特表2016-531572(P2016-531572A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

特表2016-531572半径方向に分離された重複しない二重の熱伝導性要素を備えた喫煙物品
<>
  • 特表2016531572-半径方向に分離された重複しない二重の熱伝導性要素を備えた喫煙物品 図000003
  • 特表2016531572-半径方向に分離された重複しない二重の熱伝導性要素を備えた喫煙物品 図000004
  • 特表2016531572-半径方向に分離された重複しない二重の熱伝導性要素を備えた喫煙物品 図000005
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-531572(P2016-531572A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(54)【発明の名称】半径方向に分離された重複しない二重の熱伝導性要素を備えた喫煙物品
(51)【国際特許分類】
   A24F 47/00 20060101AFI20160916BHJP
【FI】
   A24F47/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】37
(21)【出願番号】特願2016-537321(P2016-537321)
(86)(22)【出願日】2014年9月1日
(85)【翻訳文提出日】2016年2月12日
(86)【国際出願番号】EP2014068482
(87)【国際公開番号】WO2015028654
(87)【国際公開日】20150305
(31)【優先権主張番号】13182663.8
(32)【優先日】2013年9月2日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ボネリー サミュエル
(57)【要約】
喫煙物品(2、44、50)は、対向する前面(6)および後面(8)を有する可燃性熱源(4)と、可燃性熱源(4)の後面(8)の下流にあるエアロゾル形成基体(10)と、可燃性熱源(4)の後方部分の上にある熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層を含む第1の熱伝導性要素(36)と、エアロゾル形成基体(10)の少なくとも一部分の上にある熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を含む第2の熱伝導性要素(38、64)とを備え、熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層の上にはない。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
喫煙物品であって、
向かい合った前面および後面を持つ可燃性熱源と、
前記可燃性熱源の前記後面の下流にあるエアロゾル形成基体と、
前記可燃性熱源の後方部分の上にある熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層を含む第1の熱伝導性要素と、
前記エアロゾル形成基体の少なくとも一部分の上にある熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を含む第2の熱伝導性要素とを備え、
ここで前記熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層が、前記熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層の上にはない喫煙物品。
【請求項2】
前記第1の熱伝導性要素が、前記可燃性熱源の後方部分の上にある熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層と、前記エアロゾル形成基体の前方部分とを含み、前記第2の熱伝導性要素が前記エアロゾル形成基体の後方部分の上にある熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を含む、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項3】
前記第1の熱伝導性要素が前記可燃性熱源の後方部分の上にある熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層を含み、前記第2の熱伝導性要素が前記エアロゾル形成基体の全長の上にある熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を含む、請求項1に記載の喫煙物品。
【請求項4】
前記第2の熱伝導性要素の前記熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層が、前記第1の熱伝導性要素の前記熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層から長軸方向に間隙を介している、請求項1〜3のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項5】
前記第2の熱伝導性要素が、熱伝導材料の1つ以上の層および熱絶縁材料の1つ以上の層を含むラミネート材料で形成される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項6】
前記第2の熱伝導性要素が熱反射材料の1つ以上の層を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項7】
前記熱反射材料が50%超の入射放射線を反射する、請求項6に記載の喫煙物品。
【請求項8】
前記第1の熱伝導性要素および前記第2の熱伝導性要素が熱絶縁材料の1つ以上の層によって半径方向に分離される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項9】
前記第2の熱伝導性要素の少なくとも一部分の周りに外側ラッパーをさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項10】
前記第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の半径方向に外側にある層が、前記第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の半径方向に外側にある層が前記喫煙物品の外観上に見えるように前記喫煙物品の外側に提供される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項11】
前記可燃性熱源の後面と前記エアロゾル形成基体との間に不燃性の実質的に不通気性の第1のバリアをさらに備える、請求項1〜10のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項12】
前記可燃性熱源がブラインド可燃性熱源である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項13】
前記可燃性熱源の前面から後面へと延びる1つ以上の気流チャネルをさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項14】
前記可燃性熱源と前記1つ以上の気流チャネルとの間に不燃性の実質的に不通気性の第2のバリアをさらに含む、請求項13に記載の喫煙物品。
【請求項15】
前記エアロゾル形成基体の周辺の周りに1つ以上の第1の空気吸込み口をさらに含む、請求項1〜14のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項16】
前記エアロゾル形成基体が前記可燃性熱源の後面から間隙を介している、請求項1〜15のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項17】
前記可燃性熱源の後面と前記エアロゾル形成基体との間に1つ以上の第2の空気吸込み口をさらに含む、請求項16に記載の喫煙物品。
【請求項18】
前記エアロゾル形成基体の下流に1つ以上の第3の空気吸込み口をさらに含む、請求項1〜17のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【請求項19】
前記エアロゾル形成基体の下流に1つ以上のエアロゾル修飾剤をさらに含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の喫煙物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向した前面および後面を有する可燃性熱源、可燃性熱源の後面の下流のエアロゾル形成基体および半径方向に分離された重複しない二重の熱伝導性要素を含む喫煙物品に関する。
【背景技術】
【0002】
タバコが燃焼するよりはむしろ加熱される多くの喫煙物品が、当業界において提唱されてきた。このような「加熱される」喫煙物品の1つの目的は、従来的な紙巻たばこにおけるたばこの燃焼および熱分解によって生成されるタイプの周知の有害な煙成分を低減することである。加熱される喫煙物品の1つの周知のタイプにおいて、エアロゾルは可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達によって生成される。エアロゾル形成基体は可燃性熱源の周りまたは下流に位置してもよい。喫煙中、揮発性化合物は可燃性熱源からの熱伝達によってエアロゾル形成基体から放出され、喫煙物品を介して引き出された空気中に混入される。放出された化合物が冷えるにつれて、これらは凝縮してユーザーによって吸入されるエアロゾルを形成する。典型的には、空気は可燃性熱源を介して提供される1つ以上の気流チャネルを介してこのような周知の加熱された喫煙物品の中に引き出され、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達が強制対流および伝導によって生じる。
【0003】
例えば、WO-A2-2009/022232号では、可燃性熱源、可燃性熱源の下流のエアロゾル形成基体および可燃性熱源の後方部分およびエアロゾル形成基体の隣接する前方部分の周りにあり、それと直接接触する熱伝導性要素を含む喫煙物品を開示している。喫煙物品はさらに、エアロゾル発生基体の後方部分の一部の周りにスリーブを備えうる。スリーブは熱伝導性要素の下流にあり、またそれと間隙を介している。WO-A2-2009/022232では、スリーブがバリア材料としての役割を果たし、エアロゾル形成体が喫煙物品の外側表面に移動するのをスリーブが防止しうることを開示している。WO-A2-2009/022232ではまた、スリーブがエアロゾル発生基体の後方部分の熱を保持することによって、エアロゾル発生基体の長さ方向に沿って温度勾配の傾き程度をわずかに調節し、こうして温度勾配の傾き程度をわずかに減少しうることも開示している。
【0004】
WO-A2-2009/022232の喫煙物品における熱伝導性要素は、可燃性熱源の燃焼の間に生成される熱を伝導によってエアロゾル形成基体に伝達する。伝導性熱伝達によって発揮される熱排出は、後方部分の温度がその自己発火温度の下で有意に保持されるように、可燃性熱源の後方部分の温度を有意に低下させる。
【0005】
たばこが燃焼するよりはむしろ加熱される喫煙物品において、エアロゾル形成基体において達成される温度は、知覚的に許容されるエアロゾルを生成する能力に有意な影響を及ぼす。ユーザーへのエアロゾル送達を最適化するために、一定の範囲内でエアロゾル形成基体の温度を維持することが典型的には望ましい。いくつかの場合において、可燃性熱源およびエアロゾル形成基体の周りの、およびそれらと直接接触する熱伝導性要素の外側表面からの放射熱損失は、可燃性熱源およびエアロゾル形成基体の温度を所望の範囲外に低下でき、それによって喫煙物品の性能に影響を与える。例えば、エアロゾル形成基体の温度が低下し過ぎる場合、それはユーザーに送達されるエアロゾルの一貫性および量に不利に影響を与えうる。
【0006】
いくつかの加熱される喫煙物品において、熱伝導性要素を経た伝導性熱伝達に加えて、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への強制対流熱伝達が提供される。例えば、いくつかの周知の加熱される喫煙物品において、エアロゾル形成基体の強制対流加熱を提供するために、可燃性熱源に沿って1つ以上の気流チャネルが提供される。このような喫煙物品において、エアロゾル形成基体は伝導性加熱および強制対流加熱の組み合わせによって加熱される。例えば、WO-A2-2009/022232では、エアロゾル形成基体の強制対流加熱の制御された量を提供するために、可燃性熱源を介して少なくとも1つの長軸方向の気流チャネルを提供することを開示している。
【0007】
可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達が主に強制対流によって生じる周知の加熱される喫煙物品において、エアロゾル形成基体における強制対流熱伝達およびそれ故の温度は、ユーザーのたばこを吸う行動に応じてかなり変化しうる。結果として、このような周知の加熱された喫煙物品によって生成される主流エアロゾルの組成物およびそれ故の感覚特性は、不都合なことにユーザーのたばこを吸う状況に大いに影響を受けうる。
【0008】
特に、可燃性熱源に沿った1つ以上の気流チャネルを含む周知の加熱される喫煙物品において、ユーザーがたばこを吸う間の1つ以上の気流チャネルを介して引き出された空気と可燃性熱源との直接接触は、可燃性熱源の燃焼の活性化を生じる。従って、激しくたばこを吸う状況では、エアロゾル形成基体の温度においてスパイクを生じさせるのに十分に高い強制対流熱伝達を引き起こすかもしれず、不都合なことにエアロゾル形成基体の熱分解および潜在的にはさらに局所的燃焼に至る。本明細書に使用される「スパイク」という用語は、エアロゾル形成基体の温度における短期間の上昇を記述するために使用される。結果として、このような周知の加熱される喫煙物品によって生成される主流エアロゾルにおける望ましくない熱分解および燃焼副生成物のレベルはまた、不都合なことにユーザーによって採用される特定のたばこを吸う状況に応じて有意に変化しうる。
【0009】
その他の加熱される喫煙物品において、気流チャネルは可燃性熱源を介して提供されない。このような加熱される喫煙物品において、エアロゾル形成基体の加熱は、熱伝導性要素を経て伝導性熱伝達によって主に達成される。エアロゾル形成基体が伝導性熱伝達によって主に加熱される喫煙物品において、エアロゾル形成基体の温度は、熱伝導性要素の温度における変化により影響されるようになりうる。これは、このような加熱される喫煙物品における放射熱損失により、可燃性熱源およびエアロゾル形成基体の周りにあり、それと直接接触する熱伝導性要素の任意の冷却が、エアロゾル形成基体が強制対流熱伝達によっても加熱される喫煙物品におけるエアロゾル発生に対して、より大きな影響を及ぼしうることを意味する。
【0010】
可燃性熱源の点火および燃焼性を改善するために加熱される喫煙物品の可燃性熱源において添加剤を含むことは周知である。しかし、点火および燃焼添加剤の封入は分解および反応産物を生じさせる可能性があり、それはその使用中に、このような周知の加熱される喫煙物品を介して引き出された空気に不都合にも入りうる。
【0011】
エアロゾル形成を容易にするために、加熱される喫煙物品のエアロゾル形成基体は典型的には、グリセリンなどの多価アルコールまたはその他の周知のエアロゾル形成剤を含む。貯蔵中および喫煙中、このようなエアロゾル形成剤は、周知の加熱される喫煙物品のエアロゾル形成基体からその可燃性熱源に移動しうる。周知の加熱される喫煙物品の可燃性熱源へのエアロゾル形成剤の移動は、特に加熱される喫煙物品の喫煙中にエアロゾル形成剤の分解を不都合に導きうる。
【0012】
対向した前面および後面を有する可燃性熱源および改善された喫煙性能を提供する可燃性熱源の後面の下流にエアロゾル形成基体を含む加熱される喫煙物品を提供することは、望ましいだろう。特に、喫煙中に所望の温度範囲内でエアロゾル形成基体の温度を維持するのを助けるために、エアロゾル形成基体の加熱の制御が改善された加熱される喫煙物品を提供することが望ましいだろう。
【発明の概要】
【0013】
本発明によれば、対向した前面および後面を持つ可燃性熱源と、可燃性熱源の後面の下流のエアロゾル形成基体と、可燃性熱源の後方部分の上にある熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層を含む第1の熱伝導性要素と、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分の上にある熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を含む第2の熱伝導性要素とを備えた、喫煙物品を提供している。熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層の上にはない。
【0014】
本明細書に使用される「遠位」、「上流」および「前方」、ならびに「近位」、「下流」および「後方」という用語は、ユーザーがその使用中に喫煙物品において吸い込む方向に関して喫煙物品の構成要素または構成要素の部分の相対的位置を記述するために使用される。本発明による喫煙物品は、使用において、ユーザーへの送達のために喫煙物品を出るエアロゾルが通る近位端を含む。喫煙物品の近位端はまた、口側の端と呼ばれることもある。使用において、ユーザーは喫煙物品によって生成されるエアロゾルを吸入するために、喫煙物品の近位端において吸い込む。
【0015】
可燃性熱源は遠位端に、またはその近くに位置する。口側の端は遠位端の下流である。また、喫煙物品の近位端は下流端と呼ばれてもよく、また、喫煙物品の遠位端は上流端と呼ばれてもよい。本発明による喫煙物品の成分または成分の部分は、喫煙物品の近位端と遠位端との間のこれらの相対的位置に基づく互いの上流または下流にあると記述されてもよい。
【0016】
可燃性熱源の前面は可燃性熱源の上流末端にある。可燃性熱源の上流末端は喫煙物品の近位端から最も遠い可燃性熱源の末端である。可燃性熱源の後面は可燃性熱源の下流末端にある。可燃性熱源の下流末端は喫煙物品の近位端に最も近い可燃性熱源の末端である。
【0017】
本明細書に使用される「エアロゾル形成基体」という用語は、エアロゾルを形成することができる揮発性化合物を加熱に応じて放出することができる基体を記述するために使用される。本発明による喫煙物品のエアロゾル形成基体から生成されるエアロゾルは、見えても、または見えなくてもよく、蒸気(例えば、気状である物質の微粉は室温にて通常、液体または固体である)、ならびに気体および凝縮された蒸気の液体の液滴を含んでもよい。
【0018】
エアロゾル形成基体は、揮発性化合物を加熱に応じて放出できる材料を含むプラグまたはセグメントの形態であってもよく、それはラッパーによって取り囲まれてエアロゾルを形成することができる。エアロゾル形成基体がこのようなプラグまたはセグメントの形態である場合、ラッパーを含むプラグまたはセグメントの全体は、エアロゾル形成基体であると見なされる。
【0019】
第1の熱伝導性要素は熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層を含み、第2の熱伝導性要素は熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を含む。
【0020】
「半径方向に外側」および「半径方向に内側」という用語は本明細書で使用される時、喫煙物品の長軸方向軸と第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層との間の半径方向の距離が、喫煙物品の長軸方向軸と第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層との間の半径方向の距離よりも大きいことを示すために使用される。
【0021】
本明細書に使用される「長軸方向」という用語は、喫煙物品の近位端と対向した遠位端との間の方向を記述するために使用される。
【0022】
本明細書に使用される「半径方向」という用語は、喫煙物品の近位端と対向した遠位端との間の方向に対して直角をなす方向を記述するために使用される。
【0023】
本明細書に使用される「長さ」という用語は、喫煙物品の長軸方向の最大寸法を記述するために使用される。それは、喫煙物品の近位端と対向した遠位端との間の方向における最大寸法である。
【0024】
本発明による喫煙物品は、可燃性熱源の後方部分の上にある熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層を含む第1の熱伝導性要素と、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分の上にある熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を含む第2の熱伝導性要素を備える。第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層の上にはない。
【0025】
本発明による喫煙物品では、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層と、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層との間の直接接触はない。これは第1の熱伝導性要素から第2の熱伝導性要素への伝導性熱伝達を制限または阻害する。本明細書に使用される「直接接触」という用語は、成分の表面が互いに触れているように、任意の中間材料なしで2つの成分間の接触を意味するために使用される。
【0026】
熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を含む第2の熱伝導性要素を含めることは、有利なことに、熱伝導性要素と、熱伝導性要素の下流にありそれと間隙を介している半径方向に揃うスリーブを備えた、WO-A2-2009/022232に開示されているタイプの喫煙物品と比較して、本発明による喫煙物品の外側表面からの放射熱損失を実質的に低減させる。
【0027】
本発明による喫煙物品の外側表面からの放射熱損失が低減されることで、熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を含む第2の熱伝導性要素を含めることが、有利なことに、可燃性熱源から本発明による喫煙物品のエアロゾル形成基体への熱の排出や分布に対する制御を改善する。特に、本発明による喫煙物品の外側表面からの放射熱損失が低減されることで、熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を含む第2の熱伝導性要素を含めることが、望ましい温度範囲内でのエアロゾル形成基体の温度維持の改善を助ける。
【0028】
熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を含む第2の熱伝導性要素を含めることで、エアロゾル形成基体からのエアロゾル発生が改善される。有利なことに、熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を含む第2の熱伝導性要素を含めることで、ユーザーへのエアロゾルの全体的な送達が向上する。特に、エアロゾル形成基体がニコチンを含む場合、ユーザーへのニコチン送達が、熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を含む第2の熱伝導性要素の封入を介して著しく改善されうることが分かる。加えて、熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を含む第2の熱伝導性要素の封入は、ユーザーによるたばこを吸う回数がより多くなされうるように、喫煙物品の喫煙期間を都合良く伸ばすことが見いだされていた。
【0029】
熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を含む第2の熱伝導性要素を含めることにより達成される本発明による喫煙物品の温度プロファイルの改善は、実質的に強制対流熱伝達のない本発明による喫煙物品にとって有益である。
【0030】
第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層は、可燃性熱源の後方部分およびエアロゾル形成基体の少なくとも前方部分の上としうる。こうした実施形態では、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、エアロゾル形成基体の後方部分の上にある。
【0031】
別の方法として、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層は、可燃性熱源の後方部分のみの上としうる。こうした実施形態では、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、エアロゾル形成基体の一部分のみ、またはエアロゾル形成基体の全長の上としうる。
【0032】
一定の実施形態では、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層は、可燃性熱源の後方部分の上としてもよく、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、エアロゾル形成基体の全長の上としてもよい。
【0033】
本発明による喫煙物品で、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層の下流にある。
【0034】
第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層のすぐ下流としうる。こうした実施形態では、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層の上流端は、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層の下流端と、実質的に長軸方向に整列している。
【0035】
別の方法として、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層と長軸方向に間隙を介している。こうした実施形態では、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層の上流端は、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層の下流端と長軸方向に間隙を介している。
【0036】
例えば、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層の上流端と、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層の下流端は、約0.5 mm〜約4mmの間隔で長軸方向に間隙を介している。
【0037】
第1の熱伝導性要素は、可燃性熱源の後方部分の周りにあり、それと直接接触する熱伝導材料の半径方向に内側にある層を備えうる。こうした実施形態では、可燃性熱源の後方部分は、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の半径方向に内側にある層により取り囲まれ、それと直接接触している。
【0038】
一定の実施形態において、第1の熱伝導性要素は、可燃性熱源の後方部分およびエアロゾル形成基体の少なくとも前方部分の周りにあり、それと直接接触する熱伝導材料の半径方向に内側にある層を備えうる。このような実施形態において、可燃性熱源の後方部分は、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の半径方向に内側にある層によって取り囲まれ、それと直接接触し、エアロゾル形成基体の少なくとも前方部分は、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の半径方向に内側にある層によって取り囲まれ、それと直接接触する。このような実施形態において、第1の熱伝導性要素は本発明による喫煙物品の可燃性熱源とエアロゾル形成基体との間に熱リンクを提供する。
【0039】
その他の実施形態では、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層は、可燃性熱源から半径方向に分離されてもよい。本明細書で使用される時、「半径方向に分離された」という用語は、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層と可燃性熱源との間に直接接触がないように、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層が可燃性熱源から半径方向に間隙を介していることを示すために使用される。
【0040】
第1の熱伝導性要素および第2の熱伝導性要素は、熱絶縁材料の1つ以上の層によって半径方向に分離されうる。適切な熱絶縁材料は紙、セラミックおよび金属酸化物を含むが限定されない。
【0041】
こうした実施形態では、熱絶縁材料1つ以上の層が、第1の熱伝導性要素の少なくとも一部分の上にあり、第2の熱伝導性要素の少なくとも一部分の下にある。一定の実施形態では、第1の熱伝導性要素および第2の熱伝導性要素は、第1の熱伝導性要素の全長の上にあり、かつ第2の熱伝導性要素の全長の下にある熱絶縁材料の1つ以上の層によって半径方向に分離されうる。
【0042】
例えば、第1の熱伝導性要素は、その長さの少なくとも一部に沿って喫煙物品を取り囲むラッパーによってカバーされうる。このような実施形態において、ラッパーは第1の熱伝導性要素上で喫煙物品の周りに巻き付けられ、次いで第2の熱伝導性要素はラッパーの少なくとも一部分上に提供される。
【0043】
一定の好ましい実施形態では、第2の熱伝導性要素は喫煙物品の外側に提供され、その結果、第2の熱伝導性要素は喫煙物品の外部において目に見える。特に好ましい一定の実施形態では、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の半径方向に外側にある層は、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の半径方向に外側にある層が喫煙物品の外観上に見えるように、喫煙物品の外側に提供される。
【0044】
あるいは、喫煙物品のすべてまたは単に一部に沿って延びる外側ラッパーは、第2の熱伝導性要素上に提供されてもよく、その結果、第2の熱伝導性要素は喫煙物品の外部において目に見えない、または一部のみ目に見える。
【0045】
喫煙物品のラッパー上での第2の熱伝導性要素の提供は、本発明による喫煙物品の外見に関して、特にその喫煙中と喫煙後に利益を提供しうる。一定の場合において、可燃性熱源の領域におけるラッパーのいくらかの変色は、ラッパーが可燃性熱源からの熱に曝露される時に観察されうる。加えて、ラッパーは、エアロゾル形成基体の周りおよび下流のラッパーへのエアロゾル形成基体からの揮発性化合物の移動の結果として変色されうる。一定の実施形態では、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、ラッパーの変色が覆われて見えないか、あまり見えなくなるように、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分の周りのラッパー上に提供してもよい。一定の実施形態において、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、エアロゾル形成基体の全長の周りに延びてもよい。一定の好ましい実施形態において、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、エアロゾル形成基体を越えて下流に延びてもよい。従って、喫煙物品の外観は喫煙中、保持されうる。
【0046】
第1の熱伝導性要素は好ましくは燃焼抵抗性である。一定の実施形態において、第1の熱伝導性要素は酸素制限性である。このような実施形態において、第1の熱伝導性要素は、可燃性熱源への第1の熱伝導性要素を介した酸素の通過を阻害する、または阻止する。
【0047】
第1の熱伝導性要素は、喫煙物品の外周の全体または一部の周りに延びてもよい。好ましくは、第1の熱伝導性要素は、可燃性熱源の後方部分を密接に取り囲む連続的なスリーブを形成する。
【0048】
ある一定の実施形態では、第1の熱伝導性要素は、可燃性熱源の後方部分およびエアロゾル形成基体の前方部分を密接に取り囲む連続的なスリーブを形成しうる。こうした実施形態では、第1の熱伝導性要素は、可燃性熱源とエアロゾル形成基体との間に実質的に気密な結合を提供しうる。これは、その周辺を介してエアロゾル形成基体に容易に引き出されている可燃性熱源からの燃焼ガスを都合良く防止または阻止してもよい。また、このような結合は、可燃性熱源およびエアロゾル形成基体の周辺に沿って引き出される空気によって、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への強制対流熱伝達を都合良く最小にしても、または実質的に回避してもよい。
【0049】
好ましくは、第1の熱伝導性要素の物理的な統合性は、点火および燃焼の間、可燃性熱源によって達成される温度にて維持される。第1の熱伝導性要素が可燃性熱源とエアロゾル形成基体との間に実質的に気密な結合を提供する実施形態において、これは喫煙物品の使用中に気密な結合を維持するのを都合良く助ける。
【0050】
第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層は、適切な熱伝導率を持つ任意の適切な熱伝導材料または材料の組み合わせを含んでもよい。
【0051】
好ましくは、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層は、改良非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定される時に、23℃および50%の相対湿度にて、メートルケルビン(W/(m・K))当たり約10W〜メートルケルビン(W/(m・K))当たり約500Wの間、より好ましくはメートルケルビン(W/(m・K))当たり約15W〜メートルケルビン(W/(m・K))当たり約400Wの間のバルク熱伝導率を有する熱伝導材料を含む。適切な熱伝導材料は、金属箔ラッパー(例えばアルミ箔ラッパー、スチール箔ラッパー、鉄箔ラッパーおよび銅箔ラッパー)、および金属合金箔ラッパーを含むが、これらに限定されない。
【0052】
一定の好ましい実施形態で、第1の熱伝導性要素は1つ以上のアルミニウム層を含む。
【0053】
第1の熱伝導性要素は熱伝導材料の単一の層で形成されてもよい。あるいは、第1の熱伝導性要素は、1つ以上のその他の熱伝導層または非熱伝導層と組み合わせて熱伝導材料の少なくとも1つの層を含む多層またはラミネート材料で形成されてもよい。このような実施形態において、熱伝導材料の少なくとも1つの層は、上記の熱伝導材料のいずれかを含んでもよい。
【0054】
一定の実施形態において、第1の熱伝導性要素は、熱伝導材料の少なくとも1つの層および熱絶縁材料の少なくとも1つの層を含むラミネート材料で形成されてもよい。このような実施形態において、可燃熱の後方部分に面する第1の熱伝導性要素の内層は、熱伝導材料の層でもよい。
【0055】
第1の熱伝導性要素を形成するための特に適切なラミネート材料の一つの例は、紙の外層およびアルミニウムの内層を含む二重層ラミネート材料である。
【0056】
好ましくは、第1の熱伝導性要素の厚さは約5ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約10ミクロン〜約50ミクロン、さらに好ましくは約10ミクロン〜約30ミクロン、および最も好ましくは約20ミクロンである。一定の特に好ましい実施形態において、第1の熱伝導性要素は約20ミクロンの厚さを有するアルミ箔を含む。
【0057】
好ましくは、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層によって囲まれる可燃性熱源の後方部分は、長さ約2mm〜約8mmの間、より好ましくは長さ約3mm〜約5mmの間である。
【0058】
好ましくは、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層によって囲まれていない可燃性熱源の前方部分は、長さ約4 mm〜約15 mmの間、より好ましくは長さ約5 mm〜約8 mmの間である。
【0059】
第1の熱伝導性要素が可燃性熱源の後方部分およびエアロゾル形成基体の前方部分を取り囲む熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層を含む実施形態では、エアロゾル形成基体は、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層を越えて下流に少なくとも約3 mm延びることが好ましい。より好ましくは、エアロゾル形成基体は、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層を越えて下流に約3mm〜約10mm延びる。より好ましくは、エアロゾル形成基体は、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層を越えて下流に約5mm〜約8mm延びる。
【0060】
このような実施形態において、第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層によって囲まれるエアロゾル形成基体の前方部分は、好ましくは長さ約1 mm〜約10 mmの間、より好ましくは長さ約2 mm〜約8 mmの間、最も好ましくは長さ約2 mm〜約6 mmの間である。
【0061】
第2の熱伝導性要素は、喫煙物品の外周の全体または一部の周りに延びてもよい。好ましくは、第2の熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分を取り囲む連続的なスリーブを形成する。
【0062】
第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、適切な熱伝導率を持つ任意の適切な熱伝導材料または材料の組み合わせを含んでもよい。
【0063】
好ましくは、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、改良非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定される時に、23℃および50%の相対湿度にて、メートルケルビン(W/(m・K))当たり約10W〜メートルケルビン(W/(m・K))当たり約500Wの間、より好ましくはメートルケルビン(W/(m・K))当たり約15W〜メートルケルビン(W/(m・K))当たり約400Wの間のバルク熱伝導率を有する熱伝導材料を含む。適切な熱伝導材料は、金属箔ラッパー(例えばアルミ箔ラッパー、スチール箔ラッパー、鉄箔ラッパーおよび銅箔ラッパー)、および金属合金箔ラッパーを含むが、これらに限定されない。
【0064】
一定の好ましい実施形態で、第2の熱伝導性要素は1つ以上のアルミニウム層を含む。
【0065】
第1の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層および第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、同一または異なる熱伝導材料を備えてもよい。
【0066】
好ましくは、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、アルミニウムまたは鋼などの1つ以上の熱反射材料を含む。こうした実施形態では、使用時に、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は有利なことに、エアロゾル形成基体からエアロゾル形成基体に向けて戻る熱放射を反射する。
【0067】
本明細書に使用される用語「熱反射材料」は、材料が放射するよりも大きい割合の入射放射線をその表面から反射するように、相対的に高い熱反射率および相対的に低い熱放射率を有する材料をいう。好ましくは、熱反射材料は50%超の入射放射線、より好ましくは70%超の入射放射線、および最も好ましくは75%超の入射放射線を反射する。
【0068】
こうした実施形態では、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層の比較的高い熱反射率および比較的低い熱放射率によって、エアロゾル形成基体からの熱損失が低減される。
【0069】
第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層の反射率は、光沢のある内側表面を持つ第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を提供することによって改善でき、内側表面はエアロゾル形成基体の表面である。
【0070】
第2の熱伝導性要素は熱伝導材料の単一の層で形成されてもよい。あるいは、第2の熱伝導性要素は、1つ以上のその他の熱伝導層または非熱伝導層と組み合わせて熱伝導材料の少なくとも1つの層を含む多層またはラミネート材料で形成されてもよい。このような実施形態において、熱伝導材料の少なくとも1つの層は、上記の熱伝導材料のいずれかを含んでもよい。
【0071】
一定の好ましい実施形態において、第2の熱伝導性要素は、熱伝導材料の少なくとも1つの層および熱絶縁材料の少なくとも1つの層を含むラミネート材料で形成されてもよい。このような実施形態において、エアロゾル形成基体に面する第2の熱伝導性要素の内層は、熱絶縁材料の層でもよい。
【0072】
一定の好ましい実施形態において、第2の熱伝導性要素は熱伝導材料の単一の層を含む。
【0073】
一定の好ましい実施形態において、第2の熱伝導性要素は、熱伝導材料の単一の層および熱絶縁材料の1つ以上の層を含むラミネート材料である。一定の特に好ましい実施形態において、第2の熱伝導性要素は、熱伝導材料の単一の層および熱絶縁材料の単一の層を含むラミネート材料である。好ましくは、第2の熱伝導性要素は、熱伝導材料の単一の外層および熱絶縁材料の単一の内層を含むラミネート材料である。
【0074】
第2の熱伝導性要素を形成するための特に適切なラミネート材料の一つの例は、アルミニウムの外層および紙の内層を含む二重層ラミネート材料である。
【0075】
ラミネート材料を含む第2の熱伝導性要素の使用は、熱絶縁材料の少なくとも1つの層がさらなる強度および硬さを提供しうるので、本発明による喫煙物品の製造中に有益でありうる。これは、相対的に薄く脆弱でありうる熱伝導材料の少なくとも1つの層の崩壊または破損のリスクを低減しながら、ラミネート材料がより容易に処理されることを可能にする。
【0076】
第2の熱伝導性要素の厚さは、第1の熱伝導性要素の厚さと実質的に同じでもよい。あるいは、第1の熱伝導性要素および第2の熱伝導性要素は、互いに異なる厚さを有してもよい。
【0077】
好ましくは、第2の熱伝導性要素の厚さは、約5ミクロン〜約100ミクロン、より好ましくは約10ミクロン〜約80ミクロンである。
【0078】
好ましくは、第2の熱伝導性要素は、約2ミクロン〜約50ミクロンの厚さ、より好ましくは約5ミクロン〜約30ミクロンの厚さ、最も好ましくは約5ミクロン〜約20ミクロンの厚さを有する熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を含んでもよい。
【0079】
一定の実施形態において、第2の熱伝導性要素は、約20ミクロンの厚さを有するアルミ箔を含んでもよい。
【0080】
一定の好ましい実施形態において、第2の熱伝導性要素は、約2ミクロン〜約20ミクロンの厚さ、より好ましくは約4ミクロン〜約10ミクロンの厚さ、最も好ましくは約5ミクロン〜約8ミクロンの厚さを有するアルミニウムの外層を含むラミネート材料を含んでもよい。
【0081】
第1の熱伝導性要素に対する第2の熱伝導性要素およびエアロゾル形成基体の位置および広がりは、喫煙中にエアロゾル形成基体の加熱を制御するために調整されてもよい。
【0082】
一定の実施形態では、第2の熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体の全長の上にある熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を備えうる。こうした実施形態では、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層の下流端は、エアロゾル形成基体の下流端と整列させてもよい。別の方法として、第2の熱伝導性要素の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、エアロゾル形成基体を越えて下流方向に延びてもよい。
【0083】
その他の実施形態で、第2の熱伝導性要素は、エアロゾル形成基体の後方部分のみの上にある熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を備えうる。
【0084】
本発明による喫煙物品はブラインド可燃性熱源または非ブラインド可燃性熱源を含んでもよい。
【0085】
本明細書に使用される「ブラインド」という用語は、可燃性熱源の前面から後面まで延びる任意の気流チャネルがない可燃性熱源を記述するために使用される。
【0086】
使用において、ユーザーによる吸入のためにブラインド可燃性熱源を含む本発明による喫煙物品を通って引き出された空気は、ブラインド可燃性熱源に沿って任意の気流チャネルを通って通過しない。ブラインド可燃性熱源を含む本発明による喫煙物品において、エアロゾル形成基体の加熱は主に伝導によって生じ、強制対流によるエアロゾル形成基体の加熱は最小にされる、または低減される。
【0087】
本明細書に使用される「気流チャネル」という用語は、ユーザーによる吸入のために下流に引き出されうる空気が通る可燃性熱源の長さに沿って延びる流路を記述するために使用される。
【0088】
本明細書に使用される「非ブラインド」という用語は、可燃性熱源の前面から後面まで延びる1つ以上の気流チャネルがある可燃性熱源を記述するために使用される。
【0089】
使用において、ユーザーによる吸入のために非ブラインド可燃性熱源を含む本発明による喫煙物品を通って引き出された空気は、非ブラインド可燃性熱源に沿って1つ以上の気流チャネルを通って通過する。非ブラインド可燃性熱源を含む本発明による喫煙物品において、エアロゾル形成基体の加熱は伝導および強制対流によって生じる。
【0090】
本発明による喫煙物品が非ブラインド可燃性熱源を含む場合、ブラインド可燃性熱源を通した任意の気流チャネルの欠如は、ユーザーがたばこを吸う間、ブラインド可燃性熱源の燃焼の活性化を都合良く実質的に防止または阻止する。
【0091】
ユーザーがたばこを吸う間に可燃性熱源の燃焼の活性化を実質的に防止または阻止することで、ユーザーがたばこを吸う間のエアロゾル形成基体の温度の上昇を都合良く実質的に防止または阻止する。可燃性熱源の燃焼の活性化を防止または阻止すること、およびエアロゾル形成基体中の過剰な温度上昇をそのようにして防止または阻止することによって、激しくたばこを吸う状況でも、本発明による喫煙物品のエアロゾル形成基体の燃焼または熱分解を都合良く回避しうる。加えて、本発明による喫煙物品の主流エアロゾルの組成物におけるユーザーのたばこを吸う状況の影響を都合良く最小にし、または低減させうる。
【0092】
可燃性熱源の点火および燃焼性を改善するために、加熱される喫煙物品の可燃性熱源において添加剤を含むことは周知である。しかし、点火および燃焼添加剤の封入は分解および反応産物を生じさせる可能性があり、それはその使用中に、このような周知の加熱される喫煙物品を介して引き出された空気に不都合にも入りうる。
【0093】
ブラインド可燃性熱源の封入は、ブラインド可燃性熱源の点火および燃焼の間に形成される燃焼および分解生成物ならびにその他の材料が、その使用中、本発明による喫煙物品を介して引き出された空気に入るのを都合良く実質的に防止または阻止しうる。これは、ブラインド可燃性熱源がブラインド可燃性熱源の点火または燃焼を補助するために1つ以上の添加剤を含む場合、特に有益である。
【0094】
ブラインド可燃性熱源を含む本発明による喫煙物品において、可燃性熱源とエアロゾル形成基体との間の伝導性熱伝達を最適化することは、特に重要である。可燃性熱源の後方部分の上にある熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層を含む第1の熱伝導性要素と、エアロゾル形成基体の少なくとも一部分の上にある熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を含む第2の熱伝導性要素と(ここで、熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層の上にはない)を含めることで、ブラインド熱源を含めた喫煙物品の喫煙パフォーマンスに対して特に有利な効果があることがこれまでに分かっており、強制対流によってエアロゾル形成基体は、加熱される場合でもわずかにすぎない。
【0095】
本発明による喫煙物品は、空気がユーザーによる吸入のために引き出され得ない1つ以上の閉じた、または遮断された通路を含むブラインド可燃性熱源を含んでもよいことが認識されるであろう。
【0096】
例えば、本発明による喫煙物品は、ブラインド可燃性熱源の長さに沿って途中までのみブラインド可燃性熱源の上流末端にて前面から延びる1つ以上の閉じた通路を含むブラインド可燃性熱源を含んでもよい。
【0097】
1つ以上の閉じた空気通路の封入は、空気からの酸素に曝露されるブラインド可燃性熱源の表面積を増加させ、ブラインド可燃性熱源の点火および燃焼の持続を都合良く容易にしうる。
【0098】
別の方法として、本発明による喫煙物品は、非ブラインド可燃性熱源の前面から後面まで延びる1つ以上の気流チャネルがある非ブラインド可燃性熱源を含みうる。
【0099】
1つ以上の気流チャネルは1つ以上の密閉された気流チャネルを含んでもよい。
【0100】
本明細書に使用される「密閉される」という用語は、非ブラインド可燃性熱源の内部を通って延び、非ブラインド可燃性熱源によって囲まれる気流チャネルを記述するために使用される。
【0101】
あるいは、または加えて、1つ以上の気流チャネルは1つ以上の密閉されていない気流チャネルを含んでもよい。例えば、1つ以上の気流チャネルは1つ以上の溝、または非ブラインド可燃性熱源の外部に沿って延びるその他の密閉されていない気流チャネルを含んでもよい。
【0102】
1つ以上の気流チャネルは1つ以上の密閉された気流チャネル、または1つ以上の密閉されていない気流チャネルもしくはそれらの組み合わせを含んでもよい。
【0103】
一定の実施形態において、本発明による喫煙物品は、非ブラインド可燃性熱源の前面から後面まで延びる1つ、2つまたは3つの気流チャネルを含む。
【0104】
一定の好ましい実施形態において、本発明による喫煙物品は、非ブラインド可燃性熱源の前面から後面まで延びる単一の気流チャネルを含む。
【0105】
一定の特に好ましい実施形態において、本発明による喫煙物品は、非ブラインド可燃性熱源の前面から後面まで延びる単一の実質的に中心または軸状の気流チャネルを含む。
【0106】
このような実施形態において、単一の気流チャネルの直径は好ましくは約1.5 mm〜約3 mmの間である。
【0107】
ユーザーによる吸入のために引き出されうる空気が通る1つ以上の気流チャネルに加えて、本発明による喫煙物品は、空気がユーザーによる吸入のために引き出されない1つ以上の閉じた、または遮断された通路を含む非ブラインド可燃性熱源を含んでもよいことが認識されるであろう。
【0108】
例えば、本発明による喫煙物品は、可燃性熱源の前面から後面まで延びる1つ以上の気流チャネル、および可燃性熱源の長さに沿って途中までのみ非ブラインド可燃性熱源の前面から延びる1つ以上の閉じた通路を含む非ブラインド可燃性熱源を含んでもよい。
【0109】
1つ以上の閉じた空気通路の封入は、空気からの酸素に曝露される非ブラインド可燃性熱源の表面積を増加させ、非ブラインド可燃性熱源の点火および燃焼の持続を都合良く容易にしうる。
【0110】
本発明による喫煙物品は非ブラインド可燃性熱源を含み、非ブラインド可燃性熱源と、非ブラインド可燃性熱源の前面から後面に延びる一つ以上の気流チャネルとの間に不燃性で実質的に不通気性のバリアをさらに含む。
【0111】
本発明による喫煙物品が非ブラインド可燃性熱源を備える場合、非ブラインド可燃性熱源と、非ブラインド可燃性熱源の前面から後面に延びる1つ以上の気流チャネルとの間に、不燃性であり実質的に不通気性のバリアを含めることで、ユーザーがたばこを吸う間に非ブラインド可燃性熱源の燃焼の活性化が都合良く実質的に阻止または抑制される。
【0112】
ユーザーがたばこを吸う間に可燃性熱源の燃焼の活性化を防止または阻止することで、ユーザーがたばこを吸う間のエアロゾル形成基体の温度の上昇を都合良く実質的に防止または阻止する。可燃性熱源の燃焼の活性化を防止または阻止すること、およびエアロゾル形成基体中の過剰な温度上昇をそのようにして防止または阻止することによって、激しくたばこを吸う状況でも、本発明による喫煙物品のエアロゾル形成基体の燃焼または熱分解を都合良く回避しうる。加えて、本発明による喫煙物品の主流エアロゾルの組成物におけるユーザーのたばこを吸う状況の影響を都合良く最小にし、または低減させうる。
【0113】
非ブラインド可燃性熱源と、非ブラインド可燃性熱源の前面から後面に延びる1つ以上の気流チャネルとの間に不燃性の実質的に不通気性のバリアを含めることで、非ブラインド可燃性熱源の点火および燃焼時に燃焼および分解生成物が、引き出された空気が1つ以上の気流チャネルを通過する際に、1つ以上の気流チャネルを通して喫煙物品に引き出された空気に入るのを都合良く実質的に阻止または抑制されうる。これは、非ブラインド可燃性熱源が、非ブラインド可燃性熱源の点火または燃焼を補助するために1つ以上の添加剤を含む場合、特に有益である。
【0114】
非ブラインド可燃性熱源と1つ以上の気流チャネルとの間のバリアは、非ブラインド可燃性熱源に接着またはその他の方法で貼り付けうる。
【0115】
一定の好ましい実施形態において、バリアは1つ以上の気流チャネルの内側表面に提供される不燃性の実質的に不通気性のバリア被覆を含む。このような実施形態において、好ましくは、バリアは1つ以上の気流チャネルの少なくとも実質的に内側表面全体に提供されるバリア被覆を含む。より好ましくは、バリアは1つ以上の気流チャネルの内側表面全体に提供されるバリア被覆を含む。
【0116】
「コーティング」という用語は本明細書で使用される場合、可燃性熱源を覆いそれに接着する材料の層を描写するために使用される。
【0117】
その他の実施形態において、バリア被覆は1つ以上の気流チャネルへのライナーの挿入によって提供されてもよい。例えば、1つ以上の気流チャネルが非ブラインド可燃性熱源の内部を通って延びる1つ以上の密閉された気流チャネルを含む場合、不燃性の実質的に不通気性の中空管は1つ以上の気流チャネルのそれぞれに挿入されてもよい。
【0118】
喫煙物品の所望の特徴および性能に応じて、バリアは低熱伝導性または高熱伝導性を有してもよい。好ましくは、バリアは低熱伝導性を有する。
【0119】
バリアの厚さは優れた喫煙性能を達成するように適切に調整してもよい。一定の実施形態において、バリアは約30ミクロン〜約200ミクロンの厚さを有してもよい。好ましい実施形態において、バリアは約30ミクロン〜約100ミクロンの厚さを有する。
【0120】
バリアは、実質的に熱安定しており、点火および燃焼の間に非ブラインド可燃性熱源によって達成される温度で不燃性である1つ以上の適切な材料から形成されてもよい。適切な材料は当業界で周知であり、例えば粘土、金属酸化物(酸化鉄、アルミナ、チタニア、シリカ、シリカ-アルミナ、ジルコニアおよびセリアなど)、ゼオライト、リン酸ジルコニウム、およびその他のセラミック材料またはこれらの組み合わせを含むが限定されない。
【0121】
バリアを形成しうる好ましい材料は粘土、ガラス、アルミニウム、酸化鉄およびこれらの組み合わせを含む。必要に応じて、二酸化炭素への一酸化炭素の酸化を促進する原料成分などの触媒原料成分は、バリアに組み込まれてもよい。適切な触媒原料成分は、例えば、白金、パラジウム、遷移金属およびこれらの酸化物を含むが限定されない。
【0122】
バリアが1つ以上の気流チャネルの内側表面に提供されるバリア被覆を含む場合、バリア被覆はUS-A-5,040,551号に記述された方法などの任意の適切な方法によって、1つ以上の気流チャネルの内側表面に塗布されてもよい。例えば、1つ以上の気流チャネルの内側表面は、バリア被覆の溶液または懸濁液で吹き付けられ、濡らされ、または塗装されてもよい。一定の好ましい実施形態において、バリア被覆は、可燃性熱源の押し出しに伴い、WO-A2-2009/074870号で説明する過程によって一つ以上の気流チャネルの内側表面に塗布される。
【0123】
本発明による喫煙物品は、可燃性熱源の後面とエアロゾル形成基体との間に不燃性の実質的に不通気性のバリアをさらに含んでもよい。
【0124】
本発明による喫煙物品が可燃性熱源の後面とエアロゾル形成基体との間に非ブラインド可燃性熱源および不燃性の実質的に不通気性のバリアを含む場合、バリアは、非ブラインド可燃性熱源の前面から後面まで延びる1つ以上の気流チャネルを通って喫煙物品に入る空気が、喫煙物品を通って下流に引き出されるのを可能にするはずである。
【0125】
バリアは可燃性熱源の後面およびエアロゾル形成基体の一方または両方に隣接してもよい。あるいは、バリアは可燃性熱源の後面およびエアロゾル形成基体の一方または両方から間隙を介していてもよい。
【0126】
バリアは可燃性熱源の後面およびエアロゾル形成基体の一方または両方に接着されても、または別途貼り付けられてもよい。
【0127】
一定の好ましい実施形態において、バリアは可燃性熱源の後面に提供される不燃性の実質的に不通気性のバリア被覆を含む。こうした実施形態で、バリアは少なくとも実質的に可燃性熱源の後面全体に提供されるバリア被覆を含むことが好ましい。バリアは可燃性熱源の後面全体に提供されるバリア被覆を含むことが、より好ましい。
【0128】
バリアは、エアロゾル形成基体が可燃性熱源の点火および燃焼の間に曝露される温度を都合良く制限し、そのようにして喫煙物品の使用中にエアロゾル形成基体の熱分解または燃焼を回避または低減するのを助ける。これは、可燃性熱源が可燃性熱源の点火を補助するため一つ以上の添加剤を含む場合に、特に有益である。
【0129】
エアロゾル形成を容易にするために、加熱される喫煙物品のエアロゾル形成基体は典型的には、グリセリンなどの多価アルコールまたはその他の周知のエアロゾル形成剤を含む。貯蔵中および喫煙中、このようなエアロゾル形成剤は、周知の加熱される喫煙物品のエアロゾル形成基体からその可燃性熱源に移動しうる。周知の加熱される喫煙物品の可燃性熱源へのエアロゾル形成剤の移動は、特に加熱される喫煙物品の喫煙中にエアロゾル形成剤の分解を不都合に導きうる。
【0130】
また、可燃性熱源の後面と本発明による喫煙物品のエアロゾル形成基体との間の不燃性の実質的に不通気性のバリアの封入は、喫煙物品の貯蔵中、可燃性熱源へのエアロゾル形成基体の成分の移動を都合良く実質的に防止または阻止しうる。
【0131】
あるいは、または加えて、可燃性熱源の後面と本発明による喫煙物品のエアロゾル形成基体との間の不燃性の実質的に不通気性のバリアの封入は、喫煙物品の使用中、可燃性熱源へのエアロゾル形成基体の成分の移動を都合良く実質的に防止または阻止しうる。
【0132】
可燃性熱源の後面とエアロゾル形成基体との間の不燃性の実質的に不通気性のバリアの封入は、エアロゾル形成基体が少なくとも1つのエアロゾル形成剤を含む場合、特に有益である。
【0133】
このような実施形態において、可燃性熱源の後面と本発明による喫煙物品のエアロゾル形成基体との間の不燃性の実質的に不通気性のバリアの封入は、喫煙物品の貯蔵中および使用中、エアロゾル形成基体から可燃性熱源への少なくとも1つのエアロゾル形成剤の移動を都合良く防止または阻止しうる。従って、喫煙物品の使用中の少なくとも1つのエアロゾル形成剤の分解は、都合良く実質的に回避または低減されうる。
【0134】
喫煙物品の望ましい特性および性能に応じて、可燃性熱源の後面とエアロゾル形成基体との間の不燃性の実質的に不通気性のバリアは、低い熱伝導率または高い熱伝導率を持ちうる。一定の実施形態において、バリアは改良非定常平面熱源(MTPS)法を使用して測定される時に、23℃および50%の相対湿度にて、メートルケルビン(W/(m・K))当たり約0.1W〜メートルケルビン(W/(m・K))当たり約200Wの間のバルク熱伝導率を有する材料から形成されてもよい。
【0135】
バリアの厚さは優れた喫煙性能を達成するように適切に調整してもよい。一定の実施形態において、バリアは約10ミクロン〜約500ミクロンの厚さを有してもよい。
【0136】
バリアは、点火中および燃焼中、可燃性熱源が達した温度で実質的に熱安定しており不燃性である一つ以上の適切な材料から形成しうる。適切な材料は当業界で周知であり、および粘土(例えば、ベントナイトおよびカオリナイトなど)、ガラス、ミネラル、セラミック材料、樹脂、金属およびこれらの組み合わせを含むが限定されない。
【0137】
バリアを形成してもよい好ましい材料は、粘土およびガラスを含む。バリアを形成してもよいより好ましい材料は、銅、アルミニウム、ステンレス鋼、合金、アルミナ(Al2O3)、樹脂およびミネラル接着剤を含む。
【0138】
一定の好ましい実施形態において、バリアは可燃性熱源の後面に提供されるベントナイトおよびカオリナイトの50/50の混合物を含む粘土コーティングを含む。その他の好ましい実施形態において、バリアは可燃性熱源の後面に提供されるガラスコーティング、より好ましくは焼結ガラスコーティングを含む。
【0139】
一定の特に好ましい実施形態において、バリアは可燃性熱源の後面に提供されるアルミニウムコーティングを含む。
【0140】
好ましくは、バリアは少なくとも約10ミクロンの厚さを有する。
【0141】
空気に対する粘土の浸透性はわずかなため、バリアが可燃性熱源の後面に提供される粘土コーティングを含む実施形態において、粘土コーティングの厚さは少なくとも約50ミクロンがより好ましく、約50ミクロン〜約350ミクロンが最も好ましい。
【0142】
バリアが、アルミニウムなどの空気に対してより不浸透性である1つ以上の材料から形成される実施形態において、バリアは、より薄くてもよく、一般に好ましくは、約100ミクロンよりも薄い、およびより好ましくは約20ミクロンの厚さを有するであろう。
【0143】
バリアが可燃性熱源の後面に提供されるガラスコーティングを含む実施形態において、ガラスコーティングの厚さは約200ミクロンよりも薄いのが好ましい。
【0144】
バリアの厚さを、顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)または当業界で周知の任意のその他の適切な測定方法を使用して測定してもよい。
【0145】
バリアが可燃性熱源の後面に提供されるバリア被覆を含む場合、バリア被覆は、吹き付け塗装、蒸着、浸漬、物質移動(例えば、ブラッシングまたは糊付け)、静電除滴またはそれらの任意の組み合わせを含むが限定されない当業界で周知の任意の適切な方法によって可燃性熱源の後面をカバーし、それに接着するために塗布されうる。
【0146】
例えば、バリア被覆は、可燃性熱源の後面のおよそのサイズおよび形状にバリアを予め形成し、それを可燃性熱源の後面に適用し、少なくとも実質的に可燃性熱源の後面全体を覆い接着することで作成しうる。別の方法として、バリア被覆は、それが可燃性熱源の後面に適用された後で、切断またはその他の方法で機械加工しうる。好ましい一つの実施形態で、可燃性熱源に糊付けまたは圧迫により、可燃性熱源の後面にアルミ箔が適用され、そのアルミ箔が少なくとも実質的に可燃性熱源の後面全体(可燃性熱源の後面全体であることが好ましい)を覆い付着するように、切断またはその他の方法で機械加工される。
【0147】
もう一つの好ましい実施形態において、一つ以上の適切なコーティング材料の溶液または懸濁液を可燃性熱源の後面に塗布することによって、バリア被覆を形成する。例えば、一つ以上の適切なコーティング材料の溶液中または懸濁液中に可燃性熱源の後面を浸漬することによって、または溶液または懸濁液をブラッシングまたは吹き付け塗装することによって、または一つ以上の適切なコーティング材料の粉末または粉末混合物を可燃性熱源の後面上に静電除滴することによって、バリア被覆を可燃性熱源の後面に塗布してもよい。可燃性熱源の後面上へ一つ以上の適切なコーティング材料の粉末または粉末混合物を静電除滴することによって、バリア被覆が可燃性熱源の後面に塗布される場合、可燃性熱源の後面は、静電除滴の前に水ガラスで前処理されるのが好ましい。好ましくは、バリア被覆は吹き付け塗装によって塗布される。
【0148】
バリア被覆は、可燃性熱源の後面への一つ以上の適切なコーティング材料の溶液または懸濁液の単一の塗布により形成されうる。別の方法として、バリア被覆は、可燃性熱源の後面への一つ以上の適切なコーティング材料の溶液または懸濁液の複数の塗布により形成されうる。例えば、バリア被覆は、可燃性熱源の後面への一つ以上の適切なコーティング材料の溶液または懸濁液の1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回または8回の連続する塗布により形成されうる。
【0149】
バリア被覆は、可燃性熱源の後面への一つ以上の適切なコーティング材料の溶液または懸濁液の1〜10回の塗布により形成されるのが好ましい。
【0150】
その後面への一つ以上のコーティング材料の溶液または懸濁液の複数回の塗布後、バリア被覆を形成するために可燃性熱源を乾燥してもよい。
【0151】
バリア被覆が、その後面への一つ以上の適切なコーティング材料の溶液または懸濁液の複数回の塗布により形成される場合、溶液または懸濁液の連続した塗布の間で可燃性熱源を乾燥する必要がありうる。
【0152】
別の方法としてまたは追加的に、可燃性熱源の後面への一つ以上のコーティング材料の溶液または懸濁液の塗布後、バリア被覆を形成するために可燃性熱源上のコーティング材料を焼結してもよい。バリア被覆を焼結することは、バリア被覆がガラスまたはセラミック被覆である場合、特に好ましい。好ましくは、バリア被覆を約500℃〜約900℃の温度にて、より好ましくは約700℃にて焼結する。
【0153】
本発明による喫煙物品は、エアロゾル形成基体の周辺の周りに1つ以上の第1の空気吸込み口を含みうる。
【0154】
本明細書に使用される「空気吸込み口」という用語は、喫煙物品に引き出されうる空気が通る穴、切れ込み、スロットまたはその他の開口部を記述するために使用される。
【0155】
本発明による喫煙物品がエアロゾル形成基体の周辺の周りに1つ以上の第1の空気吸込み口を備える場合、使用時に、冷気が第1の空気吸込み口を通して喫煙物品のエアロゾル形成基体に引き出される。第1の空気吸込み口を通って喫煙物品のエアロゾル形成基体に引き出される空気は、エアロゾル形成基体から喫煙物品を通って下流に通過し、その近位端を通って喫煙物品を出る。
【0156】
ユーザーがたばこを吸う間、エアロゾル形成基体の周辺の周りで1つ以上の第1の空気吸込み口を通って引き出された冷気は、エアロゾル形成基体の温度を都合良く低下させる。これは、ユーザーがたばこを吸う間、エアロゾル形成基体の温度におけるスパイクを都合良く実質的に防止または阻止する。
【0157】
本明細書に使用される「冷気」という用語は、ユーザーがたばこを吸う際に可燃性熱源によって有意に加熱されない周囲空気を記述するために使用される。
【0158】
エアロゾル形成基体の温度におけるスパイクを防止または阻止することによって、エアロゾル形成基体の周辺の周りの1つ以上の第1の空気吸込み口の封入は、激しくたばこを吸う状況下でエアロゾル形成基体の燃焼または熱分解を回避または低減するのを都合良く助ける。加えて、エアロゾル形成基体の周辺の周りの1つ以上の第1の空気吸込み口の封入は、喫煙物品の主流エアロゾルの組成物におけるユーザーのたばこを吸う状況の影響を最小にする、または低減するのを都合良く助ける。
【0159】
一定の好ましい実施形態において、1つ以上の第1の空気吸込み口は、エアロゾル形成基体の下流末端に近くに位置する。
【0160】
一定の実施形態では、エアロゾル形成基体は、可燃性熱源の後面、または可燃性熱源の後面上に提供される不燃性の実質的に不通気性のバリア被覆に隣接しうる。
【0161】
本明細書に使用される「隣接する」という用語は、可燃性熱源の後面、または可燃性熱源の後面上に提供される不燃性の実質的に不通気性のバリア被覆と直接接触するエアロゾル形成基体を記述するために使用される。
【0162】
その他の実施形態において、エアロゾル形成基体は可燃性熱源の後面から間隙を介していてもよい。すなわち、エアロゾル形成基体と可燃性熱源の後面との間のスペースまたはギャップがあってもよい。
【0163】
本明細書に使用される「間隙を介する」という用語は、可燃性熱源の後面、または可燃性熱源の後面上に提供される不燃性の実質的に不通気性のバリア被覆と直接接触していないエアロゾル形成基体を記述するために使用される。
【0164】
別の方法として、または1つ以上の第1の空気吸込み口に加えて、このような実施形態において、本発明による喫煙物品は、可燃性熱源の後面とエアロゾル形成基体と間に1つ以上の第2の空気吸込み口をさらに含んでもよい。使用において、冷気は、第2の空気吸込み口を通って可燃性熱源とエアロゾル形成基体との間のスペースに引き出される。第2の空気吸込み口を通って可燃性熱源とエアロゾル形成基体との間のスペースに引き出される空気は、可燃性熱源とエアロゾル形成基体との間のスペースから喫煙物品を通って下流に通過し、その近位端を通って喫煙物品を出る。
【0165】
ユーザーがたばこを吸う間、可燃性熱源の後面とエアロゾル形成基体との間の1つ以上の第2の入口を介して引き出された冷気は、エアロゾル形成基体の温度を都合良く低下させうる。これは、ユーザーがたばこを吸う間、エアロゾル形成基体の温度におけるスパイクを都合良く実質的に防止または阻止しうる。
【0166】
あるいは、または1つ以上の第1の空気吸込み口または1つ以上の第2の空気吸込み口に加えて、本発明による喫煙物品は、エアロゾル形成基体の下流に1つ以上の第3の空気吸込み口を含みうる。
【0167】
当然のことながら、本発明による喫煙物品は、エアロゾル形成基体の周辺の周りの1つ以上の第1の空気吸込み口か、可燃性熱源の後面とエアロゾル形成基体との間の1つ以上の第2の空気吸込み口か、エアロゾル形成基体の下流にある1つ以上の第3の空気吸込み口か、またはその任意の組み合わせを備えうる。
【0168】
空気吸込み口の数、形状、サイズおよび位置を、優れた喫煙性能を達成するように適切に調整してもよい。
【0169】
1つ以上の第3の空気吸込み口を備える一定の実施形態では、本発明による喫煙物品はエアロゾル形成基体の下流にある気流指向要素を備えることが好ましい。気流指向要素は喫煙物品を通した気流経路を画定する。1つ以上の第3の空気吸込み口が、エアロゾル形成基体の下流端と気流指向要素の下流端との間に提供されることが好ましい。
【0170】
使用において、空気は1つ以上の第3の空気吸込み口を通して気流指向要素中に引き出される。引き出された空気の少なくとも一部は、気流経路の第一の部分に沿って、エアロゾル形成基体に向かって上流へと流れる。空気は、エアロゾル形成基体を通して、次いで気流経路の第二の部分に沿って喫煙物品の口側の端に向かって下流へと流れる。
【0171】
気流指向要素は端の開いた実質的に不通気性の中空体を含んでもよい。こうした実施形態では、1つ以上の第3の空気吸込み口を通して引き出された空気は、まず上流に、好ましくは端の開いた実質的に不通気性の中空体の外側部分に沿って、それから下流に、好ましくは端の開いた実質的に不通気性の中空体の内部を通して引き出される。
【0172】
実質的に不通気性の中空体を、熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達によって生成されるエアロゾルの温度にて実質的に熱安定した1つ以上の適切な不通気性の材料から形成してもよい。適切な材料は当業界で周知であり、およびボール紙、プラスチック、セラミックおよびこれらの組み合わせを含むが限定されない。
【0173】
一つの好ましい実施形態において、端の開いた実質的に不通気性の中空体は、円柱、好ましくは直円柱である。
【0174】
もう一つの好ましい実施形態において、端の開いた実質的に不通気性の中空体は、切頭円錐、好ましくは切頭直円錐である。
【0175】
端の開いた実質的に不通気性の中空体は、約7 mm〜約50 mmの長さ、例えば約10 mm〜約45 mmの長さまたは約15 mm〜約30 mmの長さを有してもよい。気流指向要素は、喫煙物品の所望の全長に応じたその他の長さ、および喫煙物品内のその他の構成要素の存在および長さを有してもよい。
【0176】
端の開いた実質的に不通気性の中空体が円柱である場合、円柱は約2 mm〜約5 mmの直径、例えば約2.5 mm〜約4.5 mmの直径を有しうる。円柱は喫煙物品の所望の全径に応じて、その他の直径を有してもよい。
【0177】
端の開いた実質的に不通気性の中空体が切頭円錐である場合、切頭円錐の上流端は、約2 mm〜約5 mmの直径、例えば約2.5 mm〜約4.5 mmの直径を有してもよい。切頭円錐の上流端は、喫煙物品の所望の全径に応じてその他の直径を有してもよい。
【0178】
端の開いた実質的に不通気性の中空体が切頭円錐である場合、切頭円錐の下流端は、約5 mm〜約9 mmの直径、例えば約7 mm〜約8 mmの直径を有してもよい。切頭円錐の下流端は喫煙物品の所望の全径に応じて、その他の直径を有してもよい。好ましくは、切頭円錐の下流端はエアロゾル形成基体と実質的に同じ直径である。
【0179】
端の開いた実質的に不通気性の中空体は、エアロゾル形成基体に隣接してもよい。あるいは、端の開いた実質的に不通気性の中空体は、エアロゾル形成基体の中に延びてもよい。例えば、一定の実施形態において、端の開いた実質的に不通気性の中空体は、エアロゾル形成基体の中へ0.5Lまでの距離で延びてもよく、Lはエアロゾル形成基体の長さである。
【0180】
実質的に不通気性の中空体の上流端は、エアロゾル形成基体と比較して減少した直径である。
【0181】
一定の実施形態において、実質的に不通気性の中空体の下流端は、エアロゾル形成基体と比較して減少した直径である。
【0182】
その他の実施形態において、実質的に不通気性の中空体の下流端は、エアロゾル形成基体と実質的に同じ直径である。
【0183】
実質的に不通気性の中空体の下流端がエアロゾル形成基体と比較して減少した直径である場合、実質的に不通気性の中空体は実質的に不通気性の封止によって取り囲まれてもよい。このような実施形態において、実質的に不通気性の封止は1つ以上の第3の空気吸込み口の下流に位置する。実質的に不通気性の封止はエアロゾル形成基体と実質的に同じ直径でもよい。例えば、いくつかの実施形態において、実質的に不通気性の中空体の下流端は、エアロゾル形成基体と実質的に同じ直径の実質的に不浸透性のプラグまたはワッシャーによって取り囲まれてもよい。
【0184】
実質的に不通気性の封止を、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達によって生成されるエアロゾルの温度にて実質的に熱安定した1つ以上の適切な不通気性の材料から形成してもよい。適切な材料は当業界で周知であり、ボール紙、プラスチック、ろう、シリコーン、セラミックおよびこれらの組み合わせを含むが限定されない。
【0185】
端の開いた実質的に不通気性の中空体の長さの少なくとも一部は、通気性ディフューザーによって取り囲まれてもよい。通気性ディフューザーはエアロゾル形成基体と実質的に同じ直径でもよい。通気性ディフューザーを、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達によって生成されるエアロゾルの温度にて実質的に熱安定した1つ以上の適切な通気性材料から形成してもよい。適切な通気性材料は当業界で周知であり、例えば酢酸セルローストウ、ワタ、連続気泡セラミックおよびポリマー発泡体、たばこ材料およびこれらの組み合わせなどの多孔性材料を含むが限定されない。
【0186】
一つの好ましい実施形態において、気流指向要素は、エアロゾル形成基体と比較して減少した直径の端の開いた実質的に不通気性の中空管およびエアロゾル形成基体と実質的に同じ外径の環状の実質的に不通気性の封止を含み、それは中空管の下流端を取り囲む。
【0187】
気流指向要素は内側ラッパーをさらに含んでもよく、それは中空管および環状の実質的に不通気性の封止を取り囲む。
【0188】
中空管の開いた上流端はエアロゾル形成基体の下流端に隣接してもよい。あるいは、中空管の開いた上流端はエアロゾル形成基体の下流端の中へ挿入されても、または別の形で延びてもよい。
【0189】
気流指向要素はエアロゾル形成基体と実質的に同じ外径の環状通気性ディフューザーをさらに含んでもよく、それは環状の実質的に不通気性の封止の上流の中空管の長さの少なくとも一部を取り囲む。例えば、中空管は酢酸セルローストウのプラグに少なくとも部分的に包埋されてもよい。
【0190】
もう一つの好ましい実施形態において、気流指向要素は、エアロゾル形成基体と比較して減少した直径の上流端およびエアロゾル形成基体と実質的に同じ直径の下流端を有する端の開いた実質的に不通気性の切頭中空円錐を含む。
【0191】
切頭中空円錐の開いた上流端はエアロゾル形成基体の下流端に隣接してもよい。あるいは、切頭中空円錐の開いた上流端は、エアロゾル形成基体の下流端の中に挿入されても、または別の形で延びてもよい。
【0192】
気流指向要素は、エアロゾル形成基体と実質的に同じ外径の環状通気性ディフューザーをさらに含んでもよく、それは切頭中空円錐の長さの少なくとも一部を取り囲む。例えば、切頭中空円錐は酢酸セルローストウのプラグに少なくとも部分的に包埋されてもよい。
【0193】
別の好ましい実施形態では、気流指向要素はエアロゾル形成基体の下流にある通気性セグメントを備え、その気流指向要素が気流経路を画定するとともに、喫煙物品は空気を通気性セグメントに取り込むための1つ以上の第3の空気吸込み口を備えるが、ここで気流経路は第一の部分および第二の部分を含み、その気流経路の第一の部分は1つ以上の第3の空気吸込み口からエアロゾル形成基体に向かって延び、また気流経路の第二の部分はエアロゾル形成基体から喫煙物品の口側の端に向かって延び、またここで気流経路の第一の部分は1つ以上の第3の空気吸込み口の最も近くから通気性セグメントの上流端まで延びる通気性セグメントの低い引き出し抵抗部分によって画定され、また通気性セグメントは1つ以上の第3の空気吸込み口の最も近くから通気性セグメントの下流端に延びる高い引き出し抵抗部分をさらに含む。
【0194】
「通気性セグメント」という用語は本明細書に使用される場合、通気性セグメントを通る空気通過を完全に遮断する方法で遮断したり、塞いだり、密封しないセグメントをいう。
【0195】
高引き出し抵抗部分と低引き出し抵抗部分との間の引き出し抵抗の比率は、1:1よりも高く、約50:1よりも低い。気流経路の第二の部分は実質的に中空管によって定義されるのが好ましい。
【0196】
引き出し抵抗はISO 6565:2011に従い測定され、一般に単位mmH2Oで表現される。通気性セグメントの引き出し抵抗は、気流指向要素の通気性セグメントを通してのみ空気が流れるように気流経路の第二の部分を密封しながら気流指向要素の一端からの吸い込みを行うことによって測定しうる。通気性セグメントの引き出し抵抗は、セグメントの長さに沿って均一であるのが好ましい。このような実施形態において、低引き出し抵抗部分および高引き出し抵抗部分の引き出し抵抗はそれぞれ、通気性セグメントのそれぞれの長さと比例する。好ましい実施形態において、1つ以上の第3の空気吸込み口が気流指向要素の上流端に向かって位置する。このように、1つ以上の第3の空気吸込み口の上流にある通気性セグメントの一部分の引き出し抵抗は、1つ以上の第3の空気吸込み口の下流にある通気性セグメントの一部分の引き出し抵抗よりも低くなるはずである。
【0197】
通気性セグメントの引き出し抵抗がセグメントの長さに沿って均一でないその他の実施形態において、通気性セグメントの低引き出し抵抗部分の引き出し抵抗は、通気性セグメントの上流端に最も近い1つ以上の第3の空気吸込み口に対応する位置で気流指向要素を横方向に切断して、通気性セグメントの低引き出し抵抗部分を通気性セグメントの残り部分から分離して、通気性セグメントの低引き出し抵抗部分を通してのみ空気が流れるように気流経路の第二の部分を密封しながら切断された低抵抗性部分の一端で引き出すことによって測定されうる。同様に、通気性セグメントの高引き出し抵抗部分の引き出し抵抗は、通気性セグメントの下流端に最も近い1つ以上の第3の空気吸込み口に対応する位置で気流指向要素を横方向に切断して、通気性セグメントの高引き出し抵抗部分を通気性セグメントの残り部分から分離して、通気性セグメントの高引き出し抵抗部分を通してのみ空気が流れるように気流経路の第二の部分を密封しながら切断された高抵抗性部分の一端で引き出すことによって測定されうる。
【0198】
好ましくは、可燃性熱源は炭素質熱源である。本明細書に使用される「炭素質」と言う用語は、炭素を含む可燃性熱源を記述するために使用される。本発明による喫煙物品で使用するための可燃性炭素質の熱源の炭素含有量は、可燃性熱源の乾燥重量で少なくとも約35パーセントであることが好ましく、少なくとも約40パーセントがより好ましく、少なくとも約45パーセントが最も好ましい。
【0199】
一部の実施形態で、本発明による可燃性の熱源は可燃性炭素系熱源である。本明細書に使用される「炭素ベース熱源」という用語は、主に炭素から成る熱源を記述するために使用される。
【0200】
本発明による喫煙物品における使用のための可燃性炭素ベース熱源は、少なくとも約50パーセントの炭素含有量を有する。例えば、本発明による喫煙物品における使用のための可燃性炭素ベース熱源は、可燃性炭素ベース熱源の乾燥重量によって、少なくとも約60パーセント、または少なくとも約70パーセント、もしくは少なくとも約80パーセントの炭素含有量を有してもよい。
【0201】
本発明による喫煙物品は、1つ以上の適切な炭素含有材料から形成される可燃性炭素質の熱源を含んでもよい。
【0202】
必要に応じて、1つ以上の結合剤を、1つ以上の炭素含有材料と組み合わせてもよい。好ましくは、1つ以上の結合剤は有機結合剤である。適切な周知の有機結合剤は、ゴム(例えば、グアーガム)、修飾されたセルロースおよびセルロース誘導体(例えば、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース)、小麦粉、デンプン、糖、植物性油脂およびこれらの組み合わせを含むが限定されない。
【0203】
一つの好ましい実施形態において、可燃性熱源は炭素粉末、修飾されたセルロース、小麦粉および糖の混合物から形成される。
【0204】
一つ以上の結合剤の代わりに、またはそれに加えて、本発明による喫煙物品で使用するための可燃性の熱源は、可燃性熱源の属性を向上させるための一つ以上の添加剤を含みうる。適切な添加剤は、可燃性熱源の圧密を促進する添加剤(例えば、焼結助剤)、可燃性熱源の着火を促進する添加剤(例えば、過塩素酸塩、塩素酸塩、硝酸塩、過酸化物、過マンガン酸塩、ジルコニウムおよびその組み合わせなどの酸化剤)、可燃性熱源の燃焼を促進する添加剤(例えば、カリウム、およびクエン酸カリウムなどのカリウム塩)、ならびに可燃性熱源の燃焼によって生成される一つ以上のガスの分解を促進する添加剤(例えば、CuO、Fe2O3およびAl2O3などの触媒)を含むが、これに限定されない。
【0205】
本発明による喫煙物品が可燃性熱源の後面に提供されるバリア被覆を含む場合、このような添加剤は、可燃性熱源の後面へのバリア被覆の塗布の前または後に可燃性熱源に組み込まれてもよい。
【0206】
一定の好ましい実施形態において、可燃性熱源は炭素および少なくとも1つの点火補助剤を含む可燃性炭素質熱源である。一つの好ましい実施形態において、可燃性熱源は、WO-A1-2012/164077号に記載されているように、炭素および少なくとも1つの点火補助剤を含む可燃性炭素質熱源である。
【0207】
本明細書に使用される「点火補助剤」という用語は、材料によるエネルギーおよび酸素の一方または両方の放出の割合が制限される周囲酸素拡散でない場合、可燃性熱源の点火の間にエネルギーおよび酸素の一方または両方を放出する材料を意味するために使用される。言い換えれば、可燃性熱源の点火の間の材料によるエネルギーおよび酸素の一方または両方の放出の割合は、周囲酸素が材料に到達できる割合に主に非依存的である。また、本明細書に使用される「点火補助剤」という用語は、可燃性熱源の点火の間、エネルギーを放出する元素金属を意味するために使用され、元素金属の点火温度は約500℃より低く、元素金属の燃焼の熱は少なくとも約5 kJ/gである。
【0208】
本明細書に使用される「点火補助剤」という用語は、カルボン酸のアルカリ金属塩(クエン酸アルカリ金属塩、酢酸アルカリ金属塩およびコハク酸アルカリ金属塩など)、ハロゲン化アルカリ金属塩(アルカリ金属塩化物塩など)、アルカリ金属炭酸塩またはアルカリ金属リン酸塩のアルカリ金属塩を含まず、これらは炭素燃焼を修飾すると考えられる。このようなアルカリ金属燃焼塩は、可燃性熱源の総重量に対して大量に存在する時にさえ、初期のたばこを吸う間に許容されるエアロゾルを製造するのに十分なエネルギーを可燃性熱源の点火の間に放出しない。
【0209】
適切な酸化剤の例は、硝酸塩、例えば硝酸カリウム、硝酸カルシウム、硝酸ストロンチウム、硝酸ナトリウム、硝酸バリウム、硝酸リチウム、硝酸アルミニウムおよび硝酸鉄など;亜硝酸塩;その他の有機および無機ニトロ化合物;塩素酸塩、例えば塩素酸ナトリウムおよび塩素酸カリウムなど;過塩素酸塩、例えば過塩素酸ナトリウムなど;亜塩素酸塩;臭素酸塩、例えば臭素酸ナトリウムおよび臭素酸カリウムなど;過臭素酸塩;亜臭素酸;ホウ酸塩、例えばホウ酸ナトリウムおよびホウ酸カリウムなど;鉄酸塩、例えば鉄酸バリウムなど;亜鉄酸塩;マンガン酸塩、例えばマンガン酸カリウムなど;過マンガン酸塩、例えば、過マンガン酸カリウムなど;有機過酸化物、例えば過酸化ベンゾイルおよび過酸化アセトンなど;無機過酸化物、例えば過酸化水素、過酸化ストロンチウム、過酸化マグネシウム、過酸化カルシウム、過酸化バリウム、過酸化亜鉛および過酸化リチウムなど;超酸化物、例えば超酸化カリウムおよび超酸化ナトリウムなど;ヨウ素酸塩;過ヨウ素酸塩;亜ヨウ素酸塩;硫酸塩;亜硫酸塩;その他のスルホキシド;リン酸塩;ホスフィン酸塩;亜リン酸塩;および亜ホスフィン酸塩を含むが限定されない。
【0210】
可燃性熱源の点火および燃焼特性を都合良く改善する一方、点火および燃焼添加剤の封入は、喫煙物品の使用中に望ましくない分解および反応産物を生じさせうる。例えば、その点火を補助するために可燃性熱源に含まれる硝酸塩の分解は、窒素酸化物の形成を生じうる。
【0211】
本発明による喫煙物品が非ブラインド可燃性熱源を含む場合、1つ以上の気流チャネルと非ブラインド可燃性熱源との間の不燃性の実質的に不通気性のバリアの封入は、引き出された空気が1つ以上の気流チャネルを通って通過するにつれて、このような分解および反応産物が1つ以上の気流チャネルを通って本発明による喫煙物品に引き出された空気に入るのを都合良く実質的に防止または阻止しうる。
【0212】
また、可燃性熱源の後面とエアロゾル形成基体との間の不燃性の実質的に不通気性のバリアの封入は、このような分解および反応産物が本発明による喫煙物品を通って引き出された空気に入るのを都合良く実質的に防止または阻止しうる。
【0213】
本発明による喫煙物品における使用のための可燃性炭素質熱源は、当業者に周知である従来技術に記載されているように作成されうる。
【0214】
本発明による喫煙物品における使用のための可燃性炭素質熱源は、含まれる場合、1つ以上の結合剤およびその他の添加剤と1つ以上の炭素含有材料を混合することによって好ましくは形成され、所望の形に混合物を予め成形する。材料、1つ以上の結合剤および随意のその他の添加剤を含む1つ以上の炭素の混合物は、例えばスリップ注型、押出、射出成形および型圧縮またはプレスなどの任意の適切な周知のセラミック形成方法を使用して、所望の形に予め成形されうる。一定の好ましい実施形態において、混合物はプレスまたは押出またはそれらの組み合わせによって所望の形に予め成形される。
【0215】
好ましくは、1つ以上の炭素含有材料、1つ以上の結合剤およびその他添加剤の混合物は、細長いロッドに予め成形される。しかし、1つ以上の炭素含有材料、1つ以上の結合剤およびその他添加剤の混合物を、その他の所望の形に予め成形してもよいことが認識されるであろう。
【0216】
形成後、特に押出後、細長いロッドまたはその他の所望の形は、その含水量を減少させるために好ましくは乾燥させ、次いで、存在する場合には、1つ以上の結合剤を炭化するのに十分な温度にて非酸化大気において熱分解し、細長いロッドまたはその他の形状における任意の揮発物を実質的に除去する。細長いロッドまたはその他の所望の形状は、約700℃〜約900℃の温度にて窒素大気において、好ましくは熱分解される。
【0217】
一定の実施形態において、少なくとも1つの金属硝酸塩は、材料、1つ以上の結合剤およびその他の添加剤を含む1つ以上の炭素の混合物に少なくとも1つの金属硝酸塩前駆体を含むことによって可燃性熱源に組み込まれる。次いで、少なくとも1つの金属硝酸塩前駆体は、熱分解された予め成形された円柱状ロッドまたはその他の形状を硝酸の水性溶液で処理することによって、少なくとも1つの金属硝酸塩にインサイチューでその後変換される。一つの実施形態において、可燃性熱源は、約600℃よりも低い、より好ましくは約400℃よりも低い熱分解温度を持つ少なくとも一つの金属硝酸塩を含む。少なくとも一つの金属硝酸塩は約150℃〜約600℃が好ましく、約200℃〜約400℃の分解温度を有するのがより好ましい。
【0218】
好ましい実施形態において、従来の黄色炎ライターまたはその他の点火手段への可燃性熱源の曝露は、少なくとも1つの金属硝酸塩を分解し、酸素およびエネルギーを放出させるはずである。この分解が可燃性熱源の温度の初期ブーストを生じさせ、また可燃性熱源の点火を補助する。少なくとも1つの金属硝酸塩の分解後、可燃性熱源は、より低い温度にて好ましくは燃焼し続ける。
【0219】
少なくとも一つの金属硝酸塩を含むことは、内部で開始される可燃性熱源の、またその表面上のある地点だけでない点火を都合良く生じさせる。少なくとも一つの金属硝酸塩は、可燃性熱源の乾燥重量で約20パーセント〜約50パーセントの量で可燃性熱源に存在するのが好ましい。
【0220】
その他の実施形態において、可燃性熱源は、約600℃未満の温度にて、より好ましくは約400℃未満の温度にて酸素を活発に放出する少なくとも1つの過酸化物または超酸化物を含む。
【0221】
好ましくは、少なくとも1つの過酸化物または超酸化物は、約150℃〜約600℃の温度にて、より好ましくは約200℃〜約400℃の温度にて、最も好ましくは約350℃の温度にて酸素を活発に放出する。
【0222】
使用において、従来の黄色炎ライターまたはその他の点火手段に可燃性熱源を晒すことにより、少なくとも一つの金属硝酸塩を分解し、酸素およびエネルギーを放出させるはずである。この分解が可燃性熱源の温度の初期ブーストを生じさせ、また可燃性熱源の点火を補助する。少なくとも1つの過酸化物または超酸化物の分解後、可燃性熱源は、より低い温度にて好ましくは燃焼し続ける。
【0223】
少なくとも一つの過酸化物または超酸化物を含むことは、内部で開始される可燃性熱源の、またその表面上のある地点だけでない点火を都合良く生じさせる。
【0224】
可燃性熱源は、約20パーセント〜約80パーセントの多孔度を有するのが好ましく、約20パーセント〜60パーセントがより好ましい。可燃性熱源が少なくとも一つの金属硝酸塩を含む場合、これは、少なくとも一つの金属硝酸塩が分解して燃焼が進む中で燃焼を持続するために十分な率で可燃性熱源の塊に酸素が放散することを都合良く可能にする。可燃性熱源は、例えば水銀多孔度測定またはヘリウム比重びん法によって測定される場合に約50パーセント〜約70パーセントの多孔度を有するのがさらに好ましく、約50パーセント〜約60パーセントがより好ましい。必要な多孔度は、従来の方法および技術を使用して可燃性熱源の生成中に容易に達成しうる。
【0225】
有利なことに、本発明による喫煙物品における使用のための可燃性炭素質熱源は、約0.6 g/cm3〜約1 g/cm3の見掛け密度を有する。
【0226】
可燃性熱源の質量は約300 mg〜約500 mgであることが好ましく、約400 mg〜約450 mgであることがより好ましい。
【0227】
可燃性熱源の長さは約7 mm〜約17 mmであることが好ましく、約7 mm〜約15 mmであることがより好ましく、約7 mm〜約13 mmであることが最も好ましい。
【0228】
可燃性熱源の直径は約5 mm〜約9 mmであることが好ましく、約7 mm〜約8 mmであることがより好ましい。
【0229】
好ましくは、可燃性熱源の直径は実質的に一様である。しかし、可燃性熱源は、ブラインド可燃性熱源の後方部分の直径がその前方部分の直径よりも大きいように、あるいは先細りにされてもよい。実質的に円柱状である可燃性熱源は、特に好ましい。可燃性熱源は、例えば、実質的に円形の横断面の円柱または先細りにされた円柱、もしくは実質的に楕円の横断面の円柱または先細りにされた円柱でもよい。
【0230】
本発明による喫煙物品は、加熱に反応して揮発性化合物を放出することができる少なくとも1つのエアロゾル形成剤および材料を含むエアロゾル形成基体を含むことが好ましい。エアロゾル形成基体は、湿潤剤、風味剤、結合剤およびそれらの混合物を含むがそれらに限定されない、その他の添加剤および成分を含んでもよい。
【0231】
好ましくは、エアロゾル形成基体はニコチンを含む。より好ましくは、エアロゾル形成基体は、たばこを含む。
【0232】
少なくとも一つのエアロゾル形成剤は、使用時に、密度の高い安定したエアロゾルの形成を促進し、喫煙物品の使用温度で実質的に熱劣化耐性のある任意の適切な既知の化合物または化合物の混合物としうる。適切なエアロゾル形成剤は当業界で周知であり、例えば、多価アルコール、多価アルコールのエステル(グリセロールモノ、ジまたはトリアセタートなど)、およびモノ、ジまたはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチルおよびテトラデカン二酸ジメチルなど)を含む。本発明による喫煙物品における使用のための好ましいエアロゾル形成剤は、トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、および最も好ましいグリセリンなどの多価アルコールまたはこれらの混合物である。
【0233】
加熱に反応して揮発性化合物を放射することができる材料は、植物ベース材料の装填でもよい。加熱に反応して揮発性化合物を放射することができる材料は、均一化された植物ベース材料の装填でもよい。例えば、エアロゾル形成基体は、植物に由来する1つ以上の材料を含んでもよく、たばこ、茶(例えば緑茶)、ハッカ、月桂樹、ユーカリ、バジル、セージ、ビジョザクラ、およびタラゴンを含むが限定されない。
【0234】
好ましくは、加熱に反応して揮発性化合物を放射することができる材料は、たばこベース材料の装填、最も好ましくは均一化されたたばこベース材料の装填である。
【0235】
エアロゾル形成基体は、紙またはその他のラッパーによって取り囲まれる加熱に反応して揮発性化合物を発することができる材料を含むプラグまたはセグメントの形態としうる。前述のように、エアロゾル形成基体がこのようなプラグまたはセグメントの形態である場合、任意のラッパーを含むプラグまたはセグメントの全体はエアロゾル形成基体であると見なされる。
【0236】
エアロゾル形成基体の長さは約5 mm〜約20 mmであることが好ましく、約8 mm〜約12 mmであることがより好ましい。
【0237】
好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体はプラグラップに包まれるたばこベース材料のプラグを含む。特定の好ましい実施形態において、エアロゾル形成基体はプラグラップに包まれる均一化されたたばこベース材料のプラグを含む。
【0238】
本発明による喫煙物品は、エアロゾル形成基体の下流、また存在する場合は、気流指向要素の下流のマウスピースを含むことが好ましい。マウスピースは喫煙物品の近位端に位置する。
【0239】
マウスピースは低濾過効率のマウスピースであることが好ましく、非常に低い濾過効率のマウスピースであることがより好ましい。マウスピースは単一のセグメントまたは構成要素マウスピースでもよい。あるいは、マウスピースは多分割または多構成要素マウスピースでもよい。
【0240】
マウスピースは、適切な周知の濾過材料を含む1つ以上のセグメントを含むフィルタを含んでもよい。適切な濾過材料は当業界で周知であり、酢酸セルロースおよび紙を含むが、これらに限定されない。別の方法としてまたは追加的に、マウスピースは吸収剤、吸着剤、風味剤、およびその他のエアロゾル変性剤および添加剤またはその組み合わせを含む一つ以上のセグメントを含みうる。
【0241】
要素による喫煙物品は、エアロゾル形成基体とマウスピースとの間に伝達要素またはスペーサー要素を好ましくはさらに含む。存在する場合、気流指向要素は伝達要素の上流が好ましい。こうした実施形態では、伝達要素は気流指向要素およびマウスピースの一方または両方から間隙を介しうる。
【0242】
伝達要素はエアロゾル形成基体およびマウスピースの一方または両方に隣接してもよい。あるいは、伝達要素はエアロゾル形成基体およびマウスピースの一方または両方から間隙を介していてもよい。
【0243】
伝達要素の封入は、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達によって生成されるエアロゾルの冷却を都合良く可能にする。また、伝達要素の封入は、本発明による喫煙物品の全長が、伝達要素の長さの適切な選択を介して所望の値、例えば従来の紙巻たばこのそれに類似の長さに調整されるのを都合良く可能にする。
【0244】
伝達要素は約7 mm〜約50 mmの長さ、例えば約10 mm〜約45 mmの長さ、または約15 mm〜約30 mmの長さを有してもよい。伝達要素は、喫煙物品の所望の全長および喫煙物品内のその他の成分の存在および長さに応じて、その他の長さを有してもよい。
【0245】
好ましくは、伝達要素は少なくとも1つの端の開いた管状中空体を含む。このような実施形態において、使用において、喫煙物品を通って引き出された空気は、それがエアロゾル形成基体からその近位端まで喫煙物品を通って下流に通過する時に、少なくとも1つの端の開いた管状中空体を通って通過する。
【0246】
伝達要素は、可燃性熱源からエアロゾル形成基体への熱伝達によって生成されるエアロゾルの温度にて実質的に熱安定した1つ以上の適切な材料から形成される少なくとも1つの端の開いた管状中空体を含んでもよい。適切な材料は当業界で周知であり、紙、ボール紙、プラスチック、このような酢酸セルロース、セラミックおよびこれらの組み合わせを含むが限定されない。
【0247】
あるいは、または加えて、本発明による喫煙物品は、エアロゾル形成基体とマウスピースとの間にエアロゾル冷却要素または熱交換器を含んでもよい。エアロゾル冷却要素は複数の長軸方向に延びる流路を含んでもよい。
【0248】
エアロゾル冷却要素は、金属箔、重合体材料および実質的に非多孔性の紙またはボール紙から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。一定の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、酢酸セルロース(CA)およびアルミ箔から成る群より選択される材料シートの集合体を含んでもよい。
【0249】
一定の好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素は、ポリ乳酸(PLA)またはMater-Bi(登録商標)の等級(デンプンベースのコポリエステルの市販のファミリー)などの生物分解性高分子材料のシートの集合体を含んでもよい。
【0250】
本発明による喫煙物品は、エアロゾル形成基体の下流に1つ以上のエアロゾル修飾剤を含んでもよい。例えば、本発明による喫煙物品のマウスピース、伝達要素およびエアロゾル冷却要素の1つまたは複数は、1つ以上のエアロゾル修飾剤を含んでもよい。
【0251】
適切なエアロゾル修飾剤は、風味剤、および化学感覚剤を含むが限定されない。
【0252】
本明細書に使用される「風味剤」という用語は、使用において、喫煙物品のエアロゾル形成基体によって生成されるエアロゾルに味覚または芳香の一方または両方を与える任意の薬剤を記述するために使用される。
【0253】
本明細書に使用される「化学感覚剤」という用語は、使用において、味覚受容体または嗅覚受容体細胞を経る知覚以外の、または加えた手段によってユーザーの口、または嗅空洞において知覚される任意の薬剤を記述するために使用される。化学感覚剤の知覚は、三叉神経、舌咽神経、迷走神経またはこれらのいくつかの組み合わせのいずれかを経て、典型的には「三叉神経応答」を経る。典型的には、化学感覚剤は、辛い、香辛料のきいた、冷却するまたは和らげる感覚として知覚される。
【0254】
本発明による喫煙物品は、エアロゾル形成基体の下流に風味剤および化学感覚剤である1つ以上のエアロゾル修飾剤を含んでもよい。例えば、本発明による喫煙物品のマウスピース、伝達要素およびエアロゾル冷却要素の1つまたは複数は、冷却する化学感覚効果を提供するメントールまたはもう一つの風味剤を含んでもよい。
【0255】
本発明による喫煙物品は既知の方法および機械を使用して組み立てられる。
【0256】
本発明は以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0257】
図1】本発明の第1の実施形態による喫煙物品の長軸方向の横断面の略図を示す。
図2】本発明の第3の実施形態による喫煙物品の長軸方向の横断面の略図を示す。
図3】本発明の第5の実施形態による喫煙物品の長軸方向の横断面の略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0258】
図1に示した本発明の第1の実施形態による喫煙物品2は、隣接する同軸配列で、前面6および対向した後面8、エアロゾル形成基体10、伝達要素12、エアロゾル冷却要素14、スペーサー要素16およびマウスピース18を有するブラインド可燃性熱源4を含む。
【0259】
ブラインド可燃性熱源4は、ブラインド炭素質可燃性熱源であり、喫煙物品2の遠位端に位置する。図1に示したように、アルミ箔のディスクの形態で不燃性の実質的に不通気性のバリア22は、ブラインド可燃性熱源4の後面8とエアロゾル形成基体10との間に提供される。バリア22は、ブラインド可燃性熱源4の後面8上へアルミ箔のディスクをプレスすることによってブラインド可燃性熱源4の後面8に適用され、可燃性炭素質熱源4の後面8およびエアロゾル形成基体10に隣接する。当然のことながら、本発明のその他の実施形態(図示せず)では、ブラインド可燃性熱源4の後面8とエアロゾル形成基体10の間の不燃性の実質的に不通気性のバリア22は省略されうる。
【0260】
エアロゾル形成基体10は、ブラインド可燃性熱源4の後面8に適用される第1のバリア22のすぐ下流に位置する。エアロゾル形成基体10は、プラグラップ26に包まれた、例えばグリセリンなどのエアロゾル形成体を含む均一化されたたばこベース材料24の円柱状プラグを含む。
【0261】
伝達要素12はエアロゾル形成基体10の下流にすぐ下流に位置し、円柱状の端の開いた中空酢酸セルロース管28を含む。
【0262】
エアロゾル冷却要素14は伝達要素12の下流にすぐ下流に位置し、例えばポリ乳酸などの生物分解性高分子材料のシートの集合体を含む。
【0263】
スペーサー要素16はエアロゾル冷却要素14のすぐ下流に位置し、円柱状の端の開いた中空の紙またはボール紙管30を含む。
【0264】
マウスピース18はスペーサー要素16のすぐ下流に位置する。図1に示したように、マウスピース18は喫煙物品2の近位端に位置し、フィルタプラグラップ34に包まれた、例えば非常に低い濾過効率の酢酸セルローストウなどの適切な濾過材料32の円柱状プラグを含む。
【0265】
喫煙物品2は、ブラインド可燃性熱源4の後方部分およびエアロゾル形成基体10の前方部分の上にあり、それらと直接接触する、例えばアルミ箔などの熱伝導材料の半径方向に内側にある層の第1の熱伝導性要素36を含む。喫煙物品2はまた、エアロゾル形成基体10の後方部分および伝達要素12の全長の上にある熱伝導材料の半径方向に外側にある層(例えば、アルミ箔など)を含む第2の熱伝導性要素38を備える。図1に示す通り、第2の熱伝導性要素38の熱伝導材料の半径方向に外側にある層は、第1の熱伝導性要素36の熱伝導材料の半径方向に内側にある層の上にはない。
【0266】
本発明のその他の実施形態(図示せず)で、第1の熱伝導性要素36は、ブラインド可燃性熱源4の後方部分の上にある熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層を備えてもよく、また第2の熱伝導性要素38は、エアロゾル形成基体10の全長の上にある熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を備えてもよい。
【0267】
別の方法としてまたはさらに、本発明のその他の実施形態(図示せず)で、伝達要素12は、第2の熱伝導性要素38の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層を越えて下流方向に延びうる。こうした実施形態では、第2の熱伝導性要素38の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、伝達要素12の前方部分のみの上としうる。別の方法として、こうした実施形態では、第2の熱伝導性要素38の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、伝達要素12のどの上でなくてもよい。
【0268】
図1に示す本発明の第1の実施形態では、第1の熱伝導性要素36の熱伝導材料の半径方向に内側にある層が下流方向に延びるエアロゾル形成基体10の周りの位置は、第2の熱伝導性要素38の熱伝導材料の半径方向に外側にある層が上流方向に延びるエアロゾル形成基体10の周りの位置とほぼ同じである。すなわち、第1の熱伝導性要素36の熱伝導材料の半径方向に内側にある層の下流端および第2の熱伝導性要素38の熱伝導材料の半径方向に外側にある層の上流端は、エアロゾル形成基体10上で実質的に整列される。本発明のその他の実施形態(図示せず)で、第2の熱伝導性要素38の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に外側にある層は、第1の熱伝導性要素36の熱伝導材料の1つ以上の半径方向に内側にある層から長軸方向に間隙を介しうる。
【0269】
第1の熱伝導性要素36および第2の熱伝導性要素38は、第1の熱伝導性要素36の熱伝導材料の半径方向に内側にある層の全長の上にあり、かつ第2の熱伝導性要素38の熱伝導材料の半径方向に外側にある層の全長の下にある熱絶縁材料40(例えば、紙巻たばこ用紙など)の層によって半径方向に分離されている。
【0270】
図1に示す通り、熱絶縁材料40の層は、第1の熱伝導性要素36の熱伝導材料の半径方向に内側にある層、エアロゾル形成基体10、伝達要素12、エアロゾル冷却要素14、スペーサー要素16およびマウスピース18を取り囲む。
【0271】
喫煙物品は、熱絶縁材料40の層の下流末端部分を取り囲むチッピング紙(図示せず)のバンドをさらに含んでもよい。
【0272】
本発明の第1の実施形態による喫煙物品2は、エアロゾル形成基体10の周辺の周りに1つ以上の第1の空気吸込み口42を含む。図1に示したように、第1の空気吸込み口42の周囲配置は、冷気(図1に破線矢印によって示す)をエアロゾル形成基体10に入れるために、エアロゾル形成基体10のプラグラップ26、および第2の熱伝導性要素38の熱伝導材料の半径方向に外側にある層に提供される。
【0273】
使用において、ユーザーは本発明の第1の実施形態による喫煙物品2のブラインド可燃性熱源4に点火し、次いでマウスピース18で吸い込む。ユーザーがマウスピース18で吸い込む時、冷気(図1に破線矢印によって示す)は、第1の空気吸込み口42を通って喫煙物品2のエアロゾル形成基体10に引き出される。
【0274】
エアロゾル形成基体10の前方部分は、ブラインド可燃性熱源4および第1のバリア22の後面8ならびに熱伝導性要素36を介して伝導によって加熱される。伝導によるエアロゾル形成基体10の加熱は、均一化されたたばこベース材料24のプラグからグリセリンおよびその他の揮発性および半揮発性化合物を放出する。エアロゾル形成基体10から放出される化合物は、それがエアロゾル形成基体10を介して流れるにつれて、第1の空気吸込み口42を介して喫煙物品2のエアロゾル形成基体10に引き出される空気に混入されるエアロゾルを形成する。引き出された空気および混入されたエアロゾル(図1に破線の矢印によって示す)は、これらが冷却し凝縮する伝達要素12の円柱状の端の開いた中空酢酸セルロース管28、エアロゾル冷却要素14およびスペーサー要素16の内部を通って下流に通過する。冷却された引き出された空気および混入されたエアロゾルは、マウスピース18を通って下流に通過し、本発明の第1の実施形態による喫煙物品2の近位端を通ってユーザーに送達される。ブラインド可燃性熱源4の後面8上の不燃性の実質的に不通気性のバリア22は、使用において、喫煙物品2を通って引き出される空気がブラインド可燃性熱源4と直接接触しないように、喫煙物品2を通って引き出された空気からブラインド可燃性熱源4を隔離する。
【0275】
使用時に、第2の熱伝導性要素38は、喫煙物品2の外側表面からの放射熱損失を低減する。同じく、これはエアロゾル形成基体10の温度を維持して、連続かつ増強されたエアロゾル送達を容易にするのを助ける。
【0276】
当然のことながら本発明のその他の実施形態(図示せず)で、喫煙物品はさらに、エアロゾル形成基体10、伝達要素12、エアロゾル冷却要素14、スペーサー要素16、マウスピース18、およびブラインド可燃性熱源4の後方部分を取り囲み、かつ第2の熱伝導性要素の上にある、低い空気浸透性のシート材料(例えば、紙巻たばこ用紙など)の外側ラッパーを備えうる。
【0277】
こうした実施形態で、第1の空気吸込み口42の周囲配置は、エアロゾル形成基体10のプラグラップ26、第2の熱伝導性要素38の熱伝導材料の半径方向に外側にある層、および上にある外側ラッパーに、冷気(図1に破線矢印によって示す)をエアロゾル形成基体10に入れるために提供される。
【0278】
本発明の第2の実施形態による喫煙物品(図示せず)は、図1に示した本発明の第1の実施形態による喫煙物品と大部分は同一の構造である。ところが、本発明の第2の実施形態による喫煙物品では、第1の熱伝導性要素36の上にあり、かつ第2の熱伝導性要素38の下にある熱絶縁材料40の層は省略され、第2の熱伝導性要素38は熱伝導材料(例えば、アルミニウムなど)の外側の層および熱絶縁材料(例えば、紙など)の内側の層を含むラミネート材料で形成される。
【0279】
図2に示した本発明の第3の実施形態による喫煙物品44は、図1に示した本発明の第1の実施形態による喫煙物品と大部分は同一の構造である。ところが、本発明の第3の実施形態による喫煙物品44では、エアロゾル形成基体10の周辺の周りの第1の空気吸込み口42は省略され、可燃性熱源4は、非ブラインド可燃性熱源4の前面6から後面8に延びる単一の中央気流チャネル46を含む非ブラインド可燃性炭素質熱源である。
【0280】
図2に示す通り、不燃性の実質的に不通気性のバリア48は、可燃性熱源4および中央の気流チャネル46の間に提供される。バリア48は、単一の中央気流チャネル46の内側表面全体上に提供される不燃性の実質的に不通気性のバリア被覆を含む。本発明のその他の実施形態(図示せず)で、可燃性熱源4と中央気流チャネル46との間の不燃性の実質的に不通気性のバリア48は省略されてもよい。
【0281】
図1に示す本発明の第1の実施形態による喫煙物品と同様に、図2に示す本発明の第3の実施形態による喫煙物品44は、ブラインド可燃性熱源4の後方部分およびエアロゾル形成基体10の前方部分の上にあり、それと直接接触する、熱伝導材料の半径方向に内側にある層を含む第1の熱伝導性要素36と、エアロゾル形成基体10の後方部分および伝達要素12の全長の上にある伝導材料の半径方向に外側にある層を含む第2の熱伝導性要素38とを備える。ところが、図1に示す通り、本発明の第2の実施形態による喫煙物品44では、第2の熱伝導性要素38の熱伝導材料の半径方向に外側にある層は、第1の熱伝導性要素36の熱伝導材料の半径方向に内側にある層から長軸方向に間隙を介している。
【0282】
使用において、ユーザーは本発明の第2の実施形態による喫煙物品44の非ブラインド可燃性熱源4に点火し、次いでマウスピース18で吸い込む。ユーザーがマウスピース18で吸い込む時、冷気(図2に破線矢印によって示す)は、中央の気流チャネル46を通って喫煙物品2のエアロゾル形成基体10に引き出される。非ブラインド可燃性熱源4の後面8上の不燃性の実質的に不通気性のバリア22と、単一の中央気流チャネル46の内側表面上にある不燃性の実質的に不通気性のバリア48は、使用において、喫煙物品44を通って引き出された空気が非ブラインド可燃性熱源4と直接接触しないように、喫煙物品44を通って引き出された空気から非ブラインド可燃性熱源4を隔離する。
【0283】
本発明の第4の実施形態による喫煙物品(図示せず)は、図2に示した本発明の第3の実施形態による喫煙物品と大部分は同一の構造である。ところが、本発明の第3の実施形態による喫煙物品では、第1の熱伝導性要素36の上にあり、かつ第2の熱伝導性要素38の下にある熱絶縁材料40の層は省略され、第2の熱伝導性要素38は熱伝導材料(例えば、アルミニウムなど)の外側の層および熱絶縁材料(例えば、紙など)の内側の層を含むラミネート材料で形成される。
【0284】
図3に示した本発明の第5の実施形態による喫煙物品50は、図1に示した本発明の第1の実施形態による喫煙物品と大部分は同一の構造である。ところが、本発明の第5の実施形態による喫煙物品50では、エアロゾル形成基体10および伝達要素12の周辺の周りの第1の空気吸込み口42は省略され、それぞれ第3の空気吸込み口52および気流指向要素54で置き換えられる。
【0285】
気流指向要素54は、エアロゾル形成基体10の下流に位置し、例えば、ボール紙で作製された端の開いた実質的に不通気性の中空管56を含み、それはエアロゾル形成基体10と比較して減少された直径である。端の開いた中空管56の上流端は、エアロゾル形成基体10に隣接する。端の開いた中空管56の下流端は、エアロゾル形成基体10と実質的に同じ直径の環状の実質的に不通気性の封止58によって囲まれる。端の開いた中空管の残りの部分は、エアロゾル形成基体10と実質的に同じ直径の酢酸セルローストウ60の円柱状プラグ内に埋め込まれる。
【0286】
端の開いた中空管56および酢酸セルローストウ60の円柱状プラグは、通気性のある内側のラッパー62により取り囲まれる。
【0287】
図3にも示す通り、第3の空気吸込み口52の周囲の列は、内側のラッパー62を取り巻く熱絶縁材料40の層に提供される。
【0288】
使用において、ユーザーがマウスピース10で吸い込む時に、冷気は第3の空気吸込み口52を介して、本発明の第2の実施形態による喫煙物品50中に引き出される。引き出された空気は、酢酸セルローストウ60の円柱状プラグを通ってエアロゾル形成基体10へと、端の開いた中空管56と内側ラッパー62との間を上流に通過する。
【0289】
図1に示し上述した本発明の第1の実施形態による喫煙物品2の場合と同様に、エアロゾル形成基体10は伝導によって加熱され、エアロゾル形成基体10を通して流れる際に引き出された空気内に混入されるエアロゾルを形成する。引き出された空気および混入したエアロゾルは、気流指向要素54の中空管56の内部を通って、エアロゾル冷却要素14およびスペーサー要素に向けて下流に流れ、そこで冷却されて凝結する。次いで、冷却されたエアロゾルは、喫煙物品50のマウスピース18を通してユーザーの口中へと下流に通過する。
【0290】
エアロゾル冷却要素14は気流指向要素54のすぐ下流に位置し、また第1の実施形態と同様に、例えばポリ乳酸などの生物分解性高分子材料のシートの集合体を含む。
【0291】
スペーサー要素16はエアロゾル冷却要素14のすぐ下流に位置し、円柱状の端の開いた中空の紙またはボール紙管30を含む。
【0292】
マウスピース18はスペーサー要素16のすぐ下流に位置する。図3に示したように、マウスピース18は喫煙物品2の近位端に位置し、フィルタプラグラップ34に包まれた、例えば非常に低い濾過効率の酢酸セルローストウなどの適切な濾過材料32の円柱状プラグを含む。
【0293】
可燃性炭素質熱源4の後面全体に提供される不燃性の実質的に不通気性のバリア被覆22は、使用時に、喫煙物品54を通して気流経路に沿って引き出された空気が可燃性炭素質熱源4と直接接触しないように、喫煙物品54を通した気流経路から可燃性炭素質熱源4を分離する。
【0294】
図1に示す第1の実施形態に関連して説明した通り、使用時に、第2の熱伝導性要素64は喫煙物品2の外側表面からの放射熱損失を低減させる。同じく、これはエアロゾル形成基体10の温度を維持して、連続かつ増強されたエアロゾル送達を容易にするのを助ける。図3に関連して分かる通り、第2の熱伝導性要素64は、エアロゾル形成基体10の上のみにあり、図1に関連して説明した実施形態でのように伝達要素12の上にはない。
【0295】
本発明の第6の実施形態による喫煙物品(図示せず)は、図3に示した本発明の第5の実施形態による喫煙物品と大部分は同一の構造である。ところが、本発明の第5の実施形態による喫煙物品では、第1の熱伝導性要素36の上にあり、かつ第2の熱伝導性要素64の下にある熱絶縁材料40の層は省略され、第2の熱伝導性要素64は熱伝導材料(例えば、アルミニウムなど)の外側の層および熱絶縁材料(例えば、紙など)の内側の層を含むラミネート材料で形成される。
【0296】
図に示し、上述した特定の実施形態は本発明を例証することが意図されるものである。しかし、その他の実施形態は、請求項に定義されたように本発明の精神と範囲から逸脱することなく作製されてもよく、上記の具体的実施形態が限定されることを意図されないことが理解されるべきである。
図1
図2
図3
【国際調査報告】