特表2016-538525(P2016-538525A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-538525(P2016-538525A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】材料の処理方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   F27D 15/00 20060101AFI20161111BHJP
   C22B 7/04 20060101ALI20161111BHJP
【FI】
   F27D15/00 A
   C22B7/04 A
   C22B7/04 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-548442(P2016-548442)
(86)(22)【出願日】2014年10月20日
(85)【翻訳文提出日】2016年6月17日
(86)【国際出願番号】GB2014053129
(87)【国際公開番号】WO2015056033
(87)【国際公開日】20150423
(31)【優先権主張番号】1318468.4
(32)【優先日】2013年10月18日
(33)【優先権主張国】GB
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516115898
【氏名又は名称】アルテック ヨーロッパ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALTEK EUROPE LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100064469
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 新一
(74)【代理人】
【識別番号】100099612
【弁理士】
【氏名又は名称】菊池 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100073450
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 英俊
(72)【発明者】
【氏名】アラン ピール
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー ギブス
【テーマコード(参考)】
4K001
4K063
【Fターム(参考)】
4K001BA12
4K063HA02
(57)【要約】
金属溶融処理プロセスからの上層であり、1つ以上の塩類を含み、1つ以上の金属を含む材料を処理する方法及び装置が提供され、塩類及び/又は金属は、この方法/装置の結果としてリサイクルされる。この方法は、材料を溶出段階に送給する工程と、前記溶出段階から溶出物を得る工程と、前記溶出物を乾燥段階又はスプレイ乾燥段階に送給する工程と、前記乾燥段階又はスプレイ乾燥段階から固体を得る工程とを含んでいる。溶出段階からのオフガスは、乾燥段階に熱を供給するのに用いられる。乾燥段階は、再利用のためのペレットに変換するのに十分に適合した生成物を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属溶融処理プロセスからの上層であり、1つ以上の塩類を含み、1つ以上の金属を含む材料を処理する方法であって、
a)材料を溶出段階に送給する工程と、
b)前記溶出段階から溶出物を得る工程と
c)前記溶出物を乾燥段階又はスプレイ乾燥段階に送給する工程と、
d)前記乾燥段階又はスプレイ乾燥段階から固体を得る工程と
から成っている材料を処理する方法。
【請求項2】
金属溶融処理プロセスからの上層であり、1つ以上の塩類を含み、1つ以上の金属を含む材料を処理する装置であって、
a) 溶出装置と
b) 材料を前記溶出段階に送給するフィーダーと、
c) 前記溶出装置からの溶出物を取り出す出口と、
d) ドライヤー又はスプレイ乾燥器と、
e) 前記出口は、前記スプレイ乾燥器に流体接続されていることと、
f) 前記ドライヤー又はスプレイ乾燥器から固体を取り出す出口と
を含んでいる材料を処理する装置。
【請求項3】
請求項1による方法又は請求項2による装置であって、前記溶出段階又は装置は、1つ以上の他の出口流を備えており、前記出口流は、1つのオフガス流を含み、前記オフガス流は、前記乾燥段階又はスプレイ乾燥段階で用いられる燃焼によって発生する熱及び/又はパワーで更に処理される材料を処理する方法又は装置。
【請求項4】
請求項1又は3による方法又は請求項2又は3による装置であって、前記乾燥段階又はスプレイ乾燥段階に熱いガスを送給し、前記熱いガスは、前記オフガス流処理及び/又は前記オフガス流処理によって発生する処理エネルギーから得られる材料を処理する方法及び装置。
【請求項5】
請求項1、3又は4による方法であって、前記固体を圧縮又は成形してペレットとする方法、又は、請求項2、3又は4による装置であって、ペレットを生成するための圧縮及び/又は成形装置を更に含む装置。
【請求項6】
請求項1、3、4又は5による方法又は請求項2、3、4又は5による装置であって、前記溶出段階は、1つの溶出タンクを経る多段パスが付与される多段パス溶出プロセス及び/又は複数の溶出タンクを経る通路が形成される多段溶出プロセスである方法又は装置。
【請求項7】
請求項1、3乃至6のいずれかによる方法又は請求項2、3乃至6のいずれかによる装置であって、 乾燥段階又はスプレイ乾燥段階で固体とガスとを分離することによって前記乾燥段階又はスプレイ乾燥段階から固体を得ることを含む方法又は装置。
【請求項8】
請求項7による方法又は装置であって、請求項2、3乃至7のいずれかによる装置であって、1つ以上の他の段階で前記固体を圧縮し及び/又は成形してペレットを形成することを含む方法又は装置。
【請求項9】
請求項8による方法又は装置であって、前記圧縮及び/又は成形は、前記固体に、更なる何らの成分を添加することなく、特にバインダー又は水分を添加することなく、行われる方法又は装置。
【請求項10】
請求項8による方法又は装置であって、圧縮され及び/又は成形された固体は、炉に送給されて、炉内の溶融金属の表面上の材料を供給する方法又は装置。
【請求項11】
請求項8による方法又は装置であって、圧縮され及び/又は成形された固体は、塩化カリウムに対する塩化ナトリウムの制御された割合、例えば+/―5%の割合で生成される方法又は装置。
【請求項12】
請求項1、3乃至11のいずれかによる方法又は請求項2、3乃至11のいずれかによる装置であって、1つ以上の塩類は、塩化ナトリウム、及び/又は塩素酸ナトリウム、及び/又は塩化カリウム、及び/又は塩素酸カリウムを含み、1つ以上の金属は、アルミニウム及び/又は酸化アルミニウムを含んでいる方法又は装置。
【請求項13】
請求項1、3乃至12のいずれかによる方法又は請求項2、3乃至12のいずれかによる装置であって、1つ以上の金属のリサイクル及び1つ以上の生成塩類のリサイクルに供与する方法又は装置。
【請求項14】
請求項1、3乃至13のいずれかによる方法又は請求項2、3乃至13のいずれかによる装置であって、前記材料は、スラグを圧縮することによって生成された圧縮スラグであり、前記圧縮スラグは、525°Cより低く、好ましくは、760°Cより低い温度に冷えさせることがない方法及び装置。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理方法及び装置、特に、スラグを1つ以上の有益な成分を回収するように処理する方法及び装置に関するものである。
【0002】
溶融アルミニウムを処理する炉は、酸化を少なくし、及び/又は溶融金属からの汚染物質の除去を促進するために、例えば、溶融金属の上に塩性障壁を備えている。この塩牲障壁は、通常塩スラグと称されることになるが、処理の結果として有益にはスラグの一部になる。炉から一旦取り出されたこの材料を処理するには幾つかの利点がある。これらの利点は、1つ以上の成分の回収と再使用及び/又はスラグが示す危険の減少を含んでいる。
【0003】
既存のアプローチは、冷たいスラグを取り込んでそれを再処理する集中処理プラントを使用する傾向がある。これは、コストと輸送足跡の点で問題を発生し、以後の処理及び製品に否定的な影響を及ぼす。
【0004】
本発明は、生産されるのと同じサイトで経済的にスラグの処理を促進することができる目的を特に有している。本発明は、処理に含まれるコストを減縮することができる目的を特に有している。本発明は、潜在的には、価値及び/又は有用性の点から改良品を付与する目的を特に有している。
【0005】
第1の態様によれば、材料を処理する方法であるが、この方法は:
a)材料を溶出段階に送給する工程と、
b)前記溶出段階から溶出物を得る工程と
c)前記溶出物を乾燥段階又はスプレイ乾燥段階に送給する工程と、
d)前記乾燥段階又はスプレイ乾燥段階から固体を得る工程と
から成っている方法が提供される。
【0006】
この方法は、固体を圧縮及び/又は成形してペッレットを形成する工程を更に含んでいてもよい。
【0007】
この方法は、1)第1の位置にある炉内の溶融金属の表面上に材料を供給し、2) 炉から材料を取り出し、3)前記第1の位置から5km以下のところにある第2の位置で前記炉から取り出され材料を処理し、前記処理は、工程a)、b)、c)又はd)の1つ以上を含んでいる。この方法は、前記炉から取り出された材料の温度が100℃、好ましくは、350℃、更に好ましくは、525℃、一層好ましくは、760℃より低い温度まで低下する前に、行われる前記第2の位置での1つ以上の処理を含んでいてもよい。
【0008】
第2の態様によれば、材料を処理する装置であるが、この装置は、
a) 溶出装置と
b) 材料を前記溶出段階に送給するフィーダー、
c) 前記溶出装置からの溶出物を取り出す出口と、
d) ドライヤー又はスプレイ乾燥器と
e) 前記出口は、前記スプレイ乾燥器に流体接続されていることと、
f) 前記ドライヤー又はスプレイ乾燥器から固体を取り出す出口と
を含んでいる装置が提供される。
【0009】
この装置は、ペレットを製造する圧縮及び/又は成形装置及び又は溶出物から得られる固体を前記圧縮及び/又は成形装置に供給するフィーダーを含んでいてもよい。
【0010】
この装置は、1)第1の位置にある炉と、2)炉内の溶融金属の表面へ材料を導入するフィーダーと、3)前記炉から取り出された材料の1つ以上の処理器(プロセッサ)とを含み、前記1つ以上の処理器は、前記第1の位置から5kmより短い位置にあり、且つa)、b)、c)、d),e)又はf)の1つ以上に前記1つ以上の処理器を含んでいる。
【0011】
第3の態様によれば、材料を処理する方法であって、
a)溶出段階に材料を送給する工程と、
b)前記溶出段階から溶出物を得る工程と、
c)前記溶出物から固体を得る工程と、
d)前記固体を圧縮及び/又は成形してペレットを得る工程と
を含む方法が提供される。
【0012】
この方法は、乾燥段階又はスプレイ乾燥段階に材料を送給して、好ましくは、圧縮及び/又は成形段階用の固体を得る工程を含んでいる。
【0013】
この方法は、1)第1の位置にある炉内の溶融金属の表面上に材料を供給する工程と、2) 炉から材料を取り出す工程と、3)前記第1の位置から5km以下の第2の位置で前記炉から取り出された材料を処理する工程とを含み、この処理工程は、前記段階a)、b)、c)又はd)の1つ以上を含んでいる。この方法は、炉から取り出された材料の温度が100℃、好ましくは350℃、更に好ましくは、525℃、一層好ましくは、760℃より低くなる前に、行われる第2の位置での1つ以上の処理を含んでいる。
【0014】
第4の態様によれば、材料を処理する装置であって、
a)溶出装置と、
b)前記溶出装置に材料を供給するフィーダーと、
c)前記溶出装置から溶出物を取り出す出口と、
d)ペレットを製造する圧縮及び/又は成形装置と、
e)前記溶出物から得られる固体を前記圧縮及び/又は成形装置に供給するフィーダーと
を含む装置が提供される。
【0015】
この装置は、ドライヤー及び/又はスプレイ乾燥器、ドライヤー及び/又はスプレイ乾燥器に流体接続されている出口、及び/又はドライヤー及び/又はスプレイ乾燥器からの固体用の出口を含むことができる。
【0016】
この装置は1)第1の位置にある炉と、2)前記炉内の溶融金属の表面へ材料を導入するフィーダーと、3)前記第1の位置から5km以下のところにある第2の位置にあって炉から取り出された材料用の1つ以上の処理装置とを含み、前記1つ以上の処理装置は、a)、b)、c)、d)又はe)の1つ以上の装置に1つ以上の処理装置を含んでいる。
【0017】
第5の態様によれば、材料を処理する方法であって、
a)第1の位置にある炉内の溶融金属の表面上の材料を供給する工程と、
b)前記 炉から材料を取り出す工程と、
c)前記第1の位置から5km以下のところにある第2の位置で前記炉から取り出された材料を処理する工程を含み、前記処理は、
1)材料の塊の寸法を縮小し
2)材料を溶出して溶出物を形成し、
3)溶出物の如き1つ以上の成分を乾燥又はスプレイ乾燥して固体を形成し、
4)固体、例えば、溶出物から得られた固体を圧縮又は成形してペレットを形成する
方法が提供される。
【0018】
この方法は、炉から取り出された材料の温度が100℃、好ましくは、350℃、更に好ましくは525℃、一層好ましくは、760℃より低い温度に低下する前に行われる第2の位置での1つ以上の処理を含んでいてもよい。
【0019】
この方法は、好ましくは、圧縮及び/又は成形段階用の固体を得るために、乾燥段階又はスプレイ乾燥段階に溶出物を送給する工程を含んでいてもよい。また、この方法は、固体を圧縮及び/又は成形してペレットにする更なる工程を含んでいてもよい。
【0020】
第6の態様によれば、
(a)第1の位置ある炉と、
(b)前記炉内の溶融金属の表面へ材料を導入するためのフィーダーと、
(c)前記第1の位置から5km以下のところにある第2の位置に設けられて前記炉から取り出された材料を処理する1つ以上の処理器(プロセッサ)とを含み、前記1つ以上の処理器は、
1)材料の質量の寸法を縮小のためのブレーカと、
2) 溶出装置と、
3) 乾燥又はスプレイ乾燥装置と、
4)固体、例えば、前記溶出装置からの溶出物から得られた固体用であってペレットを得るための圧縮又は成形装置と
から選択された1つ以上の処理器を含んでいる金属処理装置が提供される。
【0021】
本発明の第1及び/又は第2及び/又は第3及び/又は第4及び/又は第5及び/又は第6の態様は、本明細書のどこかに記載された特徴、オプション又は可能性、とりわけ、以下に述べるものを含んでいる。
【0022】
この処理方法は、1つ以上の金属から1つ以上の塩類を分離する処理とすることができる。例えば、塩化ナトリウム及び/又は塩素酸ナトリウム及び/又は塩化カリウム及び/又は塩素酸カリウムは、特に、アルミニウム及び/又は鉄金属から分離することができる。
【0023】
この処理方法は、1つ以上の非金属から1つ以上の塩類を分離する処理であってもよい。例えば、塩化ナトリウム及び/又は塩素酸ナトリウム及び/又は塩化カリウム及び/又は塩素酸カリウムは、特に、酸化アルミニウム及び/又は他の不溶性非金属化合物から分離することができる。
【0024】
この処理方法は、1つ以上の金属、例えばアルミニウムのリサイクルに備えてもよい。この方法は、1つ以上の塩類、例えば、塩化ナトリウム及び/又は塩化カリウムのリサイクルに備えることができる。
【0025】
材料は、スラグとすることができる。この材料は、金属溶融処理からの上部層とすることができる。この材料は、アルミニウムのリサイクルに含まれる層とすることができる。この材料は、1つ以上の塩類、例えば、塩化ナトリウム及び/又は塩素酸ナトリウム及び/又は塩化カリウム及び/又は塩素酸カリウムを含んでいる。この材料は、1つ以上の金属、例えば、アルミニウム、及び又は金属酸化物、例えば酸化アルミニウムを含んでいる。この材料は、10−35%の酸化アルミニウム、25−60%の塩化ナトリウム、10−35%の塩化カリウム、2−10%の金属性アルミニウム及び不純物を含んでいて全体で100%の組み合わせとなり、例えば、15−30%の酸化アルミニウム、30-55%の塩化ナトリウム、15-30%の塩化カリウム、5-7%の金属性アルミニウム及び不純物とを含んでいて全体で100%の組み合わせとなる。不純物は、炭化物、窒化物、硫化物及び/又は燐化物を含んでいる。
【0026】
炉内の溶融金属の表面に材料を供給する方法は、溶融金属の表面に、好ましくは、溶融金属の上方から材料を送給することを含んでいる。材料は、バッチで供給してもよいし、材料は、連続的に供給してもよい。溶融金属は、アルミニウムであるのが好ましい。炉は、回転炉でもよいし、他の炉タイプでもよい。
【0027】
第1の位置は、炉が設けられ、及び/又は、炉から取り出され及び/又は圧縮された後に材料が蓄えられる位置とすることができる。
【0028】
材料は、スラグとすることができる。この材料は、スラグの圧縮により形成される圧縮スラグとすることができる。このスラグは、スラグプレス内で圧縮される。このスラグは、圧縮されてスラグから溶融アルミニウムを取り出す。この材料は、1つ以上の塩類、例えば、塩化ナトリウム及び/又は塩素酸ナトリウム及び/又は塩化カリウム及び/又は塩素酸カリウムを含んでいる。この材料は、1つ以上の金属、例えばアルミニウム、及び/又は金属酸化物、例えば、酸化アルミニウムを、理想的には、スラグよりも低いレベルで含んでいる。
【0029】
圧縮スラグは、スラグより低い温度を有する。この圧縮スラグは、圧縮後に500°C未満の温度を有する。圧縮スラグを冷却してもよい。圧縮スラグは、100℃、好ましくは、350℃、更に好ましくは、525°C、一層好ましくは760°Cより低い温度に冷却させないことが求められるのが好ましい。圧縮スラグは、第1の位置で冷却せしめられる。第2の位置は、1年当たり20,000トン、潜在的には、15,000トン、また10,0000トンより少ない材料を処理する。
【0030】
第2の位置に設けられた炉から取り出された材料の処理は、例えば、圧縮スラグを形成するために、炉から材料を取り出した後、一層好ましくは、材料の圧縮後に、1つ以上の工程を含んでいる。
【0031】
第2の位置は、第1の位置から5km、好ましくは、第1の位置から2km、一層好ましくは、第1の位置から1km、理想的には、第1の位置からの500m未満離れている。第1の位置及び第2の位置は、好ましくは、同じ事業者によって所有され及び/又は操作される。炉には、リサイクルされたアルミニウムが送給される。
【0032】
1つ以上の処理工程が第2の位置で行われる前に、圧縮スラグは、100℃、好ましくは、350℃、更に好ましくは、525°C,一層好ましくは、760°Cより低い温度に冷却されることはない。
【0033】
この方法は、寸法縮減段階を含むことができる。この寸法縮減段階は、材料の1つ以上の寸法を縮減し、及び/又は、材料が存在する個々の部分の数を増加する。寸法縮減段階は、複数の寸法縮減段階を含むことができる。この寸法縮減段階は、押し潰し工程を含んでいてもよいし、細砕き工程を含んでいてもよい。寸法縮減段階は、例えば、寸法に応じて材料を1つ以上の部分に分離するために、1つ以上のサイジング工程を含んでいてもよい。
【0034】
この方法は、鉄と非鉄金属との分離工程を含むことができる。この分離は、渦電流セパレーターによって行ってもよい。この方法は、金属と非金属との分離工程を含むことができる。この分離は、渦電流セパレーター及び/又は振動台及び/又は圧縮空気セパレーターによって行うことができる。これらの分離の一方又は両方によって抽出されたアルミニウムは、炉に戻される。
【0035】
この方法は、溶出タンクに材料を導入することによって溶出工程に材料を送給する工程を含んでいてもよい。溶出工程は、1つ以上の他の送給材、例えば水を供えている。
【0036】
この方法は、溶出工程(1つ又は複数)から溶出物を得る工程を含んでいる。この溶出工程は、1つの溶出タンクを通過する多段パスが付与される多段パス溶出工程及び/又は多数の溶出タンクを通過する多数の通路が設けられる多段溶出工程とすることができる。この方法は、溶出タンク、好ましくは、この溶出タンクの底から溶出物を抽出することによって溶出工程(複数可)から溶出物を得る工程を含むことができる。この溶出工程は、1つ以上の他の出口流、例えば、オフガス流及び/又は非溶解固形流を備えていてもよい。
【0037】
このオフガス流は、例えば、燃焼によって更に処理され、燃焼によって発生した熱及び/又はパワーは、本方法の1つ以上の工程、理想的には、乾燥段階又はスプレイ乾燥段階に使用される。
【0038】
非溶解固形流は、更に、フィルタの如き固体液体セパレーターで処理することができる。分離された固体は、理想的には、市場価値がある副産物を形成することができる。分離された液体は、溶出工程に戻され、及び/又はスプレイ乾燥段階に送給される。
【0039】
この方法は、例えば、1つ以上のバッファー又は貯蔵コンテナーを経て乾燥段階又はスプレイ乾燥段階に溶出物を送給する工程を含んでいる。溶出物は、乾燥段階又はスプレイ乾燥段階、特にその1つ又は多数のノズルに吸込まれる。
【0040】
特に、スプレイ乾燥に関して、1つ以上のガス、例えば、水が、乾燥段階、特にそのノズルに吸込まれる。このノズルは、ガスと溶出物を共同して放射する。このノズルは、流動性の溶出物のアトマイザとして働く。
【0041】
乾燥段階は使用し、及び/又は、ドライヤーは、流下膜式蒸発器(エバポレータ)とすることができる。溶出物は、ドライヤーに設けられた1つ以上の表面、例えば、1つ以上のチューブの表面)上を流下する。溶出物は、表面上を薄膜として流れる。1つ以上又はすべての表面を加熱してもよい。1つ以上又はすべての表面の全体又は一部を加熱してもよい。ガス、例えば、空気は、溶出物を通って、好ましくは、溶出物の移動方向と異なる方向、例えば、反対方向に移動する。
【0042】
この方法は、乾燥段階又はスプレイ乾燥段階に、熱いガス、好ましくは、熱風を送給することを含んでいる。この熱いガスは、溶出物の導入に対して平行な方向又は反対の方向に供給される。このガスは、オフガス流処理からの熱いガスであってもよく、及び/又はオフガス流処理によって発生するエネルギー、特に温度を有する。
【0043】
1つ以上の追加の成分、例えば水、蒸気が乾燥段階に加えられ、例えば、ガスとともに噴射される。1つ以上の追加の成分が乾燥段階への材料の圧力及び/又は温度及び/又は化学成分をコントロールするために付加してもよい。熱いガスは、加熱工程、例えば、電気的加熱及び/又は加熱交換システムによって発生することができる。細分化された溶出物は、好ましくは、熱いガスとの接触によって乾燥される。この細分化溶出物は、好ましくは、熱いガスによって固化される。
【0044】
この方法は、例えば、乾燥段階又はスプレイ乾燥段階で固体とガスを分離することによって、乾燥段階又はスプレイ乾燥段階から固体を得ることを含んでいる。この固体は、乾燥段階又はスプレイ乾燥段階の底に集合される。この固体は、バッチ式か連続的に取り出される。ガスから固体を分離する1つ以上の以後の処理は、例えば、バッグフィルタ及び/又はサイクロンセパレータを用いて、ガス出口流のために行われる。ガス出口流は、好ましくは、固体分離後に、1つ以上の段階、特に、乾燥段階又はスプレイ乾燥段階で攪拌し、及び/又は加熱するのに用いられる。
【0045】
この方法は、乾燥段階又はスプレイ乾燥段階の使用によって溶出物から固体を得ることを含んでいる。
【0046】
この方法は、1つ以上の更なる段階で固体を圧縮及び又は成形してペレットを形成することを含んでいる。この1つ以上の更なる段階は、ペレット化工程を含んでいる。圧縮及び/又は成形処理は、固体に更なる成分を添加することなく、行うことができる。特に、バインダーも水分も加えなくてもよい。
【0047】
この圧縮及び/又は成形された固体、例えば、ペレットは、例えば、後の使用のために集められ及び/又は貯蔵されてもよい。この圧縮及び/又は成形された固体、例えば、ペレットは、炉、理想的には、第1の位置にある炉に送給される。この圧縮及び/又は成形された固体、例えば、ペレットは、炉、理想的には、第1の位置にある炉に送給されて炉内の溶融金属の表面上の材料を供給する。
【0048】
この圧縮及び/又は成形された固体、例えば、ペレットは、制御された寸法に製造される。
この圧縮及び/又は成形された固体、例えば、ペレットは、制御された寸法分布にして、例えば、ペレット化された材料の重量で5%未満、一層好ましくは、2%未満の材料が、例えば、最大の直線寸法として考慮して直径149ミクロン未満であるようにする。
この圧縮及び/又は成形された固体、例えば、ペレットは、制御された水分レベル量、例えば、0.5重量%、又は好ましくは0.2重量%未満となるように製造される。
この圧縮及び/又は成形された固体、例えば、ペレットは、塩化カリウムに対する塩化ナトリウムの制御された割合、例えば、所定割合の+/−5%になるように製造される。この割合は、塩化ナトリウム対塩化カリウムが4:1と1:1との間とすることができる。
第1のセットの特徴を有する圧縮及び/又は成形された固体、例えば、ペレットの1つ以上のバッチは、1つ以上の異なる特徴を有する圧縮され及び/又は成形された固体、例えば、ペレットの1つ以上の他のバッチを配合することができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
本発明の種々の実施例は、例示的でのみ、以下の添付の図面を参照して述べる。
図1】は、本発明による改良を含むアルミニウムのリサイクル工程から塩類を回収するプロセスのフローチャートである。
図2】は、本発明の実施例によるプロセスのフローチャートである。;
図3】は、本発明に使用されるスプレイ乾燥器の概略系統図である。
【0050】
大規模な集中プロセスには種々の問題があり、これらの問題は、次のものを含んでいる。
適切に集中化された処理プラントに圧縮スラグ9を運ぶ場合の運送費。
(特に、国境が交差している場合)このような輸送に伴う重要な規制問題。
このような運送中に伴う事故等からの安全危険。
塩生産者の制御から外れて、集中プロセス・プラントを使用しなければならないこと。
冷却された圧縮スラグの寸法減縮の達成時に生ずる大きなエネルギーの要求と困難。
プロセス制御問題を与えて、種々の異なるアルミニウムーリサイクル業者から到着すると、異なる塩レベル、異なるスラット割合、異なる汚染物質等含んでいることによる送給スラッグの可変性。
生成品が十分に制御されないか限定されたりしないため、炉に良好な塩として害することを意味する(化学的メイクアップ、水分量及び寸法分布の点で)乾燥塩類に衝撃を与える送給スラグの可変性。
【0051】
図1において、回転炉1は、ペンキ、ラッカー等で汚染されるスクラップの如きアルミニウムをリサイクル(再利用)するために使用される。この炉1は、アルミニウム製品の流れ(図示せず)をオフガス流3及びスラグ流5とともに発生する。
このオフガス流3は、それが含んでいるガスを回収/使用し又は安全にするために、適切な処理を受ける。
【0052】
アルミニウムの酸化を防止し、且つ他の利点を得るために、炉1内の溶融物の上部に塩類を添加して障壁を形成する。この塩類は、ある種のアルミニウムとともに、スラグ、従ってスラグ流5を形成する。この塩類は、主として塩化ナトリウムであるが、塩化カリウム及びその他の材料を一緒でもよい。2次アルミ業界によって作られた典型的な塩スラグ(アルミニウム芒硝としても知られている)は、15-30%の酸化アルミニウムと、30-55%の塩化ナトリウムと、15-30%の塩化カリウムと、5-7%の他の材料(アルミニウム及び炭化物、窒化物、硫化物、燐化物等を含む不純物の如き材料)を含んでいる。
【0053】
処理後、アルミニウムは、炉1から排出され、スラグは、残りの主要材料である。このスラグは、溶融過程の中で拾い上げられる取り出し汚染物質及びその他の成分と一緒に主に塩類から形成される。
【0054】
スラグ流5が炉1から取り出されると、容器(図示せず)内に移されて炉はほとんど空となり、スラグプレス7に送給され、スラグからのアルミニウムの機械的に補助された凝塊を形成する。このアルミニウムは、分離後に炉1に戻されるのが一般的である。スラグプレス7からの圧縮材料は、圧縮スラグ9として分類される。
【0055】
圧縮スラグ9は、冷却せしめられる。圧縮スラグ9は、まだ材料量のアルミニウムと大量の塩類を含んでいる。この圧縮スラグは、多くの国で、環境法その他の法に照らして、危険物質として分類され、従って、一層の検討を必要とする。
【0056】
1つのオプションは、アルミニウムの回収と塩類を回収する処理を行うために、圧縮スラグを適当なプラントに移送することである。これは、圧縮スラグ9が生成される炉1の場所から遠い処理プラントまでの圧縮スラグ9の道路輸送を含んでいる。これは、大きな輸送費と、(特に、国境が交差している場合の)大きな規則上の問題と、事故等からの安全上の危険を含んでいる。
【0057】
典型的な処理プラントは、種々のアルミニウム溶融プラントから生ずる圧縮スラグ9の集中処理を行う大きな設備である。
【0058】
圧縮スラグ9は、処理がスタート時間まで冷たく、塩類クラッシャー11に送給されて圧縮スラグ9の寸法を減縮する。圧縮スラグ9の冷性は、寸法減縮段階の障害と大きなエネルギー要件とを示す。例えば、空圧ブレーカは、圧縮スラグ9を一層小さな塊にまず解体するのに必要である。この寸法減縮は、ふるいの如き寸法に基づいた分離段階とともに、図示の塩類クラッシャー11を含んでいる。
【0059】
その後、寸法が縮減された塩類の流れ13は、渦電流セパレーター15に供給される。これは、リサイクルされる鉄の流れ(図示せず)とアルミニウム流17とクリーンな塩類の流れ19を発生し、アルミニウム流17は、回収して販売され、及び/又は炉1に戻される
【0060】
クリーンにされた塩類の流れ19は、水流と共に、溶出タンク21に送給される。溶出プロセスは、クリーンにされた塩類の流れ19中の塩分を溶解し、塩素酸ナトリウムをイオン化して、溶解された塩類の流れ23を供給する。残りの固体、一般には、酸化アルミニウム及び非金属粒子は、懸濁された固体流25を形成する。溶出用オフガス流は、それが全プロセスに、特に、スチームドライヤー31に、パワーと熱とを供給するために、燃焼される熱パワー組み合わせユニット29に送給される。典型的なガスは、水素、メタン及びアンモニアを含んでいる。ホスフィンと硫化水素が存在していてもよい。
【0061】
液体から固体を分離するために、懸濁性固体流れ25は、フィルタ33に供給される。この固体は、販売することができる有益なプロセス副生成物である。液体は、溶出タンク21に戻される(図示せず)。
【0062】
溶融された塩類の流れ23は、エバポレータ35を通過してスチーム流37、炭化水素ガス流39(これも熱パワーユニット29に進む)及び湿性塩類の流れ41を発生する。
【0063】
スチーム流37は、コンデンサー(凝縮器)43に供給され、そこで生成された凝縮水流は、溶出タンク21にフィードバックされる。
【0064】
湿性塩類の流れ41は、超加熱されたスチームドライヤー31に移送される。
これは、溶出タンク21に戻されるスチーム/水蒸気流(図示せず)及び生成品の流れである乾燥塩類の流れ43を生成する。乾燥塩類の流れ43は、炉1用の塩材料45を供給することができる。
【0065】
本発明は、これらの問題を処理し、及び/又は、プロセスアプローチの結果と変化との結果として改良を提供することを試みている。
【0066】
図2を参照すると、本発明の実施例の全プロセスが提供される。再度述べると、回転炉51は、アルミニウムをリサイクルするために使用され、また、この炉51は、オフガス流53とスラグ流55とともに、アルミニウム生成品の流れ(図示せず)を生成する。
【0067】
図1のアプローチと共通の特徴は、繰り返して述べないが、図2の実施例にもそのまま適用することができる。例えば、オフガス流53は、それに含まれるガスを回収し/使用し、又は安全にするために適当な処理を受ける。
【0068】
スラグ流55は、炉51から取り出され、スラグプレス57に送給される。スラグプレス57からの圧縮材料も圧縮スラグ59である。
【0069】
本発明のこの実施例では、圧縮スラグ59は、それが生成されるのと同じサイトで処理される。これは、従来技術のアプローチと比較すると、この実施例で選択された全プロセスに実行可能な一層低い資本費用及び一層小さいユニット寸法によって可能である。典型的な局部的なプラントは、1時間当たり1トン以下の塩類を処理するように構成されるが、集中プラントは、毎時5トン以上を処理することができる。
【0070】
これから生ずる第1の利点は、圧縮スラグ59は、所望の程度まで冷却せしめられるということである。この冷却は、更に、処理を補助し、熱いアルミニウムの更なる反応の危険を減少するが、圧縮スラグ59は、以後の寸法縮減段階の否定的なインパクトを引き起こす程度まで冷却することは許されない。
【0071】
圧縮スラグ59は、その寸法を減縮するために、スラグクラッシャー61に供給される。しかし、圧縮スラグ59は、冷たくもないし硬くもないので、寸法減縮は、容易に達成し、また、寸法分布は、一層容易にコントロールされる。これは、一層よい寸法分布及び/又は微細材料、例えば、ほぼ1mmの少ない量の材料を付与する。これは、懸濁性固体の流れ75から回収された固体の商品性を改善するのに重要である。
【0072】
寸法減縮後、寸法が減縮されたスラグ流れ63は、渦電流セパレーター65に供給される。これは、リサイクルされる鉄の流れ(図示せず)と、炉1に戻されるアルミニウム流67及びクリーンにされた塩類の流れ69とを生成する。
【0073】
クリーンにされた塩類の流れ69は、水流73と一緒に溶出タンク71に供給される。同じ一般的な溶出プロセスが行われる。
【0074】
アルミニウムリサイクルプラントのオペレーターとスラグ処理プラントのオペレーターとは、同じであるので、スラグ59の既知の性質は、溶出タンク71への供給材料が一層よく知られていて一層一貫していることを意味する。
【0075】
溶融塩類の流れ73と懸濁性固体流75と溶出用オフガス流77とは、前と同様に発生する。しかし、全システムのエネルギー効率を増加させるために、溶出用オフガス流77を使用する。この溶出用オフガス流77は、全プロセスにパワーと熱を供給するために燃焼される熱パワー組み合わせユニット79に供給される。特に、パワーは、1つ以上のプロセスを駆動するためにプロセス全体にわたって利用され、また、熱は、スプレイドライヤ97で利用される。典型的なガスの存在は、水素、メタン及びアンモニアを含んでいる。
【0076】
液体から固体を分離するために、懸濁性固体流75は、フィルタ83に供給される。この固体は、販売することができる有益なプロセス副生成物であり、特性が改良され、その結果、上記したように、価値がある。
【0077】
その後、溶解された塩類の流れ73は、前とは異なった処理段階を受ける。溶解塩類の流れ73は、以下に詳細に述べるように、スプレイドライヤ97を通過する。スプレイドライヤは、炉51及び/又は熱パワー組み合わせユニット59からのリサイクル熱を利用する。発生する塩類の流れ91は、図1の形態で、エバポレータからよりも一層乾燥する。
【0078】
図示しない実施例において、溶融塩類の流れ73は、エバポレータを通過してスチーム流、ガス炭化水素流(熱パワー組み合わせユニット79にも進む)、及び上記したスプレイドライヤ97を通過する湿性塩類の流れ73を生じさせる。塩類の流れ91に伴う問題は、粒子寸法が比較的小さいということである。しかし、本出願人は、この問題は、以下に一層詳細に述べるように、塩類の流れ91をペレット化装置99に送給することによって処理することができることを確認した。更に、本出願人は、塩類の流れの特性及び寸法は、バインダーの如き他の処理又は添加物を必要とすることなく、ペレット化に容易に適合することを確認した。
【0079】
生成品の流れとして、乾燥塩類の流れ93は、ペレット化され、これは、炉51用の塩材料95として乾燥した塩類の流れ93の以後の再使用のために、ペレットの寸法の如き物理的性質の最適化を許す。
【0080】
その上、ペレットは、標準内容であることが知られており、従って、例えば、塩化カリウムに対する塩化ナトリウムの割合の存在(塩化ナトリウム溶融温度を制御するのに使用される)の点から、炉51に、一層多くの抑制された材料を提供する。また、異なるペレットを混合すると、炉51への送給の他の変化を付与することができる。
【0081】
最後に、ペレットは、例えば、図1の形態の乾燥した塩類生成品より、水分の吸収がない状態で蓄えるのに一層適している。
【0082】
図3に示されるように、スプレイドライヤ97は、バランスタンク200を介して溶融塩類の流れ73を受け取り、このタンクへの流れは、バルブ202によって制御されて溶液のレベルを維持する。低い開レベルと高い閉レベルとは、バルブ202を動作するのに用いられる。バランスタンク200には水入口204も設けられている。出口206は、溶融塩類の流れを蠕動ポンプに供給し、このポンプは、溶融塩類の流れ73をアトマイザ210に吸込む。
【0083】
アトマイザ210は、フィルタがけされた空気を受け取る。このアトマイザ210は、並流モードを有する2つの流体ノズル・アトマイザを使用しているが、回転式アトマイザ及び噴水モードの2つの流体アトマイザも可能である。高速空気は、低速流体にぶつかって(遭遇して)この流体を小滴に崩壊する。アトマイザ210は、乾燥室214の上方部分に配置され、乾燥室214は、円筒形上方部分216と円錐形下方部分218とから形成されている。円錐形部分218の底は、パウダー出口220と湿った空気側出口222とを有する。
【0084】
細分された液体は、加熱段階212を通過する熱風に直接遭遇する。加熱段階212は、電気的熱源と邪魔板式の空気分配器とを含んでいて空気中のフローパターンと熱移送とを制御している。
【0085】
アトマイザ210を通して乾燥室214に入る際、溶融塩類の流れ73は、熱風と密接するようになる。これは、熱風流れを乾燥する。アトマイザ210から離れて、乾燥室214は、熱風からの乾燥パウダーを分離せしめ、これらは、共に、個々の出口を通過する。
【0086】
乾燥パウダーは、流体化エゼクタによって遠方に搬送される。その後、パウダーの冷却とパッキング(包装)とが行われる。
【0087】
分離された熱風は、バッグフィルタを備えた外気に進む空気流に入って、フィルタリングの他の形態のサイクロンで残りのパウダーを取り除く。
【0088】
次の表は、適切なスプレイドライヤー(乾燥器)のいくつかの典型的な作業特性を規定している。
【0089】
【表1】
【0090】
スプレイ乾燥の生成物は、粒径分布、残余の含水率、容積密度及び形態論を緊密に制御している。
【0091】
達成された結果の点から、種々の条件で達成された含水率の変動が表2に詳述されている。
【0092】
【表2】
【0093】
生成された粒子は、SEMイメージングを用いて測定すると、一般に直径が約5〜30ミクロンであり、外観がずんぐりした水晶である。光学顕微鏡イメージングでも、粒子は直径が120〜2500ミクロンの塊を形成する傾向があることがと確認された。
【0094】
ペレット化装置(ペレタイザ)99は、生成品の寸法を、炉からの空中輸送しがちでない寸法まで増加させるのに重要である。
【0095】
回転式の圧縮機は、パウダーをペレット化することの適応性を検査するのに用いられた。パウダーは、2つの反回転式ローラを経て重力を使用して供給された。材料とローラ表面との間の摩擦は、パウダーをローラ間の狭い空間に食い込ませ、高負荷の存在は、パウダーを良好に圧縮した。任意のバインダー、水又は現存する他の添加物の必要なしに、パウダーは、圧縮された形態で一体に保持される。
【0096】
ロール式ペレット化装置は、そのロールがペレット形成のへこみ空間の相対する半部を形成し、この空間がペレットを有効に形成するのに用いられる。
【0097】
この技術は、0.2重量%より低い含水率を達成し、2%未満の材料の直径を149ミクロンより小さくする(従って、存在する微粒子の量を最小にする)ことができる。
図1
図2
図3
【国際調査報告】