特表2016-535868(P2016-535868A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エーペックス マイクロエレクトロニクス カンパニー リミティドの特許一覧

特表2016-535868インクカートリッジチップ及び当該チップが用いられるインクカートリッジ
<>
  • 特表2016535868-インクカートリッジチップ及び当該チップが用いられるインクカートリッジ 図000003
  • 特表2016535868-インクカートリッジチップ及び当該チップが用いられるインクカートリッジ 図000004
  • 特表2016535868-インクカートリッジチップ及び当該チップが用いられるインクカートリッジ 図000005
  • 特表2016535868-インクカートリッジチップ及び当該チップが用いられるインクカートリッジ 図000006
  • 特表2016535868-インクカートリッジチップ及び当該チップが用いられるインクカートリッジ 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-535868(P2016-535868A)
(43)【公表日】2016年11月17日
(54)【発明の名称】インクカートリッジチップ及び当該チップが用いられるインクカートリッジ
(51)【国際特許分類】
   G09C 1/00 20060101AFI20161021BHJP
【FI】
   G09C1/00 610Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-528879(P2016-528879)
(86)(22)【出願日】2014年12月17日
(85)【翻訳文提出日】2016年5月9日
(86)【国際出願番号】CN2014094139
(87)【国際公開番号】WO2015106616
(87)【国際公開日】20150723
(31)【優先権主張番号】201410019068.4
(32)【優先日】2014年1月15日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516004651
【氏名又は名称】エーペックス マイクロエレクトロニクス カンパニー リミティド
【氏名又は名称原語表記】APEX MICROELECTRONICS CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100120019
【弁理士】
【氏名又は名称】八木 敏安
(72)【発明者】
【氏名】ヂャン リンリン
(72)【発明者】
【氏名】ホン リァン
【テーマコード(参考)】
5J104
【Fターム(参考)】
5J104AA01
5J104JA02
(57)【要約】
本発明に係るインクカートリッジチップは、インクカートリッジが取り付けられた画像形成装置と通信を行い、第1フォーマットのインク量情報を受信又は送信するための通信インターフェースユニットと、受信した前記第1フォーマットのインク量情報を第2フォーマットのインク量情報に変換するためのデータ変換ユニットと、前記第2フォーマットのインク量情報を保存するための記憶ユニットとを備えている。前記第2フォーマット内に含まれるビット数は、前記第1フォーマット内に含まれるビット数より多い。前記画像形成装置が前記インクカートリッジチップのインク量情報を読み取る必要がある場合、前記データ変換ユニットは、前記記憶ユニットに記憶された前記第2フォーマットのインク量情報を前記第1フォーマットのインク量情報に還元するためにも用いられる。記憶ユニットに記憶されたインク量情報が画像形成装置から受信した情報のビット数より多いため、ほかの違法機器が当該記憶ユニットに対して読取りする際に、実際のインク量情報を正確に得ることができない。これにより、インクカートリッジチップデータの安全性が効果的に確保される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクカートリッジが取り付けられた画像形成装置と通信を行い、第1フォーマットのインク量情報を受信又は送信するための通信インターフェースユニットと、
受信した前記第1フォーマットのインク量情報を第2フォーマットのインク量情報に変換するためのデータ変換ユニットと、
前記第2フォーマットのインク量情報を保存するための記憶ユニットとを備え、
前記第2フォーマット内に含まれるビット数は、前記第1フォーマット内に含まれるビット数より多く、
前記画像形成装置が前記インクカートリッジチップのインク量情報を読み取る必要がある場合、前記データ変換ユニットは、前記記憶ユニットに記憶された前記第2フォーマットのインク量情報を前記第1フォーマットのインク量情報に還元するためにも用いられることを特徴とするインクカートリッジチップ。
【請求項2】
前記データ変換ユニットが前記記憶ユニットに記憶された前記第2フォーマットのインク量情報から還元した前記第1フォーマットのインク量情報は、前記画像形成装置から最後に受信したインク量情報及び前記画像形成装置から以前に受信したインク量情報の少なくともいずれか一方であることを特徴とする請求項1に記載のインクカートリッジチップ。
【請求項3】
前記データ変換ユニットは、
前記第1フォーマットのインク量情報がインク総量に占めるパーセンテージを計算する方式、
前記第2フォーマット内に含まれるビット数を予め確定する方式、及び
当該パーセンテージ及び予め確定したビット数に基づいて、対応関係に従って前記第2フォーマットのインク量情報を得る方式
を採用して、前記第2フォーマットのインク量情報を得ることを特徴とする請求項2に記載のインクカートリッジチップ。
【請求項4】
前記データ変換ユニットは、
一定のビットを含む冗長データを生成する方式、及び、
前記冗長データと前記第1フォーマットのインク量情報とを混合させる操作を行って前記第2フォーマットのインク量情報を得る方式
を採用して、前記第2フォーマットのインク量情報を得ることを特徴とする請求項2に記載のインクカートリッジチップ。
【請求項5】
前記冗長データと前記第1フォーマットのインク量情報とを混合させる操作は、
a)前記冗長データを高ビットデータ又は低ビットデータとして前記第1フォーマットのインク量情報と組み合わせて前記第2フォーマットのインク量情報を形成させる操作、
b)前記冗長データ及び前記第1フォーマットのインク量情報の少なくとも1つをビット数に従ってグループ分けし、その後、これらのグループに対して再び整列且つ重ね合せを行って前記第2フォーマットのインク量情報を形成させる操作、及び、
c)前記冗長データ内の少なくとも一部のビットと前記第1フォーマットのインク量情報内の少なくとも一部のビットとを論理演算して前記第2フォーマットのインク量情報を得る操作
のうちの1つの操作又は複数の操作の組合せを含むことを特徴とする請求項4に記載のインクカートリッジチップ。
【請求項6】
前記冗長データは、
予め設定されたデータ、前記第1フォーマットのインク量情報の符号−仮数部、前記第
1フォーマットのインク量情報の1の補数、前記第1フォーマットのインク量情報の2の補数、擬似乱数、及び、前記記憶ユニットに記憶された前記第2フォーマットのインク量情報を還元して得られた少なくとも一部のデータ
のうちの1つ又は複数を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載のインクカートリッジチップ。
【請求項7】
前記少なくとも一部のデータは、以前に前記画像形成装置から受信したインク量情報を含むことを特徴とする請求項6に記載のインクカートリッジチップ。
【請求項8】
前記データ変換ユニットは、前記擬似乱数を生成するための擬似乱数発生器をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載のインクカートリッジチップ。
【請求項9】
前記データ変換ユニットは、論理暗号化モジュールをさらに含み、前記論理暗号化モジュールを介して受信した前記第1フォーマットのインク量情報を暗号化して前記第2フォーマットのインク量情報を生成することを特徴とする請求項1に記載のインクカートリッジチップ。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか1項に記載のインクカートリッジチップが取り付けられていることを特徴とするインクカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、2014年1月15日付けの中国出願(出願番号CN201410019068.4、発明の名称「インクカートリッジチップ及び当該チップが用いられるインクカートリッジ」)の優先権を主張するものであり、当該出願の内容のすべてが引用により本願に含まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、画像形成現像技術分野に関し、特にインクカートリッジチップ及び当該チップが用いられるインクカートリッジに関する。
【背景技術】
【0003】
画像形成技術の発展につれて、例えば複写機、プリンタ、ファクシミリ、ワードプロセッサ等の画像形成装置が幅広く応用されている。画像形成装置は、ユーザが交換しやすく、インクを収容するためのインクカートリッジ及び媒体に対して画像形成操作を行うためのプリントヘッドを備えている。インクカートリッジ内には、所定量のインクが貯蓄されている。この貯蓄されたインクを使い切ると、新しいインクカートリッジに迅速に交換しなければならない。インクカートリッジ内のインクを使い果たした後に画像形成装置が印刷し続けることによってプリントヘッドが損傷することを回避するため、画像形成装置は、インクカートリッジ内のインク量情報(残りのインク量情報又はインクの消費量情報)を計算し、インクがなくなる直前にユーザにインクカートリッジを交換するように促す。
【0004】
このようなインク量情報は、通常画像形成装置のメモリに保存されている。従って、インクカートリッジが1つの画像形成装置に一定期間使用された後、取り外されて別の1つの画像形成装置に取り付けられる場合、画像形成装置に記録されたインク量情報が失われたりエラーが生じたりする恐れがある。上記の状況を回避するために、ますます多くのインクカートリッジに、インク量情報が記憶されたチップが配置されている。画像形成装置は、チップからインク量情報を読取り、チップに記憶されたインク量情報が正確であるか否かを確認する。
【0005】
インク量情報は、画像形成装置のインク量の確認だけに用いられるが、ユーザの印刷記録を記載する重要なデータとしてチップに記憶される。チップ内のインク量情報が一旦他人に読み出されると、個人データの漏洩をもたらし、使用者に被害を与える可能性がある。また、従来のチップにおいては、インク量情報がチップの固定されたエリアに直接に記憶されていることが一般的であり、この場合、改ざんされやすく、画像形成装置のインク量情報に対する誤読をもたらし、これによって、機器及び情報の安全性が脅される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】中国特許出願公告第201410019068.4号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、インク量データ情報の安全性を確保するチップが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、従来技術の欠陥に対処することができるインクカートリッジチップを提供す
る。本発明に係るインクカートリッジチップは、インクカートリッジが取り付けられた画像形成装置と通信を行い、第1フォーマットのインク量情報を受信又は送信するための通信インターフェースユニットと、受信した前記第1フォーマットのインク量情報を第2フォーマットのインク量情報に変換するためのデータ変換ユニットと、前記第2フォーマットのインク量情報を保存するための記憶ユニットとを備えている。ここで、前記第2フォーマット内に含まれるビット数は、前記第1フォーマット内に含まれるビット数より多い。また、前記画像形成装置が前記インクカートリッジチップのインク量情報を読み取る必要がある場合、前記データ変換ユニットは、前記記憶ユニットに記憶された前記第2フォーマットのインク量情報を前記第1フォーマットのインク量情報に還元するためにも用いられる。
【0009】
記憶ユニットに記憶されたインク量情報が画像形成装置から受信した情報のビット数より多いため、ほかの機器が当該記憶ユニットに対して読取りする際に、実際のインク量情報を正確に得ることができない。これにより、インクカートリッジチップデータの安全性が効果的に確保される。
【0010】
本発明の1つの実施形態によれば、前記通信インターフェースユニットは、接点群を含み、これらの接点は、前記インクカートリッジチップと前記画像形成装置との間の有線通信を提供するために用いられる。又は、前記通信インターフェースユニットは、前記インクカートリッジチップと前記画像形成装置との間の無線通信を提供するためのアンテナ及び整合回路を含んでもよい。
【0011】
本発明のもう1つの実施形態によれば、前記記憶ユニットは、不揮発性記憶装置又は主に揮発性記憶装置と蓄電装置とで構成された不揮発性を有する記憶回路を含む。前記データ変換ユニットが前記記憶ユニットに記憶された前記第2フォーマットのインク量情報から還元した前記第1フォーマットのインク量情報は、前記画像形成装置から最後に受信したインク量情報及び/又は画像形成装置から以前に受信したインク量情報である。
【0012】
本発明の1つの実施形態によれば、前記データ変換ユニットは、以下の方式を採用して前記第2フォーマットのインク量情報を得る。
前記第1フォーマットのインク量情報がインク総量に占めるパーセンテージを計算する方式、
前記第2フォーマット内に含まれるビット数を予め確定する方式、及び
当該パーセンテージ及び予め確定したビット数に基づいて、対応関係に従って前記第2フォーマットのインク量情報を得る方式
【0013】
本発明の1つの実施形態によれば、前記データ変換ユニットは、以下の方式を採用して前記第2フォーマットのインク量情報を得る。
一定のビットを含む冗長データを生成する方式、及び、
前記冗長データと前記第1フォーマットのインク量情報とを混合させる操作を行って前記第2フォーマットのインク量情報を得る方式
【0014】
本発明の1つの実施形態によれば、前記冗長データと前記第1フォーマットのインク量情報とを混合させる操作は、以下の操作の1つ又は複数の組合せを含む。
a)前記冗長データを高ビットデータ又は低ビットデータとして前記第1フォーマットのインク量情報と組み合わせて前記第2フォーマットのインク量情報を形成させる操作
b)前記冗長データ及び前記第1フォーマットのインク量情報の少なくとも1つをビット数に従ってグループ分けし、その後、これらのグループに対して再び整列且つ重ね合せを行って前記第2フォーマットのインク量情報を形成させる操作
c)前記冗長データ内の少なくとも一部のビットと前記第1フォーマットのインク量情
報内の少なくとも一部のビットとを論理演算して前記第2フォーマットのインク量情報を得る操作
【0015】
本発明の1つの実施形態によれば、前記冗長データは、予め設定されたデータ、前記第1フォーマットのインク量情報の符号−仮数部、前記第1フォーマットのインク量情報の1の補数、前記第1フォーマットのインク量情報の2の補数、擬似乱数、及び、前記記憶ユニットに記憶された前記第2フォーマットのインク量情報を還元して得られた少なくとも一部のデータ、のうちの1つ又は複数を含む。ここで、前記少なくとも一部のデータは、以前に前記画像形成装置から受信したインク量情報を含む。
【0016】
本発明の1つの実施形態によれば、前記データ変換ユニットは、前記擬似乱数を生成するための擬似乱数発生器をさらに含む。
【0017】
本発明の1つの実施形態によれば、前記冗長データは、以前に前記画像形成装置から受信したインク量情報である。
【0018】
本発明の1つの実施形態によれば、前記データ変換ユニットは、論理暗号化モジュールをさらに含み、前記論理暗号化モジュールを介して受信した前記第1フォーマットのインク量情報を暗号化して前記第2フォーマットのインク量情報を生成する。
【0019】
本発明は、もう1つの形態として、上述したインクカートリッジチップが取り付けられたインクカートリッジをさらに提供する。
【発明の効果】
【0020】
本発明を採用することによって、インクカートリッジチップに記憶されたデータ(特にインク量情報)の安全が効果的に確保され、複数種類の方式の組合せによって形成されたビット拡張インク量情報の、ほかの違法機器による不正の読取り又は書込み操作を防止することに有益である。チップにおけるデータ変換ユニットは、逆のビット拡張操作を採用して記憶されたビット拡張インク量情報を還元してもよい。このため、通常の状況において、画像形成装置が実際のインク量情報に対する読取りには影響しない。
【0021】
本発明のほかの特徴及び利点は、以下の説明又は本明細書から部分的に明らかになり、或いは、本発明を実施することによって理解されよう。本発明の目的及びほかの利点は、明細書、特許請求の範囲及び図面に特別に示した構成によって実現且つ獲得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図面は、目的を説明するためだけに用いられ、本発明を限定するものではない。
【0023】
図1】本発明の1つの実施形態に係るインクカートリッジチップの内部構成図である。
図2】本発明のもう1つの実施形態に係るインクカートリッジチップの内部構成図である。
図3】本発明の1つの例としてインク量情報を拡張する概略図である。
図4】本発明のもう1つの例としてインク量情報を拡張する概略図である。
図5】本発明に係るインク量情報及びプリセットデータに対して論理演算を行って、ビット拡張フォーマット情報を形成させる概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を併せて本発明の実施方式について詳細に説明する。以下の説明によって、
本発明に係る技術的解決手段がどのように用いられて技術的問題を解決するか、また、技術的効果を実現する過程に対して十分に理解し、且つこれに基づいて実施することができる。矛盾のない限り、本発明における各実施形態及び各実施形態の各特徴を相互に組み合わせることが可能であり、これにより形成される技術的解決手段のすべては本発明の保護範囲内である。
【0025】
画像形成の操作過程において、画像形成装置とインクカートリッジチップとは、情報交換を行う。当該操作は、画像形成装置がインクカートリッジチップに書込みコマンドを送信し、印刷の過程で生成したインク量情報をインクカートリッジチップに伝送するステップ、及び画像形成装置がインクカートリッジチップに読取りコマンドを送信し、インクカートリッジチップにインク量情報を画像形成装置に返送するように要求するステップを含む。画像形成装置がインクカートリッジチップからのインク量情報を受信できない場合、又は、受信したインク量情報が画像形成装置の要求に満たしていない場合は、画像形成装置は、エラー報告し又は印刷操作を拒否する。例えば、インクカートリッジチップが画像形成装置に送信したインク量情報にインクカートリッジ内のインク量が不足と表示されている場合は、画像形成装置は、印刷操作を拒否する。
【0026】
画像形成装置とチップとの間のこのような情報交換を満たすために、従来技術では、インク量情報をマルチビット二進数の形式で画像形成装置のメモリ及びインクカートリッジチップの記憶ユニットのそれぞれに直接記憶させるのが一般である。例えば、8ビットデータを用いて、インクカートリッジ内のインク残量がインクカートリッジの標準容量の0〜100%の割合を占めることを表示する。インク残量がインク満タンであるとき、インク量情報は“1111 1111”であり、インク残量が50%であるとき、インク量情報は“01111111”であり、インク残量が0であるとき、インク量情報は“00000000”である。即ち、インクカートリッジの標準容量は28分に分けられ、インク残量が1/256減少するたび、1組の固定する8ビットデータがそれに対応し、画像形成装置のメモリ及びインクカートリッジチップの記憶ユニット内の固定位置に記憶されている。
【0027】
上記のインク量情報は、印刷操作を記録する重要な記録データであり、ユーザは、通常それをプライバシーとして保護可能にすることを望んでいる。一方、チップは、インクカートリッジの一回のライフサイクル後に放棄される電子機器として、コスト及び使用サイクルへの考慮に基づいて、チップ内のデータを保護するための複雑な解読防止技術を採用しないのが一般的である。チップは一旦解読されると、インクカートリッジの使用状況に関するデータが漏洩する。また、インク量情報は二進数の形式でそれぞれチップに直接に記憶されているため、改ざんされやすい。例えば、チップに記憶されたインク量情報がインクカートリッジ内のインクがまもなくなくなると表示する場合は、通常チップの寿命も終わりに近づいる。しかし、違法者は、チップに記録されたインク量情報をインク量満タンというふうに改ざんすることによって、チップに対して改修をすることができ、消費者はこれを知ることができない。
【0028】
従って、本発明は、新しい技術的解決手段を提供する。即ち、画像形成装置からのインク量情報を受信した際に、インクカートリッジチップは、データ変換ユニットを介してインク量情報をビットが受信したインク量情報のビットより多いデータ(説明しやすいために、以下は、ビット拡張データと略称する。)に変換し、チップに備えられた不揮発性メモリに書込む。画像形成装置がインク量情報を読み取る際に、インクカートリッジチップは、記憶されたビット拡張データを画像形成装置が識別可能な別のビットのインク量情報に変換して画像形成装置に送信する。このようなインクカートリッジチップは、画像形成装置がインク量情報を識別する需要を満たすことができると共に、記憶されたビット拡張データが画像形成装置に書込みまれたインク量情報と異なるため、ユーザ情報の漏洩を回
避することができる。
【0029】
また、インクカートリッジチップに記憶されたビット拡張データは、画像形成装置に書込まれたインク量情報のビットより多い。つまり、実際のインク量情報データは、分散又は暗号化処理を経る。そのため、チップの設計者又はメーカー以外のほかのユーザがチップ内のデータを解読してインク量情報を獲得することができず、インク量情報の改ざんが効果的に防止される。
【0030】
本発明は、図1に示されるチップ10を提供する。チップ10は、通信インターフェースユニット11、データ変換ユニット13(データ変換モジュール13とも称する。)及び記憶ユニット12を備えている。
【0031】
通信インターフェースユニット11は、インクカートリッジが取り付けられた画像形成装置と通信を行うために用いられ、画像形成装置と通信するために、第1フォーマットのインク量情報を受信又は送信する。具体的には、通信インターフェースユニット11は、チップにおける、画像形成装置と接触通信を行うための接点群であってもよく、画像形成装置と無線通信を行うためのアンテナ及び整合回路であってもよい。
【0032】
記憶ユニット12は、インク量情報を記憶するために用いられる。具体的には、記憶ユニット12は、不揮発性メモリであってもよく、揮発性メモリと蓄電装置とで構成された不揮発性を有する回路であってもよい。
【0033】
データ変換ユニット13は、インターフェースユニット11及び記憶ユニット12と電気接続され、画像形成装置から受信したインク量情報に対してデータ変換を行い、受信した第1フォーマットのインク量情報を第2フォーマットのインク量情報に変換するために用いられる。ここで、第2フォーマットに含まれるビット数は、第1フォーマットに含まれるビット数より多く、つまり、上述したビット拡張データ(以下では、”ビット拡張データ”と”第2フォーマットのインク量情報”との意味は同じであり、相互に交換して使用することができる。)である。又は、データ変換ユニット13は、記憶ユニット12から読み取った第2フォーマットのインク量情報に対して、第1フォーマットのインク量情報を形成するように還元処理を行う。データ変換ユニット13が記憶ユニット12に記憶された第2フォーマットのインク量情報から還元した第1フォーマットのインク量情報は、チップ10が画像形成装置から最後に受信したインク量情報であってもよく、チップ10が画像形成装置から以前に受信したインク量情報であってもよい。ここで、”以前”は、”前回”の意味を含む。本発明の実施形態に採用されているのは、前回のインク量情報である。しかし、”以前”は、”2回前”、”3回前”をさらに含み、今回の操作より前の読取り又は受信操作であることは明白な事項である。本発明は、これに対していかなる限定をしない。
【0034】
具体的には、画像形成装置がチップにインク量情報を書込む際に、データ変換ユニット13は、通信インターフェースユニット11を介して画像形成装置からのインク量情報を受信し、インク量情報拡張処理を行い、ビット拡張されたビット拡張データ(即ち、第2フォーマットのインク量情報)を記憶ユニット12に記憶させる。画像形成装置がチップ内のインク量情報を読み取る際に、データ変換ユニット13は、記憶ユニット12に記憶された第2フォーマットのインク量情報を読み取り、情報還元処理を行い、還元された第1フォーマットのインク量情報を通信インターフェースユニット11を介して画像形成装置に送信する。
【0035】
インク量情報拡張処理とは、具体的には、データ変換ユニット13が、画像形成装置から受信したインク量情報を、ビット数が受信したインク量情報のビット数より多い第2フ
ォーマットのインク量情報に変換することを指す。情報還元処理とは、具体的には、データ変換ユニット13が、記憶ユニット12に記憶された第2フォーマットのインク量情報を、画像形成装置が識別可能なビットのインク量情報に変換することを指す。インク量情報に対してビット拡張処理を行うことによって、インク量情報の漏洩及び改ざんを効果的に防止し、ユーザのプライバシー及びデータの安全を確保することができる。
【0036】
データ変換ユニット13がデータを変換する具体的な方式は、データ分散、冗長データの挿入、プリセット演算の実行、及び、ほかの論理的暗号化、の中から選択される一種類又は複数種類であってよい。当該冗長データは、予め設定されたデータであってもよく、擬似乱数発生器が生成した擬似乱数であってもよい。図2に示すように、チップ10は、擬似乱数発生器31をさらに備えている。
【0037】
以下、データ変換ユニット13がデータを処理する方式について、詳細に説明する。本発明に係るインク量情報とは、インク残量情報、インク消費量情報等の、インクカートリッジ内のインク量状況と関連したデータを指す。
【0038】
1つ目のデータ変換方式:
データ変換ユニット13は、イコールパーセンテージの換算方式によって、インク量情報とビット拡張データとの間のデータ交換を実現する。
【0039】
このような方式において、通常、以下のステップを実行する。
前記第1フォーマットのインク量情報がインク総量に占めるパーセンテージを計算する方式
前記第2フォーマット内に含まれるビット数を予め確定する方式、及び
当該パーセンテージ及び予め確定したビット数に基づいて、対応関係に従って前記第2フォーマットのインク量情報を得る方式
【0040】
1つの例において、画像形成装置がチップに書込んだ第1フォーマットのインク量情報は16ビットのインク残量であり、ビット拡張データは32ビットのデータである。画像形成装置がチップにインク残量を書込む際に、データ変換ユニット13は、通信インターフェースユニット11を介して画像形成装置からの第1フォーマットのインク量情報を受信し、インク残量ビット拡張処理を行う。当該処理において、データ変換ユニット13は、「100×インク残量(16ビット)/インクカートリッジの総容量(16ビット)」という公式により、インク残量をパーセンタイル値に変換し、32ビットで表示する。その後、データ変換ユニット13は、換算後の32ビットの拡張データを第2フォーマットのインク量情報として記憶ユニット12に書込む。画像形成装置がチップ内のインク量情報を読み取る際に、データ変換ユニット13は、記憶ユニット12に記憶された32ビットの第2フォーマットのインク量情報を読み取り、情報還元処理を行う。当該処理において、データ変換ユニット13は、「100×ビット拡張データ(32ビット)/インクカートリッジの総容量に対応するビット拡張データ(32ビット)」という公式により、第2フォーマットのインク量情報をパーセンタイル値に変換し、16ビットの二進数で表示する。その後、データ変換ユニット13は、還元された16ビットのインク残量(即ち、第1フォーマットのインク量情報)をインターフェースユニット11を介して画像形成装置に送信する。
【0041】
インクカートリッジの総容量が固定であるため、インクカートリッジの総容量を表示する16ビットデータ及びインクカートリッジの総容量に対応する32ビットの拡張データは、両方とも固定である。上記の公式変換によって、データ変換ユニットは、第1フォーマットのインク量情報と第2フォーマットのインク量情報との間の相互変換を容易に実現することができる。
【0042】
上記の第1フォーマットのインク量情報と第2フォーマットのインク量情報とのビット数は、本発明の理解を容易にするために挙例したものであり、実際の応用においてインク量情報及びビット拡張データの具体的なビット数が上記の例限定されないことは当業者に自明な事項である。本実施形態において、ビット拡張データのチップに記憶された実際のビット数及び換算方式は、チップの設計者又はメーカーだけが知ることができる。これによって、インク量情報の漏洩及び改ざんを効果的に防止し、ユーザのプライバシー及びデータの安全を確保することができる。
【0043】
2つ目のデータ変換方式:
データ変換ユニット13は、インク量情報と固定値を有する冗長データとの混合方式を介して元のフォーマットのインク量情報とビット拡張フォーマットのインク量情報とのデータ変換を実現する。ここで、元のフォーマットが第1フォーマットであり、ビット拡張フォーマットが第2フォーマットである。
【0044】
データ変換ユニット13は、以下の方式で混合させて第2フォーマットのインク量情報を得る。
一定のビットを含む冗長データを生成する方式、
及び、当該冗長データと第1フォーマットのインク量情報とを混合させる操作を行って第2フォーマットのインク量情報を得る方式である。
【0045】
具体的には、当該冗長データと第1フォーマットのインク量情報とを混合させる操作は、以下の操作の1つ又は複数の組合せを含む。
a)冗長データを高ビットデータ又は低ビットデータとして第1フォーマットのインク量情報をと組み合わせて第2フォーマットのインク量情報を形成させる操作
b)冗長データ及び前記第1フォーマットのインク量情報の少なくとも1つをビット数に従ってグループ分けを行い、その後、これらのグループに対して再び整列且つ重ね合せを行って第2フォーマットのインク量情報を形成させる操作
c)前記冗長データ内の少なくとも一部のビットと前記第1フォーマットのインク量情報内の少なくとも一部のビットとを論理演算して前記第2フォーマットのインク量情報を得る操作
【0046】
もう1つの具体的な例において、混合方式は、元のフォーマットのインク量情報と冗長データとの簡単な重ね合せであってよい。
【0047】
図3では、元のフォーマットのインク量情報が16ビットであり、ビット拡張フォーマットのインク量情報が32ビットであることを例とする。画像形成装置がチップに元のフォーマットのインク量情報700を書込む際に、データ変換ユニット13は、ビット拡張処理を行い、元のフォーマットのインク量情報700を高い16ビットとし、例えばプリセットデータ800のようなチップに記憶された冗長データを低い16ビットとし、32ビットの拡張データ100を構成して記憶ユニット12に書込む。画像形成装置がチップ内のインク量情報を読み取る際に、データ変換ユニット13は、記憶ユニット12内に記憶された32ビットの拡張データ100を読み取り、情報還元処理を行い、データ変換ユニット13は、ビット拡張データの高い16ビットを抽出して還元後の16ビットのインク量情報として画像形成装置に送信する。
【0048】
もちろん、32ビットの拡張データは、低い16ビットとするインク量情報700及び高い16ビットとするプリセットデータ800から構成されてもよい。
【0049】
上記のインク量情報とビット拡張データとのビット数及び重ね合せ順序は、本発明の理
解を容易にするための例に過ぎず、上記の例に限定されないことは当業者に自明な事項である。
【0050】
インク量情報の安全性を強化するため、混合方式は、インク量情報と冗長データとの混合重ね合せであってもよい。つまり、データ変換ユニット13は、インク量情報のビット拡張処理を実行する際に、インク量情報と冗長データとの少なくとも1つを少なくとも2つのグループに分け、グループ分けされた後のデータをソートした後に重ね合わせる。
【0051】
図4では、同じくインク量情報が16ビットであり、ビット拡張データが32ビットであることを例とする。
【0052】
画像形成装置がチップに元のフォーマットのインク量情報710を書込む際に、データ変換ユニット13は、インク量情報拡張処理を行い、インク量情報710を予め設定したビット数によって711〜713の3グループに分け、チップ内に記憶されたプリセットデータ810を予め設定したビット数に従って811〜814の4グループに分け、その後、上記の7グループのデータを予め設定した規則に従ってソートしながら重ね合わせて、32ビットの拡張データ110を構成して記憶ユニット12に書込む。
【0053】
画像形成装置がチップ内のインク量情報を読み取る際に、データ変換ユニット13は、記憶ユニット12内に記憶された32ビットの拡張データ110を読み取り、情報還元処理を行い、32ビットの拡張データ110に対して逆方向の分解を行い、16ビットのインク量情報710に還元して画像形成装置に送信する。
【0054】
上記のインク量情報とビット拡張データとのビット数、グループ数及び重ね合せ順序は、本発明の理解を容易にするための例に過ぎず、上記の例に限定されないことは当業者に自明な事項である。
【0055】
インク量情報の安全性を強化するため、混合方式は、インク量情報と冗長データとの演算子の重ね合せであってもよい。つまり、データ変換ユニット13は、インク量情報のビット拡張処理を実行する際に、インク量情報の少なくとも一部のデータと冗長データの少なくとも一部のデータが“論理積”、”論理和”及び”排他的論理和”等論理演算の一種類又は複数種類を実行する。
【0056】
図5では、同じくインク量情報が16ビットであり、ビット拡張データが32ビットであることを例とする。
【0057】
画像形成装置がチップに元のフォーマットのインク量情報720を書込む際に、データ変換ユニット13は、インク量情報拡張処理を行い、インク量情報720及びプリセットデータ820のようなチップ内に記憶された冗長データの高い16ビットデータ821が論理積を実行し、インク量情報720及びチップ内に記憶されたプリセットデータ820の低い16ビットデータ822が排他的論理和を実行し、その後、演算結果を重ね合わせて32ビットの拡張データ120を構成して、記憶ユニット12に書込む。
【0058】
画像形成装置がチップ内のインク量情報を読み取る際に、データ変換ユニット13は、記憶ユニット12内に記憶された32ビットの拡張データ110を読み取り、情報還元処理を行い、32ビットの拡張データ120に対して逆方向の演算を行い、16ビットのインク量情報720に還元して画像形成装置に送信する。上記のインク量情報とビット拡張データとのビット数、採用された具体的な論理演算及び演算に関与する配列は、本発明の理解を容易にするための例に過ぎず、上記の例に限定されないことは当業者に自明な事項である。
【0059】
インク量情報の安全性を強化するため、混合方式は、上記の簡単な重ね合せ又は混合重ね合せであってもよく、演算子の重ね合せの1つ又は複数が組み合わさった重ね合せ方式でインク量情報とビット拡張データとのデータ変換を実現する。例えば、インク量情報がグループ分けされた後、冗長データと論理演算とを実行し、その後、演算後のデータ及び冗長データが再配列される。本実施形態において、冗長データの値、冗長データ及びインク量情報の混合方式は、チップの設計者又はメーカーだけが知ることができる。これによって、インク量情報の漏洩及び改ざんを効果的に防止し、ユーザのプライバシー及びデータの安全を確保することができる。
【0060】
上述したように、冗長データは、以下の項目の1つ又は複数を含んでよい。予め設定したデータ、第1フォーマットのインク量情報の符号−仮数部、1の補数又は2の補数、擬似乱数、及び、記憶ユニットに記憶された第2フォーマットのインク量情報を還元して得られた少なくとも一部のデータである。
【0061】
冗長データが第1フォーマットのインク量情報の符号−仮数部である場合、画像形成装置がチップに第1フォーマットのインク量情報を書込む際に、データ変換ユニット13は、ビット拡張処理を行い、第1フォーマットのインク量情報とその符号−仮数部とを混合させて第2フォーマットのインク量情報を得る。記憶ユニット12に書込む。画像形成装置がチップ内のインク量情報を読み取る際に、データ変換ユニット13は、記憶ユニット12に記憶された第2フォーマットのインク量情報を読み取り、情報還元処理を行い、第1フォーマットのインク量情報に還元して画像形成装置に送信する。冗長データが第1フォーマットのインク量情報の1の補数又は2の補数である場合、データ変換ユニット13は、ビット拡張処理を行う際に、第1フォーマットのインク量情報の1の補数又は2の補数だけを計算し、その後、第1フォーマットのインク量情報とその1の補数又は2の補数とを混合させて第2フォーマットのインク量情報を得ればよく、ここで説明を省略する。具体的な混合方式は、上記のa)、b)及びc)の混合方式の中から選択される一種類又は複数種類の組合せであってよい。
【0062】
冗長データは、記憶ユニットに記憶された第2フォーマットのインク量情報が還元されて得られた少なくとも一部のデータである場合に対して、データ変換ユニット13は、今回画像形成装置から受信したインク量情報と前回画像形成装置から受信したインク量情報とを混合させる方式によって、インク量情報とビット拡張データとの間のデータ変換を実現する。
【0063】
チップ10の記憶ユニット12に記憶されたビット拡張データは、画像形成装置が最後に書込んだインク量情報(現在のインク量情報と略称)及び最後の書込み操作に対して画像形成装置が1回前に書込んだインク量情報(前回のインク量情報と略称)にそれぞれ還元することができる。使用されていない新しいチップにおいて記憶ユニット12に記憶されたビット拡張データは、インク量満タンと表現する現在のインク量情報及びインク量満タンと表現する前回のインク量情報にそれぞれ還元することができる。
【0064】
画像形成装置がチップにインク量情報A2を書込む際に、データ変換ユニット13は、インク量情報拡張処理を行う。つまり、記憶ユニット12内のビット拡張データB1を読み取り、現在のインク量情報A1に還元し、その後、今回画像形成装置から受信したインク量情報A2と現在のインク量情報A1とを混合させ、ビット数がインク量情報A2のビット数より多いビット拡張データB2を構成し、ビット拡張データB2を用いて記憶ユニット12に記憶された元のビット拡張データB1を更新する。これによって、インク量情報A2は、新しい現在のインク量情報となり、インク量情報A1は、新しい前回のインク量情報として、更新された後のビット拡張データB2によって還元される。画像形成装置
がチップにインク量情報を再び書込む際に、データ変換ユニット13は、還元された新しい現在のインク量情報B2と受信したインク量情報とを混合させる。このように類推する。具体的な混合方式は、上記のa)、b)及びc)の混合方式の中から選択される一種類又は複数種類の組合せであってよい。
【0065】
本実施形態に係るチップは、画像形成装置に現在のインク量情報及び前回のインク量情報を提供することができ、画像形成装置を補助してインク量情報を確認することができ、さらに、現在のインク量情報の書込み又は伝送が失敗する際に、前回のインク量情報を提供することで、インク量情報の紛失によってもたらされる損失を減少することができる。画像形成装置がチップ内の現在のインク量情報を読み取る際に、データ変換ユニット13は、記憶ユニット12に記憶されたビット拡張データを読み取り、情報還元処理を行い、現在のインク量情報に還元して画像形成装置に送信する。画像形成装置がチップ内の前回インク量情報を読み取る際に、データ変換ユニット13は、記憶ユニット12に記憶されたビット拡張データを読み取り、情報還元処理を行い、前回のインク量情報に還元して画像形成装置に送信する。
【0066】
本実施形態において、2つのインク量情報の混合方式は、チップの設計者又はメーカーだけが知ることができる。これによって、インク量情報の漏洩及び改ざんを効果的に防止し、ユーザのプライバシー及びデータの安全を確保することができる。
【0067】
上記に例示及び説明した処理方式以外の方式でインク量情報とビット拡張データとの変換を実現してもよい。例えば、セキュアハッシュアルゴリズム(SHA−1)等の従来の暗号化手段を利用して、インク量情報をビット数がインク量情報のビット数より多いビット拡張データに変換させてもよい。また、上記の処理方式は、互いに組み合わさって使用されてもよい。
【0068】
例えば、画像形成装置がチップにインク量情報を書込む際に、データ変換ユニット13は、インク量情報拡張処理を行う。つまり、データ変換ユニット13は、記憶ユニット12内のビット拡張データを読み取り、現在のインク量情報に還元する。擬似乱数発生器31は、少なくとも1グループの擬似乱数を生成し、その後、今回画像形成装置から受信したインク量情報と現在のインク量情報とを少なくとも2グループにそれぞれ分けて、グループ分けされた後のデータの間又はグループ分けされた後のデータと擬似乱数との間に対して論理演算を実行し、生成されたデータ、擬似乱数をプリセット規則に従って、ビット数がインク量情報のビット数より多いビット拡張データにソートしながら構成させ、記憶ユニット12に書込ませる。画像形成装置がチップ内のインク量情報を読み取る際に、データ変換ユニット13は、記憶ユニット12に記憶されたビット拡張データを読み取り、情報還元処理を行い、ビット拡張処理の演算規則に従って、ビット拡張データに対して逆方向の演算を行い、つまり、現在のインク量情報及び前回のインク量情報に還元することができる。
【0069】
上述した内容は、本発明の理解を容易にするために用いられた実施形態であり、本発明を限定するものではない。当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱しない限り、実施の形式及び細部において、いかなる改変及び変更が可能であり、しかし、本発明の保護範囲は、特許請求の範囲に定義された範囲を基準とするべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】