特表2016-536361(P2016-536361A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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特表2016-536361CD33抗体及び脱メチル剤を含む医薬配合物
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  • 特表2016536361-CD33抗体及び脱メチル剤を含む医薬配合物 図000005
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-536361(P2016-536361A)
(43)【公表日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】CD33抗体及び脱メチル剤を含む医薬配合物
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20161028BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20161028BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20161028BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20161028BHJP
   A61K 31/7068 20060101ALI20161028BHJP
   A61K 31/706 20060101ALI20161028BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20161028BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20161028BHJP
【FI】
   A61K39/395 E
   A61K39/395 T
   A61K39/395 U
   A61K45/00
   A61P35/02
   A61P35/00
   A61K31/7068
   A61K31/706
   C07K16/46ZNA
   C07K16/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2016-551017(P2016-551017)
(86)(22)【出願日】2014年11月3日
(85)【翻訳文提出日】2016年5月2日
(86)【国際出願番号】EP2014073612
(87)【国際公開番号】WO2015067570
(87)【国際公開日】20150514
(31)【優先権主張番号】13191839.3
(32)【優先日】2013年11月6日
(33)【優先権主張国】EP
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】503385923
【氏名又は名称】ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】ハイデル カール−ハインツ
【テーマコード(参考)】
4C084
4C085
4C086
4H045
【Fターム(参考)】
4C084AA19
4C084NA05
4C084NA14
4C084ZB051
4C084ZB052
4C084ZB091
4C084ZB092
4C084ZB261
4C084ZB262
4C084ZB271
4C084ZB272
4C084ZC751
4C084ZC752
4C085AA13
4C085AA14
4C085BB17
4C085BB18
4C085BB41
4C085BB42
4C085BB43
4C085DD62
4C085GG01
4C086AA01
4C086AA02
4C086EA17
4C086MA02
4C086MA04
4C086NA05
4C086NA14
4C086ZB05
4C086ZB09
4C086ZB26
4C086ZB27
4C086ZC75
4H045AA11
4H045AA30
4H045BA10
4H045BA41
4H045BA72
4H045DA76
4H045EA24
4H045FA72
4H045FA74
(57)【要約】
本発明は、MDS及び癌(特にAML)のような疾患の治療で使用される、CD33抗体及び脱メチル剤の医薬配合物に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上のCD33抗体及び1つ以上の脱メチル剤を含む医薬配合物。
【請求項2】
前記CD33抗体が、配列番号:1−14から選択されるCDR1、配列番号:15−28から選択されるCDR2、配列番号:29−42から選択されるCDR3を有する免疫グロブリン重鎖、並びに配列番号:43−56から選択されるCDR4、配列番号:57−70から選択されるCDR5及び配列番号:71−84から選択されるCDR6を有する免疫グロブリン軽鎖を有する、請求項1に記載の医薬配合物。
【請求項3】
前記CD33抗体が、配列番号:85−98から選択される重鎖可変領域及び配列番号:99−112から選択される軽鎖可変領域を有する、請求項1及び2のいずれかに記載の医薬配合物。
【請求項4】
前記CD33抗体が、配列番号:113−126から選択される免疫グロブリン重鎖及び配列番号:127−140から選択される免疫グロブリン軽鎖を有する、請求項1から3のいずれかに記載の医薬配合物。
【請求項5】
前記CD33抗体が、配列番号:117の免疫グロブリン重鎖及び配列番号:131の免疫グロブリン軽鎖を有し、さらに場合によってFc領域に1つ以上の変異、例えば二重変異S239D/I332Eを含む、請求項1から4のいずれかに記載の医薬配合物。
【請求項6】
前記脱メチル剤が、5-アザシチジン(アザシチジン)及び5-アザデオキシシチジン(デシタビン)、SGI-110から選択される、請求項1から5のいずれかに記載の医薬配合物。
【請求項7】
配列番号:117の免疫グロブリン重鎖及び配列番号:131の免疫グロブリン軽鎖を有し、さらに場合によってFc領域に1つ以上の変異、例えば二重変異S239D/I332Eを含むCD33抗体、並びに5-アザシチジンを含む、請求項1から6のいずれかに記載の医薬配合物。
【請求項8】
配列番号:117の免疫グロブリン重鎖及び配列番号:131の免疫グロブリン軽鎖を有し、さらに場合によってFc領域に1つ以上の変異、例えば二重変異S239D/I332Eを含むCD33抗体、並びに5-アザデオキシシチジン(デシタビン)を含む、請求項1から7のいずれかに記載の医薬配合物。
【請求項9】
さらに1つ以上の抗新形成薬剤を含む、請求項1から8のいずれかに記載の医薬配合物。
【請求項10】
1つ以上の医薬的に許容できる希釈剤及び場合によってさらに別の医薬的に許容できる薬剤と混合された請求項1から9のいずれかに記載の医薬配合物を含む、医薬組成物。
【請求項11】
以下を含む、一体化調製キットの形態にある請求項10に記載の医薬組成物:
(i)請求項2に規定した抗体を含む第一の医薬組成物を含む第一の区画、及び
(ii)請求項3に規定した脱メチル剤を含む第二の医薬組成物を含む第二の区画、
(iii)1つ以上の追加される抗新形成薬剤を含む1つ以上の医薬組成物を含む第三の区画。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか1項に記載の医薬配合物又は請求項10に記載の医薬組成物の、癌治療用医薬を製造するための使用。
【請求項13】
医薬として使用される、請求項1から9のいずれかに記載の医薬配合物又は請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項14】
急性骨髄性白血病及び骨髄異形成症候群の治療で使用される、請求項1から9のいずれかに記載の医薬配合物又は請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項15】
前記癌が、非小細胞肺癌、腎細胞癌、卵巣癌、乳癌、結腸直腸癌、膵臓癌から選択される、請求項12に記載の使用、又は請求項14に記載の配合物、又は請求項10に記載の医薬組成物。
【請求項16】
脱メチル剤と併用して癌又はMDSの治療で使用されるCD33抗体。
【請求項17】
癌又はMDSの治療方法であって、前記方法が、その必要がある患者への治療的に有効な量のCD33抗体の投与を含み、かつ前記CD33抗体の投与前及び投与後72時間以内に同じ患者に治療的に有効な量の脱メチル剤の投与をさらにまた含む、前記方法。
【請求項18】
前記CD33抗体が、配列番号:117の免疫グロブリン重鎖及び配列番号:131の免疫グロブリン軽鎖を有し、さらに場合によってFc領域に1つ以上の変異、例えば二重変異S239D/I332Eを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記脱メチル剤が、5-アザシチジン(アザシチジン)及び5-アザデオキシシチジン(デシタビン)、SGI-110から選択される、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記脱メチル剤の投与が、前記CD33抗体の投与前又は投与後36時間、好ましくは24時間、好ましくは12時間、好ましくは6時間、好ましくは3時間、好ましくは2時間、好ましくは1時間、好ましくは30分以内に実施される、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記脱メチル剤の投与が前記CD33抗体の投与と同時に実施される、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
1つ以上の脱メチル剤が前記CD33抗体の投与前又は投与後72時間以内に同じ患者に投与される、癌又はMDSの治療で使用されるCD33抗体。
【請求項23】
前記CD33抗体が、配列番号:117の免疫グロブリン重鎖及び配列番号:131の免疫グロブリン軽鎖を有し、さらに場合によってFc領域に1つ以上の変異、例えば二重変異S239D/I332Eを含む、請求項22に記載の使用。
【請求項24】
前記脱メチル剤が、5-アザシチジン(アザシチジン)及び5-アザデオキシシチジン(デシタビン)、SGI-110から選択される、請求項22に記載の使用。
【請求項25】
前記脱メチル剤の投与が、前記CD33抗体の投与前又は投与後36時間、好ましくは24時間、好ましくは12時間、好ましくは6時間、好ましくは3時間、好ましくは2時間、好ましくは1時間、好ましくは30分以内に実施される、請求項22に記載の使用。
【請求項26】
前記脱メチル剤の投与が前記CD33抗体の投与と同時に実施される、請求項22に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、MDS及び癌(特にAML)のような疾患の治療に用いられるCD33抗体及び脱メイル剤の医薬配合物に関する。
【背景技術】
【0002】
1980年代初期に、CD33は骨髄性白血病のマーカーとして同定された(Andrews et al., Blood 62, 24-132, 1983)。CD33は、骨髄系細胞(骨髄性白血病細胞を含む)で特異的に発現される細胞表面抗原である。CD33はシグレック(siglec;シアル酸結合Ig関連レクチン(sialic acid-binding Ig-related lectin))ファミリーの最小メンバーである。CD33は初期多重系列造血始原細胞及び骨髄単球前駆細胞で発現される。CD33は多能性造血幹細胞には存在しない(Andrews et al., Journal of Experimental Medicine 169, 1721-1731, 1989)。CD33は、成熟顆粒球ではダウンレギュレートされるが、マクロファージ、単球及び樹状突起細胞では保持される(Andrews et al., Blood 62, 24-132, 1983)。骨髄単球性細胞の他に、CD33はまたヒト肥満細胞及び血中好塩基球で発現されることが判明した(Valent et al., Blood 15; 73(7):1778-85, 1989)。CD33に向かうモノクローナル抗体は白血病の診断で用いられるとともに、治療薬の標的誘導及び急性骨髄性白血病(AML)における自家移植のために骨髄のin vitro除去にも用いられる(Duzkale et al., Biol Blood Marrow Transplant. 9(6):364-72, 2003)。治療薬の標的誘導における初期の試みは、毒素リシンに結合させた抗CD33抗体を用いるイムノトキシンの開発に集中していた。CD33は抗体結合に際して迅速に内在化する(Audran et al., J Immunol Methods. 188(1):147-54, 1995)。
CD33は67KDのトランスメンブレン糖タンパク質である。CD33のシアル酸結合細胞外ドメインは細胞対細胞接着に必要とされる。細胞内免疫受容体チロシンベース阻害性モチーフ(ITIM)は細胞に阻害性シグナルを付与し、増殖及び細胞生存に影響を及ぼす。CD33の実際のシグナリング経路はあまり理解されてはいないが、ITIM及びITIM様モチーフ並びにチロシンホスファターゼの補充を必要とすると考えられている(von Gunten et al., Ann. N.Y. Acad. Sci. 1143: 61-82, 2008)。ネズミCD33オルトローグが同定されたが、ヒトCD33に対するその機能的類似性には疑問が持たれている(Brinkman-Van der Linden et al., Mol Cell Biol., 23(12): 4199-206, 2003)。正常及び悪性白血球に対するヒトCD33の機能的役割は依然として不明である。
【0003】
いくつかの刊行物は、被験患者の70−100%で発現される、原発性AML及びCMLの安定な細胞表面マーカーとしてCD33を記載している(Plesa et al., Cancer 112(3), 572-80, 2007;Hauswirt et al., Eur J Clin Invest. Jan 73-82, 2007;Scheinberg et al., Leukemia Vol. 3, 440-445, 1989)。CD33は、悪性骨髄系芽細胞(前記細胞は白血病患者の末梢血及び骨髄で悪性細胞の大半を占める)、及び白血病幹細胞(前記幹細胞は自己再生及び白血病クローンの階層組織維持の能力を特徴とする骨髄の比較的少数のより未分化の細胞である)で発現される。白血病幹細胞の枯渇は、腫瘍フリー生存の持続のために主要なメカニズムと考えられる。CD33標的誘導イムノトキシンのMylotarg(商標)(毒素カリケアミシンに結合したヒト化IgG4抗体)は、その毒性弾頭をCD33陽性AML細胞にデリバーすることによってAML患者の治療に用いられる(Amadori et al., Cancer Treat Rev. 34(1):49-60, 2008)。リンツズマブ(SGN-33, HuM195)(“裸の”CD33特異的ヒト化モノクローナル抗体)は、フェースI用量増加試験で有効性の初期臨床徴候を示したAML及びMDSの治療のためのフェースII臨床試験で査定され、看過しえる有害作用が報告された(Raza et al. Abstract #983, 14th EHA Congress, June 4-7, 2009)。
【0004】
CD33特異的HuM195によるAML細胞株へのin vitro標的誘導は、IL-8、MCP-1及びRANTESのような炎症性サイトカインのTNF-α誘発分泌を低下させる(Sutherland et al., Mabs 1:5, 481-490, 2009)。この作用のAML治療に対する関連性は不明であるが、腫瘍のミクロ環境におけるサイトカイン環境の調整は前記抗体の治療有効性に貢献し得る。加えて、前記抗体は、AML細胞株の抗体依存細胞媒介細胞傷害(ADCC)及び抗体依存細胞媒介食作用(ADCP)をin vitroで誘発する(Sutherland et al., Mabs 1:5, 481-490, 2009)。ADCCは、血液学的悪性疾患における抗体の抗腫瘍活性の決定的メカニズムであると考えられる。CD20特異的モノクローナル抗体のリツキシマブに関する臨床試験のデータは、抗体治療への応答に関してB細胞悪性疾患の治療におけるエフェクター細胞媒介メカニズムの重要性を示している(Weng and Levy, J Clin Oncol. 21 (21): 3940-7, 2003)。
結論すれば、CD33抗原は骨髄単球系列の正常細胞で発現され、さらにしばしば骨髄性白血病の腫瘍細胞で発現される。CD33に対する抗体(リンツズマブ)に関するフェースI試験では、有効性の最初の徴候は重篤な有害作用を示すことなく観察された。しかしながら、化学療法と併用されたフェースII試験の結果から期待された有効性の改善が見られなくなった後、リンツズマブの臨床開発は中断した。したがって、改善されたCD33標的誘導治療の治療様式の開発は明らかに必要である。
従来技術を鑑みれば、骨髄性細胞の悪性疾患、特に急性骨髄性白血病及びMDSに対する改善された治療方法を提供することが希求される。
【発明の概要】
【0005】
本発明は、癌(特に急性骨髄性白血病(AML))及び骨髄異形成症候群(MDS)のための、CD33抗体及び脱メチル剤を含む医薬配合物を提供する。
本出願で開示されるCD33抗体は、骨髄性白血病(特にAML)のCD33発現腫瘍細胞、又はMDS患者の骨髄の骨髄系由来サプレッサー細胞(MDSC)と結合し、循環からエフェクター細胞を補充する(前記エフェクター細胞は続いてCD33発現腫瘍細胞又はMDSCを破壊する)。さらにまた本明細書に関係するCD33抗体は、好ましくはFc部分における一定の変異とともに提供され、前記変異は抗体にADCC(抗体依存細胞性細胞傷害)活性増加を提供する。
【0006】
脱メチル剤、例えば5-アザシチジン(アザシチジン)及び5-アザデオキシシチジン(デシタビン)、SGI-110による骨髄性白血病(特にAML)及びMDSの治療は、癌及び骨髄異形成症候群のこの分野では確立した治療方法である。脱メチル剤(特にアザシチジン)はしかしながらヒトエフェクター細胞(例えばナチュラルキラー細胞)の活性を顕著な程度に低下させることが知られている(Gao et al., Molecular Immunology 46 (2009) 2064-2070)。したがってAML及びMDS患者の脱メチル剤による治療は、彼らの免疫系エフェクター細胞(特にNK細胞)の活性を損なうであろうということは先入観と考えられる。したがって、当業者は、脱メチル剤及びADCC媒介抗体による随伴療法は、脱メチル剤のNK細胞活性(前記活性は抗体のADCC活性のために必要である)に対する阻害作用のために抗体の単独療法よりも有効性が低かろうと予想しよう。
予想に反して、脱メチル剤及びADCC活性が強化されたある種のCD33抗体の併用療法はADCC活性の低下をもたらさないという証拠が見出された。この予想に反する結果は、癌疾患(例えばAML)及びMDSを高い有効性で治療する新規な治療アプローチを切り開く。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は表2に示したデータの図表であり、CD33抗体(CD33-1)のADCC活性に対する脱メチル剤の影響を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書で用いられる“医薬配合物”とは、2つ以上の異なる医薬的に活性な物質(すなわち本発明の関係では1つ以上のCD33抗体及び1つ以上の脱メチル剤)であり、これらが患者に一緒に適用されたときに当該患者で特異的な治療作用を生じることが意図されるものである。本明細書で“一緒に適用される”とは、連続的適用又は同時適用のどちらかを意味する。
ある実施態様では、CD33抗体は、脱メチル剤の投与前の6カ月から1週間の間の任意の時点で投与されるべきである。好ましい実施態様では、CD33抗体は、脱メチル剤の投与前の3カ月から1週間、6週間から1週間、1から1週間、3週間から1週間、及び2週間から1週間の間の任意の時点で投与されるべきである。ある実施態様では、CD33抗体は、脱メチル剤の投与前の1週間から0日の間の任意の時点で投与されるべきである。
当然ながら、脱メチル剤がCD33抗体の前に投与されることもまた本発明の範囲内である。したがって、上述の実施態様は必要な変更を加えてこのまた別の実施態様にも当てはまる。
CD33抗体の脱メチル剤との同時投与は、両医薬が同じ時に投与されることを意味する。これは、CD33抗体及び脱メチル剤を1つの用量、バイアル、バッグ、容器、注射筒などに存在させることによって達成できる。
CD33抗体及び脱メチル剤の連続投与は、脱メチル剤がCD33抗体の投与後まもなく投与されること(又はその逆)を意味する。まもなくには、1、2、3、4、5、10、20、30、45、60分、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22又は24時間が含まれる。
【0009】
本明細書の“患者”は哺乳動物、特に人間を指す。
本明細書で用いられる“CD33抗体”は、2つの免疫グロブリン重鎖及び2つの免疫グロブリン軽鎖を含むIgG1型抗体を指し、CD33との結合について免疫特異性を有する。抗体は例えば以下に概括的に記載されている:Harlow and Lane, Antibodies: A Laboratory Manual(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1988)。CD33抗体は、非複合化抗体(例えばリンツズマブ(SGN-33)、My9)でも、又は抗体-医薬複合物(例えばMylotag(商標)若しくはSGN-CD33A)でも、又は二特異性CD33 T細胞若しくはNK細胞嵌合物(例えばCD33-BiTE若しくはCD33-BiKE)でもよい。好ましくは、本明細書で用いられるCD33抗体はヒト化されるか、より好ましくは完全にヒトである。本明細書の好ましいCD33抗体はエフェクター機能とともに(すなわちFcドメインとともに)提供される。好ましい実施態様では、ADCCを少なくとも10%、好ましくは50%、より好ましくは100%増加させる変異を有するFcドメインが提供される。好ましくは、Fcドメインのそのような変異は、Kabat EU番号付けインデックスにしたがえば332及び/又は239及び/又は236位のアミノ酸から選択される1つ以上の位置に存在する。好ましくは、変異はS239D/I332Eである。
【0010】
“重鎖可変領域”又は“VH”は、CDR1、CDR2及びCDR3並びに周囲のフレームワーク領域を含む重鎖の部分を意味する。
“軽鎖可変領域”又は“VL”は、CDR4、CDR5及びCDR6並びに周囲のフレームワーク領域を含む軽鎖の部分を意味する。
“CDR”は、重鎖及び軽鎖の超可変領域を意味し、抗体又は抗体フラグメントの相補性/結合特異性を決定する。本出願におけるCDRの順序は単に数字だけのものである。
【0011】
本明細書の“エピトープ”は抗原の部分を意味し、抗体又は抗体フラグメントによって認識される。特に、この用語はCD33の部分を指し、抗体によって認識され得る部分である。
抗体は1つ以上の“エフェクター機能”を有することができ、前記機能は抗体のFc領域(天然のままのFc領域又はアミノ酸配列変種のFc領域)に起因し得るその生物学的活性を指す。抗体のエフェクター機能の例には、CIq結合、補体依存細胞傷害性(CDC)、Fc受容体結合、抗体依存細胞媒介細胞傷害性(ADCC)、食作用、細胞表面受容体(例えばB細胞受容体(BCR))のダウンレギュレーションなどが含まれる。
以下の表(表1)は本発明下の好ましい抗体及びそれらの構成要素を列挙する。
【0012】
表1:
【0013】
特に好ましいCD33抗体は以下から選択される:
配列番号:1のCDR1、配列番号:15のCDR2、配列番号:29のCDR3、配列番号:43のCDR4、配列番号:57のCDR5及び配列番号:71のCDR6を含む抗体、
配列番号:2のCDR1、配列番号:16のCDR2、配列番号:30のCDR3、配列番号:44のCDR4、配列番号:58のCDR5及び配列番号:72のCDR6を含む抗体、
配列番号:3のCDR1、配列番号:17のCDR2、配列番号:31のCDR3、配列番号:45のCDR4、配列番号:59のCDR5及び配列番号:73のCDR6を含む抗体、
配列番号:4のCDR1、配列番号:18のCDR2、配列番号:32のCDR3、配列番号:46のCDR4、配列番号:60のCDR5及び配列番号:74のCDR6を含む抗体、
配列番号:5のCDR1、配列番号:19のCDR2、配列番号:33のCDR3、配列番号:47のCDR4、配列番号:61のCDR5及び配列番号:75のCDR6を含む抗体、
配列番号:6のCDR1、配列番号:20のCDR2、配列番号:34のCDR3、配列番号:48のCDR4、配列番号:62のCDR5及び配列番号:76のCDR6を含む抗体、
配列番号:7のCDR1、配列番号:21のCDR2、配列番号:35のCDR3、配列番号:49のCDR4、配列番号:63のCDR5及び配列番号:77のCDR6を含む抗体、
配列番号:8のCDR1、配列番号:22のCDR2、配列番号:36のCDR3、配列番号:50のCDR4、配列番号:64のCDR5及び配列番号:78のCDR6を含む抗体、
配列番号:9のCDR1、配列番号:23のCDR2、配列番号:37のCDR3、配列番号:51のCDR4、配列番号:65のCDR5及び配列番号:79のCDR6を含む抗体、
配列番号:10のCDR1、配列番号:24のCDR2、配列番号:38のCDR3、配列番号:52のCDR4、配列番号:66のCDR5及び配列番号:80のCDR6を含む抗体、
配列番号:11のCDR1、配列番号:25のCDR2、配列番号:39のCDR3、配列番号:53のCDR4、配列番号:67のCDR5及び配列番号:81のCDR6を含む抗体、
配列番号:12のCDR1、配列番号:26のCDR2、配列番号:40のCDR3、配列番号:54のCDR4、配列番号:68のCDR5及び配列番号:82のCDR6を含む抗体、
配列番号:13のCDR1、配列番号:27のCDR2、配列番号:41のCDR3、配列番号:55のCDR4、配列番号:69のCDR5及び配列番号:83のCDR6を含む抗体、
配列番号:14のCDR1、配列番号:28のCDR2、配列番号:42のCDR3、配列番号:56のCDR4、配列番号:70のCDR5及び配列番号:84のCDR6を含む抗体。
【0014】
特に好ましいCD33抗体は以下から選択される:
配列番号:85の重鎖可変領域及び配列番号:99の軽鎖可変領域を含む抗体、
配列番号:86の重鎖可変領域及び配列番号:100の軽鎖可変領域を含む抗体、
配列番号:87の重鎖可変領域及び配列番号:101の軽鎖可変領域を含む抗体、
配列番号:88の重鎖可変領域及び配列番号:102の軽鎖可変領域を含む抗体、
配列番号:89の重鎖可変領域及び配列番号:103の軽鎖可変領域を含む抗体、
配列番号:90の重鎖可変領域及び配列番号:104の軽鎖可変領域を含む抗体、
配列番号:91の重鎖可変領域及び配列番号:105の軽鎖可変領域を含む抗体、
配列番号:92の重鎖可変領域及び配列番号:106の軽鎖可変領域を含む抗体、
配列番号:93の重鎖可変領域及び配列番号:107の軽鎖可変領域を含む抗体、
配列番号:94の重鎖可変領域及び配列番号:108の軽鎖可変領域を含む抗体、
配列番号:95の重鎖可変領域及び配列番号:109の軽鎖可変領域を含む抗体、
配列番号:96の重鎖可変領域及び配列番号:110の軽鎖可変領域を含む抗体、
配列番号:97の重鎖可変領域及び配列番号:111の軽鎖可変領域を含む抗体、
配列番号:98の重鎖可変領域及び配列番号:113の軽鎖可変領域を含む抗体。
【0015】
特に好ましいCD33抗体は以下から選択される:
配列番号:113の重鎖及び配列番号:127の軽鎖を含む抗体、
配列番号:114の重鎖及び配列番号:128の軽鎖を含む抗体、
配列番号:115の重鎖及び配列番号:129の軽鎖を含む抗体、
配列番号:116の重鎖及び配列番号:130の軽鎖を含む抗体、
配列番号:117の重鎖及び配列番号:131の軽鎖を含む抗体、
配列番号:118の重鎖及び配列番号:132の軽鎖を含む抗体、
配列番号:119の重鎖及び配列番号:133の軽鎖を含む抗体、
配列番号:120の重鎖及び配列番号:134の軽鎖を含む抗体、
配列番号:121の重鎖及び配列番号:135の軽鎖を含む抗体、
配列番号:122の重鎖及び配列番号:136の軽鎖を含む抗体、
配列番号:123の重鎖及び配列番号:137の軽鎖を含む抗体、
配列番号:124の重鎖及び配列番号:138の軽鎖を含む抗体、
配列番号:125の重鎖及び配列番号:139の軽鎖を含む抗体、
配列番号:126の重鎖及び配列番号:140の軽鎖を含む抗体。
【0016】
本明細書の好ましいCD33抗体は、本出願人の特許出願WO2012/045752によって開示されたもの、すなわちヒトCD33のアミノ酸配列FFHPIPYYDKNSPVHGYW(配列番号:141、水素交換分光学によって決定)内のエピトープを認識するCD33抗体である。
“CD33-1”は表1例5のCD33抗体であり、配列番号:117の免疫グロブリン重鎖及び配列番号:131の免疫グロブリン軽鎖を有する。
【0017】
本明細書で用いられる“脱メチル剤”は、DNAメチルトランスフェラーゼの薬理学的に許容できる阻害物質を指す。脱メチル剤はDNAの低メチル化を引き起こす。脱メチル剤という用語は、in vitro及びin vivoの両方で一過性のDNA低メチル化を誘発する能力を有する化学療法剤の1グループを指す。DNAメチル化はCpG部位へのメチル基の添加を指す(G. Garcia-Manero, Current Opinion in Oncology 2008, 20:705-710)。これらの部位はCpGアイランドとして知られる領域に集合してクラスターを形成し、重要な遺伝子調節領域(例えば遺伝子プロモーター)近くにしばしば位置する。これら領域のDNAメチル化は、異常なものも生理学的なものも、腫瘍サプレッサー遺伝子の変異又は欠失のために遺伝子サイレンシング及び物理的不活性化と等価なものを生じることができる。以下の2つの低メチル化剤が米国で承認され、ヨーロッパ及び世界のその他の部分では広く使用されている:5-アザシチジン及び5-アザ-2’-デオキシシチジン(デシタビン)(Silverman et al., B. J Clin Oncol 2002; 20:2429-2440;Kantarjian et al., Cancer 2003; 98: 522-528)。別の脱メチル剤はSGI-110であり、これは現在アステクス製薬(Astex Pharmaceuticals)によって開発されている。
【0018】
本明細書で用いられる“デシタビン”は4-アミノ-1-(2-デオキシ-β-D-エリスロ-ペントフラノシル)-1,3,5-トリアジン-2(1H)-オンを指し、これは、例えば商品名Dacogon(商標)として販売されている。デシタビンはまた5-アザデオキシシチジンとも称される。
【0019】
本明細書で用いられる“SGI-110”は、現在アステクス製薬によって開発されている、リン酸水素(2R,3S,5R)-5-(4-アミノ-2-オキソ-1,3,5-トリアジン-1(2H)-イル)-2-(ヒドロキシメチル)テトラヒドロフラン-3-イル (((2S,3R,5R)-5-(2-アミノ-6-オキソ-1H-プリン-9(6H)-イル)-3-ヒドロキシテトラヒドロフラン-2-イル)メチル)を指す。
【0020】
本明細書で用いられる“癌”は概ね全ての悪性新形成疾患を指す。例えば、以下の癌を本発明の配合物で治療することができる(ただしこれらに限定されない):脳腫瘍、例えば聴神経鞘腫、星状細胞腫、例えば毛様細胞性星状細胞腫、原線維性星状細胞腫、原形質性星状細胞腫、大円形細胞性星状細胞腫、退形成性星状細胞腫及び神経膠芽腫、脳リンパ腫、脳転移、下垂体腫瘍、例えばプロラクチノーマ、HGH(ヒト成長ホルモン)産生性腫瘍及びACTH(副腎皮質刺激ホルモン)産生性腫瘍、頭蓋咽頭腫、髄芽腫、髄膜腫及び稀突起神経膠腫;神経腫瘍(新形成)、例えば自律神経系の腫瘍、例えば交感神経芽腫、神経節細胞腫、傍神経節細胞腫(褐色細胞腫、クローム親和性細胞腫)及び頸動脈小体腫瘍、末梢神経系上の腫瘍、例えば切断神経腫、神経線維腫、ニューリノーマ(神経鞘腫、シュワン細胞腫)及び悪性シュワン細胞腫。骨髄腫瘍;腸癌、例えば直腸及び結腸の癌並びに小腸及び十二指腸の腫瘍;食道癌又は食道の癌、例えば扁平上皮細胞癌、バレット食道の腺癌、腺様嚢胞癌、小細胞癌及びリンパ腫;眼瞼腫瘍、例えば基礎細胞腫又は基底細胞癌;膵臓癌又は膵臓の癌、例えば管細胞の腺癌、腺房細胞癌、小島細胞癌、膵臓のリンパ腫及び肉腫;膀胱癌又は膀胱の癌、例えば表在性及び浸潤性移行細胞癌、扁平上皮細胞癌及び腺癌;肺癌(気管支癌)、例えば小細胞気管支癌(燕麦細胞癌)及び非小細胞気管支癌(NSCLC)、例えば扁平上皮細胞癌、腺癌及び大細胞気管支癌;乳癌、例えば乳房癌(mammary carcinoma)例えば非浸潤性及び浸潤性管部癌、コロイド癌、浸潤性小葉癌、管状癌、腺嚢胞癌及び乳頭癌;非ホジキンリンパ腫(NHL)、例えばバーキットリンパ腫、低悪性性非ホジキンリンパ腫(NHL)及び菌状息肉腫(mucosis fungoides);子宮癌又は子宮内膜癌又は子宮体癌;CUP症候群(未知原発性癌);卵巣癌又は卵巣の癌腫、例えば粘液癌、類内膜癌及び漿液癌;胆嚢癌、例えばクラツキン腫瘍;精巣の癌、例えば精巣腫瘍又は非精巣腫瘍;リンパ腫(リンパ肉腫)、例えば悪性リンパ腫、ホジキン症、非ホジキンリンパ腫、例えば慢性リンパ性白血病、白血病性細網内皮症、免疫細胞腫、形質細胞腫(多発性骨髄腫)、免疫芽細胞腫、バーキットリンパ腫、Tゾーン菌状息肉腫、大細胞退形成性リンパ芽腫及びリンパ芽腫;咽頭の癌、例えば声帯の腫瘍、声門上部、声門及び声門下部咽頭腫瘍;骨の癌、例えば骨軟骨腫、軟骨腫、軟骨芽腫、軟骨粘液様線維腫、骨腫、類骨骨腫、骨芽腫、好酸性顆粒腫、巨細胞腫、軟骨肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、細網肉腫、形質細胞腫、線維性骨形成異常症、若年性骨嚢胞及び動脈瘤性骨嚢胞;頭部及び頸部腫瘍、例えば唇、舌、口腔底、口腔、歯肉、口蓋、喉、鼻腔、副鼻腔、喉頭及び中耳の腫瘍;肝臓癌、例えば肝細胞癌又は原発性肝細胞癌(HCC);白血病、例えば急性白血病、例えば急性リンパ球性/リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML);慢性白血病、例えば慢性リンパ球性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML);胃の癌又は胃癌、例えば乳頭状、管状及び粘液性腺癌、印環細胞癌、腺扁平上皮癌、小細胞癌及び未分化癌;メラノーマ、例えば表在拡散性、結節性、悪性黒子型及び肢端黒子型メラノーマ;腎臓の癌、例えば腎細胞癌、例えば腎明細胞癌又は副腎腫又はグラヴィッツ癌、乳頭癌及びオンコサイトーマ;食道癌又は食道の癌;陰茎癌;前立腺癌;喉の癌又は咽頭の癌、例えば鼻咽頭(鼻咽頭癌)、中咽頭(中咽頭癌)及び下咽頭(下咽頭癌)の扁平上皮細胞癌;網膜芽細胞腫、膣癌又は膣の癌及び外陰部の癌(扁平上皮細胞癌、腺癌及び非浸潤性癌を含む);悪性メラノーマ及び肉腫;甲状腺癌、例えば乳頭状、濾胞性及び髄様甲状腺癌或いは退形成性癌;棘細胞腫、類表皮癌及び皮膚の基底細胞癌;胸腺腫、尿道の癌(非浸潤性及び浸潤性移行細胞癌)。
腫瘍細胞の表面にCD33を発現する癌が好ましい。
本明細書の“MDS”は、骨髄異形成症候群(以前には前白血病として知られていた)を指す。
【0021】
抗新形成薬剤との併用
本発明の好ましい実施態様では、本明細書の医薬配合物はさらに1つ以上の“抗新形成薬剤”を含む(前記用語は、組織、系、動物、哺乳動物、人間又は他の対象動物で抗新形成作用を生じる物質を指すために本明細書で用いられる)。特に抗新形成療法では、他の化学療法剤、ホルモン剤、抗体剤の他に、前述のもの以外の外科及び/又は照射治療との併用療法が意図される。したがって、本発明の併用療法は、CD33抗体及び脱メチル剤の投与の他に、場合によって他の治療薬剤(他の抗新形成薬剤を含む)の使用を含む。薬剤のそのような併用は一緒に又は別々に投与でき、別々に投与するときは同時に又は任意の順序で連続的に(時間的に接近して及び離して)実施し得る。
【0022】
治療される疾患に応じて、本発明の医薬配合物は、その物だけで又は1つ以上の抗新形成薬剤と併用して用いることができる。前記新形成薬剤は、特にDNA損傷剤、チューブリン結合剤、又は血管形成、シグナルトランスダクション経路若しくは癌細胞の有糸分裂チェックポイントを阻害するか又は免疫調整機能を阻害する治療的に活性な化合物(IMID)から選択される。
抗新形成薬剤は、同時に(場合によって同じ医薬組成物の成分として)、又は本明細書の医薬配合物の投与前若しくは投与後に投与することができる。
【0023】
ある種の実施態様では、抗新形成薬剤は、EGFRファミリー、VEGFファミリー、アンギオポイエチンファミリー、CD37、IGF1及び2、Dll4、VEGF-Rファミリー、IGF-1R、インスリン受容体、オーロラA、オーロラB、PLK及びPI3キナーゼ、FGFR、PDGFR、Raf、KSP又はPDK1の阻害剤のグループから選択される1つ以上の阻害剤である(ただしこれらに限定されない)。
抗新形成薬剤のさらに別の例は、CDKs、Akt、Src、Bcr-Abl、cKit、cMet/HGF、Her2、Her3、c-Myc、Flt3、HSP90の阻害剤、ヘッジホッグアンタゴニスト、JAK/STAT、Mek、mTor、NFカッパBの阻害剤、プロテアゾーム、Rho、Wntシグナリング若しくはNotchシグナリングの阻害剤、又はユビキチン化経路阻害剤である。
【0024】
抗新形成薬剤のさらに別の例は、DNAポリメラーゼ、トポイソメラーゼIIの阻害剤、マルチチロシンキナーゼ阻害剤、CXCR4アンタゴニスト、IL3RA阻害剤、RARアンタゴニスト、KIR阻害剤、免疫療法ワクチン、TUB阻害剤、Hsp70誘発物質、IAPファミリー阻害剤、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤、TNF阻害剤、ErbB1受容体チロシンキナーゼ阻害、マルチキナーゼ阻害剤、JAK2阻害剤、RR阻害剤、アポトーシス誘発剤、HGPRTase阻害剤、ヒスタミンH2受容体アンタゴニスト及びCD25受容体アゴニストである。
オーロラ阻害剤の例は、PHA-739358、AZD-1152、AT-9283、CYC-116、R-763、VX-667、MLN-8045、PF-3814735、SNS-314、VX-689、GSK-1070916、TTP-607、PHA-680626、MLN-8237、BI847325及びENMD-2076である(ただしこれらに限定されない)。
PLK阻害剤の例はGSK-461364、BI2536及びBI6727である。
Raf阻害剤の例は、BAY-73-4506(VEGF-R阻害剤でもある)、PLX-4032、RAF-265(VEGF-R阻害剤でもある)、ソラフェニブ(sorafenib)(VEGF-R阻害剤でもある)、XL-281、ネババール(Nevavar)(VEGF-R阻害剤でもある)及びPLX4032である。
【0025】
KSP阻害剤の例は、イスピネシブ(ispinesib)、ARRY-520、AZD-4877、CK-1122697、GSK-246053A、GSK-923295、MK-0731、SB-743921、LY-2523355、及びEMD-534085である。
Src及び/又はbcr-abl阻害剤の例は、ダサチニブ(dasatinib)、AZD-0530、ブサチニブ(bosutinib)、XL-228(IGF-1R阻害剤でもある)、ニロチニブ(nilotinib)(PDGFR及びcKit阻害剤でもある)、イマチニブ(cKit阻害剤でもある)、NS-187、KX2-391、AP-24534(EGFR、FGFR、Tie2、Flt3阻害剤でもある)、KM-80及びLS-104(Flt3、Jak2阻害剤でもある)である。
PDK1阻害剤の例はAR-12である。
Rho阻害剤の例はBA-210である。
【0026】
PI3キナーゼ阻害剤の例は、イデラリシブ(Idelalisib)(Cal-101)、PX-866、PX-867、BEZ-235(mTor阻害剤でもある)、XL-147、及びXL-765(mTor阻害剤でもある)、BGT-226、CDC-0941である。
cMet又はHGFの阻害剤の例は、XL-184(VEGF-R、cKit、Flt3阻害剤でもある)、PF-2341066、MK-2461、XL-880(VEGF-R阻害剤でもある)、MGCD-265(VEGF-R、Ron、Tie2阻害剤でもある)、SU-11274、PHA-665752、AMG-102、AV-299、ARQ-197、MetMAb、CGEN-241、BMS-777607、JNJ-38877605、PF-4217903、SGX-126、CEP-17940、AMG-458、INCB-028060及びE-7050である。
Notch経路阻害剤の例はMEGF0444Aである。
【0027】
c-Myc阻害剤の例はCX-3543である。
Flt3阻害剤の例は、AC-220(cKit及びPDGFR阻害剤でもある)、KW-2449、LS-104(bcr-abl及びJak2阻害剤でもある)、MC-2002、SB-1317、レスタウルチニブ(lestaurtinib)(VEGF-R、PDGFR、PKC阻害剤でもある)、TG-101348(JAK2阻害剤でもある)、XL-999(cKit、FGFR、PDGFR及びVEGF-R阻害剤でもある)、スニチニブ(sunitinib)(PDGFR、VEGF-R及びcKit阻害剤でもある)、及びタンヅチニブ(tandutinib)(PDGFR及びcKit阻害剤でもある)である。
【0028】
HSP90阻害剤の例は、タネスピマイシン(tanespimycin)、アルベスピマイシン(alvespimycin)、IPI-504、STA-9090、MEDI-561、AUY-922、CNF-2024及びSNX-5422である。
JAK/STAT阻害剤の例は、CYT-997(チューブリンとも相互作用する)、TG-101348(Flt3阻害剤でもある)、及びXL-019である。
Mek阻害剤の例は、ARRY-142886、AS-703026、PD-325901、AZD-8330、ARRY-704、RDEA-119、及びXL-518である。
mTor阻害剤の例は、テムシロリムス(temsirolimus)、デフォロリムス(deforolimus)(VEGF阻害剤としても作用する)、エヴェロリムス(everolimus)(加えてVEGF阻害剤である)、XL-765(PI3キナーゼ阻害剤でもある)、及びBEZ-235(PI3キナーゼ阻害剤でもある)である。
【0029】
Akt阻害剤の例は、ペリフォシン(perifosine)、GSK-690693、RX-0201、及びトリシリビン(triciribine)である。
cKit阻害剤の例は、マスチニブ(masitinib)、OSI-930(VEGF-R阻害剤としても作用する)、AC-220(Flt3及びPDGFR阻害剤でもある)、タンヅチニブ(Flt3及びPDGFR阻害剤でもある)、アキシチニブ(axitinib)(VEGF-R及びPDGFR阻害剤でもある)、スニチニブ(sunitinib)(Flt3、PDGFR、VEGF-R阻害剤でもある)、及びXL-820(VEGF-R及びPDGFR阻害剤としても作用する)、イマチニブ(bcr-abl阻害剤でもある)、ニロチニブ(bcr-abl及びPDGFR阻害剤でもある)である。
ヘッジホッグアンタゴニストの例は、IPI-609、CUR-61414、GDC-0449、IPI-926及びXL-139である。
【0030】
CDK阻害剤の例は、ソリシクリブ(seliciclib)、AT-7519、P-276、ZK-CDK(VEGF-R2及びPDGFR阻害剤でもある)、PD-332991、R-547、SNS-032、PHA-690509、PHA-848125、及びSCH-727965である。
プロテアゾーム阻害剤の例は、ボルテゾミブ(bortezomib)、カルフィルゾミブ(carfilzomib)、及びNPI-0052(NFkappaB阻害剤でもある)である。
プロテアゾーム阻害剤/ NFkappaB経路阻害剤の例は、ボルテゾミブ、カルフィルゾミブ、NPI-0052、CEP-18770、MLN-2238、PR-047、PR-957、AVE-8680、及びSPC-839である。
ユビキチン化経路の阻害剤の例はHBX-41108である。
脱メチル剤の例は5-アザシチジン及びデシタビンである。
【0031】
抗血管形成剤の例は、FGFR、PDGFR及びVEGFの阻害剤、並びにサリドマイドであり、後者は以下から選択される薬剤である(ただしこれらに限定されない):オララツマブ(olaratumab)、ペグジネタニブ(pegdinetanib)、モテサニブ(motesanib)、CDP-791、SU-14813、テラチニブ(telatinib)、KRN-951、ZK-CDK(CDK阻害剤でもある)、ABT-86、BMS-690514、RAF-265、IMC-KDR、IMC-18F1、IMiDs、サリドマイド、CC-4047、レナリドマイド(lenalidomide)、ENMD-0995、IMC-D11、Ki-23057、ブリバニブ(brivanib)、セヂラニブ(cediranib)、1B3、CP-868596、IMC-3G3、R-1530(Flt3阻害剤でもある)、スニチニブ(cKit及びFlt3阻害剤でもある)、アキシチニブ(axitinib)(cKit阻害剤でもある)、レスタウルチニブ(Flt3及びPKC阻害剤でもある)、ヴァタラニブ、タンヅチニブ(Flt3及びcKit阻害剤でもある)、パゾパニブ(pazopanib)、PF-337210、E-7080、CHIR-258、ソラフェニブトシレート(sorafenib tosylate)(Raf阻害剤でもある)、ヴァンデタニブ、CP-547632、OSI-930、AEE-788(EGFR及びHer2阻害剤でもある)、BAY-57-9352(Raf阻害剤でもある)、BAY-73-4506(Raf阻害剤でもある)、XL-880(cMet阻害剤でもある)、XL-647(EGFR及びEphB4阻害剤でもある)、XL-820(cKit阻害剤でもある)、ニロチニブ(cKit及びbrc-abl阻害剤でもある)、CYT-116、PTC-299、BMS-584622、CEP-11981、ドヴィチニブ(dovitinib)、CY-2401401、ENMD-2976、ラムシルマブ(ramucirumab)、ペグジネタニブ(pegdinetanib)、及びBIBF1120。
【0032】
抗新形成薬剤はまたEGFR阻害剤から選択でき、これは小分子EGFR阻害剤又は抗EGFR抗体であり得る。抗EGFR抗体の例は、セツキシマブ、パニツムマブ、ニモツズマブ、ザルツムマブであり(ただしこれらに限定されない)、小分子EGFR阻害剤の例はゲフチニブ、エルロチニブ、ヴァンデタニブ(VEGF-R阻害剤でもある)及びアファチニブ(afatinib)(Her2阻害剤でもある)である。EGFR調整物質の別の例はEGF融合毒素である。
本発明の医薬配合物との併用に有用なさらに別のEGFR及び/又はHer2阻害剤は、ラパチニブ(lapatinib)、トラスツズマブ(trastuzumab)、ペルツズマブ(pertuzumab)、XL-647、ネラチニブ(neratinib)、BMS-599626 ARRY-334543、AV-412、mAB-806、BMS-690514、JNJ-26483327、AEE-788(VEGF-R阻害剤でもある)、AZD-8931、ARRY-380 ARRY-333786、IMC-11F8、Zemab、TAK-285、AZD-4769、及びアファチニブ(Her2及びEGFRの二重阻害剤)である。
【0033】
本明細書の医薬配合物との併用で有用なDNAポリメラーゼ阻害剤はAraC/シタラビン、クロラール/クロファラビンである。
本明細書の医薬配合物との併用で有用なアポトーシス誘発剤はトリセノクス/三酸化ヒ素(arsenice trioxide)である。
本明細書の医薬配合物との併用で有用なトポイソメラーゼII阻害剤は、イダルビシン、ダウノルビシン及びミトキサントロンである。
本明細書の医薬配合物との併用で有用なRARアンタゴニストはヴェサノイド/トレチノインである。
本明細書の医薬配合物との併用で有用なHGPRTase阻害剤はメルカプト/メルカプトプリンである。
本明細書の医薬配合物との併用で有用なヒスタミンH2受容体アンタゴニストはセプレン/ヒスタミンジヒドロクロリドである。
本明細書の医薬配合物との併用で有用なCD25受容体アゴニストはIL-2である。
【0034】
抗新形成薬剤はまた、IGF-1R及びインスリン受容体経路を標的とする薬剤から選択できる。そのような薬剤には、IGF-1Rと結合する抗体(例えばCP-751871、AMG-479、IMC-A12、MK-0646、AVE-1642、R-1507、BIIB-022、SCH-717454、rhu Mab IGFR)、及びIGF-1Rのキナーゼドメインを標的とする新規な化学物質(例えばOSI-906又はBMS-554417、XL-228、BMS-754807)が含まれる。
【0035】
本明細書の医薬配合物による治療方法で有利に併用され得る他の抗新形成薬剤はCD20を標的とする分子であり、以下が含まれる:CD20特異的抗体、例えばリツキシマブ、LY-2469298、オクレリズマブ(ocrelizumab)、MEDI-552、IMMU-106、GA-101(=R7159)、XmAb-0367、オフタツムマブ(ofatumumab)、放射性標識CD20抗体、例えばトシツムマブ(tositumumab)及びイブリツモマブチウキセタン(ibritumomab tiuxetan)、又は他のCD20指向タンパク質、例えばSMIP Tru015、PRO-131921、FBT-A05、ヴェルツズマブ、R-7159。
【0036】
本明細書の医薬配合物は白血球で発現される他の表面抗原の阻害剤と併用でき、これは特に抗体又は抗体様分子、例えば、抗-CD2(シプリズマブ(siplizumab))、抗-CD4 (ザノリブマブ(zanolimumab))、抗-CD19(MT-103、MDX-1342、SAR-3419、XmAb-5574)、抗-CD22 (エプラツズマブ(epratuzumab))、抗-CD23(ルミリキシマブ(lumiliximab))、抗-CD30(イラツムマブ(iratumumab))、抗-CD32B(MGA-321)、抗-CD38(HuMax-CD38)、抗-CD40(SGN40)、抗-CD52(アレムツズマブ(alemtuzumab))、抗-CD80(ガリクシマブ(galiximab))である。
【0037】
適切なCD37抗体の例はBI836826、SMIP Tru016である。
適切な抗VEGF薬剤はアバスチン、ルセンチスである。
本明細書の医薬配合物と併用される他の薬剤は、イムノトキシン、例えばBL-22(抗CD22イムノトキシン)、イノツズマブオゾガミシン(inotuzumab ozogamicin)(抗CD23 抗体カリケアミシン結合物)、RFT5.dgA(抗CD25-リシン毒素A鎖)、SGN-35(抗CD30-アウリスタチンE結合物)、及びゲンツズマブオゾガミシン(抗CD33-カリケアミシン結合物)、MDX-1411(抗CD70結合物)、又は放射性標識抗体 、例えば90Y-エプラツズマブ(epratuzumab)(抗CD22放射能免疫複合物)である。
【0038】
さらにまた、本明細書の医薬配合物は以下と併用できる:免疫調節物質、薬剤、例えばアポトーシスを誘発するか又はシグナルトランスダクション経路を修正する抗体、例えばTRAIL受容体調節剤マパツムマブ(mapatumumab)(TRAIL-1受容体アゴニスト)、レキサツムマブ(lexatumumab)(TRAIL-2受容体アゴニスト)、チガツズマブ(tigatuzumab)、アポマブ(Apomab)、AMG-951及びAMG-655;抗HLA-DR 抗体(例えば1D09C3)、抗CD74、破骨細胞分化因子リガンド阻害剤(例えばデノスマブ(denosumab))、BAFFアンタゴニスト(例えばAMG-623a)、又はToll様受容体のアゴニスト(例えばTLR-4又はTLR-9)。
【0039】
本発明の医薬配合物と併用できる他の抗新形成薬剤は以下から選択される(ただしこれらに限定されない):ホルモン、ホルモンアナローグ及びアンチホルモナール(例えばタモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、フルヴェストラント、酢酸メゲストロール、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、酢酸シプロテロン、フィナステリド、酢酸ブセレリン、フルドロコルチンソン、フルオキシメステロン、メドロキシプロジェステロン、カプロン酸ヒドロキシプロジェステロン、ジエチルスチルベストロール、プロピオン酸テストステロン、フロキシメステロン/等価物、オクトレオチド、アルゾキシフェン、パシレオチド、ヴァプレオチド、アドレノコルチコステロイド/アンタゴニスト、プレドニゾン、デキサメタゾン、アンギオグルテチミド)、アロマターゼ阻害剤(例えばアナストロゾール、レトロゾール、リアロゾール、エクセメスタン、アタメスタン、フォルメスタン)、LHRHアゴニスト及びアンタゴニスト(例えば酢酸ゴセレリン、リュープロリド、アバレリクス、セトロレリクス、デスロレリン、ヒストレリン、トリプトレリン)、抗代謝剤(例えば抗葉酸剤、例えばメトトレキセート、トリメトレキセート、ペメトレキシド(pemetrexed)、ピリミジンアナローグ(例えば5-フルオロウラシル、フルオロデオキシウリジン、カペシタビン、デシタビン、ネララビン、5-アザシチジン及びゲムシタビン)、プリン及びアデノシンアナローグ(例えばメルカプトプリン、チオグアニン、アザチオプリン、クラドリビン及びペントスタチン、シタラビン、フルダラビン、クロファラビン);抗腫瘍抗体(例えばアントラサイクリン、例えばドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン及びイダルビシン、マイトマイシン-C、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、スプリカマイシン、アクチノマイシンD、ミトキサントロン、ミトキサントロンイダルビシン、ピキサントロン、ストレプトゾシン、アフィジコリン);白金誘導体(例えばシスプラチン、オキザリプラチン、カルボプラチン、ロバプラチン、サトラプラチン);アルキル化剤(例えばエストラムスチン、セムスチン、メクロレタミン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ダカルバジン、シクロホスファミド、イフォスファミド、ヒドロキシウレア、テモゾロミド、ニトロソウレア、例えばカルムスチン及びロムスチン、チオテパ);抗有糸分裂剤(例えばビンカアルカロイド(例えばビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ビンフルニン及びビンクリスチン)及びタキサン、例えばパクリタキセル、ドセタキセル及びそれらの処方物、ラロタキセル、シモタキセル)及びエポチロン(例えばアイキサベピロン、パツピロン、ZK-EPO);トポイソメラーゼ阻害剤(例えばエピポドフィロトキシン、例えばエトポシド及びエトポフォス、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン、バノキサントロン、カンプトテシン)及び種々雑多な化学療法剤、例えばレチン酸誘導体、アミフォスチン、アナグレリド、インターフェロンアルファ、インターフェロンベータ、インターフェロンガンマ、インターロイキン-2、プロカルバジン、N-メチルヒドラジン、ミトタン、及びポルフィマー、ベキサロテン、セレコキシブ、エチレンイミン/メチル-メラミン、トリエチレンメラミン、トリエチレンチオホスホロアミド、ヘキサメチルメラミン、及び酵素L-アスパラギナーゼ、L-アルギナーゼ、及びメトロニダゾール、ミソニダゾール、デスメチルミソニダゾール、ピモニダゾール、エタニダゾール、ニモラゾール、RSU 1069、EO9、RB 6145、SR4233、ニコチンアミド、5-ブロモデオキシウリジン、5-ヨードデオキシウリジン、ブロモデオキシシチジン、エリスロヒドロキシノニル-アデニン、アントラセンジオン、GRN-163L(競合性テロメラーゼ鋳型アンタゴニスト)、SDX-101(PPARアゴニスト)、タラボスタット(DPP阻害剤)、フォロデシン(PNP阻害剤)、アタシセプト(可溶性受容体を標的とするTNFファミリーメンバーBLyS及びAPRIL)、TNF-アルファ中和剤(Enbrel、Humira、Remicade)、XL-844(CHK1/2阻害剤)、VNP-40101M(DNAアルキル化剤)、SPC-2996(アンチセンスbcl2阻害剤)、オバトクラクス(bcl2阻害剤)、エンザスタウリン(PKCベータ調節剤)、ヴォリニスタット(HDAC阻害剤)、ロミデプシン(HDAC阻害剤)、AT-101(Bcl-2/Bcl-xL阻害剤)、プリチデプシン(多作用性デプシペプチド)、SL-11047(ポリアミン代謝調節剤)。
【0040】
本発明の医薬配合物はまた、他の治療法(外科手術、幹細胞移植、放射線療法、内分泌療法、生物学的応答修正物質、高体温及び低温療法を含む)、及び任意の副作用を軽減するための薬剤(例えば鎮吐剤)、G-CSF、GM-CSF、光感受性物質、例えばヘマトポルフィリン誘導体、ホトフィリン、ベンゾポルフィリン誘導体、Npe6、錫エチオポルフィリン、フェオボリド-a細菌クロロフィル-a、ナフタロシアニン、フタロシアニン、亜鉛フタロシアニンと併用することができる。
特に好ましい併用パートナーは以下である:
AMLワクチンNBE JVRS‐100;
アミノペプチダーゼ阻害剤トセドスタット;
アポトーシス誘発剤エレスクロモール;
オーロラキナーゼ阻害剤AMG-900、イロラセルチブ、アリセルチブ;
BRD(pan)阻害剤OTX‐015;
CD33抗体-医薬結合物SGN-CD33A;
CD44抗体RG-7356;
細胞周期チェックポイント阻害剤DFP-10917、SCH-900776;CRM1核外搬出阻害剤KPT-330;
CXCR4阻害剤MDX-1338、BL-8040 (BKT140);
細胞傷害性化学療法のOXi-4503、ルルビネクテジン(lurbinectedin)、F-14512、ヴォサロキシン(vosaroxin)、エラシタラビンテモゾロミド(elacytarabine temozolomide)、クロファラビン(clofarabine)、サパシタビン(sapacitabine);
ワクチンDCP-001;
Eph A3抗体:KB-004;
EGFR阻害剤エルロチニブ、アファチニブ;
FLT3阻害剤AKN-028、スニチニブ、クレノラニブ;
Grb2アンチセンス:BP-100.1.01;
HDAC阻害剤4SC-202、パノビノスタット、エンチノスタット、プラシノスタット、ベリノスタット;
HDM阻害剤MK-8242;
ヘッジホッグ阻害剤エリスモデギブ、PF-04449913;
HSP阻害剤ガネテスピブ;
IAPアクチベーター:ビリナパント、Debio-1143(AT-406);
IL-3受容体抗体、CSL-362;
免疫調節剤、レナリドミド、セプレン;
イムノトキシン、SL-401,
IDH阻害剤、AG-221;
JAK阻害剤ルキソリチニブ;
KIR抗体リリルマブ;
MDM2阻害剤RO-5503781;
MEK阻害剤トラメチニブ、ピマセルチブ;
有糸分裂関連キネシン阻害剤ARQ-621;
マルチキナーゼ阻害剤NCE PLX-3397、SB-1317、ソラフェニブ、ミドスタウリン;
Nedd 8活性化酵素阻害剤ペヴォネヂスタット(MLN-4924);
PARP阻害剤BMN-673;
PI3K/mTOR阻害剤BEZ-235;
PIMキナーゼ阻害剤AZD1208;
PLK1阻害剤リゴセルチブ、ヴォラセルチブ;
タンパク質転移阻害剤オマセタキシン、メペスクシネート;
放射性免疫複合物リンツズマブ-Ac225(CD33);
srcキナーゼ阻害剤KX-01、(KX2-391);
TPA PD-616;
腫瘍活性化NK細胞、CNDO-109;
WNT経路阻害剤PRI-724、CWP-232291;
WT-1ワクチンGSK-2130579A、OCV-501、FPI-01。
【0041】
医薬組成物及び投与方法
本明細書で用いられる“医薬組成物”は、患者に投与可能な本明細書の医薬配合物を作製するための手段を指す。これは、医薬組成物の活性成分としての医薬配合物が1つ以上の医薬的に許容できる希釈剤及び場合によってさらに別の医薬的に許容できる薬剤と混合されることを意味する。本明細書の医薬組成物は、当該医薬組成物が患者に投与されることが許容される任意の形態であり得る。例えば、医薬組成物は固体又は液体の形態であり得る。好ましい適用態様は、非経口的(輸液又は注射(静脈内、筋肉内、皮下、腹腔内、皮内)による)であるが、他の適用態様(例えば吸入、経皮、鼻内、頬部、経口及び腫瘍内)もまた利用できる。非経口投与には、皮下注射、静脈内、筋肉内、脊髄内(intrastemal)注射又は輸液が含まれる。ある特徴では、医薬組成物は非経口的に投与される。さらにまた別の特徴では、医薬組成物は静脈内に投与される。
【0042】
医薬組成物は、当該医薬組成物の患者への投与に際して化合物が生物利用されることを可能にするように処方できる。医薬組成物は1つ以上の投薬ユニット形をとることができ、この場合には、例えばエーロゾル形の化合物の容器は複数の投薬ユニットを保持することができる。
【0043】
医薬組成物の調製に用いられる材料は使用される量においては無害であり得る。医薬組成物中の活性成分の最適投薬量は多様な要件に左右されることは当業者には明白であろう。関連する要件には、患者のタイプ(例えばヒトか否か)、活性な構成成分(すなわちCD33抗体及び脱メチル剤、場合によって抗新形成薬剤)の個々の形態、投与態様及び用いられる医薬組成物が含まれる(ただしこれらに限定されない)。
【0044】
医薬的に許容できる担体又は賦形剤は、医薬組成物が例えば散剤形であるように微粒子状にできる。医薬組成物が例えば注射可能な液体であるように、担体は液体であり得る。医薬組成物は、例えば非経口注射のために液体形であり得る。注射による投与のための医薬組成物では、1つ以上の界面活性剤、保存料、湿潤剤、分散剤、懸濁剤、緩衝剤、安定化剤及び等張剤もまた含まれ得る。
【0045】
液体の医薬組成物(それらは溶液、懸濁液又は同様な他の形態である)はまた1つ以上の以下を含むことができる:無菌的希釈剤、例えば注射用の水、食塩溶液(好ましくは生理学的食塩水)、リンゲル溶液、等張な塩化ナトリウム、不揮発性油、例えば合成モノ、ジグリセリド(溶媒又は懸濁媒体として機能し得る)、ポリエチレングリコール、グリセリン、シクロデキストリン、プロピレングリコール又は他の溶媒;安定化剤、例えばアミノ酸;界面活性剤、例えばポリソルベート;抗菌剤、例えばベンジルアルコール又はメチルパラベン;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸又は重亜硫酸ナトリウム;キレート剤、例えばエチレンジアミン四酢酸;緩衝剤、例えば酢酸塩、クエン酸塩又はリン酸塩;及び浸透圧調整剤、例えば塩化ナトリウム又はデキストロース。非経口医薬組成物はアンプル、使い捨て注射筒又はガラス、プラスチック若しくは他の材料で作られたマルチ用量バイアルに封入することができる。生理学的食塩水は例示的アジュバントである。注射可能な医薬組成物は好ましくは無菌的である。
【0046】
本明細書の医薬組成物は、乾燥(凍結乾燥、噴霧乾燥、噴霧凍結乾燥、近臨界若しくは超臨界ガスによる乾燥、真空乾燥、風乾)、沈殿若しくは結晶化されるか、又はマイクロカプセルに封入されてもよく、例えばコアセルベーション技術によって又は界面重合によって(例えばヒドロキシメチルセルロース又はゼラチン及びポリ-(メチルメタクリレート)をそれぞれ用いる)、コロイド性医薬デリバリー系(例えばリポソーム、アルブミン微小球、マイクロエマルジョン、ナノ粒子及びナノカプセル)で、マクロエマルジョンで調製されるか、又は例えばpcmc技術(タンパク質被覆マイクロクリスタル)によって担体若しくは表面に沈殿若しくは固定される。そのような技術は以下に開示される(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st edition, Hendrickson R. Ed.)。
【0047】
癌及びMDSの治療のために適切な医薬規制庁(例えばFDA及びEMA)によって承認され、かつ市場で利用され得る任意の形態及び投薬量で、脱メチル剤(例えばデシタビン及び5-アザシチジン)を本発明の目的のために用いることができる。
【0048】
CD33抗体は、典型的には静脈内適用のための輸液溶液として処方される。典型的な例として、CD33-1は、以下の濃度で以下の構成成分を含む輸液水溶液として処方される(ガラスバイアルに充填される):
・CD33-1 0.067mmol/L 10.0g/L
・クエン酸三ナトリウム二水和物 22.5mmol/L 6.617g/L
・クエン酸一水和物 2.5mmol/L 0.525g/L
・塩化ナトリウム 125mmol/L 7.305g/L
・ポリソルベート20(トゥイーン20) 0.2g/L
・注射用の水(WFI) 1リットル添加
当業界で公知の他の適切な輸液処方物もまた用いることができる。
【0049】
個々の疾患又は症状の治療に有効な医薬組成物の量は疾患又は症状の性質に左右され、標準的な臨床技術によって決定できる。さらにまた、in vitro又はin vivoアッセイを場合によって用い、最適な投薬範囲の認定を助けることができる。用いられるべき医薬組成物の正確な用量はまた投与ルート及び疾患又は症状の重篤度に左右され、医師の判断及び各患者の環境にしたがって決定されるべきである。
【0050】
医薬組成物は、適切な投薬が得られるように有効量の医薬及び薬剤を含む。典型的には、この量は医薬組成物の質量で少なくとも約0.01%の医薬又は薬剤である。経口投与を意図するとき、この量は医薬組成物の質量で約0.1%から約80%の範囲で変動し得る。ある特徴では、経口医薬組成物は、医薬組成物の質量で約4%から約50%の活性成分を含むことができる。さらにまた別の特徴では、非経口投薬ユニットが活性成分の質量で約0.01%から約2%を含むように本医薬組成物は調製される。
【0051】
静脈内投与のためには、医薬組成物は、患者の体重1kg当たり約1から約50mgの医薬又は薬剤を含むことができる。ある特徴では、医薬組成物は、患者の体重1kg当たり約1、1.5又は2.5から約50mgの医薬又は薬剤を含むことができる。別の特徴では、投与される量は、体重1kg当たり約1、1.5又は2.5から約25mgの医薬又は薬剤の範囲であろう。
【0052】
いくつかの実施態様では、患者に投与される投薬量は患者の体重1kg当たり0.1mg未満から約50mg/kgである(mg/mm2への変換には1.8m2のBSA及び80kgの体重を用いることができる)。
また別には、本発明の医薬組成物はまた“患者当たり”の量として投与できる。適切な用量は0.1mgから2000mg、好ましくは1mgから1000mg、好ましくは5mgから500mgである。
【0053】
本明細書で考察するように、本明細書の医薬組成物は、例えば患者に毎日、毎週、2週間毎、3週間毎、又は毎月のスケジュールで患者の静脈内又は皮下に投与できる。例えば、本明細書の医薬組成物は2から10週間、典型的には3−6週間の間に毎週投与できる。いくつかの実施態様では、本明細書の医薬組成物の投薬レジメンは、投薬サイクル中の抗体の血清濃度を少なくとも5μg/mL又は少なくとも10μg/mLに維持する。本明細書の医薬組成物は例えば1−8サイクル又は9サイクル以上投与できる。いくつかの実施態様では、本明細書の医薬組成物は長期的に対象動物に投与される。
【0054】
例示すれば、本発明は、0.1mg/kgから50mg/kg、例えば約1.5−8又は2.5−8mg/kgの本明細書の医薬組成物を毎週投与することによって、癌(例えば骨髄性白血病)を治療する方法を含む。この治療は、通常は約1-3カ月、典型的には約2カ月間継続され得る。ある実施態様では、投与スケジュールは芽球の減少が認められるまで維持される。例えば、投与は約6カ月まで継続できる。この治療は、頻度を減少させた投与スケジュールをその後に続けることができる(例えば2週間毎の投与(又は1か月に2回)を含む)。この投与スケジュールを1、2、3、4、5、6カ月又は7カ月以上維持して、芽球の減少及び/又は緩解を維持することができる。
【0055】
いくつかの実施態様では、輸液反応を最小限にするために、本明細書の医薬組成物とともに予防薬剤を投与することができる。適切な予防薬剤には、例えばメチルプレドニソロン、ジフェニルドラミン、アセトアミドフェン又は他の適切な薬剤が含まれる。予防薬剤は、本明細書の医薬組成物の前又はほぼ同じ時に投与できる。
【0056】
本明細書の医薬組成物は任意の常套的ルートによって、例えば輸液又はボーラス注射によって、上皮若しくは粘膜基底層(例えば口腔粘膜、直腸及び腸粘膜など)を介する吸収によって投与できる。投与は全身性でも局所性でもよい。多様なデリバリー系(例えばリポソーム被包化、微粒子、マイクロカプセル、カプセルなど)が公知であり、本明細書の医薬組成物の投与に用いることができる。
【0057】
本明細書の医薬組成物を治療が必要な領域に当該医薬又は薬剤にとって適切なように局所的に投与することが所望され得る。これは、例えば(さらに限定の手段としてではなく)、外科手術時の局所輸液によって、局部適用によって(例えば外科手術後の創傷被覆材と一緒に)、注射によって、カテーテルの手段によって、座薬の手段によって、又はインプラントの手段によって(インプラントは多孔性、無孔性又はゼラチン様物質(膜(例えばシアラスチック膜)又は線維を含む)である)達成できる。ある実施態様では、投与は癌、腫瘍又は新形成組織の部位(又は以前の部位)に直接注射することによることができる。
【0058】
本明細書の医薬組成物は、制御放出系(例えばポンプ又は多様なポリマー材)でデリバーできる。さらに別の実施態様では、制御放出系は本明細書の医薬組成物の標的の近位に配置することができ、したがって全身用量の一部分のみを必要とする(例えば以下を参照されたい:Goodson, in Medical Applications of Controlled Release, vol. 2, pp. 115-138, 1984)。Langerの概論(Science, 1990, 249: 1527-1533)で考察される他の制御放出系を用いてもよい。
【0059】
本明細書の医薬組成物は、当該医薬又は薬剤にとって適切なように動物(特に人間)への静脈内投与に適合させた医薬組成物として日常的な手順に従って処方される。典型的には、静脈内投与用担体又は賦形剤は無菌的な等張緩衝水溶液である。必要な場合には、医薬組成物はまた可溶化剤を含むことができる。静脈内投与用医薬組成物は、場合によって局所麻酔剤(例えばリグノカイン)を含み、注射部位の痛みを緩和することができる。概して、成分は別々に又はユニット投薬形中に一緒に混合され、例えば凍結乾燥散剤又は無水濃縮物として気密封入容器(例えば活性薬剤の量を示すアンプル又はサシェ)で供給される。医薬又は薬剤が輸液によって投与される場合は、これらは、例えば無菌的な医薬等級の水又は食塩水を含む輸液瓶を用いて懸濁できる。医薬又は薬剤が注射によって投与される場合は、注射用滅菌水又は食塩水のアンプルが提供され成分を投与前に混合することができる。
【0060】
治療薬剤の医薬組成物はまた、例えば、錠剤、ロゼンジ、水性若しくは油性懸濁物、顆粒、散剤、エマルジョン、カプセル、シロップ、又はエリキシルの形態の許容される投薬形に応じて投与され得る。経口投与される医薬組成物は、場合によって1つ以上の薬剤、例えば甘味料(例えばフラクトース、アスパルテーム又はサッカリン);香料(例えばペパーミント、ウィンターグリーン油又はサクランボ);着色剤;及び保存料を含み、医薬的に美味な調製物を提供することができる。さらにまた、錠剤又はピル形の場合、医薬組成物を被覆して、胃腸管内の崩壊及び吸収を遅らせ、それによって延長時間にわたって持続的作用を提供することができる。浸透圧活性を有する駆動化合物を取り巻く選択透過性膜もまた経口投与用医薬又は薬剤には適切である。これら後者プラットフォームでは、カプセルの周囲環境に由来する液体は駆動化合物によって吸収され、前記化合物は膨潤して薬剤又は薬剤の医薬組成物を隙間から追い出す。これらのデリバリープラットフォームは、即時放出処方物の突出プロフィールとは反対に、本質的にゼロ次元デリバリープロフィールを提供できる。時間延長物質(例えばモノステアリン酸グリセロール又はステアリン酸グリセロール)もまた用いることができる。
【0061】
医薬組成物は、固体又は液体投薬ユニットの物理的形態を修正する多様な物質を含むことができる。例えば、医薬組成物は活性成分の周囲にコーティングシェルを形成する物質を含むことができる。コーティングシェルを形成する物質は典型的には不活性であり、例えば砂糖、セラック及び他の腸溶皮剤から選択できる。また別には、活性成分はゼラチンカプセルに包むことができる。
【0062】
医薬組成物は、主治医が決定した頻度又は期間にわたって、その必要がある患者に投与できる。医薬組成物は、1日、2日、3日、5日、7日、10日、14日、21日、28日、1カ月、2カ月、又は前記より長い期間にわたって投与できる。医薬組成物は、1日から2カ月の間又はそれより長い任意の期間投与できることは理解されよう。
【0063】
当該配合物は一体化調製キットとして提供できる。本明細書で用いられる“一体化調製キット”又は“キット”という用語は、本発明の医薬配合物を投与するために用いられる1つの医薬組成物又は複数の組成物を意味する。当該医薬配合物の活性な構成成分(すなわちCD33抗体及び脱メチル剤並びに場合によって抗新形成薬剤)が同時に投与されるときは、一体化調製キットは、単一医薬組成物(例えば錠剤)中に又は別々の医薬組成物中に活性な構成成分の各々を含むことができる。活性な構成成分が同時に投与されないときは、当該一体化調製キットは、活性な構成成分を別々の医薬組成物で単一パッケージに、又は活性な構成成分を別々の医薬組成物で別々のパッケージ若しくは区画に含むであろう。
【0064】
ある特徴では、以下を含む一体化調製キットの形態で医薬組成物が提供される:
(i)CD33抗体を含む第一の医薬組成物を含む第一の区画、
(ii)脱メチル剤を含む第二の医薬組成物を含む第二の区画、及び場合によって
(iii)1つ以上の追加される抗新形成薬剤を含む1つ以上の医薬組成物を含む第三の区画。
ある実施態様では、適切な医薬組成物として活性な構成成分を含む一体化調製キットが提供され、ここで当該活性な構成成分は連続投与、別々の投与及び/又は同時投与に適切な形態で提供される。
【0065】
ある実施態様では、以下の成分を含む一体化調製キットが提供される:適切な医薬組成物としてCD33抗体を含む第一の容器、及び適切な医薬組成物として脱メチル剤を含む第二の容器、及び前記第一及び第二の容器を含むための容器手段。
一体化キットはまた指示(例えば投薬量及び投与の指示)を提供することができる。そのような投薬量及び投与の指示は、例えば医薬品のラベルによって医師に提供される種類のものであるか、又は医師により提供されるもの(例えば患者への指示)であり得る。
別の特徴では、本発明はまた、脱メチル剤と併用して癌又はMDSの治療に使用されるCD33抗体に関する。
別の特徴では、本発明は癌又はMDSを治療する方法に関し、前記方法は、治療的に有効な量のCD33抗体をその必要がある患者に投与する工程を含み、さらに前記方法は、前記CD33抗体の投与前又は投与後72時間以内に同じ患者に治療的に有効な量の脱メチル剤を投与する工程をさらに含む。換言すれば、本発明のこの特徴は癌又はMDSの治療で使用されるCD33抗体に関し、ここで、1つ以上の脱メチル剤は前記CD33抗体の投与前又は投与後72時間以内に同じ患者に投与される。
【0066】
別の実施態様では、脱メチル剤の投与は前記CD33抗体の投与前又は投与後36時間以内に実施される。
別の実施態様では、脱メチル剤の投与は前記CD33抗体の投与前又は投与後24時間以内に実施される。
別の実施態様では、脱メチル剤の投与は前記CD33抗体の投与前又は投与後12時間以内に実施される。
別の実施態様では、脱メチル剤の投与は前記CD33抗体の投与前又は投与後6時間以内に実施される。
別の実施態様では、脱メチル剤の投与は前記CD33抗体の投与前又は投与後3時間以内に実施される。
別の実施態様では、脱メチル剤の投与は前記CD33抗体の投与前又は投与後2時間以内に実施される。
別の実施態様では、脱メチル剤の投与は前記CD33抗体の投与前又は投与後1時間以内に実施される。
別の実施態様では、脱メチル剤の投与は前記CD33抗体の投与前又は投与後30分以内に実施される。
別の実施態様では、脱メチル剤の投与は前記CD33抗体の投与と同時に実施される。
【0067】
脱メチル剤及びCD33抗体の同時投与は、典型的には、脱メチル剤及びCD33抗体の両方を別々の輸液容器から同時に輸液することにより達成するか、又は以下によって達成することができる:
−脱メチル剤及びCD33抗体の両方を同じ輸液容器から同時に輸液することにより投与する、
−脱メチル剤を経口的に投与し、一方、CD33抗体を輸液により投与する、又は
−脱メチル剤を経口的に投与し、一方、CD33抗体を皮下に投与する。
別の特徴では、脱メチル剤はCD33抗体の投与のかなり前に患者に投与される。この実施態様では、典型的には脱メチル剤は、CD33抗体の投与の6カ月、好ましくは5カ月、好ましくは4カ月、好ましくは3カ月、好ましくは2カ月、好ましくは1カ月、好ましくは3週間、好ましくは2週間、好ましくは1週間前に患者に投与される。
【0068】
実験部分
頭字語又は略語
ADCC 抗体依存細胞性細胞傷害
AML 急性骨髄性白血病
ATCC アメリカ培養細胞系統保存機関
BSA ウシ血清アルブミン
EC 有効濃度
EDTA エチレンジアミン四酢酸
E:T エフェクター対標的細胞比
Fc 結晶性フラグメント
FCS ウシ胎児血清
FITC フルオレセインイソチオシアネート
HBSS ハンクス平衡塩溶液
IgG 免疫グロブリンG
LDH 乳酸脱水素酵素
KD 平衡解離定数
MCB マスター細胞バンク
MEM 最少必須培地
MFI 平均蛍光強度
PBMC 末梢血単核球
PBS リン酸緩衝食塩水
rpm 1分当たりの回転
【0069】
材料と方法
脱メチル剤で前処理したエフェクター細胞の存在下で抗体依存細胞媒介細胞傷害(ADCC)を媒介するCD33抗体の能力を、標的細胞としてHL60及びエフェクター細胞としてヒトPBMCを用いてアッセイする。
【0070】
標的細胞(HL-60急性骨髄性白血病、DSMZ #ACC3)の調製
細胞密度1.5x106/mLから1.8x106/mLで、対数増殖期の細胞培養のアリコットを10分間遠心分離する(200xg、すなわち1000rpm)。細胞を洗浄媒体(L-グルタミンを含まないRPMI1640)で1回洗浄し、さらに沈殿させる(200xg、すなわち1000rpm、10分)。細胞ペレットをアッセイ媒体(1% BSA;AlbuMAX II(Gibco 11021-037))に懸濁し、細胞数を決定する。細胞濃度を2x105/mLに調整する。
【0071】
エフェクター細胞の調製
健康なドナーから採血したほぼ100mLの全血をPBMCの単離に用いる。10mLの全血を26mLのHBSS(Gibco 14170-088;Paisley, Scotland)で1:3.6に50mLのチューブ中で希釈する。18mLの希釈全血を50mLチューブ中の12mLのリンホプレップ(Lymphoprep;Nycomed Pharma AS 1053980)の最上部に重層し、370xg(1400rpm)で35分間遠心分離する。界面から単核球を吸引し、最初にHBSSで(750xg、すなわち1900rpm、10分間)、続いて2回目にHBSSで(300xg、すなわち1200rpm、10分間)、最後にHBSSで(160xg、すなわち900rpm、10分間)洗浄する。ピペットを用いて培養液/アッセイ媒体(L-グルタミンを含まないRPMI1640に10%熱不活化ヒトAB血清)中で沈殿細胞を穏やかに懸濁させ、細胞計測装置で細胞数を決定する。PBMC濃度を1x107/mLに調整する。
新しく単離したPBMC(5x105/mL)を組織培養フラスコ(75cm2)の培養液(10%ヒトAB血清及びデシタビン又は5-アザシチジン(最終濃度100nM)を補充したL-グルタミンを含まないRPMI1640)中にてCO2インキュベーターで3から6日間37℃で前処理する。脱メチル剤処理PBMCからリンホプレップグラジエントで細胞屑を分離する。精製した脱メチル剤処理PBMCを1x107/mLの濃度で培養液/アッセイ媒体中に懸濁させる。
【0072】
細胞傷害性の決定
全ての被験細胞株について25:1のE:T比を用いる。試験抗体の存在下でのエフェクター細胞と標的細胞の共培養を4組ずつ96ウェルの丸底マイクロタイタープレート(Costar #3799)で、ウェル当たり200μLのアッセイ媒体(1:1比の10%ヒトAB血清及び1% BSA RPMIから成る)の最終体積で実施する。各実験で、2枚のプレートを並行してアッセイする。最初にエフェクター細胞(各ウェルに10%ヒトAB血清含有RPMIの100μL中のPBMC細胞)、続いて標的細胞(各ウェルに1%のBSA含有RPMIの50μL)及び抗体溶液(1%のBSA含有RPMIの50μLで希釈した候補抗体)をプレートする。コントロールとして、エフェクター細胞をアッセイ媒体のみ(偶発溶解)又は1%トリトンX-100補充アッセイ媒体(最大溶解)で培養する。この共培養を湿潤CO2インキュベーターで3から4時間37℃でインキュベートする。
インキュベーションの終わりに、細胞を室温での遠心分離(200xg、すなわち1000rpm、10分間)によって培養液から除去する。上清(100μL/ウェル)を96ウェルの平底プレート(Costar #3595)の対応するウェルに移す。これらの上清100μLのLDH活性を決定するために、反応混合物(11.25mLの色素溶液と新しく混合した250μL触媒)を各ウェルに添加し、室温で30分暗所にてインキュベートする。続いて以下に記載するように吸収を測定する。
【0073】
細胞傷害性検出キット(LDH Roche #11 644 793 001)を用いてADCC活性を決定する。アッセイは、形質膜損傷細胞から放出されたLDH酵素活性の測定を基準にする。培養上清に放出されたLDHはキットのテトラゾリウム塩をフォルマザンに還元する。ELISAリーダーで、フォルマザン色素の最大吸収を490nmで参照波長650nmに対して測定する。
パーセント細胞媒介細胞傷害を計算するために、各実験のセットアップで下記の5つのコントロールを実施する。
−バックグラウンドコントロールI(1):アッセイ媒体中に含まれるLDH活性(前記を(3)及び(5)の値から差し引く)
−バックグラウンドコントロールII(2):1%トリトンX-100アッセイ媒体中に含まれるLDH活性(前記を最大LDH放出値(4)から差し引く)
−偶発LDH放出(3):標的細胞単独から放出されるLDH活性
−最大LDH放出(4):標的細胞における最大放出LDH活性
−エフェクター細胞コントロール(5):エフェクター細胞単独から放出されるLDH活性。
【0074】
パーセント細胞媒介細胞傷害の決定のために、各データ点の吸収からバックグラウンド吸収を差し引く。これらの修正値を以下の等式に代用してADCC(%)を計算する:
(エフェクター/標的細胞混合物−エフェクター細胞コントロール−偶発放出)/(最大放出−偶発放出)
【0075】
EC50、非線形回帰分析(GraphPad Prismソフトウェア)によって濃度応答曲線の最低及び最高を計算した。最大溶解は最高−最低と定義された。各細胞株について4組のデータ点を有する2枚のプレートを並行してアッセイした。
【0076】
表2
【0077】
3つの独立したアッセイの結果は図1及び表2に示されている。
予想に反して、100nMの濃度で3から6日間の5−アザシチジン又はデシタビンによるエフェクター細胞の処理は、脱メチル剤で処理されなかったエフェクター細胞(PBMC)により達成された細胞溶解と比較したとき、それぞれ98%及び107%の相対的細胞溶解から分かるようにmAb 33-1のADCCにおいて有意な影響を与えなかった。特に、エフェクター細胞の脱メチル剤による処理の後、細胞溶解の有意な低下は観察されなかった。
図1
【配列表】
2016536361000001.app
【国際調査報告】