(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-537260(P2016-537260A)
(43)【公表日】2016年12月1日
(54)【発明の名称】エアスルーカートを有する航空機ギャレー
(51)【国際特許分類】
B64D 11/04 20060101AFI20161104BHJP
A47B 31/02 20060101ALI20161104BHJP
A47B 31/06 20060101ALI20161104BHJP
【FI】
B64D11/04
A47B31/02 D
A47B31/02 Z
A47B31/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-537830(P2016-537830)
(86)(22)【出願日】2014年8月27日
(85)【翻訳文提出日】2016年4月28日
(86)【国際出願番号】US2014053010
(87)【国際公開番号】WO2015031539
(87)【国際公開日】20150305
(31)【優先権主張番号】61/872,459
(32)【優先日】2013年8月30日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/465,082
(32)【優先日】2014年8月21日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG
(71)【出願人】
【識別番号】500413696
【氏名又は名称】ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】B/E Aerospace, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】バード、ピーター ジョン レスリー
(57)【要約】
【解決手段】航空機ギャレー食事カートの通気冷却のための装置は、1つ以上の冷却されたギャレー食事カートベイと、供給気流ダクト及び分岐した還気流ダクトを備える1つ以上のギャレー冷却器空気供給及び還気ダクトアセンブリと、を備える。気流バランスバッフルが、還気出口部分及び供給気流ダクト入口部分に配置されてもよく、ギャレー食事カートと、供給出口ポート及び還気入口ポートとの間の弾性接続は、弾性密封材または絶縁密封材を含んでもよく、ばね荷重密封フラップは、ギャレー食事カートの一部との接触によって開放される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機ギャレー食事カートの通気冷却のための装置であって、
前部及び後部を有する冷却されたギャレー食事カートベイであって、前記冷却されたギャレー食事カートベイは、前記冷却されたギャレー食事カートベイの前部に適切な航空機ギャレー食事カートを取り外し可能に受けるように構成される、冷却されたギャレー食事カートベイと、
前記冷却されたギャレー食事カートベイの後部に配置されたギャレー冷却器空気供給及び還気ダクトアセンブリであって、前記ギャレー冷却器空気供給及び還気ダクトアセンブリは、前記冷却されたギャレー食事カートベイに受けられた適切な航空機ギャレー食事カートに取り外し可能に連結されるように構成され、前記空気供給及び還気ダクトアセンブリは、供給気流ダクト及び分岐した還気流ダクトを備え、前記供給気流ダクトは、冷却器装置から冷却された供給気流を受けるように構成された供給気流ダクト入口部分と、前記冷却された供給気流を前記航空機ギャレー食事カートに供給するように構成された供給気流ダクト出口部分と、を有し、前記分岐した還気流ダクトは、前記航空機ギャレー食事カートから還気流を受けるように構成された還気入口部分と、前記還気入口部分から延出し、前記供給気流ダクトの反対側につながる1対の分岐した還気流ダクト部分と、を備え、前記1対の分岐した還気流ダクト部分は、再冷却のため前記還気流を前記空気冷却器に供給するように構成された1対の還気出口部分を備える、ギャレー冷却器空気供給及び還気ダクトアセンブリと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記供給気流ダクト及び前記分岐した還気流ダクトは、内部で絶縁されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記冷却された供給気流を供給するように構成された空気供給作業デッキプレナムと、
前記空気供給作業デッキプレナムと前記供給気流ダクト入口部分との間に連結された供給空気ダクト連結アダプタと、をさらに備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記還気出口部分及び前記供給気流ダクト入口部分にそれぞれ配置された気流バランスバッフルをさらに備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記冷却されたギャレー食事カートベイは、複数の前記ギャレー冷却器空気供給及び還気ダクトアセンブリを備え、複数のギャレー食事カートを取り外し可能に受けるように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の還気ダクトアセンブリと接続するように構成された還気流ダクトプレナムをさらに備える、
請求項5に記載の装置。
【請求項6】
前記複数のギャレー冷却器空気供給及び還気ダクトアセンブリの分岐した還気出口部分と接続するように構成された還気流ダクトプレナムをさらに備える、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記供給気流ダクト出口部分には、弾性密封材が取り付けられる、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記弾性密封材は、二重壁シリコーンベローズである、
請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記還気入口部分には、弾性密封材が取り付けられる、
請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記弾性密封材は、二重壁シリコーンベローズである、
請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記供給気流ダクト出口部分には、絶縁密封材が取り付けられる、
請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記絶縁密封材は、含浸シリコーン発泡体密封材である、
請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記絶縁密封材は、化学物質に少なくとも部分的に含浸させた防水性可撓性多孔質発泡体カラーである、
請求項11に記載の装置。
【請求項14】
前記還気入口部分には、絶縁密封材が取り付けられる、
請求項1に記載の装置。
【請求項15】
前記絶縁密封材は、含浸シリコーン発泡体密封材である、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記絶縁密封材は、化学物質に少なくとも部分的に含浸させた防水性可撓性多孔質発泡体カラーである、
請求項14に記載の装置。
【請求項17】
前記供給気流ダクト出口部分及び前記還気入口部分はそれぞれ、フラップ閉鎖ばねによって閉鎖位置に外側に付勢されるばね荷重密封フラップを備え、
前記ばね荷重密封フラップは、それぞれ、前記供給気流ダクト出口部分及び前記還気入口部分の開口密封材に対して密封するように構成され、スライディングプッシュアクチュエータに対する内向きの圧力によって開放位置に内側に移動可能であり、前記スライディングプッシュアクチュエータは、ばね荷重密封フラップに連結され、前記ばね荷重密封フラップから前記冷却されたギャレー食事カートベイの前部に向かって外側に延出し、内側に押されてギャレー食事カートの一部との接触によって前記ばね荷重密封フラップを開放する、
請求項1に記載の装置。
【請求項18】
前記供給気流ダクト出口部分及び前記還気入口部分はそれぞれ、フラップ閉鎖ばねによって閉鎖位置に外側に付勢されるばね荷重密封フラップを備え、
前記ばね荷重密封フラップは、それぞれ、前記供給気流ダクト出口部分及び前記還気入口部分の開口密封材に対して密封するように構成され、スライディングプッシュアクチュエータに対する内向きの圧力によって開放位置に内側に移動可能であり、前記スライディングプッシュアクチュエータは、ばね荷重密封フラップに連結され、前記ばね荷重密封フラップから前記冷却されたギャレー食事カートベイの前部に向かって外側に延出し、内側に押されてギャレー食事カートの一部との接触によって前記ばね荷重密封フラップを開放し、
前記スライディングプッシュアクチュエータは、前記弾性密封材を介して、前記冷却されたギャレー食事カートベイの前部に向かって外側に延出する、
請求項7に記載の装置。
【請求項19】
前記供給気流ダクト出口部分及び前記還気入口部分はそれぞれ、フラップ閉鎖ばねによって閉鎖位置に外側に付勢されるばね荷重密封材フラップを備え、
前記ばね荷重密封材フラップは、それぞれ、前記供給気流ダクト出口部分及び前記還気入口部分の開口密封材に対して密封するように構成され、スライディングプッシュアクチュエータに対する内向きの圧力によって開放位置に内側に移動可能であり、前記スライディングプッシュアクチュエータは、前記ばね荷重密封フラップに連結され、前記ばね荷重密封フラップから前記冷却されたギャレー食事カートベイの前部に向かって外側に延出し、内側に押されてギャレー食事カートの一部との接触によって前記ばね荷重密封フラップを開放し、
前記スライディングプッシュアクチュエータは、前記絶縁密封材を介して、前記冷却されたギャレー食事カートベイの前部に向かって外側に延出する、
請求項11に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年8月30日に出願された米国特許出願第61/872,459号、及び、2014年8月21日に出願された米国特許出願第14/465,082号の優先権を主張し、それらの内容を参照により組み込む。
【背景技術】
【0002】
本発明は、輸送機ギャレーシステムに関し、特に、客室乗務員によるサービスの前に食事カートを冷却するシステムに関する。
【0003】
現代の輸送機の航空機ギャレーシステムは、客室乗務員によって乗客に食事が提供される前に食事の腐敗を防止するため、冷却された食事カートを組み込む。これらの食事カートは、一般的に、食事カートの内部を冷却するように設計されたギャレーの冷気供給システムと接続している。このような冷気供給システムは、冷気を供給するプレナムに食事カートを連結する密封用ガスケットによって食事カートと接続する。ギャレー冷却システムは、一般的に、ギャレーキャビネットに搭載され、冷気が、ギャレー冷却システムから排出され、ギャレーキャビネットのギャレー食事カートの上を通って、または、ギャレー食事カートの中を通って循環し、ギャレー冷却システムに戻り、再び冷却され、排出されるようにする。通気(エアスルー)ギャレー食事カートは、一般的にギャレー食事カートのドアに組み込まれたグリルを備え、中の食事への直接の空気循環を可能にする。
【0004】
ギャレーの後壁に一体化された狭窄部位配管により、奥行きが削減されたギャレーにおいて従来の大きさのエアスルーカートを冷却する能力を有し、ギャレーの作業デッキに組み込まれた空気供給作業デッキプレナムを用いて、35及び37インチの奥行きに設置面積が削減された航空機ギャレー内にエアスルーギャレー食事カートを設置することができ、エアスルーギャレー食事カートを空気冷却器によって冷却することができるシステムを提供することが望ましい。本発明は、これら及び他の要求を満たす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
手短に大まかに言うと、本発明は、航空機ギャレー食事カートの通気冷却のための装置であって、ギャレーの後壁に一体化された狭窄部位配管によって従来のエアスルーカートの冷却を可能にするギャレー冷却器空気供給及び還気ダクトアセンブリを備え、ギャレーの作業デッキに組み込まれた空気供給作業デッキプレナムを用いて奥行きが削減されたギャレーで従来の大きさのエアスルーカートを冷却することを可能にして、センターラインギャレーまたは側面ギャレーに取り付けることができる装置を提供する。
【0006】
従って、本発明は、航空機ギャレー食事カートの通気冷却のための装置であって、冷却されたギャレー食事カートベイの前部に1つ以上の航空機ギャレー食事カートを取り外し可能に受けるように構成された冷却されたギャレー食事カートベイと、好ましくは、冷却されたギャレー食事カートベイの後部に、供給気流ダクト及び分岐した還気流ダクトを備えるギャレー冷却器空気供給及び還気ダクトアセンブリであって、冷却されたギャレー食事カートベイに受けられる航空機ギャレー食事カートに取り外し可能に連結されるように構成されたギャレー冷却器空気供給及び還気ダクトアセンブリと、を備える装置を提供する。供給気流ダクトは、冷却器装置から冷却された供給気流を受けるように構成された供給気流ダクト入口部分と、冷却された供給気流を航空機ギャレー食事カートに供給するように構成された供給気流ダクト出口部分と、を備える。分岐した還気流ダクトは、航空機ギャレー食事カートから還気流を受けるように構成された還気入口部分と、還気入口部分から延出し、好ましくは、供給気流ダクトの反対側につながる1対の分岐した還気流ダクト部分と、を備える。1対の分岐した還気流ダクト部分は、好ましくは、還気流の冷却のため、還気流を供給するように構成された1対の還気出口部分を備える。
【0007】
別の現在好適な態様において、当該装置は、冷却された供給気流を供給するように構成された空気供給作業デッキプレナムと、空気供給作業デッキプレナムと供給気流ダクト入口部分との間に連結された供給空気ダクト連結アダプタと、を随意的に備えてもよい。別の現在好適な態様において、当該装置は、還気出口部分及び供給気流ダクト入口部分にそれぞれ配置された流量制限器プレートまたは気流バランスバッフルを随意的に備えてもよい。
【0008】
別の現在好適な態様において、供給気流ダクト及び分岐した還気流ダクトは、内部で絶縁されている。別の現在好適な態様において、冷却されたギャレー食事カートベイは、随意的に、複数のギャレー食事カートを取り外し可能に受けるように構成され、複数のギャレー冷却器空気供給及び還気ダクトアセンブリを備えてもよい。現在好適な態様において、当該装置は、複数のギャレー冷却器還気ダクトアセンブリの分岐した還気出口部分と接続するように構成された還気流ダクトプレナムを随意的に備えてもよい。
【0009】
別の現在好適な態様において、供給気流ダクト出口部分には、例えば、二重壁シリコーンベローズなどの弾性密封材、または、例えば、含浸シリコーン発泡体密封材などの絶縁密封材が取り付けられている。別の現在好適な態様において、還気入口部分には、例えば、二重壁シリコーンベローズなどの弾性密封材、または、例えば、含浸シリコーン発泡体密封材などの絶縁密封材が取り付けられている。別の現在好適な態様において、絶縁密封材は、化学物質に少なくとも部分的に含浸させた防水性可撓性多孔質発泡体カラーである。
【0010】
別の現在好適な態様において、供給気流ダクト出口部分及び還気入口部分はそれぞれ、フラップ閉鎖ばねによって閉鎖位置に外側に付勢されたばね荷重密封フラップを備え、ばね荷重密封フラップは、それぞれ、供給気流ダクト出口部分及び還気入口部分の開口密封材に対して密封するように構成され、スライディングプッシュアクチュエータに対する内向きの圧力によって開放位置に内側に移動可能であり、スライディングプッシュアクチュエータは、ばね荷重密封フラップに連結され、ばね荷重密封フラップから冷却されたギャレー食事カートベイの前部に向かって外側に延出し、内側に押されてギャレー食事カートの一部との接触によってばね荷重密封フラップを開放するように構成される。別の現在好適な態様において、供給気流ダクト出口部分または還気入口部分には、弾性密封材または絶縁密封材が取り付けられ、スライディングプッシュアクチュエータは、弾性密封材または絶縁密封材を介して冷却されたギャレー食事カートの前部に向かって外側に延出する。
【0011】
本発明の他の特徴および利点が、例として、本発明の動作を図示する添付の図面と合わせて以下の好適な実施形態の詳細な記載から明らかになるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る、航空機ギャレー食事カートの通気冷却のための装置を示す概略図である。
【
図2】複数のギャレー食事カートを受けるように適応された1つ以上の冷却されたギャレー食事カートベイを備え、複数の航空機ギャレー食事カートの通気冷却のための複数のギャレー冷却器空気供給及び還気ダクトアセンブリを備える、本発明の変形例を示す概略図である。
【
図3】
図1または
図2の装置の供給気流ダクト出口部分及び還気入口部分のそれぞれに合うように適応された弾性密封材の概略図である。
【
図4】
図1または
図2の装置の供給気流ダクト出口部分及び還気入口部分のそれぞれに合うように適応された絶縁カラーの概略図である。
【
図5】気流バランスバッフル及び供給空気ダクト連結アダプタの配置を示す、供給及び還気ダクトの上部の概略図である。
【
図6A】ポートを閉鎖する閉鎖位置のフラップを示す、
図1または
図2の装置のばね荷重自動閉鎖低制限フラップを備えるダクトの奥行きが削減された供給または還気ポートの拡大部分断面図である。
【
図6B】ポートを部分的に開放する部分開放位置のフラップを示す、
図6Aと同様の拡大部分断面図である。
【
図6C】ポートを完全に開放する完全開放位置のフラップを示す、
図6Aと同様の拡大部分断面図である。
【
図6D】ポートを閉鎖する閉鎖位置のフラップを示す、
図6Aのポートの拡大正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
限定のためではなく、例示の目的のために提供される図面を参照すると、本発明は、航空機ギャレー食事カートの通気冷却のための装置10であって、冷却されたギャレー食事カートベイの前部13にそれぞれ(図示しない)1つ以上の対応する航空機ギャレー食事カートを取り外し可能に受けるための1つ以上の冷却されたギャレー食事カートベイ12を備える、装置10を提供する。冷却されたギャレー食事カートベイはそれぞれ、冷却されたギャレー食事カートベイの後部15に、それぞれ、対応する航空機ギャレー食事カートに取り外し可能に連結されるように構成された、1つ以上のギャレー冷却器空気供給及び還気ダクトアセンブリ14を備える。
【0014】
空気供給及び還気ダクトアセンブリはそれぞれ、
図6Aから
図6Dにより詳細に図示される、供給気流ダクト16と、入口/出口ポート20を備える分岐した還気流ダクト18と、を備える。供給気流ダクトは、(図示しない)作業デッキに一体化されたプレナムを介して冷却器装置から冷却された供給気流23を受けるように構成された供給気流ダクト入口部分22と、冷却された供給気流を対応する航空機ギャレー食事カートの1つに供給するように構成された冷却された空気出口または供給気流ダクト出口部分24と、を備える。分岐した還気流ダクトは、還気入口部分26から延出し、供給気流ダクトの反対側につながり、対応する航空機ギャレー食事カートから還気流28を受けるように構成された1対の分岐した還気流ダクト部分25a、25bを備え、相互接続配管を介して還気流を冷却器装置の蒸発器に供給するように構成された1対の還気出口部分32a、32bを有する。現在好適な態様において、空気供給及び還気ダクトアセンブリのそれぞれのダクトは、一般的に、例えば、3ミリメートルから4ミリメートルの厚さの真空絶縁パネルなどにより、内部で絶縁されている。
【0015】
図1、
図2及び
図5に示すように、供給空気ダクト連結アダプタ34が、空気供給作業デッキプレナムと供給気流ダクト入口部分との間に接続するように随意的に設けられてもよい。ギャレーの冷却された空気供給及び還気ダクトはまた、随意的に、ギャレーの固定された下部後壁及び取り外し可能な上部後壁との接続点などにおいて、それぞれ、還気出口部分及び供給気流ダクト入口部分に一般的に配置された適切な大きさの流量制限器プレートまたは気流バランスバッフル35a、b、cによって、個別に及び/または集合的にバランスが保たれてもよい。
【0016】
図2に示すように、本発明の装置は、単一のカートベイ36に受けられる単一のギャレー食事カートと接続するか、または、1つ以上の複数のカートベイ38に受けられる複数のギャレー食事カートと接続するように実現されてもよく、1つ以上の複数のカートベイ38は、複数の個別の供給空気ダクト連結アダプタと接続するか、または、供給気流ダクト入口部分と直接接続するように構成された空気供給作業デッキプレナム40と、複数のギャレー食事カートに対して、個別の分岐した還気流ダクトの分岐した還気出口部分と接続するように構成され、部分的に示された、還気流ダクトプレナム42と、を備えることができる。
【0017】
図3及び
図4を参照すると、現在好適な態様において、供給気流ダクト出口部分または冷却された空気出口フラップ及び還気入口部分または還気入口フラップには、随意的に、それぞれ、弾性シリコーンカラーや、弾性空気絶縁二重壁シリコーンベローズまたはカラー44などの弾性密封材、または、化学物質に、完全に、または、部分的に含浸させた防水性可撓性多孔質発泡体カラーなどの含浸シリコーン発泡体密封材46であって、さらに、例えば、シリコーンなどの別の適合性材料の塗膜を含むことができる含浸シリコーン発泡体密封材46などの絶縁密封材が取り付けられてもよい。
【0018】
図6Aから
図6Dを参照すると、冷却された空気出口または供給気流ダクト出口部分及び還気入口部分はそれぞれ、一般的に、ばね荷重密封フラップ48を備え、ばね荷重密封フラップ48は、フラップ閉鎖ばね50によって、
図6Aに示す、それぞれ、冷却された空気出口または供給気流ダクト出口部分または還気入口部分などの入口/出口ポートの開口密封材52に対して密封する閉鎖位置に外側に付勢され、
図6B及び
図6Cに示す開放位置に、スライディングプッシュアクチュエータまたは接触スタブ54に対する内向きの圧力によって、内側に移動可能であり、スライディングプッシュアクチュエータまたは接触スタブ54は、ばね荷重密封フラップに連結され、ばね荷重密封フラップから冷却されたギャレー食事カートベイの前部に向かって、それぞれ、冷却された空気出口または供給気流ダクト出口部分または還気入口部分を介して外側に延出し、内側に押されて、例えば、(図示しない)ギャレー食事カートの入出力グリルなどのギャレー食事カートの一部と接触することでばね荷重密封フラップを開放する。随意的な弾性密封材または絶縁密封材が供給気流ダクト出口部分及び還気入口部分に取り付けられると、スライディングプッシュアクチュエータまたは接触スタブは、一般的に、冷却されたギャレー食事カートベイの前部に向かって、弾性密封材または絶縁密封材を介して外側にも延出する。本発明により、35及び37インチの奥行きに設置面積が削減された航空機ギャレー内にエアスルーカートを設置すること及び空気冷却器によってエアスルーカートを冷却することが可能となる。
【0019】
本発明に係る航空機ギャレー食事カートの通気冷却のための装置は、ギャレーの後壁に一体化された狭窄部位配管によって、従来のエアスルーカートの冷却を可能とし、ギャレーの作業デッキに作り付けられた空気供給作業デッキプレナムを用いて、奥行きが削減されたギャレーにおいて従来の大きさのエアスルーカートを冷却する能力を提供する。本システムは、センターラインギャレーまたは側面ギャレーに設置することができる。
【0020】
本発明の特定の形態について例示及び記載したが、種々の改良が、本発明の要旨及び範囲を逸脱しない範囲で可能であることは、前述により明らかであろう。従って、本発明は、添付の特許請求の範囲以外によって限定を受けることを意図されていない。
【手続補正書】
【提出日】2016年5月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
航空機ギャレー食事カートの通気冷却のための装置であって、
前部及び後部を有する冷却されたギャレー食事カートベイであって、前記冷却されたギャレー食事カートベイは、前記冷却されたギャレー食事カートベイの前部に適切な航空機ギャレー食事カートを取り外し可能に受けるように構成される、冷却されたギャレー食事カートベイと、
前記冷却されたギャレー食事カートベイの後部に配置されたギャレー冷却器空気供給及び還気ダクトアセンブリであって、前記ギャレー冷却器空気供給及び還気ダクトアセンブリは、前記冷却されたギャレー食事カートベイに受けられた適切な航空機ギャレー食事カートに取り外し可能に連結されるように構成され、前記空気供給及び還気ダクトアセンブリは、供給気流ダクト及び分岐した還気流ダクトを備え、前記供給気流ダクトは、冷却器装置から冷却された供給気流を受けるように構成された供給気流ダクト入口部分と、前記冷却された供給気流を前記航空機ギャレー食事カートに供給するように構成された供給気流ダクト出口部分と、を有し、前記分岐した還気流ダクトは、前記航空機ギャレー食事カートから還気流を受けるように構成された還気入口部分と、前記還気入口部分から延出し、前記供給気流ダクトの反対側につながる1対の分岐した還気流ダクト部分と、を備え、前記1対の分岐した還気流ダクト部分は、再冷却のため前記還気流を前記空気冷却器に供給するように構成された1対の還気出口部分を備える、ギャレー冷却器空気供給及び還気ダクトアセンブリと、
を備える、装置。
【請求項2】
前記供給気流ダクト及び前記分岐した還気流ダクトは、内部で絶縁されている、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記冷却された供給気流を供給するように構成された空気供給作業デッキプレナムと、
前記空気供給作業デッキプレナムと前記供給気流ダクト入口部分との間に連結された供給空気ダクト連結アダプタと、をさらに備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記還気出口部分及び前記供給気流ダクト入口部分にそれぞれ配置された気流バランスバッフルをさらに備える、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記冷却されたギャレー食事カートベイは、複数の前記ギャレー冷却器空気供給及び還気ダクトアセンブリを備え、複数のギャレー食事カートを取り外し可能に受けるように構成される、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記複数の還気ダクトアセンブリと接続するように構成された還気流ダクトプレナムをさらに備える、
請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のギャレー冷却器空気供給及び還気ダクトアセンブリの分岐した還気出口部分と接続するように構成された還気流ダクトプレナムをさらに備える、
請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記供給気流ダクト出口部分には、弾性密封材が取り付けられる、
請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記弾性密封材は、二重壁シリコーンベローズである、
請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記還気入口部分には、弾性密封材が取り付けられる、
請求項1に記載の装置。
【請求項11】
前記弾性密封材は、二重壁シリコーンベローズである、
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記供給気流ダクト出口部分には、絶縁密封材が取り付けられる、
請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記絶縁密封材は、含浸シリコーン発泡体密封材である、
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記絶縁密封材は、化学物質に少なくとも部分的に含浸させた防水性可撓性多孔質発泡体カラーである、
請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記還気入口部分には、絶縁密封材が取り付けられる、
請求項1に記載の装置。
【請求項16】
前記絶縁密封材は、含浸シリコーン発泡体密封材である、
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記絶縁密封材は、化学物質に少なくとも部分的に含浸させた防水性可撓性多孔質発泡体カラーである、
請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記供給気流ダクト出口部分及び前記還気入口部分はそれぞれ、フラップ閉鎖ばねによって閉鎖位置に外側に付勢されるばね荷重密封フラップを備え、
前記ばね荷重密封フラップは、それぞれ、前記供給気流ダクト出口部分及び前記還気入口部分の開口密封材に対して密封するように構成され、スライディングプッシュアクチュエータに対する内向きの圧力によって開放位置に内側に移動可能であり、前記スライディングプッシュアクチュエータは、ばね荷重密封フラップに連結され、前記ばね荷重密封フラップから前記冷却されたギャレー食事カートベイの前部に向かって外側に延出し、内側に押されてギャレー食事カートの一部との接触によって前記ばね荷重密封フラップを開放する、
請求項1に記載の装置。
【請求項19】
前記供給気流ダクト出口部分及び前記還気入口部分はそれぞれ、フラップ閉鎖ばねによって閉鎖位置に外側に付勢されるばね荷重密封フラップを備え、
前記ばね荷重密封フラップは、それぞれ、前記供給気流ダクト出口部分及び前記還気入口部分の開口密封材に対して密封するように構成され、スライディングプッシュアクチュエータに対する内向きの圧力によって開放位置に内側に移動可能であり、前記スライディングプッシュアクチュエータは、ばね荷重密封フラップに連結され、前記ばね荷重密封フラップから前記冷却されたギャレー食事カートベイの前部に向かって外側に延出し、内側に押されてギャレー食事カートの一部との接触によって前記ばね荷重密封フラップを開放し、
前記スライディングプッシュアクチュエータは、前記弾性密封材を介して、前記冷却されたギャレー食事カートベイの前部に向かって外側に延出する、
請求項8に記載の装置。
【請求項20】
前記供給気流ダクト出口部分及び前記還気入口部分はそれぞれ、フラップ閉鎖ばねによって閉鎖位置に外側に付勢されるばね荷重密封材フラップを備え、
前記ばね荷重密封材フラップは、それぞれ、前記供給気流ダクト出口部分及び前記還気入口部分の開口密封材に対して密封するように構成され、スライディングプッシュアクチュエータに対する内向きの圧力によって開放位置に内側に移動可能であり、前記スライディングプッシュアクチュエータは、前記ばね荷重密封フラップに連結され、前記ばね荷重密封フラップから前記冷却されたギャレー食事カートベイの前部に向かって外側に延出し、内側に押されてギャレー食事カートの一部との接触によって前記ばね荷重密封フラップを開放し、
前記スライディングプッシュアクチュエータは、前記絶縁密封材を介して、前記冷却されたギャレー食事カートベイの前部に向かって外側に延出する、
請求項12に記載の装置。
【国際調査報告】