(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-540143(P2016-540143A)
(43)【公表日】2016年12月22日
(54)【発明の名称】建物における開口部を閉鎖するための装置
(51)【国際特許分類】
E06B 5/16 20060101AFI20161125BHJP
E05D 15/06 20060101ALI20161125BHJP
E06B 3/16 20060101ALI20161125BHJP
E06B 1/16 20060101ALI20161125BHJP
E06B 1/18 20060101ALI20161125BHJP
【FI】
E06B5/16
E05D15/06 117
E06B3/16
E06B1/16
E06B1/18 R
E06B1/18 Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2016-539201(P2016-539201)
(86)(22)【出願日】2014年12月13日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月2日
(86)【国際出願番号】AT2014000221
(87)【国際公開番号】WO2015085336
(87)【国際公開日】20150618
(31)【優先権主張番号】A957/2013
(32)【優先日】2013年12月13日
(33)【優先権主張国】AT
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516172178
【氏名又は名称】ヴァルター デゲルセッガー
【氏名又は名称原語表記】DEGELSEGGER,Walter
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100139549
【弁理士】
【氏名又は名称】原田 泉
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルター デゲルセッガー
【テーマコード(参考)】
2E014
2E034
2E039
【Fターム(参考)】
2E014AA01
2E014BA01
2E014BA05
2E014BB01
2E014BD01
2E034CA00
2E039BA01
2E039BA07
(57)【要約】
本発明は、建物開口部を閉鎖するための装置であって、建物開口部の縁部に強固に取り付けられた面閉鎖要素および/またはフレームが、2つの側部表面(4)によって、リベート面に向けて開口した形材空洞(2、74、78)の境界を定める、フレーム形材(1、29、39、43、72、77、90、94)を有し、形材壁(5、79)が、2つの側部表面(4)の各々から、それぞれの他の側部表面(4)の方向に向かって突出する、装置に関する。前記突出する形材壁(5、79)上において、金属製のカバー板(17、36、68、85、87、106)およびクランプ部(11、35、84、103)は、形材壁(5、79)の介在により、カバー板とクランプ部とがねじ(16、24)により共に引っ張られるように取り付けられる。2つの突出する形材壁(5、79)上において、クランプ部(11、35、84、103)が、いずれの場合にも、溝(6)の両方の側面に当接し、溝(6)の開口表面が、2つの突出する形材壁(5、79)間の連結表面に平行である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物開口部を閉鎖するための装置であって、
前記建物開口部の前記縁部に強固に締結される面閉鎖要素および/またはケーシングが、2つの側部表面(4)によって、前記リベート表面に向けて開口した形材空洞(2、74、78)の境界を定めるフレーム形材(1、29、39、43、72、77、90、94、108、109)を有し、前記2つの側部表面(4)の各々から、形材壁(5、79)が前記それぞれの他の側部表面(4)の方向に突出し、かつ前記形材壁(5、79)間の間隔を橋渡しするとともに、前記形材壁(5、79)の介在により、1つまたは複数のねじ(16、24)により共に引っ張られるカバー板(17、36、68、85、87、106)とクランプ部(11、35、84、103)とが前記突出する形材壁(5、79)に締結される装置において、
前記2つの突出する形材壁(5、79)上において、前記クランプ部(11、35、84、103)が、いずれの場合にも、前記突出する形材壁(5、79)に形成されるとともに開口領域が前記2つの突出する形材壁(5、79)間の連結表面に平行に位置する溝(6)の両方の側面に当接することを特徴とする、装置。
【請求項2】
前記クランプ部(11、35、84、103)が当接する前記領域における前記溝(6)の前記側面間の前記間隔が溝深さの増加につれて狭くなることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記カバー板(17、36、68、85、87)が、前記フレーム形材(1、29、39、43、72、77、90、94)の形材方向に平行に位置する2つの側部表面によって、前記フレーム形材(1、29、39、43、72、77、90、94)に面で当接することを特徴とする、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記カバー板(17、36、68、85、87)が、前記形材壁(5、79)間の連結機能を果たすだけでなく、別の機能も果たす継手(19、65、34、66)の一部であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記クランプ部(11、84、103)および前記カバー板(17、85、106)が、前記フレーム形材(1、39、43、72、77)の機械的安定性を高めるためだけに設けられることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記クランプ部(11、103)の、前記溝(6)に当接する、領域(13)が、前記溝(6)との前記接触表面に歯部(14)を有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記フレーム形材(1、29、39、43、72、77、90、94、108、109)の前記断面領域が、閉鎖された中空室を有さないことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
スライドレール式のドアクローザの摺動ブロック(62)が、前記フレーム形材(1)の前記形材空洞(2)内に配設され、かつ前記フレーム形材(1)の形材壁(5)上を摺動案内されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
別のフレーム形材(29)の前記形材空洞内に、前記スライドレール式のドアクローザの枢動アーム(64)の前記枢動移動のための回転駆動部(65)が配設されることを特徴とする、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記フレーム形材(1)が、前記側部表面(4)に連結するとともに開口(8)のパターンを有する基部表面(3)を有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記開口(8)が、打ち抜き加工または切削加工により形成されることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記開口(8)が、打ち抜き加工により形成されることを特徴とする、請求項10に記載の装置。
【請求項13】
前記フレーム形材(1、29)が、前記側部表面(4)に連結する基部表面(3)を有することと、ねじが前記基部表面(3)を貫通してガラス帯(31)内に延在することとを特徴とする、請求項1〜12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記フレーム形材(1)が、前記側部表面(4)に連結する基部表面(3)を有することと、2つの形材壁(9)が、前記側部表面(4)から間隔を置いてかつ互いに間隔を置いて、前記基部表面(3)から前記形材空洞(2)内に突出することとを特徴とする、請求項1〜13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
遮熱材(38、57、60、107)および/または防火体(37)および/または防火用膨張剤(55)が、前記フレーム形材(1、29、39、43、72、77、90、94)の前記形材空洞(2、74、78)内に配設されることを特徴とする、請求項1〜14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
2つのフレーム形材(29)が、互いに対して留め継ぎ形態で配設されることと、いずれの場合にも互いに対して直角に配向される2つの形材脚部を有する、コーナー用クランプアングル片(25、26)が、いずれの場合にも一方の形材脚部によって各フレーム形材(29)の前記形材空洞に挿入され、前記形材脚部が、締まり嵌めを形成するために、前記フレーム形材(29)の前記側部表面と、前記側部表面に垂直に位置する、形材壁(9、5)とに当接することとを特徴とする、請求項1〜15のいずれか一項に記載の装置。
【請求項17】
2つのフレーム形材(1)が、互いに対して留め継ぎ形態で配設されることと、コーナー用クランプ継手(44)が、前記留め継ぎ表面から始まり、両方のフレーム形材(1)の前記基部表面(3)に沿って延び、前記コーナー用クランプ継手が、前記基部表面(3)に摺動案内されて当接する支持アングル片(45)と、両方のフレーム形材(1)に強固に連結される、張力アングル片(46)と、張力アングル片(46)と支持アングル片(45)との間の前記留め継ぎ平面内に延びるとともに前記2つのアングル片(46、45)のうちの一方におけるナット型ねじ孔にねじ係合する、ねじ(50)とを有することとを特徴とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載の装置。
【請求項18】
隠蔽形材(51、52)が、フレーム形材(1)の前記2つの突出する形材壁(5)間にクランプされることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項19】
前記隠蔽形材(52)が防火用膨張剤(55)を有することを特徴とする、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記隠蔽形材(52)が、前記リベート表面からそらされる前記防火用膨張剤(55)の側に配設される鋼板帯(56)を備えることを特徴とする、請求項19に記載の装置。
【請求項21】
ケーブルチャンネル形材(58)が、前記形材空洞(2)内でクランプされることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか一項に記載の装置。
【請求項22】
煙感知器(66)が、前記フレーム形材(1)の前記形材空洞内に設置されることを特徴とする、請求項1〜20のいずれか一項に記載の装置。
【請求項23】
前記煙感知器(66)は、スロット(69)が貫通して延びるカバー板(68)に連結されることを特徴とする、請求項21に記載の装置。
【請求項24】
前記フレーム形材(1)の前記基部表面(3)が、前記フレーム形材(1)に隣接する前記空間領域に通気ダクトによって連結されることを特徴とする、請求項21または22に記載の装置。
【請求項25】
前記面閉鎖要素が、フレーム形材(90)で作られたフレームであって、コア(32)を取り囲むフレームを有し、コーナー領域において、コア(32)とフレームとの間に、互いに当接するとともに互いに対して変位可能である2つの楔(91、92)により形成されるブロック構成が配設され、かつ前記楔(91)が、ねじ(93)の前記ねじ部と係合するナット型ねじ孔を備えており、前記ねじ(93)の前記頭部が、フレーム形材(90)の前記形材空洞内に位置し、かつ前記ねじボルトが、前記フレーム形材(90)の前記基部表面における孔を貫通して延びることを特徴とする、請求項1〜23のいずれか一項に記載の装置。
【請求項26】
装置が、フレーム形材(77)であって、その側部表面の外側に、別のサブ形材(80、82)が締結される突出する形材壁領域を有するフレーム形材(77)を有し、前記フレーム形材(77)とサブ形材(80、82)との間の前記連結部が、クランプ部(88)と、カバー板(87)と、これらを共に引っ張るねじ(89)とを有し、形材壁が、クランプ部(88)とカバー板(87)との間にクランプされ、かつ前記クランプ部(88)が前記クランプされた形材壁における溝の前記側面に当接することを特徴とする、請求項1〜24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項27】
装置が、フレーム形材(72)であって、その前記2つの側部表面が、独立した個々の一体型形材部(73、76)であり、かつねじ(24)によりクランプ部(22)と相手板(23)が共に引っ張られるとともにいずれの場合にも2つの形材部(73、76)の突出する形材壁(75)を前記クランプ部(22)と前記相手板(23)との間にクランプすることによって互いに連結される、フレーム形材(72)を有し、前記2つの突出する形材壁(75)における前記クランプ部(22)が、いずれの場合にも、前記突出する形材壁(75)に形成されるとともに前記開口領域が前記2つの突出する形材壁(75)間の前記連結表面に平行に位置する溝の両方の側面に当接することを特徴とする、請求項1〜24のいずれか一項に記載の装置。
【請求項28】
前記フレーム形材(108、109)が、互いに平行に配設されるとともに互いにクランプされる2つの側方サブ形材と1つの中央サブ形材(110、111)とを備え、前記2つの側方サブ形材が、金属で作られるとともに互いに接触せず、かつ前記中央サブ形材(110、111)が、特にプラスチックなどの、金属よりもかなり低い熱伝導率を呈する材料で作られることを特徴とする、請求項1〜26のいずれか一項に記載の装置。
【請求項29】
フレームがフレーム形材(94)により形成され、錠ケーシング(19)が、前記フレーム形材(94)のうちの1つの前記形材空洞内に配設され、保持部(96)の表面が、前記錠ケーシング(19)の側部表面と前記フレーム形材(94)の側壁との間に延び、前記錠ケーシング(19)から、ハンドルシャフト(100)が、前記フレームの前記平面に垂直に、ハンドルロゼット(101)を貫通して延び、ねじ(102)が、前記ハンドルロゼット(101)から前記保持部(96)におけるねじ孔(98)へ開口を貫通して延び、前記フレーム形材(94)を貫通する開口(95)および前記ドア扉(42)の前記場合により設けられるコーティングを貫通する開口(61)が、それら開口を貫通して延在する前記ハンドルシャフト(100)の前記断面寸法よりも幅広であり、前記フレーム形材(94)を貫通しかつ前記ドア扉(42)の前記場合により設けられるコーティングを貫通する前記ねじ(102)用の前記開口が、それら開口を貫通して延在する前記ねじ(102)の前記断面寸法よりも幅広であり、かつ前記保持部(96)は、前記ねじ(102)が締め付けられないときに前記フレーム形材内に形状嵌めで適所に保持されることを特徴とする、請求項1〜28のいずれか一項に記載の装置。
【請求項30】
装置が、防火ドアの枢動可能な扉である、前記面閉鎖要素のうちの2つを有し、1つの扉が下層の受動扉でありかつ第2の扉が上層の能動扉であり、かつ前記扉が開閉順序制御装置を有することを特徴とする、請求項1〜29のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーシングと面閉塞要素とを備えるとともに建物開口部を閉鎖するように働く装置であって、建物開口部の縁部に強固に締結される面閉鎖要素および/またはケーシングが、リベート表面(rebate surface)に向けて開口した、空洞を3辺に備えるフレーム形材を有する、装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本文書において、「リベート表面」という表現は、面閉塞要素の平面に少なくともほぼ垂直に配向された表面であって、その表面では、壁開口部が閉鎖されたときに、面閉鎖要素が互いに向かって対向するように位置するか、または面閉鎖要素とケーシングが互いに向かって対向するように位置する、表面を指す。
【0003】
本文書の文脈において、「面閉鎖要素」は、窓扉またはドア扉の動きが案内される方式に関わらず、すなわち、例えば、ドアの場合には、それが枢動ドア、折り畳みドア、スライドドア、組立式ドア、折り畳み式スライドドアなどであるかどうかに関わらず、典型的には窓扉またはドア扉である。
【0004】
特許文献である独国特許出願公開第19509206A1号明細書、独国特許出願公開第19931171A1号明細書、独国実用新案第29812574U1号明細書、欧州特許出願公開第1020605A2号明細書および独国特許第19733415B4号明細書は、枢動ドアまたは窓、いわゆる「全ガラス製の扉」の形態の、扉を開示している。ここでは、互いに平行にかつ互いに間隔を置いて配設される2つのガラス板が、両方の板の縁部に沿って延在するスペーサ形材の介在により互いに接着接合される。更に、ここでは、自由な状態にあるスペーサ形材の側は、いわゆる嵌合溝を備えている。いわゆる「嵌合溝」(その標準化された設計は、技術分野では、時には「ユーロ溝(Eurogroove)」とも称される)は、特に窓フレーム形材の場合に知られている。嵌合溝は、溝側面からの突起により締め付けられる開口領域を有し得る浅い溝である。嵌合溝は、旋回/傾斜および旋回型の窓の場合にプッシュロッドを摺動案内するように、かつ窓板に垂直な方向における継手の位置決めまたは継手用の孔および旋削加工された部分の位置決めを容易にするように働く。それは一般に、穿孔および切削作業を不要にするように働かない。
【0005】
独国特許出願公開第19860217A1号明細書は、ドア扉が、絶縁材で作られた矩形パネル状コアと、例えば金属形材フレームと、2つの外層とで作られ、形材フレームの形材がリベート表面に向けて開口した溝を有する場合に、家庭用ドアとして使用されるように意図される、枢動ドアを開示している。形材フレームは、コアの端部表面においてコアの周囲に延在する。外側表面は、コアとフレーム形材の共通の平面に平行に、コアとフレーム形材の両側に延在し、かつコアと形材フレームの両方に接着接合され、その結果、安定したサンドイッチ構造が形成される。形材フレームの、リベート表面に向けて開口した、溝の開口領域では、いずれの場合にも溝側面に垂直に配向された短い形材壁が2つの溝側面の各々から突出する。意図した使用では、ヒンジ取付部または錠を各溝内に締結することができる。溝側面から突出する形材壁は、おそらく締結補助具として働く。ドア扉の下面では、埃の進入を防止するために、溝が被覆帯によって閉塞される。家庭用ドアとして提案される枢動ドアの高い安定性を実現するために、形材フレームの形材は、非常に大きな寸法を有し、かつドア扉の外層により覆われ、ひいては接着接合される。それにしても、防火ドアを自動的に開閉するものとして使用するには、構造が十分に安定していない。
【0006】
枢動ドアにかかる高い機械的荷重は、枢動ドアの重量によって生じるだけでなく、または枢動ドアが制動に耐えなければならない場合にも生じる。機械的荷重の発生の頻度および深刻度に関する極端な使用状況は、典型的には、防火ドア、特に2つの扉の防火ドアに関する場合のように、安全要件のため、自動開閉機構を有さなければならない枢動ドアの使用状況である。このようなドアの場合に、最も大きな機械的荷重は、ドアが、標準的試験の下で、単一の部分または単一の連結部でさえも機能が確実に果たされない程度に破損することなしに、50万または100万回自動的に引き起こされる開閉サイクルを中断せずに行わなければならないことにある(規定の試験サイクル数は、各国ごとの基準によって決まる)。防火ドアとしての2枚の枢動ドアは、上層の扉(能動扉)が常に下層の扉(受動扉)の後に確実に閉鎖される効果を有さなければならない、閉鎖順序制御だけでなく、能動扉もまた、受動扉が開放されると、閉鎖順序制御が確実に機能することが確実にされる最小開放角度まで少なくとも強制的に開放される効果を有さなければならない、開放順序制御を有さなければならない。特に、開放順序制御の試験の際に、受動扉が外部作動装置により開放され、よって、能動扉がドア内に設置された伝達機構によって少なくとも前記最小開放角度まで自動的に連動して開放される場合には、極めて高い力が、一部の開放角度範囲において好ましくない(死点付近の)てこ比により個々の継手部内にも一時的に作用する。
【0007】
具体的には、このようなドアの場合には、多数の継手部をケーシング内および上ならびに扉上に取り付けなければならず、結果として、別個の孔または切削加工部分を必要としない形材溝内における継手部の迅速で、容易でかつ自由に調節可能な設置の実現が経済的に非常に望ましい。しかしながら、説明した機械的要件により生じる難題により、このことは、これまでは十分に可能ではなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明が基づく主な課題は、窓、ドアまたは玄関口の形態の閉鎖可能な建物開口部用の設計を提案することにあり、建物開口部の縁部に強固に締結された移動可能な閉鎖要素および/またはケーシングは、フレーム形材の断面領域が、リベート表面に向けて開口した、空洞を3辺に備える、フレーム形材を有する。空洞が設けられる既知の設計に対して、実現される設計は、経済性に優れかつ美観的な欠点を受け入れる必要のない改良の以下の組み合わせを可能にするように意図される:
− リベート表面に向けて開口した空洞は、フレーム形材が穿孔または旋削される必要なしに全ての必要な継手を内部に位置決めできるほど大きな断面領域を有することが可能でなければならない。
− 設計は、よって、具体的にはフレーム形材とドア扉の外側表面とでサンドイッチ構造を形成する必要なしに、特に自動開閉順序制御を備えた防火ドアなどの高い機械的荷重を伴う枢動ドアを構築することも可能であるほど高い機械的強度の実現を可能にしなければならない。
【0009】
重要な2次的な課題は、移動可能な閉鎖要素およびケーシングの生産のための作業支出が低くなることを達成するという課題である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
課題を解決するために、設計は、フレーム形材が、断面略U字状に互いに対して配設される3つの境界表面によって、リベート表面に向けて開口した、空洞の境界を定める開始点と見なされ、2つの側部境界表面から、断面視で空洞の幅を局所的に狭める形材壁がいずれの場合にも突出し、突出する形材壁が、2つの突出する形材壁間の空洞を橋渡しするクランプ部と継手部との間にかつクランプ部と継手部とによってクランプされることによって、継手部をクランプ部の助けにより突出する形材壁に締結することができる。
【0011】
本発明による改良として、クランプ部と突出する形材壁との間の連結部および/または継手部と突出する形材壁との間の連結部が、突出する形材壁間の互いに離れる方向へのかつ互いに向かう相対移動を形状嵌めで阻止するように設計されることが提案される。前記形状嵌めでの阻止作用を実現するために、突出する形材壁とクランプ部および/または継手部との間の接触形状は、2つの突出する形材壁上において、クランプ部および/または継手部が、いずれの場合にも、突出する形材壁の各々に形成されるとともに開口領域が2つの突出する形材壁間の連結表面に平行に位置する溝の両方の側面に当接するように設計される。
【0012】
特に好ましい実施形態において、突出する形材壁における前記溝は、クランプ部と継手部が当接する領域における前記溝の側面間の空間が溝深さの増加につれて狭くなるように設計される。したがって、フレーム形材とクランプ部および/または継手部との間の遊びのない形状嵌めを特に簡単かつ確実に達成することができる。
【0013】
別の特に好ましい実施形態において、フレーム形材の断面領域は、閉鎖された中空室を有さない。これより達成できる利点は、生産性と、防火性と、空洞の開口側からそらされるフレーム形材の側に配設される部分に対する連結性とに関する。
【0014】
本発明の重要性は、本発明による設計が相当な利点を生み出すまたは本発明による設計によってまず実際に可能となる特に数多くの用途から明らかである。それゆえ、本発明の基本原理の他に、多数のこのような例示的な用途を以下に示しかつ説明する。
【0015】
本発明について、その別の有利な発展形態を含めて、有利な例示的な実施形態のやや模式的な図面に基づいてより詳細に述べ、かつこれら実施形態により可能となる新たな用途をより詳細に述べる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、2枚の枢動ドアの、本発明に従って設計された、例示的な扉の、互いに対向する、2つの縁部領域を水平断面図で示す。
【
図2】
図2は、
図1の扉に使用される本発明によるフレーム形材を斜視図で示す。
【
図3】
図3は、
図1のような例で使用される本発明による例示的なクランプ部を斜視図で示す。
【
図4】
図4は、本発明による別のクランプ部を正面図で示す。
【
図5】
図5は、コーナー用アングル片の2つの脚部が各々カバー板を構成する、留め継ぎ表面にわたる本発明による2つのフレーム形材の連結用の例示的なコーナー用アングル片を斜視図で示す。
【
図6】
図6は、カバー板に断熱材を使用した、フレーム形材内への継手の、本発明による設置を断面図で示す。
【
図7】
図7は、スライドレール式のドアクローザでの用途における本発明による例示的な設計を垂直断面図で示す。
【
図8】
図8は、追加的に遮熱材および防火体を備えた、本発明に従って設計された例示的な枢動ドアのヒンジ領域を水平断面図で示す。
【
図9】
図9は、本発明に従って使用される2つのフレーム形材間のコーナー連結部の有利な形態を部分水平断面図と部分垂直断面図で示す。
【
図10】
図10は、本発明に従って使用されるフレーム形材内における熱防護構成要素と隠蔽形材の構成を断面図で示す。
【
図11】
図11は、本発明に従って使用される熱防護構成要素とケーブルとケーブルチャンネルの構成を断面図で示す。
【
図12】
図12は、本発明によるフレーム形材における別の遮熱材を断面図で示す。
【
図13】
図13は、本発明に従って使用されるフレーム形材における煙感知器の構成を断面図で示す。
【
図14】
図14は、木材で作られたドア扉における本発明による設計を断面図で示す。
【
図15】
図15は、木材で作られた別のドア扉における本発明による設計を断面図で示す。
【
図16】
図16は、本発明に従って設計されたドア扉におけるブロック構成の有利な構成をドア扉平面に平行な切断平面での部分断面図で示す。
【
図17】
図17は、フレーム形材が2つの別個の形材部分から形成される、本発明に従って使用される前記フレーム形材の使用を断面図でかつドア扉上に示す。
【
図18】
図18は、本発明に従って使用できかつ側方に2重にされた追加の形材を有するフレーム形材を断面図で示す。
【
図19】
図19は、それぞれの中央形材が断熱材から形成される、本発明に従って使用できかつ3つのサブ形材で作られた複合形材から各々形成される2つのフレーム形材を断面図で示す。
【
図20】
図20は、本発明に従って使用されるフレーム形材内におけるハンドルと錠ケーシングの有利な設置形態を輪郭図で示す。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は、継手の他に、ガラス板32と、前記ガラス板を取り囲むとともにフレーム形材1およびガラス帯31から形成されるフレームとから形成される2つの枢動ドア扉の相互に対向する領域を示している。
【0018】
フレーム形材1は、典型的には、ロール成形により鋼板から形成される。フレーム形材1の詳細は、一部において、
図1よりも
図2でより明らかに分かる。前記フレーム形材は、実質的にU字形断面形状を有し、かつ、そのようなものとして、断面視では形材空洞2を3辺で取り囲み、フレーム形材の開口側がいずれの場合にもリベート表面に向けて、すなわち、
図1の場合にはそれぞれの他のフレーム形材1に向けて配向される。
【0019】
図1に図示する例において、各枢動ドア扉のガラス板32は、弾性シール形材33の介在により、いずれの場合にも2つのガラス帯31間にガラス板32の縁部に沿ってクランプされることによりフレーム形材1上に保持される。ガラス帯31もまた、典型的にはロール成形および鋼板帯のシーム溶接により形成される形材である。ガラス帯31は、いずれの場合にも、フレーム形材1の基部表面3(
図2)外側に当接し、かつフレーム形材1に連結される。
【0020】
典型的には、ガラス帯31とフレーム形材1との間の連結は、フレーム形材1の空洞2から前記フレーム形材の基部表面3を貫通し、かつガラス帯31の当接壁を貫通して、ガラス帯31の形材空洞内に延びるねじによって形成される。このように、確実でかつ取り外し可能な連結は、締結要素が外側から視認できないように形成される。空間の理由から、また取り扱い易いために、ここでは、フレーム形材1が中空形材でないことが有利であると分かっている。
【0021】
空洞2の開口領域の付近では、フレーム形材1の基部表面3よりも上方の同じ高さにおいて、形材壁5は、空洞2の幅が2つの形材壁5の高さ領域では隣接する高さ領域の幅に関して狭められるように、フレーム形材1の2つの側部表面4(
図2)の各々から空洞2に向けて突出する。
【0022】
図1は更に、この例では継手19が錠ケーシングである、フレーム形材1内における継手19の、本発明による、設置を示している。継手19は、実質的に空洞2内に配設される。前記継手は、フレーム形材1の基部表面3からそらされる形材壁5の側において、前記形材壁に当接しひいては空洞2を覆うカバー板17に強固に連結される。
【0023】
フレーム形材1の基部表面3に向かって対向する形材壁5の側において、クランプ部11が形材壁5に当接する。ねじ16は、ねじの頭部によってカバー板の外側に当接する。ねじ16のねじ付きボルトは、カバー板17における孔を貫通して延在し、かつクランプ部11の中央部12(
図3)におけるねじ孔と螺合した状態にある。ねじ16が及ぼす引張力によって、カバー板17およびクランプ部11は共に押圧される。カバー板17およびクランプ部11は、カバー板17およびクランプ部11が当接する形材壁5により、互いに向かう移動が防止されるように支持され、その結果、クランプ部11およびカバー板17が、いずれの場合にも形材壁5の1つの突起10(
図2)に両側から押圧力を及ぼし、前記押圧力は、全体的な大きさがねじ3の引張力と等しい。
【0024】
本発明によれば、クランプ部11とフレーム形材1の形材壁5との間の接触表面がねじ16に垂直に配向された単に平面状の表面ではなく、むしろ、形材壁5に向かってクランプ部11の中央部12に対して突出する2つの縁部領域13を備えたクランプ部11が、いずれの場合にも1つの溝6(
図2)の両方の側面にいずれの場合にも当接し、溝の溝台が形材壁5に当接し、かつ溝の開口領域がフレーム形材1の基部表面3に向けて配向され、かつ溝の幅が、クランプ部11との接触領域では、溝台から開口領域に向かって連続的に増加することが、主として重要である。
【0025】
この設計によって、クランプ部11が、フレーム形材1の2つの側部表面4の互いに向かうかつ互いに離れる方向への相対移動を確実な遊びのない形状嵌めでの阻止を実現することが達成される。カバー板17において、フレーム形材1の基部表面3に平行に位置する表面がその表面からそらされるとともにその表面にほぼ垂直に位置する表面に移行する、カバー板17がいずれの場合にもコーナー領域7内で形材壁5に当接するので、いずれの場合にもカバー板17の両方の側面壁の正面に当接する形材壁5の1つの壁領域によって、フレーム形材1に対する側方への変位が防止されるように、カバー板17も形状嵌めで保持されることで前記効果も高められる。
【0026】
図示されているフレーム形材1は、それ自体、その2つの側部表面4が互いに向けてまたは互いに離れる方向に屈曲されるように比較的容易に変形させることが可能である。クランプ部11の説明した構成によって、クランプ部11が配設されるそれらの長手方向領域では、フレーム形材1が閉鎖された中空形材と同様の剛性および強度を有するように、前記柔軟性が修正される。
【0027】
したがって、本発明によって、極端に高い機械的要求を伴うドアでさえ、リベート表面に向けて開口するとともに継手19を簡便に収容できる空洞2を有し、かつその上、生産が容易であり必要に応じて加工が容易であるように単層形態である、すなわち中空室のない軽量で細いフレーム形材1を提供することが可能である。クランプ部11は、高い機械的荷重が予期されるフレーム形材1のそれらの長手方向領域に、図示のように、設置しなければならない。必要に応じて、クランプ部11に対する相補部として、使用は、継手19に連結されないが、ねじ16の力により、クランプ部11とは反対側に位置する側から、形材壁5を押圧する単に板にすぎないカバー板17で作製することもできる。
【0028】
図1に図示する有利な実施形態において、継手19はまた、カバー板17上での保持に加えて、フレーム形材により形成されるフレームの平面に対する垂直方向への移動が防止されるように、板27により保持される。この目的で、板27は、フレーム形材1の基部表面から形材空洞2内に突出する形材壁9間にクランプされ、かつ継手19は、板27における切削加工部分に挿入される。
【0029】
図3で分かるように、クランプ部が、意図した使用の間、縁部領域13によってフレーム形材1の溝6に当接する、前記クランプ部11の突出する縁部領域13は、フレーム形材1におけるクランプ部11の意図した構成では、溝6の境界表面との縁部領域13の接触表面において、フレーム形材1の形材方向に、凹凸が互いに交互になるように、歯部14を備えていることが有利である。クランプ部11の歯部14が溝6内に押圧される力によって、歯部の先端がフレーム形材1の材料内に押圧され、それにより、クランプ部11もまた形材方向に滑ることが防止されるようにフレーム形材1内に形状嵌めで保持される。
【0030】
図4は、フレーム形材と係合するように配置されることが意図される、縁部領域が、斜向かいに位置する端部領域において丸みを帯びている、クランプ部103の設計を示している。クランプ部103は、それぞれのフレーム形材の形材空洞内における意図した装着のために、そのねじ孔の軸線に垂直な軸線を中心に枢動させずにねじ孔の軸線を中心に枢動させればよいので、クランプ部11よりも設置が簡便である。これは、僅かな空間しか利用できない、別の物体が既に形材空洞内に配設されている場合に特に重要である。
【0031】
図5は、留め継ぎ表面にわたる本発明による2つのフレーム形材の連結のための例示的なコーナー用アングル片104を斜視図で示している。ここでは、
図1のようなカバー板17の場合のように、コーナー用アングル片104の2つの脚部は、フレーム形材の、クランプされる形材壁に当接するように、かつクランプ部11、103およびねじ16によってそれぞれの形材壁に対して押圧されるように意図される。
図1のカバー板17と比べると、コーナー用アングル片104の脚部は、留め継ぎ表面に隣接するそれぞれの形材壁のそれらの長手方向領域にのみ当接する。コーナー連結部は、設置の点で実現しやすくかつ極めて安定している。
【0032】
図6に描かれているように、フレーム形材1における継手19の本発明による設置の場合、継手19に連結されるカバー板106は、フレーム形材1に直接当接するのではなく、断熱材、好ましくはまた耐熱材で作られた中間絶縁層105を使用して当接する。
【0033】
図7は、本発明に従って設計されたフレーム形材1をスライドレール式のドアクローザの摺動ブロック62用のスライドレールとして使用できる方法を一例として描いている。
【0034】
スライドレール式のドアクローザのそれ自体の機能原理に従って、(フレーム形材1により形成される)上部ドアケーシング部に沿って直線変位可能であるように装着される摺動ブロック62が、枢動ドア扉に対して位置固定されるように枢動ドア扉の上縁部に保持されるとともにドア扉の枢動軸線に平行な軸線を中心としたトルクを枢動可能なアーム64に及ぼす回転駆動部65に枢動可能なアーム64を介して連結される。(ドア扉の上縁部に沿って直線変位可能であるように装着される摺動ブロックが、上部ドアケーシング部に位置固定されて配設される回転駆動部に枢動可能なアームによって連結される、逆の設計も可能である。)
図7に描かれているような設計によって、本発明に従って設計されたフレーム形材1は、さもなければ別個の部分の形態であるスライドレールの機能を果たすことができる。この目的で、摺動ブロック62は、フレーム形材1(
図2)の側部表面4から突出する形材壁5間に延び、かつこの目的で、前記摺動ブロックには、その2つの側部表面の各々に、いずれの場合にも形材壁5の1つの突起10が内部に突出する溝が設けられ、その結果、摺動ブロック62における溝は、突起10が溝と相補的な部分であり、摺動案内溝としての役割を果たす。
【0035】
設置性に関しては、各々が嵌合溝の幅のほぼ半分にわたってのみ延びるとともにフレーム形材1の設置の際に初めにねじ63によって連結される2つの部分から摺動ブロック62が、描かれているように、形成されることが有利である。
【0036】
本発明の概念の論理的な使用において、これはまた、枢動アーム64の第2の端部が保持されるスライドレール式のドアクローザの回転駆動部65が、本発明に従って別のフレーム形材29の空洞内に保持される
図7の場合である。フレーム形材29内での回転駆動部65の締結は、
図1の継手19の締結と同じ方法で、クランプ部11と、回転駆動部65に連結されるカバー板17と、カバー板17とクランプ部11を共に押圧するねじとによって実現され、その結果、カバー板17とクランプ部11が、フレーム形材29の側壁から突出する形材壁の一部をカバー板17とクランプ部11との間にクランプする。
図7の例において、フレーム形材29は、枢動ドア扉の上部フレーム部を形成する。このように、スライドレール式のドアクローザの視覚的に非常に目立たない設計が実現される。別個のスライドレールの使用が不要となる。更に、極めて簡単な設置が可能であり、これにより更に、関連のフレーム形材29に沿った回転駆動部65の位置に関する非常に良好な調節機能が実現される。
【0037】
図7はまた、ドア扉フレームまたはケーシングの隣接するフレーム形材29を互いに連結できる可能な方法を描いている。この目的で、2つのいわゆるコーナー用クランプアングル片25、26が提供される。前記コーナー用クランプアングル片25、26は、いずれの場合にも、90°の角度で互いに連結される2つの同一の形材脚部で作られる。形材脚部の断面領域は、フレーム形材29上において、締まり嵌めの形成により、形材脚部をいずれの場合にも1つのアンダーカット溝に挿入することができ、その結果、形材脚部がそのアンダーカット溝に遊びなしに嵌り込むような寸法とされる。
図7に図示する有利な実施形態において、各アンダーカット溝の基部表面は、いずれの場合にも、フレーム形材29の側壁の内側を形成する。コーナー用クランプアングル片25、26は、前記基部表面から離れる方向への移動が防止されるように、本発明によれば、第1にフレーム形材29の基部表面から突出する形材壁9により、かつ第2にフレーム形材29内での継手の締結のために働くクランプ部11にも当接される形材壁5により保持される。
【0038】
図7のようなフレーム形材29は、フレーム形材29が、空洞からそらされる基部表面の側から突出する形材壁30を有し、かつ前記形材壁が、ガラス帯の機能を果たし、その結果、フレーム部片につき、単一の別個のガラス帯31だけあればよい点において、主に上で述べたフレーム形材1と異なる。
【0039】
図8は、枢動ドア扉に対するヒンジ部の、本発明に従って設計された、連結部と関連の位置固定されたケーシングとを特に示している。フレーム形材1は、ドアケーシングを形成する。(ガラス帯として働く、一体形成された形材壁30を備えた)フレーム形材29は、ガラス扉の形態である、枢動ドア扉のフレームを形成する。枢動ドア扉がケーシングに対して枢動可能であるシャフト34は、フレーム形材1により囲まれる空間の前面に位置する。上下に配設された保持アームは、シャフト34から枢動ドア扉とケーシングとの間の隣接するリベート表面内に突出し、かつ前記保持アームはそこで、ねじ16によって、いずれの場合にもそれぞれのフレーム形材1および29における1つのカバー板36と1つのクランプ部35とに連結される。この場合に予期される特に高い荷重のため、カバー板36およびクランプ部35は、上で述べた例におけるカバー板17とクランプ部11の場合のようなたった1つの連結ねじではなく、いずれの場合にも2つの連結ねじ16によって互いに連結される。この場合も、構成は、視覚的に目立たず、設置が容易であり、かつこの目的で任意の孔または切削加工部分を必要とせずに、フレーム形材1、29の長手方向に沿った任意の所望の位置に取り外し可能に締結できる。
【0040】
図8は更に、改善された防火特性を有するように、フレーム形材1、29をどのように「改良」できるかを示している。
【0041】
いずれの場合にも、フレーム形材1、29のそれぞれの空洞の左側において、遮熱材38がクランプされる。この場合、前記遮熱材は、平面U字形材の形状を有し、自由脚部がフレーム形材1、29のそれぞれの側壁に当接し、ひいては、平面U字形材の基部がフレーム形材1、29のそれぞれの側壁から間隔を置いて配設される。遮熱材38を形成するU字形材の脚部の自由端部は、このように、2つの部分間の熱伝導が低減される理由から、フレーム形材1、29と線接触するのではなく一連の接触点によって接触するように歯部を備えていることが好ましい。遮熱材38は、主にフレーム形材1、29の空洞2の一方の側部表面から他方の側部表面への熱の放射を防止するために働く。図示の実施形態の特定の利点は、遮熱材38を空洞2の開口側から(すなわち、リベート表面から)フレーム形材1に事後的に挿入しクランプできることである。
【0042】
いずれの場合にも、フレーム形材1、29のそれぞれの空洞の右側において、いずれの場合にも、1つの防火体37が挿入される。前記防火体37は、矩形材を有する。これは、例えばミネラルウールまたはケイ酸塩を基にした、耐熱性の断熱材で作られる。遮熱材38と比べると、前記防火体は、熱放射をそらすだけでなく、熱伝導を非常に大きく遅らせる。
【0043】
異なるタイプ、異なる厚さおよび異なる数の熱ガード部材をフレーム形材1、29の中空室2内に配設することにより、フレーム形材1、29をF30、F60、F90などの異なる防火等級にモジュール式に容易に適合させることができる。このことは、生産および設置管理に関する非常に有益な経済的利点をもたらす。
【0044】
フレーム形材1、29により形成されたフレームのフレーム平面に垂直な移動の防止のために防火体37と遮熱材38をクランプするために、防火体37および遮熱材38は、いずれの場合にもフレーム形材1、29の側部表面と別の形材壁との間にクランプされ、前記別の形材壁の一方がフレーム形材の基部表面から内方に突出し、フレーム形材1の場合には、これは形材壁9である。
【0045】
フレーム形材1、29自体において、熱伝導は、一方の側部表面4(
図2)から他方の側部表面4へ基部表面3(
図2)を通してのみ可能である。
図2で明らかに分かるように、フレーム形材1の材料における熱伝導による熱伝達に対する断面領域が低減されかつ伝達経路が長くなるように、開口8のパターンが設けられる基部表面3によって、前記熱伝導を非常に大いに遅らせることができる。開口8が、図示のように、細長い穴(その長手方向が形材方向に平行に位置する)であり、かつ細長い穴の複数の列が、いずれの場合にもパターン寸法の半分だけ互いに対して長手方向にずらされて互いに隣接して位置することが特に有利である。
【0046】
開口8の生産のために、フレーム形材1が単一の基部表面3を有しかつ例えば1つまたは複数の中空室を囲む複数の基部表面を有さないことが極めて有利である。このように、具体的には、打ち抜くことにより開口8を容易に形成することが可能である。その代わりに、中空室の場合には、切削加工を行う必要があり、これに、非常に長い加工時間と非常に高いコストを伴う。
【0047】
図9は、ドア領域または窓領域に対してフレームを形成するように留め継ぎ形態で、本発明に従って使用できる2つのフレーム形材1を連結するための有利な設計を2つの図で示している。この目的で、使用は、4つの異なる構成要素で作られたコーナー用クランプ継手44で作製される。
【0048】
支持アングル片45は、いずれの場合にも一方の短い端部側に沿って互いに連結されかつ互いに直角をなす2つの平面状の矩形鋼板片で作られる。留め継ぎ形態で互いに当接するフレーム形材1の空洞内において、支持アングル片45は、前記フレーム形材の基部表面3に当接する。
【0049】
支持アングル片45の外側に対して、別のアングル片、いわゆる張力アングル片46が位置する。その張力アングル片46もまた、短い端部側に沿って互いに連結されかつ互いに直角をなす2つの平面状の矩形鋼板で実質的に作られる。張力アングル片46の側端面は歯部47を備えており、歯部47の先端が、いずれの場合にもフレーム形材1の形材壁9に当接する。
【0050】
ねじ50は、張力アングル片46におけるナット型ねじ孔を貫通して延在する。前記ナット型ねじ孔は、張力アングル片46を貫通して延在し、かつ張力アングル片46の2つの脚部に対して斜めに位置する。ねじ50は、張力アングル片46に対するねじ50の内側端面によって、内側に位置する支持アングル片45の2つのアングル片脚部間の境界領域を押圧する。支持アングル片45に向けて更にねじ込まれたときに、ねじは、張力アングル片46が支持アングル片45から離れる方向にほぼ斜めに引っ張られる効果をもたらす。
【0051】
開きボルト49は、支持アングル片45の脚部に強固に連結される。前記開きボルトは、略円対称のマッシュルーム形状を有し、かつ支持アングル片45の脚部から前記脚部間の隆起したアングル片領域内に突出し、いずれの場合にも張力アングル片46のそれぞれの隣接する脚部における細長い開口48を貫通して延在して、脚部方向に延在する。開口48の幅は、張力アングル片46の2つの脚部間の連結表面の間隔の増加につれて減少し、ここではまた、開口48を貫通して延在する長手方向領域内における開きボルト49の直径よりも狭くなる。
【0052】
ねじ50を支持アングル片45に向けてねじ込むことにより、張力アングル片46の脚部が支持アングル片45の脚部間の連結線に向けて支持アングル片45上に配置される。このように、非変形の張力アングル片46の場合には、開口の幅が開口を貫通して延在する開きボルト49の長手方向部の直径よりも小さい開口48の長手方向領域が、開きボルト49に達する。このことは、張力アングル片46の開口48の両側に位置する張力アングル片46の部分が互いに離れる方向に広げられ、かつ歯部47がフレーム形材1の形材壁9に対して強く押圧され、ひいてはフレーム形材1が、張力アングル片46と共に、2つのフレーム形材1間の留め継ぎ表面に向けて支持アングル片45に対して配置される効果をもたらす。
【0053】
したがって、留め継ぎ連結部の組み立てを極めて簡単に行うことができる。フレーム形材1がこの目的で切削または穿孔される必要がないことと、隣接するフレーム形材1内の空洞2(
図2)が互いに向かって実質的に開口した状態にあることが更に有利である。このように、必要に応じて、ラインまたはケーブルがフレームコーナーにわたってでさえフレーム形材1内に容易に案内されることが可能であり、かつ遮熱材および絶縁材がフレーム形材1のコーナー領域においてさえも空洞2内に嵌合されることが可能である。遮熱材および絶縁材の取り付けについて、図示のように、張力アングル片46および支持アングル片45が、2つの形材壁9間にのみ延びかつフレーム形材の側部表面4までは延びないことが特に有利である。
【0054】
図10は、本発明に従って使用できるフレーム形材1の形材空洞2に対する2つの型の隠蔽形材51、52を描いており、それら隠蔽形材が各々、上で述べた2つの形材壁5にクランプされかつ形材空洞2を覆うように形材壁5間の間隔を橋渡しするように意図される。
【0055】
ここでは、隠蔽形材51は、単純なプラスチック押出形材または金属形材である。隠蔽形材51は、主として視覚機能を有する。
【0056】
これに対して、隠蔽形材52は、視覚機能だけでなく防火機能も有し、かつこの目的で、複数の異なる部分から構築される。支持形材53は、プラスチック押出形材であり、かつ他の部分に対する支持体として働き、かつ上で述べた形材壁5にクランプされる。前記支持形材は、リベート側において非常に薄い形材壁54により隠蔽される形材空洞を有する。形材空洞内において、防火用膨張剤55が配設される。火災の際には、形材壁54が融解して防火用膨張剤55が膨張し、それにより、膨張剤55がエネルギーを吸収しかつ意図したように2つのフレーム形材1間の隙間を閉鎖する。リベート側からそらされる支持形材53における形材空洞の境界壁は、鋼板帯56により隠蔽される。これは、支持形材53と比べると、火災の際でもその安定性を維持しかつ防火剤55が誤った方向に膨張するのを防止する。
【0057】
遮熱材60の2つの別の形態は、
図10におけるフレーム形材1の形材空洞2の右側部に描かれている。前記遮熱材もまた、
図8の遮熱材38のように、典型的には鋼板帯により形成される。
【0058】
図11は、本発明に従って使用されるフレーム形材1の場合における、形材空洞2内の別の挿入構成要素を示している。鋼板で作られかつ形材空洞2内でクランプされた2つの別の型の遮熱材57が側部に描かれている。平面U字状形材の形態のケーブルチャンネル形材58は、フレーム形材1の基部表面3から形材空洞2内に突出するとともに形材内においてフック状に互いに向かって湾曲している2つの形材壁9間にクランプされる。ケーブルチャンネル形材58は、典型的にはプラスチック押出形材である。ケーブルチャンネル形材は、戻り止め先端の形態でありかつ自由脚端部の弛緩位置に対して形材壁9間では互いに向けて僅かに屈曲される自由脚端部によってフレーム形材1の形材壁9に当接する。ケーブルチャンネル形材58は、フレーム形材1の形材空洞2の外側部に対してケーブル59を隠蔽する。
【0059】
図12は、クランプ形材107が二重の遮熱材としての役割を果たす、フレーム形材1内のクランプ形材107に関する設計および設置状態を示している。クランプ形材107は、典型的には鋼板で作られるとともに略U字断面形状を有し、脚部が僅かに斜めに離間して延び、かつ弾性的に弛緩した状態では、脚部の自由端部は、設置状態において前記脚部の端部が当接するように意図されるフレーム形材1のそれらの壁の離間の程度よりも僅かに大きい間隔を橋渡しする。したがって、設置状態において、クランプ形材107の脚部の自由端部は、弾性予荷重下でフレーム形材1に当接し、それにより、遊びなしにクランプ形材107をフレーム形材1内に非形状嵌めで保持する。クランプ形材107の基部表面は、理想的には描かれているように前記基部表面から僅かに離れるようにアーチ状とされるが、フレーム形材1の基部表面の付近まで延在する。
図2のフレーム形材1の開口8に類似して、クランプ形材107の基部表面は、熱伝導を妨げるための開口部のパターンを有し得る。
【0060】
二重の遮熱材を構成するクランプ形材107は特に迅速に設置することができるが、本発明によるクランプ部が取り付けられない長手方向領域にのみ設置することができる。
【0061】
図13は、ドアのケーシングのフレーム部として本発明に従って使用されるフレーム形材1への、ドア扉が開いているときにのみ機能しなければならない煙感知器66の設置を示している。煙感知器66の中央部は、フレーム形材1の形材空洞2内に位置し、この目的で、カバー板68に連結され、本発明によれば、他の継手に基づいて既に上で説明したように、クランプ部11によってフレーム形材1の突出する形材壁5に対して締結される。図示の例において、煙感知器66は、外側から視認できるようにフレーム形材1の側部表面における孔に挿入されるLEDディスプレイ67にケーブルを介して連結される。煙がまず煙感知器66に到達し得るように、カバー板68は、カバー板68を貫通して延びるスロット69を有し、かつフレーム形材1とフレーム形材1が局所的に締結される建物壁との間に位置するシールが、フレーム形材1により隔離される2つの間隔から、フレーム形材1の基部表面3における開口部を貫通して、フレーム形材1の形材空洞2内に至る、シールを貫通して延びるダクトを有する。
図13に図示する例では、シールおよびダクトを実現するために、少なくとも3つの開口部を有する平坦な中空体70が、フレーム形材1と隣接する建物壁との間に配設される。中空体70内には、火災の際に熱の作用下で膨張して中空体79のダクトを閉鎖する防火用膨張剤71が配設される。
【0062】
図14は、典型的には木材で作られるとともにフレーム形材39を側方から覆う2つの外層40を有するドア扉における、本発明に従って使用される、フレーム形材39を示している。フレーム形材39により占有されない2つの外層間の空間領域には、例えば、断熱材から作られるパネル状コア18が配設される。図示の有利な実施形態において、フレーム形材39の1つの側壁は、形材壁81によって、形材空洞の単なる境界線を越えてリベート表面に向かって延出しており、かつフレーム形材39の第2の側壁は、形材壁83によって、形材空洞の単なる境界線を越えてリベート表面から離れる方向に延出している。形材壁81、83を通して、外層40をねじ41によってフレーム形材39にねじ止めすることができ、ねじ41は、視認できる側からそらされた側から外層40内に貫通し、このことが視覚的な面で有利であることは自明である。
【0063】
図15は、その各端面に溝が切削加工されるとともに各端面においてフレーム形材43が挿入される、実質的に厚い木製パネルとして形成されるドア扉42における本発明に従って使用されるフレーム形材43を示している。この場合、フレーム形材43と木製パネルとを、フレーム形材43の形材空洞からフレーム形材43の基部表面を貫通して延在するねじ41によって互いに連結してもよい。
【0064】
図16は、本発明によるフレーム形材90とコア(ガラス板32)とを備える移動可能な面閉鎖要素、例えば、ガラスドアにおける調節可能なブロック構成のための有利なタイプの取り付けを示している。枢動ドアの例の場合、調節可能なブロック構成は、ドアの枢動軸線からそらされるコアの上部端面の端部に最適に取り付けられる。ブロック構成は、2つの鋭角の楔91、92とねじ93とで作られ、2つの楔91、92は、水平フレーム形材90の基部表面とコア(ガラス板32)の端面との間の隙間における2つのフレーム形材90のコーナー領域に配設される。楔91、92は、いずれの場合にも、それらの2つの楔面のうちの一方によって互いに当接する。第2の楔面によって、1つの楔91がフレーム形材90の基部表面に当接し、かつ第2の楔92がコアの端面に当接する。ねじ93は、垂直フレーム形材90の基部表面における孔を貫通して1つの楔91上のナット型孔内に延在する。ねじ93が締め付けられることによって、楔91が垂直フレーム形材90に向けて引っ張られ、それにより、2つの楔91、92の厚さの合計により形成されるブロック構成の総厚さが増加し、ひいては水平フレーム形材90がコアに対して持ち上げられる。ブロック構成の厚さのばらつきのために、ドアが開放した状態で、錠側の垂直フレーム形材90の上部の形材空洞の場合により設けられる隠蔽を取り除き、かつ形材空洞内に位置する、ねじ93の頭部をスクリュードライバによって回転させさえすればよい。ブロック構成の従来の設計と比べると、上に述べたように、ブロック構成の厚さを変更するためにガラス帯を取り除くことは必要ではなく、それゆえ、ガラス帯とガラス板との間に配設されるシール材の関連の取り扱いが排除される。
【0065】
図17は、フレーム形材が2つの別個の形材部73、76から形成される、本発明に従って使用されるフレーム形材72の例えばガラスドア扉での使用を輪郭図で示している。2つの形材の部73、76は、実質的に形材72の側部表面を形成し、側部表面が、それらの間で形材空洞74を囲む。
【0066】
図1の例の場合には、リベート表面に向かって対向する側では、フレーム形材72の、形材空洞74を越えて突出する、2つの形材壁が、クランプ部11とカバー板17との間にクランプされる点において、形材空洞74は、クランプ部11と、カバー板17と、前記クランプ部とカバー板とを共に引っ張るねじ16とにより橋渡しされる。
【0067】
さもなければ設けられるフレーム形材の基部表面の代わりに、
図1に基づいて既に説明したように機能する一連の複数のねじ連結部21が、リベート表面からそらされる形材空洞74の側に配設される。前記ねじ連結部は各々、クランプ部22と、相手板23と、ねじ24とを有し、ねじ24は、ナット型ねじ山が位置する、クランプ部22と相手板23とを共に引っ張り、かつクランプ部22と相手板23の縁部領域が、いずれの場合にもサブ形材73、76の突出する形材壁75を縁部領域間にクランプする。設置順序に関する理由から、ねじ連結部21は、必要とされるねじ24の頭部が、
図1のようなねじ連結部の場合のように、形材空洞の外側ではなく、形材空洞74内に配設されるように配向される。
【0068】
フレーム形材72を形成するための、局所的に互いに連結される、2つのサブ形材73、76に関する設計は、材料の節約と、一体型フレーム形材に関する設計よりも良好なモジュール性とをもたらし、かつ別個のガラス帯形材を不要にする。しかしながら、その設計はまた、強度の低下および設置工程での作業支出の低減につながる。設計は、特にドアまたは窓が必要とされ、その場合に、特定の、まれにのみ生じるフレームの厚さが必要とされる場合に特に好都合であり得る。
【0069】
図18は、本発明に従って使用できかつ互いに対して平行に配設された3つのサブ形材77、80、82の複合体として形成されるフレーム形材を示している。中央形材77は、自由脚端部が内方に(すなわち、形材空洞78を越えて)湾曲しており、かつ、既に上で説明したように、いずれの場合にもクランプ部84とカバー板85とねじ86とから形成されるねじ連結部によって互いに連結される、実質的にU字形材の形態である。しかしながら、中央形材77の側部表面はまた、いずれの場合にも2つの外方に突出する壁領域を有する。前記外方に突出する壁領域によって、中央形材77の側部表面は、いずれの場合にもクランプ部88とカバー板87とねじ89とから形成される、本発明による別のねじ連結部によって、いずれの場合にも1つの別のサブ形材80、82に連結される。
【0070】
前記設計は、絶縁および/または防火等級の異なる要件への適合のために、高レベルのモジュール性が必要とされる場合に特に有利である。
【0071】
図19は、本発明に従って使用できかつ、断熱の目的で、いずれの場合にもサブ形材から形成されるフレーム形材108、109を断面図で示している。側方サブ形材は、従来のように、金属、図示の例では典型的には圧延鋼板で作られる。中央サブ形材110、111は、特にプラスチックかまたは非金属繊維とプラスチックとで作られた複合材料などの、金属よりも熱伝導率のはるかに劣る材料で作られる。個々のサブ形材は、サブ形材の壁領域が、それに平行に配向された隣接するサブ形材の壁領域により包囲されるように、互いにクランプされる、つまり、個々の形材壁表面によって互いに係合される。ここでは、連結領域において、サブ形材は、弾性圧縮予荷重下で互いに当接することが好ましい。低強度でかつ弾性的により軟質の材料で作られたサブ形材(110、111)は、その壁領域が隣接する形材の壁領域により包囲されるサブ形材であることが好ましい。金属製の側方サブ形材がロール成形により鋼板から形成される場合には、中央の断熱サブ形材(110、111)をロール成形工程の際に既に連結していてもよい。金属製の側方サブ形材がアルミニウム押出形材である場合には、連結部は、事後的に押圧される中央サブ形材によって実現される。
【0072】
図20は、フレーム形材94が本発明に従って使用される無垢材で作られたドア扉42の例に基づいて、錠ケーシング19により形成された継手19と関連するハンドルロゼット101とに対する極めて有利な設置形態を示している。
【0073】
錠ケーシング19は、フレーム形材94内に配設され、かつ
図1に基づいて既に説明したように、カバー板、クランプ部およびねじによって、本発明に従ってフレーム形材94に締結される。錠ケーシング19に加えて、保持部96は、フレーム形材94内に配設される。保持部96は、典型的には鋼板で作られる。保持部96は、例えば、U字形材の形状であり、かつ、そのようなものとして、フレーム形材94に平行となるようにフレーム形材94内に配設され、形材脚部の外方に湾曲した自由端部領域が、弾性領域内で、それらの弛緩位置に対して僅かに共に屈曲され、その結果、自由端部領域が、フレーム形材94の側部表面の内側に圧力下で当接し、ひいてはフレーム形材94内で形状嵌めではなく力嵌めで保持部96を保持する。錠ケーシング19は、保持部96の基部表面における凹部97を貫通して突出する。ハンドルシャフト100(一般的に正方形材)は、錠ケーシング19から、保持部96の脚部を貫通する開口99を貫通し、フレーム形材94の側壁を貫通する開口95を貫通し、かつドア扉42における開口61を貫通してドア扉42の平面に垂直に突出する。フレーム形材94を貫通する開口95とドア扉42を貫通する開口61は、ハンドルシャフト100の断面寸法よりもかなり幅広となるような寸法とされる。ハンドルシャフト100は更に、ハンドルロゼット101における挿通孔を貫通して延在するが、前記挿通孔の断面寸法が非常に狭く、ハンドルシャフト100の長手方向に垂直に平行移動することが防止されるように、ハンドルシャフト100が遊びなしに挿通孔内に保持される。ハンドルシャフト100から間隔を置いて、ハンドルロゼット101から、ねじ102は、ドア扉42とフレーム形材94とにおける幅広寸法のねじ挿通孔を貫通して保持部96の深絞り領域におけるねじ孔98に延びる。
【0074】
構成の設置の際には、まず保持部96がフレーム形材94内に押し込まれる。次いで、
図1に基づいて説明したように本発明によれば、具体的には前記錠ケーシングが保持部96の脚部間の空間内に延びかつ保持部96の凹部97を貫通して突出するようにして、かつハンドルシャフト100がドア扉とフレーム形材と保持部とにおける関連の凹部を貫通して、錠ケーシング19における同様に設けられた軸受受容部に挿入可能であるようにして、錠ケーシング19が、カバー板とクランプ部と連結ねじとによってフレーム形材94に締結される。ハンドルシャフト100が挿入されかつハンドルロゼット101がハンドルシャフト100上に装着されたときに、ねじ102が、ハンドルロゼット101内のねじ挿通孔に、かつドア扉42とフレーム形材94とにおける、前記ねじ用の非常に幅広い寸法を有するねじ挿通孔に挿通され、かつ保持部96における関連のねじ孔98に挿入され、かつ前記ねじが最初は注意深く締め付けられ、かつここでは、ハンドルロゼット101は、ハンドルシャフトが最適に、屈曲および拘束なしに、ハンドルロゼットにおける関連の挿通孔を貫通して延在する位置においてドア扉に正確に固定される。ねじ102における若干の張力の存在下でもフレーム形材94内で依然として変位可能である、保持部96は、ねじ102の締め付けの際に、自動的にまたはフレーム形材94の開口側からの工具によって前記保持部を適切に変位させることによって、ハンドルロゼット101が最適に位置決めされたときにねじ102がドア扉平面に垂直に配向される最適な位置にほぼ正確に摺動する。ここでねじ102が力により締め付けられる場合には、ハンドルシャフト100が、屈曲および拘束がないように、錠ケーシング19内の受容部の関連の軸線と位置合わせされるようにハンドルシャフト100を案内するために、多年にわたって遊びがないように、ハンドルロゼット101が正しい位置に正確に固定される。
【0075】
先行技術による設計の場合には、ドア扉に対するハンドルロゼット用の保持ねじの位置が正確に予め定められ、それにより、ドア扉に対する錠ケーシングの位置に関する許容差が必然的にハンドルシャフトの不適切な装着につながり、このことが、別の結果として、うまく枢動しないハンドルおよび枢動機構の破壊をもたらす。)
【0076】
示しかつ述べてきた本発明によるフレーム形材は、鋼またはアルミニウムから最適に製造され、ロール成形および押出が最も重要な製造方法として言及される。しかしながら、比較的低強度の要件が存在し得る用途に関しては、フレーム形材がプラスチック押出形材の形態であることが有利である場合もある。
【国際調査報告】