特表2016-532030(P2016-532030A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-532030(P2016-532030A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(54)【発明の名称】モジュール式建物システム
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/348 20060101AFI20160916BHJP
【FI】
   E04B1/348 C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-533936(P2016-533936)
(86)(22)【出願日】2014年8月14日
(85)【翻訳文提出日】2016年3月3日
(86)【国際出願番号】ES2014070658
(87)【国際公開番号】WO2015022444
(87)【国際公開日】20150219
(31)【優先権主張番号】P201400082
(32)【優先日】2013年8月16日
(33)【優先権主張国】ES
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516045768
【氏名又は名称】ペドラザ パリス,ジョセ フランシスコ
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ペドラザ パリス,ジョセ フランシスコ
(57)【要約】
住空間を作るために、鉄筋コンクリート製のプレハブ式構成部品の連結部または積み重ね部を水平方向または鉛直方向に備えるモジュール式建物システムであって、同様に、前記構成部品間に接続部(200)を備え、構成部品が、鉄筋コンクリート製の閉鎖フレーム(2、2a、2b、2c、2d、2e、2’)、鉄筋コンクリート製のアーチ形天井(34)、および鉄筋コンクリート製の箱形構造から選択される接続部を備え、鉄筋コンクリート製のプレハブ式構成部品が、主となる鉄筋コンクリート製のプレハブ式土木工事に組み込まれる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
住空間を作るために、鉄筋コンクリート製のプレハブ式構成部品の連結部または積み重ね部を水平方向または鉛直方向に備えるモジュール式建物システムであって、
前記構成部品間に接続部(200)を同様に備え、
前記構成部品が、
鉄筋コンクリート製の閉鎖フレーム(2、2a、2b、2c、2d、2e、2’)、
鉄筋コンクリート製の開放フレーム、
鉄筋コンクリート製のアーチ形天井(34)、および/または
鉄筋コンクリート製の箱形構造
から選択され、
前記鉄筋コンクリート製の構成部品が、スラブ上に配置されて建てられ、
前記鉄筋コンクリート製のプレハブ式構成部品を接続したのちに作られる前記建物の空間に光および換気を提供するように設計された壁を備えることを特徴とする、
モジュール式建物システム。
【請求項2】
前記鉄筋コンクリート製の閉鎖フレーム(2、2a、2b、2c、2d、2e、2f、)が、
四角形のフレーム、
矩形のフレーム、
八角形のフレーム、
管状のフレーム
から選択されることを特徴とする、請求項1に記載のモジュール式建物システム。
【請求項3】
前記鉄筋コンクリート製の開放フレームが、
U形フレーム、
L形フレーム、
半円形フレーム
から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載のモジュール式建物システム。
【請求項4】
前記鉄筋コンクリート製のプレハブ式構成部品が、フーチング(10、16)を備えることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のモジュール式建物システム。
【請求項5】
前記接続部(200)が、実継ぎの場合には実継ぎによる接続部を備えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のモジュール式建物システム。
【請求項6】
前記接続部(200)が、平坦な端面どうしを接続する場合には、構成部品を一緒に配置することによる接続部を備えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のモジュール式建物システム。
【請求項7】
前記鉄筋コンクリート製のプレハブ式構成部品が、
接合したフレーム、
アンダーパス(33)、
オーバーパス(33)、
開放C形フレーム、
擁壁(122)
から選択されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のモジュール式建物システム。
【請求項8】
前記鉄筋コンクリート製の構成部品の開放面が、フーチング(16)を有する、既製の鉄筋コンクリート製のゲーブルで実施されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のモジュール式建物システム。
【請求項9】
前記フレームの開放面が、フーチングなしで、基礎スラブに連結された、既製の鉄筋コンクリート製のゲーブルで実施されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載のモジュール式建物システム。
【請求項10】
前記ゲーブルが、土木工事で既に作られたアンダーパス(33)の側部(120)を備えることを特徴とする、請求項8または9に記載のモジュール式建物システム。
【請求項11】
前記接続部(200)が、接合部(201)を備えることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載のモジュール式建物システム。
【請求項12】
前記接合部(201)が、対応するナット(204)と相互作用する支持プレート(203)と共に、前記鉄筋コンクリート製の構成部品の開口部(202)を貫通するねじ棒(206)を備えることを特徴とする、請求項11に記載のモジュール式建物システム。
【請求項13】
前記鉄筋コンクリート製のプレハブ式構成部品が、穴を画定するための開口部(300)を組み込むことを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載のモジュール式建物システム。
【請求項14】
前記鉄筋コンクリート製のプレハブ式構成部品が、土木工事で作られた鉄筋コンクリート製の大型のプレハブ建造物を備えることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載のモジュール式建物システム。
【請求項15】
前記建設された建物(100、101、102、103、104)が、埋設されることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載のモジュール式建物システム。
【請求項16】
前記建設された建物(100、101、102、103、104)が、地上にあることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか1項に記載のモジュール式建物システム。
【請求項17】
前記地上に建設された建物(100、101、102、103、104)が、断熱材を備えることを特徴とする、請求項16に記載のモジュール式建物システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール式建物システム(modular building system)に関し、この場合の建物とは、住宅用から行政または産業上の用途まで利用範囲の広い住戸型の建造物を指すと理解される。
【0002】
本発明の技術分野は、建築分野に関し、より具体的には、工業化建築の理念に基づくモジュール式の空間の建築に関する。
【背景技術】
【0003】
幅広い建設の分野には、最も広く用いられている従来の建設工法があり、その工事は、すべて現場で行われ、様々な素材、労力、エネルギー、建築技術などを用い、大量の廃棄物を生ずる。
【0004】
別のシステムとしては、工場製住宅(manufactured home)のシステムがある。このタイプの住宅は、最終的な組み立てを除いて、ほぼすべての空間が工場で製造されることを特徴としている。この設計および計画では同じものを大量に生産することが可能であるが、通常、小空間に限られる。新しい設計を採用するためには、工場で新しい施工計画を採用しなければならない点で、このシステムの設計は柔軟性を欠く。
【0005】
もう一つのシステムは、先の2つの中間に位置付けられるプレハブであり、建物の主要部分は、工場で製造され、その後、建物の残りの部分へと現場で組み込まれることを特徴としている。プレハブは、産業用および農業用のユニットの建設用として大いに普及している。プレハブシステムの寸法および構成部品は、モジュール式モデルを対象としていない。
【0006】
スペイン国特許第2159212(B1)号、スペイン国特許第2094179号、スペイン国特許出願公開第2264391(A1)号などが、包囲空間の建設のためのモジュール式構造を提案している。
【0007】
本発明の技術的、構造的および構成要素の特性に似た特性を持つ鉄筋コンクリートプレハブ建造物に基づくモジュール式建築モデルは、出願人が知る限り他に存在しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のモジュール式建物システムによれば、住空間(住宅用、行政、産業)の建設において設計、サイズおよびロバスト性の自由度が得られ、建設、素材、労働時間およびエネルギーなどの著しい削減によって建築コストを極めて低くすることができ、事実上廃棄物を出さず、また建物の保守管理を必要としないために、頑丈な、環境に優しい建物が実現される。さらに、建物を埋設してもよく、約18〜21℃となる内部の微気候のおかげで、暖房および冷房の形態での不必要なエネルギー消費を回避することができ、エネルギー消費に由来する二酸化炭素排出を回避することができることから、極めて経済的かつ環境に溶け込む持続可能な建物となる。
【0009】
さらに、プロジェクトは、極めて短期間で完了する。
【0010】
本発明のシステムによれば、建物の空間の設計および寸法の自由度が高い建物を作ることができ、また、新しい空間を作ったり、既存の空間を拡大したりといった、後の空間の拡大が低コストで可能になる。建設工事は不要であり、建物の美観を変えてしまうこともない。
【0011】
本発明によれば、本システムは、住空間を作るために、鉄筋コンクリート製のプレハブ式構成部品の簡便な連結部および/または積み重ね部を水平方向および鉛直方向に備えるシステムであって、同様に、プレハブ式構成部品間に接続部を備え、プレハブ式構成部品が、
−鉄筋コンクリート製の閉鎖フレーム、
−鉄筋コンクリート製の開放フレーム、
−鉄筋コンクリート製のアーチ形天井、
−鉄筋コンクリート製の箱形構造
から選択される。
【0012】
構成部品を組み合わせて配置することによって、プロジェクトのニーズに応じて、これらを水平方向または鉛直方向に接続して−これらを積み重ねて−、複数階建てまたは様々な構成の建物を作ることができる。
【0013】
本発明のシステムで建物を作る場合、その実施形態として特に好適な形状というものがあるわけではないため、これらの構成部品を自由に組み合わせてよい。設計およびプロジェクト毎にその目的を達成するために最も便利な形が要求される。すなわち、不特定数のこれらの構成部品に関して、各構成部品の寸法だけでなく、水平、鉛直または積み重ねでの取り得る組み合わせである。
【0014】
最終的な目的地でプロジェクトに従ってスラブ上にフレームを配置すれば、および/または既に設置してあるフレームの上にフレームを載置して連結すれば、構造的に完成された堅牢な建物が得られる。建物の空間に光と通気を与えるために設計された壁は例外であり、これは、最終的な工事完成のための顧客の予算と好みによって決まる。
【0015】
構成部品またはフレームは、実継ぎを用いて接続してもよく、あるいは平坦な端面どうしを接続する場合には、構成部品を接続するために一緒に配置することによって接続してもよい。フレームは、必要とされる階数に応じて、水平に、鉛直に、または積み重ねて配置してよい。
【0016】
鉄筋コンクリート製の前述のフレームまたは構成部品は、
−いくつかの異なる形状、すなわち、四角形、矩形、八角形、管状、アーチ形天井などの形状の閉鎖フレームと、
−異なる「U形」または「L形」形状、フーチングの有無を問わない箱形構造、あるいは半円形の形状などの開放フレームと、
を備える。
【0017】
これらのプレハブ建造物の高さ、幅および長さには、0.5メートル×0.5メートルの多種多様な寸法があり、様々なタイプのものが幅広く市販されているし、場合によっては、特定の形態と特定の寸法で新しく作られていることもある。
【0018】
プレハブ建造物は、元々は土木工事のものであり、改良として、本発明のシステムによって土木工事の用途(海洋構造物、高速道路、鉄道、油圧作業、空港)とは異なる用途を与えたものである。
【0019】
上に記載したものに加えて、接合したフレーム、アンダーパス、オーバーパス、開放C形フレームおよび擁壁もまた使用してもよい。一般に、すべてのフレームまたは構成部品は、フーチングを備えていても備えていなくてもよい。
【0020】
本発明のシステムによって、多くの異なる機能、設計オプションおよびロバスト性構造を有する建物を作ることができる。−例えば、家族、レジャー、スポーツ、ホテルなど用の住居。−ならびに行政の建物、事務所、学校、文化施設など、あるいはその他の用途としては、穀物を貯蔵するサイロ、ワインセラー、養魚場、軍用としては、兵舎、弾薬補給処、武器貯蔵、家畜用など、土木工事の用途からいずれも離れている。
【0021】
プロジェクトは短期間で完了するが、これは、3つの建設プロセスが縮小される、つまり、基礎、架構および外囲のプロセスは1つに組み合わされるためであり、これにより、費用と工事完了までの期間、そしてプレハブユニットの価格が削減される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明のシステムの一般的な閉鎖フレームを示す図である。
図2】閉鎖フレームを形成するために接続され得る各開放フレームを示す図である。
図3】閉鎖フレームを形成するために接続され得る各開放フレームを示す図である。
図4】本発明のシステムで作られる建物の3つの例を示す図である。
図5】本発明のシステムで作られる建物の3つの例を示す図である。
図6】本発明のシステムで作られる建物の3つの例を示す図である。
図7】それぞれ、本発明のシステムで使用可能なアーチ形天井の構成部品を並べたもの、およびこの同じアーチ形天井を組み立てたものを示す図である。
図8】それぞれ、本発明のシステムで使用可能なアーチ形天井の構成部品を並べたもの、およびこの同じアーチ形天井を組み立てたものを示す図である。
図9】本発明のシステムで作られる建物の別の実施形態を示す図である。
図10】例えばゲーブルを築くために本発明のシステムで使用可能な、土木工事で既に作られたアンダーパスの2つの側部の両側を示す図である。
図11】例えばゲーブルを築くために本発明のシステムで使用可能な、土木工事で既に作られたアンダーパスの2つの側部の両側を示す図である。
図12】本発明のシステムで作られる建物の別の実施形態を示す図である。この場合、既存のアンダーパスがある。
図13】本発明のシステムのプレハブ式部品間において実継ぎではない接続を強化するための接合部を示す詳細図である。
図14図9の実施形態を示す図である。ここでは、接合部を接続するためのねじ棒を通すための開口部を見ることができる。
図15】通過用または穴を設けるための機能的な開口部を有する、図1の一般的なフレームのそれぞれを示す図である。
図16】通過用または穴を設けるための機能的な開口部を有する、図1の一般的なフレームのそれぞれを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1は、本発明による鉄筋コンクリート製の一般的な閉鎖フレーム(2’)の斜視図であり、その幅、高さおよび奥行きは既に規格化されている数ある市販のもののうちの任意の寸法であってよいし、あるいは特定の寸法で新しく作られるものであってもよい。他方、図2は、開放U形フレーム(3)の斜視図であり、これは、図3に示す別の相補的なU形フレーム(4)で補完され得るものであり、高さ、幅および奥行きは既に規格化されている数ある市販のもののうちの任意の寸法であってよいし、あるいは特定の寸法で新しく作られるものであってもよい。
【0024】
図4は、これらの構成部品またはフレームを接続、載置および組み合わせることによって構成することができる数あるもののうち、本発明のシステムによる建物(100)の具体的な構成を示しており、これは、42平方メートルの住宅構造を形成しており、この住宅構造は、台所−リビングルーム(50)、寝室(51)および玄関(52)を形成する、幅4メートル、高さ3メートルおよび奥行き1.5メートルの5つの第1の閉鎖フレーム(2)と、合わせて浴室(53)を形成する、幅2メートル、高さ3メートルおよび奥行き1.5メートルの2つの第2の閉鎖フレーム(2a)と、各部屋を繋ぐ廊下(54)を形成する、幅2メートル、高さ3メートルおよび奥行き1.5メートル深さの4つの第3の閉鎖フレーム(2b)とを備え、これらのすべてが対応するスラブ(図示せず)上にある。
【0025】
図5は、本発明のシステムによる建物(101)の別の具体的な構成を示しており、これは、93平方メートルの建物であり、この建物は、台所(60)、3部屋の寝室(61)および玄関(62)を形成する、幅4メートル、高さ3メートルおよび奥行き1.5メートルの12の第1の閉鎖フレーム(2)と、合わせて浴室(63)を形成する、幅2メートル、高さ3メートルおよび奥行き1.5メートルの2つの第2の閉鎖フレーム(2a)と、隣接する寝室(61)の浴室またはウォークインクローゼットを形成する、幅2メートル、高さ3メートルおよび奥行き1.5メートル深さの4つの第4の閉鎖フレーム(2c)とを備える。
【0026】
図6は、例えば、事務所用の別の具体的な建物構成(102)を示しており、これは、52.2平方メートルの利用可能な空間を各階に有し、さらに27平方メートルのパティオまたは駐車場を有するが、この建物構成は、1列を重ねた状態で2階建て(70、71)である、幅7メートル、高さ2.5メートルおよび奥行き1.5メートルの10の第5の閉鎖フレーム(2d)と、パティオ(72)を形成する、幅6メートル、高さ2.5メートルおよび奥行き1.5メートルの3つのU形フレーム(3)と、階段吹き抜け(73)および玄関(74)となる、幅3メートル、高さ5メートルおよび奥行き1.5メートルの2つの第6の閉鎖フレーム(2e)とを備える。
【0027】
図7は、アーチ形天井(34)の一部またはフレームを形成する3つの構成部品(8、9)の斜視図である。
【0028】
図8は、製作されるアーチ形天井(34)を作る構成部品(8、9)の取り得る配置を示す斜視図である。この図では、側部(8)にはフーチング(10)がみられる。フーチングを持たない場合、基礎の上に置いてもよい。この空間は、大きさに応じて多様な使い方のために設計できる。
【0029】
上に記載したものに加える改良として、図示しないが、接合したフレーム、アンダーパス、オーバーパス、開放C形フレームおよび擁壁もまた使用してもよい。一般に、すべてのフレームまたは構成部品は、フーチングを備えていても備えていなくてもよい。
【0030】
図9は、図4の建物(102)を修正したものである別の建物(103)を示しており、これは、利用可能面積が60平方メートルの建物であり、この建物は、台所−リビングルーム−ダイニングルーム(90)、寝室(91)および玄関を形成する、幅4メートル、高さ3メートルおよび奥行き1.5メートルの5つの第1の閉鎖フレーム(2)と、合わせて各部屋を繋ぐ廊下(92)を形成する、幅2メートル、高さ3メートルおよび奥行き1.5メートルの5つの第2の閉鎖フレーム(2a)と、浴室付き寝室(93)を形成する、幅3メートル、高さ3メートルおよび奥行き1.5メートル深さの2つの第7の閉鎖フレーム(2f)とを備える。
【0031】
鉄筋コンクリート製の構成部品の開放面の外囲は、フーチング(16)を有する、同様に既製の鉄筋コンクリート製のゲーブルで実施することができるが、フーチングなしで配置して、図示していないが、地面の上の基礎スラブに連結することもできる。これらのゲーブルは、土木工事で既に作られたアンダーパスの側部(120)によって、これらの構成部品を利用して構成することができる。図10および図11にこれらの構成部品を示す。
【0032】
図12は、本発明による別の建物構成(104)を示しており、側部(120)およびまぐさ(121)を有する既製の土木工事によるアンダーパス(33)から作られ、擁壁(122)を有する。建物を作る構成部品の多様な寸法に応じて、あらゆる用途向けに生物気候学的に設計された空間を作ることができ、これには、出入り可能な側部または出入りのためのゲーブルを除いて、ロバスト性のおかげで、建物または本発明のシステムによって作られる任意の他の建物を埋設し、地下蔵のような住構造または生物気候学的に設計された空間を達成できる可能性を含んでいる。理屈の上では、建物を埋設する必要はなく、地上に置いたままであってもよく、他のタイプの断熱材を設けてもよいし、あるいは屋根さえ設けてもよい。
【0033】
構成部品間の接続部(200)は、実継ぎにより接続してもよく、あるいは平坦な端面どうしを接続する場合には、構成部品を一緒に配置することによって接続してもよい。構成部品は、それぞれの設計における所定の場所に運ばれ、プロジェクトで規定されたとおりに配置され、建物に接続される。
【0034】
構成部品間の接続部(200)を強化するために、本発明は、接合部(201)を備える。これらの接合部は、様々な形態で実施することができ、例えば、接続する構成部品の開口部(202)を貫通するねじ棒(206)と、対応するナット(204)と相互作用する支持プレート(203)とによって実施することができる(図13の拡大部分を参照)。図14図9の建物が示され、ゲーブル、または覆い(図示せず)を接続するためのねじ棒(図示せず)を通すための開口部(202)を示している。
【0035】
加えて、本発明のシステムでは、鉄筋コンクリート製のプレハブ式構成部品は、製造段階で開口部(300)を組み込むことができるようになっており、開口部(300)は、内部の貫通孔、窓、天窓などを画定する働きをし得る。これらの開口部(300)は、鉄筋コンクリート製のプレハブ式構成部品の形状で設計され、多くの様々な形状および諸ケースに応じた必要な寸法を有し得る。図15および図16は、様々な位置に開口部(300)を有する、図1の一般的な閉鎖フレーム(2’)の実施形態を示している。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
【国際調査報告】