(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-538194(P2016-538194A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】浮体式風力発電装置
(51)【国際特許分類】
B63B 35/00 20060101AFI20161111BHJP
B63B 35/44 20060101ALI20161111BHJP
B63B 15/02 20060101ALI20161111BHJP
B63B 21/20 20060101ALI20161111BHJP
F03D 13/25 20160101ALI20161111BHJP
B63B 21/50 20060101ALI20161111BHJP
【FI】
B63B35/00 T
B63B35/44 K
B63B15/02 Z
B63B21/20 Z
F03D13/25
B63B21/50 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-547225(P2016-547225)
(86)(22)【出願日】2014年9月24日
(85)【翻訳文提出日】2016年6月8日
(86)【国際出願番号】EP2014070398
(87)【国際公開番号】WO2015051998
(87)【国際公開日】20150416
(31)【優先権主張番号】102013111115.7
(32)【優先日】2013年10月8日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516106243
【氏名又は名称】リンホフ オフショア アクティーエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100081776
【弁理士】
【氏名又は名称】大川 宏
(72)【発明者】
【氏名】イェンス クルーゼ
【テーマコード(参考)】
3H178
【Fターム(参考)】
3H178AA03
3H178AA26
3H178AA43
3H178BB77
3H178DD47X
3H178DD61X
3H178DD67X
(57)【要約】
【課題】簡単で、軽く、機械的に安定し、操作性の信頼が高い、洋上浮体式の風力発電装置を提供する。
【解決手段】負荷の内無い送電線と係留ケーブルとを一体的に形成したケーブル110の手段によって、6つの自由度で可動する洋上浮体式の風力発電装置100であって、ケーブル110と風力発電装置100とを繋ぐ1つの連結点118に配設された継手112を有し、継手112は、滑り継手と、スイベル継手とを含み、さらに、バラストユニット102と浮力ユニット103とを含み半潜水型として構成された支持ユニット101と、支持ユニット101に固定的に連結された支持マスト104と、支持マスト104に固定的に配設され、ロータ106及び発電機を含む機械式ナセル105と、を有し、連結点118とロータ106の回転面との間に形成される水平距離が可及的に大きくなるように構成されることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷無く電気を伝達する送電線と、位置固定される1つのアンカーポイント(111)で係留されることにより起こり得る機械的な力を吸収できる係留ケーブルと、を一体的に形成したケーブル(110)の手段によって、6つの自由度で動くことができるように前記アンカーポイント(111)に連結された、洋上浮体式の風力発電装置(100)であって、
前記ケーブル(110)と前記風力発電装置(100)とを繋ぐ1つの連結点(118)に配設された継手(112)を有し、
前記継手(112)は、電気的接続のための滑り継手と、力の機械的な伝達のためのスイベル継手とを含み、
さらに、バラストユニット(102)と浮力ユニット(103)とを含み半潜水型として構成された浮体ユニットである支持ユニット(101)と、前記支持ユニット(101)に固定的に連結された支持マスト(104)と、前記支持マスト(104)に固定的に配設され、少なくとも1つのロータ(106)及び少なくとも1つの発電機を含む機械式ナセル(105)と、を有し、
前記連結点(118)と、前記ロータ(106)の鉛直な回転面との間に形成される水平距離が、可及的に大きくなるように構成される風力発電装置(100)。
【請求項2】
滑り継手、及び/又はスイベル継手の前記継手(112)は、カルダン式的に吊るされている請求項1に記載の風力発電装置(100)。
【請求項3】
前記支持ユニット(101)は、前記バラストユニット(102)及び前記浮力ユニット(103)をそれぞれ3つ有し、
前記浮力ユニット(103)は、少なくとも1つの前記ロータ(106)の回転軸(117)に対して左右対称である平面視三角形の角に配設されており、
2つの前記浮力ユニット(103)間のそれぞれに、1つの前記バラストユニット(102)が延びるように配設されている請求項1又は2に記載の風力発電装置(100)。
【請求項4】
前記浮力ユニット(103)は、追加されたバラスト部を持つ二重底を有する請求項3に記載の風力発電装置(100)。
【請求項5】
前記支持マスト(104)は、少なくとも1つの前記ロータ(106)の前記回転軸(117)に対して左右対称である平面視三角形に関して前記回転軸(117)上に位置する中心の前記浮力ユニット(103)上に配設されている請求項3又は4に記載の風力発電装置(100)。
【請求項6】
前記支持マスト(104)と前記浮力ユニット(103)との間の連結を形成する少なくとも1つの支柱(107)は、少なくとも1つの前記ロータ(106)の前記回転軸(117)に対して左右対称である平面視三角形において、前記回転軸(117)の側方側のそれぞれに配設されている請求項3〜5の何れか一項に記載の風力発電装置(100)。
【請求項7】
前記風力発電装置(100)の稼働状態において、
前記バラストユニット(102)は、水線(113)の下に配置され、少なくとも2つの浮力ユニット(103)に連結し、かつ、前記バラストユニット(102)の上側(114)及び下側(115)が水平面である請求項1〜6の何れか一項に記載の風力発電装置(100)。
【請求項8】
前記浮力ユニット(103)は、小さな水線断面部を有する請求項1〜7の何れか一項に記載の風力発電装置(100)。
【請求項9】
前記浮力ユニット(103)及び/又は前記バラストユニット(102)は、少なくとも1つの前記ロータ(106)の前記回転軸(117)に対して平行な方向において流線形状である請求項1〜8の何れか一項に記載の風力発電装置(100)。
【請求項10】
前記支持ユニット(101)の平面視における幾何学的な中心点は、質量中心及び浮力中心と略一致する請求項1〜9の何れか一項に記載の風力発電装置(100)。
【請求項11】
前記送電線と前記係留ケーブルとが一体的に形成された前記ケーブル(110)は、前記アンカーポイント(111)においてアンカー装置(116)と連結可能である請求項1〜10の何れか一項に記載の風力発電装置(100)。
【請求項12】
前記支持マスト(104)の断面における外形状は、翼状、及び/又は、小滴型を有する請求項1〜11の何れか一項に記載の風力発電装置(100)。
【請求項13】
少なくとも1つの前記ロータ(106)と少なくとも1つ前記発電機との間には、ギアレスエネルギー伝達コネクションを有する請求項1〜12の何れか一項に記載の風力発電装置(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、浮体式洋上風力発電装置、すなわち、水域内、及び/又は水域外の沖で使用するための風力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
文献DE202010003654U1は、回転翼を水平な回転軸の周りで回転させて電力を生成する浮体式風力発電装置を開示している。回転翼によって動かされる発電装置は、たくさんの船体に装備されたいかだの上に、ヒンジ付きブラケットによってヒンジ結合で配設されている。発電装置の発電機とヒンジ付きブラケットは、水平な旋回軸で操作され、機械的に稼働するピボットジョイントを介していかだに連結されている。この風力発電装置の場合には、連結ケーブルとアンカーチェーンが、係留索を経て浮体の両方の先にくくりつけられている。すなわち、係留索は、たくさんの連結ケーブル及びアンカーチェーンに分割されている。
【0003】
風やうねりに自動で風力発電装置の向きを合わせる、可撓性を有するケーブルコネクションがある。ここでは、浮体を開放可能に連結する留め具が開示されている。連結ケーブルとアンカーチェーンは海底のコンクリートボックスに固定されている。可撓性を有するケーブルコネクションは、風やうねりに自動で風力発電装置の向きを合わせることを許す。風力発電装置のメンテナンスや修理のため、風力発電装置はクレーンによって港のドックや陸に建てられたメンテナンス及び修理場に引っ張られ、風力発電装置は陸に配置されて浮体はそこで水に浸される。
【0004】
文献DE102009040648A1は、浮体と、浮体の上に配置され、発電機を稼働させる少なくとも一つのロータを回転可能に備えるマストを持つ建造物と、を有する浮体式洋上風力発電装置を開示する。この文献は、さらに、海底に配置され基礎として適用されるコンクリートアンカーブロックに、たくさんのリンクや旋回輪を介して繋ぐ浮体式洋上風力発電装置の機械式の連結を開示する。
【0005】
リンクは、浮体式洋上風力発電装置自体の向きが風向きの変化に合わせられるように、その基礎の周りを浮体が非妨害的に旋回運動したり回転運動したりできるため、旋回輪によってその基礎にくくりつけられていることが望ましい。浮体の回転運動は、ここでは、付加的な運転無く実行されることが望ましい。基礎に設けられた旋回点は、浮体外に設けられているため、その装置は、風のなかで自動的に回転する。その基礎は、浮揚性を有するデザインであることが望ましく、これにより、風力発電装置全体は浮動させることができる。海底ケーブルにおける電気的な連結は、送電線と旋回輪とを介して貫通接続(power feedthrough)で行われる。
【0006】
文献DE102009040648A1によると、マストの輪郭は、起こり得る曲げの力に対して安定性の向上をもたらす小滴型の断面形状を有する。ローターブレードに作用する風力は、完全にはローターの回転動作に変換させることができない。そのため、マストの構造によって吸収されなければならないと考えられる曲げ負荷が発生する。マストの長手方向に対して垂直な断面である輪郭の断面が小滴型の形状であることにより、マストに対する負荷を最適化できると共に、そのマストに作用する応力を減らすことが可能となる。
【0007】
小滴型の輪郭断面形状は、マストに作用する風の圧力を減少させ、また、マストの輪郭断面形状を小滴型とすることにより、マストをよりスリムに且つ軽量にさせることができ、さらにより大きなロータや発電機を使用することを可能とする。さらに、マストの輪郭断面形状を小滴型とすることは、風向きが変化したときに、より簡単にそして迅速に浮体を回転させることができる結果となる。したがって、特に付加的に方向を調整する装置を用いることなく、ロータは、常に風向きに対する最適な方向を向くことができる。
【0008】
文献DE102009040648A1によると、浮体は、さらに、楕円形又は小滴型形状のケージングに囲まれ、中央空間が形成された中央チューブを有する。マストの場合と同様に、そのケージングは流れに有利で、翼の構造を連想させる輪郭を有する。楕円形状のケージングやおおよそ小滴型形状のケージングは、静力学的に中央チューブを囲む。中央空間は、泡材料、特に、ケージングに十分な気圧安定性を与えることができる、閉気孔の、又は、寸法上安定した泡によって満たされている。中央チューブは、可浸性を有するように構成されていることが望ましく、これにより、風力発電装置の浮かぶ位置が様々な条件に適応可能となる。
【0009】
中央チューブや浮体の寸法は、ここでは、風力発電装置全体が所望の使用位置まで浮かばせることによって、引くことができるように選択されている。使用位置では、風力発電装置の安定性を向上させるために、風力発電装置は、錨で留められ、任意的に低くされている。望ましい風力発電装置の深さは、ここでは、水の表面から5〜10mである。さらに、波の動きや表面流の影響により、その深さは減らされる。例えば、風力発電装置をメンテナンスの目的で港に引っ張るためには、風力発電装置の位置を上げるため、中央チューブは空にされる。
【0010】
発電機は、マストの上のロータと一緒に配設されている。ロータと発電機は、マストの上端部に配設されている。原理的には、発電機は直接ロータに配設されなくてもよく、むしろマストの内部に設置したり浮体上の異なった場所に設置することができる。ギアー要素や変換要素を介して、それぞれの発電機に運動エネルギーをもたらすことが必要である。
【0011】
発電機は、マスト上のナセルと呼ばれるものに配設され、マストに固くしっかりと固定され得る。したがって、ロータと発電機を回転ベアリングを介してマストに回転的に固定するといった複雑な構成を要しない。このことは、風力発電装置の生産や維持にかかる費用を削減することに効果的である。
【0012】
文献DE102010040887A1は、浮体を有し、水の中で少なくとも1つのタワーを支持するための浮体装置と、水表面上で浮体装置を安定させるための平坦機構と、を開示する。少なくとも1つのタワーは、平坦機構によって支持されている。浮体装置は、平坦機構の下に配設された少なくとも1つのバラストウェイトを有する。バラストウエイトは、浮体装置全体の重心が平坦機構の静水圧浮力点の下に位置するように、平坦機構の下に配置されている。したがって、少なくとも1つのタワーは水の表面に実質的に直立している。平坦機構は、浮体の代わりとなり、バラストウェイトと相互に作用する。バラストウェイトは、バラストトラフとして構成されている。
【0013】
文献DE102010040887A1は、互いに異なった回転を実現させる実施形態を記載している。これらは、構成要素の軸回転が全くない実施形態と、タワーの長手方向を軸として、タワーと、タワーの延長と、バラストウェイトと、平坦機構が、軸回転可能に構成されている実施形態である。このことは、異なる動きの可能性を起こさせる。さらに、収束点(converging point)を持つ浮体の異なった形状、例えば台形形状、楕円形状、円形状、半円形状が記載されている。上記形状のうち、収束点を持つ台形形状、半円形状は、風、及び/又は、流れ、すなわち水流の中で、平坦機構の自動的な配向性を許可する。
【0014】
文献DE102010040887A1はさらに、風力発電装置の平坦機構、タワー、及び/又はロータの適切な形状により、ロータは風の方向へ常に自動的に回転することができるという効果が達成されることについて記載している。タワーは、例えば円柱体に包まれるような、異なる形状を有することができ、また、小滴型形状のような形状を有することができる。これにより、タワー(ロータを有する)は風の中で、自動的に自身の位置向けを行うことができる。風の負荷を最小限にすることに加えて、風の中でタワーの自己配向性を有するために、そのようなタワーの特別な形状は、回転可能な種々のタワーの全てにおいて使用できる。
【0015】
文献DE102010040887A1はまた、平坦機構は、プレテンションアンカーによって潜水できるように、全体的にあるいは部分的に水面下に引っ張られ、水面下で固定されることが記載されている。そして、バラストウェイトは、付加的に全ユニットの安定性をもたらす。平坦機構は、例えば望ましくは水面下に2/3まで位置するように、低い重心を有する。これにより、平坦機構は、より安定的になり、平坦機構の揺れや、平坦機構の傾き/転覆の危険を減らすことができる。
【0016】
文献DE112011100404T5は、浮体式風力タービンを開示している。この浮体式風力タービンは、ナセルに取り付けられたロータと、ロータに連結された上側ピラーと、上側ピラーと下側ピラーとの間に配設されたスタビライザータンクと、全ての方向において回転可能とするカルダン式ジョイントを介して下側支柱に回転可能に連結されたアンカーと、を含み、スタビライザータンクの浮力中心点は、上側ピラー及び下側ピラーを通る長手方向の中心軸に対して偏心的に配置されている。
【0017】
ロータを有するナセルは、固定的に上側ピラーに連結されている。ピラーの低いアンカーポイントの近くで旋回輪は、スリップリングと共に電気的接続の役割を果たす。スリップリングは、水線上で、ピラーの横断面に直接配設されている。旋回輪は、ピラーとロータが、機械的な力が加えられることなく、風によって回転することができるようにさせ、さらにその際、ロータが支柱の風下に配置できるようにさせる。結果として、自動的な自己配向性が生み出される。ここで開示されている旋回輪(slewing ring14)は、例えばLiebherr会社のクレーン(水/塩に抵抗でき、過酷な条件の下長期間使用することができる)に使用されている旋回輪と同じ仕様である。その旋回輪とスリップリングは、ナセルに配置された発電機から風力タービンの下側を通る送電線のねじれを、都合よく、抑制する構成を有する。
【0018】
文献DE112011100404T5によると、ロータの回転領域に起こり得る風の渦を避けるため、また、ピラーの後側の空気の流れを、最大限層状とすることを保証するために、下側ピラーは小滴型あるいは翼型形状の断面を有する。風力タービンは、バラストシステムを有する。バラストシステムでは、上側ピラーと下側ピラーとは、それぞれのラインを介して共通連結点に向かって走る別々のチャンバーに分配(分割)されており、供給ケーブルは、この共通連結点にて、予備の船と風力タービンとの間を連結している。スタビライザータンクは、同様に、分割したラインを介して共通連結点に連結される分割したチャンバーを構成している。バラストシステムは、バラストタンクとキャビティを備える浮体を形成する。
【0019】
文献DE112011100404T5は、ギアレス構造の水平シャフト型の好ましい風力タービンを記載している。このうちナセルにおいて、例えばピラーに鉛直に配置された発電機をもつ構成のみは、例えば傾斜ギアのようなギアを有しており、このギアレス構造とは異なる。ギアレスデザインは、一般的な構成である。
【0020】
文献EP1269018B1や、その翻訳である文献DE60131072T2は、浮体式洋上風力発電装置を開示している。この浮体式洋上風力発電装置は、タンクを備える少なくとも2つのポンツーンからなる浮体基礎の上に装着された、少なくとも1つの風車を含む。少なくとも1つの風車は、タワーの上端に設置された機械室や機械仕切り室を有し、そして、浮体基礎は、海底や湖底にコネクションの手段によって固定されている。
【0021】
浮体基礎は、少なくとも2つのタンクと、タンク間あるいはタンクと外の環境との間で液体を交換するための少なくとも1つのユニットを含む。設置場所において、風車は、アンカーケーブルやアンカーチェーンによって浮体基礎に連結された錨の助けを用いて、海底に固定されている。加えて、アンカーチェーンは、海底ケーブルに効果的に提供される。海底ケーブルは、風車によって生み出された電気エネルギーを海底から沿岸に向けて伝達する。
【0022】
文献EP1269018B1や、その翻訳である文献DE60131072T2で開示された好ましい実施形態では、機械室は、タワーにしっかりと固定されており、風車はヨー機構(ヨー運動機構)を有さない。回転中心点は海底に固定された点であるため、風車は、浮体基礎の偏揺れのみによって偏揺れするため、自己配向性を有する。さらに、風はめったに風力発電装置を360度以上回転させることはなく、したがって、海底ケーブルやアンカーケーブルやアンカーチェーンのねじれが起きる問題もないことを、この文献は実験によって証明している。さらに、タワーは、風の方向に対して横方向よりも風方向において、より細く(スレンダー)に形成されている。風の影(wind shadow)を限定するために、タワーは、その輪郭を限定して風の方向を空気力学的に合わせるように、その輪郭を翼型等の形状に形成している。
【0023】
文献DE2457368A1は、スイベル継手(a swivel coupling)を有する空気ホースを開示している。圧縮空気工具は、スイベル継手を介して空気ホースに連結されている。スイベル継手は、ここでは、内側と外側の連結ボディを含む。空気ホースは、内側の連結ボディにクランプされ、確実に固定されている。外側の連結ボディは、圧縮空気工具の中でねじ止めされている。内側の連結ボディは管状であり、その延びた前側は、中空状の外側の連結ボディの中に差し込むことができる。外側と内側の連結ボディは、互いが分離することがないように互いに巻き付けられて形成されている。結果として、その空気ホースは、伝達され得るトルクや応力なしに、圧縮空気工具に巻き付けられることができる。空気ホースが曲がったり、もつれたり、その他のダメージはスイベル継手で回避することができる。
【0024】
文献DE2532665A1は、巻き上げ装置を持つ、スキー検索ケーブル/ストラップ/ベルトシステムが開示されている。巻き上げ装置は伸長ケーブルを有し、伸長ケーブルの端部は、2パートのスイベル継手によって検索ケーブルの輪に連結する。スイベル継手は、その長手方向の軸に沿って互いに反対の方向で2つの連結ケーブルを纏めることを可能とする。
【0025】
文献WO02/073032A1は、1つの点で固定されるアンカーシステムと、浮体と、風力発電ユニットとを有する浮体式洋上風力発電装置を開示する。少なくとも1つの三角形状に形成されたパーツで構成されている浮体は洋上に浮かび、風に対して一定の方向でこの浮体を常に維持するために、浮体は、1つの点で固定されるアンカーシステムを介して、この三角形の一点で海底に固定される。
【0026】
タワーアンカーユニットは、1つの点で固定されるアンカーシステムとして提供される。このタワーアンカーユニットは、ベアリングによってヨークに連結された回転ディスクの形のタワーを有し、ベアリングは、浮体がタワーのアンカーポイントの周りを回転可能になるように構成されている。ヨークは、たくさんのアンカーチェーンやアンカーによって海底に固定されている。海底ケーブルは、タワーを介して浮体に連結している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0027】
本発明は、上記の型の洋上浮体式の風力発電装置をさらに改良し、特に、簡単で、軽く、機械的に安定し、操作性の信頼が高い、洋上浮体式の風力発電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
上記課題を解決するために本発明の洋上浮体式の風力発電装置は、以下の特徴を有する。すなわち、負荷無く電気を伝達する送電線と、位置固定される1つのアンカーポイントで係留されることにより起こり得る機械的な力を吸収できる係留ケーブルと、を一体的に形成したケーブルの手段によって、6つの自由度で動くことができるようにアンカーポイントに連結された、洋上浮体式の風力発電装置であって、ケーブルと風力発電装置とを繋ぐ1つの連結点に配設された継手を有し、継手は、電気的接続のための滑り継手と、力の機械的な伝達のためのスイベル継手とを含み、さらに、バラストユニットと浮力ユニットとを含み半潜水型として構成された浮体ユニットである支持ユニットと、支持ユニットに固定的に連結された支持マストと、支持マストに固定的に配設され、少なくとも1つのロータ及び少なくとも1つの発電機を含む機械式ナセルと、を有し、連結点と、ロータの鉛直な回転面との間に形成される水平距離とが、可及的に大きくなるように構成されることを特徴とする。
【0029】
原理的に、洋上浮体式の風力発電装置は、水域の底、特に湖や海の底に固定された基礎の上に配置され、環境に影響を与え得る技術的に複雑で高価な基礎構造が用いられる風力発電装置よりも有利である。同時に、洋上浮体式の風力発電装置全体は、機動性良く維持できる。すなわち、メンテナンスや修理の目的のために、風力発電装置を、簡単に稼働場所から浅瀬付近の場所、特に港のような場所へ移動させ、搬入させることができる。また、搬入や修理後は、港から稼働場所へ容易に移動させることができる。この構造は、コストの削減に著しく貢献ができ、同時に、より迅速で高い操作性と、環境への干渉を減らすことに有利である。
【0030】
風力発電装置を稼働場所に固定させるため、また獲得された電気的エネルギーを伝達するために、風力発電装置は、稼働場所の水域の底に設けられる1つのアンカーポイントで、ケーブルを介して連結されている。送電線と係留ケーブルとが一体化されたケーブルと風力発電装置との間の継手は、1つの連結点に配設されており、継手は、電力エネルギーを伝達するための滑り継手と、機械的な力を伝達するスイベル継手との手段によって構成されている。
【0031】
このような1つの点での連結や固定、すなわち、1つのケーブルを介する1つのアンカーポイントと、1つの連結点での連結や固定は、1つの点の連結(a single−point connection)として言及される。この構成は、風力発電装置が3つの直線的な自由度で、ケーブルの長さ寸法によって与えられる可能な限りの範囲内を動くことができることを保証する。
【0032】
3つの直線的な自由度とは、例えば、X、Y、Z方向で表される稼働位置でのデカルト座標に相当する。また、例えば、X軸、Y軸、Z軸として言及されるデカルト座標系の3つの軸である3つの空間軸の周りを回転することが許されるので、3つの回転的な自由度がさらに与えられる。
【0033】
ケーブルと風力発電装置との間の継手は、風力発電装置の型や大きさによって引き起こされる好ましくないケーブルへの緊張を無くし、全6つの自由度の中で、風やうねりにしたがう風力発電装置の完全に自由な動きを許可する。特に、この構成により、風力発電装置が直動や回転の動作を行う場合でさえも、ケーブルのねじれや切断を抑制できる。アンカーケーブルやアンカーチェーンと電気的接続ケーブルとが分離した場合に比べて、機械的及び電気的連結を一体化したケーブルは、これらを分離した場合には風力発電装置が回転運動することにより起こり得るねじれを、効果的に抑制することができる。
【0034】
さらに、このケーブルのデザインは、ケーブルの敏感な部分における負荷を和らげることができ、よって、ケーブルに含まれる送電線は、少なくともおおよそ負荷なく保たれるようになるため、耐ストレス能力を向上させることができる。また、ケーブルに含まれる係留ケーブルは、位置的に固定された1つのアンカーポイントで風力発電装置を係留することにより起こり得る機械的な力の全てを少なくともおおよそ吸収する。このストレスを取り除く手段により、送電線はダメージから保護されている。
【0035】
本発明は、バラストユニット、好ましくはバラストタンクを有する。バラストタンクの充填は、風力発電装置の重量や、重量の分配や、風力発電装置の操作条件によって調整される。また、本発明は、浮力ユニットを有する。浮力ユニットは、支持ユニット、特に浮力構造に含まれる、あるいは、支持ユニットを構成するキャビティである。上記浮力構造は、半潜水型として形成されることが望ましい。
【0036】
水の中での風力発電装置の位置ができるだけ安定するように、すなわち、風力発電装置の傾きや、ピッチングや、ローリングが最小限に維持されるように、風力発電装置の稼働の間、浮体構造は水面下で低く位置されている。この目的のため、支持ユニットは、バラストタンクが大きな体積を有する二つの底を持つように形成されることが効果的である。特に、バラストタンクは、支持ユニットの中で可能な限り深い位置に配置されており、バラストタンクが満たされたときには、風力発電装置の全重量のうち可能な限り大きな重量部、特に望ましくは約70%の重量部を有する。
【0037】
同時に、浮力ユニットは、支持ユニットにおいて可能な限り高い位置に配置されている。このように、本発明によると、高い支持マストを有する風力発電装置の構造の質量中心を、できるだけ低く維持するという効果を奏することができる。また、支持ユニットの水平面積を十分に大きくすることは、たとえ風の圧力やうねりによって風力発電装置に作用する傾きモーメントが前からくるものでない場合であっても、すなわち、ロータの回転軸の方向に少なくとも垂直な方向に起きる場合であっても、傾きモーメントに対向する復元モーメントを大きくする結果を生む。結果として、好ましくない天候条件の場合でさえも、例えば、突然の風の変更や嵐の場合であっても、風力発電装置の安定して安全な位置が保たれる。
【0038】
発電機は機械式ナセルと一緒に配設されており、機械式ナセルは発電機のハウジングを形成し、支持マストに固定手段によって固定されている。したがって、浮体式の風力発電装置は全体として、風によって方向を合わせるように構成されているため、大きく、繊細で大変高価な、ヨーベアリングと言及されるような回転ベアリングは要求されない。このことは、風力発電装置をより軽くさせ、機械的な安定性を向上させ、そして、機械式ナセルと支持マストとの間の連結のような、高負荷に曝される場所での摩耗を回避することが可能となる。加えて、支持マストは支持ユニットに固定的に連結されているため、全体的に高い安定性と、支持ユニット、支持マスト、機械式ナセルからなる頑丈な構造ユニットが形成される。
【0039】
本発明に係る風力発電装置は、ケーブルとの連結に関節をなした継手を有することにおいて格別の効果を有する。風力発電装置は、風力発電装置の稼働の間、風より前にあるいは風と共に、風の力の影響を受けて風向きにしたがって自動的に自身の方向を合わせるように構成されている。すなわち、本発明の風力発電装置は、アンカーポイントの周辺の風下側で自動的に回転するように構成されている。この手段によって、ロータは常に風の中において最適な状態を維持でき、可能な限り大きな力が獲得され得る。この自己配向性のためには、本発明ではその他の付加的な装置は必要とされない。特に、付加的な構造上の費用やエネルギー消費を必要とするデバイスや操作ユニットは必要とされない。これは、例えば、風力発電装置が稼働の間、複雑な機械や操作装置を介して、風に向かって、すなわち風上にむかって、いつも方向づけられるものに比べて、より多くの効果を有する。
【0040】
上記した風力発電装置の自己配向性は、さらに、可能な限り大きな水平距離が、連結点と実質的に鉛直なロータの回転面との間に形成されることによって促進される。風力発電装置にしっかりと結びつけられたケーブルは、側圧点(a lateral pressure point)、すなわち、風が流れる表面に作用する風の力の重心点、から可能な限り離れていることが保証される。この側圧点は、たとえば、支持マストや機械式ナセル、とりわけロータやロータブレードによって決定される。
【0041】
ロータは少なくとも実質的に水平な回転軸を有し、ロータの回転の間、ロータブレードは、ロータの鉛直な回転面として言及される、少なくとも実質的に垂直面の中で動く。ロータに作用し、風力発電装置の自己配向性を実行させる力に寄与する風の力の側圧点は、上記ロータの鉛直な回転面に位置する。
【0042】
連結点と、ロータに作用する風の力の側圧点、すなわちロータの実質的に鉛直な回転面と、の間の距離が可能な限り離れていることによって、可能な限り大きな水平距離が形成され、自己配向性を実行する力のためのモーメントアーム(lever arm)を可能な限り大きくできる結果となる。したがって、上記力は、側方側に起きる水の流れ、すなわち特に海流、をより一層弱めることができる。しかしながら、その距離は、水における風力発電装置の安定した位置を保つことによって限定され、従って、支持ユニットの大きさによって限定される。
【0043】
この目的のため、稼働位置において、ロータは、特に機械式ナセルの風下に配設されることが望ましい。この構成は、連結点で風力発電装置にしっかりと結び付けられたケーブルと、風が流れるロータ表面、すなわちロータブレードの側圧点、との間の距離を大きくする。したがって、この構造は、風向きにしたがう風力発電装置の自己配向性の効果を促進させる。
【0044】
さらに、支持マストは、湾曲して、すなわち、風力発電装置の稼働の間、風の方向(ロータの回転軸の方向)に垂直な線に対して所定の角度に傾いて、立設されることが効果的である。上記支持マストの湾曲は、ロータ上の風圧の側圧点と、風力発電装置上の風圧の側圧点、換言するとケーブルの連結点、との間の距離を大きくさせる。結果として、支持マストとロータとの間の距離は大きくなり、そして、風力発電装置の稼働の間、ロータ上に起きる風の流れはより良いものとなる。
【0045】
上記した本発明の風力発電装置の特徴は、これらを組み合わせることで、風力発電装置は稼働の間、たとえ著しく不利な天候条件や、不利な水流やうねりの場合であっても、常に自動的に方向づけされ、深刻な傾きから再び立ち上がるという効果を、さらに確実なものとする。
【0046】
本発明の有利な改良点は、従属項の特徴として記載されている。
【0047】
滑り継手、及び/又は、スイベル継手を持つ継手は、風力発電装置にカルダン式で連結されていることが望ましい。継手の、滑り継手、スイベル継手と呼ばれる各部分は、分離しあるいは共通のカルダン式の連結を有する。この構成によって、特に全ての自由度において効果的な動作性が達成される。
【0048】
支持ユニットは、3つのバラストユニット及び浮力ユニットを有することが望ましい。この場合には、浮力ユニットは、少なくとも1つのロータの回転軸に対して少なくともおおよそ左右対称的である平面視三角形の、少なくともおおよそ角部に配設される。そして、バラストユニットの1つは、2つの浮力ユニットのそれぞれの間に延びている。支持ユニットの平面視に対してロータの回転軸の位置は、風力発電装置の平面図、すなわち風力発電装置の稼働位置の上から見た図の中にみられる。支持ユニットの少なくともおおよそ三角形な形状は、簡単な手段によって構成され、そして、特に海での使用として要求される高い機械的強度、すなわち寸法安定性を与える。加えて、上記支持ユニットのおおよそ三角形形状は、水における高い位置的安定性を与える。
【0049】
水は、費用効果的や普遍的に利用可能なものとして、バラストユニットのバラストとして利用されることが望ましい。より高い単位体積当たりの重量を有するその他の液体バラスト材料は、同様に望ましく利用できる。液体バラスト材料は、取扱いが簡単なため、効果的である。しかしながら、バラストユニットは、固体のバラスト材料を使用してもよいし、主要な重量としての固体のバラスト材料と、使用位置での充填や調整のための液体バラスト材料との組み合わせを含むものであっても良い。これは、例えば、風力発電装置の交換や、支持ユニットに連結された風力発電装置の部品の交換を、浅い水においてさえも可能とする。本発明の風力発電装置は、港やドックヤードの中では、バラスト水なしに低い喫水で交換される。使用状態においては、使用条件の下、バラスト水を備えて高い喫水を有する。
【0050】
浮力ユニットは、密封された空気で形成されていることが望ましい。その他の物質、ガスやガス状の物質もまた、任意に使用され得る。浮力ユニットを少なくとも部分的に充填する多孔質の物質、例えば発泡プラスチックもまた、使用できる。多孔質の物質は、浮力ユニットの中での漏れに対する高い安全性を有する。ここでは、任意的に、1つの固体充填物や、その後の調整操作において可変可能な充填物が利用できる。
【0051】
上記した特別な配合により、うねりや特定の風条件のために風力発電装置が傾くような場合においてさえも、風力発電装置の自己配向性が実行できるように、バラストユニットと浮力ユニットは支持ユニットを形成し、特に浮体構造を形成している。
【0052】
浮力ユニットは、付加的なバラスト部(底荷部)を持つ二重底を備えることが望ましい。この付加的なバラストユニットは、バラスト水タンクとして形成されることが望ましい。これにより、風力発電装置のより柔軟な構造と、使用条件により良く適応でき、特に使用場所においてより良い調整を行うことが可能となる。
【0053】
支持マストは、少なくとも1つのロータの回転軸に対して少なくともおおよそ左右対称である平面視三角形における中心にある浮力ユニットの上に配置されることが望ましい。支持マストの中心位置への配置は、風力発電装置の簡単で、軽く、安定性のある構造をもたらす。この場合の支持マストは、大きく高いマストであるにもかかわらず、短く且つ直線的に配置されることができる。さらに、風力発電装置の平面図におけるロータの回転軸に関して中心にある好ましい重心位置は、簡単な手段によって生み出される。
【0054】
支持マストと浮力ユニットとの間の連結を形成するための支柱は、少なくとも1つのロータの回転軸に対して左右対称である平面視三角形において、その回転軸の側方に配設されていることが望ましい。支持マストと、支柱とは、特に三つの脚状に配置され形成されている。このそれぞれの脚は、それぞれ浮力ユニットの1つに支持されている。多くの支柱、及び/又は、浮力ユニットを有する構成において、多脚状に配置された構成は、それぞれの浮力ユニットや、あるいは選ばれた浮力ユニットのみに、1以上の支持をもたらす。この構成は、風力発電装置全体の機械的強度を増強させ、同時に、支持マストの重さに耐え続けることができ、そして風力発電装置全体の質量中心を低く、かつ、中心に保つことが可能となる。さらに、支持ユニットの構成もまた、これによって、軽く、安定したものを実現できる。
【0055】
バラストユニットは、風力発電装置の稼働状態において、水線の下に配置される構成要素として形成されることが望ましい。また、バラストユニットは、少なくとも2つの浮力ユニットを連結し、少なくともおおよそ水平な上側と下側とを有することが望ましい。この構成は、比較的高いうねりの場合であっても、風力発電装置の安定的でしっかりとした位置を維持することに貢献する。うねりは、風力発電装置の浮体構造に、振動励起力を及ぼす。この振動の頻度、すなわち励起振動数は、波の大きさや形によって決められる。例えばバラスト水のようなバラストの高い重量部と、水面下の少なくとも実質的に水平なバラストユニットの表面は、風力発電装置の浮体構造に、小さな固有振動数を与える。固有振動数は、うねりの励起振動数よりも非常に小さい。結果として、振動励起力の小さな影響のみが、風力発電装置に及ぼすこととなり、従って、うねりの間の動きを最小限に抑えることができる。
【0056】
浮力ユニットは、小さな水線断面部を有する。稼働状態の水線の位置における浮力ユニットの水平断面領域は、ここでは、水線断面部と称する。この水線断面部は、水線位置での浮力ユニットの特定の重さとともに、浮力ユニットの浸水深さが変化するときに、浮力ユニットによってもたらされる浮力の変化を決定する。換言すると、浮力は、アルキメデスの原理に従って、その体積や密度(濃度)が置き換えられことよって生み出される。
【0057】
水線の表面として言及される小さい水線断面部により、浮力ユニットの浸水深さが変化するときに、浮力は小さく変化する。反対に、浸水深さは、うねりの間変化する。しかしながら、小さい水線断面部を有することにより、風力発電装置の振動を励起する浮力の変化量が小さくなり、したがって、うねりのため、あるいはうねりの場合においての風力発電装置の移動を小さくすることができる。
【0058】
一方、あまりにも小さい水線断面部は、浮力ユニットの浸水深さが変化するときに浮力の変化がとても小さくなりすぎることとなる。例えば、嵐の間、風力発電装置が傾くことによって、浸水深さが変化するような場合には、浮力の変化が小さくなると、風力発電装置の自己配向性を実行する力も小さくなってしまう。
【0059】
そこで、小さい水線断面部の限界は、本発明の範囲内であると考えられる。すなわち、風力発電装置の自己配向性を起こさせる力が著しく不利に減少することがない、可能な限り小さい大きさである。この風力発電装置に与える力の減少における不利な影響は、幾何学的な形状や、配置される浮力要素の位置、例えば、浮力要素を支持ユニットの可能な限り離れた外側に配置すること等によって対抗することができる。
【0060】
風力発電装置の浮体構造に与えられる励起力の伝達は、水線断面部の形や、うねりに起因する出現あるいは浸水深さにも依存する。また、励起力が浮体構造に伝達されることは好ましくない。これらのため、水線断面部は、出来るだけ低く選択される。結果として、風力発電装置の固有振動数は、低く維持でき、共振の発生を抑制できる。このように、この風力発電装置は激しい動きを起こさない。それどころか、水に安定的に維持される。例えば北の海の条件として有効である寸法例としてのシュミレーション計算では、波の高さ5.0mの場合には、機械式ナセルの加速度は0.4g以下であることが決定される。
【0061】
浮力ユニット、及び/又は、バラストユニットは、流線形を有することが望ましい。特に、少なくとも1つのロータの回転軸に少なくとも実質的に平行な方向に向けられた流線形のデザインであることが望ましい。
【0062】
風向きと波の方向は、一般に互いに大きく異ならないため、拡がった水線断面部は、少なくとも1つのロータの回転軸の方向で流線形のデザインを有することが望ましい。そして、出来るだけ小さな力で急勾配のうねりを分割するため、浮力ユニットやバラストユニットの端面は、前の方向、すなわち、風や波の方向と反対の方向を向くことが望ましい。
【0063】
質量中心や浮力の中心は、少なくともおおよそ支持ユニットの平面視、すなわち風力発電装置の平面図、の幾何学的な中心に位置していることが望ましい。とくに、3つの浮力ユニットが、平面視三角形形状に配置されている場合には、その質量重心と浮力中心は、少なくともほぼ中心、すなわち、平面視三角形形状の幾何学的な中心、に位置することが効果的である。さらに、質量中心と浮力中心の配置場所において、少なくとも1つのロータの回転軸の方向、すなわち風力発電装置の操作位置における風の方向、における風圧を考慮に入れることが効果的である。これにより、特に嵐のような、相対的に大きな風の力が作用する場合においてさえも、風下における望ましくない急な傾きを起こさない。
【0064】
水における風力発電装置の安定した位置のために、質量中心は浮力中心の下に位置することが望ましい。しかしながら、本発明に係る風力発電装置の場合では、たとえ質量中心が浮力中心の上に位置したとしても、安定した状態が維持できる。そして、風力発電装置が傾く場合には、浮力中心は、風下側に大きく広がって沈められた支持ユニットによって、風下へ変換される。この浮力中心の位置変換は、モーメントアームが質量中心に関連して生み出されるまで、支持ユニットの構造、特に浮力ユニットによって行われる。これにより、傾いた風力発電装置を立て直すモーメントが引き起こされる。ここで、浮力中心は変更しているが、質量中心は元の位置を維持している。したがって、浮力のベクトルと質量のベクトルとの間位に距離が生み出されている。そして、これもまた風力発電装置の立て直しのモーメントとなる。
【0065】
送電線と係留ケーブルとを組み合わせているケーブルは、アンカーポイントでアンカー装置に連結されている。結果として、風力発電装置は、稼働場所における水域、例えば海の底に、機械的に固定され、同時に、そのアンカー装置を介して、獲得された電気的エネルギーを消費者に伝達するための電気的な接続を、簡単に効果的にできる。
【0066】
支持マストは、輪郭形状(以下、プロフィール形状とも称す)に形成された断面を有することが望ましい。特に、この断面は、翼様形状(翼状形状)、及び/又は、小滴型形状のプロフィール形状に形成されていることが望ましい。この形状の目的は、支持マストの後側に起こり得る風の流れの乱流(渦)を回避することにある。特に、翼様形状や小滴型形状のプロフィールは、良く使用される傾向にある。「NACA profiles」の1つの構成は、すなわち、翼のプロフィールの2つの寸法上標準化された断面のうちの1つは、元アメリカ航空諮問委員会によって、航空用の翼のデザインとして開発されたものである。したがって、簡単な手段によって、渦のない気流とすることができる。
【0067】
加えて、プロフィール形状は、ロータの回転軸の方向に向けて長手方向に延びる形状に形成されているため、風力発電装置の支持マストのプロフィール形状は、風方向、すなわち風下側における風力発電装置の自己配向性を促進させる。したがって、風の流れが回転軸の方向に起きるときよりも、回転軸に直交した方向に起きるときに、自己配向性に起因するより大きな力がそのプロフィール、すなわち支持マストに生み出される。このことは、自己配向性による復元力を向上させ、同時に、風に対する最適な稼働方向に向くことにより支持マストに与える風圧を減らす。また、アンカー、すなわちケーブルや継手に対するストレスを減らす。
【0068】
加えて、この風力発電装置の支持マストのプロフィール形状によれば、風力発電装置が風に対して最適な方向を向くとき、プロフィールマストが主な負荷の方向に対して高い抵抗モーメントを提供するという有利な効果を奏する。したがって、例えば、それぞれの方向において同じ抵抗モーメントを有する円形のプロフィールの支持マストよりも、本発明の支持マストは、より薄い寸法とすることが可能となる。また、稼働の間に相当する高い負荷が起きない方向の負荷に対しても、高い抵抗モーメントを有することができる。したがって、本発明の支持マストのプロフィールは、大きな寸法や、高価で重いものを必要としない。
【0069】
少なくとも1つのロータと少なくとも1つの発電機の間には、非実用的な(a non−positive)、エネルギー伝達コネクションが、ギアレスに形成されている。このコネクションは、ロータと発電機との間にギアを設けてなく、単に少なくとも実質的に確実にトルクを伝達する。このような構成は、メンテナンスの費用を減らし、永久的な稼働の間の安定性を促進し、エネルギーロスを減らす。
【0070】
本発明の実施例は
図1及び
図2に示されており、以下詳細に述べる。なお、
図1及び
図2において、同じ要素には同じ符号を用いており、上記要素の繰り返した説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【
図1】実施例の風力発電装置を模式的に表した概略図である。
【
図2】
図1の風力発電装置を模式的に表した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0072】
2つの図には、本発明に係る浮体式洋上風力発電装置100の例示的な実施形態が示されている。この洋上浮体式の風力発電装置100は、特に浮体ユニットとして形成されている支持ユニット101を備えており、支持ユニット101は、3つのバラストユニット102及び浮力ユニット103を有する。
【0073】
浮力ユニット103は、二重底(ダブルボトム)のバラストタンクを備えていることが望ましい。浮力ユニット103は、平面視おおむね三角形状の角部に配設されている。2つの浮力ユニット103は、1つのバラストユニット102によって互いに連結されている。
【0074】
支持マスト104は、わずかに湾曲した、すなわち、支持ユニット101の平面視おおむね三角形形状の中心に向かって傾いた、第1の浮力ユニット103に配設されている。
【0075】
機械式ナセル105は、支持マスト104の上端部に固定されて、すなわち非回転的に配設されている。機械式ナセル105は、発電機(図示略)を収容している。風の力によって発電機を稼働させるために、回転軸117の周りを回転可能であるロータ106が、支持マスト104そして機械式ナセル105の風下側に配設されている。
【0076】
回転軸117は、操作位置において少なくともおおよそ水平方向に合わせられている。ロータ106と発電機との間の、非実用的な(a non−positive)エネルギー伝達コネクション(図示略)は、ギアのないデザインであることが望ましい。
【0077】
支持マスト104のほぼ中腹の両側では、支柱107が連結されている。具体的には、支持マスト104の両側に位置するそれぞれの支柱107の一端部が、支持マスト104のほぼ中腹でそれぞれ連結している。支柱107は、それぞれの支柱107の他端部が、それぞれ別の浮力ユニット103に連結されることによって支持されている。四面体形状の構造は、支持ユニット101、支持マスト104、そして支柱107によって形成されており、この構造は高い機械的強度を有し、かつ、水に浮かべられるときには安定した位置をとる。水に浮かべられたときの安定した位置は、互いに関係するバラストユニット102と浮力ユニット103の配置によっても生み出される。図示された風力発電装置100の稼働の間の風下側は、風力発電装置100の稼働の間の風向きを記号で表す矢印108によって付加的に示されている。
【0078】
支持マスト104のプロフィール形状は、
図2の断面A−Aを表す符号109に詳細に描かれているように、特に、翼様、及び/又は、小滴型に形成された断面を有する。このプロフィール形状は、長手方向の軸に対して左右対称であることが望ましく、空気が渦(乱流)を発生させることなく周りを流れ、風に対して最適な方向に合わせられたときに、主な負荷方向において低い風抵抗と大きな抵抗モーメントを持つ、流線形のデザインを与える。結果として、支持マスト104は軽く、それにもかかわらず極度の負荷に耐えることができるようにデザインされる。風抵抗が小さく、高い強度と低い重量で最適な風の流れを達成させるために、支柱107もまた、プロフィール形状と同じ、又は、ほぼ同じように、又は、プロフィール形状に相当するように形成されることが望ましい。結果として、風力発電装置100全体の機械的強度が向上するだけでなく、風力発電装置100全体の低い質量中心と低い風抵抗もまた保障され続ける。
【0079】
稼働の間、風力発電装置100は、支持マスト104が風上側に、ロータ106が風下側に向くように、風向きに従って自動的に方向を合わせる。稼働の間、風力発電装置100は水の上に浮かぶため、この方向合わせ(配向性)は、水の上の風力発電装置100全体の回転運動を一致させることによって起こる。この目的のため、風力発電装置100は、1つのアンカーポイント111で1つのケーブル110によって連結され、そして稼働位置、すなわち風力発電装置100が操作される水の上の位置に、風力発電装置100を留めさせる。
【0080】
ケーブル110は、送電線と係留ケーブルの組み合わせとして構成されている。継手112は、ケーブル110と風力発電装置100との間の1つの連結点118に配設されており、電気的な接続として滑り継手を、機械的な力の伝達としてスイベル継手を構成している。このような従来から知られたデザインが継手112の構成要素として使用されている。つまり、簡単で信頼性のあるデザインが継手112とケーブル110全体として構成されている。結果として、発生する機械的な力は、少なくともおおよそ完全にスイベル継手によって吸収される。つまり、滑り継手は、風力発電装置100が稼働位置に留まることから発生する力による、機械的負荷がかからない状態が保たれる。
【0081】
バラストユニット102に収容されるバラストは、例えば水によって形成されている。しかし、このバラストは、その他の液体材料や、あるいは少なくとも部分的に固体であるものを用いてもよい。少なくともいくつかのバラストユニット102においては、例えば、たくさんのバラストタンクに分割すること、あるいは固体のバラスト要素とバラストタンクとの組み合わせに分割すること等は、風力発電装置100のよりよい調整能力を獲得するために効果的である。また、風力発電装置100には、例えば、うねりや風の強さ等の天候条件の変化に対応するために、バラストを調整できる装置が設けられ得る。
【0082】
必要とされる浮力を生み出すために、浮力ユニット103には、特に空気やその他のガス、腐食を減らすために任意的に不活性ガスが用いられる。浮力ユニット103は、任意的に、少なくとも部分的に気泡を有する、例えば発泡プラスチックよりなる。結果として、風力発電装置100には、ダメージや漏れに対する比較的大きな抵抗量が与えられ、沈没に対する大きな安全性が与えられる。その特有の配置によるバラストユニット102と浮力ユニット103は、うねりや特定の風の条件のために激しく傾く場合でさえも、風力発電装置100の自己配向性が起こるように、支持ユニット101の外形を形成する。そして、風力発電装置100の操作上の機能的障害や損傷、あるいは損失に対する高い安全性もまた同様に、風力発電装置100に与えられる。
【0083】
実施形態の風力発電装置100において、バラストユニット102は、風力発電装置100の稼働状態において、水線113の下に配置される構成要素としてデザインされている。風力発電装置100は、水線113まで浸水している。バラストユニット102は、少なくともほぼ水平な上側114と下側115を有し、そして既述したように、バラストユニット102は、少なくとも2つの浮力ユニット103に連結している。少なくともほぼ水平な上側114と下側115は、風力発電装置100に、水の中における揺れ、すなわち、特にうねりの間のローリングやピッチングの動きの揺れの小さい固有振動数を与える。したがって、ローリングやピッチングの動きを減らす。
【0084】
浮力ユニット103は、小さい水線断面、すなわち、水線113の位置における小さい水平断面領域を有する。これは、風力発電装置100の揺れを引き起こす、支持ユニット101上のうねりの浮力を減らす。また、うねりの上記浮力によって引き起こされる風力発電装置100の動きを減らす。さらに、特に浮力ユニット103と効果的なバラストユニット102は、流線形をしており、特に、ロータ106の回転軸117に少なくともほぼ平行は方向で流線形となっている。この目的のため、とくに浮力ユニット103は、稼働位置において本質的に起こる水の流れや風の流れに対向する向きに向けられた端部領域の点に収束するよう構成されている。
【0085】
概して、バラストユニット102と浮力ユニット103を有する上記の支持ユニット101は、半潜水型にデザインされている。
【0086】
支持ユニット101、支持マスト104、支柱107、さらに機械式ナセル105のそれぞれにデザインされた流線形状は、うねりや水の流れ、風の力によって、ケーブル110、継手112、アンカーポイント111に与えられる力を減らす効果をもたらす。結果として、第一に、ケーブル110、継手112、アンカーポイント111は、圧力を減らすことができ、従って故障に対してよりよく保護される。第二に、それらはより軽く、材料を減らしたデザインとされ得る。
【0087】
実施形態の風力発電装置100の場合には、質量中心と浮力の中心の両方の位置は、支持ユニット101の平面視の幾何学的な中心点に少なくともほぼ効果的に位置される。これは、可能な限り方向的な独立性を有し、嵐や荒波によって風力発電装置100が傾くときに風力発電装置100の転覆に対する安全性を与える。風圧は、質量中心の設定に任意的に考慮される。例えば、バラストの変換は、水のなかで直線的な位置、すなわち風力発電装置100が傾くことがない位置、を常に維持するために、風圧や風力発電装置100の傾きに応じてバラスト水を循環させることによって行われ得る。
【0088】
風力発電装置100は、送電線と係留ケーブルの組み合わせとしてデザインされているケーブル110を介して、アンカーポイント111でアンカー装置116と連結している。アンカー装置116は、海底117に機械的に固定されている。また、電気エネルギーの輸送と供給網のための電気的接続が生み出される。この型のアンカー装置116は、例えば、コンクリート要素によって風力発電装置100の稼働位置や固定位置に形成されている。より好ましくは、水や特に砂のような追加的なバラストで充填されたコンクリート要素である。あるいは、コンクリート要素に代えて、アンカー装置116は、金属要素を有するものであってもよい。
【0089】
寸法例として、実施形態の風力発電装置100は次の寸法を有する。
【0090】
支持ユニット101の低い側からの高さ、すなわち、バラストユニット102の下側115からロータ106の回転軸117までの高さは、H=105mである。
【0091】
水線113と、支持ユニット101の低い側、すなわち、バラストユニット102の下側115との間の浸水深さは、T=6.50mである。
【0092】
連結点118、すなわち、継手112と、支持ユニット101の低い側、すなわち、バラストユニット102の下側115との間の距離は、K=17.50mである。
【0093】
支持マスト104の断面109のプロフィール厚さは、D=3.00mである。
【0094】
ロータ106の旋回円の半径は、DR=154.00mである。
【0095】
支持ユニット101の低い側、すなわち、バラストユニット102の下側115から旋回円(turning circle)までの距離は、HD=28.00mである。これは、風力発電装置100の稼働の間の、水線113から旋回円までの距離(「HD−T」で表される)の21.50mと対応する。
【0096】
さらなる寸法例として、風力発電装置100は上記した寸法とは異なる次に示す大きさを有することもできる。なお、以下に記載する大きさ以外は、上記した大きさと同じである。
【0097】
バラストユニット102の下側115からロータ106の回転軸117までの高さは、H=111.50mである。
【0098】
水線113と、バラストユニット102の下側115との間の浸水深さは、T=13.00mである。
【0099】
連結点118、すなわち、継手112と、支持ユニット101の低い側、すなわち、バラストユニット102の下側115との間の距離は、K=24.00mである。
【0100】
支持ユニット101の低い側、すなわち、バラストユニット102の下側115から旋回円までの距離は、HD=34.50mである。
【0101】
後者の寸法例は、風やうねりに対しての安定性に関して特に好ましいものとして示される。
【0102】
なお、説明に利用する
図1及び
図2は概略図であり、細かい部分での形状や相対的な位置関係、大きさの関係などは必ずしも厳密に記載されているものではない。
【0103】
また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事項は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。
【符号の説明】
【0104】
100:浮体式洋上風力発電装置 101:支持ユニット 102:バラストユニット
103:浮力ユニット 104:支持マスト 105:機械式ナセル
106:ロータ 107:支柱 108:矢印(風向き)
109:支持マストの断面(プロフィール) 110:ケーブル
111:アンカーポイント
112:継手(滑り継手(電気的)とスイベル継手(機械的))
113:水線 114:上側 115:下側
116:アンカー装置 117:回転軸 118:連結点
【国際調査報告】