特表2016-532461(P2016-532461A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-532461(P2016-532461A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(54)【発明の名称】ラベリング植込型医療装置
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/368 20060101AFI20160926BHJP
   A61N 1/362 20060101ALI20160926BHJP
   A61N 1/37 20060101ALI20160926BHJP
   A61N 1/39 20060101ALI20160926BHJP
【FI】
   A61N1/368
   A61N1/362
   A61N1/37
   A61N1/39
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-516955(P2016-516955)
(86)(22)【出願日】2014年9月22日
(85)【翻訳文提出日】2016年3月24日
(86)【国際出願番号】US2014056773
(87)【国際公開番号】WO2015047946
(87)【国際公開日】20150402
(31)【優先権主張番号】61/883,237
(32)【優先日】2013年9月27日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】505003528
【氏名又は名称】カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ケーン、マイケル ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】キーン、マイケル
(72)【発明者】
【氏名】オルーク、ジョン
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053JJ02
4C053JJ12
4C053JJ13
4C053JJ21
4C053JJ23
4C053KK02
4C053KK07
(57)【要約】
概して、植込型医療装置(IMD)をラベリングする技術について説明する。一例では、IMDは電子回路を含むハウジングを含む。IMDはハウジングに接続されるヘッダを含むことができ、コアを含む。コアは孔を画定し、少なくとも1つの孔に隣接して配置される第1の金属ラベルを含む。IMDは遠位端と近位端とを有する少なくとも1つのリード線を含むリード線アセンブリを含み、少なくとも1つのリード線は第2の金属ラベルを含み、遠位端は少なくとも1つの電極を含み、近位端は孔に収容される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子回路を含むハウジングと、
前記ハウジングに連結され、コアを含むヘッダであって、前記コアが孔を画定し、前記少なくとも1つの孔に隣接して配置される第1の金属ラベルを含むヘッダと、
遠位端と近位端とを有する少なくとも1つのリード線を含むリード線アセンブリであって、前記少なくとも1つのリード線が第2の金属ラベルを含み、前記遠位端が少なくとも1つの電極を含み、前記近位端が前記孔に収容されるリード線アセンブリと、
を備える植込型医療装置。
【請求項2】
前記第1の金属ラベルと前記第2の金属ラベルがチタン、タンタル、タングステン、ステンレス鋼のうち少なくとも1つから選択される、請求項1に記載の植込型医療用インプラント。
【請求項3】
前記第1の金属ラベルが第1の識別子を含み、前記第2の金属ラベルが第2の識別子を含み、前記第1の識別子が前記第2の識別子と略同一である、請求項1または2に記載の植込型医療用インプラント。
【請求項4】
前記第1の識別子と前記第2の識別子が色と文字列のうち少なくとも一方を含む、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の植込型医療用インプラント。
【請求項5】
前記第1の識別子が第1の色であり、前記第2の識別子が第2の色であり、前記第2の色と前記第1の色が略同一である、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の植込型医療用インプラント。
【請求項6】
前記第1の金属ラベルが陽極酸化金属基板である、請求項1ないし5のいずれか一項に記載の植込型医療用インプラント。
【請求項7】
前記陽極酸化金属基板の表面がテクスチャ加工されている、請求項6に記載の植込型医療用インプラント。
【請求項8】
前記コアの表面が前記孔に隣接する収容空隙を画定し、前記収容空隙が前記第1の金属ラベルを収容するように構成される、請求項1ないし7のいずれか一項に記載の植込型医療用インプラント。
【請求項9】
前記第2の金属ラベルが陽極酸化金属製環状リングである、請求項1ないし8のいずれか一項に記載の植込型医療用インプラント。
【請求項10】
前記陽極酸化金属製環状リングの外面がテクスチャ加工されている、請求項9に記載の植込型医療用インプラント。
【請求項11】
前記リード線の外面が前記第2の金属ラベルを収容するように構成される周溝を画定する、請求項1ないし10のいずれか一項に記載の植込型医療用インプラント。
【請求項12】
前記コアが誘電材料でオーバーモールドされる、請求項1ないし11のいずれか一項に記載の植込型医療用インプラント。
【請求項13】
前記第2の金属ラベルを有する前記リード線の少なくとも一部が誘電材料でオーバーモールドされる、請求項1ないし12のいずれか一項に記載の植込型医療用インプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療装置、特に植込型医療装置用のラベルに関する。
【背景技術】
【0002】
植込型医療装置(IMD)は様々な診断または治療機能を実行する。一例では、IMDは心臓を監視する、あるいは心臓または神経系に電気刺激を与える等の心機能管理特性を有する。心機能管理特性は、たとえば心臓の電気的または機械的異常の際に、患者を診断または治療するために使用される。IMDの例は特に、ペースメーカー、自動植込型除細動器(ICD)、心臓再同期療法(CRT)装置、植込型モニタ、神経調節装置(たとえば脳深部刺激装置またはその他の神経刺激装置)、移植蝸牛刺激装置、薬剤ポンプなどである。
【0003】
このようなIMDは、植え込まれたIMD間またはIMDと本体外部のアセンブリとの間で無線で情報を転送するように構成されるハウジング担持電子回路を含む。このような情報は、たとえば生理学的状態を監視、診断、または治療するようにIMDを構成するプログラミング命令または構成情報を含む。また、上記情報は、IMDによって感知、検出、または処理され、別の装置またはアセンブリに送信されるデータ(たとえば、生理学的情報、疾病状態など)も含む。電極は、ヘッダと称される接続部を介してハウジングに接続する。ヘッダとリード線は標準化されている。ヘッダはいくつかの接触面を有する比較的深い雌型受け口(たとえば孔)を含み、リード線は1つ又は複数の対応する外周に略円形接触面を有する雄部を備える。各リード線は指定の孔を有し、リード線をヘッダの不正確な孔に挿入すると、植込後にIMDの動作不良を招くことがある。
【0004】
リード線はハウジングから延在する接触ワイヤを介してハウジングの電子回路に対して電気的に接続される。接触ワイヤの数は変更可能であり、接触ワイヤの数が増えるほど、ワイヤの交差リスクも高まる。リード線と孔の不正確な接続とワイヤの交差は、誤った心室の刺激または感知、リード線とIMD間の不完全または間欠的な接続性、効果のない除細動治療などの様々なエラーを引き起こす虞がある。エラーの矯正で処置時間が延長する可能性がある。場合によっては、エラーの矯正は以後の外科的修正を必要とすることで、患者の病的状態や死亡のリスクを高める場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は医療装置、特に植込型医療装置用のラベルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
概して、植込型医療装置(IMD)は、ペースメーカー、除細動器、心臓再同期療法装置、神経刺激装置、植込型監視装置、あるいは装置を含む。IMDは所望の組織部位に供給される電気刺激を生成する。電気刺激は植込型リード線アセンブリの一部を有する電極を介して供給する。リード線アセンブリはIMDに機械的および電気的に連結されて、IMDに含まれる回路とインタフェースをとる。
【0007】
本発明者らは特に、リード線または電極構造を増加させると、リード線とIMDの連結、およびハウジング内に収容される電子回路とリード線との連結が複雑化する場合があることに着目した。たとえば、各リード線は、ハウジングに収容される対応回路に電気的に連結されるようにIMDに連結される。リード線とヘッダとの連結ミスならびに回路の連結ミスのリスクを低減するため、本発明者らは低コストで生体適合性を持つラベリングシステムおよび方法を提供した。
【0008】
従来のアプローチは、IMDの各種構成要素をラベル表示するインクを組み込んでいる。しかしながら、IMDと共に使用するインクを組み込むため、インクは厳格な生体適合性検査を経る。インクおよび顔料システムの複雑さにより、生体適合性の検証と製品の妥当性検査のコストが増大する可能性がある。インクと顔料の純度に関する継続的監視もIMDにラベリングシステムを設けるコストを増大させる虞がある。
【0009】
本開示の各種実施形態は、IMD用の生体適合性色コードおよび文字列ラベリングシステムを提供する。たとえば、生体適合性金属は、材料の生体適合性を変化させずに陽極酸化させて表面を着色する。生体適合性金属の陽極酸化は、生体適合性金属の完全性や特性を損なうことなく、生物医学的用途での生体適合性金属の適合性を維持する。一例では、生体適合性金属は陽極酸化されて、IMDの構成要素をラベリングするのを助ける文字列を表面に提供する。IMDの各種構成要素に色と文字列を付与することは、部品の特定を助け、IMDの不正確な製造、組立、植込のリスクを低減する。この恩恵は、外科的用途や複雑なIMDの組立において有益である。
【0010】
本開示は、陽極酸化して色と文字列の少なくとも一方を含む識別子を提供する生体適合性金属基板を含むことによって、IMDをラベリングする。陽極酸化生体適合性金属基板は生体適合性であり、ワイヤの交差やリード線の誤接続などの組立ミスのリスクを低減する。本明細書で説明するラベルおよび方法は、不安定な構成要素(たとえばインク)を排除し、他のラベリング方法を使用する生体適合性リスクを取り除く。また、本明細書で説明するIMDおよび方法は、製造の融通が利き、植込コストが安価である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】IMDを含むシステムの一例を示す概略図である。
図2図1のIMDの例の一部を概略的に示す近接図である。
図3A図2のIMDのコアの例を示す斜視図である。
図3B図3Aのコアの例を示す側面図である。
図4図3Aのコアを含むヘッダの一例を示す斜視図である。
図5A図2のIMDのコアの一例を示す斜視図である。
図5B図5Aのコアの例を示す側面図である。
図6】IMD12のリード線アセンブリの一例を示す斜視図である。
図7】IMD12のヘッダおよびハウジングの一例を示す斜視図である。
図8】植込型医療装置をラベリングする方法の一例を概略的に示す。
図9】植込型医療装置をラベリングする方法の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は、外部モジュール16に無線で接続される、身体(たとえば患者14)内に植え込まれた植込型医療装置(IMD)12を含むシステム10の一例を概略的に示す。一例では、IMD12は、導電部(たとえば気密封止チタン製ハウジング、またはその他の材料を含むハウジング)を含む植込型装置ハウジング18、ヘッダ22、植込型リード線アセンブリ24を含む。ヘッダ22は植込型リード線アセンブリ24を、ハウジング18とハウジング18内に収容される電気回路とに機械的および電気的に接続する。
【0013】
一例では、IMD12は、血管内に送達可能なリード線アセンブリ24などの植込型リード線アセンブリに接続する。リード線アセンブリ24は、心臓26上、心臓26内、または心臓26の近傍の部位に電気刺激を供給するように構成する。たとえば、上記リード線アセンブリ24は複数のリード線27A、27B、27C(まとめて「リード線27」と称する)を含む。リード線27は電極を含む。
【0014】
たとえば、リード線27Aは、先端電極および/またはリング電極など、右室36に対応付けられる電極28を含む。特定の心室に電極を挿入すること、特定の心室近傍の心臓血管系の部分に電極を挿入すること、特定の心室外の心外膜に電極を配置すること、あるいは、信号を感知するおよび/または心室に対する治療を施す電極を構成または配置するその他任意の技術によって、電極28は特定の心室と「対応付けられる」。リード線27Bは先端電極および/またはリング電極など、右心房32と対応付けられる電極30を含む。冠状静脈洞および/または心臓大静脈またはその支脈の1つに挿入可能なリード線27Cは、先端電極および/またはリング電極などの左室34と対応付けられる電極29を含む。図1の例は心臓内に配置されるように構成される3つのリード線を含むが、リード線の数と位置は提供される治療の種類とIMDの種類とに応じて変更する。
【0015】
一例では、IMD12は、ハウジング電極38および/またはヘッダ電極42など、IMD12のハウジング18に配置される電極を含み、それらの電極は、心臓26と対応付けられる電極28、29、30のうちの少なくとも1個と併せて特に心臓信号の単極感知や収縮喚起刺激の単極送達に有用である。
【0016】
ハウジング18は、送信機、受信機、または送受信機など、植込型回路20の少なくとも一部を収容する。一例では、IMD12は、リード線アセンブリ24をハウジング18の植込型回路20に対して機械的および電気的に接続するように構成されるヘッダ22を含む。IMD12は、情報を外部モジュール16に対して電磁的に無線で転送するように構成されるアンテナをヘッダ22内に含む。一例では、外部モジュール16は外部遠隔測定回路に接続される外部アンテナを含む。
【0017】
一例では、外部モジュール16は、医師プログラマー、臨床モニタ、あるいは、プログラミング指示または構成情報をIMD12に転送、または診断情報、疾病状態、生理学的パラメータに関する情報などをIMD12から受信するのに使用される比較的近傍のアセンブリを含む。外部モジュール16は、他の場所に位置する遠隔外部アセンブリ(たとえば、サーバ、ウェブ接続パーソナルコンピュータなどのクライアント端末、セルラー基地局、またはその他の無線または有線遠隔アセンブリ)などのその他の外部アセンブリに通信可能に接続する。
【0018】
本明細書で述べるように、リード線と電極構造が増加すると、ヘッダ22を介したリード線27とハウジング18の連結が複雑化する虞がある。図1の例では、ヘッダ22はヘッダラベル40A〜C(本明細書ではまとめて「ヘッダラベル40」と称する)を含むことができ、リード線27はリード線ラベル41A〜C(本明細書ではまとめて「リード線ラベル41」と称する)を含む。ヘッダとリード線ラベル40および41は生体適合性金属基板などの生体適合性材料から形成する。たとえば、ヘッダとリード線ラベル40、41はチタン、タンタル、タングステン、ステンレス鋼、ニチノール、コバルトクロム合金、パラジウム、白金、他の貴金属から形成する。生体適合性金属基板は識別子を含むように陽極酸化させる。識別子は色と文字列のうち少なくとも一方を含む。識別子(たとえば色と文字列の少なくとも一方)を含むヘッダとリード線ラベル40および41は、IMD12の製造、組立、植込を支援する。
【0019】
図2図1のIMD12の一例を概略的に示す。IMD12はハウジング18、ヘッダ22、リード線アセンブリ24を含む。一例では、ヘッダ22はヘッダハウジング46内に位置するコア48を含む。ヘッダハウジング46とコア48は孔50A〜C(まとめて「孔50」と称する)を画定する。図2に示すように、各リード線27A〜Cは対応する孔50A〜C内に配置される。たとえば、リード線27Aは孔50Aに配置され、リード線27Bは孔50Bに配置され、リード線27Cは孔50Cに配置される。ヘッダラベル40とリード線ラベル41は、リード線27をヘッダ22に誤って接続するリスクを軽減するように視覚的支援を提供する。
【0020】
一例では、コア48はポリウレタン、ポリエーテルエーテルケトン、エポキシ、他の材料などの誘電材料から形成する。一例では、ヘッダハウジング46は半透明とし、誘電材料から形成する。ヘッダハウジング26は半透明であるため、ヘッダラベル40がヘッダハウジング46を介して目視可能である。
【0021】
一例では、ヘッダラベル40A〜Cはそれぞれ陽極酸化されて、識別子を含む陽極酸化金属ラベルを提供する。陽極酸化は表面に酸化層を成長させることを含み、様々な色の範囲を生成する。陽極酸化について本明細書にてさらに説明する。ヘッダラベル40A〜Cの各識別子はヘッダラベル40の対応するヘッダラベルの識別子と略合致する。各ヘッダラベル40A〜Cは孔50A〜Cの対応する孔に隣接して配置され、特定の孔との関係を視覚的に示す。一例では、ヘッダラベル40Aは孔50Aと対応付ける。ヘッダラベル40Aは孔50Aに隣接する位置でコア48に配置することによって孔50Aと対応付けられて、その関係を示す。一例では、ヘッダラベル40Bは孔50Bと対応付け、ヘッダラベル40Cは孔50Cと対応付ける。
【0022】
図2の例に示すように、孔50Aを介してハウジング18に接続されるように構成されるリード線27Aは、ヘッダラベル40Aの識別子と略合致する識別子を有するリード線ラベル40Aを含むことによって、リード線27Aが孔50Aを介してハウジング18に正確に接続されていることを示す。一例では、ヘッダラベル40Aとリード線ラベル41Aの識別子は色とする。すなわち、ヘッダラベル40Aの表面とリード線ラベル41Aの表面を陽極酸化させて色51を提供する。一例では、色51は赤色とする。したがって、作業者は、リード線27A(たとえば色51を有する)がコア48の孔50A(たとえば色51を有する)を介してハウジング18に接続されていることを容易に視認可能である。
【0023】
一例では、ヘッダラベル40Bは孔50Bと対応付ける。リード線27Bは孔50Bを介してハウジング18に接続される。ヘッダラベル40Bとリード線ラベル41Bは同一の識別子を含む。たとえば、ヘッダラベル40Bの表面とリード線ラベル41Bの表面は陽極酸化して色52を提供する。一例では、色52は色51と異なる。一例では、色51は赤色とし、色52は青色とする。したがって、作業者は、リード線27B(たとえば色52を有する)が孔50B(たとえば色52を有する)を介してハウジング18に接続されていることを容易に視覚的に認識する。
【0024】
一例では、ヘッダラベル40Cは孔50Cと対応付ける。リード線27Cは孔50Cを介してハウジング18に対して接続される。ヘッダラベル40Cとリード線ラベル41Cは同一の識別子を含む。たとえば、ヘッダラベル40Cの表面とリード線ラベル41Cの表面は陽極酸化させて色53を提供する。一例では、色53は色51および色52と異なる。たとえば、色51は赤色とし、色52は青色とし、色53は黄色とする。したがって、作業者は、リード線27C(たとえば色53を有する)が孔50C(たとえば色53を有する)を介してハウジング18に接続されていることを容易に視認可能である。
【0025】
各種生体適合性金属を使用して、ヘッダラベル40とリード線ラベル41を提供する。本明細書で述べるように、生体適合性金属を陽極酸化させることで、ある範囲の色を提供する。たとえば、生体適合性金属を陽極酸化させて、黒色、灰色、茶色、紫色、青色、黄色、赤色、橙色、緑色を含むがそれらに限定されない色を提供することができる。
【0026】
一例では、ヘッダラベル40は陽極酸化して、IMD12の不正確な組立、製造、植込のリスク低減をさらに支援することのできる文字列を提供する。ヘッダラベル40が色(たとえば背景色)を含むように陽極酸化された後、ヘッダラベル40に文字列を提供する。図2の例に示すように、ヘッダラベル40Aは陽極酸化して「RV」43などの文字列を提供する。図1に示したように、リード線27Aは心臓26の右室と対応付けられるように構成する。よって、文字列「RV」43はIMD12を植え込む際に外科医を助ける。文字列「RV」43はヘッダラベル40Aの色51との対比で黒色にする。ヘッダラベル40Bは、リード線27Bが右心房に挿入されるように構成されることを示す文字列「RA」44を含む。さらに、ヘッダラベル40Cは、リード線27Cが左室に挿入されるように構成されることを示す文字列「LV」を含む。一例では、リード線ラベル41A〜Cが文字列を含むように変更することもできる。一例では、文字列は文字、数字、符号、および/またはその他の図形を含む。
【0027】
生体適合性金属基板を陽極酸化させて色と文字列を提供することは、電気化学陽極酸化法とLASER陽極酸化法のうち少なくとも一方によって実行する。一例では、電気化学陽極酸化法を用いて色を提供し、LASER陽極酸化法を用いて文字列を提供する。電気化学陽極酸化法は、生体適合性金属基板の表面に酸化層を電気化学的に成長させて、第1の識別子(たとえば色)を含むヘッダラベル40とリード線ラベル41とを形成する。たとえば、色を含めるように構成要素を入れた電解槽に電圧を印加する。印加電圧は酸化層の厚さを制御して、構成要素に生成される色を決定する。
【0028】
LASER陽極酸化法は、レーザ処理によって生体適合性金属基板の表面に酸化層を成長させることを含む。たとえば、酸化層は酸素含有雰囲気中でのレーザ加熱に基づき精密な厚さまで成長させられる。一例では、電気化学陽極酸化法とLASER陽極酸化法のいずれかを利用して色を提供する。一例では、電気化学陽極酸化法を使用して色を提供し、LASER陽極酸化法を使用して文字列を提供する。
【0029】
図2の例では、ヘッダラベル40A〜Cは正方形である。しかしながら、ヘッダラベル40A〜Cの形状は他の形状を含む。たとえば、ヘッダラベル40A〜Cの形状は、ヘッダラベル40A〜Cを区別できるように相互に異ならせるように修正する。一例では、ヘッダラベル40Aは正方形、ヘッダラベル40Bは三角形、ヘッダラベル40Cは円形とする。
【0030】
図3Aは、図2のIMD12のコア48の一例を示す斜視図である。コア48は上面54、下面56、2つの側壁面64、66を含む。第1の面60および第2の面62は上面54、下面56、2つの側壁面64、66の間に延在する。コア48は第1の側壁面64から第2の側壁面66に向けて延在する孔50A〜Cを含む。コア48は、コネクタブロック(図7ではコネクタブロック104A〜B、106A〜D、108として示す)を収容する複数のコネクタブロック開口68を含む。コネクタブロック開口68は第1の面60からコア48の第2の面62まで延在する。別の例では、複数のコネクタブロック開口68のうち1またはそれ以上はコア48内へ延在する。コネクタブロック開口68に挿入されたときにコネクタブロックがリード線27A〜Cの接触面とインタフェースをとるように、コネクタブロック開口68は孔50A〜Cと連通させる。
【0031】
図3Aの例では、コア48はコア38の第1の側壁64に沿って収容空隙70A〜Cを含む。収容空隙70A〜Cはコア48の第1の側壁64まで延在するスロットとすることができ、ヘッダラベル40A〜Cを収容するように構成される。たとえば、ヘッダラベル40A〜Cは、収容空隙70A〜Cに挿入される寸法と形状の金属基板とする。コア48は収容空隙70A〜Cと連通する窓72A〜Cを含む。たとえば、ヘッダラベル40A〜Cが収容空隙70A〜Cに挿入されると、ヘッダラベル40A〜Cの表面の一部が窓72A〜Cを介して可視となる。収容空隙70A〜Cは窓72A〜Cよりも大きな面積を有して、金属基板(たとえば陽極酸化前または空の)が収容空隙70A〜Cに挿入されるときに最初の安定性を提供する。本明細書で述べるように、ヘッダラベル40A〜Cは、収容空隙70A〜Cへの挿入前あるいは収容空隙70A〜Cへの挿入後に陽極酸化させる。一例では、ヘッダラベル40A〜Cは収容空隙70A〜Cへの挿入前に陽極酸化させることができ、ヘッダラベル40A〜Cの収容空隙70A〜Cへの挿入後、文字列(本明細書では図2を参照して説明)をヘッダラベル40A〜Cに提供する。
【0032】
図3Bは、図3Aのコア48の例を示す側面図である。図3Bに示す例では、収容空隙70A〜Cは孔50A〜Cに隣接して配置される。たとえば、収容空隙70Aは孔50Aに隣接して配置され、収容空隙70Bは孔50Bに隣接して配置され、収容空隙70Cは孔50Cに隣接して配置される。言い換えれば、収容空隙70Aは孔50Bまたは50Cよりも孔50Aの近くに配置され、収容空隙70Bは孔50Aまたは50Cよりも孔50Bの近くに配置され、収容空隙70Cは孔50Aまたは50Bよりも孔50Cの近くに配置される。
【0033】
図4は、IMD12のヘッダ22の一例を示す斜視図である。ヘッダ22はコア48(図3Aおよび3Bに示す)とヘッダハウジング46とを含む。ヘッダハウジング46はコア48にオーバーモールドさせる。ヘッダハウジング46とコア48は、リード線27A〜C(図1および2に示す)を収容するように構成する孔50A〜Cを画定する。図4の例では、ヘッダラベル40A〜Cが収容空隙(図3Bで70A〜Cとして示す)内に配置される。一例では、ヘッダラベル40A〜Cは、窓72A〜Cの面積よりも大きな表面積を有する正方形の金属基板である。窓72A〜Cよりも大きな表面積のヘッダラベル40A〜Cを設けることによって、(たとえば色および/または文字列用の)陽極酸化および/またはオーバーモールドより前にヘッダラベル40A〜Cをコア内に確実に配置する。
【0034】
一例では、ヘッダラベル40A〜Cは空の金属基板として収容空隙70A〜Cに挿入することができ、コア48への挿入後は(たとえば色と文字列を含むように)陽極酸化させる。別の例では、ヘッダラベル40A〜Cは、収容空隙70A〜Cへの挿入前に(たとえば色と文字列を含むように)陽極酸化させる。
【0035】
一例では、ヘッダラベル40A〜Cは収容空隙70A〜Cへの挿入前に陽極酸化させて第1の識別子(たとえば色)を提供することができ、収容空隙70A〜Cへの挿入後に陽極酸化させて第2の識別子(たとえば文字列)を提供する。たとえば、ヘッダラベル40Aは色51を含むように陽極酸化させることができ、ヘッダラベル40Bは色52を含むように陽極酸化させ、ヘッダラベル40Cは色53を含むように陽極酸化させる。色がヘッダラベル40A〜Cの各々に添加された後、ヘッダラベル40A〜Cを収容空隙70A〜Cに挿入する。文字列が提供される例では、ヘッダラベル40A〜Cが収容空隙70A〜Cに挿入された後にヘッダラベル40A〜Cに文字列を提供する。たとえば、ヘッダラベル40A〜Cは文字列を含むように陽極酸化させる。たとえば、ヘッダラベル40A〜Cを収容空隙70A〜Cに挿入した後、文字列「RA」、「LV」、「RV」をヘッダラベル40A〜Cに提供する。このように、文字列は必ず窓72A〜Cを介して可視となる。一例では、第1の識別子(たとえば色)が第2の識別子(たとえば文字列)より前にヘッダラベル40A〜Cに添加される。
【0036】
一例では、ヘッダラベル40A〜Cは窓72A〜Cよりも大きな寸法を有することができ、収容空隙に挿入される。一例では、窓72A〜Cは収容空隙とすることができ、ヘッダラベル40A〜Cは窓72A〜C内に置く。たとえば、ヘッダラベル40A〜Cは窓72A〜Cと略同一であるため、ヘッダラベル40A〜Cは収容空隙としての役割を果たす窓72A〜Cに置く。別の例では、コア48は収容空隙を含まず、ヘッダラベル40A〜Cはたとえば生体適合性接着剤によってコア48の第1の面60に連結される。
【0037】
図5Aは、図2のIMDのコア48の一例を示す斜視図である。図4のヘッダラベル40A〜Cは別個の独立したラベルとして示しているが、図5Aでは単独のヘッダラベル74を含むコア48の一例を示す。たとえば、コア48は第1の側壁64に沿った単独の収容空隙76(図5Bに示す)を含む。ヘッダラベル74は、ヘッダラベル74の一部が窓72A〜Cを介して見えるように収容空隙76に挿入する。ヘッダラベル74は、孔50Aに隣接するヘッダラベル74の部分78が色51を有し、孔50Bに隣接するヘッダラベル74の部分80が色52を有し、孔50Cに隣接するヘッダラベル74の部分82が色53を有するように選択的に陽極酸化させる。一例では、部分78、80、82は、文字列を含むように陽極酸化させる。たとえば、部分78は文字列「RV」を含み、部分80は文字列「RA」を含み、部分82は文字列「LV」を含む。
【0038】
図6は、IMD12のリード線アセンブリ24の一例を示す斜視図である。本明細書で述べるように、IMD12はリード線アセンブリ24などのリード線アセンブリを含む。リード線アセンブリ24はリード線27A〜Cを含む。リード線27A〜Cは遠位端84と近位端86を含む。遠位端84は隣接組織に治療を施すように構成される電極を含む。たとえば、リード線27Aは電極29を含むことができ、リード線27Bは電極30を含むことができ、リード線27Cはリード線29を含む。一例では、近位端86は本明細書で述べるようにリード線ラベル41A〜Cを含む。
【0039】
リード線ラベル41A〜Cは生体適合性材料から形成する。たとえば、リード線ラベル41A〜Cはチタン、タンタル、タングステン、ステンレス鋼、ニチノール、コバルトクロム合金、パラジウム、白金、その他の貴金属などの生体適合性金属から形成する。リード線ラベル41A〜Cはそれぞれ識別子を含む。たとえば、識別子は色と文字列のうち少なくとも一方を含む。図4の例では、リード線ラベル41Aは色51を有するように陽極酸化し、リード線ラベル41Bは色52を有するように陽極酸化し、更にはリード線ラベル41Cは色53を有するように陽極酸化する。
【0040】
一例では、リード線ラベル41A〜Cは、リード線27A〜Cの外面100の周囲に配置される環状リングとする。一例では、リード線ラベル41A〜Cはリード線27A〜Cに締まり嵌めする。たとえば、リード線ラベルはリード線27A〜Cにかしめる。外面の周囲に配置されるリード線ラベル41A〜Cを含むリード線27A〜Cの部分は透明なポリマー材料でオーバーモールドして、識別子(たとえば色または文字列)を可視にしたまま円滑な外面100を提供する。
【0041】
一例では、リード線ラベル41A〜Cはリード線27A〜Cの本体と一体化させる。たとえば、環状金属リングは陽極酸化して、リード線の本体に透明ポリマー材料で成形する。
【0042】
リード線27A〜Cの近位端86は、ヘッダ22(図2に示す)の孔50A〜C内に収容されるように構成される近位部分88A〜Cを含む。近位部分88A〜Cは本明細書で述べるようにコア内のコネクタブロックと、先端部と接触するように構成される接触面を含む。たとえば、リード線27Aは孔50A(図2に示す)内に収容されるように構成される部分88Aを含む。部分88Aは先端接点94と接点リング90Aおよび90Bとを含む。リード線27Bは孔50B(図2に示す)内に収容されるように構成される部分88Bを含む。部分88Bは先端接点96と接点リング91Aおよび91Bとを含む。リード線27Cは、孔50C(図2に示す)内に収容されるように構成される部分88Cを含む。部分88Cは先端接点98と接点リング92Aおよび92Bとを含む。部分88A〜Cはそれぞれ2つの接点リングと1つの先端接点とを含むが、他の構造も可能である。たとえば、部分88A〜Cはそれぞれ1〜3つのリング接点と1つの先端接点を含む。
【0043】
先端接点94、96、98および接点リング90A、90B、91A、91B、92A、92Bは本明細書に記載するように生体適合性材料から形成する。いくつかの例では、先端接点94、96、98および/または接点リング90A、90B、91A、91B、92A、92Bのうち少なくとも一方を陽極酸化させて識別子を提供する。一例では、先端接点を陽極酸化させて識別子を提供する。すなわち、先端94、96、98および/または接点リング90A、90B、91A、91B、92A、92Bのうち少なくとも一方はリード線27A〜C用のリード線ラベルとする。たとえば、先端接点94および/または接点リング90Aおよび90Bのうち少なくとも一方を陽極酸化させて色51を提供し、先端接点96および/または接触面91Aおよび91Bのうち少なくとも一方を陽極酸化させて色52を提供し、先端接点98および/または接触面92Aおよび92Bのうち少なくとも一方を陽極酸化させて色53を提供する。
【0044】
図7は、IMD12のヘッダ22とハウジング18の一例を示す斜視図である。本明細書で述べるように、ヘッダ22はヘッダハウジング46内に配置されるコア48を含むことができ、ヘッダハウジング46とコア48とが孔50A〜Cを画定する。図7の例では、ヘッダ22はコア48の一部に沿って、少なくとも部分的にヘッダハウジング46内に配置されるアンテナ110を含む。
【0045】
図7のヘッダ22はコネクタブロック開口68内に配置されるコネクタブロック104A〜B、106A〜D、108を含む。コネクタブロック104A〜B、106A〜D、108はリード線27A〜Cのうち少なくとも1個と電気的および機械的に結合させる。たとえば、コネクタブロック104A〜B、106A〜D、108は、リード線27A〜Cが孔50A〜C内に配置されたときにリード線27A〜C(図6に示す)の接点リング90A、90B、91A、91B、92A、92Bおよび先端接点94、96、98と相互作用する接触面を提供する。
【0046】
一例では、複数の接触ワイヤ112、113、114、115、116、117、118、119はハウジング18の上部120から延在させる。接触ワイヤ112、113、114、115、116、117、118、119はコネクタブロック104A〜B、106A〜D、108と接続させて、リード線27A〜Cをハウジング18に収容される電気回路20に電気的に接続する。図7の例は8つの接触ワイヤを含むが、接触ワイヤの数はIMD12の種類と提供される治療に応じて決定する。一例では、接触ワイヤの数は2〜32の範囲で変更する。一例では、接触ワイヤの数は32よりも多くする。しかしながら、接触ワイヤの数が増加するにつれ、ワイヤの誤接続(たとえばワイヤ交差)のリスクも高まる可能性がある。
【0047】
一例では、接触ワイヤ112、113、114、115、116、117、118、119のうち少なくとも1つのワイヤは、色などの識別子を含むように陽極酸化させる。たとえば、接触ワイヤ115および117は、孔50Aに対応付けられるコネクタブロック104Aおよび104Bに連結するように構成される。よって、接触ワイヤ115および117は色51(たとえば赤色)などの識別子を含むように陽極酸化させる。よって、作業者は、接触ワイヤ115および117(色51を有する)が孔50A(色51を含むヘッダラベル40Aを有する)に対応付けられるコネクタブロック104A〜Bに接続されることを容易に視認することができる。
【0048】
一例では、接触ワイヤ114、116、118、119は色52(たとえば青色)などの識別子を含むように陽極酸化させる。よって、作業者は、接触ワイヤ114、116、118、119(色52を有する)が孔50BA(色52を含むヘッダラベル40Bを有する)と対応付けられるコネクタブロック106A〜Dに接続されることを容易に視認することができる。さらに、接触ワイヤ113は色53(たとえば黄色)などの識別子を含むように陽極酸化させる。よって、作業者は、接触ワイヤ113(色53を有する)が孔50C(色53を含むヘッダラベル40Cを有する)と対応付けられるコネクタブロック108と接続されることを容易に視覚的に確認する。接触ワイヤ112は陽極酸化させなくてもよく、陽極酸化前の生体適合性金属の色(たとえば銀)を有していてもよい。
【0049】
一例では、コネクタブロック104A〜B、106A〜D、108は識別子(たとえば色)を含むように陽極酸化させて、作業者または外科医をさらに支援する。たとえば、コネクタブロック104A〜Bは色51を有するように陽極酸化させ、コネクタブロック106A〜Dは色52を有するように陽極酸化させ、コネクタブロック108は色53を含むように陽極酸化させる。コネクタブロックはヘッダラベル40A〜Cに加えて、あるいはヘッダラベル40A〜Cの代わりに陽極酸化させる。一例では、ヘッダラベル40A〜Cは文字列「RV」、「RA」、「LV」のみを含み、コネクタブロックは色51、52、52を含む。
【0050】
図8は、IMDをラベリングする方法200の一例を示す。方法200を説明する際、参照符号を含め、本明細書で既に説明した特徴および要素を参照する。方法200の説明内で提供される符号付きの要素は限定することを意図しておらず、参照符号は便宜上付しており、それらの要素は本明細書に記載する類似の特徴並びにその等価物を含む。
【0051】
方法200は202で、第1の生体適合性金属基板および第2の生体適合性金属基板を植込型医療装置のヘッダのコアに接続することを含む。たとえば、第1の生体適合性金属基板と第2の生体適合性金属基板はIMD12のヘッダ22のコア48に接続する。コア48は第1の孔50Aと第2の孔50Bを有することができ、第1の生体適合性金属基板は第1の孔50Aに隣接して配置され、第2の生体適合性金属基板は第2の孔50Bに隣接して配置される。たとえば、金属基板は図4に示すようにヘッダラベル40Aおよび40Bとする。生体適合性金属基板は図3Aおよび3Bを参照して本明細書で説明したように接続する。たとえば、生体適合性金属基板(たとえばヘッダラベル40Aおよび40B)は収容空隙70Aおよび70Bに挿入する。
【0052】
方法200は、第1の収容空隙(たとえば収容空隙70A)と第2の収容空隙(たとえば収容空隙70B)とを含むようにコア48を形成することを含む。第1の収容空隙70Aは第1の生体適合性金属基板(たとえばヘッダラベル40A)を収容するように構成し、第2の収容空隙は第2の生体適合性金属基板(たとえばヘッダラベル40B)を収容するように構成する。
【0053】
方法200は204で、少なくとも第1の色を含むように第1の生体適合性金属基板を陽極酸化することを含むことができ、206で少なくとも第2の色を含むように第2の生体適合性金属基板を陽極酸化することを含む。本明細書で述べるように、第1の色と第2の色は相互に異なる。一例では、電気化学陽極酸化法を使用する。別の例では、第1および第2の色はLASER陽極酸化法を用いて提供する。
【0054】
方法200は、第1の文字列を含むように第1の生体適合性金属基板を陽極酸化することと、第2の文字列を含むように第2の生体適合性金属基板を陽極酸化することを含むことができ、第2の文字列は第1の文字列と異なる。たとえば、図4に示すように、ヘッダラベル40Aは文字列「RV」を含むように陽極酸化させる。一例では、LASER陽極酸化法を使用して文字列を提供する。一例では、文字列は黒色などの色で提供することによって、第1および第2の生体適合性金属基板に提供される第1および第2の色と対比させることができる。
【0055】
陽極酸化は、染料またはインクを使用せずに様々な色を生成する。陽極酸化法は、可視光波長のスケールで厚さを制御される酸化表面を提供する。形成される色は、様々な工程要因によって決定される酸化層の厚さに左右される。電気化学陽極酸化法の間、電圧が構成要素を含む電解槽に印加されて色を生成する。印加電圧は酸化層の厚さを制御することによって、構成要素に生成される色を制御する。LASER陽極酸化法中、レーザ光が金属基板の表面を通過する。脈拍数、電力(たとえば電圧)、焦点サイズ、移動速度、レーザの通過速度、構成要素質量、熱伝導率、工程雰囲気、熱設備、焦点深度、入射角度が酸化層の厚さに影響を及ぼすことによって、構成要素に生成される色を制御する。
【0056】
方法200は、生体適合性金属基板を陽極酸化する前または後に生体適合性金属基板の表面をテクスチャ加工することを含む。テクスチャ加工表面は、平均色が見る者に提示されるように屈折を最小化する。テクスチャ加工表面は、視野角に依存しない、より均一で精密な色を提供する。一例では、生体適合性材料は陽極酸化の前または後に突起を有するプレス機を通過させてテクスチャ加工表面を提供する。別の例では、陽極酸化に使用されるレーザ光を利用して表面をテクスチャ加工する。
【0057】
本明細書で述べるように、方法200は第1の生体適合性金属基板および第2の生体適合性金属基板をコアに接続する前に、第1の生体適合性金属基板を陽極酸化させることと、第2の生体適合性金属基板を陽極酸化させることを含む。もしくは、方法200は、第1の生体適合性金属基板および第2の生体適合性金属基板をコアに接続した後に第1の生体適合性金属を陽極酸化させることと、第2の生体適合性金属基板を陽極酸化させることを含む。
【0058】
一例では、生体適合性金属基板は電気化学陽極酸化法を使用して陽極酸され、色を提供する。その後、陽極酸化された生体適合性金属基板はヘッダのコアに接続される。いったんコアに接続されれば、生体適合性金属基板はLASER陽極酸化法を使用して陽極酸化されて文字列を提供する。
【0059】
方法200は208において、第1の生体適合性金属基板と第2の生体適合性金属基板とを含むコアをオーバーモールドすることを含む。たとえば、生体適合性金属基板(たとえばヘッダラベル40A〜40C)を含むコア48をオーバーモールドしてヘッダ22のヘッダハウジング46を形成する。すなわち、ヘッダハウジング46はコア48の周囲にオーバーモールドするか、あるいはその他の形で形成する。
【0060】
方法200は、リード線アセンブリの第1のリード線を第1の孔に接続することと、リード線アセンブリの第2のリード線を第2の孔に接続することを含む。たとえば、リード線アセンブリ24のリード線27Aは孔50Aに接続し、リード線アセンブリ24のリード線27Bは孔50Bに接続する。
【0061】
方法200は、第1の色を含むように第1の環状リングを陽極酸化することと、第2の色を含むように第2の環状リングを陽極酸化することを含む。たとえば、第1の環状リング41Aは、ヘッダラベル40Aの色51と同一である色(たとえば色51)を形成するように陽極酸化される。また、第2の環状リング41Bは、ヘッダラベル40Bの色52と同一である色(たとえば色52)を形成するように陽極酸化される。方法200は、第1の環状リングを第1のリード線27Aの近位端に接続することと、第2の環状リング41Bを第2のリード線27Bの近位端に接続することとを含む。たとえば、環状リング41A〜Cは締まり嵌めまたはかしめによってリード線27A〜Cに接続する。また、環状リング41A〜Cはリード線27A〜Cの周溝内に配置する。一例では、リード線ラベル41A〜Cはリード線27A〜Cの本体に一体化させる。たとえば、環状金属リング(たとえばリード線ラベル41A〜C)は陽極酸化させて、透明ポリマー材料でリード線27A〜Cの本体にモールドする。
【0062】
方法200は、第1の色を含むように電子回路を含むハウジングから延在する第1の接触ワイヤを陽極酸化させることと、第2の色を含むようにハウジングから延在する第2の接触ワイヤを陽極酸化させることとを含む。本明細書で図7の例に関して説明したように、接触ワイヤ112〜119は色を含むように陽極酸化される。接触ワイヤ112〜119のそれぞれの色は、ユーザが接触ワイヤ112〜119をヘッダ22に接続するのを支援する。たとえば、接触ワイヤ115および117は孔50Aに対応付けられるコネクタブロック104Aおよび104Bに接続するように構成する。よって、接触ワイヤ115および117は、色51(たとえば赤色)などの識別子を含むように陽極酸化される。接触ワイヤ114、116、118、119は色52(たとえば青色)などの識別子を含むように陽極酸化される。さらに、接触ワイヤ113は色53(たとえば黄色)などの識別子を含むように陽極酸化される。
【0063】
方法200は、第1の接触ワイヤを第1の孔内に配置されるコネクタブロックに接続することと、第2の接触ワイヤを第2の孔内に配置されるコネクタブロックに接続することとを含む。たとえば、接触ワイヤ115および117(たとえば色51を有する)は孔50A(たとえば色51を含むヘッダラベル40Aを有する)に対応付けられるコネクタブロック104A〜Bに接続し、接触ワイヤ114、116、118、119(たとえば色52を有する)は孔50BA(たとえば色52を含むヘッダラベル40Bを有する)に対応付けられるコネクタブロック106A〜Dに接続することができ、接触ワイヤ113(たとえば色53を有する)は孔50C(たとえば色53を含むヘッダラベル40Cを有する)に対応付けられるコネクタブロック108に接続する。
【0064】
図9は、IMDをラベリングする方法300の一例を示す。方法300を説明する際、参照符号を含め、本明細書で既に説明した特徴および要素を参照する。方法300の説明内で提供される符号付きの要素は限定することを意図しておらず、参照符号は便宜上付しており、それらの要素は本明細書に記載する類似の特徴並びにその等価物を含む。
【0065】
方法300は302で、第1の生体適合性金属基板を植込型医療装置のヘッダのコアに接続することを含む。たとえば、生体適合性金属基板(たとえばヘッダラベル74)は、図5Aに示すように、コア48に接続する。コア48は第1の孔50Aおよび第2の孔50Bを有する。生体適合性金属基板は図5Aおよび5Bを参照して説明したようにコアに接続する。たとえば、生体適合性金属基板(たとえばヘッダラベル74)は収容空隙76に挿入する。方法300は収容空隙76を含むようにコア48を形成することを含み、第1の収容空隙76は生体適合性金属基板(たとえばヘッダラベル76)を収容するように構成する。
【0066】
方法300は304で、第1の色を含むように生体適合性金属基板の第1の部分を陽極酸化させることと、306で、第2の色を含むように生体適合性金属基板の第2の部分を陽極酸化させることを含む。たとえば、ヘッダラベル74は、孔50Aに隣接するヘッダラベル74の部分78が色51を有し、孔50Bに隣接するヘッダラベル74の部分80が色52を有し、孔50Cに隣接するヘッダラベル74の部分82が色53を有するように選択的に陽極酸化させる。
【0067】
本明細書で述べるように、方法300は、生体適合性金属基板をコアに接続する前に生体適合性金属基板の第1の部分を陽極酸化させることと、生体適合性金属基板の第2の部分を陽極酸化させることとを含む。一例では、生体適合性金属基板の第1および第2の部分は、色を提供するように電気化学陽極酸化法を用いて陽極酸化させる。
【0068】
任意で、方法300は308で、第1の文字列を含むように生体適合性金属基板の第1の部分を陽極酸化させることと、310で、第2の文字列を含むように生体適合性金属基板の第2の部分を陽極酸化させることとを含む。方法300は、生体適合性金属基板をコアに接続した後に第1および第2の文字列を含むように生体適合性金属基板の第1および第2の部分をそれぞれ陽極酸化させることを含む。一例では、生体適合性金属基板の第1および第2の部分は、本明細書で説明するようにLASER陽極酸化法を用いて文字列を提供するように陽極酸化させる。
【0069】
方法300は312で、生体適合性金属基板を含むコアをオーバーモールドすることを含む。たとえば、生体適合性金属基板(たとえばヘッダラベル74)を含むコア48をオーバーモールドしてヘッダ22のヘッダハウジングを形成する。すなわち、ヘッダハウジングは本明細書に記載するように、コア48の周囲にオーバーモールドする、あるいは他の形で形成する。
追加の注釈および実施例
実施例1は、電子回路を含むハウジングと、ハウジングに連結され、コアを含むヘッダであって、コアが孔を画定し、少なくとも1つの孔に隣接して配置される第1の金属ラベルを含むヘッダと、遠位端と近位端とを有する少なくとも1つのリード線を含むリード線アセンブリであって、少なくとも1つのリード線が第2の金属ラベルを含み、遠位端が少なくとも1つの電極を含み、近位端が孔に収容されるリード線アセンブリと、を備える植込型医療装置を含む発明を含む。
【0070】
実施例2は、第1の金属ラベルと第2の金属ラベルがチタン、タンタル、タングステン、ステンレス鋼のうち少なくとも1つから選択されることを任意で含むように、実施例1の発明を含む、あるいは実施例1の発明と任意で組み合わせる。
【0071】
実施例3は、第1の金属ラベルが第1の識別子を含み、第2の金属ラベルが第2の識別子を含み、第1の識別子が第2の識別子と略同一であることを任意で含むように、実施例1ないし2のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0072】
実施例4は、第1の識別子と第2の識別子が色と文字列のうち少なくとも一方を含むことを任意で含むように、実施例1ないし3のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0073】
実施例5は、第1の識別子が第1の色であり、第2の識別子が第2の色であり、第2の色と第1の色が略同一であることを任意で含むように、実施例1ないし4のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0074】
実施例6は、第1の金属ラベルが陽極酸化された金属基板であることを任意で含むように、実施例1ないし5のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0075】
実施例7は、陽極酸化された金属基板の表面がテクスチャ加工されていることを任意で含むように、実施例1ないし6のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0076】
実施例8は、コアの表面が孔に隣接する収容空隙を画定し、収容空隙が第1の金属ラベルを収容するように構成されることを任意で含むように、実施例1ないし7のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0077】
実施例9は、第2の金属ラベルが陽極酸化された金属製環状リングであることを任意で含むように、実施例1ないし8のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0078】
実施例10は、陽極酸化された金属製環状リングの外面がテクスチャ加工されていることを任意で含むように、実施例1ないし9のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0079】
実施例11は、リード線の外面が第2の金属ラベルを収容する周溝を画定することを任意で含むように、実施例1ないし10のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0080】
実施例12は、コアが誘電材料でオーバーモールドされることを任意で含むように、実施例1ないし11のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0081】
実施例13は、第2の金属を有するリード線の少なくとも一部が誘電材料でオーバーモールドされることを任意で含むように、実施例1ないし12のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0082】
実施例14は、電子回路を含むハウジングであって、第1の接触ワイヤおよび第2の接触ワイヤがハウジングから延在し、第1の接触ワイヤが第1の識別子を含み、第2の接触ワイヤが第2の識別子を含むハウジングと、ハウジングに接続され、第1の孔および第2の孔を画定するコアを含むヘッダと、第1の孔と連通する第1のコネクタブロックと、第2の孔と連通する第2のコネクタブロックと、第1の孔に隣接して配置される第1の陽極酸化された金属ラベルと、第2の孔に隣接して配置される第2の陽極酸化された金属ラベルと、第1のリード線と第2のリード線とを含むリード線アセンブリであって、第1のリード線が第1のコネクタブロックを介して電子回路に電気的に接続され、第2のリード線が第2のコネクタを介して電子回路に電気的に接続されるリード線アセンブリと、を備える植込型医療装置を含む発明を含む。
【0083】
実施例15は、第1の接触ワイヤが陽極酸化されて第1の識別子を提供し、第1の識別子が第1の色であることを任意で含むように、実施例1ないし14のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0084】
実施例16は、第2の接触ワイヤが陽極酸化されて第2の識別子を提供し、第2の識別子が第1の色と異なる第2の色であることを任意で含むように、実施例1ないし15のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0085】
実施例17は、第1の陽極酸化された金属ラベルが第1の色を含むことを任意で含むように、実施例1ないし16のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0086】
実施例18は、第2の陽極酸化された金属ラベルが第2の色を含むことを任意で含むように、実施例1ないし17のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0087】
実施例19は、第1のコネクタブロックが陽極酸化されて第1の色を含み、第2のコネクタブロックが陽極酸化されて第2の色を含んでいることを任意で含むように、実施例1ないし18のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0088】
実施例20は、第1の陽極酸化された金属ラベルと第2の陽極酸化された金属ラベルがコアの表面に接合される陽極酸化された金属基板であることを任意で含むように、実施例1ないし19のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0089】
実施例21は、植込型医療装置をラベリングする方法などの発明を含む。該方法は、第1の生体適合性金属基板および第2の生体適合性金属基板を植込型医療装置のヘッダのコアに接続することであって、コアが第1の孔と第2の孔とを有し、第1の生体適合性金属基板が第1の孔に隣接し、第2の生体適合性金属基板が第2の孔に隣接して配置されることと、少なくとも第1の色を含むように第1の生体適合性金属基板を陽極酸化させることと、少なくとも第2の色を含むように第2の生体適合性金属基板を陽極酸化させることであって、第2の色が第1の色と異なることと、第1の生体適合性金属基板ラベルと第2の生体適合性金属基板とを含むコアをオーバーモールドすることと、を備える。
【0090】
実施例22は、第1の生体適合性金属基板を陽極酸化させることと第2の生体適合性金属基板を陽極酸化させることとが、第1の生体適合性金属基板および第2の生体適合性金属基板をコアに接合する前に実行されることを任意で含むように、実施例1ないし21のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0091】
実施例23は、第1の生体適合性金属基板を陽極酸化させることと第2の生体適合性金属基板を陽極酸化させることとが、電気化学陽極酸化とLASER陽極酸化のうち少なくとも一方を用いて実行されることを任意で含むように、実施例1ないし22のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0092】
実施例23は、リード線アセンブリの第1のリード線を第1の孔に接続することと、リード線アセンブリの第2のリード線を第2の孔に接続することとを任意で含むように、実施例1ないし22のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0093】
実施例24は、第1の色を含むように第1の環状リングを陽極酸化させることと、第2の色を含むように第2の環状リングを陽極酸化させることと、第1の環状リングを第1のリード線の近位端に接続することと、第2の環状リングを第2のリード線の近位端に接続することと、を任意で含むように、実施例1ないし23のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0094】
実施例25は、第1の収容空隙および第2の収容空隙を含むようにコアを形成することであって、第1の収容空隙が第1の生体適合性金属基板を収容するように構成され、第2の収容空隙が第2の生体適合性金属基板を収容するように構成されることを任意で含むように、実施例1ないし24のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0095】
実施例26は、第1の色を含むように電子回路を含むハウジングから延在する第1の接触ワイヤを陽極酸化させることと、第2の色を含むようにハウジングから延在する第2の接触ワイヤを陽極酸化させることと、第1の接触ワイヤを第1の孔内に配置されるコネクタブロックに接続することと、第2の接触ワイヤを第2の孔内に配置されるコネクタブロックを接続することと、を任意で含むように、実施例1ないし25のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0096】
実施例27は、第1の文字列を含むように第1の生体適合性金属基板を陽極酸化させることと、第2の文字列を含むように第2の生体適合性金属基板を陽極酸化させることと、第2の文字列が第1の文字列と異なることを任意で含むように、実施例1ないし26のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいはその発明と任意で組み合わせる。
【0097】
実施例28は、第1の色を含むように第1の生体適合性金属基板を陽極酸化させることと、第2の色を含むように第2の生体適合性金属基板を陽極酸化させることが電気化学陽極酸化法を用いて実行され、第1の文字列を含むように第1の生体適合性金属基板を陽極酸化させることと、第2の文字列を含むように第2の生体適合性金属基板を陽極酸化させることがLASER陽極酸化法を用いて実行されることを任意で含むように、実施例1ないし27のうちの1つまたは任意の組み合わせの発明を含む、あるいは任意で組み合わせる。
【0098】
植込型医療装置をラベリングする方法。
実施例29は、植込型医療装置をラベリングする方法などの発明を含む。該方法は、生体適合性金属基板を植込型医療装置のヘッダのコアに接続し、コアが第1の孔と第2の孔とを有することと、第1の色を含むように生体適合性金属基板の第1の部分を陽極酸化させることと、第2の色を含むように生体適合性金属基板の第2の部分を陽極酸化させることであって、第2の色が第1の色と異なり、生体適合性金属基板の第1の部分が第1の孔に隣接して配置され、生体適合性金属基板の第2の部分が第2の孔に隣接して配置されることと、第1の生体適合性金属基板ラベルと第2の生体適合性金属基板とを含むコアをオーバーモールドすることと、を含む。
【0099】
これらの非限定的例はそれぞれ独立させる、あるいはその他の例の1またはそれ以上との様々な置換または組み合わせで合体させる。
上記詳細な説明は、詳細な説明の一部を成す添付図面の参照を含む。図面は、本発明を実行する特定の実施形態を例示として示す。これらの実施形態は「実施例」として示す。このような実施例は、図示または説明される要素以外の要素を含む。しかしながら、本発明者らは、図示または説明される要素のみが提供される実施例も企図している。さらに、本発明者らは、本明細書に図示または記載される特定の実施例(あるいはその1つまたはそれ以上の態様)もしくはその他の実施例(あるいはその1つまたはそれ以上の態様)に対する、図示または説明される要素(あるいはその1つまたはそれ以上の態様)の任意の組み合わせまたは置換を用いて実施例を企図している。
【0100】
本明細書と引用により組み込まれる任意の文書との間で矛盾が生じる場合、本明細書での使用が優先される。
本明細書では、「a」または「an」という文言は、特許文書で一般的であるように、その他「少なくとも1つの」または「1つまたはそれ以上の」の場合や使用とは関係なく1つまたは2つ以上を含むように使用される。本明細書では、「または」という文言は非排他的であり、すなわち、他に明記されない限り「AまたはB」は「AだがBではない」、「BだがAではない」、「AおよびB」を含む。本明細書では、文言「including」および「in which」はそれぞれ、文言「comprising」および「wherein」と等価な平易な英語として使われている。また、以下の請求項では、「including」と「comprising」という文言はオープンエンドである。すなわち、請求項中の上記文言の後に挙げられる要素以外の要素を含むシステム、装置、製品、組成、配合、または工程もまた請求項の範囲に含まれるとみなされる。さらに、以下の請求項で、文言「第1」、「第2」、「第3」などは単に標識として使用され、対象に数字的な要件を課すことを意図していない。
【0101】
上記説明は例示であり限定を意図するものではない。たとえば、上記の実施例(あるいはその1つまたはそれ以上の態様)は相互に組み合わせる。上記説明を参照後、他の実施形態を当業者等が利用できる。要約書は、読者が技術的開示の性質を迅速に認識できるように米国特許法施行規則第1.72条(b)項を遵守して提供される。要約は請求項の範囲または意味を解釈または制限するために使用されないという理解の元に提供される。また、上記詳細な説明では、様々な特徴は本開示を簡易化するためグループ化する。これは、請求項にない開示された特徴が任意の請求項にとって不可欠であることを意図するものと解釈すべきでない。発明の発明は、特定の開示される実施形態のすべての特徴より少ない中に存在する。よって、以下の請求項は実施例または実施形態として詳細な説明に組み込まれ、各請求項は別々の実施形態として独立しており、このような実施形態が様々な組み合わせまたは置換によって相互に合体させる。発明の範囲は、上記請求項が権利を有する等価物の全範囲と共に添付の請求項を参照して決定すべきである。
図2
図3A
図3B
図4
図5A
図5B
図6
図7
図1
図8
図9
【国際調査報告】