(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-537138(P2016-537138A)
(43)【公表日】2016年12月1日
(54)【発明の名称】射出システムと方法
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20161104BHJP
【FI】
A61M5/32 530
A61M5/32 510V
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2016-533610(P2016-533610)
(86)(22)【出願日】2014年11月18日
(85)【翻訳文提出日】2016年7月15日
(86)【国際出願番号】GB2014053402
(87)【国際公開番号】WO2015075430
(87)【国際公開日】20150528
(31)【優先権主張番号】1320633.9
(32)【優先日】2013年11月22日
(33)【優先権主張国】GB
(31)【優先権主張番号】1415908.1
(32)【優先日】2014年9月9日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516148472
【氏名又は名称】サラル サージカル リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153084
【弁理士】
【氏名又は名称】大橋 康史
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】サム ゴロ エバンズ
(72)【発明者】
【氏名】ダンカン フィッツシモンズ
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA10
4C066BB01
4C066CC01
4C066KK05
4C066LL13
4C066LL15
4C066LL16
(57)【要約】
皮下注射針用の装置は、皮下注射針、使用中に皮下注射針を囲むシース、コネクターとシース間のバイアス装置を、接続するコネクターを含む。シースは、バイアス装置によってバイアスがかけられるそれが入る第1の位置と、バイアス装置の力で後退した第2の位置の間で移動可能であり、その結果、使用中では、皮下注射針の先端は第1の位置で覆われるが、第2位置では露出する。この装置は、さらに皮下注射針の角度の位置をセットし、使用の後に針上のシースをロックする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮下注射針の装置であって、:
皮下注射針に接続するためのコネクター;
使用中皮下注射針を囲むシース;
コネクターとシースの間のバイアス装置;を含み
前記シースは、バイアス装置によってバイアスがかけられる第1の位置と、前記バイアス装置の力で後退した第2の位置の間で移動可能であり、その結果、使用中では、前記皮下注射針の先端は第1の位置で覆われるが、第2位置では露出する、皮下注射針の装置。
【請求項2】
前記バイアス装置は、使用後にシースにバイアスをかけて第1の位置へ、それによって皮下注射針の先端を覆う、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記コネクターは前記皮下注射針のハブ上に適合する接続ハブを含む、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記接続ハブが前記皮下注射針の前記針軸が通り抜けできる中心開口部を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
針軸と針ハブを含む皮下注射針をさらに含み、前記接続ハブは前記針ハブと一体化している、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項6】
注入される表面に置かれるアームをさらに含み、前記シースに対して前記アームの角度は、前記皮下注射針を前記アームが正確な角度に置かれる前記表面に入れることを保証するあらかじめ決められた設定を有する、請求項1〜5のいずれか1つに記載の装置。
【請求項7】
注入される表面に置かれるアームをさらに含み、 前記アームには湾曲した下面があり、かつ前記下面の曲率半径が前記表面の曲率半径と一致する、請求項1〜6のいずれか1つに記載の装置。
【請求項8】
前記コネクターと前記皮下注射針の間の接続が、前記皮下注射針がマウントされる注射器に依存しない、請求項1〜7のいずれか1つに記載の装置。
【請求項9】
前記バイアス装置がスプリングを含む、請求項1〜8のいずれか1つに記載の装置。
【請求項10】
前記スプリングが圧縮スプリングを含む、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記スプリングがコイルを含む、請求項9または10に記載の装置。
【請求項12】
前記皮下注射針の針軸がその長手軸を通過していくように、前記コイルスプリングが配置された、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記バイアス装置がエラストマ材料を含む、請求項1〜8のいずれか1つに記載の装置。
【請求項14】
前記スプリングが弓コイルを含む、請求項9または10に記載の装置。
【請求項15】
前記スプリングが2つの弓スプリングを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記シースがスプリングを円筒管含む、請求項1〜15のうちのいずれか1つに記載の装置。
【請求項17】
使用中、前記皮下注射針の前記針軸がその長手軸を通過していくように、前記シースを配置した、請求項1〜16のうちのいずれか1つに記載の装置。
【請求項18】
前記シースが剛体である、請求項1〜17のうちのいずれか1つに記載の装置。
【請求項19】
前記シースが通常の用途では変形しない、請求項1〜18のうちのいずれか1つに記載の装置。
【請求項20】
前記シースの下側面にくぼみまたは突起のような滑りを最小限にする表面が備わっている、請求項1〜19のうちのいずれか1つに記載の装置。
【請求項21】
使用後に前記皮下注射針上の前記シースをロックするロック装置をさらに含む、請求項1〜20のうちのいずれか1つに記載の装置。
【請求項22】
前記ロック装置は、前記シースに対して一定位置に第1の端部と、また、ロックされていない位置では、前記コネクターの表面を自由に移動でき、ロックされている位置では前記コネクターによって捕らえられている第2の端部とを備えた部材を含む、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
前記ロック装置は、前記シースに対して一定位置の第1の端部と、また、ロックされていない位置では前記コネクターの外表面に、ロックされている位置では前記コネクターの内表面に位置する第2の端部とを備えた部材を含む、請求項21または22に記載の装置。
【請求項24】
前記部材がリーフスプリングを含む、請求項22または23に記載の装置。
【請求項25】
前記部材の第1の端部は前記シース上にマウントされたアーム上に固定されている、請求項22〜24のいずれか1つに記載の装置。
【請求項26】
一旦ロックされた位置では、前記ロック装置を開けることができない、請求項22〜25のいずれか1つに記載の装置。
【請求項27】
前記アームが距離ゲージを含む、請求項25または26に記載の装置。
【請求項28】
前記シースはチャネルを含み、前記施錠機序はシースに凹部を含み、アンロック位置では前記チャネルを通して針が通過し、ロックの位置では前記針は凹部に停止する、請求項21に記載の装置。
【請求項29】
前記シースは前記チャネルまわりの内壁と外部壁を含み、および前記凹部は前記内壁と前記外部壁の間に規定される、請求項28に記載の装置。
【請求項30】
前記バイアス装置は前記接続ハブと前記シースの間のある1以上の弓スプリングを含む、請求項28または29に記載の装置。
【請求項31】
前記内壁はその上部表面から外側に先細りになる、請求項29または30に記載の装置。
【請求項32】
さらに距離ゲージを含み、前記皮下注射針を固定位置から一定距離に設置する、請求項1〜31のいずれか1つに記載の装置。
【請求項33】
前記距離ゲージが1つ以上の距離目盛を備えたアームを含む、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記アームが前記シースにマウントされている、請求項33に記載の装置。
【請求項35】
前記距離ゲージが2つ以上の距離目盛を含む、請求項33または34に記載の装置。
【請求項36】
第1と第2の距離目盛は、前記シースの中心から3.5mmおよび4.0mmそれぞれにある、請求項33〜35のうちのいずれか1つによる装置。
【請求項37】
前記シースに対して前記アームの角度は、前記皮下注射針を前記アームが正確な角度に置かれる前記表面に入れることを保証するあらかじめ決められた設定を有する、請求項33〜36のうちのいずれか1つによる装置。
【請求項38】
前記シースと前記アームの間の角度は70〜90度である、請求項37に記載の装置。
【請求項39】
前記距離ゲージはC−形状の先端を備えたアームを含み、前記アームは前記C−形状の凸側 に接続されている、請求項27〜38のうちのいずれか1つに記載に装置。
【請求項40】
前記C−形状の先端は半径が眼球の前記縁と実質的に等しいアークである、請求項39に記載の装置。
【請求項41】
前記距離ゲージが第1と第2距離目盛を含み、前記第1の距離目盛が、前記C−形状の先端の外部周面にあり、かつ前記第2の距離目盛が、前記C−形状の先端の内部周面にある、請求項39または40に記載の装置。
【請求項42】
前記アームの下側面にくぼみまたは突起などのような滑りを最小限にする表面が備わっている、請求項6、7及び33〜41のいずれか1つに記載の装置。
【請求項43】
請求項1〜40のいずれか1つに記載の前記眼球への治療薬を送達するための装置。
【請求項44】
皮下注射針をさらに含む、請求項1〜43のいずれか1つに記載の装置。
【請求項45】
請求項1〜44のいずれか1つに記載の装置を使用して、治療薬の身体部分に送達するかまたは身体部分から組織あるいは液体のサンプルを除去する皮下注射針を備えた注射器を配置する方法であって:
身体部分の表面に所望位置上に装置のシースを置くステップ;
皮下注射針が所定距離だけ身体部分に入り身体部分の表面に残る間に、シースがバイアス装置によって前記皮下注射針に対して第1の位置からその第2の位置への置き換えられるように、注射器を下方へ押すステップ;
身体部分に注射器の内容を注入するかまたは前記身体部分から組織または液体のサンプルを除去するステップ;
身体部分から注射器と皮下注射針を取り除くステップ、
を含む注射器を配置する方法。
【請求項46】
前記身体部分は潰瘍を有する眼球、トルソ上の皮膚、および身体部分から選ばれる、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記身体部分の固定位置に前記距離ゲージを置き、よって正確にシースを配置する補足ステップを含む、請求項45または46に記載の方法。
【請求項48】
前記身体部分は眼球を含み、前記距離ゲージが前記眼球の縁に置かれる、請求項47に記載の方法。
【請求項49】
請求項45〜48のいずれか1つに記載の方法であって、
前記身体部分の表面に前記距離ゲージのアーム置き、よって前記シースの前記角度を設定するステップをさらに含む方法。
【請求項50】
請求項45〜49のいずれか1つに記載の方法であって、
使用後に、前記シースが下方へ返り、そのために前記皮下注射針上の適所に前記シースをロックできるステップをさらに含む方法。
【請求項51】
本明細書に付随する説明図を参照して実質的に記述された位置決め装置。
【請求項52】
本明細書に付随する説明図を参照して実質的に記述された皮下注射針用の安全装置。
【請求項53】
本明細書に付随する説明図を参照して実質的に記述された薬剤を前記眼球に送達する皮下注射針を位置決めする方法。
【請求項54】
本明細書に付随する説明図を参照して実質的に記述された皮下注射針用の安全装置を作動させる方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮下注射針を正確に配置しおよび/または皮下注射針が使用後の安全を確保するシステムに関する。本発明は、さらに本システムを使用する方法に関する。特に、本発明は眼球に治療薬を注入する誘導装置に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの眼疾患は、眼球後部の硝子体に治療薬を注入して治療する。そのような疾病は、以下に制限されないが、脈絡膜新生血管膜(「ぬれた」黄斑変性)、糖尿病性網膜症、糖尿病黄斑症、網膜の血管疾患、感染および炎症に続く黄斑浮腫、を含む。
【0003】
治療薬の放出は皮下注射針によってなされる。また、注入の位置、角度および深さが正確であることは、水晶体、眼内レンズインプラント、網膜および結膜血管を含む重大な視覚構造への損傷を回避するために重要である。通常は、この技術は、ノギス・マーカーおよび臨床医の経験に基づいて自由裁量で実行される。
【0004】
使い捨てのノギスを一般的に使用して注入ポイントを整列させることを
図1に示す。
図1は、注入前にマークされている患者の眼球10を示す。使い捨てのノギス12を使用して、射出ポイント14を縁16からの設定距離とマークする。(強膜および角膜が接触するところ−眼球の白と有色部分が接触しているのが見られる)。その後、注射器の皮下注射針はノギス・マークに置かれ、結膜と強膜によって押される。一旦皮下注射針が正確な深さに挿入されると、治療薬が注入される。この方法が射出の位置を特徴づける一方、それは射出の角度および深さの決定を支援しない。 この方法は、器具を繰り返し取り上げ、次に下へ置いてプロセスを鈍化させる必要がある。更に、使用されるシャープス(即ち、皮下注射針)は使用後に安全ではない。
【0005】
特許文献1は、物質の眼内投与中の皮下注射針のポジショニングを援助する装置について記述している。この装置は、皮下注射針が通れる穴を備えた眼球に置かれる環状の支持体表面を含み、これによって、皮下注射針が貫通する位置、角度および深さが決まる。この装置には患者の不快感、眼球中奥深くまでのアクセスの難しさ (これは患者群、特に高齢の患者の間で非常に共通である)および針刺しの安全性に対する用意がないということを含むいくつかの欠点がある。
【0006】
特許文献2には、力を加えると破壊されて、針が露出されるように設計された保護スリープを備えた針についての記述がある。スリーブは初期位置または配置へ戻らない。保護スリープは、オフセット・マーカーを備えた汚染予防先端を持っていて別のポイントからの針先端部の正確な配置ができる。この保護スリープは、針刺し安全性の用意を持ち合わせていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2008/097072号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2013/028936号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
皮下注射針による針刺し損傷は医学の分野において一般的問題がある。皮下注射針は使用の後に「シャープス・ビン」の中で処分されるべきであるが、特に皮下注射針が直ちに処分されない場合、事故が今までどおり起こる場合がある。特に、治療薬が患者自身によって投与される場合、皮下注射針は適切に処分されないことがある。リクリエーショナル・ドラッグ使用者はしばしば皮下注射針を再使用する。本発明によって皮下注射針は使用直後に安全性が確保される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、以下を含む皮下注射針の装置が提供される:
皮下注射針に接続するためのコネクター;
使用中皮下注射針を囲むシース;
コネクターとシースの間のバイアスをかける装置;
ここで、シースは、バイアス装置によってバイアスがかけられる第一の位置と、バイアス装置の力に対する第二の退避位置の間で移動可能であり、従って、使用中皮下注射針の先端は第1の位置で覆われ、しかし規定の長さの皮下注射針は、第2の位置で露出される。
【0010】
好ましくは、バイアス装置は、使用後に第1の位置へシースにバイアスをかけて、それによって、皮下注射針の先端を覆う。
【0011】
したがって、本装置は、注入の深さを規定する位置決めガイド、および使用後に皮下注射針の先端を覆うことによる安全デバイスを提供する。
【0012】
本装置は、シースおよび/またはそれに釣り合うバイアス装置の長さを選択することにより、様々な長さの皮下注射針に適合できる。その結果、針は第1の位置で覆われるが、規定の長さで、第2の位置において露出される。
【0013】
コネクターは接続ハブを含んでも良い。接続ハブは大きさと形があり、使用中皮下注射針のハブに適合する。接続ハブは円錐形または円錐台形状であって良い。接続ハブはすり合わせによって皮下注射針のハブに装着される。1つの実施例では、接続ハブは皮下注射針のハブに留められる。別の実施例では、接続ハブは溝があって皮下注射針ハブ上で良く見られる頂上部が安全に接合できる。別の実施例では、接続ハブは皮下注射針ハブに接合することができる。別の実施例では、本装置のハブは針のハブの不可欠な部分として製造される。接続ハブには中心開口部があり、使用中、皮下注射針の針軸が通過できる。接続ハブはプラスチック材料から作成してもよい。皮下注射針の用語ハブは、注射器に接続する皮下注射針のパーツを意味する。例えば、ルアーコネクターかプッシュ接続。
【0014】
バイアス装置はスプリングを含んでいてもよい。スプリングは圧縮スプリングを含んでいてもよい。スプリングはコイルスプリングを含んでいてもよい。皮下注射針の針軸がその長手軸を通過していくように、コイルスプリングを配置する。代案として、別のスプリングはリーフスプリングを含んでいてもよい。1つの実施例では、スプリングは1つ以上の弓スプリング(例えば2つの弓スプリング)を含んでいてもよい。
【0015】
あるいは、バイアス装置はエラストマ材料を含んでいてもよい。
【0016】
シースは円筒形チューブを含んでいてもよい。使用中、皮下注射針の針軸がその長手軸を通過していくように、シースを配置する。シースは使用中に皮下注射針が通過するチャネルを含んでいてもよい。チャネルは長手軸と並べられる。
【0017】
この装置は更にロック装置を含んでいてもよく、使用後に皮下注射針上のシースをロックする。ロック装置は、シースに対して一定位置に第1の端部と、また、ロックされていない位置では、コネクターの表面を自由に移動でき、ロックされている位置ではコネクターによって捕らえられている第2の端部とを備えた部材を含んでいてもよい。ロック装置は、シースに対して一定位置に第1の端部と、また、ロックされていない位置ではコネクターの外表面に、ロックされている位置ではコネクターの内表面に位置する第2の端部とを備えた部材を含んでいてもよい。材料はリーフスプリングを含んでいてもよい。部材の第1の端部はシース上でマウントされたアームにマウントされる。好ましくは、一旦ロック位置では、ロック装置を開けることができない。
【0018】
1つの実施例では、ロック装置のアームは距離ゲージを含む。
【0019】
実施例では、施錠装置は、シースに凹部を含む、ここではロック位置でチャネルを通して針が通過し、アンロックの位置で針は凹部に停止する。シースはチャネル、内壁および外部壁を含み、またロック装置は内壁と外部壁の間に規定される凹部を含む。バイアス装置は、ハブとシースの間に1つ以上の弓スプリングを含む。装置は、1つ以上弓スプリングを押すことにより、ロック位置に入れられ接続ハブとシースの間の距離を増加させる。1つ以上の弓スプリングを押して、チャネルから皮下注射針を離す。内壁の外側表面は、その上部表面から外へ先細りになる。この形によって皮下注射針を凹部へ入るように後押しする。
【0020】
装置はさらに距離ゲージを含み、皮下注射針を固定位置から一定距離に設置する。距離ゲージは、1つ以上の距離目盛を備えたアームを含む。アームはシースにマウントされる。距離ゲージは2つ以上の距離目盛を含む。例えば、第1と第2距離目盛はシースの中心からの3.5mmおよび4.0mmにそれぞれ位置する。他の実施例では、距離目盛は応用によって様々な位置する。
【0021】
したがって、この装置は、定点からのシースの相対的位置を決める。このようにして、皮下注射針の位置は決定される。例えば、この装置は、眼球上の縁からの針の相対的位置を決める。
【0022】
この装置は、さらに皮下注射針の角度を決める。シースに対するアームの角度は、アームが置かれる表面に対する角度を設定する。したがって、シース(したがって皮下注射針)の角度は表面に対して設定されこの表面に対するアームの配置により注入される。例えば、この装置は、眼球上の表面からのシースの相対的角度を決める。アームは表面を完全に並べて置くために鞏膜の表面のそれに似ているカーブを特徴づける。あるいは、それは鞏膜の弯曲未満、あるいは直線であってもよい。例えば、アームは、シースからある角度で傾けられて射出ポイントの鞏膜の表面に垂直な針から射出できる。例えば、シースとアームの間の角度は70〜90度の間の範囲にある。アームは、例えば開脚位(例、幅0.5−2.0mm)、またはクローズドセ ルフォームのような吸収材料と共に、患者への不快感を最小限にすような材料から構築される。さらに、シースのアームおよび下側面は、結膜上の滑りを最小限にするために例えば眼球の表面をつかむくぼみか突起と共に構築される。
【0023】
本装置は、眼球または他の解剖学的部位への治療薬の送達のためにある。
【0024】
本装置は、治療または生検用の組織または液体のサンプルを除去するためにある。
【0025】
本装置はさらに皮下注射針を含んでいてもよい。
【0026】
本装置はさらに皮下注射針と一体になっていてもよい。
【0027】
発明の第2の態様は以下を含む装置を提供する:
コネクターを備えた皮下注射針;
中皮下注射針を囲むシース;
コネクターとシースの間のバイアス装置;
ここでは、シースは、バイアス装置によってバイアスがかけられて皮下注射器の先端が覆われる第一の位置と、皮下注射器が規定の長さで露出されるバイアス装置の力による第二の退避位置の間で移動可能である。
【0028】
本発明の第3の態様は、身体部分への治療薬の送達ための、または、以下のステップを含む装置を使用して身体部分からの組織あるいは液体のサンプルの除去するための皮下注射針を備えた注射器を配置する方法を提供する:
身体部分の表面に所望位置上に装置のシースを置くステップ;
皮下注射針が所定距離だけ身体部分に入り身体部分の表面に残る間に、シースがバイアス装置によって皮下注射針に対して第1の位置からその第2の位置へ置き換えられるように、注射器を下方へ押すステップ;
身体部分に注射器の内容を注入するか、組織または液体のサンプルを除去するステップ;
身体部分から注射器と皮下注射針を取り除くステップ。
【0029】
身体部分は、眼球、トルソ上の皮膚および腫瘍のまわりの身体部分のグループから選ぶことができる。身体部分は、治療薬の送達の位置および深さが重要である任意の身体部分からなる。
【0030】
本方法は、以下の補足ステップを含む:
固定位置は、身体部分の解剖学的特徴、または例えばX線、MRIなどのような医用画像のヘルスワーカーによって作られたマーキングを含んでいてよい。
【0031】
本方法は、以下の補足ステップを含む:
身体部分の表面に距離ゲージのアームを置き、よって正確にシースの角度を設定するステップ。
【0032】
本方法は、以下の補足ステップを含む:
使用後、バイアス装置の力でのシースが下方に戻り、 よって針先を覆うステップ。
【0033】
本発明の第4の態様は、次のステップを含む装置を使用して、治療薬の送達用皮下注射針を備えた注射器を配置するまたは眼球からの組織および液体のサンプルを眼球から除去する方法を提供する:
眼球の表面に所望位置に装置のシースを置くステップ;
皮下注射針が所定距離だけ眼球に入って眼球の表面に残る間に、シースがバイアス装置によってその皮下注射針に対して第1の位置から第2の位置への置き換えられるように、注射器を下方へ押すステップ;
身体部分に注射器の内容を注入するまたは組織または液体のサンプルを除去するステップ;
眼球から注射器と皮下注射針を取り除くステップ。
【0034】
本方法は、以下の補足ステップを含む:
眼球の縁の固定位置に距離ゲージを置き、よって正確にシースを配置するステップ。
【0035】
本方法は、以下の補足ステップを含む:
眼球の表面に距離ゲージのアームを置き、よって正確にシースの角度を設定するステップ。
【0036】
本方法は、以下の補足ステップを含む:
使用後、バイアス装置の力でのシースが下方に戻り、よって針先を覆うステップ。
【0037】
本発明の第5の態様によれば、以下を含む皮下注射針の装置が提供される:
皮下注射針に接続するためのコネクター;
使用中皮下注射針を囲むシース;
コネクターとシースの間のバイアス装置;
ここで、シースは、バイアス装置によってバイアスがかけられて入る第1の位置と、バイアス装置の力で後退した第2の位置の間で移動可能である。その結果、使用中、皮下注射針の先端は第1の位置で覆われるが、第2位置では露出する;
使用後に第1の位置でシースをロックするロック装置。
【0038】
本発明の第6の態様によれば、以下を含む皮下注射針の装置が提供される:
皮下注射針軸;
皮下注射針軸を注射器に接続するためのハブ;
皮下注射針軸またはハブに接続するためのコネクター;
使用中皮下注射軸を囲むシース;
コネクターとシースの間のバイアス装置;
ここで、シースは、バイアス装置によってバイアスがかけられて入る第1の位置と、バイアス装置の力で後退した第2の位置の間で移動可能である。その結果、使用では、皮下注射針の先端は第1の位置で覆われるが、第2位置では露出する;
使用後に第1の位置でシースをロックするロック装置。
【0039】
ロック装置は、シースに対して一定位置に第1の端部と、また、ロックされていない位置では、コネクターの表面を自由に移動でき、ロックされている位置ではコネクターによって捕らえられている第2の端部とを備えた部材を含んでいてもよい。
【0040】
ロック装置は、シースに対して一定位置に第1の端部と、 また、ロックされていない位置ではコネクターの外表面に、ロックされている位置ではコネクターの内表面に位置する第2の端部とを備えた部材を含んでいてもよい。材料はリーフスプリングを含んでいてもよい。
【0041】
一つの実施形態では、部材の第1の端部はシース上にマウントされたアーム上に固定される。
【0042】
実施例では、シースはチャネルを含み、また、施錠装置は、シース中の凹部を含み、そこでは、ロック装置は、チャネルと外部壁の間の凹部を含む、かつ、ロックされていない位置では、針はチャネルを通り抜け、また、ロック位置では、針は凹部に休止する。シースはチャネルまわりの内壁および外部壁を含み、また凹部は内壁と外部壁の間に規定される。バイアス装置は、ハブとシースの間に1つ以上の弓スプリングを含む。内壁の外側表面は、その上部表面から外へ先細りになる。
【0043】
本発明の第7の態様によれば、以下を含む皮下注射針の装置が提供される:
皮下注射針に接続するためのコネクター;
チャネルと凹部を含むシース;
およびシースにバイアスをかけてコネクターから遠ざけるコネクターとシースの間のバイアス装置;
ここでは、使用中、ロックされていない位置で、皮下注射針はシースのチャネルを通過し、およびロックされた位置では、皮下注射針は、シースの内部および外部壁の間の凹部に位置する。
【0044】
ロックをかけていない位置では、力がバイアス装置のバイアスに対してシースにかけられないのであれば、シースは針を覆うことができる。
【0045】
バイアス装置はスプリング(例えばコイル、リーフ、弓スプリング)を含む。1つの実施例では、スプリングは2つ以上の弓スプリングを含む。
【0046】
本装置は、皮下注射針の位置および角度の少なくとも1つを設定するゲージを含む。アームはシースにマウントされる。ゲージは、皮下注射針の位置を固定ロケーションからの設定距離に設定する。ゲージは、皮下注射針の角度を決める。
【0047】
発明の8番目の態様によれば、皮下注射針の先端、関する安全デバイスをロックする方法が提供されるが、この安全デバイスは皮下注射針に接続されたコネクター、皮下注射針が通るチャネルおよび凹部およびコネクターとシースの間のバイアス装置を含むシースを含み;本方法は以下を含む:
シースをコネクターから押しのけシースのチャネルから皮下注射針を離すステップ;
シースを解放し、皮下注射針がシース内の凹部に入り込むステップ。
【0048】
本方法は接続ハブにシースを横に移動させることを含む。その結果、皮下注射針はチャネルと位置ずれを起こす。
【0049】
1つの実施例では、バイアス装置は1つ以上の弓スプリングを含み 各弓スプリングは凸面を有し、 また、コネクターからシースを引き離すステップは、1以上の弓スプリングの凸面を押すことを含む。バイアス装置は、外へ面するそれらの凸面と実質的に互いに向かい合う2つの弓スプリングを含む。また、コネクターからシースを押しのけるステップは弓スプリングの凸面を押すことを含む。
【0050】
好ましくは、一旦ロック位置では、ロック装置を開けることができない。
【0051】
コネクターは、皮下注射針の不可欠な部分を含む。あるいは、コネクターは、皮下注射針上に(例えば皮下注射針の接続ハブ上に)適合する。
【0052】
本装置は、眼球以外の身体部分に注入する際に使用に適している。例えば、皮下注射、関節内注射または経皮的注射。特に、それは標的腫瘍注射に適している。
【0053】
本明細書の記載および請求項の全体にわたって、単語「含む」、「包含する」、およびこれらの変異語、「含んでいる」や「包含している」は、意味する「これらに限定されず〜を含み」、かつその他のコンポーネントまたはステップを除外するものではない。さらに、もしコンテキストが他の点を必要としなければ、単数は複数を包含する:特に、不定冠詞が使用される場合、もしコンテキストが他の点を要求しなければ、明細書は単数と同様に複数も熟考されるとものとなっている。
【0054】
発明の各態様の好ましい特徴は他の任意の態様との関連で記述されうる。本発明の特徴は以下の例から明白になるであろう。概して言えば、発明は、この明細書(付随する任意の請求項および図を含む)に開示された特徴の任意の新奇なもの、もしくは任意のそれらの新しい組み合わせまでに及ぶ。したがって発明の特別の態様、実施例または例題と共に記載された特徴、特性あるいはステップは、 もし非互換性でなければここに記載された他の態様、実施例あるいは例題に適用可能なものと理解されている。さらに、他の点が述べられていないならば、ここに開示された任意の特徴も、同じまたは同様の目的に役立つ代替特徴によって取り替えられることもできる。
【0055】
本発明は、以下の非限定の例題および付随する説明図を参照してさらに記述されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【
図1】注入に先立って正確な位置をマークする先行技術の方法を示す図である。
【
図3】A及びBは、それぞれ2つの実施例において注射器の2つの位置に設置されていることを例証する図である。
【
図4】A及びBは、眼球に正確に注射器を設置する装置の断面図を示す。
【
図5】A及びBは、有水晶体および偽水晶体の眼球での異なる位置付けをする装置を示す図である。
【
図5C】有水晶体および偽水晶体の眼球での異なる位置付けをするそれぞれの装置を示す図である。
【
図5D】有水晶体および偽水晶体の眼球での異なる位置付けをするそれぞれの装置を示す図である。
【
図6】本装置を皮下注射針上に接続するのを説明する側面図である。
【
図7】本装置を皮下注射針のコネクションハブを説明する側面図である。
【
図8】A、B及びCは、本装置の施錠装置を説明する図である。
【
図9A】本装置の施錠装置の実施例を説明する図である。
【
図9B】本装置の施錠装置の実施例を説明する図である。
【
図9C】本装置の施錠装置の実施例を説明する図である。
【
図10A】本装置のさらなる実施例を説明する図である。
【
図10B】本装置のさらなる実施例を説明する図である。
【
図10C】本装置のさらなる実施例を説明する図である。
【
図10D】本装置のさらなる実施例を説明する図である。
【
図10E】本装置のさらなる実施例を説明する図である。
【
図10F】本装置のさらなる実施例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0057】
図2は本発明の装置である。装置18は、これらの間で配置された皮下注射針、シース22およびコイルスプリング24のハブに接続する接続ハブ20を含む。皮下注射針軸が、シースの内部径が皮下注射針の外寸より大きいこれらの中心を通り抜けられるように、シース22およびスプリング24が形成される。
【0058】
シースの長手軸から横に伸びるアーム26が、シース22にマウントされる。アームには、シースの中心からのあらかじめ規定された距離に2つの距離ゲージ28と30が備わっている。
【0059】
図3Aおよび
図3Bは、注射器32および皮下注射針34上にマウントされた装置18を示す。接続ハブ20は皮下注射針18のハブ(図示せず)にマウントされる。また、皮下注射針はスプリングとシースの長手軸に沿って伸びる。力がスプリング上に及ばさない場合、
図3Aに示されるように、皮下注射針34は装置内に完全に囲まれる。しかしながら、スプリング24が圧縮される場合、皮下注射針34はシース22の底から外に伸びる。スプリング24が接続ハブ20とシース22の間で完全に圧縮される時、皮下注射針34はシース22から外に一定量突き出る。
【0060】
コネクター、スプリングおよびシースの配置によって、装置が使用されていない場合皮下注射針の鋭い針先端が防御されて、針点による偶然の外傷の危険からヘルスケアワーカーおよび患者を守られることを保証する。使用中に、眼球内へ針を動かすことはシースによって制限され、針先が眼球へあまり深く進まず繊細な視覚の構造に損害をもたらさないことを保証している。
【0061】
図4は、眼球の後上葉区内のガラス体液へ治療薬を投与する前に眼球に注射器の皮下注射針を正確に設定する、使用中の装置を示す。
図4Aは、角36を示す上から、眼球10の横断切片を説明する。注射器32および装置18を備えた皮下注射針34は注入に先立って眼球上で並べられて示されている。距離ゲージ30は縁16に沿って並べられ(眼球の白と有色の部分間の境界)、その結果縁から移動式アーム26によって放射状に置くことによって、シースは設定距離離して配置される。アーム26は鞏膜の表面上に置かれ、よってシースの角度が設定される。エントリーのポイントでの強膜に対してのシース(そのために皮下注射針)の角度は、70度〜90度の範囲に、好ましくは90度であるに違いない。
【0062】
一旦シースの位置および角度がアーム26および距離ゲージ30によって設定されたならば、皮下注射針34は
図4のBで示される眼球に挿入できる。シースが眼球の表面に置かれている一方、注射器32は下方へ押され、ハブ20とシース22の間のスプリング24を圧縮する。この運動中に、位置決めガイド(シースを含む)が眼球の外側に残っている間、皮下注射針34は一定距離(即ち、スプリングが完全に圧縮される場合)だけ眼球に押し込まれる。皮下注射針32は、設定された位置、角度および深さで眼球に挿入された。この正確な位置で、薬剤は眼球の如何なる構造も破損せずに、ガラス体液に注入される。
【0063】
図5のAで説明されるように眼球は有水晶体(自然な水晶体を含んでいる)または
図5のBに説明されるように偽水晶体(自然なレンズを取り除き、人工水晶体と取り替えられた場合)であってもよい。これらの2つの場合では、注入の位置が異なる;有水晶体眼の縁から4mm、および偽水晶体眼球の縁から3.5mm。装置には、シースの中心線からのこれらの2つの距離を決める距離ゲージ上に2つの距離目盛28および30がある。
図5のAでは、外部の距離目盛30は縁に沿って書かれてあり、それによって、シースの中心線を4mm遠方に配置する。
図5Bでは、内部距離目盛28は縁に沿って書かれてあり、それによって、シースの中心線を3.5mm遠方に配置する。
【0064】
距離ゲージの他の実施例を
図5Cおよび
図5Dに示す。この実施例では、距離ゲージ26の遊離末端には眼球の縁にそれに似ているか等しい曲率半径を備えたC−形状の先端27があります。シースの中心からC−形状の先端の外部周面までの距離ゲージに沿った距離は、3.5mmであるが、一方、シースの中心からC−形状の先端の内部周面までは、4.0mmがある。したがって、同じ距離ゲージは、C−形状の先端の外部あるいは内部のいずれから縁へと整列させることによって有水晶体眼または偽水晶体の眼球上で使用できる。
図5Cは、縁と並んでいるC−形状の先端27の外部周面を示す、一方、
図5Dは、縁と並んでいるC−形状の先端27の内部周面を示す。
【0065】
図6および
図7は、どのように装置18が皮下注射針に適合するか示す。皮下注射針34は典型的には注射器32に適合する針軸38およびハブ40を含む。針ハブ40は典型的にはテーパー状になっている。また、装置の接続ハブには円錐台形状が備わっていてそれが針のハブに押される。接続ハブ20の内表面はハブ40のそれに対して対応するテーパー角あり、それが摩擦によって適所に保持されている。
図7は、接続ハブ20が40皮下注射針のハブ上に適合したことを示す;弾力のある鉤42および44は 皮下注射針ハブ40の頂面とかみ合う接続ハブ20の一番上に備わっていて、それを安全な位置に保持すること。針ハブ上の突起に適合するように設計された接続ハブ内のスロットを含めて他の適切な方法を使用して接続ハブを針ハブに取り付けられる。あるいは、接続ハブは針ハブに一体化された部分であってもよい。
【0066】
図8に説明されるように、使用前に装置はセーフティ機構も備わっていて皮下注射針の先端を覆い、かつ使用後にこの位置にロックされる。
【0067】
図8のAは使用準備が完了した装置を示す。セーフティ機構は、1つの終端50のシース22から伸びるアーム48上にマウントされ、接続ハブ20の外側表面54にもたれかかる自由末端52を持つ、リーフスプリング46から成るリーフスプリング46の自由末端52は丸くなっていて、接続ハブ20の表面上を滑らかなに移動できる。
【0068】
図8のBは、シース22は後退した位置にある使用中の装置、およびシース22から伸びる皮下注射針34の先端を示す。この位置では、リーフスプリング46の自由末端52は、接続ハブ20の表面54を上方へ移動した。
【0069】
図8のCはロック状態の装置を示す。シース22がイチジク8Bの中で示されるその後退位置から解放されると、それはコイルスプリング24(図示せず)によって下方へ押される。リーフスプリング46は、同様に
図8Aに示されるようにその元の状態に返る。この位置から、リーフスプリングは
図8C示されるように奥に引き込んだハブの下で再配置されることがある。一旦リーフスプリング46の遊離末端52が接続ハブ20の刃端縁から移動したならば、それは内側へそらされる、また、シース22の上方への移動は自由末端52を接続ハブ20の内表面に押し込み、 さらに上向きの移動を防ぎシース22が上方へ十分に動き皮下注射針34を露出されるのを防ぐ。
【0070】
図9A〜
図9Cは、錠装置の第2の実施例を説明する;この実施例では、距離ゲージは、シース22に付けられたアーム26を含み、アーム26は、
図5Cおよび
図5Dに述べられているようにC−形状27を有する。リーフスプリング46はアーム26に付けられており、上方へ伸びて施錠装置を形成する。
図9Aは、その初期位置での装置を示し、リーフスプリング46の自由末端52が接続ハブ20の外側表面に停止している;
図9Bは、スプリング24は圧縮されおよびリーフスプリングの自由末端は、接続ハブ20の外側表面に対して上方へ伸びている使用中装置を示す;また、
図9Cは、ロック状態の装置を示し、リーフスプリング36の自由末端は接続ハブの内周面に置かれている。
【0072】
装置56は、これらの間で配置された皮下注射針、シース22および一対の弓スプリング58のハブに接続する接続ハブ20を含む。前の実施例では、接続ハブ20、シース22および弓スプリング58が形成され、皮下注射針に接続された時、力が弓スプリング58にかけられない場合、皮下注射針の先端がシース22によってカバーされる。
【0073】
前の実施例のように、装置56には装置がマウントされる皮下注射針を配置するゲージ60が備わっている。距離ゲージ60は、固定マーカーからの皮下注射針の距離(C−形状の凹面とシースの中心開口部の間の距離によって)と皮下注射針の角度(ゲージの裏面の形によって)の両方を設定する。さらに、皮下注射針の距離および角度を設定する他のタイプのゲージは、特に、上記の他の実施例に示した項目において適切である。
【0074】
図10Eの断面は、シース22の詳細をより詳細に示す。シース22は、中心開口部によって形成されたチャネル66、外部壁62、チャネル66のまわりの内壁64、また内部および外部壁64、62の間で規定された凹部68、を含む。内壁の外側表面は円錐形で、 チャネルの一番上で最小の直径で外へ先細りになっている。外部壁は円筒状で、それによって、それらの間の円形凹部を形成する。
【0076】
図11Aは、皮下注射針に接続され、眼球10の表面に置かれた装置56を示す。圧力は弓スプリングに対して加えられていない。また、装置56はその受動状態である。針軸34は、シース22のチャネル66で見られる、その先端はシースによってカバーされている。使用中、皮下注射針は眼球に押しつけられ弓スプリングを圧縮し、その結果、接続ハブ20とシース22の間の距離が減少し、針軸34が眼球10に入ることができる。前の実施例より異なるスプリングは使用されるが、基礎的な機序は同じである。
【0077】
図11Bは、ロック位置(皮下注射針の針軸34は、シースの内部および外部壁64、62の間の凹部68に停止している)の装置56を示す。この位置では、弓スプリングにどのように圧縮力をかけても、針がアンロックの状態にはならない。
【0078】
装置は、単に弓スプリング58をおして、シース22を接続ハブ20から押しのけることにより、
図11Aの中の位置からロックされ、針軸34をチャネル66から解放させる。弓スプリング58の少しの接線運動は針軸34を凹部68に押し込む。チャネルおよび針軸の間の耐性は小さいので針軸がチャネルへ偶然に押し返されることは難しい。
【0079】
他の方法を使用することができるが、装置は射出成形か3D印刷によって適切に製造される。
【0080】
この装置は、針刺し損傷に対する、能動的・消極的防護の両方を提供する。動作位置は施錠装置によって提供されまる。これによってシースは使用後に皮下注射針の先端に置かれてロックされる。受動の位置は、正常な使用での皮下注射針先端を取り巻くシースによって提供される;針先端部は、力がバイアス装置に対するシースに及ぼされる場合のみ、露出する。また、これが起こるには、シースは注入されつつある身体部分、即ち、眼球に停止していなければならない、そして針先端部のみシースから真っすぐに身体部分自体に突き出なければならない。
【0081】
装置は眼球に加えて一連の身体部分の用途(例えば皮下注射)に適している。装置は、ゲージのあるなしに関わらずロック装置として使用できる。ゲージは特別の用途に適している場合がある。装置は、癌部位をターゲットとした注射剤に特に適している。
【0082】
この発明は、単一の装置で注入の位置、角度および深さが設定できる長所がある。さらに、その発明は、ヘルスケアワーカーおよび患者に不注意な損傷からの保護を与える。
【国際調査報告】