置センサ(28)が設けられる車両座席用のアクチュエータ(210)にも関する。また、本発明は、少なくとも1つの請求項に記載のアクチュエータを備える車両座席にも関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体(11)、前記筐体に固定され且つモーターシャフト(12a)を有するモーター(12)、前記モーターシャフト(12a)によって前記モーターに出力側で接続されるトランスミッション(13)、前記トランスミッション(13)に前記出力側で接続されるアクチュエータ出力駆動部(14)、及び制御装置(21)を有する、車両座席(1)用のアクチュエータ(110、210)であって、
前記アクチュエータ出力駆動部(14)は、第1の回転方向に前記モーターシャフト(12a)を回転させることによって、開始位置から終了位置の方向に移動可能な出力要素(14b)を有し、前記モーターシャフト(12a)の回転方向は、前記制御装置(21)によって前記第1の回転方向から反対の第2の回転方向に反転可能であり、それにより前記出力要素(14b)は前記終了位置から前記開始位置の方向に移動可能であり、
前記アクチュエータ(110、210)は、前記筐体(11)に対して移動可能であるスライド(15)であって、前記開始位置から前記終了位置の方向に前記出力要素(14b)の移動中に駆動可能であるスライド(15)を有し、且つ前記スライド(15)の少なくとも1つの位置を検出するために位置センサが設けられることを特徴とする、アクチュエータ(110、210)。
【請求項2】
前記スライド(15)は、ロック装置(60)のキャッチ(50)に結合するための手段を有することを特徴とする、請求項1に記載のアクチュエータ(110、210)。
【請求項3】
前記手段はピン(15a)であることを特徴とする、請求項2に記載のアクチュエータ(110、210)。
【請求項4】
前記スライド(15)は、前記終了位置から前記開始位置の方向への前記出力要素(14b)の移動中に前記出力要素(14b)から分離されることを特徴とする、請求項1〜3の何れか1項に記載のアクチュエータ(110、210)。
【請求項5】
前記アクチュエータ(110、210)に対する重力の作用を検出する位置センサ(28)が設けられることを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のアクチュエータ(110、210)。
【請求項6】
前記アクチュエータ出力駆動部(14)は、前記出力要素(14b)及び前記スライド(15)を移動可能にするスピンドル(14a)を有することを特徴とする、請求項1〜5の何れか1項に記載のアクチュエータ(110、210)。
【請求項7】
前記スピンドル(14a)は、前記スライド(15)における貫通孔を通り抜けることを特徴とする、請求項6に記載のアクチュエータ(110、210)。
【請求項8】
前記制御装置(21)は、前記位置センサが組み込まれる回路基板(21a)を有することを特徴とする、請求項1〜7の何れか1項に記載のアクチュエータ(110、210)。
【請求項9】
少なくとも1つの更なるセンサが前記制御装置(21)の前記回路基板(21a)に配置されることを特徴とする、請求項8に記載のアクチュエータ(110、210)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの更なるセンサは、ホール効果センサ、位置センサ、重力センサ及び/又は加速度センサであることを特徴とする、請求項9に記載のアクチュエータ(110、210)。
【請求項11】
前記出力要素(14b)の前記終了位置を感知するための第1のセンサ(17)及び/又は前記出力要素(14b)の前記開始位置を感知するための第2のセンサ(18)が、前記回路基板(21a)に組み込まれることを特徴とする、請求項8に記載のアクチュエータ(110、210)。
【請求項12】
筐体(11)、前記筐体に固定され且つモーターシャフト(12a)を有するモーター(12)、前記モーターシャフト(12a)によって前記モーターに出力側で接続されるトランスミッション(13)、前記トランスミッション(13)に前記出力側で接続されるアクチュエータ出力駆動部(14)、及び制御装置(21)を有する、車両座席(1)用のアクチュエータ(210)であって、
前記アクチュエータ出力駆動部(14)は、第1の回転方向に前記モーターシャフト(12a)を回転させることによって、開始位置から終了位置の方向に移動可能な出力要素(14b)を有し、前記モーターシャフト(12a)の前記第1の回転方向は、前記制御装置(21)によって前記第1の回転方向から反対の第2の回転方向に反転可能であり、それにより前記出力要素(14b)が前記終了位置から前記開始位置の方向に移動可能であり、
前記アクチュエータ(210)に対する重力の作用を検出する位置センサ(28)が設けられることを特徴とする、アクチュエータ(210)。
【請求項13】
前記位置センサ(28)は、加速度センサであることを特徴とする、請求項12に記載のアクチュエータ(210)。
【請求項14】
請求項1〜13の何れか1項に記載の少なくとも1つのアクチュエータ(110、210)を備える、車両座席(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1及び請求項12に記載の特徴部分の特徴を有する車両座席用のアクチュエータ並びに請求項14に記載の特徴を有する車両座席に関する。
【背景技術】
【0002】
WO2012/152361A1から知られているロック装置を解除することができる当該タイプのアクチュエータは、WO2012/104207A1から知られている。
【0003】
ロック装置は、車両座席において様々な形態で見られる。既知のロック装置の基本タスクは、車両座席の異なる座席構成をもたらすことができること(例えば、荷物空間を増やすために後部座席背もたれを折り畳むこと)又は車両座席(運転席及び/又は後部座席)の便利な調節を可能にすることである。この2つのタスクは、異なる分類のロック装置によって行われる。
【0004】
第1の分類のロック装置は、固定点ロックシステムを含む。これらは、ロック装置が座席及び/又は背もたれの一点でのみロックし、それ故に、調節構成要素に対して、概して車両に対して座席及び/又は背もたれを固定するという事実により区別される。こうしたロック装置、例えば、回転式ラッチロックは、ロック又はラッチと呼ばれる場合があり、典型的には、荷物空間を増やすために背もたれを折り畳むのに使用される。大方の場合、ロック装置は、背もたれに配置されている。他の応用は、取り外し可能な座席を車両フロアに固定するシステム、またフレキシブル座席システムの場合における座席内の固定システムである。
【0005】
第2の分類のロック装置は、ロック装置が異なる位置でロック可能である点で第1の分類とは異なる。従って、顧客の条件に従って座席自体及び/又は車両に対して座席の構成要素を調節することができる。この分類は、典型的には、背もたれの傾斜を調節するために使用される。場合によっては、こうしたロック装置は、後部座席ベンチシステムを折り畳むことを可能にするために開発される。こうしたロック装置、例えば、ラッチ設備は、レバーと呼ばれることもある。
【0006】
ロック装置の作動は、ほとんどの場合、手動で(手動作動で)達成される。取り付け空間の状況及び要件によって、ロック装置用の作動装置は、ロック装置から空間的に分離され得る。この場合、一般的には、ボーデンケーブルにより作動装置からロック装置へと力が伝達される。従って、座席のユーザは、信号を与えると同時に、ロック装置を解除するために必要な力を提供する。場合によっては、特にボーデンケーブルを使用する場合に、作動力の相当な増加があり得る。
【0007】
利便性を向上させるために、手動での作動と共に、電気的作動も使用される。こうした場合、ユーザによってトリガコマンドのみが与えられる。次に、アクチュエータによって必要な力が生成され、それが結果的にロック装置を開放する。
【0008】
この文脈では、車両及び座席のユーザの両方によって、アクチュエータに対してなされる異なる要件を、先行技術から知られているアクチュエータによって充足することができない。追加機能、例えば、位置検出、状態調査、信号と出力との間の分離又は通信を提供するために、追加のセンサ、指示要素及び/又は外部制御装置が利用される。
【0009】
しかしながら、これらは、多くの場合、制御装置をアクチュエータの近くに取り付けることが不可能であるので、その結果として、所定の機能、例えば、パルス幅変調(略してPWM)によるアクチュエータの制御が相当な費用でのみ達成され得るという不都合に関係付けられる。更に、ユーザに対して複雑な情報を生成するために、追加のセンサが利用されなければならない。従って、背もたれが完全に折り畳まれて、この位置で固定される必要があるとすれば、再解除を無効にするために、追加角度のトランスミッタが取り付けられなければならない。
【0010】
対応する制御装置を有するアクチュエータが、WO2012/104027A1に記載されている。このアクチュエータは、各端部位置で感知されるアクチュエータにおける作動要素の位置によって電気的正逆転調節の機能を有する。それにより、自動電気的復帰が可能になり、伸縮バネを無くすことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】WO 2012/104027 A1
【特許文献2】WO 2010/115626 A1
【特許文献3】EP 2 062 758 A1
【特許文献4】DE 94 08 916.7 U1
【特許文献5】WO 2012/152361 A1
【特許文献6】DE 10 2009 038 072 A1
【特許文献7】DE 10 2004 056 707 A1
【特許文献8】DE 697 33 141 T2
【特許文献9】DE 100 48 270 A1
【特許文献10】WO 2008/058529 A2
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
アクチュエータに結合されるロック装置のロック状態を確実に検出することができるアクチュエータを利用可能にすることが、本発明の基本的な目的である。更に、代替的に又は追加的に、ロック装置によってロックされる座席構成要素、例えば、背もたれの位置に関する結論をこれから導き出すために、地球の重力場におけるアクチュエータの位置を決定することが可能であるべきである。
【0013】
従って、折り畳まれた背もたれ、即ち、着座を許可する位置以外の位置等、それ自体の状態及び他の状態を検出するために、ロック装置のロックの状態、即ち、それが固定されているか又は固定されていないかを検出する能力を与えて、アクチュエータをインテリジェントにすることが目的である。
【0014】
アクチュエータのインテリジェンスは、追加の外部センサを回避するように構成されるべきである。更に、ロック装置の手動での作動も可能であるべきである。
【0015】
ロック装置を解除するためにエネルギ消費及び移動質量を減らすことが別の目的である。
【0016】
更に、対応するアクチュエータを有する車両座席を提供することが目的の一部である。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明によれば、この目的は、請求項1に記載の特徴を有するアクチュエータによって達成される。個別に又は互いに組み合わせて使用され得る有利な実施形態が、従属請求項の主題を形成する。
【0018】
車両座席用の当該タイプのアクチュエータは、筐体、前記筐体に固定され且つモーターシャフトを有するモーター、前記モーターシャフトによって前記モーターに出力側で接続されるトランスミッション、前記トランスミッションに前記出力側で接続されるアクチュエータ出力駆動部、及び制御装置を備える。ここで、前記アクチュエータ出力駆動部は、第1の回転方向に前記モーターシャフトを回転させることによって、開始位置から終了位置の方向に移動可能な出力要素を有する。前記モーターシャフトの第1の回転方向は、前記制御装置21によって前記第1の回転方向から反対の第2の回転方向に反転可能であり、それにより前記出力要素が前記終了位置から前記開始位置の方向に移動可能になる。
【0019】
本発明によれば、前記筐体に対して移動可能であり且つ前記出力要素の移動中に前記開始位置から前記終了位置の方向に駆動可能であるスライド、及び前記スライドの少なくとも1つの位置を検出するための位置センサが設けられる。
【0020】
それによって、ロック装置がロックされないことを示すように要求される信号検出システムをアクチュエータに組み込むことが可能になる。アクチュエータのスライドがロック装置のキャッチに結合されると、ロック装置のロックの状態は、位置センサによって検出され得る。
【0021】
このため、スライドは、ロック装置のキャッチに結合するための手段、特に、ピンを有する。
【0022】
終了位置から開始位置の方向への出力要素の移動中に出力要素から離脱されることが有利である。
【0023】
本発明によるアクチュエータは、WO 2012/104207 A1から知られている自動電気復帰を有するアクチュエータの発展である。これは、マイクロコントローラ、モーターを制御するためのセンサ及び対応する出力段階を有する適切な制御装置を既に有している。位置センサによって、ロック装置のロックの状態が検出される。従って、ロック装置の手動作動の場合であっても、ロック装置のロックの状態が調べられて、車両座席のユーザに示される。
【0024】
アクチュエータの重力の作用を検出する位置センサをアクチュエータが有するおかげで、重力場におけるアクチュエータの位置が検出され得る。対応するセンサがスマートフォンから知られている。
【0025】
組み込まれた位置センサ、特に、加速度センサは、地球の重力場に対するアクチュエータの方向を検出するので、背もたれが直立しているか又は折り畳まれているかを検出することができる。こうした2つの位置における背もたれの各々の明確に異なる状態が、確実な感知のためにただ1つだけの加速度センサを使用することを可能にする。車両が駐車している可能な傾斜は閾値の範囲内である。
【0026】
アクチュエータ出力駆動部が、出力要素及びスライドを直線的に移動可能にするスピンドルを有することが有利である。この処理の間、後者が長手軸周りに回転する場合に、出力要素はスピンドルの長手軸に沿って直線運動を行う。スライドは、スピンドルに結合されないので、スピンドルの回転とは無関係にスピンドルの長手軸周りに移動可能である。
【0027】
この過程の間、スピンドルは、好ましくは、スライドにおける貫通孔を通り抜ける。また、スライドがスロット又は何らかの他のガイドを有することも考えられる。
【0028】
また、課題の解決策は、必要な制御装置及び必要な情報ソースをアクチュエータ内に再配置すること及び機能装置(アクチュエータ及び制御装置)を共に1つの筐体に結合することにあり、自給式インテリジェント機能装置としてロック装置とアクチュエータを結合することが可能になる。
【0029】
インテリジェント動作を確実にするために全ての構成要素が結合される制御基板が、本発明によるアクチュエータに組み込まれる。回路基板は、情報を構築して、対応するコマンドを出力するためのソフトウェアを備えるマイクロコントローラを有する。様々なセンサ、例えば、ホール効果センサ、位置センサ、重力センサ及び/又は加速度センサが回路基板に更に存在し、一方では、位置、従ってアクチュエータの状態及び/又はロック装置のロックの状態を決定することを可能にする。特に、位置センサが回路基板に組み込まれることが有利である。
【0030】
また、アクチュエータがモータを流れる電流を測定する電流センサも有する場合、モータの回転が調節され、このモータは適切な電力により且つエネルギ効率的に作動させられ得る。
【0031】
本発明の有利な発展によれば、出力要素の終了位置を感知するための第1のセンサ及び/又は出力要素の開始位置を感知するための第2のセンサも、回路基板に組み込まれる。
【0032】
通信インターフェース(例えば、LIN/CAN又は他のシステム)によって、アクチュエータの状態及び背もたれの位置を車両内の他のパーティに出力すること、及び/又はアクチュエータ内の情報を結合して、それに従って他のアクチュエータを制御することが可能になる。
【0033】
ロック装置を解除するのに必要な機能に加えて、アクチュエータの制御装置によって更なる機能が実装され得る。例えば、適切な保護アルゴリズムを組み込むことが可能であり、アクチュエータの連続的作動がアクチュエータの故障をもたらさないことを確実にする。追加又は代替として、アクチュエータは、車両が駆動されている間は動作停止され得るので、駆動中の偶然の作動を排除することができる。
【0034】
アクチュエータ用の制御システムとアクチュエータのモータとの間の距離が短いおかげで、PWM機能を低費用で利用することが可能である。この機能は、特に、アクチュエータのフォースフリーな復帰の間に、所定の限界内に、モータの雑音を修正することを可能にするものである。
【0035】
本発明によるアクチュエータの使用の更なる例は、ヘッドレスト格納器及び/又はヘッドレスト折り畳みシステムである。ロック装置の解除を検出した後及び/又は背もたれが垂直位置を超えて折り畳み位置になっていることを検出した後で、アクチュエータは、ヘッドレストを更に折り畳むためにアクチュエータ内の制御装置によって起動され得る。
【0036】
オプションとして、例えば、暖房又は換気システム等の更なるモジュールが、背もたれの位置に従って及び/又はロック装置のロックの状態に従って制御され得る。
【0037】
車両のダッシュボード内のロック表示は、背もたれの位置に従って起動又は停止され得る。
【0038】
また、この目的は、アクチュエータに対する重力の作用を検出する位置センサを有する請求項12に記載の特徴を有するアクチュエータによっても達成される。それによって、アクチュエータは、例えば、背もたれが直立しているか又は畳まれているかを検出することが可能になる。
【0039】
また、この目的は、本発明による少なくとも1つのアクチュエータを備える請求項14に記載の特徴を有する車両座席によっても達成される。
【0040】
本発明は、先行技術に関する2つの図面及び更なる図面で示される2つの有利な例示の実施形態によって以下により詳細に説明される。しかしながら、本発明はこうした例示的実施形態に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】先行技術から知られているアクチュエータの平面図を示す。
図2図1のアクチュエータの斜視図を示す。
図3】車両座席の概略図を示す。
図4】本発明によるアクチュエータの第1の例示の実施形態の及び先行技術から知られているロック装置の分解図を示す。
図5】アクチュエータの及び非作動状態において、アクチュエータ筐体が閉じている図4のロック装置及び開始位置でロック装置がロックされている出力要素の斜視図を示す。
図6】アクチュエータ筐体が開いている図5に対応する例を示す。
図7】出力要素の終了位置に到達した場合であって、ロック装置が解除されているアクチュエータの作動状態における図6に対応する例を示す。
図8】出力要素の開始位置に再度到達した場合であって、ロック装置が解除されているアクチュエータの作動状態における図6に対応する例を示す。
図9】出力要素の開始位置に再度到達した後であって、ロック装置がロックされているアクチュエータの非作動状態における図6に対応する例を示す。
図10】出力要素が開始位置にあって、ロック装置がロックされているアクチュエータの非作動状態におけるアクチュエータ出力駆動部及びロック装置の斜視図を示す。
図11図10の詳細を示す。
図12】出力要素が開始位置にあって、ロック装置が解除されているアクチュエータの非作動状態におけるアクチュエータ出力駆動部及びロック装置の斜視図を示す。
図13図12の詳細を示す。
図14】本発明によるアクチュエータの第2の例示の実施形態の及び先行技術から知られているロック装置の斜視図を示す。
図15図14の詳細を示す。
【発明を実施するための形態】
【0042】
自動車の車両座席1は少なくとも1つのアクチュエータ110、210を有しており、それにより、座席構成要素が調節可能であり、又はロック装置60の開放を含む機能をトリガすることができる。この場合、本発明によるアクチュエータ110、210は、アクチュエータ110、210の起動がロック装置60の解除をもたらすように、先行技術、例えば、WO2012/152361A1から知られているロック装置60に動作可能に接続される。
【0043】
図1及び2は、WO2012/104027A1から知られているアクチュエータ10を示しており、その基本構造は本発明によるアクチュエータ110、210の基礎であり、従って、それは以下で最初に記載される。
【0044】
アクチュエータ10は筐体11を有しており、その中で電気モータ12が筐体に固定されるように配置される。トランスミッション13が、出力側でモーター12に接続される。そこで、待歯が設けられたモーター12のモーターシャフト12aがトランスミッション13の第1の歯車13aのより大きな直径の入力平歯車部と噛み合う。これは、筐体11内に回転可能に取り付けられる。第1の歯車13aのより小さな直径の出力平歯車部が、同様に筐体11の中に取り付けられるトランスミッション13のより大きな直径の第2の歯車13bと噛み合う。
【0045】
出力側でトランスミッション13に接続されるのが、この場合、スピンドル機構として設計されるアクチュエータ出力駆動部14である。このため、平歯車として設計される第2の歯車13bは、アクチュエータ出力駆動部14のスピンドル14aに固定される。スピンドル14aの中央線が、歯車13bの回転軸と整列し、筐体11内に回転可能に取り付けられる。この場合、スピンドル14aは、モーターシャフト12aに平行に配置される。例えば、モーターシャフト12aに直角のスピンドル14aの何らかの他の配置も考えられる。スピンドル14aのネジ山と相互作用するのが、スピンドル14aに据え付けられる内部ネジ山を有するスピンドルナットであり、このナットはアクチュエータ出力駆動部14の出力要素14bとして機能する。出力要素14bはスピンドル14aに沿って移動可能なように筐体11内に取り付けられるが、スピンドル14a周りに回転することはできない。従って、スピンドル14aの回転運動が出力要素14bの直線運動を引き起こす。
【0046】
初期状態では、即ち、アクチュエータの非作動状態では、出力要素14bは、第2の歯車13bに隣接してスピンドル14aの端部に配置される。アクチュエータの非作動状態では、出力要素14bは、第2の歯車13bから離れているスピンドル14aの端部の方向にスピンドル14aを回転させることにより移動する。また、アクチュエータの非作動状態で、出力要素14bが第2の歯車13bから離れているスピンドル14aの端部に配置されることも考えられる。この場合、出力要素14bは、アクチュエータの作動状態において、回転するスピンドルにより第2の歯車13bに隣接しているスピンドル14aの端部の方向に移動する。
【0047】
出力要素14bの終了位置を感知するために、第1のセンサ17が、第2の歯車13bから離れているスピンドル14aの端部に位置するスピンドル14aのその軸受けにおいて筐体に固定されるように配置される。出力要素14bの開始位置を感知するために、第2のセンサ18が、第2の歯車13bと共にスピンドル14aの端部に位置するスピンドル14aのその軸受けにおいて筐体に固定されるように配置される。センサ17及び18は、機械的設計を有し、例えば、マイクロスイッチとして設計され、又は誘導設計を有し、例えば、ホール効果センサとして設計され、又は容量設計を有し得る。
【0048】
筐体11の一側部に、この場合、モーター12から空間的に離れているアクチュエータ出力駆動部14の側部に配置されるのは、制御装置21、この場合、複数のICモジュール、例えば、論理モジュール、特に、パルス幅変調のための電源制御モジュール、出力段階、例えば、フルブリッジ、通信モジュール及び過電圧、ESD/EMC、又は温度等から制御装置21を保護するための構成要素を有する回路基板21aである。代替として、全てのこうした機能は、対応するインターフェースを有する個別のモジュールに組み込まれる。例えば、回路基板21aは、筐体11の壁を形成する。
【0049】
制御装置21は、好ましくは、回路基板21aから外側に突出する2つの電圧端子を有する内部電力供給を有する。更に、制御装置21は、好ましくは、少なくとも1つの信号接続を有するネットワークインターフェースを有する。ネットワークインターフェースは、例えば、1つの信号接続及び供給接続を使用するLINバスとの通信に使用される。代替として、ネットワークインターフェースは、次により多くの接続を必要とする何らかの他のデータバス、例えば、CANバス、又は何らかの他のネットワークとの通信に使用され得る。
【0050】
制御装置21は、好ましくは、第1のセンサ17及び第2のセンサ18に接続されるセンサインターフェースも有する。制御装置21は、好ましくは、ネットワークインターフェース及びセンサインターフェースが接続される論理装置を有する。
【0051】
最後に、制御装置21は、好ましくは、より詳細には、共に回転方向に関して及び電流制限に関して、論理装置に接続されてモーター12を制御するモーター制御器を有する。モーター制御器及び論理装置、ネットワークインターフェース及びセンサインターフェースは、内部電力供給により供給される。電力トランジスタ又は同類が、モーター制御器のためにICモジュールの外側に提供され得る。
【0052】
サブアセンブリとして、アクチュエータ10は、機械的、電気的、特に、電気モータ、及び電子構成要素を含み、それにより全ての必要な機能がアクチュエータ10に組み込まれ且つアクチュエータ10内で処理されることが可能になる。この場合、車両座席1及び車両、特に作動要素との通信は、適切な実装によりネットワークインターフェースを介して行われる。基本的に制御装置21のハードウェアにより他の機能が決定される。機械的観点から、制御装置21だけでなく、モーター12、トランスミッション13及びスピンドル14aは、それぞれが軸受けと共に、好ましくは、筐体11に完全に組み込まれる。
【0053】
更に又は代替的に、センサインターフェースによってデータが与えられるセンサ17及び18によってだけでなく、電流、電圧及び時間測定によっても位置検出が達成され得る。こうしたパラメータの変化の特徴は、一方では、終了位置又は開始位置の到達と、中央位置における詰まりとの間を出力要素14bおいて区別するために使用され得る。センサ17及び18によるデジタル位置検出は別として、対応するセンサによる連続位置検出も可能であろう。
【0054】
モーター制御器は、好ましくは、パルス幅変調による電流制限を有する。例えば、回路基板21aにおける分路によって測定されるものであるが、電流に対する制限値を超過した後で、モーター12に対する電圧がパルス幅変調によって低下させられて、モーター12が既定の制限値より多くの電流を受けないことを確実にする。モーター制御器は、回転方向の反転を更に有し、これはアクチュエータ10を戻すこと及び過負荷保護として使用される。モーターシャフト12aの第1の回転方向において、モーター12は、トランスミッション13及びスピンドル14aによって開始位置から終了位置の方向に出力要素14bを動かす。
【0055】
モーターシャフト12aの第1の回転方向とは反対のモーターシャフト12aの第2の回転方向によって、モーター12は、出力要素14bを終了位置から開始位置の方向に戻す。回転方向の反転によるこの復帰のために、クラッチ及びバネが除去される。荷重が加えられるバネの除去のために、モーター12はあまり強力なものでなくてもよいので、モーター12の電力はアクチュエータを制御するために完全に利用することができる。回転方向の反転による復帰の実装は、例えば、モーター12を制御する電力トランジスタを有するフルブリッジにより達成される。
【0056】
非作動の受動状態から開始して、アクチュエータ10が起動され、その結果として、作動要素においてユーザによりトリガされる切り替え処理によって作動の能動状態に変化し、好ましくは、データバスによってアクチュエータ10に送信される。代替的に、アクチュエータ10の起動は、単純な電気押しボタンスイッチによってトリガされる。アクチュエータ10の起動とモーター電流をオフにすることの間、アクチュエータは受動状態と推定し、ユーザはアクチュエータ10に影響を及ぼさない。即ち、ネットワークインターフェースがロックされる。
【0057】
アクチュエータ10の復帰、即ち、出力要素14bの開始位置への復帰は、操縦者によって開始される切り替え処理に基づいて、又はアクチュエータ10の特定の位置に基づいて能動的に行われ得る。切り替え処理によって、例えば、“0”から“1”への押しボタンスイッチにおいて、非連続的ロック装置60で使用される場合、例えば、アクチュエータ10は、解除のために起動され、その結果、ロック装置60は開放される。ロック装置60が開放されると、位置検出によって切り替わり、出力要素14bが開始位置に再び到達するまで逆の回転方向にモーター12を作動させ、モーター12は位置検出によって再びオフにされる。それから、アクチュエータ10は受動状態になる。次に、ロック装置60は、アクチュエータ10によって機械的に妨げられずにロックし得る。代替的に、制御装置21は、ロック装置60が開放されているときにモーター12をオフにして、“0”から“1”への切り替え処理の後でのみ逆の回転方向でそれを作動させる。
【0058】
好ましくは、過負荷時の回転方向の逆転は、特に、中央位置において、位置検出から機械的過負荷を推定しなければならない場合に、即ち、出力要素14bの開始位置又は終了位置が何れも存在しないがそれにもかかわらず出力要件が急に上昇している場合に行われる。モーター12は回転方向の逆転を経て、好ましくは、アクチュエータ10が動かせない位置に留まらないことを確実にするために、出力要素14bはその開始位置に戻される。
【0059】
図4〜13では、本発明によるアクチュエータの第1の例示の実施形態としてアクチュエータ110が記載される。アクチュエータ110の基本構造は、先に記載された先行技術から知られているアクチュエータ10の基本構造に実質的に対応する。従って、同様に作用する構成要素は、同じ参照記号を有する。アクチュエータ10とは異なるアクチュエータ110の構成要素及び機能のみが記載されている。
【0060】
スライド15は、第2の歯車13bから離れている出力要素14bの側で、出力要素14bの隣に、筐体11に直線運動可能に配置される。スピンドル14aは、スピンドル14aのネジ山がスライド15と螺合することなくスライド15の貫通孔を通り抜ける。スライド15は、スピンドル14aに対して直線運動可能なように筐体11内に取り付けられ、スピンドル14aに対しては回転することはできない。従って、スピンドル14aの回転運動は、スライド15の何らかの直接的な直線運動を引き起こさない。
【0061】
杭型ピン15aが、スライド15に固定され、この場合、形成される。ピン15aは、アクチュエータ110をロック装置60に結合するために使用される。
【0062】
ロック装置60は、嵌め合い要素を固定するための爪を有する回転式キャッチロックとして設計される。爪のフック口に収容される嵌め合い要素は、爪をロック装置60のロック状態にしておくことができない。ロック装置60の解除状態において、嵌め合い要素が爪及びロック装置60から離れることができるように爪口が配置される。
【0063】
アクチュエータ110への接続のための部分として、ロック装置60は、キャッチスロット52を有するキャッチ50を有する。定義された作動方向へのキャッチ50の移動により、ロック装置60は、ロック状態から解除状態に移動される。ここで、ロック装置60の筐体に対するキャッチ50の位置は、ロック装置60のロックの状態に依存する。
【0064】
スライド15は第1の磁石16.1を備え、出力要素14bは第2の磁石16.2を備える。第2の磁石16.2は、センサ17、18と相互作用して、出力要素14bの位置を検出するために、且つそれ自体が周知であり且つ先に記載されたやり方で、モーター12を制御するために使用される。第1の磁石16.1は、図示されていないが、第1のセンサ17と第2のセンサ18との間に位置し、好ましくは、回路基板21aに組み込まれる位置センサと相互作用する。ロック装置60のロック状態に対応するスライド15の開始位置では、第1の磁石16.1は、位置センサに可能な限り接近している。
【0065】
ロック装置60のロック状態では、キャッチ50は開始位置にある。キャッチ50を終了位置に移動することにより、ロック装置60は解除されて、嵌め合い要素は爪のフック口から離れる。嵌め合い要素が後で爪のフック口に再び入らない限り、キャッチ50は、ロック装置60の解除状態に関係付けられる終了位置に留まる。嵌め合い要素が爪のフック口に入り且つ爪を枢動させてロック可能状態にし且つ爪をロックすると、キャッチ50は必ずその開始位置へと案内される。
【0066】
アクチュエータ110は、その間にあるアダプタ40で複数のネジ30によってロック装置60にネジ留めされる。アダプタ40は、ネジ30のための貫通孔を有する大部分が平坦な構成要素である。また、他の接続技術、特にスナップ式の接続も考えられる。
【0067】
スライド15のピン15aは、アダプタ40における長穴の形態の開口を介してキャッチスロット52の中に到達する。キャッチスロット52は長い構造を有し、キャッチスロット52の幅はピン15aの直径よりも僅かに大きいだけである。キャッチスロット52はスライド15の運動の可能な方向に対して横方向に向けられており、その結果、スライド15の移動はピン15aを介してキャッチ50を移動させる。
【0068】
図5及び6では、アクチュエータ110は非作動状態にある。出力要素14b及びスライド15は、それぞれ終了位置にある。ロック装置60は解除されている。
【0069】
図7では、アクチュエータは作動状態にある。出力要素14b及びスライド15は、それぞれ終了位置にある。ロック装置60は解除されている。出力要素14b及びスライド15の例示の終了位置を取るために、出力要素14bは、スピンドル14aを介して駆動され、開始位置から終了位置の方向に動かされる。この処理の間、出力要素14bはキャッチ50を連れて行き、それによりロック装置60を解除する。この処理の間、キャッチ15は、キャッチスロット52及びピン15aによってスライド50を動かす。
【0070】
この終了位置で、位置センサは、スライド15に固定された第1の磁石16.1が位置センサの近くにないことを検出して、結果として、「解除されたロック装置60」の信号を生成する。
【0071】
終了位置に到達した後、それ故にロック装置60の解除の後、アクチュエータ110の出力要素14bは、その開始位置へと自動的に戻る。ロック装置60が解除位置にあるので、スライド15は終了位置に留まる。図8にはこの状態が描かれている。位置センサは、ロック装置60のロックの状態が解除されていることを検出し続ける。
【0072】
ロック装置60がロックされる場合、スライド15が再びその開始位置に到達するまで、スライド15は、ピン15aを介してロック装置60のキャッチ50により開始位置の方向にスピンドル14aと共に動かされる。スライド15上で連れて行かれる第1の磁石16.1が、位置センサにより検出される。アクチュエータ110の位置センサは、ロック装置60のロックの状態が解除されていることを検出する。
【0073】
図14及び15では、本発明によるアクチュエータの第2の例示の実施形態としてアクチュエータ210が記載される。アクチュエータ210の基本構造は、先に記載されたアクチュエータ110の基本構造に大部分は対応する。従って、同様に作用する構成要素は、同じ参照記号を有する。アクチュエータ110とは異なるアクチュエータ210の構成要素及び機能のみが記載されている。
【0074】
第1の例示の実施形態のアクチュエータ110と比較して、第2の例示の実施形態のアクチュエータ210は、アクチュエータ210の位置変化28aを検出する位置センサ28として重力センサを追加的に有する。位置センサ28は、回路基板21aに固定されるので、アクチュエータ210に対して固定される。アクチュエータ210は、アダプタ40によってロック装置60に固定される。この場合、ロック装置60は、車両座席1の背もたれに固定される。従って、位置センサ28は、重力の作用を介して背もたれの位置を検出する。関連軸が評価されて、アクチュエータ210は、背もたれが不使用位置に折り畳まれているか又は着席を許可する直立使用位置にあるかを検出する。
【0075】
従って、アクチュエータ210は、例えば、背もたれが直立使用位置にあり、ロック装置60が同時にロックされて、車両座席1が乗員を支持するのに適切になっているかどうかを検出する。同様に、アクチュエータ210は、例えば、背もたれが平坦不使用位置にあり、ロック装置60が同時に解除されているかどうか、即ち、所望の解除位置が存在していることを検出する。
【0076】
図示されていない第3の例示の実施形態では、スライド15が省略されるが、位置センサ28は提供される。
【0077】
先の記載、請求項及び図面に開示された特徴は、様々な実施形態において本発明を実装するために個別的に及び組み合わせて意義を有し得る。
【符号の説明】
【0078】
1 車両座席
10、110、210 アクチュエータ
11 筐体
12 モーター
12a モーターシャフト
13 トランスミッション
13a 第1の歯車
13b 第2の歯車
14 アクチュエータ出力駆動部
14a スピンドル
14b 出力要素
15 スライド
15a ピン
16.1 第1の磁石
16.2 第2の磁石
17 第1のセンサ
18 第2のセンサ
21 作動装置
21a 回路基板
28 位置センサ
28a 位置変化
30 ネジ
40 アダプタ
50 キャッチ
52 キャッチスロット
60 ロック装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【国際調査報告】