(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-538094(P2016-538094A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】血液ポンプ制御システム及び血液ポンプシステム
(51)【国際特許分類】
A61M 1/10 20060101AFI20161111BHJP
【FI】
A61M1/10
A61M1/10 535
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-546130(P2016-546130)
(86)(22)【出願日】2013年11月27日
(85)【翻訳文提出日】2015年1月23日
(86)【国際出願番号】CN2013001454
(87)【国際公開番号】WO2015048920
(87)【国際公開日】20150409
(31)【優先権主張番号】201310462858.5
(32)【優先日】2013年10月3日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ブルートゥース
(71)【出願人】
【識別番号】514324601
【氏名又は名称】ベイジン リサーチ インスティテュート オブ プリサイズ メカトロニクス アンド コントロールズ
(71)【出願人】
【識別番号】514324612
【氏名又は名称】テダ インターナショナル カーディオバスキュラー ホスピタル
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(74)【代理人】
【識別番号】100163038
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 武志
(72)【発明者】
【氏名】シュ・ジエン
(72)【発明者】
【氏名】リ・ジプオン
(72)【発明者】
【氏名】ワン・ウエイ
(72)【発明者】
【氏名】ソ・ジンジン
(72)【発明者】
【氏名】リ・シュエ
(72)【発明者】
【氏名】チャン・レイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ・シャオチェン
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ジエミン
【テーマコード(参考)】
4C077
【Fターム(参考)】
4C077AA04
4C077DD08
4C077DD30
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4C077JJ19
4C077JJ20
4C077JJ27
4C077JJ28
4C077KK27
(57)【要約】
本発明は、局所処理端末と遠隔処理端末とを含み、前記局所処理端末は、収集した現在の血液ポンプの状態パラメータ及び心臓活動指数を前記遠隔処理端末に送信し、前記遠隔処理端末から受信した血液ポンプの調節パラメータに従って血液ポンプを駆動及び制御するように構成されており、前記遠隔処理端末は、前記局所処理端末から受信した前記現在の血液ポンプの状態パラメータ及び前記心臓活動指数、並びに所定の調節条件に従って、現在の前記血液ポンプの調節パラメータを取得し、前記血液ポンプの調整パラメータを前記局所処理端末に返して送信するように構成されている、ことを特徴とする血液ポンプ制御システムを開示する。従来技術においてはキャリアのリアルタイムの生理学的条件を対象とした血液ポンプの運転パラメータの閉ループでの調節が不可能であるという課題が解決される。血液ポンプは、よりキャリアの使用に適しており、心腔補助効果、及び血液ポンプの信頼性と安全性とが改善される。本発明はまた、血液ポンプの制御方法、及び制御システムを含む血液ポンプシステムを提供する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
局所処理端末と遠隔処理端末とを含み、
前記局所処理端末は、収集した現在の血液ポンプの状態パラメータ及び心臓活動指数を前記遠隔処理端末に送信し、前記遠隔処理端末から受信した血液ポンプの調節パラメータに従って血液ポンプを駆動及び制御するように構成されており、
前記遠隔処理端末は、前記局所処理端末から受信した前記現在の血液ポンプの状態パラメータ及び前記心臓活動指数、並びに所定の調節条件に従って、現在の前記血液ポンプの調節パラメータを取得し、前記血液ポンプの調整パラメータを前記局所処理端末に返して送信するように構成されている、
ことを特徴とする血液ポンプ制御システム。
【請求項2】
局所処理端末は、収集モジュールと、遠隔送信端末と、駆動モジュールとを含み、
前記収集モジュールは、血液ポンプの状態パラメータとキャリアの心臓活動指数とを収集するように構成されており、
前記遠隔送信端末は、前記血液ポンプの状態パラメータと前記キャリアの前記心臓活動指数とを、無線通信モード又は有線通信モードで遠隔処理端末に送信するように構成されており、
前記収集モジュールは、USB及び短距離無線通信インタフェースの少なくともいずれかを介して前記遠隔送信端末に接続されており、
前記駆動モジュールは、前記遠隔処理端末から受信した血液ポンプの調整パラメータに従って前記血液ポンプを駆動及び制御するように構成されている、
請求項1に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項3】
局所処理端末の電源は、直流(DC)電源及び交流(AC)電源の少なくともいずれかを含む請求項1又は2に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項4】
局所処理端末は、直流電源及び交流電源の総電力又は電圧値が規定の電力又は電圧値よりも低い場合に、局所低電力警告情報又は低電力警告確認要求を生成するように構成された局所低電力警告モジュールを更に含む請求項3に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項5】
局所低電力警告モジュールは、更に、所定期間内に警告確認が受信されない場合は、遠隔低電力警告情報を生成するように構成されている請求項4に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項6】
局所処理端末は、血液ポンプの第1のモータフィードバック信号又は第2のモータフィードバック信号が異常信号である場合に、局所ポンプ状態警告情報又はポンプ状態警告確認要求を生成するように構成されている局所ポンプ状態警告モジュールを更に含む請求項1に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項7】
局所ポンプ状態警告モジュールは、更に、所定期間内に警告確認が受信されない場合は、遠隔ポンプ状態警告情報を生成するように構成されている請求項6に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項8】
局所処理端末は、ポンプ電圧、ポンプ電流、ポンプ回転速度、ポンプ流量及び心拍数の任意の値が異常である場合に、局所状態パラメータ警告情報又は状態パラメータ警告確認要求を生成するように構成された局所状態パラメータ警告モジュールを更に含む請求項2に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項9】
局所状態パラメータ警告モジュールは、更に、所定期間内に警告確認が受信されない場合は、遠隔状態パラメータ警告情報を生成するように構成されている請求項8に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項10】
局所処理端末は、局所低電力警告情報、局所ポンプ状態警告情報、又は局所状態パラメータ警告情報を出力するように構成された警告装置を更に含む請求項4、6又は8に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項11】
遠隔送信端末は、更に、遠隔低電力警告情報、遠隔ポンプ状態警告情報、又は遠隔状態パラメータ警告情報を無線通信モード又は有線通信モードで遠隔処理端末に送信するように構成されている請求項5、7又は9に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項12】
遠隔送信端末は、遠隔低電力警告情報、遠隔ポンプ状態警告情報、又は遠隔状態パラメータ警告情報を受信した場合に、現在位置のナビゲーション情報を取得するように構成されたGPSナビゲーションモジュールを更に含む請求項11に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項13】
遠隔送信端末は、更に、遠隔低電力警告情報、遠隔ポンプ状態警告情報、又は遠隔状態パラメータ警告情報が受信された場合は、地方番号を経由して、第1の緊急通報番号への発呼要求を行い、前記第1の通報番号が所定期間内に応答しない場合には、第2の緊急通報番号への発呼要求を行うように構成されている請求項11に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項14】
遠隔送信端末は、更に、遠隔低電力警告情報、遠隔ポンプ状態警告情報、又は遠隔状態パラメータ警告情報を受信した場合は、前記遠隔低電力警告情報、前記遠隔ポンプ状態警告情報、又は前記遠隔状態パラメータ警告情報に従って、低電力警告即時情報、ポンプ状態警告即時情報、又は状態パラメータ警告即時情報を生成し、前記低電力警告即時情報、前記ポンプ状態警告即時情報、又は前記状態パラメータ警告即時情報を、地方番号を経由して第1の緊急通報番号に送信し、かつ、前記即時情報への応答が所定期間内に受信されない場合には、前記低電力警告即時情報、前記ポンプ状態警告即時情報、又は前記状態パラメータ警告即時情報を、第2の緊急通報番号に送信するように構成されている請求項11に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項15】
遠隔送信端末は、更に、遠隔低電力警告情報、遠隔ポンプ状態警告情報、又は遠隔状態パラメータ警告情報が受信された場合に、前記遠隔低電力警告情報、前記遠隔ポンプ状態警告情報、又は前記遠隔状態パラメータ警告情報、及び位置ナビゲーション情報に従って、低電力警告即時情報、ポンプ状態警告即時情報、又は状態パラメータ警告即時情報を生成し、前記低電力警告即時情報、前記ポンプ状態警告即時情報、又は前記状態パラメータ警告即時情報を、地方番号を経由して第1の緊急通報番号に送信し、かつ、前記即時情報への応答が所定期間内に受信されない場合には、前記低電力警告即時情報、前記ポンプ状態警告即時情報、又は前記状態パラメータ警告即時情報を、第2の緊急通報番号に送信するように構成されている請求項12に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項16】
遠隔処理端末は、遠隔サービスプラットフォーム及び遠隔処理プラットフォームを含み、前記遠隔サービスプラットフォームは、現在のポンプ電圧、ポンプ電流、ポンプ回転速度、ポンプ流量、及び心拍数を局所処理端末から受信し、かつ、遠隔処理プラットフォームにより取得された血液ポンプの調節パラメータを、局所処理端末に返して送信するように構成されており、前記遠隔処理プラットフォームは、現在のポンプ電圧、ポンプ電流、ポンプ回転速度、ポンプ流量、心拍数、患者の履歴心臓活動指数、及び所定の調節条件に従って、現在の血液ポンプの調整パラメータを取得するように構成されている請求項1に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項17】
遠隔処理プラットフォームは、第1の遠隔処理プラットフォーム及び第2の遠隔処理プラットフォームを含み、前記第1の遠隔処理プラットフォームにより取得された現在の血液ポンプの調節パラメータの権限は、前記第2の遠隔処理プラットフォームにより取得された現在の血液ポンプの調節パラメータの権限よりも高い請求項16に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項18】
遠隔処理端末は、低電力警告情報及びその対応する位置ナビゲーション情報、ポンプ状態警告情報及びその対応する位置ナビゲーション情報、又は状態パラメータ警告情報及びその対応する位置ナビゲーション情報に従って、低電力警告配信情報、ポンプ状態警告配信情報、又は状態パラメータ警告配信情報を生成するように構成された警告送信モジュールを更に含む請求項16に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項19】
警告送信モジュールは、更に、遠隔低電力警告情報、遠隔ポンプ状態警告情報、又は遠隔状態パラメータ警告情報が受信された場合に、前記遠隔低電力警告情報、前記遠隔ポンプ状態警告情報、又は前記遠隔状態パラメータ警告情報に従って、第1の緊急番号に即時メッセージを送信するか、又は前記情報を第1の緊急アカウントに配信し、かつ第1の緊急通報番号からの応答が所定期間内に受信されない場合には、即時メッセージを第2の緊急番号に送信するか、又は前記情報を第2の緊急アカウントに配信するように構成されている請求項18に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項20】
局所処理端末は、無線通信モード又は有線通信モードで遠隔処理端末から現在の血液ポンプの調節パラメータを受信するように構成された遠隔受信端末を更に含み、前記無線通信モードは、好ましくはWi−Fiの2G/3Gである請求項2に記載の血液ポンプ制御システム。
【請求項21】
局所処理端末により、収集された現在の血液ポンプの状態パラメータ及び心臓活動指数を遠隔処理端末に送信する工程と、
前記遠隔処理端末により、前記局所処理端末から受信した前記現在の状態パラメータ及び前記心臓活動指数、並びに所定の調節条件に従って、現在の血液ポンプの調節パラメータを取得し、前記血液ポンプの調節パラメータを、前記局所処理端末へと返して送信する工程と、
前記局所処理端末により、前記遠隔処理端末から受信した前記血液ポンプの調節パラメータに従って、前記血液ポンプを駆動及び制御する工程と、
を含むことを特徴とする血液ポンプの制御方法。
【請求項22】
血液ポンプと、請求項1から19のいずれかに記載の血液ポンプ制御システムとを含み、前記血液ポンプは、好ましくは浮上式回転型血液ポンプであることを特徴とする血液ポンプシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具に関し、特に血液ポンプ制御システム、血液ポンプ制御方法、及び血液ポンプシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
慢性心不全(CHF)は、次第に心臓血管疾患の中で最も一般的かつ有害な疾患の一つとなってきており、多くの種類の心臓血管疾患の共通した末期的な状態である。人口及び罹患率の統計データによれば、世界では80,000,000人を超える心不全患者がおり、中国では16,000,000人を超える患者がいると推定される。中国人口の高齢化の増加成長とともに、中国では心不全の患者数が年々増加している。末期の心不全については、従来の治療効果は不十分であり、中期及び長期の死亡率は高く、そして効果的な心臓移植のためのドナーが不足しているため、多くの心不全患者は心臓移植を待っているうちに死亡する。末期の心不全の治療及び看護は、膨大な量の資源を消費するので、既に世界中で社会的な医療及び健康の問題となっている。
【0003】
補助人工心臓(単に血液ポンプとも呼ばれる)は、世界中で認識されている全ての種類の末期心不全の最も効果的な治療器具である。一般的に、血液ポンプの流入カニューレは、人の心臓の左心室又は右心室と連通しており、血液ポンプのアウトフローグラフト(outflow graft)は、大動脈又は肺動脈と連通しており、血液ポンプは、心臓への身体の通常の活動の動力要件の責務を共有するために、一定の圧力(一般的に80mmHg〜120mmHg)及び流量(一般的に2L/分〜10L/分)で血液を出力するように血液ポンプを制御する(電源装置を備えた)制御ドライバに接続されている。血液ポンプにより補助される心腔の位置に従って、左心室補助装置(LVAD)、右心室補助装置(RVAD)、及び双方心室補助装置(BiVAD)がある。補助人工心臓は、急性心不全、慢性心不全、急性発作、及び心臓手術後の低心拍出量の短期的支援として機能を果たすことができるだけでなく、心臓移植前の仲立ち、及び心臓移植に代わる末期心不全の最終治療としても機能を果たすことができる。数年に亘る研究の末、補助人工心臓は、第一世代の拍動血液ポンプから、第二世代の軸回転型血液ポンプ、第三世代の浮上式回転型血液ポンプへと進化してきた。第三世代の浮上式回転型血液ポンプの殆どは、開ループモードで羽根の回転速度を制御しており、即ち、患者の生理学的パラメータの変化を考慮することなく、一定の回転速度で動作するようにのみ設定されている。従って、患者の生理学的状態が変化した場合は、血液ポンプが異常動作し易く、これによって補助効果が乏しく、信頼性は低い。
【発明の概要】
【0004】
従来技術の上記の欠陥に鑑みて、本発明の一態様は、血液ポンプ制御システム及び血液ポンプシステムを提供し、本発明の別の態様は、現在の血液ポンプの状態パラメータのモニタリングに従って血液ポンプの関連パラメータを遠隔的に動的に変更する血液ポンプの制御方法を提供し、それによって血液ポンプの調節パラメータの閉ループ制御を実現する。
【0005】
本発明の一実施形態の血液ポンプ制御システムは、局所処理端末と遠隔処理端末とを含み、
前記局所処理端末は、収集した現在の血液ポンプの状態パラメータ及び心臓活動指数を前記遠隔処理端末に送信し、前記遠隔処理端末から受信した血液ポンプの調節パラメータに従って血液ポンプを駆動及び制御するように構成されており、
前記遠隔処理端末は、前記局所処理端末から受信した前記現在の血液ポンプの状態パラメータ及び前記心臓活動指数、並びに所定の調節条件に従って、現在の前記血液ポンプの調節パラメータを取得し、前記血液ポンプの調整パラメータを前記局所処理端末に返して送信するように構成されている、
ことを特徴とする。
【0006】
実施形態によっては、局所処理端末は、収集モジュールと、遠隔送信端末と、駆動モジュールとを含み、
前記収集モジュールは、血液ポンプの状態パラメータとキャリアの心臓活動指数とを収集するように構成されており、
前記遠隔送信端末は、前記血液ポンプの状態パラメータと前記キャリアの前記心臓活動指数とを、無線通信モード又は有線通信モードで遠隔処理端末に送信するように構成されており、
前記収集モジュールは、USB及び短距離無線通信インタフェースの少なくともいずれかを介して前記遠隔送信端末に接続されており、
前記駆動モジュールは、前記遠隔処理端末から受信した血液ポンプの調整パラメータに従って前記血液ポンプを駆動及び制御するように構成されている。
【0007】
実施形態によっては、局所処理端末の電源は、直流(DC)電源及び交流(AC)電源の少なくともいずれかを含む。
【0008】
実施形態によっては、局所処理端末は、直流電源及び交流電源の総電力又は電圧値が規定の電力又は電圧値よりも低い場合に、局所低電力警告情報又は低電力警告確認要求を生成するように構成された局所低電力警告モジュールを更に含む。
【0009】
実施形態によっては、局所低電力警告モジュールは、更に、所定期間内に警告確認が受信されない場合は、遠隔低電力警告情報を生成するように構成されている。
【0010】
実施形態によっては、局所処理端末は、血液ポンプの第1のモータフィードバック信号又は第2のモータフィードバック信号が異常信号である場合に、局所ポンプ状態警告情報又はポンプ状態警告確認要求を生成するように構成されている局所ポンプ状態警告モジュールを更に含む。
【0011】
実施形態によっては、局所ポンプ状態警告モジュールは、更に、所定期間内に警告確認が受信されない場合は、遠隔ポンプ状態警告情報を生成するように構成されている。
【0012】
実施形態によっては、局所処理端末は、ポンプ電圧、ポンプ電流、ポンプ回転速度、ポンプ流量及び心拍数の任意の値が異常である場合に、局所状態パラメータ警告情報又は状態パラメータ警告確認要求を生成するように構成された局所状態パラメータ警告モジュールを更に含む。
【0013】
実施形態によっては、局所状態パラメータ警告モジュールは、更に、所定期間内に警告確認が受信されない場合は、遠隔状態パラメータ警告情報を生成するように構成されている。
【0014】
実施形態によっては、局所処理端末は、局所低電力警告情報、局所ポンプ状態警告情報、及び局所状態パラメータ警告情報の少なくともいずれかを出力するように構成された警告装置を更に含む。
【0015】
実施形態によっては、遠隔送信端末は、更に、遠隔低電力警告情報、遠隔ポンプ状態警告情報、又は遠隔状態パラメータ警告情報を無線通信モード又は有線通信モードで遠隔処理端末に送信するように構成されている。
【0016】
実施形態によっては、遠隔送信端末は、遠隔低電力警告情報、遠隔ポンプ状態警告情報、又は遠隔状態パラメータ警告情報を受信した場合に、現在位置のナビゲーション情報を取得するように構成されたGPSナビゲーションモジュールを更に含む。
【0017】
実施形態によっては、遠隔送信端末は、更に、遠隔低電力警告情報、遠隔ポンプ状態警告情報、又は遠隔状態パラメータ警告情報が受信された場合は、地方番号を経由して、第1の緊急通報番号への発呼要求を行い、前記第1の通報番号が所定期間内に応答しない場合には、第2の緊急通報番号への発呼要求を行うように構成されている。
【0018】
実施形態によっては、遠隔送信端末は、更に、遠隔低電力警告情報、遠隔ポンプ状態警告情報、又は遠隔状態パラメータ警告情報を受信した場合は、前記遠隔低電力警告情報、前記遠隔ポンプ状態警告情報、又は前記遠隔状態パラメータ警告情報に従って、低電力警告即時情報、ポンプ状態警告即時情報、又は状態パラメータ警告即時情報を生成し、前記低電力警告即時情報、前記ポンプ状態警告即時情報、又は前記状態パラメータ警告即時情報を、地方番号を経由して第1の緊急通報番号に送信し、かつ、前記即時情報への応答が所定期間内に受信されない場合には、前記低電力警告即時情報、前記ポンプ状態警告即時情報、又は前記状態パラメータ警告即時情報を、第2の緊急通報番号に送信するように構成されている。
【0019】
実施形態によっては、遠隔送信端末は、更に、遠隔低電力警告情報、遠隔ポンプ状態警告情報、又は遠隔状態パラメータ警告情報が受信された場合に、前記遠隔低電力警告情報、前記遠隔ポンプ状態警告情報、又は前記遠隔状態パラメータ警告情報、及び位置ナビゲーション情報に従って、低電力警告即時情報、ポンプ状態警告即時情報、又は状態パラメータ警告即時情報を生成し、前記低電力警告即時情報、前記ポンプ状態警告即時情報、又は前記状態パラメータ警告即時情報を、地方番号を経由して第1の緊急通報番号に送信し、かつ、前記即時情報への応答が所定期間内に受信されない場合には、前記低電力警告即時情報、前記ポンプ状態警告即時情報、又は前記状態パラメータ警告即時情報を、第2の緊急通報番号に送信するように構成されている。
【0020】
実施形態によっては、遠隔処理端末は、遠隔サービスプラットフォーム及び遠隔処理プラットフォームを含み、前記遠隔サービスプラットフォームは、現在のポンプ電圧、ポンプ電流、ポンプ回転速度、ポンプ流量、及び心拍数を局所処理端末から受信し、かつ、遠隔処理プラットフォームにより取得された血液ポンプの調節パラメータを、局所処理端末に返して送信するように構成されており、前記遠隔処理プラットフォームは、現在のポンプ電圧、ポンプ電流、ポンプ回転速度、ポンプ流量、心拍数、患者の履歴心臓活動指数、及び所定の調節条件に従って、現在の血液ポンプの調整パラメータを取得するように構成されている。
【0021】
実施形態によっては、遠隔処理プラットフォームは、第1の遠隔処理プラットフォーム及び第2の遠隔処理プラットフォームを含み、前記第1の遠隔処理プラットフォームにより取得された現在の血液ポンプの調節パラメータの権限は、前記第2の遠隔処理プラットフォームにより取得された現在の血液ポンプの調節パラメータの権限よりも高い。
【0022】
実施形態によっては、遠隔処理端末は、低電力警告情報及びその対応する位置ナビゲーション情報、ポンプ状態警告情報及びその対応する位置ナビゲーション情報、又は状態パラメータ警告情報及びその対応する位置ナビゲーション情報に従って、低電力警告配信情報、ポンプ状態警告配信情報、又は状態パラメータ警告配信情報を生成するように構成された警告送信モジュールを更に含む。
【0023】
実施形態によっては、警告送信モジュールは、更に、遠隔低電力警告情報、遠隔ポンプ状態警告情報、又は遠隔状態パラメータ警告情報が受信された場合に、前記遠隔低電力警告情報、前記遠隔ポンプ状態警告情報、又は前記遠隔状態パラメータ警告情報に従って、第1の緊急番号に即時メッセージを送信するか、又は前記情報を第1の緊急アカウントに配信し、かつ、第1の緊急通報番号からの応答が所定期間内に受信されない場合には、即時メッセージを第2の緊急番号に送信するか、又は前記情報を第2の緊急アカウントに配信するように構成されている。
【0024】
実施形態によっては、局所処理端末は、無線通信モード又は有線通信モードで遠隔処理端末から現在の血液ポンプの調節パラメータを受信するように構成された遠隔受信端末を更に含み、前記無線通信モードは、Wi−Fiの2G/3Gとすることができる。
【0025】
本発明はまた、
局所処理端末により、収集された現在の血液ポンプの状態パラメータ及び心臓活動指数を遠隔処理端末に送信する工程と、
前記遠隔処理端末により、前記局所処理端末から受信した前記現在の状態パラメータ及び前記心臓活動指数、並びに所定の調節条件に従って、現在の血液ポンプの調節パラメータを取得し、前記血液ポンプの調節パラメータを、前記局所処理端末へと返して送信する工程と、
前記局所処理端末により、前記遠隔処理端末から受信した前記血液ポンプの調節パラメータに従って、前記血液ポンプを駆動及び制御する工程と、
を含むことを特徴とする血液ポンプの制御方法を提供する。
【0026】
本発明はまた、血液ポンプと、前記血液ポンプ制御システムとを含む血液ポンプシステムを提供する。
【0027】
先行技術と比較して、本発明の血液ポンプ制御システム及び血液ポンプシステムは、以下の利点を有する。即ち、本発明は、キャリアにより届けられた、収集された血液ポンプの電圧、電流、及び回転速度等の動作状態の情報を、有線モード又は無線モードで遠隔サーバにアップロードし、一方で、後続の最適化のためにサンプルを富化するためにそのデータをデータベースに格納し、また一方で、血液ポンプをよりキャリアによる使用に適合させて血液ポンプの使用の信頼性及びセキュリティを改善させるように、特定の医師及び看護師、又はデバイス製造業者の判断に従って、血液ポンプの動作パラメータを調節する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態の血液ポンプ制御システムの構成要素を示す概略図である。
【
図2】
図2は、電力のモニタリングを含む、本発明の一実施形態の血液ポンプ制御システムの構成要素を示す概略図である。
【
図3】
図3は、モータのモニタリングを含む、本発明の一実施形態の血液ポンプ制御システムの構成要素を示す概略図である。
【
図4】
図4は、現在の状態パラメータのモニタリングを含む、本発明の一実施形態の血液ポンプ制御システムの構成要素を示す概略図である。
【
図5】
図5は、GPSナビゲーションモジュールを含む、本発明の一実施形態の血液ポンプ制御システムの構成要素を示す概略図である。
【
図6】
図6は、本発明の一実施形態の遠隔処理端末の血液ポンプ制御システムの構成要素を示す概略図である。
【
図7】
図7は、本発明の一実施形態の血液ポンプの制御方法の手順を示す図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態の血液ポンプシステムの構成要素を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
添付の図面と組み合わせて本発明を更に以下詳細に説明するが、何れにせよ、詳細な説明は、本発明を限定するものとして解釈することはできない。
【0030】
図1に示すように、本発明の一実施形態の血液ポンプ制御システムの遠隔処理端末10は、DSPプロセッサを使用した組込みシステムによって実現することができる駆動制御部11を含む。遠隔処理端末20は、遠隔サービスプラットフォーム21、遠隔処理プラットフォーム(1)22、及び遠隔処理プラットフォーム(2)23の少なくともいずれかを含む。キャリアの状態をモニタリングするために、例えば、キャリア識別情報(使用者を特定するための固有の識別)、氏名、年齢、病歴、血液ポンプ30を最初に使用する時間等のキャリアの基本情報が、局所処理端末10及び遠隔処理端末20の両方において統合され、一貫して維持されていなければならない。駆動制御部11は、収集モジュール12、遠隔送受信端末13、及び駆動モジュール14を含む。血液ポンプ30の現在の状態パラメータ、及び心キャリアの心臓活動指数を収集するために、収集モジュール12は、人体の腹部を通る経皮的配線を介して監視対象の血液ポンプ30に接続されており、ここで、現在の状態パラメータは、ポンプ電圧、ポンプ電流、ポンプ回転速度、及びポンプ流量を含み、キャリアの心臓活動指数は、心拍数等の生理学的指数を含む。収集した現在の状態パラメータ及びキャリアの心臓活動指数を、USB及び短距離無線通信モードの少なくともいずれかを介して遠隔送受信端末13に送信するために、収集モジュール12は、USB及び短距離無線通信インタフェースの少なくともいずれかを介して遠隔送受信端末13に接続されており、ここで、短距離無線通信モードは、ブルートゥース通信等を使用することができる。遠隔送受信端末13は、「現在の状態パラメータ及びキャリアの心臓活動指数」を、無線通信モード又は有線通信モードで遠隔処理端末20の遠隔サービスプラットフォーム21に送信し、ここで、無線通信モードは、Wi−Fiの2G/3Gとすることができる。遠隔送受信端末13は、必要に応じて駆動制御部11に統合することができることに留意されたい。遠隔送受信端末13が制御ドライバ11に統合されている場合は、遠隔送受信端末13を「遠隔送信モジュール」と「遠隔受信モジュール」とに分割することができ、これは、収集モジュール12と遠隔送受信端末13とを配線を介して相互に直接接続して、システムの信頼性を向上させることができるという利点を有する。更に、遠隔送受信端末13はまた、制御ドライバ11から独立した携帯電話端末又はスマートフォン携帯端末を使用して実現することができ、これは、使用者が遠隔送受信端末13を運搬することを容易にするという利点を有する。遠隔サービスプラットフォーム21は、遠隔情報サーバを用いて実現することができる。
【0031】
遠隔サービスプラットフォーム21は、局所処理端末10からパラメータ及び指数を受信すると、医療装置によりモニタリングされた遠隔処理プラットフォーム(1)22及び血液ポンプの供給者によりモニタリングされた遠隔処理プラットフォーム(2)23に通知するか、或いは遠隔処理プラットフォーム(1)22及び遠隔処理プラットフォーム(2)23のいずれかに通知する。まず、血液ポンプ30の現在のキャリア識別情報に従って、サーバプラットフォームデータベースからキャリア及びその履歴情報が検索される。その後、履歴情報、現在の状態パラメータ(ポンプ電圧、ポンプ電流、ポンプ回転速度、ポンプ流量)、及びキャリアの心臓活動指数(心拍数)と組み合わせた所定の調節条件に従って、キャリアの現在の血液ポンプの回転数等の駆動パラメータが設定される。例えば、キャリアによるポンプの最初の着用時期は2010年1月10日であり、現在の収集時期は2011年1月10日であり、キャリアがポンプを最初に着用したときの心拍数は80回/分であり、電圧は14Vであり、電流は0.3Aであり、最初の回転数は2400rpmであり、対応するポンプ補助流量は3L/分である。現在収集されたキャリアの心拍数が80回/分を維持しており、他の指数が変わらないままである場合は、現在の血液ポンプの調節パラメータは、「現在のパラメータを保持する」と同時に、遠隔サービスプラットフォーム21は、そのような「血液ポンプ30は正常に動作しており、良好な補助効果があります」との情報を、局所処理端末10を介して、ショートメッセージ、電話、又は電子メールを用いてキャリアに通知することができる。しかしながら、現在収集されたキャリアの心拍数が110回/分であり、他の指数が全て異なる程度に変化する場合は、血液ポンプ30の補助流量を増加させる必要があり、従って、遠隔サービスプラットフォーム21は、そのような「状態の変化のため補助流量を増加させる必要があり、回転速度を2500rpmまで調節してください」との情報を、局所処理端末10を介して、ショートメッセージ、電話、又は電子メールを用いてキャリアに通知することができる。制御ドライバを調節するようキャリアに指示するか、又は局所処理端末10を遠隔的に制御して制御ドライバを調節し、現在の血液ポンプの回転速度を2500rpmにまで調節して対応する血液ポンプ補助流量を5L/分に調節することにより、キャリアの心腔の補助を良好にすることができる。ここで、「所定の調節条件」は、「臨床試験データ」又は「従来の設定調整条件」に従った、「機能」又は「固定された対応関係テーブル」として設定することができ、「現在の状態パラメータ(ポンプ電圧、ポンプ電流、ポンプ回転速度、ポンプ流量)及びキャリアの心臓活動指数(心拍数)」が与えられると、異なるキャリアに一貫した「血液ポンプの調節パラメータ」を付与することができることに留意されたい。よって、「所定の調節条件」とは、異なるキャリアに付与される特別な条件ではなく、「臨床試験データ」又は「従来設定された調整条件」に従って付与される、普遍的に設定される条件であることが分かる。遠隔処理プラットフォーム(1)22及び遠隔処理プラットフォーム(2)23の一方又は両方は、現在の状態パラメータ及びキャリアの心拍数、並びに所定の調節条件と組み合わせた関連情報に従って、現在の血液ポンプの調節パラメータを取得した後、それらを遠隔サービスプラットフォーム21にアップロードする。実際のニーズに応じて、遠隔処理プラットフォーム(1)22(又は遠隔処理プラットフォーム(2)23)によって取得された現在の血液ポンプの調節パラメータの権限は、遠隔処理プラットフォーム(2)23(又は遠隔処理プラットフォーム(1)22)によって取得された現在の血液ポンプの調節パラメータの権限よりも高く設定することができることに留意すべきである。例えば、遠隔処理プラットフォーム(1)22は、医療機関のプラットフォームであり、遠隔処理プラットフォーム(2)23は、製造業者のプラットフォームである。遠隔処理プラットフォーム(1)22及び遠隔処理プラットフォーム(2)23の両方が、遠隔サービスプラットフォーム21を介して現在の状態パラメータ及び遠隔キャリアの心臓活動指数を受信した後、遠隔製処理プラットフォーム(1)22によって作成された現在の血液ポンプの調節パラメータが、遠隔処理プラットフォーム(2)23によって作成された現在の血液ポンプの調節パラメータに優先して採用又は受領されるものとする。遠隔サービスプラットフォーム21は、(具体的には、ショートメッセージによって)血液ポンプの調節パラメータを局所処理端末10に返して送信する。(遠隔送受信端末13が、例えばスマートフォン等の高性能の移動端末であり、キャリア情報が、局所処理端末10及び遠隔処理端末20によって共同で登録又は保持された使用者の情報である場合は、血液ポンプの調節パラメータは、配信によっても局所処理端末10に返して送信されてもよい。)
【0032】
局所処理端末10は、遠隔送受信端末13を介して遠隔処理端末20から「血液ポンプの調節パラメータ」を受信し、「血液ポンプの調節パラメータ」を駆動モジュール14に送信する。駆動モジュール14は、回転速度等の血液ポンプの調節パラメータに従い、現在のポンプの回転速度を調節する。回転速度の調節パラメータが、「回転速度を100rpm加速する」であれば、駆動モジュール14は、血液ポンプ30の回転速度を100rpm増加させる。
【0033】
局所処理端末10が、収集された現在の血液ポンプ30の状態パラメータと心臓活動指数とを遠隔処理端末20へ送信し、遠隔処理端末20が、局所処理端末10から受信した現在の状態パラメータ、心臓活動指数、及び調節条件に応じて、現在の血液ポンプの調節パラメータを変更し、変更された血液ポンプの調節パラメータを、局所処理端末10へと送信し、局所処理端末10が遠隔処理端末20から変更された駆動パラメータを受信した後、パラメータに従って血液ポンプ30を駆動及び制御することが分かる。
【0034】
動作中の血液ポンプ30の状態がより安全で信頼性が高いように、本発明の一実施形態では、
図2に示すように、局所処理端末10の制御ドライバ11は、12V〜18Vの直流電源を使用して電力供給される。電力エネルギーの重要性を考慮して三重の冗長性解決策が採用されており、即ち、制御ドライバ11は、外部から、第1の直流電源151及び第2の直流電源152(即ち、2つの高容量リチウムポリマー電池)、並びに交流電源153(即ち、外部からACアダプタに接続されている)に接続されている。2つの高容量リチウムポリマー電池は、相互バックアップとして低電力切替え機能及と制御ドライバ11への供給力とを有し、これが、野外活動において信頼できる電力エネルギー、長い自由時間、及び高い生活の質を十分に保証する。患者が屋内に居る場合は、制御ドライバ11は、1つのACアダプタによって電力供給することができる。安全性を保証するために、制御ドライバ11がACアダプタから電力供給されるとしても、高容量リチウムポリマー電池は、突然の電力障害等の状況を防ぐように提供されなければならない。ACアダプタは電池の充電に対する責任を負わず、リチウムポリマー電池の充電は、別々に構成された卓上型充電装置によって実現されなければならない。電源のモニタリングの信頼性を高めるために、局所処理端末10は、局所低電力警告モジュール15、局所警告装置154、又は局所操作パネル155を更に含む。局所低電力警告モジュール15の収集入力端末は、第1の直流電源151、第2の直流電源152、及び交流電源153に接続されており、第1の直流電源151、第2の直流電源152、及び交流電源153の電力値をリアルタイムで収集する。局所低電力警告モジュール15の出力端末は、局所警告装置154又は局所操作パネル155に接続されている。第1の直流電源151、第2の直流電源152、及び交流電源153の総電力が最小電力値未満である場合、局所低電力警告モジュール15は、局所低電力警告情報又は低電力警告確認要求を生成して局所低電力警告情報を局所警告装置154に送信し、局所警告装置154は、ブザー又は光電警告装置を使用するか、又はキャリアからの確認を待機する局所操作パネル155に低電力警告確認要求を送信し、所定期間内に警告確認が受信されない場合は、遠隔低電力警告情報が生成されてキャリアの遠隔処理端末20に送信される。局所低電力警告モジュール15は、制御ドライバ11に統合された組込みユニットによって実現することができる。例えば、第1の直流電源151の電力値が10%であり、第2の直流電源152の電力値が80%であり、第1の直流電源151と第2の直流電源152との総電力値が所定の総電力閾値である95%未満である場合は、局所低電力警告モジュール15が局所ブザー又は光電装置(局所警告装置154)を活性化してキャリアに警告して喚起する。警告装置からの喚起による、キャリアに危険をもたらす警告情報に対してキャリアが気づかないことを防止するために、局所低電力警告モジュール15は、低電力警告確認要求を生成し、(制御ドライバ11に自己構成された)表示画面によって要求を表示し、ある期間(例えば、30秒間)使用者からの確認を待機し、キャリアが局所操作パネル155により要求を確認すると、警告が終了する。キャリアがそれを確認しない場合、即ち警告確認が受信されない場合は、局所低電力警告モジュール15は、遠隔低電力警告情報を生成し、これが遠隔送受信端末13を介してキャリアの遠隔処理端末20に送信される。局所低電力警告モジュール15は、制御ドライバ11に統合された組込みユニットによって実現することができる。
【0035】
血液ポンプ30の故障を遅れずに検出し、より安全で信頼性の高い動作を保証するために、本発明の一実施形態では、
図3に示すように、血液ポンプ30が2つの固定子のモータ(上部モータ固定子、及び下部モータ固定子)を用いる場合には、制御ドライバ11が、上部モータ固定子及び下部モータ固定子を、それぞれ上部モータ固定子駆動回路及び下部モータ固定子駆動回路によって駆動する。上部モータ固定子及び下部モータ固定子の正常な動作を保証するために、局所処理端末10は、局所ポンプ状態警告モジュール16、局所警告装置154、又は局所操作パネル155を更に含む。局所ポンプ状態警告モジュール16の収集入力端末は、上部モータ固定子駆動回路161及び下部モータ固定子駆動回路162に接続されており、第1のモータフィードバック信号及び第2のモータフィードバック信号をリアルタイムで収集する。局所ポンプ状態警告モジュール16の出力端末は、局所警告装置154又は局所操作パネル155に接続されている。第1のモータフィードバック信号(即ち、上部モータフィードバック信号)、又は第2のモータフィードバック信号(即ち、下部モータフィードバック信号)が異常である場合、例えば、第1のモータフィードバック信号が無信号であるか又は第2のモータフィードバック信号が無信号である場合、局所ポンプ状態警告モジュール16は、局所ポンプ状態警告情報又はポンプ状態警告確認要求を生成して局所ポンプ状態警告情報を局所警告装置154に送信し、局所警告装置154は、ブザー又は光電警告装置を使用するか、又はキャリアからの確認を待機する局所操作パネル155にポンプ状態警告確認要求を送信し、所定期間内に警告確認が受信されない場合は、遠隔ポンプ状態警告情報が生成されてキャリアの遠隔処理端末20に送信される。局所ポンプ状態警告モジュール16は、制御ドライバ11に統合された組込みユニットによって実現することができる。例えば、上部モータ固定子が停止した場合、第1のモータフィードバック信号(即ち、上部モータフィードバック信号)がゼロとなり、局所ポンプ状態警告モジュール16は、局所のブザー又は光電装置(局所警告装置154)を活性化してキャリアに警告して喚起する。警告装置からの喚起による、キャリアに危険をもたらす警告情報に対してキャリアが気づかないことを防止するために、局所ポンプ状態警告モジュール16は、ポンプ状態警告確認要求を生成し、(制御ドライバ11に自己構成された)表示画面によって要求を表示し、ある期間(例えば、30秒間)使用者からの確認を待機し、キャリアが局所操作パネル155により要求を確認すると、警告が終了する。キャリアがそれを確認しない場合は、即ち警告確認が受信されない場合は、局所ポンプ状態警告モジュール16は、遠隔ポンプ状態警告情報を生成し、これが遠隔送受信端末13を介してキャリアの遠隔処理端末20に送信される。局所ポンプ状態警告モジュール16は、制御ドライバ11に統合された組込みユニットによって実現することができる。
【0036】
キャリアの物理的な状態をリアルタイムで監視するために、本発明の一実施形態では、
図4に示すように、局所処理端末10は、局所状態パラメータ警告モジュール17、局所警告装置154、又は局所操作パネル155を更に含む。局所状態パラメータ警告モジュール17の収集入力端末は、収集モジュール12に接続されており、収集モジュール12から、ポンプ電圧、ポンプ電流、ポンプ回転速度、ポンプ流量、又は心拍数を取得する。局所状態パラメータ警告モジュール17の出力端末は、局所警告装置154又は局所操作パネル155に接続されている。ポンプ電圧、ポンプ電流、ポンプ回転速度、ポンプ流量、又は心拍数が異常である場合、例えば、ポンプ流量がポンプ流量の閾値未満である場合、局所状態パラメータ警告モジュール17が局所状態パラメータ警告情報又は状態パラメータ警告確認要求を生成して局所状態パラメータ警告情報を局所警告装置154に送信し、局所警告装置154は、ブザー又は光電警告装置を使用するか、又はキャリアからの確認を待機する局所操作パネル155に状態パラメータ警告確認要求を送信し、所定期間内に警告確認が受信されない場合は、遠隔状態パラメータ警告情報が生成されてキャリアの遠隔端末20に送信される。局所状態パラメータ警告モジュール17は、制御ドライバ11に統合された組込みユニットによって実現することができる。例えば、ポンプ流量が流量警告閾値未満である場合、局所状態パラメータ警告モジュール17は、局所ブザー又は光電装置(局所警告装置154)を活性化してキャリアに警告して喚起する。警告装置からの喚起による、キャリアに危険をもたらす警告情報に対してキャリアが気づかないことを防止するために、局所状態パラメータ警告モジュール17は、状態パラメータ警告確認要求を生成し、(制御ドライバ11に自己構成された)表示画面によって要求を表示し、ある期間(例えば、30秒間)使用者からの確認を待機し、キャリアが局所操作パネル155により要求を確認すると、警告が終了する。キャリアがそれを確認しない場合、即ち警告確認が受信されない場合は、局所状態パラメータ警告モジュール17は、遠隔状態パラメータ警告情報を生成し、これが遠隔送受信端末13を介してキャリアの遠隔処理端末20に送信される。局所状態パラメータ警告モジュール17は、制御ドライバ11に統合された組込みユニットによって実現することができる。
【0037】
局所低電力警告情報、局所ポンプ状態警告情報、及び局所状態パラメータ警告情報を区別するために、異なる警告情報には異なる警告モード、例えば、異なる音、又は異なる光電点滅モードを設定することができることに留意すべきである。キャリアによる識別を容易にするために、警告は、音声を再生することによっても行うことができ、例えば、「局所低電力警告情報」は、警告装置により音声「電力不十分」を再生することによって促すことができる。異なる警告情報は異なる音声に対応し、音声再生機能は、データベース及び所定の関連付けによって実現することができる。
【0038】
制御ドライバ11が警告情報を遠隔処理端末20へと送信するときに、遠隔処理端末20が何時でもキャリアの現在位置を知ることができるようにするために、
図5に示すように、遠隔送受信端末13は、遠隔低電力警告情報、遠隔ポンプ状態警告情報、又は遠隔状態パラメータ警告情報が存在する場合に、現在位置のナビゲーション情報を取得するように構成されたGPSナビゲーションモジュール18を更に含む。一方で、キャリアに対して適時に救助を提供するために、遠隔送受信端末13が「遠隔低電力警告情報、遠隔ポンプ状態警告情報、又は遠隔状態パラメータ警告情報」を受信した場合には、地方番号による第1の緊急通報番号への発呼要求を行うことができる。第1の緊急通報番号が所定期間内に応答しない場合は、第2の緊急通報番号に発呼要求が行われる。第1の緊急通報番号及び第2の緊急通報番号のいずれかを、救助局番号として予め設定することができる(第1の緊急通報番号又は第2の緊急通報番号は、遠隔送受信端末13に予め記憶されたものである)。
【0039】
一方で、情報は、ショートメッセージによって送信することもできる。遠隔送受信端末13は、遠隔低電力警告情報、遠隔ポンプ状態警告情報、又は遠隔状態パラメータ警告情報を受信したときに、遠隔低電力警告情報、遠隔ポンプ状態警告情報、又は遠隔状態パラメータ警告情報に従い、低電力警告即時情報、ポンプ状態警告即時情報、又は状態パラメータ警告即時情報を生成し、即時情報は、キャリアの固有の識別情報を含むものとする。低電力警告即時情報、ポンプ状態警告即時情報、又は状態パラメータ警告即時情報は、地方番号を経由して第1の緊急通報番号に送信される。所定期間内に即時情報に対する応答が受信されない場合には、低電力警告即時情報、ポンプ状態警告即時情報、又は状態パラメータ警告即時情報は、第2の緊急通報番号に送信される。或いは、遠隔送受信端末13は、遠隔低電力警告情報、遠隔ポンプ状態警告情報、又は遠隔状態パラメータ警告情報を受信したときに、遠隔低電力警告情報、遠隔ポンプ状態警告情報、又は遠隔状態パラメータ警告情報、及び位置ナビゲーション情報に従い、低電力警告即時情報、ポンプ状態警告即時情報、又は状態パラメータ警告即時情報を生成して、低電力警告即時情報、ポンプ状態警告即時情報、又は状態パラメータ警告即時情報を、地方番号を経由して第1の緊急通報番号に送信し、所定期間内に即時情報に対する応答が受信されない場合には、低電力警告即時情報、ポンプ状態警告即時情報、又は状態パラメータ警告即時情報を、第2の緊急通報番号に送信する。従って、キャリアの現在位置をより正確に判定し、キャリアの救助を容易にすることができる。
【0040】
遠隔処理端末20に送信される警告情報を何時でも送信できるようにするために、
図6に示すように、遠隔処理端末20は、警告送信モジュール24を更に含む。警告送信モジュール24は、警告情報生成モジュール241、及び送信モジュール242を含む。遠隔処理プラットフォーム(1)22又は遠隔処理プラットフォーム(2)23がインテリジェント端末である場合、即ち、プラットフォームが配信メッセージを処理できる場合、警告情報生成モジュールは、低電力警告情報及びその対応する位置ナビゲーション情報、ポンプ状態警告情報及びその対応する位置ナビゲーション情報、又は状態パラメータ警告情報及びその対応する位置ナビゲーション情報に従い、低電力警告配信情報、ポンプ状態警告配信情報、又は状態パラメータ警告配信情報を生成する。配信情報は、第1の緊急番号に即時メッセージを送信するか、又は第1の緊急アカウントに情報を配信する「送信モジュール242」に送信される。第1の緊急通報番号からの応答が所定期間内に受信されない場合は、送信モジュール242は、第2の緊急番号に即時メッセージを送信するか、又は第2の緊急アカウントに情報を配信する。上記の情報の配信機能を実現するためには、情報を配信しながら呼出しを容易にするために、遠隔サービスプラットフォーム21、遠隔処理プラットフォーム(1)22、及び遠隔処理プラットフォーム(2)23に、遠隔処理プラットフォーム(1)22及び遠隔処理プラットフォーム(2)23のアカウント情報と、キャリアと遠隔処理プラットフォーム(1)22又は遠隔処理プラットフォーム(2)23との呼出し対応関係とを格納する必要があることが分かる。
【0041】
図7に示すように、本発明はまた、
収集された現在の血液ポンプ30の状態パラメータと心臓活動指数とを、局所処理端末10によって遠隔処理端末20に送信する工程S101と、
局所処理端末10から受信した現在の状態パラメータ及び心臓活動指数、並びに所定の調節条件に従って、現在の血液ポンプの調節パラメータを遠隔処理端末20によって取得し、血液ポンプの調節パラメータを局所処理端末10に返して送信する工程S102と、
遠隔処理端末20から受信した血液ポンプの調節パラメータに従い、局所処理端末10によって血液ポンプ30を駆動及び制御する工程S103と、
を含む血液ポンプの制御方法を提供する。
【0042】
図8に示すように、本発明の一実施形態はまた、血液ポンプ30と、上記の血液ポンプ制御システム(局所処理端末10と遠隔処理端末20とを含む)とを含む血液ポンプシステムを提供する。血液ポンプ30は、任意の血液ポンプであり、好ましくは、非接触式の浮上式回転型血液ポンプ、例えば、磁性流体二重浮上式遠心回転型血液ポンプ、軸流回転型血液ポンプである。
【0043】
上記は、単に本発明の幾つかの実施形態である。当業者は、本発明の発明概念から逸脱することなく、幾つかの変形及び変更を行うことができ、これらの全ての変形及び変更は、本発明の保護範囲内に入る。
【国際調査報告】