(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-539781(P2016-539781A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】自動プリント装置
(51)【国際特許分類】
B05C 11/10 20060101AFI20161125BHJP
B05C 5/00 20060101ALI20161125BHJP
E04F 13/02 20060101ALI20161125BHJP
B05C 11/00 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
B05C11/10
B05C5/00 101
E04F13/02 F
B05C11/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-518667(P2016-518667)
(86)(22)【出願日】2015年3月17日
(85)【翻訳文提出日】2016年4月1日
(86)【国際出願番号】KR2015002588
(87)【国際公開番号】WO2015147472
(87)【国際公開日】20151001
(31)【優先権主張番号】10-2014-0036819
(32)【優先日】2014年3月28日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】516091905
【氏名又は名称】ロボプリント カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】パク、ジュン キュ
【テーマコード(参考)】
4F041
4F042
【Fターム(参考)】
4F041AA08
4F041AB01
4F041BA13
4F041BA34
4F042AA17
4F042BA08
4F042CA01
4F042CA09
4F042CB03
4F042CB07
4F042DH09
(57)【要約】
本発明の一実施例による自動プリント装置は、建物の内壁または外壁のイメージプリントが必要な対象表面に前記イメージを自動的にプリントする装置であって、フレームと、前記フレームの上に位置移動可能に装着されて前記第1ノズル及び第2ノズルを備える噴射部と、前記第1ノズル及び第2ノズルにそれぞれ供給される第1インク及び第2インクがそれぞれ貯蔵される第1インク貯蔵部及び第2インク貯蔵部を備えるインク貯蔵部と、前記第1ノズル及び前記第2ノズルを介してそれぞれ前記第1インク及び第2インクが噴射されるようにする噴射力を提供する圧縮空気部と、前記イメージの特性に基づいて前記対象表面に前記第1ノズル及び前記第2ノズルのうち少なくとも一つから対応されるインクの噴射可否と、前記対象表面の特性に基づいてインクが噴射される第1ノズル及び前記第2ノズルのうち少なくとも一つの前記対象表面との離隔距離を制御する制御部と、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物の内壁または外壁のイメージプリントが必要な対象表面に前記イメージを自動的にプリントする自動プリント装置において、
フレームと、
前記フレームの上に位置移動可能に装着されて第1ノズル及び第2ノズルを備える噴射部と、
前記第1ノズル及び前記第2ノズルにそれぞれ供給される第1インク及び第2インクがそれぞれ貯蔵される第1インク貯蔵部及び第2インク貯蔵部を備えるインク貯蔵部と、
前記第1ノズル及び前記第2ノズルを介してそれぞれ前記第1インク及び前記第2インクが噴射されるようにする噴射力を提供する圧縮空気部と、
前記イメージの特性に基づいて前記対象表面に前記第1ノズル及び前記第2ノズルのうち少なくとも一つから対応されるインクの噴射可否と、前記対象表面の特性に基づいてインクが噴射される前記第1ノズル及び前記第2ノズルのうち少なくとも一つと前記対象表面との離隔距離を制御する制御部と、を含む自動プリント装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記対象表面の特性に基づいて前記噴射部と前記対象表面との離隔距離を制御する請求項1に記載の自動プリント装置。
【請求項3】
前記フレームの上に位置移動可能に装着されて前記対象表面の屈曲可否を感知する屈曲感知部を更に含み、
前記制御部は、前記屈曲感知部によって感知された結果に基づいて前記第1ノズル及び前記第2ノズルのうち少なくとも一つから対応されるインクが前記対象表面に噴射される前記離隔距離を制御する請求項1または2に記載の自動プリント装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記屈曲感知部を前記対象表面と接触するように位置制御して前記接触のための移動距離によって前記対象表面の屈曲可否を感知するようにする請求項3に記載の自動プリント装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記屈曲感知部から前記対象表面に向かって照射される光が前記対象表面から反射して戻ってくる時間または距離によって前記対象表面の屈曲可否を感知するようにする請求項3に記載の自動プリント装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記対象表面に前記第1ノズル及び前記第2ノズルのうち少なくとも一つから対応されるインクを噴射する前に、前記屈曲感知部を制御して前記対象表面の屈曲可否と感知するようにする請求項3から5のいずれか一項に記載の自動プリント装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記対象表面にプリントされる前記イメージが少なくとも一つの区間別にプリントされるように前記噴射部を制御し、
前記フレームの上に位置移動可能に装着されてそれぞれの区間と対応するイメージのプリントが開始される位置をガイドするプリント位置ガイド部を更に含む請求項1から6のいずれか一項に記載の自動プリント装置。
【請求項8】
前記第1ノズル及び前記第2ノズルのうち少なくとも一つから対応されるインクが前記対象表面に噴射されてから前記対象表面から流れ落ちることを防止するために、
前記噴射力を提供するための前記圧縮空気部から供給される圧縮空気の水分を除去する水分除去部を更に含む請求項1から7のいずれか一項に記載の自動プリント装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記水分除去部を通過した圧縮空気が前記噴射部及び前記インク貯蔵部にそれぞれ供給されるように前記圧縮空気の流れを制御し、
前記インク貯蔵部に供給される圧縮空気の圧力及び前記噴射部に供給される圧縮空気の圧力をそれぞれ調節する第1圧力調節部及び第2圧力調節部を更に含む請求項8に記載の自動プリント装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記第2圧力調節部によって調節された圧縮空気の圧力が第1圧力調節部によって調節された圧縮空気の圧力より大きくなるように前記噴射部及び前記インク貯蔵部にそれぞれ供給される圧縮空気の圧力を制御する請求項9に記載の自動プリント装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記第2圧力調節部によって圧力が調節された圧縮空気の前記第1ノズル及び前記第2ノズルへの供給可否を個別に制御し、
前記第1圧力調節部によって圧力が調節された圧縮空気の前記第1インク貯蔵部及び前記第2インク貯蔵部への供給可否を個別に制御する請求項9または10に記載の自動プリント装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記第1ノズルから前記第1インクを噴射する場合、
前記第2圧力調節部によって圧力が調節された圧縮空気によって、前記第1圧力調節部によって圧力が調節された圧縮空気によって提供される第1インク貯蔵部から前記第1ノズルに供給される前記第1インクが噴射されるようにする請求項9から11のいずれか一項に記載の自動プリント装置。
【請求項13】
前記噴射部に洗浄剤を圧送して前記第1ノズル及び前記第2ノズルのうち少なくとも一つを洗浄する洗浄部を更に含む請求項1から12のいずれか一項に記載の自動プリント装置。
【請求項14】
前記圧縮空気部による前記噴射力の提供可否を調節する調節バルブを更に含み、
前記圧縮空気部は、前記調節バルブによって前記噴射力の提供が遮断されると、回収部に向かって空気が吸入されるようにして前記インク貯蔵部に残っている残留インクが前記回収部に回収されるようにする請求項1から13のいずれか一項に記載の自動プリント装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動プリント装置に関するものであり、より詳しくは、建物の内壁または外壁のイメージプリントが必要な対象表面にイメージを自動的にプリントする自動プリント装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物の外壁にペンキを塗色するか建物のイメージなどのために絵、文字、記号、ロゴなど各種イメージを具現しようとする場合、従来は建物の屋上からゴンドラなどを利用してロープに作業台を上下移動可能に吊り下げ、このような作業台に作業者が乗った状態で直接ペンキの塗色作業及びイメージ作業を行うか、または作業者が屋上に固定したロープにぶら下がって降りながらペンキの塗色作業またはイメージ作業を行っていた。
【0003】
特に、建物の外壁にイメージを描く場合には図案者が建物の壁面に前記と同じ手段と方式を介して下図を示しておき、次にペンキ塗装工は筆やペンキローラを利用して示しておいた図案文句を描いていた。
【0004】
しかし、このような方式の塗色作業またはイメージ作業は作業者が直接建物の外壁の高い位置で作業をしなければならないため常に落下事故の恐れがあり、風が強い日には事故の危険性が更に大きくなる短所がある。また、作業者が高い位置で塗色事業またはイメージ作業をするため作業者の動きが不自由であることはもちろん、それによって塗色作業またはイメージ作業が遅れて作業工期が長くなる問題が引き起こされていた。そして、このような産業災害の危険性以外にも作業者によって手作業で行われるペンキ作業の特性上、人件費が不必要に加重して工事費の上昇原因となっていた。
【0005】
このように建物の外壁にペンキを塗色するか建物のイメージなどのために絵、文字、記号、ロゴなど各種イメージを具現しようとする際、従来は手作業で行われていたため自然な感じはあったが事実的価値を期待することは難しい実情であり、特に大型出力物による絵及び文様、写真の演出においてこのような一つの大型のイメージを表現することが容易ではないため、出力対象物の大きさが極めて制限的でしかなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の一目的は、建物の内壁または外壁にイメージを自動的にプリントするようにすると共に、誤差がなくより精密で迅速に多様なイメージをプリントするようにする自動プリント装置を提供することである。
【0007】
また、本発明の一目的は、イメージプリントのためのインクが貯蔵されたインク貯蔵部の洗浄及び残留インクの回収を簡単な方法によって具現するようにして半永久的な自動プリント装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施例による自動プリント装置は、建物の内壁または外壁のイメージプリントが必要な対象表面に前記イメージを自動的にプリントする装置であって、フレームと、前記フレームの上に位置移動可能に装着されて第1ノズル及び第2ノズルを備える噴射部と、前記第1ノズル及び前記第2ノズルにそれぞれ供給される第1インク及び第2インクがそれぞれ貯蔵される第1インク貯蔵部及び第2インク貯蔵部を備えるインク貯蔵部と、前記第1ノズル及び前記第2ノズルを介してそれぞれ前記第1インク及び前記第2インクが噴射されるようにする噴射力を提供する圧縮空気部と、前記イメージの特性に基づいて前記対象表面に前記第1ノズル及び前記第2ノズルのうち少なくとも一つから対応されるインクの噴射可否と、前記対象表面の特性に基づいてインクが噴射される前記第1ノズル及び前記第2ノズルのうち少なくとも一つと前記対象表面との離隔距離を制御する制御部と、を含む。
【0009】
本発明の一実施例による自動プリント装置の前記制御部は、前記対象表面の特性に基づいて前記噴射部と前記対象表面との離隔距離を制御する。
【0010】
本発明の一実施例による自動プリント装置は、前記フレームの上に位置移動可能に装着されて前記対象表面の屈曲可否を感知する屈曲感知部を更に含み、前記制御部は、前記屈曲感知部によって感知された結果に基づいて前記第1ノズル及び前記第2ノズルのうち少なくとも一つから対応されるインクが前記対象表面に噴射される前記離隔距離を制御する。
【0011】
本発明の一実施例による自動プリント装置の前記制御部は、前記屈曲感知部を前記対象表面と接触するように位置制御して前記接触のための移動距離によって前記対象表面の屈曲可否を感知するようにする。
【0012】
本発明の一実施例による自動プリント装置の前記制御部は、前記屈曲感知部から前記対象表面に向かって照射される光が前記対象表面から反射して戻ってくる時間または距離によって前記対象表面の屈曲可否を感知するようにする。
【0013】
本発明の一実施例による自動プリント装置の前記制御部は、前記対象表面に前記第1ノズル及び前記第2ノズルのうち少なくとも一つから対応されるインクを噴射する前に、前記屈曲感知部を制御して前記対象表面の屈曲可否を感知するようにする。
【0014】
本発明の一実施例による自動プリント装置の前記制御部は、前記対象表面にプリントされる前記イメージが少なくとも一つの区間別にプリントされるように前記噴射部を制御し、前記フレームの上に位置移動可能に装着されてそれぞれの区間と対応するイメージのプリントが開始される位置をガイドするプリント位置ガイド部を更に含む。
【0015】
本発明の一実施例による自動プリント装置は、前記第1ノズル及び前記第2ノズルのうち少なくとも一つから対応されるインクが前記対象表面に噴射されてから前記対象表面から流れ落ちることを防止するために、前記噴射力を提供するための前記圧縮空気部から供給される圧縮空気の水分を除去する水分除去部を更に含む。
【0016】
本発明の一実施例による自動プリント装置の前記制御部は、前記水分除去部を通過した圧縮空気が前記噴射部及び前記インク貯蔵部にそれぞれ供給されるように前記圧縮空気の流れを制御し、前記インク貯蔵部に供給される圧縮空気の圧力及び前記噴射部に供給される圧縮空気の圧力をそれぞれ調節する第1圧力調節部及び第2圧力調節部を更に含む。
【0017】
本発明の一実施例による自動プリント装置の前記制御部は、前記第2圧力調節部によって調節された圧縮空気の圧力が第1圧力調節部によって調節された圧縮空気の圧力より大きくなるように前記噴射部及び前記インク貯蔵部にそれぞれ供給される圧縮空気の圧力を制御する。
【0018】
本発明の一実施例による自動プリント装置の前記制御部は、前記第2圧力調節部によって圧力が調節された圧縮空気の前記第1ノズル及び前記第2ノズルへの供給可否を個別に制御し、前記第1圧力調節部によって圧力が調節された圧縮空気の前記第1インク貯蔵部及び前記第2インク貯蔵部への供給可否を個別に制御する。
【0019】
本発明の一実施例による自動プリント装置の前記制御部は、前記第1ノズルから前記第1インクを噴射する場合、前記第2圧力調節部によって圧力が調節された圧縮空気によって、前記第1圧力調節部によって圧力が調節された圧縮空気によって提供される第1インク貯蔵部から前記第1ノズルに供給される前記第1インクが噴射されるようにする。
【0020】
本発明の一実施例による自動プリント装置は、前記噴射部に洗浄剤を圧送して前記第1ノズル及び前記第2ノズルのうち少なくとも一つを洗浄する洗浄部を更に含む。
【0021】
本発明の一実施例による自動プリント装置は、前記圧縮空気部による前記噴射力の提供可否を調節する調節バルブを更に含み、前記圧縮空気部は、前記調節バルブによって前記噴射力の提供が遮断されると回収部に向かって空気が吸入されるようにして前記インク貯蔵部に残っている残留インクが前記回収部に回収されるようにする。
【発明の効果】
【0022】
本発明の一実施例による自動プリント装置によると、手作業ではなく自動的にイメージのプリント作業を実施することができるため、産業災害の発生を積極的に防止するだけでなくそれによって人件費の負担が減り、割と短い時間に作業が完了されるため作業時間と能率の面で卓越した効果がある。
【0023】
また、建物の内壁または外壁にイメージを自動的にプリントするに当たって、精巧にイメージのプリントを具現することができると共に反復的な使用のための管理が容易である。
【0024】
また、一つのイメージをプリントしてから他のイメージをプリントする場合、インク貯蔵部に残っている残留インクの回収を簡単な方法によって具現するようにして、使用寿命を極大化することができる。
【0025】
また、ノズルの洗浄を介してノズルの詰まりを防止し、イメージプリントの正確性を極大化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施例による自動プリント装置を示す概略斜視図である。
【
図2】本発明の一実施例による自動プリント装置を示すブロック構成図である。
【
図3】本発明の一実施例による自動プリント装置の作動手順を示す第1フローチャートである。
【
図4】本発明の一実施例による自動プリント装置の作動手順を示す第2フローチャートである。
【
図5】本発明の一実施例による自動プリント装置に提供される噴射部の洗浄過程を示すブロック構成図である。
【
図6】本発明の一実施例による自動プリント装置に提供されるインク貯蔵部の残留インクを回収する過程を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。但し、本発明の思想は提示される実施例に制限されず、本発明の思想を理解する当業者は同一思想の範囲内で他の構成要素を追加、変更、削除などを介して退歩的な他の発明や本発明の思想の範囲内に含まれる他の実施例を容易に提案できるはずであるが、これも本願発明の思想の範囲内に含まれるといえる。
【0028】
また、各実施例の図面に示す同一思想の範囲内の機能が同じ構成要素は同じ参照符号を使用して説明する。
【0029】
図1は本発明の一実施例による自動プリント装置を示す概略斜視図であり、
図2は本発明の一実施例による自動プリント装置を示すブロック構成図である。
【0030】
図1及び
図2を参照すると、本発明の一実施例による自動プリント装置100は建物の内壁または外壁の絵、文字、記号、ロゴなど各種イメージのプリントが必要な対象表面に前記イメージを自動的にプリントするプリント装置であって、全体的な支持体として機能するフレーム110、前記フレーム110の上に位置移動可能に装着されて少なくとも一つ以上のノズルを備える噴射部120、前記少なくとも一つ以上のノズルにインクを供給するインク貯蔵部130、前記少なくとも一つ以上のノズルを介して前記インクが噴射されるようにする噴射力を提供する圧縮空気部140及び前記噴射部120を制御する制御部150を含む。
【0031】
ここで、前記噴射部120は少なくとも一つ以上のノズルを備えるが、以下では説明の便宜上、第1ノズル122及び第2ノズル124を備えることを例に挙げて説明する。
【0032】
そして、前記インク貯蔵部130の前記噴射部と同じく少なくとも一つ以上のインク貯蔵部130を備えるが、説明の便宜上、第1インクが貯蔵された第1インク貯蔵部132及び第2インクが貯蔵された第2インク貯蔵部134を備えることを例に挙げて説明する。
【0033】
前記第1ノズル122を介して前記第1インク貯蔵部132に貯蔵された前記第1インクが噴射され、前記第2ノズル124を介して前記第2インク貯蔵部134に貯蔵された前記第2インクが噴射されるが、前記第1ノズル122と前記第1インク貯蔵部132、前記第2ノズル124と前記第2インク貯蔵部134は互いに対応する関係である。
【0034】
前記自動プリント装置100は建物の外壁にイメージプリントが必要な場合、クレーンまたは建物の屋上などに設置されるウインチドラムなどによって対象表面の位置に移動されるが、建物の内壁にイメージプリントが必要な場合、
図1に示したように地面と接触する輪200によって自動または手動で望みの位置に移動される。
【0035】
前記フレーム110は本発明の一実施例による自動プリント装置100の概観を提供し、後述する上下方向支持フレーム112、左右方向支持フレーム114及び前後方向支持フレームなどが所定の位置に位置するように支持する。
【0036】
前記上下方向支持フレーム112は制御部150によって制御されて前記フレーム110の上で上下方向Aに位置移動されるが、それによって噴射部120をイメージプリントが必要な対象表面に位置移動するように左右方向支持フレーム114を徐下方向Aに移動する。
【0037】
ここで、前記上下方向支持フレーム112が上下方向Aに位置移動されるための動力は上下方向動力提供部F1によって提供されるが、結局、制御部150はモータ及びモータの回転に連動するラックギアとピニオンギアを含む前記上下方向動力提供部F1を制御して前記上下方向支持フレーム112を位置制御する。
【0038】
そして、前記上下方向動力提供部F1によって前記上下方向支持フレーム112が上下方向Aに位置移動されるとそれによって左右方向支持フレーム114も上下方向Aに位置移動され、次は左右方向動力提供部F2による動力によって噴射部120は前記左右方向支持フレーム114の上で左右方向Bに位置移動される。
【0039】
一方、前記噴射部120は対象表面に向かう前後方向Cに位置移動されるが、そのためにフレーム110には前後方向支持フレーム及び前後方向動力提供部が装着される。
【0040】
前記のように前記噴射部120は制御部150によって制御される上下方向支持フレーム112、左右方向支持フレーム114及び前後方向支持フレームによって建物の内壁または外壁のイメージプリントが必要な対象表面領域内で位置移動され、位置移動と共にインクを噴射することで望みのイメージを前記対象表面にプリントする。
【0041】
前記噴射部120によるイメージプリント過程は
図3及び
図4を参照して詳しく後述する。
【0042】
前記噴射部120の第1ノズル122及び第2ノズル124からの第1インク及び第2インクの噴射は噴射力を提供する圧縮空気部140によって具現されるが、前記第1インク及び第2インクの一連の噴射過程は制御部150によって制御される。
【0043】
圧縮空気部140から前記噴射力を提供するための圧縮空気は水分除去部160によって水分が除去され、それによって前記噴射部120から噴射される前記インクが前記対象表面から流れ落ちることを防止する。
【0044】
そして、水分除去部160を通過して前記インク貯蔵部130及び前記噴射部120に供給されるそれぞれの圧縮空気の圧力は第1圧力調節部170及び第2圧力調節部180によって調節される。ここで、前記第1ノズル122から前記第1インクを噴射する場合、
【0045】
前記第2圧力調節部180によって圧力が調節された圧縮空気によって、前記第1圧力調節部170によって圧力が調節された圧縮空気によって提供される第1インク貯蔵部132から前記第1ノズル122に供給される前記第1インクが噴射されるようにする。
【0046】
また、前記第2ノズル124から前記第2インクを噴射する場合、前記第2圧力調節部180によって圧力が調節された圧縮空気によって、前記第1圧力調節部170によって圧力が調節された圧縮空気によって提供される第2インク貯蔵部134から前記第2ノズル124に供給される前記第2インクが噴射されるようにする。
【0047】
一方、フレーム110には位置移動可能にプリント位置ガイド部192及び屈曲感知部194が装着されるが、前記プリント位置ガイド部192は対象表面にプリントされる一つのイメージが少なくとも一つ以上の区間別に区画されてプリントされればそれぞれの区間に対応するイメージのプリントが開始される位置をガイドし、前記屈曲感知部194は前記対象表面の屈曲可否を感知する。
【0048】
詳しくは、対象表面にプリントされるイメージが大きさなどの理由で複数の区間に分けられてプリントされる必要があれば制御部150はこれを制御し、一つの区間に当たるイメージがプリントされて次の区間のイメージをプリントする際に次の区間のプリント開始位置をガイドするようにプリント位置ガイド部192を制御することで、区間間のイメージの連続性を具現して全体的なイメージプリントの正確性を向上することができる。
【0049】
即ち、制御部150はディスプレー(図示せず)の上に図示される対象表面の区間別プリント開始位置に前記プリント位置ガイド部192が一致するように前記プリント位置ガイド部192を制御することで、噴射部130からの区間別インク噴射開始位置を精密に制御する。
【0050】
ここで、前記プリント位置ガイド部192は光を照射する光源または機械的な部品であるが、必ずしもこれに限ることはない。
【0051】
一方、前記プリント位置ガイド部192がディスプレー(図示せず)の上に図示される対象表面の区間別プリント開始位置に正確に一致するのかを把握するために、カメラなどの撮像装置がフレーム110の上に装着されてもよい。
【0052】
前記屈曲感知部194は対象表面の屈曲を把握してプリント面と前記噴射部120の距離調節を可能にする。
【0053】
前記制御部150は前記屈曲感知部194を対象表面と接触するように位置制御して前記接触のための移動距離によって前記対象表面の屈曲を感知してもよく、前記屈曲感知部194は前記噴射部129に着脱可能に装着されてもよい。
【0054】
また、前記制御部150は前記屈曲感知部194から前記対象表面に向かって照射される光が前記対象表面から反射して戻ってくる時間または距離によって前記対象表面の屈曲可否を感知するようにするが、この場合、前記屈曲感知部194は超音波センサなどの光源である。
【0055】
一方、前記屈曲感知部194は噴射部120によってインクが噴射される前に予め制御部150によって対象表面に連続的または不連続的に接触方式または非接触方式によって対象表面の屈曲状態を感知した後、感知した結果に基づいて前記噴射部120を制御してインクを噴射する。
【0056】
即ち、制御部150は屈曲感知部194によって感知された結果に基づいて前後方向支持フレームを制御して噴射部120の位置を前後方向に制御することで、最も理想的な噴射距離になるようにする。
【0057】
結局、制御部150は前記屈曲感知部194によって感知された結果及び前記プリント位置ガイド部192に基づいて前記噴射部120の位置移動を制御するのである。
【0058】
以下、本発明の一実施例による自動プリント装置100の作動手順について詳細に説明する。
【0059】
図3は、本発明の一実施例による自動プリント装置の作動手順を示す第1フローチャートである。
【0060】
図3を参照すると、建物の内壁または外壁のイメージプリントが必要な対象表面にイメージを自動的にプリントする場合、本発明による自動プリント装置100を地面と接触する輪200を利用して手動または自動に望みの位置に移動する。
【0061】
次に、前記自動プリント装置100に電源を印加すると(S110)、前記自動プリント装置100の各構成要素を動作するための電源が供給される。
【0062】
電源が供給されると、制御部150はフレーム110に位置移動可能に装着される屈曲感知部194を作動してイメージプリントが必要な対象表面の屈曲可否が感知されるようにするが(S120)、例えば、屈曲感知部194が噴射部120に装着されれば前記対象表面に沿って前記噴射部120を位置移動することで屈曲感知部194が対象表面の屈曲可否を感知するようにする。
【0063】
この際、前記制御部150は前記屈曲感知部194の位置移動のために上下方向支持フレーム112、左右方向支持フレーム114及び前後方向支持フレームを位置移動するようにそれぞれの動力源を制御するが、最終的に前記屈曲感知部194によって感知された結果に基づいてインク噴射のための噴射部120を制御する。
【0064】
即ち、噴射部120からイメージをプリントするためのインクが噴射される前に前記噴射部120の位置移動、即ち前記屈曲感知部194の位置移動によって前記イメージプリントが必要な対象表面の屈曲の程度を把握するようになるが、前記屈曲感知部194によって感知された前記対象表面の屈曲による情報はデータ貯蔵部(図示せず)に貯蔵される。
【0065】
前記のようにデータ貯蔵部に貯蔵された前記対象表面の屈曲情報は制御部150によってインクを噴射する噴射部120の位置移動を制御するのに利用されるが、結局、前記制御部150は前記情報に基づいて前記噴射部120を精密に制御する。
【0066】
ここで、前記屈曲感知部194による対象表面の屈曲感知は制御部150による噴射部120の位置移動、即ち制御部150が前記屈曲感知部194を前記対象表面と接触するように位置制御して前記接触のための移動距離などによって具現される。
【0067】
また、制御部150が前記屈曲感知部194から前記対象表面に向かって照射される光が前記対象表面から反射して戻ってくる時間または距離によって前記対象表面の屈曲可否を感知してもよい。
【0068】
前記のように対象表面内に前記第1ノズル122及び前記第2ノズル124のうち少なくとも一つから対応されるインクを噴射する前に屈曲感知部194によって対象表面の屈曲可否について感知が完了されると、前記制御部150は噴射部120によるインクの噴射のために圧縮空気部140を制御する。
【0069】
前記制御部150は前記圧縮空気部140から第1ノズル122及び前記第2ノズル124を介してそれぞれ前記第1インク及び第2インクが噴射されるようにする噴射力を提供するための圧縮空気を供給するように(S130)前記圧縮空気部140を制御すると、前記圧縮空気部140から供給される圧縮空気は水分除去部160を通過しながら前記水分除去部160によって水分が除去されるが(S140)、それによって前記第1ノズル122及び前記第2ノズル124のうち少なくとも一つから噴射される前記インクが前記対象表面から流れ落ちることを防止することができる。
【0070】
前記水分除去部160によって水分が除去された圧縮空気はインク貯蔵部130及び噴射部120にそれぞれ供給されるが(S150)、前記インク貯蔵部130に供給される圧縮空気は第1圧力調節部170によって圧力が調節され(S162),前記噴射部120に供給される圧縮空気は第2圧力調節部180によって圧力が調節される(S164)。
【0071】
つまり、制御部150は前記水分除去部160を通過した圧縮空気が前記噴射部120及び前記インク貯蔵部130にそれぞれ供給されるように前記圧縮空気の流れを制御し、最終的に噴射部120からインクが噴射されるようにする。
【0072】
ここで、前記制御部150は前記第2圧力調節部180によって調節された圧縮空気の圧力が第1圧力調節部170によって調節された圧縮空気の圧力より大きくなるように前記噴射部120及び前記インク貯蔵部130にそれぞれ供給される圧縮空気の圧力を制御する。
【0073】
噴射部120に備えられる第1ノズル122及び第2ノズル124のうち第1ノズル122を介して第1インクが噴射される場合、前記第1ノズル122から前記第1インクが噴射される噴射力は第1インク貯蔵部132から前記第1ノズル122に流入される第1インクの圧力と前記第1ノズル122に供給される圧縮空気の圧力によって具現される。
【0074】
つまり、前記第1インク貯蔵部132から前記第1ノズル122に流入される第1インクの圧力は前記第1インク貯蔵部132に供給される前記第1圧力調節部170によって圧力が調節された圧縮空気によって提供されるが、それによって第1インクが第1ノズル122に供給されると、前記第2圧力調節部180によって圧力が調節された圧縮空気によって前記第1インクが前記第1ノズル122から対象表面に噴射される(S170)。
【0075】
一方、制御部150は前記噴射部からインクを噴射する場合、イメージの特性に基づいて前記対象表面に前記第1ノズル122及び前記第2ノズル124のうち少なくとも一つから対応されるインクの噴射可否と、前記対象表面の特性に基づいてインクが噴射される前記第1ノズル122及び前記第2ノズル124のうち少なくとも一つと前記対象表面との離隔距離を制御する。
【0076】
前記制御部150は前記第1ノズル122及び前記第2ノズル124を同時に、即ち対象表面の特性に基づいて前記噴射部120と前記対象表面との離隔距離を制御する。
【0077】
詳しくは、前記屈曲感知部194によって感知された結果に基づいて前記対象表面の領域内で前記第1ノズル122及び前記第2ノズル124のうち少なくとも一つから対応されるインクが前記対象表面に噴射される前記離隔距離を制御する。
【0078】
よって、前記噴射部120は制御部150によって上下、左右及び前後方向に自動的に位置移動されて望みのイメージを対象表面にプリントする。
【0079】
一方、制御部150は噴射するインクの種類に応じて第1ノズル122及び第2ノズル124を個別に制御するが、つまり制御部150は第2圧力調節部180によって圧力が調節された圧縮空気の前記第1ノズル122及び前記第2ノズル124への供給可否を個別に制御し、前記第1圧力調節部によって圧力が調節された圧縮空気の前記第1インク貯蔵部及び前記第2インク貯蔵部への供給可否を個別に制御して、望みのノズルでのみインクが噴射されるようにする。
【0080】
加えて、対象表面にプリントされるイメージが大きさなどの理由で複数の区間に分けられてプリントされる必要がある場合、制御部150はS170でプリント位置ガイド部192を制御して一つの区間に当たるイメージがプリントされてから次の区間のイメージプリントの際に次の区間のプリント開始位置をガイドするが、それによって区間間のイメージの連続性を具現して全体的なイメージプリントの正確性を向上する。
【0081】
図4は、本発明の一実施例による自動プリント装置の作動手順を示す第2フローチャートである。
【0082】
図4による第2フローチャートは、
図3による第1フローチャートに対し屈曲感知部194による対象表面の屈曲可否の感知ステップが噴射部120からインクが噴射されるステップと同時に行われるということを除いては全てのステップが同じであるため、以下では差があるステップ以外の説明は省略する。
【0083】
自動プリント装置100に電源が印加されると(S210)、圧縮空気部140から圧縮空気が供給され(S220)、供給された圧縮空気は水分除去部160によって水分が除去され(S230)、水分が除去された圧縮空気は第1圧力調節部170によって圧力が調節されてインク貯蔵部130に供給されると共に(S242)、第2圧力調節部180によって圧力が調節されて噴射部120に供給される(S244)。
【0084】
次に、制御部150は対象表面にプリントするイメージと対応して噴射部120の位置移動を制御するが、前記制御部150によって制御された前記噴射部120は対象表面にインクを噴射する(S252)。
【0085】
この際、前記噴射部120の精密な位置制御のために前記制御部150は屈曲感知部194が対象表面の屈曲可否を感知するようにするが(S254)、結局、本発明による自動プリント装置100は噴射部120からインクが噴射されながら噴射の正確性を向上するために対象表面に対する特性を感知しながら噴射作業を行うようになる。
【0086】
図5は、本発明の一実施例による自動プリント装置に提供される噴射部の洗浄過程を示すブロック構成図である。
【0087】
図5を参照すると、本発明による自動プリント装置100は一つのイメージをプリントしてから他のイメージをプリントする場合、またはノズルの詰まりを防止するように定期的に噴射部120を洗浄するために洗浄部210を含む。
【0088】
前記洗浄部210は前記噴射部120に洗浄水の一種であるアルコールを圧送するが、前記噴射部120の第1ノズル122及び第2ノズル124のうち少なくとも一つに圧送された前記アルコールによって前記第1ノズル122及び前記第2ノズル124のうち少なくとも一つは他のイメージをプリントするために、または詰まりを防止するために洗浄される。
【0089】
図6は、本発明の一実施例による自動プリント装置に提供されるインク貯蔵部の残留インクを回収する過程を説明するためのフローチャートである。
【0090】
図6を参照すると、本発明による自動プリント装置100は一つのイメージをプリントしてから他のイメージをプリントする場合、イメージをプリントするためのインクが貯蔵されたインク貯蔵部130に残っている残留インクが回収部220に回収されるようにするための調節バルブ300を含む。
【0091】
前記調節バルブ300は圧縮空気部140から前記インク貯蔵部130及び前記噴射部130への前記圧縮空気の提供可否を調節するが、前記インク貯蔵部130に残っている残留インクを回収する場合、前記調節バルブ300によって前記圧縮空気部140から前記インク貯蔵部130及び前記噴射部120への圧縮空気の供給が遮断される。
【0092】
この場合、前記圧縮空気部140は前記インク貯蔵部130及び前記噴射部120に圧縮空気を供給することではなく前記回収部220に向かって空気が吸入されるようにし、前記インク貯蔵部130と前記回収部220を連通するサクションホースを介して前記残留インクが前記回収部220に流入される。
【0093】
前記では本発明による実施例を基準に本発明の構成と特徴を説明したが本発明がこれに限られることはなく、本発明の思想と範囲内で多様に変更または変形が可能であることは本発明の属する技術分野の当業者にとって明白であり、よってこのような変更または変形は添付した特許請求の範囲に属することを明らかにする。
【符号の説明】
【0094】
100:自動プリント装置
110:フレーム
120:噴射部
130:インク貯蔵部
140:圧縮空気部
150:制御部
160:水分除去部
170:第1圧力調節部
180:第2圧力調節部
【国際調査報告】