特表2016-532624(P2016-532624A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-532624(P2016-532624A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(54)【発明の名称】加熱可能な合わせサイドガラス
(51)【国際特許分類】
   C03C 27/12 20060101AFI20160926BHJP
   B60J 1/00 20060101ALI20160926BHJP
   H05B 3/20 20060101ALI20160926BHJP
   H05B 3/86 20060101ALI20160926BHJP
【FI】
   C03C27/12 M
   B60J1/00 H
   H05B3/20 355B
   H05B3/20 392B
   H05B3/86
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-530387(P2016-530387)
(86)(22)【出願日】2014年5月20日
(85)【翻訳文提出日】2016年3月29日
(86)【国際出願番号】EP2014060314
(87)【国際公開番号】WO2015014511
(87)【国際公開日】20150205
(31)【優先権主張番号】13178680.8
(32)【優先日】2013年7月31日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】512212885
【氏名又は名称】サン−ゴバン グラス フランス
【氏名又は名称原語表記】Saint−Gobain Glass France
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【弁理士】
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】マルツェル クライン
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ エルマンジュ
【テーマコード(参考)】
3K034
4G061
【Fターム(参考)】
3K034BB05
4G061AA04
4G061AA23
4G061AA30
4G061BA02
4G061CB03
4G061CB16
4G061CB18
4G061CB20
4G061CD02
4G061CD03
4G061CD18
(57)【要約】
本発明は、加熱可能な合わせサイドガラスであって、少なくとも、熱可塑性の中間層(3)を介して互いに結合された外ガラス(1)と内ガラス(2)と、これらの外ガラス(1)と内ガラス(2)との間に面状に配置された、絶縁線(5)により複数のセグメント(6)に分けられた導電性のコーティング(4)とを有しており、該コーティング(4)は、第1の集電レール(7)と第2の集電レール(8)との間に延在し且つそれぞれ少なくとも1つの前記セグメント(6)を有する、互いに電気的に絶縁された複数の加熱ストリップ(9)を有しており、少なくとも1つの前記加熱ストリップ(9)は、少なくとも1つの導電性の接続素子(10)を介して互いに導電接続された、少なくとも2つの前記セグメント(6)により形成されており、各個別の前記加熱ストリップ(9)の長さは、前記複数の加熱ストリップ(9)の平均長さから最大15%だけ相違している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
加熱可能な合わせサイドガラスであって、少なくとも、熱可塑性の中間層(3)を介して互いに結合された外ガラス(1)と内ガラス(2)と、これらの外ガラス(1)と内ガラス(2)との間に面状に配置された、絶縁線(5)により複数のセグメント(6)に分けられた透明で導電性のコーティング(4)とを有しており、
該コーティング(4)は、第1の集電レール(7)と第2の集電レール(8)との間に延在し且つそれぞれ少なくとも1つの前記セグメント(6)を有する、互いに電気的に絶縁された複数の加熱ストリップ(9)を有しており、
少なくとも1つの前記加熱ストリップ(9)は、少なくとも1つの導電性の接続素子(10)を介して互いに導電接続された、少なくとも2つの前記セグメント(6)により形成されており、
各個別の前記加熱ストリップ(9)の長さは、前記複数の加熱ストリップ(9)の平均長さから最大15%だけ相違しており、
前記接続素子(10)と前記集電レール(7,8)とは、導電性シートのストリップとして形成されているか、又は焼成されたスクリーン印刷ペーストとして形成されていることを特徴とする、加熱可能な合わせサイドガラス。
【請求項2】
前記各加熱ストリップ(9)は、1つ又は2つの前記セグメント(6)により形成されており、前記セグメント(6)の数は、好適には5〜15である、請求項1記載のサイドガラス。
【請求項3】
前記各個別の加熱ストリップ(9)の長さは、前記複数の加熱ストリップ(9)の平均長さから最大10%だけ、特に好適には最大5%だけ相違している、請求項1又は2記載のサイドガラス。
【請求項4】
前記加熱ストリップ(9)の幅は、1cm〜10cm、好適には2cm〜6cmであり、好適には全ての前記加熱ストリップ(9)が同じ幅を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載のサイドガラス。
【請求項5】
1つの前記加熱ストリップ(9)の各前記セグメント(6)の、前記接続素子との接触接続用に設けられた領域は、それぞれ互いに直接に隣接して配置されている、請求項1から4までのいずれか1項記載のサイドガラス。
【請求項6】
1つの前記接続素子(10)と、該接続素子(10)が接続すべきでない前記セグメント(6)との間には、絶縁シート(14)が配置されており、該絶縁シート(14)は、好適にはポリイミド(PI)及び/又はポリイソブチレン(PIB)を含んでおり、且つ好適には10μm〜200μmの厚さを有している、請求項1から4までのいずれか1項記載のサイドガラス。
【請求項7】
前記絶縁線(5)の線幅は、500μm以下であり、好適には10μm〜250μm、特に好適には20μm〜150μmである、請求項1から6までのいずれか1項記載のサイドガラス。
【請求項8】
前記導電性シートは銅を含有している、又は前記焼成されたスクリーン印刷ペーストは銀粒子を含有している、請求項1から7までのいずれか1項記載のサイドガラス。
【請求項9】
各前記接続素子(10)は、1mm〜10mmの幅を有しており、前記接続素子(10)と、該接続素子(10)により接触接続される前記各セグメント(6)との間のコンタクト領域の長さは、前記セグメント(6)の幅の50%〜100%、好適には80%〜99%である、請求項1から8までのいずれか1項記載のサイドガラス。
【請求項10】
前記接続素子(10)と前記集電レール(7,8)とは、ガラスの下縁部(U)及び/又は後縁部(H)に沿って配置されており、前記下縁部(U)との間の間隔は、10cm未満、好適には5cm未満であり、前記後縁部(H)との間の間隔は、3cm未満、好適には1.5cm未満である、請求項1から9までのいずれか1項記載のサイドガラス。
【請求項11】
前記導電性のコーティング(4)は、前記外ガラス(1)、前記内ガラス(2)、又は前記中間層(3)内の支持体シート(12)に被着されており、且つ好適には少なくとも銀を含む厚さ10nm〜50nmの少なくとも1つの導電性の層、好適には2つ又は3つの導電性の層を有している、請求項1から10までのいずれか1項記載のサイドガラス。
【請求項12】
加熱電力Pは、少なくとも250W/m、好適には少なくとも300W/m、特に好適には少なくとも350W/mである、請求項1から11までのいずれか1項記載のサイドガラス。
【請求項13】
加熱可能な合わせサイドガラスの製造方法であって、少なくとも、
(a)外ガラス(1)、内ガラス(2)及び中間層(3)を準備するステップであって、前記外ガラス(1)、前記内ガラス(2)又は前記中間層(3)の1つのシートには、導電性のコーティング(4)が設けられている、外ガラス(1)、内ガラス(2)及び中間層(3)を準備するステップと、
(b)前記導電性のコーティング(4)に絶縁線(5)を形成し、このとき前記導電性のコーティング(4)を複数のストリップ状のセグメント(6)に分けるステップと、
(c)導電性シートのストリップ又は焼成されたスクリーン印刷ペーストとして形成された第1の集電レール(7)と、第2の集電レール(8)と、導電性の接続素子(10)とを、前記導電性のコーティング(4)に接触接続して、前記第1の集電レール(7)と前記第2の集電レール(8)との間に延びる、それぞれ少なくとも1つの前記セグメント(6)を有する複数の加熱ストリップ(9)を形成し、
−このとき少なくとも1つの前記加熱ストリップを、少なくとも1つの前記導電性の接続素子(10)を介して互いに導電接続された少なくとも2つの前記セグメント(6)により形成し、且つ
−個々の各前記加熱ストリップ(9)の長さを、前記複数の加熱ストリップ(9)の平均長さから最大10%だけ異ならせるステップと、
(d)積層成形により、前記外ガラス(1)を、前記中間層(3)を介して前記内ガラス(2)に結合するステップと、
を有していることを特徴とする、加熱可能な合わせサイドガラスの製造方法。
【請求項14】
前記絶縁線(5)は、レーザ加工により形成される、請求項13記載の製造方法。
【請求項15】
陸上、航空又は水上若しくは水中交通用の移動手段、特に自動車における、請求項1から12までのいずれか1項記載のサイドガラスの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱可能な合わせサイドガラス、加熱可能な合わせサイドガラスの製造方法、及び加熱可能な合わせサイドガラスの使用に関する。
【0002】
透明で導電性のコーティングを用いて加熱可能な自動車分野のガラスは、以前から当業者に知られている。この場合、これらのコーティングは、特に銀基礎上に複数の導電性の層を有している。コーティングは一般に、2つの集電レール(集合導体又はバスバーとも呼ばれる)と電気的に接触接続されており、2つの集電レール間で電流が加熱可能なコーティングを通って流れる。このような形式の加熱は、特に集電レールを上縁部と下縁部とにおいて互いに平行に配置することのできる、フロントウインドウに関して説明されてきた。平行な集電レール間には、均一な加熱フィールドが形成される。
【0003】
導電性のコーティングを用いた加熱は、サイドガラスに関しても有利である。しかしながら、サイドガラスの複雑な形状に基づき、集電レールを互いに平行に配置して、ガラスの見通し領域に均一な加熱フィールドを形成することは不可能である。更に、特にガラスの垂直方向移動により開放され得るサイドウインドウ用のガラスの場合は、開放状態でも集電レールがボデー部分に隠れることが望ましく、このことは付加的に、集電レールの位置決めに関する制約を伴っている。
【0004】
電流経路を集電レール間で、ガラスの見通し領域にわたって案内するためには、コーティングを、コーティング除去された線状領域によって構造化することが一般的である。構造化された導電性のコーティングを備えたサイドガラスは、例えば独国特許出願公開第102004029164号明細書、国際公開第03/105532号、国際公開第03/105533号及び国際公開第2006010698号から公知である。但し、提案された構造化の構成に基づいて、集電レール間の複数の異なる電流経路が著しく相違していることにより、極めて異なる温度延いては加熱作用を有する複数の領域が形成されることになる。更に、コーティング除去された線は、電流経路の方向が大きく変わる箇所、特に線のコーナー又は開放端部に、局所的な過熱、いわゆる「ホットスポット」を招くことが多い。
【0005】
本発明の根底を成す課題は、均一な加熱作用を有する、改良された加熱可能なサイドガラスを提供することにある。
【0006】
本発明の課題は、本発明に基づき請求項1記載の加熱可能な合わせサイドガラスにより解決される。好適な構成は従属請求項に記載されている。
【0007】
本発明による加熱可能な合わせサイドガラスは少なくとも、熱可塑性の中間層を介して互いに結合された外ガラスと内ガラス、及びこれらの外ガラスと内ガラスとの間に面状に配置された、絶縁線により複数のセグメントに分けられた導電性のコーティングを有しており、
該コーティングは、第1の集電レールと第2の集電レールとの間に延在し且つそれぞれ少なくとも1つのセグメントを有する、互いに電気的に絶縁された複数の加熱ストリップを有しており、
少なくとも1つの加熱ストリップは、少なくとも1つの導電性の接続素子を介して互いに導電接続された、少なくとも2つのセグメントから形成されている。
【0008】
個々の加熱ストリップの長さは、好適には加熱ストリップの平均長さから最大15%だけ相違している。
【0009】
本発明による合わせサイドガラスは、車両、好適には自動車、例えば乗用車又は商用車のサイドガラスである。合わせサイドガラスは、内ガラスと外ガラスとを有している。この場合、内ガラスとは、取付け状態において車両の内室に面したガラスを意味する。外ガラスとは、取付け状態において車両の外部環境に面したガラスを意味する。外ガラスと内ガラスとの間には、本発明に基づいて導電性のコーティングが配置されている。この加熱層は、第1の集電レールと第2の集電レールとに接続されている。これらの集電レールは、外部電圧源に接続されることを想定しており、これにより電流が各集電レール間で導電性のコーティングを通って流れるようになっている。つまりコーティングは、加熱層として働き、例えばサイドガラスから霜又は湿気による曇りを除去するために、その電気的な抵抗に基づきサイドガラスを加熱する。加熱層は、内ガラス又は外ガラスの一方の表面、或いは中間層の一方のシートに被着されていてよい。
【0010】
導電性のコーティングは、複数の絶縁線により互いに隔離された、複数の異なるセグメントに分けられている。これらのセグメントは、第1の集電レールと第2の集電レールとの間で電流が流れる経路を所望のように的確に形成することを可能にし、このことは一般的なサイドガラスの複雑な形状に基づき、均一な電流部分布延いては加熱作用を保証するために必要である。
【0011】
本発明は、加熱作用の均一化には、(単位オームで示される)加熱ストリップの抵抗ではなく、(単位W/mで示される)単位面積あたりの電力密度若しくは(単位A/mで示される)単位面積あたりの電流密度が利用され得る、という知識に基づくものである。
【0012】
1つの加熱ストリップの抵抗R(単位Ω)は、
【数1】
から得られ、この場合、ρは比抵抗(単位Ωm)を表し、Lは加熱ストリップの長さ(単位m)を表し、dは加熱ストリップの厚さ、つまり導電性のコーティングの厚さ(単位m)を表し、Bは加熱ストリップの幅(単位m)を表す。
【0013】
加熱ストリップの温度が抵抗の値に直接に関連しているとすると、加熱可能なコーティングが与えられている場合、加熱ストリップの温度は数式(1)に基づき、一方では加熱ストリップの長さLにより、且つ他方では加熱ストリップの幅Bにより、影響を及ぼされると考えられる。これに代えて発明者は意外にも、長さLを選択することだけで温度に影響を及ぼすことができる一方で、幅Bは重要ではない、ということを突き止めた。その理由は、加熱ストリップの温度は、単位面積あたりの電力密度Pに関連しているからである。
【0014】
この場合、単位面積あたりの電力密度は、加熱ストリップの面積(表面)Sで除算された電力P、即ち
【数2】
であり、この場合、Uは電圧(単位W)を、Iは電流の大きさ(単位A)を表すものであり、既知の関係P=UIが使用された。オームの法則(U=RI)並びに数式(1)を用いると、
【数3】
が得られる。
【0015】
面積Sは、加熱ストリップの幅Bと長さLとの積(S=BL)なので、
【数4】
が得られる。
【0016】
つまり、単位面積あたりの電力密度Pは、加熱ストリップの幅Bとは無関係であり、電圧Uと、層厚さdと、比抵抗ρが与えられている場合には、加熱ストリップの長さLにしか関連していない。発明者は、加熱ストリップの温度が、単位面積あたりの電力密度Pにより影響を及ぼされること、延いては加熱可能なコーティングと(車両分野では一般に予め設定された)電圧とが与えられている場合には、長さLによってしか影響を及ぼされないことを発見した。
【0017】
集電レールが2つの向かい合った側縁部に互いに平行に配置されている、単純な方形のガラスの場合には、同じ長さの複数の電流経路が存在しており、これに基づき均一な加熱電力が得られる。しかしながら、サイドガラスの場合には、方形とは大幅に異なる複雑なガラス形状に基づき、均一な加熱電力は大きな挑戦である。本発明では、加熱可能なコーティングが、絶縁線によって複数のセグメントに分けられ、これにより電流をガラス全体にわたって配分するように、第1の集電レールから第2の集電レールへ案内し、延いてはガラス全体において所定の加熱作用が達成されるようになっている。但しこの場合は、複数の異なる長さのセグメントが生じる。それにもかかわらず、複数の同じ(又は近似した)長さの電流経路を達成するためには、複数のセグメントが電気的な接続素子を介して接続されて、各加熱ストリップを形成する。これらのセグメントは本発明により、加熱ストリップの平均長さからの、各個別の加熱ストリップの長さの偏差が最大15%である、つまり全ての加熱ストリップが近似した長さを有するように構成され且つ互いに接続されている。
【0018】
この場合、加熱ストリップの平均長さとは、加熱ストリップ長さの算術平均、つまり全ての加熱ストリップの長さの和を加熱ストリップ数で除算したものを意味する。
【0019】
各個別の加熱ストリップの長さは、加熱ストリップの平均長さから好適には最大10%だけ、特に好適には最大5%だけ相違している。このことは均一な加熱作用に関して特に有利である。
【0020】
この場合、1つの加熱ストリップの長さは、この加熱ストリップの中央で測定される。つまり、測定区間が加熱ストリップの中央に配置されており、この場合、加熱ストリップを区切る2つの絶縁線に対する横方向間隔は等しくなっている。
【0021】
均一な加熱電力をもたらす近似した長さの加熱ストリップの原理が、ガラスの所定の領域にしか適用されないことも可能である。このことは、ガラスの所定の領域が、その他のガラスよりも大幅に高い又は低い加熱電力を有すべき場合に有利である。その場合、この領域から本発明による加熱ストリップの構成は排除されてよい。例えば、運転者ができるだけ迅速且つ効率的にサイドミラーを見ることができるようにするために、サイドガラスは前方領域に、残りの領域におけるよりも大幅に高い加熱電力を有していることが望ましい場合がある。この場合はガラス面の大部分に、均一な加熱作用を保証する、本発明により構成された加熱ストリップを設けることができる一方で、前方領域では複数のセグメントと加熱ストリップとを適宜に形成することによって意図的に、より高い加熱電力が達成される。
【0022】
各セグメントは、好適にはストリップ状に形成されている、この場合、ストリップとは、その幅の少なくとも2倍の長さを有する形状を意味する。この場合の幅は、本発明の意味では、それに沿ってセグメントが集電レールに接続されている寸法である。長さは、それに沿って電流経路が延びている寸法である。
【0023】
上述したように、セグメント延いては加熱ストリップの幅は、ガラス上の温度分布に何ら影響を及ぼさない。しかしながら、絶縁線は、ガラスの外観に影響を及ぼす可能性がある。美的な理由から、目立たない絶縁線が望ましく、このことは調和のとれた、あまり損なわれない外観につながる。よって全てのセグメントは、好適には同じ幅を有している。この場合、絶縁線は、有利にはガラスにわたって均等に且つ目立たないように配分されている。ガラスは、一方では極端に多くの絶縁線を有すべきではない。なぜならば、これにより外観が損なわれるからである。更に、多数の絶縁線と、これに相応する多数のセグメントとは、多数の接続素子を必要にするが、接続素子はある程度の数から、見ている人から隠すことが困難になる。他方では、各セグメントを接続して同じ長さの加熱ストリップを可能にするために、ガラスは、極端に少ない絶縁線を有すべきでもない。セグメントの正確な数及び幅は、個々の場合においてガラスの正確な形状に左右されるものであって、当業者が予め検討し且つシミュレーションを行うことにより、決定され得る。セグメントの幅は、サイドガラスの大きさにも左右される。一般に乗用車用のサイドガラスにおいては、セグメントの幅が1cm〜10cm、好適には2cm〜6cmであると、特に良好な結果が得られる。但し例えば商用車の、より大きなサイドガラス用には、例えば5cm〜30cmの、著しく大きな幅も選択され得る。セグメントの数は、原則として3以上であり、好適には5〜15である。
【0024】
加熱ストリップの数は、原則として2以上であり、好適には3〜10であり、特に好適には4〜7である。これは均一な加熱電力、視覚的に魅力的なガラス、及び簡単な製造に関して特に有利である。
【0025】
全ての加熱ストリップは、互いに直列接続された複数のセグメントによって形成されていてよい。但し、単一のセグメントしか有さない加熱ストリップが存在していてもよい。互いに接続されて1つの加熱ストリップを形成するセグメントの各群は、それぞれ好適には2つのセグメントから成っており、これら2つのセグメントは、1つの導電性の接続素子によって直列接続されている。この場合、各加熱ストリップは、1つ又は2つのセグメントによって形成される。このことは、ガラスの簡単な製造に関して有利である。但し前記群は、原則として2つよりも多くのセグメント、例えば2つの導電性の接続素子により直列接続された3つのセグメント、又は3つの導電性の接続素子により直列接続された4つのセグメントから成っていてもよい。
【0026】
導電性のコーティングは、本発明に基づき外ガラスと内ガラスとの間に面状に配置されている。導電性のコーティングは、外ガラス又は内ガラスの、中間層に面した表面に被着されていてよい。導電性のコーティングは、中間層の1つの層、例えば支持体シートに被着されていてもよい。
【0027】
導電性のコーティングは、好適には透明である。これは本発明の意味では、500nm〜700nmのスペクトル範囲において70%を上回る光透過率を有するコーティングを意味する。つまり、ガラスにほぼ面整合するように被着されることを想定し且つ適合されたコーティングであり、この場合、見通しが保たれ続ける。透明で導電性のコーティングは特に、例えば印刷された銀ペーストから形成された不透明な加熱導体から成る構造体ではない。これらの加熱導体は、ガラスの見通しを損なうと共に、加熱導体の間を見通さねばならなくする。
【0028】
導電性のコーティングは、少なくとも1つの導電性の層を有している。このコーティングは付加的に、例えば層の抵抗制御、防食、又は反射低下に役立つ複数の誘電性の層を有していてもよい。導電性の層は、好適には銀、又は酸化インジウムスズ(indium tin oxide, ITO)等の導電性の酸化物(透明導電性酸化物、TCO)を含んでいる。導電性の層は、好適には10nm〜200nmの厚さを有している。高い透明性と同時に導電性を改善するためには、コーティングが、少なくとも1つの誘電性の層により互いに隔離された複数の導電性の層を有していてよい。導電性のコーティングは、例えば2つ、3つ又は4つの導電性の層を有していてよい。典型的な誘電性の層は、酸化物又は窒化物、例えば窒化ケイ素、酸化ケイ素、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、又は酸化チタンを含んでいる。
【0029】
1つの特に好適な構成において、導電性のコーティングは、銀、好適には少なくとも99%銀を含む、少なくとも1つの導電性の層を有している。この導電性の層の層厚さは、好適には5nm〜50nm、特に好適には10nm〜30nmである。コーティングは、好適には少なくとも1つの誘電性の層によって互いに隔離された、2つ又は3つの前記導電性の層を有している。このようなコーティングは、一方ではガラスの透明性に関して、且つ他方ではコーティングの導電率に関して、特に有利である。
【0030】
導電性のコーティングは、ガラスと同一の面積を有しており且つ合わせガラスの側縁部に到るまで延在していてよい。但し導電性のコーティングは、合わせガラスよりも小さな面積を有していてもよく、この場合は周方向の好適には0.5mm〜10mmの幅の縁部領域には、コーティングが設けられていない。これにより導電性のコーティングは、周囲雰囲気と接触しないように中間層内で保護されており、このことは、防食に関して有利である。ガラスは、別の非コーティング領域、例えばデータ伝送ウインドウ又は通信ウインドウを有していてもよい。
【0031】
本発明によるサイドガラスは、本発明の1つの有利な構成では、開放可能なサイドウインドウのサイドガラスである。サイドウインドウの開放は、サイドガラスをドアボデー内に垂直方向に移動させることにより行われる。サイドウインドウの開放状態では一般に、サイドガラスの前縁部(走行方向に見て前方に向けられた縁部)と上縁部とが見えているのに対し、後縁部(走行方向に見て後方に向けられた縁部)と下縁部とは、ボデーに隠れている。よってサイドウインドウが開放状態にある場合でも、ガラスの後縁部又は下縁部に沿った集電レール及び接続素子を、有利には車両ボデーの後ろの部分に隠すことができるようになっている。1つの好適な構成では、この理由から集電レールと、全ての導電性の接続素子とが、後縁部又は下縁部に沿って配置されている。つまり、集電レール若しくは接続素子の長手方向はほぼ、各側縁部に沿って方向付けられているか、位置調整されており、特に側縁部に対して平行に配置されており、集電レールと接続素子とは、各側縁部の近くに配置されている。集電レールと、接続素子と、これらが下縁部に沿って延びている場合には下縁部との間の間隔は、10cm未満、好適には5cm未満である。後縁部の領域には一般に、ボデー要素によりカバーされる、大幅に小さな領域が供与されている。集電レールと、接続素子と、これらが後縁部に沿って延びている場合には後縁部との間の間隔は、3cm未満、好適には1.5cm未満である。
【0032】
本発明の1つの好適な構成では、加熱可能なコーティングの加熱電力(単位面積あたりの電力密度P)は、少なくとも250W/m、特に好適には少なくとも300W/m、極めて特に好適には少なくとも350W/mである。これにより、有利な加熱作用が得られる。
【0033】
導電性のコーティングの層抵抗は、好適には0.5Ω/sq.〜5Ω/sq.である。これにより、一般に車両分野で使用される電圧において有利な加熱電力が達成される。印加電圧が同一の場合には、小さな層抵抗が、より高い加熱電力につながる。
【0034】
集電レールは、本発明の1つの構成では、印刷されて焼き付けられた導電性の構造体として形成されている。印刷された集電レールは少なくとも、金属、好適には銀を含んでいる。導電性は、好適には集合導体に含まれる金属粒子を介して、特に好適には銀粒子を介して実現される。金属粒子は、ペースト又はインク等の有機及び/又は無機のマトリックス内に存在していてよく、好適にはガラスフリットを有する焼成されたスクリーン印刷ペーストとして存在していてよい。印刷された集電レールの層厚さは、好適には5μm〜40μm、特に好適には8μm〜20μm、極めて特に好適には10μm〜15μmである。このような厚さを有する印刷された集電レールは、技術的に簡単に実現され得ると共に、有利な電流容量を有している。印刷された集電レールは特に、導電性のコーティングが外ガラス又は内ガラスの一方の表面に被着されている場合に適している。
【0035】
集電レールは、本発明の別の構成では、導電性シートのストリップとして形成されていてよい。この場合、集電レールは、例えば少なくともアルミニウム、銅、スズめっきされた銅、金、銀、亜鉛、タングステン及び/又はスズ、或いはこれらの合金を含んでいる。ストリップは、好適には10μm〜500μmの厚さ、特に好適には30μm〜300μmの厚さを有している。このような厚さを有する導電性シートから成る集電レールは、技術的に簡単に実現され得ると共に、有利な電流容量を有している。ストリップは、例えばはんだ材料を介して、導電性接着剤又は導電性接着バンドを介して、又は直接載置により、導電性のコーティングと導電接続されていてよい。導電性シートのストリップから成る集電レールは特に、導電性のコーティングが中間層の1つの層に配置されている場合に適している。導電接続を改良するためには、導電性のコーティングと集電レールとの間に、例えば銀を含有するペーストが配置されてよい。
【0036】
集電レールの長さは、導電性のコーティングの形状、特に接触接続されるべきセグメントの数及び幅に左右され、個別のケースにおいて当業者が適宜に選択してよい。典型的なストリップ状の集電レールの長さとは、集電レールのより長い方の寸法を意味しており、この寸法に沿って集電レールは一般に、コーティングの複数の異なるセグメントに接触接続している。
【0037】
加熱電力は、(一般に車両製造メーカーにより予め設定された)印加電圧Uと、層抵抗Rと、集電レールの長さとが与えられている場合、集電レールの幅によって影響を及ぼされる。一般に、1mm〜10mm、好適には2mm〜5mmの範囲の集電レール幅において、良好な結果が得られる。
【0038】
接続素子は、1つの構成では印刷されて焼き付けられた導電性の構造体として形成されており、この場合、集電レールに関連して上で説明した材料と層厚さとが同様に、接続素子についても当てはまる。接続素子は、別の構成では導電性シートのストリップとして形成されており、この場合、集電レールに関連して上で説明した材料と層厚さとが同様に、接続素子についても当てはまる。好適には、集電レールと接続素子とは同じ材料から成り、このことはガラスの簡単且つ廉価な製造に関して有利である。
【0039】
集電レールと接続素子とは、印刷されて焼き付けられた導電性の構造体と、導電性シートのストリップとを組み合わせることにより形成されてもよい。この場合、集電レール又は接続素子は、印刷された導電性の構造体と、その上に載置された導電性シートのストリップとを有している。このような集電レール又は接続素子は特に、導電性のコーティングが中間層の1つの層に配置されている場合に適している。
【0040】
接続素子は、完全に外ガラスと内ガラスとの間に配置されている。つまり接続素子は、本発明によるサイドガラスの内部に積層されている。特に、接続素子が、ガラス縁部を越えて延びるケーブルであることは一切ない。
【0041】
接続素子の長さは、接続素子によって互いに接続されるべきコーティングの各セグメントの数、幅、及び相互間隔に合わせられる。これに相応して長さは当業者により適宜に選択される。接続素子と、接続素子により接触接続される各セグメントとの間のコンタクト領域の長さは、セグメントの幅の好適には50%〜100%、特に好適には80%〜99%である。
【0042】
接続素子の幅は、好適には1mm〜10mm、特に好適には2mm〜5mmである。接続素子の幅は、集電レールの幅に等しく選択されてよい。
【0043】
絶縁線とは、本発明の意味では導電性のコーティング内の、非導電性の線状領域を意味する。絶縁線は、好適には導電性のコーティングの厚さ全体にわたって延びており、少なくともコーティングの導電層の厚さ全体にわたって延びている。絶縁線は、好適にはレーザにより導電性のコーティング内にもたらされ、レーザ誘起された、導電性のコーティング内部の変性に基づき形成される。このような、レーザ誘起された変性は、例えば導電性の層の剥離、又は導電性の層の化学変化である。レーザ誘起された変性によって、層の導電性は中断されることになる。但し絶縁線は、基本的には別の方法、例えば機械的な摩耗により形成されてもよい。
【0044】
本発明による絶縁線の線幅は、好適には500μm以下である。特に好適には、線幅は10μm〜250μmであり、極めて特に好適には、20μm〜150μmである。この線幅の範囲において、特に良好な結果が得られる。非導電性の線は、一方では導電性の層の有効な中断を生ぜしめるために、十分な幅を有している。他方では観察者にあまり見えないようにするために、この線幅が小さいと有利である。
【0045】
ガラスが、コーティングの少なくとも2つの直列接続されたセグメントから成る2つ以上の加熱ストリップを有している場合には一般に、複数の異なる加熱ストリップの接続素子が互いに重ねられて配置されていることが必要であるか、望ましい。この場合、互いに重ねられて配置された接続素子とは、ガラスの側縁部に沿って延びる接続素子が、それぞれガラスの側縁部に対して異なる間隔を有しており、側縁部に対する突出部がオーバラップし合っている接続素子を意味する。1つの加熱ストリップのセグメントは、他の加熱ストリップの接続素子にではなく、当然この加熱ストリップに対応配置された接続素子にしか導電接続してはならない。
【0046】
この場合、接続すべきでないセグメントを横断する接続素子は、絶縁性の材料によってこれらのセグメントから隔離され得る。絶縁性の材料は、好適にはコーティングの各セグメントと、接続素子との間に配置された、非導電性のシートである。この絶縁性のシートは、好適にはポリイミド(PI)及び/又はポリイソブチレン(PIB)を含んでおり、且つ好適には10μm〜200μm、好適には50μm〜100μmの厚さを有している。これにより、特に良好な結果が達成される。
【0047】
択一的に、適当に配置された複数の絶縁線によって、接続させられるべきでない接続素子の領域にまでは延びていない複数のセグメントが形成され得る。この場合、1つの加熱ストリップの各セグメントの、接続素子との接触接続を想定した領域は、それぞれ互いに直接に隣接して配置されている。
【0048】
外ガラス及び/又は内ガラスは、好適にはガラス、特に好適には板ガラス、フロート板ガラス、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、又はプラスチック、好適には剛性のプラスチック、特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチロール、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、及び/又はこれらの混合物を含んでいる。
【0049】
ガラスの厚さは広範に可変であり、個別のケースにおける要求に適合可能である点において優れている。好適には、外ガラス及び内ガラスの厚さは、0.5mm〜10mm、好適には1mm〜5mm、極めて特に好適には1.4mm〜3mmである。
【0050】
外ガラス、内ガラス、又は中間層は、透き通っていて無色であってよいが、色付きであったり、不透明であったり、又は着色されていてもよい。外ガラスと内ガラスとは、予荷重がかけられていないガラス、部分的に予荷重がかけられたガラス、又は予荷重がかけられたガラスから成っていてよい。
【0051】
中間層は、少なくとも1つの熱可塑性の結合シートにより形成される。この熱可塑性の結合シートは、少なくとも熱可塑性ポリマ、好適にはエチレンビニルアセテート(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、又はポリウレタン(PU)、或いはこれらの混合物又はコポリマー又は派生物、特に好適にはポリビニルブチラールを有している。熱可塑性の結合シートの厚さは、好適には0.2mm〜2mm、特に好適には0.3mm〜1mm、例えば0.38mm又は0.76mmである。
【0052】
導電性のコーティングが外ガラス又は内ガラスの表面に被着されている場合、中間層は、本発明の1つの構成では、ちょうど1つの熱可塑性の結合シートによって形成されていてよい。このことは、ガラスの小さな厚さ及び簡単な製造に関して有利である。しかしながら中間層は、例えばガラスの音響特性を改善するために、複数の層から構成されていてもよい。
【0053】
導電性のコーティングが支持体シート(支持体層)に被着されている場合、中間層は、好適には以下に記載する順序で、第1の熱可塑性のシートと、コーティングされた支持体シートと、第2の熱可塑性のシートとを有している。
【0054】
支持体シートは、好適には少なくともポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、或いはこれらの混合物又はコポリマー又は派生物を含んでいる。このことは、支持体シートの取扱い、形状安定性及び光学特性に関して特に有利である。支持体シートは、好適には5μm〜500μm、特に好適には10μm〜200μm、極めて特に好適には12μm〜75μmの厚さを有している。このような厚さを有する支持体層は、有利にはフレキシブルであると同時に形状安定的なシートの形態で準備され得、取扱いが容易である。
【0055】
本発明は更に、加熱可能な合わせサイドガラスの製造方法を含むものであり、該製造方法は少なくとも、
(a)外ガラス、内ガラス及び中間層を準備するステップであって、前記外ガラス、前記内ガラス又は前記中間層の1つのシートには、導電性のコーティングが設けられている、外ガラス、内ガラス及び中間層を準備するステップと、
(b)前記導電性のコーティングに絶縁線を形成し、このとき前記導電性のコーティングを複数のストリップ状のセグメントに分けるステップと、
(c)第1の集電レールと、第2の集電レールと、導電性の接続素子とを、前記導電性のコーティングに接触接続して、前記第1の集電レールと前記第2の集電レールとの間に延びる、それぞれ少なくとも1つのセグメントを有する複数の加熱ストリップを形成し、
−このとき少なくとも1つの前記加熱ストリップを、少なくとも1つの前記導電性の接続素子を介して互いに導電接続された少なくとも2つの前記セグメントにより形成し、且つ
−個々の各前記加熱ストリップの長さを、前記複数の加熱ストリップの平均長さから最大10%だけ異ならせるステップと、
(d)前記外ガラスを、積層成形により前記中間層を介して前記内ガラスに結合するステップと、を有している。
【0056】
中間層は、少なくとも1つのシートの形態で準備される。
【0057】
絶縁線の形成は、上述したように、好適にはレーザ加工によって行われるが、基本的には別の方法によって行われてもよい。
【0058】
接続素子及び集電レールの取付けは、特に載置、印刷、ろう接又は接着により行うことができる。
【0059】
積層成形による合わせガラスの製造は、当業者に自体公知の一般的な方法で、例えばオートクレーブ法、真空袋成形法、真空リング法、カレンダ法、真空ラミネータ、又はこれらの組合せによって行われる。この場合、外ガラスと内ガラスとの結合は一般に、熱、真空及び/又は圧力の作用に基づき行われる。
【0060】
本発明によるサイドガラスは、好適には陸上、航空又は水上若しくは水中交通用の移動手段、特に自動車に用いられる。
【0061】
以下に、本発明の実施形態を図面につき詳しく説明する。図面は、概略的に示したものであって縮尺通りではない。図面が本発明を限定することは一切ない。
【図面の簡単な説明】
【0062】
図1】本発明によるサイドガラスの1つの構成を上から見た図である。
図2】本発明によるサイドガラスの1つの構成における導電性の接続素子の周りの領域を抜粋して拡大した図である。
図3】本発明によるサイドガラスの別の構成における導電性の接続素子の周りの領域を抜粋して拡大した図である。
図4】本発明によるサイドガラスの1つの構成の横断面図である。
図5】本発明によるサイドガラスの別の構成の横断面図である。
図6】本発明によるサイドガラスの別の構成を上から見た図である。
図7】本発明によるサイドガラスの更に別の構成を上から見た図である。
図8】本発明による方法の1つの実施形態のフローチャートである。
【0063】
図1には、本発明による加熱可能な合わせサイドガラスの1つの構成を上から見た図が示されている。このサイドガラスは、外ガラスと、内ガラスと、これら2つのガラスを互いにつなぐ中間層とから成る、合わせガラスである。外ガラスと内ガラスとの間には、導電性のコーティング4が配置されている。導電性のコーティング4は、第1の集電レール7と、第2の集電レール8とに接触接続されている。集電レール7,8に電圧が印加されると、導電性のコーティング4を通って電流が流れ、これにより加熱作用が生じることになる。このサイドガラスは、サイドガラスの降下により開放され得る乗用車の窓用を想定したものである。
【0064】
サイドガラスの複雑な形状に基づき、集電レール7,8を、向かい合った各縁部に互いに平行に配置することは不可能である。従来のコーティング4の場合、非平行な配置は、各集電レール7,8間に流れる電流、延いては加熱作用の均一性を大幅に低下させる恐れがある。本発明の課題は、この場合の温度分布の均一性を改善することにある。
【0065】
このためにコーティング4は、複数の絶縁線5により10のセグメント6に分けられている。これらのセグメント6はそれぞれ、絶縁線5により電気的に互いに完全に絶縁されている。各セグメント6によって、集電レール7,8間での電流経路の広がり方向が決定され、電流がガラスの面にわたって均一に案内されるようになっているので、可能な限り全面的な加熱作用が達成されることになる。
【0066】
絶縁線5は、それぞれガラスの後縁部Hから、上縁部O及び前縁部Vに対してほぼ平行に、下縁部Uまで延びており、この場合、絶縁線5は、4cmの一定の相互間隔をおいて等間隔で配置されており、この間隔はセグメント6の幅に相当する。
【0067】
但し各セグメント6は、複雑なガラス形状に基づき、それぞれ異なる長さを有している。全てのセグメント6が両集電レール7,8に接触接続しているとすると、全てのセグメントに各1つの電流経路が形成されることになる。コーティング4が加熱される温度は、セグメント6の長さに左右されるので、電流がガラス全体にわたって案内されたとしても、温度延いては加熱作用は極めて不均一になる恐れがある。
【0068】
電流経路を同じ長さ、又は少なくとも極めて近似した長さで形成するためには、いくつかのセグメント6が接続素子10によって対を成すように、互いに直列に接続されており、この場合、第1のセグメントの一方の端部が第1の集電レール7に接触接続されており、第2のセグメントの反対側の端部が第2の集電レール8に接触接続されている。つまり電流は、まず最初に第1のセグメントに沿って流れ、次いで第2のセグメントに沿って流れる。両方の集電レール7,8に接続されている1つのセグメント、又は両方の集電レール7,8に接続されている、互いに直列接続された複数のセグメントの1つのグループは、本発明の意味において加熱ストリップと呼ばれる。
【0069】
集電レール7,8と接続素子10とは、例えば50μmの厚さ及び4mmの幅を有する銅シートストリップとして形成されており、例えば50μmの厚さの導電性の接着バンドにより、コーティング4に被着されている。
【0070】
第1の集電レール7はほぼ、ガラスの後縁部Hの上半分に沿って延在しており、セグメント6.1,6.2,6.3,6.4,6.5,6.6に接続されている。この接続は、コーティング4が例えば中間層の支持体シートに被着されている場合には、集電レールがコーティング4と接触接続されるべき領域で、コーティングされた表面上に延び、次いで支持体シートに形成された貫通孔を貫通案内され、更に支持体シートの反対側の表面上に延び、これにより例えばガラスの下縁部Uにおいて外部電圧源に接続されることによって実現され得る。第2の集電レール8はほぼ、ガラスの後縁部Hの下半分に沿って延在していると共に、下縁部Uのほぼ全体に沿って延在している。後縁部Hにおいて第2の集電レール8は、セグメント6.7,6.8,6.9,6.10に接続されている。下縁部Uにおいて第2の集電レール8は、セグメント6.1と6.2にしか接続されていない。
【0071】
セグメント6.3は、導電性の接続素子10.4を介してセグメント6.10に接続されている。セグメント6.4は、導電性の接続素子10.3を介してセグメント6.9に接続されている。セグメント6.5は、導電性の接続素子10.2を介してセグメント6.8に接続されている。セグメント6.6は、導電性の接続素子10.1を介してセグメント6.7に接続されている。
【0072】
集電レール7,8と接続素子10とは、ガラスの後縁部H及び/又は下縁部Uに沿って配置されている。後縁部からの距離は1cm未満であり、下縁部からの距離は3cm未満である。窓を開けるためにサイドガラスが降下されると、前記集電レール7,8と接続素子10とは、車両のドアボデーの後ろに、有利には隠されたままになる。開放状態で見える上縁部Oと前縁部Vには、有利には集電レール7,8及び接続素子10が存在していない状態が保たれる。
【0073】
図示の構成では、セグメント6.1が加熱ストリップ9.1を形成し、且つセグメント6.2が加熱ストリップ9.2を形成している。セグメント6.3と6.10とは、共に加熱ストリップ9.3を形成している。セグメント6.4と6.9とは、共に加熱ストリップ9.4を形成している。セグメント6.5と6.8とは、共に加熱ストリップ9.5を形成している。セグメント6.6と6.7とは、共に加熱ストリップ9.6を形成している。各加熱ストリップ9に沿った集電レール7,8間の電流経路の延在は、図中破線矢印で示唆されている。
【0074】
1つの実施例の加熱経路9の長さが、表1にまとめられている。全ての加熱経路9の長さの算術平均は、1128mmである。この平均値からの、1つの加熱経路の長さの最大の偏差は12.5%である。全ての加熱経路9の長さが極めて近似していることから、全ての加熱経路9はそれぞれ、電流によって極めて近似した温度に加熱される。これが本発明の大きな利点である。
【0075】
【表1】
ここに示した構成及び値は、実施例と理解されるべきであり、本発明を限定するものではない。当業者は、セグメント6と、加熱ストリップ9に対するセグメント6の回路接続に関する構想において、大きな構成の自由を有している。セグメントと、セグメントの回路接続とを適当に選択することにより、平均値からの長さの偏差を更に減少させることが可能である。
【0076】
各2つのセグメント6(6.1と6.10;6.2と6.9;6.3と6.8;6.4と6.7;6.5と6.6)が回路接続されて合計5つの加熱ストリップ9が形成された、図1に示したような10のセグメント6に類似した幾何学形状を有する別の実施例では、表1aに示す長さ分布が見られた。全ての加熱経路9の長さの算術平均は、1397mmである。この平均値からの、1つの加熱経路の長さの最大の偏差は、2.1%であるに過ぎない。
【0077】
【表2】
【0078】
図2及び図3にはそれぞれ、接続素子10を用いた異なるセグメント6の接続の詳細図が示されている。これらの図面にはそれぞれ、各接続素子10は、この接続素子10によって接続されて1つの加熱ストリップ9を形成するために設けられた各セグメント6にしか導電接続しない、ということを保証するための、択一的な構成が示されている。セグメント6と接続素子10とを有する導電性のコーティング4は、図1に示したように形成されている。これらの図面は、セグメント6の直列接続の原理を具体的に示すものであって、導電性のコーティング4の別の構成にも適宜転用可能である。
【0079】
図2では、セグメント6はそれぞれ、絶縁線5の適当な配置に基づき形成されており、直列接続されるべき各2つのセグメントが、接続領域において互いに直接に隣接して配置されている。基本的には、例えば2つのセグメント全体が、互いに直接に隣接して配置されており、これにより、直列接続が行われる端部領域も必然的に、互いに直接に隣接して配置されていることが考えられる。図示の構成では、コーティング4は複数の包囲型のセグメント対に分けられている。第1のセグメント対は、全体的に互いに直接に隣接して配置されていて、端部領域において接続素子10.1により直列接続されたセグメント6.6と6.7とから成っている。第2のセグメント対は、端部領域において接続素子10.2により直列接続されていて、第1のセグメント対を包囲しているセグメント6.5と6.8とから成っている。つまり、第2のセグメント対の各セグメントはそれぞれ、第1のセグメント対の各セグメントに直接に隣接している。第1のセグメント対は、第2のセグメント対よりもやや短く形成されているので、第2の導電性の接続素子10.2の領域にまでは延びていない。つまりセグメント6.5と6.8とは、第1のセグメント対を越えて突出する端部領域を有しており、この端部領域において、これらのセグメント6.5と6.8とは、互いに直接に隣接している。この端部領域には接続素子10.2が配置されている。後続のセグメント対も同様に第2のセグメント対を包囲しており、これが更に繰り返される。
【0080】
図3において、第2のセグメント対6.5,6.8を接続する接続素子10.2は、第1のセグメント対6.6,6.7の上をブリッジする必要がある。なぜならば、第1のセグメント対が図2の場合とは異なり、第2の接続素子10.2の領域にまで延びているからである。この状況は、例えば全ての絶縁線5がガラスの側縁部まで延びている場合に生じる。接続素子10.2とセグメント6.6,6.7との間の電気的な接触を防ぐために、これらのセグメント6.6,6.7と接続素子10.2との間には、絶縁シートストリップ14、例えばポリイミドバンド(カプトン(登録商標))が配置されている。
【0081】
特に、図3に示した第2の変化態様は、1つの接続素子が、導電接続すべきでない1つ又は複数のセグメントにわたって延在している場合には常に、極めてフレキシブルに使用可能である。
【0082】
図4及び図5には、合わせサイドガラスにおける導電性のコーティング4の配置形式の複数の異なる可能性が例示されている。これらの図面は、中間層3を介して互いに結合された外ガラス1と内ガラス2とから成る合わせガラスの、2つの構成の横断面を示すものである。外ガラスと内ガラスとはソーダ石灰ガラスから成り、それぞれ2.1mmの厚さを有している。
【0083】
図4において、中間層3は、第1の結合シート11と第2の結合シート13とを有しており、第1の結合シート11と第2の結合シート13との間には、支持体シート12が挿入されている。結合シート11,13はポリビニルブチラール(PVB)から成り、それぞれ0.76mmの厚さを有している。支持体シート12はポリエチレンテレフタレート(PET)から成り、75μmの厚さを有している。支持体シート12には、導電性のコーティング4が設けられている。このコーティング4は、例えば銀から成る2つの導電性の層と、いくつかの誘電性の層とを含む積層体である。このようにコーティングされた支持体シートは市販されている。一般に、各層のシート抵抗は、1Ω/sq.〜10Ω/sq.、例えば2.5Ω/sq.又は4.5Ω/sq.である。このようなシート抵抗を有するコーティングは、特に電動車両に有利である。なぜならば、電動車両において一般的な約42Vのバッテリ電圧でもって、特に350W/m以上の有利な加熱電力が達成され得るからである。
【0084】
支持体シート12は、合わせガラスの面に対して後退しており、且つ合わせガラスの側縁部にまでは延びておらず、側縁部に対して周方向に、例えば10mmの間隔を有している。よってコーティング4は、有利には中間層3の内部で、腐食から保護されている。
【0085】
図5において、中間層は単一の結合シート11を有しており、この結合シート11は例えばPVBから成り、0.76mmの厚さを有している。導電性のコーティング4は、内ガラス2の、熱可塑性の中間層3に面した表面に被着されている。この導電性の層4もやはり、典型的には例えば2つ又は3つの層を有する積層体であり、このようなコーティングにより、1Ω/sq.未満のシート抵抗が達成され得、このことは、一般的な乗用車のバッテリ電圧に相当する約14Vに過ぎない電圧においても、高い加熱電力をもたらす。内ガラス2は、例えば2mmの幅を有する、コーティング4の設けられていない周方向の縁部領域を有している。つまりコーティング4は、周囲雰囲気に接触していないので、中間層3の内部において腐食から有利に保護されている。コーティング4は、外ガラス1の、中間層3に面した表面に被着されていてもよい。
【0086】
図6には、加熱経路9の択一的な構成が示されている。絶縁線5は、ガラスの後ろ半分の下縁部Uから、後縁部Hと上縁部Oと前縁部Vに対してほぼ平行に、ガラスの前半分の下縁部Uまで延びている。セグメント6の幅は、4cmである。
【0087】
第1の集電レール7はほぼ、ガラスの前方領域の下縁部Uに沿って延びており、セグメント6.1,6.2,6.3,6.4と接続されている。第2の集電レール8は、セグメント6.5の領域で第1の集電レール7の直後から始まり、ガラスの下縁部Uに沿って後縁部H付近まで延びている。セグメント6.5,6.6,6.7と、ガラスの後端部のセグメント6.1とには、ガラスの前半分の第2の集電レール8が接触接続している。
【0088】
セグメント6.1は、加熱ストリップ9.1を形成している。セグメント6.2は、導電性の接続素子10.3を介してセグメント6.7に接続されて、加熱ストリップ9.2を形成している。セグメント6.3は、導電性の接続素子10.2を介してセグメント6.6に接続されて、加熱ストリップ9.3を形成している。セグメント6.4は、導電性の接続素子10.1を介してセグメント6.5に接続されて、加熱ストリップ9.4を形成している。集電レール7,8と接続素子10とは、ガラスの下縁部Uに沿って配置されており、車両のドアボデーの後ろに、有利には隠れたままになる。
【0089】
1つの実施例の加熱経路9の長さが、表2にまとめられている。全ての加熱経路9の算術平均は、1731mmである。この平均値からの、1つの加熱経路の長さの最大の偏差は、13.2%である。
【0090】
【表3】
【0091】
図7に示した加熱経路9の択一的な構成は、上述した各実施例とは明らかに異なっている。セグメント6は、全体として互いに平行に配置されているのではなく、2つのグループに分けられている。第1のグループのセグメント6.1,6.2,6.3,6.4は、ガラスの後方領域をカバーしており、この後方領域においてループ状に、且つ互いに平行に、下縁部Uの後方部分から下縁部Uの前方部分に向かって延びている。これに相応して第2のグループのセグメント6.5,6.6,6.7,6.8は、ガラスの前方領域をカバーしている。各セグメント6の幅は4cmである。
【0092】
集電レール7,8も、やはり下縁部Uの領域に配置されている。第1の集電レール7は、下縁部Uの後方部分の第1のグループの各セグメント6に接触接続している。第2の集電レール8は、下縁部Uの前方部分の第2のグループの各セグメント6に接触接続している。
【0093】
第1のグループの各セグメント6は、それぞれ1つの接続素子10を介して第2のグループの各セグメント6に接続されており、この場合、第1のグループの一番長いセグメント6.1は、第2のグループの一番短いセグメント6.8に接続されており、第1のグループの2番目に長いセグメント6.2は、第2のグループの2番目に短いセグメント6.7に接続されており、これが更に繰り返される。
【0094】
セグメント6.1は、導電性の接続素子10.1を介してセグメント6.8に接続され、加熱ストリップ9.1を形成している。セグメント6.2は、導電性の接続素子10.2を介してセグメント6.7に接続され、加熱ストリップ9.2を形成している。セグメント6.3は、導電性の接続素子10.3を介してセグメント6.6に接続され、加熱ストリップ9.3を形成している。セグメント6.4は、導電性の接続素子10.4を介してセグメント6.5に接続され、加熱ストリップ9.4を形成している。
【0095】
1つの実施例の加熱経路9の長さが、表3にまとめられている。全ての加熱経路9の長さの算術平均は、1509mmである。この平均値からの、1つの加熱経路の長さの最大の偏差は、3.4%である。
【0096】
【表4】
【0097】
図8には、本発明による加熱可能な合わせサイドガラスを製造するための、本発明による方法の1つの実施例のフローチャートが示されている。
【符号の説明】
【0098】
1 外ガラス、 2 内ガラス、 3 中間層、 4 導電性のコーティング、 5 絶縁線、 6,6.x コーティング4のセグメント、 7 第1の集電レール、 8 第2の集電レール、 9,9.x 加熱ストリップ、 10,10.x 導電性の接続素子、 11 第1の結合シート、 12 支持体シート、 13 第2の結合シート、 14 絶縁シート、 H サイドガラスの後縁部、 O サイドガラスの上縁部、 V サイドガラスの前縁部、 U サイドガラスの下縁部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】