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特表2016-539779フェードショットおよびドローショットを打つための打撃ラインが形成されたゴルフボールおよびこれの製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-539779(P2016-539779A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】フェードショットおよびドローショットを打つための打撃ラインが形成されたゴルフボールおよびこれの製造方法
(51)【国際特許分類】
   A63B 37/00 20060101AFI20161125BHJP
   A63B 45/00 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
   A63B37/00 210
   A63B37/00 616
   A63B45/00 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-557851(P2016-557851)
(86)(22)【出願日】2014年11月24日
(85)【翻訳文提出日】2016年6月3日
(86)【国際出願番号】KR2014011296
(87)【国際公開番号】WO2015083968
(87)【国際公開日】20150611
(31)【優先権主張番号】10-2013-0150740
(32)【優先日】2013年12月5日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】516165848
【氏名又は名称】エースゴルフ シーオー., エルティーディー.
【氏名又は名称原語表記】ACEGOLF CO., LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110000590
【氏名又は名称】特許業務法人 小野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ヨンジュン
(57)【要約】
本発明はフェードショットおよびドローショットを打つための打撃ラインが形成されたゴルフボールおよびこれの製造方法に関し、更に詳細には、ゴルフボールの外表面にバランスライン、フェードラインおよびドローラインを形成して、ドライビングショットやパッティングショットをする場合、ゴルファーの意図する方向とゴルフボールの進行方向とが一致するようにして正確な打撃によるパッティングがなされるようにすることはもちろん、フェードショットおよびドローショットをさらに効果的に打つことをできるようにした、フェードショットおよびドローショットを打つための打撃ラインが形成されたゴルフボールおよびこれの製造方法に関するものである。本発明は、外周縁に複数のディンプルおよび接合ラインが形成されたゴルフボールにおいて、前記ゴルフボールの外表面にそのゴルフボールの重心を表示する重心表示点が形成され、前記重心表示点を通るバランスラインが形成され、前記バランスラインを中心に両側に一定間隙離隔した状態でフェードショットを導くフェードラインおよびドローショットを導くドローラインが形成されることを特徴とする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周縁に複数のディンプルおよび接合ラインが形成されたゴルフボールにおいて、
前記ゴルフボールの外表面にそのゴルフボールの重心を表示する重心表示点が形成され、前記重心表示点を通るバランスラインが形成され、前記バランスラインを中心に両側に一定間隙離隔した状態でフェードショットを導くフェードラインおよびドローショットを導くドローラインが形成され、前記バランスラインが前記重心表示点を通りかつ前記接合ラインに垂直となる任意の線上に形成されることを特徴とする、フェードショットおよびドローショットを打つための打撃ラインが形成されたゴルフボール。
【請求項2】
前記重心表示点は、前記バランスラインの中央に位置するように形成されることを特徴とする、請求項1に記載のフェードショットおよびドローショットを打つための打撃ラインが形成されたゴルフボール。
【請求項3】
前記フェードラインまたはドローラインは、前記バランスラインが前記ゴルフボールの断面上最上側点に位置した状態で両側に一定間隙離隔するように形成されるものの、そのバランスラインを基準として両側に1°以上〜90°以下の範囲内に形成されることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載のフェードショットおよびドローショットを打つための打撃ラインが形成されたゴルフボール。
【請求項4】
前記フェードラインとドローラインは、前記バランスラインの両側に水平に形成されることを特徴とする、請求項1に記載のフェードショットおよびドローショットを打つための打撃ラインが形成されたゴルフボール。
【請求項5】
ゴルフボールの重心を表示する重心表示点をゴルフボールの外表面に形成する重心表示点形成段階;
前記重心表示点が形成されたゴルフボールの接合ラインを識別する接合ライン識別段階;
前記接合ラインに垂直の状態で前記重心表示点と連結される任意の線上にドライバーショットやパッティングショットを導くバランスラインを形成するバランスライン形成段階;
前記バランスラインの両側に一定間隙離隔した状態でそのバランスラインと水平にフェードラインおよびドローラインを形成する補助ライン形成段階;を含んで構成されることを特徴とする、打撃ラインが形成されたゴルフボールの製造方法。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフェードショットおよびドローショットを打つための打撃ラインが形成されたゴルフボールおよびこれの製造方法に関し、更に詳細には、ゴルフボールの外表面にバランスライン、フェードラインおよびドローラインを形成して、ドライビングショットやパッティングショットをする場合、ゴルファーの意図する方向とゴルフボールの進行方向とが一致するようにして正確な打撃によるパッティングがなされるようにすることはもちろん、フェードショットおよびドローショットをさらに効果的に打つことをできるようにした、フェードショットおよびドローショットを打つための打撃ラインが形成されたゴルフボールおよびこれの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、ゴルフ競技でドライバーショットやアイアンショットをするとき、ゴルフボールの飛距離と方向性を確保するためにはプレーヤーの姿勢とゴルフボールの打撃点が重要である。特に、ゴルフボールの中心部に対して所定間隙だけ下方に向けて打撃をすると、ゴルフボールは逆回転し、進行方向に対して垂直方向に揚力が生じるため、ゴルフボールを遠くまで進行させることができる。このような原理を特にゴルフ競技に適用する場合、ゴルフボールを所望の方向に遠くまで飛ばすためには、ゴルフボールの重心を正確に把握して打撃することがプレーヤーにとって重要と認識されている。
【0003】
ここで、ゴルフ競技に使われるゴルフボールは、直径が1.68インチ(42.67mm)より大きく、重さは1.62オンス(45.93g)より軽い規格で作られるものであり、図1に図示された通り、一般的に内部中心に形成されるコア2とコア2を囲んでいるカバー3で構成されている。
【0004】
しかし、大量生産されるゴルフボールは、おのおの互いに異なる重心を有しており、また、内部質量にも差があり得るため、各ゴルフボールの重心を探して、その重心の上部点を回転中心軸に設定することは非常に難しい。
【0005】
すなわち、ゴルフボールのコアはカバーよりも重いため、図1のように、コアが真ん中に位置せず片方に偏っている場合、ボールに重い側と軽い側ができてしまい不均衡とならざるを得なくなり、ゴルフボールが回転する場合、左右の重さ分布が均等でないとゴルフボールは重い側に曲がるしかなくなる。
【0006】
そこで、最近では、ゴルフボールの外周面に任意にパッティングラインを表示して使っているが、そのラインの正確度が落ち、却って不正確な打球を招く問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記した実情を勘案して創案されたもので、本発明の目的は、ゴルフボールの重心表示点とゴルフボールの接合ラインが垂直となる任意の線上にバランスラインを形成して、ドライビングショットやパッティングショットをする場合、ゴルファーの意図する方向とゴルフボールの進行方向とが一致するようにして正確な打撃によるパッティングを可能にするのはもちろん、前記バランスラインの両側にフェードラインおよびドローラインを形成して、さらに効果的なフェードショットおよびドローショットを打つことをできるようにした、フェードショットおよびドローショットを打つための打撃ラインが形成されたゴルフボールおよびこれの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するための本発明は、外周縁に複数のディンプルおよび接合ラインが形成されたゴルフボールにおいて、前記ゴルフボールの外表面にそのゴルフボールの重心を表示する重心表示点が形成され、前記重心表示点を通るバランスラインが形成され、前記バランスラインを中心に両側に一定間隙離隔した状態でフェードショットを導くフェードラインおよびドローショットを導くドローラインが形成されることを特徴とする。
【0009】
そして、前記重心表示点は前記バランスラインの中央に位置するように形成され、前記バランスラインは前記重心表示点を通りかつ前記接合ラインに垂直となる任意の線上に形成されることを特徴とする。
【0010】
また、前記フェードラインまたはドローラインは、前記バランスラインが前記ゴルフボールの断面上最上側点に位置した状態で両側に一定間隙離隔するように形成されるものの、そのバランスラインを基準として両側に1°以上〜90°以下の範囲内に形成され、前記バランスラインの両側に水平に形成される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一般的なゴルフボールの内部状態を示した図面。
図2】一般的なゴルフボールの外周面に形成された接合ラインを示した図面。
図3】本発明に係るゴルフボールの状態を示した状態図。
図4】本発明のゴルフボールでフェードラインとドローラインが形成される位置を説明するためのゴルフボールの断面図。
図5】本発明に係るゴルフボールの製造方法を示したブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付された図面を参照して本発明に係るフェードショットおよびドローショットを打つための打撃ラインが形成されたゴルフボールおよびこれの製造方法を詳細に説明する。これに先だって、本発明を説明するうえで、関連した公知技術または構成に対する詳細な説明が本発明の要旨を不要に曖昧にする恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0013】
また、後述される用語は、本発明での機能を考慮して設定された用語であって、この用語は製品を生産する生産者や製造者の意図または慣例によって変わることもあり、図面に図示された線の厚さや構成要素の大きさなどは説明の明瞭性と便宜上誇張して図示されることもあり、本明細書に記載された実施態様と図面に図示された構成は本発明の最も好ましい実施態様と図面に過ぎず、本発明の技術的思想をすべて代弁するものではないため、本出願時点においてこれらを代替することができる多様な均等物と変形例があり得ることが理解できるであろう。
【0014】
まず、速く飛んで行くゴルフボールで発生する抵抗には、前面で発生する摩擦抵抗と後方で発生する形状抵抗がある。摩擦抵抗は空気とゴルフボールとの摩擦によってゴルフボールで発生する抵抗であり、形状抵抗はゴルフボールが空気中を飛行する際、ゴルフボールの後方で発生する空気の渦巻きによって発生する抵抗である。
【0015】
前記抵抗のうち、形状抵抗は、ゴルフボールの弾道および飛距離の特性を低下させる主な要因として作用し、前記形状抵抗を減少させるために、ゴルフボールの外表面にはディンプル10と呼ばれる凹溝を複数形成している。
【0016】
前記ディンプル10が形成されたゴルフボールはディンプルがないゴルフボールに比べて空気の流れが遅くなるため、ゴルフボールの後方に発生する渦巻き、すなわち後流の発生領域が縮小され、これによって後流がゴルフボールを飛行方向の反対方向に引っ張ることによって発生する形状抵抗を低下させることになる。
【0017】
ゴルフボールの表面にディンプルを配列する場合には、球体の表面を複数の円で分けてできる多様な多面体にしてディンプルを設計することになる。例えば、球状三角形4個からなる球状4面体、球状四角形6個からなる球状6面体、球状三角形8個からなる球状8面体、球状五角形12個からなる球状12面体、球状三角形20個からなる球状20面体等、多くの球体の分割構図がある。
【0018】
また、前記球状多面体をさらに細分して、球状20―12面体、球状6―8面体等に球体の表面を分けてディンプルを配列したりもする。しかし、このすべての分割構図は、互いに異なる球状多面体で分けてディンプルを配列したとしても、結局同じ直径を有する球体では互いに重なり得るものである。
【0019】
それにもかかわらず、さらに新しい分割構図によるディンプル配列を有するゴルフボールが作られているのが現実である。これは分割構図の種類によって各面体の表面積の大きさが互いに異なるため、球体の全般にかけてディンプルを配列するとき、そのディンプルの大きさや深さ、形状などを異ならせることができるためである。
【0020】
結果として、各ディンプルの配列によって飛行特性にも差が出てくるため、引き続き新しい分割構図が作られる。また、前記球状多面体の分割方法で球体の表面にディンプルを配列するときには、同じ面体であっても、一つの面体内で各ディンプル間に互いに対称をなして配列されている方が非対称で配列されている方よりも飛行特性に優れていると示される。
【0021】
これはゴルフボールが飛行するとき、弾道の頂点から紙面に落下するまでの低速領域で空気の抵抗がもう少し均一であるので、ゴルフボールの揺れが少なく、安定した弾道を描きながら着地するためである。
【0022】
ゴルフボールが打撃されてから弾道の頂点までの飛行領域、いわゆる高速領域では、大きいディンプルは小さいディンプルよりも圧力抗力が大きくなり、反対に低速領域では小さいディンプルよりも圧力抗力が小さくなる。
【0023】
したがって、ゴルフボールがさらに均一な着地点を有し、良好な飛距離特性を有するように、ゴルフボール球体の表面の新しい分割方式および分割された球体の表面にディンプルを如何に配置するかが重要な要素である。
【0024】
そして、ゴルフボールの製造工程上、上部金型と下部金型を合わせて外表面にディンプルがあるゴルフボールを作ることにより、ゴルフボールの上部と下部は同じように形成されているが、ディンプルは一定の規則や法則によらず配列されており、その規則を設けて500個前後のディンプルを直径42.67mmで配列させるのは現実的に困難である。
【0025】
したがって、最近ではゴルフボールの飛距離をさらに増やし、空気力学的対称性をより向上させるために、ディンプルの配置、総数、各種寸法、容積、形状などに関する多様な研究がなされている。
【0026】
これを詳察すると、パッティング時にゴルフボールが曲がる程度は、ボールの接合ライン(ゴルフボールは、コアを作ってからカバーを二つに分けて両側から圧着して作る。したがって、よく見るとボールの中間に連結した跡がかすかに見える)に対してディンプルが対称に配置されている場合よりも非対称に配置されている場合がより大きいと思われており、その原因は、ゴルフボールの成形金型を取り外すときにその位置にできる一筋の環状の接合ライン20があるため、この既存の技術では、この環状の本体近辺にあるディンプルに改良を加えることによって、ゴルフボールの回転性能を改善するとされている。
【0027】
そして、ゴルフボールの回転性は、前記のようなディンプルの配置構造だけでなく、ゴルフボールが転がるとき、回転中心軸を基準として左右の重さ分布が均等になされ、前記接合ライン20が回転中心軸を基準として左右側に同一線上に位置するようにすることが非常に重要となる。
【0028】
そこで、本発明では図3および図4に図示された通り、ゴルフボールの重心を探してその重心を表示する重心表示点30をゴルフボールの外表面に形成し、前記重心表示点30を通るバランスライン40を形成し、前記バランスライン40を中心に両側に一定間隙離隔した状態でフェードショットやドローショットを導くフェードライン50およびドローライン60を形成する。
【0029】
すなわち、前記バランスライン40は前記重心表示点30を通るように形成されるもので、前記フェードライン50は前記バランスライン40を基準として一側にフェードショットを導くために形成されるもので、前記ドローライン60は前記バランスライン40を基準として前記フェードライン50に対称となる他側に形成されるものである。
【0030】
このとき、前記ドローライン60とフェードライン50は前記バランスライン40から一定間隙離隔した状態で水平に形成される。
【0031】
また、前記バランスライン40を形成するとき、前記重心表示点30がそのバランスラインの中央に位置するように形成し、前記バランスライン40は前記重心表示点30を通りながら前記接合ライン20に垂直となる任意の線上に形成されることが好ましい。
【0032】
前記の通りに、重心表示点がバランスラインの中央に位置され、そのバランスラインが前記接合ライン20に垂直となるように形成されることによって、ゴルフボールの打撃時にゴルファーの意図する方向とゴルフボールの進行方向とが一致してさらに効果的な直進回転性および飛距離を確保することができる。
【0033】
そして、前記バランスライン40を基準として左側にフェードライン50が形成され、右側にドローライン60が形成されるようにして、前記フェードライン50とドローライン60によるゴルフボールの打撃状態を一例示的に見てみると、前方の障害物によってフェードショットを遂行しなければならない場合、前記フェードライン50が最上側にくるようにゴルフボールを置いた状態で打撃すると、そのゴルフボールは重心がある右側に曲がりながら飛行して前方の障害物を避けることができる。
【0034】
これは、ゴルフボールの重心が前記フェードライン50より右側に位置するため、打撃時に重心がある方向にゴルフボールが曲がりながら飛行するようになるためである。
【0035】
このとき、フェードショットの効果をさらに高めるために、ゴルファーはフェードショットの際にゴルフボールを切るようにすべらせて打撃すると、ゴルフボールにより多くのスピンがかかるようになり、意図したよりもさらに右側に落とすことができる。
【0036】
そして、前記ドローライン60はゴルフボールが左に曲がりながら飛行するようにするもので、前記バランスライン40の右側に形成される。
【0037】
すなわち、前方に障害物があってドローショットによってゴルフボールが左に曲がりながら飛んで行かなければならない場合、前記フェードライン50の説明と同じように、前記ドローライン60が最上側に位置するようにゴルフボールを置いた状態で打撃すると、ゴルフボールが左に曲がりながら飛んで行くようになり、前方の障害物を避けることができるのである。
【0038】
これも、ゴルフボールの重心が前記ドローライン60より左側に位置するようになるため、打撃時に重心がある左側方向にゴルフボールが曲がりながら飛んで行くことになるのである。
【0039】
また、前記フェードライン50とドローライン60は図4に図示された通り、前記バランスライン40が前記ゴルフボール1の断面上最上側点に位置した状態で、両側に一定間隙離隔するように形成されるものの、前記バランスライン40を基準として左右側に1°〜90°の範囲内で形成される。
【0040】
ここで、角度が大きくなればなるほどゴルフボールが曲がる程度が大きくなり、フェードショットやドローショットをさらに効果的に打つことができるようになる。
一方、本発明に係るゴルフボールの製造方法は、図5に図示された通り、重心表示点形成段階(S10)、接合ライン識別段階(S20)、バランスライン形成段階(S30)、補助ライン形成段階(S40)からなる。
【0041】
前記重心表示点形成段階(S10)は、ゴルフボールの重心を表示する重心表示点30をゴルフボールの外表面に形成するもので、前記重心表示点30をゴルフボールの外表面に形成する前に、各ゴルフボールの重心を探すことが先行されるべきである。
【0042】
ゴルフボールの重心を探して重心表示点30をゴルフボールの外表面に形成した後、ゴルフボールの製造過程にて発生する接合ライン20を識別するようにする。
すなわち、ゴルフボールは、球状のコア2を作ってからカバー3を二つに分けて両側から圧着して前記コア2を囲むことになるが、このとき、前記接合ライン20は半球のカバーが相互接合されたラインである。
【0043】
ゴルフボールで接合ラインを識別すると、その後バランスライン形成段階(S30)を経てバランスライン40を形成することになる。
【0044】
すなわち、前記重心表示点30と前記接合ライン20が垂直となる任意の線上にバランスライン40を形成するが、前記重心表示点30が前記バランスライン40の中央に位置するように形成することが好ましい。
【0045】
このように、前記バランスライン40は、前記接合ライン20と垂直の状態で形成されているため、ゴルフボールの打撃時、ゴルファーが意図するゴルフボールの進行方向が前記バランスライン40と一致する傾向があり、ゴルフボールが飛行するときまたは転がるときに前記バランスライン40に沿って回転することによって正確なパッティングおよび飛距離向上に寄与することができる。
【0046】
ゴルフボールに前記バランスライン40が形成されれば、補助ライン形成段階(S40)を通じて前記バランスライン40の両側にフェードライン50およびドローライン60が形成される。すなわち、前記バランスライン40の両側に一定間隙離隔した状態で、そのバランスラインと水平になるようにフェードライン50およびドローライン60を形成するのである。
【0047】
ここで、前記フェードライン50およびドローライン60は、前記バランスライン40を基準として左右側に1°以上90°以下の範囲内に形成されるようにすることが好ましい。
【0048】
このとき、前記フェードライン50およびドローライン60の形成範囲が前記バランスライン40を基準として90°を超過した状態のゴルフボールを利用してフェードショットやドローショットをする場合は円滑な効果を期待することができなくなるため、前記フェードライン50やドローライン60は前記バランスライン40を基準として90°を超過しない範囲で形成されるようにする。
【0049】
前記の通りに本発明の具体的な実施例に関して詳細に説明したが、本発明が属する分野に通常の知識を有する者であれば、本発明の範疇から逸脱しない範囲で多様な変形実施が可能である。したがって、本発明の範囲は前述した実施態様に限定されず、後述する特許請求の範囲だけでなく、この特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明によれば、ゴルフボールの外表面に形成された重心表示点と接合ラインが垂直となる任意の線上に形成されるバランスラインによって、ドライビングショットやパッティングショットをする場合、ゴルファーの意図する方向とゴルフボールの進行方向とが一致し、さらに効果的な直進回転性および飛距離を確保することができることはもちろん、前記バランスラインの両側に形成されたフェードラインおよびドローラインにより効果的なフェードショットおよびドローショットを打つことができる。

図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】