(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-530528(P2016-530528A)
(43)【公表日】2016年9月29日
(54)【発明の名称】動力計の回転テーブル
(51)【国際特許分類】
G01M 15/02 20060101AFI20160902BHJP
G01L 3/00 20060101ALI20160902BHJP
【FI】
G01M15/02
G01L3/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-538897(P2016-538897)
(86)(22)【出願日】2014年9月2日
(85)【翻訳文提出日】2016年4月27日
(86)【国際出願番号】TR2014000340
(87)【国際公開番号】WO2015034451
(87)【国際公開日】20150312
(31)【優先権主張番号】2013/10389
(32)【優先日】2013年9月3日
(33)【優先権主張国】TR
(31)【優先権主張番号】2014/10133
(32)【優先日】2014年8月29日
(33)【優先権主張国】TR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG
(71)【出願人】
【識別番号】516063326
【氏名又は名称】フォード・オートモーティヴ・サナイ・アノニム・シルケティ
【氏名又は名称原語表記】FORD OTOMOTIV SANAYI ANONIM SIRKETI
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(72)【発明者】
【氏名】イドリス・ハジョエメロール
(72)【発明者】
【氏名】セルチュク・チェリケル
(72)【発明者】
【氏名】シェヴケット・エムレ・オズ
(72)【発明者】
【氏名】フェトヒ・セミー・オズカン
(72)【発明者】
【氏名】アルペル・テケリ
(72)【発明者】
【氏名】エルギュン・ギュラスラン
【テーマコード(参考)】
2G087
【Fターム(参考)】
2G087BB01
2G087BB04
2G087EE02
2G087EE04
2G087EE07
2G087EE11
(57)【要約】
この発明は、行なわれるテストに応じて、要求される位置に動力計を自動的に又は手動で移動させる動力計の回転テーブル(1)に関する。動力計の回転テーブル(1)は、固定プレート(2)を介して地面に取り付けられる。インナーテーブル(4)が、固定プレート(2)の上に着座する。そして、インナーテーブルの上には、リフター(5)がある。リフター(5)が、回転テーブル(6)を持ち上げる。そして、回転テーブル(6)が、減速機(3)によって所望の位置に移動する。リフター(5)が、回転テーブル(6)をその新しい位置に低くして、ロックユニット(8)が、その新しい位置に回転テーブル(6)を固定する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
行なわれるテストに応じて、要求される位置に動力計を移動させる動力計の回転テーブル(1)であって、
地面に着座する少なくとも1つの固定プレート(2)と、
回転力を生成して、回転を可能にする少なくとも1つの減速機(3)と、
リフター(5)によって好ましい高さに持ち上げられ、前記減速機(3)から受け取る力で回転することにより、前記動力計(D)の位置を変える少なくとも1つの回転テーブル(6)とを備える、動力計の回転テーブル(1)。
【請求項2】
前記固定プレート(2)が、地面に対して平坦であり且つバランスのとれた表面を提供し、少なくとも2つの固定及び芯出し部材(21)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項3】
前記固定及び芯出し部材(21)が、スロットを有する円錐片の形をしていることを特徴とする、請求項2に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項4】
前記固定プレート(2)の底部には、その高さを調節できる足があり、前記固定プレート(2)が四角形、円形又は楕円の形状をしている、請求項1に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項5】
軸(31)の下固定部材及び軸(32)の上固定部材が、前記固定プレート(2)の上に位置して、前記軸(31)の前記下固定部材及び前記軸(32)の前記上固定部材によって、軸及び減速機(3)が前記固定プレート(2)に固定されるのを可能にすることを特徴とする、請求項1に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項6】
少なくとも1つのインナーテーブル(4)が、前記固定プレート(2)と前記回転テーブル(6)との間に位置し、前記回転テーブル(6)と一緒に動くことを特徴とする、請求項1に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項7】
少なくとも1つのガイド部材によって、前記インナーテーブル(4)が前記回転テーブル(6)と同期して動くことを可能にすることを特徴とする、請求項6に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項8】
前記インナーテーブル(4)が、前記固定プレート(2)の中心に関して前記固定プレート(2)の上に着座するとともに、前記軸(31)の前記下固定部材及び前記軸(32)の前記上固定部材が貫通するスロットを備える、請求項6に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項9】
前記インナーテーブル(4)が、垂直セクション及び水平セクションを有し、地面に対して垂直である、2つの側面又は4つの側面に壁を有する、請求項6に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項10】
前記インナーテーブル(4)が、好ましい高さに負荷を昇降させるリフター(5)を有することを特徴とする、請求項6に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項11】
前記インナーテーブル(4)が、前記インナーテーブル(4)の縦辺又は長辺の近くの部分に取り付けられる少なくとも4つのリフター(5)を有することを特徴とする、請求項6に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項12】
リフター(5)が、油圧の又は空気のピストンであることを特徴とする、請求項1に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項13】
前記回転テーブル(6)が、前記固定プレート(2)及び前記インナーテーブル(4)の上に配置され、前記インナーテーブル(4)と一緒に前記固定プレート(2)の上で動くことを特徴とする、請求項1に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項14】
前記回転テーブル(6)が、いかなるロックがなければ、軸及び減速機(3)から前記回転テーブル(6)が受け取る勢いで、前記固定プレート(2)の上で動くことを特徴とする、請求項1に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項15】
前記回転テーブル(6)が、サービスウィンドウを有することを特徴とする、請求項1に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項16】
前記回転テーブル(6)が、インナーテーブル(4)及びリフター(5)に着座する少なくとも1つの昇降片(62)を備え、前記回転テーブル(6)の側壁に位置して、前記リフター(5)によって印加された持ち上げ力を伝達することを特徴とする、請求項1に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項17】
前記回転テーブル(6)が、インナーテーブル(4)の上に位置するガイド部材(41)が嵌入されるガイドスロット(63)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項18】
前記回転テーブル(6)が、支持面として使用されるとともに、前記動力計(D)が着座する少なくとも1つの上カバー(64)を備えることを特徴とする、請求項1に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項19】
前記回転テーブル(6)が、前記固定プレート(2)の上に設けられた固定及び芯出し部材(21)が貫通するスロットを備えることを特徴とする、請求項1に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項20】
スライダー(7)が、前記固定プレート(2)とインナーテーブル(4)との間に位置して、スライダー(7)によって、前記インナーテーブル(4)が回転運動の間での摩擦力の低減により前記固定プレート(2)の上で容易に回転できることを特徴とする、請求項1に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項21】
前記スライダー(7)が、円形のボールであることを特徴とする、請求項20に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項22】
前記スライダー(7)が、前記インナーテーブル(4)の上に又は前記固定プレート(2)の上に位置することを特徴とする、請求項20に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項23】
少なくとも1つのロックユニット(8)が、前記回転テーブル(6)の上に位置して、前記固定プレート(2)の上に設けられた固定及び芯出し部材(21)にロックボルトを嵌入させることによって、ロックを行うことを特徴とする、請求項1に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項24】
前記ロックユニット(8)が、前記固定プレート(2)と接続部材(81)との間に力を加えることによって、前記固定プレート(2)及び前記回転テーブル(6)を互いに固定することを特徴とする、請求項1に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【請求項25】
位置決めボルト(9)が、前記動力計(D)を前記回転テーブル(6)の上に取り付けることを特徴とする、請求項1に記載の動力計の回転テーブル(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、動力計が異なる位置で作動するために、動力計を手動で又は自動的に回転させるのを可能にする動力計の回転テーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
動力計(dynamometer)は、回転機械の出力を測定するために使用される。動力計は、エネルギー・モータあるいは自動車用エンジンの馬力の測定するために使用される。回転部材に印加された運動量(ねじり力)及び角速度の増加は、力を与える。最も一般に用いられている動力計の測定力は、弾性の金属リングから構成される。力が当該リングを圧縮するように力が負荷されるとき、リングがねじられて、ねじれ量に応じて力が測定される。オブジェクトによって印加された力が大きいほど、バネは、より多く伸ばされる。
【0003】
エンジンのNVH(ノイズ、振動及びハーシュネス)性能は、顧客と環境の快適性の観点から非常に重要である。とりわけ、自動車で使用されたエンジンのNVH性能は、決定した範囲内にある必要がある。エンジンによって生成された振動及びノイズが特定の限度を越えるとき、それは直接的に乗り心地及び環境に影響する。この目的のために、エンジンのNVH性能を改善するための多くの研究及びテストが熱心に行なわれる。これらのテストの間にノイズ及び振動レベルを測定するために、エンジンは音響的に隔離された特別試験室に配置される。これらのテストでは、動力計はエンジンに負荷を加えることができるために使用される。動力計は音響室に配置されるべきでない。動力計は、動力計の外面からエンジンによって生成された音波の反射を防ぎ、かつ動力計によって生成されたノイズを防ぐために、音響室に隣接する部屋に配置される。しかしながら、これは、NVH開発試験においてのみ動力計が使用できることを意味する。
【0004】
現在の適用(current application)では、動力計の部屋は、分離したテストセルとして構成されていない。動力計の部屋が、分離したテストセルとして構成されても、動力計はNVHテストが終わった後、解体されて位置が変えられるべきである。そして、位置を変えることが終了した後、機械的な開発試験は行なわれる。動力計を解体して位置を変えることは、時間及び労力の損失を引き起こす。更に、テストセルはこの期間に使用することができない。行なわれるテストによって、動力計が自動的に回転することを可能にして、別のテストのために要求される位置に移動させる(bring)、すなわち、動力計が着座するベースが自動的に動く、構造及びシステムが存在しない。
【0005】
特許文献1は、前軸及び後軸の回転に係るノイズの計算及び振動試験について開示しない。前記発明は、動力計が回転テーブルの上に位置して、その位置を自動的に変えられることを開示しない。
【0006】
特許文献2は、内燃機関エンジンをテストするための動力計を開示する。テスト配置においては、入力カップリングが軸を中心に回転可能であり、エンジンに接続されている。前記発明は、動力計が回転テーブルの上に位置すること及びその位置が自動的に変更されることを開示しない。
【0007】
技術水準での出願は、解体せずに振動及び機械試験のために動力計の位置を手動で又は自動的に変更して、動力計を次のテストに必要な位置に自動的に移動させる回転テーブルを有する構造を開示しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開昭62−197741(A)(技術水準で知られている出願)
【特許文献2】英国特許公開番号GB2078984(A)(技術水準での出願)
【発明の概要】
【0009】
この発明の目的は、行なわれるテストに応じて要求される位置に動力計を手動で又は自動的に移動させることができる動力計の回転テーブルを提供することである。
【0010】
この発明の別の目的は、NVH開発試験(development test)が行なわれないとき、機械的な開発試験のために要求される位置に動力計を移動させる動力計の回転テーブルを提供することである。
【0011】
この発明のさらなる目的は、行なわれるテストに応じて要求される構成に動力計を自動的に移動させる動力計の回転テーブルを提供することである。
【0012】
この発明の別の目的は、決定した時間範囲内で構成間の移行(transition)を行なうことができる動力計の回転テーブルを提供することである。
【0013】
動力計の回転テーブルは、この発明の目的を達成するために開発されており、請求項1及びその従属請求項で規定されており、動力計を支持して、行なわれるテストに応じて動力計の位置を自動的に変更する。動力計はキャリアの上に位置して、このキャリアが回転テーブルの上に取り付けられる。回転テーブルは、インナーテーブルの上に着座して、インナーテーブルと一緒に固定テーブルの上で動く。インナーテーブルと固定テーブルとの間には、キャリア(スライダー)がある。キャリアによって、摩擦力を低減し、移動を容易にすることが可能になる。リフター及び減速機によって、回転テーブルが、持ち上げられて、所望の方向に回転できる。動力計は、自動的に又は手動で回転テーブル及びインナーテーブルと一緒に回転され、所望の位置に移動されて固定される。したがって、動力計は、行なわれるテストに応じて位置決めされる。
【0014】
この発明の目的を達成するために開発された動力計の回転テーブルは、添付した図に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】異なる角度からの動力計の回転テーブルの斜視図。
【
図4】異なる角度からの動力計の回転テーブルの斜視図。
【
図5】固定プレート及びインナーテーブルの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
行なわれるテストに応じて要求される位置に動力計を移動させる動力計の回転テーブル(1)は、
地面に着座する少なくとも1つの固定プレート(2)と、
回転力を生成するとともに回転を可能にする少なくとも1つの軸及び減速機(3)と、
回転により動力計の位置を変更する少なくとも1つの回転テーブル(6)と備える。
【0017】
この発明の動力計の回転テーブル(1)は、固定プレート(2)によって地面の上に配置される。固定プレート(2)は、静止しており、地面に対して平坦でバランスのとれた表面を提供する。固定プレート(2)は、固定及び芯出し部材(fixing and centering members)(21)、及び取付穴(22)を備える。固定及び芯出し部材(21)は、動力計(D)が配設される位置に応じて固定プレート(2)に取り付けられる。所望の数の取付穴(22)は、固定プレート(2)の所望位置に位置する。この固定プレート(2)は、取付穴(22)によって地面に対して固定される。必要ならば、追加の固定及び芯出し部材(21)は、固定プレート(2)に取り付けられる。好ましくは、その上にスロットを有する円錐片(conical piece)は、固定及び芯出し部材(21)として使用される(
図1)。固定プレート(2)は異なる形状であってもよい。好ましくは、固定プレート(2)は、四角形、円形又は楕円形である。この発明の代替の実施形態では、固定プレート(2)の底部には、その高さを調節できる足がある。このように、固定プレート(2)によって、平らな表面を形成することができる。
【0018】
好ましくは、軸(31)の下固定部材及び軸(32)の上固定部材は、固定プレート(2)の上に取り付けられる。好ましくは、軸(31)の下固定部材は、固定プレート(2)に取り付けられる。そして、好ましくは、軸(32)の上固定部材は、軸(31)の下固定部材に取り付けられる。したがって、軸及び減速機(3)は、固定部材(31,32)によって固定プレート(2)に取り付けられる。
【0019】
軸及び減速機(3)は、下固定部材(31)及び上固定部材(32)の上に取り付けられる。軸及び減速機(3)は、回転に必要な力を提供し、この力を回転運動に変換する。この発明の代替の実施形態では、軸及び減速機(3)の代わりに、異なる駆動機構が使用される。
【0020】
好ましくは、インナーテーブル(4)が、固定プレート(2)の上に着座している。インナーテーブル(4)は、固定プレート(2)と回転テーブル(6)との間に位置し、回転テーブル(6)と一緒に動く。インナーテーブル(4)は、異なる形状であってもよく、好ましくは、四角形、円形又は楕円形である。好ましくは、インナーテーブル(2)は、少なくとも1つのガイド部材(41)を有する。ガイド部材(41)は、インナーテーブルの移動に対して同期して動くための他のパーツとして使用される。好ましくは、インナーテーブル(4)は、固定プレート(2)の中心に関して固定プレート(2)の上に着座している。インナーテーブル(4)には、軸の下固定部材(31)及び上固定部材(32)が貫通する(pass through)スロットがある。軸の下固定部材(31)及び上固定部材(32)は、このスロットを貫通する。インナーテーブル(4)は、固定プレート(2)の上に固定されず、力を加えることにより回転できる。インナーテーブル(4)は、複数のセクションに分割され、したがって、その上に配置されるパーツによって、容易にグループ化することができる。そして、その強度が増強される。この発明の1つの実施形態では、インナーテーブル(4)が、垂直セクション及び水平セクションに分割される。好ましくは、インナーテーブル(4)が、地面に対して垂直である、2つの側面あるいは4つの側面に壁を有する(
図5)。
【0021】
少なくとも1つのリフター(5)が、インナーテーブル(4)の上に固定される。リフター(5)が、好ましい高さまでその上に配置された負荷を昇降させる。好ましくは、リフター(5)が、自動的に又は手動で作動する。リフター(5)は、それらが受け取る駆動又は信号に応じて好ましい高さにそれらに作用する負荷を持ち上げて、再び駆動又は信号を受け取るまで、この高さで負荷を保持する。リフター(5)が負荷を低くする信号を受け取るとき、リフター(5)は、そのオリジナルのレベルに負荷を低くする。異なる機械的な構造が、リフター(5)として使用できる。この発明の好ましい実施形態では、油圧(hydraulic)の又は空気のピストンが、リフター(5)として使用される。持ち上げられる負荷の重量及び形に応じて、リフター(5)の数を変更してもよい。この発明の好ましい実施形態では、少なくとも4つのリフター(5)が、インナーテーブル(4)の縦辺(vertical side)又は長辺の近くの部分に取り付けられる。リフター(5)の数は、負荷の重量及びバランスに応じて、容易に増減できる。
【0022】
回転テーブル(6)が、固定プレート(2)及びインナーテーブル(4)の上に着座する(seated on)。回転テーブル(6)が、固定プレート(2)の上に着座する。回転テーブル(6)は、いかなるロックがなければ、軸及び減速機(3)から回転テーブル(6)が受け取る勢いで(with the momentum)固定プレート(2)の上で動く。この発明の好ましい実施形態では、回転テーブル(6)は、インナーテーブル(4)と一緒に固定プレート(2)の上で動く。
【0023】
回転テーブル(6)は、異なる形状であってもよい。好ましい実施形態では、回転テーブル(6)が、四角形、円形、又は楕円であってもよい。好ましくは、回転テーブル(6)が、少なくとも1つのサービスウィンドウ(61)を有する。サービスウィンドウ(61)によって、回転テーブル(6)の内部がアクセス可能である。そして、機械的な整備手順が容易に行われる(
図5)。
【0024】
好ましくは、回転テーブル(6)が、少なくとも1つの昇降片(lifting piece)(62)を有する。好ましくは、昇降片(62)が、回転テーブル(6)の側壁に位置する。昇降片(62)が、インナーテーブル(4)及びリフター(5)の上に着座する。リフター(5)によって加えられた持ち上げ力が、昇降片(62)を介して回転テーブル(6)に伝達される。昇降片(62)の数及び位置は、リフター(5)の数及び負荷の重量及びバランスによって異なることができる(
図5)。
【0025】
好ましくは、回転テーブル(6)が、少なくとも1つのガイドスロット(63)を有する。インナーテーブル(4)の上に位置するガイド部材(41)が、ガイドスロット(63)に嵌合する。このように、インナーテーブル(4)及び回転テーブル(6)の間の接触によって、持ち上げ及び回転の間に所望のままとする(remain as desired)ことができる。
【0026】
好ましくは、回転テーブル(6)が、少なくとも1つの上カバー(64)を有する。好ましくは、上カバー(64)が、回転テーブル(6)の上で固定され、回転テーブル(6)の上に固定面を形成する。動力計(D)が、上カバー(64)の上に嵌合する。
【0027】
好ましくは、回転テーブル(6)の上には、地面に垂直である、壁がある(
図5)。好ましくは、これらの壁の少なくとも1つあるいは2つの上には、支持部材(65)がある。支持部材(65)が回転テーブル(6)の強度を増強するのと同時に(while)、支持部材(65)は、支えられる荷重の重量がバランスのとれた方法で固定プレート(2)の上で分配されることを可能にする。
【0028】
好ましくは、回転テーブル(6)が、少なくとも1つのスロットを有する。固定プレート(2)の上に設けられる固定及び芯出し部材(21)は、回転テーブル(6)の上に設けられる前記スロットを貫通する。回転テーブル(6)は、その上に設けられたスロットによって、固定及び芯出し部材(21)に嵌合される。そこで、回転テーブル(6)は、ロックされるとともに固定される。この発明の好ましい実施形態では、好ましくは、回転テーブル(6)の上には4つのスロットがある。
【0029】
この発明の動力計の回転テーブル(1)においては、固定プレート(2)とインナーテーブル(4)との間にはスライダー(7)がある。スライダー(7)によって、インナーテーブル(4)が、回転運動の間での摩擦力を低減することにより固定プレート(2)の上で容易に回転できる。動力計の回転テーブル(1)が固定されるとき、負荷がスライダー(7)に作用しない。そして、スライダー(7)は、固定プレート(2)とインナーテーブル(4)との間にのみ位置する。リフター(5)が回転テーブル(6)を持ち上げ始めようとするとき、負荷がスライダー(7)に作用し始めて、回転運動とともに、スライダー(7)によって、インナーテーブル(4)が固定プレート(2)の上で容易に動くことができる。スライダー(7)として、異なる構造が使用される。この発明の好ましい実施形態では、円形のボールがスライダー(7)として使用される。この実施形態では、スライダー・ボール(7)は、インナーテーブル(4)に作用する負荷を固定プレート(2)に伝達し(transfer)、回転によって回転がスタートするとき、より容易な運動を可能にする。この発明の代替の実施形態では、回転運動を容易にするオイルあるいは機械的な構造がスライダー(7)として使用される。この発明の代替の実施形態では、スライダー(7)は、インナーテーブル(4)のベースの上に、あるいは固定プレート(2)の上に位置する。
【0030】
この発明の動力計の回転テーブル(1)では、好ましくは、回転テーブル(6)の上には、少なくとも1つのロックユニット(8)がある。好ましくは、ロックユニット(8)が、少なくとも1つの接続部材(81)を有する。接続部材(81)の上には、少なくとも1つのスロットがある。スロットを介してロックが行なわれる。接続部材(81)が、回転テーブル(6)の上に固定される。ロックユニット(8)が、接続部材(81)の上に嵌合する。ロックボルトが、接続部材(81)に設けられたスロットに嵌入される。ロックが行なわれるとき、ロックボルトがスロットを貫通し、固定プレート(2)に設けられた固定及び芯出し部材(21)に嵌入される。ロックボルトが回転するとき、ロックボルトはそれが固定及び芯出し部材(21)から変位しないように位置決めされる。このように、回転テーブル(6)が、ロックユニット(8)によって固定プレート(2)の上で固定される。この発明の好ましい実施形態では、クランプがロックユニット(8)として使用される。クランプ(8)を介してロックが行なわれる。クランプ(8)が、接続部材(81)を介して回転テーブル(6)に取り付けられる。動力計の回転テーブル(1)が回転されることになっているとき、信号がクランプ(8)に手動で又は自動的に伝えられる。クランプ(8)は、固定プレート(2)と接続部材(81)との間に加えられる力をキャンセルする。そして、ロックが開くことによって、回転テーブル(6)が解放される。それが再びロックされるとき、クランプ(8)は、伝えられた信号を再び受け取ると固定プレート(2)と接続部材(81)との間に力を加える。そして、回転テーブル(6)が固定プレート(2)に取り付けられる。
【0031】
動力計(D)は、位置決めボルト(9)を介して回転テーブル(6)の上に取り付けられる。動力計(D)の位置は、位置決めボルト(9)によって正確に調節される。
【0032】
動力計の回転テーブル(1)が、固定プレート(2)を介して地面に取り付けられる。軸(31)の下固定部材及び軸(32)の上固定部材が、固定プレート(2)に取り付けられる。この発明の代替の実施形態では、単一の軸固定部材が、下固定部材(31)及び上固定部材(32)の代わりに使用される。軸及び減速機(3)が、軸固定部材(31,32)の上に取り付けられる。そして、インナーテーブル(4)が、固定プレート(2)の上に着座する。ロックユニット(8)がロックされない限り、インナーテーブル(4)が固定プレート(2)の上で移動してもよい。インナーテーブル(4)の上には、リフター(5)がある。インナーテーブル(4)の上には、回転テーブル(6)がある。回転テーブル(6)の上に設けられたスロットは、固定プレート(2)の上に設けられた固定及び芯出し部材(21)の上で嵌合する。接続部材(81)が、固定及び芯出し部材(21)の上に位置する。接続部材(81)の上には、ロックユニット(8)がある。ロックユニット(8)がロックされるとき、回転テーブル(6)及び固定プレート(2)は互いにしっかりと係合するように固定される。回転テーブル(6)の上カバー(64)の上には、動力計(D)がある。
【0033】
動力計の回転テーブル(1)が固定されるとともにロックされるとき、ロックユニット(8)は固定プレート(2)と接続部材(81)との間に力を加える。そして、回転テーブル(6)は、固定プレート(2)の上で静止したままである。動力計(D)が回転しようとするとき、ロックユニット(8)は固定プレート(2)と接続部材(81)との間で力を加えない。このように、固定プレート(2)と回転テーブル(6)との間には、固定力が存在しない。インナーテーブル(4)の上に設けられたリフター(5)が、作動して回転テーブル(6)を持ち上げる。この時点では、負荷が、インナーテーブル(4)と固定プレート(2)との間に位置したスライダー(7)に作用する。そして、軸及び減速機(3)が、作動させられて、回転に必要な力を提供する。回転運動がスタートする。回転テーブル(6)及びインナーテーブル(4)が、一緒に回転し始める。回転運動がスライダー(7)の上で起こる。動力計(D)がそれの位置が変えられる場所に来るとき、軸及び減速機(3)が停止する。減速機(3)が停止するとき、回転テーブル(6)の運動も同様に停止する。リフター(5)は、回転テーブル(6)を低くする。接続部材(81)が、固定及び芯出し部材(21)の上に着座する。ロックユニット(8)が、互いにこれらの2つの部材(81と21)をロックする。そして、回転テーブル(6)及び固定プレート(2)が、互いに固定される。
【0034】
この発明の動力計の回転テーブル(1)は、制御装置(K)を介して完全に遠隔で操作されてもよいが、ボタンの助けによって手動で操作されてもよい。動力計(D)は、固定及び芯出し部材(21)、インナーテーブル(4)、回転テーブル(6)、ロックユニット(8)及び接続部材(81)の上に設けられたセンサの助けによって、安全に自動的に回転する。
【0035】
図に示される各構成要素は、以下のような参照番号が与えられる。
【符号の説明】
【0036】
1 動力計の回転テーブル
2 固定プレート
3 軸及び減速機
4 インナーテーブル
5 リフター
6 回転テーブル
7 スライダー
8 ロックユニット
9 位置決めボルト
21 固定及び芯出し部材
22 取付穴
31 軸の下固定部材
32 軸の上固定部材
41 ガイド部材
61 サービスウィンドウ
62 昇降片
63 ガイドスロット
64 上カバー
65 支持部材
81 接続部材
D 動力計
K 制御装置(不図示)
【国際調査報告】