特表2016-537771(P2016-537771A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2016-537771セル式電気要素を接続するためのコネクタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-537771(P2016-537771A)
(43)【公表日】2016年12月1日
(54)【発明の名称】セル式電気要素を接続するためのコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/65 20110101AFI20161104BHJP
   H01M 2/20 20060101ALI20161104BHJP
【FI】
   H01R12/65
   H01M2/20 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-525901(P2016-525901)
(86)(22)【出願日】2014年10月23日
(85)【翻訳文提出日】2016年4月22日
(86)【国際出願番号】EP2014072696
(87)【国際公開番号】WO2015062944
(87)【国際公開日】20150507
(31)【優先権主張番号】102013221872.9
(32)【優先日】2013年10月28日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】501090342
【氏名又は名称】ティーイー コネクティビティ ジャーマニー ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツンク
【氏名又は名称原語表記】TE Connectivity Germany GmbH
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100189360
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 昭典
(72)【発明者】
【氏名】ドレッセル,アンドレ マルティン
(72)【発明者】
【氏名】グルツィヴォック,ヴィルヘルム
(72)【発明者】
【氏名】ハオック,ウーヴェ
(72)【発明者】
【氏名】ファンゼブレック,バルト
(72)【発明者】
【氏名】ボルムート,ペーター
【テーマコード(参考)】
5E123
5H043
【Fターム(参考)】
5E123AA28
5E123AB62
5E123AC12
5E123AC23
5E123AC35
5E123BA04
5E123BA08
5E123BA24
5E123BA28
5E123BB04
5E123CB15
5E123CB22
5E123CC15
5E123CD02
5E123CD12
5E123CD21
5E123DB09
5E123DB21
5E123EA02
5E123EA16
5E123EA36
5H043AA13
5H043AA19
5H043CA04
5H043CA21
5H043FA02
5H043FA22
5H043FA23
5H043FA37
5H043FA40
5H043HA04
5H043HA04F
5H043HA05
5H043HA05F
5H043HA11
5H043HA12
5H043HA31
5H043HA31F
5H043JA01
5H043JA01F
5H043JA02
5H043JA12
5H043JA12F
5H043JA13
5H043JA13F
5H043JA15
5H043KA22
5H043KA35
5H043KA44
5H043KA44F
5H043KA45
5H043LA22
5H043LA22F
5H043LA24
5H043LA24F
5H043LA25
5H043LA25F
(57)【要約】
本発明は、セル式電気要素を接続するためのコネクタに関する。本発明は、あまり複雑でなく、したがってより費用効果の高い解決策を提供することを試みる。この目的は、セル式電気要素(20)を接続するためのリボン形状のコネクタ(1)によって達成される。このリボン形状のコネクタ(1)は、リボン形状の支持要素(2)と、リボン形状の保持要素(3)と、からなり、支持要素(2)と保持要素(3)との間に少なくとも1つのコンタクト要素(4)が配置される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リボン形状の支持要素(2)と、リボン形状の保持要素(3)と、からなり、少なくとも1つのコンタクト要素(4)が、前記支持要素(2)と前記保持要素(3)との間に配置される、セル式電気要素(20)を接続するためのリボン形状のコネクタ(1)。
【請求項2】
前記保持要素(3)が溶接開口部(7)を有する、請求項1に記載のリボン形状のコネクタ(1)。
【請求項3】
前記支持要素(2)および前記保持要素(3)が溶接開口部(7)を有する、請求項1または2のいずれかに記載のリボン形状のコネクタ(1)。
【請求項4】
前記コンタクト要素(4)が前記保持要素(3)によって保持される、請求項1または3のいずれかに記載のリボン形状のコネクタ(1)。
【請求項5】
前記保持要素(3)が接着剤を有する、請求項1から4のいずれかに記載のリボン形状のコネクタ(1)。
【請求項6】
前記保持要素(3)が前記コンタクト要素(4)と接続された導電体(10)を有する、請求項1から5のいずれかに記載のリボン形状のコネクタ(1)。
【請求項7】
前記導電体(10)が前記保持要素(3)内に埋め込まれる、請求項6に記載のリボン形状のコネクタ(1)。
【請求項8】
前記保持要素(3)が、電気要素によって接触可能ないくつかの導電体(10)を有する、請求項1から7のいずれかに記載のリボン形状のコネクタ(1)。
【請求項9】
前記保持要素(3)が、互いに平行に延びるいくつかの導電体(10)を有する、請求項1から8のいずれかに記載のリボン形状のコネクタ(1)。
【請求項10】
前記コンタクト要素(4)が薄片形状である、請求項1から9のいずれかに記載のリボン形状のコネクタ(1)。
【請求項11】
前記コンタクト要素(4)が舌部(16)を有する、請求項1から10のいずれかに記載のリボン形状のコネクタ(1)。
【請求項12】
前記舌部(16)が、前記保持要素(3)の導体領域(17)内に突出する、請求項11に記載のリボン形状のコネクタ(1)。
【請求項13】
いくつかの導電体が前記コネクタ(1)の長手方向(12)に延び、前記舌部(16)が前記長手方向(12)に対して垂直に前記保持要素(3)の導体領域(17)内へと突出する、請求項11または12のいずれかに記載のリボン形状のコネクタ(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セル式電気要素を接続するためのコネクタに関する。そのようなセル式電気要素を、互いに直列におよび/または並列に接続することができる。
【背景技術】
【0002】
たとえば、ガルヴァーニ電池、コンデンサ、またはスーパーキャパシタ(supercaps)として構成された電圧ソースおよび/またはシンクを、電気自動車のトラクションバッテリにおいて高い電圧および/または容量に達するように互いに接続することができる。電圧ソースは、同時に電圧シンクとして働き、電気エネルギーを繰り返し供給および除去することができる。先行技術の解決策では、用途毎に、構成の異なるハウジングが使用される。この結果、設計および製造が、大きな労力のかかるものとなる。これは、ハウジングを各々、個々に設計しなければならず、また適切な器具構成要素を製造しなければならないことによる。別の先行技術の解決策では、個々のセルが、これらの間に導電接続部品を手作業で配置することにより接続される。しかしながら、この結果、製造工程が非常に複雑となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、あまり複雑でなく、したがってより費用効果の高い解決策を提供することを試みる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この目的は、リボン形状の支持要素と、リボン形状の保持要素と、からなり、少なくとも1つのコンタクト要素が、支持要素と保持要素との間に配置される、セル式電気要素を接続するためのリボン形状のコネクタによって達成される。
【0005】
本発明によるコネクタは、製造するのにより単純でかつより費用効果が高い。これは、リボン形状の支持要素およびリボン形状の保持要素が、ハウジングよりも製造するのが簡単だからである。セル式電気要素を有するコンタクトを製造するために、コネクタは、支持要素と保持要素との間に配置されるコンタクト要素を有する。このことにより、単純なコンタクトが提供される。
【0006】
本発明の解決策を、各々がそれ自体有利であり、所望に応じて互いに組み合わせることができる、様々なさらなる発展形態および構成によって、さらに改善することができる。
【0007】
リボン形状のコネクタは、支持要素と保持要素との間に配置された、いくつかのコンタクト要素を有することができる。このことにより、いくつかのセル式電気要素を接触させることが可能となる。特に、そのようなコンタクト要素を、次々に規則的に、たとえば互いに一定の距離で配置することができる。そのような構成を用いて、たとえば、列状に配置された電気要素を接触させることができる。
【0008】
支持要素および/または保持要素は、コンタクト要素にアクセス可能な場所である少なくとも1つの開口部を有することができる。そのような開口部は、プレス加工または切断によって作り出されても、リボン形状の支持要素または保持要素の製造中に、予め形成されてもよい。コンタクト要素は、良好な接触を確保するために、開口部内にまたは開口部を通って、少なくとも部分的に突出することができる。
【0009】
保持要素は、溶接開口部を有することができる。溶接開口部は、コンタクト要素を別の電気要素に溶接し、こうしてコンタクト要素を接触させることを可能にする。支持要素も、溶接開口部を有することができる。溶接開口部は、コンタクト要素をセル式電気要素に溶接するように働き得る。これらはまた、支持要素もしくは保持要素上に存在しても、たとえば切断またはプレス加工によって支持要素または保持要素から切り出されてもよい。必ずしも溶接開口部それら自体の上に溶接部が存在する必要はない。これらはまた、たとえば電気的接触を可能にして、この結果、たとえば電流によって反対側の側面上に溶接部を作ることができるようにすることによって、溶接を可能にする役割を単に果たし得る。コンタクト要素は、溶接開口部の下にあってよい。
【0010】
支持要素および保持要素が溶接開口部を有すれば、特に有利である。支持要素および保持要素の溶接開口部を、コンタクト要素の両側で、別の開口部と位置合わせすることができる。このことにより、溶接デバイスの溶接棒をコンタクト要素上に押圧し、こうしてコンタクト要素をセル式電気要素上に押圧することによって、コンタクト要素を、支持要素の溶接開口部を介して、セル式電気要素に溶接することが可能となる。次いで溶接棒およびコンタクト要素を通して電流が流れることができ、コンタクト要素とセル式電気要素との間に溶接部を作ることができる。そのような構成では、したがって、コンタクト要素とセル式電気要素との間の機械的接続は、こうして、溶接デバイスの溶接棒により、これら2つの間の電気的接続を創出する。
【0011】
コンタクト要素の長手方向において位置合わせされた溶接開口部の複数の列を、保持要素および/または支持要素において配置することができる。特に、2つの列が存在してもよい。2つの列の存在により、コンタクト要素を、単一の場所においてだけではなく2つの場所において溶接し、こうして電気的観点および機械的観点の両方においてより安定した接続を確立することが可能となる。中にわたって2つの溶接部を作ることができる単一のより大きな溶接接続部とは異なり、2つのより小さい溶接開口部の存在下では、保持要素および/または支持要素の安定性が犠牲になることがより少ないことになる。
【0012】
リボン形状の支持要素および/またはリボン形状の保持要素は、たとえばコンタクト要素を溶接中に保持するために、コンタクト要素の一部にアクセス可能な保持穴を有することができる。
【0013】
コンタクト要素は、これを保持可能な保持突出部を有することができる。装着されると、保持突出部は、保持開口部内に突出することができる。保持開口部および保持突出部は、溶接中、コンタクト要素を機械的に保持することを可能にする。このことにより、機械的および電気的接触を分離する。
【0014】
コンタクト要素を、保持要素によって保持することができる。たとえば、これを、フォームフィットおよび/または摩擦嵌合により、保持要素によって保持することができる。強固に結合された接続も可能である。特に、コンタクト要素を、保持要素と支持要素との間に、保持要素によって保持することができる。コンタクト要素を、保持要素および支持要素によって取り囲むことができる。このことにより、全方向において良好なフォームフィットが可能となる。
【0015】
リボン形状の保持要素および/または支持要素を、リボン材料の複数の別個の部分とすることができる。たとえば、このリボン材料を、供給ロールから繰り出すことができ、その複数の部分を分離することができる。用途に応じて、様々な長さの部分を分離することができる。このことにより、製造における高い柔軟性が可能とされる。より多数の電気要素を接続する場合、より長い部分を切り出すことができ、これに応じてより多くのコンタクト要素を使用することができる。この分離の前にまたは後で、リボン材料は、処理されていてよい。たとえば、リボン材料は形成されていてよく(formed)、またはその複数の部分がプレス抜きされていてよい。別法として、保持要素および/または支持要素を、異なる様式で、たとえばプレートもしくは板から切り出すことによって、または射出成形によって、製造することができる。
【0016】
支持要素および/または保持要素は、熱可塑性材料を備え得る。たとえば、これらはポリマーを備え得る。このことにより、支持要素および/または保持要素の容易な製造および/または形成が可能となる。たとえば、保持要素を、リボン形状のコネクタの製造中に、熱可塑的に形成して、コンタクトおよび/または支持要素との良好なフォームフィットを確保することができる。
【0017】
支持要素を、深絞り成形することができる。たとえばこれを、深絞り成形されたプレートまたはフィルムとすることができる。支持要素を、コンタクト要素用のレセプタクル、フォームフィット要素、および/または開口部が、深絞りにより生じるように形成することができる。深絞り成形されたプレートを使用するとき、この支持要素により、リボン形状のコネクタの安定した構成が確保される。このことはさらに、ある程度の材料の可撓性を可能にする。より大きな可撓性が望まれる場合、支持要素をフィルムとして構成することができる。
【0018】
支持要素は、フィルムとして構成することができ、たとえば、プレート形状のまたはフィルム形状の支持要素上に、コンタクト要素とともに成形することができる。たとえば、このフィルムは、熱可塑性とすることができ、加熱によって支持要素に適用して、良好なフォームフィットを得ることができる。
【0019】
保持要素は、接着剤を有することができる。たとえば、接着剤を保持要素に塗布することができ、または、保持要素の材料自体が、接着剤として働いてもよい。そのような接着剤は、たとえば、加熱すると少なくとも部分的に溶融する熱溶融接着剤とすることができ、こうして別の要素とのフォームフィット接続または強固に結合された接続を確立する。熱溶融接着剤として働く材料を保持要素用の基材として使用することは、特に有利であると思われる。そのような構成では、保持要素を融解させて、支持要素との取り付けを行うことができる。
【0020】
保持要素を、支持要素に糊着(glued)することができる。これら2つの間に、接着剤を配置しても、支持要素を、熱溶融材料からなる保持要素と接着してもよい。この接着により、コンタクト要素を、保持要素と支持要素との間に取り付けかつ/または保持することができる。コンタクト要素を、支持要素のみに接着しても、保持要素のみに接着してもよい。別法として、支持要素を保持要素のみに接着してもよく、また、コンタクト要素を他の要素に接着しなくてもよい。このことにより、清掃の必要なく、コンタクト要素のより容易な再利用が可能となる。
【0021】
保持要素は、コンタクト要素と接触している導電体を有することができる。したがって、そのような保持要素は、2重の目的に役立つ。これにより、コンタクト要素が保持され、同時にコンタクト要素の電気的接触が可能となる。コンタクト要素を接触させるための別個の要素がこうして不要となり、構成要素の数を低減することが可能となる。
【0022】
導電体を、保持要素内に埋め込むことができる。このことにより単純な取り扱いが可能となる。同時に、保持要素の複数の部分が、たとえば導電体を絶縁するように働き、こうして必要とされる材料を低減することができる。
【0023】
保持要素は、電気要素によって接触可能ないくつかの導電体を有することができる。これらの導電体を、各々1つのコンタクト要素と接続することができる。他の場所では、これらは、たとえば電圧測定のために、外側から接触可能とすることができる。そのような構成を用いて、たとえば、いくつかのセル式電気要素を同時に電気的に接触させ検査することができる。
【0024】
互いに平行に延びる保持要素は、いくつかの導電体を有することができる。そのような構成は、特に空間を節約でき、また機械加工において有用であり得る。特に、導電体は、コネクタの長手方向に延びることができる。このことにより、コネクタの長手方向に連なったいくつかのセル式電気要素に、同時に接触することが可能となる。可能な保持要素は特に、リボンケーブルまたはフレキシブルフラットケーブル(FFC)である。
【0025】
隣接する複数のコネクタの少なくとも1つの束が、溶接開口部の2つの列の間に延びることができる。このことにより、溶接開口部が、それらの空間距離に起因して、機械的に安定した接続を許容することが可能となる。同時に、導体が溶接開口部の2つの列の間に延びることに起因して、コンパクトな構成が可能である。
【0026】
1つの導電体の束を、保持要素の縁部上に配置することができる。このことにより、保持要素の寸法的な安定が可能となる。
【0027】
コンタクト要素は、薄片形状とすることができる。そのような構成では、コンタクト要素を、リボン形状の支持要素とリボン形状の保持要素との間に、特に安定した様式で配置することができる。同時に、この構成により、高い電流密度が可能となる。たとえば、金属シートからプレス加工(スタンピング)および/またはエンボス加工された薄片形状(flake-shaped)のコンタクト要素は、製造が特に単純である。
【0028】
コンタクト要素を、特にコンタクト要素が薄片形状である場合、保持要素と支持要素との間に挟むことができる。コネクタは、いくつかの層を有するサンドイッチ構造を有することができる。
【0029】
コンタクト要素は舌部を有することができる。舌部は、接触を容易にするように働き得る。舌部は、導体の束につながることができる。舌部は、いくつかの導体と空間的に重なるが、単一の導体とのみ、電気的に接触している。いくつかのコンタクト要素が存在するとき、1つのコンタクト要素は、それぞれ1つの導体と接触することができる。
【0030】
コンパクトな構成を可能とするため、舌部は、溶接開口部の1つの列のうちの、2つの隣接する溶接開口部の間に延びることができる。
【0031】
舌部は、保持要素の導体領域において突出することができる。舌部はここにおいて、1つまたは複数の導体と接触していることができる。
【0032】
いくつかの導電体は、1つのリボンの方向に延びることができ、また、舌部は、このリボンの方向に対して垂直に、保持要素の導体領域内に突出することができる。このことにより、コンパクトで同時に確実な構成がもたらされる。
【0033】
コンタクト要素は、2つのセルを接続するセルコネクタとすることができる。そのようなコンタクト要素は、たとえば、2つのセルを並列にまたは直列に接続することができ、これらを個々に接触させる必要はない。
【0034】
電気要素を、電圧ソースおよび/またはシンク、特にガルヴァーニ電池とすることができる。コネクタは、当然ながら、他のセル式電気要素、たとえばコンデンサ、特にスーパーキャパシタ上でも使用することができる。
【0035】
本発明について、様々な実施形態および関連する図面を参照して、例示により以下でより詳細に説明する。示されるさらなる発展形態および構成を、特定の用途においてどの利点が望まれるかに応じて、任意の所望の方法で組み合わせることおよび省略することができる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本発明によるリボン形状のコネクタの第1の実施形態の概略斜視図である。
図2】トラクションバッテリ上にある、本発明によるリボン形状のコネクタの第2の実施形態の概略斜視図である。
図3】本発明によるリボン形状のコネクタの第2の実施形態の概略斜視図である。
図4】バッテリ上にある、図3に示した本発明によるリボン形状のコネクタの第2の実施形態の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、セル式電気要素(図示せず)を接続するための本発明によるリボン形状のコネクタ1を、分解図で示す。リボン形状のコネクタ1は、リボン形状の支持要素2と、リボン形状の保持要素3と、を備える。支持要素2と保持要素3との間に、いくつかのコンタクト要素4が配置される。
【0038】
リボン形状の支持要素2は、細長いプレートとして構成される。これは、より長いリボン材料、たとえば供給ロール上のリボン材料から分離され、次いで深絞り成形、すなわち熱可塑的に形成されたものである。その中に、コンタクト要素4用のレセプタクル5が成形された。この中に、コンタクト要素4を挿入することができ、これは、支持要素2と部分的にフォームフィットし得る。支持要素2は、開口部6、特に溶接開口部7をさらに含み、これらを通して、コンタクト要素4が接続時、少なくとも部分的に突出し、またこれらを通して、コンタクト要素4が、セル式電気要素の対応する要素に溶接される。用途によっては、コンタクト要素4を、セル式電気要素に溶接する必要がない場合もある。たとえば、十分な電気的接触を得るために、押圧で十分な場合がある。
【0039】
溶接開口部7は、部分を切り出す元であるリボン材料上に予め存在しても、分離後に、たとえば深絞り成形によってプレス加工または成形されてもよい。
【0040】
支持要素2の一次生成物は、必ずしも供給ロールからのものである必要はない。たとえば、複数の部分は、プレートまたは板形状の要素から分離されてもよく、そこから支持要素2が成形される。これを射出成形によって製造することもできる。
【0041】
示される支持要素2は、良好な安定性および同時にある程度の可撓性を確保するために、プレートとして構成される。完成したリボン形状のコネクタ1により大きい可撓性が望まれる場合、支持要素2をフィルムとして構成することもできる。
【0042】
支持要素2は、溶接開口部7の2つの列8を有する。一方の列8内で、溶接開口部7は、支持要素2の長手方向9に沿って、次々に規則的に配置される。このことにより、いくつかのセル式電気要素を、列状に接触させることが可能となる。
【0043】
図1の分解図を、組立前の位置として解釈することもできる。組立中、コンタクト要素4は、支持要素2のレセプタクル5内に挿入される。次いで、リボン形状の保持要素3が適用される。保持要素3は、加熱によって溶融される。このことは、保持要素3をより容易に溶融させ、これを軟化する。これはコンタクト要素4および支持要素2の上および周りにフォームフィットしており、この結果、保持要素3が冷却し硬化するときにそのまま残る、部分的なフォームフィットが得られる。同時に、この溶融により、接着結合(adhesive bond)が創出される。保持要素3は、支持要素2およびコンタクト要素4と少なくとも部分的に強固に結合する、熱溶融材料からなる。保持要素3はこうして、支持要素2に糊着される。保持要素3は、コンタクト要素4にも糊着される。代替の構成では、保持要素3は、支持要素2のみに接着され得る。このことにより、コンタクト要素4の再利用が容易になる。これは、これらを別のリボン形状のコネクタ1において使用しようとする場合に、リボン形状のコネクタ1から取り外した後で面倒な清掃を行う必要がないからである。
【0044】
コンタクト要素4は、保持要素3によって保持される。この場合、このことは、支持要素2を保持要素3に接続することによって、および加えて保持要素3をコンタクト要素4と接続することによって行われる。完了すると、コンタクト要素4は、支持要素2と保持要素4との間に埋め込まれ、開口部を除いて、これらによって完全に取り囲まれる。このことは、良好な機械的保護を提供し、かつ同時に、コンタクト要素4のための絶縁体として働く。
【0045】
支持要素2と同様に、保持要素3はリボン形状である。これを、より長いリボン材料から分離することもできる。たとえば、これを、供給ロールの周りに事前に巻き付けられたリボンの分離された部分とすることができる。
【0046】
リボン形状の支持要素2およびリボン形状の保持要素3を有して示されるリボン形状のコネクタ1は、先行技術において使用されるようなハウジングを有する射出成形されたコネクタと比較して、製造するのにより費用効果が高い。これは一方で、リボン材料が製造するのにより容易なこと、および本発明によるリボン形状のコネクタの組立がより単純であることによる。さらに、リボン形状のコネクタ1は、様々な用途により柔軟に使用することができる。いくつの電気要素を接触させることになるかに応じて、リボン形状のコネクタ1を、所望の長さで製造することができる。各所望の長さに対して別個のハウジングを射出成形された構成要素として設計し製造しなければならない、先行技術と比較すると、本発明によるリボン形状のコネクタ1を用いれば、対応する数のコンタクト要素4を使用し、保持要素3および支持要素2を適切な長さに切断すれば、十分である。そのような方法は、従来の方法よりもはるかに費用効果が高い。
【0047】
図1におけるリボン形状の保持要素3は、溶接開口部7の2つの列を有する。この場合、保持要素3上の溶接開口部7の各々は、支持要素上の溶接開口部7と位置合わせされる。したがって、支持要素2および保持要素3の溶接開口部7は、コンタクト要素4の両側で別のものと位置合わせされる。保持要素3上の溶接開口部7は、溶接デバイスを用いた溶接を可能にするように働く。保持要素3上の溶接開口部7を通して、溶接デバイスの溶接棒を、コンタクト要素4に電気的に接触させ、同時にコンタクト要素4を押圧方向Aに沿って、支持要素2の下に配置されたセル式電気要素(図示せず)の対応する要素上へと押圧することができる。次いで、この接続部を通して電流を導通させることができ、この結果、コンタクト要素4は電気要素上に溶接される。保持要素3および支持要素2上の溶接開口部7の位置合わせにより、こうして溶接工程を単純化することができる。
【0048】
支持要素2および保持要素3は、熱可塑性材料、たとえば熱可塑性ポリマーからなることができる。代替の実施形態では、支持要素2または保持要素3は、別の材料、たとえばデュロプラスチック(duroplastic)または他の絶縁材料からなっていてもよい。コンタクト要素4は、良好な接触を可能とするように、導電性材料からなる。
【0049】
保持要素3は、保持要素3内に埋め込まれたいくつかの導電体10を有する。導電体10は、保持要素3の長手方向11、およびリボン形状のコネクタ1の長手方向12に沿って延びる。
【0050】
導電体10は、互いに隣接して、特に互いに平行に延びる。導電体10の第1の束13は、保持要素3の縁部15上に配置され、こうして機械的安定性を確保する。導電体10の第2の束14は、保持要素3上の溶接開口部7の2つの列8の間に延びる。2つの列8の間を空けることによって、コンタクト要素4を、横断方向Qにおいて互いに離間された2つの点上に溶接し、こうしてこれらをより安定させ、点頭する動き(nodding movements)をより受けにくくすることができる。可能な最もコンパクトな構成を確保するために、溶接開口部の列8同士の中間の空間は、導電体10の第2の束14を含む。
【0051】
導電体10の各々は、コンタクト要素4と電気的に接触している。この目的のために、保持要素3は、頂部および底部上に、表面上の絶縁材料が取り除かれた追加の溶接開口部7を有し、こうして、導電体10をコンタクト要素4に溶接することを可能にする。
【0052】
導電体10は、コネクタ1の長手方向12に沿って導かれ、これを、たとえば個々のコンタクト要素4上の電圧を測定するために、たとえば他の電気要素のここでは図示しない領域において、接触させることができる。別の電気要素とのそのような接続を、たとえば保持要素3の端部上で行うことができる。代替の構成では、保持要素3は、支持要素2を越えて突出することもでき、この突出部において電気的接触を行うことができる。たとえば、電気配線をそこで露出することができ、かつ/または、これらはプラグ内へと開いていることができる。
【0053】
図示されるコンタクト要素4は、薄片形状である。この構成により、これらを保持要素3および支持要素2の2つの層の間に容易に挿入することが可能となる。同時に、このことにより、高い電流能力および負荷容量が可能となる。これらを、プレス加工および/またはエンボス加工によって金属シートから形成することができる。コネクタ1はサンドイッチ構造を有し、この場合、コンタクト要素4は、保持要素3によって形成される層と、支持要素2によって形成される層との間に配置され保持される。
【0054】
コンタクト要素4は、保持要素3の導体領域17内に突出する舌部16を各々有する。舌部16は、導体10の第1の束13につながる。第1の束13の導体10の各々は、コンタクト要素4の舌部16と接続される。導体10は、保持要素3の絶縁材料によって、その他のコンタクト要素4およびそれらの舌部16から絶縁される。これは、導電体10が、保持要素3内に埋め込まれており、溶接開口部7の領域においてのみアクセス可能であるためである。
【0055】
舌部16は各々、保持要素3上の溶接開口部7の列8のうちの、2つの隣接する溶接開口部7の間に延びる。このことにより、コネクタ1の長手方向12において、コンパクトな構成が確保される。舌部16はこうして、電気コネクタ1の長手方向12に対して垂直に延びる。
【0056】
図2は、いくつかのセル式電気要素20に取り付けられたリボン形状のコネクタ1の、第2の実施形態を示す。セル式電気要素20は、ガルヴァーニ電池22の形態の電圧ソースおよび/またはシンク21である。これらは、たとえば電気で駆動される車両において見出されるような、電気エネルギーを繰り返し取り出すおよび貯蔵するための、トラクションバッテリ23の一部である。セル式電気要素20は、アノード24およびカソード25を各々有する。電気コネクタ1の中央領域26において、1つのコンタクト要素4は各々、第1のガルヴァーニ電池22上のアノード24を、第2のガルヴァーニ電池22のカソード25と接続する。ここに示す構成では、コネクタ1における隣接するコンタクト要素4は次いで、第3のガルヴァーニ電池22のアノード24を、第4のガルヴァーニ電池22のカソード25と接続する、等である。
別のコネクタ1は、ここでは示さないが、これは図2において上部にある電極に適切に接続され、この場合、第1のコネクタ1からセル22の1つ分だけずらされる。したがって、全体として複数のセル22は、互いに直列に接続され、この結果、ガルヴァーニ電池22の電圧は、加算される。したがって、コンタクト要素4は、ここでは、複数のガルヴァーニ電池22を互いに接続する、セルコネクタ27として働く。
【0057】
横断方向Qにおいて連続する2つの接点28は、ガルヴァーニ電池22の単一の電極に各々接触する。電気コネクタの長手方向12において続く2つの接点28は、次のガルヴァーニ電池22上に配置され、これはこの場合も、単一の電極上に配置される。対向する両端部29上に配置されたコンタクト要素4は、ガルヴァーニ電池22の単一の電極とのみ接触している。これらは、トラクションバッテリ23の残りの部分を越えて突出している。これらを、2つの露出した接点28上で接触させることができ、これらは、他の電気要素に電圧を伝える。
【0058】
導電体10は各々、1つのコンタクト要素4と接続され、このことにより、このコンタクト要素4上に存在する電圧を継続的に監視できるようになる。
【0059】
一続きのジグザグの電流経路を確立するために2つのコネクタ1が必要である、ここに示す構成の代替として、セル式要素20の全てのアノード24およびカソード25を、次々に直線状に単一の列として配置することもできる。その場合、一続きの電流経路を確立するには、単一のコネクタ1で十分で有り得る。第1のコンタクト要素は、第1のセル式要素20のアノード24を、第2のセル式要素20のカソード25と接続する。コネクタ1における隣接するコンタクト要素4は次いで、第2のセル式要素20のアノード24を、第3のセル式要素20のカソード25と接続する、等である。
【0060】
図3は、リボン形状のコネクタ1の第2の実施形態を、分解図で示す。これは、リボン形状の支持要素2と、リボン形状の保持要素3と、リボン形状の支持要素2とリボン形状の保持要素3との間に配置されたいくつかのコンタクト要素4と、からなる。リボン形状の支持要素2およびリボン形状の保持要素3は各々、事前にはより長いリボン、たとえば供給ロールの周りに巻き付けられたリボンの、複数の別個の部分である。
【0061】
リボン形状の保持要素3内には、複数の導電体10が埋め込まれており、これらは1つのコンタクト要素4に各々接続される。導電体10は、ここでは概略的にのみ示す。2つのコンタクト要素のための導電体10のみを、点線で示す。
【0062】
第2の実施形態のコンタクト要素4は平坦であり、特に図1の実施形態のものよりも平坦でさえある。舌部16は、平坦な領域から直接出て、この平坦な領域から横断方向Qの反対方向に突き出る。
【0063】
ここでは、コンタクト要素4の接点28は丸形であり、特に円形である。そのような構成は、たとえば、図1の構成よりも製造するのに容易である。リボン形状の支持要素およびリボン形状の保持要素3上の溶接開口部7も、これに応じて円形である。
【0064】
加えて、コンタクト要素4は、コンタクト要素4からコネクタ1の長手方向12におよびその反対方向に突出する、保持突出部31を有する。コンタクト要素4を、電圧ソースおよび/またはシンク21への取り付け中、保持要素3上に配置された保持開口部32を介して、機械的に保持することができる。このことにより、たとえば、溶接デバイスが固定のための機械的圧力を加えることが不要になる。保持および溶接は、この構成では別個である。
【0065】
コンタクト要素4を、たとえば接点28を形成するために、分離の前または後にエンボス加工および/またはプレス加工されたリボン材料の、複数の別個の部分とすることができる。
【0066】
図4では、図3に示すような2つのリボン形状のコネクタ1を、バッテリ33上に配置された状態で示す。バッテリ33は、個々のバッテリ34からなり、この場合、これらの個々のバッテリは各々、配向が交互である、すなわち、電極の2つの列35において、1つのアノード24および1つのカソード25は各々、互い違いとされる。第1の列35は、アノード24で始まる。第2の列35は、カソード25で始まる。ここでは覆われた状態で示すコンタクト要素4は各々、第1の個々のバッテリ34のアノード24を第2の個々のバッテリ34のカソード25と、または、第1の個々のバッテリ34のカソード25を第2の個々のバッテリ34のアノード24と、接続する。2つのリボン形状のコネクタ1は、個々のバッテリ34の1つ分だけずらされる。したがって、ここに示す構成では、電圧は、単一のリボン形状のコネクタ1に沿っては立ち上がらない。
そうではなく、2つのリボン形状のコネクタが存在することが必要である。これは、回路が、コネクタ1に沿って真っ直ぐにではなく、コンタクト要素4を通りかつ2つのリボン形状のコネクタ1の間を横断して延びるからである。2つの末端の電極36上で、合計された電圧が次いでタップされる。各コンタクト要素4上の電圧を個々に制御するために、電気コネクタ10は、リボン形状の保持要素3内に埋め込まれ、このリボン形状の保持要素3を、たとえばリボン形状のコネクタ1の一方の端部上に個々に接触させることができる。図4では、やはり同様に、単一の電気コネクタ10を、概略的にのみ示す。
【0067】
これらの図面は、ガルヴァーニ電池22上でのコネクタ1の使用のみを、単なる例として示す。当然ながら、これを、他のセル式電気要素20、たとえばコンデンサ、特にスーパーキャパシタ上で使用することもできる。
【符号の説明】
【0068】
1 リボン形状のコネクタ
2 リボン形状の支持要素
3 リボン形状の保持要素
4 コンタクト要素
5 レセプタクル
6 開口部
7 溶接開口部
8 溶接開口部の列
9 支持要素の長手方向
10 導電体
11 支持要素の長手方向
12 コネクタの長手方向
13 第1の束
14 第2の束
15 縁部
16 舌部
17 導体領域
20 セル式電気要素
21 電圧ソースおよび/またはシンク
22 ガルヴァーニ電池
23 トラクションバッテリ
24 アノード
25 カソード
26 中央領域
27 セルコネクタ
28 接点
29 コネクタの端部
31 保持突出部
32 保持開口部
33 バッテリ
34 個々のバッテリ
35 要素の列
36 末端の電極
A 押圧方向
Q 横断方向
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】