特表2016-539633(P2016-539633A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2016-539633核酸の増幅及び検出のポイントオブケア用の方法及び装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-539633(P2016-539633A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】核酸の増幅及び検出のポイントオブケア用の方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/68 20060101AFI20161125BHJP
   G01N 21/78 20060101ALI20161125BHJP
   G01N 21/82 20060101ALI20161125BHJP
   C12M 1/34 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
   C12Q1/68 Z
   G01N21/78 C
   G01N21/78 Z
   G01N21/82
   C12M1/34 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2016-526159(P2016-526159)
(86)(22)【出願日】2014年10月22日
(85)【翻訳文提出日】2016年6月16日
(86)【国際出願番号】US2014061808
(87)【国際公開番号】WO2015061480
(87)【国際公開日】20150430
(31)【優先権主張番号】61/894,392
(32)【優先日】2013年10月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/262,683
(32)【優先日】2014年4月25日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516120320
【氏名又は名称】コーポロス インク.
【氏名又は名称原語表記】CORPOROS INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100107364
【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】ベアリンガー,ジェーン ピー.
(72)【発明者】
【氏名】カスタノン,スコット
(72)【発明者】
【氏名】ミチリッシェ,ケネス ジェイ.
【テーマコード(参考)】
2G054
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
2G054AA07
2G054AA08
2G054AB05
2G054BB10
2G054CA22
2G054CE02
2G054EA03
2G054EA06
2G054EA09
2G054FA06
2G054FA07
2G054FA12
2G054FA26
2G054GA03
2G054GA04
2G054GB01
2G054GB04
4B029AA07
4B029BB20
4B029FA12
4B063QA01
4B063QA18
4B063QQ42
4B063QR08
4B063QR42
4B063QR62
4B063QS24
4B063QS36
4B063QX01
(57)【要約】
方法及び装置は、ポイントオブケア拡酸増幅及び検出のために提供される。発明の1つの実施形態は、任意で、目的の標的核酸配列を検出するために、複合の形式で用いられてよく、そして、任意で、1回の使用の後の廃棄のために構成されてよい、完全に実装されたサンプルトゥーアンサー分子診断装置を備える。装置は、好ましくは、核酸増幅に関連する器具類の要求を減少するために、例えばループメディエイテッド等温増幅(LAMP)の如き等温核酸増幅技術を利用する。標的増幅の検出は、例えば、増幅反応に追加された染料の変色又は蛍光の検出を介して、達成されてよい。このような検出は、オペレータによって視覚的に行われてよく、又は、例えば分光光度的画像の如き、画像技術を用いて達成されてよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
標的核酸配列のポイントオブケア増幅及び検出のための方法であって、当該方法は、
サンプルマトリクスを収集するステップと、
前記サンプルマトリクスを、少なくとも1つの微小流体チャネルを通して、核酸増幅の試薬を有している少なくとも1つの反応チャンバに移送するステップと、
前記サンプルマトリクスに含まれているときに、前記標的核酸配列を増幅するために、前記核酸増幅の試薬を加熱するステップと、
加熱している間に、前記少なくとも1つの微小流体チャネルを通して、前記少なくとも1つの反応チャンバからの、前記サンプルマトリクスの逆流を防止するステップと、
前記サンプルマトリクスにて存在するときに、前記標的核酸配列の増幅を検出するステップと、
を含む方法。
【請求項2】
請求項1の方法であって、逆流を防止するステップは、更に、前記サンプルマトリクスを前記少なくとも1つの反応チャンバに移送するステップの間に、前記サンプルマトリクスを少なくとも1つの一方向のバルブを通して通過させるステップ、を含む、
方法。
【請求項3】
請求項1の方法であって、逆流を防止するステップは、更に、前記サンプルマトリクスを前記少なくとも1つの反応チャンバに移送するステップの後に、前記少なくとも1つの微小流体チャネルをブロックするステップ、を含む、
方法。
【請求項4】
請求項1の方法であって、更に、前記少なくとも1つの反応チャンバからオーバーフローを発散するステップ、を含む、
方法。
【請求項5】
請求項1の方法であって、更に、1回の使用の後に、前記サンプルマトリクス、前記少なくとも1つの微小流体チャネル、前記少なくとも1つの反応チャンバ及び前記核酸増幅の試薬を廃棄するステップ、を含む、
方法。
【請求項6】
請求項1の方法であって、加熱するステップは、更に、
加熱エレメントで前記核酸増幅の試薬を加熱するステップと、
1回の使用の後に前記加熱エレメントを廃棄するステップと、を含む、
方法。
【請求項7】
請求項1の方法であって、増幅を検出するステップは、更に、比色染料の変色を検出するステップ、濁りの増加を検出するステップ、又は、蛍光を検出するステップ、を含む、
方法。
【請求項8】
請求項1の方法であって、移送するステップは、更に、多数の反応チャンバを横切って前記サンプルマトリクスを分配する、少なくとも1つの分岐している微小流体チャネルを通して、前記サンプルマトリクスを移送するステップ、を含む、
方法。
【請求項9】
請求項8の方法であって、逆流を防止するステップは、更に、前記多数の反応チャンバの間の相互汚染を防止するステップ、を含む、
方法。
【請求項10】
請求項8の方法であって、更に、異なる反応チャンバで、異なる標的核酸配列の増幅及び検出を行うステップ、を含む、
方法。
【請求項11】
標的核酸配列のポイントオブケア増幅及び検出のための方法であって、当該方法は、
サンプルマトリクスを収集するステップと、
前記サンプルマトリクスを、前記サンプルコレクタから、核酸増幅の試薬を有している少なくとも1つの反応チャンバに移送するステップと、
前記サンプルマトリクスに含まれているときに、前記標的核酸配列を増幅するために、前記核酸増幅の試薬を加熱するステップと、
加熱している間に、前記少なくとも1つの反応チャンバからのオーバーフローを発散するステップと、
前記標的核酸配列の増幅を検出するステップと、
を含む方法。
【請求項12】
請求項11の方法であって、移送するステップは、更に、前記サンプルマトリクスを、少なくとも1つの微小流体チャネルを通して移送するステップ、を含む、
方法。
【請求項13】
請求項11の方法であって、収集するステップは、更に、サンプルコレクタで前記サンプルマトリクスを収集するステップ、を含み、移送するステップは、更に、前記少なくとも1つの反応チャンバに、前記サンプルコレクタの少なくとも1つのパンチを設けるステップ、を含む、
方法。
【請求項14】
請求項11の方法であって、オーバーフローを発散するステップは、更に、少なくとも1つの隔離されたオーバーフローチャンバに発散するステップ、を含む、
方法。
【請求項15】
請求項11の方法であって、オーバーフローを発散するステップは、更に、流れ制御メディアを通して気体を発散するが、流体の発散を妨げるステップ、を含む、
方法。
【請求項16】
請求項11の方法であって、更に、加熱している間に、前記少なくとも1つの微小流体チャネルを通して、前記少なくとも1つの反応チャンバからの、前記サンプルマトリクスの逆流を防止するステップ、を含む、
方法。
【請求項17】
標的核酸配列のポイントオブケア増幅及び検出のための装置であって、当該装置は、
サンプルマトリクスを収集するために構成されたサンプルコレクタと、
少なくとも1つの微小流体チャネルと、核酸増幅の試薬を有している少なくとも1つの反応チャンバと、少なくとも1つのバルブとを備えるデバイスと、
加熱エレメントと、を備え、
前記少なくとも1つの微小流体チャネルは、前記サンプルマトリクスを、前記サンプルコレクタから前記少なくとも1つ反応チャンバに移送するために構成されており、
前記加熱エレメントは、前記サンプルマトリクスに含まれているときに、前記標的核酸配列を増幅するために、前記少なくとも1つの反応チャンバへの、前記サンプルマトリクスの移送の後に、前記核酸増幅の試薬を加熱するために構成されており、
前記少なくとも1つのバルブは、加熱している間に、前記少なくとも1つの微小流体チャネルを通して、前記少なくとも1つの反応チャンバからの、前記サンプルマトリクスの逆流を防止するために構成されている、
装置。
【請求項18】
請求項17の装置であって、前記デバイスは、更に、前記少なくとも1つの反応チャンバからのオーバーフローの発散のための、少なくとも1つの隔離されたチャンバ、を備える、
装置。
【請求項19】
請求項18の装置であって、前記デバイスは、更に、前記少なくとも1つの反応チャンバからの液体ではなく気体の発散のための、流れ制御メディアを備える、
装置。
【請求項20】
請求項17の装置であって、前記バルブは、一方向のバルブ、ロッキングバルブ、リバーシブルバルブ、非リバーシブルバルブ、及びこれらの組み合わせを備えるグループから選択される、
装置。
【請求項21】
請求項17から19のいずれかの装置であって、前記バルブは、前記少なくとも1つの反応チャンバと前記少なくとも1つの微小流体チャネルとの間の流体連通を妨げるクローズ位置、あるいは、前記少なくとも1つの反応チャンバと前記少なくとも1つの微小流体チャネルとの間の流体連通を許可するオープン位置に選択的にスライドされ得る、スライディングバーバルブを含む、
装置。
【請求項22】
請求項21の装置であって、複数の反応チャンバと、複数の微小流体チャネルとがあり、前記スライディングバーバルブは、前記クローズ位置にて、複数の各反応チャンバと微小流体チャネルとの間の流体連通を妨げる、
装置。
【請求項23】
流体サンプルのポイントオブケア分析のための装置であって、当該装置は、
流体サンプルを収集するために構成されたサンプルコレクタと、
少なくとも1つの微小流体チャネルと、少なくとも1つの分析チャンバと、スライディングバーバルブとを備えるデバイスであって、前記少なくとも1つの微小流体チャネルは、前記流体サンプルを前記サンプルコレクタから前記少なくとも1つの分析チャンバに移送するために構成されており、前記スライディングバーバルブは、前記少なくとも1つの微小流体チャネルと前記少なくとも1つの分析チャンバとの間の流体連通を、選択的に許可又は妨げるために構成されている、前記デバイスと、
を備える装置。
【請求項24】
請求項23の装置であって、複数の反応チャンバと、複数の微小流体チャネルとがあり、前記スライディングバーバルブは、複数の各反応チャンバと微小流体チャネルとの間の流体連通を、選択的に許可又は妨げるために構成されている、
装置。
【請求項25】
請求項23又は24のいずれかの装置であって、前記スライディングバーバルブは、前記流体連通を許可するためのオープン位置及び前記流体連通を妨げるためのクローズ位置の間に、選択的にスライドされ得る、
装置。
【請求項26】
請求項23から25のいずれかの装置であって、前記分析チャンバは、反応チャンバである、
装置。
【請求項27】
請求項23から26のいずれかの装置であって、前記分析は、標的核酸配列の増幅及び検出を含む、
装置。
【請求項28】
請求項23から27のいずれかの装置であって、更に、前記流体サンプルを加熱するための加熱エレメント、を備える、
装置。
【請求項29】
請求項23から28のいずれかの装置であって、前記分析チャンバは、前記流体サンプルが前記分析チャンバに提供されるときに、前記流体サンプルと混ざる試薬を備える、
装置。
【請求項30】
請求項23から29のいずれかの装置であって、更に、前記分析チャンバ内の前記流体サンプルの少なくとも一部の画像をキャプチャするためのイメージセンサ、を備える、
装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年10月22日付けで出願された米国特許出願第61/894,392号、及び2014年4月25日付けで出願された米国特許出願第14/262,683号であって、本明細書によって援用されるものの利益を主張する。
【0002】
参照による援用
本明細書に記述の全ての文献及び特許出願は、各個別の文献又は特許出願が参照によって組み込まれることを詳細に及び個別的に意図されたかのように、同様な範囲の参照によってここに組み込まれる。
【0003】
技術分野
本願発明は、核酸の増幅及び検出用の方法及び装置に関する。特に、本願発明は、核酸の増幅及び検出のポイントオブケア用の方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0004】
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、PCRの特殊性及び感度が、類似の酵素結合免疫吸着測定法(「ELISA」)テストのものより極めて高いので、核酸の増幅及び検出用の好適な基準と考えられている。しかしながら、PCRシステムは、典型的に、コストがかかり、極めて清潔なサンプルを要する。ポイントオブケア(POC)PCRシステムは、一般的に、完全に廃棄できるわけではなく、不慣れな使用に適さず、相当なパワーを要し及び/又は複雑な処理及び読出しを含む。よって、PCRは、伝統的には、豊富な資源を有する、集約的な実験室環境に限定されていた。
【0005】
前述を考慮して、従来の既知の方法及び装置の欠点を克服する、核酸の増幅及び検出のポイントオブケア用の方法及び装置を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、背景技術の課題を解決するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願発明のいくつかの実施形態は、同様なパーツを同様な符号にて参照する添付の図面と併せて用いられる、以下の詳細の説明の理解を明らかにするであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】サンプルコレクタの1つの実施形態の概略図である。
図2A】乃至
図2C図1のサンプルコレクタからポイントオブケア核酸増幅及び検出装置へのサンプルの生成及び移送のための装置及び方法の等角図及び側面図である。
図3A】及び
図3B図1のサンプルコレクタからポイントオブケア核酸増幅及び検出装置へのサンプルの生成及び移送のための代替の装置及び方法の側面図及び等角図である。
図4A】乃至
図4D図1のサンプルコレクタからポイントオブケア核酸増幅及び検出装置へのサンプルの生成及び移送のための追加の代替の装置及び方法の側断面図及び等角図である。
図5図2乃至図4のポイントオブケア核酸増幅及び検出装置の分解組み立て図である。
図6図2乃至図5のポイントオブケア核酸増幅及び検出装置のチャネル及びチャンバエレメントの底面図である。
図7A】加熱エレメントと熱伝達している図2乃至図6のポイントオブケア核酸増幅及び検出装置の等角図である。
図7B図7Aの装置及び方法と一緒に用いられるための任意の検出センサの等角図である。
図8A】乃至
図8E図2乃至図7のポイントオブケア核酸増幅及び検出用の方法及び装置の、代替の実施形態の等角図、平面図、底面図、及び側断面図である。
図9A】乃至
図9J】ポイントオブケア核酸増幅及び検出用の方法及び装置の、他の代替の実施形態の、等角図、平面図、底面図、組み立て図、側断面詳細図、及び半透明等角図である。
図10A】乃至
図10G】ポイントオブケア核酸増幅及び検出用の方法及び装置の、他の代替の実施形態の等角平面図、等角底面図、等角詳細図、半透明等角詳細図、及び側断面詳細図である。
図11A】乃至
図11J】ポイントオブケア核酸増幅及び検出用の方法及び装置の、更に他の代替の実施形態の側面図、側断面図、等角図、及び半透明等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
この開示は、当業者が開示された技術を実施するために詳細及び正確であるが、ここで開示された自然法則の実施形態は、発明の様々な側面を単に例示するに過ぎず、これは、他の特定の構造によって具現化されてよい。好ましい実施形態が記載されるが、詳細は発明から離れずに変更されてよく、請求項によって定義される。
【0010】
本願発明は、核酸の増幅及び検出用の方法及び装置に関する。特に、本願発明は、核酸の増幅及び検出のポイントオブケア用の方法及び装置に関する。装置及び方法は、任意の方法で、多数の目的の標的核酸配列を検出するために(例えば、少なくとも2個の目的の標的核酸配列を検出するために)、複合の様式で用いられてよく、装置は、1回の使用の後に廃棄されるために任意に構成されてよい。
【0011】
装置は、好ましくは、核酸増幅に関連する器具類の要求を減少するために、例えばループメディエイテッド等温増幅(「LAMP」)の如き等温核酸増幅技術を利用する。標的増幅の検出は、例えば、増幅反応に付加される、ヒドロキシナフトールブルー、ピコグリーン、及び又はSYBRグリーン等の、1つ以上の染料における変色及び/又は蛍光を介して、あるいは、濁りの変化を介して、達成されてよい。このような比色の、蛍光の、及び/又は濁りの検出は、オペレータによって視覚的に行われてよく、及び/又は、例えば、以下に記載の、分光光度的な及び/又は蛍光画像の如き、画像技術を用いて達成されてよい。
【0012】
図1は、核酸サンプルSを収集するための、それ自体は既知の、サンプルコレクタ10の1つの実施形態を図示している。サンプルコレクタ10は、例えば、スポンジ、泡、又はスワブを備えてよい。サンプルコレクタ10は、例えば、不活性ポリマーから生成されてよい。様々なサンプルのマトリクスであって、食物、尿、唾液、粘液を分泌するもの、糞便、血、精液、組織、細胞、DNA、RNA、タンパク質、植物性物質、動物性物質、液体、溶液、固体、気体及び他の材料を含んでいるが限定されないものは、サンプルSとしてサンプルコレクタ10に設けられてよい。
【0013】
サンプルコレクタ10でサンプルSを収集するために、サンプルコレクタは、例えば、目的の1つ以上のサンプルマトリクスに、浸されてよく又は入れられてよい。サンプルコレクタ10を用いる1つの方法では、サンプルコレクタは、唾液サンプルSを収集するために、ある期間、人間の口の中に入れられてよい。追加的にあるいは代替的に、目的の1つ以上のサンプルマトリクスの1つ以上のしずくは、例えば、サンプルコレクタに設けられてよく又は置かれてよい。更に他の代替として、サンプルコレクタ10は、例えば、目的の1つ以上のサンプルのマトリクス又は表面を、ふき取ってよく又は拭ってよい。
【0014】
サンプルSの収集の後、サンプルは、サンプルコレクタ10から、ポイントオブケア拡酸増幅及び検出装置100に移送されてよい。任意で、サンプルは、例えば溶解化学製品と流体連通するサンプルSのプレースメントを介して、移送の前、間及び後に、生成されてよい。サンプルコレクタ10は、任意で、サンプルSを生成する溶解化学製品を備えてよい。追加的にあるいは代替的に、サンプルSは、熱処理を介して生成されてよい。例えば、サンプルSは、等温増幅に要求される温度よりも高い、例えばループメディエイテッド等温増幅(「LAMP」)に要求される熱よりも高い温度に加熱されてよい。いくつかの実施形態では、サンプルSは、全血を備えてよく、これは、例えば、サンプルの生成を達成するために、例えば約10分の間、約99℃に熱処理されてよい。それ自体は既知の他の生成法が、追加的にあるいは代替的に、用いられてよい。いくつかの実施形態では、サンプルSは、生成を要求しなくてよい。いくつかの実施形態では、サンプルSと水、バッファ及び/又は染料溶液を混ぜることは、核酸増幅用のサンプルを生成するために充分であってよい。
【0015】
図2は、サンプルSのサンプルコレクタ10からポイントオブケア拡酸増幅及び検出装置100への移送用の、方法及び装置の1つ実施形態を図示している。図2Aに見られるように、サンプルコレクタ10は、ルアーロック22を備えるサンプルコレクタ容器エレメント20の内部に設けられてよい。容器エレメント20は、サンプルコレクタ10が設けられてよい、ルーメンまたはコンパートメントを備える。図2Bに見られるように、ルアーロック26を備えるキャップ24は、容器エレメント20の内部へのサンプルコレクタ10の配置の後に、サンプルコレクタ容器エレメント20に取り付けられてよい。容器エレメント20及びサンプルコレクタ10は、それから、シリンジ30の(雌又は雄の)ルアーロック32との、キャップ24の(雄又は雌の)ルアーロック26の合致を介して、シリンジ30に取り付けられてよい。
【0016】
図2Cに見られるように、シリンジ30及びサンプルコレクタ10を備える容器エレメント20は、装置100の(雌又は雄の)ルアーロック102との、容器エレメント20の(雄又は雌の)ルアーロック22の合致によって、ポイントオブケア拡酸増幅及び検出装置100に結合されてよい。シリンジ30は、サンプルSのサンプルコレクタ10から装置100へのプランジャ34の押し下げ介する溶出のための液体L(例えば、水、バッファ及び/又は比色のあるいは他の染料溶液)を、備えてよい。装置100(及び/又は、シリンジあるいはサンプルSを分配するための他の代替の分配装置)のルアーロック102は、任意で、拡酸増幅及び検出の間の逆流を防止する一方向のバルブを備えてよい。
【0017】
図3は、サンプルコレクタ10から装置100へのサンプルSの移送用の、代替の方法及び装置を図示している。図3Aに見られるように、容器エレメント20のルアーロック22は、第2のシリンジ40のルアーロック42に結合されてよい。シリンジ30のプランジャ34は、液体L及びサンプルSをサンプルコレクタ10から第2のシリンジ40に溶出するために、押し下げられてよい。装置100へのサンプルの移送の前の、第2のシリンジ40への液体L及びサンプルSの溶出は、装置100への移送の前の、液体及びサンプルの混合を増してよい。また、サンプルSは、任意で、装置100への移送の前に、第2のシリンジ40に多数回、収集及び/又は溶出されてよい。
【0018】
図3Bに見られるように、第2のシリンジ40の内部へのサンプルS及び液体Lの収集の後、第2のシリンジ40は、シリンジ30、容器エレメント20及びサンプルコレクタ10から取り外されてよい。第2のシリンジ30は、それから、ルアーロック102へのルアーロック42の合致によって、装置100に結合されてよい。プランジャ44の押し下げは、サンプルS及び液体Lを装置100に押し出す。
【0019】
図4は、サンプルコレクタ10から装置100へのサンプルSの移送用の、追加の代替の方法及び装置を図示している。図4Aに見られるように、サンプルSを備えるサンプルコレクタ10は、シリンジから一時的にプランジャ34を取り外すことにより、シリンジ30の内部に、直接的に設けられてよい。任意で、液体Lは、サンプルSを備えているサンプルコレクタ10に加えて、シリンジ30の内部に設けられてよいが、液体Lが代替的に省略されてよいことについては、容易に理解されるであろう。シリンジ30内のサンプルコレクタ10の配置の後、プランジャ34は、図4Bのように、シリンジに再取り付けされてよい。シリンジ30は、それから、図4Cのように、ルアーロック102とのルアーロック32の合致により、装置100に結合されてよい。プランジャ34の押し下げは、図4Dのように、サンプルコレクタ10を圧縮し、サンプルコレクタ10を圧縮し、サンプルSを装置100に送る。
【0020】
ここで図5を参照して、ポイントオブケア拡酸増幅及び検出用の、完全に実装されたサンプルトゥーアンサー分子診断装置100の第1の実施形態が記載されている。装置100は、チャネルに接続されるルアーロック102及びチャンバエレメント110を備える。チャンバエレメント110は、例えば、ポリプロピレンから生成されてよい。
【0021】
チャネルカバー104は、例えば、接着剤又はねじを介して、エレメント110の底面に接続するが、チャンバカバー106は、接着剤又はねじを介して、エレメント110の天面に接続する。カバー104及び106は、例えば、接着フィルム又はテープを備えてよい。チャンバカバー106(及び、任意で、チャネルカバー104)は、好ましくは、エレメント110の反応チャンバ112のコンテンツの視覚検査を促進するために、半透明又は透明である。装置100は、また、エレメント110のチャンバ112と整列するチャンバ窓124と共に、空気フィルタ122を備えるトップカバー120を備えてよい。いくつかの実施形態では、各チャンバ112は、例えば約30マイクロリッタのオーダーの体積の如き、約100マイクロリッタ未満の体積を備える。
【0022】
図5及び6に見られるように、エレメント110の反応チャンバ112は、(好ましくは、等しい長さの)微小流体チャネル114を介して、入口116に接続される。サンプルSは、例えば、図2〜4に関して前述のシリンジプランジャの押し下げを介して、ルアーロック102を通って装置100に収集及び送られる。例えば、シリンジプランジャの連続した押し下げを介する、サンプルSの連続的な押し出しによって、サンプルSは、入口116から微小流体チャネル114を通ってチャンバ112に押し出される。各チャンバ112は、拡酸増幅を行うための試薬130を含んでいる。試薬130は、例えば、酵素及びマスタミックスを備えてよい。LAMPにて拡酸増幅を行うとき、酵素は、例えば、Bst DNAポリメラーゼ、Bst 2.0ワームスター DNAポリメラーゼ、及び/又はBsm DNAポリメラーゼ(及び、任意で、逆転写酵素)を備えてよい。マスタミックスは、例えば、プライマー、dNTPs、MgS04、ベタイン及び/又は賦形剤(例えば、マンニトール、トレハロース及び/又はデキストリン)を備えてよい。試薬130は、また、水、TEバッファ、等温バッファ、及び/又は他のバッファを備えてよく、これは、任意で、例えば液体Lとして、例えばサンプルSの分配の前、間及び/又は後に、微小流体チャネル114を介してチャンバ112へ分配されてよい。
【0023】
試薬130は、また、例えばヒドロキシナフトールブルー(「HNB」)のような、拡酸増幅の検出を促進するための1つ以上の染料を備えてよい。標的増幅の検出は、例えば、LAMP増幅の間の自由マグネシウム(Mg2+)の集中でのシフトによる、アンプリコンの存在における比色染料での変色の検出を介して、達成されてよい。このような比色検出は、オペレータによって視覚的に行われたり、あるいは、以下に記述する、分光光度的な画像を用いることにより達成されたりしてよい。比色染料での比色増幅検出に、追加的にあるいは代替的に、例えばピコグリーン又はSYBRグリーン等の、蛍光染料が、蛍光を介して増幅を検出するために使用されてよい。
【0024】
1つ以上の試薬130は、好ましくは、例えば長期間の貯蔵を促進するために、凍結乾燥される。追加的にあるいは代替的に、1つ以上の試薬は、一時的に、核酸増幅より先に1つ以上の他の試薬から隔離されてよい。このような一時的な試薬の隔離は、試薬の長期間の貯蔵を促進してよく、及び/又は、例えば、試薬がサンプルSに曝されるまでの、所望まで試薬の混合(及び、それによる、核酸増幅)に先んじてよい。例えば、酵素は、マスタミックスから隔離されてよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、1つ以上の試薬130は、1つ以上の一時隔離容器の内部に、一時的に隔離されてよい。いくつかの実施形態では、一時隔離容器は、例えば核酸増幅の間に加熱すると直ちに、溶ける、多孔性になる、さもなければ、隔離された試薬130を解放する、1つ以上の熱内包材を備えてよい。熱内包材は、例えば、ポリカプロラクトン、及び/又は、例えば灯油又はワックスのような相変化材を備えてよい。いくつかの実施形態では、一時隔離容器は、ブリスターパック、あるいは、例えば傷つけられてよく又は隔離された試薬130を解放するために開けられてよいゲルキャップのような、他の容器を備えてよい。一時隔離容器がゲルキャップを備えるとき、これらは、傷つけることに追加であるいは代替として、加水分解を介して任意にあけられてよい。
【0026】
微小流体チャネル114を通ってチャンバ112へのサンプルSの分配があると直ちに、サンプルSに含まれている場合、各試薬を含んでいるチャンバ112は、目的の標的核酸配列を増幅するために構成される。異なるチャンバ112は、任意で、異なるチャンバでの異なる目的の標的核酸配列の増幅及び検出を促進するために(すなわち、多様な核酸増幅及び検出を促進するために)、異なるプライマーを利用してよい。チャンバの一部は、ポジティブコントロールとして役に立ってよい(例えば、核酸増幅の間に増幅が期待される、目的の1つ以上の標的核酸配列で前処理されてよい)。追加的にあるいは代替的に、チャンバ112の一部は、ネガティブコントロールとして役だってよい(例えば、試薬130を備えてよいが、サンプルSを含まないように、微小流体チャネル114に接続されなくてよい)。
【0027】
チャンバ112へのサンプルSの分配の後に、チャンバは、目的の1つ以上の標的核酸配列を増幅するために、例えば等温的加熱により、加熱されてよい。LAMPを介する等温核酸増幅を行うとき、チャンバ112のコンテンツは、約5−70分の間、約60°C―65°Cの範囲に加熱されてよい。図7Aに見られるように、チャンバ112のコンテンツは、装置100に熱的に結合される加熱エレメント200を介して加熱されてよい。このような加熱は、電気的、化学的、及び/又は電気化学的技術を含んでいる(しかしながら、限定されない)あらゆる様々な技術を利用して達成されてよい。加熱エレメント200は、例えば、例えば1つ以上のバッテリ又は壁付けのコンセント接続口等の、電源に接続された抵抗ヒータ、及び、チャンバ112のコンテンツを抵抗的に加熱するための任意の温度制御装置を備えてよい。追加的にあるいは代替的に、加熱エレメント200は、ダイヤモンド/タングステンヒータ、誘導ヒータ、化学ヒータ(例えば、例えば過飽和状態のナトリウム・アセテート・ヒータ、セルロース/鉄/水/活性炭/バーミキュライト/塩ヒータ、酸化鉄ヒータ、鉄/マグネシウム塩ヒータ、触媒バーナ、燃料電池ヒータ等の如き発熱化学ヒータ)を備えてよい。加熱エレメント200は、再利用可能であってよく、あるいは、1回の使用の後に廃棄されるために構成されてよい。任意で、加熱エレメント200は、装置100に一体的に接続されてよい。加熱エレメント200は、完全に自動化されてよく、また、例えば、ユーザが加熱の標的の温度及び持続期間をセットできる制御を備えてよい。任意で、加熱エレメント200は、延長された期間に所望の温度を維持するための、例えば灯油のような相変化材を備えてよい。
【0028】
前述のように、標的増幅の検出は、任意で、アンプリコンの存在における1つ以上の染料での変色(すなわち、波長シフト)及び/又は蛍光(すなわち、強度シフト)の検出を介して、達成されてよい。このような比色の及び/又は蛍光の検出は、オペレータによって視覚的に行われてよく、及び/又は、例えば、分光光度的な及び/又は蛍光画像の如き、画像技術を用いて達成されてよい。図7Bの実施形態では、例えば分光光度的なCMOS又はCCDイメージセンサ300の如きセンサ300は、変色、蛍光、濁り、あるいは、標的核酸配列の増幅を示しているいくつかの他の変化の検出のために、チャンバ112の近接にある。チャンバカバー106(図5参照)は、好ましくは、反応チャンバの内部での変化の検出を促進するために透明である。いくつかの実施形態では、センサ300は、エレメント110に一体的に接続されてよく、チャンバカバー106を除去して、チャンバ112を覆ってよい。
【0029】
センサ300は、任意で、例えば酸化インジウムスズ(「ITO」)コーティングの如きコーティングを備えてよく、これは、標的核酸増幅を達成するために、各チャンバ112のコンテンツを抵抗的に加熱するために、加熱エレメント200に追加であるいは代替として利用されてよい。コーティングは、チャンバ112に近接して設けられてよい。前述のように、LAMPによって等温増幅を行うとき、チャンバ112のコンテンツは、約5−70分の間、約60°C−65°Cの範囲に加熱されてよい。
【0030】
イメージセンサ300は、等温加熱の前の試薬130及びサンプルSの基線色と、(例えば、等温加熱後に)等温加熱の後の試薬の最終色とを測定してよい。各反応チャンバ112の内部の試薬130は、例えば、標的核酸配列が増幅すると直ちに、例えば紫から青へ変色する比色(又は蛍光)染料を備えてよいから、チャンバの内部でのいくつかのこのような変色は、基線及び最終色の間の差異としてイメージセンサ300によって検出されてよく、そして、この差異は標的増幅を示してよい。図7Bに見られるように、任意のデジタル読み出し又はディスプレイ310は、ユーザに検出結果(及び/又は命令)を出力してよく、検出の不明確さのリスクを取り除く。図7Bの実施形態は、実例として、分光光度的な画像を介して比色又は蛍光の検出を達成するが、このような比色又は蛍光の検出は、加えてあるいは代替的に、オペレータによって視覚的に行われてよい、ことについて理解されたい。
【0031】
加熱エレメント200及び/又はセンサ300は、加熱エレメント及び/又はセンサの動作を制御するため、チャンバ112の加熱を介して核酸増幅を制御するため、増幅が発生したかを決定するためにセンサ300で取得される基線及び最終色測定を比較するため、及び/又はディスプレイ310を介する命令又は検出結果の表示を制御するための、ロジックチップを備えてよい。ワイヤー及び/又はサーキットボードは、ロジックチップを加熱エレメント200、センサ300、及び/又は電源に接続してよい。電源は、例えば、1つ以上のバッテリ又は壁付けのコンセント接続口を備えてよい。
【0032】
ここで図8を参照して、装置100の代替の実施形態が記載されている。図8の実施形態では、エレメント110’は、16個ではなく(あらゆる個数のチャンバ112が備えられてよいことについては、当業者が理解するであろうが)4個のチャンバを備える。エレメント110’は、チャンバから大気に空気を発散するための、各チャンバ112の天面と流体連通しているベントチャネル118を備える。微小流体チャネル114は、サンプルSを各チャネルの底面に分配し、ベントチャネル118は、オーバーフローを、通気性フィルムメンブレン又は一方向のバルブ119を通って、各チャンバの天面から装置100の外に発散する。図8Aは、装置100の等角図である。図8Bに見られるエレメント110’の平面図では、チャンバ112の天面とのベントチャネル118の流体連通が見られる。図8Cに見られるエレメント110’の底面図では、メンブレン又はバルブ119であるが、入口116からチャンバ112への微小流体チャネル114の延長が視認可能である。図8Dの側断面図は、ルアーロック102とチャネル118の出口を通って得られる。図8Eの側断面図は、チャンバ112を通って得られ、チャンバの底面との微小流体チャネル114の流体連通、及びチャンバの天面とのベントチャネル118の流体連通を示す。
【0033】
図9は、エレメント110’’を備えている装置100の他の代替の実施形態を示す。図9Aは、装置100の等角図を示し、図9Bは、チャンバカバー106が取り除かれた状態の装置のエレメント110’’の平面図を示し、図9Cは、チャネルカバー104’が取り除かれた状態のエレメント110’’の底面図を示す。図8に示されている装置100の実施形態は、ベントチャネル118及びエレメント110’のメンブレン又はバルブ119を介する、チャンバ112から大気への空気の発散を備えているが、図9に示されている装置100の実施形態は、ベントチャネル118’を通って空気をチャンバ112から大気へではなく、エレメント110’’の1つ以上のオーバーフローチャンバ125(図9C参照)へ発散する。よって、図9の装置100は、完全に包含されている。オーバーフローチャンバ125は、好ましくは、約5−10psi未満に、核酸増幅している間の、オーバーフローチャンバでの圧力増加を制限する大きさにされる。
【0034】
図9Cにて最もよく見られるように、エレメント110’’は、また、微小流体チャネル114’を横切る逆流を介して、チャンバ112間の相互汚染を防止する対逆流バルブ140を備える。また、図9Bにて最もよく見られるように、エレメント110’’は、チャンバ112とオーバーフローチャンバ125と間のベントチャネル118に従って設けられている流れ制御メディア150を備えており、これは、チャンバ112からの液体ではなく空気又は他の気体の発散を可能にし、これによって、過剰な圧力を解放している間に、全てのチャンバ112内でのサンプルSの等しい充填が確実になっている。
【0035】
図9のエレメント110’’は、図8のエレメント110’の微小流体チャネル114と比べて、より短い微小流体チャネル114’を備える。より短い微小流体チャネルは、サンプルSがチャンバ112に至るために移動しなければならない、充填量を減少させる。エレメント110’’は、20−50マイクロリッタのオーダーの充填量を備えてよい。前述の微小流体チャネル114と対照的に、微小流体チャネル114’は、エレメント110’’を通ると共に、エレメント110’’の天面及び底面の両方に沿って延びる。微小流体チャネル114’の迂回経路は、以下でより詳細に記載される。
【0036】
図9の実施形態では、チャネルカバー104’は、エレメント110’’の底面に設けられた微小流体チャネル114’の位置をカバーすることに加えて、チャンバ112の間の相互汚染を防止するために、対逆流バルブ140と共に機能するラミネート160を備える。図9Dの分解組み立て図に見られる1つの実施形態では、ラミネート160は、両面粘着層162、エラストマー層166及び任意の片面粘着背面層168を備える。エレメント110’’は、エレメント110’’へのラミネートの取り付けの間に、ラミネート160の層を整列させるための任意のレジストレーションポート111を備える。層162は、レジストレーションポート111と整列する任意のレジストレーションカットオフ163を備える。同様に、層166は、任意のレジストレーションカットオフ167を備えるが、一方、レイヤ168は、任意のレジストレーションカットオフ169を備える。層162は、また、対逆流バルブ140を囲むバルブカットオフ164を備えるが、一方、レイヤ168は、バルブカットオフ170を備える。両面粘着層162は、エレメント110’’及びエラストマー層166に取り付けられる。任意で、片面粘着背面層168は、ラミネート160が剥離するリスクを減少させるために、エラストマー層166に接続されてよい。図9Eは、チャネルカバー104’が取り付けられた状態の装置100の底面図である。
【0037】
図9A−9Eと共に図9F及び9Gをここで参照して、図9に示されて装置100の実施形態の使用の方法が記載されている。図9Fに見られるように、シリンジ30(又は、例えば前述のシリンジ40、又は、前述の容器エレメント20を備えるシリンジ30等の、いくつかの他のサンプル移送装置)は、ルアーロック102とのルアーロック32の合致を介して、装置100に結合される。シリンジ30は、サンプルS(及び、任意で液体L)を、入口116を通って装置100に送る。サンプルSは、微小流体チャネル114’内でエレメント110’’の底面に沿って移動する(図9Cと共に図9Fを参照)。微小流体チャネルは、それから、エレメント110’’を通って通過し、多数の微小流体チャネル114’内に分かれる前に、エレメント110’’の天面にサンプルSを送る(図9Bと共に図9F参照)。微小流体チャネル114’は、それから、エレメント110’’を背面に移動し、サンプルSを対逆流バルブ140に分配する。シリンジ30を介して適用される圧力によって、ラミネート160のエラストマー層166は、局所的に及び一時的に、バルブ140のすぐ近くにおいてゆがみ、これによってサンプルSの通過が可能になる(図9Cと共に図9G参照)。サンプルSの通過の後、対逆流バルブ140は、サンプルSの逆流を防止し、これによって、チャンバ112の相互汚染を防止するために再封止する。図9Cと共に図9Gに最もよく見られるように、微小流体チャネル114’は、エレメント110’’の背面のバルブ140を通って、そして、チャンバ112内に通過したサンプルSを取得する。チャンバ112は、例えば凍結乾燥された試薬130の如き試薬130を備える。
【0038】
ベントチャネル118’は、空気Aのチャンバ112からオーバーフローチャンバ125への発散のために、チャンバ112から延びる(図9B及び9Cと共に図9G参照)。流れ制御メディア150は、チャンバ112とオーバーフローチャンバ125との間のチャネル118’内に設けられる。流れ制御メディア150は、例えば、空気を通過させるが液体を通過させない、小孔疎水材を備えてよい。流れ制御メディア150を通って空気が通過した後、空気は、エレメント110’’の天面からベントチャネル118’内に移動し、エレメントを通ってオーバーフローチャンバ125に移動する。
【0039】
装置100の全ての他の実施形態では、図9に示される装置100の実施形態は、サンプルSに存在するとき、試薬130を介する1つ以上の目的の標的核酸配列の増幅のための、加熱エレメント(例えば、図7の加熱エレメント200)を備えるか、あるいは、当該加熱エレメントに結合されてよい。標的配列の増幅は、例えば、例えば比色染料における変色又は濁りの変化等の、視覚インジケータの視覚検出によって、オペレータによって視覚的に検出されてよく、あるいは、例えば、視覚インジケータ(変色、蛍光、濁り変化等)の検出によって、増幅を検出するセンサ(例えば、図7Bのセンサ300等)を介して、自動的に検出されてよい。図9に示される装置100の実施形態は、実例として、空気オーバーフローチャンバ125及び対逆流バルブ140の両方を備える。装置は、代替的に、対逆流バルブのみ、あるいは、オーバーフローチャンバのみ備えてよい、ことについて理解されたい。
【0040】
ここで図9H−9Jを参照して、装置100は、任意で、装置100を収容するケース180を備えてよい。ケース180は、エレメント110’’の対逆流バルブ140を受けるために構成されたインデント184を有するキャビティ182を備えてよい。加熱エレメント200は、また、チャンバのコンテンツの加熱のために、チャンバ112の近傍におけるキャビティ182の内部に配置されてよい。ケース180は、更に、チャンバ112の視覚化の促進のためにチャンバカットアウト188を有し、及びルアーロック102へのアクセスを提供するためのルアーロックアウト190を有する、カバー186を備える。カバー186は、その内部に配置された装置100の他のコンポーネントと一緒にケース180を形成するために、例えばネジ又は圧入を介して、キャビティ182に強固に固定される。
【0041】
図10は、エレメント10’’’を備えている装置100の他の代替の実施形態を示す。図10に示される装置100の実施形態は、チャネル114’’を通って流れるのを許可するオープン位置、又は、チャネル114’’を介する逆流及びチャンバ112の間の相互汚染を防止するクローズ位置のいずれでも、エレメント10’’’の微小流体チャネル114’’をロックするために構成される対逆流ロッキングバルブ200を備える。このようなチャネルのロッキングは、所望のように、リバーシブルあるいは非リバーシブルに生成されてよい。図10Aは、装置100の等角平面図を示し、一方、図10Bは、装置の等角底面図を示す。図10Cは、対逆流ロッキングバルブ200の等角詳細図を示す。明確化のために、チャンバカバー106及びチャネルカバー104は、図10において示されていない。しかしながら、これらが、装置の先の実施形態に関連して記載されたように備えられてよいことについて、理解されたい。
【0042】
図10A及び10Bに見られるように、対逆流ロッキングバルブ200は、エレメント10’’’に対するボイド202の内部で、ロッキングバルブ200をスライドすることにより、所望に、オープン(すなわち、流れ可能)又はクローズ(すなわち、流れブロック)位置にて、チャネル114’’をロックするために、エレメント10’’’のボイド202の内部への配置のために構成される。図10Cに見られるように、ルーメン230は、対逆流ロッキングバルブ200を通って通過し、及び、チャネルをアンロック及びロックするため各々に、チャネル114’’と選択的に整列及び非整列されてよい。ロッキングバルブ200は、例えば、相対的に強固な又は硬い、エラストマーのオーバーモールド220を有するサブストレート210を備えてよい。エラストマーのオーバーモールド220は、エレメント10’’’に対して流体的にタイトな封止を生成するために構成されているオーリングエレメント222a及び222bを備えてよい。オーリングエレメント222aは、チャネル114’’をブロックすることによってチャンバ112間の相互汚染を防止する、対逆流ロック200のロックされた構成に関連する。オーリングエレメント222bは、ルーメン230と同心円状に整列され、チャネル114’’を通って流体が流れるのを許可する、対逆流ロッキングバルブ200のアンロックされた構成に関連する。ロッキングバルブ200(不図示)の代替の実施形態では、エラストマーのオーバーモールド220は取り除かれてよく、オーリングエレメント222a及び/又は222bは、サブストレート210に直接的に形成されてよく、あるいは、取り付けられてよい。ロッキングバルブ200は、好ましくは、使用中のロッキングバルブの取り扱いを促進する(すなわち、ロッキングバルブをアンロックからロック構成に、あるいは、その逆に、スライドするために、ユーザによって掴まれてよい)拡大エンド240を備える。
【0043】
図10D及び10Eは、ロッキングバルブ200の作動を図示する、半透明の詳細図である。図10Dにて見られるように、チャネル114’’は、ルーメン230が微小流体チャネル114’’と整列されるように、エレメント10’’’のボイド202の内部に配置しているロッキングバルブ200によって、アンロック構成にて設けられてよい。任意で、ロッキングバルブ200及び/又はボイド202は、ボイドに対するロックのスライドを促進するために、滑らかにされてよい。このアンロック構成では、オーリングエレメント22bは、サンプルが、サンプル移送装置(例えば、シリンジ)からチャネル114’’の第1のセクションを通って、ルーメン230を通って、及びチャネル114’’の第2のセクションを通って、チャンバ112に流れて得るように、チャネル114’’の境界線の周辺に流体封止を生成する。図10Eにて見られるように、ロッキングバルブ200は、それから、ルーメン230が、微小流体チャネルとのアライメント外になるように、ロック構成にてチャネル114’’を設けるために、ボイド202の内部でスライドされてよい。このロック構成では、オーリングエレメント222aは、チャネル114’’の境界線の周辺に流体封止を生成し、これによって、他からの各チャネル114’’を隔離及びブロックして、チャネルを通っての逆流を介する、チャンバ112間の相互汚染を防止する。
【0044】
1つの実施形態では、ロッキングバルブ200の拡大エンド240は、一度、ロッキングバルブ200がチャネルをブロックしたら、ユーザが、エンド240を掴めず及びチャネル114’’をアンロックできないように、図10Eのロック構成にてエレメント10’’’と同一平面上に止まってよい。このような非リバーシブルなロッキングバルブは、逆流汚染のリスク、又は、環境へのサンプルの発散事故のリスクを減少し得る。代替の実施形態では、ロッキングバルブ200の拡大エンド240は、ユーザが、ロッキングバルブ200でのチャネル114’’のリバーシブルロック及びアンロックのために、拡大エンド240を掴み得るように、ロック構成にてエレメント10’’’から突出してよい。
【0045】
図10A−10Eと共に図10F及び10Gをここで参照して、図10に示されている装置100の実施形態の使用の方法が記載されている。図10Fでは、ロッキングバルブ200は、チャネル114’’を、図10Dに示されているアンロック構成に配置する。シリンジ又は他のサンプル移送装置は、ルアーロック102との合致を介して、装置100に結合される。シリンジ又は他のサンプル移送装置は、入口116を通して、装置100内にサンプルS(及び、任意に、液体L)を送る。サンプルSは、エレメント10’’’の底面に沿って、多数の微小流体チャネル114’’に分岐する微小流体チャネル114’’の内部に移動する(図10B及び10Dと共に図10F参照)。各微小流体チャネルは、それから、ロッキングバルブ200のルーメン230を介して、エレメント10’’’を通って通過し、これによって、サンプルSをエレメント10’’’の天面に移動させて、試薬130(例えば、凍結乾燥された試薬130)を有するチャンバ112に移動させる。図10Gに見られるように、ロッキングバルブ200は、それから、チャネルがブックされる、図10Eのロック構成にチャネル114’’を配置するために、エレメント10’’’に対してボイド202の内部でスライドされてよい。サンプルSは、チャネル114’’がロック構成になったときに、ロッキングバルブ200を通って逆流できなくなり、チャネルを通る逆流を介する、チャンバ112の相互汚染が防止される。
【0046】
エレメント10’’’は、(サンプルSではなく)空気Aを、チャンバ112からオーバーフローチャンバ125に発散するために、チャンバ112から延長する前述のベントチャネル118’を備える(図10A及び10Bと共に図10G参照)。流れ制御メディア150は、チャンバ112とオーバーフローチャンバ125との間のチャネル118’の内部に配置される。流れ制御メディア150は、例えば、空気を通過させるが液体を通過させない、小孔疎水材を備えてよい。流れ制御メディア150を通って空気が通過した後、空気は、エレメント110’’’の天面からベントチャネル118’内に移動し、エレメント110’’’を通ってオーバーフローチャンバ125に移動する。図10に示される装置100の実施形態は、実例として、空気オーバーフローチャンバ125及び対逆流ロッキングバルブ200の両方を備える。装置は、代替的に、対逆流ロックのみ、あるいは、オーバーフローチャンバのみ備えてよい、ことについて理解されたい。
【0047】
装置100の全ての他の実施形態では、図10に示される装置100の実施形態は、サンプルSに存在するとき、試薬130を介する1つ以上の目的の標的核酸配列の増幅のための、加熱エレメント(例えば、図7の加熱エレメント200)を備えるか、あるいは、当該加熱エレメントに結合されてよい。標的配列の増幅は、例えば、例えば比色染料における変色又は濁りの変化等の、視覚インジケータの視覚検出によって、オペレータによって視覚的に検出されてよく、あるいは、例えば、視覚インジケータ(変色、蛍光、濁り変化等)の検出によって、増幅を検出するセンサ(例えば、図7Bのセンサ300等)を介して、自動的に検出されてよい。任意で、加熱エレメント、エレメント110’’’及び/又は装置100のいつくかの他の側面は、ロッキングバルブ200が、チャネル114’’を介する流れを許容するオープン構成に配置されるときに、加熱エレメントへのエレメント110’’’の連結を妨げる、幾何学的又は他の拘束を備えてよい。このような拘束は、クローズ構成でのチャネル114’’のロック前の、サンプル増幅のリスクを低減し得、これによって、チャンバ112の逆流によって引き起こされる相互汚染のリスクを低減する。
【0048】
ここまで記載された装置の実施形態は、チャンバを横切ってサンプルを分配する微小流体チャネルを介して、反応チャンバ112にサンプルSを分配した。図11に示される装置100の実施形態では、サンプルSは、微小流体無しで反応チャンバに分配される。図11に示される装置100の実施形態は、実例として、単一の反応チャンバを備えるが、装置100があらゆる所望の個数の反応チャンバを備えてよいことについて、理解されたい。
【0049】
図11Aを参照して、装置100は、反応チャンバ400及びパンチエレメント500を備える。パンチエレメント500は、雄エレメント502を備えており、これは、反応チャンバ400の雌エレメント402に圧入して、核酸増幅及び検出に先立って、反応チャンバ400を封止するために構成されている。
【0050】
図11B及び11Dに見られるように、反応チャンバ400の雌エレメント402は、そこへの圧入であってよい試薬インサート410を備える。試薬インサート410は、カッティングエレメント412及び試薬チャンバ414を備える。試薬130は、試薬チャンバ414の内部に設けられる。試薬130は、例えば、溶液又は液体の形式である。代替的に、試薬130は、図10のように、凍結乾燥されてよい。
【0051】
試薬インサート410は、封止404を介して試薬チャンバ400の雌エレメント402の内部に封止される(例えば、図11C参照)。封止404は、例えば、金属箔又はプラスチックフィルムを備える。反応チャンバ400を封止することは、使用前の、試薬130の長期間の貯蔵を促進してよく、及び/又は、凍結乾燥された試薬130が使用前に乾燥を維持するのを確実にしてよい。
【0052】
図11B、11E、及び11Fに見られるように、パンチエレメント500の雄エレメント502は、そこへの圧入であってよい液体インサート510を備える。液体インサート510は、カッティングエレメント512及び液体チャンバ514を備える。液体チャンバ514は、封止516で封止される。封止516は、例えば、金属箔又はプラスチックフィルムを備える。例えば、水及び/又はTEバッファのような液体は、液体チャンバ514の内部に封止される。染料、MgS04、バテイン、及び/又は等温バッファは、追加的にあるいは代替的に、チャンバ514の内部に封止されてよい。
【0053】
装置100は、加熱エレメント200を更に備え、これは、反応チャンバ400と熱伝達している。任意で装置100の残りに加えて単一での使用後に廃棄されてよい加熱エレメント200は、例えばLAMPのような等温核酸増幅である、核酸増幅を達成するために、反応チャンバ400のコンテンツを加熱するために構成される。加熱エレメント200は、例えば、ポリイミドフィルムの2つの層の間のカプセルに包まれたエッチ箔を備えている抵抗ヒータを備えてよい。加熱エレメントは、更に、核酸増幅を達成するための、所望の監視された温度の調整のための温度コントローラとのフィードバックループでの監視している温度のための熱電対と共に、例えばバッテリ又は標準の壁付けのコンセント接続口等の、電源を備えてよい。
【0054】
反応チャンバ400は、好ましくは、目的の標的核酸配列の増幅を検出するための、反応チャンバの視覚化の促進のために、透明又は半透明である。核酸増幅は、比色染料の変色を介して、濁りの増加を介して、蛍光等を介して、検出されてよい。検出は、裸眼によって、及び/又は、廃棄可能であってよい任意のセンサ300を介して達成されてよい。検出結果は、廃棄可能であってよいディスプレイに示されてよい。
【0055】
サンプルSは、パンチエレメントを備える反応チャンバを封止する前に、反応チャンバ400及び/又はパンチエレメント500に直接的に設けられてよい。代替的に、サンプルSを備えているサンプルコレクタ10は、図11に示されるように、雌エレメント402との雄エレメント502の合致が、サンプルSを反応チャンバ400の内部に設けるように、反応チャンバ400及びパンチエレメント500の間に設けられてよい。図11の実施形態では、サンプルコレクタ10は、例えば、例えばワットマン(GEヘルスケアの一部)から入手可能なFlinders Technology Associates(「FTA」)カードである、化学的に処理された濾紙のような、濾紙を備えてよい。様々なサンプルのマトリクスであって、食物、尿、唾液、粘液を分泌するもの、糞便、血、精液、組織、細胞、DNA、RNA、タンパク質、植物性物質、動物性物質、溶液、固体及び他の材料を含んでいるが限定されないものは、サンプルコレクタ10に設けられてよい(追加のサンプルマトリクスは、明らかであろう)。このようにして、サンプルコレクタ10は、濾紙を介してサンプルSを収集してよい。
【0056】
サンプルコレクタ10でサンプルSを収集するために、濾紙は、例えば、1つ以上の目的のサンプルマトリクスに、浸されてよく又は入れられてよい。追加的にあるいは代替的に、目的の1つ以上のサンプルマトリクスの1つ以上のしずくは、例えば、濾紙に設けられてよく又は置かれてよい。追加的にあるいは代替的に、濾紙は、例えば、目的の1つ以上のサンプルのマトリクス又は表面を、ふき取ってよく又は拭ってよい。
【0057】
図11G−11Jをここで参照して、図11に見られる装置100の実施形態の使用の方法が記載されている。図11Gに見られるように、反応チャンバを封止するために、パンチエレメントの雄エレメント502が、反応チャンバの雌エレメント402と合致するように、反応チャンバ400及びパンチエレメント500は接近される。液体インサート510のカッティングエレメント512は、サンプルコレクタ10を突き通し、雄エレメント502は、サンプルコレクタ10からサンプルSのパンチを取り除いて、それによって、サンプルSを反応チャンバ400の内部に設ける。
【0058】
図11Hに見られるように、反応チャンバ400とパンチエレメント500との接近の継続によって、液体インサート510のカッティングエレメント512が、反応チャンバ400の封止404を傷つけることが引き起こされて、それによって、試薬インサート410へのアクセスを提供する。図11Iに見られるように、また更なる接近によって、試薬インサート410のカッティングエレメント412が、液体インサート510の封止516を傷つけることが引き起こされて、それによって、液体Lが、液体チャンバ514を出て試薬チャンバ414に流れることが引き起こされる。図11Jに見られるように、パンチエレメント500との反応チャンバ400の十分な接近は、核酸増幅及び検出のために必要な全ての材料(サンプルS、試薬130、及び任意で液体L)を、試薬チャンバ414の内部に設ける。
【0059】
反応チャンバとパンチエレメントの接近の後、加熱エレメント200は、サンプルSに存在するとき、目的の標的核酸配列の核酸増幅を達成するために、試薬チャンバ414のコンテンツを加熱する。検出は、裸眼及び/又はセンサ300を介して達成されてよい。
【0060】
図11の装置100は、任意で、全ての参照によって本願に組み込まれる、同時継続中の、2012年4月14日付の米国特許出願番号13/447,218に記載の装置40の一部として用いられてよい。具体的には、図10における装置100の反応チャンバ400及びエレメント500は、’218出願に示される装置40のパンチエレメント90及びチャンバ70と取り替えられてよい。
【0061】
図1−11の方法及び装置は、比較的不慣れなユーザによる、ポイントオフケアでの限られた品質セッティングでの、使用のための適切である(任意で廃棄可能であり、例えば、1回の使用で廃棄可能である)装置での、サンプルトゥーアンサー、核酸サンプル生成、(任意で、複合の)標的増幅及び検出を完全に備える。
【0062】
結論
本願発明の好ましい実施形態が上述されているが、発明から離れずに、様々な変更及び修正がそれに行われてよいことについて、当業者理解するであろう。例えば、装置の様々なコンポーネントの合致は、ルアーロックコネクションを介する合致として記載されたが、それ自体は既知の、ルアースリップ、圧入又は他の合致コネクションが用いられてよい、ことについて理解されたい。また、装置のいくつかの記載の実施形態は、実際には、核酸増幅及び検出装置にサンプルSを送るために、1つ以上のシリンジを用いるが、いくつかの代替のサンプル移送装置が用いられてよく、特別の目的のために製造され移送装置を含んでいる。
【0063】
また更に、装置100及び関連付けられた方法は、核酸増幅及び検出に関して記載されたが、装置及び関連付けられた方法は、代替的に、サンプルにおいて、必ずしも核酸の増幅及び/又は検出を行わずに、サンプルの保持及び分析を含んだり、及び/又は、当該保持及び分析のために用いられたりしてよいことについて、理解されたい。このような実施形態では、装置100は、反応チャンバの内部に分析のための核酸又は他のサンプルを維持するサンプルホルダ100を備えてよく、これは、チャンバの観察及び/又は分析に役立ってよい。分析は、例えば、核酸増幅及び検出に追加あるいは代替として、例えば、顕微鏡による検査、交配及び/又はたんぱく質分析のような1つ以上の分析を含んでよい。
【0064】
装置100がサンプルホルダを備えるとき、分析のためのサンプルを保持する方法は、サンプルマトリクスを取集することと、少なくとも1つの微小流体チャネル通って、サンプルマトリクスを少なくとも1つの反応/観察/分析チャンバに移送することと、任意で、分析技術の一部としてサンプルマトリクスを加熱することと、(例えば加熱の間に)少なくとも1つの微小流体チャネルを通っての、少なくとも1つのチャンバからのサンプルマトリクスの逆流を防止することとを含んでよい。逆流防止は、多数のチャンバが提供されるときに、相互汚染を防止してよい。逆流防止は、反応/観察/分析チャンバへの一方向のバルブを介して、及び/又は、サンプルマトリクスのチャンバへの移送の後の、微小流体チャネルのブロックを介して、達成されてよい。
【0065】
添付の請求の範囲において、発明の真の精神及び範囲内であたる、全てのこのような変更及び修正をカバーすることについて、意図される。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9A
図9B
図9C
図9D
図9E
図9F
図9G
図9H
図9I
図9J
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G
図11A
図11B
図11C
図11D
図11E
図11F
図11G
図11H
図11I
図11J
【国際調査報告】