特表2016-531013(P2016-531013A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-531013(P2016-531013A)
(43)【公表日】2016年10月6日
(54)【発明の名称】数値制御工作機械
(51)【国際特許分類】
   B23Q 11/14 20060101AFI20160909BHJP
   B23Q 1/72 20060101ALI20160909BHJP
【FI】
   B23Q11/14
   B23Q1/72 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-542309(P2016-542309)
(86)(22)【出願日】2014年9月11日
(85)【翻訳文提出日】2016年5月10日
(86)【国際出願番号】EP2014069403
(87)【国際公開番号】WO2015036488
(87)【国際公開日】20150319
(31)【優先権主張番号】13184339.3
(32)【優先日】2013年9月13日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】508067024
【氏名又は名称】ディエムジー・モリ・アクチェンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】DMG MORI AKTIENGESELLSCHAFT
(71)【出願人】
【識別番号】000146847
【氏名又は名称】DMG森精機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケーヒル,ローラント
(72)【発明者】
【氏名】ツィンマーマン,アントン
【テーマコード(参考)】
3C048
【Fターム(参考)】
3C048BB01
3C048EE02
(57)【要約】
発明は、機械ベッド1と、機械ベッド1の少なくとも一部を取囲むキャビン壁を有するキャビンと、少なくとも1つの成形要素2とを含む数値制御工作機械に関し、成形要素2は、実質的にパネル状の基本形状を有し、成形要素2とキャビン壁および/または機械ベッド1との間にキャビティ3が存在するように工作機械に取付けられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
数値制御工作機械であって、
平坦な床領域上にセットアップされ得る機械ベッド(1)と、
前記機械ベッド(1)によって支持されるキャビンと、
少なくとも前記平坦な床領域と前記キャビンのキャビン壁との間の前記機械ベッド(1)の下部を覆う成形要素(2)とを備え、
前記成形要素(2)は、前記機械ベッド(1)と前記成形要素(2)との間にキャビティ(3)が形成されるように前記工作機械に装着される、工作機械。
【請求項2】
前記成形要素(2)は、前記成形要素(2)の上部が前記機械ベッド(1)と前記キャビンの下部との間に配置されるように、前記平坦な床領域から前記機械ベッド(1)の上部まで実質的に延在することを特徴とする、請求項1に記載の工作機械。
【請求項3】
前記キャビンの前記下部は前記成形要素と接触していることを特徴とする、請求項2に記載の工作機械。
【請求項4】
前記成形要素(2)は、少なくとも前記機械ベッド(1)の前側に沿って前記機械ベッド(1)の前記下部を覆うことを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の工作機械。
【請求項5】
前記成形要素(2)は、前記機械ベッド(1)の2つ以上の側部に沿って前記機械ベッド(1)の前記下部を覆うことを特徴とする、請求項1から4のいずれか1項に記載の工作機械。
【請求項6】
前記成形要素(2)は、前記機械ベッド(1)を完全に取囲むように前記機械ベッド(1)の前記下部を覆うことを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の工作機械。
【請求項7】
前記成形要素(2)は金属および/またはプラスチック材料からなることを特徴とする、請求項1から6のいずれか1項に記載の工作機械。
【請求項8】
前記成形要素(2)は、前記機械ベッド(1)の外形に適合される1つ以上の押出断面成形シート(2a,2b)を備えることを特徴とする、請求項1から7のいずれか1項に記載の工作機械。
【請求項9】
前記成形要素(2)は、前記成形要素(2)の前記材料の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有するコーティング材料からなる表面コーティングを有することを特徴とする、請求項1から8のいずれか1項に記載の工作機械。
【請求項10】
前記表面コーティングは、前記キャビティ(3)に対向する前記成形要素(2)の表面上に設けられることを特徴とする、請求項9に記載の工作機械。
【請求項11】
前記成形要素(2)は、複数の取付要素(5a)によって、特にボルト(5a)によって前記機械ベッド(1)に取付けられ、前記取付要素(5a)は前記成形要素(2)から前記キャビティ(3)を通って前記機械ベッド(1)まで延在することを特徴とする、請求項1から10のいずれか1項に記載の工作機械。
【請求項12】
前記取付要素(5a)は、前記成形要素(2)の前記材料の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する材料からなることを特徴とする、請求項11に記載の工作機械。
【請求項13】
前記成形要素(2)は凹部(2c)を有しており、その結果、前記機械ベッド(1)に対する前記成形要素(2)の距離が変化し、前記凹部(2c)は前記成形要素(2)の下側エッジに形成されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか1項に記載の工作機械。
【請求項14】
ゴム縁部(2e)が前記成形要素(2)の下側エッジ(2d)に沿って取付けられ、前記成形要素(2)の前記下側エッジ(2d)と平坦な床領域との間の隙間をシールするように適合されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか1項に記載の工作機械。
【請求項15】
前記機械ベッド(1)は、水平方向に外側に延在して前記平坦な床領域上に置かれるように作用する機械ベッド足部(1a)を有し、前記成形要素(2)は凹部(2f)を有し、前記機械ベッド足部(1a)は前記凹部を通って延在することを特徴とする、請求項1から14のいずれか1項に記載の工作機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数値工作機械であって、特に当該工作機械の機械ベッドを当該工作機械の周囲温度の温度変化から保護する成形要素を含む数値制御工作機械に関する。
【背景技術】
【0002】
機械ベッド上に支持されている数値制御工作機械が先行技術において公知である。工作機械は機械キャビンによって外部に対して閉じられており、機械加工作業時にワークの周りに飛び散ってワークから飛ばされ得るチップ材料から、かつ跳ねる冷却材からオペレータを保護する。同時に、キャビンは、機械加工精度を歪ませ得る気流などの外部の影響からも保護する。しかし、従来の工作機械の欠点は依然として、工作機械の領域における一時的な温度変化が、特に工作機械の機械ベッドの熱変形につながり得ることである。これらのしばしば比較的小さい変形は、しかし、工作機械の機械加工精度を著しく低下させ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、数値制御工作機械の環境の温度変化に対する感度が低下した数値制御工作機械を作製することによって、さらに改良された機械加工精度を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は独立請求項に係る発明によって達成される。発明のさらなる好ましい展開は従属請求項に記載されている。
【0005】
発明の第1の局面によると、数値制御工作機械であって、平坦な床領域(たとえばショップフロア)上にセットアップされ得る機械ベッドと、機械ベッドによって(または機械ベッド上に)支持されるキャビンと、少なくとも平坦な床領域とキャビンのキャビン壁との間の機械ベッドの下部を覆う成形要素とを含み、成形要素は、機械ベッドと成形要素との間にキャビティが形成されるように工作機械に装着される工作機械が提案される。
【0006】
発明によって、断熱キャビティが、特に機械ベッドの下部のあたりに成形要素によって形成され得ることが可能となり、当該下部はキャビン自体によって保護されておらず、先行技術において公知の工作機械内で外部に露出している。キャビティの断熱特性によって、特に、発明に係る工作機械がセットアップされる機械工場内で一時的に起こる温度変化によって、機械ベッドの変形が大きく減少するか変形しないことが可能となる。そのような温度変化は、たとえば、機械工場の門を開けなければならず、床近くの温度降下が極めて急速に起こり得る冬に起こり得る。温度変化によって引起される機械ベッドの変形が防止されるため、ワークの機械加工作業の精度がしたがってさらに増加するか、少なくともより高い程度まで保証される。
【0007】
成形要素は、好ましくは、特に好ましくは成形要素の上部が機械ベッドとキャビンの下部との間に配置されるように、平坦な床領域から機械ベッドの上部まで実質的に延在する。キャビンの下部は成形要素と接触していることが特に好ましい。成形要素とキャビンとのそのような直接的な移行のため、機械ベッドは、短時間起こる温度変化の場合に短時間の外部の温度変化から保護されるか、少なくとも断熱される。
【0008】
成形要素は、好ましくは、少なくとも機械ベッドの前側に沿って、機械ベッドの2つ以上の側部に沿って、機械ベッドの下部を、またはさらには、機械ベッドの全周を取囲むことによって機械ベッドの下部を覆う。
【0009】
成形要素は好ましくは金属および/またはプラスチック材料からなる。
成形要素は、好ましくは、機械ベッドの外形に好ましくは適合される1つ以上の押出断面成形シートを含む。
【0010】
成形要素は、好ましくは、成形要素の材料の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有するコーティング材料からなる表面コーティングを有する。したがって、キャビティの断熱作用がさらに改良され得る。表面コーティングは、ここでは好ましくは、キャビティに対向する成形要素の表面上に設けられる。
【0011】
成形要素は、好ましくは、複数の取付要素によって、特にねじまたはボルトによって機械ベッドに取付けられ、取付要素は、好ましくは、成形要素からキャビティを通って機械ベッドまで延在する。取付要素は、ここでは好ましくは、成形要素の材料の熱伝導率よりも低い熱伝導率を有する材料からなる。したがって、機械ベッドはさらに改良され、外部の温度変化および/または成形要素の温度の温度変化から保護され得る。
【0012】
成形要素は、好ましくは凹部を有しており、その結果、成形要素から機械ベッドまでの距離が変化し、凹部は成形要素の下側エッジに形成される。これによって、オペレータの前足領域用の空間を作ることができるため、機械のユーザが凹部の位置において機械により近づくことができる。
【0013】
ゴム縁部が、好ましくは、成形要素の下側エッジに沿って装着され、成形要素の下側エッジと平坦な床領域との間の隙間をシールするのに適している。この利点は、ショップフロアの平坦性の軽微な不完全性の場合であっても、キャビティが作業場の床領域において空気または気流から保護され、機械ベッドの熱保護および断熱が外部に対してさらに改良され得ることである。
【0014】
機械ベッドは、好ましくは、水平方向に外側に延在して平坦な床領域に置かれる機械ベッド足部を有し、成形要素は凹部を有し、機械ベッド足部は凹部を通って延在する。
【0015】
発明のさらなる有利な局面を以下に記載する。例示的な実施形態によると、数値制御工作機械は、機械ベッドと、キャビン壁を有するキャビンとを有し得る。キャビン壁は機械ベッドの少なくとも一部を取囲み得る。さらに、工作機械は、実質的にパネル状の基本形状を有し得る少なくとも1つの成形要素を有し得る。成形要素は、成形要素とキャビン壁および/または機械ベッドとの間にキャビティが形成され得るように工作機械に固定され得る。
【0016】
これによって、断熱キャビティが成形要素によって、特に機械ベッドのあたりに作られ得ることが有利に可能となる。キャビティの断熱特性によって、特に、発明に係る工作機械がセットアップされる機械工場内で一時的に起こる温度変化によって、機械ベッドの変形が減少するか変形しないことが可能となる。そのような温度変化は、たとえば、機械工場の門を開けなければならない冬に起こり得る。温度変化によって引起される機械ベッドの変形が防止されるため、ワークの機械加工作業の精度がさらに増加するか、少なくともより高い程度まで保証される。
【0017】
さらに、成形要素は、機械ベッドの下部上に、機械ベッドの予め定められた高さまで配置され得る。キャビティは機械ベッドと成形要素との間に配置され得る。
【0018】
機械ベッドの下部は、好ましくは、機械が置かれるショップフロアの方向に配置される機械ベッドの領域、またはそれによって機械がセットアップされる領域を指定する。好ましい予め定められた高さは1cmから50cm、より好ましくは10cmから30cmの範囲内である。50cmよりも大きい、または1cmよりも小さい値も可能である。予め定められた高さは、好ましくは、ショップフロアから、または機械ベッドもしくは工作機械自体が置かれている平面から開始して測定される。
【0019】
代替的にまたは付加的に、キャビンは機械ベッドの底部を完全に取囲んでもよい。そして、成形要素がキャビン壁の外側および/もしくは内側に装着されてもよいし、または成形要素がキャビン壁の内部の機械ベッドに、すなわちキャビン壁と機械ベッドとの間に取付けられる。
【0020】
特にキャビティが機械ベッドと成形要素との間に形成される場合、機械ベッドの変形を直接もたらす温度変化が特に効果的に防止され得る。これは特に、底部の領域における冷気流量に関して有用である。たとえば機械工場の門が開いたために起こる温度変化は、通常は床近くを流れる冷気質量によって生じる。したがって、底部全体の一部を囲むことは、機械ベッドが成形要素および/またはキャビティによってこの領域内で特に良好に断熱されるという好ましい効果を有する。
【0021】
キャビンは成形要素の上方に配置され得る。成形要素はショップフロアとキャビンとの間に配置され得る。この場合、機械ベッドは、成形要素および/またはキャビティによって底部の温度変化から保護される。キャビン壁は、複雑な設計でショップフロアまで延在する必要はない。成形要素は、機械ベッドの一方の側壁のみを部分的にもしくは完全に、または複数の側壁を覆い得る。もちろん、成形要素は機械ベッドを完全に取囲んでもよい。
【0022】
成形要素の一部がさらに、キャビンと機械ベッドとの間に配置され得る。つまり、成形要素のみが機械ベッドの下部に設けられ、キャビン壁はこの下部の上方に配置される機械ベッドまたは工作機械の一部において外側に配置される。成形要素は、キャビン壁と機械ベッドとの間のこの上部に配置される。この利点は、成形要素とキャビン壁との間の移行において隙間および/または開口部が安全に回避され得ることである。
【0023】
さらに、成形要素は、少なくとも機械ベッドの側壁に配置され得る。成形要素は、付加的にまたは代替的に、後壁の少なくとも一部および/またはキャビンの少なくとも一方の側壁の少なくとも一部を覆ってもよい。成形要素は機械ベッドを完全に取囲んでもよい。
【0024】
一般的な法則では、キャビン内部の改良された断熱は、形成されるキャビティの体積が大きくなるほど、または成形要素によって覆われる機械ベッドの表面積が大きくなるほど、キャビン環境に対して達成され得る。したがって、キャビン環境の温度変化がキャビン内部の温度変化につながることがさらに良好に防止され得る。これは、特に、短時間起こって機械ベッドの短時間の変形をもたらす変化に関して望ましい。
【0025】
さらに、成形要素は、成形要素およびキャビン壁および/または機械ベッドが外部に対して閉じられたキャビティを形成するように、キャビン壁の形状に適合され得る。
【0026】
外部に対して閉じられたキャビティとは、キャビティとキャビティの外部の環境との間で交換される空気質量が実質的にないか、少量のみであることを意味する。これによって、たとえばキャビティ内の一定のエアクッションの形成が可能となり、キャビティを通る熱流を効果的に減少させることができる。
【0027】
また、キャビティは空気で充填され得るか、真空にされ得る。さらに、材料がキャビティの内部に配置され得、予め定められた熱伝導率を超えない。空気は小型ポンプによって真空排気され得る。
【0028】
上記に説明したように、特に外部に対して閉じられているキャビティの給気によって、小さい伝熱係数、およびしたがって良好な断熱がもたらされる。断熱に関する別の改良点が真空キャビティによって達成され得る。本明細書中の「真空にされた」という用語は、キャビティが真空を含むことを意味する。ここでは低真空によって既に伝熱係数の好ましい減少がもたらされる。
【0029】
さらに、成形要素は、金属および/またはプラスチック材料で構成され得るか、当該材料を含み得る。
【0030】
金属材料は、金属曲げ等の、特にあまり複雑でない作業工程における成形要素の良好な生産能力に関して好ましい。プラスチック材料も所望の成形に関して処理され得、プラスチックの熱伝導率は通常は比較的低いというさらなる利点を有する。したがって、成形要素の断熱特性がさらにサポートされ得る。
【0031】
さらに、成形要素は、曲げによって工作機械のキャビンの外形に適合され得る押出断面成形シートであり得る。付加的にまたは代替的に、成形要素は複数の個別の要素からなってもよい。
【0032】
製造技術に関するこの柔軟性によって、特に、付加的な複雑な製造努力なしで成形要素が工作機械またはキャビン壁または機械ベッドの実質的にいずれの外形にも適合可能となる。
【0033】
さらに、成形要素は、好ましくは、キャビティの内部に配置され得る表面上のコーティングを有し得る。コーティングは、予め定められた最大熱伝導率を下回り得る熱伝導率を有する材料を含み得る。
【0034】
したがって、付加的な熱障壁が提供され、これは成形要素および結果として生じるキャビティを通る熱流をさらに減少させる。W/mKで表わされる予め定められた最大熱伝導率はここでは好ましくは3未満であり、W/mKで表わされる予め定められた最大熱伝導率はより好ましくは1未満である。たとえば、プラスチック材料がコーティング用材料として好ましい。
【0035】
さらに、成形要素は工作機械から取外され得、ならびに/または押込および/もしくは摩擦接続部によって工作機械に固定的に取付けられ得る。成形要素は好ましくは機械ベッドに接続され得る。成形要素を取付けるために、少なくとも1つのボルトを用いることが好ましい。
【0036】
これによって、たとえばねじ接続またはスナップ式接続による成形要素の工作機械へのあまり複雑でない迅速な取付けと、同時に、たとえば工作機械に対して必要なメンテナンス作業が発生した場合の迅速な取外しとが可能となる。次に、ボルトによって、あまり複雑でない永久的な確実な固定が可能となる。
【0037】
さらに、成形要素は凹部を有しており、その結果、成形要素の長手方向に沿った機械ベッドまでの成形要素の距離は、成形要素が機械ベッドに装着されると変化し得る。
【0038】
つまり、成形要素が機械ベッドのたとえば前側を覆う場合、前側は、成形要素が他の部分においてよりも機械ベッドの近くに配置される部分を含む。工作機械のオペレータは工作機械の作業領域において機械にできる限り近づくことができなければならないため、これは特にこの作業領域において有利である。この領域において成形要素が機械ベッドにより近づいて当接すると、オペレータは成形要素によって邪魔をされない。
【0039】
さらに、ショップフロアに対して並べられ得る成形要素の一部はゴム縁部を有し得る。この利点は、ショップフロアの平坦性の不完全性を補償すること、かつショップフロア上の成形要素の最適な当接を保証することも可能であることである。したがって、ショップフロアと成形要素との間の隙間または開口部が安全に防止され、成形要素および/またはキャビティの最適な断熱効果が可能となる。
【0040】
さらに、成形要素は、たとえば内部に機械ベッド足部を受ける凹部を有し得る。これは、足部上の工作機械の安全なセットアップ、および成形要素による最適な断熱効果の両方を保証する役割を果たす。
【発明の効果】
【0041】
要約すると、発明によってこのように、特に機械ベッドの温度変化およびしたがって引起される変形に対する感度を低下させることによって達成可能な製造精度に特に関して、工作機械をさらに改良することが可能となる。
【0042】
添付の概略図に関して発明を一例として以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】発明に係る成形要素の2つの3D図である。
図2】工作機械の機械ベッド上に配置されている成形要素の側面図である。
図3】工作機械の機械ベッドに取付けられている成形要素の上面図である。
図4】機械ベッド上に配置されている発明に係る成形要素のさらなる側面図、および拡大部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
本発明のさまざまな例を図面を参照して以下に詳細に説明する。図中の等しいまたは同様の要素にはここでは等しい参照符号を付している。しかし、本発明は記載されている実施特徴に制限されず、独立請求項の範囲内で記載されている例の特徴の変形および異なる例の特徴の組合せをさらに含む。
【0045】
図1は、数値制御工作機械のより良い断熱のための熱シールドとして用いられる、発明に係る成形要素2の2つの斜視図を示す。図示される成形要素2は、互いにL字状に配置される2つのパネル状要素2aおよび2bを含む。2つの要素2a,2bは、L字の角の点を介して互いに固定的に接続される。代替的に、成形要素2は一体成形されてもよい。L字によって、長い方の要素2bを機械ベッド1の前側に割当てることが可能となる。短い方の要素2aは機械ベッド1の側壁の前に配置され得る。
【0046】
図1における2つの図示から以下のように、成形要素2は2つの大きい方の凹部2fを有し、これらは、凹部2fが機械ベッド足部1aを収容可能なように配置される。さらに、成形要素2の2つの図示は、成形要素2の短い方の要素2aが、成形要素2が組立てられるとショップフロアの方向に配置される成形要素2の下部に設けられる凹部2cを有することを示している。成形要素2が機械ベッド1または機械ベッド1の側壁4に装着されると、凹部2cは側壁4と成形要素2の内壁との間の距離を減少させる。これは、オペレータが工作機械を操作する際に成形要素2がオペレータの邪魔になることが凹部2cによって防止されるという事実に関して特に有利である。具体的には、これらの凹部2cはオペレータの足を受けることができ、その結果、オペレータは工作機械に非常に近づくことができる。
【0047】
さらに、個別の要素2aには、機械ベッド1との押込および/または摩擦接続部5を形成するためのボルト5aを受ける受け部が設けられる。さらに、図1は、成形要素2の端領域2gが、成形要素が形状に関してできる限り正確に機械ベッド1に取付けられ得るように適合される形状を有することを示している。たとえば、2つの端領域2gは、たとえば成形要素2が工作機械のキャビン壁とできる限り精密に噛み合うことを可能にする角度がついた領域を有する。
【0048】
さらに、図1の右側の図示は、成形要素2の内壁の領域に、成形要素2のより良い構造強度を保証する補強材が設けられることを示している。
【0049】
さらに、図2は、機械ベッド1に装着された状態の成形要素2を示す。図2の側面図は、図1において2bで示されている成形要素2の部分を示す。示される成形要素2は、その組立てられた状態において、機械ベッド1の少なくとも下部の全体を覆い、機械ベッド1の足部1aはぴったりとフィットするように凹部2fに挿入される。足部1aと凹部2fのエッジとの間に任意に存在する隙間は、シーリング材によって完全に閉じられ得る。
【0050】
さらに、図2は、成形要素2の下部に配置される凹部2cの構成を示す。ゴム縁部2eが下部の下方に配置される。ゴム縁部2eによって、成形要素2が、工作機械が置かれるショップフロアとできる限りぴったりとフィットするように終端することが可能となる。したがって、成形要素2と機械ベッド1の側壁4との間のキャビティ3は、たとえばコールドドラフトからできる限り良好に保護される。これによって、工作機械がセットアップされる作業場の一時的な温度変化に関しても機械ベッド1の最適な断熱が可能となる。ゴム縁部2eは実質的に成形要素2の全長に沿って延在するが、図2に示されるように機械ベッド足部1aの領域において中断されてもよい。
【0051】
さらに、図2は、成形要素2の凹部2fの形状を詳細に示す。図2の機械ベッド足部1aがその中に示されている第1の凹部2fは、下方がチャネル状部分に隣接している実質的に矩形の領域を有する。チャネル状部分の領域は、ショップフロアに置かれる機械ベッド足部1aの部分を収容する。成形要素2のエッジ領域に配置される別の凹部2fは、実質的に階段形状を有する。
【0052】
図3は、機械ベッド1によって接続部5に固定的に接続される成形要素2の上面図を示す。接続部5は、好ましくは、成形要素2を機械ベッド1の少なくとも一方の側壁4に保持するボルト5aからなる。図3の図示は、機械ベッド1の少なくとも2つの側壁4が成形要素2の2つの個別の要素2a,2bのL字のために成形要素2に覆われており、その結果、成形要素2の内壁と機械ベッド1の上記2つの側壁4との間にキャビティ3が形成されることを示している。このキャビティ3は空気で充填され得るか、部分的に真空にされ得る。
【0053】
図4は別の側面図、すなわち、接続手段5によって機械ベッド1の上端に取付けられている図1に係る個別の要素2aの側面図を示す。「A」とマークされている成形要素2の部分は、図4の拡大部分図「A」にも示されている。この部分図は、ボルト5aによる成形要素2の取付け、および凹部2f内の機械ベッド足部1aの構成を示している。さらに、ゴム縁部2eが上に配置されている成形要素2の下部2dが示されている。示されるように、かつ特に部分図「A」に開示されているように、ゴム縁部2eは、たとえば接着ボンドによって平坦な態様で成形要素2の部分2dに接続される。
【0054】
最後に、熱シールドとして用いられる成形要素2は、特に工作機械の機械ベッド1を工作機械のセットアップ領域における短時間の温度変化からより良く保護することによって、製造品質を低下させることになる機械ベッド1の短時間の変形を減少させるか防止すると要約される。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】