(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-534831(P2016-534831A)
(43)【公表日】2016年11月10日
(54)【発明の名称】自動充電式エアチューブが内蔵されたクッション及びその製作方法
(51)【国際特許分類】
A47C 27/14 20060101AFI20161014BHJP
B29C 39/10 20060101ALI20161014BHJP
【FI】
A47C27/14 D
B29C39/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-538841(P2016-538841)
(86)(22)【出願日】2014年8月21日
(85)【翻訳文提出日】2016年2月23日
(86)【国際出願番号】KR2014007755
(87)【国際公開番号】WO2015030420
(87)【国際公開日】20150305
(31)【優先権主張番号】10-2013-0101716
(32)【優先日】2013年8月27日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516055273
【氏名又は名称】ハム・ウィシン
【氏名又は名称原語表記】Eui−Shin HAM
(71)【出願人】
【識別番号】516055284
【氏名又は名称】ハム・ウソン
【氏名又は名称原語表記】Woo−Sung HAM
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100084146
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100111039
【弁理士】
【氏名又は名称】前堀 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100172236
【弁理士】
【氏名又は名称】岩木 宣憲
(72)【発明者】
【氏名】ハム・ウィシン
(72)【発明者】
【氏名】ハム・ウソン
【テーマコード(参考)】
3B096
4F204
【Fターム(参考)】
3B096AA01
3B096AA04
3B096AB01
4F204AB02
4F204AC05
4F204AD05
4F204EA01
4F204EB01
4F204EB12
4F204EF05
4F204EF27
(57)【要約】
本発明は、自動充電式エアチューブが内蔵されたクッション及びこの制作方法に関し、より詳細には、ベッド及び枕などを含む寝具類、そして、各種シートなどのクッション材として使用できるようにした自動充電式エアチューブが内蔵されたクッション及びその製作方法に関するものである。すなわち、本発明は、クッション製作用金型のキャビティー内にエアチューブを等間隔に配置し、金型内のキャビティー内にクッション用素材を注入する発泡成形を介してクッション用素材がエアチューブを覆うとともに、エアチューブの外表面に一体に接着されるようにすることで、エアチューブとクッション用素材との一体化を介してエアチューブ内に自動に空気が充電され、高伸縮性のクッション力を提供するとともに、均等な荷重分散がなされ得るようにした自動充電式エアチューブが内蔵されたクッション及びその製作方法を提供しようとしたものである。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一定の間隔に配列され、空気が充電されている長方形断面形態の複数のエアチューブ12と、
前記各エアチューブ12を覆うとともに、エアチューブ12の外表面に一体に接着され、発泡成形される高伸縮性のクッション用素材14と、
前記各エアチューブ12のエア注入及び排出のためのエア注入及び排出手段20と、
を備えて構成されたことを特徴とする自動充電式エアチューブが内蔵されたクッション。
【請求項2】
前記エア注入及び排出手段20は、
各エアチューブ12に連通可能に連結される分岐形エア供給ホース22と、
各分岐形エア供給ホース22の終端が連通可能に連結される単一形メインエア供給ホース24と、
単一形メインエア供給ホース24の末端部に装着される開閉用蓋26とで構成されたことを特徴とする請求項1に記載の自動充電式エアチューブが内蔵されたクッション。
【請求項3】
前記分岐形エア供給ホース22及びメインエア供給ホース24は、クッション用素材14の発泡成形の際、クッション用素材14内に一体に内蔵され、メインエア供給ホース24の末端部に取り付けられた開閉用蓋26は、クッション用素材14の外部に露出したことを特徴とする請求項2に記載の自動充電式エアチューブが内蔵されたクッション。
【請求項4】
クッション製作用金型30の下型31に形成された下部キャビティー32内に複数のエアチューブ12を等間隔に配置するステップと、
上部キャビティー34を有する上型33を下型31に結合させるステップと、
金型30の素材注入口にクッション用素材14を注入して、クッション用素材14が各エアチューブ12を覆うとともに、エアチューブ12の外表面に一体に接着され、発泡成形されるステップと、
を含むことを特徴とする自動充電式エアチューブが内蔵されたクッション製作方法。
【請求項5】
前記発泡成形の際、各エアチューブ12に連通可能に連結される分岐形エア供給ホース22と、各分岐形エア供給ホース22の終端が連通可能に連結される単一形メインエア供給ホースは、その末端部を除き、クッション用素材14内に一体に内蔵されることを特徴とする請求項4に記載の自動充電式エアチューブが内蔵されたクッション製作方法。
【請求項6】
前記上型33の上部キャビティー34には、エアチューブ12の浮きを防止するピン36が一定間隔に形成されており、
前記下型31の下部キャビティー32には、エア注入が完了された各エアチューブの側面部を密着支持し、エアチューブ12の断面は長方形に維持させることができるように複数のピン35が垂直に配置され、一体に形成されたことを特徴とする請求項4に記載の自動充電式エアチューブが内蔵されたクッション制作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動充電式エアチューブが内蔵されたクッション及びその製作方法に関し、より詳細には、ベッド及び枕などを含む寝具類、そして、各種シートなどのクッション用途として使用できるようにした自動充電式エアチューブが内蔵されたクッション及びその製作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、クッション力及び弾性復元力を有する寝具類用クッション素材として、クッション及び伸縮復元力を有するラテックスと、弾性支持力を有するばね等が用いられている。
【0003】
前記ラテックスまたはばねを用いた寝具類用クッション素材は長期間使用すると、ばねの老朽による弾性支持力低下の問題、ラテックス材質に持続的に加えられる荷重によってラテックスの伸縮性及び復元力低下の問題等が生じるようになる。
【0004】
このような問題点を解決するための従来の技術として、外力によって変形または復元されつつ、空気が排出または吸入されるように自体弾力を有するブローモールドされた複数のプラスチックボトルと、各プラスチックボトル間に配置されるインナークッション(inner cushion)で構成されたクッション材が開示されており、各プラスチックボトルは、インナークッションを隔ててワイヤなどによって一体に結束される状態となる。
【0005】
したがって、ユーザの体重によってプラスチックボトルに空気をさらに注入するか、排出させることができるので、クッション材の弾力を調節でき、これにより、ユーザがプラスチックボトルの空気量を調節して最適のクッションを有するように調節した後に使用することができる。
【0006】
しかし、各プラスチックボトルとインナークッションとが一体化されず、身体の各部位を適宜の圧力で支持できないという短所がある。
【0007】
すなわち、プラスチックボトルのうち、いずれか1つに荷重が作用すれば、プラスチックボトルが押されながら、その側部がインナークッション側に偏るようになるが、インナークッションとプラスチックボトルとの間の境界部が一体でない、接触状態であるため、プラスチックボトルの側部がインナークッションの接触面から離脱されるなどの現象が生じ得るし、つまり、プラスチックボトル及びインナークッションの荷重分散機能が顕著に劣るという問題点がある。
【0008】
このような問題点に鑑みて、本願出願人は、保管するときや運搬するときに、プラスチックボトルの内部空間を圧縮させて全体体積を最小化できるようにしたエアマットレス用プラスチックボトルを既に出願して特許登録(10−1032462(2011.04.25))を受けたことがあり、また、エアマットレスの弾力を調節するとともに、荷重がマットレスの一部分にのみ集中されても、これをベッド全体に分散させて支持できるようにしたプラスチックボトルを用いたエアベッドを既に出願して特許登録(登録番号10−1032460(2011.04.25))を受けたことがあり、また、ベッドのマットレスが単位フレーム等に沿って円滑に折り畳まれることができるようにしたプラスチックボトルを用いた患者用ベッドを既に出願して特許登録(登録番号10−0956662(2010.04.29))を受けたことがある。
【0009】
しかし、既登録された特許で言及されたプラスチックボトル形態のチャンバーまたはクッション等は、人為的に空気を供給して膨張するものであり、自体的に空気を吸入する作動が不可能なものであるため、つまり、複数のプラスチックボトル形態のチャンバーまたはクッション内に空気を注入しようとすれば、大容量のポンプが必要になるしかないし、このため、ポンプの大きさ及び容量の増加、ポンプ駆動による騒音発生、製作費用の増加等の問題点があった。
【0010】
また、既登録された特許で言及されたプラスチックボトル形態のチャンバーまたはクッション等は、一々各部品(チャンバー、クッション等)を組み立ててはじめてベッドまたはその他の用途のクッション体に完成されるので、組立作業性が劣り、製品の製造工数が多くなるという短所がある。
【0011】
また、既登録された特許で言及されたプラスチックボトル形態のチャンバーまたはクッション等をベッドまたはその他の用途のクッション体に製作した場合、クッション体を圧縮して体積を縮小させた状態で運搬及び配送が不可能であるため、保管の際、多くの空間を占め、配送費が増加されるので、輸出に障害となった。
【0012】
また、既登録された特許で言及されたプラスチックボトルは、フォーム(スペーサ)が分離型となっており、プラスチックボトル内に空気を含んでいるので、圧縮及びその復元力が劣り、つまり、プラスチックボトルの体積を減らすことができないので、船積(特に、輸出のための船積)のための体積が増えて、運送費用を増加させるという問題点がある。
【0013】
一方、本出願人が開発した特許登録第10−0510004号(ラテックスとエアチューブを用いたマットレス)は、マットレスの外部素材をラテックスとし、内部素材をエアチューブとしてこれを一体化させた製品である。
【0014】
このようなマットレスは、エアチューブ内部にエアを注入し、エアが注入されたエアチューブをモールド内部の中央に位置させた状態で液状のラテックスをモールド内部に用意するので、エアチューブの周辺にラテックスがモールドされるようにし、モールドされた外部材を硬化させることにより製造される。
【0015】
ところが、このような従来のマットレスは、それぞれのセルが互いに分離独立的に位置しており、エアチューブの圧力上昇は、チューブのみ硬直させ、クッションの役割には限界がある。このようなチューブの硬直度上昇は、圧点のみ形成させて不便を加重させるようになった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上記のような諸問題点を解決するために案出されたものであって、クッション製作用金型のキャビティー内に膨張されたエアチューブを直六面体になるようにして等間隔に配置し、金型内のキャビティー内にクッション用素材を注入する発泡成形によって、クッション用素材がエアチューブを覆うとともに、エアチューブの外表面に一体に接着されるようにすることで、発泡後、クッション内に密閉された長方形断面の空間を確保してエアチューブとクッション用素材との一体化を介して高伸縮性のクッション力を提供するとともに、均等な荷重分散がなされ、クッション外形の変形が防止されるだけでなく、収縮して体積を減らしておき、外力を除去すれば、自ら膨張してクッションを提供することにその目的がある。
【0017】
本発明の他の目的は、運搬の際、体積を最小化させて多量を積載して運搬することができ、圧力を除去すれば、自動復元され、素材を低減できるようにしたエアチューブが内蔵されたクッションを提供することにある。
【0018】
本発明のさらに他の目的は、特定のエアチューブ上に外部の荷重がチューブに加えられてチューブ内に圧力が上昇し、変形されるとき、その圧力が隣接したエアチューブに伝達されて分散されるようにしたエアチューブが内蔵されたクッションを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記した目的を達成するための本発明の一実現例は、一定の間隔に配列された複数の長方形断面のエアチューブと、前記各エアチューブを覆うとともに、エアチューブの外表面に一体に接着され、発泡成形される高伸縮性のクッション用素材と、前記各エアチューブのエア注入及び排出のためのエア注入及び排出手段とを備えて構成されたことを特徴とするエアチューブが内蔵されたクッションを提供する。
【0020】
本発明に係る前記エア注入及び排出手段は、各エアチューブに連通可能に連結される分岐形エア供給ホースと、各分岐形エア供給ホースの終端が連通可能に連結される単一形メインエア供給ホースと、単一形メインエア供給ホースの末端部に装着される開閉用蓋とで構成されたことを特徴とする。
【0021】
特に、前記分岐形エア供給ホース及びメインエア供給ホースは、クッション用素材の発泡成形の際、クッション用素材内に一体に内蔵され、メインエア供給ホースの末端部に取り付けられた開閉用蓋は、クッション用素材の外部に露出したことを特徴とする。
【0022】
上記した目的を達成するための本発明の他の実現例は、クッション製作用金型の下型に形成された下部キャビティー内に複数の長方形断面のエアチューブを等間隔に配置するステップと、上部キャビティーを有する上型を下型に結合させるステップと、金型の素材注入口にクッション用素材を注入して、クッション用素材が各エアチューブを覆うとともに、エアチューブの外表面に一体に接着され、発泡成形してエアチューブとクッション用素材とを接着させるステップとを含むことを特徴とするエアチューブが内蔵されたクッションを提供する。
【0023】
特に、前記発泡成形の際、各エアチューブに連通可能に連結される分岐形エア供給ホースと、各分岐形エア供給ホースの終端が連通可能に連結される単一形メインエア供給ホースは、その末端部を除き、クッション用素材内に一体に内蔵されることを特徴とする。
【0024】
また、上型の上部キャビティーにも、エア注入が完了された各エアチューブの上部面を支持する複数のピンが垂直に配置され、各ピンの高さは、エアチューブの上部面を支持できる程度に形成される。したがって、前記複数のピンによって発泡の際に膨張されたエアチューブが浮かないように支持される。
【0025】
望ましくは、前記下部キャビティーには、エア注入が完了された各エアチューブの側面部を密着支持する複数のピンが垂直に配置されて、チューブの断面が長方形を維持できる。
【発明の効果】
【0026】
上記した課題解決手段によって本発明は、次のような効果を提供する。
【0027】
本発明によれば、長方形断面で膨張された複数のエアチューブがベッドまたは枕などのモールド内で等間隔をなして配置された状態で高伸縮性を有する材質であるクッション用素材がエアチューブを覆うとともに、エアチューブの外表面に一体に接着されたクッションを提供することにより、変形が防止され、エアチューブとクッション用素材との間の一体化を実現して、大気圧までエアチューブに空気が自動に充電される構造を実現することができる。
【0028】
特に、クッション用素材内に長方形断面のエアチューブが一定の間隔で一体に内蔵された構造により、荷重作用の際、エアチューブ間のクッション用素材は圧縮されて支持力を高め、エアチューブは、垂直荷重を水平荷重にほとんど切り換えて体重減少効果とともに、空気筒全体に荷重を分散させて弾性支持力を提供し、均等な荷重分散がなされ得る。
【0029】
また、エアチューブ内にエアを注入するか、排出させて、エアチューブのエア圧を調節できるので、ユーザが望むクッション力及び弾性支持力を得ることができる。
【0030】
また、エアチューブ内のエアを全て排出させた後、クッション用素材を圧縮させることにより、全体的なサイズを大きく減らして、コンパクトな収納ケースまたはバッグなどに容易に収納させることができる。
【0031】
また、本発明のエアチューブには、自動に大気圧まで空気が充電されるので、多くの空気を注入する必要がなく、それにより、空気注入のためのポンプ小型化が可能であり、ポンプ小型化による原価低減及び騒音低下が可能であるという長所がある。
【0032】
また、本発明のエアチューブが内蔵されたクッションは、船積及び運搬の際、クッション用素材自体を押さえて体積を大きく減らすことができ、外力を除去すれば、空気が自動吸入されつつ自動復元される特性を有するので、つまり、船積の際、体積低減による運搬費低減及び輸出運送費用の低減などを実現することができる。
【0033】
そして、複数のエアチューブが互いに連結されているので、特定のエアチューブに外部の圧力が加えられるとき、その圧力が他のエアチューブに伝達されて分散されるので、身体を安らかに支持することができる。
【0034】
本発明の自動充電式エアチューブが内蔵されたクッションは軽いので、取り扱いが容易であり、ラテックスやフォーム等の原材料所要量が低減されるので、原価低減の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明に係るエアチューブが内蔵されたクッションを示す外観斜視図。
【
図2】本発明に係るエアチューブが内蔵されたクッションを示す一部切欠き断面斜視図。
【
図3】本発明に係るエアチューブが内蔵されたクッションを示す断面図。
【
図4】本発明に係るクッション内のエアチューブからエア抜きを行った後、クッションを圧縮させた状態を示す断面図。
【
図5a】本発明に係るエアチューブが内蔵されたクッションを枕サイズに製作する方法を説明する概略図。
【
図5b】本発明に係るエアチューブが内蔵されたクッションを枕サイズに製作する方法を説明する概略図。
【
図5c】本発明に係るエアチューブが内蔵されたクッションを枕サイズに製作する方法を説明する概略図。
【
図6a】本発明に係るエアチューブが内蔵されたクッションをベッドマットレスサイズに製作する方法を説明する概略図。
【
図6b】本発明に係るエアチューブが内蔵されたクッションをベッドマットレスサイズに製作する方法を説明する概略図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、本発明の好ましい実施形態を添付図面を参照して詳細に説明する。
【0037】
本発明は、一定間隔に配列された複数の長方形断面を有するように膨張されたエアチューブがクッション用素材によって覆われるとともに、エアチューブの外表面にクッション用素材が一体に接着された構造のクッションを提供することにより、エアチューブとクッション用素材との一体化を介して歪み防止及び自動充電機能、そして、高伸縮性のクッション力を得ることができ、かつ、均等な荷重分散機能を提供することができ、特に、ベッド及び枕などを含む寝具類、そして、各種シートなどのクッション用途として有用に適用され得るようにした点に主眼点がある。
【0038】
ここで、本発明に係るクッション及びその製造方法についての好ましい実施形態として、寝具類のうち、枕用途に使用できる大きさのものと説明し、ベッドマットレスのような他の寝具類、シート用クッションなども同様な構造及び製造方法が適用されることを明かしておく。
【0039】
添付した
図1ないし
図3に示されたように、本発明のクッション10は、一定の間隔に配列された長方形断面を有する複数のエアチューブ12と、各エアチューブ12を覆うとともに、エアチューブ12の外表面に一体に接着され、発泡成形される高伸縮性のクッション用素材14とで構成される。
【0040】
望ましくは、前記エアチューブ12は、ベッド、枕、シートなどのような所望のクッション製品内に内蔵される大きさであり、かつ、所望のクッション製品の外郭形状と類似した形状に製作されるとともに、各コーナー部分がラウンドされた長方形断面形状を有するようにモールド内に固定される。
【0041】
前記クッション用素材14は、複数の不規則な気孔を有する一般的なスポンジ材質を使用することができ、望ましくは、複数の気孔によりクッション感を実現する合成高分子樹脂などを使用することができる。
【0042】
本発明のクッション10は、各エアチューブ12にエアを注入するか、エアチューブ12からエアを排出させるためのエア注入及び排出手段20を備える。
【0043】
より詳しくは、前記エア注入及び排出手段20は、各エアチューブ12に連通可能に連結される複数の分岐形エア供給ホース22と、各分岐形エア供給ホース22の終端に連通可能に連結される単一形メインエア供給ホース24とで構成され、特に、単一形メインエア供給ホース24の末端部には、エア注入及び排出の際、手動開閉される開閉用蓋26が取り付けられる。
【0044】
このとき、前記各エアチューブ12を覆うとともに、エアチューブ12の外表面に一体に接着されるクッション用素材14の発泡成形の際、分岐形エア供給ホース22及びメインエア供給ホース24は、クッション用素材14内に一体に内蔵される状態となり、メインエア供給ホース24の末端部に取り付けられた開閉用蓋26は、開閉操作が可能なようにクッション用素材14の外部に露出する状態となる。
【0045】
ここで、上記した構成からなるエアチューブが内蔵されたクッションの使用状態を説明すれば、次のとおりである。
【0046】
まず、エアチューブ12自体が高伸縮性を有するクッション用素材14によって覆われ、一体に成形された状態であるため、クッション用素材14が有する固有の原形復元力によって各エアチューブ12が膨張される状態で引っ張られる状態となり、これにより、エアポンプの使用無しでも外気が開き状態である開閉用蓋26を介して各エアチューブ12内に吸入されて大気圧まで満たされるようになる。
【0047】
次に、ユーザの好みに合うようにエアをさらに充電させる場合、開閉用蓋26を開いた後、メインエア供給ホース24に手動式エアポンプ(図示せず)を連結させ、エアポンプの駆動によってエアがメインエア供給ホース24に供給されると、エアが各分岐形エア供給ホース22を経由して各エアチューブ12内に入るようになることで、エアチューブ12の膨張がなされる。
【0048】
このとき、エアチューブ12のエア圧がユーザが望む水準までは小型エアポンプを使用して駆動を停止させた後、開閉用蓋26を閉じれば良く、または、クッション用素材14の原形復元力によって各エアチューブ12が膨張される状態で引っ張られる状態となりつつ、外気がエアチューブ12に吸入されれば、開閉用蓋26を閉じてクッションとして使用可能な状態となる。
【0049】
したがって、ユーザが頭などの身体部位をクッション10上に載せることになると、ユーザの荷重によってクッション用素材14が収縮するとともに、クッション用素材14内に膨張された状態で存在する各エアチューブ12が荷重を分散させて支持するようになることで、ユーザは安楽感を感じるようになる。
【0050】
一方、本発明のクッション10を使用するとき、エアチューブ12のエア圧を減少調節しようとする場合には、開閉用蓋26を開いてクッション用素材14を圧縮させることにより、クッション用素材14内の各エアチューブ12からエアが排出される。
【0051】
すなわち、エアチューブ12内のエアが分岐形エア供給ホース22及びメインエア供給ホース24を順に経由して開き状態にある開閉用蓋26を介して外部に排出され、適正量が排出されれば、再度開閉用蓋26を防ぐことにより、エアチューブ12のエア圧がユーザが望む水準に減少調節される。
【0052】
このとき、クッション用素材14に加えられていた圧縮力を解除することになると、クッション用素材14の原形復元力(弾性復元力)、言い替えれば、クッション用素材14を構成するスポンジ材質の微細気孔に再度空気が入ることにより、クッション用素材14が膨張するとともに、圧縮されていたエアチューブ12を元の形状に引っ張ることになり、これにより、圧縮されていたエアチューブ12内に外気が吸入されて満たされるようになり、つまり、エアチューブ12とクッション用素材14とからなるクッション10が元の形状に容易に復元される。
【0053】
また、本発明のクッション10を特定場所(狭小な収納ケースまたはバッグなど)に保管しようとする場合には、開閉用蓋26を再度開いて、クッション用素材14内の各エアチューブ12からエアが全て排出されるまでクッション用素材14を持続的に圧縮させれば良い。
【0054】
したがって、添付した
図4に示されたように、前記エアチューブ12内のエアが全て排出された後、クッション用素材14を圧縮し続けると、エアチューブ12も共に圧着されて、全体的なクッション10体積が大きく減るようになり、減った体積を有するクッション10を狭小な収納ケースまたはバッグなどに挿入して入れることにより、便利な収納性を提供できる。
【0055】
勿論、前記クッション10を狭小な収納空間から引き出してそのまま置くことになると、クッション用素材14を構成するスポンジ材質の微細気孔に再度空気が入るようになり、大気圧まで充電されたエアチューブ12が内蔵されたクッション10が元の形状に復元される。
【0056】
ここで、上記のような構成を有する本発明のエアチューブが内蔵されたクッション製作方法についての一実施形態として、枕用クッションを製作する例を添付した
図5aないし
図5cを参照して説明すれば、次のとおりである。
【0057】
まず、クッション製作用金型30の下型31に形成された下部キャビティー32内にエア注入によって膨張された複数のエアチューブ12を等間隔に配置させる。
【0058】
勿論、前記金型30は、
図5aないし
図5cに枕製作サイズに合うように図示されたが、ベッドまたはシートサイズに合うように製作されることができる。
【0059】
このとき、前記下型31の下部キャビティー32には、エア注入が完了された各エアチューブ12の側面部を密着支持する複数のピン35が垂直に配置されて一体に形成され、各ピン35の高さは、エアチューブ12の側面を支持できる程度に形成される。
【0060】
したがって、前記複数のピン35間にエアチューブ12があたかも挟まれたように配置固定されることにより、クッション用素材14の発泡成形の際、自分の位置を外れずに、続けて固定された状態に維持されることができる。
【0061】
次に、上部キャビティー34を有する上型33を下型31に結合させる。上型33の上部キャビティー34には、エアチューブ12の浮きを防止するピン36が一定間隔に形成されている。
【0062】
次いで、前記金型30の素材注入口(図示せず)を介して上部及び下部キャビティー34、32内にクッション用素材14、すなわち、スポンジ素材を注入して発泡させる発泡成形を行うことにより、クッション用素材14が各エアチューブ12を覆うとともに、エアチューブ12の外表面に一体に接着され、発泡成形される。
【0063】
一方、各エアチューブ12に連通可能に連結される分岐形エア供給ホース22と、各分岐形エア供給ホース22の終端が連通可能に連結される単一形メインエア供給ホース24も下型31内に共に配置されて、発泡成形の際、クッション用素材14内に内蔵される状態となる。
【0064】
また、前記メインエア供給ホース24の末端部を金型外に露出させることにより、クッション用素材14の外部にメインエア供給ホース24の末端部が突出する状態となり、最終的に突出したメインエア供給ホース24の末端部に開閉用蓋26を取り付けることにより、本発明の枕用クッションの製作が完了される。
【0065】
一方、本発明のクッションは、添付した
図6aに示されたように、金型の大きさを大きく製作した後、上記した同様な製作過程を経て
図6bのようなベッドマットレス用クッションとしても製作されることができ、その他、シートなどに入るクッションサイズにも製作可能である。
【国際調査報告】