特表2016-538599IP Force 特許公報全文掲載

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-538599(P2016-538599A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】局地的脱色領域を含む偏光部材、偏光部材ロールおよび枚葉型偏光部材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 5/30 20060101AFI20161111BHJP
【FI】
   G02B5/30
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-534992(P2016-534992)
(86)(22)【出願日】2015年3月25日
(85)【翻訳文提出日】2016年5月27日
(86)【国際出願番号】KR2015002935
(87)【国際公開番号】WO2015147551
(87)【国際公開日】20151001
(31)【優先権主張番号】10-2014-0035619
(32)【優先日】2014年3月26日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0035614
(32)【優先日】2014年3月26日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2014-0080491
(32)【優先日】2014年6月30日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】イ、ボム−ソク
(72)【発明者】
【氏名】チャン、ウン−チン
(72)【発明者】
【氏名】ナ、キュン−イル
(72)【発明者】
【氏名】カン、ヒョン−ク
(72)【発明者】
【氏名】イ、ビョン−ソン
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ドゥ−チン
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ホ−ジョン
【テーマコード(参考)】
2H149
【Fターム(参考)】
2H149AA02
2H149AA18
2H149AB18
2H149BA01
2H149BA02
2H149BA13
2H149BA14
2H149BB24
2H149CA02
2H149DA02
2H149DA12
2H149EA02
2H149EA12
2H149FA03W
2H149FB05
2H149FB06
2H149FC02
2H149FC03
2H149FC10
2H149FD20
2H149FD25
(57)【要約】
本発明は、ヨウ素および二色性染料のうちの少なくとも1つ以上が一定の方向に配向されたポリビニルアルコール系偏光子を含む偏光部材を提供するステップと、前記ポリビニルアルコール系偏光子の一面に印刷法により脱色溶液を接触させて、ポリビニルアルコール系偏光子を部分脱色させるステップと、前記部分脱色した偏光部材の外観矯正ステップとを含む、局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法に関するものである。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヨウ素および二色性染料のうちの少なくとも1つ以上が一定の方向に配向されたポリビニルアルコール系偏光子を含む偏光部材を提供するステップと、
前記ポリビニルアルコール系偏光子の一面に印刷法により脱色溶液を接触させて、ポリビニルアルコール系偏光子を部分脱色させるステップと、
前記部分脱色した偏光部材の外観矯正ステップとを含むことを特徴とする、局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法。
【請求項2】
前記脱色溶液は、pH11〜14の強塩基溶液であることを特徴とする、請求項1に記載の局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法。
【請求項3】
前記脱色溶液は、水酸化ナトリウム(NaOH)、硫酸化ナトリウム(NaSH)、アジド化ナトリウム(NaN3)、水酸化カリウム(KOH)、硫酸化カリウム(KSH)、およびチオ硫酸カリウム(KS2O3)からなる群より選択された1種以上の脱色剤を含むことを特徴とする、請求項2に記載の局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法。
【請求項4】
前記脱色溶液内の脱色剤の濃度が1重量%〜30重量%であることを特徴とする、請求項3に記載の局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法。
【請求項5】
前記脱色溶液は、粘度が1cps〜2000cpsであることを特徴とする、請求項1に記載の局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法。
【請求項6】
前記部分脱色させるステップは、インクジェットマーキング法またはグラビア印刷法により行われることを特徴とする、請求項1に記載の局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法。
【請求項7】
前記部分脱色した偏光部材の外観矯正ステップは、偏光部材を架橋溶液に浸漬させる方法で行われることを特徴とする、請求項1に記載の局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法。
【請求項8】
前記架橋溶液は、ホウ酸、ホウ砂、コハク酸、グルタル酸、およびクエン酸からなる群より選択された1種以上の架橋剤を含むことを特徴とする、請求項7に記載の局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法。
【請求項9】
前記部分脱色した偏光部材の外観矯正ステップは、偏光部材を中和溶液に浸漬させる方法で行われることを特徴とする、請求項1に記載の局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法。
【請求項10】
前記中和溶液は、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、クエン酸、塩酸、グルタル酸、およびコハク酸からなる群より選択された1種以上の中和剤を含むことを特徴とする、請求項9に記載の局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法。
【請求項11】
前記部分脱色した偏光部材の外観矯正ステップは、架橋溶液に浸漬させる方法および中和溶液に浸漬させる方法で行われることを特徴とする、請求項1に記載の局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法。
【請求項12】
前記外観矯正ステップの後に、前記偏光部材を洗浄および乾燥するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法。
【請求項13】
前記洗浄および乾燥するステップにおいて、前記乾燥は、直径が100Φ〜500Φの加熱ロール(heating roll)を用いて行われることを特徴とする、請求項12に記載の局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法。
【請求項14】
前記加熱ロールの温度は、30℃〜150℃であることを特徴とする、請求項13に記載の局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法。
【請求項15】
前記洗浄および乾燥するステップにおいて、前記乾燥は、前記偏光部材を乾燥オーブンに通過させる方法を利用することを特徴とする、請求項14に記載の局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法。
【請求項16】
前記外観矯正ステップの後に、前記偏光部材の少なくとも一面に光学層を形成するステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法。
【請求項17】
前記光学層は、保護フィルム、位相差フィルム、輝度向上フィルム、ハードコーティング層、反射防止層、粘着層、接着層、またはこれらの組み合わせであることを特徴とする、請求項16に記載の局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれか1項に記載の製造方法により形成された局地的脱色領域を含む偏光部材を巻取るステップを含むことを特徴とする、局地的脱色領域を含む偏光部材ロールの製造方法。
【請求項19】
請求項18に記載の製造方法により製造された局地的脱色領域を含む偏光部材のロールから偏光部材を提供するステップと、
前記偏光部材を枚葉型に切断するステップとを含むことを特徴とする、局地的脱色領域を含む枚葉型偏光部材の製造方法。
【請求項20】
前記切断するステップは、レーザを用いて行われることを特徴とする、請求項19に記載の局地的脱色領域を含む枚葉型偏光部材の製造方法。
【請求項21】
前記切断するステップは、
偏光部材の脱色領域の位置を認識するステップと、
前記脱色領域の位置に基づいて切断位置を設定するステップと、
レーザを用いて前記切断位置で切断を行うステップとを含むことを特徴とする、請求項20に記載の局地的脱色領域を含む枚葉型偏光部材の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、2014年3月26日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2014−0035619号、第10−2014−0035614号、および2014年6月30日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2014−0080491号の出願日の利益を主張し、その内容はすべて本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、偏光部材、偏光部材ロールおよび枚葉型偏光部材の製造方法に関するものであって、より詳細には、部品の装着または発色などの機能を行うための局地的脱色領域を含む偏光部材、偏光部材ロールおよび枚葉型偏光部材の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
偏光板は、液晶表示装置、有機電界発光装置などのような多様なディスプレイ装置に適用されている。現在、主に使用されている偏光板は、ポリビニルアルコール(PolyVinyl Alcohol、以下、PVA)系フィルムにヨウ素および/または二色性染料を染着させた後、ホウ酸などを用いて前記ヨウ素および/または二色性染料を架橋し、延伸する方法で配向させて製造されたPVA偏光子の片面または両面に保護フィルムを積層した形態で使用されている。
【0004】
一方、最近、ディスプレイ装置は、ますますスリム化される傾向にあり、大画面を実現するために、画面がディスプレイされないベゼル(bezel)部および枠の厚さを最小化する傾向に進んでいる。また、多様な機能の実現のために、ディスプレイ装置にカメラなどのような部品が装着される傾向にあり、デザイン的な要素を考慮して製品ロゴや枠領域に多様なカラーを付与しようとする試みがなされている。
【0005】
しかし、従来の偏光板の場合、偏光板の全領域にヨウ素および/または二色性染料で染着していて、偏光板が濃い黒色を呈し、その結果、ディスプレイ装置に多様なカラーを付与しにくく、カメラのような部品上に偏光板が位置する場合、偏光板で光量の50%以上を吸収し、カメラレンズの視認性が低下するなどの問題が発生した。
【0006】
このような問題を解決するために、従来は、偏光板の一部領域をパンチングまたは切削して物理的に除去する方法が使用されてきた。しかし、このように偏光板をパンチングまたは切削する過程で偏光板の破れる問題が発生することがあり、偏光板の厚さがますます薄くなっている最近の傾向に伴ってこのような問題がさらに深刻化している。また、偏光板の損傷なくパンチングや切削を行うためには、パンチングまたは切削される領域が偏光板の角から十分な距離を維持しなければならないが、この場合、ベゼル部領域を縮小しようとする最近のデザインの傾向には適しない問題がある。
【0007】
本出願人は、このような問題を解決するために、強塩基溶液を用いてポリビニルアルコール系偏光子を局地的に脱色させる技術を開発して、すでに出願した(韓国出願番号第10−2014−0006269号)。しかし、前記特許技術の場合、脱色過程で強塩基溶液によって膨潤が起こり、脱色した部分が他の部分に比べて増加し、その結果、偏光子にシワまたは変形が起こり、それによってヘイズが増加するなどの問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】韓国出願番号第10−2014−0006269号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、物理的なパンチングや切削工程なしに部品の装着または発色などの機能を行うことが可能な局地的脱色領域を形成することができ、脱色時に偏光子の変形が発生することを最小化することができる偏光部材を製造する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
一側面において、本発明は、ヨウ素および二色性染料のうちの少なくとも1つ以上が一定の方向に配向されたポリビニルアルコール系偏光子を含む偏光部材を提供するステップと、前記ポリビニルアルコール系偏光子の一面に印刷法により脱色溶液を接触させて、ポリビニルアルコール系偏光子を部分脱色させるステップと、前記部分脱色した偏光部材の外観矯正ステップとを含む、局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法を提供する。
【0011】
この時、前記脱色溶液は、pH11〜14の強塩基溶液であることが好ましく、より具体的には、水酸化ナトリウム(NaOH)、硫酸化ナトリウム(NaSH)、アジド化ナトリウム(NaN3)、水酸化カリウム(KOH)、硫酸化カリウム(KSH)、およびチオ硫酸カリウム(KS2O3)からなる群より選択された1種以上の脱色剤を含むものであってよい。一方、前記脱色溶液内の脱色剤の濃度は1重量%〜30重量%程度であることが好ましく、脱色溶液の粘度は1cps〜2000cps程度であってよい。
【0012】
一方、前記ポリビニルアルコール系偏光子を部分脱色させるステップは、インクジェットマーキング法またはグラビア印刷法により行われてもよい。
【0013】
次に、前記部分脱色した偏光部材の外観矯正ステップは、偏光部材を架橋溶液に浸漬させる方法で行われてもよいし、この時、前記架橋溶液は、ホウ素化合物、コハク酸、グルタル酸、およびクエン酸からなる群より選択された1種以上の架橋剤を含むものであってよい。
【0014】
また、前記部分脱色した偏光部材の外観矯正ステップは、偏光部材を中和溶液に浸漬させる方法で行われてもよく、前記中和溶液に含まれる中和剤は、当技術分野で知られているものであれば制限なく採用可能である。例えば、本発明の一実施態様によれば、前記中和溶液は、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、クエン酸、塩酸、グルタル酸、およびコハク酸からなる群より選択された1種以上の中和剤を含むものであってよい。
【0015】
一方、本発明の製造方法は、必要に応じて、前記外観矯正ステップの後に、前記偏光部材を洗浄および乾燥するステップを追加的に含むことができ、この時、前記乾燥は、直径が100Φ〜500Φ、好ましくは150Φ〜300Φの加熱ロール(heating roll)を用いて行われてもよく、前記加熱ロールの温度は30℃〜150℃程度、好ましくは60℃〜150℃程度であってよい。さらに、加熱ロールを用いた乾燥時間は1秒〜60秒程度、好ましくは1秒〜30秒程度であってよい。乾燥ステップでは、加熱ロールの通過なしに乾燥オーブンを通過させて乾燥する方法を用いてもよい。この場合、乾燥温度は25℃〜100℃程度、好ましくは30℃〜80℃程度であってよい。
【0016】
また、本発明の製造方法は、必要に応じて、前記外観矯正ステップの後に、前記偏光部材の少なくとも一面に光学層を形成するステップを追加的に含むことができる。
【0017】
さらに他の側面において、本発明は、前記製造方法により製造された局地的脱色領域を含む偏光部材を提供する。
【0018】
他の側面において、本発明は、前記本発明の製造方法により形成された局地的脱色領域を含む偏光部材を巻取るステップを含む偏光部材ロールの製造方法を提供する。
【0019】
さらに他の側面において、本発明は、前記のように製造された偏光部材ロールから偏光部材を提供するステップと、前記偏光部材を枚葉型に切断するステップとを含む枚葉型偏光部材の製造方法を提供する。この時、前記切断するステップは、レーザを用いて行われてもよく、より具体的には、偏光部材の脱色領域の位置を認識するステップと、前記脱色領域の位置に基づいて切断位置を設定するステップと、レーザを用いて前記切断位置で切断を行うステップとを含んでなってもよい。
【0020】
他の側面において、本発明は、前記製造方法により製造された枚葉型偏光部材を提供する。
【0021】
また、本発明は、前記枚葉型偏光部材を含む偏光板を提供する。
【0022】
他の側面において、本発明は、表示パネルと、前記表示パネルの片面または両面に付着している上述の偏光板とを含む画像表示装置を提供する。
【発明の効果】
【0023】
本発明の製造方法は、パンチングや切削工程を行うことなく、化学的脱色方式により所望の位置に脱色領域を形成するため、偏光板が損傷することを最小化することができる。
【0024】
また、本発明の製造方法は、脱色ステップを印刷工程を用いて行うため、所望の位置にのみ脱色が行われ、原料の損失が最小化されるだけでなく、工程が連続的に行われることが可能で、工程効率に優れ、製造費用が安価であるという利点がある。
【0025】
一方、本発明の製造方法は、脱色ステップの後に外観矯正ステップを行うことにより、脱色工程で膨潤現象によって発生する偏光部材の変形を最小化できるようにした。また、必要に応じて、前記外観矯正ステップの後に偏光部材を洗浄および乾燥するステップを行うことにより、偏光部材の変形を追加的に矯正できるようにした。
【0026】
また、本発明に係る枚葉型偏光部材の製造方法において、切断をレーザで行う場合、従来の金型やナイフを用いた偏光部材の切断とは異なり、偏光部材の形態を自由に形成することができて、デザインの自由度が高いという利点がある。
【0027】
さらに、枚葉型偏光部材の切断時に脱色領域の位置を認識し、これに基づいて偏光部材を切断する場合、偏光板内で脱色領域の位置が変化することによって発生する不良発生率を最小化することができ、均一な品質の製品を製造することができるという利点がある。
【0028】
本発明の製造方法により製造された偏光板は、部品が装着される部分や発色しようとする領域に透明に近い偏光解消領域を形成することができて、部品の性能を向上させることができ、多様なデザインを実現することができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る偏光部材の製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図2】本発明に係る偏光部材の製造方法の一実施形態を示す図である。
【図3】本発明に係る偏光部材の製造方法の一実施形態を示す図である。
【図3a】図2および図3の印刷装置の一例であるグラビア印刷の具体的な構造を示す図である。
【図4】本発明に係る枚葉型偏光部材の製造方法の一実施形態を示す図である。
【図5】レーザ装置の具体的な構造を示す図である。
【図6】実施例1と比較例1によりそれぞれ製造された偏光部材の部分脱色部位の外観変形の程度をレーザ顕微鏡で測定した結果である。
【図7】実施例1と比較例1によりそれぞれ製造された偏光部材の部分脱色部位の外観変形の程度をレーザ顕微鏡で測定した結果である。
【図8】インクの塗布量に応じた脱色部の境界部を光学顕微鏡で撮影したイメージである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施形態を説明する。しかし、種々の異なる形態に変形可能であり、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限定されるものではない。また、当該技術分野における平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
【0031】
図1には、本発明の局地的脱色領域を含む偏光部材の製造方法の概略的なフローチャートが示されており、図2および図3には、本発明の偏光部材の製造方法の一実施形態が示されている。以下、図1〜図3を参照して、本発明をより具体的に説明する。ただし、下記図面に記載された事項は本発明の一実施形態に過ぎず、本発明がこれらの図面に記載された事項に限定されるものではない。
【0032】
図1に示されているように、本発明の偏光部材の製造方法は、ヨウ素および二色性染料のうちの少なくとも1つ以上が一定の方向に配向されたポリビニルアルコール系偏光子を含む偏光部材を提供するステップS10と、前記ポリビニルアルコール系偏光子の一面に印刷法により脱色溶液を接触させて、ポリビニルアルコール系偏光子を部分脱色させるステップS20、S30と、前記部分脱色した偏光部材の外観矯正ステップS40とを含む。
【0033】
本明細書の「脱色溶液印刷ステップS20」は、前記ポリビニルアルコール系偏光子の一面に印刷法により脱色溶液を接触させることを意味することができる。
【0034】
本明細書の「部分脱色」とは、マスク層の穿孔部によって露出する偏光部材領域が脱色することを意味することができる。また、前記部分脱色によって脱色する偏光部材の領域は、偏光部材の局地的脱色領域に対応することができる。
【0035】
一方、本発明の偏光部材の製造方法は、必要に応じて、外観矯正ステップを経た偏光部材を洗浄および乾燥するステップS50を追加的に含むことができ、前記のような方法により製造された局地的脱色領域を含む偏光部材を巻取って、長尺の偏光部材ロールに製造するステップS60を追加的に含むことができる。また、必要に応じて、前記長尺の偏光部材ロールから枚葉型偏光部材を製造するステップS70を追加的に含むことができる。
【0036】
まず、前記偏光部材を提供するステップS10において、前記偏光部材120は、ヨウ素および二色性染料のうちの少なくとも1つ以上が一定の方向に配向されたポリビニルアルコール系偏光子を含むもので、例えば、ヨウ素および/または二色性染料が一定の方向に配向されているポリビニルアルコール系偏光子であるか、または前記のようなポリビニルアルコール系偏光子および前記偏光子の一面に透明高分子フィルムが付着しているフィルム積層体であってよい。すなわち、本発明において、偏光部材は、ポリビニルアルコール系偏光子のみからなってもよく、ポリビニルアルコール系偏光子の一面に透明高分子フィルムを追加的にさらに含んでもよい。この時、前記ポリビニルアルコール系偏光子は、その厚さが1μm〜50μm程度、例えば10μm〜30μm程度、または1μm〜10μm程度であってよく、前記透明高分子フィルムの厚さは1μm〜100μm程度、例えば、10μm〜70μm程度であってよい。
【0037】
一方、本発明において、前記偏光部材としては、長尺の偏光子フィルム、または偏光子フィルムと透明高分子フィルムとの積層体がロール形状に巻かれているフィルムロール状態の偏光部材である偏光部材ロール100が使用可能であり、この場合、前記のようなフィルムロールから偏光部材120を巻出すことにより、工程内に提供可能である。
【0038】
一方、前記ヨウ素および二色性染料のうちの少なくとも1つ以上が一定の方向に配向されたポリビニルアルコール系偏光子は、当該技術分野でよく知られているPVA偏光子の製造方法により製造するか、または市販のポリビニルアルコール系偏光子を購入して使用することができる。
【0039】
例えば、前記ポリビニルアルコール系偏光子は、未延伸ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素および/または二色性染料を染着させるステップと、前記ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素および/または二色性染料を架橋させるステップと、前記ヨウ素および/または二色性染料が染着したポリビニルアルコール系フィルムを延伸するステップとにより製造できる。この時、前記染着ステップ、架橋ステップ、および延伸ステップは、当該技術分野で知られている方法により行われてもよく、その方法が特に限定されるものではない。
【0040】
例えば、前記染着ステップは、未延伸ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素および/または二色性染料を含む染着溶液の入った染着槽に含浸させるか、ヨウ素および/または二色性染料を含む染着溶液をポリビニルアルコール系フィルム上に塗布する方法で行われてもよいし、この時、前記染着溶液の溶媒としては一般的に水が使用されるが、水と相溶性を有する有機溶媒が混合していても構わない。一方、前記染着溶液内のヨウ素および/または二色性染料の含有量は、これに制限されるものではないが、例えば、溶媒100重量部に対して、0.06重量部〜0.25重量部程度であってよい。また、前記染着溶液には、ヨウ素および/または二色性染料のほか、染着効率を向上させるための補助剤が追加的に含有されてもよく、前記補助剤としては、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化スズ、ヨウ化チタン、またはこれらの混合物のようなヨウ化化合物が使用できる。この時、前記補助剤の含有量は、これに制限されるものではないが、例えば、溶媒100重量部に対して、0.3重量部〜2.5重量部程度であってよく、より好ましくは、ヨウ素対ヨウ化化合物の重量比が1:5〜1:10程度であってよい。一方、前記染着ステップは、25℃〜40℃程度の温度で行われることが好ましく、染着槽の浸漬時間は30秒〜120秒程度であることが好ましいが、これに限定されるものではない。
【0041】
次に、前記架橋ステップは、ヨウ素および/または二色性染料が染着したポリビニルアルコール系フィルムに架橋溶液を接触させる方法で行われてもよく、前記接触は、浸漬、塗布、噴霧などの方法により行われてもよい。この時、前記架橋溶液は、ホウ酸、ホウ砂などのようなホウ素化合物;グリオキサル;グルタルアルデヒド;またはこれらの混合物のような架橋剤を含む溶液であり、前記架橋溶液の溶媒としては水が一般的に使用されるが、水とともに水と相溶性を有する有機溶媒を混合して使用しても構わない。前記架橋溶液内の架橋剤の含有量は、これに制限されるものではないが、例えば、溶媒100重量部に対して、0.5重量部〜5.0重量部程度であってよい。一方、前記架橋温度および架橋時間は特に限定されるものではなく、架橋剤の含有量などに応じて適切に調整可能である。例えば、前記架橋温度は45℃〜60℃程度であってよく、架橋時間は30秒〜120秒程度であってよい。
【0042】
次に、前記延伸ステップは、当該技術分野でよく知られている偏光子の延伸方法、例えば、湿式延伸や乾式延伸により行われてもよく、これに限定されるものではないが、延伸倍率は4倍〜10倍程度、延伸温度は45℃〜60℃程度であってよい。一方、前記延伸ステップは、前記染着ステップまたは架橋ステップと同時にまたは別途に進行してもよい。
【0043】
一方、前記延伸は、ポリビニルアルコール系フィルム単独で行われてもよく、ポリビニルアルコール系フィルムに基材フィルムを積層した後、ポリビニルアルコール系フィルムと基材フィルムをともに延伸する方法で行われてもよい。後者の方法は、厚さの薄いポリビニルアルコール系フィルム(例えば、60μm以下のPVAフィルム)を延伸する場合、延伸過程でポリビニルアルコール系フィルムが破断するのを防止するために使用されるもので、10μm以下の薄型PVA偏光子を製造するために使用できる。この時、前記基材フィルムとしては、20℃〜85℃の温度条件下、最大延伸倍率が5倍以上の高分子フィルムが使用可能であり、例えば、高密度ポリエチレンフィルム、ポリウレタンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリオレフィンフィルム、エステル系フィルム、低密度ポリエチレンフィルム、高密度ポリエチレン、および低密度ポリエチレン共押出フィルム、高密度ポリエチレンにエチレンビニルアセテートが含有された共重合体樹脂フィルム、アクリルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリビニルアルコール系フィルム、セルロース系フィルムなどが使用できる。一方、前記最大延伸倍率は、破断が発生する直前の延伸倍率を意味する。また、前記基材フィルムとポリビニルアルコール系フィルムとの積層方法は特に限定されない。例えば、基材フィルムとポリビニルアルコール系フィルムとを接着剤または粘着剤を介在させて積層してもよく、別途の介在物なしに基材フィルム上にポリビニルアルコール系フィルムを載せる方式で積層してもよい。あるいは、基材フィルムを形成する樹脂とポリビニルアルコール系フィルムを形成する樹脂とを共押出する方法で行われるか、または基材フィルム上にポリビニルアルコール系樹脂をコーティングする方法で行われてもよい。一方、前記基材フィルムは、延伸が完了した後に、偏光子から離脱させて除去してもよいが、除去せず、次のステップに進んでもよい。この場合、前記基材フィルムは、偏光子保護フィルムなどに使用できる。
【0044】
一方、ポリビニルアルコール系偏光子と透明高分子フィルムとが積層されたフィルム積層体を含む偏光部材の場合、前記のような方法により製造されたポリビニルアルコール系フィルムの一面に透明高分子フィルムを付着させる方法で製造できる。この時、前記透明高分子フィルムとしては、トリアセチルセルロース(TriAcethyl Cellulose;TAC)のようなアセテート系、アクリル系、ポリエステル系、ポリエーテルスルホン系、ポリカーボネート系、ポリアミド系、ポリイミド系、ポリオレフィン系樹脂フィルムなどが使用できるが、これらに限定されるものではない。一方、前記透明高分子フィルムの付着は、当該技術分野でよく知られているフィルムの貼り合わせ方法により行われてもよく、例えば、ポリビニルアルコール系接着剤のような水系接着剤、ウレタン系接着剤などのような熱硬化性接着剤、エポキシ系接着剤などのような光カチオン硬化型接着剤、アクリル系接着剤などのような光ラジカル硬化型接着剤のように、当該技術分野でよく知られている接着剤を介在させてポリビニルアルコール系偏光子と透明高分子フィルムとを接着した後、熱または活性エネルギー線などを照射して接着剤を硬化させる方法で行われてもよい。
【0045】
本ステップでは、ポリビニルアルコール系偏光子の一面に保護フィルムを貼り合わせて偏光子の外観を保護する役割を果たすことができる。具体的には、ポリビニルアルコール系偏光子の一面に透明高分子フィルムが積層されている場合には、透明高分子フィルムが積層されていない面に保護フィルムを貼り合わせる。前記保護フィルムとしては、ポリエチレン(PolyEthylene、PE)、ポリプロピレン(PolyPropylene、PP)、ポリエチレンテレフタレート(PolyEthyleneTerephtalate、PET)などのようなオレフィン系フィルム;またはエチレンビニルアセテート(Ethylene Vinyl Acetate、EVA)、ポリビニルアセテート(PolyVinyl Acetate)などのようなビニルアセテート系フィルムが使用できるが、これらに限定されるものではない。前記保護フィルムを偏光子の外観保護の役割を果たした後は剥離可能である。
【0046】
次に、前記のような偏光部材が提供されると、前記ポリビニルアルコール系偏光子の一面に印刷法により脱色溶液を接触させて、ポリビニルアルコール系偏光子を部分脱色させるステップS20、S30を行う。具体的には、偏光子の一面に基材、保護フィルムまたは透明高分子フィルムが備えられている場合、前記基材、保護フィルムまたは透明高分子フィルムが備えられていない面に印刷法により脱色溶液を接触させて、ポリビニルアルコール系偏光子を部分脱色させるステップを行う。
【0047】
印刷法を用いて脱色工程を行う場合、マスクフィルムなどを必要とする塗布工程または浸漬工程に比べて、原材料および工程の減少による原価競争力の確保が可能であるという利点がある。また、マスクフィルムを用いる場合、閉曲線(closed curve)を有する脱色部の形成が難しいが、印刷法を利用する場合、閉曲線の脱色部の実現が容易であるという利点がある。
【0048】
この時、前記脱色溶液は、ヨウ素および/または二色性染料を脱色させられる脱色剤を含む溶液であり、この時、前記脱色剤は、ヨウ素および/または二色性染料を脱色させられる脱色剤であればよく、特に限定されるものではないが、例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)、硫酸化ナトリウム(NaSH)、アジド化ナトリウム(NaN3)、水酸化カリウム(KOH)、硫酸化カリウム(KSH)、およびチオ硫酸カリウム(KS2O3)からなる群より選択された1種以上であってよい。
【0049】
一方、前記脱色溶液内の脱色剤の濃度は1重量%〜30重量%程度、好ましくは5重量%〜20重量%程度、より好ましくは10重量%〜15重量%程度であってよい。脱色剤の含有量が1重量%未満の場合、脱色が行われないか、脱色にかかる時間が長くなって膨潤によって偏光部材の変形が発生することがあり、脱色剤の濃度が30重量%を超える場合、脱色効率の増加量がわずかで経済性に劣る。
【0050】
一方、前記脱色溶液の溶媒として、水、または水とアルコールとの混合溶媒が使用可能であり、この時、前記アルコールとしては、メタノール、エタノール、ブタノール、イソプロピルアルコールなどが単独または混合して使用できる。
【0051】
一方、前記脱色溶液は、pH11〜14、好ましくは13〜14の強塩基溶液であることがより好ましい。前記のような強塩基溶液を使用する場合、ポリビニルアルコールとヨウ素および/または二色性染料の間のホウ酸架橋結合が破壊されて脱色が円滑に行われるからである。
【0052】
一方、前記脱色溶液は、粘度が1cps〜2000cps程度、好ましくは5cps〜2000cps程度であってよい。脱色溶液の粘度が前記数値範囲を満足する場合、印刷工程が円滑に行われ、連続工程ラインにおいて、偏光部材の移動によって印刷された脱色溶液に拡散したり流れ落ちるのを防止することができ、これによって所望の領域に所望の形状で脱色領域を形成できるからである。一方、前記脱色溶液の粘度は、使用される印刷装置、PVA偏光子の表面特性などに応じて適切に変更可能である。例えば、グラビア印刷法を用いる場合、脱色溶液の粘度は1cps〜2000cps程度、好ましくは5cps〜200cps程度、より好ましくは30cps〜70cps程度であってよく、インクジェット印刷法を用いる場合、脱色溶液の粘度は1cps〜30cps程度、好ましくは1cps〜20cps程度であってよい。
【0053】
一方、前記脱色溶液は、粘度などの調整のために、必要に応じて、増粘剤を追加的に含むことができる。前記増粘剤は、反応性が低く、溶液の粘度を高められるものであればよく、その種類が制限されないが、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルアセトアセテート系樹脂、アセトアセチル基変性ポリビニルアルコール系樹脂、ブテンジオールビニルアルコール系、ポリアクリルアミド系、およびポリエチレングリコール系からなる群より選択された少なくとも1つ以上であってよい。
【0054】
一方、前記増粘剤は、前記脱色溶液の全体重量に対して、0.5重量%〜30重量%程度、好ましくは2.5重量%〜15重量%程度の含有量で含まれてもよい。増粘剤の含有量が前記範囲を超える場合、粘度が高すぎて印刷工程を円滑に行うことが難しく、洗浄が効果的に行われず、増粘剤の含有量が低すぎる場合、粘度が低くて液体の拡散および流動によって所望の形状、大きさの脱色領域を実現しにくい。
【0055】
本発明において、前記脱色溶液の印刷ステップS20は、印刷装置200などを用いて行われてもよいし、この時、前記印刷装置は、これに制限されるものではないが、連続工程実施の容易性を考慮する時、インクジェットマーキング法またはグラビア印刷法などによって印刷を行う装置であることが好ましい。この時、前記インクジェットマーキング法は、インクジェットノズルを介して被印刷対象物(PVA偏光子)にインク液滴を滴下させる方式で行われる印刷法をいい、グラビア印刷法は、印刷しようとする形状が陰刻された印刷ロールにインクを充填し、ドクターブレードなどにより前記陰刻部以外の領域のインクを除去することで陰刻部にのみインクを残した後、前記陰刻部に充填されたインクを転写ロールを用いて被印刷対象物(PVA偏光子)に転写する方式で行われる印刷法をいう。具体的には、図3Aは、図2および図3の印刷装置200の一例であるグラビア印刷の具体的な構造を示す図である。
【0056】
一方、前記インクジェットマーキング法としては、インクジェット印刷で使用される多様な種類のマーキング方式が使用可能であり、これに限定されるものではないが、例えば、偏光子の損傷防止のために、非接触式インクジェットマーキング方式などが使用できる。非接触式インクジェットマーキングは、循環方式(CIJ(Continue Ink Jet))と非循環方式(DOD(Drop On Damage)、Pieze)に分けることができ、被印刷対象の偏光子の表面状態、所望の脱色程度、脱色領域の大きさ、偏光部材の移動速度、噴射距離などを考慮して、適切なインクジェットマーキング方式を選択して使用することができる。
【0057】
本発明の一実施形態によれば、前記脱色溶液の印刷ステップS20は、インクジェットマーキング法で行われてもよい。この時、最適なインク量を導出した後、インクジェットマーキング法によって部分脱色させるステップを行う場合、残留するインクを除去するための別途の洗浄ステップを省略できるという利点がある。例えば、本発明者らの研究によれば、80pL(ピコリットル)128個のノズル(nozzle)を有するプリンタヘッドで84゜のチルティング(tilting)角度でY軸ドットピッチ(dot pitch)を60μmに固定して実験した結果、X軸ドットピッチ(dot pitch)が22μmの時、脱色部の境界部の鮮明度が最も高いことが明らかになった。一方、X軸ドットピッチが20μmの場合、インク溢れによって境界部のパターンが崩れる現象が現れ、X軸ドットピッチが25μmの場合、インク不足で境界部の不均一現象が現れた。前記X軸ドットピッチによる脱色部の境界部を光学顕微鏡で撮影したイメージを図8に示した。
【0058】
本発明の一実施形態によれば、前記部分脱色させるステップは、グラビア印刷法により行われてもよい。本発明者らの研究によれば、量産性の観点から、ロールツーロール工程速度約20m/min、脱色溶液の粘性約50cps、およびヒータの温度約60℃〜70℃の条件で行うことが最も好ましいことが明らかになった。この時、ヒータは、偏光子に転写された脱色溶液が流れないように乾燥させる役割を果たすもので、結果的に効率的な脱色を補助する役割を果たす。一方、所望の領域に所望の形状の脱色部実現の観点から、#200ロールメッシュ(roll mesh)を用いることが好ましい。グラビア印刷ロールは、陰刻部分の内部がメッシュ形態となっており、#200とは、メッシュ形態をなす線の個数が200個であることを意味する。#200未満のロールメッシュを用いる場合、メッシュの形状が脱色部に現れ、所望する形状の実現が難しい問題がある。
【0059】
前記のような印刷過程により脱色溶液が偏光子の一部領域に適用されると、脱色溶液内の脱色剤によってヨウ素および/または二色性染料が分解されながら当該領域が脱色するようになる。
【0060】
この時、前記脱色領域は、その形状や位置などは特に限定されず、多様な形態および位置に形成されてもよい。例えば、前記脱色領域は、カメラのような部品が装着される位置に前記部品の形状に対応するように形成されてもよく、製品ロゴが印刷される領域に製品ロゴの形状に形成されてもよく、偏光部材の枠部分にカラーを付与しようとする場合には、偏光部材の枠部分に額縁形状に形成されてもよい。
【0061】
一方、前記部分脱色工程が完了すると、必要に応じて、脱色溶液を洗浄するステップ(図示せず)を実施することができる。脱色溶液が偏光部材に残留すると、後工程で残留した脱色溶液によって、所望しない領域に偏光子の脱色が発生し得るからである。この時、前記洗浄は、アルコールまたは酸性水溶液に偏光部材を浸漬させるか、アルコールまたは酸性水溶液を偏光部材上に塗布する方法で行われてもよいし、この時、前記アルコールとしては、例えば、エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール、またはこれらの混合物が使用可能であり、前記酸性溶液としては、例えば、酢酸水溶液、アジピン酸水溶液、ホウ酸水溶液、リン酸水溶液、乳酸水溶液、硫酸水溶液、硝酸水溶液、またはこれらの混合溶液が使用できるが、これらに限定されるものではない。前記洗浄ステップは、1秒〜180秒程度、好ましくは3秒〜60秒程度行われることが好ましい。
【0062】
次に、前記部分脱色した偏光部材140の外観矯正ステップS40を行う。本発明のように脱色溶液を用いて部分脱色した偏光部材の場合、脱色溶液によって脱色部分に膨潤が発生して偏光部材の形態が変形する問題がある。本ステップは、前記のように変形した偏光部材の形態を回復させるためのステップである。すなわち、外観矯正ステップは、脱色溶液によって変形した偏光部材の外観を回復させるステップである。
【0063】
本発明の一実施形態によれば、前記外観矯正ステップは、偏光部材を架橋溶液310に浸漬させる方法で行われてもよい。すなわち、前記外観矯正ステップは、架橋処理ステップを含むことができる。
【0064】
この時、前記架橋溶液は、ホウ酸、ホウ砂などのようなホウ素化合物;およびコハク酸、グルタル酸、クエン酸などのような酸からなる群より選択される1種以上の架橋剤を含み、この時、前記架橋剤の含有量は、架橋剤の種類に応じて変化可能であるが、例えば、0.001重量%〜20重量%程度、好ましくは0.003重量%〜15重量%程度、より好ましくは0.005重量%〜10重量%程度であってよい。より好ましくは、架橋剤としてホウ素化合物を使用する場合には、架橋剤の含有量が0.001重量%〜5重量%程度であってよく、架橋剤として酸を使用する場合には、架橋剤の含有量が0.001重量%〜1重量%程度であってよい。架橋剤の含有量が前記数値範囲を満足する場合、工程収率、偏光板の外観品質、光学特性および耐久性などが優れたものとなる。一方、前記架橋溶液の溶媒としては水(純水)が使用できる。
【0065】
一方、必須ではないが、偏光板の物性および色相などを調整するために、前記架橋溶液に、ヨウ化カリウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化アルミニウム、ヨウ化鉛、ヨウ化銅、ヨウ化バリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化スズ、ヨウ化チタン、またはこれらの混合物のようなヨウ化化合物が追加的に含まれてもよい。この時、前記ヨウ化化合物の含有量は3重量%〜5重量%程度であることが好ましい。ヨウ化化合物の含有量が前記数値範囲を外れる場合、偏光子の耐熱性や色相特性に悪影響を及ぼすことがある。
【0066】
一方、前記架橋処理時の架橋溶液の温度は、これに限定されるものではないが、例えば、10℃〜70℃程度、好ましくは15℃〜65℃程度、より好ましくは20℃〜60℃程度であってよい。前記架橋溶液の温度が前記数値範囲を満足する場合、脱色処理による偏光部材の変形を効果的に矯正することができ、前記数値範囲を外れる場合、偏光部材の光学物性や外観品質などが低下することがあり、深刻な場合、偏光部材の変形をむしろ悪化させることがある。
【0067】
また、前記架橋処理時間は、これに限定されるものではないが、例えば、1秒〜120秒、好ましくは1秒〜90秒、より好ましくは1秒〜60秒程度であってよい。架橋処理時間が前記数値範囲を満足する場合、脱色による偏光部材の変形を効果的に矯正することができ、前記数値範囲を外れる場合、偏光部材の光学特性や品質が低下するなどの問題が発生することがあり、深刻な場合、偏光部材の形態変形をむしろ悪化させることがある。
【0068】
前記のように架橋剤が含まれた架橋溶液に偏光部材を浸漬させる場合、架橋溶液内に含まれたホウ素化合物または酸によってPVAフィルムのポリビニルアルコール鎖が互いに結合されながら偏光部材の変形が矯正される効果を得ることができる。本発明者らの研究によれば、脱色ステップの後に前記のような架橋処理を行う場合、架橋処理をしない場合と比較して、脱色部分の寸法変形率が10%〜70%、一般的には20%〜60%程度まで減少することが明らかになった。
【0069】
本発明の一実施形態によれば、前記外観矯正ステップは、偏光部材を中和溶液300に浸漬させる方法で行われてもよい。すなわち、前記外観矯正ステップは、中和処理ステップを含むことができる。
【0070】
この時、前記中和溶液は、中和剤を含み、前記中和剤は、当技術分野で知られているものであれば制限なく採用可能である。例えば、前記中和溶液は、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸、クエン酸、塩酸、グルタル酸、およびコハク酸からなる群より選択される1種以上の中和剤を含み、この時、前記中和剤の含有量は、中和剤の種類に応じて変化可能であるが、例えば、0.001重量%〜20重量%程度、好ましくは0.003重量%〜15重量%程度、より好ましくは0.005重量%〜10重量%程度であってよい。より好ましくは、酢酸またはクエン酸を使用する場合には、中和剤の含有量が0.01重量%〜10重量%程度であってよい。中和剤の含有量が前記数値範囲を満足する場合、工程収率、偏光板の外観品質、光学特性および耐久性などが優れたものとなる。一方、前記中和溶液の溶媒としては水(純水)が使用できる。
【0071】
前記中和溶液の温度および中和処理時間は、それぞれ上述の架橋溶液の温度および架橋処理時間に関する内容が同様に適用可能である。具体的には、中和処理時の中和溶液の温度は、これに限定されるものではないが、例えば、5℃〜70℃であってよい。また、前記中和処理時間は、これに限定されるものではないが、例えば、3秒〜30秒程度であってよい。
【0072】
前記のように中和溶液に偏光部材を浸漬させる場合、脱色ステップS20で使用された塩基溶液の陽イオンが中和処理によって除去されながら、脱色によって変形した偏光部材の外観変形が矯正される効果を得ることができる。
【0073】
また、本発明の一実施形態によれば、前記外観矯正ステップは、架橋処理ステップと、中和処理ステップとを含むことができる。具体的には、中和処理ステップを行った後に架橋処理ステップを行うことができ、この場合、中和処理によって外観変形を矯正し、架橋処理によりこれを固定させる効果を得ることができる。中和処理ステップを先に行った後、架橋処理ステップを行う外観矯正ステップを含む本発明の一実施形態を図3に具体的に示した。
【0074】
本発明者らの研究によれば、脱色ステップの後に前記のような外観矯正ステップを行う場合、外観矯正ステップを行わない場合と比較して、脱色部分の寸法変形率が10%〜70%、一般的には20%〜60%程度まで減少することが明らかになった。
【0075】
具体的には、脱色処理をすれば、偏光部材の厚さが脱色処理前に比べて5%〜30%程度厚くなり、周辺部との厚さの差のため、脱色部位が盛り上がった形態に偏光部材の外観が変形する。脱色ステップの後に外観矯正ステップを行えば、偏光部材の厚さが再び5%〜30%程度まで減少する効果があって、脱色ステップの前と類似する水準の厚さを示し、周辺部との厚さの差が減少しながら外観矯正の効果を示す。本発明者らの研究によれば、脱色ステップの後に中和処理ステップを行う場合、純水洗浄のみを行った場合と比較して、脱色部位が盛り上がった形態に変形する程度が約7%〜22%程度緩和されることが明らかになった。
【0076】
また、脱色処理後、偏光部材の収縮変形によって偏光部材の脱色部位中の盛り上がった形態に変形した面の反対面が周辺部に比べて沈む形態を示すが、脱色ステップの後に外観矯正ステップを行えば、このような現象が緩和されることで外観矯正の効果を示す。具体的には、本発明者らの研究によれば、脱色ステップの後に中和処理ステップを行う場合、純水洗浄のみを行った場合と比較して、周辺部に比べて下方へ垂れ下がる外観変形の程度が約60%〜80%程度緩和されることが明らかになった。
【0077】
次に、前記のような外観矯正ステップが完了した後に、必要に応じて、前記架橋処理された偏光部材150を洗浄および乾燥するステップS50を追加的に実施することができる。本ステップは、偏光部材に残留する架橋溶液および/または中和溶液を洗浄し、脱色溶液による偏光部材の外観変形を追加的に矯正するためのもので、当該技術分野で知られている偏光部材の洗浄および乾燥方法により行われてもよい。
【0078】
例えば、前記洗浄および乾燥ステップは、偏光部材が洗浄ロール420および加熱ロール460を通過するようにする方法で行われてもよいし、この時、前記加熱ロール460は、直径が100Φ〜500Φ、好ましくは150Φ〜300Φ程度であってよい。前記加熱ロール460の温度は30℃〜150℃程度、好ましくは60℃〜150℃程度であってよい。本発明者らの研究によれば、前記洗浄および乾燥ステップにおける加熱ロールの直径および温度に応じて偏光部材の外観変形の矯正効果が異なることが明らかになり、加熱ロール460の直径および温度が前記数値範囲を満足する場合、偏光部材の外観変形が効果的に矯正されることが明らかになった。乾燥ステップでは、加熱ロールの通過なしに乾燥オーブンを通過させて乾燥する方法を用いてもよい。この場合、乾燥温度は25℃〜100℃程度、好ましくは30℃〜80℃程度であってよい。
【0079】
本発明の一実施形態によれば、前記洗浄および乾燥ステップにおいて、前記乾燥は、前記偏光部材を乾燥オーブンに通過させる方法を利用することができる。
【0080】
また、本発明の製造方法は、必須ではないが、偏光部材の表面平滑度を追加的に向上させるために、前記外観矯正ステップの後に、PVA偏光子の一面に平坦化層を形成するステップをさらに含むことができる。この時、前記平坦化層は、脱色溶液が接触した面に形成されることが好ましく、その厚さは1μm〜10μm程度、より好ましくは2μm〜5μm程度であってよい。
【0081】
また、本発明の製造方法は、必須ではないが、必要に応じて、前記外観矯正ステップの後に、前記偏光部材の少なくとも一面に光学層を形成するステップ(図示せず)を追加的に含むことができる。この時、前記光学層は、保護フィルムまたは位相差フィルムのような高分子フィルム層であってもよく、輝度向上フィルムのような機能性フィルム層であってもよいし、ハードコーティング層、反射防止層、粘着層のような機能性層であってもよく、これらの組み合わせであってもよい。
【0082】
一方、前記光学層は、ポリビニルアルコール偏光子面に直接付着または形成されてもよく、ポリビニルアルコール偏光子の一面にフィルムや樹脂コーティング層などが形成されている場合であれば、前記フィルムや樹脂コーティング層上に付着してもよい。
【0083】
前記光学層の形成方法は、形成しようとする光学層の種類に応じてそれぞれ異なる方法で形成可能であり、例えば、当該技術分野でよく知られている光学層の形成方法を用いて形成されてもよく、その方法が特に制限されるものではない。
【0084】
さらに他の側面において、本発明は、このような過程を経て製造された局地的脱色領域を含む偏光部材を提供する。すなわち、本発明の一前記偏光部材の製造方法により製造された局地的脱色領域を含む偏光部材を提供する。前記局地的脱色領域は、偏光解消領域であってよい。前記偏光解消領域は、可視光線領域の400nm〜800nm、より好ましくは450nmから750nmの波長帯域における単体透過度が80%以上であり、85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。また、前記偏光解消領域は、偏光度が10%以下であり、5%以下であることがより好ましい。前記偏光解消領域の単体透過度が高くかつ偏光度が低いほど視認性が向上し、前記領域に位置することとなるカメラレンズなどの性能および画質をより向上させることができる。
【0085】
本明細書の「単体透過度」は、偏光板の吸収軸の透過度と透過軸の透過度との平均値で表される。また、本明細書の「単体透過度」および「偏光度」は、JASCO社のV−7100モデルを用いて測定された値である。
【0086】
一方、このような過程を経て製造された本発明の局地的脱色領域を含む偏光部材160は、長尺のフィルム形態であってよく、これを巻取ることにより、局地的脱色領域を含む偏光部材のロール170を製造するステップS60を追加的に実施することができる。
【0087】
一方、本発明は、このような方法で製造された本発明の偏光部材ロールを切断して枚葉型偏光部材を製造するステップS70を含む、局地的脱色領域を含む枚葉型偏光部材の製造方法を提供する。図4には、本発明の枚葉型偏光部材の製造方法の一実施形態が示されている。
【0088】
本発明の局地的脱色領域を含む枚葉型偏光部材を製造する方法は、前記本発明の方法により製造された局地的脱色領域を含む偏光部材のロールから偏光部材を提供するステップと、前記偏光部材をチップ形状に切断するステップとを含む。
【0089】
この時、前記偏光部材を提供するステップは、局地的脱色領域を含む偏光部材のロール170から偏光部材を巻出す方法で行われてもよく、前記切断ステップは、これに限定されるものではないが、レーザ2000を用いて行われることが好ましい。金型やナイフを用いて偏光部材を切断する場合、切断された偏光部材において脱色領域が同一の位置を有するように調整することが容易でなく、不良発生率が高くなるからである。また、レーザを用いて切断する場合、金型やナイフを用いる場合に比べて、偏光部材の形状を比較的自由に調整することができるという利点がある。例えば、レーザを用いて偏光部材を切断する場合、偏光部材の4つの角の形状を互いに異ならせたり、直線でない曲線形状に切断するなどの変形が可能である。前記レーザ装置2000は、当技術分野で知られているものであればその構成要素が特に限定されず、例えば、レーザ2100、反射鏡(reflection mirror)2200、F−Theta Lens2300、ビームエキスパンダ(beam expander)2501、ビームシェーパ(beam shaper)2502、および基材2400などを含む。具体的には、ビームシェーパ2502とビームエキスパンダ2501は、反射鏡2200とF−Theta Lens2300との間に挿入されてもよく、図面には、反射鏡2200とF−Theta Lens2300との間に1つのみが位置するように表されているが、ビームシェーパ2502およびビームエキスパンダ2501のうちのいずれか1つが単独で使用されてもよく、2つとも使用されてもよい。図4のレーザ装置2000の具体的な構造を図5に示した。
【0090】
より好ましくは、前記切断ステップは、図4に示されているように、偏光部材の脱色領域の位置を認識するステップと、前記脱色領域の位置情報に基づいて切断位置を設定するステップと、レーザを用いて前記切断位置で切断を行うステップとを含むことができる。この時、前記脱色領域の位置を認識するステップは、CCDカメラのようなビジョン(VISION)装置1000を用いて行われてもよく、前記脱色領域の位置は、例えば、脱色領域の中央のような特定の位置であってよい。一方、必須ではないが、切断精度を向上させるために、前記ビジョン(VISION)装置1000は、脱色領域の位置のほか、偏光部材の末端の位置または進行方向などを認識するように設定されるか、または偏光部材の末端の位置や進行方向を認識するためのビジョン装置(図示せず)を別途に備えることができる。
【0091】
その後、認識された脱色領域の位置を利用して、偏光部材の切断位置を設定するステップを行う。このステップは、ビジョン装置1000と電気的に連結された演算装置(図示せず)により行われてもよく、設定された切断位置情報はレーザ装置2000に伝送される。その後、レーザ装置2000で前記切断位置情報どおりに偏光部材を切断する。
【0092】
前記のような方法により偏光部材を切断する場合、脱色領域の位置から切断位置が設定されるため、最終的に生成される枚葉型偏光部材5000において脱色領域の位置が同一になり、その結果、不良率を減少させ、品質の均一性を向上させることができる。
【0093】
前記のような過程により、偏光部材が切断されると、剥離ロール3000などを用いて、切断された枚葉型偏光部材5000と、残りの部分4000とを分離させることにより、枚葉型偏光部材5000を得ることができる。
【0094】
さらに他の側面において、本発明は、上述の枚葉型偏光部材の製造方法により製造された局地的脱色領域を含む枚葉型偏光部材を提供する。
【0095】
他の側面において、本発明は、前記枚葉型偏光部材を含む偏光板を提供する。前記局地的脱色領域は、上述のように、偏光解消領域であってよく、偏光解消領域の単体透過度および偏光度は上述の内容が適用可能である。一方、前記偏光板の偏光解消領域を除いた領域は、単体透過度が40%〜47%であることが好ましく、41%〜46%であることがより好ましい。さらに、前記偏光板の偏光解消領域を除いた領域は、偏光度が99%以上であることが好ましい。これは、偏光解消領域を除いた残りの領域は、本来の偏光板の機能を果たすことで、前記範囲のような優れた光学物性を示さなければならないからである。
【0096】
前記偏光板は、本発明の一製造方法により製造された局地的脱色領域を含む偏光部材を含むことを除いては、当技術分野で知られている構成要素を含むことができる。例えば、位相差フィルム、ハードコーティング層などをさらに含むことができるが、これに限定されるものではない。
【0097】
他の側面において、本発明は、表示パネルと、前記表示パネルの片面または両面に付着している上述の偏光板とを含む画像表示装置を提供する。
【0098】
前記表示パネルは、液晶パネル、プラズマパネルおよび有機発光パネルであってよく、これによって、前記画像表示装置は、液晶表示装置(LCD)、プラズマ表示装置(PDP)および有機電界発光表示装置(OLED)であってよい。
【0099】
より具体的には、前記画像表示装置は、液晶パネルと、該液晶パネルの両面にそれぞれ備えられた偏光板とを含む液晶表示装置であってよいし、この時、前記偏光板のうちの少なくとも1つが、上述の本発明の一偏光板であってよい。
【0100】
この時、前記液晶表示装置に含まれる液晶パネルの種類は特に限定されない。例えば、その種類に制限されず、TN(twisted nematic)型、STN(super twisted nematic)型、F(ferroelectic)型、またはPD(polymer dispersed)型のようなパッシブマトリクス方式のパネル;2端子型(two terminal)または3端子型(three terminal)のようなアクティブマトリクス方式のパネル;横電界型(IPS;In Plane Switching)パネルおよび垂直配向型(VA;Vertical Alignment)パネルなどの公知のパネルがすべて適用可能である。また、液晶表示装置を構成するその他の構成、例えば、上部および下部基板(例えば、カラーフィルタ基板またはアレイ基板)などの種類も特に制限されず、この分野で公知の構成が制限なく採用可能である。
【0101】
本発明のさらに他の実施形態によれば、前記画像表示装置は、前記偏光板の偏光解消領域に備えられたカメラモジュールをさらに含むことを特徴とする画像表示装置であってよい。可視光線領域の透過度が向上し、偏光度が解消された偏光解消領域にカメラモジュールを位置させることにより、カメラレンズ部の視認性を増大させる効果をもたらすことができる。
【0102】
以下、実施例を通じて、本発明をより詳細に説明する。しかし、以下の実施例は本発明を例示するためのものであり、これによって本発明の範囲が限定されるものではない。
【0103】
<実施例1>インクジェット方式の適用
ポリビニルアルコール系フィルム(クラレイ(KURARAY)社)を用意して、25℃の純水溶液で膨潤工程を15秒間経た後、0.2wt%の濃度および25℃のヨウ素溶液で60秒間染着工程を進行させた。以後、ホウ酸1wt%、45℃の溶液で30秒間洗浄工程を経た後、ホウ酸2.5wt%、52℃の溶液で6倍延伸工程を進行させた。延伸後、5wt%のヨウ化カリウム(KI)溶液で補色工程を経た後、60℃のオーブンで5秒間乾燥させて、12μmの偏光子を製造した。
【0104】
前記偏光子の一方の面に保護フィルムを付着させ、保護フィルムが付着していない反対側の面に、pH14、50℃およびKOH10%の脱色溶液をインクジェット方式を用いて局地的に脱色した。脱色した偏光部材をクエン酸(citric acid)3%溶液で中和処理するステップを経た、部分脱色した偏光部材を製造した。具体的には、KOH溶液の温度は50℃、処理時間は15秒の条件で製造し、製造後には、フィルムを20℃の純水で洗浄した後、25℃のクエン酸3%溶液に10秒間浸漬させて中和処理を実施した。中和処理後も残留した酸溶液を除去するために、20℃の純水で洗浄を実施した。中和処理後には、残っている水分を除去するために、50℃の条件で30秒間乾燥オーブンを通過させて乾燥を進行させた。
【0105】
<実施例1>グラビア印刷方式の適用
ポリビニルアルコール系フィルム(クラレイ(KURARAY)社)を用意して、25℃の純水溶液で膨潤工程を15秒間経た後、0.2wt%の濃度および25℃のヨウ素溶液で60秒間染着工程を進行させた。以後、ホウ酸1wt%、45℃の溶液で30秒間洗浄工程を経た後、ホウ酸2.5wt%、52℃の溶液で6倍延伸工程を進行させた。延伸後、5wt%のヨウ化カリウム(KI)溶液で補色工程を経た後、60℃のオーブンで5秒間乾燥させて、12μmの偏光子を製造した。
【0106】
前記偏光子の一方の面に保護フィルムを付着させ、保護フィルムが付着していない反対側の面に、pH14、50℃、粘度50cpおよびKOH10%の脱色溶液をグラビア印刷方式を用いて局地的に脱色した。脱色した偏光部材をクエン酸(citric acid)3%溶液で中和処理するステップを経た、部分脱色した偏光部材を製造した。具体的には、KOH溶液の温度は50℃、処理時間は15秒の条件で製造し、製造後には、フィルムを20℃の純水で洗浄した後、25℃のクエン酸3%溶液に10秒間浸漬させて中和処理を実施した。中和処理後も残留した酸溶液を除去するために、20℃の純水で洗浄を実施した。中和処理以後には、残っている水分を除去するために、50℃の条件で30秒間乾燥オーブンを通過させて乾燥を進行させた。
【0107】
<比較例1>
中和処理するステップを行わないことを除いては、実施例1と同様に偏光部材を製造した。
【0108】
比較例1により製造された偏光部材に比べて、実施例1により製造された偏光部材の部分脱色部位の外観変形の程度が緩和されたことを確認し、その結果は図6および図7に示した。
【0109】
図6は、実施例1と比較例1の脱色部分の膨れ上がった程度を比較した結果であり、具体的には、レーザ顕微鏡で脱色部分が膨れて盛り上がった高さを測定した結果である。
【0110】
一方、図7は、実施例1と比較例1の脱色部分の垂れ下がった程度を比較した結果であり、具体的には、レーザ顕微鏡で脱色部分が周辺部に比べて垂れ下がった深さを測定した結果である。
【0111】
図6および図7を通じて、本発明の一実施形態のように、部分脱色ステップの後に、外観矯正ステップを行うことにより、偏光部材の外観変形を緩和して、結果的に寸法安定性を高められることが分かる。
【符号の説明】
【0112】
100:偏光部材ロール
120:偏光部材
140:部分脱色した偏光部材
150:架橋処理された偏光部材
160:局地的脱色領域を含む偏光部材
170:局地的脱色領域を含む偏光部材のロール
200:印刷装置
300:中和溶液
310:架橋溶液(架橋槽)
400:洗浄および乾燥槽
420:洗浄ロール
440:乾燥槽
460:加熱ロール
1000:ビジョン(VISION)装置
2000:レーザ装置
2100:レーザ
2200:反射鏡
2300:F−Theta LensまたはLens
2310:集光レンズ
2400:基材
2501:ビームエキスパンダ(beam expander)
2502:ビームシェーパ(beam shaper)
3000:剥離ロール
4000:枚葉型偏光部材を除いた残りの部分
5000:枚葉型偏光部材
【図1】
【図2】
【図3】
【図3a】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【国際調査報告】

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