(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-538698(P2016-538698A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(54)【発明の名称】高分子電解質膜、高分子電解質膜を含む膜電極接合体および膜電極接合体を含む燃料電池
(51)【国際特許分類】
H01M 8/02 20160101AFI20161111BHJP
H01M 8/10 20160101ALI20161111BHJP
【FI】
H01M8/02 P
H01M8/02 E
H01M8/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-534223(P2016-534223)
(86)(22)【出願日】2014年11月26日
(85)【翻訳文提出日】2016年5月25日
(86)【国際出願番号】KR2014011441
(87)【国際公開番号】WO2015080475
(87)【国際公開日】20150604
(31)【優先権主張番号】10-2013-0144444
(32)【優先日】2013年11月26日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】500239823
【氏名又は名称】エルジー・ケム・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000040
【氏名又は名称】特許業務法人池内・佐藤アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ミン、ミンキュ
(72)【発明者】
【氏名】パク、ヨン−ソン
(72)【発明者】
【氏名】キム、ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】チェ、ソン−ホ
(72)【発明者】
【氏名】イ、サンウ
(72)【発明者】
【氏名】キム、トヨン
【テーマコード(参考)】
5H026
【Fターム(参考)】
5H026AA06
5H026CX05
5H026EE18
5H026EE19
5H026HH00
5H026HH03
5H026HH05
(57)【要約】
本明細書は、高分子電解質膜、高分子電解質膜を含む膜電極接合体および膜電極接合体を含む燃料電池を提供する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イオン移動領域および3次元網状構造の支持体を含む混合層を含み、
前記イオン移動領域は、第1イオン伝導性高分子を含む2以上のセルが3次元的に接する構造であり、
前記第1イオン伝導性高分子のIEC(ion exchange capacity)は、1.7meq/g以上2.5meq/g以下であることを特徴とする高分子電解質膜。
【請求項2】
前記混合層の上面、または下面、または上面および下面上に具備された第2イオン伝導性高分子を含む純粋層を含み、
前記第2イオン伝導性高分子のIEC(ion exchange capacity)は、前記第1伝導性高分子のIEC(ion exchange capacity)より低いことを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項3】
前記第2イオン伝導性高分子のIEC(ion exchange capacity)は、前記第1イオン伝導性高分子のIEC(ion exchange capacity)より0.2meq/g以上低いことを特徴とする請求項2に記載の高分子電解質膜。
【請求項4】
前記第2イオン伝導性高分子のIEC(ion exchange capacity)は、0.9meq/g以上1.8meq/g以下であることを特徴とする請求項2に記載の高分子電解質膜。
【請求項5】
前記純粋層は、混合層に接して具備された前記第1イオン伝導性高分子を含む追加の純粋層をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の高分子電解質膜。
【請求項6】
前記混合層の厚さが1μm以上30μm以下であることを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項7】
前記純粋層の厚さは、それぞれ独立に、0μm超過6μm以下であることを特徴とする請求項2に記載の高分子電解質膜。
【請求項8】
前記追加の純粋層の厚さは、0μm超過5μm以下であることを特徴とする請求項5に記載の高分子電解質膜。
【請求項9】
前記混合層の上面および下面にそれぞれ具備された前記純粋層間の厚さの差は、前記混合層の厚さの50%以下であることを特徴とする請求項2に記載の高分子電解質膜。
【請求項10】
前記混合層と前記全体純粋層との厚さの比率は、1:0〜1:4であることを特徴とする請求項2に記載の高分子電解質膜。
【請求項11】
前記高分子電解質膜の全体厚さは、3μm以上36μm以下であることを特徴とする請求項2に記載の高分子電解質膜。
【請求項12】
前記混合層の全体体積に対して、前記イオン移動領域は、40体積%以上85体積%以下であることを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項13】
高分子電解質膜の上面に水平な任意の面において、前記セルは、いずれか一方向(x軸方向)およびこれに垂直な方向(y軸方向)と高分子電解質膜の厚さ方向(z軸方向)に2層以上積層されたことを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項14】
前記支持体は、2以上の前記セルが分布するスポンジ構造であることを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項15】
前記高分子電解質膜の垂直断面および水平断面ともに2以上の前記セルの断面を含むことを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項16】
前記支持体は、2以上のノード(node)からなり、それぞれのノードは、3以上の分枝を含むことを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項17】
前記イオン移動領域は、イオンの移動時、1μmあたりに3以上の変曲地点を含むことを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項18】
前記支持体は、炭化水素系またはフッ素系物質を含むことを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項19】
前記支持体は、半結晶質ポリマーを含むことを特徴とする請求項18に記載の高分子電解質膜。
【請求項20】
前記支持体は、ポリオレフィン、フルオロカーボン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール(またはポリオキシメチレン)、ポリスルフィド、ポリビニルアルコール、これらのコポリマー、およびこれらの組み合わせを含むことを特徴とする請求項18に記載の高分子電解質膜。
【請求項21】
前記第1イオン伝導性高分子および前記第2イオン伝導性高分子は、それぞれスルホン化ベンズイミダゾール系高分子、スルホン化ポリイミド系高分子、スルホン化ポリエーテルイミド系高分子、スルホン化ポリフェニレンスルフィド系高分子、スルホン化ポリスルホン系高分子、スルホン化ポリエーテルスルホン系高分子、スルホン化ポリエーテルケトン系高分子、スルホン化ポリエーテル−エーテルケトン系高分子、スルホン化ポリフェニルキノキサリン系高分子、スルホン化部分フッ素系が導入された高分子、およびスルホン化フッ素系高分子からなる群より選択される1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項22】
前記高分子電解質膜の空気透過度は、6sec/100ml以上であることを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項23】
前記イオン移動領域は、前記第1イオン伝導性高分子を70体積%以上100体積%以下で含むことを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項24】
前記高分子電解質膜の引張強度は、200kgf/cm2以上2000kgf/cm2以下であることを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項25】
前記高分子電解質膜の伸び率(elongation)は、50%以上300%以下であることを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項26】
前記高分子電解質膜のRHサイクルは、20,000回以上であることを特徴とする請求項1に記載の高分子電解質膜。
【請求項27】
請求項1〜26のいずれか1項に記載の高分子電解質膜を含む膜電極接合体。
【請求項28】
請求項27に記載の膜電極接合体を含む燃料電池。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、2013年11月26日付で韓国特許庁に提出された韓国特許出願第10−2013−0144444号の出願日の利益を主張し、その内容のすべては本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書は、高分子電解質膜、高分子電解質膜を含む膜電極接合体および膜電極接合体を含む燃料電池を提供する。
【背景技術】
【0003】
燃料電池は、高効率発電装置であって、従来の内燃機関に比べて効率が高くて燃料使用量が少なく、SO
x、NO
x、VOCなどの環境汚染物質を発生しない無公害エネルギー源であるという利点がある。また、生産設備に必要な敷地面積が少なく、建設期間が短いなどのさらなる利点がある。
【0004】
したがって、燃料電池は、携帯用機器などの移動用電源、自動車などの輸送用電源、家庭用および電力事業用に利用可能な分散型発電に至るまで応用分野が多様である。特に、次世代運送装置である燃料電池自動車の運営が実用化される場合、その潜在的な市場規模は広範囲になると予想される。
【0005】
燃料電池は、作動する温度と電解質によって大きく5つに分類されるが、詳細には、アルカリ燃料電池(AFC)、リン酸型燃料電池(PAFC)、溶融炭酸塩型燃料電池(MCFC)、固体酸化物燃料電池(SOFC)、高分子電解質燃料電池(PEMFC)、および直接メタノール燃料電池(DMFC)がある。なかでも、移動性に優れた高分子電解質燃料電池および直接メタノール燃料電池が将来の電源として大きな注目を集めている。
【0006】
高分子電解質燃料電池は、高分子電解質膜の両面にガス拡散性の電極層を配置し、アノード(Anode)を燃料極に、カソード(Cathode)を酸化極に向けさせ、高分子電解質膜を介した化学反応によって水が生成され、これによって生じる反応エネルギーを電気エネルギーに変換することを基本原理としている。
【0007】
イオン伝導性高分子電解質膜の代表例としては、1960年代初めに米国デュポン社開発の過フッ素系水素イオン交換膜のナフィオン(Nafion)が挙げられる。ナフィオンのほか、これに類似する過フッ素系高分子電解質の商用膜として、旭ケミカルス(Asahi Chemicals)社のアシプレックス−S(Aciplex−S)膜、ダウケミカル(Dow Chemicals)社のダウ(Dow)膜、旭硝子(Asahi Glass)社のフレミオン(Flemion)膜などがある。
【0008】
従来商用化された過フッ素系高分子電解質膜は、耐化学性、耐酸化性、優れたイオン伝導性を有するが、高い価格と製造時に発生する中間生成物の毒性による環境問題が指摘されている。したがって、このような過フッ素系高分子電解質膜の欠点を補うために、芳香族環高分子に、カルボキシル基、スルホン酸基などを導入した高分子電解質膜が研究されている。その一例として、スルホン化ポリアリールエーテルスルホン[Journal of Membrane Science,1993,83,211(非特許文献1)]、スルホン化ポリエーテルエーテルケトン[特開平6−93114(特許文献1)、米国特許第5,438,082号(特許文献2)]、スルホン化ポリイミド[米国特許第6,245,881号(特許文献3)]などがある。
【0009】
高分子電解質膜は、温度および水和(hydration)の程度に応じて15〜30%の膜厚変化と体積変化を伴い、これにより、燃料電池の運転条件に応じて電解質膜は膨潤と収縮を繰り返し、このような体積変化で微細孔や亀裂が発生する。また、副反応として、カソードにおける酸素の還元反応で過酸化水素(H
2O
2)または過酸化物ラジカルが生成され、電解質膜を劣化させることがある。燃料電池用高分子電解質膜は、燃料電池の駆動中に発生し得るの現象を念頭に置いて、機械的、化学的耐久を改善させる方向で開発されてきた。
【0010】
機械的耐久を改善するための方向には、ナフィオン溶液(5重量%の濃度)をe−PTFEに導入して製造した強化複合電解質膜[米国特許第5,547,551号(特許文献4)]、およびスルホン化された炭化水素系高分子物質に寸法安定性に優れた高分子を導入した高分子ブレンド復合膜に関する研究(大韓民国特許第10−0746339号(特許文献5))などがある。また、ゴアアンドアソシエイツ(W.L.Gore&Associates)社ではゴアセレクト(Gore Select)という商品名で商用化された強化複合電解質膜製品を市販している。
【0011】
強化複合電解質膜には、機械的物性および寸法安定性を付与するために多孔性支持体が使用される。多孔性支持体は、性能を低下させないと同時に、機械的耐久性を維持させなければならないため、高い気孔度を有し、かつ、優れた機械的物性を備えた適した素材の支持体を選択しなければならない。また、イオン伝導体を支持体に含浸させる方法とイオン伝導体の種類に応じて膜のイオン伝導度が大きく変化し得るため、効果的なイオン伝導体の含浸方法および強化複合電解質膜に適したイオン伝導体の開発が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平6−93114号公報
【特許文献2】米国特許第5,438,082号明細書
【特許文献3】米国特許第6,245,881号明細書
【特許文献4】米国特許第5,547,551号明細書
【特許文献5】韓国公開特許第10−0746339号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】Journal of Membrane Science,1993,83,211
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本明細書が解決しようとする課題は、高分子電解質膜を提供することである。さらに、前記高分子電解質膜を含む膜電極接合体およびこれを含む燃料電池を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本明細書は、イオン移動領域および3次元網状構造の支持体を含む混合層を含み、前記イオン移動領域は、第1イオン伝導性高分子を含む2以上のセルが3次元的に接する構造であり、前記第1イオン伝導性高分子のIEC(ion exchange capacity)は、1.7meq/g以上2.5meq/g以下であることを特徴とする高分子電解質膜を提供する。
【0016】
また、本明細書は、前記高分子電解質膜を含む膜電極接合体を提供する。
【0017】
さらに、本明細書は、前記膜電極接合体を含む燃料電池を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本明細書に係る高分子電解質膜は、耐久性に優れるという利点がある。具体的には、本明細書に係る高分子電解質膜を含む膜電極接合体を用いて燃料電池に使用する場合、燃料電池の性能向上に寄与することができる。すなわち、高温加湿および乾燥が繰り返されて高分子電解質膜の収縮と膨脹が繰り返される燃料電池の作動環境においても燃料電池の性能の低下を最小化し、一定の性能を維持することができる。
【0019】
また、本明細書に係る高分子電解質膜は、優れた耐久性と同時に、高いイオン伝導度を有する。すなわち、本明細書に係る高分子電解質膜は、支持体を含むことによるイオン伝導度の低下を最小化し、支持体がない場合と同等水準のイオン伝導度を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本明細書の一高分子電解質膜の表面の一領域を示すものである。
【図2】本明細書の一高分子電解質膜の表面の一領域を示すものである。
【図3】本明細書の一高分子電解質膜の断面の一領域を示すものである。
【図4】本明細書の一燃料電池の構造を示すものである。
【図5】相対湿度(RH)100%条件下の、実施例および比較例による高分子電解質膜の燃料電池における電流密度に応じた電圧を示すものである。
【図6】相対湿度(RH)50%条件下の、実施例および比較例による高分子電解質膜の燃料電池における電流密度に応じた電圧を示すものである。
【図7】相対湿度(RH)32%条件下の、実施例および比較例による高分子電解質膜の燃料電池における電流密度に応じた電圧を示すものである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書において、ある部材が他の部材の「上に」位置しているとする時、これは、ある部材が他の部材に接している場合のみならず、2つの部材の間にさらに他の部材が存在する場合も含む。
【0022】
本明細書において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0023】
以下、本明細書についてより詳細に説明する。
【0024】
本明細書は、イオン移動領域および3次元網状構造の支持体を含む混合層を含み、前記イオン移動領域は、第1イオン伝導性高分子を含む2以上のセルが3次元的に接する構造であり、前記第1イオン伝導性高分子のIEC(ion exchange capacity)は、1.7meq/g以上2.5meq/g以下であることを特徴とする高分子電解質膜を提供する。
【0025】
前記第1イオン伝導性高分子は、前記イオン移動領域に含まれ、高いイオン伝導度によって、混合層内でのイオンの移動を円滑にして、高分子電解質膜の性能を向上させることができる。
【0026】
本明細書の一実施形態によれば、前記支持体を第1イオン伝導性高分子に含浸して、前記混合層を形成することができる。具体的には、本明細書の一実施形態によれば、前記第1イオン伝導性高分子を前記支持体の厚さ範囲まで含む場合、追加の純粋層がない高分子電解質膜を形成することができる。また、本明細書の一実施形態によれば、前記第1イオン伝導性高分子を前記支持体の厚さ範囲を超えて含む場合、前記混合層の上面および/または下面上に追加の純粋層が具備された高分子電解質膜を製造することができる。
【0027】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜は、前記混合層の上面、または下面、または上面および下面上に具備された第2イオン伝導性高分子を含む純粋層を含み、前記第2イオン伝導性高分子のIEC(ion exchange capacity)は、前記第1伝導性高分子のIEC(ion exchange capacity)より低いものであってもよい。
【0028】
本明細書の一実施形態によれば、前記純粋層は、前記混合層の上面および/または下面上に接して具備されるか、または前記追加の純粋層上に具備されてもよい。
【0029】
本明細書の一実施形態によれば、前記第2イオン伝導性高分子のIEC(ion exchange capacity)は、前記第1イオン伝導性高分子のIEC(ion exchange capacity)より0.2meq/g以上低いものであってもよい。
【0030】
前記第2イオン伝導性高分子は、前記混合層の少なくとも一面上に具備され、前記混合層内に含まれている前記第1イオン伝導性高分子の溶出を防止する役割を果たすことができる。具体的には、前記高分子電解質膜を燃料電池に適用して使用する場合、水分によって前記第1イオン伝導性高分子が溶出され得るが、前記第2イオン伝導性高分子は、前記第1イオン伝導性高分子の水分による溶出を防止する役割を果たすことができる。
【0031】
本明細書の一実施形態によれば、前記第2イオン伝導性高分子のIEC(ion exchange capacity)は、0.9meq/g以上1.8meq/g以下であってもよい。
【0032】
本明細書の一実施形態によれば、前記純粋層は、混合層に接して具備された前記第1イオン伝導性高分子を含む追加の純粋層をさらに含むものであってもよい。
【0033】
前記追加の純粋層は、前記イオン移動領域に含まれる第1イオン伝導性高分子と同一の高分子が、混合層の上部、下部、または上部および下部に接して具備されたものであってもよい。具体的には、前記支持体を前記第1イオン伝導性高分子に含浸し、前記混合層の上面および/または下面に前記第1イオン伝導性高分子が残留して追加の純粋層が形成される。
【0034】
本明細書に係る高分子電解質膜は、優れた耐久性と同時に、高いイオン伝導度を有する。具体的には、本明細書に係る高分子電解質膜は、支持体を含むことによるイオン伝導度の低下を最小化し、支持体がない場合と同等水準のイオン伝導度を有する。そのため、本明細書に係る高分子電解質膜を含む燃料電池は、長期間の駆動による電解質膜の損傷を最小化し、さらに、高い性能を発揮することができる。
【0035】
本明細書の一実施形態によれば、前記混合層の厚さは、1μm以上30μm以下であってもよい。
【0036】
本明細書の一実施形態によれば、前記混合層の厚さは、1μm以上25μm以下であってもよい。
【0037】
本明細書の一実施形態によれば、前記混合層の厚さは、1μm以上15μm以下であってもよい。
【0038】
本明細書に係る前記混合層の厚さが1μm以上30μm以下の場合、高いイオン伝導度および耐久性を実現することができる。また、前記混合層が前記厚さ範囲内の場合、厚さの減少による耐久性の低下がほとんど発生しなくなる。すなわち、前記混合層の厚さが1μm未満の場合には、耐久性が維持されないという欠点があり、厚さが30μm超過の場合には、イオン伝導度が低下し得るという欠点がある。
【0039】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜は、前記混合層のみからなってもよい。
【0040】
本明細書の一実施形態によれば、前記混合層のいずれか一面に具備された前記純粋層の厚さは、それぞれ独立に、0μm超過6μm以下であってもよい。
【0041】
本明細書の一実施形態によれば、前記追加の純粋層の厚さは、0μm超過5μm以下であってもよい。
【0042】
本明細書の一実施形態によれば、前記純粋層の厚さは、前記追加の純粋層の厚さを含むものであってもよい。
【0043】
本明細書の一実施形態によれば、前記混合層の上面および下面にそれぞれ具備された前記純粋層間の厚さの差は、前記混合層の厚さの50%以下であってもよい。具体的には、前記混合層の上面および下面に具備された前記純粋層間の厚さの差は、混合層の厚さの30%以下であってもよい。本明細書の一実施形態によれば、前記純粋層間の厚さの差が0%の場合は、前記混合層の上面および下面にそれぞれ具備された純粋層の厚さが同一であることを意味する。
【0044】
本明細書の一実施形態によれば、前記混合層の上面に具備された純粋層と混合層の下面に具備された純粋層との厚さの差が混合層の厚さの50%以下の場合、前記高分子電解質膜を加湿および乾燥を繰り返しても前記高分子電解質膜の上面と下面の収縮および膨脹の程度が類似し、クラック(crack)が発生するのを防止することができる。
【0045】
本明細書の一実施形態によれば、前記混合層と前記全体純粋層との厚さの比率は、1:0〜1:4であってもよい。具体的には、前記混合層と前記全体純粋層との厚さの比率は、1:0〜1:1.5であってもよい。より具体的には、前記混合層と前記全体純粋層との厚さの比率は、1:0〜1:1であってもよい。
【0046】
本明細書の一高分子電解質膜によれば、前記純粋層対比の前記混合層の厚さの比率が高いほど、加湿および乾燥状態が繰り返される条件で高い耐久性を発揮することができる。
【0047】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の全体厚さは、3μm以上36μm以下であってもよい。
【0048】
本明細書の一実施形態によれば、前記混合層の全体体積に対して、前記イオン移動領域は、40体積%以上85体積%以下であってもよい。
【0049】
本明細書の一実施形態によれば、前記イオン移動領域は、前記イオン移動領域および支持体の全体体積に対して、40体積%以上80体積%以下であってもよい。
【0050】
本明細書の一実施形態によれば、前記イオン移動領域は、前記混合層の全体体積に対して、40体積%以上70体積%以下であってもよい。
【0051】
本明細書の一実施形態によれば、前記イオン移動領域は、前記混合層の全体体積に対して、40体積%以上60体積%以下であってもよい。
【0052】
本明細書の一実施形態によれば、前記イオン移動領域は、前記混合層の全体体積に対して、40体積%以上55体積%以下であってもよい。
【0053】
本明細書の一実施形態によれば、前記イオン移動領域は、前記混合層の全体体積に対して、45体積%以上65体積%以下であってもよい。
【0054】
本明細書の一実施形態によれば、前記イオン移動領域は、前記混合層の全体体積に対して、45体積%以上60体積%以下であってもよい。
【0055】
本明細書に係る前記高分子電解質膜の前記イオン移動領域が40体積%以上85体積%以下の場合、前記高分子電解質膜の耐久性を確保すると同時に、十分なイオン伝導度を確保することができる。すなわち、イオン移動領域が40体積%未満の場合、高分子電解質膜の耐久性は上昇するが、十分なイオン伝導度を確保しにくいという欠点がある。さらに、イオン移動領域が85体積%を超える場合、高分子電解質膜のイオン伝導度は上昇するが、耐久性の確保が困難であるという欠点がある。
【0056】
図1および図2は、本明細書の一高分子電解質膜の表面の一領域を示すものである。具体的には、前記図1は、本明細書の前記高分子電解質膜の水平表面の一領域を示すものであり、前記図2は、本明細書の前記高分子電解質膜の垂直表面の一領域を示すものである。さらに、暗い領域で表された領域が支持体を意味し、明るい領域はイオン移動領域を意味する。
【0057】
前記垂直表面とは、前記高分子電解質膜の厚さ方向の表面を意味することができる。また、前記水平表面とは、前記高分子電解質膜の厚さ方向に垂直な表面であって、相対的に広い領域を占める面を意味することができる。
【0058】
図1および図2において、前記イオン移動領域は、セルの断面を意味することができ、図示のセルに3次元的に接するセルが高分子電解質膜の内部に存在する。
【0059】
本明細書の前記セルは、球形または球の押された形態、多面体であってもよいし、セルが球形の場合、セルの断面は、縦横比1:1〜5:1の閉鎖図形であってもよい。
【0060】
本明細書の前記セルは、支持体のノードおよびノードを連結する繊維状の枝が連結される場合、形成される仮想の平面に取り囲まれた仮想の3次元閉鎖空間を意味することができる。前記ノードは、繊維状の枝が2以上交差する部位を意味することができる。
【0061】
図3は、本明細書の一高分子電解質膜の断面の一領域を示すものである。具体的には、図3の点線領域は仮想の線であって、仮想の3次元閉鎖空間を区画するためのものである。暗い領域で表されたものは、支持体の繊維状の枝またはノードであり、これは3次元的に連結される。
【0062】
また、本明細書の前記セルは、支持体の繊維状の枝に取り囲まれたイオン伝導性高分子を含むイオン移動領域の単位空間で、支持体の繊維に取り囲まれた場合の仮想の3次元閉鎖空間の水平および垂直方向の断面が円形または楕円形または単一閉曲線図形の形態であってもよい。
【0063】
さらに、前記本明細書の前記セルは、一定大きさ以上の体積を有するものを意味し、セルの直径が40nm未満のものはセルに相当しないことがある。
【0064】
本明細書の前記セルの直径は、セルを横切る最も長い線の長さを意味することができる。
【0065】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の上面に水平な任意の面において、前記セルは、いずれか一方向(x軸方向)およびこれに垂直な方向(y軸方向)と高分子電解質膜の厚さ方向(z軸方向)に2層以上積層されたものであってもよい。
【0066】
本明細書の一実施形態によれば、前記支持体は、2以上の前記セルが分布するスポンジ構造であってもよい。
【0067】
本明細書の一実施形態によれば、前記支持体は、前記セルが規則的に分布している構造であってもよい。具体的には、本明細書の一実施形態によれば、前記支持体は、任意の単位体積に応じた気孔度の偏差が10%以内であってもよい。
【0068】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の垂直断面および水平断面ともに2以上の前記セルの断面を含むことができる。
【0069】
本明細書のセルの断面の直径は、セルの断面を横切る最も長い線の長さを意味することができる。
【0070】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の水平表面におけるセルの断面は、縦横比が1:1〜5:1であってもよい。
【0071】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の垂直表面におけるセルの断面は、縦横比が1:1〜10:1であってもよい。
【0072】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の水平表面におけるセルの断面の直径の大きさは、40nm以上500nm以下であってもよい。
【0073】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の垂直表面におけるセルの断面の直径の大きさは、40nm以上500nm以下であってもよい。
【0074】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の水平表面および垂直表面の100μmm
2あたりのセル個数の比は、1:1〜1:5であってもよい。
【0075】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の100μmm
2あたりの垂直断面および水平断面のセル個数の偏差は、0個以上500個以下であってもよい。
【0076】
本明細書の一実施形態によれば、前記セルの断面の直径の平均大きさは、40nm以上500nm以下であってもよい。
【0077】
本明細書の一実施形態によれば、前記セルの断面の直径の標準偏差は、50nm〜200nmであってもよい。
【0078】
本明細書の一実施形態によれば、前記セルの直径は、40nm以上1000nm以下であってもよい。
【0079】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の任意の断面において、前記セルの断面が全体断面の面積中の50%〜90%を占めることができる。
【0080】
本明細書の一実施形態によれば、前記支持体は、2以上のノード(node)からなり、それぞれのノードは、3以上の分枝を含むことができる。
【0081】
本明細書の一実施形態によれば、前記支持体のいずれか1つのノードと隣接の他のノードとの距離は、10nm〜500nmであってもよい。
【0082】
本明細書の一実施形態によれば、前記セルの中心から前記支持体の任意の点までの長さは、20nm〜250nmであってもよい。
【0083】
本明細書の一実施形態によれば、前記イオン移動領域は、イオンの移動時、1μmあたりに3以上の変曲地点を含むことができる。前記変曲地点は、屈曲因子(tortuosity factors)であってもよいし、1μmあたりに3以上の屈曲因子で表現されてもよい。
【0084】
本明細書の一実施形態によれば、前記支持体は、炭化水素系またはフッ素系物質を含むことができる。
【0085】
本明細書の一実施形態によれば、前記支持体は、半結晶質ポリマーを含むことができる。
【0086】
本明細書の前記半結晶質ポリマーは、結晶度の範囲が20〜80%であってもよい。
【0087】
本明細書の一実施形態によれば、前記半結晶質ポリマーは、ポリオレフィン、フルオロカーボン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアセタール(またはポリオキシメチレン)、ポリスルフィド、ポリビニルアルコール、これらのコポリマー、およびこれらの組み合わせを含むことができ、これらに制限されない。
【0088】
本明細書の一実施形態によれば、前記支持体は、ポリオレフィン系物質由来のものを含むことができる。
【0089】
前記ポリオレフィンは、ポリエチレン(LDPE、LLDPE、HDPE、UHMWPE)、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリメチルペンテン、これらのコポリマー、およびこれらのブレンドを含むことができる。
【0090】
前記フルオロカーボンは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、ポリビニルフルオライド(PVF)、 パーフルオロアルコキシ(PFA)レジン、これらのコポリマー、およびブレンドを含むことができ、これらに制限されない。
【0091】
前記ポリアミドは、ポリアミド6、ポリアミド6/6、ナイロン10/10、ポリフタルアミド(PPA)、これらのコポリマー、およびこれらのブレンドを含むことができるが、これらに制限されない。
【0092】
前記ポリエステルは、ポリエステルテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ−1−4−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート(PCT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、および液状結晶ポリマー(LCP)を含むことができ、これらに制限されない。
【0093】
前記ポリスルフィドは、ポリフェニルスルフィド、ポリエチレンスルフィド、これらのコポリマー、およびこれらのブレンドを含むが、これらに制限されない。
【0094】
前記ポリビニルアルコールは、エチレン−ビニルアルコール、これらのコポリマー、およびこれらのブレンドを含むが、これらに制限されない。
【0095】
本明細書の一実施形態によれば、前記イオン伝導性高分子は、陽イオン伝導性高分子および/または陰イオン伝導性高分子を含むことができる。
【0096】
本明細書の一実施形態によれば、前記イオン伝導性高分子は、プロトン伝導性物質を含むことができる。
【0097】
本明細書の一実施形態によれば、前記第1イオン伝導性高分子および前記第2イオン伝導性高分子は、それぞれスルホン化ベンズイミダゾール系高分子、スルホン化ポリイミド系高分子、スルホン化ポリエーテルイミド系高分子、スルホン化ポリフェニレンスルフィド系高分子、スルホン化ポリスルホン系高分子、スルホン化ポリエーテルスルホン系高分子、スルホン化ポリエーテルケトン系高分子、スルホン化ポリエーテル−エーテルケトン系高分子、スルホン化ポリフェニルキノキサリン系高分子、スルホン化部分フッ素系が導入された高分子、およびスルホン化フッ素系高分子からなる群より選択される1種または2種以上を含むことができる。
【0098】
本明細書の一実施形態によれば、前記イオン伝導性高分子は、60℃以上で1mS/cm以上のイオン伝導性を有することができる。
【0099】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の空気透過度は、6sec/100ml以上であってもよい。
【0100】
本明細書の一実施形態によれば、前記イオン移動領域は、前記第1イオン伝導性高分子を70体積%以上100体積%以下で含むことができる。
【0101】
本明細書の前記高分子電解質膜は、引張強度および伸び率(elongation)に優れるという利点がある。
【0102】
本明細書の前記引張強度および伸び率は、ASTM(American Society for Testing and Materials)標準に従って切り取られたドッグボーン状の高分子電解質膜を、UTM(united test machine)で10mm/minの速度で測定したものを意味する。前記UTMは、引張強度と伸び率を同時に測定する装備であって、当業界で一般的に用いられる装備である。
【0103】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の引張強度は、200kgf/cm
2以上2000kgf/cm
2以下、または500kgf/cm
2以上1500kgf/cm
2以下であってもよい。
【0104】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の伸び率(elongation)は、50%以上300%以下であってもよい。あるいは、前記高分子電解質膜の伸び率は、100%以上300%以下であってもよい。
【0105】
本明細書の前記高分子電解質膜は、耐久性に優れるという利点がある。具体的には、前記高分子電解質膜は、RHサイクルを通して優れた耐久性を確認することができる。
【0106】
本明細書の前記RHサイクルは、電解質膜をMEA(Membrane Electrode Assembley、膜電極接合体)に製造した後、燃料電池状態で耐久性を測定するものを意味する。具体的には、本明細書の前記RHサイクルは、80℃の条件で、アノードに窒素を0.95slm(standard liter per minute)の流量で注入し、カソードに窒素を1.0slmの流量で注入し、RH150%の加湿およびRH0%の非加湿を2分間隔で切り替え、耐久性を測定するものを意味する。
【0107】
さらに、本明細書のRHサイクルが高いほど、電解質膜の耐久性は高いことを意味する。また、前記RHサイクルは、電解質膜がMEAとして使用できない程度の損傷が発生したサイクルまでの回数を意味する。
【0108】
本明細書の前記RHサイクル途中の電解質膜の損傷の有無を測定するために、LSV(linear sweep voltammetry)を用いる。具体的には、前記LSVは、アノードに水素を0.2slmの流量で注入し、カソードに窒素を0.2slmの流量で注入し、0.1〜0.4V(2mV/s)において水素のクロスオーバー(crossover)を測定するものを意味する。すなわち、RHサイクル途中の水素のクロスオーバー数値が上昇する場合、電解質膜の損傷があると見なすことができ、水素のクロスオーバー数値が上昇する程度に応じて、電解質膜の損傷の程度を判断することができる。
【0109】
すなわち、前記RHサイクル回数が高いほど、高分子電解質膜の耐久性が高いことを意味し、RHサイクルが20,000回以上の場合、一般的に優れた耐久性を有すると判断することができる。本明細書の高分子電解質膜は、前記RHサイクルが20,000回以上においても性能の低下がほとんどなく一定の性能を維持することができる。
【0110】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜のRHサイクルは、20,000回以上であってもよい。さらに、本明細書の高分子電解質膜のRHサイクルは、40,000回以上、または50,000回以上であってもよい。また、本明細書の高分子電解質膜のRHサイクルは、75,000回以上、または80,000回以上であってもよい。前記高分子電解質膜は、前記範囲のRHサイクル回数においても性能の低下がない。
【0111】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜のRHサイクルは、200,000回以下であってもよい。あるいは、本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜のRHサイクルは、150,000回以下、または100,000回以下であってもよい。
【0112】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜のRHサイクルは、1回以上150,000回以下であってもよい。
【0113】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜のRHサイクルは、20,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0114】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜のRHサイクルは、40,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0115】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜のRHサイクルは、50,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0116】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜のRHサイクルは、70,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0117】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の混合層の厚さが1μm以上30μm以下であり、RHサイクルは20,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0118】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の混合層の厚さが1μm以上30μm以下であり、RHサイクルは40,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0119】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の混合層の厚さが1μm以上30μm以下であり、RHサイクルは50,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0120】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の混合層の厚さが1μm以上30μm以下であり、RHサイクルは70,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0121】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の混合層の厚さが1μm以上15μm以下であり、RHサイクルは20,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0122】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の混合層の厚さが1μm以上15μm以下であり、RHサイクルは40,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0123】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の混合層の厚さが1μm以上15μm以下であり、RHサイクルは50,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0124】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の混合層の厚さが1μm以上15μm以下であり、RHサイクルは70,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0125】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の全体純粋層の厚さが0μm以上10μm以下であり、RHサイクルは20,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0126】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の全体純粋層の厚さが0μm以上10μm以下であり、RHサイクルは40,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0127】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の全体純粋層の厚さが0μm以上10μm以下であり、RHサイクルは50,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0128】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の全体純粋層の厚さが0μm以上10μm以下であり、RHサイクルは70,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0129】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の混合層の厚さが1μm以上30μm以下であり、前記全体純粋層の厚さが0μm以上10μm以下であり、RHサイクルは20,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0130】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の混合層の厚さが1μm以上30μm以下であり、前記全体純粋層の厚さが0μm以上10μm以下であり、RHサイクルは40,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0131】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の混合層の厚さが1μm以上30μm以下であり、前記全体純粋層の厚さが0μm以上10μm以下であり、RHサイクルは50,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0132】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の混合層の厚さが1μm以上30μm以下であり、前記全体純粋層の厚さが0μm以上10μm以下であり、RHサイクルは70,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0133】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の混合層の厚さが1μm以上15μm以下であり、前記全体純粋層の厚さが0μm以上10μm以下であり、RHサイクルは20,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0134】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の混合層の厚さが1μm以上15μm以下であり、前記全体純粋層の厚さが0μm以上10μm以下であり、RHサイクルは40,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0135】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の混合層の厚さが1μm以上15μm以下であり、前記全体純粋層の厚さが0μm以上10μm以下であり、RHサイクルは50,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0136】
本明細書の一実施形態によれば、前記高分子電解質膜の混合層の厚さが1μm以上15μm以下であり、前記全体純粋層の厚さが0μm以上10μm以下であり、RHサイクルは70,000回以上150,000回以下であってもよい。
【0137】
本明細書は、前記高分子電解質膜を含む膜電極接合体を提供する。また、本明細書は、前記膜電極接合体を含む燃料電池を提供する。
【0138】
本明細書の前記燃料電池は、当業界で一般的に知られている燃料電池を含む。
【0139】
本明細書の一実施形態によれば、前記膜電極接合体および前記膜電極接合体の間に介在するセパレータを含むスタックと、燃料を前記スタックに供給する燃料供給部と、酸化剤を前記スタックに供給する酸化剤供給部とを含むことを特徴とする燃料電池を提供する。
【0140】
図4は、本明細書の一燃料電池の構造を示すもので、燃料電池は、スタック60と、酸化剤供給部70と、燃料供給部80とを含んでなる。
【0141】
前記スタック60は、前記膜電極接合体を1つまたは2つ以上含み、膜電極接合体が2つ以上含まれる場合には、これらの間に介在するセパレータを含む。
【0142】
前記セパレータは、前記膜電極接合体が電気的に連結されるのを防止し、外部から供給された燃料および酸化剤を膜電極接合体に伝達する役割を果たす。
【0143】
前記酸化剤供給部70は、酸化剤をスタック60に供給する役割を果たす。酸化剤としては、酸素が代表的に使用され、酸素または空気をポンプ70に注入して使用できる。
【0144】
前記燃料供給部80は、燃料をスタック60に供給する役割を果たし、燃料を貯蔵する燃料タンク81と、燃料タンク81に貯蔵された燃料をスタック60に供給するポンプ82とから構成される。燃料としては、気体または液体状態の水素または炭化水素燃料が使用可能であり、炭化水素燃料の例として、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、または天然ガスが挙げられる。
【0145】
以下、本明細書を具体的に説明するために、実施例を挙げて詳細に説明する。しかし、本明細書に係る実施例は種々の異なる形態に変形可能であり、本明細書の範囲が以下に詳述する実施例に限定されると解釈されない。本明細書の実施例は、当業界における平均的な知識を有する者に本明細書をより完全に説明するために提供される。
【0146】
[実施例1]
IEC(ion exchange capacity)2.16meq/gの炭化水素系高分子を7wt%としてDMSO(Dimethyl sulfoxide)に溶かして含浸溶液を製造した。前記含浸溶液に、厚さ約5μm、気孔度約80%の2以上のセルが規則的に分布する3次元網状構造の支持体を含浸した。以後、80℃のオーブンで24時間乾燥して混合層を製造した。IEC(ion exchange capacity)1.81meq/gの炭化水素系高分子を7wt%としてDMSO(Dimethyl sulfoxide)に溶かして溶液を製造した後、前記混合層の上面および下面に塗布し、80℃のオーブンで24時間乾燥して純粋層を形成した。製造された高分子電解質膜は、10%硫酸で80℃で24時間酸処理後、蒸留水で4回以上洗浄した後、80℃で乾燥して、高分子電解質膜を製造した。
【0147】
[実施例2]
含浸溶液に含まれる炭化水素系高分子のIEC(ion exchange capacity)が1.81meq/gであり、純粋層を追加的に形成せず、前記実施例1と同様の方法で高分子電解質膜を製造した。
【0148】
[比較例1]
含浸溶液に含まれる炭化水素系高分子のIEC(ion exchange capacity)が1.68meq/gであり、支持体は、厚さ約5μm、気孔度85%以上で、かつ、セルで定義できない、気孔が不規則に分布する構造のePTFEを使用し、純粋層を追加的に形成せず、前記実施例1と同様の方法で高分子電解質膜を製造した。
【0149】
[実験例]
前記実施例および比較例により製造された高分子電解質膜の燃料電池における性能を測定するために、前記高分子電解質膜を含む膜電極接合体を製造した。具体的には、前記高分子電解質膜を8cm×8cmの四角形に切り取り、前記高分子電解質膜の上面および下面にPt0.4mg/cm
2のカーボン担持白金触媒を5cm×5cmの大きさに転写して、膜電極接合体を製造した。
【0150】
前記製造された膜電極接合体の性能評価は、H
2/Airおよび常圧の条件で、相対湿度(RH)100%、相対湿度(RH)50%、および相対湿度(RH)32%の条件下で実施した。
【0151】
図5は、相対湿度(RH)100%条件下の、実施例および比較例による高分子電解質膜の燃料電池における電流密度に応じた電圧を示すものである。
【0152】
図6は、相対湿度(RH)50%条件下の、実施例および比較例による高分子電解質膜の燃料電池における電流密度に応じた電圧を示すものである。
【0153】
図7は、相対湿度(RH)32%条件下の、実施例および比較例による高分子電解質膜の燃料電池における電流密度に応じた電圧を示すものである。
【0154】
図5〜図7の結果によれば、実施例による高分子電解質膜が、比較例による高分子電解質に比べて高い性能を示すことが分かる。
【0155】
また、図7の低加湿条件における性能結果をみると、比較例による高分子電解質膜に比べて、実施例による高分子電解質膜は安定した性能が実現されることが分かる。
【0156】
の図5〜図7の結果から明らかなように、実施例による高分子電解質膜は、高加湿条件で安定した性能が実現可能であり、実施例1による高分子電解質膜のように純粋層が具備される場合には、低加湿条件においてもより安定的で、優れた性能を維持することができる。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【国際調査報告】