特表2016-537033(P2016-537033A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2016-537033フィルタ要素および喫煙品を備える喫煙品
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-537033(P2016-537033A)
(43)【公表日】2016年12月1日
(54)【発明の名称】フィルタ要素および喫煙品を備える喫煙品
(51)【国際特許分類】
   A24D 3/04 20060101AFI20161104BHJP
【FI】
   A24D3/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-554936(P2016-554936)
(86)(22)【出願日】2014年11月19日
(85)【翻訳文提出日】2016年7月15日
(86)【国際出願番号】IB2014066170
(87)【国際公開番号】WO2015075649
(87)【国際公開日】20150528
(31)【優先権主張番号】BO2013A000640
(32)【優先日】2013年11月25日
(33)【優先権主張国】IT
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】392003937
【氏名又は名称】ジー.デー ソチエタ ペル アツィオニ
【氏名又は名称原語表記】G.D SOCIETA PER AZIONI
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【弁理士】
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100179682
【弁理士】
【氏名又は名称】田嶋 亮介
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【弁理士】
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 新吾
(72)【発明者】
【氏名】エウセピ,イヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ヴィスカンティ,ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ガンベリーニ,ジュリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】サルトーニ,マッシモ
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045BC16
4B045BC32
4B045BC35
(57)【要約】
フィルタ要素(2)を通る煙の主要フロー(F1)に空気を流し込むために、タバコ産業の喫煙品(1)のためのフィルタ要素(2)は、少なくとも一つの内部チャンネル(8)と、フィルタ要素(2)の外面(11)側と連通状態にある入口(10)および内部チャンネル(8)と連通状態にある出口(12)を有している少なくとも一つの孔(9)を備える少なくとも一つの通気ピース(6)を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコ産業における喫煙品(1)のためのフィルタ要素であって、前記フィルタ要素を通る煙の主要フロー(F1)を通気させるための通気手段(6,8,9,10,12)を備えるフィルタ要素において、
前記通気手段は、少なくとも一つの内部チャンネル(8)と、前記フィルタ要素の外面(11)と連通状態にある入口(10)および前記内部チャンネル(8)と連通状態にある出口(12)を有している少なくとも一つの孔(9)とを備える少なくとも一つの通気ピース(6)を備えるフィルタ要素。
【請求項2】
延設(D)の主方向において前記通気ピース(6)と並んで配置されているフィルタ材のピース(5a)を備える、請求項1に記載のフィルタ要素。
【請求項3】
フィルタ材の第二ピース(5b)を備えており、前記通気ピース(6)は、前記主要フローに沿ってフィルタ材の前記第一ピース(5a)とフィルタ材の前記第二ピース(5b)との間に配置されている、請求項2に記載のフィルタ要素。
【請求項4】
前記通気ピース(6)はフィルタ材の前記第一ピース(5)と同軸状にある、請求項2または請求項3に記載のフィルタ要素。
【請求項5】
前記孔(9)の軸(A1)は、延設(D)の前記主方向に対して直角である平面(P1)に対して角度「□」で傾斜している、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のフィルタ要素。
【請求項6】
前記角度「□」は、角の60進測度で+90〜−90度の角度であり、好ましくは+45度である、請求項5に記載のフィルタ要素。
【請求項7】
前記孔(9)の前記軸(A1)は、前記孔(9)の前記出口(12)が通る径方向面(P2)に対して角度「□」で傾斜している、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のフィルタ要素。
【請求項8】
前記角度「□」は、角の60進測度で+90〜−90度の角度である、請求項7に記載のフィルタ要素。
【請求項9】
前記通気ピース(6)には複数の孔(9)が備えられており、それぞれの前記孔(9)の軸(A1)は、延設(D)の前記主方向に対して直角である平面(P1)に対して角度「□」で傾斜しており、それぞれの孔(9)の前記軸(A1)は、その出口(12)が通る径方向面(P2)に対して角度「□」で傾斜している、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のフィルタ要素。
【請求項10】
少なくとも前記通気ピース(6)を包む被覆材(7)を備えており、前記被覆材(7)は、前記通気ピース(6)における前記孔(9)の前記入口(10)に少なくとも一つの孔(7a)を有している、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のフィルタ要素。
【請求項11】
前記主要フロー(F1)に沿って前記通気ピース(6)の下流側に配置される膨張室(14)を備える、請求項1から請求項10のいずれか1項に記載のフィルタ要素。
【請求項12】
前記通気ピース(6)は、チャネルを形成する内部ダクト(8a)を有する管状要素(6a)を備えており、前記孔(9)は、前記管状要素(6a)を貫通して、前記フィルタ要素の前記外面(11)を前記内部ダクト(8a)と連通状態にしている、請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のフィルタ要素。
【請求項13】
前記通気ピース(6)は、外側部分(6b’)および内側部分(6b”)を備えるフィルタ材の第三ピース(6b)を備えており、前記内側部分(6b”)の多孔度は前記外側部分(6b’)より高く、前記チャネル(8)は前記内側部分(6b”)によって形成されており、前記孔は、前記外側部分(6b’)を貫通して、前記フィルタ要素の前記外面(11)を前記チャネル(8)と連通状態にしている、請求項1から請求項12のいずれか1項に記載のフィルタ要素。
【請求項14】
前記内側部分(6b”)は前記外側部分(6b’)と同軸状にある、請求項13に記載のフィルタ要素。
【請求項15】
タバコ・スティック(3)と、フィルタ要素(2)と、前記タバコ・スティック(3)を前記フィルタ要素(2)に接続するためのパッチ(4)と、を備える喫煙品において、
前記フィルタ要素(2)は、請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のタイプのフィルタ要素である喫煙品。
【請求項16】
前記パッチ(4)は、多孔度が高い好ましくは30000コレスタ単位より高い通気区域(4a)を備えており、前記孔(9)の前記入口(10)は前記通気区域(4a)と連通状態にある、請求項15に記載の喫煙品。
【請求項17】
前記パッチ(4)は、前記通気ピース(6)における前記孔(9)の前記入口(10)と連通状態にある少なくとも一つの孔(13)を備える、請求項15または請求項16に記載の喫煙品。
【請求項18】
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載のタイプのフィルタ要素を生産する方法において、
前記通気ピース(6)における前記孔(9)を形成するために、前記外面(11)から前記チャネル(8)に、好ましくはレーザー手段によって、前記通気ピース(6)を穿孔するステップ
を含む方法。
【請求項19】
請求項15から請求項17のいずれか1項に記載のタイプの喫煙品を生産する方法において、
前記通気ピース(6)における前記孔(9)を形成するために、前記外面(11)から前記チャネル(8)に、好ましくはレーザー手段によって、前記通気ピース(6)を穿孔するステップ
を含む方法。
【請求項20】
前記穿孔ステップは前記パッチ(4)にも適用される、請求項19に記載の喫煙品を形成する方法。
【請求項21】
多孔度が高い好ましくは30000コレスタ単位より高い前記通気区域(4a)を備える前記パッチ(4)を、前記フィルタ要素(2)および前記タバコ・スティック(3)に巻き付けるステップを含んでおり、前記通気区域(4a)は、前記孔(9)の前記入口(10)と連通状態にある、請求項16に記載のタイプの喫煙品を生産する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルタ要素、および喫煙品を備える喫煙品に関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、タバコ・フィルタ、および互いに接続されるフィルタとタバコ・スティックと備えるタバコに関する。
【背景技術】
【0003】
既知のタイプのフィルタ付きタバコは、例えば、アセテートで形成された、略円筒状のフィルタ要素を備えており、フィルタ要素は、パッチによって、例えば、一枚の紙等に巻き付けられた細断タバコを備えているタバコ・スティックとして知られているものに接続される。
【0004】
煙の主要フロー(流れ)を稀釈するよう、外側の大気から中へと取り込まれた新鮮な空気が喫煙者の口に達するように、構成される通気システムを有するタバコが知られている。
【0005】
従来のフィルタにおいて、確実に通気させる一の方法として、例えばレーザーを用いてフィルタに対して径方向に小さい孔を、外周に沿って等間隔に形成する方法がある。これらの孔は、一般的に、アセテートに十分の数ミリメートル入り込んでいる。
【0006】
通気を多くするために二つのリング状の孔を形成して、これにより、主要煙フローをより多くの割合で稀釈するいくつかの解決法がある。
【0007】
従来技術解決法には、いくつかの欠点がある。
【0008】
出願人は、フィルタの所定の横断面に関して、喫煙者の口に配置されるよう構成されたフィルタの端部において、タバコ軸の近くでは稀釈されていない煙の体積(煙体積の割合)が最も高く、径方向において最も外側の区域では煙体積がはるかに小さく、煙と混合していない多量の空気があることを見出した。
【発明の概要】
【0009】
そこで、本発明の主な目的は、上述した欠点がないフィルタ要素、およびフィルタ要素を備える喫煙品を提案することにある。
【0010】
本発明は、従来技術の喫煙品と比較して、フィルタの内側、特に喫煙者の口に配置されるよう構成されるフィルタの端部において、煙と空気との混合を最適化する喫煙品を、特にタバコを提供することを意図する。
【0011】
本発明はさらに、確実に稀釈をフィルタの出口において可能な限り均一に行う喫煙品を、特にフィルタ付きタバコを提供することを意図する。
【0012】
特有の技術的な目的および意図は、請求項1に記載のフィルタ要素および請求項15に記載の喫煙品によって十分に達成される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明のさらなる特徴およびその利点は、添付した図面に例示するフィルタ要素およびフィルタ要素を備える喫煙品の、好ましいが限定するものではない実施形態に関する後述する説明からより明らかとなろう。
図1】本発明にかかる喫煙品の第一実施形態の概略的不等角投影図である。
図2】分かりやすくするために一部を切断した、図1の喫煙品の概略的正面図である。
図3図1の喫煙品の、適当なところを切断した概略的側面図である。
図4図2のIV−IV面に沿って適当なところを切断した概略的断面図における、図1の喫煙品の拡大詳細図である。
図5】本発明にかかるフィルタ要素の概略的不等角投影図である。
図6】適当なところを切断した断面図における、本発明にかかる喫煙品のさらなる実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
添付の図面を参照して、符号1は、本発明にかかる喫煙品を、より具体的にはフィルタ付きタバコを示す。
【0015】
商品1は、互いに接続されるフィルタ要素2およびタバコ・スティック3を備えており、延設Dの主方向および軸Aを有する。
【0016】
商品1の延設Dの主方向および軸Aはまた、フィルタ要素2の延設の主方向および軸にそれぞれ対応する。
【0017】
使用時には、喫煙品を通過する煙の主要フローF1が、タバコ・スティック3の燃焼によって生成され、タバコ・スティック3からフィルタ要素2に向かって移動する。
【0018】
商品1は、フィルタ要素2およびタバコ・スティック3に巻き付けられ、好ましくは接着剤によってそれらに接続される接続パッチ4を備える。
【0019】
本発明にかかるフィルタ要素2は、少なくとも一つの内部チャンネル8と少なくとも一つの孔9とを備えている通気ピース6を備える。少なくとも一つの孔9は、フィルタ要素2の外面11と連通状態にある入口10と、内部チャンネル8と連通状態にある出口12と、を有している。
【0020】
特に図1および図3を参照して、一の実施形態において、フィルタ要素2は、喫煙者の口に配置されるよう構成されたフィルタ材のピース5a、例えばアセテートなど多孔質材料を備える。言い換えれば、ピース5aは、フィルタ要素2内において喫煙者側に配置される。
【0021】
好ましくは、通気ピース6はフィルタ材のピース5と同軸状にある。
【0022】
図示の例において、フィルタ要素2は、タバコ・スティック3に面するフィルタ材の第二ピース5bを備える。
【0023】
ピース5bは、フィルタ要素2においてタバコ・スティック3に接するタバコ側に配置される。
【0024】
ピース5bは、例えば、アセテートで形成される、またはアセテートと「木炭」とを備える。
【0025】
ピース5bは、主要フローF1に沿って通気ピース6の上流側に配置される。
【0026】
ピース5aは、主要フローF1に沿って通気ピース6の下流側に配置される。
【0027】
したがって、通気ピース6は、第一ピース5aと第二ピース5bとの間に配置される。
【0028】
図示する通り、フローF1はピース5bに、次にピース6に、最後にピース5aに当たる。
【0029】
図示しない他の実施形態において、フィルタ要素2は、フィルタ材のピース5bと通気ピース6とを備える。
【0030】
この場合、喫煙者の口に配置される部分は、通気ピース6である。
【0031】
例えば図6に示す他の実施形態において、フィルタ要素2は、通気ピース6とフィルタ材のピース5aとを備える。
【0032】
図示する通り、通気ピース6はタバコ・スティック3に接している。
【0033】
通気ピース6と、フィルタ材のピース5aおよび/またはフィルタ材のピース5bは、好ましくはピース6およびピース5が巻き付けられる例えば一枚の紙等の態様の被覆材7によって、一体に保持される。
【0034】
ピース6は、フローF1が通る少なくとも一つの内部チャンネル8を有する。
【0035】
通気ピース6は、それぞれが対応する軸A1を有する複数の貫通孔9を有する。
【0036】
孔9は、フィルタ要素2の外面11と連通状態にある入口10と、チャンネル8と連通状態にある出口12と、を有する。
【0037】
外面11は、例えば被覆材7の外面、あるいはまた通気ピース6の外面である。
【0038】
例えば、被覆材7は、それぞれが対応する孔9の入口10と連通状態にある複数の孔7aを有する。
【0039】
一の実施形態において、パッチ4は、それぞれが対応する孔9の入口10と連通状態にある複数の孔13を有する。
【0040】
一の実施形態において、パッチ4は、多孔度が高い好ましくは30000コレスタ単位(Coresta unit)より高い、孔9の入口と連通状態にあるまたは実質的に孔9の入口にある通気区域4aを備える。
【0041】
この場合、パッチ4は、好ましくは直接製紙工場(paper mill)において、または静電気微細穿孔(electrostatic microperforation)によって形成される。
【0042】
好ましい実施形態において、孔9の形状は円筒状である。
【0043】
使用時には、孔9のそれぞれにより、例えば孔13,7aを通ってまたは区域4aおよび孔7aを通じて空気のフローF2がチャンネル8に入ることができ、チャンネル8自体における主要フローF1と混合可能となり、これにより、稀釈されたフローFが生成されて一般喫煙者の口(図示せず)に達する。
【0044】
概して、フィルタ要素2により、フローF1の煙をフローF2の空気と効果的に混合することが可能になり、フィルタの出口(口側端部、フローF)においてはより均一な稀釈が得られる利点がある。
【0045】
図4を参照して、簡単化のために一つの孔9について考察すると、軸A1は、0°〜360°(角の60進測度)の角度「α」で延設Dの主方向に対して垂直な平面P1に対して傾斜していることが分かる。言い換えれば、図4の平面を基準として、角度「α」は、その値が反時計回りの方向の測定を正の値とし時計回りの方向の測定を負の値とした場合、+90°〜−90°(角の60進測度)の値である。
【0046】
好ましい実施形態において、角度「α」は45°(角の60進測度)であり、これにより、チャンネル8に入るフローF2の方向は、当該チャンネルを通る主要フローF1の方向と略同じとなる。
【0047】
図2を参照して、好ましい実施形態において、簡単化のために一つの孔9について考察すると、孔9の軸A1は、有利な点として、径方向面P2に対して、つまり、フィルタ要素2の半径を含むとともに孔9の出口12を通る平面に対して、0°〜360°(角の60進測度)の角度「β」で傾斜していることが分かる。
【0048】
図2の平面を基準として、角度「β」は、その値が反時計回りの方向の測定を正の値とし時計回りの方向の測定を負の値とした場合、実際には、+90°〜−90°(角の60進測度)の値である。
【0049】
好ましい実施形態では、角度「β」は25°(角の60進測度)である。
【0050】
図示する好ましい実施形態において、孔9の軸A1は径方向面内にはなく、つまり、「β」は0ではなく、かつ、軸A1は、喫煙品1またはフィルタ要素2の軸Aを含む平面内にはない。
【0051】
径方向面に対する孔9の軸のオフセットは、有益な効果があるという点で利点がある。軸のオフセットにより、渦巻き運動が生じ、フローF1およびフローF2の混合がより良好となり、フローFが安定し、稀釈の分布の均一性が非常に高まるからである。
【0052】
角度「β」が0である、すなわち、孔9は径方向である図示しない実施形態においては、フィルタ要素2の生産プロセスは簡単化される。
【0053】
概して、本発明にかかるフィルタ要素2は、好ましい実施形態において、煙の主要フローF1の稀釈が行われる少なくとも一つのチャンネル8を備える。
【0054】
空気のフローF2は、孔9を通じて取り入れられ、チャンネル8に入り、チャンネル8自体の内側で渦巻き運動を生じさせる。
【0055】
一の実施形態において、フィルタ要素2は、主要フローF1に沿って通気ピース6の下流側に配置される膨張室14を備える。
【0056】
膨張室14は、フローF1とフローF2との混合に寄与する。
【0057】
特に図5を参照して、一の実施形態において、通気ピース6は管状要素6aを備える。
【0058】
好ましくは、通気ピース6は、管状要素6aの態様であり、好ましくは円筒状でチャンネル8を形成する内部ダクト8aを有する。
【0059】
言い換えれば、フローF1とフローF2との混合が行われるチャンネル8は、管状要素6aの内側のダクト8aによって定義される。
【0060】
孔9は、管状要素6aを貫通して、フィルタ要素2の外面11を内部ダクト8aと連通状態にしている。
【0061】
図5を参照して、管状要素6aつまりリングは、好ましくは、フィルタ材のピース5aおよび/またはフィルタ材のピース5bと同軸状に並んで配置されていることが分かる。
【0062】
要素6aは、好ましくは高密度物質で、すなわち空気をあまり通さない材料で、例えばアセテートまたは一般にセルロースベースの材料等で形成される。
【0063】
特に図1および図2を参照して、一つの実施形態において、通気ピース6はフィルタ材の第三ピース6bを備える。好ましくは、通気ピース6は、フィルタ材の第三ピース6bの態様である。
【0064】
ピース6bは外側部分6b’と、好ましくは外側部分6b’と同軸状にある内側部分6b”と、を備える。
【0065】
内側部分6b”は、外側部分6b’より通気性が大きい。フローF1がフローF2によって稀釈されるチャンネル8は、内側部分6b”によって定義される。
【0066】
実際には、部分6b”によって定義されたチャンネル8は、部分6b”自体を構成するファイバーから構成されており、その多孔度はフローF1およびフローF2を互いに混合させることができる多孔度である。
【0067】
孔9は、外側部分6b’を貫通して、フィルタ要素2の外面11を部分6b”において形成されたチャンネル8と連通状態にしている。
【0068】
言い換えれば、ピース6bは、外側部分6b’つまりあまり通気性がないスキン(skin)と、フローF1が通りやすい通路(preferential passage)を定義する非常に通気性が高い部分6b”によって形成される内部ダクトと、によって特徴付けられる。
【0069】
概して、孔9は、チャンネル8を例えば管状要素6aを囲んでいるピース6の部分、またはピース6bの部分6b’を貫通するよう、長さが1.5〜2mm以上である。
【0070】
本発明にかかる、フィルタ要素2を備える喫煙品1を形成する方法は、孔9を形成するよう好ましくはレーザーによって通気ピース6を穿孔するステップを含む。
【0071】
ピース6は外面11からチャンネル8へ穿孔され、これにより、チャンネル8の内部が外側の大気と流体連通状態となる。
【0072】
実際には、ピース6は、そのスキンの全厚さを通じて穿孔される。
【0073】
喫煙品1を形成する方法は、孔9を形成するよう好ましくはレーザーによって通気ピース6を穿孔するステップを含む。
【0074】
ピース6は外面11からチャンネル8へ穿孔され、これにより、チャンネル8の内部が外側の大気と流体連通状態となる。
【0075】
実際には、ピース6は、そのスキンの全厚さを通して穿孔される。
【0076】
この方法において、ピース6の穿孔は、喫煙品1全体が形成された状態で行われ、特に孔13が形成されるパッチ4を含めて行われる。
【0077】
また穿孔ステップにおいて、孔7aを形成するよう被覆材7を穿孔することには利点がある。
【0078】
パッチ4が通気区域4aを備える他の実施形態では、喫煙品1が形成される前に、上述した方法において、ピース6は好ましくは、例えばよく知られているタイプの「フィルタ・メーカー」として既知の機械で穿孔される。
【0079】
その後、方法は、孔9を有するフィルタ要素2と、タバコ・スティック3と、に通気区域4aを備えるパッチ4を巻き付けて、それぞれの孔9の入口10を通気区域4aと流体連通状態とするステップを含んでいる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】