特表2016-536379IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-536379(P2016-536379A)
(43)【公表日】2016年11月24日
(54)【発明の名称】混成担持メタロセン触媒の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C08F 4/6592 20060101AFI20161028BHJP
   C08F 10/00 20060101ALI20161028BHJP
   C07F 19/00 20060101ALN20161028BHJP
   C07F 17/00 20060101ALN20161028BHJP
   C07F 7/00 20060101ALN20161028BHJP
   C07F 7/10 20060101ALN20161028BHJP
【FI】
   C08F4/6592
   C08F10/00 510
   C08F10/00
   C07F19/00
   C07F17/00
   C07F7/00 A
   C07F7/10 S
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2016-518114(P2016-518114)
(86)(22)【出願日】2014年10月15日
(85)【翻訳文提出日】2016年3月28日
(86)【国際出願番号】KR2014009680
(87)【国際公開番号】WO2015056974
(87)【国際公開日】20150423
(31)【優先権主張番号】10-2013-0124517
(32)【優先日】2013年10月18日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0138347
(32)【優先日】2014年10月14日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ホン、テ−シク
(72)【発明者】
【氏名】クォン、ホン−ヨン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ウン−キョン
(72)【発明者】
【氏名】イ、ヨン−ホ
(72)【発明者】
【氏名】チョ、キョン−チン
(72)【発明者】
【氏名】イ、キ−ス
(72)【発明者】
【氏名】チェ、イ−ヨン
【テーマコード(参考)】
4H049
4H050
4J100
4J128
【Fターム(参考)】
4H049VN01
4H049VN06
4H049VP02
4H049VQ60
4H049VQ91
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4J128EA01
4J128EB02
4J128EB09
4J128EC02
4J128FA02
4J128GA01
4J128GA06
4J128GB01
(57)【要約】
本発明は、混成担持メタロセン触媒の製造方法に関する。より具体的には、互いに異なる2種以上のメタロセン化合物を用いた混成担持メタロセン触媒の製造方法であって、このうち、1種のメタロセン化合物は、担持の際にも高い重合活性を示して、活性に優れ、超高分子量のオレフィン系重合体の重合に使用できる。本発明の製造方法により得られた混成担持メタロセン触媒によれば、高分子量および所望の物性を有するオレフィン系重合体を製造することができる。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
担体に第1助触媒化合物を担持させる段階と、
前記第1助触媒化合物が担持された担体に、下記化学式1で表される第1メタロセン化合物1種以上、および下記化学式3〜5で表される化合物の中から選択される第2メタロセン化合物1種以上を担持させる段階と、
前記第1助触媒化合物、第1メタロセン化合物、および第2メタロセン化合物が担持された担体に、第2助触媒化合物を担持させる段階とを含む混成担持メタロセン触媒の製造方法:
【化49】
前記化学式1において、
Aは、水素、ハロゲン、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C6〜C20のアリール基、C7〜C20のアルキルアリール基、C7〜C20のアリールアルキル基、C1〜C20のアルコキシ基、C2〜C20のアルコキシアルキル基、C3〜C20のヘテロシクロアルキル基、またはC5〜C20のヘテロアリール基であり;
Dは、−O−、−S−、−N(R)−、または−Si(R)(R’)−であり、ここで、RおよびR’は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、またはC6〜C20のアリール基であり;
Lは、C1〜C10の直鎖もしくは分枝鎖アルキレン基であり;
Bは、炭素、シリコン、またはゲルマニウムであり;
Qは、水素、ハロゲン、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C6〜C20のアリール基、C7〜C20のアルキルアリール基、またはC7〜C20のアリールアルキル基であり;
Mは、4族遷移金属であり;
X1およびX2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、ハロゲン、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C6〜C20のアリール基、ニトロ基、アミド基、C1〜C20のアルキルシリル基、C1〜C20のアルコキシ基、またはC1〜C20のスルホネート基であり;
C1およびC2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、下記化学式2a、化学式2b、または下記化学式2cのうちの1つで表され、ただし、C1およびC2が全て化学式2cの場合は除き;
【化50】
【化51】
【化52】
前記化学式2a、2bおよび2cにおいて、R1〜R17およびR1’〜R9’は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C1〜C20のアルキルシリル基、C1〜C20のシリルアルキル基、C1〜C20のアルコキシシリル基、C1〜C20のアルコキシ基、C6〜C20のアリール基、C7〜C20のアルキルアリール基、またはC7〜C20のアリールアルキル基であり、前記R10〜R17のうちの互いに隣接する2個以上が互いに連結されて置換もしくは非置換の脂肪族または芳香族環を形成してもよく;
[化学式3]
(Cp1Ra)n(Cp2Rb)M1Z13-n
前記化学式3において、
M1は、4族遷移金属であり;
Cp1およびCp2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、シクロペンタジエニル、インデニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル、およびフルオレニルラジカルからなる群より選択されたいずれか1つであり、これらは炭素数1〜20の炭化水素で置換されてもよいし;
RaおよびRbは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素、C1〜C20のアルキル、C1〜C10のアルコキシ、C2〜C20のアルコキシアルキル、C6〜C20のアリール、C6〜C10のアリールオキシ、C2〜C20のアルケニル、C7〜C40のアルキルアリール、C7〜C40のアリールアルキル、C8〜C40のアリールアルケニル、またはC2〜C10のアルキニルであり;
Z1は、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル、C2〜C10のアルケニル、C7〜C40のアルキルアリール、C7〜C40のアリールアルキル、C6〜C20のアリール、置換もしくは非置換のC1〜C20のアルキリデン、置換もしくは非置換のアミノ基、C2〜C20のアルキルアルコキシ、またはC7〜C40のアリールアルコキシであり;
nは、1または0であり;
[化学式4]
(Cp3Rc)mB1(Cp4Rd)M2Z23-m
前記化学式4において、
M2は、4族遷移金属であり;
Cp3およびCp4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、シクロペンタジエニル、インデニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル、およびフルオレニルラジカルからなる群より選択されたいずれか1つであり、これらは炭素数1〜20の炭化水素で置換されてもよいし;
RcおよびRdは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素、C1〜C20のアルキル、C1〜C10のアルコキシ、C2〜C20のアルコキシアルキル、C6〜C20のアリール、C6〜C10のアリールオキシ、C2〜C20のアルケニル、C7〜C40のアルキルアリール、C7〜C40のアリールアルキル、C8〜C40のアリールアルケニル、またはC2〜C10のアルキニルであり;
Z2は、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル、C2〜C10のアルケニル、C7〜C40のアルキルアリール、C7〜C40のアリールアルキル、C6〜C20のアリール、置換もしくは非置換のC1〜C20のアルキリデン、置換もしくは非置換のアミノ基、C2〜C20のアルキルアルコキシ、またはC7〜C40のアリールアルコキシであり;
B1は、Cp3Rc環とCp4Rd環を架橋結合させるか、1つのCp4Rd環をM2に架橋結合させる、炭素、ゲルマニウム、ケイ素、リンまたは窒素原子含有ラジカルのうちの1つ以上、またはこれらの組み合わせであり;
mは、1または0であり;
[化学式5]
(Cp5Re)B2(J)M3Z32
前記化学式5において、
M3は、4族遷移金属であり;
Cp5は、シクロペンタジエニル、インデニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル、およびフルオレニルラジカルからなる群より選択されたいずれか1つであり、これらは炭素数1〜20の炭化水素で置換されてもよいし;
Reは、水素、C1〜C20のアルキル、C1〜C10のアルコキシ、C2〜C20のアルコキシアルキル、C6〜C20のアリール、C6〜C10のアリールオキシ、C2〜C20のアルケニル、C7〜C40のアルキルアリール、C7〜C40のアリールアルキル、C8〜C40のアリールアルケニル、またはC2〜C10のアルキニルであり;
Z3は、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル、C2〜C10のアルケニル、C7〜C40のアルキルアリール、C7〜C40のアリールアルキル、C6〜C20のアリール、置換もしくは非置換のC1〜C20のアルキリデン、置換もしくは非置換のアミノ基、C2〜C20のアルキルアルコキシ、またはC7〜C40のアリールアルコキシであり;
B2は、Cp5Re環とJを架橋結合させる、炭素、ゲルマニウム、ケイ素、リンまたは窒素原子含有ラジカルのうちの1つ以上、またはこれらの組み合わせであり;
Jは、NRf、O、PRf、およびSからなる群より選択されたいずれか1つであり、前記Rfは、C1〜C20のアルキル、アリール、置換されたアルキル、または置換されたアリールである。
【請求項2】
前記化学式2a、2bおよび2cのR1〜R17およびR1’〜R9’は、それぞれ独立に、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、フェニル基、ハロゲン基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリブチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリメチルシリルメチル基、メトキシ基、またはエトキシ基である請求項1に記載の混成担持メタロセン触媒の製造方法。
【請求項3】
前記化学式1のLは、C4〜C8の直鎖もしくは分枝鎖アルキレン基である請求項1に記載の混成担持メタロセン触媒の製造方法。
【請求項4】
前記化学式1のAは、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、メトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基、1−エトキシエチル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、テトラヒドロピラニル基、またはテトラヒドロフラニル基である請求項1に記載の混成担持メタロセン触媒の製造方法。
【請求項5】
前記化学式1で表される第1メタロセン化合物は、下記構造式のうちの1つである請求項1に記載の混成担持メタロセン触媒の製造方法:
【化53】

【化54】

【化55】

【化56】

【化57】

【化58】

【化59】

【化60】

【化61】

【化62】
【請求項6】
前記化学式3で表される第2メタロセン化合物は、下記構造式のうちの1つである請求項1に記載の混成担持メタロセン触媒の製造方法:
【化63】
【化64】
【化65】
【化66】
【化67】
【請求項7】
前記化学式4で表される第2メタロセン化合物は、下記構造式のうちの1つである請求項1に記載の混成担持メタロセン触媒の製造方法:
【化68】
【化69】
【化70】
【化71】
【化72】
【請求項8】
前記化学式5で表される第2メタロセン化合物は、下記構造式のうちの1つである請求項1に記載の混成担持メタロセン触媒の製造方法:
【化73】
【化74】
【化75】
【請求項9】
前記第1助触媒化合物は、下記化学式6で表され、前記第2助触媒化合物は、下記化学式7で表される請求項1に記載の混成担持メタロセン触媒の製造方法:
[化学式6]
−[Al(R18)−O−]k−
化学式6において、R18は、それぞれ独立に、ハロゲン、ハロゲン置換もしくは非置換の炭素数1〜20のヒドロカルビル基であり、kは、2以上の整数であり、
[化学式7]
T+[BG4]-
化学式7において、T+は、+1価の多原子イオンであり、Bは、+3酸化状態のホウ素であり、Gは、それぞれ独立に、ヒドリド基、ジアルキルアミド基、ハライド基、アルコキシド基、アリールオキシド基、ヒドロカルビル基、ハロカルビル基、およびハロ−置換されたヒドロカルビル基からなる群より選択され、前記Gは、20個以下の炭素を有するが、ただし、1つ以下の位置において、Gは、ハライド基である。
【請求項10】
前記第1メタロセン化合物および第2メタロセン化合物の遷移金属対の、担体の質量比は、1:10〜1:1,000である請求項1に記載の混成担持メタロセン触媒の製造方法。
【請求項11】
前記助触媒化合物対の、担体の質量比は、1:1〜1:100である請求項1に記載の混成担持メタロセン触媒の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混成担持メタロセン触媒の製造方法に関する。より詳細には、オレフィン系重合体の製造に使用できる混成担持メタロセン触媒の製造方法に関する。
【0002】
本出願は、2013年10月18日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2013−0124517号、および2014年10月14日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2014−0138347号の出願日の利益を主張し、その内容の全ては本明細書に含まれる。
【背景技術】
【0003】
オレフィン重合触媒系は、チーグラーナッタおよびメタロセン触媒系に分類することができ、これら2つの高活性触媒系はそれぞれの特徴に合わせて発展してきた。チーグラーナッタ触媒は、1950年代に発明されて以来、既存の商業プロセスに幅広く適用されてきたが、活性点が多数混在する多活性点触媒(multi site catalyst)であるため、重合体の分子量分布が広いことが特徴であり、共単量体の組成分布が均一でなく、所望の物性確保に限界がある問題がある。
【0004】
一方、メタロセン触媒は、遷移金属化合物が主成分の主触媒と、アルミニウムが主成分の有機金属化合物である助触媒との組み合わせからなり、このような触媒は、均一系錯体触媒で単一活性点触媒(single site catalyst)であり、単一活性点特性により分子量分布が狭く、共単量体の組成分布が均一な高分子が得られ、触媒のリガンド構造の変形および重合条件の変更により、高分子の立体規則度、共重合特性、分子量、結晶化度などを変化させられる特性を持っている。
【0005】
米国特許第5,032,562号(特許文献1)には、2つの相異なる遷移金属触媒を1つの担持触媒上に支持させて、重合触媒を製造する方法が記載されている。これは、高分子量を生成するチタニウム(Ti)系のチーグラー・ナッタ触媒と低分子量を生成するジルコニウム(Zr)系のメタロセン触媒とを1つの支持体に担持させて、二峰分布(bimodal distribution)高分子を生成する方法であって、担持過程が複雑で、助触媒によって重合体の形状(morphology)が悪くなるという欠点がある。
【0006】
米国特許第5,525,678号(特許文献2)には、メタロセン化合物と非メタロセン化合物を担体上に同時に担持させて、高分子量の重合体と低分子量の重合体が同時に重合できるオレフィン重合用触媒系を用いる方法を記載している。これは、メタロセン化合物と非メタロセン化合物をそれぞれ別途に担持させなければならず、担持反応のために担体を様々な化合物で前処理しなければならないという欠点がある。
【0007】
米国特許第5,914,289号(特許文献3)には、それぞれの担体に担持されたメタロセン触媒を用いて高分子の分子量および分子量分布を制御する方法が記載されているが、担持触媒の製造時に使用された溶媒の量および製造時間が多くかかり、使用されるメタロセン触媒を担体にそれぞれ担持させなければならない煩わしさが伴った。
【0008】
大韓民国特許出願第2003−12308号(特許文献4)には、担体に二重核メタロセン触媒と単一核メタロセン触媒を活性化剤と共に担持して、反応器内の触媒の組み合わせを変化させて重合することにより、分子量分布を制御する方法を開示している。しかし、このような方法は、それぞれの触媒の特性を同時に実現するのに限界があり、また、完成した触媒の担体成分からメタロセン触媒部分が遊離して、反応器にファウリング(fouling)を誘発するという欠点がある。
【0009】
したがって、の欠点を解決するために、簡便に活性に優れた混成担持メタロセン触媒を製造して、所望の物性のオレフィン系重合体を製造する方法への要求が続いている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第5,032,562号明細書
【特許文献2】米国特許第5,525,678号明細書
【特許文献3】米国特許第5,914,289号明細書
【特許文献4】韓国公開特許第2003−12308号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
の従来技術の問題を解決するために、本発明は、活性に優れ、高分子量および所望の物性を有するオレフィン系重合体を製造できる混成担持メタロセン触媒の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで、本発明は、
担体に第1助触媒化合物を担持させる段階と、
前記第1助触媒化合物が担持された担体に、下記化学式1で表される第1メタロセン化合物1種以上、および下記化学式3〜5で表される化合物の中から選択される第2メタロセン化合物1種以上を担持させる段階と、
前記第1助触媒化合物、第1メタロセン化合物、および第2メタロセン化合物が担持された担体に、第2助触媒化合物を担持させる段階とを含む混成担持メタロセン触媒の製造方法を提供する。
【0013】
【化1】
【0014】
[化学式3]
(Cp1Ra)n(Cp2Rb)M1Z13-n
[化学式4]
(Cp3Rc)mB1(Cp4Rd)M2Z23-m
[化学式5]
(Cp5Re)B2(J)M3Z32
前記化学式1、3、4および5については、下記で詳細に説明する。
【発明の効果】
【0015】
本発明の製造方法により得られた混成担持メタロセン触媒は、互いに異なる2種以上のメタロセン化合物を含み、特に、1種のメタロセン化合物は、インデノインドール(indeno indole)誘導体および/またはフルオレン(fluorene)誘導体がブリッジによって架橋された構造を形成したリガンド化合物を用いることによって、担持の際にも高い重合活性を示して、活性に優れ、超高分子量のオレフィン系重合体の重合に使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、発明の具体的な混成担持メタロセン触媒の製造方法について説明する。
【0017】
本発明に係る混成担持メタロセン触媒の製造方法は、
担体に第1助触媒化合物を担持させる段階と、
前記第1助触媒化合物が担持された担体に、下記化学式1で表される第1メタロセン化合物1種以上、および下記化学式3〜5で表される化合物の中から選択される第2メタロセン化合物1種以上を担持させる段階と、
前記第1助触媒化合物、第1メタロセン化合物、および第2メタロセン化合物が担持された担体に、第2助触媒化合物を担持させる段階とを含む。
【0018】
【化2】
【0019】
前記化学式1において、
Aは、水素、ハロゲン、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C6〜C20のアリール基、C7〜C20のアルキルアリール基、C7〜C20のアリールアルキル基、C1〜C20のアルコキシ基、C2〜C20のアルコキシアルキル基、C3〜C20のヘテロシクロアルキル基、またはC5〜C20のヘテロアリール基であり;
Dは、−O−、−S−、−N(R)−、または−Si(R)(R’)−であり、ここで、RおよびR’は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、またはC6〜C20のアリール基であり;
Lは、C1〜C10の直鎖もしくは分枝鎖アルキレン基であり;
Bは、炭素、シリコン、またはゲルマニウムであり;
Qは、水素、ハロゲン、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C6〜C20のアリール基、C7〜C20のアルキルアリール基、またはC7〜C20のアリールアルキル基であり;
Mは、4族遷移金属であり;
X1およびX2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、ハロゲン、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C6〜C20のアリール基、ニトロ基、アミド基、C1〜C20のアルキルシリル基、C1〜C20のアルコキシ基、またはC1〜C20のスルホネート基であり;
C1およびC2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、下記化学式2a、化学式2b、または下記化学式2cのうちの1つで表され、ただし、C1およびC2が全て化学式2cの場合は除き;
【0020】
【化3】
【0021】
【化4】
【0022】
【化5】
【0023】
前記化学式2a、2bおよび2cにおいて、R1〜R17およびR1’〜R9’は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、C1〜C20のアルキルシリル基、C1〜C20のシリルアルキル基、C1〜C20のアルコキシシリル基、C1〜C20のアルコキシ基、C6〜C20のアリール基、C7〜C20のアルキルアリール基、またはC7〜C20のアリールアルキル基であり、前記R10〜R17のうちの互いに隣接する2個以上が互いに連結されて置換もしくは非置換の脂肪族または芳香族環を形成してもよく;
【0024】
【化6】
【0025】
前記化学式3において、
M1は、4族遷移金属であり;
Cp1およびCp2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、シクロペンタジエニル、インデニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル、およびフルオレニルラジカルからなる群より選択されたいずれか1つであり、これらは炭素数1〜20の炭化水素で置換されてもよいし;
RaおよびRbは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素、C1〜C20のアルキル、C1〜C10のアルコキシ、C2〜C20のアルコキシアルキル、C6〜C20のアリール、C6〜C10のアリールオキシ、C2〜C20のアルケニル、C7〜C40のアルキルアリール、C7〜C40のアリールアルキル、C8〜C40のアリールアルケニル、またはC2〜C10のアルキニルであり;
Z1は、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル、C2〜C10のアルケニル、C7〜C40のアルキルアリール、C7〜C40のアリールアルキル、C6〜C20のアリール、置換もしくは非置換のC1〜C20のアルキリデン、置換もしくは非置換のアミノ基、C2〜C20のアルキルアルコキシ、またはC7〜C40のアリールアルコキシであり;
nは、1または0であり;
【0026】
【化7】
【0027】
前記化学式4において、
M2は、4族遷移金属であり;
Cp3およびCp4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、シクロペンタジエニル、インデニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル、およびフルオレニルラジカルからなる群より選択されたいずれか1つであり、これらは炭素数1〜20の炭化水素で置換されてもよいし;
RcおよびRdは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素、C1〜C20のアルキル、C1〜C10のアルコキシ、C2〜C20のアルコキシアルキル、C6〜C20のアリール、C6〜C10のアリールオキシ、C2〜C20のアルケニル、C7〜C40のアルキルアリール、C7〜C40のアリールアルキル、C8〜C40のアリールアルケニル、またはC2〜C10のアルキニルであり;
Z2は、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル、C2〜C10のアルケニル、C7〜C40のアルキルアリール、C7〜C40のアリールアルキル、C6〜C20のアリール、置換もしくは非置換のC1〜C20のアルキリデン、置換もしくは非置換のアミノ基、C2〜C20のアルキルアルコキシ、またはC7〜C40のアリールアルコキシであり;
B1は、Cp3Rc環とCp4Rd環を架橋結合させるか、1つのCp4Rd環をM2に架橋結合させる、炭素、ゲルマニウム、ケイ素、リンまたは窒素原子含有ラジカルのうちの1つ以上、またはこれらの組み合わせであり;
mは、1または0であり;
【0028】
【化8】
【0029】
前記化学式5において、
M3は、4族遷移金属であり;
Cp5は、シクロペンタジエニル、インデニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル、およびフルオレニルラジカルからなる群より選択されたいずれか1つであり、これらは炭素数1〜20の炭化水素で置換されてもよいし;
Reは、水素、C1〜C20のアルキル、C1〜C10のアルコキシ、C2〜C20のアルコキシアルキル、C6〜C20のアリール、C6〜C10のアリールオキシ、C2〜C20のアルケニル、C7〜C40のアルキルアリール、C7〜C40のアリールアルキル、C8〜C40のアリールアルケニル、またはC2〜C10のアルキニルであり;
Z3は、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル、C2〜C10のアルケニル、C7〜C40のアルキルアリール、C7〜C40のアリールアルキル、C6〜C20のアリール、置換もしくは非置換のC1〜C20のアルキリデン、置換もしくは非置換のアミノ基、C2〜C20のアルキルアルコキシ、またはC7〜C40のアリールアルコキシであり;
B2は、Cp5Re環とJを架橋結合させる、炭素、ゲルマニウム、ケイ素、リンまたは窒素原子含有ラジカルのうちの1つ以上、またはこれらの組み合わせであり;
Jは、NRf、O、PRf、およびSからなる群より選択されたいずれか1つであり、前記Rfは、C1〜C20のアルキル、アリール、置換されたアルキル、または置換されたアリールである。
【0030】
本発明に係る混成担持メタロセン触媒において、前記化学式1、3、4および5の置換基をより具体的に説明すれば下記の通りである。
【0031】
前記C1〜C20のアルキル基としては、直鎖もしくは分枝鎖のアルキル基を含み、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基などが挙げられるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0032】
前記C2〜C20のアルケニル基としては、直鎖もしくは分枝鎖のアルケニル基を含み、具体的には、アリル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基などが挙げられるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0033】
前記C6〜C20のアリール基としては、単環もしくは縮合環のアリール基を含み、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントレニル基、フルオレニル基などが挙げられるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0034】
前記C5〜C20のヘテロアリール基としては、単環もしくは縮合環のヘテロアリール基を含み、カルバゾリル基、ピリジル基、キノリン基、イソキノリン基、チオフェニル基、フラニル基、イミダゾール基、オキサゾリル基、チアゾリル基、トリアジン基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基などが挙げられるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0035】
前記C1〜C20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、フェニルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基などが挙げられるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0036】
前記4族遷移金属としては、チタニウム、ジルコニウム、ハフニウムなどが挙げられるが、これらにのみ限定されるものではない。
【0037】
本発明に係る混成担持メタロセン触媒の製造方法において、前記化学式2a、2bおよび2cのR1〜R17およびR1’〜R9’は、それぞれ独立に、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、フェニル基、ハロゲン基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリブチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリメチルシリルメチル基、メトキシ基、またはエトキシ基であることがより好ましいが、これらにのみ限定されるものではない。
【0038】
前記化学式1のLは、C4〜C8の直鎖もしくは分枝鎖アルキレン基であることがより好ましいが、これにのみ限定されるものではない。また、前記アルキレン基は、C1〜C20のアルキル基、C2〜C20のアルケニル基、またはC6〜C20のアリール基で置換もしくは非置換であってもよい。
【0039】
また、前記化学式1のAは、水素、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、メトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基、1−エトキシエチル基、1−メチル−1−メトキシエチル基、テトラヒドロピラニル基、またはテトラヒドロフラニル基であることが好ましいが、これらにのみ限定されるものではない。
【0040】
さらに、前記化学式1のBは、シリコンであることが好ましいが、これにのみ限定されるものではない。
【0041】
前記化学式1の第1メタロセン化合物は、インデノインドール(indeno indole)誘導体および/またはフルオレン(fluorene)誘導体がブリッジによって架橋された構造を形成し、リガンド構造にルイス塩基として作用し得る非共有電子対を有することによって、担体のルイス酸特性を有する表面に担持され、担持の際にも高い重合活性を示す。また、電子的に豊富なインデノインドール基および/またはフルオレン基を含むことによって、活性が高く、適切な立体障害とリガンドの電子的な効果によって水素反応性が低いだけでなく、水素が存在する状況においても高い活性が維持される。さらに、インデノインドール誘導体の窒素原子が成長する高分子鎖のbeta−hydrogenを水素結合によって安定化させ、beta−hydrogen eliminationを抑制して、超高分子量のオレフィン系重合体を重合することができる。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、前記化学式2aで表される化合物の具体例としては、下記構造式のうちの1つで表される化合物が挙げられるが、本発明がこれにのみ限定されるものではない。
【0043】
【化9】
【0044】
【化10】
【0045】
【化11】
【0046】
【化12】
【0047】
本発明の一実施形態によれば、前記化学式2bで表される化合物の具体例としては、下記構造式のうちの1つで表される化合物が挙げられるが、本発明がこれにのみ限定されるものではない。
【0048】
【化13】
【0049】
【化14】
【0050】
【化15】
【0051】
【化16】
【0052】
【化17】
【0053】
本発明の一実施形態によれば、前記化学式2cで表される化合物の具体例としては、下記構造式のうちの1つで表される化合物が挙げられるが、本発明がこれにのみ限定されるものではない。
【0054】
【化18】
【0055】
本発明の一実施形態によれば、前記化学式1で表される第1メタロセン化合物の具体例としては、下記構造式のうちの1つで表される化合物が挙げられるが、これにのみ限定されるものではない。
【0056】
【化19】
【0057】
【化20】
【0058】
【化21】
【0059】
【化22】
【0060】
【化23】
【0061】
【化24】
【0062】
【化25】
【0063】
【化26】
【0064】
【化27】
【0065】
【化28】
【0066】
前記化学式1の第1メタロセン化合物は、活性に優れ、高分子量のオレフィン系重合体を重合することができる。特に、担体に担持して使用する場合にも、高い重合活性を示して、超高分子量のポリオレフィン系重合体を製造することができる。
【0067】
また、高分子量と同時に、広い分子量分布を有するオレフィン系重合体を製造するために、水素を含めて重合反応を進行させる場合にも、本発明に係る化学式1の第1メタロセン化合物は、低い水素反応性を示して、依然として高い活性で超高分子量のオレフィン系重合体の重合が可能である。したがって、異なる特性を有する触媒と混成で使用する場合にも、活性の低下なく高分子量の特性を満足させるオレフィン系重合体を製造することができて、高分子のオレフィン系重合体を含み、かつ、広い分子量分布を有するオレフィン系重合体を容易に製造することができる。
【0068】
前記化学式1の第1メタロセン化合物は、インデノインドール誘導体および/またはフルオレン誘導体をブリッジ化合物で連結してリガンド化合物として製造した後、金属前駆体化合物を投入してメタレーション(metallation)を行うことによって得られる。前記第1メタロセン化合物の製造方法は、後述する実施例に具体化して説明する。
【0069】
本発明の混成担持メタロセン触媒の製造方法において、前記第2メタロセン化合物は、下記化学式3〜5で表される化合物の中から選択される1種以上であってもよい。
【0070】
【化29】
【0071】
前記化学式3において、
M1は、4族遷移金属であり;
Cp1およびCp2は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、シクロペンタジエニル、インデニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル、およびフルオレニルラジカルからなる群より選択されたいずれか1つであり、これらは炭素数1〜20の炭化水素で置換されてもよいし;
RaおよびRbは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素、C1〜C20のアルキル、C1〜C10のアルコキシ、C2〜C20のアルコキシアルキル、C6〜C20のアリール、C6〜C10のアリールオキシ、C2〜C20のアルケニル、C7〜C40のアルキルアリール、C7〜C40のアリールアルキル、C8〜C40のアリールアルケニル、またはC2〜C10のアルキニルであり;
Z1は、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル、C2〜C10のアルケニル、C7〜C40のアルキルアリール、C7〜C40のアリールアルキル、C6〜C20のアリール、置換もしくは非置換のC1〜C20のアルキリデン、置換もしくは非置換のアミノ基、C2〜C20のアルキルアルコキシ、またはC7〜C40のアリールアルコキシであり;
nは、1または0であり;
【0072】
【化30】
【0073】
前記化学式4において、
M2は、4族遷移金属であり;
Cp3およびCp4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、シクロペンタジエニル、インデニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル、およびフルオレニルラジカルからなる群より選択されたいずれか1つであり、これらは炭素数1〜20の炭化水素で置換されてもよいし;
RcおよびRdは、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素、C1〜C20のアルキル、C1〜C10のアルコキシ、C2〜C20のアルコキシアルキル、C6〜C20のアリール、C6〜C10のアリールオキシ、C2〜C20のアルケニル、C7〜C40のアルキルアリール、C7〜C40のアリールアルキル、C8〜C40のアリールアルケニル、またはC2〜C10のアルキニルであり;
Z2は、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル、C2〜C10のアルケニル、C7〜C40のアルキルアリール、C7〜C40のアリールアルキル、C6〜C20のアリール、置換もしくは非置換のC1〜C20のアルキリデン、置換もしくは非置換のアミノ基、C2〜C20のアルキルアルコキシ、またはC7〜C40のアリールアルコキシであり;
B1は、Cp3Rc環とCp4Rd環を架橋結合させるか、1つのCp4Rd環をM2に架橋結合させる、炭素、ゲルマニウム、ケイ素、リンまたは窒素原子含有ラジカルのうちの1つ以上、またはこれらの組み合わせであり;
mは、1または0であり;
【0074】
【化31】
【0075】
前記化学式5において、
M3は、4族遷移金属であり;
Cp5は、シクロペンタジエニル、インデニル、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル、およびフルオレニルラジカルからなる群より選択されたいずれか1つであり、これらは炭素数1〜20の炭化水素で置換されてもよいし;
Reは、水素、C1〜C20のアルキル、C1〜C10のアルコキシ、C2〜C20のアルコキシアルキル、C6〜C20のアリール、C6〜C10のアリールオキシ、C2〜C20のアルケニル、C7〜C40のアルキルアリール、C7〜C40のアリールアルキル、C8〜C40のアリールアルケニル、またはC2〜C10のアルキニルであり;
Z3は、ハロゲン原子、C1〜C20のアルキル、C2〜C10のアルケニル、C7〜C40のアルキルアリール、C7〜C40のアリールアルキル、C6〜C20のアリール、置換もしくは非置換のC1〜C20のアルキリデン、置換もしくは非置換のアミノ基、C2〜C20のアルキルアルコキシ、またはC7〜C40のアリールアルコキシであり;
B2は、Cp5Re環とJを架橋結合させる、炭素、ゲルマニウム、ケイ素、リンまたは窒素原子含有ラジカルのうちの1つ以上、またはこれらの組み合わせであり;
Jは、NRf、O、PRf、およびSからなる群より選択されたいずれか1つであり、前記Rfは、C1〜C20のアルキル、アリール、置換されたアルキル、または置換されたアリールである。
【0076】
前記化学式4において、mが1の場合は、Cp3Rc環とCp4Rd環、またはCp4Rd環とM2がB1によって架橋結合されたブリッジ化合物構造であることを意味し、mが0の場合は、非架橋化合物構造を意味する。
【0077】
前記化学式3で表される化合物としては、例えば、下記構造式のうちの1つで表される化合物であってもよいが、これにのみ限定されるものではない。
【0078】
【化32】
【0079】
【化33】
【0080】
【化34】
【0081】
【化35】
【0082】
【化36】
【0083】
前記化学式4で表される化合物としては、例えば、下記構造式のうちの1つで表される化合物であってもよいが、これにのみ限定されるものではない。
【0084】
【化37】
【0085】
【化38】
【0086】
【化39】
【0087】
【化40】
【0088】
【化41】
【0089】
また、化学式5で表される化合物としては、例えば、下記構造式で表される化合物であってもよいが、これにのみ限定されるものではない。
【0090】
【化42】
【0091】
【化43】
【0092】
【化44】
【0093】
前記混成担持メタロセン触媒は、前記化学式1で表される第1メタロセン化合物の1種以上と、前記化学式3〜化学式5で表される化合物の中から選択される第2メタロセン化合物の1種以上とを、助触媒化合物と共に、担体に混成担持したものである。
【0094】
前記混成担持メタロセン触媒の化学式1で表される第1メタロセン化合物は、主に高いSCB(short chain branch)含有量を有する高分子量の共重合体を作るのに寄与し、化学式3で表される第2メタロセン化合物は、主に低いSCB含有量を有する低分子量の共重合体を作るのに寄与することができる。また、化学式4または5で表される第2メタロセン化合物は、中間程度のSCB含有量を有する低分子量の共重合体を作るのに寄与することができる。
【0095】
本発明の一実施形態によれば、前記混成担持メタロセン触媒は、化学式1の第1メタロセン化合物1種以上と、化学式3の第2メタロセン化合物1種以上とを含むことができる。
【0096】
本発明の他の実施形態によれば、前記混成担持メタロセン触媒は、化学式1の第1メタロセン化合物1種以上と、化学式3の第2メタロセン化合物1種以上とに加えて、化学式4または化学式5の第2メタロセン化合物を1種以上含むことができる。
【0097】
本発明に係る混成担持メタロセン触媒の製造方法において、前記第1メタロセン化合物は、インデノインドール誘導体とフルオレン誘導体とがブリッジ化合物によって架橋されたリガンド構造を形成し、リガンド構造にルイス塩基として作用し得る非共有電子対を有することによって、担体のルイス酸特性を有する表面に担持され、担持の際にも高い重合活性を示す。また、電子的に豊富なインデノインドール基および/またはフルオレン基を含むことによって、活性が高く、適切な立体障害とリガンドの電子的な効果によって水素反応性が低いだけでなく、水素が存在する状況においても高い活性が維持される。したがって、このような遷移金属化合物を用いて混成担持メタロセン触媒を作る場合、インデノインドール誘導体の窒素原子が成長する高分子鎖のベータ−水素を水素結合によって安定化させ、超高分子量のオレフィン系重合体を重合することができる。
【0098】
また、発明の製造方法により得られた混成担持メタロセン触媒では、前記化学式1で表される第1メタロセン化合物、および前記化学式3〜5で表される第2メタロセン化合物を含み、互いに異なる種類のメタロセン化合物を少なくとも2種以上含むことによって、高いSCB含有量を有する高分子量のオレフィン系共重合体であり、同時に、分子量分布が広くて物性に優れるだけでなく、加工性にも優れるオレフィン重合体を製造することができる。
【0099】
本発明に係る混成担持メタロセン触媒の製造方法において、前記メタロセン化合物を活性化するために、担体に共に担持される助触媒としては、13族金属を含む有機金属化合物であって、一般的なメタロセン触媒下でオレフィンを重合する時に使用できるものであれば特に限定されるものではない。
【0100】
具体的には、前記助触媒化合物は、下記化学式6のアルミニウム含有第1助触媒、および下記化学式7のボレート系第2助触媒のうちの1つ以上を含むことができる。
【0101】
【化45】
【0102】
化学式6において、R18は、それぞれ独立に、ハロゲン、ハロゲン置換もしくは非置換の炭素数1〜20のヒドロカルビル基であり、kは、2以上の整数であり、
【0103】
【化46】
【0104】
化学式7において、T+は、+1価の多原子イオンであり、Bは、+3酸化状態のホウ素であり、Gは、それぞれ独立に、ヒドリド基、ジアルキルアミド基、ハライド基、アルコキシド基、アリールオキシド基、ヒドロカルビル基、ハロカルビル基、およびハロ−置換されたヒドロカルビル基からなる群より選択され、前記Gは、20個以下の炭素を有するが、ただし、1つ以下の位置において、Gは、ハライド基である。
【0105】
このような第1および第2助触媒の使用によって、最終製造されたポリオレフィンの分子量分布がより均一になり、かつ、重合活性が向上できる。
【0106】
前記化学式6の第1助触媒は、線状、円形、または網状形に繰り返し単位が結合されたアルキルアルミノキサン系化合物になってもよく、このような第1助触媒の具体例としては、メチルアルミノキサン(MAO)、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、またはブチルアルミノキサンなどが挙げられる。
【0107】
また、前記化学式7の第2助触媒は、三置換されたアンモニウム塩、またはジアルキルアンモニウム塩、三置換されたホスホニウム塩形態のボレート系化合物になってもよい。このような第2助触媒の具体例としては、トリメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、メチルジオクタデシルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルボレート、メチルテトラジシクロオクタデシルアンモニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N−ジメチル(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルジテトラデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフェニル)ボレート、メチルジオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウム、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(2級−ブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチル(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、ジメチル(t−ブチル)アンモニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、またはN,N−ジメチル−(2,4,6−トリメチルアニリニウム)テトラキス−(2,3,4,6−テトラフルオロフェニル)ボレートなどの三置換されたアンモニウム塩形態のボレート系化合物;ジオクタデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジテトラデシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、またはジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどのジアルキルアンモニウム塩形態のボレート系化合物;またはトリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、メチルジオクタデシルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、またはトリ(2,6−ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどの三置換されたホスホニウム塩形態のボレート系化合物などが挙げられる。
【0108】
上述のような混成担持メタロセン触媒は、担体に第1助触媒化合物を担持させる段階と、前記第1助触媒化合物が担持された担体に、下記化学式1で表される第1メタロセン化合物1種以上、および下記化学式3〜5で表される化合物の中から選択される第2メタロセン化合物1種以上を担持させる段階と、前記第1助触媒化合物、第1メタロセン化合物、および第2メタロセン化合物が担持された担体に、第2助触媒化合物を担持させる段階とで製造される。
【0109】
つまり、用意された担体に、まず、化学式6で表される第1助触媒化合物を担持する。次に、前記第1助触媒化合物が担持された担体に、第1メタロセン化合物および第2メタロセン化合物を担持する。この時、前記第1および第2メタロセン化合物の間の担持順序は制限されず、第1メタロセン化合物を先に担持させたり、第2メタロセン化合物を先に担持させてもよい。次に、前記第1助触媒化合物、第1メタロセン化合物、および第2メタロセン化合物が全て担持された担体に、最後に化学式7で表される第2助触媒化合物を担持する。
【0110】
前記のように、第1助触媒化合物→第1および第2メタロセン化合物→第2助触媒化合物に順次に担持することによって、先に担持した第1助触媒化合物が担体表面のヒドロキシグループと予め反応し、水分および触媒異物のような不純物に対するスカベンジャー(scavenger)の役割を果たすことによって、均一な触媒の製造に役立てる。そのため、前記第1助触媒化合物の担持後に担持する第1および第2メタロセン触媒が不活性化する可能性が減少して、高活性の担持触媒を製造することができる。
【0111】
本発明に係る混成担持メタロセン触媒の製造方法において、化学式1で表される第1メタロセン化合物、および化学式3〜5で表される第2メタロセン化合物に含まれる全体遷移金属対の、担体の質量比は、1:10〜1:1,000であってもよい。前記質量比で担体およびメタロセン化合物を含む時、最適な形状を示すことができる。
【0112】
また、助触媒化合物対の、担体の質量比は、1:1〜1:100であってもよい。さらに、化学式1で表される第1メタロセン化合物対の、化学式3〜5で表される第2メタロセン化合物の質量比は、10:1〜1:10、好ましくは5:1〜1:5であってもよい。前記質量比で助触媒およびメタロセン化合物を含む時、活性および高分子の微細構造を最適化することができる。
【0113】
本発明に係る混成担持メタロセン触媒の製造方法において、前記担体としては、表面にヒドロキシ基を含有する担体を使用でき、好ましくは、乾燥して表面に水分が除去された、反応性が高いヒドロキシ基とシロキサン基を有する担体を使用できる。
【0114】
例えば、高温で乾燥したシリカ、シリカ−アルミナ、およびシリカ−マグネシアなどが使用でき、これらは通常Na2O、K2CO3、BaSO4、およびMg(NO3)2などの酸化物、炭酸塩、硫酸塩、および硝酸塩成分を含有することができる。
【0115】
前記担体の乾燥温度は、200〜800℃が好ましく、300〜600℃がより好ましく、300〜400℃が最も好ましい。前記担体の乾燥温度が200℃未満の場合、水分が多すぎて表面の水分と助触媒が反応し、800℃を超える場合には、担体表面の気孔が合わされるにつれて表面積が減少し、また、表面にヒドロキシ基が多く無くなり、シロキサン基だけが残るようになって、助触媒との反応サイトが減少するので好ましくない。
【0116】
前記担体表面のヒドロキシ基の量は、0.1〜10mmol/gが好ましく、0.5〜5mmol/gの時により好ましい。前記担体表面にあるヒドロキシ基の量は、担体の製造方法および条件または乾燥条件、例えば、温度、時間、真空、またはスプレー乾燥などによって調節することができる。
【0117】
前記ヒドロキシ基の量が0.1mmol/g未満であれば、助触媒との反応サイトが少なく、10mmol/gを超えると、担体粒子の表面に存在するヒドロキシ基のほか、水分に起因したものの可能性があるので好ましくない。
【0118】
本発明の製造方法により得られた混成担持メタロセン触媒は、それ自体としてオレフィン系単量体の重合に使用できる。また、本発明に係る混成担持メタロセン触媒は、オレフィン系単量体と接触反応して、予備重合された触媒に製造して使用してもよいし、例えば、触媒を別途にエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテンなどのようなオレフィン系単量体と接触させて、予備重合された触媒に製造して使用してもよい。
【0119】
本発明に係る混成担持メタロセン触媒の製造方法において、前記第1メタロセン化合物を担持させる段階、および前記第2メタロセン化合物を担持させる段階の順序は、必要に応じて変化可能である。つまり、前記第1メタロセン化合物を担体に先に担持させた後、前記第2メタロセン化合物を追加的に担持して混成担持メタロセン触媒を製造したり、または前記第2メタロセン化合物を担体に先に担持させた後、前記第1メタロセン化合物を追加的に担持して混成担持メタロセン触媒を製造することもできる。
【0120】
このような混成担持メタロセン触媒の製造時、温度は約0〜約100℃、圧力は常圧の条件で行うことができるが、これに限定されるものではない。このような本発明の製造方法により得られた混成担持メタロセン触媒の存在下でオレフィン系単量体を重合することによって、オレフィン系重合体を製造することができる。
【0121】
前記オレフィン系単量体は、エチレン、アルファ−オレフィン、サイクリックオレフィン、二重結合を2個以上有するジエンオレフィン、またはトリエンオレフィンであってもよい。
【0122】
前記オレフィン系単量体の具体例として、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−アイトセン、ノルボルネン、ノルボルナジエン、エチリデンノルボルネン、フェニルノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,4−ブタジエン、1,5−ペンタジエン、1,6−ヘキサジエン、スチレン、アルファ−メチルスチレン、ジビニルベンゼン、3−クロロメチルスチレンなどが挙げられ、これらの単量体を2種以上混合して共重合することもできる。
【0123】
前記重合反応は、1つの連続式スラリー重合反応器、ループスラリー反応器、気相反応器、または溶液反応器を用いて、1つのオレフィン系単量体でホモ重合したり、または2種以上の単量体で共重合して進行させることができる。
【0124】
前記混成担持メタロセン触媒は、炭素数5〜12の脂肪族炭化水素溶媒、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、デカン、およびこれらの異性体と、トルエン、ベンゼンのような芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、クロロベンゼンのような塩素原子で置換された炭化水素溶媒などに溶解または希釈して注入することができる。これに使用される溶媒は、少量のアルキルアルミニウム処理することによって、触媒毒として作用する少量の水または空気などを除去して使用することが好ましく、助触媒をさらに使用して実施することも可能である。
【0125】
本発明の製造方法により得られた混成担持メタロセン触媒を用いてオレフィン系重合体を製造する場合、低分子量部分のSCB含有量が低く、高分子量部分のSCB含有量が高いBOCD構造の広い分子量分布を有するオレフィン系重合体を製造することができる。前記オレフィン系重合体は、物性に優れるだけでなく、加工性にも優れる効果がある。
【0126】
例えば、本発明の製造方法により得られた混成担持メタロセン触媒を用いて製造されたオレフィン系重合体は、約30万以上または約35万以上の高い重量平均分子量を示すことができる。
【0127】
約3.0〜約8.0、好ましくは約4.0〜約8.0、より好ましくは5.0〜約8.0の広い分子量分布(PDI)を示して、優れた加工性を示すことができる。
【0128】
以下、本発明の実施例を通じて本発明について詳細に説明する。しかし、本発明の実施例は様々な形態に変形可能であり、本発明の範囲が以下に詳述する実施例によって限定される式で解釈されてはならない。
【0129】
<実施例>
第1メタロセン化合物の製造実施例
製造例1
【0130】
【化47】
【0131】
1−1リガンド化合物の製造
fluorene2gを5mL MTBE、hexane100mLに溶かして、2.5M n−BuLi hexane solution5.5mLをdry ice/acetone bathで滴加して、常温で一晩撹拌した。(6−(tert−butoxy)hexyl)dichloro(methyl)silane3.6gをヘキサン(hexane)50mLに溶かして、dry ice/acetone bath下でfluorene−Liスラリーを30分間transferして、常温で一晩撹拌した。これと同時に、5,8−dimethyl−5,10−dihydroindeno[1,2−b]indole(12mmol、2.8g)もTHF60mLに溶かして、2.5M n−BuLi hexane solution5.5mLをdry ice/acetone bathで滴加して、常温で一晩撹拌した。fluoreneと(6−(tert−butoxy)hexyl)dichloro(methyl)silaneとの反応溶液をNMRサンプリングして反応完了を確認した後、5,8−dimethyl−5,10−dihydroindeno[1,2−b]indole−Li solutionをdry ice/acetone bath下でtransferした。常温で一晩撹拌した。反応後、ether/waterで抽出(extraction)して、有機層の残留水分をMgSO4で除去後、リガンド化合物(Mw597.90、12mmol)を得ており、異性体(isomer)2つが生成されたことを1H−NMRで確認することができた。
【0132】
1H NMR(500MHz,d6−benzene):−0.30〜−0.18(3H,d),0.40(2H,m),0.65〜1.45(8H,m),1.12(9H,d),2.36〜2.40(3H,d),3.17(2H,m),3.41〜3.43(3H,d),4.17〜4.21(1H,d),4.34〜4.38(1H,d),6.90〜7.80(15H,m)。
【0133】
1−2メタロセン化合物の製造
前記1−1で合成したリガンド化合物7.2g(12mmol)をdiethylether50mLに溶かして、2.5M n−BuLi hexane solution11.5mLをdry ice/acetone bathで滴加して、常温で一晩撹拌した。真空乾燥して、褐色(brown color)のsticky oilを得た。トルエンに溶かしてスラリーを得た。ZrCl4(THF)2を用意し、トルエン50mLを入れてスラリーとして用意した。ZrCl4(THF)2の50mLトルエンスラリーをdry ice/acetone bathでtransferした。常温で一晩撹拌することによって、紫色(violet color)に変化した。反応溶液をフィルターしてLiClを除去した。ろ過液(filtrate)のトルエンを真空乾燥して除去した後、ヘキサンを入れて1時間sonicationした。スラリーをフィルターして、ろ過した固体(filtered solid)である濃紫色(dark violet)のメタロセン化合物6g(Mw758.02、7.92mmol、yield66mol%)を得た。1H−NMR上で2つのisomerが観察された。
【0134】
1H NMR(500MHz,CDCl3):1.19(9H,d),1.71(3H,d),1.50〜1.70(4H,m),1.79(2H,m),1.98〜2.19(4H,m),2.58(3H,s),3.38(2H,m),3.91(3H,d),6.66〜7.88(15H,m)。
【0135】
製造例2
【0136】
【化48】
【0137】
2−1リガンド化合物の製造
250mLのflaskに、5−methyl−5,10−dihydroindeno[1,2−b]indole2.63g(12mmol)を入れてTHF50mLに溶かした後、2.5M n−BuLi hexane solution6mLをdry ice/acetone bathで滴加して、常温で一晩撹拌した。他の250mLのflaskに、(6−(tert−butoxy)hexyl)dichloro(methyl)silane1.62g(6mmol)をhexane100mLに溶かして用意した後、dry ice/acetone bath下で5−methyl−5,10−dihydroindeno[1,2−b]indoleのlithiated solutionにゆっくり滴加して、常温で一晩撹拌した。反応後、ether/waterで抽出して有機層の残留水分をMgSO4で除去後、真空乾燥してリガンド化合物3.82g(6mmol)を得ており、これを1H−NMRで確認した。
【0138】
1H NMR(500MHz,CDCl3):−0.33(3H,m),0.86〜1.53(10H,m),1.16(9H,d),3.18(2H,m),4.07(3H,d),4.12(3H,d),4.17(1H,d),4.25(1H,d),6.95〜7.92(16H,m)。
【0139】
2−2メタロセン化合物の製造
前記2−1で合成したリガンド化合物3.82g(6mmol)をtoluene100mLとMTBE5mLに溶かした後、2.5M n−BuLi hexane solution5.6mL(14mmol)をdry ice/acetone bathで滴加して、常温で一晩撹拌した。他のflaskにZrCl4(THF)22.26g(6mmol)を用意し、toluene100mlを入れてスラリーとして用意した。ZrCl4(THF)2のtoluene slurryを、litiationされたリガンドにdry ice/acetone bathでtransferした。常温で一晩撹拌し、violet colorに変化した。反応溶液をフィルターしてLiClを除去した後、得られたろ液を真空乾燥して、hexaneを入れてsonicationした。スラリーをフィルターして、filtered solidであるdark violetのメタロセン化合物3.40g(yield71.1mol%)を得た。
【0140】
1H NMR(500MHz,CDCl3):1.74(3H,d),0.85〜2.33(10H,m),1.29(9H,d),3.87(3H,s),3.92(3H,s),3.36(2H,m),6.48〜8.10(16H,m)。
【0141】
第2メタロセン化合物の製造実施例
製造例3
6−クロロヘキサノール(6−chlorohexanol)を用いて、文献(Tetrahedron Lett.2951(1988))に提示された方法でt−Butyl−O−(CH2)6−Clを製造し、これにNaCpを反応させてt−Butyl−O−(CH2)6−C5H5を得た(収率60%、b.p.80℃/0.1mmHg)。
【0142】
また、−78℃でt−Butyl−O−(CH2)6−C5H5をTHFに溶かし、ノルマルブチルリチウム(n−BuLi)をゆっくり加えた後、室温に昇温させた後、8時間反応させた。その溶液を、再び−78℃でZrCl4(THF)2(1.70g、4.50mmol)/THF(30ml)のサスペンション(suspension)溶液に既合成されたリチウム塩(lithium salt)溶液をゆっくり加えて、室温で6時間さらに反応させた。
【0143】
すべての揮発性物質を真空乾燥し、得られたオイル性液体物質にヘキサン(hexane)溶媒を加えてろ過した。ろ過した溶液を真空乾燥した後、ヘキサンを加えて、低温(−20℃)で沈殿物を誘導した。得られた沈殿物を低温でろ過して、白色固体形態の[tBu−O−(CH2)6−C5H4]2ZrCl2化合物を得た(収率92%)。
【0144】
1H NMR(300MHz,CDCl3):6.28(t,J=2.6Hz,2H),6.19(t,J=2.6Hz,2H),3.31(t,6.6Hz,2H),2.62(t,J=8Hz),1.7−1.3(m,8H),1.17(s,9H)。
【0145】
13C NMR(CDCl3):135.09,116.66,112.28,72.42,61.52,30.66,30.61,30.14,29.18,27.58,26.00。
【0146】
製造例4
(tBu−O−(CH2)6)(CH3)Si(C5(CH3)4)(tBu−N)TiCl2の製造
常温で50gのMg(s)を10L反応器に加えた後、THF300mLを加えた。I20.5g程度を加えた後、反応器の温度を50℃に維持した。反応器の温度が安定化された後、250gの6−t−ブトキシヘキシルクロライド(6−t−buthoxyhexyl chloride)を、フィーディングポンプ(feeding pump)を用いて5mL/minの速度で反応器に加えた。6−t−ブトキシヘキシルクロライドを加えることによって、反応器の温度が4〜5℃程度上昇することを観察した。継続して6−t−ブトキシヘキシルクロライドを加えながら12時間撹拌した。反応12時間後、黒色の反応溶液を得た。生成された黒色溶液2mLを取った後、水を加えて有機層を得て、1H−NMRを通して6−t−ブトキシヘキサン(6−t−buthoxyhexane)を確認した。前記6−t−ブトキシヘキサンからグリニャール(Gringanrd)反応がよく進行したことが分かった。かくして、6−t−ブトキシヘキシルマグネシウムクロライド(6−t−buthoxyhexyl magnesium chloride)を合成した。
【0147】
MeSiCl3500gと1LのTHFを反応器に加えた後、反応器の温度を−20℃まで冷却した。合成した6−t−ブトキシヘキシルマグネシウムクロライド中の560gを、フィーディングポンプを用いて5mL/minの速度で反応器に加えた。グリニャール試薬(Grignard reagent)のフィーディング(feeding)が終わった後、反応器の温度をゆっくり常温に上げながら12時間撹拌した。反応12時間後、白色のMgCl2塩が生成されることを確認した。ヘキサン4Lを加えて、ラブドリ(labdori)により塩を除去してフィルター溶液を得た。得られたフィルター溶液を反応器に加えた後、70℃でヘキサンを除去して、淡黄色の液体を得た。得られた液体を、1H−NMRを通して所望のメチル(6−t−ブトキシヘキシル)ジクロロシラン{Methyl(6−t−buthoxy hexyl)dichlorosilane}化合物であることを確認した。
【0148】
1H−NMR(CDCl3):3.3(t,2H),1.5(m,3H),1.3(m,5H),1.2(s,9H),1.1(m,2H),0.7(s,3H)
テトラメチルシクロペンタジエン(tetramethylcyclopentadiene)1.2mol(150g)と2.4LのTHFを反応器に加えた後、反応器の温度を−20℃に冷却した。n−BuLi480mLを、フィーディングポンプを用いて5mL/minの速度で反応器に加えた。n−BuLiを加えた後、反応器の温度をゆっくり常温に上げながら12時間撹拌した。反応12時間後、当量のメチル(6−t−ブトキシヘキシル)ジクロロシラン(Methyl(6−t−buthoxy hexyl)dichlorosilane)(326g、350mL)を速やかに反応器に加えた。反応器の温度をゆっくり常温に上げながら12時間撹拌した後、再び反応器の温度を0℃に冷却させた後、2当量のt−BuNH2を加えた。反応器の温度をゆっくり常温に上げながら12時間撹拌した。反応12時間後、THFを除去し、4Lのヘキサンを加えて、ラブドリにより塩を除去したフィルター溶液を得た。フィルター溶液を再び反応器に加えた後、ヘキサンを70℃で除去して、黄色溶液を得た。得られた黄色溶液を、1H−NMRを通してメチル(6−t−ブトキシヘキシル)(テトラメチルCpH)t−ブチルアミノシラン(Methyl(6−t−buthoxyhexyl)(tetramethylCpH)t−Butylaminosilane)化合物であることを確認した。
【0149】
n−BuLiとリガンドジメチル(テトラメチルCpH)t−ブチルアミノシラン(Dimethyl(tetramethylCpH)t−Butylaminosilane)からTHF溶液で合成した−78℃のリガンドのジリチウム塩に、TiCl3(THF)3(10mmol)を速やかに加えた。反応溶液をゆっくり−78℃から常温に上げながら12時間撹拌した。12時間撹拌後、常温で当量のPbCl2(10mmol)を反応溶液に加えた後、12時間撹拌した。12時間撹拌後、青色を呈する濃黒色溶液を得た。生成された反応溶液からTHFを除去した後、ヘキサンを加えて生成物をフィルターした。得られたフィルター溶液からヘキサンを除去した後、1H−NMRから所望の([methyl(6−t−buthoxyhexyl)silyl(η5−tetramethylCp)(t−Butylamido)]TiCl2)である(tBu−O−(CH2)6)(CH3)Si(C5(CH3)4)(tBu−N)TiCl2であることを確認した。
【0150】
1H−NMR(CDCl3):3.3(s,4H),2.2(s,6H),2.1(s,6H),1.8〜0.8(m),1.4(s,9H),1.2(s,9H),0.7(s,3H)。
【0151】
<混成担持触媒の製造実施例>
実施例1
1−1担持体の乾燥
シリカ(Grace Davison社製SYLOPOL948)を、400℃の温度で15時間真空を加えた状態で脱水した。
【0152】
1−2担持触媒の製造
乾燥したシリカ10gをガラス反応器に入れて、トルエン100mLを追加的に入れて撹拌をする。10wt%メチルアルミノキサン(MAO)/トルエン溶液を50mLを加えて、40℃で撹拌しながらゆっくり反応させた。以後、十分な量のトルエンで洗浄して反応しないアルミニウム化合物を除去し、減圧して残っているトルエンを除去した。再びトルエン100mLを投入した後、前記製造例1で製造されたメタロセン触媒0.25mmolをトルエンに溶かして共に投入して、1時間反応をさせた。反応が終わった後、前記製造例3で製造されたメタロセン触媒0.25mmolをトルエンに溶かして投入した後、1時間反応を追加的に行った。反応が終わった後、撹拌を止めて、トルエン層を分離除去後、アニリニウムボレート(N,N−dimethylanilinium tetrakis(pentafluorophenyl)borate、AB)1.0mmolを投入して1時間撹拌をさせた後、50℃で減圧してトルエンを除去して、担持触媒を製造した。
【0153】
実施例2
実施例1において、製造例1のメタロセン触媒0.25mmolの代わりに製造例2のメタロセン触媒0.25mmolを使用したことを除いては、前記実施例1と同様の方法で担持触媒を製造した。
【0154】
実施例3
前記実施例1において、製造例1のメタロセン触媒0.25mmol反応1時間が終わった後、製造例4のメタロセン触媒0.25mmol反応1時間を追加的に進行させる。以後、製造例3のメタロセン触媒0.25mmol反応を進行させることを除いては、同様の方法で担持触媒を製造した。
【0155】
実施例4
前記実施例3において、最初に反応させた製造例1のメタロセン触媒0.25mmolの代わりに製造例2のメタロセン触媒0.25mmol反応を使用したことを除いては、同様の方法で担持触媒を製造した。
【0156】
実施例5
前記実施例3において、最初に反応させた製造例1のメタロセン触媒0.25mmolの代わりに製造例2のメタロセン触媒0.25mmol反応を先に進行させる。以後、2番目の触媒として製造例1のメタロセン触媒0.25mmolを使用し、最後に製造例3のメタロセン触媒を使用することを除いては、同様の方法で担持触媒を製造した。
【0157】
比較例1
乾燥したシリカ10gをガラス反応器に入れて、トルエン100mLを追加的に入れて撹拌をする。10wt%メチルアルミノキサン(MAO)/トルエン溶液を50mLを加えて、40℃で撹拌しながらゆっくり反応させた。以後、十分な量のトルエンで洗浄して反応しないアルミニウム化合物を除去し、減圧して残っているトルエンを除去した。再びトルエン100mLを投入した後、前記製造例3で製造されたメタロセン触媒0.25mmolをトルエンに溶かして共に投入して、1時間反応をさせた。反応が終わった後、50℃で減圧してトルエンを除去して、担持触媒を製造した。
【0158】
比較例2
前記比較例1において、最初に反応させた製造例3のメタロセン触媒0.25mmolの代わりに製造例4のメタロセン触媒0.25mmol反応を使用したことを除いては、同様の方法で担持触媒を製造した。
【0159】
比較例3
前記比較例2において、最初に反応させた製造例4のメタロセン触媒0.25mmol反応後、製造例3のメタロセン触媒0.25mmol反応を追加的に進行させたことを除いては、同様の方法で担持触媒を製造した。
【0160】
比較例4
前記比較例3において、最後にアニリニウムボレート(N,N−dimethylanilinium tetrakis(pentafluorophenyl)borate、AB)1.0mmolを投入したことを除いては、同様の方法で担持触媒を製造した。
【0161】
<実験例>
エチレン−1−ヘキセン共重合
前記実施例1〜5および比較例1〜4で製造したそれぞれの担持触媒50mgをドライボックスで定量して50mLのガラス瓶にそれぞれ入れた後、ゴム隔膜で密封してドライボックスから取り出して、注入する触媒を用意した。重合は、機械式撹拌機付きの、温度調節が可能で、かつ、高圧で用いられる2L金属合金反応器で行った。
【0162】
この反応器に、1.0mmolトリエチルアルミニウム(triethylaluminum)の入ったヘキサン1Lと1−ヘキセン(5mL)を注入し、前記用意したそれぞれの担持触媒を反応器に空気接触なしに投入した後、80℃で、気体エチレン単量体を9Kgf/cm2の圧力で継続して加えながら1時間重合した。重合の終結はまず撹拌を止めた後、エチレンを排気させて除去することによって完了させた。
【0163】
これから得られた重合体は、重合溶媒をろ過させて大部分を除去した後、80℃の真空オーブンにて4時間乾燥させた。
【0164】
で製造されたそれぞれの触媒に対する重合条件、エチレン/1−ヘキセンの重合活性、得られた重合体の分子量および分子量分布を、下記表1に示した。
【0165】
【表1】
【0166】
前記表2を参照すれば、本発明の混成担持触媒に対する実施例1〜5は、2種以上のメタロセン化合物を含みながらも、単一触媒または第2メタロセン化合物だけを含む比較例よりはるかに高い活性、高い分子量および広い分子量分布を有する重合体を製造できることが分かる。
【国際調査報告】

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