特表2016-531932(P2016-531932A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-531932(P2016-531932A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(54)【発明の名称】農薬
(51)【国際特許分類】
   C07D 213/34 20060101AFI20160916BHJP
   A01P 7/02 20060101ALI20160916BHJP
   A01P 7/04 20060101ALI20160916BHJP
   A01N 43/40 20060101ALI20160916BHJP
   A01N 43/80 20060101ALI20160916BHJP
   A01N 43/76 20060101ALI20160916BHJP
   C07D 405/12 20060101ALI20160916BHJP
   C07D 491/048 20060101ALI20160916BHJP
   C07D 263/10 20060101ALI20160916BHJP
   C07D 413/04 20060101ALI20160916BHJP
   C07D 413/12 20060101ALI20160916BHJP
   C07D 405/04 20060101ALI20160916BHJP
   C07D 261/04 20060101ALI20160916BHJP
【FI】
   C07D213/34
   A01P7/02
   A01P7/04
   A01N43/40 101C
   A01N43/40 101B
   A01N43/80 101
   A01N43/76
   C07D405/12CSP
   C07D491/048
   C07D263/10
   C07D413/04
   C07D413/12
   C07D405/04
   C07D261/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】73
(21)【出願番号】特願2016-543458(P2016-543458)
(86)(22)【出願日】2014年9月18日
(85)【翻訳文提出日】2016年5月16日
(86)【国際出願番号】GB2014052844
(87)【国際公開番号】WO2015040408
(87)【国際公開日】20150326
(31)【優先権主張番号】1316590.7
(32)【優先日】2013年9月18日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1407329.0
(32)【優先日】2014年4月25日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515270747
【氏名又は名称】レダッグ クロップ プロテクション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100174001
【弁理士】
【氏名又は名称】結城 仁美
(74)【代理人】
【識別番号】100179866
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 正樹
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー アーチ
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム トンプソン
【テーマコード(参考)】
4C050
4C055
4C056
4C063
4H011
【Fターム(参考)】
4C050AA01
4C050BB04
4C050CC16
4C050DD10
4C050EE01
4C050FF01
4C050GG03
4C050HH04
4C055AA01
4C055BA02
4C055BA13
4C055CA02
4C055CA47
4C055CB17
4C055DA01
4C056AA01
4C056AB01
4C056AC01
4C056AC02
4C056AD01
4C056AE02
4C056BA07
4C056BB01
4C056BC01
4C056FA07
4C056FA12
4C056FB01
4C056FC01
4C063AA01
4C063BB01
4C063BB08
4C063BB09
4C063CC51
4C063CC75
4C063CC78
4C063CC92
4C063DD04
4C063DD12
4C063DD29
4C063DD51
4C063EE03
4H011AC01
4H011AC04
4H011BB09
4H011BB10
4H011DA13
4H011DC05
4H011DD03
4H011DE15
(57)【要約】
本発明は農業分野において殺虫剤および殺ダニ剤として有用な化合物に関する。化合物はブテノライド環、オキサゾリンおよびイソキサゾリン環、ピリジン環またはピラノン環を含有する。本発明はまた前記化合物を含む組成物および前記化合物の使用方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式V:
【化1】

の化合物であって、
式中、Yは独立してN−S(O)15、N−C(O)R15、NC(O)OR15、NC(O)NR15a15から選択され;
12は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR16、SR16、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR1616から選択され;R16は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
13は独立して:H、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
14およびR15はそれぞれ独立して:アリール、ヘテロアリール、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
15aは独立して:H、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
rは独立して0、1、2、3および4から選択される整数であり;
sは0および1から選択される整数であり;
アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール(フェニル、ビフェニルおよびナフチルを含む)もしくはヘテロアリール基を含有するいずれかのR12〜R16基において、そのアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基は、各出現でそれぞれ独立して:オキソ;=NR;=NOR;R;ハロ;ニトロ;シアノ;NR;SO;SO;SONR;CO;C(O)R;CONR;CHNR;CHORおよびORからなる群から選択される1〜4つの置換基により、化学的に可能である場合、任意で置換されており;
はH、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;アリール基もしくはヘテロアリール基の場合、アリールもしくはヘテロアリール基中の隣接原子上に存在する場合のこれらの置換基(例えばNR、OR、SR、R)のいずれかの2つは、化学的に可能である場合、それらが付着する原子とともにアリールもしくはヘテロアリール基に結合する環を形成し得る、化合物;
またはその農学的に許容可能な塩もしくはN−オキシド。
【請求項2】
式Vの化合物が式VIII:
【化2】
VIII
の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式Vの化合物が式IX:
【化3】
IX
の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
式Vの化合物が式X:
【化4】

の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
式Vaの化合物が式XI:
【化5】
XI
の化合物である、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
式I:
【化6】

の化合物であって、
式中、Xは独立してOまたはNRから選択され;
はヘテロアリールであり;
、RおよびRは各出現でそれぞれ独立して:H、ハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
は独立して:(CRCO、(CRCN、(CRCOR、(CRCONRおよび(CRCR)CH(ORから選択され;
は独立してH、ハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;またはRおよびRはそれらが付着する原子とともにヘテロ芳香族もしくはヘテロシクロアルキル環を形成し;
およびRはそれぞれ独立してH、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
nは独立して1、2および3から選択される整数であり;
アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール(フェニル、ビフェニルおよびナフチルを含む)もしくはヘテロアリール基を含有するいずれかのR〜R基において、そのアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基は、各出現でそれぞれ独立して:オキソ;=NR;=NOR;R;ハロ;ニトロ;シアノ;NR;SO;SO;SONR;CO;C(O)R;CONR;CHNR;CHORおよびORからなる群から選択される1〜4つの置換基により、化学的に可能である場合、任意で置換されており;
はH、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;アリール基もしくはヘテロアリール基の場合、アリールもしくはヘテロアリール基中の隣接原子上に存在する場合のこれらの置換基(例えばNR、OR、SR、R)のいずれか2つは、化学的に可能である場合、それらが付着する原子とともにアリールもしくはヘテロアリール基に結合する環を形成し得る、化合物;
またはその農学的に許容可能な塩もしくはN−オキシド。
【請求項7】
式Iの化合物が式II:
【化7】
II
の化合物であって、式中、R、R、RおよびRは式Iの化合物について上述したとおりであり、Rは各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR10、SR10、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR1010から選択され;R10は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され、pは独立して0、1、2、3および4から選択される整数である、請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
式Iの化合物が式III:
【化8】
III
の化合物であって、式中、R、R、RおよびXは式Iの化合物について上述したとおりであり、Rは(CRCOであり;Rは独立してH、ハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択される、請求項6に記載の化合物。
【請求項9】
式Iの化合物が式IV:
【化9】
IV
の化合物であって、式中、R、R、RおよびXは式Iの化合物について上述したとおりであり、R11は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR10、SR10、シアノ、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR1010から選択され;R10は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され、qは0、1および2から選択される整数である、請求項6に記載の化合物。
【請求項10】
式XII:
【化10】
XII
の化合物であって、
式中、ZおよびZはそれぞれOおよびCHから選択され;ただし、ZおよびZの一方はOであり、他方はCHであり;
Aは独立してフェニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基およびチオフェニル基から選択され;
17はアリールであり;
18は独立してH、ハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
19は独立してH、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
20およびR21はそれぞれ独立してH、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;またはR19およびR20は、それらが付着する原子とともに、5員もしくは6員ラクタム環を形成しており;ただし、ZがOであり、R19およびR20が、それらが付着する原子とともに、ラクタム環を形成しない場合、Aはチオフェニルであり;
tは独立して0、1および2から選択される整数であり;
アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール(フェニル、ビフェニルおよびナフチルを含む)もしくはヘテロアリール基を含有するいずれかのR17〜R21基において、そのアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基は、各出現でそれぞれ独立して:オキソ;=NR;=NOR;R;ハロ;ニトロ;シアノ;NR;SO;SO;SONR;CO;C(O)R;CONR;CHNR;CHORおよびORからなる群から選択される1〜4つの置換基により、化学的に可能である場合、任意で置換されており;
はH、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;アリール基もしくはヘテロアリール基の場合、アリールもしくはヘテロアリール基中の隣接原子上に存在する場合のこれらの置換基(例えばNR、OR、SR、R)のいずれかの2つは、化学的に可能である場合、それらが付着する原子とともにアリールもしくはヘテロアリール基に結合する環を形成し得る、化合物;
またはその農学的に許容可能な塩もしくはN−オキシド。
【請求項11】
式XVI:
【化11】
XVI
の化合物であって、
式中、Lは独立して−NR29−C(O)−および−N=CR30−から選択され;
25は独立してピリジル、ピリミジル、ピラジルおよびピリダジルから選択され;
26およびR27はそれぞれ独立してH、ハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
29は独立してH、OR31、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
28、R30およびR31はそれぞれ独立してH、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;またはR27およびR28は、それらが付着する原子とともに、5員もしくは6員ラクタム環を形成しており;
ただし、R25がピリジルであり、Lが−NR29−C(O)−であり、R27およびR28が、それらが付着する原子とともに、5員もしくは6員ラクタム環を形成しない場合、R29はOR31であり;
アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール(フェニル、ビフェニルおよびナフチルを含む)もしくはヘテロアリール基を含有するいずれかのR25〜R31基において、そのアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基は、各出現でそれぞれ独立して:オキソ;=NR;=NOR;R;ハロ;ニトロ;シアノ;NR;SO;SO;SONR;CO;C(O)R;CONR;CHNR;CHORおよびORからなる群から選択される1〜4つの置換基により、化学的に可能である場合、任意で置換されており;
はH、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;アリール基もしくはヘテロアリール基の場合、アリールもしくはヘテロアリール基中の隣接原子上に存在する場合のこれらの置換基(例えばNR、OR、SR、R)のいずれかの2つは、化学的に可能である場合、それらが付着する原子とともにアリールもしくはヘテロアリール基に結合する環を形成し得る、化合物;
またはその農学的に許容可能な塩もしくはN−オキシド。
【請求項12】
植物の昆虫およびクモ綱害虫の防除方法であって、農学的に有効かつ(作物植物に対して)実質的に非植物毒性量の請求項1〜11のいずれか1項に記載の化合物または式Vb:
【化12】
Vb
の化合物であって、
式中、Yは独立してOおよびN−CNから選択され;
12は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR16、SR16、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR1616から選択され;R16は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
13は独立して:H、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
14およびR15はそれぞれ独立して:アリール、ヘテロアリール、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
rは独立して0、1、2、3および4から選択される整数であり;
sは0および1から選択される整数であり;ただし、YがN−CNである場合、sは0であり;
アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール(フェニル、ビフェニルおよびナフチルを含む)もしくはヘテロアリール基を含有するいずれかのR12〜R16基において、そのアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基は、各出現でそれぞれ独立して:オキソ;=NR;=NOR;R;ハロ;ニトロ;シアノ;NR;SO;SO;SONR;CO;C(O)R;CONR;CHNR;CHORおよびORからなる群から選択される1〜4つの置換基により、化学的に可能である場合、任意で置換されており;
はH、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;アリール基もしくはヘテロアリール基の場合、アリールもしくはヘテロアリール基中の隣接原子上に存在する場合のこれらの置換基(例えばNR、OR、SR、R)のいずれかの2つは、化学的に可能である場合、それらが付着する原子とともにアリールもしくはヘテロアリール基に結合する環を形成し得る、化合物;
またはその農学的に許容可能な塩もしくはN−オキシド
を植物の種子、植物自体または植物を栽培することが意図される領域に施用するステップを含む方法。
【請求項13】
有効かつ非植物毒性量の請求項1〜11のいずれか1項に記載の活性化合物または式Vb:
【化13】
Vb
の化合物であって、
式中、Yは独立してOおよびN−CNから選択され;
12は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR16、SR16、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR1616から選択され;R16は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
13は独立して:H、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
14およびR15はそれぞれ独立して:アリール、ヘテロアリール、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
rは独立して0、1、2、3および4から選択される整数であり;
sは0および1から選択される整数であり;ただし、YがN−CNである場合、sは0であり;
アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール(フェニル、ビフェニルおよびナフチルを含む)もしくはヘテロアリール基を含有するいずれかのR12〜R16基において、そのアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基は、各出現でそれぞれ独立して:オキソ;=NR;=NOR;R;ハロ;ニトロ;シアノ;NR;SO;SO;SONR;CO;C(O)R;CONR;CHNR;CHORおよびORからなる群から選択される1〜4つの置換基により、化学的に可能である場合、任意で置換されており;
はH、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;アリール基もしくはヘテロアリール基の場合、アリールもしくはヘテロアリール基中の隣接原子上に存在する場合のこれらの置換基(例えばNR、OR、SR、R)のいずれかの2つは、化学的に可能である場合、それらが付着する原子とともにアリールもしくはヘテロアリール基に結合する環を形成し得る、化合物;
またはその農学的に許容可能な塩もしくはN−オキシド
を含む殺虫剤組成物または殺ダニ剤組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農業分野において殺虫剤および殺ダニ剤として有用な化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
世界的な食糧需要の増加を考えると、病気、害虫および雑草による食糧作物の損失を低減する新規処理剤には国際的なニーズがある。全世界で、作物の40%超が収穫前に、10%が収穫後に失われている。損失は実は1990年代半ば以降増加している。
【0003】
この一因となっている新たな脅威は薬剤耐性生物、例えば米国におけるグリホサート耐性雑草およびセプトリア真菌種のストロビルリン耐性株の出現である。
【0004】
最近の研究は、多数の作物の害虫および病気の地理的な拡大が、おそらくは地球温暖化の結果として、進んでいることも示す。
【0005】
本発明の目的は、非選択的な活性、すなわち広域スペクトル活性、または選択的な標的生物に対する特異的な活性を有する殺害虫剤(例えば殺虫剤および殺ダニ剤)を提供することである。
【0006】
本発明の目的は、従来技術の化合物と比べて、使用後に環境中に残留しにくい化合物を提供することである。
【0007】
あるいはまたはさらに、本発明の化合物は、従来技術の化合物と比べて、食物連鎖に入った後に生体蓄積しにくい。
【0008】
本発明の別の目的は、従来技術の化合物と比べて、ヒトに対して害の少ない化合物を提供することである。
【0009】
あるいはまたはさらに、本発明の化合物は、従来技術の化合物と比べて、下記群:両生類、魚類、哺乳類(イヌ、ネコ、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、等の飼育動物を含む)、爬虫類、鳥類、ならびに有益な無脊椎動物(例えばミツバチおよび他の昆虫、または蠕虫)、有益な線虫、有益な真菌および窒素固定細菌の1つ以上に対して害が少ない場合があり得る。
【0010】
本発明の化合物は、従来技術の化合物と比べて同様に活性またはより活性であり得る。それらは従来技術の化合物に対して耐性を発現した生物に対する活性を有し得る。しかしながら、本発明は、従来技術の化合物と比べてより低いレベルの活性を有する化合物にも関する。これらのより低活性の化合物は殺虫剤および殺ダニ剤として依然有効であるが、例えば、低減した環境影響のような、現行の化合物に対する他の利点を有する。
【0011】
本発明の化合物は、従来技術の化合物より選択的であり得る、すなわち、それらは、標的種に対して親化合物より良好、同様またはわずかに低い活性を有し得るが、非標的種(例えば保護されている作物)に対して顕著に低い活性を有し得る。
【0012】
本発明は上記目的の1つ以上を達成する化合物を提供する。化合物はそれ自体が活性であり得、または水性媒体中で代謝もしくは反応し、活性化合物を生成し得る。
【発明の概要】
【0013】
(ブテノライド)
本発明の第1態様において、式Iの化合物またはその農学的に許容可能な塩もしくはN−オキシドが提供される:
【化1】

式中、Xは独立してOまたはNRから選択され;
はヘテロアリールであり;
、RおよびRは各出現でそれぞれ独立して:H、ハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
は独立して:(CRCO、(CRCN、(CRCOR、(CRCONRおよび(CRCR)CH(ORから選択され;
は独立してH、ハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;またはRおよびRはそれらが付着する原子とともにヘテロ芳香族もしくはヘテロシクロアルキル環を形成し;
およびRはそれぞれ独立してH、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
nは独立して1、2および3から選択される整数であり;
アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール(フェニル、ビフェニルおよびナフチルを含む)もしくはヘテロアリール基を含有するいずれかのR〜R基において、そのアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基は、各出現でそれぞれ独立して:オキソ;=NR;=NOR;R;ハロ;ニトロ;シアノ;NR;SO;SO;SONR;CO;C(O)R;CONR;CHNR;CHORおよびORからなる群から選択される1〜4つの置換基により、化学的に可能である場合、任意で置換されており;
はH、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;アリール基もしくはヘテロアリール基の場合、アリールもしくはヘテロアリール基中の隣接原子上に存在する場合のこれらの置換基(例えばNR、OR、SR、R)のいずれか2つは、化学的に可能である場合、それらが付着する原子とともにアリールもしくはヘテロアリール基に結合する環を形成し得る。
【0014】
化合物は式Iaまたはその農学的に許容可能な塩もしくはN−オキシドであってもよい:
【化2】
Ia
式中、Xは独立してOまたはNRから選択され;
はヘテロアリールであり;
、RおよびRは各出現でそれぞれ独立して:H、ハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
は(CRCO、(CRCN、(CRCOR、(CRCONRから選択され;
は独立してH、ハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;またはRおよびRはそれらが付着する原子とともにヘテロ芳香族環を形成し;
およびRはそれぞれ独立してH、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
nは独立して0、1、2および3から選択される整数であり;
アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール(フェニル、ビフェニルおよびナフチルを含む)もしくはヘテロアリール基を含有するいずれかのR〜R基において、そのアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基は、各出現でそれぞれ独立して:オキソ;=NR;=NOR;R;ハロ;ニトロ;シアノ;NR;SO;SO;SONR;CO;C(O)R;CONR;CHNR;CHORおよびORからなる群から選択される1〜4つの置換基により、化学的に可能である場合、任意で置換されており;
はH、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;アリール基もしくはヘテロアリール基の場合、アリールもしくはヘテロアリール基中の隣接原子上に存在する場合のこれらの置換基(例えばNR、OR、SR、R)のいずれか2つは、化学的に可能である場合、それらが付着する原子とともにアリールもしくはヘテロアリール基に結合する環を形成し得る。
【0015】
ある実施形態において、式Iまたは式Iaの化合物は式IIの化合物である:
【化3】
II
式中、R、R、RおよびRは式Iまたは式Iaの化合物について上述したとおりであり、Rは各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR、シアノおよびNRから選択され;pは独立して0、1、2、3および4から選択される整数である。あるいは、Rは:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR10、SR10、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR1010から選択してもよく;R10は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択される。
【0016】
ある実施形態において、式Iまたは式Iaの化合物は式IIIの化合物である:
【化4】
III
式中、R、R、RおよびXは式Iまたは式Iaの化合物について上述したとおりであり、Rは(CRCOであり;Rは独立してH、ハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択される。
【0017】
ある実施形態において、式Iまたは式Iaの化合物は式IVの化合物である:
【化5】
IV
式中、R、R、RおよびXは式Iまたは式Iaの化合物について上述したとおりであり、R11は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR、シアノおよびNRから選択され;qは独立して0、1および2から選択される整数である。あるいは、R11は:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR10、SR10、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR1010から選択してもよく;R10は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択される。
【0018】
下記の実施形態は式(I)〜(IV)(式Iaを含む)のいずれかの化合物に該当する。これらの実施形態は独立的かつ互換可能である。いずれかの1つの実施形態は、化学的に可能である場合、いずれかの他の実施形態と組み合わせてもよい。換言すると、下記の実施形態において記載される特徴のいずれかは、(化学的に可能である場合)1つ以上の他の実施形態において記載される特徴と組み合わせてもよい。とくに、化合物が本明細書において例示される場合、以下で挙げられ、いずれかのレベルの一般性で示される、その化合物を含む実施形態のいずれかの2つ以上を組み合わせ、本開示の一部を形成するさらなる実施形態を提供し得る。
【0019】
ある実施形態において、nは独立して1、2および3から選択される整数である。好適には、nは1である。
【0020】
ある実施形態において、XはNRである。RはHであってもよい。よってXはNHであってもよい。好適には、XはOである。
【0021】
ある実施形態において、Rは6員ヘテロ環である。よって、Rはピリジン、ピリミジン、ピラジンまたはピリダジンであってもよい。好適には、Rはピリジンである。好適にはR
【化6】
を表し、式中、Rは各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR、シアノおよびNRから選択され;pは独立して0、1、2、3および4から選択される整数である。あるいは、Rは:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR10、SR10、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR1010から選択してもよく;R10は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択される。ある実施形態において、pは1である。よって、R
【化7】
を表し得る。ある実施形態において、RはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルおよびハロゲンから選択される。RはまたC〜Cシクロアルキルであってもよい。好適にはRはハロゲン、例えば塩化物である。あるいは、RはC〜Cハロアルキル、例えばCFであり得る。特定の実施形態において、R
【化8】
を表す。
【0022】
好適には、Rは各出現でHである。
【0023】
は:(CRCO、(CRCN、(CRCORおよび(CRCONRから選択してもよい。
【0024】
ある実施形態において、Rは(CRCOである。ある実施形態において、nは独立して1、2および3から選択される整数である。ある実施形態において、nは1である。別の実施形態において、Rは各出現でHである。よって、RはCHCOであってもよい。特定の実施形態において、RはC〜Cアルキル、例えばエチルである。
【0025】
ある実施形態において、RはHである。
【0026】
ある実施形態において、RおよびRはそれらが付着する原子とともにヘテロ芳香族環(例えば5員ヘテロ芳香族環)を形成する。さらなる実施形態において、RおよびRはそれらが付着する原子とともにピロール環を形成する。また別の実施形態において、ピロール環は非置換(すなわち、式Iにおいてすでに示された基以外、非置換)である。
【0027】
ある実施形態において、qは0である。
【0028】
好適には、Rは各出現でHである。
【0029】
(ピリジニル硫黄化合物)
本発明の第2態様において、式Vの化合物またはその農学的に許容可能な塩もしくはN−オキシドが提供される:
【化9】

式中、Yは独立してN−S(O)15、N−C(O)R15、NC(O)OR15、NC(O)NR15a15から選択され;
12は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR16、SR16、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR1616から選択され;R16は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
13は独立して:H、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
14およびR15はそれぞれ独立して:アリール、ヘテロアリール、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
15aは独立して:H、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
rは0、1、2、3および4から選択される整数であり;
sは0および1から選択される整数であり;
アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール(フェニル、ビフェニルおよびナフチルを含む)もしくはヘテロアリール基を含有するいずれかのR12〜R16基において、そのアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基は、各出現でそれぞれ独立して:オキソ;=NR;=NOR;R;ハロ;ニトロ;シアノ;NR;SO;SO;SONR;CO;C(O)R;CONR;CHNR;CHORおよびORからなる群から選択される1〜4つの置換基により、化学的に可能である場合、任意で置換されており;
はH、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;アリール基もしくはヘテロアリール基の場合、アリールもしくはヘテロアリール基中の隣接原子上に存在する場合のこれらの置換基(例えばNR、OR、SR、R)のいずれかの2つは、化学的に可能である場合、それらが付着する原子とともにアリールもしくはヘテロアリール基に結合する環を形成し得る。
【0030】
化合物は、式Vaの化合物またはその農学的に許容可能な塩もしくはN−オキシドであってもよい:
【化10】
Va
式中、Yは独立してO、N−S(O)15、N−CN、N−C(O)R15、NC(O)OR15、NC(O)NR1515から選択され;
12は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR16、SR16、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR1616から選択され;R16は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
13は独立して:H、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
14およびR15は各出現でそれぞれ独立して:C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
rは独立して0、1、2、3および4から選択される整数であり;
sは0および1から選択される整数であり;ただし、YがN−CNである場合、sは0であり;
アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール(フェニル、ビフェニルおよびナフチルを含む)もしくはヘテロアリール基を含有するいずれかのR12〜R16基において、そのアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基は、各出現でそれぞれ独立して:オキソ;=NR;=NOR;R;ハロ;ニトロ;シアノ;NR;SO;SO;SONR;CO;C(O)R;CONR;CHNR;CHORおよびORからなる群から選択される1〜4つの置換基により、化学的に可能である場合、任意で置換されており;
はH、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;アリール基もしくはヘテロアリール基の場合、アリールもしくはヘテロアリール基中の隣接原子上に存在する場合のこれらの置換基(例えばNR、OR、SR、R)のいずれかの2つは、化学的に可能である場合、それらが付着する原子とともにアリールもしくはヘテロアリール基に結合する環を形成し得る。
【0031】
本発明の第3態様において、植物の昆虫およびクモ綱害虫の防除方法であって、農学的に有効かつ(作物植物に対して)実質的に非植物毒性量の式Vaまたは式Vbの化合物またはその農学的に許容可能な塩もしくはN−オキシドを植物の種子、植物自体または植物を栽培することが意図される領域に施用するステップを含む方法が提供される:
【化11】
Vb
式中、Yは独立してOおよびN−CNから選択され;
12は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR16、SR16、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR1616から選択され;R16は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
13は独立して:H、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
14は独立して:アリール、ヘテロアリール、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
rは独立して0、1、2、3および4から選択される整数であり;
sは0および1から選択される整数であり;ただし、YがN−CNである場合、sは0であり;
アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール(フェニル、ビフェニルおよびナフチルを含む)もしくはヘテロアリール基を含有するいずれかのR12〜R16基において、そのアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基は、各出現でそれぞれ独立して:オキソ;=NR;=NOR;R;ハロ;ニトロ;シアノ;NR;SO;SO;SONR;CO;C(O)R;CONR;CHNR;CHORおよびORからなる群から選択される1〜4つの置換基により、化学的に可能である場合、任意で置換されており;
はH、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;アリール基もしくはヘテロアリール基の場合、アリールもしくはヘテロアリール基中の隣接原子上に存在する場合のこれらの置換基(例えばNR、OR、SR、R)のいずれかの2つは、化学的に可能である場合、それらが付着する原子とともにアリールもしくはヘテロアリール基に結合する環を形成し得る。
【0032】
本発明の第4態様において、有効かつ非植物毒性量の式Vaまたは式Vbの化合物を含む殺虫剤組成物または殺ダニ剤組成物が提供される。
【0033】
ある実施形態において、式Vまたは式Vbの化合物は式VIの化合物である:
【化12】
VI
式中、R12、R13、R14およびrは式Vまたは式Vbの化合物について上述したとおりである。
【0034】
ある実施形態において、式Vまたは式Vbの化合物は式VIIの化合物である:
【化13】
VII
式中、R12、R13、R14およびrは式Vまたは式Vbの化合物について上述したとおりである。
【0035】
ある実施形態において、式Vまたは式Vaの化合物は式VIIIの化合物である:
【化14】
VIII
式中、R12、R13、R14、R15およびrは式Vまたは式Vaの化合物について上述したとおりである。
【0036】
ある実施形態において、式Vまたは式Vaの化合物は式IXの化合物である:
【化15】
IX
式中、R12、R13、R14、R15およびrは式Vまたは式Vaの化合物について上述したとおりである。
【0037】
ある実施形態において、式Vまたは式Vaの化合物は式Xの化合物である:
【化16】

式中、R12、R13、R14、R15およびrは式Vまたは式Vaの化合物について上述したとおりである。好適には、R15は非置換C〜Cアルキルである。
【0038】
ある実施形態において、式Vまたは式Vaの化合物は式XIの化合物である:
【化17】
XI
式中、R12、R13、R14、R15およびrは式Vまたは式Vaの化合物について上述したとおりである。好適には、R15は非置換C〜Cアルキルである。
【0039】
下記の実施形態は、式(V)〜(XI)(VaおよびVbを含む)のいずれかの化合物に該当する。これらの実施形態は独立的かつ互換可能である。いずれかの1つの実施形態は、化学的に可能である場合、いずれかの他の実施形態と組み合わせてもよい。換言すると、下記の実施形態において記載される特徴のいずれかは、(化学的に可能である場合)1つ以上の他の実施形態において記載される特徴と組み合わせてもよい。とくに、化合物が本明細書において例示される場合、以下で挙げられ、いずれかのレベルの一般性で示される、その化合物を含む実施形態のいずれかの2つ以上を組み合わせ、本開示の一部を形成するさらなる実施形態を提供し得る。
【0040】
ある実施形態において、rは1である。ある実施形態において、R12基が付着するピリジン環は
【化18】
の形態をとる。ある実施形態において、R12はC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲンおよびC〜Cシクロアルキルから選択される。別の実施形態において、R12はC〜Cハロアルキル、例えばCFである。あるいは、R12はハロゲン、例えばClであってもよい。特定の実施形態において、R12基が付着するピリジンは
【化19】
の形態をとる。
【0041】
ある実施形態において、R13はC〜Cアルキルである。好適にはR13はメチルである。
【0042】
14はC〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択してもよい。ある実施形態において、R14はC〜Cアルキルである。好適にはR14はメチルである。
【0043】
15はC〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択してもよい。ある実施形態において、R15はC〜Cアルキルである。R15は非置換C〜Cアルキルであってもよい。好適にはR15はメチルである。
【0044】
あるいは、R15はアリールまたはヘテロアリールであってもよい。さらなる代替において、R15はC〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキルから選択してもよい。
【0045】
15は独立して:アリール、ヘテロアリール、C〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキル、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択してもよく;R14は独立してC〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択してもよい。
【0046】
15aはC〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択してもよい。好適には、しかしながら、R15aはHである。
【0047】
ある実施形態において、sは0である。あるいは、sは1であってもよい。
【0048】
ある実施形態において、Yは独立してN−S(O)15、N−CN、N−C(O)R15、NC(O)OR15から選択される。別の実施形態において、Yは独立してO、N−S(O)15、NC(O)R15、NC(O)OR15から選択される。また別の実施形態において、Yは独立してN−S(O)15、NC(O)R15、NC(O)OR15から選択される。特定の実施形態において、YはOである。別の特定の実施形態において、YはN−S(O)15、例えばN−S(O)Meである。また別の特定の実施形態において、YはN−CNである。またさらなる特定の実施形態において、YはN−C(O)R15およびNC(O)OR15から選択される。よって、YはN−C(O)R15、例えばN−C(O)Meであってもよい。YはまたNC(O)OR15、例えばNC(O)OMeであってもよい。
【0049】
Yは独立してN−CN、N−S(O)15、N−C(O)R15、NC(O)NR15a15から選択してもよい。好適には、YがN−CNまたはNC(O)OR15から選択される場合、sは0である。よって、YがNC(O)OR15である場合、sは0であってもよい。
【0050】
YがNC(O)OR15である場合、化合物はN−オキシドでなくてもよい。
【0051】
YがN−S(O)15である場合、好適にはsは1である。YがN−S(O)15である場合、R15はアリールまたはヘテロアリールであってもよい。あるいは、YがN−S(O)15である場合、R15はC〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択してもよい。さらなる代替において、YがN−S(O)15である場合、R15はC〜Cシクロアルキル、C〜Cヘテロシクロアルキルから選択してもよい。
【0052】
好適には、YがN−C(O)R15である場合、R15は非置換C〜Cアルキルである。
【0053】
(オキサゾリンおよびイソキサゾリン)
本発明の第4態様において、式XIIの化合物またはその農学的に許容可能な塩もしくはN−オキシドが提供される:
【化20】
XII
式中、ZおよびZはそれぞれOおよびCHから選択され;ただし、ZおよびZの一方はOであり、他方はCHであり;
Aは独立してフェニル基、ピリジル基、ピリダジル基、ピリミジル基、ピラジル基およびチオフェニル基から選択され;
17はアリールであり;
18は独立してH、ハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
19は独立してH、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
20およびR21はそれぞれ独立してH、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;またはR19およびR20は、それらが付着する原子とともに、5員もしくは6員ラクタム環を形成し;ただし、ZがOであり、R19およびR20が、それらが付着する原子とともに、ラクタム環を形成しない場合、Aはチオフェニルであり;
tは独立して0、1および2から選択される整数であり;
アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール(フェニル、ビフェニルおよびナフチルを含む)もしくはヘテロアリール基を含有するいずれかのR17〜R21基において、そのアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基は、各出現でそれぞれ独立して:オキソ;=NR;=NOR;R;ハロ;ニトロ;シアノ;NR;SO;SO;SONR;CO;C(O)R;CONR;CHNR;CHORおよびORからなる群から選択される1〜4つの置換基により、化学的に可能である場合、任意で置換されており;
はH、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;アリール基もしくはヘテロアリール基の場合、アリールもしくはヘテロアリール基中の隣接原子上に存在する場合のこれらの置換基(例えばNR、OR、SR、R)のいずれかの2つは、化学的に可能である場合、それらが付着する原子とともにアリールもしくはヘテロアリール基に結合する環を形成し得る。
【0054】
ある実施形態において、式XIIの化合物は式XIIIの化合物である:
【化21】
XIII
式中、R17、R18、R19、R20、R21、およびtは式XIIの化合物について上述したとおりであり、R19はH、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;R20は独立してH、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;R22は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR、シアノおよびNRから選択され;uは独立して0、1、2、3および4から選択される整数である。R22は:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR23、SR23、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR2323から選択してもよく;R23は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択してもよい。
【0055】
ある実施形態において、式XIIの化合物は式XIVの化合物である:
【化22】
XIV
式中、R17、R18、R21およびtは式XIIの化合物について上述したとおりであり;R22は式XIIIの化合物について上述したとおりであり;R19はH、ハロゲン、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
20は独立してH、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;vは独立して0、1および2から選択される整数である。
【0056】
ある実施形態において、式XIIの化合物は式XVの化合物である:
【化23】
XV
式中、R17、R18、R21、およびtは式XIIの化合物について上述したとおりであり;R22およびuは式XIIIの化合物について上述したとおりであり;R24は各出現で独立して:オキソ、=NR、=NOR、ハロゲン、OR、NR、C〜Cアルキル、およびC〜Cハロアルキルから選択され;wは独立して1および2から選択される整数であり;xは0、1、2、3、4、5および6から選択される整数である。R24はまたハロゲン、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択してもよい。疑義が生じないように、wが1である場合、xは独立して0、1、2、3および4から選択される。
【0057】
下記の実施形態は、式(XII)〜(XV)のいずれかの化合物に該当する。これらの実施形態は独立的かつ互換可能である。いずれかの1つの実施形態は、化学的に可能である場合、いずれかの他の実施形態と組み合わせてもよい。換言すると、下記の実施形態において記載される特徴のいずれかは、(化学的に可能である場合)1つ以上の他の実施形態において記載される特徴と組み合わせてもよい。とくに、化合物が本明細書において例示される場合、以下で挙げられ、いずれかのレベルの一般性で示される、その化合物を含む実施形態のいずれかの2つ以上を組み合わせ、本開示の一部を形成するさらなる実施形態を提供し得る。
【0058】
ある実施形態において、tは0である。別の実施形態において、tは1である。
【0059】
ある実施形態において、ZはOであり、ZはCHである。別の実施形態において、ZはCHであり、ZはOである。
【0060】
17は非置換フェニルまたはC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR23、SR23、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR2323から選択される1〜4つの置換基で置換されたフェニルであってもよい。R17はC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR、シアノおよびNRから選択される1〜4つの置換基で置換してもよい。ある実施形態において、R17はC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲンおよびC〜Cシクロアルキルから選択される1〜4つの置換基で置換されたフェニル基である。R17はC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルおよびハロゲンから選択される1〜4つの置換基で置換されたフェニル基であってもよい。ある実施形態において、R17は1〜4(例えば2)つのハロゲン置換基で置換されたフェニル基である。前記ハロゲン置換基は同じまたは異なってもよい。例えば、フェニルが2つのハロゲン置換基を有する場合、それらは両方Clであってもよい。別の例として、フェニルが3つのハロゲン置換基を有する場合、2つはClであってもよく、3つめはFであってもよい。特定の実施形態において、R17
【化24】
である。
【0061】
ある実施形態において、R18はC〜Cハロアルキルである。好適には、R18はCFである。
【0062】
ある実施形態において、Aはフェニルである。よって、Aは
【化25】
を表し得、式中、R22は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR、シアノおよびNRから選択され、uは独立して0、1、2、3および4から選択される整数である。R22はまた各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR23、SR23、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR2323から選択してもよく;R23は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択してもよい。ある実施形態において、uは1である。よって、Aは
【化26】
を表し得る。ある実施形態において、R22は各出現で独立してC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルおよびハロゲンから選択される。R22はしたがって1つの出現でC〜Cアルキル、例えばメチルであってもよい。特定の実施形態において、Aは
【化27】
である。
【0063】
別の実施形態において、Aはチオフェニルである。よって、Aは
【化28】
を表し得、式中、R22は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR、シアノおよびNRから選択され、vは独立して0、1および2から選択される整数である。R22は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR23、SR23、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR2323から選択してもよく;R23は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択してもよい。ある実施形態において、vは1である。よって、Aは
【化29】
を表し得る。ある実施形態において、R22は各出現で独立してC〜Cアルキル、C〜Cハロアルキルおよびハロゲンから選択される。R22はしたがって1つの出現でC〜Cアルキル、例えばメチルであってもよい。特定の実施形態において、Aは
【化30】
である。別の実施形態において、vは0である。よって、別の特定の実施形態において、Aは
【化31】
である。
【0064】
ある実施形態において、R19はHである。ある実施形態において、R20はHである。ある実施形態において、R19およびR20はそれぞれHである。
【0065】
ある実施形態において、R19およびR20は、それらが付着する原子とともに、5員または6員ラクタム環、例えば5員ラクタム環を形成する。よって、S(O)基の(上記式XIに示される)右側の分子の部分は
【化32】
であってもよく、式中、R24は各出現で独立して:オキソ、=NR、=NOR、ハロゲン、OR、NR、C〜Cアルキル、およびC〜Cハロアルキルから選択され;wは独立して1および2から選択される整数であり;xは0、1、2、3、4、5および6から選択される整数である。R24はまた各出現で独立してハロゲン、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択してもよい。好適には、wは1である。好適には、xは0である。よって、S(O)基の(上記式XIに示される)右側の分子の部分は
【化33】
であってもよい。
【0066】
ある実施形態において、R21はHである。別の実施形態において、R21はC〜Cハロアルキル、例えばCHCFである。
【0067】
(ピラノン)
本発明の第5態様において、式XVIの化合物またはその農学的に許容可能な塩もしくはN−オキシドが提供される:
【化34】
XVI
式中、Lは独立して−NR29−C(O)−および−N=CR30−から選択され;
25は独立してピリジル、ピリミジル、ピラジルおよびピリダジルから選択され;
26およびR27はそれぞれ独立してH、ハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
29は独立してH、OR31、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;
28、R30およびR31はそれぞれ独立してH、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;またはR27およびR28は、それらが付着する原子とともに、5員もしくは6員ラクタム環を形成し;
ただし、R25がピリジルであり、Lが−NR29−C(O)−であり、R27およびR28が、それらが付着する原子とともに、5員もしくは6員ラクタム環を形成しない場合、R29はOR31であり;
アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール(フェニル、ビフェニルおよびナフチルを含む)もしくはヘテロアリール基を含有するいずれかのR25〜R31基において、そのアルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリールもしくはヘテロアリール基は、各出現でそれぞれ独立して:オキソ;=NR;=NOR;R;ハロ;ニトロ;シアノ;NR;SO;SO;SONR;CO;C(O)R;CONR;CHNR;CHORおよびORからなる群から選択される1〜4つの置換基により、化学的に可能である場合、任意で置換されており;
はH、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;アリール基もしくはヘテロアリール基の場合、アリールもしくはヘテロアリール基中の隣接原子上に存在する場合のこれらの置換基(例えばNR、OR、SR、R)のいずれかの2つは、化学的に可能である場合、それらが付着する原子とともにアリールもしくはヘテロアリール基に結合する環を形成し得る。
【0068】
疑義が生じないように、R27およびR28が、それらが付着する原子とともに、5員または6員ラクタム環を形成する場合、Lは−NR29−C(O)−でなければならない。
【0069】
Lが−NR29−C(O)−であると記載される場合、LのNR29部分の窒素原子は本発明の化合物のピラノン環に直接結合し、LのC(O)部分の炭素原子はR28基に直接結合することが意図される。同様に、Lが−N=CR30−であると記載される場合、Lの窒素原子は本発明の化合物のピラノン環に直接結合し、LのCR30部分の炭素原子はR28基に直接結合することが意図される。
【0070】
ある実施形態において、式XVIの化合物は式XVIIの化合物である:
【化35】
XVII
式中、R26、R27、R28およびR30は式XVIの化合物について上述したとおりであり、R27は独立してH、ハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;R28は独立してH、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;R32は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR、シアノおよびNRから選択され;aは独立して0、1、2、3および4から選択される整数である。R32は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR33、SR33、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR3333から選択してもよく;R33は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択してもよい。
【0071】
ある実施形態において、式XVIの化合物は式XVIIIの化合物である:
【化36】
XVIII
式中、R26およびR31は式XVIの化合物について上述したとおりであり、R27は独立してH、ハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;R28は独立してH、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;R32は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR、シアノおよびNRから選択され;aは独立して0、1、2、3および4から選択される整数である。R32は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR33、SR33、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR3333から選択してもよく;R33は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択してもよい。
【0072】
ある実施形態において、式XVIの化合物は式XIXの化合物である:
【化37】
XIX
式中、R25、R26およびR29は式XVIの化合物について上述したとおりであり、R29は独立してH、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;R32は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR、シアノおよびNRから選択され;aは独立して0、1、2、3および4から選択される整数であり;zは独立して1および2から選択される整数である。R32は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR33、SR33、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR3333から選択してもよく;R33は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択してもよい。
【0073】
ある実施形態において、式XVIの化合物は式XXの化合物である:
【化38】
XX
式中、R26は式XVIの化合物について上述したとおりであり、R27は独立してH、ハロゲン、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;R28およびR29はそれぞれ独立してH、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;R32は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR、シアノおよびNRから選択され;bは独立して0、1、2および3から選択される整数である。R32は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR33、SR33、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR3333から選択してもよく;R33は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択してもよい。
【0074】
下記の実施形態は、式(XVI)〜(XX)のいずれかの化合物に該当する。これらの実施形態は独立的かつ互換可能である。いずれかの1つの実施形態は、化学的に可能である場合、いずれかの他の実施形態と組み合わせてもよい。換言すると、下記の実施形態において記載される特徴のいずれかは、(化学的に可能である場合)1つ以上の他の実施形態において記載される特徴と組み合わせてもよい。とくに、化合物が本明細書において例示される場合、以下で挙げられ、いずれかのレベルの一般性で示される、その化合物を含む実施形態のいずれかの2つ以上を組み合わせ、本開示の一部を形成するさらなる実施形態を提供し得る。
【0075】
ある実施形態において、R25はピリジル、例えば3−ピリジルである。よってR25
【化39】
であってもよく、式中、R32は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR、シアノおよびNRから選択され;aは独立して0、1、2、3および4から選択される整数である。R32は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR33、SR33、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR3333から選択してもよく;R33は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択してもよい。好適には、aは0である。よってR25は非置換ピリジル、例えば非置換3−ピリジルであってもよい。
【0076】
ある実施形態において、R25は独立してピリミジル、ピラジルおよびピリダジルから選択される。R25はピリミジルであってもよい。よって、R25
【化40】

であってもよく、式中、R32は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR、シアノおよびNRから選択され;bは独立して0、1、2および3から選択される整数である。R32は各出現で独立して:C〜Cアルキル、C〜Cハロアルキル、ハロゲン、ニトロ、OR33、SR33、シアノ、C〜Cアルケニル、C〜Cアルキニル、C〜CシクロアルキルおよびNR3333から選択してもよく;R33は各出現で独立して:H、C〜Cアルキル、C(O)−C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択してもよい。好適には、bは0である。よって、R25は非置換ピリミジル、例えば
【化41】
であってもよい。
【0077】
好適には、R26はHである。
【0078】
ある実施形態において、R27はHである。
【0079】
ある実施形態において、R28は独立してC〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択される。ある実施形態において、R28はC〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキルである。特定の実施形態において、R28はシクロプロピルである。
【0080】
あるいは、R27およびR28は、それらが付着する原子とともに、5員または6員ラクタム環を形成する。ある実施形態において、R27およびR28は、それらが付着する原子とともに、5員ラクタム環を形成する。よって、R27およびR28はLおよび各ピラノン原子とともに
【化42】
を形成する。ある実施形態において、R29はHである。ある実施形態において、zは1である。よって、特定の実施形態において、R27およびR28はLおよび各ピラノン原子とともに
【化43】
を形成する。あるいは、Zは2であってもよい。よって、別の特定の実施形態において、R27およびR28はLおよび各ピラノン原子とともに
【化44】
を形成する。
【0081】
ある実施形態において、Lは−NR29−C(O)−である。ある実施形態において、R29はH、C〜Cアルキル、C〜CシクロアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択される。具体的には、R29はHであってもよい。よって、Lは−NH−C(O)−であってもよい。別の実施形態において、R29はOR31である。さらなる実施形態において、R31はHである。よって、Lは−N(OH)−C(O)−であってもよい。
【0082】
あるいは、Lは−N=CR30−である。好適にはR30はHである。よって、Lは−N=CH−であってもよい。
【0083】
次の化合物:
【化45】
および
【化46】
はこの態様の化合物の説明に役立つ例である。
【0084】
上記態様および実施形態のいずれかにおいて、ヘテロアリール基は、独立してO、SおよびNから選択される1〜4つのヘテロ原子を含むいずれかの芳香族(すなわち2(2n+1)π個の電子を含有する環系)5〜10員環系であり得る(換言すると環系を形成する1〜4つの原子はO、SおよびNから選択される)。よって、いずれかのヘテロアリール基は独立して:ヘテロ芳香族環が独立してO、SおよびNから選択される1〜4つのヘテロ原子で置換された5員ヘテロアリール基;ならびにヘテロ芳香族環が1〜3(例えば1〜2)つの窒素原子で置換された6員ヘテロアリール基;ヘテロ芳香族系が独立してO、SおよびNから選択される1〜4つのヘテロ原子で置換された9員二環式ヘテロアリール基;ヘテロ芳香族系が1〜4つの窒素原子で置換された10員二環式ヘテロアリール基から選択してもよい。具体的には、ヘテロアリール基は独立して:ピロール、フラン、チオフェン、ピラゾール、イミダゾール、オキサゾール、イソキサゾール、トリアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、テトラゾール;ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾキサゾール、ベンズチアゾール、ベンズイソキサゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、キナゾリン、キノキサリン、プテリジン、フタラジン、ナフチリジンから選択してもよい。ヘテロアリール基はまた、ヘテロ芳香族環が独立してO、SおよびNHから選択される1つのヘテロ原子基で置換され、環がカルボニル基も含む、6員ヘテロアリール基であってもよい。こうした基としてはピリドンおよびピラノンが挙げられる。上記態様および実施形態のいずれかにおいて、ヘテロシクロアルキル基は、独立してO、SおよびNから選択される1または2つのヘテロ原子を含む3〜8員飽和または部分飽和環である(換言すると環系を形成する1〜2つの原子はO、SおよびNから選択される)。部分飽和とは、環が1または2つの二重結合を含み得ることを意味する。これはとくに5〜8員環に該当する。二重結合は一般的には2つの炭素原子間にあるが、炭素原子および窒素原子の間にあってもよい。ヘテロシクロアルキル基の例としては:ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チオモルホリン、ピロリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラン、ジオキサン、アゼピンが挙げられる。
【0085】
上記態様および実施形態のいずれかにおいて、ハロアルキル基はいずれかの量のハロゲン置換基を有し得る。基は単一のハロゲン置換基を含有してもよく、2つもしくは3つのハロゲン置換基を有してもよく、またはハロゲン置換基で飽和してもよい。
【0086】
ある実施形態において、アリールまたはヘテロアリール基を含有するいずれかのR〜R33基中、そのアリールまたはヘテロアリール基は、各出現でそれぞれ独立して:R;ハロ;ニトロ;シアノ;NR;SO;SO;SONR;CO;C(O)R;CONR;CHNR;CHOR;およびORからなる群から選択される1〜4つの置換基により、化学的に可能である場合、任意で置換されており;式中、RはH、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択され;隣接原子上のいずれかの2つの置換基および含まれるR基はともに環を形成し得る。
【0087】
ある実施形態において、アルキル、ハロアルキル、シクロアルキル、またはヘテロシクロアルキル基を含有するいずれかのR〜R33基中、そのアルキル、ハロアルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基は、各出現でそれぞれ独立して:オキソ;=NR;=NOR;ハロ;ニトロ;シアノ;NR;SO;SO;SONR;CO;C(O)R;CONR;CHNR;CHOR;およびORからなる群から選択される1〜4つの置換基により、化学的に可能である場合、任意で置換されており;式中、RはH、C〜CアルキルおよびC〜Cハロアルキルから選択される。
【0088】
SORとして表される基は典型的にはS(O)ORの形態を有する基である。S(O)Rとして表される基は典型的にはS(O)Rの形態を有する基である。SONRとして表される基は典型的にはS(O)NRRの形態を有する基である。
【0089】
1つ以上の不斉炭素原子を含有する本発明の化合物は2つ以上の立体異性体として存在することができる。本発明の化合物がC=CまたはC=N基のような二重結合を含有する場合、幾何シス/トランス(またはZ/E)異性体が可能である。構造異性体が低エネルギー障壁によって相互変換可能である場合、互変異性が起こり得る。これは、例えば、イミノ、ケト、もしくはオキシム基を含有する本発明の化合物におけるプロトン互変異性、または芳香族部分を含有する化合物におけるいわゆる原子価互変異性の形態をとることができる。単一の化合物が1つよりも多いタイプの異性を示し得るということになる。
【0090】
1つよりも多いタイプの異性を示す化合物、およびその1つ以上の混合物を含む、本発明の化合物のすべての立体異性体、幾何異性体および互変異性形態が本発明の範囲内に含まれる。対イオンが光学活性、例えば、d−乳酸もしくはl−リジン、またはラセミ、例えば、dl−酒石酸もしくはdl−アルギニンである、酸付加塩または塩基付加塩も含まれる。
【0091】
本発明の化合物は、農学的に許容可能な塩の形態で入手、保存および/または使用してもよい。適切な塩としては、これらに限定されないが、塩酸、硫酸、リン酸、硝酸、炭酸、ホウ酸、スルファミン酸、および臭化水素酸のような許容可能な無機酸の塩、または酢酸、プロピオン酸、酪酸、酒石酸、マレイン酸、ヒドロキシマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、乳酸、ムチン酸、グルコン酸、安息香酸、コハク酸、シュウ酸、フェニル酢酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、サリチル酸、スルファニル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、エデト酸、ステアリン酸、パルミチン酸、オレイン酸、ラウリン酸、パントテン酸、タンニン酸、アスコルビン酸および吉草酸のような農学的に許容可能な有機酸の塩が挙げられる。化合物はまた、N−オキシドの形態で入手、保存および/または使用してもよい。
【0092】
シス/トランス異性体は当業者に周知の従来技術、例えば、クロマトグラフィーおよび分別結晶により分離され得る。
【0093】
個別の鏡像異性体の調製/分離のための従来技術は、必要な場合、適切な光学的に純粋な前駆体からのキラル合成または、例えば、キラル高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いるラセミ体(または塩もしくは誘導体のラセミ体)の分割を含む。よって、本発明のキラル化合物(およびそのキラル前駆体)は、炭化水素、典型的にはヘプタンまたはヘキサンで構成され、0〜50体積%のイソプロパノール、典型的には2体積%〜20体積%、特定の例では0〜5体積%のアルキルアミン、例えば0.1体積%のジエチルアミンを含有する移動相を有する不斉樹脂上でのクロマトグラフィー、典型的にはHPLCを用い、鏡像異性体富化形態で得られ得る。溶離液の濃縮は富化混合物をもたらす。
【0094】
あるいは、ラセミ体(またはラセミ前駆体)は適切な光学活性化合物、例えば、アルコール、または、本発明の化合物が酸性もしくは塩基性部分を含有する場合、1−フェニルエチルアミンもしくは酒石酸のような塩基もしくは酸と反応させてもよい。得られるジアステレオ異性混合物はクロマトグラフィーおよび/または分別結晶により分離してもよく、ジアステレオ異性体の一方または両方は当業者に周知の手段により対応する純粋な鏡像異性体に変換してもよい。
【0095】
いずれかのラセミ体が結晶化する場合、2つの異なるタイプの結晶が可能である。第1のタイプは、両方の鏡像異性体を等モル量で含有する結晶の1つの均質形態が生成される、上で参照したラセミ化合物(真ラセミ体)である。第2のタイプは、それぞれ単一の鏡像異性体からなる結晶の2つの形態が等モル量で生成される、ラセミ混合物またはコングロメレートである。
【0096】
ラセミ混合物中に存在する結晶形態の両方は同一の物理特性を有するが、それらは真ラセミ体と比較して異なる物理特性を有し得る。ラセミ混合物は当業者に知られる従来技術により分離され得る―例えば、E.L.Eliel and S.H.Wilenによる“Stereochemistry of Organic Compounds”(Wiley,1994)を参照されたい。
【0097】
本発明の化合物の活性はさまざまなインシリコ、インビトロおよびインビボアッセイにより評価することができる。さまざまな化合物のインシリコ分析は最終的なインビトロおよびさらにインビボ活性を予測することが示された。
【0098】
本発明は、1つ以上の原子が同じ原子番号を有するが、通常天然に見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子により置換された、式I〜XXのすべての環境的に許容可能な同位体標識化合物およびそれらの合成も含む。
【0099】
本発明の化合物に含めるのに適した同位体の例としては、HおよびHのような水素、11C、13Cおよび14Cのような炭素、36Clのような塩素、18Fのようなフッ素、123Iおよび125Iのようなヨウ素、13Nおよび15Nのような窒素、15O、17Oおよび18Oのような酸素、32Pのようなリン、ならびに35Sのような硫黄の同位体が挙げられる。
【0100】
同位体標識化合物は一般的には、当業者に知られる従来技術により、または以前用いられた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いて記載されたものと同様のプロセスにより調製することができる。
【0101】
本明細書を通してこれらの略語は下記の意味を有する:
CDI:カルボニルジイミダゾール
DCE:ジクロロエタン
DCM:ジクロロメタン
DIAD:アゾジカルボン酸ジイソプロピル
DMAP:N,N−ジメチル−4−アミノピリジン
DMF:ジメチルホルムアミド
DMSO;ジメチルスルホキシド
EDCI:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
HOAT:1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール
LDA:リチウムジイソプロピルアミド
mCPBA:メタクロロ過安息香酸
pyr:ピリジン
Selectfluor(商標):ビス(テトラフルオロホウ酸)1−クロロメチル−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン
Tf:トリフルオロメチルスルホニル
THF:テトラヒドロフラン
TBTU:テトラフルオロホウ酸O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム
TMS:トリメチルシリル
【0102】
本出願の明細書および特許請求の範囲を通して、「comprise」および「contain」ならびにその語の変形、例えば「comprising」および「comprises」は、「これらに限定されないが〜を含むこと」を意味し、他の部分、付加物、成分、整数またはステップを除外することを意図しない(除外しない)。
【0103】
本出願の明細書および特許請求の範囲を通して、単数形は、とくに文脈が要求しない限り、複数形を含む。とくに、不定冠詞が用いられる場合、本明細書は、とくに文脈が要求しない限り、単数形と同様に複数形も含むと理解されるべきである。
【0104】
さらに、本発明の特定の態様、実施形態または実施例と併せて記載される機能、整数、特徴、化合物、化学部分または基は、それらと不適合でない限り、本明細書に記載されるいずれの他の態様、実施形態または実施例にも適用可能であると理解されるべきである。
【0105】
適切である場合、本発明の化合物は、特定の濃度または施用量で、殺虫剤および/または殺ダニ剤として用いることができる。
【0106】
本発明の別の態様によると、昆虫およびクモ綱害虫の防除方法であって、農学的に有効かつ(作物植物に対して)実質的に非植物毒性量の本発明による化合物を植物の種子、植物自体または植物を栽培することが意図される領域に施用するステップを含む方法が提供される。
【0107】
殺害虫剤は、種子、植物もしくは植物の果実、土壌、不活性基質(例えば砂、ロックウール、グラスウールのような無機基質;パーライト、バーミキュライト、ゼオライトもしくは膨張クレーのような膨張鉱物)、Pumbe、火砕材料もしくは物質、合成有機基質(例えばポリウレタン)、有機基質(例えば、泥炭、堆肥、ココヤシ繊維、木材繊維もしくはチップ、樹皮のような木材廃棄物)、または液体基質(例えば浮遊式水耕システム、薄膜水耕、エアロポニックス)に対する、種子処理、葉面施用、樹幹施用、潅注または滴下施用(化学溶液潅漑)として施用してもよい。
【0108】
さらなる態様において、本発明はまた、有効かつ非植物毒性量の本発明の活性化合物を含む殺虫剤組成物または殺ダニ剤組成物に関する。組成物は1つ以上の追加の殺虫剤または殺ダニ剤をさらに含んでもよい。
【0109】
「有効かつ非植物毒性量」の語は、作物中に存在または出現する可能性のある標的害虫のいずれかを防除または破壊するのに十分であり、作物に対していずれの顕著な有害効果も有さず、または実際に標的生物の非存在下で植物草勢および収量に対して好ましい効果を有する本発明による殺害虫剤の量を意味する。その量は、防除される害虫、作物のタイプ、気候条件および殺害虫剤組成物中に含まれる化合物に応じて変動するだろう。この量は当業者の能力範囲の、系統的実地試験により決定することができる。
【0110】
それらの特定の物理的および/または化学的特性に応じて、本発明の活性化合物は、溶液、乳濁液、懸濁液、粉末、泡沫、ペースト、顆粒、エアロゾル、ポリマー物質および種子のコーティング材でのマイクロカプセル、ならびにまたULV冷および温霧化製剤として製剤することができる。
【0111】
活性化合物は、そのままで、または製剤の形態で、例えば、すぐに使える溶液、乳濁液、水もしくは油系懸濁液、粉末、湿潤性粉末、ペースト、可溶性粉末、粉塵、可溶性顆粒、広域散布用顆粒、懸乳濁濃縮液、活性化合物を含んだ天然物質、活性化合物を含んだ合成物質、肥料およびまたポリマー物質でのマイクロカプセルで用いることができる。施用は、例えば、灌水、吹付、噴霧、広域散布、散粉、発泡、展着、等により行ってもよい。活性化合物を超低容量法により施用する、または活性化合物の製剤もしくは活性化合物自体を土壌に注入することも可能である。植物の種子を処理することも可能である。
【0112】
本発明の化合物を含有する製剤は既知の方法で、例えば化合物を増量剤(例えば液体溶媒および/または固体担体)と、界面活性剤(例えば乳化剤および/または分散剤および/または泡沫形成剤)を任意で用いて混合することにより製造される。製剤は工場/製造プラントにおいてまたはあるいは施用前もしくは施用中に調製される。
【0113】
補助剤は、組成物自体および/またはそれから誘導される製剤(例えばスプレー液、種子粉衣)に特定の特性、例えば特定の技術的特性および/または同様に特定の生物学的特性を与えるのに適した物質である。一般的な適切な補助剤は増量剤、溶媒および担体である。
【0114】
適切な増量剤は、例えば、水、例えば芳香族および非芳香族炭化水素(例えばパラフィン、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、クロロベンゼン)のクラスからの、極性および非極性有機薬液、アルコールおよびポリオール(適切な場合、置換、エーテル化および/またはエステル化してもよい)、ケトン(例えばアセトン、シクロヘキサノン)、エステル(脂肪および油を含む)および(ポリ)エーテル、非置換および置換アミン、アミド、ラクタム(例えばN−アルキルピロリドン)およびラクトン、スルホンおよびスルホキシド(例えばジメチルスルホキシド)である。
【0115】
用いられる増量剤が水である場合、例えば、補助溶媒として有機溶媒を用いることも可能である。本質的には、適切な液体溶媒としては:キシレン、トルエンまたはアルキルナフタレンのような芳香族、クロロベンゼン、クロロエチレンまたは塩化メチレンのような塩素化芳香族および塩素化脂肪族炭化水素、シクロヘキサンまたはパラフィン、例えば石油留分のような脂肪族炭化水素、ブタノールまたはグリコールのようなアルコールならびにまたそれらのエーテルおよびエステル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノンのようなケトン、ジメチルホルムアミドおよびジメチルスルホキドのような強極性溶媒がある。
【0116】
適切な固体担体は:例えば、アンモニウム塩およびカオリン、クレー、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイトまたは珪藻土のような粉砕天然鉱物、ならびに微粉シリカ、アルミナおよびシリケートのような粉砕合成鉱物であり;顆粒に適した固体担体は:例えば、方解石、大理石、軽石、海泡石および白雲石のような粉砕および分取された天然岩、ならびにまた無機および有機ミールの合成顆粒、ならびに紙、鋸屑、ヤシ殻、トウモロコシ穂軸およびタバコ茎のような有機材料の顆粒であり;適切な乳化剤および/または泡沫形成剤は:例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホネート、アルキルサルフェート、アリールスルホネートおよびまたタンパク質加水分解物のような非イオン性およびアニオン性乳化剤であり;適切な分散剤は、例えばアルコール−POEおよび/または−POPエーテル、酸および/またはPOP−POEエステル、アルキルアリールおよび/またはPOP−POEエーテル、脂肪−および/またはPOP−POE付加物、POE−および/またはPOP−ポリオール誘導体、POE−および/またはPOP−ソルビタン−または−糖付加物、アルキルまたはアリールサルフェート、アルキル−またはアリールスルホネートおよびアルキルまたはアリールホスフェートまたは対応するPO−エーテル付加物のクラスからの、非イオン性および/またはイオン性物質である。さらに、適切なオリゴマーまたはポリマーは、例えばビニルモノマーから、アクリル酸から、単独のまたは、例えば、(ポリ)アルコールもしくは(ポリ)アミンと組み合わされたEOおよび/またはPOから誘導されるものである。リグニンおよびそのスルホン酸誘導体、非修飾および修飾セルロース、芳香族および/または脂肪族スルホン酸ならびにそれらのホルムアルデヒドとの付加物を用いることも可能である。
【0117】
カルボキシメチルセルロースならびにアラビアゴム、ポリビニルアルコールおよびポリビニルアセテートのような粉末、顆粒またはラテックスの形態の天然および合成ポリマー、ならびにセファリンおよびレシチンのような天然リン脂質、および合成リン脂質のような粘着付与剤を製剤に用いることができる。
【0118】
さらなる添加剤は鉱物および植物油であってもよい。無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタンおよびプルシアンブルー、ならびに有機染料、例えばアリザリン染料、アゾ染料および金属フタロシアニン染料のような着色剤、ならびに鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩のような微量栄養素を用いることが可能である。他の考えられる添加剤は香料、任意で修飾された鉱物または植物油およびワックスである。
【0119】
製剤は安定剤、例えば低温安定剤、防腐剤、抗酸化剤、光安定剤または化学および/もしくは物理安定性を向上する他の薬剤も含んでもよい。
【0120】
製剤は一般的には0.01〜98重量%、好適には0.1〜95重量%、とくに好適には0.5〜90重量%の活性化合物を含む。
【0121】
本発明による活性化合物は、例えば、活性スペクトルを向上する、または耐性の発達を低減もしくは遅延するため、他の既知の殺虫剤および/または殺ダニ剤との混合物として用いることもできる。
【0122】
殺線虫剤、除草剤、殺真菌剤、もしくは殺細菌剤のような他の既知の活性化合物、または肥料および成長調節剤、毒性緩和剤または情報化学物質との混合物も可能である。
【0123】
本発明による活性化合物の施用量の例は:葉を処理する場合:0.1〜10000g/ha、好適には10〜1000g/ha、とくに好適には50〜300g/haであり(施用が灌水または滴下により行われる場合、とくにロックウールまたはパーライトのような不活性基質が用いられる場合、施用量を低減することも可能である);種子を処理する場合:種子100kg当たり2〜200g、好適には種子100kg当たり2.5〜150g、とくに好適には種子100kg当たり2.5〜25g、非常にとくに好適には種子100kg当たり2.5〜12.5gであり;土壌を処理する場合:0.1〜10000g/ha、好適には1〜5000g/haである。
【0124】
とくに活性の試験の文脈において、化合物を投与するのに用いることができる製剤は、すべての化合物をDMSO中の10%溶液として供給するものである。溶解性の問題がある場合、これはアセトンを添加することにより(例えばDMSO溶液/懸濁液を50%希釈し、DMSO/アセトン中の化合物の5%溶液をもたらし)解決することができる。投与製剤は次に、DMSO(またはDMSO/アセトン)溶液を水中のTween 20(商標)の0.1%溶液に添加し、必要な濃度をもたらすことにより得られる。結果はスプレーすることができる乳濁液となる可能性が高い。結晶化が起こり、一貫性のない結果となる場合、さらなるDMSOを試験溶液に添加することができる。
【0125】
本発明による組成物は、農業、温室、森林または園芸に用いられるいずれかの植物種、とくに、穀物(例えばコムギ、オオムギ、ライムギ、ヒエ・アワ・キビおよびエンバク)、トウモロコシ、ワタ、ダイズ、イネ、ジャガイモ、ヒマワリ、マメ、コーヒー、ビート(例えばテンサイおよび飼料ビート)、ピーナッツ、野菜(例えばトマト、キュウリ、タマネギおよびレタス)、芝生、果樹および堅果樹(例えばリンゴ、ナシ、モモ、ネクタリン、アンズ、ヘーゼルナッツ、ピーカン、マカダミア、ピスタチオ)、柔らかい果実(例えばイチゴ、ラズベリー、ブラックカラント、レッドカラント)、ブドウのつる、バナナ、ココヤシならびに観葉植物を保護するのに適している。
【0126】
本発明の活性化合物は、良好な植物耐性および温血動物に対する好ましい毒性ならびに環境により十分に許容されることとの組み合わせで、植物および植物器官を保護し、収穫量を増加し、収穫物の品質を向上し、動物害虫、とくに農業、園芸、畜産、森林、庭およびレジャー施設、貯蔵製品および材料の保護、ならびに衛生部門において見られる昆虫およびクモ綱害虫を防除するのに適している。それらは好適には作物保護剤として用いられ得る。
【0127】
(殺虫剤/殺ダニ剤としての使用)
本発明のいくつかの化合物はまた殺虫剤/殺ダニ剤としての活性を有し得る。
【0128】
それらは通常の感受性および耐性種の害虫に対してならびに発達段階のすべてまたはいくつかに対して活性である。下記は殺虫剤/殺ダニ剤化合物により防除され得る害虫の実例である:シラミ目(Anoplura/Phthiraptera)から、例えば、ダマリニア属種(Damalinia spp.)、ハエマトピヌス属種(Haematopinus spp.)、リノグナツス属種(Linognathus spp.)、ぺジクルス属種(Pediculus spp.)、トリコデクテス属種(Trichodectes spp.);クモ綱(Arachnida)から、例えば、アシブトコナダニ(Acarus siro)、アセリア・シェルドニ(Aceria sheldoni)、アクロプス属種(Aculops spp.)、アクルス属種(Aculus spp.)、アンブリオンマ属種(Amblyomma spp.)、アルガス属種(Argas spp.)、ボオフィルス属種(Boophilus spp.)、ブレビパルプス属種(Brevipalpus spp.)、クローバーハダニ(Bryobia praetiosa)、コリオプテス属種(Chorioptes spp.)、ワクモ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラニクス属種(Eotetranychus spp.)、ナシサビダニ(Epitrimerus pyri)、エウテトラニクス属種(Eutetranychus spp.)、エリオフィエス属種(Eriophyes spp.)、ヘミタルソネムス属種(Hemitarsonemus spp.)、ヒアロンマ属種(Hyalomma spp.)、イクソデス属種(Ixodes spp.)、クロゴケグモ(Latrodectus mactans)、メタテトラニクス属種(Metatetranychus spp.)、オリゴニクス属種(Oligonychus spp.)、オルニトドロス属種(Ornithodoros spp.)、パノニクス属種(Panonychus spp.)、ミカンサビダニ(Phyllocoptruta oleivora)、チャノホコリダニ(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、リピセファルス属種(Rhipicephalus spp.)、リゾグリフス属種(Rhizoglyphus spp.)、サルコプテス属種(Sarcoptes spp.)、スコルピオ・マウルス(Scorpio maurus)、ステノタルソネムス属種(Stenotarsonemus spp.)、タルソネムス属種(Tarsonemus spp.)、テトラニクス属種(Tetranychus spp.)、バサテス・リコペルシシ(Vasates lycopersici);ニマイガイ綱(Bivalva)から、例えば、ドレイセナ属種(Dreissena spp.);ムカデ目(Chilopoda)から、例えば、ゲオフィルス属種(Geophilus spp.)、スクチゲラ属種(Scutigera spp.);甲虫目(Coleoptera)から、例えば、インゲンマメゾウムシ(Acanthoscelides obtectus)、アドレツス属種(Adoretus spp.)、ハンノキハムシ(Agelastica alni)、アグリオテス属種(Agriotes spp.)、アンフィマロン・ソルスチチアリス(Amphimallon solstitialis)、アノビウム・プンクタツム(Anobium punctatum)、アノプロフォラ属種(Anoplophora spp.)、アントノムス属種(Anthonomus spp.)、アントレヌス属種(Anthrenus spp.)、アポゴニア属種(Apogonia spp.)、アトマリア属種(Atomaria spp.)、アタゲヌス属種(Attagenus spp.)、サイカチマメゾウムシ(Bruchidius obtectus)、ブルクス属種(Bruchus spp.)、セウトリンクス属種(Ceuthorhynchus spp.)、クレオヌス・メンジクス(Cleonus mendicus)、コノデルス属種(Conoderus spp.)、コスモポリテス属種(Cosmopolites spp.)、コステリトラ・ゼアランジカ(Costelytra zealandica)、クルクリオ属種(Curculio spp.)、ヤナギシリジロゾウムシ(Cryptorhynchus lapathi)、デルメステス属種(Dermestes spp.)、ジアブロチカ属種(Diabrotica spp.)、エピラクナ属(Epilachna spp.)、ファウスチヌス・クバエ(Faustinus cubae)、セマルヒョウホンムシ(Gibbium psylloides)、ヘテロニクス・アラトル(Heteronychus arator)、ヒラモルファ・エレガンス(Hylamorpha elegans)、ヒロトルペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、アルファルファゾウムシ(Hypera postica)、ヒポテネムス属種(Hypothenemus spp.)、ラクノステマ・コンサンギネア(Lachnostema consanguinea)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、リクスス属種(Lixus spp.)、リクツス属種(Lyctus spp.)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、ミグドルス属種(Migdolus spp.)、モノカムス属種(Monochamus spp.)、ナウパクツス・キサントグラフス(Naupactus xanthographus)、ニプツス・ホロレウクス(Niptus hololeucus)、タイワンカブトムシ(Oryctes rhinoceros)、ノコギリヒラタムシ(Oryzaephilus surinamensis)、キンケクチブトゾウムシ(Otiorrhynchus sulcatus)、コアオハナムグリ(Oxycetonia jucunda)、カラシナハムシ(Phaedon cochleariae)、フィロファガ属種(Phyllophaga spp.)、マメコガネ(Popillia japonica)、プレムノトリペス属種(Premnotrypes spp.)、プシリオデス・クリソセファラ(Psylliodes chrysocephala)、プチヌス属種(Ptinus spp.)、リゾビウス・ベントラリス(Rhizobius ventralis)、コナナガシンクイムシ(Rhizopertha dominica)、シトフィルス属種(Sitophilus spp.)、スフェノホルス属種(Sphenophorus spp.)、ステルネクス属種(Sternechus spp.)、シムフィレテス属種(Symphyletes spp.)、チャイロコメノゴミムシダマシ(Tenebrio molitor)、トリボリウム属種(Tribolium spp.)、トロゴデルマ属種(Trogoderma spp.)、チキウス属種(Tychius spp.)、キシロトレクス属種(Xylotrechus spp.)、ザブルス属種(Zabrus spp.);トビムシ目(Collembola)から、例えば、オニキウルス・アルマツス(Onychiurus armatus);ハサミムシ目(Dermaptera)から、例えば、ヨーロッパクギヌキハサミムシ(Forficula auricularia);ヤスデ目(Diplopoda)から、例えば、ブラニウルス・グツラツス(Blaniulus guttulatus);ハエ目(Diptera)から、例えば、アエデス属種(Aedes spp.)、アノフェレス属種(Anopheles spp.)、ビビオ・ホルツラヌス(Bibio hortulanus)、クロバエ(Calliphora erythrocephala)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)、クリソミイア属種(Chrysomyia spp.)、コクリオミイア属種(Cochliomyia spp.)、ヒトクイバエ(Cordylobia anthropophaga)、クレクス属種(Culex spp.)、クテレブラ属種(Cuterebra spp.)、オリーブミバエ(Dacus oleae)、ヒトヒフバエ(Dermatobia hominis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、ファンニア属種(Fannia spp.)、ガストロフィルス属種(Gastrophilus spp.)、ヒレミイア属種(Hylemyia spp.)、ヒポボスカ属種(Hyppobosca spp.)、ヒポデルマ属種(Hypoderma spp.)、リリオミザ属種(Liriomyza spp.)、ルシリア属種(Lucilia spp.)、ムスカ属種(Musca spp.)、ネザラ属種(Nezara spp.)、オエストルス属種(Oestrus spp.)、キモグリバエ(Oscinella frit)、アカザモグリハナバエ(Pegomyia hyoscyami)、ホルビア属種(Phorbia spp.)、ストモキシス属種(Stomoxys spp.)、タバヌス属種(Tabanus spp.)、タンニア属種(Tannia spp.)、チプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、ウォルファルチア属種(Wohlfahrtia spp.);腹足綱(Gastropoda)から、例えば、アリオン属種(Arion spp.)、ビオムファラリア属種(Biomphalaria spp.)、ブリヌス属種(Bulinus spp.)、デロセラス属種(Deroceras spp.)、ガルバ属種(Galba spp.)、リムナエア属種(Lymnaea spp.)、オンコメラニア属種(Oncomelania spp.)、スクシネア属種(Succinea spp.);蠕虫鋼から、例えば、アンシロストマ・ズオデナレ(Ancylostoma duodenale)、アンシロストマ・セイラニクム(Ancylostoma ceylanicum)、アンシロストマ・ブラジリエンシス(Ancylostoma braziliensis)、アンシロストマ属種(Ancylostoma spp.)、ヒト回虫(Ascaris lumbricoides)、アスカリス属種(Ascaris spp.)、マレー糸状虫(Brugia malayi)、チモール糸状虫(Brugia timori)、ブノストムム属種(Bunostomum spp.)、チャベルチア属種(Chabertia spp.)、クロノルキス属種(Clonorchis spp.)、コオペリア属種(Cooperia spp.)、ジクロコエリウム属種(Dicrocoelium spp.)、ジクチオカウルス・フィラリア(Dictyocaulus filaria)、広節裂頭条虫(Diphyllobothrium latum)、メジナ虫(Dracunculus medinensis)、単包条虫(Echinococcus granulosus)、多包条虫(Echinococcus multilocularis)、エンテロビウス・ベルミクラリス(Enterobius vermicularis)、ファシオラ属種(Faciola spp.)、ハエモンクス属種(Haemonchus spp.)、ヘテラキス属種(Heterakis spp.)、小型条虫(Hymenolepis nana)、ヒオストロングルス属種(Hyostrongulus spp.)、ロア糸状虫(Loa loa)、ネマトジルス属種(Nematodirus spp.)、オエソファゴストムム属種



(Oesophagostomum spp.)、オピストルキス属種(Opisthorchis spp.)、回旋糸状虫(Onchocerca volvulus)、オステルタギア属種(Ostertagia spp.)、パラゴニムス属種(Paragonimus spp.)、シストソメン属種(Schistosomen spp.)、サル糞線虫(Strongyloides fuelleborni)、糞線虫(Strongyloides stercoralis)、ストロニロイデス属種(Stronyloides spp.)、無鉤条虫(Taenia saginata)、有鉤条虫(Taenia solium)、トリキネラ・スピラリス(Trichinella spiralis)、トリキネラ・ナチバ(Trichinella nativa)、トリキネラ・ブリトビ(Trichinella britovi)、トリキネラ・ネルソニ(Trichinella nelsoni)、トリキネラ・プセウドプシラリス(Trichinella pseudopsiralis)、トリコストロングルス属種(Trichostrongulus spp.)、ヒト鞭虫(Trichuris trichiura)、バンクロフト糸状虫(Wuchereria bancrofti)。
【0129】
殺虫剤として用いられる場合、本発明による活性化合物は、それらの市販製剤およびこれらの製剤から調製される使用形態において、植物の環境中、植物の部分の表面上または植物組織中での使用後の活性化合物の分解を低減する阻害剤との混合物として、さらに存在することができる。市販製剤から調製される使用形態の活性化合物含有量は幅広い範囲内で変動させることができる。使用形態の活性化合物濃度は0.00000001〜95重量%、好適には0.00001〜1重量%とすることができる。化合物は使用形態に適した従来の方法で用いられる。
【0130】
本発明による活性化合物は、植物、衛生および貯蔵製品の害虫に対してのみならず、獣医学部門において、マダニ(硬ダニ)、ヒメダニ(軟ダニ)、疥癬ダニ、ハダニ、ハエ(刺咬性および舐性)、寄生性ハエ幼虫、シラミ、ケジラミ、ハジラミおよびノミのような、動物寄生虫(外部および内部寄生虫)に対しても作用し得る。下記は殺虫剤/殺ダニ剤化合物により防除され得る寄生虫の実例である:シラミ目から、例えば、ハエマトピヌス属種、リノグナツス属種、ぺジクルス属種、フチルス属種(Phtirus spp.)、ソレノポテス属種(Solenopotes spp.);ハジラミ目(Mallophagida)マルツノハジラミ亜目(Amblycerina)およびホソツノハジラミ亜目(Ischnocerina)から、例えば、トリメノポン属種(Trimenopon spp.)、メノポン属種(Menopon spp.)、トリノトン属種(Trinoton spp.)、ボビコラ属種(Bovicola spp.)、ウェルネキエラ属種(Werneckiella spp.)、レピケントロン属種(Lepikentron spp.)、ダマリナ属種(Damalina spp.)、トリコデクテス属種、フェリコラ属種(Felicola spp.);ハエ目カ亜目(Nematocerina)およびハエ亜目(Brachycerina)から、例えば、アエデス属種、アノフェレス属種、クレクス属種、シムリウム属種(Simulium spp.)、エウシムリウム属種(Eusimulium spp.)、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、ルツオミイア属種(Lutzomyia spp.)、クリコイデス属種(Culicoides spp.)、クリソプス属種(Chrysops spp.)、ヒボミトラ属種(Hybomitra spp.)、アチロツス属種(Atylotus spp.)、タバヌス属種、ハエマトポタ属種(Haematopota spp.)、フィリポミイア属種(Philipomyia spp.)、ブラウラ属種(Braula spp.)、ムスカ属種、ヒドロタエア属種(Hydrotaea spp.)、ストモキシス属種、ハエマトビア属種(Haematobia spp.)、モレリア属種(Morellia spp.)、ファンニア属種、グロシナ属種(Glossina spp.)、カリフォラ属種(Calliphora spp.)、ルシリア属種、クリソミイア属種、ウォルファルチア属種、サルコファガ属種(Sarcophaga spp.)、オエストルス属種、ヒポデルマ属種、ガストロフィルス属種、ヒポボスカ属種、リポプテナ属種(Lipoptena spp.)、メロファグス属種(Melophagus spp.);ノミ目(Siphonapterida)から、例えば、プレクス属種(Pulex spp.)、クテノセファリデス属種(Ctenocephalides spp.)、キセノプシラ属種(Xenopsylla spp.)、セラトフィルス属種(Ceratophyllus spp.);カメムシ目(Heteropterida)から、例えば、シメクス属種(Cimex spp.)、トリアトマ属種(Triatoma spp.)、ロドニウス属種(Rhodnius spp.)、パンストロンギルス属種(Panstrongylus spp.);ゴキブリ目(Blattarida)から、例えば、トウヨウゴキブリ(Blatta orientalis)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、チャバネゴキブリ(Blattela germanica)、スペラ属種(Supella spp.);ダニ亜綱(Acari/Acarina)マダニ目(Metastigmata)およびトゲダニ目(Mesostigmata)から、例えば、アルガス属種、オルニトドルス属種(Ornithodorus spp.)、オトビウス属種(Otobius spp.)、イクソデス属種、アンブリオンマ属種、ボオフィルス属種、デルマセントル属種(Dermacentor spp.)、ハエモフィサリス属種(Haemophysalis spp.)、ヒアロンマ属種、リピセファルス属種、デルマニスス属種(Dermanyssus spp.)、ライリエチア属種(Raillietia spp.)、プネウモニスス属種(Pneumonyssus spp.)、ステルノストマ属種(Sternostoma spp.)、バロア属種(Varroa spp.);ケダニ目(Actinedida/Prostigmata)およびコナダニ目(Acaridida/Astigmata)から、例えば、アカラピス属種(Acarapis spp.)、ケイレチエラ属種(Cheyletiella spp.)、オルニトケイレチア属種(Ornithocheyletia spp.)、ミオビア属種(Myobia spp.)、プソレルガテス属種(Psorergates spp.)、デモデクス属種(Demodex spp.)、トロムビクラ属種(Trombicula spp.)、リストロホルス属種(Listrophorus spp.)、アカルス属種(Acarus spp.)、チロファグス属種(Tyrophagus spp.)、カログリフス属種(Caloglyphus spp.)、ヒポデクテス属種(Hypodectes spp.)、プテロリクス属種(Pterolichus spp.)、プソロプテス属種(Psoroptes spp.)、コリオプテス属種、オトデクテス属種(Otodectes spp.)、サルコプテス属種、ノトエドレス属種(Notoedres spp.)、クネミドコプテス属種(Knemidocoptes spp.)、シトジテス属種(Cytodites spp.)、ラミノシオプテス属種(Laminosioptes spp.)。本発明の各化合物は上記生物の1つ以上に対する活性を有し得る。
【0131】
本発明による活性化合物は、例えば、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ロバ、ラクダ、スイギュウ、ウサギ、ニワトリ、シチメンチョウ、カモ、ガチョウおよびミツバチのような、農業生産性家畜、例えば、イヌ、ネコ、籠の鳥および水槽の魚のような、ペット、ならびにまた、例えば、ハムスター、モルモット、ラットおよびマウスのような、いわゆる実験動物に寄生する節足動物を防除するのにも適し得る。これらの節足動物を防除することにより、死亡件数が減少し、(肉、ミルク、羊毛、皮革、卵、蜂蜜等の)生産性の低減が縮小するので、本発明による活性化合物の使用により、より経済的かつより容易な畜産が可能である。
【0132】
殺虫剤/殺ダニ剤化合物は獣医学部門および畜産において既知の方法で、例えば、錠剤、カプセル、水剤、水薬、顆粒、ペースト、巨丸剤、フィードスループロセスおよび坐剤の形態での経腸投与により、例えば、注射(筋肉内、皮下、静脈内、腹腔内等)、インプラント、経鼻投与、例えば、浸漬または入浴、スプレー、ポアオンおよびスポットオン、洗浄および散粉の形態での、ならびにまた首輪、耳標、尾標、肢バンド、端綱およびマーキング装置等のような、活性化合物を含有する成形品の使用による経皮使用のような、非経口投与により用いてもよい。
【0133】
家畜、家禽、ペット等に用いられる場合、殺虫剤/殺ダニ剤化合物は、活性化合物を1〜80重量%の量で含む製剤(例えば粉末、乳濁液、自由流動性組成物)として、直接もしくは100〜10000倍希釈後に用いることができ、またはそれらは薬浴として用いることができる。
【0134】
本発明の殺虫剤/殺ダニ剤化合物は、ヒトの疾患、とくに寄生虫感染症、例えばダニ、昆虫、蠕虫等により引き起こされるものの治療に用いられ得る。よって、本発明は、疾患(例えば寄生虫疾患)の治療方法であって、治療量の本発明の抗真菌剤を、それを必要とする対象(例えばヒト対象)に投与するステップからなる方法を含む。化合物は体の感染領域への局所投与用に製剤してもよく、または経口もしくは非経口投与用に製剤してもよい。
【0135】
殺虫剤/殺ダニ剤化合物はまた、産業材料を破壊する昆虫に対する活性を有し得る。下記は殺虫剤/殺ダニ剤化合物により防除され得る害虫の実例である:甲虫類(Beetles)、例えばヨーロッパイエカミキリ(Hylotrupes bajulus)、クロロホルス・ピロシス(Chlorophorus pilosis)、アノビウム・プンクタツム、マダラシバンムシ(Xestobium rufovillosum)、プチリヌス・ペクチコルニス(Ptilinus pecticornis)、デンドロビウム・ペルチネクス(Dendrobium pertinex)、マツザイシバンムシ(Ernobius mollis)、オオナガシバンムシ(Priobium carpini)、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus)、アフリカヒラタキクイムシ(Lyctus africanus)、アメリカヒラタキクイムシ(Lyctus planicollis)、ナラヒラタキクイムシ(Lyctus linearis)、リクツス・プベセンス(Lyctus pubescens)、トロゴキシロン・アエクアレ(Trogoxylon aequale)、ミンテス・ルギコリス(Minthes rugicollis)、キシレボルス種(Xyleborus spec.)、トリプトデンドロン種(Tryptodendron spec.)、アパテ・モナクス(Apate monachus)、ボストリクス・カプシンス(Bostrychus capucins)、ヘテロボストリクス・ブルンネウス(Heterobostrychus brunneus)、シノキシロン種(Sinoxylon spec.)、チビタケナガシンクイムシ(Dinoderus minutus);膜翅類(Hymenopterons)、例えばコルリキバチ(Sirex juvencus)、モミノオオキバチ(Urocerus gigas)、ウロセルス・ギガス・タイグヌス(Urocerus gigas taignus)、ウロセルス・アウグル(Urocerus augur);シロアリ類(Termites)、例えばカロテルメス・フラビコリス(Kalotermes flavicollis)、ニシインドカンザイシロアリ(Cryptotermes brevis)、ヘテロテルメス・インジコラ(Heterotermes indicola)、キアシシロアリ(Reticulitermes flavipes)、レチクリテルメス・サントネンシス(Reticulitermes santonensis)、レチクリテルメス・ルシフグス(Reticulitermes lucifugus)、ムカシシロアリ(Mastotermes darwiniensis)、ネバダオオシロアリ(Zootermopsis nevadensis)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus);シミ類(Bristletails)、例えばセイヨウシミ(Lepisma saccharina)。本発明の各化合物は上記生物の1つ以上に対する活性を有し得る。
【0136】
本発明に関連する産業材料は、好適には、プラスチック、接着剤、糊剤、紙および厚紙、革、木材および木材加工品ならびにコーティング組成物のような非生体材料を意味すると理解されるべきである。
【0137】
家庭、衛生および貯蔵製品保護において、殺虫剤/殺ダニ剤化合物は、例えば、住居、工場ホール、オフィス、車両キャビン等のような閉鎖空間において見られる、動物害虫、とくに昆虫、クモ綱、およびダニを防除するのにも適し得る。それらは単独でまたは他の活性化合物および補助剤と組み合わせて、これらの害虫を防除するための家庭用殺虫剤製品において用いることができる。それらは感受性および耐性種に対してならびにすべての発達段階に対して活性である。
【0138】
下記は殺虫剤/殺ダニ剤化合物により防除され得る害虫の実例である:サソリ目(Scorpionidea)から、例えば、セスジサソリ(Buthus occitanus);ダニ目(Acarina)から、例えば、ナガヒメダニ(Argas persicus)、アルガス・レフレクスス(Argas reflexus)、ブリオビア属種(Bryobia spp.)、ワクモ、イエニクダニ(Glyciphagus domesticus)、オルニトドルス・モウバト(Ornithodorus moubat)、クリイロコイタマダニ(Rhipicephalus sanguineus)、アメリカツツガムシ(Trombicula alfreddugesi)、ネウトロムビクラ・アウツムナリス(Neutrombicula autumnalis)、ヤケヒョウダニ(Dermatophagoides pteronissimus)、コナヒョウダニ(Dermatophagoides forinae);クモ目(Araneae)から、例えば、アビクラリイダエ(Aviculariidae)、アラネイダエ(Araneidae);ザトウムシ目(Opiliones)から、例えば、プセウドスコルピオネス・ケリフェル(Pseudoscorpiones chelifer)、プセウドスコルピオネス・ケイリジウム(Pseudoscorpiones cheiridium)、オピリオネス・ファランギウム(Opiliones phalangium);ワラジムシ目(Isopoda)から、例えば、ホンワラジムシ(Oniscus asellus)、ワラジムシ(Porcellio scaber);ヤスデ目から、例えば、ブラニウルス・グツラツス、ポリデスムス属種(Polydesmus spp.);ムカデ目から、例えば、ゲオフィルス属種;シミ目(Zygentoma)から、例えば、クテノレピスマ属種(Ctenolepisma spp.)、セイヨウシミ、レピスモデス・インクイリヌス(Lepismodes inquilinus);ゴキブリ目(Blattaria)から、例えば、トウヨウゴキブリ、チャバネゴキブリ、オキナワチャバネゴキブリ(Blattella asahinai)、マデラゴキブリ(Leucophaea maderae)、パンクロラ属種(Panchlora spp.)、パルコブラタ属種(Parcoblatta spp.)、コワモンゴキブリ(Periplaneta australasiae)、ワモンゴキブリ、トビイロゴキブリ(Periplaneta brunnea)、クロゴキブリ(Periplaneta fuliginosa)、チャオビゴキブリ(Supella longipalpa);跳躍目(Saltatoria)から、例えば、ヨーロッパイエコオロギ(Acheta domesticus);ハサミムシ目から、例えば、ヨーロッパクギヌキハサミムシ;シロアリ目(Isoptera)から、例えば、カロテルメス属種(Kalotermes spp.)、レチクリテルメス属種(Reticulitermes spp.);チャタテムシ目(Psocoptera)から、例えば、レピナツス属種(Lepinatus spp.)、リポセリス属種(Liposcelis spp.);甲虫目から、例えば、アントレヌス属種、アタゲヌス属種、デルメステス属種、コゴメゴミムシダマシ(Latheticus oryzae)、ネクロビア属種(Necrobia spp.)、プチヌス属種、コナナガシンクイムシ、グラナリアコクゾウムシ(Sitophilus granarius)、ココクゾウムシ(Sitophilus oryzae)、コクゾウムシ(Sitophilus zeamais)、ジンサンシバンムシ(Stegobium paniceum);ハエ目から、例えば、ネッタイシマカ(Aedes aegypti)、ヒトスジシマカ(Aedes albopictus)、アエデス・タエニオリンクス(Aedes taeniorhynchus)、アノフェレス属種、クロバエ、クリソゾナ・プルビアリス(Chrysozona pluvialis)、ネッタイイエカ(Culex quinquefasciatus)、アカイエカ(Culex pipiens)、クレクス・タルサリス(Culex tarsalis)、ドロソフィラ属種(Drosophila spp.)、ヒメイエバエ(Fannia canicularis)、イエバエ(Musca domestica)、フレボトムス属種(Phlebotomus spp.)、ニクバエ(Sarcophaga carnaria)、シムリウム属種、サシバエ(Stomoxys calcitrans)、チプラ・パルドサ;チョウ目(Lepidoptera)から、例えば、コハチノスツヅリガ(Achroia grisella)、ハチノスツヅリガ(Galleria mellonella)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)、チネア・クロアセラ(Tinea cloacella)、イガ(Tinea pellionella)、コイガ(Tineola bisselliella);ノミ目(Siphonaptera)から、例えば、イヌノミ(Ctenocephalides canis)、ネコノミ(Ctenocephalides felis)、ヒトノミ(Pulex irritans)、スナノミ(Tunga penetrans)、ネズミノミ(Xenopsylla cheopis);ハチ目(Hymenoptera)から、例えば、カムポノツス・ヘルクレアヌス(Camponotus herculeanus)、クロクサアリ(Lasius fuliginosus)、トビイロケアリ(Lasius niger)、アメイロケアリ(Lasius umbratus)、イエヒメアリ(Monomorium pharaonis)、パラベスプラ属種(Paravespula spp.)、トビイロシワアリ(Tetramorium caespitum);シラミ目から、例えば、アタマジラミ(Pediculus humanus capitis)、コロモジラミ(Pediculus humanus corporis)、ペムフィグス属種(Pemphigus spp.)、ブドウネアブラムシ(Phylloxera vastatrix)、ケジラミ(Phthirus pubis);カメムシ目(Heteroptera)から、例えば、タイワントコジラミ(Cimex hemipterus)、トコジラミ(Cimex lectularius)、ロジヌス・プロリクスス(Rhodinus prolixus)、ブラジルサシガメ(Triatoma infestans)。本発明の各化合物は上記生物の1つ以上に対する活性を有し得る。
【0139】
家庭用殺虫剤の分野において、それらは単独でまたは他の適切な活性化合物、例えばリン酸エステル、カルバミン酸塩、ピレトロイド、ネオニコチノイド、成長制御剤もしくは他の既知のクラスの殺虫剤からの活性化合物と組み合わせて用いられ得る。それらはエアロゾル、非加圧スプレー製品、例えばポンプおよびアトマイザースプレー、自動霧化システム、霧化器、泡沫、ゲル、セルロースまたはポリマー製の蒸発装置タブレットを有する蒸発装置製品、液体蒸発装置、ゲルおよび膜蒸発装置、プロペラ駆動蒸発装置、エネルギーフリーまたは受動蒸発システム、防虫紙、防虫バッグおよび防虫ゲルにおいて、顆粒または粉塵として、散布用またはベイトステーション中のベイトに用いられる。
【発明を実施するための形態】
【0140】
(合成)
当業者であれば、当技術分野において知られる方法の適合物を本発明の化合物の製造に適用することができることを理解するだろう。
【0141】
例えば、当業者であれば、“Comprehensive Organic Transformations−A Guide to Functional Group Transformations”,RC Larock,Wiley−VCH(1999年版以降);“March’s Advanced Organic Chemistry−Reactions,Mechanisms and Structure”,MB Smith,J.March,Wiley(第5版以降);“Advanced Organic Chemistry,Part B,Reactions and Synthesis”,FA Carey,RJ Sundberg,Kluwer Academic/Plenum Publications(2001年版以降);“Organic Synthesis−The Disconnection Approach”,S Warren(Wiley)(1982年版以降);“Designing Organic Syntheses” S Warren(Wiley)(1983年版以降);“Heterocyclic Chemistry”,J.Joule(Wiley)(2010年版以降);“Guidebook To Organic Synthesis”RK Mackie and DM Smith(Longman)(1982年版以降)、等、およびその中でガイドとして挙げられる参考文献のような標準的なテキストをすぐに理解するだろう。
【0142】
当業者は有機およびとくにヘテロ環分子の広範な合成戦略に精通し、これらはWarren “Organic Synthesis:The Disconnection Approach”;Mackie and Smith“Guidebook to Organic Chemistry”;およびClayden,Greeves,Warren and Wothers“Organic Chemistry”のようなテキストに記載される一般常識を表す。
【0143】
熟練化学者であれば、所定の標的化合物の合成のためのもっとも効率的な反応手順について判断および技術を発揮し、必要に応じて保護基を用いるだろう。これは特定の基質中に存在する他の官能基の性質のような因子にとくに依存するだろう。明らかに、関与する化学反応のタイプは前記合成ステップに用いられる試薬の選択、用いられる保護基の必要性およびタイプ、ならびに保護/脱保護ステップを達成する手順に影響するだろう。これらのおよび他の反応パラメーターは、標準的なテキストおよびここで提供される実施例を参照することにより当業者には明らかとなるだろう。
【0144】
感受性官能基は本発明の化合物の合成中に保護および脱保護される必要があり得る。これは、例えばTW Greene and PGM Wutsによる“Protective Groups in Organic Synthesis”,John Wiley & Sons Inc(1999)、およびその中の参考文献に記載される、従来の方法により達成され得る。
【0145】
本発明の特定の化合物は下記の一般スキームに記載される方法を用いて調製することができる。
【0146】
本発明の特定の化合物は、実施例1〜4に記載される方法に従って、またはこれらと同様に調製することができる。
【0147】
(一般合成スキーム)
スキームAは、式XIIおよびXIIIの化合物を調製するのに用いることができる経路例を示す。
【化47】
【0148】
スキームAによる典型的な合成はケトンAから出発し、これは(例えば任意で室温でDCM中のTMSCN、次に室温で水を用いる)シアノヒドリン形成および(例えば室温でジエチルエーテル中のLiAlHを用いる)その後のニトリル還元によってヒドロキシアミンBに変換することができる。(例えば任意でDCM中のSOClの存在下での)酸塩化物Cとの反応はオキサゾリンDをもたらすことができる。(例えば任意で室温でDMF中のKCOの存在下での)チオールEでのチオール付加は、(例えば任意で室温で共溶媒としてエタノールが存在する2M溶液のNaOHを用いる)エステル加水分解後、チアンFをもたらすことができる。(例えば任意で室温でMeCN中のEtNの存在下でTBTUを用いる)酸FおよびアミンGの間のアミド形成は、式Hの化合物をもたらすことができる。スルフィド基は、(任意でDCM中のNaHCOおよび水の存在下で)それぞれ1.1等量または2.5等量のmCPBAを用い、スルホキシドまたはスルホンまで酸化させることができる。
【0149】
スキームBは、式XIIおよびXIVの化合物を調製するのに用いることができる経路例を示す。
【化48】
【0150】
(例えば2段階での:任意で100℃でDCE中のKCOおよびトリエチルアミンの存在下での;ならびに次に生成物を任意で0℃で水中のBuNBr、4MのNaOHおよびヒドロキシルアミンで処理することによる)ケトンAおよびJの間の反応は、イソキサゾリンKを生成することができる。(例えば室温で任意でTHF中のNaHを用いる)チオールLの付加は、式Mの化合物をもたらすことができる。
【0151】
スキームCは、式XIIおよびXVの化合物を調製するのに用いることができる経路例を示す。
【化49】
【0152】
チオールOのハロゲン化物N(その具体例はオキサゾリンDおよびイソキサゾリンKである)への付加は、式Pの化合物をもたらすことができる。上でスキームAについて記載したように、この生成物はスルホキシドまたはスルホンまで酸化させることができる。
【0153】
スキームDは、式XVIおよびXVIIの化合物を調製するのに用いることができる経路例を示す。
【化50】
【0154】
アミンQおよびアルデヒドまたはケトンRの間の(例えば室温で、DCEのような、適切な溶媒中のモレキュラーシーブスを用いる)イミン形成反応はイミンSをもたらすことができる。
【0155】
スキームEは、式XVI、XVIIIおよびXXの化合物を調製するのに用いることができる経路例を示す。
【化51】
【0156】
α,β不飽和ケトンTおよびアミド酸Uの間の(例えばAc2Oの存在下で加熱した後室温で塩基、例えばNaOHで処理することによる)付加環化反応は、式Wの化合物を形成することができる。
【実施例】
【0157】
フラッシュクロマトグラフィーはシリカゲル(40〜63μm粒子)を用いて行った。薄層クロマトグラフィーは予備コーティングしたアルミニウム支持プレート(MerckSilica Keiselgel 60 F254)上で行った。可視化はUV光(254nm)で、過マンガン酸カリウム、ホスホモリブデン酸(PMA)またはニンヒドリン溶液で染色することにより行った。ヘキサンがフラッシュクロマトグラフィー溶媒として特定される場合、石油エーテル(沸点40〜60℃)を代替物として用いることができる。
【0158】
すべてのH NMRスペクトルは、Bruker Ultrashield 300分光計またはBruker DPX300分光計のいずれかを用いて得た。化学シフトは百万分率(δ)で表され、溶媒が参照される。結合定数Jはヘルツ(Hz)で表される。ESI質量分析は、Bruker HCT Ultra LCMS装置(ダイオードアレイ検出器およびBruker HCT Ultra Ion Trap MSを備えるAgilent 1200 Series LC)を用い、Phenomenex Luna 5u C18(2)100Å、50×2.00mm5ミクロンLCカラム(溶媒:5〜90%勾配の(1%ギ酸を含む)水中アセトニトリル、流量:1.2mL/分)を用いて行った。EI質量分析は、FactorFour VF−5MS 30m×0.25mmキャピラリーカラムを備えるVarian Saturn 2100T GC/MS装置を用いて行った。高分解能質量分析(ESI)は、Dionex UltiMate 3000システムを用いて行った。
【0159】
すべての試薬は商業的供給業者から入手し、とくに明記のない限り、供給されたまま使用した。
【0160】
(実施例1:ブテノライド合成)
3−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル−(2,2−ジフルオロエチル)アミノ]−2H−フラン−5−オン 1
【化52】

N−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル]−2,2−ジフルオロ−エタンアミンを、国際公開第WO2008009360号において提供される手順に従って調製した。N−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル]−2,2−ジフルオロ−エタンアミン(347mg、1.68mmol)、テトロン酸(236mg、2.38mmol)およびp−トルエンスルホン酸(16mg、0.08mmol)をトルエンに添加し、還流で6時間撹拌し、その時間後、TLCは出発材料の完全消費を示した。溶媒を真空下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCM中の3%MeOHで溶出し、生成物(200mg、41%)を無色の油として得た。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz): 8.30 (s, 1H), 7.54 (dd, J = 8.1, 2.7 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.96 (tt, J = 54.6, 3.3 Hz, 1H), 4.88 (s, 1H), 4.83 (s, 2H), 4.52 (s, 2H), 3.52 (dt, J = 14.7, 3.3 Hz, 1 H)
ESI-MS 599.4 [2M+Na]+
【0161】
化合物1(フルピラジフロン)は本発明の一部を形成せず、比較目的のみで含まれる。
【0162】
2−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチルアミノ]酢酸エチル 2
【化53】

アセトニトリル(50mL)中の2−クロロ−5−クロロメチルピリジン(500mg、3.1mmol)の溶液に、トリエチルアミン(2.2mL、9.3mmol)およびエチルグリシネート塩酸塩(864mg、6.2mmol)を添加し、その混合物を50℃まで16時間加熱した。溶媒を真空下で除去し、粗物質をシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:5%MeOH/DCM)により精製し、標記化合物を黄色の油として得た(300mg、43%)。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz): 8.34 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.70 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.20 (q, J = 6.9 Hz, 2H), 3.82 (s, 2H), 3.40 (s, 2H), 1.29 (t, J = 7 Hz, 3H).
【0163】
2−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル−(5−オキソ−2H−フラン−3−イル)アミノ]酢酸エチル 3
【化54】

2−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチルアミノ]酢酸エチル2(300mg、1.3mmol)、テトロン酸(184mg、1.8mmol)およびp−トルエンスルホン酸(13mg、0.07mmol)をトルエンに添加し、還流で5時間撹拌し、その時間後、TLCは出発材料の完全消費を示した。溶媒を真空下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCM中の3%MeOHで溶出し、生成物(197mg、48%)を無色の油として得た。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz): 8.30 (d, J = 2.4 Hz, 1H), 7.61 (dd, J = 8.1, 2.7 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 5.31 (s, 1H), 4.80 (d, J = 9 Hz, 2H), 4.46 (s, 2H), 4.22 (dd, J = 14.4, 7.2 Hz, 2H), 3.83 (s, 2H), 1.28 (t, J = 7.2 Hz, 3H)
ESI-MS 311.1 [M+H]+
【0164】
N−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル]−2,2−ジメトキシ−エタンアミン 4
【化55】

アセトニトリル(20mL)中の2−クロロ−5−クロロメチルピリジン(500mg、3mmol)の溶液に、トリエチルアミン(848μL、6mmol)およびアミノアセトアルデヒドジメチルアセタール(1.7mL、15mmol)を添加し、その混合物を50℃まで24時間加熱した。溶媒を真空下で除去し、粗物質をシリカ上でのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:2%MeOH/DCM)により精製し、標記化合物を黄色の油として得た(600mg、85%)。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz) 8.26 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.59 (dd, J = 8.2, 2.5 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.39 (t, J = 6.0 Hz, 1H), 3.73 (s, 2H), 3.32 (s, 6H), 2.65 (d, J = 6.0 Hz, 2H). EI-MS 231.1 [M+H]+
【0165】
3−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル−(2,2−ジメトキシエチル)アミノ]−2H−フラン−5−オン 5
【化56】

トルエン(7mL)中の3N−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル]−2,2−ジメトキシ−エタンアミン4(540mg、2.3mmol)の溶液に、3−ヒドロキシ−2H−フラン−5−オン(329mg、3.3mmol)およびp−トルエンスルホン酸(22mg、0.12mmol)を添加し、その混合物を還流で6時間(激しく撹拌しながら)加熱し、その時間後、溶媒を真空下で除去し、粗物質をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:1%MeOH/DCMから3%MeOH/DCMまで勾配)により精製し、標記化合物を紫色の油として得た(130mg、29%)。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz) 8.28 (d, J = 2.5 Hz, 1H), 7.54 (dd, J = 8.2, 2.5 Hz, 1H), 7.37 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.84 (br s, 2H), 4.74 (br s, 1H), 4.50 (br s, 2H), 4.43 (br s, 1H), 3.42 (s, 6H), 3.26 (d, J = 4.8 Hz, 2H). ESI-MS 313.1 [M+H]+
【0166】
1−[(4−クロロフェニル)メチル]−6H−フロ[3,4−b]ピロール−4−オン 6
【化57】

N−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル]−2,2−ジメトキシ−エタンアミン4(540mg、2.3mmol)、テトロン酸(327mg、3.3mmol)およびp−トルエンスルホン酸(22mg、0.11mmol)をトルエンに添加し、還流で5時間撹拌し、その時間後、TLCは出発材料の完全消費を示した。溶媒を真空下で除去し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCM中の3%MeOHで溶出し、生成物(70mg、12%)を薄褐色の固体として得た。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz): 8.34 (s, 1H), 7.47 (d, J = 9 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 9 Hz, 1H), 6.84 (d, J = 3 Hz, 1H), 6.49 (d, J = 3 Hz, 1H), 5.09 (s, 2H), 4.84 (s, 2H).
ESI-MS 519.6 [2M+Na]+
【0167】
2−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチル−(5−オキソ−2H−フラン−3−イル)アミノ]アセトニトリル 7
【化58】

2−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチルアミノ]アセトニトリルを、日本国特許第JP05163241号において提供される手順に従って調製した。2−[(6−クロロ−3−ピリジル)メチルアミノ]アセトニトリル(146mg、0.8mmol)、3−ヒドロキシ−2H−フラン−5−オン(113mg、1.3mmol)およびp−トルエンスルホン酸(8mg、0.04mmol)をトルエンに添加し、還流で2時間撹拌し、その時間後、TLCはピリジン出発材料の完全消費を示した。溶媒を真空下で除去し、残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:3%MeOH/1%トリエチルアミン/DCM)により精製し、標記化合物を薄褐色の固体として得た(52mg、25%)。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz): 8.14 (d, J = 2.1 Hz, 1H), 7.45 (dd, J = 8.4, 2.4 Hz, 1H), 7.17 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 4.78 (s, 1H), 4.70 (s, 2H), 4.30 (s, 2H), 4.05 (s, 2H). ESI-MS 264.3 [M+H]+
【0168】
(実施例2:ピリジン合成)
5−(1−メチルスルフィニルエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジン 8
【化59】

5−(1−メチルスルファニルエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジンを、国際公開第WO2010/002577号において提供される手順に従って調製した。アセトニトリル(3mL)中に溶解し、0℃まで冷却した5−(1−メチルスルファニルエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジン(500mg、2.3mmol)を、二酢酸ヨードベンゼン(729mg、2.3mmol)に一度に添加した。その溶液をこの温度で10分間撹拌した後、氷浴を除去し、溶液を室温で40時間撹拌させた。メタ重亜硫酸ナトリウム(3mL)の水溶液を添加し、その混合物をヘキサン(2×20mL)で抽出した。残った水溶液を次に酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、有機成分をMgSOで乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCM中の3%MeOHで溶出し、生成物(280mg、52%)を白色の固体(ジアステレオ異性体の混合物)として得た。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz): 8.67および8.62 (2 br d, J = 1.8 Hz, 1H), 7.92および7.84 (2 br dd, J = 8.2, 1.8 Hz, 1H), 7.76および7.73 (2 br d, J = 8.2 Hz, 1H), 3.96および3.80 (2 q, J = 7.2 Hz, 1H), 1.80および1.76 (2 d, J = 7.2 Hz, 3H). ESI-MS 260.0 [M+Na]+
【0169】
[メチル−[1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]エチル]−λ−スルファニリデン]シアナミド 9
【化60】

アセトニトリル(3mL)中に溶解し、0℃まで冷却した5−(1−メチルスルファニルエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジン8(500mg、2.3mmol)およびシアナミド(95m、2.3mmol)の混合物に、二酢酸ヨードベンゼン(729mg、2.3mmol)を一度に添加した。その溶液をこの温度で10分間撹拌した後、氷浴を除去し、溶液を室温で16時間撹拌させた。メタ重亜硫酸ナトリウム(3mL)の水溶液を添加し、その混合物をヘキサン(2×20mL)で抽出した。残った水溶液を次に酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、有機成分をMgSOで乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCM中の3%MeOHで溶出し、生成物(469mg、79%)を黄色の油(ジアステレオ異性体の混合物)として得た。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz): 8.66および8.62 (2 br dd, J = 1.8 Hz, 1H), 7.96および7.85 (2 br dd, J = 8.2, 1.8 Hz, 1H), 7.74および7.73 (2 br d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.35および4.29 (2 q, J = 7.1 Hz, 1H), 2.57および2.56 (2 s, 3H), 1.85および1.83 (2 d, J = 7.1 Hz, 3H). ESI-MS 545.3 [2M+Na]+
【0170】
N−[メチル−[1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]エチル]−λ−スルファニリデン]メタンスルホンアミド 10
【化61】
10
アセトニトリル(3mL)中に溶解し、0℃まで冷却した5−(1−メチルスルファニルエチル)−2−(トリフルオロメチル)ピリジン8(500mg、2.3mmol)およびメタンスルホンアミド(215mg、2.3mmol)の混合物に、二酢酸ヨードベンゼン(729mg、2.3mmol)を一度に添加した。その溶液をこの温度で10分間撹拌した後、氷浴を除去し、溶液を室温で40時間撹拌させた。メタ重亜硫酸ナトリウム(3mL)の水溶液を添加し、その混合物をヘキサン(2×20mL)で抽出した。残った水溶液を次に酢酸エチル(3×20mL)で抽出し、有機成分をMgSOで乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCM中の3%MeOHで溶出し、生成物(440mg、62%)を白色の固体(ジアステレオ異性体の混合物)として得た。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz): 8.74および8.67 (2 br d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.09および7.99 (2 br dd, J = 8.2, 1.8 Hz, 1H), 7.82および7.81 (2 br d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.43および4.24 (2 q, J = 7.4 Hz, 1H), 2.96および2.86 (2 s, 3H), 2.56および2.50 (2 s, 3H), 1.89および1.88 (2 d, J = 7.4 Hz, 3H). ESI-MS 651.2 [2M+Na]+
【0171】
N−[メチル−オキソ−[1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]エチル]−λ−スルファニリデン]シアナミド 11
【化62】
11
ジクロロメタン(5mL)中に溶解した5−[1−(メチルスルホンイミドイル)エチル]−2−(トリフルオロメチル)ピリジン(500mg、2.0mmol)の溶液に、DMAP(242mg、2.0mmol)、次に臭化シアノゲン(252mg、2.3mmol)を添加し、その溶液を室温で16時間撹拌した。その反応混合物をジクロロメタン(10mL)で希釈し、水(10mL)で洗浄した後、MgSOで乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCM中の2%MeOHで溶出し、生成物(386mg、70%)を薄黄色の油(ジアステレオ異性体の混合物)として得た。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz): 8.81および8.80 (br d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.12 (br dd, J = 8.2, 1.7 Hz, 1H), 7.84 (br d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.73 (q, J = 7.1 Hz, 1H), 3.16および3.12 (2 s, 3H), 2.02 (d, J = 7.1 Hz, 3H). ESI-MS 300.0 [M+Na]+
【0172】
化合物11(スルホキサフロル)は本発明の一部を形成せず、比較目的のみで含まれる。
【0173】
N−[メチル−オキソ−[1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]エチル]−λ−スルファニリデン]アセトアミド 12
【化63】
12
ジクロロメタン(10mL)中に溶解し、0℃まで冷却した5−[1−(メチルスルホンイミドイル)エチル]−2−(トリフルオロメチル)ピリジン(1g、4.0mmol)の溶液に、トリエチルアミン(0.52g、719μL、5.2mmol)、次に塩化アセチル(0.37g、340μL、4.8mmol)を添加した。その反応物を室温まで温め、その点でその溶液を16時間撹拌した。その反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、水(20mL)で洗浄した後、MgSOで乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCM中2%MeOHまで勾配するDCMで溶出し、生成物(1.06g、91%)を褐色の油(ジアステレオ異性体の混合物)として得た。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz): 8.81および8.76 (2 br d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.09および8.03 (2 br dd, J = 8.2, 2.0 Hz, 1H), 7.79および7.78 (2 br d, J = 8.2 Hz, 1H), 5.04および5.01 (2 q, J = 7.2 Hz, 1H), 3.25および3.03 (2 s, 3H), 2.16および2.05 (2 s, 3H) 1.92および1.84 (2 d, J = 7.2 Hz, 3H). ESI-MS 611.3 [2M+Na]+
【0174】
N−[メチル−オキソ−[1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]エチル]−λ−スルファニリデン]カルバミン酸メチル 13
【化64】
13
ジクロロメタン(12mL)中に溶解した5−[1−(メチルスルホンイミドイル)エチル]−2−(トリフルオロメチル)ピリジン(500mg、2.0mmol)の溶液に、DMAP(249mg、2.0mmol)、次にクロロギ酸メチル(374mg、308μL、4.0mmol)を添加し、その溶液を室温で3時間撹拌した。その反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、1NのHCl(20mL)で洗浄した後、MgSOで乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCM中の2%MeOHで溶出し、生成物(440mg、72%)を黄色の粘性油(ジアステレオ異性体の混合物)として得た。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz): 8.71 (br d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.04-8.01 (m, 1H), 7.71および7.69 (2 br d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.77および4.78 (2 q, J = 7.1 Hz, 1H), 3.66および3.62 (2 s, 3H), 3.06および3.00 (2 s, 3H), 1.84および1.86 (2 d, J = 7.1 Hz, 3H). ESI-MS 643.3 [2M+Na]+
【0175】
N−[メチル−オキソ−[1−[6−(トリフルオロメチル)−3−ピリジル]エチル]−λ−スルファニリデン]メタン−スルホンアミド 14
【化65】
14
ジクロロメタン(8mL)中に溶解し、0℃まで冷却した5−[1−(メチルスルホンイミドイル)エチル]−2−(トリフルオロメチル)ピリジン(400mg、1.6mmol)およびトリエチルアミン(193mg、265μL、1.9mmol)の溶液に、塩化メタンスルホニル(218mg、147μL、4.8mmol)を添加した。その反応物を室温まで温め、その点でその溶液を16時間撹拌した。その反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、水(20mL)で洗浄した後、MgSOで乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCM中2%MeOHまで勾配するDCMで溶出し、生成物(450mg、86%)を透明な粘性油(ジアステレオ異性体の混合物)として得た。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz): 8.83および8.81 (2 br d, J = 1.8 Hz, 1H), 8.14および8.11 (2 br dd, J = 8.2, 1.8 Hz, 1H), 7.81および7.79 (2 br d, J = 8.2 Hz, 1H), 4.81および4.76 (2 q, J = 7.1 Hz, 1H), 3.21および3.20 (2 s, 3H), 3.11および3.08 (2 s, 3H) 1.99および1.97 (2 d, J = 7.1 Hz, 3H). ESI-MS 683.3 [2M+Na]+
【0176】
(実施例3:オキサゾリンおよびイソキサゾリン合成)
2−[4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−フェニル]スルファニル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アセトアミド 15
【化66】
15
5−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾールを、国際公開第WO2012/156400号において提供される手順に従って調製した。2−スルファニル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アセトアミドを、国際公開第WO2012/156400号において提供される手順に従って調製した。5−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾール(445mg、1.13mmol)、2−スルファニル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アセトアミド(295mg、1.70mmol)および炭酸カリウム(235mg、1.70mmol)をDMF(5mL)中で混合し、その溶液を100℃まで加熱した。16時間および40時間後、さらなる量の2−スルファニル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アセトアミド(295mg、1.70mmol)および炭酸カリウム(235mg、1.70mmol)を添加した。48時間後、その反応物をEtOAc(5mL)で希釈し、HO(3×5mL)で洗浄した。有機成分をMgSOで乾燥させ、溶媒を真空下で除去し、粗生成物を得て、これをシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:10%EtOAc/石油から20%EtOAc/石油まで勾配)により精製し、標記化合物(210mg、34%)を得た。
1H NMR δH (300 MHz, CDCl3): 7.55 - 7.52 (m, 3 H), 7.45 - 7.43 (m, 2 H), 7.11 (d, J = 9.0 Hz, 1 H), 6.96 (br t, J = 6.6 Hz, 1 H), 4.07 (d, J = 17.2 Hz, 1 H), 3.92 (dq, J = 9.0および6.6 Hz, 2 H), 3.77 (s, 2 H), 3.68 (d, J = 17.2 Hz, 1 H), 2.41 (s, 3 H). ESI-MS 545.22 [MH+].
【0177】
化合物15は従来技術(WO2012/156400)の一部を形成し、参照目的のみで含まれる。
【0178】
N−[2−(3,5−ジクロロフェニル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−プロピル]−4−フルオロ−3−メチル−ベンズアミド 16
【化67】
16
α−(アミノメチル)−3,5−ジクロロ−α−(トリフルオロメチル)−ベンゼンメタノールを、国際公開第WO2011/051455号において提供される手順に従って調製した。DMF(3ml)中の4−フルオロ−3−メチル安息香酸(118mg、0.77mmol)の溶液に、HOBt(104mg、0.77mmol)を添加し、その混合物を室温で15分間撹拌した後、EDCl(147mg、0.77mmol)を添加し、混合物をさらに15分間撹拌した。DMF(3ml)中のα−(アミノメチル)−3,5−ジクロロ−α−(トリフルオロメチル)−ベンゼンメタノール(210mg、0.77mmol)およびトリエチルアミン(129μl、0.92mmol)を添加し、その混合物を室温で16時間撹拌した。その反応混合物をEtOAc(10ml)および水(15ml)で希釈し、有機層を分離した。水層をEtOAc(2×10ml)でさらに抽出し、その組み合わせた有機相を塩水(10ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させた。溶媒を真空下で除去し、残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:10%EtOAc/ヘキサン)により精製し、標記化合物(320mg、定量的収率)を得た。
1H NMR δH (300 MHz, CDCl3): 7.64 (m, 1 H), 7.56 (d, J = 3.0 Hz, 2 H), 7.55 - 7.50 (m, 1 H), 7.36 (t, J = 3.0 Hz, 1 H), 7.04 (t, J = 7.5 Hz, 1 H), 6.94 (br t, J = 6.0 Hz, 1 H), 4.27 (dd, J = 15.0および6.0 Hz, 1 H), 3.94 (dd, J = 15.0および6.0 Hz, 1 H), 2.30 (s, 3 H); ESI-MS 410.0 [MH+].
【0179】
5−(3,5−ジクロロフェニル)−2−(4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−オキサゾール 17
【化68】
17
N−[2−(3,5−ジクロロフェニル)−3,3,3−トリフルオロ−2−ヒドロキシ−プロピル]−4−フルオロ−3−メチル−ベンズアミド16(320mg、0.78mmol)、トリフェニルホスフィン(257mg、0.98mmol)およびDIAD(192μl、0.98mmol)をTHF(6ml)中で組み合わせ、室温で48時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中の10%EtOAc)により精製し、標記化合物(130mg、42%)を得た。
1H NMR δH (300 MHz, CDCl3): 7.95 - 7.84 (m, 2 H), 7.46 - 7.43 (m, 3 H), 7.13 (t, J = 9.0 Hz, 1 H), 4.76 (d, J = 15.0 Hz, 1 H), 4.29 (d, J = 15.0 Hz, 1 H), 2.37 (s, 3 H); ESI-MS 392.0 [MH+].
【0180】
2−[4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−オキサゾール−2−イル]−2−メチル−フェニル]スルファニル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アセトアミド 18
【化69】
18
5−(3,5−ジクロロフェニル)−2−(4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−オキサゾール17(130mg、0.33mmol)、2−スルファニル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アセトアミド(86mg、0.50mmol)および炭酸カリウム(69mg、0.50mmol)をDMF(2mL)中で混合し、その溶液を80℃まで加熱した。8時間および24時間後、さらなる量の2−スルファニル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アセトアミド(86mg、0.50mmol)および炭酸カリウム(69mg、0.50mmol)を添加した。48時間後、その反応物をEtOAc(5mL)で希釈し、HO(3×5mL)で洗浄した。有機成分をMgSOで乾燥させ、溶媒を真空下で除去し、粗生成物を得て、これをシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:10%EtOAc/石油から30%EtOAc/石油まで勾配)により精製し、標記化合物(75mg、41%)を得た。
1H NMR δH (300 MHz, CDCl3): 7.84 (m, 2 H), 7.46-7.41 (m, 3H), 7.16 (d, J = 7.2 Hz, 1 H), 6.98 (br m, 1 H), 4.76 (d, J = 15.4 Hz, 1 H), 4.30 (d, J = 15.0 Hz, 1 H), 3.93 (dq, J = 9.0および6.0 Hz, 2 H), 3.76 (s, 2 H), 2.46 (s, 3 H). ESI-MS 545.2 [MH+].
【0181】
2−[[5−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾール−3−イル]−2−チエニル]スルファニル]−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アセトアミド 19
【化70】
19
3−(5−ブロモ−2−チエニル)−5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾールを、国際公開第WO2010/070068号に提供される手順に従って調製した。3−(5−ブロモ−2−チエニル)−5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾール(200mg、0.45mmol)、2−スルファニル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アセトアミド(78mg、0.45mmol)および炭酸カリウム(93mg、0.67mmol)をDMF(2mL)中で混合し、その溶液を100℃まで加熱した。16時間後、さらなる量の2−スルファニル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アセトアミド(78mg、0.50mmol)を添加した。20時間後、その反応物をEtOAc(5mL)で希釈し、HO(3×5mL)で洗浄した。有機成分をMgSOで乾燥させ、溶媒を真空下で除去し、粗生成物を得て、これをシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:40%EtOAc/石油)により精製し、標記化合物(106mg、44%)を得た。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz): 7.50-7.49 (m, 2 H), 7.45 (t, J = 1.8 Hz, 1 H), 7.11 (s, 2 H), 6.75 (br t, J = 6.6 Hz, 1 H), 4.05 (d, J = 17.0 Hz, 1 H), 3.97 (dq, J = 6.6および9.0 Hz, 2 H), 3.66 (d, J = 17.0 Hz, 1 H), 3.63 (s, 2 H). ESI-MS 537.1[MH]+.
【0182】
2−[[5−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾール−3−イル]−3−メチル−2−チエニル]スルファニル]−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アセトアミド 20
【化71】
20
3−(5−ブロモ−4−メチル−2−チエニル)−5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾールを、国際公開第WO2011/157748号において提供される手順に従って調製した。3−(5−ブロモ−4−メチル−2−チエニル)−5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾール(520mg、1.13mmol)、2−スルファニル−N−(2,2,2−トリフルオロエチル)アセトアミド(294mg、1.70mmol)および炭酸カリウム(235mg、1.70mmol)をDMF(2mL)中で混合し、その溶液を100℃まで加熱した。4時間後、その反応物をEtOAc(20mL)で希釈し、HO(3×10mL)で洗浄した。有機成分をMgSOで乾燥させ、溶媒を真空下で除去し、粗生成物を得て、これをシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:20%EtOAc/石油から30%EtOAc/石油まで勾配)により精製し、標記化合物(180mg、29%)を得た。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz): 7.49 (d, J = 1.8 Hz, 2 H), 7.45 (t, J = 1.8 Hz, 1 H), 7.05 (s, 1 H), 6.65 (br t, J = 6.0 Hz, 1 H), 4.03 (d, J = 18 Hz, 1 H), 3.96 (dq, J = 6.0および9.0 Hz, 2 H), 3.70 (d, J = 18.0 Hz, 1 H), 3.53 (s, 2 H), 2.31 (s, 3 H). ESI-MS 551.0 [MH]+.
【0183】
3−[4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−フェニル]スルファニルピロリジン−2−オン 21
【化72】
21
3−スルファニルピロリジン−2−オンを、国際公開第WO2007139215号において提供される手順に従って調製した。5−(3,5−ジクロロフェニル)−3−(4−フルオロ−3−メチル−フェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾール(254mg、0.65mmol)、3−スルファニルピロリジン−2−オン(114mg、0.97mmol)および炭酸カリウム(134mg、0.97mmol)をDMF(2mL)中で混合し、その溶液を100℃まで加熱した。18時間後、さらなる3等量の3−スルファニルピロリジン−2−オン(227mg、1.94mmol)を添加し、その混合物をさらなる24時間加熱し、その時間後、その反応物をEtOAc(5mL)で希釈し、HO(3×10mL)で洗浄した。有機成分をMgSOで乾燥させ、溶媒を真空下で除去し、粗生成物を得て、これをシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(10〜40%EtOAc/石油)により精製し、標記化合物(80mg、12%)を得た。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz): 7.50 - 7.34 (m, 6 H), 6.11 (br s, 1 H), 3.98 (d, J = 17.1 Hz, 1 H), 3.86 (dd, J = 14.7および6.3 Hz, 1 H), 3.73 (m, 2 H), 2.60 (m, 1 H), 2.34 (s, 3 H), 2.10 (m, 1 H); ESI-MS 489.1 [MH+].
【0184】
3−[4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−フェニル]スルフィニルピロリジン−2−オン 22
【化73】
22
0℃でDCM(1mL)中の3−[4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−フェニル]スルファニルピロリジン−2−オン(25mg、0.05mmol)の溶液に、mCPBA(17mg、0.07mmol)を添加し、その混合物を室温まで16時間温めた。H2O(1mL)を添加し、有機層を分離し、水層をDCM(2×2mL)でさらに抽出した後、その組み合わせた有機物をMgSOで乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。粗物質をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:70%EtOAc/ヘキサン)により精製し、標記化合物を透明な油として得た(8mg、31%)。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz): 7.92 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.70-7.55 (m, 2H), 7.51-7.50 (m, 2H), 7.43 (t, J = 1.8 Hz, 1H), 6.57 (s, 1H), 4.10 (d, J = 17.4 Hz, 1H), 3.71 (d, J = 17.4 Hz, 1H), 3.59-3.47 (m, 2H), 3.45-3.35 (m, 1H), 2.76-2.63 (m, 1H), 2.45 (s, 3H), 1.91-1.78 (m, 1H). ESI-MS 505.1 [MH+].
【0185】
3−[4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−フェニル]スルホニルピロリジン−2−オン 23
【化74】
23
0℃でDCM(1mL)中の3−[4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−フェニル]スルファニルピロリジン−2−オン(25mg、0.05mmol)の溶液に、mCPBA(17mg、0.07mmol)を添加し、その混合物を室温まで16時間温めた。H2O(1mL)を添加し、有機層を分離し、水層をDCM(2×2mL)でさらに抽出した後、その組み合わせた有機物をMgSOで乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。粗物質をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:5%MeOH/DCM)により精製し、標記化合物を透明な油として得た(9mg、35%)。
1H NMR δH (CDCl3, 300 MHz): 8.02 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 7.69-7.60 (m, 2H), 7.53-7.48 (m, 2H), 7.44 (t, J = 1.5 Hz, 1H), 6.08 (s, 1H), 4.09 (d, J = 17.4 Hz, 1H), 3.93 (dd, J = 9.9および3.3 Hz, 1H), 3.71 (d, J = 17.4 Hz, 1H), 3.66 (dd, J = 17.1 Hzおよび7.8 Hz, 1H), 3.43 (td, J = 2.9および9.2 Hz, 1H), 3.00-2.90 (m, 1H), 2.72 (s, 3H), 2.69-2.55 (m, 1H). ESI-MS 521.1 [MH+].
【0186】
3−[4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−フェニル]スルファニル−1−(2,2,2−トリフルオロエチル)ピロリジン−2−オン 24
【化75】
アセトニトリル(1mL)中の3−[4−[5−(3,5−ジクロロフェニル)−5−(トリフルオロメチル)−4H−イソキサゾール−3−イル]−2−メチル−フェニル]スルファニルピロリジン−2−オン21(25mg、0.055mmol)の溶液に、KCO(18mg、0.06mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸トリフルオロエチル(8μL、0.06mmol)を添加し、その混合物を50℃まで16時間加熱した。水(1mL)およびEtOAc(2mL)を添加し、層を分離し、水相を酢酸エチル(3×5mL)で抽出した後、その組み合わせた有機成分をMgSOで乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。残渣をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:10%EtOAc/ヘキサンから20%EtOAc/ヘキサンまで勾配)により精製し、標記化合物(2mg、7%)を得た。
ESI−MS:571.2、保持時間2.48分。
HRESI−MS:実測MNa、593.026693。C2318ClNaOSは593.026244を要する。
【0187】
HPLC保持時間は次の条件下で記録した:
−装置:ダイオードアレイ検出器およびBruker HCT Ultra Ion Trap MSを備えるAgilent 1200 Series LC
−カラム:Phenomenex Luna 5u C18(2)100Å、50×2.00mm5ミクロンLCカラム
−溶媒:5〜90%勾配の(1%ギ酸を含む)水中アセトニトリル。流量1.2mL/分。
【0188】
(実施例4:ピラノン合成)
N−[2−オキソ−6−(3−ピリジル)ピラン−3−イル]シクロプロパンカルボキサミド 25
【化76】
25
3−アミノ−6−(3−ピリジル)ピラン−2−オンを国際公開第WO2011/049150号において提供される手順に従って調製した。塩化シクロプロパンカルボニル(65μL、0.81mmol)およびトリエチルアミン(0.13mL、0.96mmol)を、THF(5mL)中の3−アミノ−6−(3−ピリジル)ピラン−2−オン(138mg、0.74mmol)の氷冷懸濁液に添加した。その反応物を周囲温度で90分間撹拌し、その時間後、TLCは出発材料の完全消費を示した。その反応混合物を水(10mL)でクエンチし、EtOAc(3×25mL)で抽出した後、その組み合わせた有機物を塩水(2×25mL)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、溶媒を真空下で除去し、標記化合物を黄色の固体として得た(160mg、84%)。
1H NMR δH (DMSO-d6, 300 MHz): 10.08 (s, 1H), 9.02 - 9.01 (m, 1H), 8.63 - 8.62 (m, 1H), 8.24 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 8.19 - 8.15 (m, 1H), 7.55 - 7.51 (m, 1H), 7.24 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 2.32 - 2.24 (m, 1H), 0.82 - 0.80 (m, 4H). ESI-MS 257.0 [MH]+.
【0189】
化合物25は従来技術(WO2011/049150)の一部を形成し、参照目的で含まれる。
【0190】
N−[2−オキソ−6−(5−ピリミジル)ピラン−3−イル]シクロプロパンカルボキサミド 26
【化77】
26
1−(5−ピリミジル)−3−(ジメチルアミノ)−2−プロパン−1−オンを国際公開第WO2013/007184号において提供される手順に従って調製した。2−(シクロプロパンカルボキサミド)酢酸を国際公開第WO2011049150号において提供される手順に従って調製した。無水酢酸(2.70mL、28.56mmol)を、1−(5−ピリミジル)−3−(ジメチルアミノ)−2−プロペン−1−オン(385mg、2.20mmol)および2−(シクロプロパンカルボキサミド)酢酸(314mg、2.20)の混合物に添加し、その混合物を90℃で6時間加熱し、その時間後、TLCは出発材料の完全消費を示した。揮発物を真空下で除去した後、粗物質をシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(溶媒:EtOAc)により精製し、標記化合物を黄色の固体として得た(47mg、8%)。
1H NMR δH (DMSO-d6, 300 MHz): 10.12 (br, 1H), 9.32 (s, 1H), 9.20 (s, 2H), 8.26 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.33 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 2.31 (br, 1H), 0.84 - 0.82 (m, 4H) ppm. ESI-MS 258.0 [MH]+.
【0191】
(実施例5:本発明の化合物の殺虫剤/殺ダニ剤活性の試験)
目的
化合物をアブラムシ、Myzus persicae(モモアカアブラムシ)、ヨトウガ、Mamestra brassicae、コナガ、Plutella xylostella、アカクモダニ、Tetranychus urticae(ナミハダニ)、コナジラミ、Trialeurodes vaporariorum(オンシツコナジラミ)に対する殺虫剤効力について、ノックダウン率および致死率に関してスクリーニングした。
【0192】
試験システム
モモアカアブラムシ、ヨトウガ、コナガ、アカクモダニ、ナミハダニ、コナジラミ、オンシツコナジラミを特定の実験室培養から得た。雌雄およびさまざまな日齢が混在するアブラムシおよびダニ、ガ幼虫およびコナジラミ鱗粉が付着した葉を実験に用いた。環境条件は注意深く観察および記録され、標的種の最適範囲内であった。
【0193】
試験処理剤および施用
化合物を、DMSO中に希釈した、ある範囲の5つの濃度でスクリーニングした。化合物のいくつかをアブラムシ、コナジラミおよびアカクモダニに対してスクリーニングし、他の化合物をヨトウガおよびコナガに対してスクリーニングした。担体のみおよび未処理対照も行う。処理剤は、ポッタータワーを用い、ペトリ皿内の昆虫上に直接施用した。
【0194】
実験設計
20匹のダニおよび10匹のアブラムシ、鱗粉およびガ幼虫を、湿ったコットンウールパッド上の適切なリーフディスクを敷いた、ペトリ皿内に入れた。鱗粉はすでに葉上にあった。ペトリ皿に次にポッタータワーを用いてスプレーした。ノックダウンおよび節足動物の数を処理後24時間および48時間で評価した。各種について各処理を5回繰り返した。
【0195】
結果は、それぞれ、表1および2(ブテノライド化合物)、表3および4(ピリジン化合物)、表5(オキサゾリンおよびイソキサゾリン化合物)ならびに表6(ピラノン化合物)に示す。
【0196】
表2、4、5および6について、化合物は1%v/vTween20(商標)を含有するDMSO中に希釈した。表2、4、5および6について、チョウ・ガ幼虫はヨトウガおよびシロスジヨトウ(Lacanobia oleracea)の混合であった。
【0197】
80〜100の防除パーセントは文字Aで示す。60〜79の防除パーセントは文字Bで示す。40〜59の防除パーセントは文字Cで示す。20〜39の防除パーセントは文字Dで示す。1〜19の防除パーセントは文字Eで示す。
【0198】
【表1】
【0199】
【表2】
【0200】
【表3】
【0201】
【表4】
【0202】
本発明の化合物は多数の昆虫およびクモ綱害虫に対する活性を示した。とくに、表1および3に示されるように、化合物6、12、13および14はすべて、クモダニに対して参照化合物(それぞれフルピラジフロンまたはスルホキサフロル)より活性であることを示した。
【0203】
【表5】
【0204】
本発明の化合物は昆虫害虫に対する活性を示した。化合物20はアブラムシおよびチョウ・ガ幼虫の両方に対して0.002%濃度で参照化合物15より良好な防除を達成した。
【0205】
【表6】
【0206】
本発明の化合物は昆虫害虫に対する活性を示した。化合物26はチョウ・ガ幼虫に対して0.05%で参照化合物25より良好な防除を達成した。
【0207】
本発明の化合物は昆虫およびクモ綱害虫に対するいくらかの活性を示した。この活性は本発明の特定の化合物について現時点ではかなり低いように思われるが、本発明者らは、本発明の化合物の置換基パターンの最適化により、絶対活性および従来技術の化合物との比較の両方に関して、向上した活性がもたらされることを期待する。試験濃度で既知の活性を有する従来技術の特定の化合物でもわずかな防除しか達成しなかったことを考慮すると、本発明の特定の化合物をより高濃度で再試験することにより、標的種に対する向上した防除が得られることも期待される。
【国際調査報告】