特表2016-538181(P2016-538181A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2016-538181地上走行、離陸および着陸時にフルフラット位置にできる航空機座席
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-538181(P2016-538181A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】地上走行、離陸および着陸時にフルフラット位置にできる航空機座席
(51)【国際特許分類】
   B64D 11/06 20060101AFI20161111BHJP
   B60N 2/20 20060101ALI20161111BHJP
   B60N 2/01 20060101ALI20161111BHJP
   B60R 21/231 20110101ALI20161111BHJP
【FI】
   B64D11/06
   B60N2/20
   B60N2/01
   B60R21/231
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-529914(P2016-529914)
(86)(22)【出願日】2014年11月10日
(85)【翻訳文提出日】2016年6月15日
(86)【国際出願番号】US2014064801
(87)【国際公開番号】WO2015073363
(87)【国際公開日】20150521
(31)【優先権主張番号】61/902,967
(32)【優先日】2013年11月12日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】500413696
【氏名又は名称】ビーイー・エアロスペース・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】B/E Aerospace, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ウィース アレン
【テーマコード(参考)】
3B087
3D054
【Fターム(参考)】
3B087AA09
3B087BD01
3B087CD03
3B087DE04
3D054AA21
(57)【要約】
直立着座位置とフルフラットの睡眠用位置との間で可動である、ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストを有し、および座席に関して少なくとも部分的に取り囲む向きに位置決めされかつフルフラットの睡眠用位置にあるときに座席占有者に快適さおよび保護をもたらすように膨張可能である複数のエアバッグを含む、横向きの航空機の乗客用座席。座席は、航空機の縦軸に対して斜めに方向付けられ得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横向きの航空機の乗客用座席であって、直立着座位置とフルフラットの睡眠用位置との間で可動である、ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストを有し、および前記座席に関して少なくとも部分的に取り囲む向きに位置決めされかつ前記フルフラットの睡眠用位置にある間に座席占有者に快適さおよび保護をもたらすように膨張可能である複数のエアバッグを含む、横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項2】
前記エアバッグが、前記座席占有者が前記フルフラット位置と前記直立着座位置との間で動くときに選択的に膨張可能でありかつしぼむことが可能である、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項3】
前記エアバッグが、センサーと、トリガーとを含み、このトリガーは、前記センサーに前記トリガーへ信号を伝えさせるのに十分である急減速の場合に、前記エアバッグを瞬間的に膨張させる、使い捨てのエアバッグである、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項4】
前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストが、前記航空機の縦軸と一直線になる向きに方向付けられた少なくとも1つの主通路隣接壁を有する固定位置にあるシェル内に位置決めされ、およびさらに、前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストが、前記航空機の前記縦軸に対して斜角度で方向づけられている、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項5】
前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストが、概して前記航空機の前進移動方向において前記座席を占有する乗客が前を向くように配置されている、請求項4に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項6】
複数の座席が、前記航空機の縦軸に対して斜角度で方向づけられる配置構成に位置決めされ、かつ第1の座席の前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストが、隣接する第2の座席と角度的にオフセットする状態で、互い違いの配列に位置決めされる、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項7】
前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る、長くて細いエアバッグである、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項8】
前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記ヘッドレストおよび背もたれ部に隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る、長くて細いエアバッグである、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項9】
前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接して位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る、長くて細いエアバッグであり、前記少なくとも1つのエアバッグは、前記座席占有者が選択的に膨張可能であり、リクライニングした位置にある間に所望の快適度をもたらすようにする、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項10】
前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ前記航空機の急減速時に膨張して、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、前記座席占有者が前記座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項11】
前記座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る複数のエアバッグを含む、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項12】
前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る複数のエアバッグを含む、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項13】
前記座席内に位置決めされ、かつ前記座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る複数のエアバッグを含む、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項14】
前記座席内に位置決めされた複数のエアバッグを含み、前記エアバッグのうちの少なくとも1つは、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ前記航空機の急減速時に膨張して、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、前記座席占有者が前記座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項15】
前記座席内に位置決めされた複数のエアバッグを含み、前記エアバッグのうちの少なくとも1つは、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ前記航空機の急減速時に膨張して、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、前記座席占有者が前記座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項16】
前記座席内に位置決めされた複数のエアバッグを含み、前記エアバッグのうちの少なくとも1つは、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、前記少なくとも1つのエアバッグは、前記座席占有者が選択的に膨張可能であり、前記リクライニングした位置にあるときに所望の快適度をもたらす、長くて細いエアバッグである、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項17】
直立着座位置とフルフラットの睡眠用位置との間で可動である、ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストを有し、前記座席に関して少なくとも部分的に取り囲む向きに位置決めされかつ前記フルフラットの睡眠用位置にあるときに座席占有者に快適さおよび保護をもたらすように膨張可能である複数のエアバッグを含む、横向きの航空機の乗客用座席であって、前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストは、前記航空機の縦軸と一直線になる向きにされた少なくとも1つの主通路隣接壁を有する固定位置にあるシェル内に位置決めされ、およびさらに、前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストは、前記航空機の前記縦軸に対して斜角度で方向づけられており、前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストは、概して前記航空機の前進移動方向において、前記座席を占有する乗客が前を向くように配置されている、横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項18】
複数の座席が、前記航空機の前記縦軸に対して前記座席が斜角度で方向づけられる配置構成に位置決めされ、および第1の座席の前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストが、隣接する第2の座席に対して角度的にオフセットする状態で、互い違いの配列に位置決めされている、請求項17に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項19】
前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接して位置決めされており、前記座席占有者を前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る、長くて細いエアバッグであり、前記エアバッグは、前記リクライニングした位置にあるときに所望の快適度をもたらすように、前記座席占有者が選択的に膨張可能である、請求項17に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項20】
前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ前記航空機の急減速時に膨張して、前記座席占有者を、前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、前記座席占有者が前記座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである、請求項17に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項21】
前記座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る複数のエアバッグを含む、請求項17に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項22】
前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る複数のエアバッグを含む、請求項17に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項23】
前記座席内に位置決めされ、かつ前記座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされて、前記座席占有者を前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る複数のエアバッグを含む、請求項17に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項24】
前記座席内に位置決めされた複数のエアバッグを含み、前記エアバッグのうちの少なくとも1つは、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ前記航空機の急減速時に膨張して、前記座席占有者を、前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、前記座席占有者が前記座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである、請求項17に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項25】
前記座席内に位置決めされた複数のエアバッグを含み、前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ前記航空機の急減速時に膨張して、前記座席占有者を、前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、前記座席占有者が前記座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである、請求項17に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項26】
前記座席内に位置決めされた複数のエアバッグを含み、前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされた、長くて細いエアバッグであり、前記少なくとも1つのエアバッグは、前記リクライニングした位置にあるときに所望の快適度をもたらすように、前記座席占有者が選択的に膨張可能である、請求項17に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年11月12日出願の米国仮特許出願第61/902,967号明細書の優先権を主張し、その内容全体を本願明細書に明確に援用する。
【0002】
本発明は、航空会社のプレミアムクラスの乗客用座席に関する。そのような1つのタイプの座席は、直立着座位置とフラットな着座位置との間で調節でき、乗客に快適さをもたらし、かつ地上走行、離陸および着陸時の着座位置の基準に適合する座席である。そのような乗客用座席は、一般に、背もたれ部およびシートパンを含み、これらは、動作が連動し、フレームによって支持され、かつシートリクライニング機構によって所望の着座位置に調整可能である。
【背景技術】
【0003】
別のタイプのプレミアムクラスの座席は、フルフラット座席と、収納式アームレストと、ベッド延出部作業空間と、オットマンとを様々に組み合わせて含み、睡眠用の水平方向の空間囲い(space envelope)を作り出し得る。この水平方向の空間囲いは、フルリクライニング機能性を備える完全に前向きのラウンジ着座位置を用いて、ある角度で傾斜した睡眠用位置を提供する。座席配置構成はまた、ビジネスおよびファーストクラスでの旅行用のための構成において、通路側の開放型クローゼット、摺動式プライバシースクリーン、ミニバー、一体成形の収納式テーブル、一体式の荷物収容領域、およびワイドスクリーンの表示モニターを提供し得る。
【0004】
旅客機に現在設置されているような両タイプの座席において、乗客は、地上走行、離陸および着陸に関して、および飛行中に乗務員によってそのように指示されるときはいつでも、完全な直立位置において着席して、シートベルトをしっかりと締めるように要求される。安全アナウンスメントをして、離陸して所定の高度まで上昇した後にのみ、乗客は、一般的に、休息したりまたは眠ったりするために座席をフルフラット位置までリクライニングすることが許される。これは、座席の構造、および乱気流や墜落の場合に乗客を安定させかつ怪我から保護するかもしくは怪我を最小限にする拘束装置の性質によって決められている安全条件のために、必要である。
【0005】
フルフラットのプレミアムシートが利用可能であるいくつかの航空路上では、離陸と着陸との間の総時間、および航空機への搭乗、機内持ち込み手荷物の収納、安全アナウンスメントの提供、離陸および所定の高度までの上昇に必要な時間に起因して、睡眠に割り当てられる時間は制限される。例えば、総飛行時間が6時間の飛行では、搭乗、安全アナウンスメントの提供、巡航高度への上昇およびその後の着陸準備に、2時間程度費やされ得る。完全にリクライニングした位置で眠りたい乗客は、座席をフルフラット位置へ移行させてもいいという許可を与えられるまで待つ必要がある。これは、飛行中のこれらの部分の最中は、背もたれ部は直立のままにするという条件のためであり、同様に、座席の構造および現在の座席設計でもたらされる乗客拘束具のために必要とされる。それゆえ、そうでなければリクライニングした位置で乗客が眠ることができるかなりの時間が、利用できない。
【0006】
患者がストレッチャーにきつく紐で固定されている医療上の緊急事態の飛行を除いて、民間航空機の乗客が、地上走行、離陸および着陸の最中に、リクライニングしたフルフラット位置を取ることは、現在許可されていない。離陸前に乗客がフルフラット位置を取ることができるように設計された座席を使用することにより、乗客は、所望であれば、離陸前でも眠りにつくことができるようになる。特定の持続期間の飛行では、プレミアムシート領域に着席する乗客は、航空機への搭乗直前に食事をしたり、安全上の注意事項を聞いたり、および任意の他の必要なタスクまたは機能に着手することができ、搭乗すると、その乗客に割り当てられた座席に着席し、地上走行および離陸の前でも、座席をフルフラット位置にリクライニングして、眠りにつくことができる。この機能の強化は、飛行中に、より長い期間伏臥位で休息するおよび/または眠ることができるために追加料金を払いたいという一部の航空機の乗客の関心を引くことになるであろう。概して、睡眠中の保護用緩衝材をもたらすように膨張でき、かつ乗客がフルフラット位置にいないときにはしぼんで格納される一連のエアバッグが、座席構造に不可欠な部分として設けられる。
【0007】
地上走行、離陸および着陸の最中に、伏臥位にあることができる能力を提供する別の理由は、プレミアムクラスの座席領域を利用して旅行する乗客の安全性の向上をもたらすことである。適切に拘束されている場合、フルフラットの伏臥位は、自動車に存在するものと同様の一連の展開可能なエアバッグで乗客を取り囲むことによって、怪我に対してより優れた保護を提供できる。換言すると、衝撃によって瞬間的に1つ以上のエアバッグが展開され、これらエアバッグは、航空機からの脱出を可能にするために直ぐにしぼむ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
それゆえ、本発明の目的は、地上走行、離陸および着陸の最中に乗客がフルフラットの伏臥位にあることができる、フルフラットのプレミアムな航空機座席を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、乗客用座席においてフルフラットの伏臥位にある乗客に対して衝突保護(crash protection)を提供する手段を備えたフルフラットのプレミアムな航空機座席を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一実施形態によれば、直立着座位置とフルフラットの睡眠用位置との間で可動である、ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストを有し、および座席に関して少なくとも部分的に取り囲む向きに位置決めされ、かつフルフラットの睡眠用位置にあるときに座席占有者に快適さおよび保護をもたらすように膨張可能である複数のエアバッグを含む、横向きの航空機の乗客用座席が提供される。
【0011】
本発明のさらなる実施形態によれば、エアバッグは、座席占有者がフルフラット位置と直立着座位置との間で動くときに、選択的に膨張可能でありかつしぼむことが可能である。
【0012】
本発明のさらなる実施形態によれば、エアバッグは、センサーと、トリガーとを備え、トリガーは、センサーにトリガーへ信号を伝えさせるのに十分である急減速の場合に、エアバッグを瞬間的に膨張させる、使い捨てのエアバッグである。
【0013】
本発明のさらなる実施形態によれば、ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストは、航空機の縦軸と一直線になる向きに方向づけられた少なくとも1つの主通路隣接壁を有する固定位置にあるシェル内に位置決めされ、およびさらに、ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストは、航空機の縦軸に対して斜角度で方向づけられる。
【0014】
本発明のさらなる実施形態によれば、ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストは、概して航空機の前進移動方向において、座席を占有する乗客が前を向くように、配置される。
【0015】
本発明のさらなる実施形態によれば、複数の座席は、航空機の縦軸に対して座席が斜角度で方向付けられる配置構成に位置決めされ、かつ第1の座席のヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストが、隣接する第2の座席に角度的にオフセットした状態で、互い違いの配列に位置決めされる。
【0016】
本発明のさらなる実施形態によれば、エアバッグのうちの少なくとも1つが、座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされて、座席占有者を航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る、長くて細いエアバッグである。
【0017】
本発明のさらなる実施形態によれば、エアバッグのうちの少なくとも1つが、ヘッドレストおよび背もたれ部に隣接して膨張状態に位置決めされて、座席占有者を航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る、長くて細いエアバッグである。
【0018】
本発明のさらなる実施形態によれば、エアバッグのうちの少なくとも1つが、座部およびレッグレストに隣接して位置決めされて、座席占有者を航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る、長くて細いエアバッグであり、エアバッグは、リクライニングした位置にある間に所望の快適度をもたらすように、座席占有者が選択的に膨張可能である。
【0019】
本発明のさらなる実施形態によれば、エアバッグのうちの少なくとも1つが、座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ航空機の急減速時に膨張して、座席占有者を、航空機の縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後座席占有者が座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである。
【0020】
本発明のさらなる実施形態によれば、複数のエアバッグは、座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされて、座席占有者を航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る。
【0021】
本発明のさらなる実施形態によれば、複数のエアバッグは、ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされて、座席占有者を航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る。
【0022】
本発明のさらなる実施形態によれば、複数のエアバッグは、座席内に位置決めされ、および座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされて、座席占有者を航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る。
【0023】
本発明のさらなる実施形態によれば、複数のエアバッグは、座席内に位置決めされ、エアバッグのうちの少なくとも1つは、座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ航空機の急減速時に膨張して、座席占有者を、航空機の縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、座席占有者が座席を出ることができるようにしぼむように適合された、長くて細いエアバッグである。
【0024】
本発明のさらなる実施形態によれば、複数のエアバッグは、座席内に位置決めされ、エアバッグのうちの少なくとも1つは、座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ航空機の急減速時に膨張して、座席占有者を、航空機の縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、座席占有者が座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである。
【0025】
本発明のさらなる実施形態によれば、複数のエアバッグは、座席内に位置決めされ、エアバッグのうちの少なくとも1つは、座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされた、長くて細いエアバッグであり、エアバッグは、リクライニングした位置にある間に所望の快適度をもたらすために、座席占有者が選択的に膨張可能である。
【0026】
本発明のさらなる実施形態によれば、直立着座位置とフルフラットの睡眠用位置との間で可動である、ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストを有し、座席に関して少なくとも部分的に取り囲む向きに位置決めされかつフルフラットの睡眠用位置にある間に座席占有者に快適さおよび保護をもたらすように膨張可能である複数のエアバッグを含む、横向きの航空機の乗客用座席が提供される。ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストは、航空機の縦軸と一直線になる向きにされかつ航空機の縦軸に対して斜角度で方向付けられた少なくとも1つの主通路隣接壁を有する固定位置にあるシェル内に位置決めされる。ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストは、概して航空機の前進移動方向において、座席を占有する乗客が前を向くように、配置される。
【0027】
本発明のさらなる実施形態によれば、複数の座席は、航空機の縦軸に対して座席が斜角度で方向付けられる配置構成に位置決めされ、かつ第1の座席のヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストが、隣接する第2の座席に対して角度的にオフセットする状態で、互い違いの配列に位置決めされる。
【0028】
本発明のさらなる実施形態によれば、エアバッグのうちの少なくとも1つが、座部およびレッグレストに隣接して位置決めされて、座席占有者を航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る、長くて細いエアバッグであり、およびエアバッグは、リクライニングした位置にある間に所望の快適度をもたらすように、座席占有者が選択的に膨張可能である。
【0029】
本発明のさらなる実施形態によれば、エアバッグのうちの少なくとも1つは、座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ航空機の急減速時に膨張して、座席占有者を、航空機の縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、座席占有者が座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである。
【0030】
本発明は、添付図面を参照して本発明の以下の詳細な説明を読むときに、最もよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】本発明の一実施形態による、一対の通路アクセスフルフラット座席の上面図である。
図2】エアバッグを安定化させる位置を示す、図1に示す座席の水平断面図である。
図3図2に示す、1対の通路アクセスフルフラット座席の斜視的な上面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
ここで具体的に図面を参照すると、一対のフルフラットの通路にアクセスできる航空機座席10が示されている。座席10はそれぞれ、固定位置にあるシェル12を含み、その内部に、ヘッドレスト14、背もたれ部16、座部18およびレッグレスト20が位置決めされている。座席10のシェル12は、通路隣接セグメント22を含み、この通路隣接セグメントは、航空機の縦軸に沿って延在し、かつそれを規定している。それゆえ、ヘッドレスト14、背もたれ部16、座部18およびレッグレスト20は、航空機の縦軸に対して斜角度で横に向いている。角度が付いた配置によって、墜落または他の急減速の場合に「サブマリン(submarining)」の可能性および/または程度を実質的に低下させる。
【0033】
通路隣接セグメント22間の領域は窪み24を画成し、この窪みによって、通路隣接セグメント22と座部18とレッグレスト20との間の領域を占有するように乗客が脚および足を前方に延ばすことができる。窪み24は、上面が、乗客に利便性を提供するもの、例えば収納式テーブルなどによって覆われており、かつ乗客の前進運動を拘束する働きをする。従来の座席のように、シートベルト26によって、乗客をさらに拘束する。
【0034】
ここで図2および図3を参照すると、占有された座席の10の窪み24が示されており、3つのエアバッグ30、32および34が示されている。エアバッグ30は、長くて細いカーテン式のエアバッグであり、膨張すると、占有者とシェル12の右側との間の空間を占有する。エアバッグ32は、長くて細い構造体であり、座席占有者の下肢の脇および上方まで膨張して、窪み24内の空間を占有し、かつ航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から乗客を守るように位置決めされている。エアバッグ34は、小型のボルスター(bolster)タイプの構造体であり、座席占有者の足および脚と、窪み24の前方端との間に緩衝用障壁を提供する。
【0035】
上述の構造体の2つの異なる実施形態が可能である。第1に、地上走行、離陸および着陸の最中に完全にリクライニングしたフルフラット位置で座席占有者が休息できるかまたは眠ることができる実施形態では、エアバッグ30、32、34は、快適さ、緩衝および保護をもたらすために膨張され得る。このタイプの膨張は、エアバッグ30、32、34を空気供給ポンプに接続することによって達成されるため、座席占有者がフルフラット位置と直立着座位置との間で動くときに選択的におよび繰り返し膨張されかつしぼまされることができる。エアバッグは、典型的にはアームレストにあるかまたはその付近にある、座席のコントロールパネル上にある制御ボタンによって、座席占有者によって制御され得る。
【0036】
代替的な実施形態では、エアバッグ30、32、34は、墜落や他の急減速の場合の衝撃保護のためだけに設けられた「使い捨て」の装置である。車両のエアバッグと同様の方法で、規定のGの力を超える減速によって、エアバッグ30、32、34を瞬間的に膨張させ、その後しぼませて、座席占有者が脱出できるようにする。エアバッグ機構は、センサーと、トリガーとを含み、トリガーは、センサーにトリガーへ信号を伝えさせるのに十分である急減速の場合に、エアバッグ30、32、34を瞬間的に膨張させる。エアバッグ32および34は、脱出を妨げないように、通路から離れた座席10の側面にあることに留意されたい。
【0037】
本発明による、乗客が地上走行、離陸および着陸の最中にフルフラットの伏臥位にあることができるようにするフルフラットのプレミアムな航空機座席について、特定の実施形態および例を参照して説明した。本発明の様々な詳細は、本発明の範囲を逸脱せずに、変更され得る。さらに、本発明の好ましい実施形態の上記の説明および本発明を実施する最良の態様は、限定のためではなく、説明のためにもたらされているにすぎず、本発明は、特許請求の範囲によって定義される。
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2016年6月28日
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
横向きの航空機の乗客用座席であって、直立着座位置とフルフラットの睡眠用位置との間で可動である、ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストを有し、および前記座席に関して少なくとも部分的に取り囲む向きに位置決めされかつ前記フルフラットの睡眠用位置にある間に座席占有者に快適さおよび保護をもたらすように膨張可能である複数のエアバッグを含む、横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項2】
前記エアバッグが、前記座席占有者が前記フルフラット位置と前記直立着座位置との間で動くときに選択的に膨張可能でありかつしぼむことが可能である、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項3】
前記エアバッグが、センサーと、トリガーとを含み、このトリガーは、前記センサーに前記トリガーへ信号を伝えさせるのに十分である急減速の場合に、前記エアバッグを瞬間的に膨張させる、使い捨てのエアバッグである、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項4】
前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストが、前記航空機の縦軸と一直線になる向きに方向付けられた少なくとも1つの主通路隣接壁を有する固定位置にあるシェル内に位置決めされ、およびさらに、前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストが、前記航空機の前記縦軸に対して斜角度で方向づけられている、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項5】
前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストが、概して前記航空機の前進移動方向において前記座席を占有する乗客が前を向くように配置されている、請求項4に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項6】
複数の座席が、前記航空機の縦軸に対して斜角度で方向づけられる配置構成に位置決めされ、かつ第1の座席の前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストが、隣接する第2の座席と角度的にオフセットする状態で、互い違いの配列に位置決めされる、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項7】
前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る、長くて細いエアバッグである、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項8】
前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記ヘッドレストおよび背もたれ部に隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る、長くて細いエアバッグである、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項9】
前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接して位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る、長くて細いエアバッグであり、前記少なくとも1つのエアバッグは、前記座席占有者が選択的に膨張可能であり、リクライニングした位置にある間に所望の快適度をもたらすようにする、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項10】
前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ前記航空機の急減速時に膨張して、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、前記座席占有者が前記座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項11】
前記座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る複数のエアバッグを含む、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項12】
前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る複数のエアバッグを含む、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項13】
前記座席内に位置決めされ、かつ前記座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る複数のエアバッグを含む、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項14】
前記座席内に位置決めされた複数のエアバッグを含み、前記エアバッグのうちの少なくとも1つは、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ前記航空機の急減速時に膨張して、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、前記座席占有者が前記座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項15】
前記座席内に位置決めされた複数のエアバッグを含み、前記エアバッグのうちの少なくとも1つは、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、前記少なくとも1つのエアバッグは、前記座席占有者が選択的に膨張可能であり、前記リクライニングした位置にあるときに所望の快適度をもたらす、長くて細いエアバッグである、請求項1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項16】
直立着座位置とフルフラットの睡眠用位置との間で可動である、ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストを有し、前記座席に関して少なくとも部分的に取り囲む向きに位置決めされかつ前記フルフラットの睡眠用位置にあるときに座席占有者に快適さおよび保護をもたらすように膨張可能である複数のエアバッグを含む、横向きの航空機の乗客用座席であって、前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストは、前記航空機の縦軸と一直線になる向きにされた少なくとも1つの主通路隣接壁を有する固定位置にあるシェル内に位置決めされ、およびさらに、前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストは、前記航空機の前記縦軸に対して斜角度で方向づけられており、前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストは、概して前記航空機の前進移動方向において、前記座席を占有する乗客が前を向くように配置されている、横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項17】
複数の座席が、前記航空機の前記縦軸に対して前記座席が斜角度で方向づけられる配置構成に位置決めされ、および第1の座席の前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストが、隣接する第2の座席に対して角度的にオフセットする状態で、互い違いの配列に位置決めされている、請求項16に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項18】
前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接して位置決めされており、前記座席占有者を前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る、長くて細いエアバッグであり、前記エアバッグは、前記リクライニングした位置にあるときに所望の快適度をもたらすように、前記座席占有者が選択的に膨張可能である、請求項16に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項19】
前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ前記航空機の急減速時に膨張して、前記座席占有者を、前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、前記座席占有者が前記座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである、請求項16に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項20】
前記座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る複数のエアバッグを含む、請求項16に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項21】
前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る複数のエアバッグを含む、請求項16に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項22】
前記座席内に位置決めされ、かつ前記座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされて、前記座席占有者を前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る複数のエアバッグを含む、請求項16に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項23】
前記座席内に位置決めされた複数のエアバッグを含み、前記エアバッグのうちの少なくとも1つは、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ前記航空機の急減速時に膨張して、前記座席占有者を、前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、前記座席占有者が前記座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである、請求項16に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【請求項24】
前記座席内に位置決めされた複数のエアバッグを含み、前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされた、長くて細いエアバッグであり、前記少なくとも1つのエアバッグは、前記リクライニングした位置にあるときに所望の快適度をもたらすように、前記座席占有者が選択的に膨張可能である、請求項16に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0037】
本発明による、乗客が地上走行、離陸および着陸の最中にフルフラットの伏臥位にあることができるようにするフルフラットのプレミアムな航空機座席について、特定の実施形態および例を参照して説明した。本発明の様々な詳細は、本発明の範囲を逸脱せずに、変更され得る。さらに、本発明の好ましい実施形態の上記の説明および本発明を実施する最良の態様は、限定のためではなく、説明のためにもたらされているにすぎず、本発明は、特許請求の範囲によって定義される。
以下の項目は、国際出願時の特許請求の範囲に記載の要素である。
(項目1)
横向きの航空機の乗客用座席であって、直立着座位置とフルフラットの睡眠用位置との間で可動である、ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストを有し、および前記座席に関して少なくとも部分的に取り囲む向きに位置決めされかつ前記フルフラットの睡眠用位置にある間に座席占有者に快適さおよび保護をもたらすように膨張可能である複数のエアバッグを含む、横向きの航空機の乗客用座席。
(項目2)
前記エアバッグが、前記座席占有者が前記フルフラット位置と前記直立着座位置との間で動くときに選択的に膨張可能でありかつしぼむことが可能である、項目1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目3)
前記エアバッグが、センサーと、トリガーとを含み、このトリガーは、前記センサーに前記トリガーへ信号を伝えさせるのに十分である急減速の場合に、前記エアバッグを瞬間的に膨張させる、使い捨てのエアバッグである、項目1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目4)
前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストが、前記航空機の縦軸と一直線になる向きに方向付けられた少なくとも1つの主通路隣接壁を有する固定位置にあるシェル内に位置決めされ、およびさらに、前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストが、前記航空機の前記縦軸に対して斜角度で方向づけられている、項目1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目5)
前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストが、概して前記航空機の前進移動方向において前記座席を占有する乗客が前を向くように配置されている、項目4に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目6)
複数の座席が、前記航空機の縦軸に対して斜角度で方向づけられる配置構成に位置決めされ、かつ第1の座席の前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストが、隣接する第2の座席と角度的にオフセットする状態で、互い違いの配列に位置決めされる、項目1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目7)
前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る、長くて細いエアバッグである、項目1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目8)
前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記ヘッドレストおよび背もたれ部に隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る、長くて細いエアバッグである、項目1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目9)
前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接して位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る、長くて細いエアバッグであり、前記少なくとも1つのエアバッグは、前記座席占有者が選択的に膨張可能であり、リクライニングした位置にある間に所望の快適度をもたらすようにする、項目1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目10)
前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ前記航空機の急減速時に膨張して、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、前記座席占有者が前記座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである、項目1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目11)
前記座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る複数のエアバッグを含む、項目1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目12)
前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る複数のエアバッグを含む、項目1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目13)
前記座席内に位置決めされ、かつ前記座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る複数のエアバッグを含む、項目1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目14)
前記座席内に位置決めされた複数のエアバッグを含み、前記エアバッグのうちの少なくとも1つは、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ前記航空機の急減速時に膨張して、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、前記座席占有者が前記座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである、項目1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目15)
前記座席内に位置決めされた複数のエアバッグを含み、前記エアバッグのうちの少なくとも1つは、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ前記航空機の急減速時に膨張して、前記座席占有者を前記航空機の縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、前記座席占有者が前記座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである、項目1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目16)
前記座席内に位置決めされた複数のエアバッグを含み、前記エアバッグのうちの少なくとも1つは、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、前記少なくとも1つのエアバッグは、前記座席占有者が選択的に膨張可能であり、前記リクライニングした位置にあるときに所望の快適度をもたらす、長くて細いエアバッグである、項目1に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目17)
直立着座位置とフルフラットの睡眠用位置との間で可動である、ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストを有し、前記座席に関して少なくとも部分的に取り囲む向きに位置決めされかつ前記フルフラットの睡眠用位置にあるときに座席占有者に快適さおよび保護をもたらすように膨張可能である複数のエアバッグを含む、横向きの航空機の乗客用座席であって、前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストは、前記航空機の縦軸と一直線になる向きにされた少なくとも1つの主通路隣接壁を有する固定位置にあるシェル内に位置決めされ、およびさらに、前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストは、前記航空機の前記縦軸に対して斜角度で方向づけられており、前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストは、概して前記航空機の前進移動方向において、前記座席を占有する乗客が前を向くように配置されている、横向きの航空機の乗客用座席。
(項目18)
複数の座席が、前記航空機の前記縦軸に対して前記座席が斜角度で方向づけられる配置構成に位置決めされ、および第1の座席の前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストが、隣接する第2の座席に対して角度的にオフセットする状態で、互い違いの配列に位置決めされている、項目17に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目19)
前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接して位置決めされており、前記座席占有者を前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る、長くて細いエアバッグであり、前記エアバッグは、前記リクライニングした位置にあるときに所望の快適度をもたらすように、前記座席占有者が選択的に膨張可能である、項目17に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目20)
前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ前記航空機の急減速時に膨張して、前記座席占有者を、前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、前記座席占有者が前記座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである、項目17に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目21)
前記座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る複数のエアバッグを含む、項目17に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目22)
前記ヘッドレスト、背もたれ部、座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされ、前記座席占有者を前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る複数のエアバッグを含む、項目17に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目23)
前記座席内に位置決めされ、かつ前記座部およびレッグレストに隣接して膨張状態に位置決めされて、前記座席占有者を前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動の衝撃から守る複数のエアバッグを含む、項目17に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目24)
前記座席内に位置決めされた複数のエアバッグを含み、前記エアバッグのうちの少なくとも1つは、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ前記航空機の急減速時に膨張して、前記座席占有者を、前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、前記座席占有者が前記座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである、項目17に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目25)
前記座席内に位置決めされた複数のエアバッグを含み、前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされ、かつ前記航空機の急減速時に膨張して、前記座席占有者を、前記航空機の前記縦軸に沿った前進運動に起因する怪我から守り、その後、前記座席占有者が前記座席を出ることができるようにしぼむことができるように適合された、長くて細いエアバッグである、項目17に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
(項目26)
前記座席内に位置決めされた複数のエアバッグを含み、前記エアバッグのうちの少なくとも1つが、前記座部およびレッグレストに隣接してしぼんだ状態に位置決めされた、長くて細いエアバッグであり、前記少なくとも1つのエアバッグは、前記リクライニングした位置にあるときに所望の快適度をもたらすように、前記座席占有者が選択的に膨張可能である、項目17に記載の横向きの航空機の乗客用座席。
【国際調査報告】