(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-537612(P2016-537612A)
(43)【公表日】2016年12月1日
(54)【発明の名称】モデリング構成及び三次元表面のトポグラフィーをモデリングする方法及びシステム
(51)【国際特許分類】
G01B 11/25 20060101AFI20161104BHJP
【FI】
G01B11/25 H
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-516614(P2016-516614)
(86)(22)【出願日】2014年9月25日
(85)【翻訳文提出日】2016年5月20日
(86)【国際出願番号】FI2014050730
(87)【国際公開番号】WO2015044524
(87)【国際公開日】20150402
(31)【優先権主張番号】20135961
(32)【優先日】2013年9月25日
(33)【優先権主張国】FI
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】513068425
【氏名又は名称】アールト コルケアコウルスエーティ
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【弁理士】
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(72)【発明者】
【氏名】パルメン ヨーマ
【テーマコード(参考)】
2F065
【Fターム(参考)】
2F065AA53
2F065AA59
2F065BB05
2F065CC40
2F065DD03
2F065EE08
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2F065JJ05
2F065JJ26
2F065LL42
2F065QQ24
2F065QQ31
(57)【要約】
本発明の一実施形態では、三次元表面のトポグラフィーをモデリングするためのモデリング構成が開示される。当該構成は、実質的に単色かつコヒーレントな電磁放射を生成するように構成される光源と、前記光源によって放出される波長と共に、人間の眼によって検出される波長でモデリングされる表面を撮像するように構成されるカメラと、前記光源と接続される格子と、を備え、前記光源及び前記光源と接続される格子は、モデリングされる前記表面上の既知の形状の回折パターンを生成するように共に構成される。
【選択図】
図3B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
三次元表面のトポグラフィーをモデリングするためのモデリング構成であって、
実質的に単色かつコヒーレントな電磁放射を生成するように構成される光源と、
前記光源によって放出される波長と共に、人間の眼によって検出される波長で、モデリングされる表面を撮像するように構成されるカメラと、
前記光源と接続される格子と、を備え、
前記光源及び前記光源と接続される格子は、モデリングされる前記表面上の既知の形状の回折パターンを生成するように共に構成される、
モデリング構成。
【請求項2】
前記モデリング構成は、前記カメラの光軸と回折軸との相対的な方向が既知であり、かつ前記カメラの光軸の開始点への前記格子の出力点の位置、距離及び方向が既知であるように較正され、前記較正は、前記カメラのレンズの光学歪みを補正する較正情報を考慮する請求項1に記載のモデリング構成。
【請求項3】
前記光源は、1つの波長を生成するように構成される請求項1又は2に記載のモデリング構成。
【請求項4】
前記光源は、1より多い波長を生成するように構成される請求項1又は2に記載のモデリング構成。
【請求項5】
前記光源は、実質的に単色かつコヒーレントな赤色の電磁放射、実質的に単色かつコヒーレントな緑色の電磁放射、実質的に単色かつコヒーレントな青色の電磁放射を同時に放出するように構成される請求項4に記載のモデリング構成。
【請求項6】
3つの光源及び各光源と接続される格子を備え、
第1の光源は、実質的に単色かつコヒーレントな赤色の電磁放射を放出するように構成され、第2の光源は、実質的に単色かつコヒーレントな緑色の電磁放射を放出するように構成され、第3の光源は、実質的に単色かつコヒーレントな青色の電磁放射を放出するように構成される請求項1又は2に記載のモデリング構成。
【請求項7】
三次元表面のトポグラフィーをモデリングするための方法であって、
光源によって放出される波長と共に、人間の眼によって検出される波長で、モデリングされる表面を撮像するように構成されるカメラと、実質的に単色及びコヒーレントな電磁放射を生成するように構成される光源と、前記光源と接続される格子と、を備える較正されたモデリング構成を用いるステップであって、前記較正後に、前記カメラの光軸と回折軸との相対的な方向が既知であり、かつ前記カメラの光軸の開始点への前記格子の出力点の位置、距離及び方向が既知であり、前記光源及び前記光源と接続される格子は、モデリングされる前記表面上の既知の形状の回折パターンを生成するように共に構成される、ステップと、
前記カメラにより、前記回折パターンが前記モデリング構成により生成される、モデリングされる表面の第1の写真を撮るステップと、
前記第1の写真の前記回折パターンにより生成される点のネットワークの点を識別するステップと、
各点について深さ位置を算出するステップと、
を備える方法。
【請求項8】
前記光源は、1つの波長を生成するように構成される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記光源は、1より多い波長を生成するように構成される請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記光源は、実質的に単色かつコヒーレントな赤色の電磁放射、実質的に単色かつコヒーレントな緑色の電磁放射、実質的に単色かつコヒーレントな青色の電磁放射を同時に放出するように構成される請求項9に記載の方法。
【請求項11】
3つの光源及び各光源と接続される格子を備え、
第1の光源は、実質的に単色かつコヒーレントな赤色の電磁放射を放出するように構成され、第2の光源は、実質的に単色かつコヒーレントな緑色の電磁放射を放出するように構成され、第3の光源は、実質的に単色かつコヒーレントな青色の電磁放射を放出するように構成される請求項7に記載の方法。
【請求項12】
モデリングされる表面上の前記回折パターンを投影せずに、前記カメラにより、モデリングされる表面の第2の写真を撮るステップと、
前記第2の写真の対応する画素を補間することにより、前記点のネットワークの点についてのRGB値を与えるステップと、
を更に備える請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記回折パターンにより生成される点のネットワークの点の識別は、1つの回折源により放出されるいくつかの異なる波長により形成される点の色順序を用いて行われる請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
三次元表面のトポグラフィーをモデリングするための方法であって、
光源によって放出される波長と共に、人間の眼によって検出される波長で、モデリングされる表面を撮像するように構成されるカメラと、実質的に単色及びコヒーレントな電磁放射を生成するように構成される光源と、前記光源と接続される格子と、を備えるモデリング構成からの較正情報を用いるステップであって、前記較正情報は、前記カメラの光軸と回折軸との相対的な方向、並びに前記カメラの光軸の開始点への前記格子の出力点の位置、距離及び方向と共に、前記モデリング構成により生成される回折パターンの形状を示し、前記較正情報は、前記カメラのレンズの光学歪みを補正する、ステップと、
前記回折パターンが前記モデリング構成により生成される、モデリングされる表面の第1の写真を解析するステップと、
前記第1の写真の前記回折パターンにより生成される点のネットワークの点を識別するステップと、
各点について深さ位置を算出するステップと、
を備える方法。
【請求項15】
同一の位置から前記カメラにより撮られる、モデリングされる表面の第2の写真を分析するステップであって、前記第2の写真は、モデリングされる表面に投影される回折パターンを含まない、ステップと、
前記第2の写真の対応する画素を補間することにより、前記点のネットワークの点についてのRGB値を与えるステップと、
を更に備える請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記回折パターンにより生成される点のネットワークの点の識別は、1つの回折源により放出されるいくつかの異なる波長により形成される点の色順序を用いて行われる請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
プログラムコードがプロセッサにより実行されるときに、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される前記プログラムコードを備える、コンピュータプログラム。
【請求項18】
三次元表面のトポグラフィーをモデリングするためのシステムであって、
請求項1から6のいずれか一項に記載の前記モデリング構成と、
請求項14から16のいずれか一項に記載の方法を実行するために手段を備えるデータ処理装置と、
を備えるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フォトグラメトリ(photogrammetry)に関連し、特にモノフォトグラメトリ(monophotogrammetry)に関連するものである。
【背景技術】
【0002】
フォトグラメトリは、対象となる物体の撮られた写真に基づいて、マッピング又はモデリングを使用する。多数の用途が存在し、例えば、機械視覚により行われる三次元画像化は非常に有用である。一般的に、これらのシステムは、例えば、カメラ、照明装置、コンピュータ及び装置を管理する制御システムとの接続部を含む。レーザスキャニングは、レーザビームにより、物体に接触せずに、物体の寸法的に正確な三次元情報を取得する測定方法である。
【0003】
物体を三次元モデリングする別の方法は、レーザスキャニングを用いることである。レーザスキャニングでは、測定するスキャナは、高密度のラスターとしてレーザビームを放出する。ビームの密度は調整可能であり、建物の測定では、目標の10mm未満であり、例えば、約10cmの、より離れて行われる木立又は領域マッピングである。ビームが障害物から反射すると、スキャナは、距離及びビームの強度の変化を測定し、反射点の座標を算出する。レーザスキャニングでは、対象は、一般的に、影になる領域を避けるために複数の方向からスキャンされ、スキャニングは、1つのファイルに合成される。その結果、スキャニングは、三次元コンピュータモデルである点のクラウド(point cloud)を与え、その各ビームの反射点は、1つの点で置換される。多くの点で、対象の三次元表面は、点のクラウドから輪郭を描かれうる。スキャニングが行われる同一物理点から、一連の写真は、光学補正演算により、点のクラウドの点についての可視光波長範囲の色情報を取得するために、後に撮られうる。
【0004】
ステレオフォトグラメトリでは、三次元物体は、異なるカメラ位置から物体の2以上の写真を撮り、各写真の共通の点を識別することにより、モデリングされる。
【0005】
特許公報第FI121400号は、三次元モデルを提供するための1つの解決手段を開示している。その文献では、実質的に単色の電磁放射が物体の表面に投影され、物体の表面に提供されるパターンは、少なくとも2つの光学センサによって測定される。この解決手段は、例えば、伐採機械により木の幹を切断及び処理する前の木の三次元モデルの決定を可能にする。この解決手段の課題は、例えば、個々の点の低い強度を含み、それにより、それらの位置の解像度と共に、光源から放出されるビームの相対的な角度の低い精度による測定誤差を含むことである。
【0006】
既存の解決手段の他の課題は、例えば、テクスチャベースパターン認識で実施される点識別の重い処理のために、光学補正の複雑さ、個々の点の中心を識別することの不確実性、識別される点の算出の不正確さ、及びモデリング演算の遅さを含むことである。
【発明の概要】
【0007】
本発明の一態様によれば、三次元表面のトポグラフィーをモデリングするためのモデリング構成が開示される。前記構成は、実質的に単色かつコヒーレントな電磁放射を生成するように構成される光源と、前記光源によって放出される波長と共に、人間の眼によって検出される波長で、モデリングされる表面を撮像するように構成されるカメラと、前記光源と接続される格子と、を備える。前記光源及び前記光源と接続される格子は、モデリングされる前記表面上の既知の形状の回折パターンを生成するように共に構成される。
【0008】
一実施形態では、前記モデリング構成は、前記カメラの光軸と回折軸との相対的な方向が既知であり、かつ前記カメラの光軸の開始点への前記格子の出力点の位置、距離及び方向が既知であるように較正される。
【0009】
一実施形態では、前記光源は、1つの波長を生成するように構成される。別の実施形態では、前記光源は、1より多い波長を生成するように構成される。
【0010】
一実施形態では、前記光源は、実質的に単色かつコヒーレントな赤色の電磁放射、実質的に単色かつコヒーレントな緑色の電磁放射、実質的に単色かつコヒーレントな青色の電磁放射を同時に放出するように構成される。
【0011】
一実施形態では、前記モデリング構成は、3つの光源及び各光源と接続される格子を備え、第1の光源は、実質的に単色かつコヒーレントな赤色の電磁放射を放出するように構成され、第2の光源は、実質的に単色かつコヒーレントな緑色の電磁放射を放出するように構成され、第3の光源は、実質的に単色かつコヒーレントな青色の電磁放射を放出するように構成される。
【0012】
本発明の第2の態様によれば、三次元表面のトポグラフィーをモデリングするための方法が開示される。前記方法では、光源によって放出される波長と共に、人間の眼によって検出される波長で、モデリングされる表面を撮像するように構成されるカメラと、実質的に単色及びコヒーレントな電磁放射を生成するように構成される光源と、前記光源と接続される格子と、を備える較正されたモデリング構成が用いられ、前記較正後に、前記カメラの光軸と回折軸との相対的な方向が既知であり、かつ前記カメラの光軸の開始点への前記格子の出力点の位置、距離及び方向が既知であり、前記光源及び前記光源と接続される格子は、モデリングされる前記表面上の既知の形状の回折パターンを生成するように共に構成される、ステップと、前記カメラにより、前記回折パターンが前記モデリング構成により生成される、モデリングされる表面の第1の写真を撮るステップと、前記第1の写真の前記回折パターンにより生成される点のネットワークの点(the points of a network of points)を識別するステップと、各点について深さ位置を算出するステップと、を備える。
【0013】
一実施形態では、前記光源は、1つの波長を生成するように構成される。
【0014】
一実施形態では、前記光源は、1より多い波長を生成するように構成される。
【0015】
一実施形態では、前記光源は、実質的に単色かつコヒーレントな赤色の電磁放射、実質的に単色かつコヒーレントな緑色の電磁放射、実質的に単色かつコヒーレントな青色の電磁放射を同時に放出するように構成される。
【0016】
一実施形態では、前記モデリング構成は、3つの光源及び各光源と接続される格子を備え、第1の光源は、実質的に単色かつコヒーレントな赤色の電磁放射を放出するように構成され、第2の光源は、実質的に単色かつコヒーレントな緑色の電磁放射を放出するように構成され、第3の光源は、実質的に単色かつコヒーレントな青色の電磁放射を放出するように構成される。
【0017】
別の一実施形態では、前記方法では、モデリングされる表面上の前記回折パターンを投影せずに、前記カメラにより、モデリングされる表面の第2の写真が撮られ、前記第2の写真の対応する画素を補間することにより、前記点のネットワークの点についてのRGB値を与えられる。
【0018】
一実施形態では、前記回折パターンにより生成される点のネットワークの点の識別は、1つの回折源により放出されるいくつかの異なる波長により形成される点の色順序を用いて行われる。
【0019】
本発明の第3の態様では、三次元表面のトポグラフィーをモデリングするための方法が開示される。前記方法では、モデリング構成からの較正情報が用いられ、前記較正情報は、光源によって放出される波長と共に、人間の眼によって検出される波長で、モデリングされる表面を撮像するように構成されるカメラと、実質的に単色及びコヒーレントな電磁放射を生成するように構成される光源と、前記光源と接続される格子と、を備え、前記較正情報は、前記カメラの光軸と回折軸との相対的な方向、並びに前記カメラの光軸の開始点への前記格子の出力点の位置、距離及び方向と共に、前記モデリング構成により生成される回折パターンの幾何学形状を示し、前記較正情報は、前記カメラのレンズの光学歪みを補正し、前記回折パターンが前記モデリング構成により生成される、モデリングされる表面の第1の写真が解析され、前記第1の写真の前記回折パターンにより生成される点のネットワークの点が識別され、各点について深さ位置が算出される。
【0020】
一実施形態では、同一の位置から前記カメラにより撮られる、モデリングされる表面の第2の写真が分析され、前記第2の写真は、モデリングされる表面に投影される回折パターンを含まず、前記第2の写真の対応する画素を補間することにより、前記点のネットワークの点についてのRGB値が与えられる。
【0021】
一実施形態では、前記回折パターンにより生成される点のネットワークの点の識別は、1つの回折源により放出されるいくつかの異なる波長により形成される点の色順序を用いて行われる。
【0022】
本発明の第4の態様によれば、プロセッサによりプログラムコードが実行されるときに、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法を実行するように構成される前記プログラムコードを備える、コンピュータプログラムが開示される。前記コンピュータプログラムは、一実施形態では、コンピュータ可読媒体上に提供されてもよい。
【0023】
本発明の第5の態様によれば、三次元表面のトポグラフィーをモデリングするためのシステムが開示している。前記システムは、請求項1から6のいずれか一項に記載の前記モデリング構成と、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法を実行するために手段を備えるデータ処理装置と、を備える。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明は、実施形態の例により以下に詳述される。
【
図1】
図1は、本発明に係るモデリング構成の一実施形態を示す。
【
図2A】
図2Aは、本発明に係るモデリング構成の別の実施形態を示す。
【
図2B】
図2Bは、本発明に係るモデリング構成の別の実施形態を示す。
【
図3A】
図3Aは、本発明に係るモデリング構成の別の実施形態を示す。
【
図3B】
図3Bは、本発明に係るモデリング構成の別の実施形態を示す。
【
図4】
図4は、本発明に係る三次元表面のトポグラフィーをモデリングする方法の一実施形態のブロック図を示す。
【
図5】
図5は、本発明に係る三次元表面のトポグラフィーをモデリングする方法の別の実施形態のブロック図を示す。
【
図6】
図6は、本発明に係る三次元表面のトポグラフィーをモデリングする方法の別の実施形態のブロック図を示す。
【
図7】
図7は、本発明に係るシステムの一実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
図1は、本発明に係るモデリング構成の一実施形態を示す。
図1に係るモデリング構成は、例えば、デジタルカメラを備える。モデリング構成は、また、実質的に単色かつコヒーレントな電磁放射を生成するように構成される回折源102を備える。このような放射は、例えば、レーザによって生成される。回折源102は、また、レーザにより生成される放射が集中される格子又は格子ネットワークを備える。回折源は、モデリングされる既知の形状の回折パターンを生成するように構成される。回折源により生成されるパターンは、数学−物理モデルと正確に適合する回折パターンであり、ここで、ビーム出力角度は、非常に正確に知られている。回折源102は、1つの波長のみ又は複数の波長、例えば、赤色、緑色及び青色のコヒーレントな光を同時に含む放射を生成してもよい。
【0026】
図1の一実施形態では、モデリング構成は、カメラの光軸104と回折軸104との相対的な方向が既知であり、かつカメラ100の光軸の開始点への格子の出力点の位置、距離及び方向が既知であるように較正される。好ましくは、構成は、また、カメラのレンズの光学歪みも考慮する。
【0027】
図2Aは、対象の表面上の回折源200により生成される一例の回折パターン202を示す。回折源200により生成されるパターンは、数学−物理モデルと正確に適合する回折パターンであり、ここで、ビーム出力角度は、非常に正確に知られている。回折源200により生成される回折パターンの点のネットワークの点の幾何学形状は、回折源で用いられる格子に依存し、任意の適切な点形状(point geometry)が用いられうる。
【0028】
図2Bは、対象の表面上の回折源204及び206により生成される別の例の回折パターン208及び210を示す。
図2Bの例では、2つの別の回折源は、対象の表面上の重複した回折パターン208及び210を生成する。
【0029】
図3Aは、本発明に係るモデリング構成の別の実施形態を示す。
図3Aのモデリング構成では、3つの隔てられた回折源302、304及び306は、ほぼ正三角形の頂点に設けられ、カメラ300は、三角形の中心に設けられる。これは、対称的かつ指向的に均一な解像度及び深さの正確さを提供する。
図1の場合のように、
図3Aの一実施形態では、モデリング構成は、カメラ300の光軸と回折軸との相対的な方向が既知であり、かつカメラの光軸の開始点への格子の出力点の位置、距離及び方向が既知であるように較正される。
【0030】
図3Bは、
図3Aに示されるモデリング構成をより詳細に示す。
図3Aに示されるように、3つの隔てられた回折源302、304及び306は、ほぼ正三角形の頂点に設けられ、カメラ300は、三角形の中心に設けられる。回折源のそれぞれは、モデリングされる表面314上のその独自の回折パターン308、310及び312を投影する。
図3Bでは、回折源により投影される回折パターン308、310及び312は、互いに重複する。
【0031】
図3Bの一実施形態では、3つの異なる方向からのレーザ回折点の赤、緑及び青色のセットは、同時に用いられ、よって、3つの折れたデータは、物体に対して取得され、1つの写真が撮られたとき、同一の写真のRGBチャネルにそれぞれが記憶される。同一の画素上の回折点のランダム発生は、同一点の位置が2つの異なる方向から算出されることを可能にすることにより、写真内の算出精度を評価するための可能性を与える。
【0032】
図1、3A及び3Bは、1つのみのカメラの使用を示しているが、本発明の別の実施形態では、1より多いカメラが同時に用いられてもよい。同様に、任意の数の回折源は、モデリング構成に設けられ、各レーザ回折源では、1つの波長に代わる任意の数が用いられる。更に、本発明の一実施形態では、同一の波長は、2つの異なる回折源で用いられてもよい。しかし、この場合には、異なる回折源の点のネットワークの点は、写真に互いに重複しない。
【0033】
図4は、本発明に係る三次元表面のトポグラフィーをモデリングする方法の一実施形態のブロック図を示す。ステップ400において、較正されたモデリング構成が用いられ、較正されたモデリング構成は、カメラと、実質的に単色かつコヒーレントな電磁放射を生成するように構成される光源と、光源と接続される格子と、を備え、較正後に、カメラの光軸と回折軸との相対的な方向が既知であり、かつカメラの光軸の開始点への格子の出力点の位置、距離及び方向が既知であるように較正される。すなわち、互いについてのシステムの要素の相対的な位置決めは正確に知られている。較正は、また、カメラのレンズにより発生される光学歪みの範囲、性質及び方向の観察を含む(レンズ等式係数(lens equation coefficients))。光源及び光源と接続される格子は、モデリングされる表面上の既知の幾何学形状の回折パターンを共に生成するように構成される。回折源により生成されるパターンは、数学−物理モデルと正確に適合する回折パターンであり、ビーム出力角度は、非常に正確に知られている。ステップ402において、その上で回折パターンが、モデリング構成により生成されているモデリングされる表面のカメラにより写真が撮られる。写真の撮像は、十分な写真が、モデリングされる表面で取得されるように、いくつかの異なる位置から行われてもよい。
【0034】
得られた画像ファイルは、例えば、無線データ転送及び無線データ転送ネットワークを用いてカメラのメモリカードによって、カメラから処理コンピュータへ自動的に転送される。ステップ404において、メモリカードから転送される画像ファイルは、コンピュータで分析され、回折パターンにより生成される点のネットワークの点は、写真内で識別される。1つの回折源がいくつかの異なる波長を放出する本発明の実施形態では、点の識別は、1つの回折源によって放出されるいくつかの異なる波長により形成される点の色順序を用いて行われうる。1つの回折源が1つのみの波長を放出する場合、例えば、インテリジェント点分析を用いて識別が行われる。回折源の中央のビームは、その最も高い強度による写真で識別可能であり、そこからの算出は、4つの方向で行われる。
【0035】
ステップ406において、3D深さ位置は、三角法による緯度及び経度座標の投影遷移(projection transition)から各点で算出される。写真では、カメラのセンサから、写真を撮像した表面上に投影される各回折点の距離は、三角法で算出されうる。また、カメラの位置及び写真撮像方法が既知の場合、グローバル三次元X、Y及びZ座標は、回折点について算出されうる。よって、三次元表面のトポグラフィーの正確なモデルを上述したように形成することができる。
【0036】
図5は、本発明に係る三次元表面のトポグラフィーをモデリングする方法の別の実施形態のブロック図を示す。ステップ500において、モデリング構成が較正され、当該モデリング構成は、光源によって放出される波長と共に人間の眼によって検出される波長でモデリングされる表面を撮像するように構成されるカメラと、ほぼ単色かつコヒーレントな電磁放射を生成するように構成される光源と、光源と接続される格子と、を備え、カメラの光軸と回折軸との相対的な方向が既知であり、かつカメラの光軸の開始点への格子の出力点の位置、距離及び方向が既知である。すなわち、互いについての構成の要素の相対的な位置決めは正確に知られている。較正は、また、カメラのレンズにより発生される光学歪みの範囲、性質及び方向の観察を含む。一実施形態では、レンズの較正は、一度のみ行われ、写真の光学歪みは、写真の画素を正しい位置へ移動することにより、取得された較正情報によって補正される。
【0037】
光源及び光源と接続される格子は、モデリングされる表面上の既知の幾何学形状の回折パターンをと共に生成するように構成される。回折源により生成されるパターンは、数学−物理モデルと正確に適合する回折パターンであり、ここで、ビーム出力角度は、非常に正確に知られている。
【0038】
ステップ502において、第1の写真は、その上に回折パターンが前記モデリング構成により生成されているモデリングされる表面のカメラにより撮られる。写真撮像は、十分な写真が、モデリングされる表面から得られるように、いくつかの異なる位置から行われてもよい。ステップ504において、第2の写真は、回折パターンなしでモデリングされる表面のカメラによって撮られる。
【0039】
得られた画像ファイルは、例えば、無線データ転送を用いてカメラのメモリカードによって、カメラから処理コンピュータへ自動的に転送される。ステップ506において、メモリカードから転送される画像ファイルは、コンピュータで分析され、回折パターンにより生成される点のネットワークの点は、写真内で識別される。1つの回折源がいくつかの異なる波長を放出する本発明の一実施形態では、点の識別は、1つの回折源によって放出されるいくつかの異なる波長により形成される点の色順序を用いて行われうる。1つの回折源が1つのみの波長を放出する場合、例えば、インテリジェント点分析を用いて識別が行われる。回折源の中央のビームは、その最も高い強度による写真で識別可能であり、そこからの算出は、4つの方向で行われる。ステップ508において、3D深さ位置は、三角法による緯度及び経度座標の投影遷移から各点で算出される。写真では、カメラのセンサから、写真を撮像した表面上に投影される各回折点の距離は、三角法で算出されうる。また、カメラの位置及び写真撮像方法が既知の場合、グローバル三次元X、Y及びZ座標は、回折点について算出されうる。ステップ510において、点のネットワークの各算出された点は、例えば、第2の写真の対応する画素を補間することにより、第2の写真により、RGB値を与えられる。その結果、表面モデルは、閲覧者には実際の表面の写実的なモデルのように見える。よって、三次元表面のトポグラフィーの正確なモデルを上述したように形成することができる。
【0040】
図6は、本発明に係る三次元表面のトポグラフィーをモデリングする方法の別の実施形態のブロック図を示す。
【0041】
ステップ600において、モデリング構成からの較正情報が用いられ、当該モデリング構成は、光源によって放出される波長と共に人間の眼によって検出される波長でモデリングされる表面を撮像するように構成されるカメラと、ほぼ単色かつコヒーレントな電磁放射を生成するように構成される光源と、光源と接続される格子と、を備える。較正情報は、カメラの光軸と回折軸との相対的な方向、並びにカメラの光軸の開始点への格子の出力点の位置、距離及び方向と共に、モデリング構成により生成される回折パターンの幾何学形状を示し、較正情報は、前記カメラのレンズの光学歪みを補正する。すなわち、較正情報は、例えば、互いについての正確な態様でシステムの要素の相対的な位置決めを示す。
【0042】
ステップ602において、回折パターンが、前記モデリング構成により生成されているモデリングされる表面の写真が分析される。回折パターンは、数学−物理モデルと正確に適合する回折パターンであり、ビーム出力角度は、非常に正確に知られている。ステップ604において、回折パターンにより生成される点のネットワークの点は、写真内で識別される。ステップ606において、3D深さ位置は、三角法による緯度及び経度座標の投影遷移から各点で算出される。写真では、カメラのセンサから、写真を撮像した表面上に投影される各回折点の距離は、三角法で算出されうる。た、カメラの位置及び写真撮像方法が既知の場合、グローバル三次元X、Y及びZ座標は、回折点について算出されうる。
【0043】
図6の一実施形態では、同一の位置からのカメラによって撮られる、モデリングされる表面の第2の写真も分析され、ここで、第2の写真は、モデリングされる表面上に投影される回折パターンを含まない。第2の写真の対応する画素を補間することにより、点のネットワークの点は、RGB値を与えられる。このように、閲覧者は、実際の表面の写実的なモデルのように見える。
【0044】
上記の
図6に関する実施形態は、写真を処理するコンピュータ上で実行されるコンピュータプログラムによって行われることが好ましい。
【0045】
上記の実施形態は、別々の写真に基づいて、開示される分析のみを有しているが、いくつかの個別の写真が、モデリングされる表面の1つの大きな結合体(a larger unity)に結合されるように本発明に適用されることが当業者にとって明らかである。この場合には、本発明で記載されるモデリング構成は、所望の結合体がモデリングされうるように、写真撮像状況に手動又は自動的に移動されうる。
【0046】
図7は、本発明に係るシステムの一実施形態を示す。システムは、1以上のカメラ702を含むモデリング構成を備える。モデリング構成は、また、実質的に単色かつコヒーレントな電磁放射を生成するように構成される1以上の回折源704も含む。このような放射は、例えば、レーザにより生成されてもよい。回折源702は、また、レーザにより生成される放射が集中される格子又は格子ネットワークを備える。回折源は、モデリングされる表面上の既知の幾何学形状の回折パターンを生成するように構成される。回折源により生成されるパターンは、数学−物理モデルと正確に適合する回折パターンであり、ビーム出力角度は、非常に正確に知られている。回折源102は、1つの波長のみ、又は例えば、赤色、緑色及び青色のコヒーレントな光のような複数の波長を同時に含むコヒーレントな放射を生成してもよい。モデリングされる表面上に生成される回折パターンは、カメラ702により撮像される。
【0047】
カメラ702により保存される情報は、データ転送接続部714を通じて、データ処理装置706へ転送される。データ送信接続部714は、カメラ702とデータ処理装置との間に提供されるデータ転送接続部を指してもよい。データ転送接続部714は、例えば、カメラ702又はカメラ702のメモリカードが、無線データ転送ネットワークを用いて、データ処理装置706へ直接的に画像ファイル、クラウドサービス又はデータ転送ネットワークを通じてアクセス可能な任意の宛先を送信するように、実施されうる。データ処理装置706は、また、データ転送インターフェース712を通じてメモリカードから直接的に情報を読み出してもよい。よって、データ処理装置706は、モデリング構成700の直近に設けられてもよく、又はそれに代えて、データ処理装置706は、データ処理装置706が、例えば、インターネットのようなデータ通信ネットワークを通じてカメラ702により撮られた写真をダウンロードすることが可能な程度長い他の位置に物理的に存在してもよい。
【0048】
データ処理装置706は、少なくとも1つ以上のプロセッサ708と、プロセッサ708に接続された1以上のメモリ710と、を備える。データ転送インターフェース712を通じて、データ処理装置706は、デバイス外からの情報を受信してもよい。メモリ710は、本発明で記載される方法ステップを実行するように構成されるプログラムコードを含む1以上のコンピュータプログラムを含んでもよい。
【0049】
上述された本発明の実施形態は、例えば、トンネルの壁の測定、岩石材料の識別、森林用途(例えば、森林の木立の評価)又は表面形態をモデリングする他の用途又は例えば表面形態に基づく体積の評価のような、多くの異なる用途環境で用いられてもよい。
【0050】
上述された本発明の1以上の実施形態は、他の方法よりも非常に有利であり、実施形態は、以下の利点の1以上を含む:実施形態で要求される計算が軽く、リアルタイムで行われることができる、測定処理が速く、短時間で繰り返すことができる、装置が移動しやすく、かつ有益な測定形状の測定結果が、他のフォトグラメトリの方法よりも正確である。
【0051】
実施形態は、単に例示のために上記で説明され、これらの実施形態を実行するために用いられるハードウェアは、ハードウェア及び/又はソフトウェアの当業者が理解するような多くの手法で変更されてもよい。例示的な実施形態の1以上の構成要素の機能は、例えば、1以上の装置及び/又はコンピュータで実行されるコンピュータプログラムによって実施されてもよい。
【0052】
例示的な実施形態は、本明細書に記載される異なる処理に関連される情報を記憶してもよい。当該情報は、ハードディスク、光学ディスク、RAMメモリ等のような1以上のメモリに記憶されてもよい。1以上のメモリ又はデータベースは、本発明の例示的な実施形態を実行するために用いられる情報を記憶してもよい。
【0053】
それらの全部又は一部としての例示的な実施形態は、1以上の汎用プロセッサ、マイクロプロセッサ、DSPプロセッサ、マイクロコントローラ等を用いて実行されてもよく、これらは、コンピュータ及び/又はソフトウェアの当業者が理解するような、本発明の例示的な実施形態の教示に基づいてプログラムされる。
【0054】
コンピュータ可読媒体又はメディアの組み合わせは、全部又は一部(処理が分配されている場合)として本発明を実行するために実行されるべき処理を実行するためのコンピュータプログラム又はコンピュータプログラム製品を記憶してもよい。
【0055】
本発明の実施形態で使用するための装置は、データ構造、テーブル、記録及び/又は本明細書に記載される他のデータによる本発明の教示に基づいてプログラムされるコンピュータ可読媒体又はコマンドを含むメモリを含んでもよい。コンピュータ可読媒体は、それらの実行のためのプロセッサへのコマンドの提供に加わる適切な媒体を含んでもよい。このような媒体は、上記に限定されず、不揮発性メモリ、揮発性メモリ、伝送媒体等を含む多くの異なる形態で提供されてもよい。不揮発性メモリは、例えば、光学又は磁気ディスク、磁気光学ディスク等を含んでもよい。揮発性メモリは、ダイナミックメモリ等を含んでもよい。伝送媒体は、同軸ケーブル、銅線、光ファイバ等を含んでもよい。伝送媒体は、また、無線周波数通信、赤外線データ転送等の間に形成される波の形態のような音響、光学、電磁波の形態で提供されてもよい。コンピュータ可読媒体の一般的な実施形態は、例えば、コンピュータディスク、ハードディスク、磁気テープ、他の適切な磁気媒体、CD−ROMディスク、CD−Rディスク、CD−RWディスク、DVDディスク、DVD−ROMディスク、DVD±RWディスク、DVD±Rディスク、他の適切な光学媒体、RAMメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、FLASH−EPROMメモリ、他の適切なメモリチップ又はプロセッサ又はコンピュータによって読み取り可能な他の適切な媒体を含んでもよい。本発明の実施形態で使用するための装置は、また、有線又は無線データ転送接続部を用いて送受信される情報によるデータ転送を含んでもよい。
【0056】
本発明は、単に上記の例示的な実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって規定される本発明の概念の範囲内で多くの変更が可能である。
【国際調査報告】