(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-538178(P2016-538178A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】トラック後部ドアアセンブリ
(51)【国際特許分類】
B60P 1/44 20060101AFI20161111BHJP
B62D 33/04 20060101ALI20161111BHJP
B60J 10/80 20160101ALI20161111BHJP
【FI】
B60P1/44 E
B62D33/04 C
B60J10/80
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-525952(P2016-525952)
(86)(22)【出願日】2014年10月24日
(85)【翻訳文提出日】2016年6月2日
(86)【国際出願番号】SG2014000499
(87)【国際公開番号】WO2015060788
(87)【国際公開日】20150430
(31)【優先権主張番号】2013079827
(32)【優先日】2013年10月25日
(33)【優先権主張国】SG
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516119232
【氏名又は名称】ウォン・フォン・エンジニアリング・ワークス(1988)ピーティーイー・エルティーディー
【氏名又は名称原語表記】WONG FONG ENGINEERING WORKS (1988) PTE LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】イン・ジェアウ・バン
【テーマコード(参考)】
3D201
【Fターム(参考)】
3D201BA06
(57)【要約】
本発明は、貨物コンテナあるいはトラック用等の後部ドアアセンブリに関する。後部ドアアセンブリは、左側垂直軸を中心として回転自在の左側ドアと、右側垂直軸を中心として回転自在の右側ドアとを含む。更に、左側アクチュエータを左側ドアに連結し、右側アクチュエータを右側ドアに連結した第1アクチュエータセットが設けられる。第1アクチュエータセットは、左側及び右側の各ドアを、水平軸を中心としてそれらの垂直位置及び水平位置間で同期的又は同時に作動させるように操作自在である。後部ドアアセンブリは、通常の一対のスイング式外開きドアのように選択的に操作され得、及び、その垂直閉扉位置から水平開扉位置へと降下され得る単一のテールゲートのようにも操作され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナあるいは車両用の後部ドアアセンブリであって、
左側垂直軸を中心として回転自在の左側ドア、
右側垂直軸を中心として回転自在の右側ドア、
前記左側ドアに連結した左側アクチュエータ及び前記右側ドアに連結した右側アクチュエータを有する第1アクチュエータセット、
を含み、
前記第1アクチュエータセットが、前記左側及び右側の各ドアをそれらの垂直位置及び水平位置間で同期状態下に水平軸を中心として回転させるよう操作自在である後部ドアアセンブリ。
【請求項2】
前記第1アクチュエータセットが更に、水平位置に維持されている間の前記左側及び右側の各ドアの高さを調節するよう操作自在である請求項1に記載の後部ドアアセンブリ。
【請求項3】
水平位置にある前記左側及び右側の各ドアの高さを調節するために操作自在の第2アクチュエータセットを更に含む請求項1に記載の後部ドアアセンブリ。
【請求項4】
前記左側垂直軸を中心とする前記左側ドアの回転及び前記右側垂直軸を中心とする前記右側ドアの回転が各々0〜270°の間の回転である請求項1に記載の後部ドアアセンブリ。
【請求項5】
前記左側及び右側の各ドアが、前記水平軸を中心とする回転を防止するために錠止可能である請求項1に記載の後部ドアアセンブリ。
【請求項6】
前記左側ドアが、前記左側垂直軸を中心とする回転を防止するために錠止自在であり、前記右側ドアが、前記右側垂直軸を中心とする回転を防止するために錠止自在である請求項1又は4に記載の後部ドアアセンブリ。
【請求項7】
コンテナ構造と共に使用する構成を有する請求項1に記載の後部ドアアセンブリ。
【請求項8】
前記後部ドアアセンブリと前記コンテナ構造との間にウェザーシールを形成し得る請求項7に記載の後部ドアアセンブリ。
【請求項9】
前記左側及び右側の各ドアの周囲にフレーム構造を更に含む請求項1に記載の後部ドアアセンブリ。
【請求項10】
前記フレーム構造が、前記左側垂直軸に相当する左側ヒンジと、前記右側垂直軸に相当する右側ヒンジとを含む請求項9に記載の後部ドアアセンブリ。
【請求項11】
前記フレーム構造が、前記水平軸を中心として垂直位置及び水平位置間で前記左右の各ドアと共に回転自在である請求項9又は10に記載の後部ドアアセンブリ。
【請求項12】
トラックのシャシーに連結される請求項1〜11の何れかに記載の後部ドアアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は貨物を運送する構造、装置あるいはトラック等の車両用の後部ドアアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
トラック等の車両には、荷室へのアクセスを可能にする後部ドアをトラック後部に装着したものがある。トラックは、コンテナを搭載し得る平床型トラックであり得る。コンテナはISO基準に適合する、後部入口ドアを含む貨物コンテナであり得る。かくして、後部ドアはトラック上のコンテナの後部入口ドア(以下、コンテナドアとも称する)にアクセスするために使用される。他の例ではコンテナはトラックのシャシー上に直載され得る。
【0003】
後部ドアが閉鎖位置、即ち垂直位置にある時は後部ドアのプラットフォームがコンテナドアを覆い、コンテナドアがスイングして外側に開くのが防止される。コンテナ内部にアクセスするには、後部ドアを外側あるいは下方に回転させて開扉位置、即ち、水平位置とする必要がある。こうするとコンテナドアの障害物が無くなってコンテナドアを開扉させ得る。この構成上の問題は、後部ドアを下げてコンテナにアクセスできるようになるまでの待ち時間を要することである。
【0004】
ある場合、貨物を荷積み/積み下ろしベイからコンテナ内に荷積みし、及び又は、コンテナからこのベイに荷下ろしする必要がある。荷積み/積み下ろしベイは一般に、コンテナ床あるいはトラック平床と面一になるように上昇させたプラットフォームである。この荷積み、及び又は、荷下ろしを実施するにはトラックをベイエリア方向にバックさせる必要がある。トラックに後部ドアが無い場合はプラットフォームのベイからコンテナ床に人が渡れるよう、コンテナドアがベイエリアに接近するまでトラックがバックされ得る。トラックに後部ドアがあるとベイアエリアが後部ドアの開扉を妨害するのでコンテナ内部にアクセス出来ない。この場合、後部ドアを開扉できる所定の距離にベイエリアから離れる位置までトラックをバックさせる必要がある。これには、ベイエリアに関してトラック位置を調節する無駄な時間やある程度の試行錯誤を要する。
【0005】
後部ドアを開けるとコンテナドアも同時に開くので、このプラットフォーム上に荷物を置く人の安全性も損なわれ得る。かくして、後部ドアのプラットフォーム上の人がコンテナドアのせいで怪我をする恐れがある。コンテナドアに加えて後部ドア機能部も備えるようにトラックを改造するのを違法改造と見なす国もある。
【0006】
コンテナドアと組み合わせて使用する後部ドアの追加は、無用の余剰負荷をトラックに追加することにもなる。これによりトラックの軸負荷が増大して燃費が低下する不利益も生じる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した従来技術の問題の少なくとも一つに対処するためのトラック用の改良された後部ドアアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1実施態様によれば、貨物を運搬する構造、機械、あるいはトラック等の車両用の後部ドアアセンブリが提供される。後部ドアアセンブリは、左側垂直軸中心にピボットあるいは回転自在の左側ドアと、右側垂直軸中心にピボットあるいは回転自在の右側ドアとを含む。後部ドアアセンブリは、左側ドアに左側アクチュエータを、右側アクチュエータを右側ドアに連結した第1アクチュエータセットを更に含む。第1アクチュエータセットは、地面あるいはその他表面(例えば床)に関する垂直位置あるいは垂直方向と、水平位置あるいは水平方向との間で水平軸に関して、あるいは水平軸中心に左右の各ドアを同期作動させるように作動自在である。
【0009】
本発明により提供される利益は、背景技術において説明されたような、コンテナドアの外開きスイングや、後部ドアの垂直位置及び水平位置間での回転が、それら両機能を纏めた単一のアセンブリで成されることである。かくしてユーザーは、上昇されたプラットフォームベイから載荷する等の場合は外開きスイングドアを使用し、あるいは、地面あるいはその他表面から載荷する等の場合は左右両ドアを(垂直及び水平間で)同時に外開きさせるように選択できる。かくして、本発明の1実施態様に従う単一の後部ドアアセンブリによれば、(a)一対の外開きスイングドア(例えば左右各側の外開きスイングドア)にして、各外開きスイングドアが、一組の垂直軸(例えば左右の各垂直軸)に関する開扉時に外側にピボット、回転、あるいは揺動(且つ、閉扉時は対応して内側に揺動)し得る外開きスイングドア、のみならず、(b)後部ドアにして、その垂直位置あるいは閉位置から水平あるいは開扉位置への開扉時は降下(且つ、その水平位置あるいは開扉位置から垂直あるいは閉位置への閉扉時には対応して上昇)し得る後部ドアが選択的にあるいは選択可能に提供される。後部ドアアセンブリのそうした選択的作動はユーザーが発生させる信号(ユーザーによる、例えば、ボタンを押す、あるいはスイッチ状態を変化させるユーザーインターフェースとの相互作用により発生される、例えば、電子的、電子機械的、及びあるいは、流体圧信号)に応答して生じ得る。
【0010】
かくして、本発明に従う後部ドアアセンブリの実施態様は、(a)従来の一対の外開きスイングドアのみならず、(b)従来の後部ドアにして、その垂直位置、即ち、閉位置から水平位置、即ち、開扉位置へと降下させ得る後部ドアと同一様式、本来同一様式、あるいは類似様式下に使用できる。左右の各ドアはその垂直位置から水平位置へ、且つその逆位置へと単一のプラットフォーム部材として回転され得る。各ドアがそのように同期的に回転するため、左右の各ドアの一方を開扉させつつ他方を閉鎖状態に維持できる。
【0011】
第1アクチュエータセットは水平状態の左右の各ドアの高さ調節用に更に作働し得ることが好ましい。第1アクチュエータセットは更に、後部ドアアセンブリを外開き回転させるのに加え、後部ドアアセンブリを、その水平位置あるいは水平方向に保ちつつ上昇あるいは下降させるためにも使用できることが好ましい。あるいは、又は更には、左右の各ドアの高さを調節するよう操作自在の第2アクチュエータセットを設け得る。ユーザーは、荷物を地面から、この地面に降下されている後部ドアプラットフォームに配置し、次いで、第1アクチュエータセット及び又は第2アクチュエータセットを操作して後部ドアプラットフォームを上昇させ得る。
【0012】
左側垂直軸を中心とする左側ドアの回転及び右側垂直軸を中心とする右側ドアの回転は、広い角度範囲、例えば、0〜270°の間の角度範囲で夫々生じ得ることが好ましい。コンテナと共に使用する場合はドアを270°回転させれば、ドアをコンテナの各側面と平行又は実質的に平行になるまで開扉させ得る。これにより、トラックのドライバーはサイドビューミラーでトラック後方を明瞭に見ることが出来る。これは更には、上昇されたベイエリアに向けてトラックをドアを開けたままでバックする際の安全上の問題の点でも重要である。ドライバーはトラックをバックさせる際にベイエリアに衝突する危険性及び又はリスクの徴候を見て取れる。
【0013】
左右のドアは、水平方向軸を中心とする無用の回転が防止されるよう錠止できることが好ましい。更には、左側ドアは左側垂直軸を中心とする無用の回転が防止されるよう錠止可能であることが好ましく、右側ドアが右側垂直軸を中心とする無用の回転が防止されるよう錠止できることも好ましい。これらの構成により、後部ドアの種々の各コンポーネントが有益にしっかりと錠止され、それらが、特にはトラックの移動時における偶発的開扉が有益に防止される。
【0014】
後部ドアアセンブリはコンテナ構造と共に使用する構成を有し得る。コンテナ構造は、例えば、ISO基準に適合する貨物コンテナであり得る。後部ドアアセンブリとコンテナ構造との間にウェザーシールを形成し得る。これにより、ユーザーはコンテナの既存のドアを改変して本発明に従う後部ドアの実施態様を装着し得る。更には、後部ドアアセンブリとコンテナとの間のウェザーシールが、ドア閉鎖時における、例えば、コンテナ内部に雨が進入してコンテナ内に保管したグッズを損傷させる恐れを防止する。
【0015】
あるいは、又は更には、後部ドアアセンブリは左右のドアの周囲のフレーム構造を含み得る。フレーム構造は、左側垂直軸に相当するあるいはその少なくとも一部を形成する左側ヒンジあるいはヒンジ構造と、右側垂直軸に相当するあるいはその少なくとも一部を形成する右側ヒンジあるいは右側ヒンジ構造とを含む。フレーム構造は、左右のドアが蝶着あるいはピボット支持される支持構造を提供する。フレーム構造は更に、左右のドアがその垂直方向閉扉位置から下方へと水位平方向軸中心にその水平方向開扉位置に回転する際には左右のドアと同期して回転し得る。
【0016】
後部ドアアセンブリは、トラック等の荷物運搬車両のシャシーに連結され得る。このシャシーは車両構造上最も安定した部分であり、後部ドアアセンブリを車両のコンポーネントとしてしっかり取り付けた状態に維持する。
かくして、本発明の後部ドアアセンブリが上述した如く開示される。本発明の種々の特徴、様相、及び利益は、同じ参照番号は同じ構成部品を表わす付随する図面を参照して以下に詳細に記載される非限定例のみによる本発明の実施態様からより明らかとなろう。
【発明の効果】
【0017】
従来技術の問題の少なくとも一つに対処するためのトラック用の改良された後部ドアアセンブリが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に従う後部ドアアセンブリを備え、前記後部ドアアセンブリを垂直閉鎖位置とした状態でのコンテナトラックの1実施態様を示す斜視図である。
【
図5】本発明に従う後部ドアアセンブリを備え、前記後部ドアアセンブリを水平開扉位置とした状態でのコンテナトラックの1実施態様を示す斜視図である。
【
図9】本発明に従う後部ドアアセンブリを備え、前記後部ドアアセンブリの左右の各ドアを各垂直軸を中心に回転させて開扉させた状態でのコンテナトラックの1実施態様を示す斜視図である。
【
図13】本発明に従う後部ドアアセンブリを備え、前記後部ドアアセンブリが水平開扉位置にある状態での平床式トラックの1実施態様を示す側面図である。
【
図14】本発明に従う後部ドアアセンブリを備え、前記後部ドアアセンブリが垂直閉扉位置にある状態での平床式トラックの1実施態様を示す側面図である。
【
図15】本発明に従う後部ドアアセンブリの、前記後部ドアアセンブリが垂直閉扉位置にある状態での部分拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
明細書に記載される特定の数値又は数値範囲は、特に断わりの無い限り、特定の適宜数値又は適宜数値範囲を言うものとする。例えば、以下に示す所定数値又は数値範囲は、それら数値又は数値範囲の+/−20%、+/−15%、+/−10%、又は+/−5%内の適宜数値又は数値範囲として解釈又は定義されるべきである。ここで、“/”は“及び又は”を言うものとする。
【0020】
以下に、本発明に従う異なる代表的実施態様について詳細に説明する。ここでは本発明の様相が本明細書中の実施態様に関して記載されるが、それら実施態様は本発明を限定しようとする物ではない。本発明は逆に、付随する請求の範囲により定義される如き本発明の精神及び範囲内に含まれ得る別態様、改変例、そして等価物を包含せんとするものである。更には、以下の詳細な説明では本発明の完全理解のための数多くの具体的詳細が説明される。しかしながら当業者には、本発明をこれら具体的詳細無しに実施し得ることを認識されよう。その他の実施例では、既知の方法、手順、コンポーネント、回路についての詳細は、本発明の実施態様の様相の無用の不明瞭化を避けるため説明されない。
【0021】
明瞭簡潔化のため、以下の本発明の実施例の説明は
図1〜
図15に従うトラック用の後部ドアアセンブリについてのものに限定される。しかしながらこれは、本発明の種々実施例において前提とされる操作、機能、あるいは性能上の基本原理を必要とする実施態様を排除するものではない。
【0022】
本発明の第1実施態様では、トラック102等の荷物運搬用装置あるいは車両用の後部ドアアセンブリ100が記載される。後部ドアアセンブリ100はトラック102のシャシー104に連結され得、トラック102に搭載したコンテナ構造106内へのアクセスを得るために使用される。コンテナ構造106は、ISO基準に合致する寸法の貨物コンテナであり得る。その他デザインの任意のその他コンテナ形式のものでもあり得る。本実施態様では貨物コンテナ106には後部ドアが無く、後部ドアアセンブリ100のみを使用して貨物コンテナ106内へのアクセスを得られる。
図1〜
図4には貨物コンテナ106を搭載したトラック102が示され、後部ドアアセンブリ100が閉鎖又は垂直位置で示されている。
図5〜
図8には、後部ドアアセンブリ100がいまや開扉又は水平位置とされる点を除き同一の実施態様が示される。
【0023】
後部ドアアセンブリ100は、左側垂直軸112を中心に回転自在の左側ドアあるいはドアパネル108を含む。後部ドアアセンブリ100は、右側垂直軸114を中心に回転自在の右側ドアあるいはドアパネル110をも含む。第1アクチュエータセット120が設けられ、左側ドア108に連結した左側アクチュエータと、右側ドア110に連結した右側アクチュエータとを含んでいる。第1アクチュエータセット120は、液圧シリンダ、あるいは、別個の液圧ポンプにより駆動される液圧シリンダ、及び又は、発電機により駆動される機械的アクチュエータを含み得る。第1アクチュエータセット120の一端はトラック102のシャシー104上に直接固定され、他端は左右の各ドア108及び110に連結される。第1アクチュエータセット120は、左側ドア108及び右側ドア110を矢印で示す下降/上昇方向124に沿って垂直位置及び水平位置間又は垂直位置から水平位置へと同期作動させるよう操作自在である。後部ドアアセンブリ100上における第1アクチュエータセット120の連結位置は、第1アクチュエータセット120及び又は第1アクチュエータセット120上に行使又は付加される力、左右の各ドア108及び110の寸法及び質量、そして、水平軸122の位置、に基づき当業者が算出可能である。
【0024】
種々の実施態様では、第1アクチュエータセット120が伸縮すると左右の各ドア108及び110が方向124に沿って水平軸122を中心として同期的/同時的に回転する。多数の実施態様に関し、同期的/同時的とは、左右の各ドア108及び110が水平軸122を中心として回転する際に単一ユニットあるいはプラットフォームとして一緒に移動することを意味する。更には、単一プラットフォームとして回転することで左右の各ドア108及び110の一方が閉扉状態の間に他方が開扉されるのが防止される。左右の各ドア108及び110が単一プラットフォームとして水平軸122を中心として回転することで、閉扉された垂直位置と開扉された水平位置との間、あるいは任意のその他の位置間で後部ドアアセンブリ100が制御下にあるいは制御自在様式下に移動可能となる。ある実施態様では後部ドアアセンブリ100は水平位置を越えて、例えば後部ドアアセンブリ100が地面あるいはその他表面と接触するまで開扉される構成とすることも出来る。
【0025】
第1アクチュエータセット120は、プラットフォームを水平位置に開扉させる際に左右の各ドア108及び110の高さを単一プラットフォームとして調整するようにも操作自在である。かくして第1アクチュエータセット120は、左右の各ドア108及び110を外側に回転させるのに加え、左右の各ドア108及び110を単一プラットフォームとして水平位置あるいは水平方向に維持しつつ、これらのドアを上昇あるいは下降させるためにも使用できる。ある実施態様ではユーザーは、先ず第1アクチュエータセット120を操作して左右の各ドア108及び110を水平軸122を中心として単一プラットフォームとして回転させて開扉させ得る。開扉された左右の各ドア108及び110により形成されるプラットフォームが水平位置を取ると、このプラットフォームは一般にコンテナ106の内床と実質的に面一あるいは平行となる。水平なプラットフォームは第1アクチュエータセット120を操作することにより地面あるいはその他表面に向けて更に降下され得る。ある実施態様では別個の第2アクチュエータセット126を第1アクチュエータセット120に代えてあるいは補助的に使用して、単一のプラットフォームを、その水平位置あるいは地面又はその他表面に関する方向に維持しつつ地面に関して降下及び上昇させ得る。
【0026】
プラットフォームを地面あるいはその他表面に降下させた後、ユーザーは地面あるいはその他表面から貨物をプラットフォーム上に搬送し得る。その後、第1及び又は第2の各アクチュエータセット120及び126を操作して貨物あるいは物品を、恐らくはプラットフォーム上のユーザーと共に上昇させ、その後、コンテナ106内への貨物あるいは物品の移動を継続し得る。単一のプラットフォームは、単一プラットフォームとしての降下に関する先の説明と類似の且つ逆の、当業者に理解される様式下において、左右の各ドア108及び110が当業者には理解される様式でそれらの閉扉位置に配置されてコンテナ106を覆うような状態で上昇され得る。
【0027】
水平軸122を中心として回転できるのに加え、左側ドア108は矢印116で示す方向に沿って左側垂直軸112を中心として選択的あるいは選択可能に回転自在(開扉自在/閉扉自在)であり、右側ドア110は矢印118で示す方向に沿って右側垂直軸114を中心として選択的あるいは選択可能に回転自在(開扉自在/閉扉自在)である。
図9〜
図12にはトラックが示され、方向116及び118に沿って揺動開扉する左右の各ドアを有する後部ドアアセンブリを備えている。垂直軸112及び114を中心とする左右の各ドア108及び110の回転は、手動で生じさせ得、及び又は、当業者に既知の任意の起動、機構形態、及び又は液圧手段により作動させ得る。種々の実施態様では垂直軸116及び118を中心とするドア108及び110の回転角度は少なくとも0〜90から180°の間であり、多数の実施態様では0〜270°の間である。左右の垂直軸112及び114に関してこのような外側回転構成を有する後部ドアアセンブリ100をコンテナ106と共に使用する場合、ドア108及び110が270°まで回転することで、これらのドア108及び110をコンテナ106の側面と平行になるまで開扉させることができる。このため、トラック102のドライバーはサイドミラーでトラック102の後方を明瞭に見ることが出来る。これは更には、ドア108及び110を開けたままで上昇されたベイエリア方向にバックする際の安全性の問題の点から重要である。ドライバーはトラック102をバックさせる際にベイエリアに衝突する危険及び又は恐れの徴候を監視できる。従来のトラックでは後部ドアをそれらの垂直軸に関して完全開扉させることができないため、バックする際にドライバーの視界が妨げられるのである。
【0028】
上述した第1実施態様に従う後部ドアアセンブリ100により提供される利益は、単一の後部ドアアセンブリ100により、左右のドア108及び110の垂直軸112及び114を中心とする方向116及び118に沿っての外側への揺動が可能とされ、且つ、方向124に沿っての水平軸122を中心とする単一のプラットフォームとしての下方への回転も可能となることである。従って、後部ドアアセンブリ100の操作方法に関するユーザー選択性がある。例えば、ユーザーはドア108及び110を左右の垂直軸112及び114を中心として回転させることで、外側に揺動するそれらドアを使用できる。これは通常、上昇されたプラットフォームの載荷/荷下ろしベイからの載荷時に使用される。トラック102は、後部ドアアセンブリ100がベイエリアに接近して、ドア108及び110の開扉後に上昇されたプラットフォームからコンテナ106の床に人が渡れるようになるまでバックする。ユーザーはドア108及び110を単一のプラットフォームとしてその閉扉された垂直位置から開扉される水平位置へと水平軸122を中心として回転させるようにも選択できる。これは、上述したように、地面からの直接載荷に際して使用される。
【0029】
かくして、本発明に従う単一の後部ドアアセンブリ100は通常の一対の外開きスイングドアとして使用し得、発明の背景に記載された従来の、垂直位置、即ち閉位置から水平位置、即ち開位置に下降され得る後部ドアと同一、本来同一、あるいは類似の様式下においても使用可能である。これらの機能を単一の後部ドアアセンブリ100に纏めたことで、ユーザーは上昇されたプラットフォームベイからの載荷時に後部ドアアセンブリ100を迅速に開扉させ得、この同じ後部ドアアセンブリ100をリフトとして使用して貨物を地面あるいはその他表面からコンテナの床高さに上昇させることも出来る。ドアを方向124に沿って先ず開扉させてからこのドアを方向116及び118に沿って揺動させて外開きにする必要が無くなるため時間が大幅に節約される。
【0030】
水平軸122を中心に回転する際は単一のプラットフォームとして機能する左右のドア108及び110は、この水平軸122を中心とする無用あるいは意図せざる回転を防止するよう錠止自在である。左側ドア108は左側垂直軸112を中心とする無用あるいは意図せざる回転を防止するためにも錠止自在であり、右側ドア110は右側垂直軸114を中心とする無用あるいは意図せざる回転を防止するために錠止自在である。ドア108及び110は、フックあるいはラッチ等の錠止機構により錠止され得、あるいはそれら錠止機構はISO貨物コンテナと共に通常使用される長いラッチ錠でもあり得る。任意のその他(例えば類似の)手動あるいは自動の、あるいは当業者に既知の錠止機構を、上述した錠止機構に加えてあるいは代えて使用できる。これらの錠止機構は後部ドアアセンブリ100の種々のコンポーネントを固定し、且つ、特にはトラック動作時のそれらの偶発的開扉を防止する。
【0031】
第1実施態様の後部ドアアセンブリ100はコンテナ106と共に使用する構成を有する。後部ドアアセンブリ100は、その閉扉位置、即ち左右のドア108及び110が垂直位置にある場合はコンテナ106と共にウェザーシールを形成し得る。そのようなウェザーシールは後部ドアアセンブリ100とコンテナ106との間のゴム引きシール、あるいは当業者には既知の任意のその他類似手段であり得る。ウェザーシールはコンテナ106を、特には、破損し易い貨物あるいは物品搬送用に使用する場合に外部気象要素から保護する。もしウェザーシールからコンテナ106内への雨漏りが生じるとコンテナ106に格納した貨物あるいは物品が損傷する恐れがある。
【0032】
種々の実施態様において、後部ドアアセンブリ100は車両/トラック102のシャシー104に連結される。シャシー104はトラック102における構造上最も安定した部分であり、後部ドアアセンブリ100をトラック102のコンポーネントとしての固定取り付け状態に保持する。後部ドアアセンブリ100はスチールプレートやボルト及びナット等の非恒久的締め具により、シャシー104内に取り付け得る。第1及び第2のアクチュエータセット120及び126はシャシー104のこの部分と後部ドアアセンブリ100との間に位置決めされる。第1及び第2のアクチュエータセット120及び126とシャシー104との間の連結部は、上述した非恒久的締め具を介したものでもあり得る。しかしながら溶接等の恒久的手段を使用しても良い。シャシーの代わりに、後部ドアアセンブリ100をコンテナ106に直接連結できる。その場合、コンテナ106をシャシー104上に取り付け得る。
【0033】
ある実施態様は、後部ドアアセンブリ100内にドア108及び110の無用のあるいは望ましからざる同時回転を防止する検出システムをも含み得る。詳しくは、検出システムはドア108及び110が垂直軸112及び114に関して完全に閉じた(方向116及び118に沿って)場合においてのみ、アクチュエータ120をして、これらドア108及び110の、水平軸122を中心とする方向124に沿った回転のみを許容させ得る。ドア108及び110が完全に閉じたことを検出するセンサ及び電気回路をドア108及び110上及び又はその周囲に組み込み得る。第1アクチュエータセット120とドア108及び110とを接続する電気回路及びプログラミング装置もまた、この機能を実施するために含まれ得る。前記機能の変形例及び改変例は当業者には明らかであろう。
【0034】
図13及び
図14に示すような本発明の他の、或いは第2実施態様では後部ドアアセンブリ100は平床式トラック128に装着自在あるいは装着される。後部ドアアセンブリ100とトラックキャビン130との間にはコンテナ構造は取り付けられない。従って、後部ドアアセンブリ100は平床式トラック128の平床貨物エリア132へのアクセス手段として役立つ。コンテナが無いため、後部ドアアセンブリ100は平床式トラック128のシャシー134に直に取り付けられる。本実施態様はコンテナ内にフィットさせ得ない大型貨物用に使用され得る。貨物は平床貨物エリア132上にストラップ固定され得る。
【0035】
前記2つの実施態様では、後部ドアアセンブリ100の、例えば、その縁部位置あるいは縁部に沿った部分を構造的に強化する必要があり得る。かくして、後部ドアアセンブリ100は、ドア108及び110の周囲のフレーム構造(例えば、固定フレーム構造)を含むように改変され得る。そのようなフレーム構造は、左側垂直軸112の少なくとも一部に相当するあるいは形成する左側ヒンジ又はヒンジ構造と、右側垂直軸114の少なくとも一部に相当するあるいは形成する右側ヒンジ又はヒンジ構造とを含む。フレーム構造は、左右の各ドア108及び110が蝶着されあるいはピボット的に支持され得る支持構造を提供する。更に、ドア108及び110がその垂直閉扉位置から水平開扉位置(方向124に沿って)へと水平軸122を中心として下方に回転されると、フレーム構造は左右の各ドア108及び110と同期して同じ方向124に沿って回転され得る。
【0036】
当業者は、既存の一対のスイング式外開きドアを、方向124に回転させる水平軸122を含むように改造することで後部ドアアセンブリ100を製作及び製造できる。あるいは当業者は、方向124に回転可能な後部ゲートを、左右の各垂直軸112及び114を中心として方向116及び118に回転自在の個別のあるいは分離可能なドアに改造できる。
以上、本発明の異なる実施態様に従う、トラック用の後部ドアアセンブリについて説明されたが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0037】
100 後部ドアアセンブリ
102 車両/トラック
104 シャシー
106 コンテナ/コンテナ構造/貨物コンテナ
108 ドアパネル/左側ドア
110 ドアパネル/右側ドア
112 左側垂直軸/垂直軸
114 右側垂直軸/垂直軸
116 垂直軸/矢印/方向
120 第1アクチュエータセット
122 水平軸
124 下降/上昇方向
126 第2アクチュエータセット
128 平床式トラック
130 トラックキャビン
132 平床貨物エリア
134 シャシー
【国際調査報告】