【実施例】
【0170】
出発原料
空気および水分に敏感な化合物を用いる操作はすべて、標準シュレンク技法を使用して、完全に精製されているアルゴン雰囲気中、または制御雰囲気のグローブボックス(Vacuum Atmospheres Co.)中のどちらかで行った。合成用のテトラヒドロフラン(THF、Merck=Merck KGaA、Darmstadt、ドイツ)およびジエチルエーテル(Merck)は、LiAlH
4上で蒸留することにより精製し、不活性雰囲気下、ナトリムベンゾフェノンケチル上で保管した。使用前に、これらの溶媒をベンゾフェノンケチルから蒸留した。ベンゼン(Merck)、トルエン(Merck)、p−キシレン(Merck)およびヘキサン(Merck)などの炭化水素溶媒は、通常、CaH
2上で蒸留し、不活性雰囲気下、Na/K合金上で保管した。使用前に、これらの溶媒をNa/K合金から蒸留した。塩化メチレン(および、NMR測定用のCCl
2D
2)は蒸留し、不活性雰囲気下、CaH
2上で保管した。使用前に、この溶媒をCaH
2から蒸留した。セライト(Aldrich)は、180℃の真空オーブン中で乾燥した。p−トルエンスルホン酸(TsOH、Aldrich)、ヘキサン中の2.5M
nBuLi(Chemetall GmbH)、エーテル中のMeMgBr(Aldrich)、THF中の臭化エチルマグネシウム(Aldrich)、THF中の臭化イソプロピルマグネシウム(Aldrich)、THF中の塩化tert−ブチルマグネシウム(Aldrich)、HfCl
4およびHfCl
4(THF)
2(Strem)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)(pd(dba)
2、Strem)、P
tBu
3(Strem)、Na
2SO
4(Akzo Nobel)、ニッケル(II)アセチルアセトネート(Merck)、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN、Merck)、P
4O
10(Merck)、無水エタノール(Merck)、96%エタノール(Merck)、メタノール(Merck)、ナトリウムランプ(Merck)、ZnCl
2(Merck)、マロン酸ジエチル(Acros)、リチウムtert−ブトキシド(Acros)、2−ブロモトルエン(Acros)、塩化3−クロロプロパノイル(Acros)、水酸化カリウム(Merck)、塩化チオニル(Merck)、AlCl
3(Merck)、12M HCl(必要に応じて希釈、Reachim、Moscow、ロシア)、96%H
2SO
4(Reachim)、酢酸エチル(Merck)、臭化メチル(Acros Organics)、NH
4Cl(Merck)、NaBH
4(Aldrich)、無水K
2CO
3(Merck)、MgSO
4(Merck)、CuCN(Merck)、N−ブロモスクシンイミド(Alfa Aesar)、臭化2−ブロモベンジル(Aldrich)、臭化2−ブロモ−2−メチルプロピオニル(Aldrich)、1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(Aldrich)、メチルシクロヘキサン(Merck)、ヒドラジン水和物(Merck)、シリカゲル60(40〜63um、Merck)、NaHCO
3(Merck)、四塩化炭素(Reakhim、Moscow、ロシア)、85%オルトリン酸(Reachim)、およびCDCl
3(Deutero GmbH)は、そのまま使用した。臭化シクロプロピルマグネシウム(
cPrMgBr)は、THF中、臭化シクロプロピル(Aldrich)とマグネシウム片(Acros)から得た。
【0171】
2,4,7−トリメチルインデンは、[Kaminsky, W.; Rabe, O.; Schauwienold, A.-M.; Schupfner, G. U.; Hanss, J.; Kopf, J. J. Organomet. Chem., 1995, 497, 181-194]において記載されている通りに得た。(2−ブロモベンジル)マロン酸ジエチルは、マロン酸ジエチルのナトリウム塩と臭化2−ブロモベンジルから、[Izmer, V. V.; Lebedev, A. Y.; Nikulin, M. V.; Ryabov, A. N.; Asachenko, A. F.; Lygin, A. V.; Sorokin, D. A.; Voskoboynikov, A. Z. Organometallics, 2006, 25, 1217-1229]中の(2−ブロモベンジル)メチルマロン酸ジエチルについて記載されている通りに得た。1,1−ジクロロシロラン、1,1−ジクロロシリナンおよび1,1−ジクロロシレタンは、それぞれ、[West, R. J. Am. Chem. Soc,. 1954, 76, 6015-6017]および[Denmark, S. E.; Griedel, B. D.; Coe, D. M.; Schnute, M. E., J. Am. Chem. Soc., 1994, 116, 7026-7043]において記載されている通りに得た。7−ブロモ−2−メチル−1H−インデン(4/7−ブロモ−2−メチル−1H−インデン)は、[Izmer, V. V.; Lebedev, A. Y.; Nikulin, M. V.; Ryabov, A. N.; Asachenko, A. F.; Lygin, A. V.; Sorokin, D. A.; Voskoboynikov, A. Z. Organometallics, 2006, 1217]において記載されている通りに得た。
【0172】
分析用および半分取用液体クロマトグラフィーは、996Photodiode Array Detector、Nova−Pack C18またはHR Silica(60A、6μm、3.9および19×300mm)およびSymmetry C18(5μm、4.6×250mm)カラムを含む、Waters Delta600HPLCシステムを使用して実施した。MPLC(中圧液体クロマトグラフィー、圧5〜15bar)は、MPLCガラスカラムおよび金具(Ace Glass)、J1gear−well pump head(Heidolph)、996Photodiode Array DetectorおよびFraction Collector II(Waters Corp.)を備えたPD5130駆動ポンプを使用して実施した。
1Hおよび
13Cスペクトルは、Brucker Avance−400分光計により記録した。
1Hおよび
13Cのケミカルシフトは、テトラメチルシラン(TMS)に対して測定した。
1H NMRスペクトルの帰属は、二重共鳴および核オーバーハウザー効果(NOE)実験に基づいて行った。CHNマイクロ分析は、CHN−O−Rapid analyzer(Heraecus Ltd.、Banau、ドイツ)を使用して行った。
【0173】
(例1)他にはシクロテトラメチレンシリレン−ビス(2,4,7−トリメチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリドと命名される、1,1−シロランジイル−ビス(2,4,7−トリメチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリド(1)の合成
1,1−ビス(2,4,7−トリメチル−1H−インデン−1−イル)シロラン
【0174】
【化15】
【0175】
2,4,7−トリメチルインデン39.6g(0.25mol)のエーテル350ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi100ml(0.25mol)をゆっくりと加えた。得られた懸濁液を室温で30分間、撹拌し、次に、THF50mlを加えると、沈殿物が溶解した。得られた混合物を1時間、撹拌し、次に−60
oCまで冷却し、CuCN1.12g(12.5mmol)を加えた。形成した混合物を室温で40分間、撹拌し、次に1,1−ジクロロシロラン19.4g(0.125mmol)を一度に加えた。この混合物を室温で一晩、撹拌し、次に、冷水200mlを加えた。有機層を分離した。水層をジクロロメタン(2×50ml)により抽出した。合わせた有機抽出物を水(3×100ml)により洗浄し、Na
2SO
4で脱水して蒸発乾固した。出発インデンは、クーゲルロール蒸留装置を使用して留去した。シリカゲル60上のフラッシュクロマトグラフィー(40〜63um、溶離液:ヘキサン−ジクロロメタン=10:1、体積)を使用して粗生成物を精製した。収率46.1g(92%)のracおよびmeso化合物の約4:3混合物の黄色油状物。C
28H
34Siの計算値: C, 84.36; H, 8.60. 実測値: C, 84.59; H, 8.85.
1H NMR (CDCl
3): meso生成物, δ 6.89 (d, J = 7.5 Hz, 2H, インデニルの5-H), 6.78 (d, J = 7.5 Hz, 2H, インデニルの6-H), 6.58 (s, 2H, インデニルの3-H), 3.38 (s, 2H, インデニルの1-H), 2.37 (s, 6H, インデニルの7-Me), 2.35 (s, 6H, インデニルの4-Me), 1.89 (s, 6H, インデニルの2-Me), 1.15 (m, 2H, シラシクロペンタンの2,2’-H), 0.89 (m, 2H, m, 2H, シラシクロペンタンの5,5’-H), 0.55 (m, 2H, m, 2H, シラシクロペンタンの3,3’-H), 0.27 (m, 2H, m, 2H, シラシクロペンタンの4,4’-H); rac生成物, δ 6.87 (d, J = 7.5 Hz, 2H, インデニルの5-H), 6.75 (d, J = 7.5 Hz, 2H, インデニルの6-H), 6.64 (s, 2H, インデニルの3-H), 3.45 (s, 2H, インデニルの1-H), 2.34 (s, 6H, インデニルの7-Me), 2.32 (s, 6H, インデニルの4-Me), 2.14 (s, 6H, インデニルの2-Me), 1.03 (m, 2H, m, 2H, シラシクロペンタンの2,5-H), 0.69 (m, 2H, m, 2H, シラシクロペンタンの2’,5’-H), 0.52 (m, 4H, m, 2H, シラシクロペンタンの3,3’,4,4’-H).
【0176】
他にはシクロテトラメチレンシリレン−ビス(2,4,7−トリメチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリドと命名される、1,1−シロランジイル−ビス(2,4,7−トリメチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリド(1)
【0177】
【化16】
【0178】
上で得られた架橋配位子19.9g(50mmol)のエーテル350ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi40.0ml(100mmol)をゆっくりと加えた。この混合物を室温で12時間、撹拌し、次に−50
oCまで冷却し、HfCl
4(THF)
223.2g(50mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間、撹拌した。形成した黄色沈殿物をガラスフリット(G3)でろ別し、エーテル100mlにより洗浄して真空で乾燥した。この手順により、rac−およびmeso−ハフノセンジクロリド、ならびにLiClの混合物28.5gが得られた。
1H NMR (CD
2Cl
2): δ 6.96 (m), 6.74-6.80 (m), 6.59 (m), 2.70 (s), 2.63 (s), 2.60 (s), 2, 2.27 (s), 2.06 (m), 1.90-1.98 (m), 1.58-1.66 (m).
【0179】
(例2)他にはrac−シクロテトラメチレンシリレン−ビス(2,4,7−トリメチルインデン−1−イル)ハフニウムジメチルと命名される、rac−1,1−シロランジイル−ビス(2,4,7−トリメチルインデン−1−イル)ジメチルハフニウム(2)の合成
【化17】
【0180】
THF250ml中のrac−、meso−ハフノセンおよびLiCl(1、例1から)からなる、上で得られた混合物18.2g(28.2mmol)の懸濁液に、エーテル中の3.05M MeMgBr35ml(107mmol)を加えた。この混合物を60℃で一晩、撹拌し、次に、蒸発乾固した。残留物を熱トルエン250mlにより処理し、次に、トルエンを真空で除去した。形成した生成物を熱メチルシクロヘキサン300mlを使用して、残留物から抽出した。−30℃でこの抽出物から沈殿した結晶を採集し、生成物を抽出するため、母液を再度使用した。−30℃で抽出物から固体物質が沈殿しなくなるまで、この手順を繰り返した。合わせた沈殿物をTHF(2×40ml)により洗浄し、次に真空で乾燥した。この手順により純粋なrac−ジルコノセンジメチル錯体が10.2g(60%)得られた。C
30H
38HfSiの計算値: C, 59.54; H, 6.33. 実測値: C, 59.45; H, 6.24.
1H NMR (C
6D
6): δ 6.91 (dd, J = 6.8 Hz, J = 1.0 Hz, 2H, インデニルの5-H), 6.70 (d, J = 6.8 Hz, 2H, インデニルの6-H), 6.68 (m, 2H, インデニルの3-H), 2.46 (s, 6H, インデニルの7-Me), 2.30 (s, 6H, インデニルの4-Me), 1.98 (s, 6H, インデニルの2-Me), 1.93-2.01 (m, 4H, シラシクロペンタンの3,3’,4,4’-H), 1.67-1.77 (m, 2H, シラシクロペンタンの2,5-H), 1.23-1.33 (m, 2H, シラシクロペンタンの2’,5’-H), -1.00 (s, 6H, HfMe
2).
【0181】
(例3)他にはrac−シクロテトラメチレンシリレン−ビス(2−エチル−4−メチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シロランジイル−ビス(2−エチル−4−メチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリド(3)の合成
4−ブロモ−2−エチルインダン−1−オン
【化18】
【0182】
ナトリウム金属30.4g(1.32mol)および乾燥エタノール830mlから調製したナトリウムエトキシド溶液に、(2−ブロモベンジル)マロン酸ジエチル364g(1.10mol)を加えた。この溶液を10分間、撹拌し、次に、15分間、激しく撹拌することにより、ブロモエタン98.5ml(1.32mol)を少量ずつ加えた。得られた混合物を4時間、還流し、次に、KOH185g(3.30mol)の水溶液450mlを加えた。この混合物を4時間、還流し、次に大気圧下でエタノールを留去した。得られた溶液をジエチルエーテルにより抽出し、次に、12M HClにより水層を酸性にしてpH1〜2にし、次に酢酸エチル(3×300ml)により抽出した。合わせた有機抽出物を水(2×100ml)により洗浄し、Na
2SO
4で脱水して、次に蒸発乾固した。得られた油状物を160〜200℃で脱炭酸(decarboxilated)した。この次に、塩化チオニル280ml(3.85mol)を加え、得られた混合物を室温で一晩撹拌した。過剰の塩化チオニルを大気圧で留去し、残留物を真空で蒸留すると、それぞれ(respective)の酸塩化物(b.p.102〜125℃/4mbar)が216g得られた。ジクロロメタン500ml中のAlCl
3130g(975mmol)の撹拌懸濁液に、−10℃で塩化2−(2−ブロモベンジル)ブタノイル216g(780mmol)のジクロロメタン100ml溶液を滴下して加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、次に、氷2000gに注ぎ入れた。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(2×200ml)により抽出した。合わせた有機抽出物を水性NaHCO
3、水により洗浄し、Na
2SO
4で脱水して、次に蒸発乾固した。この残留物を真空で蒸留すると、無色油状物が158g(60%)得られ、これを室温で静置すると固化した(b.p.126℃/1mmHg)。C
11H
11BrOの計算値: C, 55.25; H, 4.64. 実測値: C, 55.03; H, 4.90.
1H NMR (CDCl
3): δ 7.70 (d, J=7.8 Hz, 1H), 7.64 (d, J=7.6 Hz, 1H), 7.22 (m, 1H), 3.22 (dd, J=17.6 Hz, J=7.9 Hz, 1H), 2.70 (dd, J=17.6 Hz, J=3.9 Hz, 1H), 2.61 (m, 1H), 1.89-1.99 (m, 1H), 1.47-1.58 (m, 1H), 0.99 (t, J=7.3 Hz, 3H).。
【0183】
7−ブロモ−2−エチル−1H−インデン(2−エチル−4/7−ブロモインデンとも呼ばれる)
【化19】
【0184】
4−ブロモ−2−エチルインダン−1−オン195g(816mmol)のTHF800ml溶液に、0℃でNaBH
437.2g(980mmol)を加え、次に、0℃でMeOH450mlを滴下して加えた。得られた混合物をさらに1時間、撹拌し、次に蒸発乾固した。残留物を熱水1000mlに注ぎ入れ、形成した混合物を室温まで冷却し、粗生成物をジクロロメタン(3×300ml)により抽出した。有機層を分離し、Na
2SO
4で脱水して、次に蒸発乾固した。この残留物のトルエン800ml溶液に、TsOH0.8gを加え、形成した混合物を反応が完結(TLC)するまで還流した。この後、この反応混合物をシリカゲル60(40〜63um)パッドに通し、蒸発乾固した。収率180g(98%)の無色液体。C
11H
11Brの計算値: C, 59.22; H, 4.97. 実測値: C, 59.53; H, 5.20.
1H NMR (CDCl
3): δ 7.19-7.25 (m, 2H), 7.09-7.12 (m, 1H), 6.53 (m, 1H), 3.31 (s, 2H), 2.53 (q, J=7.5 Hz, 2H), 1.24 (t, J=7.5 Hz, 3H).
【0185】
2−エチル−4/7−メチル−1H−インデン
【化20】
【0186】
THF700ml中の2−エチル−4/7−ブロモインデン30.0g(0.132mol)、Pd(dba)
21.53g(2.64mmol)および
tBu
3P1.00g(5.28mmol)からなる混合物に、室温でTHF中の3.05M臭化メチルマグネシウム66.0ml(0.198mol)を滴下して加えた。この混合物を60℃で一晩、撹拌し、室温まで冷却して、次に飽和水性NH
4Cl150mlを加えた。この次に、THFを真空で溶媒蒸発させ、粗生成物を酢酸エチル(3×200ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をNa
2SO
4で脱水して、次に蒸発乾固した。シリカゲル60上のフラッシュクロマトグラフィー(40〜63um、溶離液:ヘキサン)により生成物を単離した。収率20.9g(99%)の2つのインデン異性体からなる混合物の無色油状物。C
12H
14の計算値: C, 91.08; H, 8.92. 実測値: C, 91.23; H, 8.80.
1H NMR (CDCl
3): δ 7.14-7.19 (m, 2H), 6.95 (m, 1H), 6.54 (m, 1H), 3.24 (s, 2H), 2.55 (q, J=7.6 Hz, 2H), 2.36 (s, 3H), 1.26 (t, J=7.6 Hz, 3H).
【0187】
1,1−ビス(2−エチル−4−メチル−1H−インデン−1−イル)シロラン
【化21】
【0188】
0℃に冷却した2−エチル−4/7−メチル−1H−インデン7.00g(44.0mmol)のエーテル250ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi17.6ml(44.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩、撹拌した。この次に、THF50mlを加え、得られた混合物を−60℃まで冷却し、CuCN0.394g(4.40mmol)を加えた。この混合物を−30℃まで温め、この温度で2時間、撹拌し、次に、−60℃まで冷却して、1,1−ジクロロシロラン2.91ml(22.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間、撹拌し、次に水20mlを加え、有機層を分離した。水層を酢酸エチル(2×50ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO
4で脱水し、蒸発乾固した。シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィー60(40〜63um、溶離液:ヘキサン)により残留物を精製した。収率6.80g(78%)のracおよびmeso化合物からなる約1:1混合物の黄色ガラス状固体。
C
28H
34Siの計算値: C, 84.36; H, 8.60. 実測値: C, 84.53; H, 8.72.
1H NMR (CDCl
3): δ 6.96-7.11 (m), 6.66 (s), 6.53 (s), 3.43 (s), 3.40 (s), 2.44-2.60 (m), 2.41 (s), 2.40 (s), 2.16-2.33 (m), 1.05-1.33 (m), 0.85-0.92 (m), 0.50-0.71 (m), 0.31 (m).
【0189】
他にはrac−シクロテトラメチレンシリレン−ビス(2−エチル−4−メチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シロランジイル−ビス(2−エチル−4−メチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリド(3)
【化22】
【0190】
0℃に冷却した1,1−ビス(2−エチル−4−メチル−1H−インデン−1−イル)シロラン3.40g(8.00mmol)のエーテル100ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi6.80ml(16.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間、撹拌し、次に−70℃まで冷却し、HfCl
4(THF)
23.96g(8.00mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、次に、蒸発乾固した。この残留物をトルエン50mlに溶解し、この溶液を80
oCまで加熱し、次にセライトパッドによりろ過した。ろ液を結晶化させるために放置した。得られた沈殿物をさらに、トルエンから再結晶した(3回)。この手順により純粋なrac錯体が黄色結晶性固体として1.05g(20%)得られた。C
28H
32Cl
2HfSiの計算値: C, 52.06; H, 4.99. 実測値: C, 52.10; H, 5.12.
1H NMR (CD
2Cl
2): δ 7.46 (d, J= 8.5 Hz, 2H), 7.05 (d, J= 6.4 Hz, 2H), 6.89 (dd, J= 8.5 Hz, J= 6.4 Hz, 2H), 6.67 (s, 2H), 2.78 (m, 2H), 2.38 (m, 2H), 2.32 (s, 6H), 2.16 (m, 2H), 1.95 (m, 2H), 1.87 (m, 4H), 1.11 (t, J=7.4 Hz, 6H).
【0191】
(例4)他にはrac−シクロトリメチレンシリレン−ビス(2,4−ジエチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シレタンジイル−ビス(2,4−ジエチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリド(4)の合成
2,7−ジエチル−1H−インデン
【化23】
【0192】
THF中の1.03M臭化エチルマグネシウム150ml(158mmol)に、−30℃でZnCl
223.4g(172mmol)のTHF100ml溶液を加えた。得られた混合物を室温で30分間、撹拌し、次に、THF400mlにより希釈した。この次に、2−エチル−4/7−ブロモインデン30.0g(0.132mol)、Pd(dba)
21.53g(2.64mmol)および
tBu
3P1.05g(5.28mmol)を加えた。この混合物を60℃で一晩、撹拌し、室温まで冷却して、次に飽和水性NH
4Cl150mlを加えた。テトラヒドロフランを真空で溶媒蒸発させ、粗生成物を残留物から酢酸エチル(3×200ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をNa
2SO
4で脱水して、次に蒸発乾固した。シリカゲル60上のフラッシュクロマトグラフィー(40〜63um、溶離液:ヘキサン)により生成物を単離した。収率22.6g(98%)の無色油状物。C
13H
16: の計算値C, 90.64; H, 9.36. 実測値: C, 90.43; H, 9.50.
1H NMR (CDCl
3): δ 7.20-7.24 (m, 1H), 7.14-7.16 (m, 1H), 6.98-7.01 (m, 1H), 6.54 (m, 1H), 3.29 (s, 2H), 2.72 (q, J= 7.7 Hz, 2H), 2.55 (q, J= 7.5 Hz, 2H), 1.31 (t, J= 7.7 Hz, 3H), 1.26 (t, J= 7.5 Hz, 3H).
【0193】
1,1−ビス(2,4−ジエチル−1H−インデン−1−イル)シレタン
【化24】
0℃に冷却した2,4−ジエチル−1H−インデン9.10g(53.0mmol)のエーテル250ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi21.0ml(53.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩、撹拌した。この次に、THF50mlを加え、得られた混合物を−60℃まで冷却し、CuCN0.238g(2.65mmol)を加えた。この混合物を−30℃まで温め、この温度で2時間、撹拌し、次に、−60℃まで冷却して、1,1−ジクロロシレタン3.73ml(26.5mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間、撹拌し、次に水20mlを加え、有機層を分離した。水層を酢酸エチル(2×50ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO
4で脱水し、蒸発乾固した。シリカゲル60上のフラッシュクロマトグラフィー(40〜63um、溶離液:ヘキサン)により残留物を精製した。収率9.51g(87%)のracおよびmeso化合物からなる約1:1混合物の黄色ガラス状固体。C
29H
36Siの計算値: C, 84.40; H, 8.79. 実測値: C, 84.63; H, 8.92.
1H NMR (CDCl
3): δ 7.13 (m), 6.97-7.06 (m), 6.76 (m), 6.71 (s), 6.60 (s), 3.29 (s), 3.24 (s), 2.76 (m), 2.32-2.53 (m), 2.09 (m), 1.92 (m), 1.82 (m), 1.24 (m), 1.17 (m), 1.06(m).
【0194】
他にはrac−シクロトリメチレンシリレン−ビス(2,4−ジエチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シレタンジイル−ビス(2,4−ジエチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリド(4)
【0195】
【化25】
【0196】
0℃に冷却した1,1−ビス(2,4−ジエチル−1H−インデン−1−イル)シレタン8.60g(20.8mmol)のエーテル250ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi16.7ml(41.6mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間、撹拌し、次に−70℃まで冷却し、HfCl
4(THF)
29.68g(20.8mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、次に、蒸発乾固した。この残留物をトルエン150mlに溶解し、得られた混合物をセライトパッドによりろ過した。このろ液を約90mlまで溶媒蒸発させた。室温で沈殿した結晶を採集し、次に、トルエン50mlから再結晶した。この手順により純粋なrac錯体がオレンジ色結晶として2.48g(18%)得られた。C
29H
34Cl
2HfSiの計算値: C, 52.77; H, 5.19. 実測値: C, 52.53; H, 5.09.
1H NMR (CD
2Cl
2): δ 7.36 (d, J= 8.6 Hz, 2H), 7.10 (d, J= 6.9 Hz, 2H), 6.92 (dd, J= 8.6 Hz, J= 6.9 Hz, 2H), 6.72 (s, 2H), 2.68-2.85 (m, 8H), 2.38 (m, 2H), 2.15 (m, 4H), 1.30 (t, J= 7.6 Hz, 6H), 1.14 (t, J= 7.4 Hz, 6H).
【0197】
(例5)他にはrac−シクロテトラメチレンシリレン−ビス(4−シクロプロピル−2−エチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シロランジイル−ビス(4−シクロプロピル−2−エチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリド(5)の合成
4/7−シクロプロピル−2−エチル−1H−インデン
【化26】
【0198】
2−エチル−4/7−ブロモインデン35.0g(157mmol)、Pd(dba)
21.80g(3.14mmol)および
tBu
3P1.27g(6.28mmol)のTHF400ml溶液に、室温でTHF中の0.76M臭化シクロプロピルマグネシウム310ml(235mmol)を滴下して加えた。この混合物を60℃で一晩、撹拌し、室温まで冷却して、次に飽和水性NH
4Cl250mlを加えた。テトラヒドロフランを真空で溶媒蒸発させ、粗生成物を酢酸エチル(3×200ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をNa
2SO
4で脱水して、次に蒸発乾固した。シリカゲル60上のフラッシュクロマトグラフィー(40〜63um、溶離液:ヘキサン)により生成物を単離した。収率28.3g(98%)の2つのインデン異性体からなる約7:1混合物の無色油状物。C
14H
16の計算値: C, 91.25; H, 8.75. 実測値: C, 91.10; H, 8.81.
1H NMR (CDCl
3): δ 7.19-7.20 (m, 1H, B), 7.14-7.16 (m, 1H, A), 7.09-7.10 (m, 1H, A), 7.02 (m, 1H, B), 6.81 (m, 1H, B), 6.78 (m, 1H, B), 6.65 (d, J= 7.7 Hz, 1H, A), 6.51 (m, 1H, A), 3.37 (s, 3H, A), 3.32 (s, 3H, B), 2.53 (m, 2H+2H, A+B), 2.08 (m, 1H, B), 1.95 (m, 1H, A), 1.25 (t, J= 7.5 Hz, 3H, B), 1.24 (t, J= 7.5 Hz, 3H, A), 0.93-0.96 (m, 2H+2H, A+B), 0.71-0.75 (m, 2H+2H, A+B).
【0199】
1,1−ビス(4−シクロプロピル−2−エチル−1H−インデン−1−イル)シロラン
【化27】
【0200】
0℃に冷却した4/7−シクロプロピル−2−エチル−1H−インデン9.00g(49.0mmol)のエーテル250ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi19.6ml(49.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩、撹拌した。この次に、THF50mlを加え、得られた混合物を−60℃まで冷却し、CuCN0.22g(2.45mmol)を加えた。この混合物を−30℃まで温め、この温度で2時間、撹拌し、次に、−60℃まで冷却して、1,1−ジクロロシロラン3.22ml(24.5mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間、撹拌し、次に水200mlを加え、有機層を分離した。水層を酢酸エチル(2×50ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO
4で脱水し、蒸発乾固した。シリカゲル60上のフラッシュクロマトグラフィー(40〜63um、溶離液:ヘキサン)により残留物を精製した。収率9.77g(89%)のracおよびmeso化合物からなる約1:1混合物の黄色ガラス状固体。C
32H
38Siの計算値: C, 85.27; H, 8.50. 実測値: C, 85.03; H, 8.31.
1H NMR (CDCl
3): δ 7.19 (m), 6.95-7.04 (m), 6.85 (s), 6.76-6.78 (m), 6.72 (s), 3.43 (s), 3.39 (s), 2.48-2.55 (m), 2.36-2.44 (m), 2.21-2.27 (m), 2.06-2.12 (m), 1.35-1.40 (m), 1.29-1.33 (m), 1.13-1.17 (m), 1.03-1.08 (m), 0.90-0.98 (m), 0.71-0.78 (m), 0.64-0.69 (m), 0.58 (m), 0.32 (m).
【0201】
他にはrac−シクロテトラメチレンシリレン−ビス(4−シクロプロピル−2−エチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シロランジイル−ビス(4−シクロプロピル−2−エチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリド(5)
【0202】
【化28】
【0203】
0℃に冷却した1,1−ビス(4−シクロプロピル−2−エチル−1H−インデン−1−イル)シロラン8.30g(18.4mmol)のエーテル250ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi14.7ml(36.8mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間、撹拌し、次に−70℃まで冷却し、HfCl
4(THF)
28.55g(18.4mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、次に、蒸発乾固した。この残留物をトルエン150mlに溶解し、得られた混合物をセライトパッドによりろ過した。ろ液を約100mlまで溶媒蒸発させて、この溶液を結晶化させるために置いた。室温で沈殿した結晶を採集し、真空で乾燥した。この手順により純粋なrac錯体が黄色結晶として1.55g(12%)得られた。C
32H
36Cl
2HfSiの計算値: C, 55.05; H, 5.20. 実測値: C, 55.17; H, 5.33.
1H NMR (CD
2Cl
2): δ 7.45 (d, J= 7.8 Hz, 2H), 6.88-6.94 (m, 6H), 2.80 (m, 2H), 2.42 (m, 2H), 2.15 (m, 2H), 1.87-1.98 (m, 8H), 1.13 (t, J= 7.3 Hz, 6H), 0.84-0.93 (m, 6H), 0.73 (m, 2H).
【0204】
(例6)他にはrac−シクロトリメチレンシリレン−ビス(4−シクロプロピル−2−エチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シレタンジイル−ビス(4−シクロプロピル−2−エチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリド(6)の合成
1,1−ビス(4−シクロプロピル−2−エチル−1H−インデン−1−イル)シレタン
【化29】
【0205】
0℃に冷却した4/7−シクロプロピル−2−エチル−1H−インデン9.05g(49.0mmol)のエーテル250ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi19.7ml(49.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩、撹拌した。この次に、THF50mlを加え、得られた混合物を−60℃まで冷却し、CuCN0.22g(2.45mmol)を加えた。この混合物を−30℃まで温め、この温度で2時間、撹拌し、次に、−60℃まで冷却して、1,1−ジクロロシレタン3.45g(24.5mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間、撹拌し、次に水200mlを加え、有機層を分離した。水層を酢酸エチル(2×100ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO
4で脱水し、蒸発乾固した。シリカゲル60上のフラッシュクロマトグラフィー(40〜63um、溶離液:ヘキサン)により残留物を精製した。収率9.46g(88%)のracおよびmeso化合物からなる約1:1混合物の黄色ガラス状固体。C
31H
36Siの計算値: C, 85.26; H, 8.31. 実測値: C, 85.01; H, 8.17.
1H NMR (CDCl
3): δ 7.11 (m), 7.02 (m), 6.95 (m), 6.88 (s), 6.72-6.79 (m), 3.30 (s), 3.25 (s), 2.33-2.56 (m), 2.05-2.13 (m), 1.95 (m), 1.84 (m), 1.17-1.22 (m), 1.07 (m), 0.90-0.97 (m), 0.64-0.75(m).
【0206】
他にはrac−シクロトリメチレンシリレン−ビス(4−シクロプロピル−2−エチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シレタンジイル−ビス(4−シクロプロピル−2−エチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリド(6)
【化30】
【0207】
0℃に冷却した1,1−ビス(4−シクロプロピル−2−エチル−1H−インデン−1−イル)シレタン8.30g(19.0mmol)のエーテル250ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi15.2ml(38.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間、撹拌し、次に−70℃まで冷却し、HfCl
4(THF)
28.83g(19.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、次に、蒸発乾固した。この残留物をトルエン150mlに溶解し、得られた溶液をセライトパッドによりろ過した。ろ液を約100mlまで溶媒蒸発させて、次に結晶化させるために置いた。室温で沈殿した結晶を採集し、トルエン50mlから再結晶した。この手順により純粋なrac錯体が黄色結晶として1.43g(11%)得られた。C
31H
34Cl
2HfSiの計算値: C, 54.43; H, 5.01. 実測値: C, 54.32; H, 4.94.
1H NMR (CD
2Cl
2): δ 7.34 (d, J= 8.1 Hz, 2H), 6.88-6.94 (m, 6H), 2.69-2.83 (m, 4H), 2.35-2.43 (m, 2H), 2.06-2.24 (m, 4H), 1.92-1.96 (m, 2H), 1.15 (t, J= 7.3 Hz, 6H), 0.85-0.93 (m, 6H), 0.74 (m, 2H).
【0208】
(例7)他にはrac−シクロテトラメチレンシリレン−ビス(2,4−ジメチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シロランジイル−ビス(2,4−ジメチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリド(7)の合成
2,4/7−ジメチル−1H−インデン
【0209】
【化31】
【0210】
4/7−ブロモ−2−メチル−1H−インデン10.0g(48mmol)、Pd(dba)
20.55g(0.96mmol)および
tBu
3P0.39g(1.92mmol)のTHF200ml溶液に、室温でTHF中の3.05M臭化メチルマグネシウム19.0ml(57.0mmol)を滴下して加えた。この混合物を60℃で一晩、撹拌し、室温まで冷却して、次に飽和水性NH
4Cl100mlを加えた。この次に、THFを真空で溶媒蒸発させ、粗生成物を酢酸エチル(3×100ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をNa
2SO
4で脱水し、次に蒸発乾固した。シリカゲル60上のフラッシュクロマトグラフィー(40〜63um、溶離液:ヘキサン)により生成物を単離した。収率6.45g(94%)の2つのインデン異性体からなる混合物の無色油状物。C
11H
12の計算値: C, 91.61; H, 8.39. 実測値: C, 91.83; H, 8.34.
1H NMR (CDCl
3): δ 7.14-7.21 (m, 2H), 6.96 (d, J= 7.2 Hz, 1H), 6.53 (m, 1H), 3.22 (s, 2H), 2.37 (s, 3H), 2.20 (s, 3H).
【0211】
1,1−ビス(2,4−ジメチル−1H−インデン−1−イル)シロラン
【化32】
0℃に冷却した2,4/7−ジメチル−1H−インデン6.29g(44.0mmol)のエーテル150ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi17.5ml(44.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩、撹拌した。この次に、THF30mlを加え、得られた混合物を−60℃まで冷却し、CuCN0.20g(2.20mmol)を加えた。この混合物を−30℃まで温め、この温度で2時間、撹拌し、次に、−60℃まで冷却して、1,1−ジクロロシロラン3.41g(22.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間、撹拌し、次に水100mlを加え、有機層を分離した。水層を酢酸エチル(2×100ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO
4で脱水し、蒸発乾固した。シリカゲル60上のフラッシュクロマトグラフィー(40〜63um、溶離液:ヘキサン)により残留物を精製した。収率2.88g(38%)のracおよびmeso化合物からなる約1:1混合物の黄色油状物。C
26H
30Siの計算値: C, 84.26; H, 8.16. 実測値: C, 84.07; H, 8.01.
1H NMR (CDCl
3): δ 7.20-7.23 (m), 7.04-7.07 (m), 6.93-6.99 (m), 6.64 (s), 6.54 (s), 3.37 (s), 3.35 (s), 2.39 (s), 2.38 (s), 2.16 (s), 2.05 (s), 1.27-1.33 (m), 1.04-1.18 (m), 0.46-0.64 (m), 0.36 (m).
【0212】
他にはrac−シクロテトラメチレンシリレン−ビス(2,4−ジメチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シロランジイル−ビス(2,4−ジメチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリド(7)
【化33】
【0213】
0℃に冷却した1,1−ビス(2,4−ジメチル−1H−インデン−1−イル)シロラン1.70g(4.60mmol)のエーテル50ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi3.70ml(9.20mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間、撹拌し、次に−70℃まで冷却し、HfCl
4(THF)
22.10g(4.60mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、次に、蒸発乾固した。この残留物をトルエン50mlに溶解し、セライトパッドによりろ過した。ろ液を約20mlまで溶媒蒸発させて、得られた溶液を結晶化させるために置いた。室温で沈殿した結晶を採集し、真空で乾燥した。この手順により純粋なrac錯体が黄色結晶として0.23g(8%)得られた。C
26H
28Cl
2HfSiの計算値: C, 50.53; H, 4.57. 実測値: C, 50.38; H, 4.60.
1H NMR (CD
2Cl
2): δ 7.48 (d, J= 8.7 Hz), 7.07 (d, J= 6.8 Hz, 2H), 6.90 (dd, J= 8.7 Hz, J= 6.8 Hz, 2H), 6.63 (s, 2H), 2.32 (s, 6H), 2.28 (s, 6H), 2.10-2.19 (m, 2H), 1.87-1.92 (m, 6H).
【0214】
(例8)他にはrac−シクロテトラメチレンシリレン−ビス(4−イソプロピル−2−メチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シロランジイル−ビス(4−イソプロピル−2−メチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリド(8)の合成
7−イソプロピル−2−メチル−1H−インデン
【化34】
【0215】
4/7−ブロモ−2−メチル−1H−インデン35.1g(0.167mol)の溶液に、室温でTHF中の0.61M臭化イソプロピルマグネシウム413ml(0.252mol)を滴下して加えた。この次に、Pd(dba)
21.92g(3.34mmol)および
tBu
3P1.35g(6.68mmol)のTHF700ml溶液を加えた。この混合物を60℃で一晩、撹拌し、室温まで冷却して、次に飽和水性NH
4Cl150mlを加えた。この次に、THFを真空で溶媒蒸発させ、粗生成物を酢酸エチル(3×200ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をNa
2SO
4で脱水して、次に蒸発乾固した。シリカゲル60上のフラッシュクロマトグラフィー(40〜63um、溶離液:ヘキサン)により生成物を単離した。収率28.7g(99%)の無色油状物。C
13H
16の計算値: C, 90.64; H, 9.36. 実測値: C, 90.81; H, 9.54.
1H NMR (CDCl
3), δ: 7.25 (m, 1H, 5-H), 7.14 (m, 1H, 4-H), 7.06 (m, 1H, 6-H), 6.53 (m, 1H, 3-H), 3.31 (m, 2H, 1,1’-H), 3.12 (七重線, J = 6.94 Hz, 1H, CHMe
2), 2.20 (s, 3H, 2-Me), 1.33 (d, J = 6.94 Hz, 6H, CHMe
2).
【0216】
1,1−ビス(4−イソプロピル−2−メチル−1H−インデン−1−イル)シロラン
【化35】
0℃に冷却した7−イソプロピル−2−メチル−1H−インデン7.50g(44.0mmol)のエーテル250ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi17.6ml(44.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩、撹拌した。この次に、THF50mlを加え、得られた混合物を−60℃まで冷却し、CuCN0.40g(4.40mmol)を加えた。この混合物を−30℃まで温め、この温度で2時間、撹拌し、次に、−60℃まで冷却して、1,1−ジクロロシロラン3.40g(22.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間、撹拌し、次に水100mlを加え、有機層を分離した。水層を酢酸エチル(2×100ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO
4で脱水し、蒸発乾固した。シリカゲル60上のフラッシュクロマトグラフィー(40〜63um、溶離液:ヘキサン)により残留物を精製した。収率3.43g(38%)のracおよびmeso化合物からなる約3:2混合物の黄色油状物。C
30H
38Siの計算値: C, 84.44; H, 8.98. 実測値: C, 84.37; H, 9.13.
1H NMR (CDCl
3): δ 7.20-7.23 (m), 7.01-7.07 (m), 6.71 (s), 6.66 (s), 3.36 (s), 3.35 (s), 3.15-3.23 (m), 2.14 (s), 2.01 (s), 1.25-1.29 (m), 1.04-1.18 (m), 0.84-0.89 (m), 0.55 (m), 0.39 (m).
【0217】
他にはrac−シクロテトラメチレンシリレン−ビス(4−イソプロピル−2−メチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シロランジイル−ビス(4−イソプロピル−2−メチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリド(8)
【0218】
【化36】
【0219】
0℃に冷却した1,1−ビス(4−イソプロピル−2−メチル−1H−インデン−1−イル)シロラン2.00g(4.70mmol)のエーテル50ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi3.80ml(9.40mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間、撹拌し、次に−70℃まで冷却し、HfCl
4(THF)
22.17g(4.70mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、次に、蒸発乾固した。この残留物をトルエン100mlに溶解し、セライトパッドによりろ過した。ろ液を約40mlまで溶媒蒸発させて、得られた溶液を結晶化させるために置いた。室温で沈殿した結晶を採集し、真空で乾燥した。この手順により純粋なrac錯体が黄色結晶として0.60g(19%)得られた。C
30H
36Cl
2HfSiの計算値: C, 53.45; H, 5.38. 実測値: C, 53.41; H, 5.55.
1H NMR (CD
2Cl
2): δ 7.49 (d, J= 8.7 Hz, 2H), 7.14 (d, J= 7.1 Hz, 2H), 6.95 (dd, J= 8.7 Hz, J= 7.1 Hz, 2H), 6.73 (s, 2H), 3.03 (七重線, J= 6.9 Hz, 2H), 2.31 (s, 6H), 2.12 (m, 2H), 1.82-2.00 (m, 6H), 1.32 (d, J= 6.9 Hz, 6H), 1.25 (d, J= 6.9 Hz, 6H).
【0220】
(例9)他にはrac−シクロトリメチレンシリレン−ビス(2,4−ジメチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シレタンジイル−ビス(2,4−ジメチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリド(9)の合成
1,1−ビス(2,4−ジメチル−1H−インデン−1−イル)シレタン
【0221】
【化37】
【0222】
0℃に冷却した2,4/7−ジメチル−1H−インデン6.40g(44.0mmol)のエーテル250ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi17.6ml(44.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩、撹拌した。この次に、THF50mlを加え、得られた混合物を−60℃まで冷却し、CuCN0.40g(4.40mmol)を加えた。この混合物を−30℃まで温め、この温度で2時間、撹拌し、次に、−60℃まで冷却して、1,1−ジクロロシレタン3.10g(22.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間、撹拌し、次に水100mlを加え、有機層を分離した。水層を酢酸エチル(2×100ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO
4で脱水し、蒸発乾固した。シリカゲル60上のフラッシュクロマトグラフィー(40〜63um、溶離液:ヘキサン)により残留物を精製した。収率6.19g(79%)のracおよびmeso化合物からなる約2:1混合物の黄色油状物。C
25H
28Siの計算値: C, 84.21; H, 7.91. 実測値: C, 84.37; H, 8.18.
1H NMR (CDCl
3): δ 7.13 (m), 6.94-7.03 (m), 6.78 (m), 6.68 (s), 6.58 (s), 3.21 (s), 3.16 (s), 2.41 (s), 2.39 (s), 2.13 (s), 1.95 (s), 1.87 (m), 1.15-1.30 (m), 0.97-1.07 (m), 0.79-0.90 (m).
【0223】
他にはrac−シクロトリメチレンシリレン−ビス(2,4−ジメチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シレタンジイル−ビス(2,4−ジメチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリド(9)
【化38】
【0224】
0℃に冷却した1,1−ビス(2,4−ジメチル−1H−インデン−1−イル)シレタン2.00g(5.60mmol)のエーテル50ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi4.50ml(11.2mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間、撹拌し、次に−70℃まで冷却し、HfCl
4(THF)
22.60g(5.60mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、次に、蒸発乾固した。この残留物をトルエン100mlに溶解し、得られた溶液をセライトパッドによりろ過した。ろ液を約40mlの体積まで溶媒蒸発させて、得られた溶液を結晶化させるために置いた。室温で沈殿した結晶を採集し、トルエン−メチルシクロヘキサン(約10:1体積)の混合物から再結晶した。この手順により純粋なrac錯体が黄色結晶として0.24g(15%)得られた。C
25H
26Cl
2HfSiの計算値: C, 49.72; H, 4.34. 実測値: C, 49.81; H, 4.48.
1H NMR (CD
2Cl
2): δ 7.36 (d, J= 8.5 Hz, 2H), 7.06 (d, J= 6.8 Hz, 2H), 6.88 (dd, J= 8.5 Hz, J= 6.8 Hz, 2H), 6.62 (s, 2H), 2.82 (m, 2H), 2.32 (s, 6H), 2.23 (s, 6H), 2.07-2.18 (m, 4H).
【0225】
(例10)他にはrac−シクロトリメチレンシリレン−ビス(4−tert−ブチル−2−メチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シレタンジイル−ビス(4−tert−ブチル−2−メチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリド(10)の合成
2−tert−ブチルトルエン
【0226】
【化39】
【0227】
−10℃に冷却したニッケル(II)アセチルアセトネート3.30g(13.0mmol)、1,3−ジシクロヘキシルイミダゾリウムテトラフルオロボレート4.16g(13.0mmol)、リチウムtert−ブトキシド20.6g(0.258mol)およびTHF100mlからなる混合物に、−10℃で15分間激しく撹拌することにより、THF中の0.86M塩化tert−ブチルマグネシウム300ml(0.258mol)を滴下して加えた。この次に、−10℃で2−ブロモトルエン29.4g(0.172mol)を滴下して加えた。得られた混合物をこの温度でさらに3時間、撹拌し、次に室温で一晩撹拌し、最後に塩化アンモニウムの溶液に注ぎ入れることによりクエンチした。粗生成物をエーテル(3×100ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をNa
2SO
4で脱水して、次に蒸発乾固した。残留物を真空で蒸留すると、無色油状物(b.p.116〜123
oC/100mmHg)が得られた。収率10.1g(43%)の2−tert−ブチルトルエンおよび2−イソブチルトルエンからなる約10:3混合物。この混合物をさらに精製することなく、次の工程に使用した。C
11H
16の計算値: C, 89.12; H, 10.88. 実測値: C, 89.04; H, 10.95.
1H NMR (CDCl
3), δ: 7.41 (m, 1H, フェニルの3-H), 7.12-7.19 (m, 3H, フェニルの4,5,6-H), 2.58 (s, 3H, フェニルの1-Me), 1.45 (s, 9H,
tBu).
【0228】
臭化2−tert−ブチルベンジル
【化40】
N−ブロモスクシンイミド77.4g(0.435mol)、上で得られた2−tert−ブチルトルエンと2−イソブチルトルエンとの混合物(約10:3の比)46.0g(0.311mol)、AIBN0.9gおよびテトラクロロメタン550mlからなる混合物を1時間、還流した。得られた混合物をガラスフリット(G3)によりろ過し、ろ液を蒸発乾固した。残留物を真空で蒸留すると、臭化2−tert−ブチルベンジルおよび臭化2−イソブチルベンジルからなる約13.2:1混合物が37.0g(53%)(b.p 77〜82
oC/4mmHg)得られた。C
11H
15Brの計算値: C, 58.17; H, 6.66. 実測値: C, 58.31; H, 6.80.
1H NMR (CDCl
3), δ: 7.48 (m, 1H, フェニルの4-H), 7.40 (m, 1H, フェニルの5-H), 7.22-7.29 (m, 2H, フェニルの3,6-H), 4.86 (s, 2H, CH
2Br), 1.49 (s, 9H,
tBu).
【0229】
4−tert−ブチル−2−メチルインダノン−1
【化41】
ナトリウム金属3.75g(0.163mol)および乾燥エタノール120mlから調製したナトリウムエトキシド溶液に、メチルマロン酸ジエチル28.4g(0.163mol)を加えた。この溶液を10分間、撹拌し、次に、15分間、激しく撹拌することにより、上で得られた臭化2−tert−ブチルベンジルと臭化2−イソブチルベンジル(13.2:1の比)との混合物37.0g(0.163mol)を少量ずつ加えた。得られた混合物を4時間、還流し、次に、KOH27.5gの水溶液(100ml)を加えた。この混合物を4時間、還流し、次に大気圧下でエタノールを留去した。得られた溶液をエーテル(2×300ml)により抽出し、次に、12M HClによりこの水層を酸性にしてpH1〜2にし、エーテル(3×100ml)により抽出した。合わせた有機抽出物を水(2×100ml)により洗浄し、Na
2SO
4で脱水して、次に蒸発乾固した。残留物をn−ヘキサン250mlにより洗浄した。得られた白色固体を160〜200℃で脱炭酸した。この手順によりオレンジ色固体が21.7g(61%)得られた。P
4O
10154gおよび85%オルトリン酸102gから得られたポリリン酸に、80℃で激しく撹拌することにより、2−メチル−3−(2−tertブチルフェニル)プロピオン酸25.6g(0.116mol)を一度に加えた。得られた混合物を80℃で1.5時間、撹拌し、次に冷水1000cm
3に注ぎ入れた。生成物をエーテル(3×150ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をNa
2SO
4で脱水して、次に蒸発乾固した。残留物をシリカゲル60(40〜63um、溶離液:n−ヘキサン:酢酸エチル=6:1、体積)のパッドに通した。この手順により黄色油状物が15.6g(66%)得られた。こうして、臭化2−tert−ブチルベンジルからの表題生成物の総収率が、40%であった。C
14H
18Oの計算値: C, 83.12; H, 8.97. 実測値: C, 83.27; H, 9.11.
1H NMR (CDCl
3), δ: 7.63 (m, 1H, 7-H), 7.60 (m, 1H, 5-H), 7.32 (m, 1H, 6-H), 3.65 (dd, J = 16.7 Hz, J = 7.7 Hz, 1H, 3-H), 2.89 (dd, J = 16.7 Hz, J = 4.2 Hz, 1H, 3’-H), 2.69 (m, 1H, 2-H), 1.43 (s, 9H,
tBu), 1.31 (d, J = 7.5 Hz, 3H, 2-Me).
【0230】
7−tert−ブチル−2−メチル−1H−インデン
【化42】
THF80ml中に4−tertブチル−2−メチルインダノン−1 15g(74mmol)を含有するフラスコに、0℃でNaBH
42.80g(74mmol)を加えた。この次に、0℃で1時間、MeOH40mlを滴下して加えた。得られた混合物を1時間撹拌し、次に溶媒を蒸発させた。残留物を水500mlに注ぎ入れ、粗生成物をジクロロメタン(3×70ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をシリカゲル60(40〜63um)のパッドに通した。得られた溶出物を蒸発乾固した。残留物をトルエン250mlに溶解し、TsOH1gを加え、得られた混合物を1時間、還流した。この後、この反応混合物を水性炭酸カリウムにより洗浄し、シリカゲル60(40〜63um)のパッドに通した。得られた溶出物を蒸発乾固すると、黄色結晶性生成物が13g(96%)得られた。C
14H
18の計算値: C, 90.26; H, 9.74. 実測値: C, 90.51; H, 9.65.
1H NMR (CDCl
3), δ: 7.14-7.23 (m, 3H, 4,5,6-H), 6.50 (m, 1H, 3-H), 3.53 (s, 2H, 1,1’-H), 2.18 (m, 3H, 2-Me), 1.46 (s, 9H,
tBu).
【0231】
1,1−ビス(4−tert−ブチル−2−メチル−1H−インデン−1−イル)シレタン
【化43】
0℃に冷却した7−tert−ブチル−2−メチル−1H−インデン8.00g(43.0mmol)のエーテル250ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi17.2ml(43.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩、撹拌した。この次に、THF50mlを加え、得られた混合物を−60℃まで冷却し、CuCN0.39g(4.30mmol)を加えた。この混合物を−30℃まで温め、この温度で2時間、撹拌し、次に、−60℃まで冷却して、1,1−ジクロロシレタン3.03g(21.5mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間、撹拌し、次に水100mlを加え、有機層を分離した。水層を酢酸エチル(2×100ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO
4で脱水し、蒸発乾固した。シリカゲル60上のフラッシュクロマトグラフィー(40〜63um、溶離液:ヘキサン/エーテル20/1)により残留物を精製した。収率9.40g(98%)のracおよびmeso化合物からなる約1:1混合物の黄色結晶性固体。C
31H
40Siの計算値: C, 84.48; H, 9.15. 実測値: C, 84.22; H, 9.00.
1H NMR (CDCl
3): δ 7.13-7.17 (m), 7.03-7.07 (m), 6.95-6.98 (m), 6.70 (s), 6.68 (s), 3.14 (s), 3.13 (s), 2.17 (s), 1.90 (s), 1.73-1.79 (m), 1.41 (s), 1.40 (s), 1.15 (m), 1.02-1.10 (m), 0.85-0.92 (m), 0.72 (m).
【0232】
他にはrac−シクロトリメチレンシリレン−ビス(4−tert−ブチル−2−メチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シレタンジイル−ビス(4−tert−ブチル−2−メチルインデン−1−イル)ハフニウムジクロリド(10)
【化44】
【0233】
0℃に冷却した1,1−ビス(4−tert−ブチル−2−メチル−1H−インデン−1−イル)シレタン2.00g(4.50mmol)のエーテル60ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi3.60ml(9.10mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間、撹拌し、次に−70℃まで冷却し、HfCl
4(THF)
22.10g(4.50mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩撹拌し、次に、蒸発乾固した。この残留物をトルエン50mlに溶解し、得られた溶液をセライトパッドによりろ過した。ろ液を約10mlまで溶媒蒸発させて、この溶液を結晶化させるために置いた。室温で沈殿した結晶を採集し、真空で乾燥した。この手順により純粋なrac錯体が黄色結晶として0.20g(6.4%)得られた。C
31H
38Cl
2HfSiの計算値: C, 54.11; H, 5.57. 実測値: C, 54.02; H, 5.41.
1H NMR (CD
2Cl
2): δ 7.40 (d, J= 8.6 Hz, 2H), 7.21 (d, J= 7.2 Hz, 2H), 6.92 (dd, J= 8.6 Hz, J= 7.2 Hz, 2H), 6.90 (s, 2H), 2.80 (m, 2H), 2.29 (s, 6H), 2.18-2.23 (m, 2H), 2.10-2.15 (m, 2H), 1.38 (s, 18H).
【0234】
(例11)他にはrac−シクロペンタメチレンシリレン−ビス[4,7−ジメチルインデン−1−イル]ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シリナンジイル−ビス[4,7−ジメチルインデン−1−イル]ハフニウムジクロリド(11)の合成
4,7−ジメチルインダン−1−オン
【化45】
【0235】
ジクロロメタン900ml中のAlCl
3224g(1.68mol)の撹拌懸濁液に、室温で3時間、塩化3−クロロプロパノイル186g(1.5mol)、p−キシレン148g(1.4mol)およびジクロロメタン175mlからなる混合物を滴下して加えた。この混合物を室温で2時間、撹拌し、次に、砕いた氷1000g上に注ぎ入れた。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(3×200ml)により抽出した。合わせた有機抽出物を水性K
2CO
3により洗浄し、K
2CO
3で脱水してシリカゲル60(40〜63um)の短いパッドに通し、次に蒸発乾固すると、暗色油状液体が284g得られた。この液体を96%硫酸2000mlに室温で加え、次に、得られた混合物を室温で撹拌した。得られた暗色溶液を40分間、90℃まで加熱し、この温度で1時間、撹拌した。室温まで冷却した後、反応混合物を砕いた氷4000gおよび氷水4000ml上に注ぎ入れ、ジクロロメタン2000mlを加えた。有機層を分離し、水層をジクロロメタンにより抽出した(水相900mlあたり100ml)。合わせた有機抽出物水により、次に水性K
2CO
3により洗浄し、K
2CO
3で脱水してシリカゲル60(40〜63um)の短いパッドに通した。溶出物を蒸発乾固すると、わずかに黄色い固体の塊状物が得られた。後者(the later)の塊状物をn−ヘキサン500mlから再結晶化すると(加温→室温→0
oC、一晩)、4,7−ジメチルインダン−1−オン195g(87%)が白色結晶性物質として得られた。元素分析: C
11H
12Oの計算値: C, 82.46; H, 7.55. 実測値: C, 82.54; H, 7.65.
1H NMR (CDCl
3): δ 7.22 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 7.5 Hz, 1H), 2.93 (m, 2H), 2.63 (m, 2H), 2.58 (s, 3H), 2.28 (s, 3H).
13C{
1H} NMR (CDCl
3): δ 208.18, 154.63, 135.73, 134.23, 134.02, 132.65, 129.05, 36.49, 24.12, 17.81, 17.23.
【0236】
4,7−ジメチル−1H−インデン
【化46】
5℃に冷却した4,7−ジメチルインダン−1−オン181g(1.13mol)のTHF1100ml溶液に、NaBH
464g(1.69mol)を加えた。この次に、この混合物に、5℃で約5時間、激しく撹拌することによりメタノール550mlを滴下して加えた。この混合物を室温で一晩、撹拌し、次に、蒸発乾固した。得られた白色の塊状物にジクロロメタン1500mlおよび水1000mlを加え、得られた混合物を2M HClにより酸性にしてpH約4にした。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(2×250ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をNa
2SO
4で脱水して、次に蒸発乾固すると、白色固体の塊状物が得られた。この塊状物のトルエン2000ml溶液に、TsOH2gを加え、この混合物を還流するまで急速に加熱し、15分間、ディーン−スタークヘッドを用いて還流し、次に水浴を用いて室温まで冷却した。得られた溶液を10%水性Na
2CO
3により洗浄した。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(2×150ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をK
2CO
3で脱水し、次に、シリカゲル60(40〜63um)の短いパッドに通した。このシリカゲルパッドをジクロロメタン250mlによりさらに洗浄した。合わせた溶出物を蒸発乾固すると、わずかに黄色の液体が得られ、次に、真空で蒸留すると、無色液体が134g(83%)(b.p.100〜110℃/12mmHg)得られた。元素分析: C
11H
12の計算値: C, 91.61; H, 8.39. 実測値: C, 91.48; H, 8.42.
1H NMR (CDCl
3): δ 6.95-7.02 (m, 2H), 6.91 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.54 (dt, J = 5.6 Hz, J = 1.8 Hz, 1H), 3.26 (s, 2H), 2.41 (s, 3H), 2.32 (s, 3H).
13C{
1H} NMR (CDCl
3): δ 143.19, 142.11, 133.22, 130.48, 130.12, 127.67, 127.53, 125.76, 38.23, 18.40, 18.26.
【0237】
1,1−ビス(4,7−ジメチル−1H−インデン−1−イル)シリナン
【化47】
4,7−ジメチル−1H−インデン10.8g(75.0mmol)のエーテル250ml溶液に、−50℃でヘキサン中の2.5M
nBuLi30.0ml(75.0mmol)を一度に加えた。この混合物を室温で5時間、撹拌し、次に得られた懸濁液を−50℃まで冷却して、CuCN1.70g(19.0mmol)を加えた。この混合物を−25℃で30分間、撹拌し、1,1−ジクロロシリナン6.35g(37.6mmol)を一度に加えた。この次に、この混合物を周囲温度で一晩撹拌し、次に、シリカゲル60(40〜63um)のパッドでろ過し、このパッドをさらにジクロロメタン(2×75ml)により洗浄した。合わせたろ液を蒸発乾固した。シリカゲル60上のフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン、次に、ヘキサン/ジクロロメタン10:1)により残留物を精製すると、表題化合物がわずかに黄色い油状物として12.3g(85%)得られた。元素分析: C
27H
32Siの計算値: C, 84.31; H, 8.39. 実測値: C, 84.55; H, 8.48.
1H NMR (CDCl
3): δ 6.82-6.99 (m), 6.45 (dd, J = 5.3および1.8 Hz), 6.10 (dd, J = 5.3および1.8 Hz), 3.42 (s), 3.34 (s), 2.39 (s), 2.34 (s), 2.24 (s), 1.46-1.55 (m), 1.35-1.46 (m), 1.13-1.23 (m), 0.82-0.94 (m), 0.66 (t, J = 6.5 Hz), 0.37 (t, J = 6.6 Hz).
【0238】
他にはrac−シクロペンタメチレンシリレン−ビス[4,7−ジメチルインデン−1−イル]ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シリナンジイル−ビス[4,7−ジメチルインデン−1−イル]ハフニウムジクロリド(11)
【0239】
【化48】
【0240】
−60℃に冷却した1,1−ビス(4,7−ジメチル−1H−インデン−1−イル)シリナン5.08g(13.2mmol)のエーテル200ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi10.6ml(26.5mmol)を一度に加えた。この混合物を室温で一晩、撹拌した。得られた薄オレンジ色懸濁液を−40℃まで冷却し、HfCl
4(THF)
26.14g(13.2mmol)を加えた。この反応混合物を24時間撹拌し、次に蒸発乾固した。残留物を熱トルエン200mlにより処理した。熱い間に、この混合物ガラスフリット(G4)によりろ過した。このろ液を約100mlまで溶媒蒸発させた。室温で沈殿した結晶を採集し、真空で乾燥した。この手順により、meso異性体約5%が混入しているrac−ハフノセンジクロリドが4.36g(52%)得られた。−30℃で結晶化することにより、母液から第2の結晶収穫物を得た。この手順により2.39gのrac−およびmeso錯体からなる約1:4混合物が得られた。こうして、この合成において単離されたrac−およびmeso−ハフノセンの総収率は、6.75g(81%)であった。meso体5%が混入しているRac錯体(上で得られたものとして、4.36g)をトルエン100mlから再結晶した。室温でこの溶液から沈殿したオレンジ色結晶を採集し、真空で乾燥した。この手順により純粋なrac−メタロセンが2.20g得られた。元素分析: C
27H
30Cl
2HfSiの計算値: C, 51.31; H, 4.78. 実測値: C, 51.45; H, 4.69.
1H NMR (CD
2Cl
2): δ 6.88 (d, J = 3.5 Hz, 2H), 6.87 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 6.72 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 6.06 (d, J = 3.5 Hz, 2H), 2.48 (s, 6H), 2.25 (s, 6H), 2.03-2.17 (m, 2H), 1.89-2.03 (m, 2H), 1.65-1.80 (m, 4H), 1.51-1.61 (m, 2H).
13C{
1H} NMR (CDCl
3): δ 133.31, 132.41, 132.28, 128.29, 127.57, 126.32, 118.56, 117.52, 92.38, 30.37, 25.05, 22.74, 19.32, 17.75.
【0241】
(例12)他にはrac−シクロペンタメチレンシリレン−ビス[4,7−ジメチルインデン−1−イル]ハフニウムジメチルと命名される、rac−1,1−シリナンジイル−ビス[4,7−ジメチルインデン−1−イル]ハフニウムジメチル(12)の合成
【化49】
【0242】
−30℃に冷却したトルエン45ml中のrac−シリナンジイル−ビス[η
5−4,7−ジメチルインデン−1−イル]ハフニウムジクロリド(11)1.27g(2.01mmol)の懸濁液に、エーテル中の2.11M臭化メチルマグネシウム4.00ml(8.44mmol、2.1当量)を一度に加え、この反応混合物を室温で一晩、撹拌した。この反応混合物を溶媒蒸発させて約20mlにし、ガラスフリット(G4)によりろ過した。−30℃で12時間でこの溶液から沈殿した黄色結晶を採集し、冷(−30℃)n−ヘキサン(2×5ml)により洗浄し、真空で乾燥した。この手順により、rac−シリナンジイルビス[η
5−4,7−ジメチルインデン−1−イル]ハフニウムジメチルが1.09g(92%)得られた。元素分析: C
29H
36HfSiの計算値: C, 58.92; H, 6.14. 実測値: C, 59.11; H, 6.30.
1H NMR (C
6D
6): δ 6.91 (d, J = 3.4 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 6.70 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 5.77 (d, J = 3.4 Hz, 2H), 2.31 (s, 6H), 2. 30 (s, 6H), 1.77-2.04 (m, 4H), 1.49-1.59 (m, 2H), 1.37-1.49 (m, 2H), 1.22-1.33 (m, 2H), -1.2 (s, 6H).
【0243】
(例13)他にはシクロテトラメチレンシリレン−ビス[4,7−ジメチルインデン−1−イル]ハフニウムジクロリドと命名される、1,1−シロランジイル−ビス[4,7−ジメチルインデン−1−イル]ハフニウムジクロリド(13)の合成
1,1−ビス(4,7−ジメチル−1H−インデン−1−イル)シロラン
【化50】
【0244】
4,7−ジメチル−1H−インデン14.4g(100mmol)のエーテル250ml溶液に、−50℃でヘキサン中の2.5M
nBuLi40.0ml(100mmol)を一度に加えた。この混合物を室温で5時間、撹拌し、次に得られた懸濁液を−50℃に冷却して、CuCN2.24g(25.0mmol)を加えた。得られた混合物を−25℃で30分間、撹拌し、次に、1,1−ジクロロシロラン7.76g(50.0mmol)を一度に加えた。この次に、この混合物を周囲温度で一晩、撹拌した。この溶液をシリカゲル60(40〜63um)のパッドでろ過し、このパッドをさらにジクロロメタン(2×100ml)により洗浄した。合わせたろ液を蒸発乾固した。シリカゲル60上のフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン−ジクロロメタン=10:1、体積)により残留物を精製した。収率16.4g(89%)のわずかに黄色の油状物としての1,1−ビス(4,7−ジメチルインデン−1−イル)シロラン。元素分析: C
26H
30Siの計算値: C, 84.26; H, 8.16. 実測値: C, 86.39; H, 8.25.
1H NMR (CDCl
3): δ 6.81-6.99 (m), 6.47 (dd, J = 5.3および1.8 Hz), 6.22 (dd, J = 5.3および1.8 Hz), 3.41 (s), 3.39 (s), 2.40 (s), 2.38 (s), 2.37 (s), 2.33 (s), 1.20-1.38 (m), 0.99-1.20 (m), 0.63-0.78 (m), 0.26-0.37 (m), 0.24 (t, J = 6.8 Hz).
【0245】
他にはrac−シクロテトラメチレンシリレン−ビス[4,7−ジメチルインデン−1−イル]ハフニウムジクロリドと命名される、Rac−1,1−シロランジイル−ビス[4,7−ジメチルインデン−1−イル]ハフニウムジクロリド(13)
【化51】
【0246】
−78℃に冷却した1,1−ビス(4,7−ジメチル−1H−インデン−1−イル)シロラン9.53g(25.7mmol)のエーテル250ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi20.6ml(51.5mmol)を一度に加えた。この混合物を室温で一晩、撹拌した。得られた薄オレンジ色溶液を−50℃まで冷却し、HfCl
4(THF)
211.95g(25.7mmol)を加えた。この反応混合物を24時間撹拌し、次に蒸発乾固した。残留物を熱トルエン200mlにより処理した。得られた熱混合物をガラスフリット(G4)によりろ過した。このろ液を溶媒蒸発させて100mlにし、加熱して沈殿物を溶解した。室温、3時間でこの溶液から沈殿した結晶を採集し、真空で乾燥した。この手順によりrac−ハフノセンジクロリドが7.80g(49%)得られた。約40mlまで溶媒蒸発させて、−30℃で一晩、結晶化させた後、母液から第2の結晶収穫物を得た。この手順により1.76gのracおよびmeso錯体からなる約4:1混合物が得られた。こうして、この合成において単離されたrac−およびmeso−ハフノセンジクロリドの総収率は、9.56g(60%)であった。元素分析: C
26H
28Cl
2HfSiの計算値: C, 50.53; H, 4.57. 実測値: C, 50.45; H, 4.68.
1H NMR (CD
2Cl
2): δ 6.96 (d, J = 3.3 Hz, 2H), 6.95 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 6.79 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 6.14 (d, J = 3.3 Hz, 2H), 2.57 (s, 6H), 2.34 (s, 6H), 2.17-2.29 (m, 2H), 1.74-1.91 (m, 4H), 1.61-1.74 (m, 2H).
13C{
1H} NMR (CDCl
3): δ 133.40, 132.47, 132.05, 128.32, 127.55, 126.41, 118.74, 118.44, 92.36, 27.44, 24.10, 19.33, 17.66.
【0247】
(例14)他にはrac−シクロテトラメチレンシリレン−ビス[4,7−ジメチルインデン−1−イル]ハフニウムジメチルと命名される、rac−1,1−シロランジイル−ビス[4,7−ジメチルインデン−1−イル]ハフニウムジメチル(14)の合成
【0248】
【化52】
【0249】
−30℃に冷却したトルエン75ml中のrac−シロランジイル−ビス[η
5−4,7−ジメチル−1H−インデン−1−イル]ハフニウムジクロリド(13)3.10g(5.04mmol)の懸濁液に、エーテル中の2.11M臭化メチルマグネシウム10.0ml(21.1mmol、2.1当量)を一度に加え、この反応混合物を室温で一晩、撹拌した。次に、この反応混合物を溶媒蒸発させて約40mlにし、ガラスフリット(G4)によりろ過して、最後に溶媒蒸発させて約25mlにした。−30℃、12時間でこの溶液から沈殿した結晶を採集し、冷(−30℃)n−ヘキサン(2×5ml)により洗浄し、真空で乾燥した。この手順により、rac−シロランジイルビス[η
5−4,7−ジメチルインデン−1−イル]ハフニウムジメチルが2.47g(85%)得られた。元素分析: C
28H
34HfSiの計算値: C, 58.27; H, 5.94. 実測値: C, 58.43; H, 6.12.
1H NMR (CDCl
3): δ 6.88 (d, J = 3.5 Hz, 2H), 6.85 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 6.64 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 5.77 (d, J = 3.5 Hz, 2H), 2.38 (s, 6H), 2.32 (s, 6H), 2.03-2.15 (m, 2H), 1.58-1.72 (m, 2H), 1.38-1.58 (m, 4H), -1.79 (s, 6H).
13C{
1H} NMR (CDCl
3): δ 132.21, 131.98, 129.14, 126.05, 125.74, 124.06, 118.45, 111.50, 86.49, 40.32, 26.96, 23.65, 19.30, 17.14.
【0250】
(例15)他にはrac−シクロテトラメチレンシリレン−ビス[4,6,8−トリメチル−1,2,3−トリヒドロ−s−インダセン−5−イル]ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シロランジイル−ビス[4,6,8−トリメチル−1,2,3−トリヒドロ−s−インダセン−5−イル]ハフニウムジクロリド(15)の合成
4,7−ジメチルインダン
【0251】
【化53】
【0252】
エチレングリコール1100ml中の、KOH124g(2.21mol)、4,7−ジメチルインダン−1−オン91.4g(570.5mmol)およびヒドラジン水和物102mlからなる混合物を5時間、還流した。次に、還流コンデンサを、コンデンサを備えたクライゼン蒸留ヘッドに交換し、蒸留温度が195℃に到達するまで、水、ヒドラジン水和物、表題生成物およびエチレングリコールからなる混合物を蒸留した。室温まで冷却した残留物にエチレングリコール300ml、2回目の分量の2,2−ジメチルインダン−1−オン(182.5g、1.139mol)およびヒドラジン水和物(144ml)を加え、この還元手順を上記の通り繰り返した。合わせた蒸留物を水1000mlにより希釈し、粗生成物をジクロロメタン(3×300ml)により抽出した。合わせた有機抽出物を1M HClにより洗浄して無水K
2CO
3で脱水し、シリカゲル60(40〜63um)の短いパッドに通し、得られたろ液を蒸発乾固すると、わずかに黄色い液体が得られた。この液体を真空で蒸留すると、4,7−ジメチルインダンが無色液体(b.p.88〜90
oC/10mmHg)として68.1g(82%)得られた。元素分析: C
11H
14の計算値: C, 90.35; H, 9.65. 実測値: C, 90.47; H, 9.50.
1H NMR (CDCl
3): δ 6.86 (s, 2H), 2.82 (t, J = 7.6 Hz, 4H), 2.21 (s, 6H), 2.05 (五重線, J = 7.6 Hz, 2H).
13C{
1H} NMR (CDCl
3): δ 142.53, 130.84, 126.99, 31.62, 24.17, 18.86.
【0253】
2,4,8−トリメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1(2H)−オン
【化54】
−30℃に冷却したジクロロメタン300ml中のAlCl
3333g(2.5mol)の懸濁液に、臭化2−ブロモ−2−メチルプロピオニル223g(970mmol)、およびジクロロメタン250ml中のインダン137.8g(942mmol)の溶液を30分間、加えた。次に、冷却浴を取り去り、この溶液を室温で5時間、撹拌した。この反応混合物を粉砕した氷2kgに注ぎ入れ、有機層を分離し、水層をジクロロメタン(3×300ml)により抽出した。合わせた有機抽出物を水性K
2CO
3により洗浄して無水K
2CO
3で脱水し、シリカゲル60(40〜63um)の短いパッドに通し、ろ液を蒸発乾固すると、灰色の半結晶性塊状物が得られた。この塊状物を真空で蒸留すると、2,4,8−トリメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1(2H)−オンがわずかに緑色の油状物(b.p.175〜180
oC/2mmHg)として159.1g(79%)得られ、これは室温で迅速に結晶化した。元素分析: C
15H
18Oの計算値: C, 84.07; H, 8.47. 実測値: C, 84.22; H, 8.26.
1H NMR (CDCl
3): δ 3.19 (dd, J = 16.9および8.1 Hz, 1H, 3-CHH’), 2.90 (t, J = 7.8 Hz, 2H, インダンのCH
2), 2.88 (t, J = 7.8 Hz, 2H, インダンのCH
2), 2.66 (m, 1H, 2-H), 2.54 (s, 3H, 8-CH
3), 2.49 (dd, J = 16.9および3.3 Hz, 1H, 3-CHH’), 2.19 (s, 3H, 4-CH
3), 2.12 (五重線, J = 7.8 Hz, インダンのCH
2), 1.29 (d, J = 7.3, 3H, 2-CH
3).
13C{
1H} NMR (CDCl
3): δ 210.63, 152.07, 149.99, 143.11, 132.07, 131.26, 127.72, 42.69, 32.95, 32.01, 30.75, 24.56, 16.75, 14.42, 14.33.
【0254】
4,6,8−トリメチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセン
【化55】
5℃に冷却した2,4,8−トリメチル−3,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1(2H)−オン77.6g(362mmol)のTHF400ml溶液に、NaBH
420.6g(545mmol)を加えた。この次に、この激しく撹拌した混合物に、5℃で約5時間、メタノール200mlを滴下して加えた。得られた混合物を室温で3時間、撹拌し、次に蒸発乾固して残留物をジクロロメタン500mlと2M HCl500mlとの間に分配した。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(100ml)によりさらに抽出した。合わせた有機抽出物を蒸発乾固すると、白色固体の塊状物が得られた。この塊状物のトルエン1000ml溶液に、TsOH1gを加え、この混合物を20分間、ディーン−スタークヘッドを用いて還流し、次に水浴を用いて室温まで冷却した。この反応混合物を10%水性K
2CO
3により洗浄した。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(2×100ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をK
2CO
3で脱水し、次に、シリカゲル60(40〜63um)の短いパッドに通した。このシリカゲルパッドをジクロロメタン100mlによりさらに洗浄した。合わせた有機溶出物を蒸発乾固すると、黄色固体の塊状物が得られた。後者の塊状物をn−ヘキサン200mlから再結晶した(加温→室温→0
oC→−30
oC、一晩)。この手順により4,6,8−トリメチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセン58.2g(81%)が白色微細結晶性粉末として得られた。元素分析: C
15H
18の計算値: C, 90.85; H, 9.15. 実測値: C, 90.99; H, 9.27.
1H NMR (CDCl
3): δ 6.56 (q, J = 1.3 Hz, 1H, 3-H), 3.16 (s, 2H, 1-CH
2), 2.86 (br. t, J = 7.3 Hz, 4H, インダンの2つのCH
2), 2.27 (s, 3H, CH
3), 2.20 (s, 3H, CH
3), 2.14 (s, 3H, CH
3), 2.09 (五重線, J = 7.3 Hz, インダンのCH
2).
13C{
1H} NMR (CDCl
3): δ 144.10, 142.84, 141.08, 140.34, 138.51, 125.76, 125.54, 122.21, 41.55, 31.58, 31.43, 24.91, 17.00, 15.61, 15.36.
【0255】
1,1−ビス(2,4,8−トリメチル−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル)シロラン
【化56】
−78℃に冷却した4,6,8−トリメチル−1,2,3,5−テトラヒドロ−s−インダセン7.78g(39.2mmol)のTHF250ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi15.7ml(39.3mmol)を一度に加えた。この混合物を室温で5時間、撹拌し、次に得られた薄オレンジ色溶液を−50℃に冷却して、CuCN0.88g(9.82mmol、25%)を加えた。得られた混合物を−25℃で30分間、撹拌し、次に、1,1−ジクロロシロラン3.04g(19.6mmol)を一度に加えた。この次に、この混合物を周囲温度で一晩、撹拌した。この溶液をシリカゲル60(40〜63um)のパッドでろ過し、このパッドをさらにジクロロメタン(3×75ml)により洗浄した。合わせた溶出液を蒸発乾固した。残留物をヘキサン−ジクロロメタン(1:1、体積)の混合物に溶解し、得られた溶液をガラスフリット(G3)によりろ過した。得られた黄色粉末をヘキサン30mlにより粉末にし、次にろ別して真空で乾燥した。この手順により1,1−ビス(2,4,8−トリメチル−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル)シロラン8.10g(86%)が白色粉末として得られた。元素分析: C
34H
42Siの計算値: C, 85.29; H, 8.84. 実測値: C, 85.40; H, 9,14.
1H NMR (CDCl
3): δ 6.60 (s), 6.54 (s), 3.37 (s), 2.69-2.91 (m), 2.29 (s), 2.24 (s), 1.99-2.12 (m), 2.00 (s), 1.87 (s), 1.11-1.21 (m), 0.98-1.11 (m), 0.84-0.95 (m), 0.65-0.80 (m), 0.42-0.59 (m), 0.20-0.33 (m).
【0256】
他にはrac−シクロテトラメチレンシリレン−ビス[4,6,8−トリメチル−1,2,3−トリヒドロ−s−インダセン−5−イル]ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シロランジイル−ビス[4,6,8−トリメチル−1,2,3−トリヒドロ−s−インダセン−5−イル]ハフニウムジクロリド(15)
【0257】
【化57】
【0258】
−78℃に冷却したエーテル200ml中の1,1−ビス(2,4,8−トリメチル−1,5,6,7−テトラヒドロ−s−インダセン−1−イル)シロラン3.92g(8.19mmol)の懸濁液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi6.60ml(16.5mmol)を一度に加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。配位子前駆体(proligand)は徐々に、完全に溶解し、次に新たな白色沈殿物が形成した。得られた混合物を−50℃まで冷却し、HfCl
42.63g(8.21mmol)を加えた。この反応混合物を24時間、撹拌すると、黄色沈殿物を多量に含む薄オレンジ色溶液になった。得られた混合物を蒸発乾固し、残留物を熱トルエン200mlにより処理した。この熱混合物をガラスフリット(G4)によりろ過した。ろ液から沈殿した結晶を採集し、真空で乾燥した。この手順によりrac−ハフノセンジクロリドが0.94g得られた。約50mlまで溶媒蒸発させて、−30℃で一晩、結晶化させることにより、母液から第2の結晶収穫物を得た。この手順によりrac−ハフノセンが1.02g得られた。こうして、この合成において単離された錯体の総収率は、1.96g(33%)であった。元素分析: C
34H
40Cl
2HfSiの計算値: C, 56.24; H, 5.55. 実測値: C, 56.42; H, 5.51.
1H NMR (CDCl
3): δ 6.70 (s, 2H), 3.00-3.15 (m, 2H), 2.73-3.00 (m, 6H), 2.49 (s, 6H), 2.17-2.28 (m, 4H), 2.23 (s, 6H), 2.21 (s, 6H), 1.97-2.13 (m, 4H), 1.80-1.96 (m, 2H), 1.46-1.63 (m, 2H).
【0259】
(例16)他にはrac−シクロテトラメチレンシリレン−ビス[4,6,8−トリメチル−1,2,3−トリヒドロ−s−インダセン−5−イル]ハフニウムジメチルと命名される、rac−1,1−シロランジイル−ビス[4,6,8−トリメチル−1,2,3−トリヒドロ−s−インダセン−5−イル]ハフニウムジメチル(16)の合成
【0260】
【化58】
【0261】
−30℃に冷却したトルエン30mlおよびエーテル10mlからなる混合物中のrac−1,1−シロランジイル−ビス[η5−4,6,8−トリメチル−1,2,3−トリヒドロ−s−インダセン−5−イル]ハフニウムジクロリド(15)350mg(0.48mmol)の懸濁液に、エーテル中の2.11M臭化メチルマグネシウム1.00ml(2.11mmol)を一度に加え、この反応混合物を室温で3日間、撹拌した。次に、この反応混合物を溶媒蒸発させて約20mlにし、ガラスフリット(G4)によりろ過して、ろ液を蒸発乾固した。この手順により、meso体約2%が混入しているラセミ錯体が225mg(68%)得られた。元素分析: C
36H
46HfSiの計算値: C, 63.09; H, 6.77. 実測値: C, 69.21; H, 6.83.
1H NMR (CDCl
3): δ 6.63 (s, 2H), 2.84-3.08 (m, 4H), 2.78 (t, J = 7.5 Hz, 4H), 2.43 (s, 6H), 2.26 (s, 6H), 2.10-2.22 (m, 4H), 1.94-2.10 (m, 4H), 2.02 (s, 6H), 1.72-1.87 (m, 2H), 1.31-1.47 (m, 2H), -1.56 (s, 6H).
【0262】
(例17)他にはシクロトリメチレンシリレン−ビス[2,4,7−トリメチルインデン−1−イル]ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シレタンジイル−ビス[2,4,7−トリメチルインデン−1−イル]ハフニウムジクロリド(17)の合成
1,1−ビス(2,4,7−トリメチル−1H−インデン−1−イル)シレタン
【化59】
【0263】
0℃に冷却した2,4,7−トリメチル−1H−インデン7.50g(47.0mmol)のエーテル150ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi19.0ml(47.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩、撹拌した。この次に、THF30mlを加え、得られた混合物を−60℃まで冷却し、CuCN0.42g(4.70mmol)を加えた。この混合物を−30℃まで温め、この温度で2時間、撹拌し、次に、−60℃まで冷却して、1,1−ジクロロシレタン3.31g(23.5mmol)を加えた。得られた混合物を室温で12時間、撹拌し、次に水100mlを加え、有機層を分離した。水層を酢酸エチル(2×100ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をMgSO
4で脱水し、蒸発乾固した。シリカゲル60上のフラッシュクロマトグラフィー(40〜63um、溶離液:ヘキサン)により残留物を精製した。収率3.20g(36%)のracおよびmeso化合物からなる約1:1混合物の黄色油状物。C
27H
32Siの計算値: C, 84.31; H, 8.39. 実測値: C, 84.10; H, 8.47.
1H NMR (CDCl
3): δ 6.87-6.90 (m), 6.73-6.78 (m), 6.65 (s), 6.62 (s), 3.39 (s), 3.38 (s), 2.35 (s), 2.32 (s), 2.24 (s), 2.06 (s), 1.81 (s), 1.48 (m), 1.34 (m), 0.86-1.01 (m).
【0264】
他にはシクロトリメチレンシリレン−ビス[2,4,7−トリメチルインデン−1−イル]ハフニウムジクロリドと命名される、rac−1,1−シレタンジイル−ビス[2,4,7−トリメチルインデン−1−イル]ハフニウムジクロリド(17)
【化60】
【0265】
−60℃に冷却した1,1−ビス(2,4,7−トリメチル−1H−インデン−1−イル)シレタン3.27g(8.50mmol)のエーテル85ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi6.80ml(17.0mmol)を一度に加えた。この混合物を室温で一晩、撹拌した。得られた薄赤色溶液を−60℃まで冷却し、HfCl
42.73g(8.52mmol)を加えた。この反応混合物を24時間、撹拌すると、黄色沈殿物を多量に含む薄黄色溶液になった。得られた混合物を蒸発乾固し、残留物を熱トルエン200mlにより処理した。この熱混合物をガラスフリット(G4)によりろ過した。このろ液を溶媒蒸発させて約50mlにし、黄色沈殿物をろ別した。室温で一晩、得られたろ液の溶液から沈殿した結晶を採集し、真空で乾燥した。この手順によりmeso−ハフノセンが198mg得られた。最初の結晶化後に残ったフィルター上の黄色沈殿物を熱トルエン100mlにより処理した。得られた熱混合物をガラスフリット(G4)によりろ過した。上記の手順を2回、繰り返し、各回に熱トルエン100mlを使用した。合わせたろ液を溶媒蒸発させて約10mlにした。室温、一晩でこの溶液から沈殿した黄色結晶を採集し、真空で乾燥した。この手順によりrac−ハフノセンジクロリドが415mg得られた。
meso−シレタンジイル−ビス[η
5−2,4,7−トリメチル−1H−インデン−1−イル]ハフニウムジクロリド:
元素分析: C
27H
30Cl
2HfSiの計算値: C, 51.31; H, 4.78. 実測値: C, 51.44; H, 7.90.
1H NMR (CDCl
3): δ 6.80 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 6.76 (s, 2H), 6.61 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 2.61-2.74 (m, 2H), 2.66 (s, 6H), 2.51 (s, 6H), 2.31 (s, 6H), 2.19-2.39 (m, 4H).
rac−シレタンジイル−ビス[η
5−2,4,7−トリメチル−1H−インデン−1−イル]ハフニウムジクロリド:
元素分析: C
27H
30Cl
2HfSiの計算値: C, 51.31; H, 4.78. 実測値: C, 51.39; H, 4.69.
1H NMR (CDCl
3): δ 7.00 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 6.82 (s, 2H), 6.77 (d, J = 6.8 Hz, 2H), 2.59-2.72 (m, 2H), 2.59 (s, 6H), 2.32 (s, 6H), 2.25 (s, 6H), 2.22-2.37 (m, 2H), 2.07-2.20 (m, 2H).
【0266】
(例18)rac−テトラメチルシリレン−ビス[4−シクロプロピル−2−メチルインデン−1−イル]ハフニウムジクロリド(18)の合成
7−シクロプロピル−2−メチル−1H−インデン
【化61】
【0267】
4/7−ブロモ−2−メチル−1H−インデン2.00g(9.57mmol)、Pd(dba)
20.11g(0.19mmol)、
tBu
3P0.077g(0.38mmol)およびTHF15mlからなる混合物を室温で5分間、撹拌し、次に、THF中の0.66M
cPrMgBr21.7ml(14.4mmol)を5分間、加えた。得られた混合物を60℃で12時間、撹拌し、次に水性NH
4Cl50mlに注ぎ入れた。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(3×20ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をブライン(30ml)により洗浄し、Na
2SO
4で脱水して、蒸発乾固した。シリカゲル60上のフラッシュクロマトグラフィー(40〜63um、溶離液:ヘキサン)により粗生成物を精製した。収率1.55g(95%)の無色油状物。C
13H
14の計算値: C, 91.71; H, 8.29. 実測値: C, 91.60; H, 8.43.
1H NMR (CDCl
3): δ 7.14 (m, 1H, インデニルの5-H), 7.07 (m, 1H, インデニルの4-H), 6.64 (m, 1H, インデニルの7-H), 6.49 (m, 1H, インデニルの3-H), 3.35 (s, 2H, インデニルの1,1-H), 2.18 (m, 3H, Me), 1.94 (m, 1H,
cPrの1-H), 0.94 (m, 2H,
cPrの2,3-H), 0.73 (m, 2H,
cPrの2’,3’-H).
【0268】
1,1−ビス(4−シクロプロピル−2−メチル−1H−インデン−1−イル)シロラン
【化62】
【0269】
0℃に冷却した7−シクロプロピル−2−メチル−1H−インデン5.40g(32.0mmol)のエーテル100ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi12.8ml(32.0mmol)を加えた。この混合物を室温で12時間、撹拌し、次に、THF11.1mlを加えた。得られた混合物を−60℃まで冷却し、CuCN0.14g(1.60mmol)を加えた。次に、この混合物を−30℃まで温め、この温度で30分間、撹拌し、−60℃まで冷却して、1,1−ジクロロシロラン2.10ml(16.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で24時間、撹拌し、次に、水40mlを加えた。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(2×50ml)により抽出した。合わせた有機抽出物をNa
2SO
4で脱水して、次に蒸発乾固した。シリカゲル60上のフラッシュクロマトグラフィー(40〜63um、溶離液:ヘキサン−ジクロロメタン=10:1、体積)により粗生成物を精製した。収率4.73g(70%)のracおよびmeso化合物からなる混合物の黄色油状物。C
30H
34Siの計算値: C, 85.25; H, 8.11. 実測値: C, 85.39; H, 8.27.
1H NMR (CDCl
3): δ 7.19 (m), 6.93-7.03 (m), 6.83 (m), 6.75-6.78 (m), 3.37 (s), 3.35 (s), 2.16 (s), 2.04-2.10 (m), 1.30-1.35 (m), 1.12-1.19 (m), 1.04-1.10 (m), 0.86-0.95 (m), 0.70-0.77 (m), 0.62-0.68 (m), 0.48-0.58 (m), 0.38 (m).
【0270】
rac−シクロテトラメチルシリレン−ビス[4−シクロプロピル−2−メチルインデン−1−イル]ハフニウムジクロリド(18)
【化63】
【0271】
0℃に冷却した1,1−ビス(4−シクロプロピル−2−メチル−1H−インデン−1−イル)シロラン1.60g(3.78mmol)のエーテル50ml溶液に、ヘキサン中の2.5M
nBuLi3.05ml(7.56mmol)を加えた。この混合物を室温で12時間、撹拌し、次に−50℃まで冷却し、HfCl
4(THF)
21.75g(3.78mmol)を加えた。得られた混合物を室温で一晩、撹拌し、次に、ガラスフリット(G4)によりろ過した。この沈殿物を熱トルエン100mlに注ぎ入れ、形成した熱懸濁液をセライトパッドによりろ過した。ろ液を真空で濃縮し70mlにした。室温でこの溶液から沈殿した結晶を採集し、真空で乾燥した。得られた結晶性粉末(実際にはrac錯体とmeso−錯体との約1:1混合物)をトルエン−エーテル(2:1、体積)180mlから再結晶すると、純粋なrac錯体0.51g(20%)が黄色結晶性物質として得られた。C
30H
32Cl
2HfSiの計算値: C, 53.77; H, 4.81. 実測値: C, 53.54; H, 4.69.
1H NMR (CD
2Cl
2): δ 7.46 (m, 2H, インデニルの7-H), 6.87-6.94 (m, 4H, インデニルの5,6-H), 6.83 (m, 2H, インデニルの3-H), 2.28 (s, 6H, 2-Me), 2.11 (m, 2H, シロランの3/3’-H), 1.87-2.01 (m, 8H,
cPrの1-H, シロランの2,2’-Hおよび3/3’-H), 0.81-0.93 (m, 6H,
cPrの2/3-H), 0.67-0.73 (m, 2H,
cPrの2/3-H).
以下の重合例において使用した比較化合物には、
rac−(PhC
2H
4)
2Si(4,7−Me
2Ind)
2HfMe
2(表4aおよび4b中の触媒IDはC−A)、
rac−(n−C
6H
13)
2Si[4,7−Me
2Ind]
2HfMe
2(表4aおよび4b中の触媒IDはC−B)、
rac−(Me
2Si)
2[4,7−Me
2Ind]
2HfMe
2(表4aおよび4b中の触媒IDはC−C)、
rac−CH
2CH
2[5−t−Bu−7−MeInd]
2HfMe
2(表4aおよび4b中の触媒IDはC−D)、
rac−Me
2Si[2−Me−4−PhInd]
2ZrMe
2(表4aおよび4b中の触媒IDはC−E)、
(Ind=インデニル、Me=メチル、n−C
6H
13=n−ヘキシル、Ph=フェニル、PhC
2H
4=フェネチル、tBu=tert−ブチル、CH
2CH
2=エチレン)が挙げられる。
【0272】
重合例
プレ触媒(上で調製した化合物1〜18、または比較化合物C−A〜C−E)の溶液をトルエン(ExxonMobil Chemical−無水、N
2下で保管)(98%)を使用して作製した。プレ触媒溶液は、通常、0.5mmol/Lとした。明記する場合、一部のプレ触媒は、トリイソブチルアルミニウム(TiBAl、無溶媒、AkzoNobel)を使用して事前にアルキル化した。事前アルキル化は、適量のトルエン中にプレ触媒をまず溶解し、次に、最終プレ触媒溶液が0.5mmolプレ触媒/Lおよび10mmol TiBAl/Lとなるよう、20当量のTiBAlを加えることによって行った。
【0273】
重合用グレードであるトルエンおよび/またはイソヘキサンである溶媒は、ExxonMobil Chemical Co.により供給され、以下の一連のカラム:直列につないだ2本のLabclear(Oakland、Calif.)製の500ccのOxyclearシリンダー、次いで乾燥3Åモルシーブ(8〜12メッシュ、Aldrich Chemical Company)を充填した2本直列の500ccカラム、および乾燥5Åモルシーブ(8〜12メッシュ、Aldrich Chemical Company)を充填した2本直列の500ccカラムに通すことによって精製する。
【0274】
1−オクテン(98%)(Aldrich Chemical Company)をNaK上で一晩撹拌し、次いで塩基性アルミナ(Aldrich Chemical Company、Brockman Basic1)でろ過することによって乾燥した。1−デセンは、活性化13×モレキュラーシーブ(これは、パージした乾燥窒素ガス流下で、200℃で少なくとも4時間、焼成することにより活性化した)20グラムを含む未処理原料1リットルと、Oxi−Clear触媒(Altech Associates、IncまたはDeerfield、Ill.60115から購入)10グラムとを、窒素の乾燥不活性雰囲気下、グローブボックス内で少なくとも2日間、混合することにより精製した。次に、モレキュラーシーブおよび脱酸素触媒をグローブボックス中でろ過することにより除去すると、精製した1−デセンが得られた。代替として、フィードを窒素雰囲気下、活性化した単独の13×モレキュラーシーブ床に通すことにより精製した。
【0275】
重合グレードのエチレンを使用し、これを以下の一連のカラム:Labclear(Oakland、Calif.)製の500ccのOxyclearシリンダー、次いで乾燥3Åモルシーブ(8〜12メッシュ、Aldrich Chemical Company)を充填した500ccカラム、および乾燥5Åモルシーブ(8〜12メッシュ、Aldrich Chemical Company)を充填した500ccカラムに通すことによってさらに精製した。
【0276】
重合グレードのプロピレンを使用し、これを以下の一連のカラム:3Åモルシーブ(8〜12メッシュ、Aldrich Chemical Company)を充填したLabclear製の2250ccのOxiclearシリンダー、次に5Åモルシーブ(8〜12メッシュ、Aldrich Chemical Company)を充填した2本直列の500ccカラム、次に、Selexsorb CD(BASF)を充填した500ccカラム、最後に、Selexsorb COS(BASF)を充填した500ccカラムに通すことによってさらに精製した。
【0277】
プレ触媒の活性化は、メチルアルモキサン(MAO、トルエン中の10質量%、Albemarle Corp.)、ジメチルアニリニウムテトラキスパーフルオロフェニルボレート(Boulder Scientific CorおよびAlbemarle Corp)またはジメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレート(Albemarle Corp)のいずれかによった。MAOは、トルエン溶液中の0.5質量%または1.0質量%として使用した。実験項において報告したMAOのマイクロモルは、MAO中のアルミニウムのマイクロモルに基づく。MAOの式量は、58.0グラム/モルである。ジメチルアニリニウムテトラキスパーフルオロフェニルボレートおよびジメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレートは、通常、トリルエン中の5mmol/L溶液として使用した。
ジメチルアニリニウムテトラキスパーフルオロフェニルボレートまたはジメチルアニリニウムテトラキス(パーフルオロナフチル)ボレートを使用して実施する重合の場合、反応器に活性化剤およびプレ触媒を導入する前に、トリ−n−オクチルアルミニウム(TnOAl、無溶媒、AkzoNobel)も捕捉剤として使用した。TnOAlは、通常、トルエン中の5mmol/L溶液として使用した。
【0278】
反応器の説明および調製
重合は、温度制御用内部ヒーター、ガラス製インサート(C
2、C
2/C
8、C
2/C
10、C
10、およびC
8の実施の場合、反応器の内容積=23.5mL、C
3およびC
2/C
3の実施の場合、22.5mL)、入り口用セプタム、窒素、エチレンおよびプロピレンの制御供給器を装備し、かつ使い捨てPEEK機械式撹拌器(800RPM)を装備した、オートクレーブを使用して、不活性雰囲気(N
2)のドライボックス中で実施した。このオートクレーブに110℃または115℃で5時間、次に25℃で5時間、乾燥窒素をパージすることにより準備を整えた。
【0279】
エチレン重合(PE)またはエチレン/1−オクテン共重合(EO):
反応器を上記の通りに準備を整え、次にエチレンをパージした。MAOで活性化した実施の場合、室温および大気圧で、シリンジによりトルエン、1−オクテン(使用する場合、100μL)および活性化剤(MAO)を加えた。次に、800RPMで撹拌しながら、この反応器を処理温度(80℃)にし、処理圧力(75psiゲージ圧=618.5kPaまたは200psiゲージ圧=1480.3kPa)までエチレンを投入した。次に、このプレ触媒溶液をシリンジにより、処理条件にある反応器に加えた。ジメチルアニリニウムテトラキスパーフルオロフェニルボレートで活性化した実施の場合、室温および大気圧で、シリンジによりトルエン、1−オクテン(使用する場合、100μLまたは200μL)および捕捉剤(TnOAl、0.5μmol)を加えた。次に、800RPMで撹拌しながら、この反応器を処理温度(80℃)にし、処理圧力(75psiゲージ圧=618.5kPaまたは200psiゲージ圧=1480.3kPa)までエチレンを投入した。活性化剤溶液、次いでプレ触媒溶液をシリンジにより、処理条件にある反応器に注入した。重合の間、エチレンをオートクレーブに導入し(コンピューター制御した電磁弁の使用による)、反応器のゲージ圧(+/−2psiゲージ圧)を維持した。反応器の温度をモニタリングし、通常、+/−1℃以内に維持した。重合は、約50psiのO
2/Ar(5モル%のO
2)ガス混合物を約30秒間、オートクレーブに添加することにより停止させた。所定の累積エチレン量の添加(psiでの最大クエンチ値)または最大30分間の重合時間(最大クエンチ時間)後、この重合をクエンチした。その後、この反応器を冷却し、排気した。溶媒を真空で除去した後、ポリマーを単離した。報告した収率は、ポリマーおよび残存触媒の総質量を含む。触媒活性は、反応時間1時間あたりの遷移金属化合物1mmolあたりのポリマーのグラム数(g/mmol・時)として報告する。エチレンホモ重合の実施を表1にまとめ、およびエチレン/1−オクテン共重合の実施を表2aおよび2bにまとめている。
【0280】
エチレン/1−デセン共重合(ED):
反応器を上記の通りに準備を整え、次にエチレンをパージした。室温および大気圧で、シリンジにより、トルエン(4.0ml)、1−デセン(1.0ml)、および捕捉剤(TnOAl、1.0μmol)を加えた。次に、800RPMで撹拌しながら、この反応器を処理温度(T=80、100または120℃)にし、処理圧力(50psiゲージ圧=446.1kPa)までエチレンを投入した。次に、プレ触媒溶液をシリンジにより、処理条件にある反応器に加えた。重合の間、エチレンをオートクレーブに導入し(コンピューター制御した電磁弁の使用による)、反応器のゲージ圧(+/−2psiゲージ圧)を維持した。反応器の温度をモニタリングし、通常、+/−1℃以内に維持した。重合は、約50psiのO
2/Ar(5モル%のO
2)ガス混合物を約30秒間、オートクレーブに添加することにより停止させた。所定の累積エチレン量の添加(最大クエンチ値20psi)または最大30分間の重合時間後、この重合をクエンチした。この反応器を冷却し、排気した。溶媒を真空で除去した後、ポリマーを単離した。実際の重合時間(クエンチ時間)および収率を表3に報告する。報告した収率は、ポリマーおよび残存触媒の総質量を含む。触媒活性は、反応時間1時間あたりの遷移金属化合物1mmolあたりのポリマーのグラム数(g/mmol・時)として報告する。
【0281】
プロピレン重合(PP):
反応器を上記の通りに準備を整え、次に40℃に加熱し、次に大気圧でプロピレンガスをパージした。MAOにより活性化したランの場合、トルエンまたはイソヘキサン、MAOおよび液体プロピレン(1.0mL)をシリンジにより加えた。次に、この反応器を、800RPMで撹拌しながら、処理温度(70℃または100℃)まで加熱した。このプレ触媒溶液をシリンジにより、処理条件にある反応器に加えた。ジメチルアニリニウムテトラキスパーフルオロフェニルボレートまたはジメチルアニリニウムテトラキスパーフルオロナフチルボレートにより活性化したランの場合、イソヘキサン、液体プロピレン(1.0mL)および捕捉剤(TnOAl、0.5μmol)をシリンジにより加えた。次に、この反応器を、800RPMで撹拌しながら、処理温度(70℃または100℃)にした。活性化剤溶液、次いでプレ触媒溶液をシリンジにより、処理条件にある反応器に注入した。反応器の温度をモニタリングし、通常、+/−1℃以内に維持した。約50psiのO
2/Ar(5モル%のO
2)ガス混合物を約30秒間、オートクレーブに添加することにより重合を停止した。重合は、約8〜20psi(psiでの最大クエンチ値)という所与の圧力減少に基づいて、または表5aに列挙している実験の場合、最大30分間の重合時間、または表4aに列挙している実験の場合、最大45分間の重合時間でクエンチした。この反応器を冷却し、排気した。溶媒を真空で除去した後、ポリマーを単離した。実際のクエンチ時間(s)および最大クエンチ値(psi)を報告する。報告した収率は、ポリマーと残存触媒との合計質量を含む。触媒活性は、反応時間1時間あたりの遷移金属化合物1mmolあたりのポリマーのグラム数(g/mmol・時)として報告する。プロピレンのホモ重合の実施例は、表4aおよび4b(PPまたはCPPだけで開始したEx#)および表5aおよび5bに報告されている。
【0282】
エチレン−プロピレン共重合(EP):
反応器を上記の通りに準備を整え、次に40℃に加熱し、次に大気圧でエチレンガスをパージした。次に、列挙したエチレン圧(10、20、40、60または80psid)をこの反応器に加えた。イソヘキサンおよび捕捉剤(TnOAl、0.5μmol)をシリンジにより加えた。次に撹拌器を始動し、800RPMに維持した。次に、液体プロピレン(1.0ml)を反応器に注入した。次に、この反応器を処理温度(70℃)にした。活性化剤溶液、次いでプレ触媒溶液をシリンジにより、処理条件にある反応器に注入した。反応器の温度をモニタリングし、通常、+/−1℃以内に維持した。約50psiのO
2/Ar(5モル%のO
2)ガス混合物を約30秒間、オートクレーブに添加することにより重合を停止した。重合は、約10〜20psiの所与の圧力減少に基づいて、または最大45分間の重合時間でクエンチした。この反応器を冷却し、排気した。溶媒を真空で除去した後、ポリマーを単離した。各ランに関して、クエンチ時間(s)および最大クエンチ値(psi)を表4aに報告する。報告した収率は、ポリマーと残存触媒との合計質量を含む。触媒活性は、反応時間1時間あたりの遷移金属化合物1mmolあたりのポリマーのグラム数(g/mmol・時)として報告する。エチレン/プロピレン共重合例を表4aおよび4bに集めている。
【0283】
1−デセン(PD)および1−オクテン(PO)のホモ重合:
反応器を上記の通りに準備を整えた。室温および大気圧で、シリンジにより、トルエン(4.0ml)、1−デセンまたは1−オクテン(1.0ml)および捕捉剤(TnOAl、2.0μmol)を加えた。次に、この反応器を、800RPMで撹拌しながら、処理温度(T=80、100または120℃)にした。活性化剤溶液(0.044μmol)、次いでプレ触媒溶液(0.040μmol)をシリンジにより、処理条件にある反応器に注入した。この反応器の温度をモニタリングし、通常、+/−1℃以内に維持した。重合は120分間の反応時間後、停止させた。この反応器を冷却し、排気した。溶媒を真空で除去した後、ポリマーを単離した。報告した収率は、ポリマーおよび残存触媒の総質量を含む。触媒活性は、反応時間1時間あたりの遷移金属化合物1mmolあたりのポリマーのグラム数(g/mmol・時)として報告する。1−デセンのホモ重合および1−オクテンのホモ重合の例を、表7に集めている。
【0284】
ポリマー特性決定
分析用試験の場合、震とう器オーブン中、165℃で約3時間、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT、99%、Aldrich製)を含有する1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB、99+%純度、Sigma−Aldrich製)にポリマーを溶解することにより、ポリマー試料溶液を調製した。溶液中のポリマーの通常の濃度は、0.1〜0.9mg/mLであり、BHT濃度は、1.25mg/1ml(TCB)であった。試料を試験するために135℃に冷却した。
【0285】
それらの各々が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許第6,491,816号、同第6,491,823号、同第6,475,391号、同第6,461,515号、同第6,436,292号、同第6,406,632号、同第6,175,409号、同第6,454,947号、同第6,260,407号、および同第6,294,388号に記載されている、自動化「迅速GPC」系を使用して、高温サイズ排除クロマトグラフィーを実施した。分子量(質量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn))、および分子量分布(MWD=Mw/Mn)(これは、時としてポリマーの多分散性(PDI)とも呼ばれる)は、蒸発光散乱検出器を装備しており、かつポリスチレン標準(Polymer Laboratories: Polystyrene Calibration Kit S−M−10:Mp(ピークMw)は、5000と3,390,000との間)により較正したSymyx Technology GPCを使用するゲル浸透クロマトグラフィーによって測定した。Polymer Laboratoriesの直列した3本のPLgel10μm Mixed−B 300×7.5mmカラムを使用して、試料(TCB中のポリマー溶液250μLをこの系に注入した)を2.0mL/分の流速の溶離液(試料温度135℃、オーブン/カラム165℃)で流した。カラムの広がり補正は使用しなかった。数値解析は、Symyx Technologiesから入手可能なEpoch(登録商標)ソフトウェアを使用して行った。得られた分子量は、線状ポリスチレン標準に対するものである。表1、2b、3、4b、5bおよび7中の、上で定義したMn、MwおよびPDIの見出しの下に分子量データを報告する。
【0286】
示差走査熱量(DSC)測定は、ポリマーの融点を決定するためのTA−Q100 instrumentで実施した。試料を220℃で15分間、プレアニーリングし、次に、一晩、室温まで冷却した。次に、この試料を100℃/分の速度で220℃まで加熱し、次に50℃/分の速度で冷却した。加熱時間中に、融点を収集した。結果は、表1、2b、4bおよび5bのTm(℃)の見出しの下に報告する。
赤外分析用試料は、安定化したポリマー溶液をシラン処理したウェハ(部品番号S10860、Symyx)上に堆積させることにより調製した。この方法により、約0.12から0.24mgの間のポリマーが、ウェハセル上に堆積する。続いて、Pikes’ MappIR specular reflectance sample accessoryを装備したBrucker Equinox 55 FTIR分光計で、この試料を分析した。5000cm
-1〜500cm
-1のスペクトル範囲に及ぶスペクトルを、32スキャンで2cm
-1の分解能で収集した。
【0287】
エチレン−1−オクテンコポリマーの場合、コポリマー中のオクテンの質量%は、約1375cm
-1のメチル変角バンドを測定することにより決定した。このバンドのピーク高さを、光路長差を補正した、約4321cm
-1における結合バンドおよび倍音バンドにより正規化した。この正規化したピーク高さを、
1H NMRデータからの個々の較正曲線に関連づけて、オクテンが約2〜35質量%の濃度範囲内の質量%でのオクテン含量を予測した。通常、0.98以上のR
2相関が達成される。表2bのC8質量%の見出しの下に、これらの数字を報告する。
エチレン−プロピレンコポリマーの場合、質量%エチレンは、メチレンの振動バンド(約770cm
-1〜700cm
-1)の測定により決定する。4500cm
-1〜4000cm
-1の範囲における結合バンドおよび倍音バンドのバンド領域の合計により、上記のバンドのピーク面積を正規化する。次に、この正規化したバンド領域を、
13C NMRデータからの較正曲線に補正し、約5〜40質量%の濃度範囲内のエチレンの質量%を予測する。通常、0.98以上のR
2相関が達成される。表4bのC2質量%の見出しの下に、これらの数字を報告する。
【0288】
13C NMR分光法を使用して、表5aおよび5bに収集されている実験において生成した一部のポリプロピレンポリマー試料を特性決定した。特に示さない限り、
13C NMR分光法用のポリマー試料をd
2−1,1,2,2−テトラクロロエタンに溶解し、この試料を150MHzの
13C NMR周波数を有するNMR分光計を使用して、125℃で記録した。ポリマーの共鳴ピークは、mmmm=21.8ppmを参照する。NMRによるポリマーの特性決定に関与する計算は、“Polymer Conformation and Configuration" Academic Press, New York 1969 and J. Randall in "Polymer Sequence Determination, Carbon-13 NMR Method", Academic Press, New York, 1977におけるF. A. Boveyの研究に従う。
【0289】
「立体欠陥/10,000モノマー単位」として測定される立体欠陥は、mmrr、mmrm+rrmr、およびrmrmの共鳴ピークの5000倍の強度の合計から計算する。計算に使用した強度は、試料中のモノマーの総数に正規化する。2,1レジオ欠陥/10,000モノマーおよび1,3レジオ欠陥/10,000モノマーを測定する方法は、標準法に従う。さらなる参照文献には、Grassi, A. et.al. Macromolecules, 1988, 21, 617-622 and Busico et.al. Macromolecules, 1994, 27, 7538-7543が挙げられる。平均メソランレングス=10000/[(立体欠陥/10000C)+(2,1−レジオ欠陥/10000C)+(1,3−レジオ−欠陥/10000C)]。
【0290】
一部の試料の場合、ポリマーの末端基の分析は、30°の単一フリップ角、RFパルスで実施したVarian Unity+400MHz機器を使用する
1H NMRによって求めた。パルス間に8秒の遅れを伴う120パルスをシグナル平均した。ポリマー試料を加熱したd
2−1,1,2,2−テトラクロロエタンに溶解し、シグナル収集を120℃で行った。5.55〜5.31ppmの間の共鳴を使用して、ビニレンを1000個の炭素原子あたりのビニレン数として測定した。5.30〜5.11ppmの間の共鳴を使用して、三置換末端基(「trisubs」)を1000個の炭素原子あたりの三置換基数として測定した。5.13〜4.98ppmの間の共鳴を使用して、ビニル末端基を1000個の炭素原子あたりのビニル数として測定した。4.88〜4.69ppmの間の共鳴を使用して、ビニリデン末端基を1000個の炭素原子あたりのビニリデン数として測定した。表4bに報告されている値は、%ビニレン、%三置換(%trisub)、%ビニルおよび%ビニリデンであり、ここで、百分率は、1000個の炭素原子あたりの総オレフィン性不飽和度に対するものである。
【0291】
重合結果は、以下の表1、2a、2b、3、4a、4b、5a、5b、6および7に収集されている。「Ex#」は、実施例番号を表す。Ex#カラムの見出しの下に、以下の略語が定義される。PE=ポリエチレン、EO=エチレン−1−オクテン、ED=エチレン−1−デセン、PP=ポリプロピレン、EP=エチレン−プロピレン、CPP=比較ポリプロピレン、CEP=比較エチレン−プロピレン、PD=ポリデセン、およびPO=ポリオクテン。CPPおよびCEPと同様の「C」で始まる例は、比較例である。「触媒ID」は、実験に使用したプレ触媒を特定する。プレ触媒を特定する対応番号は、合成実験の項目に位置している。比較例のプレ触媒は、C−Aなどの、「C」の後にダッシュおよび文字を伴って命名される。触媒ID番号の次のアスタリスクは、このプレ触媒が、20当量のTiBAlにより予めアルキル化されたことを示している。「活性化剤ID」は、使用した活性化剤を特定する。「A」はMAOに相当し、「B」はジメチルアニリニウムテトラキスパーフルオロフェニルボレートに相当し、「C」はジメチルアニリニウムテトラキスパーフルオロナフチルボレートに相当する。「触媒(μmol)」は、反応器に加えられたプレ触媒の量である。活性化剤としてMAOを使用したすべての実験の場合、活性化剤/プレ触媒のモル比は500であった。ボレート活性化剤BまたはCを使用したすべての実験の場合、活性化剤/プレ触媒のモル比は1.1であった。T(℃)は、通常、+/−1℃以内に維持された重合温度である。「収率」はポリマー収率であり、触媒残留物の補正はしていない。「クエンチ時間(s)」は、重合ランの実際の継続時間(秒)である。エチレンをベースとする重合ランに関する「クエンチ値(psi)」は、実験に関する、エチレン取込み(転化率)の設定最大量である。重合クエンチ時間が最大設定時間よりも短い場合、エチレン取込量の設定最大値に到達するまで重合を実施した。プロピレン、1−オクテンまたは1−デセンのホモ重合の実施の場合、クエンチ値は、重合中のプロピレン、1−オクテンまたは1−デセンの最大設定圧力減少(転化率)を示す。
【0292】
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
【表4-4】
【0293】
すべての実施の場合で、反応器に加えたトルエンの総量は5mlであり、エチレン圧はエチレン75psiゲージ圧に維持し、最大クエンチ値は、20psiに設定した。すべての重合実施例は、エチレン取込量(最大値または最大クエンチ値)対最大重合時間でクエンチした。「na」は、データが入手できなかったことを示す。
【0294】
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【表5-4】
【0295】
すべての実施の場合で、反応器に加えたトルエンの総量は、1−オクテン100ulを加えた場合、4.9mlであるか、または1−オクテンを200ul加えた場合、4.8mlとした。エチレン圧は、実験により示されている通り、エチレン75psiゲージ圧または200ゲージ圧に維持した。すべての重合実施例は、エチレン取込量(最大クエンチ値)対最大重合時間でクエンチした。
【0296】
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
【表6-4】
【0297】
【表7】
【0298】
【表8-1】
【表8-2】
【表8-3】
【表8-4】
【0299】
【表9-1】
【表9-2】
【表9-3】
【表9-4】
【0300】
【表10-1】
【表10-2】
【表10-3】
【0301】
【表11-1】
【表11-2】
【表11-3】
【0302】
【表12】
【0303】
【表13】
【0304】
本明細書に記載されている文献はすべて、いかなる優先権文献および/または試験手順を含め、それらが本文書と矛盾しない程度に、参照により本明細書に組み込まれているが、但し、最初に出願された出願または出願書類に指定されていない、いかなる優先権書類も参照により本明細書に組み込まれていない。上述の一般説明および具体的な実施形態から明らかなように、本発明の形態が例示され、かつ記載されているが、本発明の主旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正を行うことができる。したがって、本発明はこれにより限定されることを意図するものではない。同様に、用語「含む(comprising)」は、オーストラリア法では、用語「含む(including)」と同義語と見なされる。同様に、組成物、元素、または元素の群が、移行句「含む」に続く場合はいつでも、本発明者らは、組成物、1つまたは複数の元素の列挙に先行する「から本質的になる(consisting essentially of)」、「からなる(consisting of)」、「からなる群から選択される(selected from the group of consisting of)」、または「である(is)」という移行句を伴うものと同じ組成物または元素の群もやはり企図し、その逆も同様であることが理解される。