(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-539834(P2016-539834A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】一体式多印面の重ね刷り可能なカラー印章
(51)【国際特許分類】
B41K 1/04 20060101AFI20161125BHJP
B41K 1/34 20060101ALI20161125BHJP
B41K 1/46 20060101ALI20161125BHJP
B41K 1/12 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
B41K1/04 A
B41K1/34
B41K1/46
B41K1/12 B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-552654(P2016-552654)
(86)(22)【出願日】2014年5月27日
(85)【翻訳文提出日】2016年5月9日
(86)【国際出願番号】CN2014078576
(87)【国際公開番号】WO2015096384
(87)【国際公開日】20150702
(31)【優先権主張番号】201320850082.X
(32)【優先日】2013年12月23日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516135379
【氏名又は名称】深▲せん▼市万璽科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHENZHEN WANXI TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】陳 凱
(57)【要約】
本発明は、一体式多印面の重ね刷り可能なカラー印章であって、印章ケース(1)と当該印章ケース内に収容された中筐体(2)と、印章ケースと中筐体との間に圧縮されたバネ(3)と、正三角柱又は正四角柱の形状を有する印章本体(4)と駆動機構(5)とを備える。前記印章本体の各側面(41)はそれぞれ異なる色を有する印面(60)であり、前記印面は目的物に重ね刷りされ、カラー図案が印刷される。前記印章は、多印面を一体とし、三色又は四色の半自動式の重ね刷りが可能となり、重ね刷り図案が正確である。前記印章は印面の交換及びインクの充填が可能で、使用が簡便で、携帯しやすいといった有益な効果を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印章ケース(1)と前記印章ケース(1)に収容された中筐体(2)と前記印章ケースと前記中筐体との間に圧縮されたバネ(3)とを備える一体式多印面の重ね刷り可能なカラー印章であって、
正三角柱又は正四角柱形状の印章本体(4)と駆動機構(5)とをさらに備え、前記正三角柱又は正四角柱形状の印章本体(4)の各側面(41)はそれぞれ異なる色を有する印面(60)であり、固定軸(7)は、前記印章本体(4)の互いに平行する二つの端面(42)の中心を貫通し、前記固定軸(7)の両端はそれぞれ、中筐体(2)の両側の立て壁における縦溝(20)を貫通して、前記印章ケース(1)の下部における両側の立て壁に支持されていることで、前記中筐体(2)内において前記印章本体(4)が掛設され、前記駆動機構(5)は、前記固定軸(7)の両端に取り付けられ、前記印章本体(4)の一つの端面(42)には、駆動機構(5)のラチェット歯車(510)又は歯車(581)が固設され、前記ラチェット歯車(510)又は歯車(581)に噛み合うことで前記印章本体(4)を回転させるラチェット爪(512)又はラック(200)が中筐体(2)に固設され、前記印章ケース(1)が押されていない場合に、バネ(3)が緩み状態にあり、前記印章本体(4)の一色の印面(60)を下向きにし、前記印章ケースが押下された場合に、バネ(3)が圧縮され、前記印章本体(4)は、前記色の印面(60)が目的物に印刷されるまで、固定軸(7)と共に中筐体(2)の両側の立て壁における縦溝(20)に沿って下へ移動し、前記印章ケースの押下が解除された後、印章本体(4)が固定軸(7)と共に上へ移動し、それと共に、駆動機構(5)は、前記印章本体(4)の別の色の印面(60)が下向きになるまで、当該印章本体(4)を固定軸(7)の軸芯周りに回転させ、印章ケース(1)が再び押下された場合に、当該別の色の印面(60)が、目的物の既に印刷された印刷図案に重ね刷りされ、これらが繰り返されることにより、三色又は四色の印面(60)が重ね刷りされることで、目的物にカラーの印刷図案が表示されるように構成された、一体式多印面の重ね刷り可能なカラー印章。
【請求項2】
前記駆動機構(5)は、歯車機構(58)と位置決め輪(59)とを含み、前記歯車機構(58)と前記位置決め輪(59)とはそれぞれ、前記印章本体(4)の中央における固定軸(7)から延出した両端に設けられ、前記歯車機構(58)は、歯車(581)と一方向軸受(582)とを含み、前記一方向軸受(582)は、内周が固定軸(7)に摺動可能に外嵌し、一端面が前記印章本体(4)の端面に固設され、前記歯車(581)は、前記一方向軸受(582)の外周に緊密に外嵌して一体となり、前記歯車(581)と同じ側にある中筐体(2)の縦溝(20)の縦溝壁において、ラック(200)が固設され、前記歯車(58)と前記ラック(200)とが噛み合い、前記印章ケース(1)が押下された場合には、歯車(581)がラックに沿って下へ回転し、一方向軸受(582)の外周を駆動して一方向軸受(582)を回転させるものの、印章本体(4)が回転しておらず、印章ケース(1)への押下が解除された場合には、歯車(581)がラックに沿って上へ回転し、このとき、一方向軸受(582)が回転不能に係止されることで、一方向軸受(582)の内周及び外周が印章本体(4)と共に歯車(581)に従って三分の一又は四分の一の円周を回転し、
前記位置決め輪(59)は、前記印章本体(4)の固定軸(7)の他端に設けられ、前記位置決め輪(59)の管状外壁には、3本又は4本の突縁(590)が均一に分布され、前記突縁(590)の対向する、前記印章ケース(1)の立て壁の端面においては、凹み状の位置決め溝(591)が設けられ、前記印章ケース(1)の立て壁において、前記位置決め溝(591)と対向する部位には、位置決め輪(522)の位置決め溝(591)と嵌合可能な突出した位置決め突縁(12)が設けられている、請求項1に記載の一体式多印面の重ね刷り可能なカラー印章。
【請求項3】
前記歯車(581)とラック(200)との歯数比は、印章本体(4)が正三角柱である場合に、3:1であり、印章本体(4)が正四角柱である場合に、4:1である、請求項2に記載の一体式多印面の重ね刷り可能なカラー印章。
【請求項4】
前記位置決め輪(59)と同じ側における中筐体の縦溝(20)の底部には、当該位置決め輪(59)の突縁(590)と嵌合可能な凹状溝(201)が設けられ、前記印章ケース(1)が押下された場合に、前記印章本体(4)は、固定軸(7)に従い縦溝(20)に沿って下へ移動して縦溝(20)の底部に到達するとき、前記位置決め輪(59)の突縁(590)は、縦溝(20)の凹状溝(201)に嵌入するように構成される、請求項2に記載の一体式多印面の重ね刷り可能なカラー印章。
【請求項5】
前記駆動機構(5)は、ラチェット爪機構(51)と位置決め機構(52)とを含み、前記ラチェット爪機構(51)は、ラチェット歯車(510)とラチェット爪(512)とラチェット爪回復用バネ(513)とを含み、前記ラチェット歯車(510)は、固定軸(7)の一端に固設されることで一体となり、ラチェット爪とラチェット爪回復用バネとが中筐体(2)の内壁に固定され、
前記位置決め機構(52)は、慣性防止用の位置決め輪(522)を含み、前記位置決め輪(522)は、前記印章本体(4)の固定軸(7)の他端に設けられると共に、印章本体(4)の端面に固設され、前記位置決め輪(522)の管状外壁には、3本又は4本の突縁(5220)が均一に設けられ、前記突縁(5220)の対向する、前記印章ケース(1)の立て壁側の端面においては、凹状の位置決め溝(5221)が設けられ、前記印章ケース(1)の立て壁において、前記位置決め溝(5221)に対向する部位には、位置決め輪(522)の位置決め溝(5221)と嵌合可能な突出した位置決め突縁が設けられ、
前記印章本体(4)が、固定軸(7)と共に上へ移動し、ラチェット歯車(510)は、ラチェット爪(512)により回転されるとき、印章本体(4)を固定軸(7)周りに三分の一又は四分の一の円周で回転させることで、前記位置決め溝(5221)には、印章ケース(1)の立て壁における位置決め突縁(12)が嵌入されることで、正確な位置決めを行う、請求項1に記載の一体式多印面の重ね刷り可能なカラー印章。
【請求項6】
前記位置決め機構(52)は、反転防止用の一方向軸受(521)を更に含み、前記反転防止用の一方向軸受(521)の内周が、前記慣性防止用の位置決め輪(522)と同じ側における固定軸(7)に固設され、慣性防止用の位置決め輪(522)は、前記反転防止用の一方向軸受(521)の外周に摺動可能に外嵌すると共に、前記印章本体(4)の端面に固設されている、請求項5に記載の一体式多印面の重ね刷り可能なカラー印章。
【請求項7】
前記位置決め輪(522)と同じ側における中筐体の縦溝(20)の底部には、前記位置決め輪(522)の突縁(5220)と嵌合可能な凹状溝(201)が設けられ、前記印章ケース(1)が押下されるとき、前記印章本体(4)が、固定軸(7)と共に縦溝(20)に沿って下へ移動して、前記縦溝(20)の底部に移動すると、前記位置決め輪(522)における突縁(5220)が縦溝(20)の凹状溝(201)に嵌入する、請求項5に記載の一体式多印面の重ね刷り可能なカラー印章。
【請求項8】
前記ラチェット歯車(510)の歯数は、印章本体(4)が正三角柱である場合に3つであり、印章本体(4)が正四角柱である場合に4つであり、且つ、それぞれ均一に分布するように設定されている、請求項5に記載の一体式多印面の重ね刷り可能なカラー印章。
【請求項9】
位置決め機構(52)が設けられた前記固定軸(7)の一端における、前記印章ケース(1)の立て壁内に挿入する先端部分(71)は、回転不能な平らな形状を有する、請求項5に記載の一体式多印面の重ね刷り可能なカラー印章。
【請求項10】
前記印面(60)がインクを貯留可能な印台(61)に固定されることで一体となり、前記印台(61)が、前記正三角柱又は前記正四角柱形状を有する印章本体(4)の側面(41)に取外し可能に嵌入し、前記印台(61)には、インクを注入するためのインク注入孔(610)がさらに設けられている、請求項5に記載の一体式多印面の重ね刷り可能なカラー印章。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷機の携帯式手動装置に関し、特に、一体式多印面の重ね刷り可能なカラー印章に関する。
【背景技術】
【0002】
現行技術の印章のほとんどは、単一模様及び単一色のものであり、カラー模様の図案を有する印を押すには、複数の異なる色の図案を有する印章を用いて、手動で重ね刷りを行わなければならない。このような手法は、簡便ではなく、図案の印刷効果も劣る。中国実用新案登録の出願番号98233914.3号公報には、「自動反転式印章」の発明が記載され、当該自動反転式印章は、印章ケースと、印章ケース内に配置された中心フレームと、両者の間に圧縮されたバネとを含み、印章は、固定ロッドにより中心フレーム間に固定されていることが開示されている。このような印章は、自動的に反転してインクをつけ、自動的に印章を反転させることができ、携帯しやすい。ただし、当該印章は、一つの印章面しかなく、単色の印刷機能のみが実現可能となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記従来技術における欠点を克服し、一体式多印面の重ね刷り可能なカラー印章を提供することで、従来技術の単一色、手動重ね刷りといった問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題を解決するために、本発明は、一体式多印面の重ね刷り可能なカラー印章を提供し、印章ケースと前記印章ケースに収容された中筐体と前記印章ケースと前記中筐体との間に圧縮されたバネとを備え、
正三角柱又は正四角柱形状の印章本体と駆動機構とをさらに備え、前記正三角柱又は正四角柱形状の印章本体の各側面はそれぞれ異なる色を有する印面であり、固定軸は、前記印章本体の互いに平行する二つの端面の中心を貫通し、前記固定軸の両端はそれぞれ、中筐体の両側の立て壁における縦溝を越え、前記印章ケースの下部における両側の立て壁に支持されていることで、前記中筐体内において前記印章本体が掛設され、前記駆動機構は、前記固定軸の両端に取り付けられ、前記印章本体の一端面には、駆動機構のラチェット歯車又は歯車が固設され、前記ラチェット歯車又は歯車に噛み合うことで前記印章本体を回転させるラチェット爪又はラックが中筐体に固設され、前記印章ケースが押されていない場合に、バネが緩み状態にあり、前記印章本体の一色の印面を下向きにし、前記印章ケースが押下された場合に、バネが圧縮され、前記印章本体は、前記色の印面が目的物に印刷されるまで、固定軸と共に中筐体の両側の立て壁における縦溝に沿って下へ移動し、前記印章ケースの押下が解除された後、印章本体が固定軸と共に上へ移動し、それと共に、駆動機構は、前記印章本体の別の色の印面が下向きになるまで、当該印章本体を固定軸の軸芯周りに回転させ、印章ケースが再び押下された場合に、当該別の色の印面が、目的物の既に印刷された印刷図案に重ね刷りされ、これらが繰り返されることにより、三色又は四色の印面が重ね刷りされることで、目的物にカラーの印刷図案が表示されるように構成されている。
【0005】
前記駆動機構は、歯車機構と位置決め輪とを含み、前記歯車機構と前記位置決め輪とはそれぞれ、前記印章本体の中央における固定軸から延出した両端に設けられ、前記歯車機構は、歯車と一方向軸受とを含み、前記一方向軸受は、内周が固定軸に摺動可能に外嵌し、一端面が前記印章本体の端面に固設され、前記歯車は、前記一方向軸受の外周に緊密に外嵌して一体となり、前記歯車と同じ側にある中筐体の縦溝の縦溝壁において、ラックが固設され、前記歯車と前記ラックとが噛み合い、前記印章ケースが押下された場合には、歯車がラックに沿って下へ回転し、一方向軸受の外周を駆動して一方向軸受を回転させるものの、印章本体が回転しておらず、印章ケースへの押下が解除された場合には、歯車がラックに沿って上へ回転し、このとき、一方向軸受が回転不能に係止されることで、一方向軸受の内周及び外周が印章本体と共に歯車に従って三分の一又は四分の一の円周を回転し、
前記位置決め輪は、前記印章本体の固定軸の他端に設けられ、前記位置決め輪の管状外壁には、3本又は4本の突縁が均一に分布され、前記突縁の対向する、前記印章ケースの立て壁の端面においては、凹み状の位置決め溝が設けられ、前記印章ケースの立て壁において、前記位置決め溝と対向する部位には、位置決め輪の位置決め溝と嵌合可能な突出した位置決め突縁が設けられている。
【0006】
前記歯車とラックとの歯数比は、印章本体が正三角柱である場合に、3:1であり、印章本体が正四角柱である場合に、4:1である。
【0007】
前記位置決め輪と同じ側における中筐体の縦溝の底部には、当該位置決め輪の突縁と嵌合可能な凹状溝が設けられ、前記印章ケースが押下された場合に、前記印章本体は、固定軸に従い縦溝に沿って下へ移動して縦溝の底部に到達するとき、前記位置決め輪の突縁は、縦溝の凹状溝に嵌入するように構成される。
【0008】
前記駆動機構は、ラチェット爪機構と位置決め機構とを含み、前記ラチェット爪機構は、ラチェット歯車とラチェット爪とラチェット爪回復用バネとを含み、前記ラチェット歯車は、固定軸の一端に固設されることで一体となり、ラチェット爪とラチェット爪回復用バネとが中筐体の内壁に固定され、
前記位置決め機構は、慣性防止用の位置決め輪を含み、前記位置決め輪は、前記印章本体の固定軸の他端に設けられると共に、印章本体の端面に固設され、前記位置決め輪の管状外壁には、3本又は4本の突縁が均一に設けられ、前記突縁の対向する、前記印章ケースの立て壁側の端面には、凹状の位置決め溝が設けられ、前記印章ケースの立て壁において、前記位置決め溝に対向する部位には、位置決め輪の位置決め溝と嵌合可能な突出した位置決め突縁が設けられ、
前記印章本体が、固定軸と共に上へ移動し、ラチェット歯車は、ラチェット爪により回転されるとき、印章本体を固定軸周りに三分の一又は四分の一の円周で回転させることで、前記位置決め溝には、印章ケースの立て壁における位置決め突縁が嵌入されることで、正確な位置決めを行う。
【0009】
前記位置決め機構は、反転防止用の一方向軸受を更に含み、前記反転防止用の一方向軸受の内周が、前記慣性防止用の位置決め輪と同じ側における固定軸に固設され、慣性防止用の位置決め輪は、前記反転防止用の一方向軸受の外周に摺動可能に外嵌すると共に、前記印章本体の端面に固設されている。
【0010】
前記位置決め輪と同じ側における中筐体の縦溝の底部には、前記位置決め輪の突縁と嵌合可能な凹状溝が設けられ、前記印章ケースが押下されるとき、前記印章本体が、固定軸と共に縦溝に沿って下へ移動して、前記縦溝の底部に移動すると、前記位置決め輪における突縁が縦溝の凹状溝に嵌入する。
【0011】
前記ラチェット歯車の歯数は、印章本体が正三角柱である場合に3つであり、印章本体が正四角柱である場合に4つであり、且つ、それぞれ均一に分布するように設定されている。
【0012】
位置決め機構が設けられた前記固定軸の一端における、前記印章ケースの立て壁内に挿入する先端部分は、回転不能な平らな形状を有する。
【0013】
前記印面がインクを貯留可能な印台に固定されることで一体となり、前記印台が、前記正三角柱又は前記正四角柱形状を有する印章本体の側面に取外し可能に嵌入し、前記印台には、インクを注入するためのインク注入孔がさらに設けられている。
【0014】
従来技術と比較して、本発明は、多印面を一体化し、三色又は四色の半自動重ね刷りを実現し、重ね刷りの図案が正確、印面の交換及びインクの追加が可能となり、使用が簡便、携帯しやすいといった有益な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明に係る一体式多印面の重ね刷り可能なカラー印章の好適な実施例1の軸測投影の部分断面模式図であり、回転機構5が歯車機構58であり、印章本体4が正三角柱形状を有する。
【
図2】前記実施例1における正投影の左側面模式図である。
【
図3】前記実施例1における正投影の右側面模式図である。
【
図4】前記実施例1における前記印章本体4の左側の軸測投影模式図である。
【
図5】前記実施例1における前記印章本体4の右側の軸測投影模式図である。
【
図6】前記実施例1における前記印章本体4の各部品が分離する状態を示す軸測投影模式図である。
【
図7】前記実施例1における前記慣性防止用の位置決め輪59と印章ケース1のケース壁が開けられた時の軸測投影模式図である。
【
図8】前記実施例1におけるカラー印章の動作原理を示す模式図である。
【
図9】本発明の好適な実施例2におけるカラー印章の軸投影の部分断面模式図であり、駆動機構5が歯車機構58であり、印章本体4が四角柱形状を有する。
【
図10】前記実施例2におけるカラー印章の正投影の左側面模式図である。
【
図11】前記実施例2におけるカラー印章の正投影の右側面模式図である。
【
図12】前記実施例2におけるカラー印章の動作原理を示す模式図である。
【
図13】本発明の好適な実施例3における軸測投影の部分断面模式図であり、回転機構5がラチェット爪機構51であり、印章本体4が四角柱形状を有する。
【
図14】前記実施例3におけるカラー印章の正投影の左側面模式図である。
【
図15】前記実施例3におけるカラー印章の正投影の右側面模式図である。
【
図16】前記実施例3における前記印章本体4の左側軸測投影模式図である。
【
図17】前記実施例3における前記印章本体4の右側軸測投影模式図である。
【
図18】前記実施例3における前記印章本体4の各部品が分離する状態の軸測投影模式図である。
【
図19】前記実施例3におけるカラー印章の動作原理を示す模式図である。
【
図20】本発明の好適な実施例4のカラー印章の軸測投影の部分断面模式図であり、回転機構5がラチェット爪機構51であり、印章本体4が正三角柱形状である。
【
図21】前記実施例4におけるカラー印章の正投影左側面模式図である。
【
図22】前記実施例4におけるカラー印章の正投影右側面模式図である。
【
図23】前記実施例4におけるカラー印章の動作原理を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照し、各好適な実施例に基づいて本発明を更に説明する。
【0017】
図1から
図8を参照し、本発明の好適な実施例1は、一体式多印面の重ね刷り可能なカラー印章であり、印章ケース1と、印章ケース1に収容された中筐体2と、印章ケースと中筐体との間に圧縮されたバネ3とを備え、さらに、三角柱形状の印章本体4と駆動機構5とを備える。印章本体4の三つの側面41のそれぞれは、同一の図案の輪郭を有するものの異なる色を有する印面60であり、固定軸7は、印章本体4の二つの平行な端面の中心を貫通して、固定軸7の両端のそれぞれは、中筐体2の両側における立て壁の縦溝20を越えて印章ケース1の下部における両側の立て壁に支持されることで、印章本体4が中筐体2内において掛けて設けられ、駆動機構5は、固定軸7の両端に取り付けられている。本実施例では、駆動機構5は、歯車機構58と位置決め輪59とを含み、歯車機構58と位置決め輪59とがそれぞれ、印章本体4の中央における固定軸7の延出した両端に取り付けられ、歯車機構58が歯車581と一方向軸受582とを含み、一方向軸受582の内周が固定軸7の一端を摺動可能に外嵌し、一方向軸受582の一端面が印章本体4の端面に固設され、歯車581が一方向軸受582の外周に緊密に外嵌して一体となる。当該歯車581と同じ端部における、中筐体2の縦溝20の縦溝壁には、ラック200が固設され、歯車58とラック200とが噛み合い、歯車581とラック200との歯数比が3:1である。印章ケース1が押下された時、歯車581は、ラックに沿って下へ回転し、一方向軸受582の外周を駆動して一方向軸受582を回転させるが、印章本体4は回転しない。印章ケース1の押下が解除された時、歯車581はラックに沿って上へ回転し、このとき、一方向軸受582が係止され回転不能になるため、一方向軸受582の内外周は印章本体4と共に、歯車581に従って三分の一円周を回転する。
【0018】
図3、
図5及び
図7を参照し、位置決め輪59が印章本体4の他方側における固定軸7に取り付けられ、位置決め輪59の管状外壁には、3本の突縁590が均一に分布され、突縁590の対向する、印章ケース1の立て壁の端面においては、凹み状の位置決め溝591が設けられ、印章ケース1の立て壁において、当該位置決め溝591と対応する部位には、位置決め輪522が設けられた位置決め溝591と嵌合可能な突出した位置決め突縁12が設けられている。印章ケース1の押下が解除されたとき、歯車581がラックに沿って上へ回転し、印章本体4が歯車581に従い三分の一円周を回転することで、位置決め溝591には、印章ケース1の立て壁における位置決め突縁12が嵌入することで、位置決めが正確に行われ、慣性的回転が防止される。
【0019】
位置決め輪59と同じ側における中筐体の縦溝20の底部には、当該位置決め輪59の突縁590と嵌合可能な凹状溝201が設けられ、印章ケース1が押下された場合、印章本体4が、固定軸7と共に縦溝20に沿って下へ、縦溝の底部まで移動する時、位置決め輪59の突縁590が縦溝20の凹状溝201に嵌入する。
【0020】
図6を参照し、印面60は、インクを貯留可能な印台61に固定されることで一体となり、印台61は、三角柱形状を有する印章本体4の側面に取り外し可能に嵌入し、印台61には、インクを注入するためのインク注入孔610がさらに設けられている。
【0021】
図9から
図12を参照し、本発明に係る実施例2は、実施例1とほぼ同様であり、下記の点で相違する。印章本体4が四角柱形状を有し、歯車581とラック200との歯数比は4:1であり、位置決め輪59の管状外壁には、4本の突縁590が均一に分布され、当該突縁590と対応して、印章ケース1の立て壁における位置決め突縁は4つ設けられる。
【0022】
図8及び
図12を参照し、実施例1及び実施例2の動作原理を以下に説明する。
【0023】
1.印章ケース1は押下されていない時、バネ3が緩み状態にあり、印章本体4の一色Aの印面60が下向きになる。印章ケース1が押下された時、バネ3が圧縮され、印章本体4は、歯車581と共にラックに沿って下へ回転し、一方向軸受582の外周を駆動して一方向軸受582を回転させ、印章本体4が回転せず中筐体2の両側の立て壁の縦溝20の底部に移動し、印章本体4の一色Aの印面を目的物に印刷し、この時、位置決め輪59の突縁590が、それと同じ側における縦溝20の凹状溝201に挿入することで、印章本体が印を押す時に移動することがない。
図8及び
図12のaからcに示されている。
【0024】
2.印章ケース1の押下が解除された後、歯車581がラックに沿って上へ回転し、この時、一方向軸受582が係止され回転不能になるため、一方向軸受582の内外周は印章本体4と共に、歯車581に従って回転する。歯車581がラック200の上死点を回転した時、正三角柱形状を有する印章本体1がちょうど120度回転し、四角柱形状を有する印章本体1がちょうど90度回転することになり、印章本体1の別の色Bの印面が下に向き、印面60の変換が実現される。
図8及び
図12のdからeに示されている。
【0025】
3.印章ケース1が再び押下された時、別の色Bの印面60が目的物に既に印刷された図案に重ね刷りされるようになる。このように、重ね刷りが繰り返される。正三角柱形状の印章本体の三色印面の場合、印刷が3回行われる。正四角柱形状の印章本体の四色印面の場合、印刷が4回行われる。三角柱形状の印章本体の色Aから色Cの印面、又は四角柱形状の印章本体の色Aから色Dの印面60がそれぞれ重ね刷りされた後、目的物において、カラーの印刷図案が表示されるようになる。
【0026】
図13から
図19を参照し、本発明に係る好適な実施例3のカラー印章の構造は、実施例2とほぼ同様であり、次の点で相違する。すなわち、駆動機構5は、ラチェット爪機構51と位置決め機構52とを用いて、ラチェット爪機構51は、ラチェット歯車510とラチェット爪512とラチェット爪回復用バネ513とを含み、ラチェット歯車510は、固定軸7の一端に固設されることで一体となり、ラチェット爪とラチェット爪バネは、中筐体2の内壁に固定され、ラチェット歯車510は、均一に分布されている4つの歯を有する。
【0027】
位置決め機構52の慣性防止の位置決め輪522は、四角形状の印章本体4の他端における固定軸7に取り付けられ、印章本体4の端面に固定されている。位置決め輪522の管状外壁には、3つ又は4つの突縁5220が均一に分布され、突縁5220が対向する、印章ケースの立て壁側の端面には、凹み状の位置決め溝5221が設けられ、当該位置決め溝5221と対向する、印章ケース1の立て壁には、位置決め輪522の位置決め溝5221と嵌合可能な突出した位置決め突縁12が設けられている。印章本体4は、固定軸7に従って上へ移動し、ラチェット歯車510がラチェット爪512により回転されると時、印章本体4が固定軸7の周りに四分の一円周を回転するように駆動され、これにより、位置決め溝5221には、印章ケース1の立て壁における位置決め突縁12が嵌入するようになり、位置決めが正確に行われる。
【0028】
図17を参照し、より優れる位置決めの効果を得るために、位置決め機構52は、反転防止可能な一方向軸受521をさらに含み、反転防止可能な一方向軸受521の内周が、慣性防止可能な位置決め輪522と同じ側の固定軸7に固設され、慣性防止用の位置決め輪522は、反転防止可能な一方向軸受521の外周に摺動可能に外嵌していると共に、印章本体4の端面に固設されている。
【0029】
上記の実施例と同様に、位置決め輪522と同じ側の中筐体の縦溝20の底部には、当該位置決め輪522の突縁5220と嵌合可能な凹状溝201が設けられ、印章ケース1が押下された時、印章本体4が固定軸7と共に縦溝20に沿って下へ、その底部まで移動すると、位置決め輪522における突縁5220が縦溝20の凹状溝201内に嵌入する。
図8に示すように、位置決め輪522と同じ側における固定軸7における、印章ケース1の立て壁内に挿入した先端部分71は、回転不能な平らな形状を有する。
【0030】
図18を参照し、印面60がインクを貯留可能な印台61に固設されることで一体化し、印台61は、四角柱形状を有する印章本体4の側面41に取外し可能に嵌入し、印台61には、インクを注入するためのインク注入孔610が更に設けられている。
【0031】
図20から
図23を参照し、本発明の好適な実施例4に係るカラー印章は、前記実施例3と基本的に類似するものであるが、下記の点で相違する。即ち、本実施例4では、印章本体4が正三角柱形状であり、前記ラチェット歯車510には3つの歯が均一に分布し、前記位置決め輪522の管状外壁には3本の突縁5220が均一に分布し、それに応じて、印章ケース1の立て壁における位置決め突縁が4つ設けられている。
【0032】
図9及び
図23を参照し、前記実施例3及び実施例4の動作原理を以下に示す。
【0033】
1.印章ケース1が押圧されていないとき、バネ3が緩み状態にあり、前記印章本体4の一色Aの印面60が下向きになり、前記印章ケース1が下へ押圧されている時、ラチェット爪512がラチェット歯車を回転させず、印章本体4が回転せず印章ケース1と共に中筐体2の両側における立て壁の縦溝20の底部に移動し、印章本体4の一色Aの印面を目的物に印刷し、このとき、位置決め輪522の突縁5220が、それと同じ側における縦溝20の凹状溝201に挿入し、印章本体4が印を押す時に移動することがない。
図19及び
図23のaからcに示されている。
【0034】
2.印章ケース1は、押圧が解除された後、印章本体4が、固定軸7に伴い上へ移動し、ラチェット歯車510がラチェット爪512により回転されることで、印章本体1を回転させ、バネ3が緩み状態に完全に回復したとき、ラチェット爪がラチェット歯車の歯から抜け出し、当該三角柱形状を有する印章本体1がちょうど120度回転し、又は、四角柱形状を有する印章本体1がちょうど90度回転することで、印章本体1の別の色Bの印面を下向きにさせることで、印面61の変換が実現された。
図19、
図23のdからfを参照されたい。
【0035】
3.印章ケース1が再び押下された場合に、別の色Bの印面60が、目的物に既に印刷された図案に重ね刷りされる。上記のように重ね刷りが繰り返される。正三角柱形状の印章本体の三色印面の場合に、印を3回押す必要があり、正四角柱形状の印章本体の四色印面の場合に、印を4回押す必要があり、三角柱の印章本体の色Aから色Cの三色印面、又は印章本体の色Aから色Dの四色印面が重ね刷りされた後、目的物において、カラー印刷図案が表示される。
【国際調査報告】