特表2016-538481(P2016-538481A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2016-538481管路における送出しにくい物質の供給及び送出のためのシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-538481(P2016-538481A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】管路における送出しにくい物質の供給及び送出のためのシステム
(51)【国際特許分類】
   F04B 23/02 20060101AFI20161111BHJP
   F04B 23/04 20060101ALI20161111BHJP
【FI】
   F04B23/02 Z
   F04B23/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-552400(P2016-552400)
(86)(22)【出願日】2014年10月29日
(85)【翻訳文提出日】2016年6月27日
(86)【国際出願番号】NO2014050203
(87)【国際公開番号】WO2015065198
(87)【国際公開日】20150507
(31)【優先権主張番号】20131429
(32)【優先日】2013年10月29日
(33)【優先権主張国】NO
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516128740
【氏名又は名称】サームテック・ホールディングス・アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ステイン・ヒッレ・モンセン
(72)【発明者】
【氏名】エリック・ミケルセン
【テーマコード(参考)】
3H071
【Fターム(参考)】
3H071AA15
3H071BB01
3H071BB13
3H071CC43
3H071CC47
3H071DD13
3H071DD72
(57)【要約】
管路(28)における送出しにくい物質の供給及び送出のためのシステムが開示され、そのシステムは、管路(28)への前記送出しにくい物質の供給のための少なくとも1つの主ポンプ(10)と、送出しにくい物質を管路(28)から受け入れるための受入ユニット(50)とを備え、1つ又は複数の独立した被駆動補償器(40)が、安定した流れを維持するために管路(28)に含まれ、前記1つ又は複数の補償器(40)は、管路を通じた物質の追加的な供給のために制御可能に加圧されるように適合されている充填可能室(14;70)である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管路(28)における送出しにくい物質の供給及び送出のためのシステムであって、
前記管路(28)への前記送出しにくい物質の供給のための少なくとも1つの主ポンプ(10)と、
前記送出しにくい物質を前記管路(28)から受け入れるための受入ユニット(50)と
を備えている前記システムにおいて、
1つ又は複数の独立した被駆動補償器(40)が、安定した流れを維持するために前記管路(28)に含まれ、前記1つ又は複数の被駆動補償器(40)が、前記管路を通じた前記物質の追加的な供給のために制御可能に加圧されるように適合されている充填可能室(14;70)であるシステム。
【請求項2】
制御システム(60)が前記被駆動補償器(40)に連結され、前記被駆動補償器(40)が、運転中、前記管路(28)における前記物質の位置、速度、及び圧力に基づいて機能を発生するように、並びに、前記被駆動補償器(40)へと動作信号(A、A…A)を発生して流量を増加、低下、又は維持するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御システム(60)が、前記機能を決定するために、前記主ポンプ(10)及び前記受入ユニット(50)から信号を受信する、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記被駆動補償器(40)の前記充填可能室(14)が、前記充填可能室への前記物質の投入のための入口開口と、前記管路(28)への前記物質の出口のための出口開口部と、制御システム(60)からの動作信号に依存して、前記充填可能室における前記出口開口部(24)を制御可能に閉じるか又は開けるために構成されている弁(22)とを持つ充填室である、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
出口開口部(24)からの前記物質の供給のための、ピストンロッド(20)に連結される内部ピストン(18)が、前記充填可能室(14)に搭載され、前記ピストンロッド(20)が、前記内部ピストン(18)及び前記ピストンロッド(20)の運転のために駆動手段に連結され、前記駆動手段が、制御システム(60)からの動作信号に依存して制御される、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記被駆動補償器(40)の前記充填可能室(70)が、前記管路(28)から前記充填可能室への物質の受け入れのための開いた開口(78)と、前記開口(78)を通じて前記管路(28)へと物質を供給するように構成されているバネ付勢ピストン(74)とを持つ充填室である、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記被駆動補償器(40)の前記充填可能室又は複数の前記充填可能室(14;70)が、流量が大きいときに物質を前記管路(28)から受け入れ、流量が小さいときに物質を前記管路(28)へと供給する、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
2つ以上の前記充填可能室(14)が協働の構成で配置され、各々の前記充填可能室(14)が、前記管路(28)における前記送出しにくい物質の安定した流れを確保するために、独立した順序で運転するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
各々の前記充填可能室(14)が、前記物質を加圧するためのピストン(18)を備え、前記ピストンの前方又は後方への移動が、前記制御システム(60)によって独立して制御され、前記制御システムが、
第2の室の前記ピストンが静止して保持される一方で、第1の室の前記ピストンを前記充填可能室で前方に移動し、
前記第1の室の前記ピストンが減速していくとき、前記第2の室の前記ピストンの移動を開始し、かつ
前記第1の室の前記ピストンが後方に移動していく一方で、前記第2の室の前記ピストンを前記充填可能室で前方に移動する
ように運転可能である、請求項4又は5に記載のシステム。
【請求項10】
前記制御システム(60)が第3の室を制御するように運転可能であり、前記第3の室におけるピストンの行程が、前記第1の室及び前記第2の室の前記ピストンの前記行程と重なる、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記被駆動補償器が、前記管路(28)に一体にされる、及び/又は、前記管路に備え付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記充填可能室(14)が、室壁(14a)の内側を洗浄するために、加圧されたガスを供給する洗浄システム(30)を備えている、又は、前記洗浄システム(30)に連結される、請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
加圧されたガスを供給する前記洗浄システム(30)が、必要なときに、又は、前記充填可能室(14)における行程もしくはピストン負荷に基づいて作動される、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記主ポンプ(10)が、請求項4、5、8、9、及び10のうちの1つ又は複数による充填室(14)を備えている、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記システムが、前記管路(28)の内側の潤滑のための潤滑構成(90)を備え、前記潤滑構成(90)が、前記被駆動補償器(40)から潤滑油を受け入れるように、及び、制御システム(60)からの入力に基づいて、又は、所定の間隔で、前記管路(28)の壁における開口部(92)を通じて潤滑油を提供するように適合されている、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安定した流量を確保するために、管路における送出しにくい物質の供給及び送出のためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の主な目的のうちの1つは、「送出しにくい物質」(例えば、乾燥した物質、粘着性の物質、高粘度の物質など)を、管路において安定した流れで送出できるシステムを提供することである。
【0003】
従来のピストンポンプは、粘着性の物質又は乾燥した物質などの物質を搬送するとき、高い粘度又は低い流動性のため、不可能である、又は、効率が低い。これらのポンプは、ピストンのうちの1つが行程の方向を変えるときに起こる「ポンプブレーキ」のため、安定した流れを発生しない。
【0004】
連続的で一定の供給の流量が必要とされるとき、利用可能なポンプ(明確には、ピストンポンプ)は、状況によりこのような特徴を失ってしまう。流量の非連続性/非一様性は、シリンダが切り替わるときのダブルピストンポンプにおける行程の変化のためである可能性がある。別の言い方をすれば、第1のピストンが第1のシリンダの端に到達するとき、第1のピストンは後退しなければならず、ポンプの出口は第1のシリンダから第2のシリンダへと切り替わり、第2のピストンが前方への移動を開始しなければならない。シリンダを切り替え、ピストンが移動する方向を変化させるこの瞬間に、流量が一瞬の間なくなり、流量が低下する。企業は、切替時間をできるだけ短くすることで、この時間をできるだけ小さくしようとしている。
【0005】
流量の非連続性/非一様性は、配管の目詰まりのためである可能性もある。送出される物質が送り出すのが通常難しいため、運転は、供給配管(圧力がポンプによって作り出される配管)の目詰まりに直面する。目詰まりの場合、流量は低下する。
【0006】
本発明によるシステムは、搬送を解決でき、必要な場合、このような送出しにくい物質の流れの安定性の問題を解決できる。
【0007】
本出願で開示されるような供給システムでは、送出しにくい物質のための充填機構が、室を充填するために重力(重量)を用いることによるものであり得る。物質は開口を通じてポンプ室へと入ることができ、その後、ピストンがその搬送/移動を開始する前に、その室が閉じられる(例えば、回転又は他の閉止機構によって)。充填機構は、室が十分かつ同時に充填されるのを確保するために、傾斜された壁、又は、加圧されたガス/液体、振動などの任意の外部力などの外部機構によって、補助されてもよい。
【0008】
送出しにくい物質の出口は、室を閉じる/開くために、弁、例えばゲート弁/遮断弁を使うことで制御できる。「S管」が、このような目的のために通常使用される。
【0009】
仕切弁とも称されるゲート弁は、流れを調節するために開いたり閉じたりする弁である。ゲート弁は、通常、すべり扉ともよく呼ばれる矩形又は丸形のゲート又は楔を、流れが通るのを許容する経路から持ち上げることで開かれる。
【0010】
弁は、ゲート弁、玉形弁、ボール弁、バタフライ弁など、直動弁又は回転弁とできる。
【0011】
幾つかの室がポンプで使用される場合、各々の室は、独立した順序で運転され得る。順序は、供給、引き戻し、及び充填の機能が安定した送出を確保するために最適化されるような方法で設定され得る。好ましくは、ピストンは、室において異なる方向に別々に移動している。しかしながら、それらピストンが同じ方向に移動することも可能である。古い設計における最も大きい流量変化は、ピストンが切り替わるときに起こっている(これは、ポンプブレーキと呼ばれる)。記載されているシステムでは、このブレーキは決して起こらない。行程の一部では、両方のピストンが同じ方向に移動でき、それらピストンのうちの一方が前にいる。前ピストンが方向を切り替えるとき(後退するとき)、他方のピストンはなおも前進している。そのため、ブレーキが発生しない。非常に正確な流量が必要とされる場合、行程の端に近い第1のピストンを減速させ、他方のピストンを加速させることが可能である。3つ以上の室を用いることで、より安定した流量の助けになることもできる。
【0012】
室は、管路への送出しにくい物質の供給のためのピストンを備え得る。各々のピストンの移動及び速度は、独立して制御できる。これによって、流れにおけるいかなる干渉も回避するために、ピストンを任意の所与の速度で同じ方向又は異なる方向(例えば、前方及び後方)に移動させることが可能になる。ピストンの制御は、簡単なものについては単純な機械的なスイッチによって、又はより高性能な設計についてはPLCによって実施でき、また、制御システムによって制御できる。
【0013】
一部の物質について起こり得る流れにおけるいかなる干渉も回避するために、本発明による1つ又は複数の補償器が、流量の低下を補償するために送出配管に加えられ得る。これらの追加の補償器は、主ポンプの一体にされた部品とできる、又は、送出配管のいずれの場所においても独立したアーマチャとして使用できる。この追加の送出機能は、流れの不安定性を解決するために、すべての従来のピストンポンプと組み合わせて使用できる。
【0014】
補償が必要とされるとき、追加の補償器におけるピストンが移動を開始し、一定の流れを維持するために必要に応じて動き続ける。
【0015】
補償の制御は、簡単なものについては単純な機械的なスイッチによって、又は、より高性能な設計についてはPLCによって実施でき、また、制御システムによって制御できる。
【0016】
非常に粘着性のある物質については、ガス配管(例えば、窒素又は空気による)のある自己洗浄システムが、すべての種類の堆積物及び/又は定着物質を除去するために使用されてもよい。このガス配管は、室の内壁を洗浄するために加圧ガスを用いることで、これらの物質を放出及び/又は非定着させるだけの圧力を供給している。自己洗浄システムの制御及び作動は、行程もしくはピストン負荷によるものとできる、又は、制御システムによるものとできる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従って、上記によるシステムを提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0018】
前記目的及び他の目的は、管路における送出しにくい物質の供給及び送出のためのシステムであって、管路への前記送出しにくい物質の供給のための少なくとも1つの主ポンプと、送出しにくい物質を管路から受け入れるための受入ユニットとを備え、1つ又は複数の独立した被駆動補償器が、安定した流れを維持するために管路に含まれ、前記1つ又は複数の補償器が、管路を通じた物質の追加的な供給のために制御可能に加圧されるように適合されている充填可能室であるシステムで達成される。
【0019】
代替の実施形態が、従属請求項において開示されている。
【0020】
制御システムは、好ましくは、前記補償器に連結され、運転中、管路における物質の位置、速度、及び圧力に基づいて機能を発生するように、並びに、補償器へと動作信号を発生して流量を増加、低下、又は維持するように、構成される。
【0021】
制御システムは、前記機能を決定するために、主ポンプ及び受入ユニットから信号を受信する。
【0022】
補償器の室は、室への物質の投入のための入口開口と、管路への物質の出口のための出口開口部と、制御システムからの動作信号に依存して、室における開口部を制御可能に閉じるか開けるために構成されている弁とを持つ充填室であり得る。
【0023】
充填室に、出口開口部からの物質の供給のための、ピストンロッドに連結される内部ピストンが搭載でき、その場合、ピストンロッドは、ピストン及びピストンロッドの運転のために駆動手段に連結され、前記駆動手段が、制御システムからの動作信号に依存して制御される。
【0024】
補償器の室は、管路から室への物質の受け入れのための開いた開口と、前記開口を通じて管路へと物質を供給するように構成されているバネ付勢ピストンとを持つ充填室であり得る。
【0025】
補償器の1つ又は複数の室は、流量が大きいときに物質を管路から受け入れでき、流量が小さいときに物質を管路へと供給できる。
【0026】
2つ以上の室が協働の構成で配置でき、その場合、各々の室は、管路における送出しにくい物質の安定した流れを確保するために、独立した順序で運転するように構成されている。
【0027】
各々の室は、物質を加圧するためのピストンを備えてもよく、その場合、ピストンの前方又は後方への移動が、制御システムによって独立して制御され、前記制御システムは、第2の室のピストンが静止して保持される一方で、第1の室のピストンを室で前方に移動し、第1の室のピストンが減速していくとき、第2の室のピストンの移動を開始し、第1の室のピストンが後方に移動していく一方で、第2の室のピストンを室で前方に移動するように運転可能である。
【0028】
制御システムは第3の室を制御するように運転可能であってもよく、その場合、第3の室におけるピストンの行程が、第1の室及び第2の室のピストンの行程と重なる。
【0029】
本発明による補償器は、好ましくは、管路に一体にされる、及び/又は、管路に備え付けられる。
【0030】
室は、代替で、室壁の内側を洗浄するために、加圧されたガスを供給する洗浄システムを備えてもよい、又は、その洗浄システムに連結されてもよい。
【0031】
加圧されたガスを供給する洗浄システムは、必要なときに、又は、室における行程もしくはピストン負荷に基づいて作動される。
【0032】
システムにおける主ポンプは、先に開示された室による1つ又は複数の充填室を備えてもよい。
【0033】
システムは、管路の内側の潤滑のための潤滑構成も備え、前記潤滑構成は、補償器から潤滑油を受け入れるように、及び、制御システムからの入力に基づいて、又は、所定の間隔で、管路の壁における開口部を通じて潤滑油を提供するように適合されている。
【0034】
ここで、本発明の例を、添付の図の助けを借りてより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1】本発明によるシステムの図である。
図2】本発明によるシステムにおいて実施される制御システムを示す図である。
図3】本発明によるシステムで実施され得る供給構成を示す図である。
図4】供給構成における補償器/充填室の斜視図である。
図5】充填室におけるピストン移動の行程及び速度の線図である。
図6】充填室におけるピストン移動の行程及び速度の線図である。
図7】本発明によるシステムに含まれ得るバネ/自己調節の補償器を示す図である。
図8】本発明によるシステムに含まれ得るバネ/自己調節の補償器を示す図である。
図9】本発明によるシステムにおいて実施される洗浄システムを示す図である。
図10】本発明によるシステムに含まれ得る、管路における物質の潤滑のための手段を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、本発明によるシステムの基本的な概観を示しており、管路28への送出しにくい物質の送出及び供給のための主ポンプ10を備え、前記送出しにくい物質は、物質の任意の種類のさらなる処理及び取り扱いのための受入ユニット又は受入システム50へと供給される。管路28には、又は、管路に連結されて、幾つかの補償器40が、一部の物質について起こり得る流れにおけるいかなる干渉も回避して、流量の低下を補償するために連結できる。補償器40は、主ポンプ10から入力信号Iを受信し、受入システム50から出力信号Oを受信する。
【0037】
図2は、補償器40の制御、及び、おそらくは主ポンプ10の制御のための、本発明によるシステムにおいて実施される制御システム60の概観を示している。管路28における物質の位置、速度、及び圧力に基づいて、補償器40は、制御システム60で受信される信号に基づいて管路28における流量を増加、低下、又は維持するように、始動されることになる。前記信号は、例えば主ポンプ又は受入システムから来るが、管路28内の計測器から来てもよい。
【0038】
次に、制御システム60における論理装置62が、信号に基づいて、管路における物質の前記位置、速度、及び圧力に基づく機能を発生することになり、流量を増加、低下、又は維持するために、補償器40へと動作信号A、A…Aを発生する。フィードバック信号Fが、取られる動作に依存して、制御システム60へと送り戻される。
【0039】
図1及び図2では、次のようになっている。
I− 入力信号
O− 出力信号
A− 動作信号
F− フィードバック信号
【0040】
図3で見られるように、例として、送出しにくい物質のための主ポンプ10は、送出しにくい物質の受け入れのための容器12を備え得る。しかしながら、任意の種類の主ポンプが使用できることは、留意されるべきである。容器12は、開放した入れ物又はバスケットの形態であってよく、容器及び/又は充填室14の充填を容易にするために、傾斜した壁又は他の手段を備えてもよい。容器12の下方部には、1つ又は複数の充填室14が配置されている。充填室14は基部26に配置でき、容器は基部に置くことができる。
【0041】
容器12は、任意の方法で送出しにくい物質で満たすことができ、物質は、重力によって、つまり、それ自体の重量によって、充填室14へと流れることができる、及び/又は、振動、加圧などの外部手段によって支援することができる。
【0042】
図に示されるように、充填室14は、内部ピストン18を持つ長手方向の中空のシリンダを備えており、内部ピストン18は、室における物質を加圧するために、シリンダ室において前方及び後方に移動できる。ピストン18はピストンロッド20に連結され、このピストンロッドは、任意の適切な駆動手段に連結される。充填室14は、室への送出しにくい物質の受け入れるための入口開口16と、管路28への物質の供給のための出口開口又は開口部24とをさらに備えている。入口開口16には、充填室が充填されているときに、又は、充填室が所定の度合いまで充填されたときに閉じる閉止機構(詳細には図示されていない)が搭載されている。室14は、シリンダの回転によって閉じられてもよい。
【0043】
出口開口部24は、開口部を閉めたり開けたりするための弁22を備えてもよい。弁22は、例えば、ゲート弁又は遮断弁といった、閉止可能又は開放可能な任意の形態の弁であり得る。弁22が開いているとき、充填室14は閉じた供給状態になっており、従って、ピストン18の移動によって、開口部24を通じた管路への材料の排出を可能にする。弁22が閉じられるとき、入口開口16が開いている状態で充填室14は開いた充填状態になっており、従って、管路への物質の供給を遮断する。
【0044】
2つ以上の充填室14が、管路への材料の協働の供給のために使用されてもよい。しかしながら、1つだけの室が特定の状況で使用されてもよいことは留意されるべきである。2つの室14は、図5に示すように、独立した順序で運転され得る。同じことは、図6に示されている3つの室についても当てはまる。順序は、使用される室の数、管路の特性、及び、送出しにくい物質の特性、又は、任意の他の重要な要因に依存して、供給、引き戻し、及び充填の機能が安定した送出を確保するために最適化されるような方法で設定され得る。利用可能なポンプと比較される主な特徴は、すべての室が独立して制御されることである。
【0045】
システムは、室の制御のための制御装置(図示せず)をさらに備えており、制御は、簡単で単純なシステムについては単純な機械的なスイッチによって、又は、より高性能な設計についてはPLCによって実施できる。プログラマブル論理制御装置、PLC、又はプログラマブル制御装置は、電気機械的な過程の自動化のために使用されるデジタルコンピュータである。制御装置は、制御システム60に好ましくは連結される。
【0046】
図5は、2つの室を持つ速度線図の例を示しており(負の速度は後方への移動を意味する)、安定した流れが必要とされるときの2つの室ポンプについてのものである。線図の開始において、第1のピストン1が、物質の供給のために、第1の室で前方に移動しており、一方、第2の室の第2のピストン2は、例えば第2の室を充填するために、静止したままとなっている。第1のピストン1が行程の終わりに近付いているとき、第2のピストン2がその前方への移動を開始する。第1のピストン1が後方に移動しているとき、第2のピストン2は、通常の速度で前方に移動している。そして、ピストン行程が繰り返される。ピストンが、図に示されている以外の順序又は行程で駆動されてもよく、また、部分的に互いと重なってもよいことは、留意されるべきである。
【0047】
図6では、3つの室14を用いて、別の順序が示されている。ピストン1及び2は、基本的に、第1のピストン1がその後方の移動を開始した後に第2のピストン2が動き出すことを除いて、前述のように移動する。ピストン1及び2の行程の間が重なるとき、第3の室の第3のピストン3が駆動され、通常の速度で前方に移動し、従って、管路への材料のより良い供給と連続的な流れとをさらに確保できる。
【0048】
本発明によれば、システムは、管路28に、つまり、主ポンプ10と受入ユニット50との間で管路28に設置された1つもしくは幾つかの補償器40、又は、主ポンプ10と協働する1つもしくは幾つかの補償器40を備えている。補償器は、配管28における一定で安定した流れを保証及び維持することになる。補償器40は、前述の充填室14と同様に設計、運転、及び制御され得る。補償器40の1つ又は複数の室14は、例えば流量が大きいとき、物質を管路から受け入れでき、流量が小さいときに物質を管路28へと供給でき、従って、安定した流量を維持できる。しかしながら、流量が急激に低下する場合に、補償器が必要以上の物質を管路へと供給する準備ができているように、管路28を通じた物質の供給の間に補償器40の室を徐々に充填しておくことも可能であり得る。物質は、室での送出しにくい物質の受け入れのために、入口開口16、又は、適切な別の開口へと供給でき、制御システム60からの動作信号に基づいて、管路28への物質の供給のために、出口開口又は開口部24を通じて排出できる。入口開口16には、同じ手法で、充填室が充填されているときに、又は、充填室が所定の度合いまで充填されたときに閉じる閉止機構が搭載されてもよい。
【0049】
図7及び図8は、先に開示したのと同じ機能を持つ、補償器40のための異なる代替の充填室70を示している。充填室70は、同様の手法で、内部ピストン74を持つ筐体72を、例えば長手方向の中空のシリンダの形態で備えており、内部ピストン74は、シリンダ室において後方及び前方に移動できる。ピストン74はピストンロッド80に連結され、ピストンロッドは、任意の適切な駆動手段に連結され得る。充填室70は、室への送出しにくい物質の受け入れのための開いた入口開口78をさらに備え、前記入口開口は、管路28へと物質を戻す供給のための出口開口としても機能する。補償器の充填室70は、ピストン74の前方及び後方の動作が例えばバネ76によって調節される点において、安定した流量を維持するために、いくらか自己調節可能とできる。流量が大きいとき、管路28における物質からの圧力は、ピストン74に作用するバネ力より大きくなり、従って、ピストンを後方へと押し、筐体72を充填する。流量が小さいとき、バネ力が管路28における物質からの圧力より大きくなり、従って、ピストンを前方へと押し、物質を管路へと供給し、安定した流量を維持する。ピストン74の移動は、矢印によって指示されている。制御システム60は、先に開示されているように、ピストンロッド80のさらなる制御のための駆動手段に連結され得る。
【0050】
本発明によるシステムは、図9に概略的に示されているような自己洗浄システム30をさらに備えてもよく、その場合、室14、室70、又は管路28は、室壁又は配管の内部を洗浄するために、加圧されたガスを供給する装置36を備えている、又は、そのような装置に連結される。加圧されたガスは、すべての種類の堆積物/ブリッジ及び/又は定着物質34を除去するために、壁における小さい開口部32又は弁によって、室内部壁14aの内部へと供給できる。ガス配管は、それらの物質を放出及び/又は非定着させるだけの圧力を供給している。加圧されたガスを供給する洗浄システムは、必要なときに、又は、室14、70における行程もしくはピストン負荷に基づいて通常作動される。室14、70における行程もしくはピストン負荷に基づく場合、洗浄システムは、PLC制御でき、制御システム60へと接続できる。
【0051】
図10に示すように、システムは、管路28の内部の潤滑のための潤滑構成90も備え得る。補償器40は、制御システム60から入力に基づいて、又は、所定の間隔で、管路28における好ましい小さい開口部92を通じて潤滑油を提供するように適合できる。
【符号の説明】
【0052】
1 第1のピストン
2 第2のピストン
3 第3のピストン
10 主ポンプ
12 容器
14 充填室
14a 室内部壁
16 入口開口
18 内部ピストン
20 ピストンロッド
22 弁
24 出口開口、開口部
28 管路
30 自己洗浄システム
32 開口部
40 補償器
50 受入ユニット、受入システム
60 制御システム
70 充填室
72 筐体
74 内部ピストン
78 入口開口
80 ピストンロッド
90 潤滑構成
92 開口部
F フィードバック信号
I 入力信号
O 出力信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【国際調査報告】