(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-532728(P2016-532728A)
(43)【公表日】2016年10月20日
(54)【発明の名称】ポリアミドブロックおよびポリエーテルブロックを有するコポリマー
(51)【国際特許分類】
C08G 69/40 20060101AFI20160926BHJP
【FI】
C08G69/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2016-520608(P2016-520608)
(86)(22)【出願日】2014年10月6日
(85)【翻訳文提出日】2016年5月18日
(86)【国際出願番号】EP2014071332
(87)【国際公開番号】WO2015052127
(87)【国際公開日】20150416
(31)【優先権主張番号】1359704
(32)【優先日】2013年10月7日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】505005522
【氏名又は名称】アルケマ フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マレ,フレデリク
【テーマコード(参考)】
4J001
【Fターム(参考)】
4J001DA02
4J001DB05
4J001DC05
4J001DC12
4J001DC14
4J001EA06
4J001EA08
4J001ED63
4J001FA06
4J001GA03
(57)【要約】
本発明は、少なくとも2つの異なるポリアミドブロックおよび少なくとも1つのポリエーテルブロックを含むコポリマー、ならびに以下の工程:−第1の工程では、適切な連鎖制限剤の存在下で選択されたモノマー:アミノ酸、ラクタムまたはジアミンおよびジカルボン酸の重縮合により、ポリアミドブロックPA
1を調製する工程;−次いで、第2の任意の工程において、得られたポリアミドブロックPA
1を、触媒の存在下または非存在下で、ポリエーテルブロックPEの全部または一部と反応させる工程;−第3の工程では、適切な連鎖制限剤の存在下で選択された異性体:アミノ酸、ラクタムまたはジアミンおよびジカルボン酸の重縮合により、ポリアミドPA
2ブロックを調製する工程;−第4の任意の工程において、得られたポリアミドPA
2ブロックを、触媒の存在下または非存在下で、ポリエーテルブロックPEの全部または一部と反応させる工程;−第5の工程では、PA
1または第2の工程からの反応媒体をPA
2または第4の工程からの反応媒体およびPEまたは第2または第4の工程で添加されなかった残りのPEと反応させる工程を含む前記コポリマーの調製方法、ならびにその使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる化学構造の少なくとも2つのポリアミドブロックおよび少なくとも1つのポリエーテルブロックを含むコポリマー。
【請求項2】
ブロックの各々の間にエステル結合を含むことを特徴とする、請求項1に記載のコポリマー。
【請求項3】
異なるポリアミドブロックは、6、11、12、4.6、4.12、4.14、4.18、6.6、6.10、6.12、6.14、6.18、Pip10、9.6、9.12、10.10、10.12、10.14、10.18、10.36、10.T、6.T、9.T、MXD.6、MXD.10、B.10、B.12、B.14、B.18、B.36、P.10、P.12、P.14、P.18、P.36およびそれらの混合物から選択される1つ以上の単位の重合によって得ることができることを特徴とする、請求項1または2に記載のコポリマー。
【請求項4】
PA1で表される第1のポリアミドブロックは、窒素原子当たり8個以上の炭素原子数を有することを特徴とする、請求項3に記載のコポリマー。
【請求項5】
PA2ブロックは、窒素原子当たり8個未満の炭素原子数を有することを特徴とする、請求項4に記載のコポリマー。
【請求項6】
少数のPA2ブロックは、その融点またはガラス転移温度がPA1ブロックの融点またはガラス転移温度よりも大きくなるように選択されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項7】
コポリマー中に存在するポリアミドの総重量に対するPA1ブロックの重量百分率は、50から99%、好ましくは60から95%、より好ましくは65から90%の範囲であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項8】
PEブロックは、ポリエチレンエーテルグリコール(PEG)、ポリプロピレンエーテルグリコール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール(PO3G)、ポリ(3−アルキルテトラヒドロフラン)、特にポリ(3−メチルテトラヒドロフラン(ポリ(3MeTHF))およびそれらのブロックコポリマーまたはランダムコポリマーから選択されることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項9】
コポリマー中のポリエーテルブロックの重量百分率は、1%から80%、好ましくは4%から50%の範囲、より好ましくは4%と35%との間であることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項10】
いくつかの異なるポリエーテルブロックを含むことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載のコポリマー。
【請求項11】
以下の工程:
− 第1の工程では、適切な連鎖制限剤の存在下でアミノ酸、ラクタムまたはジアミンおよびジカルボン酸から選択されたモノマーの重縮合により、ポリアミドブロックPA1を調製する工程;
− 次に、任意の第2の工程において、得られたポリアミドブロックPA1を、触媒の存在下または非存在下で、ポリエーテルブロックPEの全部または一部と反応させる工程;
− 第3の工程では、適切な連鎖制限剤の存在下でアミノ酸、ラクタムまたはジアミンおよびジカルボン酸から選択されたモノマーの重縮合により、ポリアミドブロックPA2を調製する工程;
− 任意の第4の工程において、得られたポリアミドブロックPA2を、触媒の存在下または非存在下で、ポリエーテルブロックPEの全部または一部と反応させる工程;
− 第5の工程では、PA1または第2の工程から誘導された反応媒体をPA2または第4の工程から誘導された反応媒体およびPEまたは第2または第4の工程で添加されなかった残りのPEと反応させる工程
を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のコポリマーの調製方法。
【請求項12】
以下の工程:
− ポリアミドPA1を調製する工程、
− ポリアミドPA2を調製する工程、
− ポリエーテルPEの存在下でポリアミドPA1およびPA2を混合し反応させる工程
を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のコポリマーの調製方法。
【請求項13】
以下の工程:
− ポリアミドPA1を調製する工程、
− ポリアミドPA2を調製する工程、
− ポリアミドPA1をポリエーテルPEの一部と混合し反応させる工程、
− ポリアミドPA2をポリエーテルPEの一部と混合し反応させる工程、
− ポリエーテルPEの存在下で2つの反応媒体を混合し反応させる工程
を含む、請求項1から10のいずれか一項に記載のコポリマーの調製方法。
【請求項14】
以下の工程:
− ポリアミドPA1を調製する工程、
− ポリアミドPA2を調製する工程、
− 2つのポリアミドの1つをポリエーテルPEの一部と混合し反応させる工程、
− 前工程から得られた反応媒体を第2のポリアミドの存在下で、場合により残りのポリエーテルPEと混合し反応させる工程
を含む請求項1から10のいずれか一項に記載のコポリマーの調製方法。
【請求項15】
繊維、織物、フィルム、シート、棒、チューブまたは射出成形部品から選択される成形品を全体的にまたは部分的に製造するための、請求項1から10のいずれか一項に記載のコポリマーの使用。
【請求項16】
請求項1から10のいずれか一項に記載のコポリマーまたは請求項11から14のいずれか一項に記載の方法を介して調製されたコポリマーを含む成形品。
【請求項17】
スポーツシューズの部品、アイススケート、スキーの付属品、ラケット、スポーツバット、スライディングスポーツボード、蹄鉄、フリッパー、ゴルフボールのようなスポーツ用具から選択されるスポーツ用品もしくはスポーツ用品の部品、レジャー物品、手工芸品、気候による衝撃および機械的衝撃を受ける道路維持工具もしくは設備、ヘルメットもしくはハットバイザーのような保護物品、眼鏡、眼鏡アーム、ヘッドランププロテクター、バックミラー、すべての道路車両の小さな部品のような特にスクーター、モペット、オートバイ、車もしくは自転車用の乗り物部品、タンク、またはコンベアベルトからなることを特徴とする、請求項16に記載の成形品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも2つの異なるポリアミドブロックおよび少なくとも1つのポリエーテルブロックを含むコポリマーに関する。
【背景技術】
【0002】
アミドブロックおよびエーテルブロックを有するコポリマーは、良好な衝撃強度を有し、非常に柔軟な材料であるが、エーテル単位のないそれらのポリアミド同族体と同様に、その透明性が比較的低い(2mmの厚さに対し560nmで45%から65%の光透過率)。
【0003】
ポリアミドブロックは、ポリマーの作業温度よりも高い融点(Tm)またはガラス転移温度(Tg)を有する硬質と言われるセグメントであることが知られているのに対し、ポリエーテルブロックはポリマーの作業温度未満のTmまたはTgを有する柔軟と言われるセグメントである。
【0004】
文献FR2273021号には、ポリアミドブロックおよびポリエーテルブロックから形成され、ポリアミドブロックおよびポリエーテルブロックがエステル官能基によって連結されているコポリマーが記載されている。これらの製品は、アルケマ社によりPEBAX(R)の商品名で販売されている。
【0005】
ポリアミドブロック(以下、PAと略記する)およびポリエーテルブロック(以下、PEと略記する)を有するコポリマーは、反応性末端基を有するポリアミドブロックと反応性末端基を有するポリエーテルブロックとの共重縮合から生じる。例えば、以下を反応させることができる。
− ポリエーテルジオールおよびポリアミドジカルボン酸、
− ポリエーテルジアミンおよびポリアミドジカルボン酸、
− ポリエーテルジオールおよびポリアミドジアミン。
【0006】
ジカルボン酸鎖末端を有するポリアミドブロックは、鎖が調節されたジカルボン酸の存在下での、例えば、ポリアミド前駆体の縮合に由来する。ジアミン鎖末端を有するポリアミドブロックは、鎖を調節するジアミンの存在下での、例えば、ポリアミド前駆体の縮合に由来する。このように、ブロック間の結合は、エステル結合またはアミド結合のいずれかである。
【0007】
PAブロックおよびPEブロックを有するポリマーは、ただ1つのPAブロックおよびただ1つのPEブロックを含み得る。
【0008】
それらはまた、ポリアミドの構成モノマー(複数可)の構造の点で同一のいくつかのPAブロックおよびランダムに分配された同一のPEブロックを含むこともできる。このポリマーは、PEブロック、およびPAブロックの前駆体の同時反応で調製することができる。次いで、PAブロックの形成の間に連鎖調節剤が介在する時間に応じてだけでなく、ランダムに反応した種々の試薬に応じて、PEブロックおよび非常に様々な長さのPAブロックを含み、これらのブロックがポリマー鎖に沿ってタンダム(統計的に)に分配されたポリマーが得られる。
【0009】
有利な機械的、熱的および光学的特性を有する、ポリアミドブロックおよびポリエーテルブロックから形成されたコポリマーが、数年間探求されてきた。この課題を解決するために、様々なアプローチが予想された。文献WO2008/006987号には、脂環式ジアミンのような特定のモノマーの特定の選択によって透明な材料を得ることが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】仏国特許出願公開第2273021号明細書
【特許文献2】国際公開第2008/006987号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
出願人の会社は、特定のやり方で少なくとも1つのポリエーテルブロックに取り付けられた少なくとも2つの異なるポリアミドブロックの存在により、有利な機械的、光学的および熱的特性を有することが可能になることを見出した。事実、材料の透明性または熱的特性が2つのポリアミドブロックの化学的性質を適切に選択することによって向上させることができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
従って、本発明の主題は、少なくとも2つの異なるポリアミドブロックおよび少なくとも1つのポリエーテルブロックを含むコポリマーである。
【0013】
また、本発明はこのコポリマーの調製方法、および特にスポーツ用品の製造等へのその使用に関する。
【0014】
本発明はまた、本発明のコポリマーを含む成形品にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の他の特徴、態様、主題および利点は、以下の説明および実施例を読むとさらにより明確に現れるであろう。
【0016】
ポリアミドを定義するために使用される命名法は、ISO規格1874−1:1992「Plastics−Polyamide (PA) materials for molding and extrusion − Part 1 : Designation」の特に3頁(表1および2)に記載され、当業者に周知である。
【0017】
また、本明細書で使用される表現「(Between…and…)・・・と・・・との間」および「(from…to…)・・・から・・・」は、言及した限界値のそれぞれを含むものと解釈されるべきである。本発明の目的に対し、用語「ブロック」は同じ名前のポリマーセグメント、即ちポリアミドまたはポリエーテルを意味する。このポリマーブロックは、ホモポリマーまたはランダムコポリマーもしくはブロックコポリマーから構成されてもよい。
【0018】
ポリアミドブロック
本発明のコポリマーの構造に関する不可欠な条件の1つが、PA
1およびPA
2と言及され得るポリアミドが異なる、即ち異なる化学構造を有することである。
【0019】
PAブロックはカルボン酸末端を有していてもよく、ジカルボン酸PAと呼ばれる。それらはまたアミン末端を有していてもよく、ジアミンPAと呼ばれる。PAブロックとPEブロックとの間の結合は、エステル結合またはアミド結合であってもよい。
【0020】
ポリアミドブロックは「ホモポリアミド」構造、即ち、たった1つのモノマーの重合から誘導されるものでもよく、または少なくとも2つの異なるモノマーの混合物の重合から誘導された「コポリアミド」構造のいずれでもよい。
【0021】
ポリアミドブロックは、それぞれカルボン酸末端基またはアミン末端基を有するポリアミドブロックのいずれか所望されるかに応じて、連鎖調節剤であるジカルボン酸またはジアミンの存在下で得られる。前駆体がすでにジカルボン酸またはジアミンを含む場合、例えば、過剰にそれを使用することは十分であるが、以下に定義されているジカルボン酸またはジアミンの群から選択される別のジカルボン酸または別のジアミンも使用することができる。
【0022】
ポリアミドブロックは、
(i)以下の重合から誘導されるホモポリアミド構造
(a)ラクタム、特にC
4−C
12ラクタム、
(b)アミノ酸、特にC
4−C
12アミノ酸、
(c)直鎖もしくは分岐のC
2−C
40脂肪族ジアミンまたは芳香族、半芳香族または非芳香族C
6−C
40環状ジアミン、および脂肪族もしくは芳香族ジカルボン酸、好ましくは直鎖もしくは分岐のC
4−C
40、好ましくはC
6−C
36、さらにより優先的にはC
6−C
18の脂肪族ジカルボン酸の縮合生成物である(ジアミン.ジカルボン酸)または「ジアミン.二酸」結合;または
(ii)(a)、(b)および(c)から選択された少なくとも2つの単位の混合物の重合から誘導されたコポリアミド構造から構成することができる。
【0023】
ラクタムの例としては、カプロラクタム、エナントラクタムおよびラウリルラクタムが挙げられる。
【0024】
アミノ酸の例としては、アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、11−アミノウンデカン酸および12−アミノドデカン酸が挙げられる。
【0025】
ジカルボン酸の例としては、(i)1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、ブタン二酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸、セバシン酸、ピメリン酸、1,7−ヘプタン二酸、1,8−オクタン二酸、1,9−ノナン二酸、1,10−デカン二酸、1,11−ウンデカン二酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸のような脂肪酸、(ii)テレフタル酸およびイソフタル酸のような芳香族ジカルボン酸のみならず、(iii)二量化脂肪酸が挙げられる。
【0026】
ジカルボン酸は脂肪酸の二量体であってもよい。脂肪酸はC
4−C
28酸、さらにより優先的にはC
12−C
24、有利にはC
14−C
22、とりわけC
18アルキル鎖を有する脂肪酸である。適切な脂肪酸の二量体は、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、パルミトレイン酸、およびエライジン酸から選択される2つの同一または異なる脂肪酸の二量化生成物である。不飽和脂肪酸の混合物の二量化生成物は、植物油または脂肪、例えば、ひまわり油、大豆油、オリーブ油、ナタネ油、綿実油の加水分解によって得ることができる。例えば、ニッケル触媒を用いて水素化された脂肪酸の二量体も使用することができる。従って、二量化脂肪酸は、有利には、8から56個の炭素原子、好ましくは36個の炭素原子を含むことになる。
【0027】
ジアミンに関しては、それは直鎖もしくは分枝の脂肪族ジアミン、および芳香族、半芳香族または非芳香族環式ジアミンから選択される。ジアミンの例としては、1,4−テトラメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,9−ノナメチレンジアミン、1,10−デカメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン(BMACMまたはB)異性体、パラ−アミノジシクロヘキシルメタン(PACMまたはP)、2,2−ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)プロパン(BMACP)異性体、2,6−ビス(アミノメチル)ノルボルナン(BAMN)(二重)、イソホロンジアミン(IPDA)(二重)、m−キシレンジアミン(MXD)およびピペラジン(Pip)が挙げられる。
【0028】
本発明によるコポリマー中に存在する異なるポリアミドブロックは、6、11、12、4.6、4.12、4.14、4.18、6.6、6.10、6.12、6.14、6.18、Pip10、9.6、9.12、10.10、10.12、10.14、10.18、10.36、10.T、6.T、9.T、MXD.6、MXD.10、B.10、B.12、B.14、B.18、B.36、P.10、P.12、P.14、P.18、P.36およびそれらの混合物から選択される1つ以上の単位の重合によって得ることができる。
【0029】
具体的には、ブロックPA1は、コポリアミド、例えば、PA6/11、PA6/12、PA11/12、PA10.10/10.12、PA10.10/11およびPA6/11/12の形態で、6、11、12、4.6、4.12、4.14、4.18、6.6、6.10、6.12、6.14、6.18、Pip10、9.6、9.12、10.10、10.12、10.14、10.18、10.T、6.T、9.T、MXD.6、MXD.10およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマーを含む。
【0030】
好ましくは、ブロックPA1は、コポリアミド、例えば、PA6/11、PA6/12、PA11/12、PA10.10/10.12、PA10.10/11およびPA6/11/12の形態で、6、11、12、10.10、10.12、6.10、6.12、10.T、6.T、9.T、およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマーを含む。
【0031】
コポリマー中に存在するポリアミドの総重量に対するブロックPA1の重量百分率は、50から99%、好ましくは60から95%、より好ましくは65から90%の範囲である。
【0032】
特に、ブロックPA2は、コポリアミド、例えば、PA6/11、PA6/12、PA11/12、PA10.10/10.12、PA10.10/11およびPA6/11/12の形態で、6、11、12、4.6、4.12、4.14、4.18、6.6、6.10、6.12、6.14、6.18、Pip.10、9.6、9.12、10.10、10.12、10.14、10.18、10.36、B.10、B.12、B.14、B.18、B.36、P.10、P.12、P.14、P.18、P.36およびそれらの混合物から選択される少なくとも1つのモノマーを含む。
【0033】
好ましくは、ブロックPA2は、コポリアミド、例えば、PA B.10/B.12、PA B.12/B.14の形態で、B.10、B.12、B.14、B.18、B.36、P.10、P.12、P.14、P.18、P.36およびこれらのモノマーの混合物から選択される少なくとも1つのモノマーを含む。
【0034】
本発明の好ましい実施形態によれば、ポリアミドPA1は、窒素原子当たり8個以上の炭素原子数を有し、好ましくはPA11、PA12、PA10.10、PA6.10から選択される。
【0035】
ホモポリアミドおよびコポリアミドは、アミド基(−CO−NH−)が存在するように多くの窒素原子がある場合、窒素原子当たりのそれらの炭素原子数によって区別されることが想起される。
【0036】
PA−X.Y型のホモポリアミドの場合には、窒素原子当たりの炭素原子数は、単位Xおよび単位Yの平均である。
【0037】
コポリアミドの場合には、窒素原子当たりの炭素原子数は、同じ原理に従って計算される。計算は種々のアミド単位のモル比に対し行われる。
【0038】
強力に炭素に基づくポリアミドは、窒素原子(N)に対し炭素原子(C)の高い含量を有するポリアミドである。これらは、窒素原子当たり少なくとも9個の炭素原子を有するポリアミド、例えば、ポリアミド−9、ポリアミド−12、ポリアミド−11、ポリアミド−10.10(PA10.10)、コポリアミド12/10.T、コポリアミド11/10.T、ポリアミド−12.T、ポリアミド−6.12(PA6.12)である。Tはテレフタル酸を表す。
【0039】
弱く炭素に基づくポリアミドは、窒素原子(N)に対し炭素原子(C)の低い含量を有するポリアミドである。これらは、窒素原子当たり約9個未満の炭素原子を有するポリアミド、例えば、ポリアミド−6、ポリアミド−6.6、ポリアミド−4.6、コポリアミド−6.T/6.6、コポリアミド6.I/6.6、ポリアミド6.T/6.I/6.6、ポリアミド9.Tである。Iはイソフタル二酸を表す。
【0040】
PA−X.Y型のホモポリアミドの場合には、窒素原子当たりの炭素原子数は、単位Xおよび単位Yの平均である。従って、PA6.12は窒素原子当たり9個の炭素原子を含むPAであり、換言すれば、それはC
9PAである。PA6.13はC
9.5である。PA−12.TはC
10であり、T、即ち、テレフタル酸はC
8である。
【0041】
本発明の別の実施形態によれば、ポリアミドPA2は、窒素原子当たり8個未満の炭素原子数を有し、好ましくは、PA6およびPA6.6から選択される。
【0042】
別の実施形態では、少数のPA2ブロックは、(規格ISO 11357に従ってDSC(示差走査熱量測定)により測定された)その融点またはガラス転移温度が、PA1ブロックの融点またはガラス転移温度よりも大きくなるように選択される。例えば、PA11またはPA12のようなブロックPA1に対しては、PA2として、PA6、PA6.6、PA10.10、PA6.10、PA6.12、PA10.Tのようなブロックを選択することができる。
【0043】
コポリマー中のブロックPAの重量百分率は、コポリマーの総重量に対して20から99%の範囲内である。
【0044】
一実施形態によれば、コポリマー中のポリアミドブロックの数平均分子量は、500と20000g/モルとの間、好ましくは600と15000g/モルとの間、より具体的には600と10000g/モルとの間である。
【0045】
ポリエーテルブロック:
ポリアミドに関し、ポリエーテルブロックはホモポリマーまたはランダムコポリマーもしくはブロックコポリマーであってもよい。
【0046】
PEブロックは、ポリアルキレンエーテルポリオール、特にポリアルキレンエーテルジオールである。PEブロックは、ポリエチレンエーテルグリコール(PEG)、ポリプロピレンエーテルグリコール(PPG)、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール、ポリトリメチレンエーテルグリコール(PO3G)、ポリ(3−アルキルテトラヒドロフラン)、特にポリ(3−メチルテトラヒドロフラン(ポリ(3MeTHF))およびそれらのブロックまたはランダムコポリマーから選択される。
【0047】
PEブロックの鎖末端は、それらの合成方法に応じてジオールまたはジアミンであることができる。アミン鎖末端を有するPEブロックは、HuntsmanからElastamine(R)およびJeffamine(R)の範囲のようなポリエーテルジオールとして知られる脂肪族α−ω−ジヒドロキシル化ポリオキシアルキレンブロックのシアノアセチル化によって得ることができる。
【0048】
コポリマー中のポリエーテルブロックの重量百分率は、1%から80%、好ましくは4%から50%の範囲、より好ましくは4%と35%との間である。
【0049】
一実施形態によれば、コポリマー中のポリエーテルブロックの数平均分子量は、100と5000g/モルとの間、好ましくは200と2000g/モルとの間である。
【0050】
好ましくは、本発明に係るコポリマーは、ブロックの各々の間にエステル結合を含む。
【0051】
この実施形態によれば、2つのブロックの間にエステル結合を形成するために、PAブロックは酸官能基で終了し、PEブロックはアルコール官能基で終了する。
【0052】
ブロックの配置
本発明のブロックコポリマーは、特定の方式で少なくとも1つのポリエーテル(PE)ブロックに取り付けられた異なる化学構造(PA1およびPA2)の少なくとも2つのポリアミドブロックを含む。
【0053】
2つのポリアミドブロックPA1およびPA2は中間体のポリエーテルPEブロックを介して連結される。本発明に係るブロックコポリマーの構造は次式:PA1−PE−PA2で定義することができる。
【0054】
換言すれば、本発明に係るコポリマーは、少なくとも2つのPAが異なる化学構造である、交互のPAおよびPEブロックを有するコポリマーとして定義することができる。
【0055】
方法
本発明は上記で定義されたコポリマーの製造方法にも関する。
【0056】
この方法は、以下の工程:
− 第1の工程では、適切な連鎖制限剤の存在下でアミノ酸、ラクタムまたはジアミンおよびジカルボン酸から選択されたモノマーの重縮合により、ポリアミドブロックPA
1を調製する工程;
− 次に、任意の第2の工程において、得られたポリアミドブロックPA
1を、触媒の存在下または非存在下で、ポリエーテルブロックPEの全部または一部と反応させる工程;
− 第3の工程では、適切な連鎖制限剤の存在下でアミノ酸、ラクタムまたはジアミンおよびジカルボン酸から選択されたモノマーの重縮合により、ポリアミドブロックPA
2を調製する工程;
− 任意の第4の工程において、得られたポリアミドブロックPA
2を、触媒の存在下または非存在下で、ポリエーテルブロックPEの全部または一部と反応させる工程;
− 第5の工程では、PA1または第2の工程から誘導された反応媒体をPA2または第4の工程から誘導された反応媒体およびPEまたは第2または第4の工程で添加されなかった残りのPEと反応させる工程を含む。反応は触媒なしで最初の段階で起こり得、次いで触媒が添加される。触媒の添加は、例えば、必要ならば、残りのPEの添加後または添加中に行われてもよい。
【0057】
本発明による方法の第1の実施形態によれば、それは以下の工程:
− ポリアミドPA1を調製する工程、
− ポリアミドPA2を調製する工程、
− ポリエーテルPEの存在下でポリアミドPA1およびPA2を混合し反応させる工程
を含む。
【0058】
より具体的には、方法は以下の工程:
− 第1の工程では、適切な連鎖制限剤の存在下でアミノ酸、ラクタムまたはジアミンおよびジカルボン酸から選択されたモノマーの重縮合により、ポリアミドブロックPA
1を調製する工程;
− 第2の工程では、適切な連鎖制限剤の存在下でアミノ酸、ラクタムまたはジアミンおよびジカルボン酸から選択されたモノマーの重縮合により、ポリアミドブロックPA
2を調製する工程;
− 第3の工程において、PA
1およびPA
2をPEと反応させる工程
を含む。
【0059】
本発明による方法の第2の実施形態によれば、それは以下の連続する工程:
− ポリアミドPA1を調製する工程、
− ポリアミドPA2を調製する工程、
− ポリアミドPA1をポリエーテルPEの一部と混合し反応させる工程、
− ポリアミドPA2をポリエーテルPEの一部と混合し反応させる工程、
− ポリエーテルPEの存在下で2つの反応媒体を混合し反応させる工程
を含む。
【0060】
より具体的には、方法は、以下の工程:
− 第1の工程では、適切な連鎖制限剤の存在下でアミノ酸、ラクタムまたはジアミンおよびジカルボン酸から選択されたモノマーの重縮合により、ポリアミドブロックPA
1を調製する工程;
− 次に、第2の工程において、得られたポリアミドブロックPA
1を、触媒の存在下または非存在下で、ポリエーテルブロックPEの全部または一部と反応させる工程;
− 第3の工程では、適切な連鎖制限剤の存在下でアミノ酸、ラクタムまたはジアミンおよびジカルボン酸から選択されたモノマーの重縮合により、ポリアミドブロックPA
2を調製する工程;
− 第4の工程において、得られたポリアミドブロックPA
2を、触媒の存在下または非存在下で、ポリエーテルブロックPEの全部または一部と反応させる工程;
− 第5の工程では、第2の工程から誘導された反応媒体を第4の工程から誘導された反応媒体と第2または第4の工程で添加されなかった残りのPEと反応させる工程
を含む。
【0061】
本発明による方法の第3の実施形態によれば、それは以下の工程:
− ポリアミドPA1を調製する工程、
− ポリアミドPA2を調製する工程、
− 2つのポリアミドの1つをポリエーテルPEの一部と混合し反応させる工程、
− 前工程から得られた反応媒体を第2のポリアミド(ポリエーテルPEとまだ接触していないポリアミド)の存在下で、必要ならば場合により残りのポリエーテルPEと混合し反応させる工程
を含む。
【0062】
上記の方法において、ポリアミドとポリエーテルとの間の反応は触媒ありでまたは触媒なしでも起こり得、この触媒は場合により1つ以上の工程で導入される。好ましくは、反応は最初の段階で触媒なしで起こり、その後、残りのPEを添加した後、触媒を添加する。
【0063】
ポリアミドを調製し、ポリアミドをポリエーテルと反応させる一般的な方法は知られており、例えば、フランス特許FR2846332および欧州特許EP1482011に記載されている。
【0064】
合成の際に最も適切であると判断された時に、酸化防止剤として使用される1つ以上の分子、例えば、Irganox(R)1010またはIrganox(R)245を添加することもできる。
【0065】
有利には、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムにより形成される群から選択される金属の誘導体、または、例えば、リン酸、次亜リン酸もしくホウ酸のような強酸が触媒として使用される。重縮合は、220から280℃、好ましくは230と250℃との間の温度で行うことができる。
【0066】
本発明によるコポリマーは以下も含むことができる組成物に使用することができる:染料、漂白剤、UV吸収剤、酸化防止剤、安定剤、軟化剤、可塑剤、衝撃改質剤、補強剤、核形成剤およびこれらの混合物。
【0067】
使用
本発明は、より具体的には、上記で定義されるコポリマーの使用にも関する。
【0068】
本発明に係るコポリマーは、単独で使用しても、または添加剤として使用してもよい。それは、繊維、織物、フィルム、シート、棒、チューブまたは射出成形部品のような成形品の全てまたは一部を製造するのに役立つことができる。
【0069】
物品
本発明はまた、上記に定義されたコポリマーまたは上記で定義された方法によって調製したコポリマーを含む成形品にも関する。
【0070】
換言すれば、本発明はまた、本発明のコポリマーから全体的にまたは部分的に形成された部品およびそのような部品の使用にも関する。
【0071】
このように、物品は、有利にスポーツシューズの部品、アイススケート、スキーの付属品、ラケット、スポーツバット、ボード、蹄鉄、フリッパー、ゴルフボールのようなスポーツ用具、レジャー物品、手工芸品、気候による衝撃および機械的衝撃を受ける道路維持工具もしくは設備、ヘルメットもしくはハットバイザーのような保護物品、眼鏡、眼鏡アーム、ヘッドランププロテクター、バックミラー、すべての道路車両の小さな部品のような乗り物部品(特にスクーター、モペット、オートバイ、車もしくは自転車)、タンク、またはコンベアベルトに成形される。ゴルフボールの分野においてUS4858924号およびUS4919434号を含むある数の特許または特許出願は、ゴルフボールの外層または中間層を製造するために使用されるエラストマーポリアミド材料に言及している。
【0072】
本発明の他の目的および利点は、案内として与えられ、決して限定しない以下の実施例を読むことで明らかになる。
【実施例】
【0073】
[実施例1:本発明に従ったコポリマーPEBA1の調製]
PA6ブロックの合成
1400gのラクタム6、110.36gのアジピン酸および98gの水をオートクレーブ中に入れる。材料温度は280℃である。この系を22バールの圧力で3時間維持し、次いで約1時間かけて減圧し、30分間窒素を流す。
【0074】
PA12ブロックの合成
1400gのラクタム12、110.36gのアジピン酸および98gの水をオートクレーブ中に入れる。材料温度は280℃である。この系を22バールの圧力で3時間維持し、次いで約1時間かけて減圧し、30分間窒素を流す。
【0075】
PEBA1:−[PA6−PTMG]−[PA12−PTMG]−の合成
ガラス管で、窒素を流しながら、8.15gのPA6を32.6gのPA12ブロックおよび19.25gのPTMGと1時間かけて反応させる。公称温度は250℃であり、混合物を窒素下で1時間撹拌する。その後、0.3%のZr(OBu)
4を添加して、系を減圧(<10ミリバール)下に置く。十分なトルクに達した時に試験を停止するためにトルクの発生を監視する。
【0076】
得られたPEBA1をDSCによって分析し、156℃の融点である。
【0077】
[実施例2:本発明に従ったコポリマーPEBA2の調製]
PEBA2:−[PA6−PTMG]−[PA12−PTMG]−の合成
ポリアミドPA6およびPA12は実施例1に記載したものと同じである。
【0078】
アンカーを備えたガラス管に、8.15gのPA6を32.6gのPA12ブロックおよび19.25gのPTMGと共に入れる。公称温度は250℃である。窒素下の中間工程なしで、0.3重量%のZr(OBu)
4を添加して、系を減圧(<10ミリバール)に置く。十分なトルクに達した時に試験を停止するためにトルクの発生を監視する。
【0079】
得られたPEBA2をDSCによって分析し、165℃の融点である。
【0080】
[実施例3:比較コポリマーPEBA3の調製]
PA6/12ブロックの合成
300gのラクタム−6および1200gのラクタム−12、118.25gのアジピン酸および113.28gの水をオートクレーブ中に入れる。材料温度は280℃である。この系を22バールの圧力で3時間維持し、次いで約1時間かけて減圧し、30分間窒素を流す。
【0081】
PEBA3:−[PA6/12−PTMG]−の合成
アンカーを備えたガラス管に、55gのPA6/12を17gのPTMGと共に置く。公称温度は250℃である。次いで、0.3重量%のZr(OBu)
4を添加して、系を減圧(<10ミリバール)下に置く。十分なトルクに達した時に試験を停止するためにトルクの発生を監視する。
【0082】
得られたPEBA3をDSCによって分析し、141℃の融点である。
【0083】
PEBA1およびPEBA2は、PEBA3よりも高い融点を有することが明らかにわかる。
【0084】
[実施例4:本発明に従ったコポリマーPEBA4の調製]
実施例1に関して同じPA12ブロックを使用する。
【0085】
PAB.12ブロックの合成
2289gのBMACM、2829gのドデカン二酸および100gの水をオートクレーブ中に入れる。材料温度は250℃である。この系を22バールの圧力で3時間維持し、次いで約30分間かけて減圧し、60分間窒素を流す。
【0086】
PEBA4:−[PA12−PTMG]−[PAB.12−PTMG]−の合成
アンカーを備えたガラス管に、23.5gのPA12を25gのPAB.12ブロックおよび20.2gのPTMGと共に入れる。公称温度は250℃である。次いで、0.3重量%のZr(OBu)
4を添加して、系を減圧(<10ミリバール)下に置く。十分なトルクに達した時に試験を停止するためにトルクの発生を監視する。
【0087】
得られたPEBA4は、非常に良好な透明度および約490MPa(DMA測定)という23℃での高い弾性率を有する。
【0088】
[実施例5:比較の二成分混合物の調製]
構造−[PAB.12(0.5)/B.14(0.5)−PTMG]−のPEBAを以下の手順に従って調製する。
【0089】
PEBAを、以下の手順に従って脂環式ジアミンに基づくPAブロックから調製した:脂環式ジアミンおよび二酸を80Lのオートクレーブ中に入れる。反応器に窒素を流し、閉じて、加圧下で40rpmで撹拌しながら260℃で加熱する。1時間維持した後、系を大気圧まで減圧し、ポリエーテルおよび触媒を添加する。50ミリバール(必要なら20ミリバール)まで到達するために、反応器を真空下に30分間置く。トルクの上昇は約2時間持続する。その粘度が達成されたら、反応器を大気圧に戻し、生成物を顆粒化し、真空下で75℃で乾燥させる。
【0090】
このコポリマーを、その後、50:50の含有率で構造−[PA12−PTMG]−の半結晶質PEBAと混合する。
【0091】
得られた組成物は、非常に良好な透明度および約430MPa(DMA測定)という23℃での高い弾性率を有する。
【0092】
結果を以下の表に示す。
【0093】
【表1】
【0094】
これらの結果により、本発明によるポリマーは、より柔軟で透明な材料をもたらすことが示される。さらに、その合成方法は、それが単一の工程のみを必要とすることを考えれば、ずっと経済的で実施が容易である。
【国際調査報告】