特表2016-538383(P2016-538383A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-538383(P2016-538383A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】ポリマー粒子
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/06 20060101AFI20161111BHJP
   A61K 9/14 20060101ALI20161111BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20161111BHJP
   A61L 31/00 20060101ALI20161111BHJP
   C08F 2/32 20060101ALI20161111BHJP
【FI】
   C08F290/06
   A61K9/14
   A61K47/32
   A61L31/00 C
   C08F2/32
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2016-528090(P2016-528090)
(86)(22)【出願日】2014年11月7日
(85)【翻訳文提出日】2016年7月4日
(86)【国際出願番号】US2014064680
(87)【国際公開番号】WO2015070094
(87)【国際公開日】20150514
(31)【優先権主張番号】61/902,020
(32)【優先日】2013年11月8日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100109449
【弁理士】
【氏名又は名称】毛受 隆典
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】プロットキン、スティーブ
(72)【発明者】
【氏名】クルーズ、グレゴリー エム
(72)【発明者】
【氏名】キーリー、エドワード マイケル
(72)【発明者】
【氏名】ユ、レニー
(72)【発明者】
【氏名】ハリス、クレイトン
【テーマコード(参考)】
4C076
4C081
4J011
4J127
【Fターム(参考)】
4C076AA31
4C076BB12
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4C076BB32
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4J127FA44
(57)【要約】
ポリマー粒子塞栓およびその製造方法を記載する。粒子塞栓は、塞栓形成剤として使用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
約15%w/wと約50%w/wとの間の濃度における、少なくとも1つの誘導体化ポリ(エチレングリコール)マクロマー、少なくとも1つの誘導体化ポリ(プロピレングリコール)マクロマー、少なくとも1つの誘導体化ポリ(テトラメチレンオキシド)マクロマー、または、それらの組み合わせ、および、
n−イソプロピルアクリルアミドではない少なくとも1つのモノマー、を含む、
ポリマー粒子。
【請求項2】
前記ポリマー粒子は、約40μmと約1200μmとの間の直径を有する、請求項1に記載のポリマー粒子。
【請求項3】
少なくとも1つのモノマーを更に含む、請求項1に記載のポリマー粒子。
【請求項4】
前記少なくとも1つのモノマーは、官能基を含み、
前記官能基は、アクリレート、アクリルアミド、メタクリレート、または、メタクリルアミドである、請求項3に記載のポリマー粒子。
【請求項5】
前記少なくとも1つのモノマーは、グリセロールモノメタクリレート、アミノエチルメタクリレート、3−スルホプロピルアクリレート、アミノプロピルメタクリルアミド、または、それらの組み合わせである、請求項3に記載のポリマー粒子。
【請求項6】
前記少なくとも1つのモノマーは、約68%w/wの濃度における、グリセロールモノメタクリレートである、請求項5に記載のポリマー粒子。
【請求項7】
前記少なくとも1つのモノマーは、約59%w/wの濃度における、3−スルホプロピルアクリレートである、請求項5に記載のポリマー粒子。
【請求項8】
前記少なくとも1つのモノマーは、約1%w/wの濃度における、アミノプロピルメタクリルアミドである、請求項5に記載のポリマー粒子。
【請求項9】
前記少なくとも1つのモノマーは、約3%w/wの濃度における、アミノエチルメタクリレートである、請求項5に記載のポリマー粒子。
【請求項10】
前記少なくとも1つの誘導体化ポリ(エチレングリコール)マクロマーは、ポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリルアミド、または、それらの組み合わせである、請求項1に記載のポリマー粒子。
【請求項11】
前記少なくとも1つの誘導体化ポリ(エチレングリコール)マクロマーは、ポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミド10000である、請求項6に記載のポリマー粒子。
【請求項12】
少なくとも1つの誘導体化ポリエーテルマクロマーを含む水性プレポリマー溶液と開始剤とを油中において反応させてポリマー粒子を形成させること、を含み、
前記ポリマー粒子は、約1200μm未満の直径を有する、
ポリマー粒子を製造する方法。
【請求項13】
前記油は、鉱油である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記開始剤は、過硫酸アンモニウム、テトラメチルエチレンジアミン、または、それらの組み合わせである、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記ポリマー粒子は、約40μmと約1200μmとの間の直径を有する、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記少なくとも1つの誘導体化ポリエーテルマクロマーは、ポリ(エチレングリコール)の誘導体、ポリ(プロピレングリコール)の誘導体、ポリ(テトラメチレンオキシド)の誘導体、または、それらの組み合わせである、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つの誘導体化ポリエーテルマクロマーは、ポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリルアミド、または、それらの組み合わせである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記少なくとも1つの誘導体化ポリエーテルマクロマーは、ポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミド10000である、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
少なくとも1つのモノマーを含ませることを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つのモノマーは、グリセロールモノメタクリレート、アミノエチルメタクリレート、3−スルホプロピルアクリレート、アミノプロピルメタクリルアミド、または、それらの組み合わせである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記モノマーは、n−イソプロピルアクリルアミドではない、請求項19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
血管新生化腫瘍または動静脈奇形の塞栓等の血管部位および体内の空洞の閉塞のためのポリマー粒子について記載する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
ここでは、一般的に、ポリエーテルおよび任意での1または複数のモノマーを含む粒子を記載する。このようなポリマーは、塞栓のため/塞栓において、使用され得る。ポリマー粒子は、送達を容易にするために圧縮性である。更に、ある実施の形態では、ポリマー粒子は、生理的条件内で/生理的条件下で、安定している。ある実施の形態では、粒子は、薬物(1または複数)または活性剤(1または複数)で負荷され(loaded)得るか、または被覆され得る。
【0003】
記載するポリマー粒子は、少なくとも2つの官能基を含む少なくとも1つのポリエーテル、および、任意での少なくとも1つのモノマーを含み得る。ここに記載する粒子は特定の用途に応じて様々なサイズを有することができるが、一般的に、約1200μm未満の直径を有し得る。
【0004】
更に、他の実施の形態では、記載するポリマー粒子は、約15%w/w(重量%)と約50%w/wとの間の濃度における、少なくとも1つの誘導体化(derivatized)ポリ(エチレングリコール)マクロマー、少なくとも1つの誘導体化ポリ(プロピレングリコール)マクロマー、少なくとも1つの誘導体化ポリ(テトラメチレンオキシド)マクロマー、または、それらの組み合わせ、および、n−イソプロピルアクリルアミドではない少なくとも1つのモノマーを含む。
【0005】
ポリマー粒子は、約40μmと約1200μmとの間の平均直径を有し得る。
【0006】
ポリマー粒子は、少なくとも1つのモノマーを更に含むことができる。少なくとも1つのモノマーは、官能基を含み得る。官能基は、アクリレート、アクリルアミド、メタクリレート、または、メタクリルアミドであり得る。更に、少なくとも1つのモノマーは、グリセロールモノメタクリレート、アミノエチルメタクリレート、3−スルホプロピルアクリレート、アミノプロピルメタクリレート、または、それらの組み合わせであり得る。
【0007】
1つの実施の形態では、少なくとも1つのモノマーは、約68%w/wの濃度における、グリセロールモノメタクリレートである。別の実施の形態では、少なくとも1つのモノマーは、約59%w/wの濃度における、3−スルホプロピルアクリレートである。更に別の実施の形態では、少なくとも1つのモノマーは、約1%w/wの濃度における、アミノプロピルメタクリレートである。また別の実施の形態では、少なくとも1つのモノマーは、約3%w/wの濃度における、アミノエチルメタクリレートである。
【0008】
ある実施の形態では、少なくとも1つの誘導体化ポリ(エチレングリコール)マクロマーは、ポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリルアミド、または、それらの組み合わせであり得る。
【0009】
ここに記載するポリマー粒子の製造方法もまた開示される。これらの方法は、少なくとも1つの誘導体化ポリエーテルマクロマーを含む水性(aqueous based)プレポリマー溶液と開始剤とを油中において反応させてポリマー粒子を形成させることを含み、ポリマー粒子は、約1200μm未満の直径を有し得る。
【0010】
方法のある実施の形態では、油は、鉱油である。方法の他の実施の形態では、開始剤は、過硫酸アンモニウム、テトラメチルエチレンジアミン、または、それらの組み合わせである。
【0011】
ここに記載する方法および粒子の実施の形態では、組成物および粒子は、n−イソプロピルアクリルアミドを含まない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】ドキソルビシンまたはイリノテカンで負荷した粒子の平均薬物負荷のプロットを示す図である。
図2】in situでの22時間後の粒子からの平均薬物溶出のプロットを示す図である。
図3】30%の変形での粒子の圧縮率のプロットを示す図である。
図4】30%の変形での粒子の圧縮率の別のプロットを示す図である。
図5】懸濁液中における粒子の時間のプロットを示す図である。
図6】懸濁液中における薬物負荷粒子の時間のプロットを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
ここでは、概して、少なくとも1つのポリエーテルマクロマー、任意での少なくとも1つのモノマー、任意での少なくとも1つの多官能基性架橋剤および任意での少なくとも1つの開始剤の反応生成物を含むポリマ−材料で製造される粒子を記載する。粒子は、ここでは、微粒子、マイクロスフィア、マイクロビーズ(bead(s))、球体(スフィア)、微小塞栓、塞栓等と称され得る。粒子は、約1200μm未満の直径を有し得る。粒子はまた、送達を容易にするために、圧縮性、生体安定性および/または耐久性とすることができる。
【0014】
粒子は、プレポリマー溶液または混合物から形成され得る。プレポリマー溶液または混合物は、(i)重合可能な少なくとも2つの官能基を含む1または複数のポリエーテルマクロマーと、(ii)任意での1または複数のモノマーと、(iii)任意での1または複数の多官能基性架橋剤と、を含む。ある実施の形態では、重合開始剤を使用してもよい。
【0015】
1つの実施の形態では、マクロマーは、重合に適しているまたは重合可能な複数の官能基を含む。ある実施の形態では、マクロマーは直鎖状であり得る。他の実施の形態では、マクロマーは1または複数の分岐を有し得る。更に他の実施の形態では、マクロマーは、エチレン性不飽和マクロマーであり得る。マクロマーはポリエーテルを含み得る。ポリエーテルマクロマーは、直鎖状または分岐状の、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(テトラメチレンオキシド)、それらの誘導体、または、それらの組み合わせを含み得る。
【0016】
ここに記載するマクロマーは、約200グラム/モル、400グラム/モル、600グラム/モル、800グラム/モル、1000グラム/モル、2000グラム/モル、3000グラム/モル、4000グラム/モル、5000グラム/モル、10000グラム/モル、15000グラム/モル、20000グラム/モル、25000グラム/モル、30000グラム/モル、35000グラム/モル、約200グラム/モルと約35000グラム/モルとの間、約200グラム/モルと約30000グラム/モルとの間、約1000グラム/モルと約15000グラム/モルとの間、小さくとも約200グラム/モル、大きくとも約30000グラム/モル、または、大きくとも約35000グラム/モル、の分子量を有し得る。1つの実施の形態では、マクロマーは、約10000グラム/モルの分子量を有し得る。
【0017】
これらのポリエーテルの誘導体は、それらを重合可能にするために調製され得る。様々な種類の化学反応、例えば、求核剤/N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、求核剤/ハロゲン化物、ビニルスルホン/アクリレートまたはマレイミド/アクリレートを利用することができるが、フリーラジカル重合が好ましい化学反応である。このように、アクリレート、アクリルアミド、メタクリレート、メタクリルアミドおよびビニル等の複数のエチレン性不飽和基を有するポリエーテルが使用され得る。1つの実施の形態では、ポリエーテルマクロマーは、約10000グラム/モルの分子量を有するポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミドとすることができる。
【0018】
別の実施の形態では、マクロマーは、ポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリルアミド、それらの誘導体、または、それらの組み合わせである。
【0019】
マクロマーは、約0%w/w、約1%w/w、約2%w/w、約3%w/w、約4%w/w、約5%w/w、約6%w/w、約7%w/w、約8%w/w、約9%w/w、約10%w/w、約11%w/w、約12%w/w、約13%w/w、約14%w/w、約15%w/w、約16%w/w、約17%w/w、約18%w/w、約19%w/w、約20%w/w、約35%w/w、約30%w/w、約35%w/w、約40%w/w、約45%w/w、約50%w/w、約60%w/w、約70%w/w、約5%w/wと約10%w/wとの間、約5%w/wと約20%w/wの間、約5%w/wと約25%w/wとの間、約5%w/wと約15%w/wとの間、約6%w/wと約8%w/wとの間、または、約14%w/wと約16%w/wとの間の、溶液中の濃度において、含まれ得る。ある実施の形態では、マクロマーを使用する必要はない。
【0020】
1つの実施の形態では、マクロマーは、溶液中に、約7%w/wの濃度において、含まれ得る。
【0021】
1つの実施の形態では、マクロマーは、溶液中に、約15%w/wの濃度において、含まれ得る。
【0022】
ある実施の形態では、モノマー(1または複数)および/またはマクロマー(1または複数)のいずれかが固体である場合、溶液を形成するために溶媒が使用され得、当該溶液から塞栓として使用される粒子が調製され得る。液体のモノマーおよびマクロマーを使用する場合、溶媒を必要としなくてもよい。ある実施の形態では、液体のモノマーおよび/またはマクロマーを使用する場合であっても、溶媒が更に使用されていてもよい。溶媒は、ポリエーテルマクロマー、モノマー、多官能基性架橋剤および/または開始剤を溶解し得る、または実質的に溶解し得る任意の液体を含んでいてもよい。所望のモノマー(1または複数)、マクロマー(1または複数)、多官能基性架橋剤(1または複数)および/または重合開始剤を溶解する、任意の水性または有機溶媒を使用することができる。1つの実施の形態では、溶媒を水とすることができる。更に、例えば塩化ナトリウム等の溶質を、重合速度を増加させるために溶媒に加えてもよい。溶媒濃度は、塞栓粒子の圧縮性を変更して粒子の直径よりも小さい内径のカテーテルを介する送達を可能とするように、変えることができる。
【0023】
溶媒濃度は、溶液の、約25%w/w、約35%w/w、約45%w/w、約55%w/w、約65%w/w、約75%w/w、約85%w/w、約95%w/w、約40%w/wと約80%w/wとの間、約30%w/wと約90%w/wとの間、または、約50%w/wと約70%w/wとの間、とすることができる。1つの実施の形態では、溶媒濃度は、約50%w/w、約51%w/w、約52%w/w、約53%w/w、約54%w/w、約55%w/w、約56%w/w、約57%w/w、約58%w/w、約59%w/w、または、約60%w/w、とすることができる。別の実施の形態では、溶媒濃度は、約65%w/w、約66%w/w、約67%w/w、約68%w/w、約69%w/w、約70%w/w、約71%w/w、約72%w/w、約73%w/w、約74%w/w、または、約75%w/w、とすることができる。
【0024】
1つの実施の形態では、溶媒濃度は、約57%w/wとすることができる。
【0025】
1つの実施の形態では、溶媒濃度は、約70%w/wとすることができる。
【0026】
1つの実施の形態では、溶媒濃度は、約75%w/wとすることができる。
【0027】
一般的に、モノマーは、アクリレート、アクリルアミド、メタクリレート、メタクリルアミまたは他の重合可能な基等の部分を含み得る。1つの実施の形態では、ポリマー粒子は、1または複数のモノマーと組み合わせた1または複数のマクロマーを含んで構成されている。
【0028】
ポリマー粒子に所望の化学的および/または機械的特性を与えるために、任意に、1または複数のモノマーがポリエーテルマクロマーに添加され得る。正に荷電した薬物または他の材料の結合が所望される場合、例えばカルボン酸等の負に荷電した基を有するモノマーを粒子中に重合させ得る。酸性の不飽和モノマーは、限定されないが、アクリル酸、メタクリル酸、3−スルホプロピルアクリレート、3−スルホプロピルメタクリレート、それらの誘導体、それらの組み合わせ、および、それらの塩を含み得る。負に荷電した薬物の結合が所望される場合、例えばアミン等の正に荷電した基を有するモノマーを粒子中に重合させ得る。塩基性のモノマーは、アミノエチルメタクリレート、2−アミノエチルメタクリレート、アミノプロピルメタクリルアミド、それらの誘導体、それらの組み合わせ、および、それらの塩を含み得る。
【0029】
正または負の基を含むモノマーは、溶液中に、約0.5%w/w、約1%w/w、約2%w/w、約3%w/w、約4%w/w、約5%w/w、約6%w/w、約7%w/w、約8%w/w、約9%w/w、約10%w/w、約15%w/w、約20%w/w、約21%w/w、約22%w/w、約23%w/w、約24%w/w、約25%w/w、約26%w/w、約27%w/w、約28%w/w、約29%w/w、約30%w/w、約40%w/w、約50%w/w、約55%w/w、約60%w/w、約65%w/w、約70%w/w、約80%w/w、約1%w/wと約10%w/wとの間、約1%w/wと約5%w/wとの間、約15%w/wと約35%w/wとの間、または、約20%w/wと約30%w/wとの間、の濃度において存在し得る。
【0030】
1つの実施の形態では、荷電した基を含むモノマー(1または複数)が、溶液中に約14%w/wの濃度において含まれ得る。
【0031】
1つの実施の形態では、荷電した基を含むモノマー(1または複数)が、溶液中に約24%w/wの濃度において含まれ得る。
【0032】
1つの実施の形態では、2−アミノエチルメタクリレートが、溶液中に約0.7%w/wの濃度において含まれ得る。
【0033】
1つの実施の形態では、アミノプロピルメタクリルアミドが、溶液中に約0.5%w/wの濃度において含まれ得る。
【0034】
1つの実施の形態では、モノマーは、n−イソプロピルアクリルアミドではない。他の実施の形態では、ここに記載するポリマー粒子は、n−イソプロピルアクリルアミドを含まない。
【0035】
所望する場合には、非荷電の反応性の基を粒子中に導入することができる。例えば、ヒドロキシル基は、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリセロールモノメタクリレート、グリセロールモノアクリレート、ソルビトールモノメタクリレート、ソルビトールモノアクリレート、ソルビトールと類似の重合可能な炭水化物、それらの誘導体またはそれらの組み合わせを加えることで、粒子中に導入することができる。あるいは、非荷電の相対的に非反応性の基を粒子中に導入することもできる。例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、メチルメタクリレート、それらの誘導体またはそれらの組み合わせが、ポリエーテルマクロマーに加えられ得る。ある実施の形態では、モノマー(1または複数)は、臨床用途のための粒子の調製で使用される放射線不透過性造影剤(contrast)溶液中に粒子を懸濁したままにできるように、重合体の粒子中のヒドロキシル基の数を変化させるように選択され得る。
【0036】
このような非荷電の基が含まれている場合、それは、(溶媒、開始剤および塩を含まない)最終粒子中において、約0%w/w、約10%w/w、約20%w/w、約30%w/w、約40%w/w、約50%w/w、約60%w/w、約61%w/w、約62%w/w、約63%w/w、約64%w/w、約65%w/w、約66%w/w、約67%w/w、約68%w/w、約69%w/w、約70%w/w、約71%w/w、約72%w/w、約73%w/w、約74%w/w、約75%w/w、約80%w/w、約90%w/w、約50%w/wと約90%w/wとの間、約60%w/wと約70%w/wとの間、約65%w/wと約70%w/wとの間、または、約67%w/wと約69%w/wとの間、で存在し得る。
【0037】
1つの実施の形態では、非荷電の基は、最終粒子の約68%w/wで存在することができる。
【0038】
1つの実施の形態では、非荷電の基は、グリセロールモノメタクリレートとすることができる。
【0039】
重合可能な複数の基を含む多官能基性架橋剤の添加は、分子構造に架橋が加わることによって、より粘着性のあるハイドロゲルポリマーを作り出すことができる。ある実施の形態では、ポリマー粒子は、限定されないが、グリセロールジメタクリレート、グリセロールジアクリレート、ソルビトールジメタクリレート、ソルビトールアクリレート、ソルビトールと類似の誘導体化炭水化物、それらの誘導体またはそれらの組み合わせ等の、1または複数の多官能基性架橋剤と組み合わせてマクロマーを含んで構成されている。好ましい実施の形態では、多官能基性架橋剤は、N,N’−メチレンビスアクリルアミドである。
【0040】
架橋剤は、使用される場合、粒子を形成するために使用される溶液中において、約0.1%w/w、約0.25%w/w、約0.5%w/w、約0.75%w/w、約1.0%w/w、約1.25%w/w、約1.5%w/w、約1.75%w/w、約2%w/w、約3%w/w、約4%w/w、約5%w/w、約6%w/w、約7%w/w、約10%w/w、約20%w/w、約25%w/w、約30%w/w、約0%w/wと約10%w/wとの間、約0%w/wと約2%w/wとの間、約0.5%w/wと約1.5%w/wとの間、約0.25%w/wと約1.75%w/wとの間、または、約0.1%w/waと約2%w/wとの間、の濃度で存在し得る。
【0041】
1つの実施の形態では、架橋剤は使用されない。
【0042】
1つの実施の形態では、架橋剤は、約1%w/wで存在し得る。
【0043】
1つの実施の形態では、架橋剤は、N,N’−メチレンビスアクリルアミドであり得る。
【0044】
粒子を形成するために使用される溶液中において、任意の量のマクロマー(1または複数)、モノマー(1または複数)および多官能基性架橋剤(1または複数)を使用することができ、所望の粒子を達成し得る。溶液中における反応化合物または固体の総濃度は、約5%w/w、約10%w/w、約11%w/w、約12%w/w、約13%w/w、約14%w/w、約15%w/w、約16%w/w、約17%w/w、約18%w/w、約19%w/w、約20%w/w、約21%w/w、約22%w/w、約23%w/w、約24%w/w、約25%w/w、約30%w/w、約31%w/w、約32%w/w、約33%w/w、約34%w/w、約35%w/w、約36%w/w、約37%w/w、約38%w/w、約39%w/w、40%w/w、約50%w/w、約60%w/w、約70%w/w、約10%と60%との間、約15%w/wと約50%w/wとの間、または、約20%w/wと約40%w/wとの間、とすることができる。
【0045】
1つの実施の形態では、溶液中における反応化合物の総濃度は、約20%w/wであり得る。
【0046】
1つの実施の形態では、溶液中における反応化合物の総濃度は、約41%w/wであり得る。
【0047】
1つの実施の形態では、ポリマー粒子は、単一の官能基を有するモノマーおよび/または重合に適した2以上の官能基を有するマクロマーから調製され得る。官能基は、アクリレート、アクリルアミド、メタクリレートおよびメタクリルアミド等の、フリーラジカル重合に適したものを含み得る。他の重合スキームは、限定されないが、求核剤/N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、求核剤/ハロゲン化物、ビニルスルホン/アクリレートまたはマレイミド/アクリレートを含み得る。モノマーの選択は、生成する粒子の所望する化学的および機械的特性によって決定される。
【0048】
最終的な乾燥(desiccated)粒子生成物中におけるマクロマーの濃度は、約10%w/w、約20%w/w、約21%w/w、約22%w/w、約23%w/w、約24%w/w、約25%w/w、約26%w/w、約27%w/w、約28%w/w、約29%w/w、約30%w/w、約35%w/w、約36%w/w、約37%w/w、約38%w/w、約39%w/w、約40%w/w、約41%w/w、約42%w/w、約43%w/w、約44%w/w、約45%w/w、約50%w/w、約60%w/w、約70%w/w、約80%w/w、約15%w/wと約60%w/wとの間、約20%w/wと約50%w/wとの間、約25%w/wと約45%w/wとの間、約25%w/wと約40%w/wとの間、約35%w/wと約45%w/wとの間、約37%w/wと約43%w/wとの間、約39%w/wと約41%w/wとの間、約25%w/wと約35%w/wとの間、約26%w/wと約30%w/wとの間、または、約27%w/wと約29%w/wとの間、の濃度であり得る。
【0049】
1つの実施の形態では、最終的な乾燥粒子生成物中におけるマクロマー(1または複数)の濃度は、約40%w/wであり得る。
【0050】
1つの実施の形態では、最終的な乾燥粒子生成物中におけるマクロマー(1または複数)の濃度は、約27%w/wであり得る。
【0051】
1つの実施の形態では、ポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミドは、最終的な乾燥粒子生成物中において、約40%w/wで存在する。
【0052】
1つの実施の形態では、ポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミドは、最終的な乾燥粒子生成物中において、約27%w/wで存在する。
【0053】
最終的な乾燥粒子生成物中における架橋剤の濃度は、約0.1%w/w、約0.25%w/w、約0.5%w/w、約0.75%w/w、約1%w/w、約1.25%w/w、約1.5%w/w、約1.75%w/w、約2%w/w、約3%w/w、約4%w/w、約5%w/w、約6%w/w、約7%w/w、約8%w/w、約9%w/w、約10%w/w、約15%w/w、約20%w/w、約25%w/w、約30%w/w、約0%w/wと約5%w/wとの間、約0%w/wと約2%w/wとの間、約0.5%w/wと約1.5%w/wとの間、約0.25%w/wと約1.75%w/wとの間、または、約0.1%w/wと約2%w/wとの間、であり得る。
【0054】
1つの実施の形態では、架橋剤は、最終的な乾燥粒子生成物中において、約1%w/wで存在し得る。
【0055】
1つの実施の形態では、架橋剤は、最終的な乾燥粒子生成物中において、存在し得ない。
【0056】
1つの実施の形態では、架橋剤は、N,N’−メチレンビスアクリルアミドであり得る。
【0057】
最終的な乾燥生成物中における1または複数のモノマーの濃度は、約10%w/w、約15%w/w、約20%w/w、約25%w/w、約30%w/w、約40%w/w、約50%w/w、約55%w/w、約60%w/w、約61%w/w、約62%w/w、約63%w/w、約64%w/w、約65%w/w、約66%w/w、約67%w/w、約68%w/w、約69%w/w、約70%w/w、約71%w/w、約72%w/w、約73%w/w、約74%w/w、約75%w/w、約80%w/w、約50%w/wと80%w/wとの間、約60%w/wと70%w/wとの間、約50%w/wと80%w/wとの間、約50%w/wと75%w/wとの間、約55%w/wと約65%w/wとの間、約57%w/wと63%w/wとの間、約59%w/wと61%w/wとの間、約63%w/wと73%w/wとの間、約65%w/wと71%w/wとの間、または、約67%w/wと69%w/wとの間、であり得る。
【0058】
1つの実施の形態では、最終的な乾燥生成物中における1または複数のモノマーの濃度は、約72%w/wであり得る。
【0059】
1つの実施の形態では、最終的な乾燥生成物中における1または複数のモノマーの濃度は、約60%w/wであり得る。
【0060】
1つの実施の形態では、1または複数のモノマーは、グリセロールモノメタクリレートおよび2−アミノエチルメタクリレートとすることができる。
【0061】
1つの実施の形態では、グリセロールモノメタクリレートは最終的な乾燥生成物の約68%w/wの濃度で存在することができ、2−アミノエチルメタクリレートは最終的な乾燥生成物の約3%w/wの濃度で存在することができる。
【0062】
1つの実施の形態では、1または複数のモノマーは、3−スルホプロピルアクリレートおよびアミノプロピルメタクリルアミドとすることができる。
【0063】
1つの実施の形態では、3−スルホプロピルアクリレートは最終的な乾燥生成物の約59%w/wの濃度で存在することができ、アミノプロピルメタクリレートは最終的な乾燥生成物の約1%w/wの濃度で存在することができる。
【0064】
当業者であれば、既に述べた溶媒中の量に基づく最終的な濃度を計算する方法は理解できる。
【0065】
フリーラジカル重合を用いるマクロマーおよび任意での1または複数のモノマーの重合は、反応を開始させるために、1または複数の開始剤を必要としてもよい。重合溶液は、還元酸化、放射線、熱または当該技術分野で公知である任意の他の方法によって重合化され得る。プレポリマー溶液の放射線重合は、適切な開始剤を用いた紫外光もしくは可視光、または、開始剤無しでの電離放射線(例えば、電子ビームまたはガンマ線)を用いて達成することができる。重合は、ヒーティングウェル等の熱源を用いて溶液を従来的に加熱すること、または、プレポリマー溶液に赤外光を適用することのいずれかによる加熱によって達成され得る。1つの実施の形態では、重合方法は、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)または別の水溶性AIBN誘導体(2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)ジヒドロクロリド)を使用する。本明細書の記載による他の有益な開始剤は、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、過硫酸アンモニウム、過酸化ベンゾイル、および、アゾビスイソブチロニトリルも含めたそれらの組み合わせを含む。
【0066】
別の実施の形態では、開始剤は、それぞれ、約0.25%w/wおよび約2%w/wの濃度における、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンおよび過硫酸アンモニウムの組み合わせとすることができる。別の実施の形態では、開始剤は、約1.5%の過硫酸アンモニウムおよび約0.3%のN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの組み合わせを含む。更に別の実施の形態では、開始剤は、約1.8%の過硫酸アンモニウムおよび約0.2%のN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンの組み合わせを含む。
【0067】
重合溶液は、モノマー(1または複数)、マクロマー(1または複数)、多官能基性架橋剤(1または複数)および任意での開始剤(1または複数)の組み合わせ等の反応物質を溶媒中に溶解することによって調製することができる。粒子塞栓は、乳化重合により調製することができる。モノマー溶媒が水である場合での、典型的に鉱油である、モノマー溶液についての非溶媒は、任意の混入した酸素を除去するために超音波処理される。鉱油は、反応容器に添加される。オーバーヘッド攪拌具が反応容器内に配置される。その後、反応容器を密封し、真空下で脱気して、アルゴン等の不活性ガスでスパージングする。開始剤成分のN,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンを反応容器に添加して、攪拌を開始する。過硫酸アンモニウムが重合溶液に添加され、その後両方を反応容器に添加し、そこで攪拌によって鉱油中の重合溶液の液滴が懸濁される。懸濁液を安定させるために、重合溶液の添加前、添加後または添加の際に、界面活性剤を添加することができる。攪拌速度は粒子の大きさに影響を与えることができ、より速い攪拌ではより小さい粒子を作り出す。攪拌速度は、所望の直径を有する粒子を作るために、約100rpm、約200rpm、約300rpm、約400rpm、約500rpm、約600rpm、約700rpm、約800rpm、約900rpm、約1000rpm、約1100rpm、約1200rpm、約1300rpm、約200rpmと約1200rpmとの間、約400rpmと約1000rpmとの間、遅くとも約100rpm、遅くとも約200rpm、速くとも約250rpm、速くとも約500rpm、速くとも約1000rpm、速くとも約1300rpm、または、速くとも約1200rpm、とすることができる。
【0068】
所望される水和ポリマー粒子の直径は、約10μm、約20μm、約30μm、約40μm、約50μm、約100μm、約200μm、約300μm、約400μm、約500μm、約600μm、約700μm、約800μm、約900μm、約1000μm、約1100μm、約1200μm、約1300μm、約1400μm、約1500μm、約1600μm、約1700μm、約1800μm、約1900μm、約2000μm、約50μmと約1500μmとの間、約100μmと約1000μmとの間、小さくとも約50μm、小さくとも約80μm、約600μm未満、約1000μm未満、約1200μm未満、または、約1500μm未満、とすることができる。1つの実施の形態では、直径は、約1200μm未満である。
【0069】
重合は、所望の直径を持つ粒子を製造するために必要な限り継続させることができる。重合は、約1時間、2時間、2.5時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、18時間、24時間、48時間、72時間、96時間、約1時間と約12時間との間、約1時間と約6時間との間、約4時間と約12時間との間、約6時間と約24時間との間、約12時間と約72時間との間、または、短くとも約6時間、継続させることができる。
【0070】
重合は、所望の直径を持つ粒子を製造するために、ある温度で行われ得る。重合は、約10℃、約15℃、約20℃、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約60℃、約70℃、約80℃、約90℃、約100℃、約10℃と約100℃との間、約10℃と約30℃との間、低くとも約20℃、高くとも約100℃の温度、または、大凡室温で実行することができる。1つの実施の形態では、重合は室温で起こる。
【0071】
重合が完了した後、ポリマー粒子は、任意の溶質、鉱油、未反応のモノマー(1または複数)および/または未結合のオリゴマーを除去するために洗浄され得る。任意の溶媒を使用してもよく、限定されないが、ヘキサン、アセトン、アルコール、水と界面活性剤、水、有機溶媒、生理食塩水およびそれらの組み合わせを含み得る。1つの実施の形態では、洗浄溶液は水である。別の実施の形態では、洗浄溶液はヘキサンとそれに続く水の組み合わせである。別の実施の形態では、洗浄溶液は生理食塩水である。さらなる実施の形態では、洗浄溶液は水と界面活性剤である。
【0072】
ここに記載する粒子は、任意に、薬物(1または複数)および/または活性剤(1または複数)で負荷または被覆され得る。薬物および/または活性剤は、抗増殖化合物、細胞増殖抑制化合物、毒性化合物、抗炎症化合物、化学療法剤、鎮痛剤、抗生物質、プロテアーゼ阻害剤、スタチン、核酸、ポリペプチド、成長因子、並びに、組み換え微生物及びリポソームを含む送達ベクター等を含むが、これらに限定されない。1つの実施の形態では、粒子はドキソルビシンで負荷され得る。別の実施の形態では、粒子はイリノテカンで負荷され得る。更に他の実施の形態では、粒子はイリノテカンおよびドキソルビシンで負荷され得る。
【0073】
薬物および/または活性剤は、移植後粒子から溶出され得る。溶出は、約1時間、約2時間、約5時間、約10時間、約12時間、約18時間、約24時間、約2日、約3日、約4日、約5日、約7日、約2週間、約1ヶ月間、約2ヶ月間、約6ヶ月間、約9ヶ月間、約1年間または約2年間にわたって起こり得る。例えば、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mgまたは約50mgの薬物および/または活性剤が、22時間または24時間の期間において粒子から溶出され得る。
【0074】
マイクロカテーテルへの注入前に可視化するために、任意に、洗浄したポリマー粒子を、重合前、重合の間または重合後に染色することができる。粒子塞栓に共有結合する反応性染料(着色料、色素)の種類から任意の染料を使用することができる。染料は、限定されないが、reactive blue 21、reactive orange 78、reactive yellow 15、reactive blue No.19、reactive blue No.4、C.I.reactive red 11、C.I.reactive yellow 86、C.I.reactive blue 163、C.I.reactive red 180、C.I.reactive black 5、C.I.reactive orange 78、C.I.reactive yellow 15、C.I.reactive blue No.19、C.I.reactive blue 21、または、任意の着色添加物を含むことができる。いくつかの着色添加物は、FDA part 73、subpart Dによって使用が承認されている。他の実施の形態では、粒子塞栓のポリマーマトリクスに不可逆的に結合できる染料を使用してもよい。
【0075】
水中に炭酸ナトリウムと所望の染料とを溶解することにより染浴を作ることができる。粒子塞栓を染浴に加えて、攪拌する。染色工程の後、任意の未結合の染料を洗浄によって除去する。染色および洗浄の後、粒子をバイアルまたはシリンジ中に包装して、滅菌することができる。
【0076】
ここに記載する粒子は、実質的にポリマーが分解されることなく滅菌され得る。滅菌後、ポリマーの少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約99%または少なくとも約100%が、元の(損なわれていない)状態のままであり得る。1つの実施の形態では、滅菌方法は、オートクレーブで処理することができ、投与前に利用することができる。
【0077】
最終的なポリマー粒子調製物は、カテーテル、マイクロカテーテル、針または同様の送達装置を介して、塞栓すべき部位に送達され得る。放射線不透過性造影剤をシリンジ中で粒子調製物と十分に混合して、インターベンショナルイメージング技術によって血流が当該部位から閉塞されたと判定されるまで、カテーテルを介して注入され得る。
【0078】
粒子は、注射後も実質的に安定した状態を保つことができる。例えば、ポリマー粒子は、約5日、約2週、約1ヶ月、約2ヶ月、約6ヶ月、約9ヶ月、約1年、約2年、約5年、約10年または約20年後において、約60%超、約70%超、約80%超、約90%超、約95%超、約99%超または約100%超が、元の(損なわれていない)状態のままであり得る。
【0079】
ここに記載するポリマー粒子は、破損して離れたり、または断片化しないだけの十分な圧縮性を有する上に、更に耐久性を有し得る。実質的には、マイクロカテーテルを介して送達される間に粒子の真円度または直径に変化は起こらないかもしれない。言い換えると、マイクロカテーテルを介して送達された後、ここに記載するポリマー粒子は、元の状態の、約60%超、約70%超、約80%超、約90%超、約95%超、約99%超または約100%超が、元の(損なわれていない)状態のままであり得る。
【0080】
1つの実施の形態では、マイクロカテーテルを介する送達前の粒子は、0.221±0.054mmの平均直径を有することができ、送達後の直径は0.226±0.049mmであり得る。これらの粒子はまた、0.98±0.04の送達前の平均の円の形状(formcircle)を示し、0.98±0.02の送達後の円の形状を示し得る。
【0081】
別の実施の形態では、マイクロカテーテルを介する送達前の粒子は、395±25μmの平均直径を有することができ、送達後の直径は401±30μmであり得る。これらの粒子はまた、0.98±0.01の送達前の平均の円の形状を示し、0.98±0.04の送達後の円の形状を示し得る。
【0082】
更に、粒子は、組織に付着することができ、および/または組織との摩擦によって所定位置に残ることができるだけの、十分な粘着性を有することができる。他の実施の形態では、粒子は、血液の流れおよび圧力によって血管(vessel)中で所定位置に保持される栓(plug)として機能することができる。
【0083】
1つの例示的な実施の形態では、ポリマー粒子は、ポリエーテル、グリセロールモノメタクリレート、ビスアクリルアミドおよびアミノエチルメタクリレートの反応生成物を含み得る。別の例示的な実施の形態では、乾燥ポリマー粒子は、約28%w/wのポリエーテル、約68%w/wのグリセロールモノメタクリレート、約1%w/wのビスアクリルアミドおよび約3%w/wのアミノエチルメタクリレートを含み得る。
【0084】
別の例示的な実施の形態では、乾燥ポリマー粒子は、ポリエーテル、アミノプロピルメタクリルアミドおよびスルホプロピルアクリレートの反応生成物を含み得る。別の実施の形態では、ポリマー粒子は、約40%のポリエーテル、約1%のアミノプロピルメタクリルアミドおよび約59%のスルホプロピルアクリレートを含み得る。
【実施例】
【0085】
実施例1:ポリエーテルマクロマーの調製
ポリエチレングリコール10000(450g)を、トルエン2400mLとの共沸蒸留により乾燥させた。次いで、ジクロロメタン200mL、トリエチルアミン15.6mLおよび塩化メシル10.4mLを添加し、その溶液を4時間攪拌した。溶液を濾過してジエチルエーテル中に生成物を沈殿させ、濾過により回収した。得られた生成物を真空乾燥し、25%水酸化アンモニウム3600mLへ添加して、4日間閉鎖した状態で攪拌し、その後3日間開放した状態で攪拌した。水を除去し、トルエンとの共沸蒸留により生成物を乾燥させた。トルエン中の得られたポリ(エチレングリコール)ジアミンに、トリエチルアミン15.6mLおよび塩化アクリロイル10.9mLを添加し、反応物を4時間攪拌した。得られた溶液を濾過してエーテル中に沈殿させて溶媒を除去すると、PEG10000ジアクリルアミドが得られた。
【0086】
実施例2:ポリエーテルマクロマーおよび複数のモノマーで調製された粒子塞栓
脱イオン水20mL中に、2−アミノエチルメタクリレート0.25g、実施例1のポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミド2.125g、グリセロールモノメタクリレート5.1g、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.07gおよび塩化ナトリウム1.2gを溶解することにより、プレポリマー製剤を調製した。その溶液を清潔な120mLアンバージャー内へ濾過して入れた。脱イオン水2.0g中に過硫酸アンモニウム1.0gを溶解させて、開始剤溶液を作製した。次いで、その過硫酸アンモニウム溶液1.0mLを、濾過したプレポリマー溶液へ添加し、その溶液を2分間真空脱気して、真空をアルゴンで置き換えた。鉱油500mLを1時間超音波処理して、その後、オーバーヘッド攪拌具を具備する密閉反応容器へ加えた。容器を1時間真空脱気して、次いで、真空をアルゴンで置き換えた。その後、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン1mLを反応容器に添加して、200rpmでオーバーヘッド攪拌を開始した。そして、プレポリマー製剤をその反応容器に加えた。1分後、SPAN(登録商標)80(ソルビタンモノオレエート、Croda International Plc、東ヨークシャー、シグマアルドリッチ社LLC,セントルイス,MOから購入)0.1mLを添加して、調製物を少なくとも2時間重合させた。油をデカントして外へ出し、粒子を脱イオン水1000mLと一緒に分液漏斗へ注いだ。底部の水/球体層を回収した。ヘキサン300mLを用いて粒子を数回洗浄した。最終洗浄後、全てのヘキサンをデカントして外へ出し、粒子を新鮮な脱イオン水300mLを用いて数回洗浄し、脱イオン水と一緒に蓋をしたボトル中に保存した。
【0087】
実施例3:ポリエーテルマクロマーで調製された粒子塞栓
脱イオン水30.0g中に、ポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミド15.8gおよび塩化ナトリウム6.0gを溶解することにより、プレポリマー製剤を調製した。次いで、この溶液10.0gを濾過した。脱イオン水2.0g中に過硫酸アンモニウム1.0g溶解させて、開始剤溶液を作製した。その過硫酸アンモニウム溶液(1mL)を、濾過したプレポリマー溶液へ添加し、溶液を2分間真空脱気して、真空をアルゴンで置き換えた。次いで、鉱油500mLを2時間超音波処理して、その後、SPAN(登録商標)80を0.5mL含みオーバーヘッド攪拌具を具備する密閉反応容器へ加えた。容器を1時間真空脱気して、その後真空をアルゴンで置き換えた。次いで、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン1mLを反応容器に添加して、450rpmでオーバーヘッド攪拌を開始した。プレポリマー製剤10gをシリンジで反応容器に添加して、少なくとも8時間重合させた。
【0088】
実施例4:ポリエーテルマクロマーおよびモノマーで調製された粒子塞栓
脱イオン水34.4g中に、実施例1のポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミド9.2g、3−スルホプロピルアクリレートカリウム塩13.8gおよびn−(3−アミノプロピル)メタクリルアミド塩酸塩0.248gを溶解することにより、プレポリマー製剤を調製した。次いで、この溶液を濾過した。脱イオン水2.0g中に過硫酸アンモニウム1.0gを溶解させて、開始剤溶液を作製した。この過硫酸アンモニウム溶液(0.85mL)を濾過したプレポリマー溶液へ添加し、次いで、溶液を2分間真空脱気して、SPAN(登録商標)80を0.14mL含みオーバーヘッド攪拌具を具備する密閉反応容器へ加えた。容器を1時間真空脱気して、その後、真空をアルゴンで置き換えた。N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(2mL)を反応容器に添加して、400rpmでオーバーヘッド攪拌を開始した。プレポリマー製剤をシリンジで反応容器に添加し、少なくとも8時間重合させた。
【0089】
実施例5:粒子塞栓の精製
鉱油を反応容器からデカントし、ポリマー粒子を新鮮なヘキサンで3回洗浄して、鉱油を除去した。その後、粒子を水と一緒に分液漏斗に移して、残留鉱油およびヘキサンから分離した。更に、粒子を脱イオン水で洗浄して、全ての残留反応物が除去された。粒子は最終調製物として0.9%生理食塩水中に包装されたり、または染色され得る。
【0090】
実施例6:粒子塞栓の染色
粒子を染色するために、炭酸ナトリウム50gおよびreactive black 5色素(シグマアルドリッチ社LLC、セントルイス,MO)0.1gを、脱イオン水1000mL中に溶解させた。次いで、水気を切った粒子500mLを添加し、1時間攪拌した。全ての残留染料が除去されるまで、染色された粒子調製物を脱イオン水で洗浄した。その後、粒子は最終調製物として使用するために0.9%生理食塩水中で包装され得る。
【0091】
実施例7:薬物負荷粒子塞栓
実施例4で調製した粒子を100μmから300μmのふるいにかけ、薬物ドキソルビシンで負荷した。4つの1mLの粒子アリコート(aliquot、一定分量)を、溶液中でドキソルビシン37.5mgで負荷した。Agilent 1100 HPLCシステムによって、粒子添加前後での溶液を分析して、溶液から粒子により捕捉(sequester)される薬物の量を判定した。
【0092】
ドキソルビシンでの負荷粒子:ドキソルビシン37.5mgを脱イオン水2mL中に溶解させた。薬物溶液の液滴はLC分析のために保存した。生理食塩水保存液を粒子の1mLバイアルから除去して、薬物溶液を粒子のバイアルに添加した。18時間後、溶液のサンプルを分析して、粒子添加前後の溶液中に存在する薬物のピーク領域を比較することによって、薬物負荷を判定した。
【0093】
実施例4で調製した粒子を、薬物イリノテカンで同様に負荷した。4つの1mLの100から300μmのサイズの粒子アリコートを、クエン酸緩衝溶液中に溶解させたイリノテカン50.0mgで負荷した。粒子添加前後での溶液を分析した。
【0094】
イリノテカンでの負荷粒子:イリノテカン50.0mgをpH4のクエン酸緩衝溶液5mL中に溶解させた。溶液の液滴はLC分析のために保存した。生理食塩水保存溶液を粒子の1mLバイアルから除去して、イリノテカン溶液を添加した。18時間後、溶液のサンプルを分析して、粒子添加前後の溶液中に存在する薬物のピーク領域を比較することによって、薬物負荷を判定した(図1)。
【0095】
実施例8:粒子塞栓の薬物溶出
実施例4で調製した粒子を6つの1mLのサンプルに等分して、実施例7のように薬物で負荷した。18時間のインキュベート後、粒子サンプルから余分な薬物溶液を除去した。サンプルを、Sotax CE7 Smart USP 4溶出装置の溶出チャンバ内へ配置した。生理食塩水の溶出媒体溶液を、種々の時点で取られるサンプルと一緒に37.5℃で22時間流した。Agilent 1100 HPLCシステムによってサンプルを分析し、溶出した薬物のミリグラム量を算出した。結果を図2に示す。
【0096】
実施例9:粒子塞栓の圧縮弾性率
ここに記載するように作製される粒子は、多くの場合、粒子の平均外径よりも小さい内腔を有するカテーテルを介して送達される。それらの公称(nominal)直径の30%まで粒子サンプルを圧縮するのに必要とされる圧縮弾性率を、5Nロードセルを具備したインストロン5543材料試験機器で試験した。サンプルを試験するために、公称サイズが直径800μmである生理食塩水中に保存された球状粒子の約1cmの円形単層を、平坦な底部プラテン上に載置した。余分な生理食塩水は、ラボワイプで慎重に吸い取った。フラットプローブでビースをそのビースの平均直径が30%になるまで圧縮し、ヤング率を記録した。試験は各サンプルについて3から5回繰り返した。
【0097】
実施例2および実施例3の直径公称サイズ800μmの球状粒子の2つのサンプルを、前述したように試験した。その結果を図3に示す。
【0098】
実施例4の公称サイズ800μmの球状粒子の2つの1mLのアリコートを、実施例7のようにイリノテカンおよびドキソルビシンで負荷した。薬物の負荷前後での圧縮性を測定した。結果を図4に示す。
【0099】
実施例10:放射線不透過性造影剤中における粒子の懸濁特性の判定
粒子塞栓は、放射線不透過性造影剤溶液中における送達のために調製され得る。造影剤溶液中に懸濁された粒子の均質な混合物によって、カテーテルを介するビーズの均一な注入が可能となる。粒子塞栓の懸濁特性を試験するために、粒子1mLおよび緩衝生理食塩水2mLを含む10mLシリンジを、3方ストップコックに取り付けた。OMNIPAQUE(登録商標)300(1mL毎にヨウ素300mgとして製剤化されたイオヘキソール、GEヘルスケア、ノルウェー)造影剤3mLを含む別のシリンジを、そのストップコックに取り付けた。造影剤を粒子シリンジの中へ注入して、タイマーを開始させた。造影剤、生理食塩水および粒子を含むシリンジをストップコックから取り外し、シリンジ先端キャップで蓋をした。シリンジを繰り返し反転させて、内容物を混合した。ある時点で混合を停止し、2番目のタイマーを開始させた。粒子がシリンジの3分の2に留まる状態となるのにかかった時間を記録した。反転による混合は測定の間続けられた。
【0100】
公称サイズ800μm直径の実施例2および実施例3の粒子を、上記の方法を用いて試験した。その結果を図5に示す。
【0101】
公称サイズ400μmのドキソルビシンで薬物負荷されている実施例4の粒子を、懸濁特性について試験した。これを行うに当たり、薬物負荷粒子および粒子への薬物負荷のために用いた溶液1mLを10mLシリンジ中に入れた。余分な薬物溶液をシリンジの外に出し、シリンジを3方ストップコックに取り付けた。OMNIPAQUE(登録商標)300造影剤を含む2番目の10mLシリンジを、3方ストップコックに取り付けた。総量で6mLとなるように、粒子を含むシリンジに十分な造影剤溶液を添加して、タイマーを開始させた。造影剤および粒子を含むシリンジをストップコックから取り外し、シリンジ先端キャップで蓋をした。シリンジを繰り返し反転させて、内容物を混合した。ある時点で混合を停止し、2番目のタイマーを開始させた。粒子がシリンジの3分の2に留まる状態となるのにかかった時間を記録した。反転による混合は測定の間続けられた。
【0102】
公称サイズ400μmのイリノテカンで薬物負荷されている実施例4の粒子を、懸濁特性について試験した。これを行うに当たり、薬物負荷粒子および薬物負荷のために用いた溶液1mLを10mLシリンジ中に入れた。余分な薬物溶液はシリンジの外に出し、シリンジを3方ストップコックに取り付けた。脱イオン水を含む2番目の10mLシリンジを3方ストップコックに取り付けて、総量で3mLとなるように、薬物負荷粒子を含むシリンジ中へ水を注入した。水を含むシリンジを取り外し、OMNIPAQUE(登録商標)300造影剤を含むシリンジを3方ストップコックに取り付けた。総量で6mLとなるように、粒子を含むシリンジに十分な造影剤溶液を添加して、タイマーを開始させた。造影剤および粒子を含むシリンジをストップコックから取り外し、シリンジ先端キャップで蓋をした。シリンジを繰り返し反転させて、内容物を混合した。種々の時点で混合を停止し、2番目のタイマーを開始させた。粒子がシリンジの3分の2に留まる状態となるのにかかった時間を記録した。反転による混合は測定の間続けられた。
【0103】
ドキソルビシンおよびイリノテカンで負荷した粒子についての結果を図6に示す。
【0104】
実施例11:カテーテル送達後の粒子塞栓の耐久性の判定
使用をシミュレートするために、実施例3で調製した粒子の1mLのサンプルを、ヘッドウェイ21カテーテル(0.021’’、533μm内腔)を介して注入した。シリンジ中に生理食塩水2mLと一緒に粒子1mLを入れ、それを3方ストップコックに取り付けた。カテーテルと、OMNIPAQUE(登録商標)300造影剤溶液3mLを含むシリンジもまた、3方ストップコックに取り付けた。ストップコックをシリンジ間で開けて、ビーズ、生理食塩水および造影剤を混合した。その後、この粒子調製物を1つのシリンジ中に含ませて、他方のシリンジは取り去り、1mLの注入シリンジをカテーテルと直列にストップコックに取り付けた。粒子をカテーテルを介して皿(dish)の中へ送達させた。Zeiss Axio Imager A1顕微鏡を使用して画像を得て、Zeiss Axiovision画像分析ソフトウェアを用いてその画像を分析した。真円度(円形への近さ)を採点して、スチューデントのt検定を用いた統計解析では、送達前後での球状粒子に差異が無いことが示され、球形は損なわれたものは観察されなかった。
【0105】
送達前の表
【表1】
【0106】
送達後の表
【表2】
【0107】
概要表
【表3】
【0108】
実施例12:送達後の薬物負荷粒子塞栓の耐久性の判定
薬物負荷粒子塞栓の使用をシミュレートするために、実施例4で調製した粒子の1mLのサンプルを、ヘッドウェイ17カテーテル(0.017’’、432μm内腔)を介して注入した。実施例7のようにドキソルビシンで負荷した粒子1mLを脱イオン水2mLと共にシリンジに入れ、それを3方ストップコックに取り付けた。カテーテルと、OMNIPAQUE(登録商標)300放射線不透過性造影剤溶液3mLを含むシリンジもまた、3方ストップコックに取り付けた。ストップコックをシリンジ間で開けて、ビーズ、生理食塩水および造影剤を混合した。その後、この粒子調製物を1つのシリンジ中に含ませて、他方のシリンジは取り去り、1mLの注入シリンジをカテーテルに沿ったストップコックに取り付けた。粒子をカテーテルを介して皿の中へ送達させた。Zeiss Axio Imager A1顕微鏡を使用して画像を得て、Zeiss Axiovision画像分析ソフトウェアを用いてその画像を分析した。真円度(円形への近さ)を採点して、スチューデントのt検定を用いた統計解析では、送達前後での球状粒子に差異が無いことが示され、球形は損なわれたものは観察されなかった。
【0109】
送達前の表
【表4】
【0110】
送達後の表
【表5】
【0111】
概要表
【表6】
【0112】
実施例13:希釈プレポリマー溶液であるマクロマーおよび複数のモノマーを含んで構成されるポリマーマイクロスフィア
脱イオン水40mL中に、2−アミノエチルメタクリレート0.35g、実施例1のポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミド2.98g、グリセロールモノメタクリレート7.16g、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.098gおよび塩化ナトリウム3.0gを溶解することにより、プレポリマー製剤を調製した。その溶液を清潔な120mLアンバージャー内へ濾過した。脱イオン水2.0g中に過硫酸アンモニウム1.0gを溶解させて、開始剤溶液を作製した。その過硫酸アンモニウム溶液1.0mLを、濾過したプレポリマー溶液へ添加し、溶液を2分間真空脱気して、真空をアルゴンで置き換えた。その後、鉱油500mLを1時間超音波処理して、次いでオーバーヘッド攪拌具を具備する密閉反応容器へ加えた。容器を1時間真空脱気して、その後、真空をアルゴンで置き換えた。次いで、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン1mLを反応容器に添加して、200rpmでオーバーヘッド攪拌を開始した。そして、プレポリマー製剤をその反応容器に加えた。1分後、SPAN(登録商標)80を0.1mL添加して、調製物を少なくとも2時間重合させた。油をデカントして外へ出し、粒子を脱イオン水1000mLと一緒に分液漏斗に注いだ。底部の水/球体層を回収した。ヘキサン300mLを用いて粒子を数回洗浄した。最終洗浄後、全てのヘキサンをデカントして外へ出し、粒子を新鮮な脱イオン水300mLを用いて数回洗浄し、脱イオン水と共に蓋をしたボトル中に保存した。
【0113】
実施例14:ポリエーテルマクロマーおよびモノマーで調製された粒子塞栓
脱イオン水35.0g中に、実施例1のポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミド10.0gおよび3−スルホプロピルアクリレートカリウム塩15.0gを溶解することにより、プレポリマー製剤を調製した。次いで、この溶液55gを濾過した。脱イオン水2.0g中に過硫酸アンモニウム1.0gを溶解させて、開始剤溶液を作製した。過硫酸アンモニウム溶液(1mL)を、濾過したプレポリマー溶液へ添加し、その後、溶液を2分間真空脱気して、真空をアルゴンで置き換えた。次いで、鉱油1000mLを2時間超音波処理して、その後、SPAN(登録商標)80を0.5mL含みオーバーヘッド攪拌具を具備する密閉反応容器へ加えた。容器を1時間真空脱気して、その後、真空をアルゴンで置き換えた。N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン(1mL)を反応容器に添加して、450rpmでオーバーヘッド攪拌を開始した。プレポリマー製剤(55g)をシリンジで反応容器に添加して、次いでSPAN(登録商標)80を0.35mL加えた。ビーズは少なくとも8時間重合させた。
【0114】
前述の開示は例示的な実施の形態である。ここに記載された機器、技術および方法は、本開示の実践においてよく機能する代表的な実施の形態を明らかにしているものであることは当業者によって理解されるべきである。しかし、当業者は、本開示に鑑みて、記載された具体的な実施の形態において多くの変形を作ることが可能であり、本発明の精神および範囲から逸脱することなく類似または同様の産物も得ることができることを理解すべきである。
【0115】
別段の指示がない限り、明細書および特許請求の範囲において使用される成分の量、分子量等の性質、反応条件を表現する全ての数字は、全ての場合において「約(about)」の用語によって修飾されるものとして理解されるべきである。従って、逆の指示がない限り、明細書および添付の特許請求の範囲において示される数値パラメータは、本発明により得ようとする所望の特性によって変わり得る近似値である。少なくとも、均等論の適用を特許請求の範囲の範囲に限定しようとする試みとしてではなく、それぞれの数値パラメータは、少なくとも、報告された重要な数字の数を考慮し、通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。本発明の広範な範囲を示す数値範囲およびパラメータが近似値であるにもかかわらず、具体例に示される数値はできるだけ正確に報告される。しかしながら、どんな数値もそれぞれの試験測定で見られる標準偏差に必然的に由来する特定の誤差を本質的に含む。
【0116】
本発明を説明する文脈(特に以下に示す特許請求の範囲の文脈)で使用される「a」、「an」、「the」の用語および類似の指示対象は、ここで別段の指示がない限り、または文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方を包含するものと解釈される。ここでの数値範囲の記載は、その範囲内にある個々の値を別々に指している簡単な方法としての役割を果たすことを目的としているにすぎない。ここで別段の指示がない限り、個々の値は、ここで個々に記載されるかのように、明細書中に組み込まれる。ここに記載される全ての方法は、ここで別段の指示がないか、またはそうでなければ文脈によって明らかに矛盾しない限り、適切な任意の順番で行うことができる。あらゆる全ての実施例、またはここに提供される例示的な文言(例えば「such as」)の使用は、本発明を十分に説明することだけを目的とするものであり、他の形で請求される本発明の範囲に限定を課すものではない。明細書中の用語は、本発明の実践に必須の任意の請求されていない要素を示すものと解釈されるべきではない。
【0117】
本開示では代替物のみと「および/または(and/or)」とを示す定義がサポートされているが、特許請求の範囲における「または(or)」の使用は、明示的に代替物のみを示していたり、または代替物が相互排他的でない限り、「および/または(and/or)」を意味するように使用される。
【0118】
ここに記載される本発明の代替の要素または実施の形態のグループ化は限定されるものとして解釈されない。各グループのメンバーは、個々において、または当該グループの他のメンバーもしくはここで見られる他の要素との任意の組み合わせにおいて示してもよく、特許請求の範囲としてもよい。グループの1または複数のメンバーを、利便性および/または特許性の理由でグループに含めてもよいし、グループから削除してもよいことは認識され得ることである。このような包含または削除が起こる場合、明細書は、修正されたグループを包含するものとみなされ、従って、添付の特許請求の範囲において使用される全てのマーカッシュグループの記載を満たす。
【0119】
本発明の好ましい実施の形態は、本発明者が知っている本発明を行うための最良の形態を含めてここに記載される。当然、これらの好ましい実施の形態の変形は、前述の記載を読むことで、当業者にとって明らかになるだろう。本発明者は当業者が適切にこのような変形を用いることを予測しており、本発明者は本発明についてここに具体的に記載される以外の方法で実践される発明についても意図している。従って、本発明は適用法で認められるように、ここに添付された特許請求の範囲に記載される主題の全ての変形および同等物を含む。更に、その全ての可能な変形における上述の要素の任意の組み合わせが、ここで別段の指示がないか、またはそうでなければ文脈によって明らかに矛盾しない限り、本発明によって包含される。
【0120】
ここに記載される具体的な実施の形態は、特許請求の範囲において、「〜からなる」または「本質的に〜からなる」との用語を使用することで、更に限定してもよい。特許請求の範囲で使用された場合、補正毎での作成または追加で、「〜からなる」との移行用語は、特許請求の範囲において特定されていない、任意の要素、工程または成分を除外する。「本質的に〜からなる」との移行用語は、特定された材料または工程について請求項の範囲を限定するが、それは基本的なものおよび新規特徴(1または複数)に実質的に影響を与えないものである。そのように請求項での本発明の実施の形態は、本質的または明示的にここに記載されており、対応している。
【0121】
更に、ここに開示される本発明の実施の形態は本発明の原則を例示していると理解されるべきである。採用できる他の変更は本発明の範囲内にある。そのため、例として、限定されることはないが、本発明の代わりの構成をここでの教示に従って利用してもよい。従って、本発明は、正確に示され記載されているものに限定されない。
【0122】
(関連する出願)
本出願は、2013年11月8日に提出された米国仮特許出願第61/902020号の利益を主張しており、その全体の記載は参照によりここに組み込まれる。
【0123】
(付記)
(付記1)
約15%w/wと約50%w/wとの間の濃度における、少なくとも1つの誘導体化ポリ(エチレングリコール)マクロマー、少なくとも1つの誘導体化ポリ(プロピレングリコール)マクロマー、少なくとも1つの誘導体化ポリ(テトラメチレンオキシド)マクロマー、または、それらの組み合わせ、および、
n−イソプロピルアクリルアミドではない少なくとも1つのモノマー、を含む、
ポリマー粒子。
【0124】
(付記2)
前記ポリマー粒子は、約40μmと約1200μmとの間の直径を有する、付記1に記載のポリマー粒子。
【0125】
(付記3)
少なくとも1つのモノマーを更に含む、付記1に記載のポリマー粒子。
【0126】
(付記4)
前記少なくとも1つのモノマーは、官能基を含み、
前記官能基は、アクリレート、アクリルアミド、メタクリレート、または、メタクリルアミドである、付記3に記載のポリマー粒子。
【0127】
(付記5)
前記少なくとも1つのモノマーは、グリセロールモノメタクリレート、アミノエチルメタクリレート、3−スルホプロピルアクリレート、アミノプロピルメタクリルアミド、または、それらの組み合わせである、付記3に記載のポリマー粒子。
【0128】
(付記6)
前記少なくとも1つのモノマーは、約68%w/wの濃度における、グリセロールモノメタクリレートである、付記5に記載のポリマー粒子。
【0129】
(付記7)
前記少なくとも1つのモノマーは、約59%w/wの濃度における、3−スルホプロピルアクリレートである、付記5に記載のポリマー粒子。
【0130】
(付記8)
前記少なくとも1つのモノマーは、約1%w/wの濃度における、アミノプロピルメタクリルアミドである、付記5に記載のポリマー粒子。
【0131】
(付記9)
前記少なくとも1つのモノマーは、約3%w/wの濃度における、アミノエチルメタクリレートである、付記5に記載のポリマー粒子。
【0132】
(付記10)
前記少なくとも1つの誘導体化ポリ(エチレングリコール)マクロマーは、ポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリルアミド、または、それらの組み合わせである、付記1に記載のポリマー粒子。
【0133】
(付記11)
前記少なくとも1つの誘導体化ポリ(エチレングリコール)マクロマーは、ポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミド10000である、付記6に記載のポリマー粒子。
【0134】
(付記12)
少なくとも1つの誘導体化ポリエーテルマクロマーを含む水性プレポリマー溶液と開始剤とを油中において反応させてポリマー粒子を形成させること、を含み、
前記ポリマー粒子は、約1200μm未満の直径を有する、
ポリマー粒子を製造する方法。
【0135】
(付記13)
前記油は、鉱油である、付記12に記載の方法。
【0136】
(付記14)
前記開始剤は、過硫酸アンモニウム、テトラメチルエチレンジアミン、または、それらの組み合わせである、付記12に記載の方法。
【0137】
(付記15)
前記ポリマー粒子は、約40μmと約1200μmとの間の直径を有する、付記12に記載の方法。
【0138】
(付記16)
前記少なくとも1つの誘導体化ポリエーテルマクロマーは、ポリ(エチレングリコール)の誘導体、ポリ(プロピレングリコール)の誘導体、ポリ(テトラメチレンオキシド)の誘導体、または、それらの組み合わせである、付記12に記載の方法。
【0139】
(付記17)
前記少なくとも1つの誘導体化ポリエーテルマクロマーは、ポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミド、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)ジメタクリルアミド、または、それらの組み合わせである、付記16に記載の方法。
【0140】
(付記18)
前記少なくとも1つの誘導体化ポリエーテルマクロマーは、ポリ(エチレングリコール)ジアクリルアミド10000である、付記16に記載の方法。
【0141】
(付記19)
少なくとも1つのモノマーを含ませることを更に含む、付記12に記載の方法。
【0142】
(付記20)
前記少なくとも1つのモノマーは、グリセロールモノメタクリレート、アミノエチルメタクリレート、3−スルホプロピルアクリレート、アミノプロピルメタクリルアミド、または、それらの組み合わせである、付記19に記載の方法。
【0143】
(付記21)
前記モノマーは、n−イソプロピルアクリルアミドではない、付記19に記載の方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】