(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-532034(P2016-532034A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(54)【発明の名称】ドアシールアセンブリ
(51)【国際特許分類】
E06B 7/215 20060101AFI20160916BHJP
E06B 7/22 20060101ALI20160916BHJP
【FI】
E06B7/215
E06B7/22 J
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-537901(P2016-537901)
(86)(22)【出願日】2014年8月29日
(85)【翻訳文提出日】2016年4月18日
(86)【国際出願番号】US2014053446
(87)【国際公開番号】WO2015031776
(87)【国際公開日】20150305
(31)【優先権主張番号】61/871,946
(32)【優先日】2013年8月30日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG
(71)【出願人】
【識別番号】500413696
【氏名又は名称】ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】B/E Aerospace, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】バード ピーター
【テーマコード(参考)】
2E036
【Fターム(参考)】
2E036AA02
2E036AA03
2E036BA01
2E036CA06
2E036DA02
2E036EB02
2E036EC02
2E036FA04
2E036FA10
2E036FB02
2E036GA02
2E036HA02
2E036HB13
2E036HC02
2E036HC07
(57)【要約】
回転するドアと、ドアに枢着されたシール部材であって、床と接触する第1の位置と、床と非接触の第2の位置との間を枢動するように構成されたシール部材と、ドアの開閉に応じて、シール部材の枢動運動を引き起こすように構成されたレバーと、レバーを非作動位置の方へ付勢し押しやる付勢部と、レバーを作動させるように設けられている分離展開ストッパと、を備えるドアアセンブリ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転して開放および閉鎖されるように構成されたドアと、
前記ドアの底縁部に沿って枢着されたシール部材であって、床と接触する第1の位置と、前記床と非接触の第2の位置との間を枢動するように構成されたシール部材と、
前記ドアの開閉に応じて、前記シール部材の枢動運動を作動するように構成されたレバーと、
前記レバーを非作動位置の方へ付勢し、前記シール部材を前記第2の位置の方へ付勢するように構成された付勢部材と、
を備えるドアアセンブリ。
【請求項2】
前記ドアから分離しており、前記ドアが閉鎖されるときに、前記シール部材を前記第1の位置へ移動するように前記レバーを作動させる位置に配置されている展開ストッパをさらに備える、請求項1に記載のドアアセンブリ。
【請求項3】
前記ドアを閉鎖すると、前記展開ストッパが、前記レバーを前記ドアに向かう方向に押しやり、かつ、前記シール部材を前記第1の位置の方へ押しやり、
前記ドアを開放すると、前記付勢部材が、前記レバーを前記ドアから離れる方向に押しやり、かつ、前記シール部材を前記第2の位置の方へ押しやる、請求項2に記載のドアアセンブリ。
【請求項4】
前記シール部材および前記レバーが一体的に形成され、前記ドアからそれぞれ反対の方向に延在する、請求項1に記載のドアアセンブリ。
【請求項5】
前記シール部材および前記レバーは、前記ドアの底部に沿う共通の水平な枢軸の周りを枢動する、請求項1に記載のドアアセンブリ。
【請求項6】
前記シール部材は、細長い剛性の帯状部材を備えており、
前記細長い剛性の帯状部材は、前記細長い剛性の帯状部材から共通の方向に伸びる複数の弾性変形可能な毛を有する、請求項1に記載のドアアセンブリ。
【請求項7】
前記ドアを閉鎖すると、前記レバーは前記ドアに向かう方向に押しやられ、かつ、前記シール部材は前記第1の位置の方へ押しやられ、
前記ドアを開放すると、前記付勢部材は前記レバーを前記ドアから離れる方向に、かつ、前記シール部材を前記第2の位置の方へ押しやる、請求項1に記載のドアアセンブリ。
【請求項8】
前記シール部材は、前記ドアの底部の長さに沿って延在する、請求項1に記載のドアアセンブリ。
【請求項9】
ドアの底縁部に沿って枢着されたシール部材であって、床と接触する第1の位置と、前記床と非接触の第2の位置との間を枢動するように適用されたシール部材と、
前記ドアの開閉に応じて、前記ドアに取付けられている前記シール部材の枢動運動を引き起こすように構成されたレバーと、
前記レバーを非作動位置の方へ付勢し、前記シール部材を前記第2の位置の方へ付勢するように構成された付勢部材と、
を備えるドアシールアセンブリ。
【請求項10】
前記レバーから分離され、前記ドアの近くに配置するように設けられている、展開ストッパであって、前記ドアが閉鎖されるときに、前記レバーを作動させる展開ストッパをさらに備える、請求項9に記載のドアシールアセンブリ。
【請求項11】
前記シール部材および前記レバーが一体的に形成され、それぞれ反対の方向に延在する、請求項9に記載のドアシールアセンブリ。
【請求項12】
前記シール部材および前記レバーは、前記ドアの底部に沿う共通の水平な枢軸の周りを枢動する、請求項9に記載のドアシールアセンブリ。
【請求項13】
前記シール部材は、細長い剛性の帯状部材を有しており、
前記細長い剛性の帯状部材は、前記細長い剛性の帯状部から共通の方向に伸びる複数の弾性変形可能な毛を有する、請求項9に記載のドアシールアセンブリ。
【請求項14】
前記ドアを閉鎖すると、前記レバーを前記ドアに向かう方向に押しやり、かつ、前記シール部材を前記第1の位置の方へ押しやり、
前記ドアを開放すると、前記付勢部材が前記レバーを前記ドアから離れる方向に押しやり、かつ、前記シール部材を前記第2の位置の方へ押しやる、請求項9に記載のドアシールアセンブリ。
【請求項15】
前記レバーは、前記ドアが閉鎖されるときに、前記シール部材を前記第1の位置の方へ枢動し、前記ドアが開放されるときに、前記シール部材を前記第2の位置へ枢動するように設けられている、請求項9に記載のドアシールアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してドアシールアセンブリに関し、特に、ドアの底縁部に沿って取り付けられるように構成されたドアシールアセンブリに関する。ドアシール材は、ドアが閉鎖されているときの床と接触する第1の位置と、ドアが開放されているときの床と非接触であり、それによりドアが自由に回転することを許容する第2の位置と、の間で回転軸の周りを枢動するように構成される。第1の位置と第2の位置の間のドアシールアセンブリの枢動運動は、ドアの開閉に応じて、レバーによって引き起こされる。
【背景技術】
【0002】
ドアシール材は、ドアの底部と床との間の隙間を封止するために、ドアの底縁部に沿って設け得ることが一般的に知られている。一般的に、ドアシール材は、ドアの密閉性を確実にするために設けられ、特に隣接する空間が異なる温度、湿度レベル等に維持されている場合に、隣接する空間の間を、隙間を通って空気が流れないようにするために設けられる。本発明が特に適用されうるそのような隣接空間の1つの例としては、飛行機内の乗客区画と格納区画が挙げられる。例えば、飲料カートは、隣接する乗客区画よりも低い温度に維持された空間に格納される場合がある。従って、底部ドアシール材は、この用途において、ドアが閉鎖されているときに、2つの空間の温度差を維持し、2つの空間の間を空気が流れることを防止するために有用である。
【0003】
ドアの縁部に沿って設けられる従来のドアシール材は、固定されている。従って、床の上の妨害物(例えば永久的妨害物およびごみ)に対処できず、ドアの回転運動を制限し、ドアが回転して開閉されるときに床に沿って引きずられ、シール材の早期摩耗を引き起こす。摩耗したシール材は効果がなくなるため、交換しなければならない。これは、コストの増大および作業中断時間をもたらす。さらに、固定されたシール材は、ドアが回転して開閉されるときに、カーペットの上を引きずられ、カーペットの早期摩耗を引き起こす。
【0004】
従って、ドアシール材の早期摩耗を低減し、床のカバー材を保護し、及び、ドアの自由な回転を促すために、本発明は、ドアが開閉されるときに、自動的に枢動して床と接触及び非接触となるように、構成された改良型ドアシール材を提供する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、ドアの底部と床との間の隙間を封止するように構成された底部ドアシール材を提供することが本発明の目的である。
【0006】
ドアが回転するときのシール材及び床カバー材の早期摩耗を防止するために、ドアが開放されているときに床と非接触となるように枢動するように構成されたドアシール材を提供することが本発明のさらなる目的である。
【0007】
ドアが閉鎖されるときに床と接触する位置まで自動的に移動し、それにより床シール材として有効になり、ドアが開放されるときに床と非接触となる位置まで移動し、それによりドアが自由に回転することを許容する作動式ドアシール材を提供することが本発明のさらなる目的である。
【0008】
ハンズフリー操作用に構成されたドアシール材を提供することが本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述の目的及び他の目的、利点を達成するため、本発明の第1実施例は、回転して開放および閉鎖されるように構成されたドアと、ドアの底縁部に沿って枢着され、床と接触する第1の位置と、床と非接触の第2の位置との間を枢動するように構成されたシール部材と、ドアの開閉に応じて、シール部材の枢動運動を引き起こすように構成されたレバーと、レバーを非作動位置の方へ付勢し、シール部材を第2の位置の方へ付勢するように構成された付勢部材と、を備えるドアアセンブリを提供する。
【0010】
さらなる態様では、ドアから分離された展開ストッパであって、ドアが閉鎖されるときに、シール部材を第1の位置へ移動するようにレバーを作動させる位置に配置されている展開ストッパを備えてもよい。
【0011】
さらなる態様では、ドアを閉鎖すると、展開ストッパがレバーをドアに向かう方向に押しやり、シール部材を第1の位置の方へ押しやるようにしてもよく、ドアを開放すると、付勢部材がレバーをドアから離れる方向に押しやり、シール部材を第2の位置の方へ押しやるようにしてもよい。
【0012】
さらなる態様では、シール部材およびレバーが一体的に形成され、ドアからそれぞれ反対の方向に延在してもよい。
【0013】
さらなる態様では、シール部材およびレバーは、ドアの底部に沿う共通の水平な枢軸の周りを枢動してもよい。
【0014】
さらなる態様では、シール部材は、細長い剛性の帯状部材を備えており、細長い剛性の帯状部材は、細長い剛性の帯状部材から共通の方向に伸びる複数の毛を有してもよい。
【0015】
さらなる態様では、複数の毛は、ドアの経路において、障害物に対処できるように弾性変形可能であってもよい。
【0016】
さらなる態様では、ドアを閉鎖すると、レバーをドアに向かう方向に押しやり、及びシール部材を第1の位置の方へ押しやってもよく、ドアを開放すると、付勢部材がレバーをドアから離れる方向に、及びシール部材を第2の位置の方へ押しやってもよい。
【0017】
さらなる態様では、シール部材は、ドアの底部の長さに沿って延在してもよい。
【0018】
他の実施形態において、本願では、ドアの底部に沿って取付けられるドアシールアセンブリが提供される。ドアシールアセンブリは、ドアの底部に沿って枢着されたシール部材であって、床と接触する第1の位置と、床と非接触の第2の位置との間を枢動するように適合されたシール部材と、ドアの開閉に応じて、シール部材の枢動運動を引き起こすように設けられたレバーと、レバーを非作動位置の方へ付勢し、シール部材を第2の位置の方へ付勢するように設けられた付勢部材と、を備える。
【0019】
さらなる態様では、ドアシールアセンブリは、ドアの近くに配置するように設けられ、レバーから分離され、ドアが閉鎖されるときに、レバーを作動させる展開ストッパを備えてもよい。
【0020】
さらなる態様において、ドアを閉鎖すると、レバーが移動して分離展開ストッパと接触し、それによりレバーをドアに向かう方向に押しやり、シール部材を床と接触する第1の位置の方へ枢動させてもよい。
【0021】
さらなる態様において、ドアを開放すると、レバーが移動して分離展開ストッパと非接触になり、それにより付勢部材がレバーをドアから離れる方向に押しやることを許容し、その結果、シール部材を床と非接触になる第2の位置の方へ枢動させてもよい。第2の位置は床から浮き上がっている。
【0022】
さらに別の実施形態では、本願で提供されるのはドアアセンブリであって、ドアと、床と接触する第1の位置と、床と非接触の第2の位置との間で移動するように構成されたドアの底縁部に沿って枢着されたシール部材と、ドアが開閉されるときに第1および第2の位置の間でシール部材を枢動するように構成されたレバーと、作動レバーを非作動位置の方へ付勢するように構成された付勢部材と、ドアが閉鎖されるときに作動レバーを作動するように構成された分離展開ストッパと、を備えるドアアセンブリである。
【0023】
本発明の実施形態は、上記の特徴および構成の1つまたは複数あるいはいずれかの組合せを含むことができる。
【0024】
本発明のさらなる特徴、態様および利点は、後続の詳細な説明に記載され、および部分的にはその記載から当業者に容易に明らかになるか、または本明細書に記載されるように本発明を実行することによって理解されるであろう。前述の概要および以下の詳細な説明の両方は、本発明の様々な実施形態を提示し、および特許請求される本発明の特性および特徴を理解するための概説または枠組みを提供することを目的としていることが理解されよう。添付図面は、本発明のさらなる理解を提供することを目的とし、および本明細書に組み込まれ且つ本明細書の一部を構成する。
【0025】
本発明のこれらのおよび他の特徴、態様および利点は、添付図面を参照して以下の本発明の詳細な説明を読むとき、より良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の実施形態によるドアシールアセンブリの側面図であり、床と非接触(すなわち浮き上がっている)のドアシール材を示す。
【
図2】
図1のドアシールアセンブリの側面図であり、床と接触するドアシール材を示す。
【
図3】
図1のドアシールアセンブリの側面図であり、サイドカバープレートが取り外された状態で示されている。
【
図4】床と非接触の位置にあるドアシールアセンブリを示す斜視図である。
【
図5】床と非接触に位置し、それによりドアシール材と床との間をドアが自由に回転することを許容する隙間を提供するドアシールアセンブリを示す正面図である。
【
図6】床と接触するドアシールアセンブリを示す斜視図である。
【
図7】床と接触することにより、ドアが閉鎖されるときに、ドアの底部でシール材を有効とするドアシールアセンブリを示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
次に、添付図面を参照し、これ以後、本発明をより詳細に記載する。添付図面には、本発明の例示的実施形態が示されている。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載された代表的な実施形態に限定されるように解釈されるべきでない。それら例示的実施形態は、本開示が徹底的および完全になるように、ならびに本発明の範囲を完全に伝え、および当業者が本発明を作製、使用且つ実行することを可能にするように提供される。様々な図面を通して同様の参照番号は同様の要素を指す。
【0028】
図面を参照すると、ドアシールアセンブリ、および、シール材を備えるドアアセンブリの実施形態が提供される。ドアシールアセンブリ、およびシール材を備えるドアアセンブリは、一般的に、底部ドアシール材を有しており、底部ドアシール材は、ドアが閉鎖されるときに床と接触する第1の位置と、ドアが開放されるときにシール材が床から持ち上げられる(すなわち浮き上がる)第2の位置との間で移動(例えば枢動)する。それにより、ドアが閉鎖されるときにドアを密閉し、ドアが開放されるときにドアが自由に回転することを許容するように構成されている。ドアが回転するときにシール材を持ち上げる能力は、さらに、他の利点の中でもとりわけ、シール材を早期摩耗から保護し、床カバー材(すなわちカーペット)の摩耗を防止する。
【0029】
本明細書に記載されるアセンブリは、シール材を移動するためにアクチュエータ(例えばレバー)を使用し、このアクチュエータは、ドアがほぼ閉鎖されているとき、および閉鎖されているときに、展開ストッパまたは同様の構造物と係合するように構成されている。この構成は、ドアが閉鎖されるとき、シール材が「自動的に」展開されることを可能にする。従って、ハンズフリー型の展開、およびドア閉鎖と同時の展開を実現する。アセンブリは、既存のドアに取り付けられる改装キットとして構成されてもよく、又は、完全なドアアセンブリとして提供されてもよい。本明細書に記載されるアセンブリは、あらゆる用途における底部ドアシール材を提供するように使用可能であり、戸口の経路に永久的および/または一時的な妨害物が存在し得る用途に特に適している。本ドアシール材は底部ドアシール材として本明細書に記載されているが、本シール材はサイドまたは上部ドアシール材として使用するために容易に適合できることが想定される。
【0030】
図1〜3を参照すると、本発明の実施形態によるドアシールアセンブリは、全体的に参照番号20で示されている。ドアシールアセンブリ20は、ドア30の底部または底縁部に沿って枢着されるように適合されたシール部材22と、ドアの開閉に応じてシール部材の回転(例えば枢動)運動を作動するように構成されたレバー24と、を概して備える。シール部材22およびレバー24は、一体的に形成されてもよく、共通の枢軸32の周りを反対方向に枢動する。示されるように、シール部材22およびレバー24は、ドア30の底縁部に沿って水平に配置された細長い円筒状ロッド40の周りを枢動し得る。ロッド40は、その両端部を一対の離間されたカバープレート44によって保持されてもよく、カバープレート44は、ロッド40および/またはシール部材およびレバー構成が枢軸32の周りを枢動することを許容する。示されるように、作動レバー24は、ロッド部材40の周りでシール部材22の正反対に位置し、レバーが移動されるときシール部材の展開および後退を作動する。
【0031】
ドアシールアセンブリ20はさらに、ドア30から離れる方向にレバー24を付勢するように配置された付勢部材26と、ドアがほぼ閉鎖されているとき、および完全に閉鎖されているときにレバーを作動するためにレバー24と係合するように位置付けられた分離展開ストッパ28と、を備える。この構成において、付勢部材26は、ドアがある程度まで開放されており、レバーが展開ストッパ28と接触していないきに、レバー24をドア30から離れる方向に押しやることができ、それによりシール部材22を自動的に持ち上げる。示されるように、付勢部材26はトーションばねの形態を取ってもよく、トーションばねは、ドアが閉鎖されるときにレバー24がドア30の方向に押しやられると、負荷を生み出すために枢軸32の周りで回転し、レバー24が展開ストッパ28と非接触になると枢軸32の周りで弧状に負荷を解放する。トーションばねの回転の程度は、約90度未満でよく、より好ましくは約45度である。
【0032】
展開ストッパ28は、ドアがほぼ閉鎖されるとき、および閉鎖された状態に維持されるときにレバーと接触するようにレバー24の近くに位置付けられる。従って、展開ストッパ28は、例えば、戸枠またはドア30が取り付けられるフレームの他の部分、戸枠を支持する壁、戸枠に隣接する壁(例えば戸枠の壁に対して垂直な壁)に取り付けられてもよい。展開ストッパ28は床に取り付けられてもよい。展開ストッパ28は、ドア30のヒンジ側または先端側の周りでドアフレームまたはその近くで、ドアがほぼ閉鎖されるときにレバー24が展開ストッパ28と接触するような位置に取り付けられてもよい。展開ストッパ28は、戸枠からわずかな距離だけ窪められ、その結果、ドア30の最後の数度の移動の間にレバーが移動され、ドアが完全に閉鎖されるとレバーを収容するようにドアと展開ストッパとの間に空間が設けられるようにしてもよい。展開ストッパ28は、どのような材料から構成されてもよく、特定の実施形態では、レバー24およびドア30からの衝撃力の吸収を補助するエラストマー材料から構成される。
【0033】
この構成では、ドアが部分的から完全に開放されるとき、レバー24は、ドア30から離れるように付勢される。ドア30がほぼ閉鎖されるとき、レバー24は展開ストッパ28と接触する。ドア30の閉鎖移動を連続するために適用される力は、レバー24をドアの方向に押しやり、それにより付勢部材26に負荷を与える。ドア30が完全に閉鎖されているときに、レバー24はドアに最も近づき、付勢部材26は最大の負荷を受ける。ドア30が開放されるとき、付勢部材26は、負荷が解放され、レバー24をドアから離れる方向に押しやる。レバー24が展開ストッパ28と非接触状態のときに、付勢部材26はドアから最も遠い位置にレバーを押しやることができる。レバー24の回転角度、レバーの長さ、ばね力、および展開ストッパ28の位置は、レバーと展開ストッパとの間の初期接触地点をカスタマイズするように調整可能であり、その結果、ドアが特定角度まで閉じたときにシール部材22が移動する。
【0034】
示されているドア30は、片側に沿ってヒンジ接続され、フレームの片側に対して垂直な軸の周りで枢動する。ドアシールアセンブリ20は、垂直に開閉するロールアウェードアを備える他のドア種で使用されてもよいが、これに限定されない。ドアシールアセンブリ20のある特定の用途は、飛行機内のカート置場ドアの真下にシール材を提供することであり、そこではドアが閉鎖されるときドアの真下の空気流が阻止される。飛行機内および飛行機内部取付け以外の他の用途が考えられる。
【0035】
作動レバー24とシール部材22との間の接続、および特定の実施形態の2つの構成要素の一体的な構成は、レバーの移動と同時にシール部材が移動(例えば回転または枢動)することを引き起こす。従って、レバー24は、シール部材22の枢軸運動、特に、枢軸32の周りの反対方向の回転運動を引き起こす。
【0036】
図1および4を参照すると、ドア30が少なくとも部分的に開放されるとき、シール部材22は床34との非接触状態に位置付けられ、これは本明細書において「第2の位置」と呼ばれ、それによってドアが自由に回転することを許容する。本明細書で使用される際、用語「非接触」は、床34に対して、任意の角度または高さまで、持ち上げられる、後退される、または浮き上がることを意味し得る。従って、第2の位置において、シール部材22は全体的に床表面と非接触状態であるが、床の上の妨害物と接触し得る。床34の上の永久的妨害物は、敷居、導管、配線、及び、照明用帯板を含み得るが、これに限定されない。床の上の一時的妨害物は、ごみ、及び、部分ラグを含み得るが、これに限定されない。
【0037】
レバー24及びシール部材22は、ほぼ反対方向に延在する。例えば、第2の位置において、観察者の視点に依存して、シール部材22は、ドア30の前面から延在し、下方を指し得、レバー24は、ドアの背面からほぼ反対方向に延在し上方を指し得る。レバー24およびシール部材22はほぼ直線状の構成で配置されるが、レバーは、ドアがほぼ閉鎖されるときにドアを閉鎖するのに必要な力を弱めるためにわずかな湾曲を有してもよい。
図5は、シール部材が第2の位置にあるときのシール部材22の底部と床との隙間を示す。
【0038】
図2および6を参照すると、ドア30が完全に閉鎖されているとき、レバー24はドアの背面に対向する位置に押しやられ、シール部材22は、床34と接触するようにほぼ垂直に配置され、これは本明細書においてシール部材22の「第1の位置」と呼ばれる。第1の位置において、シール部材22は床と接触し、
図7に示されるようにドアの底部と床との空隙を封じる。
【0039】
図1〜
図4及び
図6を参照すると、シール部材22は、細長い剛性の帯状部材36を備えてもよく、帯状部材36はそれから共通の方向に伸びる複数の毛38を有する。代替実施形態において、細長い帯状部材はエラストマー状であってもよく、弾性的に変形可能であってもよい。作動レバー24は、ロッド部材40周りの剛性帯状部材36の延長部分であってもよい。代替実施形態では、ロッド部材40は回転してもよく、レバー24及び剛性帯状部材36は協働的又は独立的にロッド部材に固定されてもよい。
【0040】
剛性帯状部材36は、実質的にドア30の長さにわたって広がるが、部分的な長さが想定される。剛性帯状部材36は、細長いロッド40の周りに取り付けられてもよく、細長いロッド40は、それ自体が枢軸32の周りを回転してもよく、または回転可能に固定されてもよく、その周りをシール部材22が回転する。毛38は、凹凸のある床表面および上述の床34の上の永久的および一時的な妨害物に適応するために、弾性的に変形可能であることが好ましい。弾性的に変形可能な毛はさらに、床に対するドアシールアセンブリ20の正確な配置の必要性を緩和する。換言すると、毛38は、ドアシールアセンブリ20がドアの下の隙間よりも高さがある場合にわずかに変形する(例えば曲がる)ことができる。ブラシシール材以外のシール材も考えられる。
【0041】
特定の実施形態では、剛性帯状部材36は、毛38を保持するか受け入れるように構成された金属、プラスチック、成形熱可塑性樹脂、又は、それらの組合せから構成されてもよい。ブラシシール材の場合、剛性帯状部材36は、複数の毛の中、及び、周囲に成形されてもよい。ブラシシール材は、毛の均一な配置を有してもよく、特定の態様では、ブラシシール材は、例えば、98.5%以上、より好ましくは99%以上、空気の侵入を防ぐことができる。弾性的なゴム弾性シール材の場合、シール材は、不飽和ゴム、飽和ゴム、熱可塑性エラストマー等から構成されてもよい。特定の例では、弾性的なゴム弾性帯状シール材は、p型またはl型シリコンを含むことができる。弾性的なゴム弾性シール材は、流体の流れを止めるための用途において好まれ得る。
【0042】
使用中、作動レバー24は、ドア30の垂直面に対して斜めの角度で上方に延在する。作動レバー24がドア30の方向に移動される(例えば押しやられる)と(すなわち、作動レバーとドアの垂直面との間の角度が減少するとき)、剛性帯状部材36は、時計回り方向に回転し、シール部材22を実質的に垂直に位置付ける。換言すると、ドア30の方向に作動レバー24が移動すると、シール部材22は、床に対して斜めの角度の位置から、実質的に垂直な位置へ移動され、それによりドアの底部と床との隙間を封じる。
【0043】
特定の用途では、ドアシールアセンブリ20又はドアシールアセンブリを備えるドアは、ギャレーカート置場の戸口として利用されてもよい。例えば、飛行機内で、ギャレーカートはギャレーカート置場に保管することができ、本明細書に記載のドアシールアセンブリをギャレーカート置場のドアに提供し、飛行機の床の物理的な摩耗および亀裂を低減すること、および/または従来のドアシールアセンブリに起因すると場合により考えられるスリップの危険性を低減することが有利である。
【0044】
前述の記載は単に例として本発明の実施形態を提供する。他の実施形態が同様の機能を実行し得ることおよび/または同様の結果を達成し得ることが考えられる。あらゆるそのような均等な実施形態および例は、本発明の範囲内にあり、付随の請求項によって包含されることが意図される。
【国際調査報告】