(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-532361(P2016-532361A)
(43)【公表日】2016年10月13日
(54)【発明の名称】ワイヤレスネットワークのランダムアクセスチャネルのための信号対干渉及び雑音比を推定するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04B 17/336 20150101AFI20160916BHJP
H04L 7/04 20060101ALI20160916BHJP
【FI】
H04B17/336
H04L7/04 200
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-529834(P2016-529834)
(86)(22)【出願日】2014年7月22日
(85)【翻訳文提出日】2016年3月22日
(86)【国際出願番号】US2014047667
(87)【国際公開番号】WO2015013310
(87)【国際公開日】20150129
(31)【優先権主張番号】61/857,112
(32)【優先日】2013年7月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/335,546
(32)【優先日】2014年7月18日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】390020248
【氏名又は名称】日本テキサス・インスツルメンツ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】507107291
【氏名又は名称】テキサス インスツルメンツ インコーポレイテッド
(74)【1名の代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】ジン ジァン
(72)【発明者】
【氏名】ミンジァン ヤン
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンダー プルコヴィック
【テーマコード(参考)】
5K047
【Fターム(参考)】
5K047AA01
5K047JJ01
(57)【要約】
記載した例において、ワイヤレスデバイス(101)が、ワイヤレスネットワーク(100)のランダムアクセスチャネルを介して送信されるプリアンブルを識別するよう構成されるプリアンブル検出器を含む。プリアンブル検出器はノイズフロア推定器を含む。ノイズフロア推定器は、プリアンブル検出器により識別される所与のプリアンブルルートシーケンスに対し、所与のプリアンブルルートシーケンスに検出プリアンブルサンプルを除外し、所与のプリアンブルルートシーケンスにアサインされるノイズフロア閾値を下回るノイズフロア値を受信信号サンプルの平均エネルギーとして推定するよう構成される。ノイズフロア推定器は、受信信号サンプルの平均エネルギーを引いた、所与のプリアンブルルートシーケンスを用いてプリアンブルが検出される各サイクリックプレフィックスウィンドウに含まれる総信号エネルギーとターゲット偽プリアンブル検出レートに基づく所定の正規化相対ノイズフロア閾値との積として、ノイズフロア閾値を演算するよう構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレスデバイスであって、
ワイヤレスネットワークのランダムアクセスチャネルを介して送信される複数のプリアンブルを識別するように構成されるプリアンブル検出器、
を含み、
前記プリアンブル検出器がノイズフロア推定器を含み、
前記ノイズフロア推定器が、
前記プリアンブル検出器により識別される所与のプリアンブルルートシーケンスに対して、前記所与のプリアンブルルートシーケンスに検出されたプリアンブルサンプルを除外し、前記所与のプリアンブルルートシーケンスにアサインされるノイズフロア閾値を下回るノイズフロア値を、受信された信号サンプルの平均エネルギーとして推定するように、及び
前記受信された信号サンプルの平均エネルギーを引いた、前記所与のプリアンブルルートシーケンスを用いてプリアンブルが検出される各サイクリックプレフィックスウィンドウに含まれる総信号エネルギーと、ターゲット偽プリアンブル検出レートに基づく所定の正規化された相対ノイズフロア閾値との積として、前記ノイズフロア閾値を演算するように、
構成される、
ワイヤレスデバイス。
【請求項2】
請求項1に記載のワイヤレスデバイスであって、同じプリアンブルルートシーケンスを用いて複数のプリアンブルが検出される、ワイヤレスデバイス。
【請求項3】
請求項1に記載のワイヤレスデバイスであって、前記ノイズフロア推定器が、
前記所与のプリアンブルルートシーケンス以外のプリアンブルルートシーケンスを用いて検出された全てのプリアンブルの総干渉エネルギーを判定するように、及び
前記干渉エネルギーに基づいて前記所与のプリアンブルルートシーケンスに対して前記ノイズフロア値を調節するように、
構成される、ワイヤレスデバイス。
【請求項4】
請求項3に記載のワイヤレスデバイスであって、前記ノイズフロア推定器が、前記所与のプリアンブルルートシーケンス以外のプリアンブルルートシーケンスを用いてプリアンブルが検出されるサイクリックプレフィックスウィンドウ内に含まれる信号エネルギーを引いた、前記所与のプリアンブルルートシーケンス以外のプリアンブルルートシーケンスを用いてプリアンブルが検出される前記サイクリックプレフィックスウィンドウに含まれるノイズエネルギーの和として、前記総干渉エネルギーを判定するように構成される、ワイヤレスデバイス。
【請求項5】
請求項3に記載のワイヤレスデバイスであって、前記ノイズフロア推定器が、前記総干渉エネルギーの、各プリアンブルルートシーケンスのための電力サンプルの数に対する比として、総相互相関干渉エネルギーを判定するように構成される、ワイヤレスデバイス。
【請求項6】
請求項5に記載のワイヤレスデバイスであって、前記ノイズフロア推定器が、前記ノイズフロア値から前記相互相関干渉エネルギーを除外することによって、前記所与のプリアンブルルートシーケンスに対して前記ノイズフロア値を調節するように構成される、ワイヤレスデバイス。
【請求項7】
請求項1に記載のワイヤレスデバイスであって、前記プリアンブル検出器により検出されるプリアンブルに対する信号対干渉及び雑音比(SINR)を判定するように構成されるSINR推定器を更に含み、前記SINRが、前記ノイズフロア推定器により計算される前記ノイズフロア値に基づいて計算され、前記ノイズフロア値が全てのプリアンブル信号エネルギーを除外する、ワイヤレスデバイス。
【請求項8】
請求項7に記載のワイヤレスデバイスであって、伝送において、前記プリアンブル検出器により検出された前記プリアンブルを送信したワイヤレスデバイスに前記SINRを適用するように構成されるトランスミッタを更に含む、ワイヤレスデバイス。
【請求項9】
方法であって、
ワイヤレスネットワークのランダムアクセスチャネルを介して送信される信号を受信すること、
前記受信された信号におけるプリアンブルを検出すること、
前記検出することにより識別される所与のプリアンブルルートシーケンスに対して、前記所与のプリアンブルルートシーケンスに検出されたプリアンブルサンプルを除外し、前記所与のプリアンブルルートシーケンスにアサインされるノイズフロア閾値を下回るノイズフロア値を、受信された信号サンプルの平均エネルギーとして推定すること、
前記受信された信号サンプルの平均エネルギーを引いた、前記所与のプリアンブルルートシーケンスを用いてプリアンブルが検出される各サイクリックプレフィックスウィンドウに含まれる総信号エネルギーと、ターゲット偽プリアンブル検出レートに基づく所定の正規化された相対ノイズフロア閾値との積として、前記ノイズフロア閾値を演算すること、
を含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記所与のプリアンブルルートシーケンス以外のプリアンブルルートシーケンスを用いて検出された全てのプリアンブルの総干渉エネルギーを判定すること、及び
前記干渉エネルギーに基づいて前記所与のプリアンブルルートシーケンスに対して前記ノイズフロア値を調節すること、
を更に含む、方法。
【請求項11】
請求項10に記載の方法であって、前記所与のプリアンブルルートシーケンス以外のプリアンブルルートシーケンスを用いてプリアンブルが検出されるサイクリックプレフィックスウィンドウ内に含まれる信号エネルギーを引いた、前記所与のプリアンブルルートシーケンス以外のプリアンブルルートシーケンスを用いてプリアンブルが検出される前記サイクリックプレフィックスウィンドウに含まれるノイズエネルギーの和として、前記総干渉エネルギーを判定することを更に含む、方法。
【請求項12】
請求項10に記載の方法であって、前記総干渉エネルギーの、各プリアンブルルートシーケンスのための電力サンプルの数に対する比として、総相互相関干渉エネルギーを判定することを更に含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法であって、前記ノイズフロア値から前記相互相関干渉エネルギーを除外することによって、前記所与のプリアンブルルートシーケンスに対して前記ノイズフロア値を調節することを更に含む、方法。
【請求項14】
請求項9に記載の方法であって、検出されるプリアンブルに対する信号対干渉及び雑音比(SINR)を推定することを更に含み、前記SINRが前記ノイズフロア値に基づいて計算され、前記ノイズフロア値が全てのプリアンブル信号エネルギーを除外する、方法。
【請求項15】
請求項14に記載の方法であって、伝送において、前記検出された前記プリアンブルを送信したワイヤレスデバイスに前記SINRを適用することを更に含む、方法。
【請求項16】
請求項9に記載の方法であって、前記所与のプリアンブルルートシーケンスを用いて複数のプリアンブルが検出され、サイクリックプレフィックスウィンドウが前記プリアンブルの各々に対応する、方法。
【請求項17】
ワイヤレス基地局を実装するための装置であって、
ワイヤレスネットワークのランダムアクセスチャネルを介して送信される複数のプリアンブルを識別するように構成されるプリアンブル検出器、
を含み、
前記プリアンブル検出器がノイズフロア推定器を含み、
前記ノイズフロア推定器が、
前記プリアンブル検出器により識別される所与のプリアンブルルートシーケンスに対して、前記所与のプリアンブルルートシーケンスに検出されたプリアンブルサンプルを除外し、前記所与のプリアンブルルートシーケンスにアサインされるノイズフロア閾値を下回るノイズフロア値を、受信された信号サンプルの平均エネルギーとして推定するように、及び
前記受信された信号サンプルの平均エネルギーを引いた、前記所与のプリアンブルルートシーケンスを用いてプリアンブルが検出される各サイクリックプレフィックスウィンドウに含まれる総信号エネルギーと、ターゲット偽プリアンブル検出レートに基づく所定の正規化された相対ノイズフロア閾値との積として、前記ノイズフロア閾値を演算するように、
構成される、
装置。
【請求項18】
請求項17に記載の装置であって、前記ノイズフロア推定器が、前記所与のプリアンブルルートシーケンス以外のプリアンブルルートシーケンスを用いてプリアンブルが検出されるサイクリックプレフィックスウィンドウ内に含まれる信号エネルギーを引いた、前記所与のプリアンブルルートシーケンス以外のプリアンブルルートシーケンスを用いてプリアンブルが検出される前記サイクリックプレフィックスウィンドウに含まれるノイズエネルギーの和として、前記総干渉エネルギーを判定するように構成される、装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置であって、前記ノイズフロア推定器が、
前記総干渉エネルギーの、各プリアンブルルートシーケンスのための電力サンプルの数に対する比として、総相互相関干渉エネルギーを判定するように、及び
前記ノイズフロア値から前記相互相関干渉エネルギーを除外することによって、前記所与のプリアンブルルートシーケンスに対して前記ノイズフロア値を調節するように、
構成される、
装置。
【請求項20】
請求項17に記載の装置であって、前記プリアンブル検出器により検出されるプリアンブルに対する信号対干渉及び雑音比(SINR)を判定するように構成されるSINR推定器を更に含み、前記SINRが、前記ノイズフロア推定器により計算される前記ノイズフロア値に基づいて計算され、前記ノイズフロア値がプリアンブル信号エネルギーを除外する、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、概してワイヤレスネットワークに関し、特に、ワイヤレスネットワークのランダムアクセスチャネルについて信号対干渉及び雑音比を推定するための方法及び装置
【背景技術】
【0002】
ロングタームエボリューション(LTE)ネットワークなどの幾つかのワイヤレスネットワークにおいて、ユーザー機器(UE)は、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)を介してプリアンブルを基地局(又はエボルブドノードB、eNB)に送信することによって、アップリンク同期化を得る。Zadoff−Chu(ZC)シーケンスのサイクリック自己相関が理想的デルタ関数となり、異なるルートシーケンスインデックスを有する2つのZCシーケンスのサイクリック相互相関が、NzcがZCシーケンス長であるとき、
の大きさの定数となるように、PRACHにおいて用いられるプリアンブルは、プライム長の一定振幅ZCシーケンスである。基地局では、PRACHにおいてプリアンブルが検出されると、それに関連付けられる信号対干渉及び雑音比(SINR)が推定され得る。推定されたプリアンブルSINRは、アップリンク共用チャネル(ULSCH)での後に続く第1のスケジュールされた伝送の送信電力制御(TPC)に対して用いられ得る。プリアンブルSINR推定は主としてULSCHでの伝送に用いられるので、推定は、その推定がPRACHで実施される場合においても、ULSCHでのチャネル状態を反映すべきである。
【発明の概要】
【0003】
ワイヤレスネットワークの物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)についてノイズフロア及び信号対干渉及び雑音比(SINR)を判定するための方法及び装置が本明細書に開示される。記載される例において、ワイヤレスデバイスが、ワイヤレスネットワークのランダムアクセスチャネルを介して送信されるプリアンブルを識別するように構成されるプリアンブル検出器を含む。プリアンブル検出器はノイズフロア推定器を含む。ノイズフロア推定器は、プリアンブル検出器により識別される所与のプリアンブルルートシーケンスに対し、所与のプリアンブルルートシーケンスに検出されたプリアンブルサンプルを除外して、所与のプリアンブルルートシーケンスにアサインされるノイズフロア閾値を下回るノイズフロア値を、受信された信号サンプルの平均エネルギーとして推定するように構成される。ノイズフロア推定器は、受信された信号サンプルの平均エネルギーを引いた、所与のプリアンブルルートシーケンスを用いてプリアンブルが検出される各サイクリックプレフィックスウィンドウに含まれる総信号エネルギーと、ターゲット偽プリアンブル検出レートに基づく所定の正規化された相対ノイズフロア閾値との積として、ノイズフロア閾値を演算するように構成される。
【0004】
説明される更なる例において、或る方法が、ワイヤレスネットワークのランダムアクセスチャネルを介して送信される信号を受信することを含む。受信された信号においてプリアンブルが検出される。検出される任意のプリアンブルを備える所与のプリアンブルルートシーケンスに対し、所与のプリアンブルルートシーケンスに検出されたプリアンブルサンプルを除外して、所与のプリアンブルルートシーケンスにアサインされるノイズフロア閾値を下回るノイズフロア値が、受信された信号サンプルの平均エネルギーとして推定される。ノイズフロア閾値は、受信された信号サンプルの平均エネルギーを引いた、所与のプリアンブルルートシーケンスを用いてプリアンブルが検出される各サイクリックプレフィックスウィンドウに含まれる総信号エネルギーと、ターゲット偽プリアンブル検出レートに基づく所定の正規化された相対ノイズフロア閾値との積として演算される。
【0005】
説明される更なる例において、ワイヤレス基地局を実装するための装置が、ワイヤレスネットワークのランダムアクセスチャネルを介して送信されるプリアンブルを識別するように構成されるプリアンブル検出器を含む。プリアンブル検出器はノイズフロア推定器を含む。ノイズフロア推定器は、プリアンブル検出器により識別される所与のプリアンブルルートシーケンスに対して、所与のプリアンブルルートシーケンスに検出されたプリアンブルサンプルを除外して、所与のプリアンブルルートシーケンスにアサインされるノイズフロア閾値を下回るノイズフロア値を、受信された信号サンプルの平均エネルギーとして推定するように構成される。ノイズフロア推定器は、受信された信号サンプルの平均エネルギーを引いた、所与のプリアンブルルートシーケンスを用いてプリアンブルが検出される各サイクリックプレフィックスウィンドウに含まれる総信号エネルギーと、ターゲット偽プリアンブル検出レートに基づく所定の正規化された相対ノイズフロア閾値との積として、ノイズフロア閾値を演算するように構成される。ノイズフロア推定器は、各検出されたプリアンブルに対するSINR推定の目的で、所与のプリアンブルルートシーケンス以外のプリアンブルルートシーケンスを用いて検出された全てのプリアンブルの干渉エネルギーに基づいて所与のプリアンブルルートシーケンスに対してノイズフロア値を調節するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】種々の実施例のワイヤレスネットワークのブロック図である。
【0007】
【図2】種々の実施例のワイヤレスネットワークの基地局において用いるためのプリアンブル検出器のブロック図である。
【0008】
【図3】種々の実施例のルートシーケンスのための受信された信号電力サンプルの図である。
【0009】
【図4】種々の実施例のワイヤレスデバイスにおける信号対雑音及び干渉比(SINR)を判定する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
従来のプリアンブル検出方法において、ターゲット偽プリアンブル検出レート(即ち、ターゲット偽アラームレート)に基づいてプリアンブル検出閾値を演算するためにノイズフロア推定が用いられる。残念なことに、基地局において複数のルートシーケンスが構成される場合、異なるルートシーケンス間の一定の相互相関に起因して、第1のルートシーケンスを用いて受信されたプリアンブルが、異なるルートシーケンスのノイズフロア推定に寄与する。従って、ルートシーケンスのためのノイズフロア推定は、異なるルートシーケンスに対して受信されたプリアンブルからの干渉を含み得る。この相互相関干渉に加えて、所与のルートシーケンスに対して複数のプリアンブルが受信されるとき、この所与のルートシーケンスに対するノイズフロア推定も増大する。これは、プリアンブル検出のためのノイズフロア推定を演算するためにルートシーケンスのための総受信電力が用いられるという事実に起因し、これは、所与のルートシーケンスのための全ての受信されたプリアンブルの電力を含む。
【0011】
本開示の実施例は、信号対干渉及び雑音比(SINR)判定に用いるための改善されたノイズフロア推定を提供する。実施例は、ノイズフロア推定を演算するために印加される信号エネルギーからプリアンブル信号エネルギーを除外することによって、改善されたノイズフロア推定を生成する。改善されたノイズフロア推定を応用することで、実施例は、従来のシステムより正確な、アップリンク共用チャネル(ULSCH)と共に用いるためのSINR値を演算し得る。
【0012】
図1は、種々の実施例のワイヤレスネットワーク100のブロック図である。例示のワイヤレスネットワークは、基地局101、102、及び103を含む。実際には、ネットワーク100の実施例は任意の数の基地局を含み得る。基地局101、102、及び103の各々は、対応するカバレッジエリア104、105、及び106にわたって動作し得る。各基地局のカバレッジエリアは、セルに更に分割される。例示されるネットワークにおいて、各基地局のカバレッジエリアは3つのセルに分割される。ハンドセット又はその他のユーザー機器(UE)109をセルA108に示す。セルA108は基地局101のカバレッジエリア104内にある。基地局101は、UE109への伝送を送信し、UE109からの伝送を受信する。UE109がセルA108から出てセルB107へ移動するにつれて、UE109は基地局102にハンドオーバーされ得る。UE109は基地局101と同期化されるため、UE109は、基地局102へのハンドオーバーを開始するため非同期化ランダムアクセスを用い得る。
【0013】
非同期化UE109も、アップリンク111の時間又は周波数又はコードリソースの割り当てを要求するため非同期ランダムアクセスを用いる。UE109が伝送の準備ができたデータ(トラフィックデータ、測定値レポート、及び追跡エリア更新など)を有する場合、UE109は、アップリンク111でランダムアクセス信号を送信することができる。ランダムアクセス信号は、UEのデータを送信するためにUE109がアップリンクリソースを必要とすることを基地局101に通知する。基地局101は、UE109アップリンク伝送に対して割り当てられたリソースのパラメータを含むメッセージを、あり得るタイミングエラー補正と共に、(ダウンリンク110を介して)UE109に送信することにより応答する。
【0014】
基地局101によりダウンリンク110で送信された、リソース割り当て及びあり得るタイミング事前メッセージを受信した後、UE109は任意選択で、その送信タイミングを調節し、規定の時間インタバルの間配分されたリソースを用いてアップリンク111でデータを送信する。
【0015】
ネットワーク100の種々の実施例が、ロングタームエボリューション(LTE)ネットワーキング規格に準拠して動作する。従って、UE109は、プリアンブルを物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)を介して基地局101に送信することによって、アップリンク同期化を得る。プリアンブルは、プライム長のZadoff−Chu(ZC)シーケンスを含む。このようなシーケンスは、理想的な周期的自己相関及び最適な周期的相互相関を有する。プリアンブルは、ルートZCシーケンス、又はルートZCシーケンスのサイクリックシフトされたバージョンであり得る。
【0016】
基地局101、102、及び103はプリアンブル検出器を含み、プリアンブル検出器は、UEにより送信されるプリアンブルを識別し、PRACHに対してSINRを演算し、PRACHに対して演算されたSINRに基づいてアップリンク共用チャネルでUEにより印加されるべき送信電力を判定する。基地局101、102、及び103に含まれるプリアンブル検出器は、従来の基地局によって提供されるものより正確な、PRACH雑音及びPRACH SINR値を提供する。従って、基地局101、102、及び103は、従来の基地局より正確にULSCHでUEにより印加されるべき送信電力を判定し得る。
【0017】
図2は、ワイヤレスネットワーク100の基地局において用いるための種々の実施例のプリアンブル検出器200のブロック図である。プリアンブル検出器200において、無線周波数信号が、アンテナ202A及び202Bを介して受信される。受信された信号はデジタル化され、サイクリックプレフィックス(CP)リムーバー204A及び204Bが、受信された信号からサイクリックプレフィックスを取り除く。サイクリックプレフィックスが取り除かれた後、信号は、周波数ドメイン変圧器206A及び206Bにより周波数ドメインに変換される。コヒーレント又はノンコヒーレント累算のいずれが用いられるかに応じて、離散フーリエ変換(そのサイズは、全プリアンブル長又はその構成(constituent)シーケンス長である)が実施され得る。サブキャリアデマッパー208A及び208Bが、周波数ドメインにおいてプリアンブルにより用いられるサブキャリアを抽出する。周波数ドメイン実施例において、一つのルートプリアンブルシーケンスに基づいて全てのシグネチャーを検出するために一つのプリアンブル検出器を用いることができる。
【0018】
受信された信号は、UEプリアンブル伝送を検出するため、全ての利用可能なルートプリアンブルシーケンスと相関される。各利用可能なルートプリアンブルシーケンスは、対応するルートプリアンブル周波数応答210A〜210N及び220A〜220Nを含む。複素共役器(complex conjugator)212A〜212N及び222A〜222Nが、ルートプリアンブル周波数応答210A〜210N及び220A〜220Nの複素共役を演算する。乗算器214A〜214N及び224A〜224Nが、相関を行なうためルートプリアンブルシーケンスの複素共役を備えたデマッピングされたサブキャリアでサブキャリアを乗算する。
【0019】
プリアンブル検出器200におけるPRACHプリアンブル検出は、各電力サンプルをプリアンブル検出閾値と比較する電力サンプルベースの処理を用いる。基地局は、対応する検出されたシグネチャーを示し、検出閾値を超える任意の電力サンプルに対する関連するUE遅延を推定する。プリアンブル検出器200の実施例が、CP期間のデータのスライディングウィンドウを用いてサンプルベースのプリアンブル検出を一般化する。各電力サンプルの代わりに、スライディングウィンドウ内の受信されたプリアンブルエネルギーが、下記のように定義されるプリアンブル検出閾値と比較される。
ここで、T
detは絶対プリアンブル検出閾値であり、
は、プリアンブルが送信されないときの予め定義された偽アラーム確率に基づく所定の相対プリアンブル検出閾値であり、N
rxは受信アンテナの数であり、R
seqはシーケンス反復の数であり、γ
nはノイズフロア推定である。
【0020】
サンプルベースのアプローチは、一つのサンプルのスライディングウィンドウを備えたスライディングウィンドウベースのアプローチの特殊なケースとして見ることができる。本明細書に開示する実施例において、ウィンドウは、ユニットインパルスウィンドウフィルタ、矩形ウィンドウフィルタ、三角形ウィンドウフィルタ、ハミングウィンドウフィルタ、Hannウィンドウフィルタ、コサインウィンドウフィルタ、Lanczosウィンドウフィルタ、Bartlettウィンドウフィルタ、Gaussウィンドウフィルタ、Bartlett−Hannウィンドウフィルタ、Blackmanウィンドウフィルタ、又はKaiserウィンドウフィルタなどの、ウィンドウイングフィルタの結果であり得る。ウィンドウフィルタのフィルタタップは適合的に演算され得る。
【0021】
プリアンブル検出器200は、信号長さが2の累乗であるように、周波数ドメインでゼロパダー216A〜216N及び226A〜226Nにおける相関をゼロパディングすることによって、プリアンブルをアップサンプリングする。反転周波数変圧器218及び228が、周波数ドメイン信号を時間ドメイン信号に変換する。信号電力コンバータ219及び229が、時間ドメイン信号の絶対値の平方を演算する。その結果生じる電力信号を加算器230が加算する。
【0022】
ノイズフロア推定器232、ピークサーチャー234、及びSINR推定器338は、時間ドメイン信号で動作する。プリアンブル検出閾値T
detは、プリアンブルが送信されないとき予め定義された偽アラーム確率を想定して導出される。スライディングウィンドウベースのプリアンブル検出では、プリアンブル検出閾値は、単一のサンプルケースをW
CP>L個のサンプルのスライディングウィンドウ長さW
CPで単純に延長したものであり、ここで、Lはプリアンブルアップサンプリング比である。
【0023】
ノイズフロア推定器232は、加算器230によって提供される時間ドメイン電力サンプルに基づいて2つの異なるノイズフロア推定を生成し得る。プリアンブル検出に用いるために第1のノイズフロア推定γnが生成され、プリアンブル検出後SINR演算に用いるために第2のノイズフロア推定
(これはγnとは異なる)が生成される。ノイズフロアγnの演算では、ノイズフロア推定器はノイズフロア閾値を下記のように演算する。
ここで、P
faは、予め定義されたPRACH偽アラームレートであり、N
IDFTは変圧器218及び228において実施される逆変換のサイズであり、z(i)は加算器230により生成される電力サンプルであり、
は、加法性ホワイトガウスノイズ入力を備えた中央カイ二乗分布に対する累積分布関数(CDF)である。量
は、予め定義された偽アラームレートに基づく所定の正規化された相対ノイズフロア閾値である。
【0024】
ノイズフロア閾値T
nを適用すると、ノイズフロア推定器は、下記のように、ノイズフロア閾値T
nを下回る平均電力としてノイズフロアγ
nを演算する。
ここで、N
Sは合計されたサンプルz(i)の数である。
【0025】
プリアンブル検出器200は、本明細書に開示する機能性を提供するため、専用回路要素及びプロセッサ実行命令の組み合わせを含み得る。例えば、CPリムーバー204A及び204B、周波数ドメイン変圧器206A及び206B、及びサブキャリアデマッパー208A及び208Bは、専用ハードウェア回路要素により実装され得る。サブキャリアデマッパー208A及び208Bの機能性ダウンストリームは、プロセッサ(例えば、デジタルシグナルプロセッサ)によりストレージデバイスからリトリーブされて、命令を実行するプロセッサを介して実装され得、このような実行がプロセッサに本明細書に開示するオペレーションを行なわせるようにさせる。ノイズフロア推定器232及びSINR推定器238は、メモリなどのコンピュータ可読媒体にストアされた命令を実行するプロセッサにより実装され得る。
【0026】
残念なことに、複数のルートシーケンスがプリアンブル検出器200において構成されるため、異なるルートシーケンス間の一定相互相関に起因して、一つのルートシーケンスにおいて受信されるプリアンブルが、別のルートシーケンスにおけるノイズフロア推定γ
nに寄与する。従って、ルートシーケンスに対するノイズフロア推定γ
nは、異なるルートシーケンスにおいて受信されるプリアンブルからの干渉を含み得る。この相互相関干渉に加えて、複数のプリアンブルが所与のルートシーケンスで受信されるとき、所与のルートシーケンスにおけるノイズフロア推定も、複数のプリアンブルの総受信電力における増大に起因して増大する。増大されたノイズフロアは、SINRに不利益に影響する。
【0027】
ノイズフロア及びSINR演算に対するプリアンブルエネルギーの影響を軽減するため、ノイズフロア推定器232は、プリアンブル検出後に第2のノイズフロア推定
を演算する。ノイズフロア推定
は、ノイズフロア演算からプリアンブル信号エネルギーを除外し、これにより、一層正確なノイズフロア値及び最終的に一層正確なSINR値が提供される。
【0028】
図3は、種々の実施例の加算器230によりルートシーケンスに対して生成される信号電力サンプルの図である。図3において、便宜上、一つのZCルートシーケンスの2つのサイクリックシフトを用いて、2つのプリアンブルに対応する2つのプリアンブルサーチウィンドウが示されている。実際には、プリアンブル検出器200は、特定のセル構成次第で、任意の数のプリアンブルサーチウィンドウを適用し得る。本明細書に記載するように演算されるプリアンブル検出閾値が示されており、γn及び
を演算するために印加された例示のノイズフロア閾値値が示されている。図3において、プリアンブル検出閾値を超える単一のプリアンブルをウィンドウ302に示す。ウィンドウ302は、長さWCP(即ち、サイクリックプレフィックス長)のスライディングプリアンブル検出ウィンドウである。
【0029】
プリアンブル検出器200により識別される各プリアンブルでは、ノイズフロア推定器232は、検出されたプリアンブルを含むウィンドウWCP内で総サンプル電力ECPを演算する。用いられるプリアンブル検出方法に応じて、ウィンドウはそのウィンドウ内で最大総電力が含まれる位置において開始し得るか、又は、ウィンドウは最大検出サンプル位置において開始し得る。各識別されたプリアンブルに対するサンプル電力ECPが、ノイズフロア
を演算するために印加されるルートシーケンスのサンプル電力から除外される。所与のルートシーケンスに対し、ノイズフロア推定器232は、所与のルートシーケンスに対して検出されたプリアンブルに対する総プリアンブル電力ECPを除外し、他のルートシーケンスに対して検出されたプリアンブルに対するECPから引き出される相互相関干渉電力を除外する。
【0030】
図4は、種々の実施例のプリアンブル検出器200においてノイズフロア及びSINRを判定する方法400のフローチャートである。便宜上、順次示されるが、図示されるアクションの少なくとも幾つかが、異なる順で実施され得、及び/又は並列して実施され得る。また、幾つかの実施例は、図示されるアクションの幾つかのみを実施し得る。方法400のオペレーションの少なくとも幾つかが、非一時的(non-transistory)コンピュータ可読ストレージ媒体からリトリーブされた命令を実行するプロセッサにより実施され得る。
【0031】
ブロック402において、プリアンブル検出器200は、基地局(ネットワーク100における基地局101など)の構成要素として動作する。プリアンブル検出器200は、ユーザー機器により送信されるワイヤレス信号を受信し、複数のルートシーケンスの各々においてユーザー機器により送信されるプリアンブルを検出する。
【0032】
ブロック404において、各ルートシーケンスに対し、ノイズフロア推定器232は、検出された各プリアンブルに対する電力E
CP(即ち、ウィンドウW
CP内のサンプル電力の和)を演算し、ルートシーケンスに対して検出された各プリアンブルに対しE
CPを除外した各ルートシーケンスに対する平均受信サンプル電力を演算する。このように、ノイズフロア推定器232は、電力演算からプリアンブルサンプルを除外した各ルートシーケンスに対する電力を演算する。
【0033】
ブロック406において、各ルートシーケンスに対し、ノイズフロア推定器232は、(a)ターゲット偽プリアンブル検出レートに基づく所定の正規化された相対ノイズフロア閾値と、(b)ルートシーケンスにおいて検出されるプリアンブルに対して演算されたE
CP値を除外した平均受信サンプル電力との積として、第2のノイズフロア閾値を演算する。
【0034】
ブロック408において、ノイズフロア推定器232は、各ルートシーケンスに対し、ルートシーケンスにおいて検出されたプリアンブルに対して演算されたECP値を除外して、第2のノイズフロア閾値を下回る、受信されたサンプルの平均電力としてノイズフロア推定
を演算する。
【0035】
ブロック410において、ノイズフロア推定器232は、各ルートシーケンスに対し、各他のルートシーケンスにおいて検出されたプリアンブルの総干渉エネルギーを演算する。ノイズフロア推定器232は、各ルートシーケンスに対し、ルートシーケンス(E
CP)に対して検出された全てのプリアンブルのエネルギーを引いた、ルートシーケンスに対して検出された各プリアンブルに対応するウィンドウW
CP内のノイズエネルギーの和として、干渉エネルギーを演算する。
【0036】
ブロック412において、ノイズフロア推定器232は、各ルートシーケンスに対し、各他のルートシーケンスに対する相互相関干渉電力を演算する。ノイズフロア推定器232は、ルートシーケンスに対する総干渉エネルギーをルートシーケンスに対する電力サンプルの数で割ることによって、相互相関干渉電力を演算する。
【0037】
ブロック414において、ノイズフロア推定器232は、各他のルートシーケンスに対して計算された相互相関干渉電力を(ノイズフロア推定
から)減ずることによって、各ルートシーケンスに対するノイズフロア推定
を調節する。相互相関干渉電力は、相互相関干渉電力を、受信アンテナの数Ν
rx及びシーケンス反復の数R
seqで割ることによって正規化され得る。
【0038】
ブロック416において、SINR推定器238は、ブロック412においてノイズフロア推定器232によって提供されたノイズフロア推定
に基づいてSINR推定を生成する。基地局は、ULSCH送信においてユーザー機器による使用のための電力制御値を生成するため及びユーザー機器に送信するためにSINR推定を適用し得る。
【0039】
本発明の特許請求の範囲内で、説明した例示の実施例に変形が成され得、多くの他の実施例が可能である。
【国際調査報告】