特表2016-539643(P2016-539643A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-539643(P2016-539643A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】馬頭用頭巾
(51)【国際特許分類】
   A01K 13/00 20060101AFI20161125BHJP
   H04R 1/02 20060101ALI20161125BHJP
   A01K 15/02 20060101ALI20161125BHJP
   A01K 67/00 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
   A01K13/00 Z
   H04R1/02 103Z
   A01K15/02
   A01K67/00 D
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-535178(P2016-535178)
(86)(22)【出願日】2014年11月18日
(85)【翻訳文提出日】2016年7月20日
(86)【国際出願番号】FR2014000246
(87)【国際公開番号】WO2015079126
(87)【国際公開日】20150604
(31)【優先権主張番号】1361727
(32)【優先日】2013年11月28日
(33)【優先権主張国】FR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516156422
【氏名又は名称】カイダス ヒューゴ
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202577
【弁理士】
【氏名又は名称】林 浩
(72)【発明者】
【氏名】カイダス ヒューゴ
(72)【発明者】
【氏名】カイダス マリン
(72)【発明者】
【氏名】カイダス サミュエル
(57)【要約】
本発明は、馬の頭部のための頭巾(100)に関し、頭部の上に配置されるように意図された主部と、この主部と一体で、各々が馬の耳の一つに収容される2つの耳部(104a、104b)と、信号を受信する手段を含むレセプションモジュール(302)、受信した信号を馬が聞こえるような音へ変換する変換モジュール(304)、及び変換モジュール(304)に接続された一対のスピーカー(306)であって、それぞれが頭巾(100)の耳部(104a、104b)の内側に収容されて固定されるスピーカー(306)を含む聴覚装置(300)と、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
馬の頭部(10)の頭巾(100、400、500、600)であって、
前記頭部(10)の上に配置されるように意図された主部(102)と、
前記主部(102)と一体の二つの耳部(104a、104b、404a、504a)であって、そのそれぞれに馬の耳(402)の一つが収容される耳部と、
信号を受信する手段を含むレセプションモジュール(302)、受信した前記信号を、前記馬が聞こえる音に変換する変換手段を含む変換モジュール(304)、及び前記変換モジュール(304)に接続される一対のスピーカー(306、406、506、606)であって該スピーカー(306、406、506、606)の各々が前記頭巾(100、400、500、600)の前記耳部(104a、104b)の内部に収容されて固定されているスピーカーを有する聴覚装置(300)と、含む頭巾。
【請求項2】
前記スピーカー(406)のそれぞれは、前記頭巾(400)の前記耳部(404a)の壁上に固定され、前記馬の前記耳(402)の耳介(408)の吸気口(405)に対向するように意図されている請求項1に記載の頭巾(400)。
【請求項3】
前記スピーカー(506、606)のそれぞれは、前記頭巾(500、600)と一体のイヤープラグ(505、605)に収容され、前記馬の前記耳(402)の耳介(408)内に収容されるように意図される請求項1に記載の頭巾(500、600)。
【請求項4】
前記頭巾(600)の前記耳部(604a)の壁を貫通するメス要素(608)と、該メス要素(608)に対して移動可能であり、前記イヤープラグ(605)を移動させ、前記頭巾(600)の外側から操作することが可能なオス要素(612)と、を有するスライダー(608、612)形成手段を含む請求項3に記載の頭巾(600)。
【請求項5】
前記イヤープラグ(505、605)の一つは、前記馬の生理学的な定数の少なくとも一つを測定するように意図された測定手段が設けられ、該測定手段は、前記レセプションモジュール(302)に接続され、前記レセプションモジュール(302)は、前記生理学的な定数の値を保存する手段及び/又は該値を送信する手段を含む請求項3又は4に記載の頭巾(500、600)。
【請求項6】
前記頭巾(100、400、500、600)の内側で、前記スピーカー(306、406、506、606)に対して外側に配置される防音ライナー(410、510、610)を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の頭巾(100、400、500、600)。
【請求項7】
騎手のための送信ケース(200)であって、
音声信号のソース(202)と、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の前記頭巾(100、400、500、600)の前記レセプションモジュール(302)へ、前記ソース(202)からの音声信号を表す前記信号を送信する手段を含む送信モジュール(206)と、
前記ソース(202)及び前記送信モジュール(206)との間に、前記音声信号を、前記送信モジュール(206)のための信号に変換するように意図された変換手段(210)を含む処理モジュール(204)と、を含む送信ケース。
【請求項8】
前記送信モジュール(206)は、前記馬の前記生理学的な値を受信する手段及びこれらを保存する手段を含む、請求項5に従属する場合の請求項7に記載の送信ケース(200)。
【請求項9】
前記処理モジュール(204)は、前記音声信号のリズムを変更するように意図された変更手段(212)を含み、前記送信ケース(200)は、少なくとも一つのスピーカー(208)を含み、変更手段(212)は、変換手段(210)の上流に配置され、それぞれのスピーカー(208)は、前記変更手段(212)の下流であって前記変換手段(210)の上流における前記処理モジュール(204)に接続される請求項7又は8に記載の送信ケース(200)。
【請求項10】
前記処理モジュール(204)は、前記音声ソース(202)又は変更手段(212)から受信した音声信号の周波数を変更するように意図された変調手段(214)を含み、前記変調手段(214)は、前記変換手段(210)及び前記変更手段(212)がある場合、前記変換手段(210)の上流であって前記変更手段(212)の下流に配置され、前記スピーカー(208)のそれぞれは、前記変調手段(214)及び前記変更手段(212)がある場合、前記変調手段(214)の上流であって前記変更手段(212)の下流で、前記処理モジュール(204)に接続される請求項7〜9のいずれか1項に記載の送信ケース(200)。
【請求項11】
前記頭巾(100)の前記スピーカー(306、406、506、606)のボリュームレベルを調節することが可能な聴覚調節手段を含む請求項7〜10のいずれか1項に記載の送信ケース(200)。
【請求項12】
騎手と馬との間の送信システムであって、前記騎手のための請求項7〜11のいずれか1項に記載の送信ケース(200)と、前記馬のための請求項1〜6のいずれか1項に記載の頭巾(100、400、500、600)と、を含む送信システム。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、聴覚装置の設けられた馬用の頭巾、騎手用の送信ケース、そのような頭巾及びケースを有する騎手と馬との間の送信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
馬用の頭巾は、従来は布で作られ、馬の頭部に配置される主部と、この主部と一体となり、それぞれに馬の耳が一つ収容される二つの耳部とを含む。
【0003】
このような頭巾は、飛んでいる虫により不快になることを抑制し、ノイズリミッターとして機能する。
【0004】
このような頭巾では、騎手による口頭の指示も弱まってしまうため、必ずしも満足のいくものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術の欠点を有さず、特に、騎手による口頭の指示を制限せずに、外部の騒音を小さくすることが可能な馬用の頭巾を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この効果のために、馬の頭部の頭巾は、頭部の上に配置されるように意図された主部と、主部と一体の二つの耳部であって、そのそれぞれに馬の耳の一つが収容される耳部と、信号を受信する手段を含むレセプションモジュール、受信した信号を、馬が聞こえる音に変換する変換手段を含む変換モジュール、及び変換モジュールに接続される一対のスピーカーであって該スピーカーの各々が頭巾の耳部の内部に収容されて固定されているスピーカーを有する聴覚装置と、含む。
【0007】
特定の実施形態によれば、スピーカーのそれぞれは、頭巾の耳部の壁上に固定され、馬の耳の耳介の入口に対向するように意図されている。
【0008】
特定の実施形態によれば、スピーカーのそれぞれは、頭巾と一体のイヤープラグに収容され、馬の耳の耳介内に収容されるように意図される。
【0009】
有利にも、頭巾は、頭巾の耳部の壁を貫通するメス要素と、該メス要素に対して移動可能であり、イヤープラグを移動させ、頭巾の外側から操作することが可能なオス要素と、を有するスライダー形成手段を含む。
【0010】
有利にも、イヤープラグの一つは、馬の生理学的な定数の少なくとも一つを測定するための測定手段が設けられ、該測定手段は、レセプションモジュールに接続され、レセプションモジュールは、生理学的な定数の値を保存する手段及び/又はその値を送信する手段を含む。
【0011】
有利にも、頭巾は、頭巾の内側で、スピーカーの外側に配置される防音ライナーを含む。
【0012】
本発明はまた、騎手のための送信ケースも提案する。送信ケースは、音声信号のソースと、前述の選択肢のいずれか一つによる頭巾のレセプションモジュールへ、ソースからの音声信号を表す信号を送信する手段を含む送信モジュールと、ソース及び送信モジュールの間に、音声信号を、送信モジュールのための信号に変換するように意図された変換手段を含む処理モジュールと、を含む。
【0013】
有利にも、送信モジュールは、馬の生理学的な値を受信する手段及びこれらを保存する手段を含む。
【0014】
有利にも、処理モジュールは、音声信号のリズムを変更するように意図された変更手段を含み、送信ケースは、少なくとも一つのスピーカーを含み、変更手段は、変換手段の上流に配置され、それぞれのスピーカーは、変更手段の下流であって変換手段の上流における処理モジュールに接続される。
【0015】
有利にも、処理モジュールは、音声ソース又は変更手段から受信した音声信号の周波数を変更するように意図された変調手段を含み、変調手段は、変換手段及び変更手段がある場合、変換手段の上流であって変更手段の下流に配置され、スピーカーのそれぞれは、変調手段及び変更手段がある場合、変調手段の上流であって変更手段の下流で、処理モジュールに接続される。
【0016】
有利にも、送信ケースは、頭巾のスピーカーのボリュームレベルを調節することが可能な聴覚調節手段を含む。
【0017】
本発明はまた、騎手と馬との間の送信システムであって、騎手のための前述の選択肢のうちの一つの送信ケースと、馬のための前述の選択肢のうちの一つの頭巾と、を含む送信システムを提案する。
【0018】
上述の発明の特徴は、他の特徴と同様に、以下の実施形態の記述を読むことでより明らかになるだろう。この記述は添付の図面に関連づけられている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の頭巾を被せられた馬の頭部を示す。
図2】本発明による騎手のためのケースを図式的に示す。
図3】本発明による頭巾を図式的に示す。
図4】本発明の第1実施形態における頭巾の、馬の前方向に対して垂直な縦断面を示す。
図5】本発明の第2実施形態における頭巾の、馬の前方向に対して垂直な縦断面を示す。
図6】本発明の第3実施形態における頭巾の、馬の前方向に対して垂直な縦断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の説明において、用語「騎手」は、騎乗の人物のみならず、馬から離れているが馬に命令をする人物も含むものである。
【0021】
図1は、頭巾100を着用した馬の頭部10を示す。頭巾100は、頭部10の上に配置された主部102と、主部102と一体であり、それぞれに馬の耳が一つずつ収容される2つの耳部104a、104bとを含む。
【0022】
用語「頭巾」は、馬の頭部10に配置される装置の全てを含み、馬の耳部104a、104bを含む。
【0023】
図2は、騎手用の送信ケース200を示す。
【0024】
送信ケース200は、音声信号のソース202と、ソース202から頭巾100のレセプションモジュール(302、図3参照)へ、またソース202と送信モジュール206との間に、音声信号を表す信号の送信手段を含む送信モジュール206と、音声信号を送信モジュール206のための信号に変換するように意図された変換手段210を含む処理モジュール204と、を含む。
【0025】
図3は聴覚装置300が設けられた頭巾100を示し、聴覚装置300は、送信モジュール206から発せられた信号を受信するための手段を含むレセプションモジュール302と、レセプションモジュール302によって受信された信号を馬に聞こえるような音に変換する手段を含む変換モジュール304と、変換モジュール304に接続された一対のスピーカー306と、を含み、スピーカー306のそれぞれは、頭巾100の耳部104a、104bのそれぞれの中に収容されて固定される。
【0026】
このため、音声ソース202から来る音声信号は、馬の耳の吸気口に直接送信され、もはや頭巾100によって弱められることはない。
【0027】
送信モジュール206とレセプションモジュール302との間の信号の送信は、より好ましくはワイヤレスの送信であり、例えばBluetoothや、Wifiのような適切なプロトコルが検討される。送信は有線であってもよく、聴診器タイプの空気を介するものであってもよい。
【0028】
聴覚装置300及び送信ケース200の様々なモジュールは、電気的要素と適切なソフトウェアを含む。
【0029】
聴覚装置300及び送信ケース200は、電池や蓄電池(アキュムレーター)タイプによって電気的に駆動される。
【0030】
図4は、本発明の第1実施形態における頭部10及び頭巾400の耳部404aの断面図を示す。
【0031】
頭巾400の耳部404aは、馬の耳402の周囲を囲み、耳介408の吸気口405の真向かいに、耳介408側を向くように方向づけられたスピーカー406を有する。スピーカー406は、したがって、吸気口405に対向するように意図された頭巾400の耳部404aの壁に固定される。
【0032】
勿論、頭巾400の他方の耳部も、同じ要素を有する。
【0033】
図5は、本発明の第2実施形態における頭部10及び頭巾500の耳部504aの断面図を示す。
【0034】
耳部504aは、馬の耳402の周囲を囲み、頭巾500と一体となって耳介408に収容されるイヤープラグ505を有する。イヤープラグの中には、スピーカー506が収容されている。
【0035】
イヤープラグ505は、馬の耳402の外耳道509の吸気口に非常に近いところに配置される。
【0036】
イヤープラグ505は、頭巾500の耳部504aと一体に、頭巾500の耳部504aとコード508によって接続されている。詳細には、コード508は、イヤープラグ505を配置しやすいように耳部504aの下方に固定されている。
【0037】
勿論、頭巾500の他の耳部も同じ要素を有する。
【0038】
図6は、本発明の第3実施形態における頭部10及び頭巾600の耳部604aの断面図を示す。
【0039】
耳部604aは、馬の耳402の周囲を囲み、頭巾600と一体となって耳介408に収容されるイヤープラグ605を有する。イヤープラグの中には、スピーカー606が収容されている。
【0040】
頭巾600は、スライダーを形成する手段をも有し、その上にイヤープラグ605が固定されている。このため、スライダーを形成する手段の位置をずらすことで、馬の耳402の外耳道509の吸気口に非常に近く、イヤープラグ605を配置することができる。
【0041】
スライダーを形成する手段は、頭巾600の耳部604aの壁を貫通し、耳介408の吸気口に対向するように意図されるメス要素608と、このメス要素608の内部を移動可能であり、その終端がイヤープラグ605に固定されているオス要素612と、を有する。オス要素612は、頭巾600の外側から操作することができる。
【0042】
メス要素608は、耳部604aの壁を貫通する中空のシリンダーの形状を有し、オス要素612は、中空のシリンダーと同軸のシリンダーの形状をとり、中空のシリンダー608の内部を中空のシリンダーの軸に沿ってスライドする。
【0043】
このため、頭巾600が馬の頭部10に配置されたとき、外耳道509の吸気口に対するイヤープラグ605の位置を調整するように、騎手はオス要素612の位置を変えることができる。
【0044】
移動の方向は、馬の頭部10の形状に適合される。
【0045】
勿論、頭巾600の他の耳部も同じ要素を有する。
【0046】
スピーカー306、406、506、及び606のそれぞれは、馬の耳402の内部に向けて方向づけられている。
【0047】
馬の外部に対する防音性を改善するため、頭巾100は、頭巾400、500、600の内部であって、スピーカー406、506、606の外側に配置される防音ライナー410、510、610を含む。ライナー410、510は、例えばセルロースの詰め物や、けばのあるポリエステル、綿、ビスコース又はクロロファイバーで、例えばナイロンのライナーの下に複層構造で、一体に作製される。
【0048】
第3実施形態では、メス要素608も防音ライナー610を貫通する。
【0049】
音声ソース202は、騎手が馬に直接話しかけるためのマイクロフォンであってよい。
【0050】
音声ソース202は、例えば、送信ケース200のメモリーや、有線接続を用いて送信ケース200に接続された補完装置に接続されたメモリーに直接保存された音楽の記録であってもよい。この目的のために、送信ケース200は、適合された接続ソケットを含む。送信ケース200は、Wifi、Bluetooth又は他の接続等を通して、補完装置とのワイヤレスの通信ができるような適切な通信手段をも含む。
【0051】
騎手が自分の馬と調和できるように、送信ケース200は、音声ソース202から騎手へ信号を送るように意図された少なくとも一つのスピーカー208を含む。それぞれのスピーカー208は、それから変換手段210の上流の処理モジュール204に、すなわち、音声信号が送信モジュール206のための信号に変換される前に、接続される。
【0052】
騎手と馬とは、これにより同じ音声プログラムを聴く。
【0053】
馬と騎手とが特定のリズムで動けるように、例えば、音楽的な記録の場合、処理モジュール204は、騎手によって制御される音声信号のリズムを変更するように意図された変更手段212を含む。これは、例えば、スクリーン上のタッチセンサー式の制御であってよい。
【0054】
変更手段212は、変換手段210の上流に配置され、スピーカー208のそれぞれは、変更手段212の下流の処理モジュール204に接続される。
【0055】
それで、騎手及び馬の両者のために、リズムを早めたり遅くしたりすることが可能である。
【0056】
馬は3kHz〜5kHzの周波数レンジでよく聞こえる。
【0057】
処理モジュール204は、音声ソース202又は変更手段212から受信した音声信号の周波数を変更するように意図された変調手段214を有利にも有する。変調手段214は、例えば可変帯域通過フィルタか、低−通過フィルタ、高−通過フィルタ、帯域通過フィルタ、ノッチフィルタ及び/又は電子等化器、電子増幅器等のようなフィルタのセットであってよい。
【0058】
変調手段214を有する場合、変調手段214は変換手段210の上流であって、変更手段212の下流に配置される。スピーカー208のそれぞれは、変調手段214及び変更手段212がある場合は、変調手段214の上流であって、変更手段212の下流で、処理モジュール204に接続される。
【0059】
それで、騎手に聞こえる音の周波数を変更することなく、馬に聞こえる音の周波数を変更することができる。
【0060】
聴覚装置300及び送信ケース200はまた、音増幅手段を含む。
【0061】
送信ケース200は、聴覚調整手段を含み、例えばボタンやスクリーン上のタッチセンサー式の制御によって制御される。これにより頭巾100のスピーカー306、406、506、及び606のボリュームレベルを調節することができる。
【0062】
送信ケース200、とりわけマイクロフォン202及びスピーカー208は、適切な止着手段により、騎手の騎乗用帽子に固定される。
【0063】
本発明によれば、騎手と馬との間の送信システムは、騎手のためには、前述の選択肢のうちの一つによる送信ケース200と、馬のためには、前述選択肢のうちの一つによる頭巾100と、を含む。
【0064】
電磁波から馬の頭部10を保護するため、頭巾100、400、500、600は、電磁波に対する遮蔽物を構成する遮蔽ベール布で、頭部10との接触面全体を裏当てしている。この遮蔽ベールは、低刺激性で、生体適合性を有する。
【0065】
本発明の特定の実施形態によれば、イヤープラグ505、605の一つには、少なくとも馬の生理学的な定数の一つを測定するように意図された測定手段が設けられている。測定手段は、生理学的な定数の値を保存する手段を含むレセプションモジュール302に電気的に接続される。レセプションモジュール302は、この値を送信モジュール206へ送信する送信手段を含み、送信手段は、この値を受信して保存する手段を含む。
【0066】
値を送信する手段及び受信する手段は、レセプションモジュール302と送信モジュール206(Wifi,Bluetooth等)の間のワイヤレス通信を実行することに適したどのような要素であってもよい。
【0067】
生理学的な定数とは、次の定数の一つ又は複数であってもよい:体温、心拍・呼吸数又は血圧。
【0068】
測定手段は、耳で計る体温計タイプ、パルスオキシメーター(酸素濃度計)、パルサータイプの赤外線センサー(フォトダイオード及び赤外線エミッター)であってよい。
【0069】
勿論、本発明は述べられ、示された例示及び実施形態に限定されるものではなく、当業者がアクセスできる多くの変更を受けることができる。
【0070】
例えば、訓練者及び騎手のそれぞれが送信ケースを持ち、彼らのうちのそれぞれが馬とコミュニケーションをとることができ、また、訓練者が騎手に通信できるように検討されてもよい。
【0071】
また、複数の騎手及び一人の訓練者がいる場合、彼らの内の一人一人が送信ケースを持ち、馬のそれぞれに本発明の頭巾が提供されて、訓練者は、訓練者が誰と通信するかを騎手又は騎手達及び/又は馬又は馬たちから選べるように検討されてもよい。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】