(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-539800(P2016-539800A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】バイオマスを用いたペレット製造システム及び製造方法
(51)【国際特許分類】
B09B 3/00 20060101AFI20161125BHJP
C10L 5/46 20060101ALI20161125BHJP
B09B 5/00 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
B09B3/00 301C
C10L5/46ZAB
B09B3/00 303M
B09B3/00 303E
B09B5/00 C
B09B5/00 L
B09B5/00 Q
B09B5/00 Z
B09B3/00 301W
B09B3/00 301Z
B09B3/00 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-550446(P2016-550446)
(86)(22)【出願日】2015年2月16日
(85)【翻訳文提出日】2016年3月10日
(86)【国際出願番号】KR2015001560
(87)【国際公開番号】WO2016047877
(87)【国際公開日】20160331
(31)【優先権主張番号】10-2014-0128577
(32)【優先日】2014年9月25日
(33)【優先権主張国】KR
(31)【優先権主張番号】10-2015-0013976
(32)【優先日】2015年1月29日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】516073440
【氏名又は名称】コ、ジョン ソン
【氏名又は名称原語表記】KO,Jong Seong
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】コ、ジョン ソン
【テーマコード(参考)】
4D004
4H015
【Fターム(参考)】
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4H015CB01
(57)【要約】
【課題】バイオマスを用いたペレット製造システム及び製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、一般家庭やレストランなどから大量に放出される生ゴミ、人糞及び家畜動物から発生する排泄物などの糞尿、及び廃棄処分木材類などで構成されるバイオマスを用いてペレットを製造するためのもので、各種廃棄物及び生ゴミを入れる袋などのビニール類や廃ビニール類、屑鉄などを選別除去して得るバイオマスを用いたペレット製造システム及び製造方法を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃木材、古着、紙くず、廃合成樹脂類、生ゴミ及び生ゴミを収容するゴミ袋、廃ビニール、屑鉄類などの廃棄物が第1コンベヤーによって移送されながら、前記廃棄物に含まれている屑鉄類を選別除去する屑鉄類選別工程(S10)と、
前記屑鉄類選別工程(S10)を経て、前記第1コンベヤーにより移送される廃棄物の中に含まれている廃ビニール類、及び各種ゴミを入れるゴミ袋などのビニール類を除去する廃ビニール破砕及び分離工程(S20)と、
前記廃ビニール破砕及び分離工程(S20)を経た廃棄物を適正サイズに破砕する破砕工程(S30)と、
前記破砕工程(S30)を経た廃棄物の中でも、廃木材、古着、紙くず、廃合成樹脂類を10cmの間隔で切断及び粉砕し、その切断された廃棄物を全体重量に対して10%重量部の割合で準備し、前記廃棄物に生ゴミ、骨、毛、人糞、糞尿を全体重量に対して30%重量部の割合で混合する一次混合段階(S40)と、
前記一次混合段階で混合された一次混合物をスチーム加熱機によって80℃の温度で加熱し、攪拌する一次攪拌段階(S50)と、
前記一次攪拌段階で攪拌された一次混合物に、全体重量に対して50%重量部の石炭及び黒鉛と10%重量部の黄土を混合する二次混合段階(S60)と、
前記二次混合段階で混合された二次混合物と、前記一次混合物とを攪拌する二次攪拌段階(S70)と、
前記二次攪拌段階を経た混合物に100℃のアスファルトを注入混合するアスファルト注入及び攪拌段階(S80)と、
前記アスファルト注入及び攪拌段階を経た混合物を押出機を用いて押出するが、押出ダイスの先端側に、黒鉛と脱アスファルト油を混合してなる脱アスファルト油を塗布する脱アスファルト油塗布及び押出段階(S90)と、
前記脱アスファルト油塗布及び押出段階を経て押出されるペレットの表面に、アスファルトと石炭を混合してなるコーティング剤を用いてコート処理するコーティング段階(S100)と、
前記コーティング段階を経たペレットが金型を通過するようにして、様々な模様の形状に成形されるようにする成形段階(S110)と、
前記成形段階を経て固形化されるペレットを切断する切断段階(S120)とを含んでなることを特徴とする、バイオマスを用いたペレット製造方法。
【請求項2】
前記一次混合攪拌機(80)側に連結される移送コンベヤー(51)は、有・無機物ゴミ分類機で分類された無機物ゴミが移送されるようにし、前記第2コンベヤー(40)を介して流動するゴミの中で、有・無機物ゴミ分類機を介して分類された有機物ゴミは、他の移送ラインに分岐するようにして、一次混合攪拌機(80)の上端側または移送コンベヤー(51)の上面に混合割合に応じて投入されるか或いは落下して一次混合攪拌機(80)側に流入するようにガイドすることを特徴とする、請求項1に記載のバイオマスを用いたペレット製造方法。
【請求項3】
前記廃ビニール破砕及び分離工程(S20)で破砕された廃ビニールの浮遊のために、前記第1コンベヤーの下方側に空気を吹き込む送風手段を備えることにより、送風供給工程が行われるようにすることを特徴とする、請求項1に記載のバイオマスを用いたペレット製造方法。
【請求項4】
前記廃ビニール破砕及び分離工程(S20)を経た廃棄物の中から、生ゴミと糞尿を含む有機物ゴミと、廃木材、紙くず、廃合成樹脂類を含む無機物ゴミを分類選別するゴミ分類工程(S21)をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のバイオマスを用いたペレット製造方法。
【請求項5】
廃棄物を投与するためのホッパー(10)と、
前記ホッパー(10)から供給される廃棄物を移送するための第1コンベヤー(20)と、
前記第1コンベヤー(20)の先端側の上方に備えられ、屑鉄類などを選別するための屑鉄選別機(70)と、
前記第1コンベヤー(20)の後端側の上方に備えられるビニール類破砕及び分離機(30)と、
前記第1コンベヤー(20)の後端側から落下する廃棄物を受け入れて前進移送させる第2コンベヤー(40)と、
前記第2コンベヤー(40)の後端に備えられる破砕機(50)と、
廃木材、古着、紙くず、廃合成樹脂類及び生ゴミなどをそれぞれ投入して混合、攪拌する一次混合攪拌機(80)と、
前記一次混合攪拌機(80)で攪拌された一次混合物に黒鉛及び石炭と黄土を投入して混合攪拌する二次混合攪拌機(90)と、
前記二次混合攪拌機(90)を介して排出される二次混合物にアスファルトを注入するアスファルト注入機(100)と、
前記アスファルト注入の完了した二次混合物を押出する押出機(110)と、
前記押出機(110)の先端側に備えられる黒鉛及び脱アスファルト油混合注入機(120)と、
前記黒鉛及び脱アスファルト油混合注入機(120)で混合処理された二次混合物が押出機(110)を介して排出されるペレットの表面に、アスファルトと石炭を混合してなるコーティング剤を用いてペレットの表面コート処理を行うコーティング機(130)と、
前記コーティング機(130)を介して排出されるペレットが注入され、様々形状に成形されるようにする金型(140)と、
前記金型(140)を介して得られた適正な形状の固形物を適正サイズに切断処理する切断機(150)とを含んでなることを特徴とする、バイオマスを用いたペレット製造システム。
【請求項6】
前記屑鉄選別機(70)は磁石体からなることを特徴とする、請求項5に記載のバイオマスを用いたペレット製造システム。
【請求項7】
前記ビニール類破砕及び分離機(30)は、駆動モーター(31)により駆動される回転軸(32)上に装着されるもので、多数のフック(34)を有する破砕機(33)、並びに前記破砕機(33)のフック(34)とフック(34)との間を通過する分離フック(36)を多数有し且つ従動軸(37)を有する分離機(35)を備え、前記駆動モーター(31)により、前記回転軸(32)と従動軸(37)は動力伝達手段たるベルトまたはチェーンから選ばれる手段で連動回転するようにすることを特徴とする、請求項5に記載のバイオマスを用いたペレット製造システム。
【請求項8】
前記分離機(35)の分離フック(36)は、破砕機(33)のフック(34)の間に掛けられている生ゴミビニール袋を受け取り、外部へ回転排出させてビニール排出コンベヤー(38)を介して別途回収されるようにすることを特徴とする、請求項7に記載のバイオマスを用いたペレット製造システム。
【請求項9】
前記第1コンベヤー(20)と前記第2コンベヤー(40)との間に落差を置いて架橋コンベヤー(22)をさらに備えることを特徴とする、請求項5に記載のバイオマスを用いたペレット製造システム。
【請求項10】
前記架橋コンベヤー(22)と前記第2コンベヤー(40)との間に傾設される傾斜案内部(23)をさらに含むことを特徴とする、請求項9に記載のバイオマスを用いたペレット製造システム。
【請求項11】
前記第1コンベヤー(20)の後端の下方側と前記第2コンベヤー(40)の先端の下方側にそれぞれ送風部(60)を備えることを特徴とする、請求項5に記載のバイオマスを用いたペレット製造システム。
【請求項12】
前記第1及び第2コンベヤー(20、40)に多数の通孔(21、41)が設けられることを特徴とする、請求項11に記載のバイオマスを用いたペレット製造システム。
【請求項13】
前記コーティング機(130)内の内周面は螺旋状に形成されることを特徴とする、請求項5に記載のバイオマスを用いたペレット製造システム。
【請求項14】
前記第2コンベヤー(40)を経た有・無機物ゴミから有機物ゴミと無機物ゴミを選別するための有・無機物ゴミ分類機(71)を備え、有機物ゴミは移送コンベヤー(51)側へ移送されて一次混合攪拌機(80)側に流入するようにし、無機物ゴミは破砕機(50)側に移送されて破砕された後、一次混合攪拌機(80)側に流入するようにすることを特徴とする、請求項5に記載のバイオマスを用いたペレット製造システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭やレストランなどから大量に放出される生ゴミ、人糞及び家畜動物から発生する排泄物などの糞尿、及び廃棄処分木材類などで構成されるバイオマスを用いてペレットを製造するためのもので、各種の廃棄物及び生ゴミを入れる袋などのビニール類や廃ビニール類、屑鉄などを選別除去して得るバイオマスを用いたペレット製造システム及び製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
エネルギー及び環境問題の深刻化に伴い、化石燃料資源を代替することが可能なバイオマス(Biomass)への関心が急浮上しており、あたりでよく見かけられるゴミや穀物、農業副産物などのバイオマス資源がエネルギー及び環境問題を解決する現実的な代案として浮き彫りにされている。このようなバイオマスは、自然界に存在する有機物であって、人類が長い間、食糧やエネルギー、建築資材、生活用品などに使用してきた代表的な資源であるが、石油などの化石燃料に隠されてその価値を認められなかった。ところが、最近、バイオマスは、再生可能なエネルギーとしてだけでなく、各種の石油化学ベースの製品を代替することが可能な潜在力を持つものと評価されている。
このようなバイオマスの種類は、微生物、動植物及び各種人間活動の副産物または一般ゴミなど非常に多様であるが、代表的には穀物、木材(廃木材、伐採残渣など)、動物の糞尿、生ゴミ、有機性下水/廃水スラッジなどが挙げられる。
【0003】
一方、バイオマス(例えば、廃木材、スラッジなど)や廃製紙スラッジ等は多量の水分が含有されるが、例えば、廃木材の場合には20重量%以上が水分であり、廃製紙スラッジの場合には70重量%以上が水分であって、前記廃木材や廃製紙スラッジなどを固体燃料としてリサイクルするためには、粉砕過程だけでなく、脱水過程を経なければならない。脱水は脱水機または熱風乾燥(または自然乾燥)などによって行われるが、このような方法は、含水率を下げるには限界があるうえ、長い時間がかかる。
【0004】
また、未加工バイオマスは、素材内部の空隙率が非常に高いため、体積が大きくなって輸送効率に劣り、発熱量が少ないという問題点を持っているので、付加価値の高いものへの転換技術の開発が望まれている。
このようなバイオマスを熱エネルギー源として利用するための方法としては、従来から広く知られている炭化物焼成の他に、ペレット製造技術やオガライト製造技術などが挙げられるが、ペレットやオガライトは、木質の内部に含有された自由水を蒸発過程によって脱水させ、輸送性及び燃焼性を向上させた圧密燃料と見られる。
【0005】
しかし、これらの従来の木質系バイオマス固形燃料は、石炭コークスに比べて十分な発熱量を持ち難く、硬度性能に対しても十分でないため、鋳物製造や製鉄において石炭コークスと混合燃焼する際に炉内の環境に耐えずに破壊/燃焼され、代替コークスとしての機能を発揮することは困難であった。
【0006】
バイオマス中には、木質系バイオマスに比べて水分量が多く、空隙の大きい固形燃料としての利用にあまり適さないため利用していないまま処理される草本系バイオマス(草、ヒマワリなど)や食品廃棄物系バイオマス(おから、籾殻など)が存在しており、このようなバイオマスを有効に利用するための手法が模索される。
【0007】
また、このようなバイオマスを用いたペレットを製造する際に、生ゴミを入れるビニール類のゴミ袋や廃ビニール類などは、ペレット製造のための材料として活用できず、選別して回収しなければならないが、その回収作業が容易ではないため、作業効率性に劣るという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、生ゴミや人糞、動物の糞尿、籾殻、おがくず、廃木材類などを廃棄処分することなく、熱効率性に優れたペレット固体燃料を得ることを目的とする。
また、本発明は、ペレット製造の際に、廃棄物内に含まれている屑鉄や廃ビニール類などを前もって除去することにより、製造されるペレットの信頼性及び作業効率性を高められるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、バイオマスを用いたペレット製造システム及び製造方法を提供するが、投与されるバイオマスに含まれている屑鉄類や廃ビニール類などを前もって選別、検出した後、ペレット製造システムへ供給されるようにした。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、生活上で排出される各種ゴミなどを含む産業廃棄物としてのバイオマスを用いて、燃料化するためのペレット形態の固体燃料を製造することができるようにするが、こうして生産される固体燃料の熱効率性及び発火性を高めることができ、燃焼効率に優れたペレットを得ることができるという効果を奏する。
【0011】
また、本発明は、ペレット製造のために投与される廃棄物、すなわちバイオマスに含まれている屑鉄類や廃ビニール類などを前もって除去して作業者の作業効率性を増大させ、ペレット製造及びその方法における信頼性及び効率性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明のペレット製造方法を示す工程流れ図である。
【
図2】本発明に適用されるもので、廃棄物をペレットに製造するための前処理過程での概括的な装置を示す図である。
【
図3】有・無機物ゴミ分類機を適用したもので、ペレットを製造するための前処理過程での装置を示す図である。
【
図4】
図2または
図3における前処理装置を通過した有・無機物ゴミが混合され、撹拌処理されてペレット形態で製造されるようにする装置を示す概略図である。
【
図5】本発明に適用されるビニール類の破砕及び分離機を示す斜視図である。
【
図6】
図5のビニール類破砕及び分離機を上方から見た概略平面図である。
【
図7】本発明に適用される第1及び第2コンベヤーに、送風手段により供給される外気が通過できるように通孔が形成されたことを示す斜視図である。
【
図8】本発明に適用される混合攪拌機を示す概略断面図である。
【
図9】本発明に採用される押出機の先端側を通過する排出物を切断機によって一定の大きさに切断することにより、完成したペレットを得ることを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、廃棄物などから屑鉄や廃ビニールなどを選別する選別過程を経たバイオマスを用いたペレットの製造方法及び製造システムを提供する。
本発明は、廃棄物(以下、「バイオマス」と総称する。)などから屑鉄類及び廃ビニール類を選別する選別部と、前記選別部を介して得られるバイオマスを用いたペレット製造部とを含んでなる。
まず、バイオマスを用いたペレット製造方法について説明する。
【0014】
廃木材、古着、紙くず、廃合成樹脂類、生ゴミ及び生ゴミを収容するゴミ袋、廃ビニール、屑鉄類などの廃棄物が第1コンベヤーによって移送されながら、前記廃棄物に含まれている屑鉄類を選別除去する屑鉄類選別工程(S10)と、
前記屑鉄類選別工程(S10)を経て、第1コンベヤーにより移送される廃棄物の中に含まれている廃ビニール類や、各種ゴミを入れるゴミ袋などのビニール類を除去する廃ビニール破砕及び分離工程(S20)と、
前記廃ビニール破砕及び分離工程(S20)を経た廃棄物を適正サイズに破砕する破砕工程(S30)と、
前記破砕工程(S30)を経た廃棄物の中でも廃木材、古着、紙くず、廃合成樹脂類を10cmの間隔で切断及び粉砕し、その切断された廃棄物を全体重量に対して10%重量部の割合で準備し、前記廃棄物に生ゴミ、骨、毛、人糞、糞尿を全体重量に対して30%重量部の割合で混合する一次混合段階(S40)と、
前記一次混合段階で混合された一次混合物をスチーム加熱機によって80℃の温度で加熱し、攪拌する一次攪拌段階(S50)と、
前記一次攪拌段階で攪拌された一次混合物に、全体重量に対して50%重量部の石炭及び黒鉛と10%重量部の黄土を混合する二次混合段階(S60)と、
前記二次混合段階で混合された二次混合物と、前記一次混合物とを攪拌する二次攪拌段階(S70)と、
前記二次攪拌段階を経た混合物に100℃のアスファルトを注入混合するアスファルト注入及び攪拌段階(S80)と、
前記アスファルト注入及び攪拌段階を経た混合物を押出機を用いて押出するが、押出ダイスの先端側に、黒鉛と脱アスファルト油を混合してなる脱アスファルト油を塗布する脱アスファルト油塗布及び押出段階(S90)と、
前記脱アスファルト油塗布及び押出段階を経て押出されるペレットの表面に、アスファルトと石炭を混合してなるコーティング剤を用いてコート処理するコーティング段階(S100)と、
前記コーティング段階を経たペレットが金型を通過するようにして、様々な模様の形状に成形されるようにする成形段階(S110)と、
前記成形段階を経て固形化されるペレットを切断する切断段階(S120)とを含んでなることを特徴とする。
【0015】
前記屑鉄類選別工程(S10)は、廃棄物が投与されるホッパー10側から供給されて移送される第1コンベヤー20の先端側の上方に位置する屑鉄選別機70を介して屑鉄類が選別される過程を経るが、前記屑鉄選別機70は、磁石体からなり、廃棄物中に含まれている屑鉄類を屑鉄選別機70の磁力を利用して上方側に強制抽出する。
前述のように屑鉄類選別工程(S10)を経て第1コンベヤー20により移送される廃棄物には、前述した木材類や生ゴミ、生ゴミを入れるビニール袋、または廃ビニールなどが存在しうるが、ペレット製造のためにはこのような廃ビニールは選別処理されなければならない。
このために、本発明では、第1コンベヤー20の後端側にビニール類破砕及び分離機30を備えるので、廃ビニール類を除去するための廃ビニール破砕及び分離工程(S20)を経る。
【0016】
本発明における廃ビニール破砕は、生ゴミなどを入れるビニール類などを破くことによりその内容物が外部に表出されるようにして、生ゴミ袋の解体がなされるようにしたとともに、ビニール状態の廃ビニールも同時に除去できるようにした。
【0017】
また、廃ビニール破砕及び分離工程(S20)における廃ビニール分離の容易性のために、第1コンベヤー20の下方側から外気を供給する送風部を備えることにより、外気が第1コンベヤー20を通過するために第1コンベヤー20に無数の通孔が設けられることが好ましい。
【0018】
このように廃ビニール破砕及び分離工程(S20)を経た廃棄物は、さらに無機物ゴミと有機物ゴミに分類することができる(S21)。
例えば、前記廃ビニール破砕及び分離工程(S20)を経た廃棄物の中から、生ゴミと糞尿を含む有機物ゴミと、廃木材、紙くず、廃合成樹脂類を含む無機物ゴミを分類して選別する有・無機物ゴミ分類装置を介してゴミを分類した後、無機物ゴミは、第1コンベヤー20の先端側に移送され、前記第1コンベヤー20の先端側に備えられる破砕機50を介して適正サイズに破砕する破砕工程(S30)を経るようにすることができる。
【0019】
前記一次混合段階(S40)は、前記破砕工程(S30)を経て一定の大きさ以下(好ましくは、10cm以下の間隔)で切断破砕された廃棄物を全体重量に対して10%重量部の割合で準備した後、前記切断及び粉砕された廃棄物に分類された生ゴミ、破砕された骨、毛、人糞、糞尿などの有機物ゴミを全体重量に対して30%重量部で準備して混合する過程を経る。
【0020】
前記一次攪拌段階(S50)は、前記一次混合段階(S40)で混合された一次混合物をスチーム加熱機によって80℃の温度で加熱し、攪拌する段階を意味する。前記スチーム加熱機を用いた加熱によって攪拌と同時に一次混合物間の吸着がよく行われ得る。
【0021】
前記二次混合段階(S60)は、前記一次攪拌段階(S50)によって攪拌された一次混合物に、全体重量に対して50%重量部の石炭及び黒鉛と10%重量部の黄土を二次混合して二次混合物を準備するが、このような石炭及び黒鉛と黄土の混合は、前記一次攪拌段階(S50)で得た一次混合物と混合攪拌されるときに吸着効率性を増大させることができる。
【0022】
前記二次攪拌段階(S70)は、前記二次混合物と、前記一次混合物とをスチーム加熱機を用いて80℃以上の温度に維持しながらスチーム加熱し、攪拌する段階であり、前記アスファルト注入及び攪拌段階(S80)は、前記二次攪拌段階(S70)を経た混合物に100℃のアスファルトを注入混合する段階をいう。
【0023】
前記脱アスファルト油塗布及び押出段階(S90)は、前記アスファルト注入及び攪拌段階を経た混合物を押出機を用いて押出するが、押出ダイスの先端側に、石炭及び黒鉛と脱アスファルト油を混合してなる脱アスファルト油を塗布する段階である。脱アスファルト油を黒鉛及び石炭と混合すると、脱アスファルト油と黒鉛及び石炭との吸着が行われ、押出ダイスの先端側に粘性のある脱アスファルト油と黒鉛及び石炭との混合物を供給する。この過程で押出ダイスの先端側を介して固形化及び押出されるペレットの外表面に脱アスファルト油と黒鉛及び石炭を供給し、ペレットの外表面を塗布処理することにより、完成した固体燃料たるペレットを得ることができる。
【0024】
前記コーティング段階(S100)は、前記脱アスファルト油塗布及び押出段階(S90)を経て押出されるペレットの表面に、アスファルトと石炭を混合してなるコーティング剤を用いてコート処理する過程を意味する。
【0025】
前記成形段階(S110)は、このように石炭とアスファルトとが混合されてなるゲル状の混合物が外表面に塗布処理され、押出ダイスを介して排出されるペレットを、押出ダイスの先端側に備えられる金型側に注入しながら、金型を介して一定の形状に排出する段階であり、前記金型は、様々な形状及び模様を持つようにし、ペレットを成形することができるようにすることが好ましい。
また、前記成形段階(S110)の金型を介して様々な形状に成形されるペレットは、適正サイズに切断処理する切断段階(S120)を経ることにより、完成したペレットになる。
【0026】
本発明に係るペレット製造装置は、廃棄物を投与するためのホッパー10と、前記ホッパー10から供給される廃棄物を移送するための第1コンベヤー20と、前記第1コンベヤー20の先端側の上方に備えられ、屑鉄類などを選別するための屑鉄選別機70と、前記第1コンベヤー20の後端側の上方に備えられるビニール類破砕及び分離機30と、前記第1コンベヤー20の後端側から落下する廃棄物を受け入れて前進移送する第2コンベヤー40と、前記第2コンベヤー40の後端に備えられる破砕機50と、廃木材、古着、紙くず、廃合成樹脂類及び生ゴミなどをそれぞれ投入して混合、攪拌する一次混合攪拌機80と、前記一次混合攪拌機80で攪拌された一次混合物に黒鉛及び石炭と黄土を投入して混合攪拌する二次混合攪拌機90と、前記二次混合攪拌機90を介して排出される二次混合物にアスファルトを注入するアスファルト注入機100と、前記アスファルト注入の完了した二次混合物を押出する押出機110と、前記押出機110の先端側に備えられる黒鉛及び脱アスファルト油混合注入機120と、前記黒鉛及び脱アスファルト油混合注入機120で混合処理された二次混合物が押出機110を介して排出されるペレットの表面に、アスファルトと石炭を混合してなるコーティング剤を用いてコート処理するコーティング機130と、前記コーティング機130を介して排出されるペレットが注入され、様々形状に成形されるようにする金型140と、前記金型140を介して得られた適正な形状の固形物を適正サイズに切断処理する切断機150とを含んでなる。
【0027】
現場から回収されてきた各種廃棄物が前記ホッパー10側に大量に投入される過程を経るが、前記各種の廃棄物は、廃木材、古着、紙くず、廃合成樹脂類、生ゴミ及び生ゴミを収容するゴミ袋、廃ビニール、屑鉄類などを全て含む廃棄物形態を意味するものであり、本発明によって製造されるペレットには屑鉄類やビニール類などは除外されなければならないため、前記屑鉄類やビニール類などは選別処理する過程を経る。
【0028】
このため、前記ホッパー10から投与される廃棄物を収容しながら前進移送するように備える第1コンベヤー20の先端側(すなわち、廃棄物が投与された後に移送される第1コンベヤーの入口)に、前記廃棄物に含まれる屑鉄類を選別するための屑鉄選別機70を備える。前記屑鉄選別機70は、磁石体から製作することにより、前記廃棄物中の屑鉄類が第1コンベヤー20に沿って移送されるとき、屑鉄選別機700の磁力によってくっ付いて該当屑鉄類が予め選別される過程を経るようにした。
一方、前述のように屑鉄類が屑鉄選別機70によって選別される過程を経て、第1コンベヤー20により移送される廃棄物の中には生ゴミ等入りの生ゴミ袋などのビニール類などが含まれているが、このようなビニール類なども選別処理されなければならない。
【0029】
このため、第1コンベヤー20の後端側の上方に備えられるビニール類破砕及び分離機30は、駆動モーター31により駆動される回転軸32上に装着されるもので、多数のフック34の形状を有する破砕機33、並びに前記破砕機33のフック34とフック34との間を通過する分離フック36を多数有する分離機35を備える。前記回転軸32と、前記分離フック36が備えられる分離機35の従動軸37とは、同一の駆動モーター31によって連動回転するように、プーリーによるベルト又はスプロケットによるチェーンなどで連結して動力を伝達することが好ましい。
【0030】
一方、破砕機33のフック34は、第1コンベヤー20を介して移送される生ゴミなど入りの生ゴミ袋を突き刺して引き裂く過程を経て、生ゴミが外部に表出されるようにした後、破れたた生ゴミ袋はフック34に掛けられて上方に移送された後、前記分離フック36が破砕機33のフック34同士の間に掛けられている生ゴミビニール袋を受け取り、外部へ回転排出させる。このように外部へ回転排出させる生ゴミビニール袋は、別個のビニール排出コンベヤー38を介して別途回収される過程を経るようにした。
【0031】
一方、前記第1コンベヤー20を介して移送される廃棄物、すなわち、屑鉄類やビニール類などが選別された廃棄物は、第2のコンベヤー40側に落下移送されるが、第1コンベヤー20と第2コンベヤー40との間に落差を置いて架橋コンベヤー22をさらに備えることにより、落下する廃棄物の混合過程が行われるようにするとともに、前記架橋コンベヤー22と第2コンベヤー40との間に落下することをガイドするための傾斜案内部23を備えることにより、架橋コンベヤー22から第2コンベヤー40側へ落下する廃棄物に衝撃が伝えられ落下するようにすることが好ましい。
【0032】
このように構成される本発明において、好ましくは、第1コンベヤー20の後端下方側と第2コンベヤー40の先端下方側にそれぞれ送風部60を備え、前記送風部60から供給される外気によって、第1コンベヤー20に沿って移送される廃棄物のうち、前記ビニール類破砕及び分離機30によって破砕されて引き裂かれたビニール類の浮き上がりが発生するようにして、破砕機33のフック34に効果的に掛けられるようにする作用効果と、第2コンベヤー40に落下する廃棄物が前記送風部60の外気供給によって膨らむ現象を維持できるようにした。
【0033】
また、前記送風部60から供給される外気が第1コンベヤー20と第2コンベヤー40を有効に通過するために、前記第1及び第2コンベヤー20、40には多数の通孔21、41が設けられることが好ましい。
【0034】
一方、前記第2コンベヤー40側に最終的に落下処理された廃棄物は、前記第2コンベヤー40の後端に備えられる破砕機50へ移送し、適正サイズに破砕切断処理する。その後、破砕機50を経た廃棄物のうち、廃木材、古着、紙くず、廃合成樹脂類をさらに10cmの間隔で切断及び粉砕し、その切断された廃棄物を全体重量に対して10%重量部の割合で準備し、破砕機50の後端側に備えられる移送コンベヤー51を介して一次混合攪拌機80側に投入し、前記廃棄物に生ゴミ、骨、毛、人糞、糞尿を全体重量に対して30%重量部の割合で混合するために一次混合攪拌機80側に投入する。
【0035】
前記一次混合攪拌機80は、後述する二次混合攪拌機90と同一の構成を持つから、本発明では主に一次混合攪拌機80を基準に説明する。前記一次混合攪拌機80は、上端のモーター81によって回転する軸82の上方側に断面三角形の三角回転板83を備え、前記三角回転板83の下方側に複数の回転板84を備え、下端側に設けられたダンパー85によって開閉可能になる。
前記一次混合攪拌機80側に投与される廃棄物は、生ゴミ類と一般ゴミ類であるが、本発明では、生ゴミ類は生ゴミ、粉砕された骨、毛、人糞、糞尿を含む有機物ゴミと称し、一般ゴミ類は廃木材、古着、紙くず、廃合成樹脂類を含む無機物ゴミと称する。
【0036】
前記有機物ゴミ類は、一次混合攪拌機80側に投与されるゴミの全体重量に対して30%重量部投与されるようにし、無機物ゴミ類は、前述した有・無機物ゴミ分類機71を介して分類選別されるようにすることができる。
このように選別されたゴミの中でも、無機物ゴミは、10cmの間隔で切断装置などを用いて切断した後、粉砕機などを用いて粉砕化する切断及び粉砕過程を経るようにしたもので、一次混合攪拌機80に投与されるゴミの全体重量に対して10%重量部の割合を維持しながら前記一次混合攪拌機80側に投入されるようにする。
【0037】
図3を参照すると、一次混合攪拌機80側に連結される移送コンベヤー51は、有・無機物ゴミ分類機71で分類された無機物ゴミが移送されるようにし、前記第2コンベヤー40を介して流動するゴミの中で、有・無機物ゴミ分類機71を介して分類された有機物ゴミは、別途の移送ラインに分岐するようにして、一次混合攪拌機80の上端側または移送コンベヤー51の上面に適量の混合割合に応じて投入されるか或いは落下して一次混合攪拌機80側に流入するようにガイドすることも可能である。
【0038】
この他にも、
図2に示すように、有機物ゴミ類と無機物ゴミ類を一緒に混合して投入された状態でも処理可能である。この際には有・無機物ゴミ分類機71を経ないので、ホッパー10に最初投与された有機物ゴミと無機物ゴミを、一次混合段階S40で要求される混合割合に応じて投与して処理することが可能である。
【0039】
さらに、一次混合攪拌機80側への前記ゴミの運搬、移送はダクト等を用いて吸入過程を介して行われるが、現場の条件などに応じて選択的適用が可能である。
前述のように一般ゴミ類たる無機物ゴミと生ゴミ類たる有機物ゴミが一次混合攪拌機80側に投与されると、モーター81の回転により、軸82の上端に取り付けられている三角回転板83が回転し、投与される各種ゴミ類が一次混合攪拌機80内から下方側に自由落下して拡散分布されるようにする。
【0040】
次いで、三角回転板83によって拡散分布されるゴミ類は、軸82に隔設される複数の回転板84によって攪拌され、混合された後、一次混合攪拌機80の下端側のダンパー85を介して排出される過程を経るが、前記一次混合攪拌機80で混合攪拌された状態のゴミ類を、本発明では一次混合物と称する。
【0041】
一方、前述した一次混合攪拌機80の内部は加熱して昇温させることが好ましいが、一次混合攪拌機80の内部ではスチーム加熱機86によって80℃の温度で加熱し、ゴミ類が混合攪拌されるようにした。
このように、一次混合攪拌機80で混合された一次混合物は、下端側に設けられたコンベヤー87などの移送手段を介して二次混合攪拌機90の内部に流入する過程を経る。
【0042】
このような二次混合攪拌機90は、前述した一次混合攪拌機80と同一の構造を持つので、モーター81、軸82、三角回転板83、回転板84及びダンパー85の各構成を一次混合撹拌機と同じ名称及び符号で表示した。
【0043】
したがって、一次混合攪拌機80を介して混合攪拌されている一次混合物は、コンベヤー87を介して二次混合攪拌機90側に誘導されて流入するとともに、黒鉛と石炭を全体重量に対してそれぞれ50%重量部、黄土を10%重量部の割合で混合してなる添加物を二次混合攪拌機90側へ別個の移送手段を介して誘導して流入させた。
このように、一次混合攪拌機80を介して混合攪拌処理された一次混合物と、別個の移送手段を介して供給される添加物である黒鉛及び石炭と黄土の混合物とがそれぞれ二次混合攪拌機90に流入した後、モーター81の回転により三角回転板83と回転板84などで攪拌混合処理される過程を経ることになる。
このような黒鉛及び石炭と黄土の混合は、前記一次攪拌段階で得た一次混合物と混合攪拌されるときに吸着効率性を増大させることができる。
【0044】
前述した二次混合攪拌機90においてもスチーム加熱機86を用いて80℃以上の温度を維持しながらスチーム加熱することが好ましい。このような二次混合攪拌機90で混合処理されたゴミを、本発明では二次混合物と称する。
一方、二次混合攪拌機90を介して混合処理された二次混合物にアスファルトを注入する過程を経るが、このために、二次混合攪拌機90で混合処理されて排出される二次混合物が下方側のスクリュー101に落下処理されると、前記スクリュー101に連結されるアスファルト注入機100を介してアスファルトを注入する。
【0045】
通常使用されるアスファルト舗装材料は、製造過程が複雑で製造コストが高いうえ、液体アスファルトの加熱及び液体アスファルトの温度維持のために相当量のエネルギーが必要である。HMAは、その粘度を減少させるためにアスファルト接合剤を加熱するとともに、混合の前に凝集体から水分を除去するために加熱して生産する。アスファルトが高温に維持されない容器を使用すると、アスファルトは硬化してしまう。よって、混合可能な硬さにするためにアスファルトを加熱するが、そのためには更なるエネルギーが必要とされる。
【0046】
凝集体との混合は、一般に、純アスファルトの場合には約300°F(約150℃)、ポリマー変形アスファルトの場合には330°F(℃)、アスファルトセメントの場合には200°F(95℃)で行われる。舗装及び圧縮はアスファルトを十分に加熱しながら行われるべきである。
ここで、前記アスファルト舗装材料は、主に凝集体または充填剤として細かく分解された物質を含む。凝集体または充填剤は、アスファルト組成物の任意の形態で使用でき、アスファルト舗装材料の等級、強度、粗さ及び安定性に応じて選択される。
【0047】
凝集体は形状や大きさが様々ないろいろの材料を含むことができるが、凝集体の例としては、石灰、生石灰、砂、砂利、粉砕された石、スラグ、再生コンクリートなどが挙げられる。一例は、混合物の密度及び強度を向上させるために、ホットミックスアスファルトなどのアスファルトに添加される非常に細かい不活性材料たるミネラル充填剤である。
ミネラル充填剤の例としては、岩粉、スラグ粉、消石灰、水硬性セメント、フライアッシュ、繊維などが挙げられる。
【0048】
本発明において、前記アスファルト注入機100を介して注入されるアスファルトは、このような舗装材料等級アスファルトを用い、二次混合攪拌機90から排出される二次混合物に注入し、攪拌する過程を経て熱量効率性及び撹拌性を増大させる。
前記アスファルトは100℃の温度を維持することが好ましい。
前記押出機110は、前述したように、二次混合攪拌機90を介して排出された二次混合物がスクリュー101に投与された後、アスファルト注入機100を介して注入されるアスファルトが一緒に混合された状態で押出され、固形化されるようにするための構成であって、通常の押出機の構造を採用しても本発明を実施することが可能であるので、押出機110について詳細な構造の説明は省略する。
【0049】
前記押出機110を介して二次混合物が固形化及び押出される過程で、押出機の先端側に脱アスファルト油を塗布するための黒鉛及び脱アスファルト油混合注入機120を介して、黒鉛及び脱アスファルト油を塗布処理する。
前記脱アスファルト油を黒鉛と混合すると、脱アスファルト油と黒鉛との吸着が行われながら押出機の先端側に粘性のある脱アスファルト油と黒鉛の混合物を供給するが、この過程で押出機の先端側を介して固形化及び押出されるペレットの外表面に脱アスファルト油及び黒鉛を供給し、ペレットの外表面を塗布処理することにより、完成した固体燃料たるペレットを得ることができる。
【0050】
一方、前述のように黒鉛と脱アスファルト油との混合物が外表面に塗布処理され、押出ダイスを介して排出される固形物は、押出機110及びその先端部側に備えられるコーティング機130を通過しながら、前記固形物の外表面にコーティング剤がコート処理されるようにする。
前記コーティング剤は、アスファルトと石炭を混合してなるコーティング剤を用いることができる。
前記コーティング剤が供給されるコーティング機130は、アスファルトと石炭でゲル化されて混合された状態のコーティング剤が投入される注入口131を備えるが、内周面に螺旋状の溝を形成することにより、固形物化されたペレットが通過するときにそのペレットの外表面をコート処理する。
【0051】
また、前記コーティング機130の内周面に螺旋状の溝を形成するのとは別に、コーティング機130の内部に注入口131を介して注入されるコーティング剤が充填されるようにした状態で、前記固形化されたペレットが通過するようにしてコート処理することもできる。
このようなコーティング機130の実施形態は、作業条件及び環境に応じて選択的に適用可能である。
【0052】
一方、前記コーティング機130によって外表面がコート処理されて排出されるペレットを、コーティング機130の先端側に設けられる金型140の内部に流入するようにして、一定の模様及び形状に成形されるようにした後、排出されるようにした。
前記金型140は、様々な変形または変更によりペレットの形態を多様に成形することができるであろう。
また、前記金型140を介して様々な形態に成形されるペレットを、固形化された状態で、その金型140の先端側に形成される切断機150によって適正サイズのペレット形態に切断処理することにより、完成した形態を有する固形体のペレットを得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、一般家庭やレストランなどから大量に放出される生ゴミ、人糞及び家畜動物から発生する排泄物などの糞尿、及び廃棄処分木材類などで構成されるバイオマスを用いてペレットを製造するためのもので、各種の廃棄物及び生ゴミを入れる袋などのビニール類や廃ビニール類など、屑鉄などを選別除去して得るバイオマスを用いたペレット製造システム及び製造方法を提供することにより、産業現場及び一般家庭から発生する各種ゴミなど、例えば有機物ゴミと無機物ゴミを活用してエネルギー源として確保可能なので、産業上の利用可能性に優れると予想される。
【国際調査報告】