(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-531217(P2016-531217A)
(43)【公表日】2016年10月6日
(54)【発明の名称】運動用ブラ
(51)【国際特許分類】
A41C 3/12 20060101AFI20160909BHJP
A41C 3/00 20060101ALI20160909BHJP
【FI】
A41C3/12 A
A41C3/00 A
A41C3/00 B
A41C3/12 D
A41C3/12 C
A41C3/12 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-536343(P2016-536343)
(86)(22)【出願日】2014年8月18日
(85)【翻訳文提出日】2016年4月18日
(86)【国際出願番号】US2014051422
(87)【国際公開番号】WO2015026695
(87)【国際公開日】20150226
(31)【優先権主張番号】13/971,931
(32)【優先日】2013年8月21日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】510132406
【氏名又は名称】エイチビーアイ ブランデッド アパレル エンタープライゼズ,エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】HBI Branded Apparel Enterprises,LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100097320
【弁理士】
【氏名又は名称】宮川 貞二
(74)【代理人】
【識別番号】100155192
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 美代子
(74)【代理人】
【識別番号】100100398
【弁理士】
【氏名又は名称】柴田 茂夫
(74)【代理人】
【識別番号】100131820
【弁理士】
【氏名又は名称】金井 俊幸
(72)【発明者】
【氏名】ブラック,カレン ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】ブラウン,ジュエル エル.
【テーマコード(参考)】
3B131
【Fターム(参考)】
3B131AA11
3B131AA30
3B131AB02
3B131AB03
3B131AB05
3B131AB09
3B131AB10
3B131BA17
3B131BA21
3B131BA41
3B131BB05
3B131BB34
3B131CA12
3B131CA17
3B131CA20
(57)【要約】
ブラは、前部と、後部と、胴体バンドと、一対の肩ストラップを含む。前部のエリアには、内側生地層と、外側生地層と、中間生地層とが選択的に設けられている。中間生地層は相対的にサポート力のある素材から形成されており、着用者の胸の上部及び側面に沿って位置するように構成されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
着用者の胸を覆うように構成された前部と;
前記着用者の胴体を囲むように、前記前部に接続された後部と;
前記前部及び前記後部の下縁に沿って取り付けられた胴体バンドと;
前記前部と前記後部との間に接続された一対の肩ストラップとを備え;
少なくとも前記前部のカバー領域は、外側生地層と、内側生地層と、前記内側生地層と前記外側生地層との間に配設されたサポート力のある中間生地層とを備え、
前記中間生地層は、前記カバー領域の上部に配置された少なくとも1つの第1の部分と、前記着用者の胸の側面に合った位置に配置された一対の第2の部分とを備える、
ブラ。
【請求項2】
前記第1の部分は、その中心から下へ向かって延在し、前記ブラが着用された際には前記着用者の概ね胸の間に位置するストリップを含む、
請求項1に記載のブラ。
【請求項3】
前記中間生地層は、第1の程度の伸びを有する第1の生地を備え、
前記内側生地層及び前記外側生地層は、第2の程度の伸びを有する第2の生地を備え、
前記第1の程度の伸びは、前記第2の程度の伸びよりも小さい、
請求項2に記載のブラ。
【請求項4】
第1の生地は、メッシュを備える、
請求項3に記載のブラ。
【請求項5】
前記前部のブレース領域は、2層のメッシュを備え、
前記ブレース領域は、少なくとも一部が、前記カバー領域と前記胴体バンドとの間に配置される、
請求項4に記載のブラ。
【請求項6】
前記中間生地層と前記前部の前記ブレース領域は、一対の実質的に環状のサポートポケットを形成する、
請求項5に記載のブラ。
【請求項7】
前記前部は、前記カバー領域の上部から延在する一対の肩部を含み、
前記肩部は、各肩ストラップに接続される、
請求項1に記載のブラ。
【請求項8】
前記肩部は、前記外側生地層と、前記内側生地層と、前記外側生地層と内側生地層との間に配設されたゲル層とを含む、
請求項7に記載のブラ。
【請求項9】
前記胴体バンドは、けば立て加工された生地を備える、
請求項1に記載のブラ。
【請求項10】
前記けば立て加工された生地は、ポリエステル及び綿のうちの少なくとも一方を備える、
請求項9に記載のブラ。
【請求項11】
前記胴体バンドは、外側面と内側面とを有し、
前記内側面は、隆起したセルを有するハニカムパターンを備える、
請求項9に記載のブラ。
【請求項12】
前記胴体バンドには、放湿性を高めるための処理が施された、
請求項9に記載のブラ。
【請求項13】
少なくとも前記内側生地層と前記外側生地層に、温度上昇とともに放湿性を高めるための処理が施された、
請求項1に記載のブラ。
【請求項14】
前記後部は、本体部と接続体部とを更に備え;
前記本体部は、前記胴体バンドに取り付けられた下縁と、前記胴体バンドから間を隔てて配置された上縁とを備え、
前記本体部は、前記胴体バンドに沿って配設されて前記前部の両側に結合し、
前記接続体部は、前記胴体バンドから上方へ向かって突出して前記肩ストラップに接続し、
前記接続体部は、その下縁及び上縁において前記胴体バンドに取り付けられている、
請求項1乃至13のいずれかに記載のブラ。
【請求項15】
前記接続体部は、メッシュ生地を備え、
前記中間生地層は、前記接続体部のメッシュ生地と同一のメッシュ生地を備える、
請求項14に記載のブラ。
【請求項16】
前記前部は、前記カバー領域の上部から延在する一対の肩部を更に備え、
前記肩部は、各肩ストラップに接続され、
前記肩ストラップは、長さを調節できる、
請求項14に記載のブラ。
【請求項17】
着用者の胸を覆うように構成された前部と;
前記着用者の胴体を囲むように前記前部に接続された後部であって、本体部と接続体部とを備える後部と;
胴体バンドと;
前記前部と前記後部との間に接続された一対の肩ストラップとを備え;
前記本体部は、前記胴体部に取り付けられた下縁と、前記胴体バンドから間を隔てて配置された上縁とを備え、
前記本体部は、前記胴体バンドに沿って配設されて前記前部の両側面に結合し、
前記接続体部は、前記胴体バンドから上方へ向かって突出し、前記肩ストラップに接続し、
前記接続体部は、前記本体部に、その下縁及び上縁において取り付けられる、
ブラ。
【請求項18】
前記前部は、外側生地層と、内側生地層と、前記内側生地層と前記外側生地層との間に配設されたサポート力のある中間生地層とを有するカバー領域を備え、
前記中間生地層は、前記カバー領域の上部に配置された少なくとも1つの第1の部分と、前記着用者の胸の側面に合ったように配置された一対の第2の部分とを備える、
請求項17に記載のブラ。
【請求項19】
前記接続体部は、メッシュ生地を備え、
前記サポート力のある中間生地層は、前記接続体部と同一のメッシュ生地を備える、
請求項18に記載のブラ。
【請求項20】
前記メッシュ生地は、第1の程度の伸びを有する第1の生地を構成し、
前記内側生地層及び前記外側生地層は、少なくとも第2の程度の伸びを有する第2の生地を備え、
前記第1の程度の伸びは、前記第2の程度の伸びよりも小さい、
請求項19に記載のブラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、補整下着(ファウンデーションガーメント)、特にブラジャーに関し、より詳細には、快適性及び/又はサポート(支持)が改善されたブラ、主として運動用ブラを提供する。
【背景技術】
【0002】
ブラジャー、特に運動用又はスポーツブラには様々な構造のものがある。一般に、これらのスポーツブラは、運動中の胸の動きを減らすため、多くの場合は圧迫によって、女性の胸に対してより高いサポート力を提供するように設計されている。場合によっては、所望のレベルのサポートとコントロール(制御)を得るために、1つ以上のブラを同時に着用する必要のある女性がいることも知られている。胸が小さめの女性であっても、特に運動中の着用者の胴体部のずれによって、着用者のブラが不快になる状況が発生することもある。よくある苦情は、ブラジャー素材が着用者の肌を擦ってしまう、胴体バンドが望まずとも上下に動いてしまう、汗に対応できていない等である。
【0003】
従来技術の上記問題点の1つ以上を改善したブラ、特には運動用ブラ、が必要とされている。
【発明の概要】
【0004】
少なくとも第1の実施の形態のブラは、ここで開示するように、着用者の胸を覆うように構成された前部と、着用者の胴体を囲むよう、前部に接続された後部と、前部と後部の下縁に沿って取り付けられた胴体バンドとを有する。少なくともこの第1の実施の形態において、ブラは、ブラの前部を形成する内側層と外側層との間に配設されたサポート力のある支持用生地層を含む。サポート力のあるこの生地層は、前部の上部に位置する少なくとも1つの第1の部分と、着用者の胸の両側に合うように配置された一対の第2の部分とを含む。
【0005】
少なくとも第2の実施の形態のブラは、ここで開示するように、着用者の胸を覆うように構成された前部と、着用者の胴体を囲むよう、前部に接続された後部と、前部と後部の下縁に沿って取り付けられる胴体バンドとを有する。少なくともこの第2の実施の形態において、ブラの後部は、胴体を取り囲む部分と接続体部分とを含む。胴体を取り囲む部分は、胴体バンドに取り付けられた下縁と、胴体バンドから間を隔てた上縁とを有する。胴体を取り囲む部分は胴体バンドに沿って配設され、前部の両側と結合される。接続体部は、胴体バンドから上方へ向かって突出し、胴体と、胴体を取り囲む部分の上縁とで縫い付けられる。
【0006】
本発明のこれらの態様及び他の態様は、下記の好ましい実施の形態の説明及び添付図面から当業者には明らかになるであろう。なお、言うまでもなく、上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は単なる説明であり、ここに請求(クレーム)する発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、本開示の実施の形態に係るブラの外側の正面図である。
【0008】
【
図2】
図2は、本開示の実施の形態に係るブラの外側の背面図である。
【0009】
【
図3】
図3は、本開示の実施の形態に係るブラの内側の正面図である。
【0010】
【
図4】
図4は、本開示のブラの幾つかの実施の形態における中間層の概略正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示における例示の実施の形態について、下記に説明するとともに添付図面に示すが、いくつかの図を通して同様の部材には同様の符号を付している。記載の実施の形態は例であって、本発明の範囲を限定するものではないと解釈すべきである。他の実施の形態や、既述の実施の形態の変更及び改良は、当業者であれば想到し得るものであり、そのような他の実施の形態、変更及び改良は本発明の範囲に含まれる。一の実施の形態又は態様の特徴を他の実施の形態又は態様と適切に組み合わせることも可能である。例えば、方法の態様又は実施の形態の個別的又は集合的な特徴を、装置、製品又は構成部品の態様又は実施の形態に適用でき、その逆も可能である。
【0012】
ここで用いられているように、用語「内部の(inner)」及び「内側の(inside)」は、諸用品や諸形状が着用者の体又は肌から相対的に近くにあることを示すべく用いられる。他方、用語「外部の(outer)」又は「外側の(outside)」は、諸用品や諸形状が他の要素に対して、着用者の体又は肌から相対的に遠くにあることを示すべく用いられる。さらに、用語「上側の(upper)」、「上向きの(upward)」、「上の(top)」、「の上方の(above)」等は、諸用品や諸形状が相対的に着用者の頭部又は肩周りにあることを示すべく用いられる。他方で、用語「下側の(lower)」、「下向きの(downward)」、「下の(bottom)」、「の下方の(below)」等は、使用時に、諸用品や諸形状が相対的に着用者の腰部又は臀部寄りにあることを示すべく用いられる。
【0013】
図面、特には
図1及び
図2を参照して、本開示の実施の形態に係るブラ1について説明する。ブラ1は、前部100と、後部200と、胴体バンド300と、一対の肩ストラップ400とを含む。図示の実施の形態において、ブラ1は概ねスポーツブラ又は運動用ブラとして示されている。しかし、ユーザーは、ここで述べる特徴を持つブラ1を自ら選択して、いつどんな活動にも着用してもよい。すなわち、ここに開示するブラ1は、着用者が運動しているときだけでなく、どのような場合でも快適性とサポートをもたらすことが分かる。
【0014】
図1に示すとおり、ブラ1の前部100は複数の部分を画成することができる。これらの部分とは、バスト(胸部)領域110と、ブレース領域150と、一対の側面領域180と、一対の肩部170とを含む。バスト領域110は、前部100の大半を包含するよう構成されている。バスト領域110は、着用者のバスト又は胸を覆うようになされている。バスト領域110を着用者の胸に合わせてモールド成形又は整形することにより、別体のカップをあらかじめ決めておくことは任意である。バスト領域110の少なくとも一部は、少なくとも三層構造になっており、外側生地層115と、内側生地層120(
図2を参照)と、中間生地層125(
図4を参照)とを有する。外側生地層115及び内側生地層120は、約82%ナイロンと18%スパンデックストリコットを有する編生地を備えるようにすることができる。しかしながら本開示は、内側及び外側生地層にそのような生地を使用することに限定されるものではなく、他の適切な生地も本開示の範囲内であり、例えば、レーヨン、ポリエステル、ポリプロピレン、及び他のエラストマ糸からなる生地も含む。好ましくは、外側生地層115及び内側生地層120にはトリートメント又はコーティングが施されて、層は、肌からの湿気の放湿性が強化されている。より好ましくは、着用者がトレーニングをしているときのように、ブラ1の周辺温度が上昇するにつれて生地の放湿性が高まるようにする。温度依存性の所望の放湿性が得られるそのようなトリートメントとしては、スイスのZurzackのHeiQ Materials AGのAdaptive
TM(商標)が挙げられる。
【0015】
図4に最も良く示すように、中間生地層125は、外側生地層115と内側生地層120との間に配設されてサポート構造を提供する。中間生地層125は生地を備え、好ましくはメッシュ(網目状の織物)であり、一の実施の形態においてメッシュ生地はナイロン83%、スパンデックス17%から形成される。しかし本開示は、中間層にそのような生地を使用することに限定されるものではなく、他の適切な生地も本開示の範囲内であり、例えば、レーヨン、ポリエステル、ポリプロピレン、及び他のエラストマ糸からなる生地も含む。
【0016】
上記の内容から分かるように、中間生地層125は、内側生地層120及び外側生地層115と比べてナイロンの比率が高い。メッシュ構造を採用し、ナイロンの比率を高めることで、内側生地層120及び外側生地層115と比較して、より弾性係数の高い、すなわち、伸び(stretching、ストレッチ)に対して耐性のある中間生地層125を得ることができる。すなわち、中間生地層125は伸びがより小さい方がよい。中間生地層125は弾性係数が高いので、ブラ1の着用者の胸に対する中間生地層125のサポート力が向上する。各メッシュ構造は比較的粗い生地になってしまうため、内側及び外側生地層の間に配設して、着用者の肌に直接触れるのを減らし、擦れを防ぐ。
【0017】
さらに
図4を参照して、中間生地層125によって画成されたサポート構造は、第1の上部分130と一対の第2の下部分140とを含む。第1の部分130は、カバー領域110の上部に合うように構成されており、着用者の胸の概して上方に位置するようになっており、着用者の胸の上下動に対しブラのコントロールが強化される。実施の形態によっては、追加のストリップ135が第1の部分130の中央近傍から下に向けて延在する。後で、この追加のストリップ135は着用者のほぼ胸の間に配設されることになる。一対の第2の下部分140は、着用者の胸の側面に合うように配置されており、着用者の胸の横方向の動きに対するブラのコントロールが強化される。
【0018】
さらに
図4を参照すると、少なくとも幾つかの実施の形態において、中間生地層125は少なくとも一部で、一対の概ね環状の、すなわち中央部が開いたサポートポケット160を画成する。そのような構造により、ブラ1の全体としての嵩を減らすことができ、また、中間生地層125の一部を比較的湿度の高いエリアに位置させる。また、中間生地層125を形成するメッシュを用いることにより、そのような比較的湿度の高いエリアにおけるブラ1の通気性は向上する。
【0019】
図1に戻ると、前部100は更にバスト領域110の下側及び横側の周辺にブレース(補強)領域150を備え、ブラ1を着用した際に着用者の胸の下と横側のサポートをもたらすように構成されている。ブレース領域150は前部100の底部を形成し、胴体バンド300に縫い付けることができる。好ましくは、ブレース領域150は、中間生地層125を形成するために使用するメッシュのような、少なくとも1枚のサポート生地の層によって画成される。ブレース領域150は環状サポートポケット160の一部も画成し、中間生地層125の素材で完結する。一の実施の形態において、ブレース領域150の少なくとも一部に中間生地層125を形成する際に使用するサポートメッシュ生地が2層含まれている。好ましくは、ブレース領域150の中央は二層のメッシュを含み、多孔性メッシュを用いることによりこのエリアでの通気性が向上する。
【0020】
前部100は更に肩部170を備える。肩部170は、バスト領域110から延在する外側生地層115と内側生地層120とを含むことができる。好ましくは、バスト領域110の外側生地層115と両方の肩部170とは一枚の生地で形成する。しかし、複数の生地を縫い合わせたり、別の方法で結合することも可能である。一の実施の形態において、肩部170は、外側生地層115と内側生地層120との間に配設されたゲル層175を含む。ゲル層175は、着用した際にブラ1の肩部最高部またはその近傍において緩衝体として機能する。
【0021】
前部100は更に、バスト領域110の横方向外側にそれぞれ配設された一対の横領域180を備えてもよい。また、任意で、ブレース領域150の横方向外側であってもよい。横領域180は、前部100から後部200への移行部として機能する。実施の形態によっては、横領域180を形成する生地を積層して安定性を高めてもよい。用いることができるラミネート層の1つは、デラウェア州MiddletownのDelStar Technologies, Inc.が製造するDelnet(登録商標)フィルム(製品番号#PQ218NAT)である。
【0022】
図2を参照すると、ブラ1は後部200を含む。後部200は一般的に、着用者の背中に沿って着用されるよう構成されたブラ1の一部と考えられる。後部200は一対の横領域180の間を横方向に延びて、後部200を前部100に接続する。後部200は、胴体バンド300と一対の肩ストラップ400との間にも延びている。後部200は本体部210と接続体部240とを有することができる。本体部210は、下縁215と上縁220とを含む。一の実施の形態において、下縁215は胴体バンド300に縫い付けられるか、他の周知の結合又は接合技術により取り付けられる。上縁220は、胴体バンド300から間を隔てた上方に位置する。一の実施の形態において、本体部210は、中間生地層125で用いるメッシュでできている外側層と、前部100の内側生地層120と同じ素材の内側層との二層構造とすることができる。
【0023】
さらに
図2を参照すると、接続体部240は本体部210とは別に形成されて、本体部210に結合されている。接続体部240は、胴体バンド300から上方へ向かって突出するように配設され、例えば、コーティングされた金属からなるスライダ(長さを調節する環)410を用いて、肩ストラップ400に接続されてもよい。一の実施の形態において、接続体部240は、胴体バンド300と本体部210の下縁215との間の縫い目、及び本体部210の上縁220でブラ1に取り付けられている。接続体部240は、本体部210の上縁220で、ブラ1にステッチ245で取り付けられてもよい。好ましくは、接続体部240はこの2ケ所だけで本体部210に取り付けられる。それ以外の場合は、本体部210には取り付けない。
【0024】
接続体部240は、着用者の肩甲骨の間に快適に位置するようにして、擦れの可能性を更に低減するために、幅を狭く構成されている。接続体部240は二層構造を含んでもよく、各層は中間生地層125で用いるメッシュ生地を備える。
【0025】
図2及び
図3において、外側面305と内側面310とを有する胴体バンド300は、ブラ1の性能を向上させる特徴を含むことができる。一の実施の形態において、胴体バンド300はポリエステル及びナイロンの少なくとも一方を含む、けば立て加工された素材からなる。けば立て加工された素材の性質により、肌触りは滑らかになり摩擦と擦れが減少する。胴体バンドのけば立て加工された素材は、香港のKwai ChungのRegina Miracle International, Ltd. から入手することができる。胴体バンド300は生地の放湿性を向上させる処理がされてもよい。
【0026】
更に
図3を参照すると、一の実施の形態において、胴体バンド300は密集したハニカムパターンを含んで構成されている。
図3に示すように、ハニカムパターンのセル315は、胴体バンド300の内側面310に沿って隆起部を形成する。これらの隆起セル315は、接触表面の肌触りが優しく滑らかであると同時に、胴体バンド300と肌との間の動きを制限する。
【0027】
図1に戻ると、肩ストラップ400は、接続体部240と肩部170との間に配置されている。これらの肩ストラップ400は、各端部において接合、縫い付け、又はスライダ410により取り付けることができる。好ましい実施の形態において、肩ストラップ400はその長さ方向においてスライダ410を含み、肩ストラップ400の長さが調節可能なようにスライダ410に取り付けられる。肩ストラップ400の長さが調整できることにより、カスタマイズされた装着感が得られる。
【0028】
上記開示は、例示の実施の形態の文脈において説明したが、本発明の精神と範囲から逸脱することなく種々の変更及び変形が可能であることは、当業者が容易に理解するように、明らかである。それら変更及び変形は、請求項に記載の範囲及びその均等物の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0029】
1 ブラ
100 前部
110 バスト(胸部)領域、カバー領域
115 外側生地層
120 内側生地層
125 中間生地層
130 第1の上部分
135 追加のストリップ
140 第2の下部分
150 ブレース領域
160 サポートポケット
170 肩部
175 ゲル層
180 側面領域、横領域
200 後部
210 本体部
215 下縁
220 上縁
240 接続体部
245 ステッチ
300 胴体バンド
305 外側面
310 内側面
315 ハニカムパターンのセル、隆起セル
400 肩ストラップ
410 スライダ
【国際調査報告】