(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-538891(P2016-538891A)
(43)【公表日】2016年12月15日
(54)【発明の名称】スキンケア用器具の性能調整
(51)【国際特許分類】
A46B 15/00 20060101AFI20161118BHJP
A46B 5/00 20060101ALI20161118BHJP
A45D 44/22 20060101ALI20161118BHJP
【FI】
A46B15/00 Z
A46B5/00 Z
A45D44/22 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-519527(P2016-519527)
(86)(22)【出願日】2014年5月29日
(85)【翻訳文提出日】2016年2月10日
(86)【国際出願番号】US2014040069
(87)【国際公開番号】WO2014200710
(87)【国際公開日】20141218
(31)【優先権主張番号】13/917,201
(32)【優先日】2013年6月13日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】391023932
【氏名又は名称】ロレアル
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100117411
【弁理士】
【氏名又は名称】串田 幸一
(72)【発明者】
【氏名】グレズ,ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】ブルーワー,ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】ピルチャー,ケネス
【テーマコード(参考)】
3B202
【Fターム(参考)】
3B202AA15
3B202AA16
3B202AB02
3B202BA01
3B202CA02
(57)【要約】
補償/性能調整システムは、ハンドルと、振動するブラシ頭部ワークピースと、駆動システムとを有する電動のスキンブラシを含み、ブラシ頭部ワークピースは、RFIDタグを有する。RFIDリーダは、ハンドル内に備わり、RFIDタグがリーダを通過するのに応答し、ブラシ頭部の使用に関する指標を生成する。マイクロプロセッサは、RFIDの情報から実際の使用値を算出し、記憶された情報を使用し、算出された使用から性能低下を判定する。それから、駆動信号の駆動周波数またはデューティサイクルにおける補償する変化が、記憶された情報からマイクロプロセッサにより判定され、器具の性能を維持するために駆動システムへ伝送される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動するブラシ頭部ワークピースと、そのための駆動システムとを備えるハンドルを有する電動のスキンブラシであって、前記ブラシ頭部ワークピースがRFIDタグを有する、電動のスキンブラシと、
前記ハンドル内のRFIDリーダであって、前記RFIDタグが前記リーダを通過するのに応答し、前記ブラシ頭部ワークピースの使用に関する情報を生成するRFIDリーダと、
前記ブラシ頭部ワークピースの前記使用を算出し、前記器具内にある記憶された情報に従って、前記使用の算出に基づく性能低下を判定し、前記器具の性能を維持するために、前記記憶された情報に従って、前記器具の前記駆動システムの周波数またはデューティサイクルを調節するマイクロプロセッサと
を備える、電動のスキンブラシの性能低下を補償するシステム。
【請求項2】
前記使用が、前記ブラシ頭部/ワークピースの実際の使用時間に基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記使用が、前記ブラシ頭部/ワークピースの個々の使用事象の回数に基づく、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記器具の前記性能低下が、前記ブラシ頭部/ワークピースのブラシ毛の付着物に起因する、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ブラシ頭部が交換されるべき時期を示すシステムを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記ブラシ頭部ワークピースが、振動するブラシ頭部ワークピースである、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、概して、スキンケア用器具に関し、より詳細には、かかる器具のワークピース部分の性能の劣化/低下を補償するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]電動のスキンケア用器具は、典型的には、ブラシ/ブラシ毛(bristle)部分などの、ブラシ頭部とも呼ばれる、動く、通常は振動するワークピース部分を含む。ブラシ部分は、時間の経過につれて、使用と共に徐々に老化し、摩耗し、または汚損される。さらに、消耗材を分注するワークピースは、徐々に消費されていく。これらの段階的なワークピースの物理的変化は、振幅運動の違いを生成する動的特質の変化により、または、より直接的に、しなやかさなどの、ブラシ/ブラシ毛自体の特性の変化により、器具の性能低下をもたらす。かかるブラシワークピースは、一般的に、器具の性能が一定基準に満たなくなった時点で、交換されることが意図されている。
【0003】
[0003]しかしながら、性能の損失は、典型的には非常に徐々に発生するので、製品に対する満足度も、ワークピースが実際に交換されるまで徐々に低くなる。ワークピースが交換される前に、器具が誤って処分されてしまう場合もある。
【0004】
[0004]したがって、典型的には約3カ月である、ワークピースの標準的な取り換え時期になるまで、ワークピースの性能、および、それによりもたらされる使用者による体験が、許容される水準に維持されることが望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
[0005]したがって、電動のスキンブラシの性能低下を補償するシステムは、動くブラシ頭部ワークピースと、そのための駆動システムとを備えるハンドルを有する電動のスキンブラシであって、ブラシ頭部ワークピースがRFIDタグを有する、電動のスキンブラシと、ハンドル内のRFIDリーダであって、RFIDタグがリーダを通過するのに応答し、ブラシ頭部ワークピースの使用に関する情報を生成するRFIDリーダと、ブラシ頭部ワークピースの使用を算出し、器具内にある記憶された情報に従って、使用の算出に基づく性能低下を判定し、器具の性能を維持するために、記憶された情報に従って、器具の駆動システムの周波数またはデューティサイクルを調節するマイクロプロセッサとを備える。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】[0006]交換可能なブラシ頭部を有する電動のスキンブラシの概略図である。
【
図2】[0007]
図1の電動のスキンブラシにおける本発明のシステムおよび動作を示す図である。
【
図3】[0008]電動のスキンブラシにおける性能を維持するための、使用時間対駆動周波数の線図/図である。
【
図4】[0009]電動のスキンブラシの性能維持に関する、使用時間対デューティサイクルの線図/図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[00010]
図1は、電動のスキンブラシの全体を10で示す。スキンブラシは、ハンドル12と、1組のブラシ毛16を含むブラシ頭部14とを含む。1組のブラシ毛を備えるブラシ頭部は、典型的には、簡便に交換可能である。動作時は、電動のスキンブラシは、モータと、充電式電池とを含む、駆動組立体を含む。駆動組立体は、ブラシ頭部組立体を、選択された動きで駆動する。かかる動きの1つは、7°の角度/振幅、および176Hzの周波数の振動である。駆動組立体は、典型的には、器具を作動するためのソフトウェアおよびファームウェアの両方を含む、マイクロプロセッサにより制御される。かかる器具は、本発明の譲受人が所有する、米国特許第7,786,626号、および米国特許第7,386,906号においてより詳細に示され、それらの内容は、参照により本発明に含まれる。上述したように、スキンブラシの性能は、摩耗または他の原因により時間の経過につれて低下する。本発明では、ハンドル内のマイクロプロセッサは、以下に詳細に議論するように、ワークピース/ブラシの累積使用に応じて器具の駆動特性を変化させるように動作する。
【0008】
[00011]スキンケア用ブラシワークピースの場合は、特に、ワークピースの劣化の根本的な原因が少なくとも4つ知られている。これらには、ブラシ毛先端の摩耗、ブラシ毛の疲労、付着物(encrustation)、および分注の枯渇が含まれる。非分注式ブラシ頭部に関しては、付着物が、ブラシ性能の低減の主な原因である。付着物は、隣接するブラシ毛を接着し、結果としてより硬い構造体を形成する、化粧品などの異材があることを意味する。剛性のブラシ毛の群は、肌へ施されるブラシ毛の運動を実際に強めるように、ブラシの作用の動的特質を変化させる。その結果、束の剛性が強まることに起因し、肌に対して生成されるせん断力が強まり、これは、ざらつき(harshness)が強くなったと使用者によって感知されるおそれがある。
【0009】
[00012]本発明では、肌への比較的一定したせん断力を維持し、ひいては器具の一貫した性能を維持するために、駆動周波数および/またはデューティサイクルの特定のシフトが、ブラシ毛の束の剛性の強まりを補償する。駆動周波数、および/またはデューティサイクルの変化は、典型的なブラシ頭部の付着物率を補償する率で、時間の経過につれて制御される。
【0010】
[00013]
図2を参照すると、本発明は、ブラシ頭部上に位置決めされた無線周波数識別(RFID:Radio Frequency Identification)タグ25を含む、ワークピース/ブラシ頭部24を含む。ハンドルは、RFIDタグがリーダを通過した回数、および累積使用時間を蓄積するリーダ26を含む。これは、器具の使用量(usage)、特にワークピースの使用を判定するのに必要な情報を提供する。上述したように、ワークピースの動的変化、特に付着物に起因する影響は、時間の経過につれて特定の率で生じることが知られている。
【0011】
[00014]RFID通信およびブラシ頭部組立体の動きを用いて、使用/時間情報をマイクロプロセッサ28へ提供する。マイクロプロセッサは、30で示されるように、RFIDリーダから、蓄積された使用量の情報を算出する。これは、実際の使用時間または使用事象回数であり得る。使用量は、それから、マイクロプロセッサにより、32で示されるように、使用時間を性能劣化に関連させる、表などに記憶された既存情報と関連付けられる。この情報は、ブラシ頭部の特定モデルとして知られている。表32から判定された性能低下の値は、それから、34で表されるように、判定された性能低下と、器具の性能を維持するために必要な駆動信号の周波数またはデューティサイクルに対する調節とを関連させた、典型的には表の形式で記憶された追加情報と比較される。駆動周波数またはデューティサイクルにおける調節は、それから、信号形式で駆動システム36へ伝送される。
【0012】
[00015]1つの例では、標準的な柔らかさのブラシ頭部を使用して、ブラシ頭部の共振周波数は、濡れた状態で負荷下にある場合、180〜185Hzである。ブラシ頭部が完全に異物で被覆された場合、共振周波数は、典型的には、10Hz減少し、170〜175Hzになる。10Hzの駆動周波数の低下は、もとの駆動信号と共振周波数の関係を維持し、それにより、器具の性能をもとの水準に維持する。
図3は、周波数と使用時間(分)の関係を示す。ある特定のブラシ頭部では、性能低下は指数曲線に従う。特定のブラシ頭部の種類のそれぞれが、かかる周知の関係を有し、これらは、器具のハンドル内のマイクロプロセッサまたは他の記憶装置に記憶される。
【0013】
[00016]補償は、デューティサイクルのシフトによっても達成され得る。一例として、標準的な柔らかさのブラシを、固定のデューティサイクルで使用したとき、ブラシ頭部の荷重された運動の振幅は、濡れた状態で負荷下にある場合、頂点間で約7°である。ブラシ頭部が完全に異材で被覆された場合、共振時の同じデューティサイクルの負荷は、8°の振幅を生成する。ある特定の器具に対する1つの例として、デューティサイクルを14%低減することによって、振幅は7°に減少され、これは、もとの振幅である。この例では、当初のデューティサイクル30%に対し、新たなデューティサイクルは25.8%となる。デューティサイクル対時間の線図が
図4に示される。この場合も、駆動周波数の線図のように、性能を維持するためのデューティサイクルの低下は、指数関数である。駆動周波数対時間、およびデューティサイクル対時間の線図は、両方とも器具内に記憶される。
【0014】
[00017]上記の補償システムは、特定の時間、例えば、スキンブラシ器具のブラシ頭部の通常の利用時間である約3カ月にわたってブラシ頭部の性能を維持する。かかる時間の終わりに、器具もしくは他の手段内、または、器具もしくは他の手段からの信号が、ブラシ頭部の交換が必要であると示すために使用され得る。駆動周波数またはデューティサイクルにおける変化は、寿命中に、連続的にまたは特定の時期に達成され得る。変化は、器具を使用する都度生じるのが好ましい。上述したように、性能低下の主要な原因は付着物であるが、低下の他の要因も同様に、性能補償の対象となり得る。これは、付着物を引き起こさない様式で典型的に使用されるブラシにとって、重要であり得る。器具内に記憶された情報は、性能低下の様々な原因に対処することができる。補償された器具は、交換可能なブラシ頭部の典型的な有効寿命の期間にわたり、一貫した性能を提供する。典型的な有効寿命が終了すると、ブラシ頭部は、適切に交換され得る。この構成は、一貫した性能を保証し、性能低下が補償されないことに起因するブラシ頭部の早すぎる交換、および/または器具の誤った交換を防止する。
【0015】
[00018]例示の目的で、本発明の好ましい実施形態が開示されたが、様々な変化、修正、および代替が、後続の特許請求の範囲により規定される本発明の趣旨から逸脱することなく実施形態に組み込まれ得ることを理解すべきである。
【国際調査報告】