特表2016-538866(P2016-538866A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ワイズコン アー/エスの特許一覧

<>
  • 特表2016538866-トラップ 図000003
  • 特表2016538866-トラップ 図000004
  • 特表2016538866-トラップ 図000005
  • 特表2016538866-トラップ 図000006
  • 特表2016538866-トラップ 図000007
  • 特表2016538866-トラップ 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-538866(P2016-538866A)
(43)【公表日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】トラップ
(51)【国際特許分類】
   A01M 23/30 20060101AFI20161118BHJP
   A01M 23/16 20060101ALI20161118BHJP
【FI】
   A01M23/30
   A01M23/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-535648(P2016-535648)
(86)(22)【出願日】2014年12月1日
(85)【翻訳文提出日】2016年7月28日
(86)【国際出願番号】DK2014050408
(87)【国際公開番号】WO2015081963
(87)【国際公開日】20150611
(31)【優先権主張番号】PA201370737
(32)【優先日】2013年12月2日
(33)【優先権主張国】DK
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515143577
【氏名又は名称】ワイズコン アー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フリッツベーゲル、プレベン
【テーマコード(参考)】
2B121
【Fターム(参考)】
2B121AA03
2B121BA12
2B121BA33
2B121BA60
2B121EA01
2B121FA15
2B121FA20
(57)【要約】
本発明は、実質的に水平な面が実質的に垂直な面に交わるところで実質的に水平な面上に配置されるためのトラップであって、動物のための、特にラット又はマウスのためのトラップに関する。トラップは、トラップ・ハウジングと、実質的に水平な面が実質的に垂直な面に交わるところでトラップが2つの姿勢に配置され得るように実質的に直角に接続された第1のフランジ及び第2のフランジとを有する。両方の姿勢において、フランジ及びトラップの面は、ラット又はマウスが中を移動することができるパッセージを画定するように境界を定められた容積を形成する。トラップ・ハウジングは、ラット又はマウスが走って中に入ることができる内部通路をさらに有し、この通路は一方のフランジからトラップ・ハウジング内まで延びている。通路内部にはトリガ機構及びキラー機構が存在する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物のため、特にラット又はマウスのためのトラップであって、実質的に水平な面が実質的に垂直な面に交わるところで前記実質的に水平な面上に配置されるトラッにおいて、
トラップ・ハウジングと、
前記実質的に水平な面が前記実質的に垂直な面に交わるところで前記トラップが2つの姿勢に配置されることができるように実質的に直角に接続された第1のフランジ及び第2のフランジであって、前記トラップの前記フランジと前記面とは、両方の姿勢において、ラット又はマウスが移動できるパッセージを画定するように境界を定められた容積を形成することを特徴とする、第1のフランジ及び第2のフランジと
を有し、
前記トラップ・ハウジングは、ラット又はマウスが入り込むことができる内部通路をさらに有し、前記通路は、一方のフランジから前記トラップ・ハウジング内まで延び、前記通路及び前記トラップ・ハウジングが、トリガ機構及びキラー機構を有している
トラップ。
【請求項2】
前記内部通路が、電流によって作動するキラー機構を有することを特徴とする、請求項1に記載のトラップ。
【請求項3】
前記内部通路が、ストライカ機構によって作動するキラー機構を有することを特徴とする、請求項1に記載のトラップ。
【請求項4】
前記内部通路が、前記キラー機構の各々の側に配置される少なくとも2つのトリガ機構を有し、前記キラー機構が解放される前に前記トリガ機構のいずれもが作動されることを特徴とする、請求項1から3個別の又は組合せの、いずれか一項に記載のトラップ。
【請求項5】
前記トラップが餌箱を有することを特徴とする、請求項1から4個別の又は組合せの、いずれか一項に記載のトラップ。
【請求項6】
前記トラップが、機械的に解放されるトリガ機構を有することを特徴とする、請求項1から4個別の又は組合せの、いずれか一項に記載のトラップ。
【請求項7】
前記トラップが、前記動物の身体により前記2つのトリガ機構の間で確立される電気接続によって解放されるトリガ機構を有することを特徴とする、請求項4に記載のトラップ。
【請求項8】
前記トラップの前記トリガ機構が、動物からの放熱によって始動される赤外線センサを有することを特徴とする、請求項1から4個別の又は組合せの、いずれか一項に記載のトラップ。
【請求項9】
前記内部通路が少なくとも3つのトリガ機構を有し、前記少なくとも3つのトリガ機構のうちの2つが前記キラー機構の各々の側に配置され、また、前記キラー機構を解放させるために前記少なくとも3つのトリガ機構のすべてが作動されることを特徴とする、請求項1から8個別の又は組合せの、いずれか一項に記載のトラップ。
【請求項10】
前記トラップが前記内部通路の内部端部のところに位置する餌箱を有することを特徴とする、請求項1から9個別の又は組合せの、いずれか一項に記載のトラップ。
【請求項11】
前記トラップのトリガ機構が2つの光センサ及び2つの発光素子を有し、前記2つの発光素子の光が前記2つの光センサに当たること、及び
前記2つの光センサが光を同時に記録しないときに前記トラップの前記キラー機構が解放されること
を特徴とする、請求項4から10個別の又は組合せの、いずれか一項に記載のトラップ。
【請求項12】
前記トラップが、前記トリガ機構及び前記キラー機構の作動を制御するため、及び/又は通信を制御するように構成された制御ユニットを有することを特徴とする、請求項1から11個別の又は組合せの、いずれか一項に記載のトラップ。
【請求項13】
内部通路に入るために動物が上方に移動しなければならないようにトラップが配置される、請求項1から12までのいずれか一項に記載のトラップを使用する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物のための、具体的にはラット(rat)又はマウス(mouse)のための、実質的に垂直な面に交わる実質的に水平な面上に配置されるトラップに関し、このトラップは、実質的に水平な面が実質的に垂直な面に交わるところでトラップを2つの姿勢に配置するのを可能にするという趣旨で、実質的に直角に接続される第1のフランジ及び第2のフランジを有する。
【背景技術】
【0002】
市街地内を移動するラット及びマウスは、しばしば、それらが安全と感じる建物の壁などに沿って移動する。同様の理由から、現在、建物の壁に沿うように公知の毒トラップ(poisoned trap)が配備されている。したがって、これはラット又はマウスがそれらの通常の移動時に毒トラップに遭遇することを意味し、その後、匂いによりラット又はマウスは毒を食べるように誘惑される。この行動は市街地に大きい空き地が多く存在するような場合に特に顕著である。しかし、これは、建物内部、さらに言えば、動物が壁に沿って走るのをやはり好むようなクローゼットなどの中でもしばしば見られる。この行動は、動物がそれらの移動中に壁に隣接する面の下側に隠れ場所を探すことができるような場合に強まる。公知のトラップでは、これは、動物が走って入ることができる通路をトラップが装備することを理由として、効果的に使用される。
【0003】
公知の毒トラップに付随する欠点は、毒が一定時間の経過後にしか効かないことを理由として動物がトラップの場所と同じ場所では死なないことである。これは、死んだ動物が自然の食物連鎖の一部となってしまう可能性があり、毒が、弱った動物若しくは死にかけの動物又はそれらの死骸のいずれも食べる家畜又は鳥などの他の動物によって吸収されてしまう可能性があることを意味する。さらに、毒殺によりこのようにして殺すことには動物に苦痛を与えることを伴う。
【0004】
この問題は、動物を殺すためのばね解放(spring−released)ストライク機構を有する、例えばばね付勢式トラップなどの非毒トラップ(non−poisoned trap)によって解決され得る。
【0005】
しかし、このような公知のばね付勢式ストライク・トラップの欠点は、一匹の動物しか殺すことができないことを理由としてトラップが頻繁に保守点検を受けなければならないことである。さらに、公知のばね付勢式ストライク・トラップは、ほとんどの場合、複数の側から動物がトリガ機構に接近することができるように構成されている。これによりトラップが失敗する場合があり、動物は「ストライカ」によって打撃されず、又は殺されない程度にしかストライカによって打撃されない。したがって公知のばね付勢式ストライク・トラップは多くの保守点検作業を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第3055140A号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、これらの欠点を解消することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これは、それらの両方の姿勢において、ラット又はマウスが中を移動することができるパッセージを画定するように境界を定められた容積(volume)をトラップのフランジ及び面によって形成することにより達成される。トラップのハウジングは、ラット又はマウスが入り込むことができる内部通路をさらに有し、この通路は、一方のフランジからトラップ・ハウジング内まで延び、この通路及びトラップ・ハウジングは、トリガ機構及びキラー機構を有する。
【0009】
2つのフランジを備えるトラップを構成することにより、一方のフランジを壁に当接させ、またもう一方のフランジを支持体に当接させ、それによりラット又はマウスが中へと移動することができるパッセージを形成するように、トラップが内壁又は外壁などに面して配置され得ることが達成される。実際、建物の近辺、又はさらに言えば建物の中を移動するラット又はマウスは内壁又は外壁に沿って走る本能によって突き動かされていることが分かっている。さらに、経験により、動物にはパッセージ内に隠れる傾向がしばしばあることも分かっている。このことは、本発明が例えば床の上に、又は壁に面するように配置されたとき、本発明がトラップのフランジ、基部及び壁のパッセージを形成するという点で、本発明によって効果的に利用される。さらに、2つの実質的に垂直な等しいフランジが存在することで、これらのフランジの一方及びもう一方のそれぞれが支持体に対してトラップを安定させるのに使用されることが可能となる。
【0010】
一方のフランジから延びる内部通路を有するハウジングを構成することにより、動物がパッセージ内で隠れ場所を探すときに通路を横断するようになることと、動物がそのような場所で安全を感じるのを理由として、内部通路の中へと移動する動物を殺すためのキラー機構及びトリガ機構を装備する内側パッセージを動物がしばしば探索するようになることとが達成される。
【0011】
一実施例によれば、内部通路は、電流によって作動するキラー機構を有する。電流によって殺す機構としてキラー機構を構成することにより、非常に高速に作動するトラップが提供される。
【0012】
一実施例によれば、内部通路は、ストライカ機構によって作動するキラー機構を有する。例えばばねにより付勢されることにより動物の首筋を打つ機構としてキラー機構を構成することにより、使用者によって「チャージ」され得るので、(例えばバッテリーからの)電力を必要としない機構が得られる。
【0013】
さらに、ハウジング及び内部通路を備えるトラップのこの構成は、キラー機構が始動されるときに動物が一方向を向くようになることを意味する。これは、ストライカ機能を有するトラップが、動物を迅速且つ確実に殺すことに関して非常に高い信頼性を提供することを意味する。
【0014】
一実施例によれば、内部通路は、キラー機構の各々の側に配置された少なくとも2つのトリガ機構を有し、キラー機構が始動される前にトリガ機構のいずれもが作動される。トラップのキラー機構が解放される前にいずれもが起動されるように、互いから適切な距離のところに配置された2つのトリガ機構を備えるトラップを構成することにより、例えば葉っぱ又はカタツムリ/ナメクジなどがトラップを始動することが不可能となることが達成されるが、これは、両方のトリガ機構を同時に作動させることができない/作動しないであろうからである。さらに、これらの2つのトリガ機構を、例えばばね付勢式ストライカ機構であってよいキラー機構の各々の側に配置することにより、キラー機構により意図される形で動物が打撃されるような姿勢をトラップ内の動物がとることに関して非常に高い信頼性が得られ、この意図される形とは動物の背中が骨折させられるような形であり、またひいては、トラップが最適に仕事をすることにつながる。
【0015】
一実施例によれば、トラップは餌箱を有する。餌箱を備えるトラップを構成することにより、その中へと動物を誘惑する芳香を有する内部通路を提供することが可能となる。
【0016】
一実施例によれば、トラップは、機械的に解放されるトリガ機構を有する。この実施例により、トリガ機構自体が電力を必要としなくなることが達成される。この種類のトリガ機構は従来技術のばね付勢式ストライク・トラップから当業者には公知であり、したがってさらに詳細には説明しない。
【0017】
一実施例によれば、トラップは、2つのトリガ機構の間の動物の身体によって確立される電気接続によって解放されるトリガ機構を有する。この実施例により、動物の身体が確実に特定の向きを向くようになり、それによりキラー機構がそれに適合され得るようになり、さらにそれによりさらに信頼性の高い死亡率が得られる。
【0018】
一実施例によれば、トラップのトリガ機構は、動物からの放熱によって作動される赤外線センサを有する。他のトラップ・システムにおいて、赤外線センサは信頼性が非常に高いことが分かっており、例えば葉っぱ又はカタツムリ/ナメクジなどの場合に誤って発火することがないことが分かっている。
【0019】
一実施例によれば、内部通路は少なくとも3つのトリガ機構を有し、そのうちの2つがキラー機構の各々の側に配置され、またキラー機構を始動させるためにはこれらのトリガ機構のすべてが作動される。3つのトリガ機構を備えるトラップを構成することにより、動物がキラー機構を基準として都合のよい場所に配置される事に関して非常に高い確実性が得られ、「し損ない」のリスクが最小となる。
【0020】
一実施例によれば、トラップは内部通路の内部端部のところに位置する餌箱である。内部通路の内部端部のところに位置する餌箱を備えるトラップを提供することにより、動物が通路内へと移動することが必要となるようにすることが達成される。それにより、トリガ機構が解放されるときに動物がその鼻を最初に餌箱に接触させるような向きをとることに関して高い信頼性が得られる。これにより死亡率が上がり、トラップに入ってトラップを起動させる動物が苦しむことが最小となる。このように内部通路の内部端部のところに配置されるスメル・ボックス(smell−box)を備えるトラップを構成することにより、内部通路に対して横方向に打撃するような形でストライカ機構を有するキラー機構を配置するのを可能にすることがさらに達成され、それにより動物の背中を骨折させることが可能となり得、即死の可能性を上げることができる。
【0021】
一実施例によれば、トラップは2つの光センサ及び2つの発光素子を有し、ここで2つの発光素子の光ビームが2つの光センサに当たり、またさらには、トラップのキラー機構が、2つの光センサによって光が同時に記録されない場合に解放されるように構成される。このようにトラップを構成することにより、トラップのキラー機構を作動させるには2つの光ビームの両方を遮断しなければならないことから、非常に高い確実性が得られる。さらに、殺したことを記録するための容易な手法を提供することも達成され、この場合、2つの光ビームが遮断されている/遮断されるようなったことをトラップが記録するときに例えばインターネット又はモバイル・ネットワークを介してイベント・ログを印刷することが可能である。
【0022】
一実施例によれば、トリガ機構が構成される。
【0023】
本発明の別の観点によれば、請求項13に記載の方法に関する。
【0024】
本出願は2つのフランジを示しており、この場合は当然一方のフランジがトラップ・ハウジングの側壁で構成されていてもよい。
【0025】
本出願は「ストライカ機構」という用語を使用しており、これは実際のストライカとしての狭い意味で解釈されるのではなく、通常のトラップから公知であるばね付勢式ベイル(bail)などの機構も含み、ばね付勢式ベイルでは、動物が餌のアイテムに触れるときに好適には動物の首筋の上にベイルが解放される。このような「ベイル・トラップ(bail trap)」の具体的な実施例は例えば米国特許第3055140A号明細書に記述されている。
【0026】
本出願及び特許請求の範囲ではさらに「キラー機構」という用語が使用される。これは、トラップ内又はトラップ・ハウジング内で動物を殺すことができる機構であることが意図される。言い換えると、キラー機構は、所与の影響を受けたときに殺すことを実行する、相互的に協働する機械的部品又は電気的部品を有するものであると言うことができる。したがってキラー機構は、例えば従来の殺鼠剤ではない。というのは、従来の殺鼠剤は、トラップ内で動物を死に至らしめるような形で動物を殺す協働する機械的部品又は電気的部品をそれ自体で有するわけではないからである。しかし、キラー機構との組合せで毒を使用することもできる。
【0027】
以下では、図を参照しながら本発明の実施例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】壁に面するように位置するトラップ・ハウジングを有するフランジを用いてトラップが如何にして配置され得るかを示す斜視図である。
図2】3つの位置にキラー機構を備えるトラップ内部を示す図である。
図3】下側から見たトラップと、内部通路のための挿入部品とを示す図である。
図4】蓋を備える餌箱を示す図である。
図5】罠にかかった動物を有するトラップ内部を示す図である。
図6】下側から見たトラップを示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1がトラップ(1)の実施例を示しており、ここでトラップ(1)は壁に面して配置される。
【0030】
示される実施例では、トラップが本質的に水平な面上に配置されており、且つ、図から明らかなように内壁又は外壁(2)に突き当てて配置されている。トラップは、トラップ・ハウジング(3)と、壁(2)が床と交わるところでトラップを2つの姿勢に配置できるように、実質的に直角に接続された第1のフランジ(4)及び第2のフランジ(5)とを有する。したがってこの姿勢では、トラップ・ハウジングが壁に当接され、且つフランジ(5)が床に当接されて描かれているが、もちろんトラップ・ハウジングを床に当接させ、フランジ(5)を壁に当接させるように配置することも可能である。トラップがこれらの2つの姿勢のうちの一方に配置されたとき、フランジを壁に当接させて占有することが可能であり、床と壁とフランジとは、動物(7)が入ることができるパッセージ(6)に架かっている。
【0031】
トラップ・ハウジングは、図6に最も良く示される内部通路(8)を有し、図6では底部(9)と共にトラップが下側から示されている。通路の寸法は45mmから55mmの間であってよく、一実施例では、通路の寸法は約50mmである。ラットがパッセージ(6)に入ったとき、ラットはその通路の中へさらに前進することができる。
【0032】
したがって、必ずしもラットである必要はなく、実際にはマウスなど別の動物であってもよい動物は、図1に示されるトラップの姿勢において、内部通路内を上方に本質的に垂直に移動しなければならない。
【0033】
図2はトラップの実施例を示しており、ここでは底部プレート(9)が取り外されている。ここではキラー機構が示され、このキラー機構は、この示される実施例では鋸歯状の前方部分(11)(必ずしも鋭利であるわけではない)を備えるブレード(10)によって構成されている。ブレード(10)は、図4にも見られるスロット(14)のところを通って内部通路を貫通することができる。また示される実施例では、内部通路が、外され得る2つの蓋(15、16)を備えるように構成されている。これにより、トラップを洗浄するなどのメンテナンスを行うことが容易となる。
【0034】
図2でも見られるように、トラップは、フランジの内側に延び、且つ内部通路内へと延びるリブ(20)を備える(図6で最も良好に見られる)。リブの目的は、動物が内部通路内へ移動するのを促進することである。示される実施例では、トラップは2つのフランジを備えるように構成されているが、内部通路へ到達させるために動物が密閉されたパッセージへ入らなければならないようにする趣旨で、3つのフランジ、さらに言えば4つのフランジを備えるように構成されてもよい。しかし、動物がパッセージ(6)内へと移動したときに支持体(すなわち壁(2))がその性質を変える/変形するようなことを動物が経験しないことを確実にするように、トラップが2つのフランジのみを備えるように構成されることが有利であることが分かっている。
【0035】
例示のために、ブレードが3つの位置12’、12’’及び12’’’に示され、また通路内で動物を殺そうとするときにブレードがなぞることになる曲線(13)が点線で示されている。鋸歯(セレーション)の目的はブレードを鋭利にすることではなく、力の伝達をより効率的にすることを目的としてブレードからの力を最小面積により動物へと伝えるようにすることであるが、ブレード10はもちろん、鋭利になるように構成されもよく、さらに言えば、鋸歯を有さないように構成されてもよい。
【0036】
ブレードが有する衝撃エネルギーは通常はばね(図示せず)から得られ、このばねは、ブレードを位置12’’’から位置12’へと移動させるときに付勢される。これは通常は手動で行われ、この操作を容易にするために、ブレードはその最も外側の端部にグリップ(21)を備えることができる。
【0037】
図3では、内部通路に入る開口部を備えるトラップが下側から示されており、したがってトラップ下方には、(図に示されるように)内部通路(8)の中へ導入され得るアダプタ(22)が示される。このアダプタの目的は内部通路の直径を縮小させることである。したがって、示される実施例では、直径は開口部(23)のサイズにまで縮小される。したがって、1つ又は複数の付随のアダプタをトラップに設けることにより、トラップが多様なサイズの動物に適合され得るようになる。通常、これはラットとマウスとの間での切り換えであり、アダプタが使用される場合、内部パッセージの直径は通常は約20mmであり、好適には16mmから24mmの間、より好適には18mmから22mmの間である。
【0038】
図4は餌箱(30)の実施例を示しており、これはそこに蓋(31)を備えて示されている。下向きに、すなわち餌箱の底部(32)に、有利には小さい開口部(図示せず)が設けられ得る。
【0039】
図5は、動物が内部通路の中へと上方に移動するときにトラップのブレードが如何にして動物の首筋に交差するように打撃するのかを示す。
【0040】
図6は、トリガ機構が如何にして内部通路内に配置され得るかを示す。ここで、参照符号40及び41により、中に検出器が配置されていることに簡単に気づくことができる。通常、このような検出器はセンサとして構成される。図内でやはり気づくことができるように、2列のセンサが存在する。一方の列40、41’が、内部通路の最も内側の部分の方に配置され、一方の列41、41’が、内部通路の口(mouthing)により接近して位置する。示される実施例では、これらは、各列のこれらのセンサのうちの1つが光(必ずしも可視光ではない)を発するような形で機能する。この光は、反射材料を備える内部通路の反対側へと「発光」される。次いでこの反射材料が光を直角に反射し、その結果、光が再び反射材料に当たり、再び直角に反射され、結果的に列内の第2のセンサ(検出器)に向かって下方へと発光されることになる。このように発光素子及び光センサの列を備えるように内部通路を構成することにより、トラップのトリガ機構は、動物の身体により一方の又は両方の光センサが妨害されたときにブレードを解放するような態様で、これらの発光素子及び光センサの列に結合され得るようになる。光が内部通路と「交差」する経路内を複数回移動するのを可能にすることにより、動物がその光を妨げる場合でも、又は、動物が、
・反射材料上の点の方を向く発光素子;
・反射材料上のその点から反射材料上の別の点への光;
・反射材料上の第2の点から光センサへの光
からのその経路上の光を妨害する場合でも、単純に始動され得るような/始動されることになるようなトラップを得ることができる。
【0041】
本文脈では、「点」という用語は、通常は領域であることから、狭い意味で解釈されない。
【0042】
もちろん、トラップは、赤外線センサと、上で参照したシステムとの組合せを有することもでき、この場合、トラップの始動を赤外線センサ及びライト・ブランケットの両方に基づかせるか、又は同時に起動されている他のトリガ機構に基づかせることができるので、例えば上述したように葉っぱが例えば「ライト・ブランケット(light blanket)」/光センサ・システムを始動することでトラップが誤って起動されないようにすることに関してさらに高い信頼性が得られる。また、このようなシステムは(赤外線システム又は「ライト・ブランケット」システムが妨害/起動されている場合に)1つのシステムがエラーを示すことを趣旨として警告を発することができ、それにより、必要となる保守点検に関する情報を提供することができることから、トラップを監視するという選択肢も提供する。これは、例えばトラップに葉っぱ又はカタツムリ/ナメクジが詰まっている場合(これにより、赤外線センサからではなくライト・ブランケットから警告が発せられる)などに行われてよい。もちろん、このような警告は、特定の一定時間を通してこのような「事象」が起こっているということに基づいて行われてもよい。
【0043】
通常、トラップは(示されるように)2列の検出器を装備し、これらは通常はブレードの解放時にブレードが打撃する領域(42)の各々の側に配置される。また、トラップは通常、両方のトリガ機構が起動される場合にのみブレードを解放するような形で構成される。したがって、両方のトリガ機構を起動させている動物がブレードの打撃範囲の各側においてそれぞれ一方側の身体部分を必ず有するようになければならないために、高い確実性が得られる。
【0044】
一実施例によれば、トリガ機構は、通常の動作時に一方の列の発光素子/光センサのみをオンにしておくように、構成される。好適には、これは最も内側の列である。その列が起動されてもトラップのブレードは始動されないが、第2の列の発光素子/センサがオンになり、第2の列の発光素子/センサも起動された場合にのみ、さらに、トラップのキラー機構が解放される。このようにトラップを構成することにより、殺すことに関して高い信頼性が得られ、さらに、2つの「永久的に」アクティブな列を有するがためにトラップがエネルギーを浪費しないようにすることも達成される。加えて、共に「始動」されることになる2つの列により、一方の列を「始動」させる例えば葉っぱ又はカタツムリ/ナメクジによりトラップのキラー機構が起動されることも確実になくなる。
【0045】
これらの実施例のすべてで、トラップが、状態、動作などの情報を記録することができる内蔵のプログラム可能コンピュータを有することができる。
【0046】
したがって一実施例では、トラップは、動作状態にある場合に又は起動されている場合に例えばモバイル・ネットワークを介してトラップが通信するのを可能にするためのSIMカードなどをさらに装備する。トラップにSIMカード又は他の通信機能を備え付けることにより、大幅により容易に検査及び維持されるトラップ・システムを得ることが可能となる。さらに、個別のトラップが互いに通信することができるような上で参照したトラップのトラップ・システムを構成することにより、互いにより、又は共有の「マスター」により、個別のトラップが監視されるシステムが得られる。
【0047】
マスターを有しても有さなくてもよいこのようなシステムを構成することにより、トラップの起動が記録され得るようになることに加えて、トラップが互いの機能を監視して、それ以降トラップが正確に機能しなくなる場合又はトラップが一切機能していない場合に通知を発することができる。
【0048】
したがってこのようなシステムは、個別のトラップがSIMカードを装備するようなシステムと比較して信頼性が向上する。このように個別のトラップがSIMカードを装備するようなシステムでは、それ以降トラップが機能しなくなる場合に同程度の信頼性で記録するという選択肢を提供することができない。実際には、本質的には、故障したトラップはそのエラーを通信することができない。
【0049】
例えば市街地内にある多数のトラップが互いに通信するか又はマスターと通信するのを可能にすることにより、他のトラップのうちの1つのトラップ又はマスター・ユニットのいずれかにより、故障したトラップを(例えばモバイル・ネットワークを介して)記録及び報告することができることから、トラップが確実に監視されるようになり、高い信頼性が得られる。さらに、例えば市街地内にある相互通信のトラップのシステムでは、すべてのトラップが例えばマスター・ユニットへ伝達することが可能であることが必要であるわけではなく、1つのトラップが「マスター・ユニット」へ伝達することが可能であることで十分であり、且つ、トラップが互いに伝達することが可能であることで十分である。これは、実際には、例えば殺すことに関する任意の情報がトラップ間で通信され得るようになり、また、「マスター・ユニット」と通信している1つのトラップから「マスター・ユニット」へと通信され得るようになる、ことを意味する。したがってこのようなシステムでは、マスターはやはり、例えばSIMカードを装備する単一のマスターである。
【0050】
トラップが互いに通信するのを、及び「マスター・ユニット」と通信するのを可能にすることにより、例えばシステム内のいずれのトラップが適切に機能していないか又は後で説明するようにいずれのトラップがその周囲に動物が存在することを確定されているのかを例えばモバイル・ネットワークを介して(例えばSMSテキスト・メッセージにより)報告することができるというような趣旨で「マスター・ユニット」と高い信頼性で通信することができるトラップのシステムが提供される。したがって、さらに、マスター・ユニットがいずれのトラップが殺したかを報告することができる。マスター・ユニットは独立ユニットで構成され得、この独立ユニットは必ずしもトラップである必要はないが、もちろん、トラップの構成を有していてもよい。
【0051】
図1を参照すると、別の「特徴(feature)」が上記の実施例に追加され得、ここでは、参照符号(50)によって見られるように壁(2)の反対側を向いたトラップの側において、例えば盗難警報器により公知であるような、例えばカメラ又は動作センサなどの別の検出器を配置することが可能であり、これらは以下では「検出器」と総称される。
【0052】
図に示されるように、この検出器の絵は部屋の方に出ているが、これには、何らかの理由でトラップに入らない動物が存在するかどうかをトラップがさらに監視することができるという利点もある。したがって内部コンピュータは、検出器/カメラが起動されるごとに動画を記録するようにもプログラムされ得る。さらに、使用者が例えば状態をチェックする必要がある場合にカメラに連絡することも可能にするというような趣旨で、検出器が上で説明したような通信を介して連結され得る。
【0053】
複数のセクション(10ページ目及びそれ以降)において、「マスター」を有しても有さなくてもよいトラップ・システムを説明した。これらのシステムは、本発明の対象であるトラップ以外の他のトラップでも効果的に使用され得る。このように、これらのシステムはトラップの種類に関係なく動作することができ、したがって1つ又は複数の独立の特許出願の目的となることもできる。
【0054】
本発明の一観点によれば、本発明は、請求項1〜12によるトラップを使用するための方法に関し、ここでは、内部通路に入るためには動物が上方に移動しなければならないような形となるように、トラップが配置される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】