特表2016-540853(P2016-540853A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2015.5.11 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニーの特許一覧
<>
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-540853(P2016-540853A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】液体光学接着剤組成物
(51)【国際特許分類】
   C08F 2/44 20060101AFI20161205BHJP
   C08F 265/06 20060101ALI20161205BHJP
   C09J 4/02 20060101ALI20161205BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20161205BHJP
   B32B 7/02 20060101ALI20161205BHJP
   B32B 27/16 20060101ALI20161205BHJP
   B32B 27/30 20060101ALI20161205BHJP
   B05D 7/24 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
   C08F2/44 C
   C08F265/06
   C09J4/02
   C09J11/06
   B32B7/02 103
   B32B27/16 101
   B32B27/30 A
   B05D7/24 302P
【審査請求】有
【予備審査請求】有
【全頁数】38
(21)【出願番号】特願2016-533176(P2016-533176)
(86)(22)【出願日】2014年11月17日
(85)【翻訳文提出日】2016年7月8日
(86)【国際出願番号】US2014065861
(87)【国際公開番号】WO2015077161
(87)【国際公開日】20150528
(31)【優先権主張番号】61/906,918
(32)【優先日】2013年11月21日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】505005049
【氏名又は名称】スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100077517
【弁理士】
【氏名又は名称】石田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100087413
【弁理士】
【氏名又は名称】古賀 哲次
(74)【代理人】
【識別番号】100146466
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 正俊
(74)【代理人】
【識別番号】100202418
【弁理士】
【氏名又は名称】河原 肇
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン ディー.クラッパー
(72)【発明者】
【氏名】セルカン ユルト
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジェイ.キャンベル
【テーマコード(参考)】
4D075
4F100
4J011
4J026
4J040
【Fターム(参考)】
4D075DB13
4D075DB43
4D075DB48
4D075DC24
4D075EA07
4D075EA21
4D075EB22
4D075EB52
4D075EB53
4D075EC11
4D075EC13
4D075EC33
4D075EC37
4D075EC49
4D075EC54
4F100AG00B
4F100AK25A
4F100AK25C
4F100AK45D
4F100BA02
4F100CA05A
4F100CA06A
4F100CA13A
4F100CA22A
4F100CA23A
4F100CA30A
4F100CB04A
4F100DG01A
4F100EH46A
4F100EJ54
4F100GB41
4F100JA05A
4F100JA07A
4F100JB14A
4F100JL11
4F100JN01
4F100YY00A
4J011PA69
4J011PB22
4J011PB24
4J011PB25
4J011PB26
4J011PB40
4J011PC02
4J011PC08
4J011QA03
4J011QA34
4J011QA43
4J011SA84
4J011UA01
4J011VA01
4J011WA02
4J026AA48
4J026BA27
4J026BB04
4J026DA05
4J026DA12
4J026DB06
4J026DB11
4J026FA05
4J026GA01
4J026GA07
4J040FA291
4J040GA02
4J040GA05
4J040GA07
4J040GA11
4J040GA30
4J040GA31
4J040HA136
4J040KA13
4J040KA24
4J040KA25
4J040KA26
4J040KA27
4J040KA29
4J040KA31
4J040KA32
4J040KA35
4J040KA42
4J040LA01
4J040MA05
4J040MA10
4J040NA17
4J040PA32
(57)【要約】
本開示は、a)複数のペンダントエチレン性不飽和フリーラジカル重合性官能基及び求核性の親水性基を有する溶質(メタ)アクリロイルオリゴマー(Mが5k〜30k、Tが20℃未満)と、b)溶媒モノマー成分と、連鎖移動剤と、光開始剤と、を含む、硬化性組成物について記載する。硬化性組成物は、光学用途において接着剤として使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性組成物であって、
a)Mが5〜30k、Tが20℃未満の溶質(メタ)アクリロイルオリゴマーであって、
i.50重量部超の(メタ)アクリレートエステルモノマー単位と、
ii.10〜49重量部のヒドロキシル官能性モノマー単位と、
iii.1〜10重量部の、ペンダントアクリレート基を有するモノマー単位と、
iv.0〜20重量部の極性モノマー単位と、
v.0〜10重量部のシラン官能性モノマー単位と、
を含み、前記モノマー単位の合計が100重量部である、溶質(メタ)アクリロイルオリゴマーと、
b)希釈剤モノマー成分と、
c)連鎖移動剤と、
d)光開始剤と、を含む、硬化性組成物。
【請求項2】
100重量部の総モノマー+オリゴマー(a)+b)を基準として0.05部〜約10部、好ましくは0.05部〜約8部、より好ましくは約0.1部〜約4部の連鎖移動剤を含む、請求項1に記載の接着剤組成物。
【請求項3】
50重量%未満の前記希釈剤モノマー成分と、50重量%超の前記溶質オリゴマーと、を含む、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
【請求項4】
25重量%未満の前記希釈剤モノマー成分と、75重量%超の前記溶質オリゴマーと、を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
【請求項5】
ペンダントアクリレート基を有する前記モノマー単位が、ペンダントヒドロキシル官能基を有する前記オリゴマーと共反応性官能基を有するアクリロイル化合物との反応によって調製される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着剤。
【請求項6】
前記共反応性官能基を有するアクリロイル化合物が、次式:
【化1】
(式中、Rは、水素、C〜Cアルキル基、又はフェニル基であり、Rは、単結合、又はエチレン性不飽和基を共反応性官能基Aに結合する(ヘテロ)ヒドロカルビル二価連結基であり、Aは、カルボキシル基、イソシアネート基、エポキシ基、無水物基、又はオキサゾリニル基である)で表される、請求項5に記載の接着剤。
【請求項7】
前記オリゴマーの前記(メタ)アクリレートエステルモノマー単位のアルカノールが、C〜C14の平均炭素数を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の接着剤。
【請求項8】
前記ヒドロキシル官能性モノマーが、次の一般式:
【化2】
(式中、
は、ヒドロカルビル基であり、
は、−H又はC〜Cアルキルであり、
は、−NR−又は−O−である)を有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の接着剤。
【請求項9】
前記希釈剤モノマー成分が、アクリレートエステルモノマー単位、ヒドロキシル官能性モノマー単位、極性モノマー単位、及びシラン官能性モノマー単位から選択される少なくとも1種のモノマーを含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項10】
前記希釈剤モノマー成分が、
80〜100重量部の(メタ)アクリレートエステルモノマー及び/又はヒドロキシ官能性モノマー(ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)と、
0〜30重量部の極性モノマーと、
0〜2重量部のシラン官能性モノマーと、を含み、
前記希釈剤モノマー成分の前記モノマーの合計が100重量部である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項11】
前記希釈剤モノマー成分が、
80〜100重量部の(メタ)アクリレートエステルモノマーと、
0〜30重量部の極性モノマーと、
0〜2重量部のシラン官能性モノマーと、を含み、
前記希釈剤モノマー成分の前記モノマーの合計が100重量部である、請求項10に記載の硬化性組成物。
【請求項12】
前記希釈剤モノマー成分が、
80〜100重量部のヒドロキシ官能性モノマー(ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)と、
0〜30重量部の極性モノマーと、
0〜2重量部のシラン官能性モノマーと、を含み、
前記希釈剤モノマー成分の前記モノマーの合計が100重量部である、請求項10に記載の硬化性組成物。
【請求項13】
(メタ)アクリレートエステルモノマー及びヒドロキシ官能性モノマー(ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)を95:5〜5:95の重量比で含む、請求項10に記載の硬化性組成物。
【請求項14】
前記(メタ)アクリル酸エステルモノマー成分が、2−アルキルアルカノールの(メタ)アクリレートエステルを含んでよく、前記2−アルキルアルカノールのモル炭素数平均が、12〜32である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の接着剤。
【請求項15】
前記オリゴマーが、次式:
〜[Mエステル−[MOHb*−[M極性−[Mシリル−[Mアクリル
(式中、
−[Mエステル]−は、共重合体化(メタ)アクリレートエステルモノマー単位を表し、
−[MOH]−は、ペンダントヒドロキシ基を有する共重合体化(メタ)アクリロイルモノマー単位を表し、
−[M極性]−は、共重合体化極性モノマー単位を表し、
[Mアクリル]は、ペンダント重合性(メタ)アクリロイル基を有する共重合体化(メタ)アクリロイルモノマー単位を表し、
[Mシリル]は、任意追加的なシラン官能性モノマーを表し、
添字a、b、c、d及びeは、各モノマー単位の重量部を表す)で表される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の接着剤。
【請求項16】
熱安定剤、酸化防止剤、静電気防止剤、増粘剤、充填剤、顔料、染料、着色剤、チキソトロープ剤、加工助剤、ナノ粒子、繊維、及びこれらの任意の組み合わせから選択される添加剤を更に含む、請求項1〜15のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項17】
添加剤が、硬化性組成物の質量に対して0.01〜10重量%の量である、請求項16に記載の硬化性組成物。
【請求項18】
前記硬化性組成物の総重量に対して1〜10重量%の量で、1nm〜約100nmの平均粒径を有する金属酸化物粒子を更に含む、請求項1〜17のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項19】
前記ヒドロキシル官能性モノマーが、前記硬化性組成物(オリゴマー+希釈剤)が、6.5×10−4mol OH/g超のヒドロキシル含量を有するような量で用いられる、請求項1〜18のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項20】
前記オリゴマーが、断熱的重合プロセスによって調製される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項21】
架橋剤を含まない、請求項1〜20のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか一項に記載の硬化性組成物から調製される、放射線硬化接着剤組成物。
【請求項23】
光学的に透明な積層体であって、
少なくとも1つの主表面を有する第1の基材と、
少なくとも1つの主表面を有する第2の基材と、
前記第1の基材の少なくとも1つの主表面と前記第2の基材の少なくとも1つの主表面との間に配設されかつそれらの主表面と接触している、請求項1〜19のいずれか一項に記載の硬化性組成物と、を含む、光学的に透明な積層体。
【請求項24】
前記第1の基材、前記第2の基材、又は前記第1の基材と前記第2の基材との両方が、ディスプレイパネル、タッチパネル、光学フィルム、カバーレンズ、又は窓から選択される、請求項23に記載の光学的に透明な積層体。
【請求項25】
前記カバーレンズが、ガラス、ポリメチルメタクリレート、又はポリカーボネートのうちの少なくとも1つを含む、請求項23に記載の光学的に透明な積層体。
【請求項26】
前記ディスプレイパネルが、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、OLEDディスプレイ、エレクトロウェッティング方式ディスプレイ、及び陰極線管ディスプレイから選択される、請求項23に記載の光学的に透明な積層体。
【請求項27】
前記光学フィルムが、反射体、偏光子、鏡、防眩若しくは反射防止フィルム、抗破片フィルム、拡散体、又は電磁干渉フィルターから選択される、請求項23に記載の光学的に透明な積層体。
【請求項28】
前記硬化性組成物が、約25μm超の厚さを有する、請求項23〜27のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項29】
前記硬化性組成物が、約50μm超の厚さを有する、請求項23〜27のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項30】
前記硬化性組成物が、約75μm超の厚さを有する、請求項23〜27のいずれか一項に記載の積層体。
【請求項31】
前記基材のうちの少なくとも1つが、ポリカーボネート又はポリ(メチル)メタクリレートである、請求項23に記載の積層体。
【請求項32】
光学的に透明な積層体であって、
少なくとも1つの主表面を有する第1の基材と、
少なくとも1つの主表面を有する第2の基材と、
前記第1の基材の少なくとも1つの主表面と前記第2の基材の少なくとも1つの主表面との間に配設されかつそれらの主表面と接触している、請求項22に記載の光学的に透明な接着剤組成物と、を含み、前記接着剤が、(350〜800nmの範囲で)約85%超、好ましくは90%超の平均光透過率を有し、500マイクロメートルの厚さを有する、光学的に透明な積層体。
【請求項33】
接着剤の調製方法であって、
(i)請求項1〜21のいずれか一項に記載の本質的に硬化性の組成物を提供する工程と、
(ii)前記組成物を部分重合して、部分重合した混合物を提供する工程であって、前記部分重合した混合物が、20℃にて1,000〜500,000mPasのBrookfield粘度、及び重合前のモノマーの質量に対して85〜99重量%の、モノマーのポリマーへの変換率を呈する、工程と、
(iii)前記オリゴマーの前記ヒドロキシル官能性モノマー単位の一部をペンダント重合性(メタ)アクリレート基に変換する工程と、
(iv)1種以上の、光開始剤、連鎖移動剤、及び溶媒希釈剤モノマーを前記部分重合した混合物に添加して、放射線硬化性組成物を提供する工程と、
(v)続いて、前記放射線硬化性組成物を基材上にコーティングする工程と、
(vi)前記放射線硬化性組成物を、化学線への曝露により更に重合して、前記接着剤を提供する工程と、を含む、接着剤の調製方法。
【請求項34】
前記放射線硬化性組成物が、ナイフコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、エアナイフコーティング、スプレーコーティング、ダイコーティング、ドローバーコーティング、又はカーテンコーティング、又はロールコーティングによってコーティングされる、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記放射線硬化性組成物が、ニードル、ニードルダイ、又はスロットダイを介して前記基材に点及び/又は線を適用することによってコーティングされる、請求項33に記載の方法。
【請求項36】
粘着付与剤を更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項37】
可塑剤を更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項38】
チキソトロープ剤を更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項39】
光学的に透明な積層体であって、
少なくとも1つの主表面を有する第1の基材と、
少なくとも1つの主表面を有する第2の基材と、
前記第1の基材の少なくとも1つの主表面と前記第2の基材の少なくとも1つの主表面との間に配設されかつそれらの主表面と接触している、請求項22に記載の硬化接着剤組成物と、を含む、光学的に透明な積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光学的に透明な接着剤、及びその接着剤を含む積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
光学的に透明な接着剤は、光学ディスプレイにおいて幅広く利用されている。このような用途としては、偏光子を液晶ディスプレイ(LCD)のモジュールに結合させること、及び様々な光学フィルムを、例えば、携帯ハンドヘルド(MHH)デバイスのガラスレンズに付着させることが挙げられる。使用中には、ディスプレイが、高温及び/又は高湿等の様々な環境条件に曝される可能性がある。
【0003】
接着剤層内での気泡形成だけでなく、光学接着剤と積層体ディスプレイアセンブリの構成要素との間の層間剥離も含むこれらの条件の下では、接着剤が破損を呈し得ることが観測されてきた。環境試験条件時にこの種の破損が起こる確率は、接着剤と積層体構成要素との間の接着結合を改良することで減じられるものと期待されている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、a)複数のペンダントエチレン性不飽和フリーラジカル重合性官能基及びペンダントヒドロキシル基を有する溶質(メタ)アクリロイルオリゴマー(Mが5k〜30k、Tが20℃未満(好ましくは、Tが0℃未満)と、b)溶媒モノマー成分と、c)連鎖移動剤、好ましくはチオールと、d)光開始剤と、を含む、硬化性組成物を含む。
【0005】
この組成物は、硬化したとき、黄変せず、低収縮率、低複屈折率、及び低感湿性(曇点耐性)を示すので、液晶ディスプレイ(LCD)のモジュールに偏光子を結合させること、及び様々な光学フィルムを、例えば、携帯ハンドヘルド(MHH)デバイスのガラスレンズに付着させることを含むがこれらに限定されない、多くの光学用途に好適である。この組成物は、低粘度であるので、分注可能な光学接着剤として用いることができ、連鎖成長付加プロセスによって分子量を増加させる。
【0006】
1つの態様では、少なくとも1つの主表面を有する第1の基材と、少なくとも1つの主表面を有する第2の基材と、2つの基材の間に配置された硬化光学接着剤組成物とを含む、光学的に透明な積層体が提供される。本開示の物品及びその接着剤層は、約0.5ミリメートル超の厚さ、通常1×10−6未満の複屈折率(絶対)、(350〜800nmの範囲で)約85%超、好ましくは90%超の平均光透過率、及び500マイクロメートルの厚さの試料について約1.5単位未満、好ましくは約1.0単位未満のCIELAB bを有し得る。
【0007】
更なる態様では、少なくとも1つの主表面を有する第1の基材と、少なくとも1つの主表面を有する第2の基材と、第1の基材の少なくとも1つの主表面と第2の基材の少なくとも1つの主表面との間に位置しかつそれらの主表面と接触している、曇点耐性の光学的に透明な接着剤組成物を含む、光学的に透明な積層体であって、接着剤は、少なくとも400g/m/日の透湿度を有する、光学的に透明な積層体を提供する。
【0008】
親水性部分を液体光学接着剤のマトリックスに組み込むことにより、高温/高湿促進老化試験後でさえも透明なままである、曇りのない、曇点耐性の接着剤を得ることができる。提供される接着剤は、例えば、偏光子を光学LCDに積層すること、様々な光学フィルムを携帯ハンドヘルドデバイスのガラスレンズに付着させること、並びに様々な温度及び湿度環境において光学的明澄度を要する他の接着剤用途における使用に好適である。
【0009】
理論に束縛されるものではないが、接着剤が高温にて水で飽和した時には曇りが出現し、接着剤が急速に冷却された時には、水分と接着剤のマトリックスとの相溶性が乏しいため、水の濃度が曇点を超えると考えられる。このため、微小水滴が相分離する可能性があり、接着剤のマトリックスとの屈折率のミスマッチにより、曇り又は「白い」外観を生じる。液滴が極微小なままである場合(例えば、数百ナノメートル以下)、又は水が周囲条件下で接着剤に十分に可溶化したままである場合、接着剤及び接着剤と基材とのボンドラインは、接着剤がその含水量を環境と再均衡化する間は、透明のままであろう。水分と環境との再均衡化を促進するには、光散乱及び曇りをもたらし得る水の蓄積を避けるために、接着剤の透湿度は、十分に速い速度で水を移動させるのに十分に高い必要があることも予想される。
【0010】
本明細書において使用されるとき、
「曇点」は、接着剤と水との混合物が連続接着剤相と分散水相とに分離する温度を指し、この温度では、分散相が光の波長よりも大きいことから、接着剤が「白」又は曇りに見える。
「アルキル」とは、例えば、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、ペンチル等の1〜約32を有する、直鎖又は分枝状の、環式又は非環式の、飽和一価炭化水素を意味する。
【0011】
「アルキレン」とは、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、2−メチルプロピレン、ペンチレン、ヘキシレン等の、1〜約12個の炭素原子を有する直鎖状の飽和二価炭化水素、又は3〜約12個の炭素原子を有する分枝状の飽和二価炭化水素ラジカルを意味する。
【0012】
「ヘテロアルキル」は、未置換及び置換アルキル基の両方と共に、独立してS、P、Si、O及びNから選択される1個以上のヘテロ原子を有する直鎖状、分枝状、及び環状のアルキル基の両方を含む。別途記載のない限り、ヘテロアルキル基は、典型的には、1〜20個の炭素原子を含む。「ヘテロアルキル」は、下記の「1つ以上のS、N、O、P、又はSi原子を含むヒドロカルビル」の部分集合である。本明細書で使用されるとき、「ヘテロアルキル」の例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、3,6−ジオキサヘプチル、3−(トリメチルシリル)−プロピル、4−ジメチルアミノブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。別途断りのない限り、ヘテロアルキル基は、一価又は多価、即ち、一価ヘテロアルキル又は多価ヘテロアルキレンであり得る。
【0013】
「アリール」は、6〜18個の環原子を含有する芳香族基であり、任意の縮合環を含んでもよく、これは、飽和であっても、不飽和であっても、芳香族であってもよい。アリール基の例としては、フェニル、ナフチル、ビフェニル、フェナンスリル、及びアントラシルが挙げられる。ヘテロアリールは、窒素、酸素、又は硫黄等の1〜3個のヘテロ原子を含むアリールであり、縮合環を含んでもよい。ヘテロアリール基の幾つかの例は、ピリジル、フラニル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニル、及びベンゾチアゾリル(benzthiazolyl)である。別途断りのない限り、アリール基及びヘテロアリール基は、一価又は多価、即ち、一価アリール又は多価アリーレンであり得る。
【0014】
「(ヘテロ)ヒドロカルビル」は、ヒドロカルビルアルキル基及びアリール基、並びにヘテロヒドロカルビルヘテロアルキル基及びヘテロアリール基を含み、後者は、エーテル基又はアミノ基等の1個以上のカテナリー酸素ヘテロ原子を含む。ヘテロヒドロカルビルは任意追加的に、エステル官能基、アミド官能基、尿素官能基、ウレタン官能基、及びカーボネート官能基を含む、1個以上のカテナリー(鎖中)官能基を含み得る。別途記載のない限り、非高分子(ヘテロ)ヒドロカルビル基は、典型的には、1〜60個の炭素原子を含む。このようなヘテロヒドロカルビルの幾つかの例としては、本明細書で使用されるとき、上記の「アルキル」、「ヘテロアルキル」、「アリール」、及び「ヘテロアリール」について記載されたものに加えて、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、4−ジフェニルアミノブチル、2−(2’−フェノキシエトキシ)エチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサヘキシル−6−フェニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
「アクリロイル」は、エステル及びアミドの両方を含む。
【0016】
「(メタ)アクリロイル」には、アクリロイル基及びメタクリロイル基の両方が包含される。即ち、エステル及びアミドの両方が包含される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
接着剤組成物は、a)5〜30k、好ましくは8〜15kのM、及び20℃未満、好ましくは10℃未満、より好ましくは0℃未満のTを有する溶質(メタ)アクリロイルオリゴマーと、b)溶媒希釈剤モノマー成分と、c)連鎖移動剤と、d)光開始剤と、を第1の成分として有する。幾つかの実施形態において、本組成物は、
a)複数のペンダントフリーラジカル重合性官能基を有し、かつ5〜30KのM、及び20℃未満のTを有する50重量部超、好ましくは80部超、最も好ましくは90部超のオリゴマーと、
b)50重量部未満、好ましくは20部未満、最も好ましくは10部未満の希釈剤溶媒モノマー成分と、
c)100重量部の総オリゴマー+モノマー、即ち、(a)+b)の総量を基準として0.05部〜約10部、好ましくは0.05〜約8部、より好ましくは約0.1部〜約4部の連鎖移動剤と、
d)100重量部のオリゴマー及び希釈剤溶媒モノマーを基準として0.001〜5重量部、好ましくは0.001〜1、最も好ましくは0.01〜0.1部の光開始剤と、
を含む。
【0018】
オリゴマーは全般的に、下記の重合したモノマー単位:
a)50重量部超、好ましくは75重量部超、最も好ましくは80重量部超の(メタ)アクリレートエステルモノマー単位と、
b)ペンダントヒドロキシル官能基を有する10〜49重量部、好ましくは10〜35重量部、最も好ましくは15〜25重量部のモノマー単位と、
c)ペンダントフリーラジカル重合性官能基を有する1〜10重量部、好ましくは1〜5重量部、最も好ましくは1〜3重量部のモノマー単位と、
d)0〜20重量部の他の極性モノマー単位と、
e)0〜10部のシラン官能性モノマー単位と、
を含み、それらのモノマー単位の合計は100重量部である。
【0019】
1つの態様では、オリゴマーは、(メタ)アクリレートエステルモノマー単位を含む。(メタ)アクリレートエステルは、脂肪族、脂環式、又は芳香族のアルキル基を含んでよい。有用なアルキルアクリレート(即ち、アクリル酸アルキルエステルモノマー)としては、非三級アルキルアルコールの直鎖状又は分枝状の一官能性アクリレート又はメタクリレートが挙げられる。
【0020】
有用なモノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニルメタ(アクリレート)、ベンジルメタ(アクリレート)、トリデシル(メタ)アクリレート、2−プロピルヘプチル(メタ)アクリレート、及び2ーメチルブチル(メタ)アクリレート、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。幾つかの実施形態では、(メタ)アクリレートのアルカノール部分の平均炭素数は、10〜14である。
【0021】
オリゴマーは、20℃未満、好ましくは10℃未満、より好ましくは0℃未満のTを有する。様々なモノマーの特定の組み合わせに対するポリマー間Tの有用な予測因子は、Fox等式:1/T=ΣWi/Ti.を適用することにより計算できる。この等式において、Tは混合物のガラス転移温度であり、Wiは混合物中の成分iの重量分率であり、Tiは成分iのガラス転移温度(ホモポリマーとして測定、全てのガラス転移温度はケルビン(K)(−272.15摂氏(℃)単位)である。オリゴマーが20℃未満のTを有するためには、低Tモノマーを含めることが好都合である。
【0022】
本明細書において使用されるとき、用語「低Tモノマー」とは、ホモポリマー化されたときに20℃未満のTを有する(メタ)アクリロイルポリマーを生成するモノマーを指す。Fox等式を用いて計算されるように、低Tモノマーをオリゴマーに組み入れれば、結果として得られるコポリマーのガラス転移温度を20℃未満に低下させるのに十分である。あるいは、ガラス転移温度は、例えば示差走査熱量計(DSC)をはじめとする様々な公知の方法で測定され得る。
【0023】
好適な低Tモノマーは、1つのエチレン性不飽和基、及び20℃未満、好ましくは10℃未満の(Fox等式によって推定された)ガラス転移温度を有する。本開示において好適な低Tモノマーとしては、例えば、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘキシルアクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、カプロラクトンアクリレート、イソデシルアクリレート、トリデシルアクリレート、ラウリルメタクリレート、メトキシ−ポリエチレングリコール−モノメタクリレート、ラウリルアクリレート、テトラヒドロフルフリル−アクリレート、エトキシ−エトキシエチルアクリレート、及びエトキシル化ノニルアクリレートが挙げられる。特に好ましいのは、2−エチル−ヘキシルアクリレート、エトキシ−エトキシエチルアクリレート、トリデシルアクリレート、及びエトキシル化ノニルアクリレートである。
【0024】
幾つかの実施形態では、(メタ)アクリル酸エステルモノマー成分は、2−アルキルアルカノールの(メタ)アクリレートエステルであって、前記2−アルキルアルカノールのモル炭素数平均が12〜32である、(メタ)アクリレートエステルを含んでよい。Guerbetアルカノール由来(メタ)アクリルモノマーは、比較可能な、一般的に使用されている接着性アクリレート(コ)ポリマーよりも独特かつ改善された特性を有する(コ)ポリマーを形成する能力を有する。これらの特性としては、超低T、アクリルポリマーの低溶解度パラメーター、及び超形状適合性エラストマーを生ずる低貯蔵弾性率が挙げられる。Guerbetモノマーが含まれるとき、(メタ)アクリレートエステル成分は、100重量部以下、好ましくは50重量部以下の(メタ)アクリレートエステルモノマー成分を含み得る。このようなGuerbet(メタ)アクリレートエステルは、本出願人による米国特許第8,137,807号(Lewandowskiら)に記載されており、これは、参照することにより本明細書に援用される。
【0025】
幾つかの好ましい実施形態において、(メタ)アクリレートエステルは、C〜C32、好ましくはC〜C14の平均炭素数を有するアルカノールから誘導される。この平均炭素数は、各(メタ)アクリレートエステルモノマーの重量パーセントに基づいて計算してよい。
【0026】
オリゴマーは、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを含む親水性ヒドロキシル官能性モノマーを更に含む。親水性ヒドロキシル官能性モノマー化合物は、典型的には、400未満のヒドロキシル当量を有する。ヒドロキシル当量分子量は、モノマー化合物中のヒドロキシル基の数で除したモノマー化合物の分子量として定義される。
【0027】
ヒドロキシル官能性モノマーは、次の一般式:
【0028】
【化1】
(式中
は、ヒドロキシカルビル基、アルキレン、アリーレン及びこれらの組み合わせ、より好ましくはC〜Cアルキレンを含み、
は、−H又はC〜Cアルキルであり、
は、−NR−又は−O−である)を有する。
【0029】
この種の有用なモノマーとしては、ヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2−及び3−ヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−2−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート及びヒドロキシルブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシルエチルアクリルアミド及びN−ヒドロキシルプロピルアクリルアミドが挙げられる。
【0030】
ヒドロキシル官能性モノマーは、一般的に、オリゴマーの全モノマー100部に基づいて、10〜49重量部の量で用いられる。
【0031】
オリゴマーは、任意に、ヒドロキシル官能性モノマー以外の親水性極性モノマーを更に含む。親水性モノマーは、典型的には、約70超、又は約500超、又は更にはそれ以上の平均分子量(M)を有する。好適な親水性重合性ポリマー化合物としては、ポリ(エチレンオキシド)セグメント、ヒドロキシル官能基、又はこれらの組み合わせが挙げられる。ポリマー中のポリ(エチレンオキシド)とヒドロキシル官能基との組み合わせは、得られたポリマーを親水性にするのに十分に高い必要がある。「親水性」とは、ポリマー化合物が、相分離なしに少なくとも25重量パーセントの水を組み込むことができることを意味する。
【0032】
典型的に、好適な親水性ポリマー化合物は、少なくとも10、少なくとも20、又は更には少なくとも30のエチレンオキシド単位を含む、ポリ(エチレンオキシド)セグメントを含有し得る。あるいは、好適な親水性ポリマー化合物は、ポリマーの炭化水素含有量を基準として少なくとも25重量パーセントの酸素を、ポリ(エチレンオキシド)又はヒドロキシル官能基由来のエチレングリコール基の形態で含む。
【0033】
有用な親水性ポリマー化合物は、接着剤と相溶性のままであり、かつ光学的に透明な接着剤組成物が得られる限り、接着剤組成物と共重合可能であってもよいし又は非共重合可能であってもよい。共重合可能な親水性ポリマー化合物としては、例えば、Sartomer Company,Exton,PAから入手可能な、一官能性メトキシル化ポリエチレングリコール(550)メタクリレートであるCD552、又は同じくSartomerから入手可能な、ビスフェノールA残基と各メタクリレート基との間に30の重合したエチレンオキシド基を有するエトキシル化ビスフェノールAジメタクリレートであるSR9036が挙げられる。他の例としては、Jarchem Industries Inc.,Newwark,New Jerseyから入手可能なフェノキシポリエチレングリコールアクリレートが挙げられる。
【0034】
また、極性モノマー成分は、カルボン酸、アミド、ウレタン、又は尿素官能基を含有するアクリルモノマー等の弱極性モノマーを含んでよい。一般的には、接着剤中の極性モノマー含有量としては、約5重量部未満又は更には約3重量部未満の1つ以上の極性モノマーを挙げることができる。有用なカルボン酸としては、アクリル酸及びメタクリル酸が挙げられる。有用なアミドとしては、N−ビニルカプロラクタム、N−ビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタ(アクリルアミド)、及びN−オクチル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
【0035】
ヒドロキシル官能性モノマー及び極性モノマーは、オリゴマーが親水性になるような量で用いられる。「親水性」とは、オリゴマー化合物が、相分離なしに少なくとも25重量パーセントの水を組み込むことができることを意味する。一般的に、極性モノマーは、オリゴマーの全モノマー100部に基づいて、0〜30部の量で用いられる。一般的に、極性モノマーは、存在する場合、1〜10部、好ましくは1〜5部の量で用いられる。本明細書において定義されている極性モノマーは、他の定義されているモノマー、例えば、エステルモノマー、ヒドロキシル官能性モノマー、及びシリル官能性モノマーを除くものとする。
【0036】
任意追加的に、オリゴマーは、次式:
A−R−Si−(Y)(R3−p
(式中、
Aは、ビニル、アリル、ビニルオキシ、アリルオキシ、及び(メタ)アクリロイル、好ましくは(メタ)アクリレートを含むエチレン性不飽和重合性基であり、
は、共有結合基又は二価(ヘテロ)ヒドロキシカルビル基である)のものを含むシランモノマー[Mシラン]を含有する。
【0037】
一実施形態において、Rは、約1〜20個の炭素原子の二価炭化水素架橋基であり、例えば、−O−基、−C(O)−基、−S−基、−SO−基及び−NR−基(並びに−C(O)−O−等のこれらの組み合わせ)(式中、Rは、水素、又はC〜Cアルキル基である)からなる群から選択される1〜5個の部分を任意追加的に主鎖内に含む、アルキレン及びアリーレン並びにこれらの組み合わせを含む。別の実施形態において、Rは、ポリ(アルキレンオキシド)部分(式:
−(OCHCH−)(OCHCH(R))−)であり、式中、fは少なくとも5であり、gは0、好ましくは少なくとも1であってよく、モル比f:gは少なくとも2:1(好ましくは少なくとも3:1)であり、RはH又はC〜Cアルキルである。
【0038】
好ましくは、Rは、二価アルキレンであり、Yは、アルコキシ、アシルオキシ及びハロを含む加水分解可能な基であり、Rは、一価アルキル基又はアリール基であり、pは、1、2又は3、好ましくは3である。
【0039】
有用なシランモノマーとしては、例えば、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(アクリロイルオキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルジエチルエトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニルトリス−イソブトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0040】
任意追加的なシランモノマー[MSil]は、100重量部の総モノマーに対して0〜10重量部、好ましくは1〜5重量部の量で用いられる。このような任意のシランモノマーは、金属、シラン性(silaceous)表面、−OH基を有する表面に対する結合を改善するための接着促進剤として、又は硬化性組成物の自己架橋基として用いられる。
【0041】
オリゴマーは、ペンダントエチレン性不飽和重合性基を有する重合モノマー単位を更に含む。エチレン性不飽和基は、間接的な経路によってオリゴマーに提供され、それによって、オリゴマーのペンダントヒドロキシル基の一部は、エチレン性不飽和基を有する共反応性求電子性化合物(「共反応性モノマー」)との反応によって更に官能化される。
【0042】
共反応性官能基は、好ましくは、カルボキシル基、イソシアネート基、エポキシ基、無水物基、又はオキサゾリニル基、2−エテニル−1,3−オキサゾリン−5−オン及び2−プロペニル−4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリン−5−オンのようなオキサゾリニル化合物;(メタ)アクリル酸及び4−カルボキシベンジル(メタ)アクリレートのようなカルボキシ置換化合物;イソシアネートエチル(メタ)アクリレート及び4−イソシアネートシクロヘキシル(メタ)アクリレートのようなイソシアネート置換化合物;グリシジル(メタ)アクリレートのようなエポキシ置換化合物;N−アクリロイルアジリジン及び1−(2−プロペニル)−アジリジンのようなアジリジニル置換化合物;並びに(メタ)アクリロイルクロリドのようなアクリロイルハロゲン化物を含む。
【0043】
好ましい共反応性モノマーは、次の一般式:
【0044】
【化2】
(式中、Rは、水素、C1〜アルキル基、又はフェニル基、好ましくは水素基又はメチル基を表し、Rは、単結合、又はエチレン性不飽和基を共反応性官能基Aに結合させる(ヘテロ)ヒドロカルビル二価連結基であり、好ましくは最大34個、好ましくは最大18個、より好ましくは最大10個の炭素原子、任意追加的に酸素原子及び窒素原子を有し、Rが単結合でない場合、好ましくは以下から選択され、
【0045】
【化3】
は、1〜6個の炭素原子を有するアルキレン基、5〜10個の炭素原子を有する5員若しくは6員シクロアルキレン基、又は、各アルキレンが1〜6個の炭素原子を含むものであるか、又は6〜16個の炭素原子を有する二価芳香族基であるアルキレン−オキシアルキレンであり、Aは、オリゴマーのペンダントヒドロキシル基と反応してフリーラジカル重合性官能基を取り込むことが可能な共反応性官能基である)を有する。
【0046】
ペンダントエチレン性不飽和基を組み込む別の直接的な方法は、モノマーミックス中にポリエチレン性不飽和モノマー(例えば、エチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、又は1,6−ヘキサメチレンジオールジアクリレート)を含むことである。しかし、このようなポリエチレン性不飽和モノマーの使用は、広範囲に及ぶ分岐及び/又は架橋を導くことが見出されているので、ペンダントヒドロキシル基の一部を官能化する間接的な方法を支持して除外する。好ましくは、硬化性組成物は、ポリエチレン性不飽和モノマーも他の架橋剤も含有しない。
【0047】
オリゴマーを調製し、次いで、ペンダントエチレン性不飽和基で官能化する。即ち、アクリル酸エステルモノマーと、ヒドロキシル官能性モノマーと、任意の他の極性モノマーとを合わせ、重合させて、ヒドロキシル官能性オリゴマーを生成させる。
【0048】
オリゴマーは、連鎖移動剤の存在下で、反応開始剤とモノマーとを合わせることによって、ラジカル重合技術を用いて調製してよい。この反応では、連鎖移動剤は、ある成長鎖における活性部位を、後に新たな鎖を開始させることができる別の分子に移動させるので、重合度を制御することができる。オリゴマーのMは、5〜30K、好ましくは8〜15kである。重合度が高すぎる場合、組成物の粘度が高くなりすぎて、容易に加工できなくなることが見出されている。逆に、重合度が低すぎる場合、弾性率、接着力、及び他の機械的特性が低下する(一定の官能化度において)。
【0049】
連鎖移動剤は、本明細書に記載されているモノマーを重合させて、得られるオリゴマーの分子量を制御するときに使用してよい。好適な連鎖移動剤としては、ハロゲン化炭化水素(例えば、四臭化炭素)及び硫黄化合物(例えば、ラウリルメルカプタン、ブチルメルカプタン、エタンチオール、及び2−メルカプトエチルエーテル、チオグリコール酸イソオクチル、t−ドデシルメルカプタン、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール)、及びエチレングリコールビスチオグリコレートが挙げられる。有用な連鎖移動剤の量は、オリゴマーの所望の分子量及び連鎖移動剤の種類に依存する。連鎖移動剤は、典型的に、モノマーの総重量を基準として約0.1部〜約10部、好ましくは0.1部〜約8部、より好ましくは約0.5部〜約4部の量で使用される。
【0050】
硬化性組成物は、上でオリゴマーに関して述べたのと同じモノマーであってもよい希釈剤モノマー成分を更に含む。本組成物が50重量%未満の希釈剤溶媒モノマー成分及び50重量%超の溶質オリゴマーを含むように、50重量部以下、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下の希釈剤モノマーを添加してもよい。
【0051】
幾つかの実施形態において、希釈剤モノマー成分は、
80〜100重量部の(メタ)アクリレートエステルモノマー及び/又はヒドロキシ官能性モノマーと、
0〜30重量部の極性モノマー(ヒドロキシ官能性モノマーを除く)と、
0〜2重量部のシリル官能性モノマーと、
を含み、それらのモノマーの合計は100重量部である。
【0052】
幾つかの実施形態において、硬化性組成物は、(メタ)アクリレートエステルモノマー及びヒドロキシ官能性モノマー(ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)を5:95〜95:5の重量比で含む。
【0053】
溶媒モノマー成分は全般的に、架橋可能な多官能性アクリレートを含有しない。
【0054】
幾つかの実施形態において、ヒドロキシル官能性モノマーは、硬化性組成物(オリゴマープラス溶媒モノマー希釈剤)が8.3×10−4mol OH/g超のヒドロキシル含量を有するような量で用いられる。
【0055】
硬化性組成物は、オリゴマーの調製に使用される連鎖移動剤以外に、希釈剤モノマー成分の一部としての連鎖移動剤を更に含む。連鎖移動剤は、オリゴマーの調製に関して先に述べたものと同じであってもよいし又は異なっていてもよく、好ましくはモノチオール又はポリチオールである。出願人の考えるところによれば、連鎖移動剤は、オリゴマーのペンダントアクリレート基及び溶媒モノマー成分の重合性モノマーの両方と反応して、それにより、硬化接着剤の網目構造を改変し、接着剤の網目の架橋密度を減じ、かつ剥離試験中のエネルギー散逸度を改善する可能性がある。連鎖移動剤は、100重量部の総モノマー+オリゴマー(a)+b)を基準として0.05部〜約10部、好ましくは0.05部〜約8部、より好ましくは約0.1部〜約4部の量で使用することができる。
【0056】
硬化性組成物は、50重量%未満の希釈剤モノマーと、50重量%超の溶質オリゴマーと、モノマー100pbw当たり約0.001〜約5.0pbw、好ましくは約0.001〜約1.0pbw、より好ましくは約0.01〜約0.5pbwの範囲の濃度の光開始剤とを含む。
【0057】
オリゴマー、モノマー及び連鎖移動剤を合わせ、光開始剤の存在下でオリゴマー化させる。より具体的には、接着剤は、次の工程:
(i)上述のフリーラジカル重合性モノマーと少なくとも1つのフリーラジカル重合反応開始剤とを含む本質的に無溶媒混合物を提供する工程と、
(ii)前記混合物を部分重合して、部分重合した混合物を提供する工程であって、前記部分重合した混合物が、20℃にて1,000〜125,000mPasのBrookfield粘度、及び重合によってオリゴマーを生成する前のモノマーの質量に対して85〜99重量%、好ましくは90〜99重量%の、モノマーのポリマーへの変換率を呈する、工程と、
(iii)オリゴマーのヒドロキシル官能性モノマー単位の一部をペンダント重合性(メタ)アクリレート基に変換する工程と、
(iv)1種以上の、光開始剤、連鎖移動剤、及び溶媒希釈剤モノマーを部分重合した混合物(オリゴマーを含む)に添加して、放射線硬化性前駆体を提供する工程と、
(v)続いて、放射線硬化性前駆体を基材に塗布する工程と、
(vi)放射線硬化性前駆体を、化学線への曝露により更に重合して、前記接着剤を提供する工程と、
により調製される。
【0058】
本開示は更に、本開示の方法の工程(i)〜(vi)を実行することにより得ることができる放射線硬化性前駆体に関する。放射線硬化性前駆体に含まれる、85〜99重量%の変換率の、モノマーのポリマーへの変換により得られたポリマーは、好ましくは、1.5〜4の多分散性ρ=M/Mを有する。
【0059】
混合物は、有効な量の1つ以上のフリーラジカル重合反応開始剤を更に含む。フリーラジカル重合反応開始剤及びその量、並びに重合条件は、混合物の部分的重合により、重合前のモノマーの質量に対して必要とされる、モノマーのポリマーへの変換率が85〜99重量%であり、かつ20℃における部分重合した混合物の粘度が1,000〜500,000mPasになるように選択される。用語「フリーラジカル重合反応開始剤」は、上記及び下記で使用するとき、熱によって活性化され得るか、又は特に紫外線等の化学線によって活性化され得る反応開始剤を含む。
【0060】
混合物は、好ましくは、本質的に断熱的な重合条件下で工程(ii)において部分重合されるので、混合物は、好ましくは、1つ以上の熱活性化性フリーラジカル重合反応開始剤を含む。好適な熱活性化性フリーラジカル重合反応開始剤としては、有機過酸化物、有機ヒドロペルオキシド、及びフリーラジカルを発生させるアゾ基反応開始剤が挙げられる。有用な有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル、ジ−t−アミル過酸化物、t−ブチルペルオキシベンゾエート、及びジ−クミル過酸化物のような化合物が挙げられるが、これらに限定されない。有用な有機ヒドロペルオキシドとしては、t−アミルヒドロペルオキシド及びt−ブチルヒドロペルオキシドのような化合物が挙げられるが、これらに限定されない。有用なアゾ基反応開始剤としては、Vazo(商標)(DuPon製の化合物、例えば、Vazo(商標)52(2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル))、Vazo(商標)64(2,2’−アゾビス(2−メチル−プロパンニトリル))、Vazo(商標)67(2,2’−アゾビス(2−メチルブタンニトリル))、及びVazo(商標)88(2,2’−アゾビス(シクロヘキサン−カルボニトリル))が挙げられるが、これらに限定されない。
【0061】
重合工程(ii)及び(iii)は、単一の工程として、又は複数の工程として生起し得る。即ち、モノマー及び/若しくは反応開始剤の全て又は一部を、最初に装入し、部分重合させてよい。幾つかの実施形態では、モノマー、及び部分的に重合している反応開始剤を最初に装入し、次いで、更なるモノマー及び/又は反応開始剤を添加し、更に重合させる。このような複数の重合工程は、1)反応物の多分散性を狭くするのを助け、具体的には、形成される低分子量鎖の量を減少させ、2)反応熱を最小化し、3)重合中に利用可能なモノマーの種類及び量を調整する。
【0062】
上記及び下記に用いられている用語「本質的に断熱的な重合」とは、部分重合した混合物を提供するための所望の変換率に達するまで混合物の重合が遂行される反応系に対して、又はこの反応系から授受される任意のエネルギーの絶対値の合計が、混合物の前記重合中に遊離する全エネルギーの約15%未満になることを意味する。
【0063】
本開示の好ましい方法では、混合物を、モノマーのポリマーへの変換率85〜99重量%で断熱的に重合させて、部分的に硬化した混合物を提供する反応系は、好ましくは、バッチ反応器である。バッチ式で反応するとは、部分的に硬化した混合物が反応中に連続的に排出されるのではなく、重合の最後に容器から排出され得る、容器内で混合物の重合反応が生じることを意味する。モノマー及び反応開始剤、及び任意に添加剤を、反応前に1度に、反応している間段階的に、又は反応している間にわたって連続的に容器に装入してよく、重合反応は、前記1つ以上のモノマーを所望の変換率85〜99重量%でポリマーに変換するのに必要な時間進行させる。
【0064】
変換率は、IR分光法及び重量分析を含む標準的な分析方法によって測定することができる。断熱的反応プロセスに関する更なる詳細は、参照することにより本明細書に援用される米国特許第7,691,437号(Ellisら)に見出すことができる。
【0065】
工程(ii)で生成されるオリゴマーは、次の一般式:
〜[Mエステル−[MOH−[M極性−[Mシリル
(式中
−[Mエステル]−は、相互重合した(メタ)アクリレートエステルモノマー単位を表し、
−[MOH]−は、ペンダントヒドロキシル基を有する相互重合した(メタ)アクリロイルモノマー単位を表し、
[M極性]は、任意追加的な極性モノマー単位を表し、
[Mシリル]は、任意追加的なシラン官能性モノマー単位を表す)を有する。
【0066】
添字a、b、c、及びeは、記載されている各モノマー単位の重量部を表す。断熱的プロセスのオリゴマー生成物は、部分的な変換により、未反応のモノマーを更に含むことが理解される。
【0067】
前述したように、工程(iii)では、ヒドロキシル官能性モノマー単位の一部である−[MOH]−を、ペンダント重合性(メタ)アクリロイル基を有する[Mアクリル](メタ)アクリロイルモノマー単位に変換して、次式:
〜[Mエステル−[MOHb*−[M極性−[Mアクリル−[Mシリル
(式中
[Mアクリル]は、ペンダン重合性(メタ)アクリロイル基を有する相互重合した(メタ)アクリロイルモノマー単位を表し、bは、官能化によって[Mアクリル]が生成された後に残存したヒドロキシル官能性モノマーの重量部を表し、dは、ペンダントフリーラジカル重合性モノマー単位を有するモノマー単位の重量部を表す)で表されるオリゴマーを生ずる。b+dは、出発オリゴマーにおけるbの値に等しいことが明らかであろう。ペンダントヒドロキシル基の一部は、後続の重合について1〜10重量%の(メタ)アクリレート基を有するオリゴマーを提供するために、(メタ)アクリレート基で官能化される。官能化後、オリゴマーは、湿潤環境下における曇り点の問題を回避するために、少なくとも10重量%、好ましくは少なくとも15重量%、最も好ましくは少なくとも20重量%のヒドロキシル官能性モノマー単位を含むことが好ましい。
【0068】
第4の工程(iv)では、1つ以上の光開始剤を部分重合した混合物に添加して、放射線硬化性前駆体を提供する。用語「光開始剤」とは、上記及び下記で使用するとき、例えば、光源、特に紫外光源、又は電子ビーム源等のある種の化学線によって活性化され得るフリーラジカル重合反応開始剤を含む。光源、特に紫外光源による活性化が好ましい。光によって活性化され得るフリーラジカル放射線重合開始剤は、多くの場合、フリーラジカル光開始剤と呼ばれる。1つ以上の光開始剤を含む放射線硬化性前駆体が好ましい。好適なフリーラジカル光開始剤は、好ましくは、I型及びII型両方の光開始剤を含む。
【0069】
I型光開始剤は、照射時に単分子結合開裂反応を本質的に受けて、それにより、フリーラジカルを生じさせると定義される。好適なI型光開始剤は、ベンゾインエーテル、ベンジルケタール、α−ジアルコキシアセトフェノン、α−ヒドロキシアルキルフェノン、及びアシルホスフィンオキシドからなる群から選択される。好適なI型光開始剤は、例えば、Esacure(商標)KIP 100(Lamberti Spa,Gallarate,Italy製)又はIrgacure(商標)651(Ciba−Geigy,Lautertal,Germany製)として市販されている。
【0070】
II型光開始剤は、励起状態の光開始剤と、共開始剤として作用する第2の化合物とが相互作用する二分子反応を本質的に受けて、フリーラジカルを発生させると定義される。好適なII型光開始剤は、ベンゾフェノン、チオキサントン、及びチタノセンを含む群から選択される。好適な共開始剤は、好ましくは、アミン官能性モノマー、オリゴマー、又はポリマーを含む群から選択され、アミン官能性モノマー及びオリゴマーが好ましい。一級、二級、及び三級アミンのいずれを用いてよく、三級アミンが好ましい。好適なII型光開始剤は、例えば、Lamberti Spa.,Gallarate,Italy製のEsacure(商標)TZT、又はAldrich Co.,Milwaukee,Wis製の2−又は3−メチルベンゾフェノンとして市販されているものである。好適なアミン共開始剤は、例えば、Rahn AG,Zurich,Switzerland製のGENOMER(商標)5275として市販されているものである。
【0071】
光開始剤は、紫外線照射を用いて硬化させるときに、液体組成物中で使用されてもよい。フリーラジカル硬化用の光開始剤としては、有機過酸化物、アゾ化合物、キニーネ、ニトロ化合物、アシルハロゲン化物、ヒドラゾン、メルカプト化合物、ピリリウム化合物、イミダゾール、クロロトリアジン、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、ケトン、フェノン等が挙げられる。例えば、接着剤組成物は、BASF Corp.からLUCIRIN(商標)TPO−Lとして入手可能なエチル−2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート、又はCiba Specialty ChemicalsからIRGACURE(商標)184として入手可能な1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンを含み得る。
【0072】
光開始剤、及び任意に1つ以上の共開始剤の総量は、典型的に、硬化性組成物の質量に対して、約0.001重量%〜約5重量%の範囲、好ましくは約0.1重量%〜約3重量%の範囲である。
【0073】
放射線硬化性前駆体(オリゴマー及び希釈剤)は、20℃で1,000〜500,000mPas、好ましくは2,000〜125,000mPas、より好ましくは2,000〜75,000、特に好ましくは2,000〜50,000mPasのBrookfield粘度を有する。放射線硬化性組成物を印刷によって基材に塗布する場合、放射線硬化性組成物は、好ましくは、20℃で1,000〜30,000mPas、より好ましくは2,000〜25,000mPasのBrookfield粘度を有する。
【0074】
オリゴマーと連鎖移動剤(類)と希釈剤モノマー(類)と光開始剤とを含む硬化性組成物を十分に混合し、続いて、第5の工程iv)及びv)において基材に塗布する。組成物は、低粘度であるため、ナイフコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、エアナイフコーティング、及びロールコーティング等の従来のコーティング方法によって基材に塗布してよい。幾つかの実施形態では、硬化性組成物は、結合領域全体に一定量の接着剤を分配することによって塗布される。これは、ニードル、ニードルダイ若しくはスロットダイを介して点及び/又は線を適用することによって塗布され得る。スプレーコーティング、ダイコーティング、ドローバーコーティング、又はカーテンコーティングによって領域全体をコーティングしてもよい。結合領域の外辺部の周囲の液体硬化性組成物のダムを予硬化し、次いで、上記方法のいずれかを用いて結合領域を満たす「ダム及びフィル(dam and fill)」法を用いてもよい。また、ダムは、テープ、又は発泡体及び/若しくはゴムガスケットの形態であってもよい。領域は、ダムの助けを借りることなくステンシル印刷又はスクリーン印刷を用いてコーティングしてもよい。これらの堆積法に関する更なる情報は、本明細書において参照により援用される米国特許出願公開第20130011683号、同第20130034713号、米国特許第8468712号、及び米国特許出願公開第20090283211号に見出すことができる。
【0075】
基材への塗布後、前駆体を、化学線、好ましくは紫外線に曝露することによって、工程(v)で更に重合させる。任意の源及び任意の種類の化学線を組成物の硬化に用いてよく、光源は、電子ビーム源よりも好ましい。光は、平行光線又は発散ビームの形態であってよい。フリーラジカルを発生させる多くの光開始剤は、紫外線(UV)域において最大の吸収を示すので、光源は、好ましくは、有効な量のこのような放射線を放射するように選択される。好適な光源としては、炭素アークランプ、水銀蒸気灯、紫外線発光燐光体を含む蛍光灯、紫外線発光ダイオード、アルゴングローランプ、及び写真用電球が挙げられる。少なくとも80mW/cm、より好ましくは少なくとも120mW/cmのランプ電力密度を有する高強度光源が好ましい。
【0076】
硬化性組成物を化学線、特に紫外線に曝露するとき、前駆体は、フリーラジカル重合機序を介して硬化される。組成物は、オリゴマー及び希釈剤モノマーのポリマーへの変換率が、少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%、特に好ましくは少なくとも97.5%、最も好ましくは少なくとも99%であるときに、「完全に硬化した」と称される。
【0077】
放射線硬化性組成物の250μmの厚さの層を硬化させる場合、印加されるエネルギー密度は、好ましくは100〜5,000mJ/cm、より好ましくは300〜3000mJ/cmである。
【0078】
硬化性組成物及び光開始剤に活性化紫外線を照射して、モノマー成分を重合することができる。紫外光源には2つのタイプがあり得る。1)280〜400ナノメートルの範囲の波長にて一般的に10mW/cm以下(例えば、Electronic Instrumentation & Technology,Inc.,Sterling,VA製のUVIMAP UM 365 L−S線量計を用いて米国標準技術局認可の手順で測定したとき)を提供するブラックライト等の比較的光強度の低い光源、及び2)一般的に10mW/cm超、好ましくは15〜450mW/cmの強度を提供する中圧水銀灯、又は約4000mW/cm以下の強度を提供するフュージョンバルブ(Fusion bulb)等の比較的光強度の高い光源である。
【0079】
接着剤の光学特性がほとんど損なわれないような量で、例えば、熱安定剤、酸化防止剤、静電気防止剤、増粘剤、充填剤、顔料、染料、着色剤、チキソトロープ剤、加工助剤、ナノ粒子、繊維、及びこれらの任意の組み合わせ等の更なる成分及び添加剤が、硬化性組成物に含まれてもよい。このような添加剤は、一般的に、硬化性組成物の質量に対して0.01〜10重量%、より好ましくは0.05〜5重量%の量である。幾つかの実施形態では、硬化性組成物及びその後に得られる接着剤は、このような接着剤を含有しない。
【0080】
幾つかの実施形態では、硬化性組成物は、接着剤層の屈折率又は液体接着剤の粘度を調整するために金属酸化物粒子を更に含んでよい。実質的に透明な金属酸化物粒子を使用することができる。金属酸化物粒子は、所望の効果を生じさせるのに必要な量、例えば、硬化性組成物の総重量に基づいて、約1〜約10重量パーセント、約3.5〜約7重量パーセント、約10〜約85重量パーセント、又は約40〜約85重量パーセントの量で用いてよい。金属酸化物粒子は、望ましくない色、曇り、又は透過率特性を付加しない範囲まででのみ加えることができる。一般的に、粒子は、約1nm〜約100nmの平均粒径を有することができる。
【0081】
金属酸化物粒子は表面処理して、接着剤層内、及び層をコーティングする組成物の分配性を改善することができる。表面処理化学物質の例としては、シラン、シロキサン、カルボン酸、ホスホン酸、ジルコン酸塩、チタン酸塩などが挙げられる。こうした表面処理化学物質を適用する技術は既知である。
【0082】
幾つかの実施形態において、本組成物はヒュームドシリカを含む。好適なヒュームドシリカとしては、AEROSIL(商標)200;AEROSIL(商標)R805;及びEVONIK(商標)VP NKC130(両方ともEvonik Industriesから入手可能);CAB−O−SIL(商標)TS 610;及びCAB−O−SIL(商標)T 5720(両方ともCabot Corpから入手可能)、及びHDK(商標)H20RH(Wacker Chemie AGから入手可能)が挙げられるが、それらに限定されない。幾つかの実施形態では、接着剤層は、ヒュームドアルミニウムオキシド、例えば、AEROXIDE(商標)ALU 130(Evonik,Parsippany,NJから入手可能)を含む。幾つかの実施形態では、接着剤層は、粘土、例えばGARAMITE(商標)1958(Southern Clay Productsから入手可能)を含む。
【0083】
幾つかの実施形態において、本組成物は、非反応性オリゴマーレオロジー改質剤を含む。理論に束縛されるものではないが、非反応性オリゴマーのレオロジー改質剤は、水素結合又は他の自己会合機序を通じて、低い剪断速度において粘度を上昇させる。好適な非反応性オリゴマーレオロジー改質剤の例としては、ポリヒドロキシルカルボン酸アミド(例えば、BYK 405、Byk−Chemie GmbH,Wesel,Germanyから入手可能)、ポリヒドロキシルカルボン酸エステル(例えば、BYK R−606(商標)、Byk−Chemie GmbH,Wesel,Germanyから入手可能)、改質尿素(例えば、King Industries,Norwalk,CT製のDISPARLON 6100(商標)、DISPARLON 6200(商標)若しくはDISPARLON 6500(商標)、又はByk−Chemie GmbH,Wesel,Germany製のBYK 410(商標))、金属スルホネート(例えば、King Industries,Norwalk,CT製のK−STAY(商標)501、又はLubrizol Advanced Materials,Cleveland,OH製のIRCOGEL 903(商標))、アクリレート化オリゴアミン(例えば、Rahn USA Corp,Aurora,IL製のGENOMER 5275(商標))、ポリアクリル酸(例えば、Lubrizol Advanced Materials,Cleveland,OH製のCARBOPOL 1620(商標))、改質ウレタン(例えば、King Industries,Norwalk,CT製のK−STAY 740(商標))、微細化アミドワックス(例えば、Arkema製のCRAYVALLAC SLT(商標))、微細化アミド改質ヒマシ油ワックス(例えば、Arkema製のCRAYVALLAC MT(商標))、微細化ヒマシ油誘導ワックス(例えば、Arkema製のCRAYVALLAC ANTISETTLE CVP(商標))、(メタ)アクリレートモノマー中に分散させた予備活性化アミドワックス(例えば、CRAYVALLAC E00054)又はポリアミドが挙げられるが、それらに限定されない。幾つかの実施形態では、非反応性オリゴマーレオロジー改質剤は、相分離を制限し、曇りを最小限にする目的で、光学的に透明な接着剤と混和性かつ相溶性になるように選択される。
【0084】
幾つかの実施形態において、接着剤層は、チキソトロピー性液体接着剤を形成し得る。本明細書において使用されるとき、組成物が所定の期間に剪断応力に供され、続いて剪断応力が減少した若しくは除去されたときに粘度が回復又は部分的に回復したとき、組成物の剪断力が弱くなる、即ち、粘度が低下する場合、組成物はチキソトロピー性であると考えられる。このような接着剤は、ゼロ若しくはゼロに近い応力条件下では、ほとんど又は全く流動しない。チキソトロピー特性の利点は、高い剪断速度の条件下における粘度の急速な減少により、例えばニードル分配のプロセス等によって、接着剤を容易に分配することができることである。いったん分散されると、接着剤の粘度は急速に高まり、接着剤組成物は、非所望領域、即ち、接着剤で被覆することが望ましくない基材領域への拡散が最小限に抑えられるか又は全くない状態で、基材上での塗布位置を維持し得る。接着剤組成物は、組成物に粒子を添加によってチキソトロピー性にすることもできる。幾つかの実施形態において、ヒュームドシリカは、液体接着剤にチキソトロピー性を付与する目的で、約2〜約10重量%、又は約3.5〜約7重量%の量で添加される。
【0085】
チキソトロープ剤の効率及び光学特性は、接着剤の組成、及びチキソトロープ剤との相互作用に依存する。例えば、会合性チキソトロープ剤又は親水性シリカの場合、高い極性モノマー(例えば、アクリル酸)、モノマー又はオリゴマーの存在は、チキソトロピー性又は光学特性を乱す場合がある。したがって、硬化性組成物は、酸官能性モノマー又はオリゴマーを含有しないことが好ましい。
【0086】
幾つかの実施形態では、1〜10秒−1の剪断速度において30Pa・s以下、約2〜約30Pa・s、特に約5〜約20Pa・sの粘度を有する任意の組成物をチキソトロープ剤と化合させることにより、ステンシル印刷又はスクリーン印刷に好適なチキソトロピー性の光学的に透明な液体接着剤を形成し得る。チキソトロープ剤の効率及び光学特性は、光学的に透明な液体接着剤の組成、及びチキソトロープ剤との相互作用に依存する。例えば、会合性チキソトロープ剤又は親水性シリカの場合、高い極性モノマー(例えば、アクリル酸)、酸、又はヒドロキシル含有モノマー若しくはオリゴマーの存在は、チキソトロピー性又は光学特性を乱す場合がある。
【0087】
硬化性組成物は、任意に、得られる接着剤の柔軟性及び可撓性を上昇させる可塑剤を含む。可塑剤は周知であり、典型的には(メタ)アクリレート基の重合に関与しない。可塑剤は、2つ以上の可塑剤材料を含み得る。接着剤は、1超〜約20重量パーセント、又は3超〜約15重量パーセントの可塑剤を含んでよい。使用される特定の可塑剤、及び使用量は、様々な要因に依存し得る。
【0088】
硬化性組成物は、粘着付与剤を含んでよい。粘着付与剤は周知であり、接着剤の粘着又は他の特性を増加させるために使用される。粘着付与剤には様々な種類があるが、ほぼあらゆる粘着付与剤が、ウッドロジン、ゴムロジン若しくはタル油ロジンから誘導されるロジン樹脂、石油系フィードストックから製造される炭化水素樹脂、又は木材若しくは特定の果物のテルペンフィードストックから誘導されるテルペン樹脂として分類され得る。接着剤層は、例えば、0.01〜約20重量パーセント、0.01〜約15重量パーセント、又は0.01〜約10重量パーセントの粘着付与剤を含んでよい。接着剤層は、粘着付与剤を有しない場合がある。
【0089】
硬化性組成物の光重合から得られる接着剤は、望ましくは、光学的に透明である。本明細書において使用されるとき、用語「光学的に透明」は、波長範囲350〜800nmにおいて、約90パーセントを超える視感透過率、約2パーセント未満の曇り度、及び約1パーセント未満の不透明度を有する材料を指す。視感透過率及び曇り度の両方は、例えば、ASTM−D 1003−95を使用して決定することができる。典型的に、光学的に透明な接着剤は、目視で気泡を含まなくてよい。
【0090】
接着剤層は、その層が使用される物品の寿命にわたって、光学的明澄度、結合強度、及び層間剥離に対する耐性を維持することが望ましい。接着剤がこれらの望ましい特性を有し得るかどうかは、促進老化試験を利用して決定することができる。接着剤層は、この試験用の2つの基材間に配置することができる。次いで、結果として得られた積層体を、高温に、任意追加的に高湿条件と組み合わせて、暫くの間曝露する。例えば、接着剤層は、湿度調整なしに(即ち、オーブン内の相対湿度が、通常、約10パーセント未満又は約20パーセント未満)85℃で約500時間老化させた後、その光学的明澄度を維持できることが多い。あるいは、接着剤は、約90パーセントの相対湿度で65℃にて約72時間老化させた後、その光学的明澄度を維持できることが多い。最も重要なことに、曇点耐性接着剤は、約90パーセントの相対湿度で65℃にて約72時間老化させ、周囲条件に急速に(即ち、数分以内に)冷却した後、その光学的明澄度を維持できることが多い。老化後、350ナノメートル(nm)〜800nmの接着剤の平均透過率は、約85パーセントを超えることができ、曇り度は約2パーセント未満であり得る。
【0091】
硬化性組成物の光重合から得られる接着剤は、望ましくは、5000〜1,000,000、好ましくは5000〜100,000、より好ましくは5000〜50,000パスカルの剪断弾性率を有する。
【0092】
光学フィルム又は光学的に透明な基材と、光学フィルム又は基材のうちの少なくとも1つの主表面に隣接した光学的に透明な接着剤層とを含む積層体を提供する。物品は、別の基材(例えば、接着剤層に永続的又は一時的に付着しているもの)、別の接着剤層、又はこれらの組み合わせを更に含み得る。本明細書において使用されるとき、用語「隣接した」は、直接接触している、又はプライマー若しくはハードコーティング等の1つ以上の薄層で分離されている2層を指すのに使用され得る。隣接する層は、直接接触することが多い。更に、基材のうちの少なくとも1つが光学フィルムである2枚の基材間に配置された接着剤層を含む積層体を提供する。光学フィルムは、フィルムの表面に突き当たる光を故意に強化、操作、制御、維持、透過、反射、屈折、吸収、遅延、又はその他の方法で変化させる。積層体に含まれるフィルムとしては、偏光子、干渉偏光子、反射偏光子、拡散体、有色の光学フィルム、鏡、ルーバ光学フィルム、光制御フィルム、透明シート、輝度向上フィルム、防眩フィルム、及び反射防止フィルム等の、光学的機能を有する多種の材料が挙げられる。また、提供される積層体用のフィルムとしては、四分の一波長及び半波長の位相遅延光学素子などの遅延板も挙げられる。他の光学的に透明なフィルムとしては、飛散防止フィルム(anti-splinter films)及び電磁干渉フィルターが挙げられる。
【0093】
幾つかの実施形態において、結果として得られる積層体は光学素子であってもよく、又は光学素子を調製するのに使用することができる。本明細書において使用されるとき、用語「光学素子」は、光学的効果又は光学的用途を有する物品を指す。光学素子は、例えば、電子ディスプレイ、建築用途、輸送用途、投影用途、フォトニクス用途、及びグラフィックス用途で用いることができる。好適な光学素子としては、グレージング(例えば、窓及びフロントガラス)、スクリーン又はディスプレイ、陰極線管、並びに反射体が挙げられるが、それらに限定されない。
【0094】
例示的な光学的に透明な基材としては、ディスプレイパネル、例えば、液晶ディスプレイ、OECDディスプレイ、タッチパネル、エレクトロウェッティング方式ディスプレイ又は陰極線管、窓又はグレージング、光学部品、例えば反射体、偏光子、回折格子、鏡、又はカバーレンズ、別のフィルム、例えば、装飾フィルム又は別の光学フィルムが挙げられるが、それらに限定されない。
【0095】
光学的に透明な基材の代表例としては、ポリカーボネート、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレート)、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート(例えば、ポリメチルメタクリレート)、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びセルローストリアセテート)を有するものを含む、ガラス及びポリマー基材が挙げられる。典型的に、カバーレンズは、ガラス、ポリメチルメタクリレート、又はポリカーボネートで作製することができる。
【0096】
積層体は、次の特性のうちの少なくとも1つを有する。即ち、接着剤層は、物品の有用寿命にわたって光学透過率を有する;接着剤は、物品の層間で十分な結合強度を維持することができる;接着剤は、層間剥離に抵抗するか又は層間剥離を避けることができる;及び接着剤は、有用寿命にわたって接着剤層の発泡に抵抗することができる。気泡形成への耐性及び光透過率の維持は、促進老化試験を利用して評価することができる。
【0097】
本開示の接着剤組成物は、偏光子等の光学素子の片側又は両側に直接塗布され得る。偏光子は、防眩層、保護層、反射層、位相遅延層、広角補償層、及び輝度向上層等の追加層を含み得る。幾つかの実施形態では、本開示の接着剤を、液晶セルの片側又は両側に塗布し得る。また、本開示の接着剤は、偏光子を液晶セルに接着するのに使用してもよい。光学積層体の更に別の例示的なセットとしては、カバーレンズのLCDパネルへの適用、タッチパネルのLCDパネルへの適用、カバーレンズのタッチパネルへの適用、又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【実施例】
【0098】
【表1】
【0099】
試験方法
粘度測定
TA Instruments,New Castle,Delaware製の40mm、1°のステンレス鋼錐体及び平板を備えるAR2000レオメーターを使用することによって、粘度測定を行った。粘度は、錐体と平板との間の間隙を28μmとして、1秒−1の周波数で、1分間、ピーク保持流動手順を用いて25℃にて測定した。粘度は、1秒−1の剪断速度におけるパスカル秒(Pa・s)で報告される。
【0100】
分子量の決定
化合物の分子量分布は、従来のゲル透過クロマトグラフィー(GPC)を用いて特性評価した。Waters Corporation(Milford,MA)から入手したGPC装置は、高圧液体クロマトグラフィーポンプ(モデル1515HPLC)、オートサンプラー(モデル717)、UV検出器(モデル2487)、及び屈折率検出器(モデル2410)を備えていた。クロマトグラフは、2つの5マイクロメートルのPLgel MIXED−Dカラム(Varian Inc.(Palo Alto,California)から入手可能)を備えていた。
【0101】
ポリマー又は乾燥ポリマー試料を0.5%(重量/体積)の濃度でテトラヒドロフランに溶解させ、VWR International(West Chester,Pennsylvania)から入手可能である0.2マイクロメートルのポリテトラフルオロエチレンフィルターを通して濾過することにより、ポリマー溶液の試料を調製した。結果として得られた試料をGPCに注入し、35℃で維持されたカラムを通して毎分1ミリリットルの速度で溶出させた。このシステムを、線形最小二乗法適合分析を用いてポリスチレン標準で較正して、検量線を確立した。各試料の重量平均分子量(Mw)を、この標準検量線と対照して計算した。
【0102】
引っ張り接着力
2枚のフロートガラススライド、2 1/4インチ(5.72cm)×1 3/16インチ(4.60cm)×1/4インチ(0.635cm)を紫外光に曝露させた。紫外光の下で、フロートガラスの一側面は他の側面よりも白熱が弱かった。白熱の弱い側面を、第1の側面と称した。各フロートガラススライドの第1の側面をイソプロピルアルコール(IPA)で拭いた。いったんスライド上に置いたら、接着剤組成物の厚さを制御するために、2層のSCOTCH Filament Tape 898(3M Company,St.Paul,Minnesotaから入手可能)を、第1のフロートガラススライドの第1の側面の縁に沿って付着させた。テープにより、約275マイクロメートルのステップ高が生じた。接着剤組成物を、テープで囲まれた領域内で第1のスライドの中央に、シリンジで分散させた。次いで、第2のフロートガラススライドの第1の側面を徐々に第1のスライドと接触させて、接着剤組成物と接触させるようにした。次いで、第2のガラススライドを押圧して、接着剤を望みの厚さ、約340マイクロメートルにした。Fusion UV Systems Inc.,Gaithersburg,Marylandから「LIGHT HAMMER−10 MARK2」という商標名で入手可能なFusion UVランプを用い、石英製UV−Dバルブを使用して、スライド間の接着剤組成物をUV−Aの総エネルギー約3,000mJ/cmで硬化させた。次いで、試験前に温度74°F(23.3℃)及び相対湿度50%の温度−湿度が制御されている(CTH)室内で1日間試料を放置した。
【0103】
硬化した接着剤を備えるガラススライドを、MTS Systems Corporation,Eden Prairie,Minnesotaから入手可能な5kNのロードセルを備えるMTS INSIGHT Electromechanical Test Systemの摺動引っ張り付属品に入れた。試料を25mm/分で引き離し、破壊について試験した。次いで、最初に測定したピーク荷重を、引っ張り試料における接着剤組成物の測定領域で除して、引っ張り接着力を求めた(N/cmで測定)。少なくとも3つの試料を各接着剤組成物について試験し、引っ張り接着力の平均値を報告する。
【0104】
剥離接着力
フロートガラススライド、5インチ(12.7cm)×2インチ(5.1cm)×1/8インチ(0.318cm)を紫外光に曝露した。紫外光の下で、フロートガラスの一側面は他の側面よりも白熱が弱かった。白熱の弱い側面を、第1の側面と称した。フロートガラススライドの第1の側面をイソプロピルアルコール(IPA)で拭いた。接着剤組成物の厚さを制御するために、フロートガラススライドの第1の側面の縁に沿ってSCOTCH Filament Tape 898の2つの層を付着させた。テープで囲まれた領域内で第1のガラススライドの第1の側面上に、液体接着剤組成物を線状に塗布した。陽極酸化アルミニウム側面を上に向けて、大型ガラスプレート上に陽極酸化アルミニウムテープを配した。ガラススライドを反転させて、接着剤をアルミニウムテープの表面と接触させることにより、ガラススライドとアルミニウムテープの陽極酸化アルミニウム側面との間に接着剤を挟み入れた。次いで、ガラススライドを押圧して接着剤を望みの厚さにした。Fusion UV Systems Incから「LIGHT HAMMER−10 MARK2」という商標名で入手可能なFusion UVランプを用い、石英製UV−Dバルブを使用して、UV−Aの総エネルギー約3,000mJ/cmでフロートガラススライドを通して接着剤組成物を硬化させた。剥離試料をガラスプレートから除去して、1cm幅の片に切断した。過剰なアルミニウム及び接着剤をガラススライドから除去/払拭して、IMASS,Inc.,Accord,Massachusettsから入手可能なIMASS剥離試験機で、4秒の遅延、20秒の試験時間及び6cm/sの剥離速度にて、試料を試験した。データを1cm当たりのニュートン数(N/cm)で報告した。
【0105】
光学測定
2枚の2インチ(5.08cm)×3インチ(7.62cm)×200マイクロメートルのLCDガラスパネル、EAGLE 2000(Specialty Glass Products,Willow Grove,Pennsylvaniaから入手可能)間に接着剤組成物を挟むことによって、接着剤組成物の光学特性を測定した。一方のパネルの2つの縁部に沿って2層のSCOTCH Filament Tape 898(3M Company)を貼り付けることによって、接着剤組成物の厚さが約275マイクロメートルになるように制御した。Fusion UV Systems Inc.,Gaithersburg,Marylandから「LIGHT HAMMER−10 MARK2」という商標名で入手可能なFusion UVランプを用い、石英製UV−Dバルブを使用して、接着剤組成物をUV−Aの総エネルギー約3,000mJ/cmで硬化させた。硬化させたLOCAの曇り度、透過率、及び色は、HunterLab UltraScan PRO(Hunter Associates Laboratory,Inc,Reston,Virginiaから入手可能)を用いて、環境試験条件下で老化前後に測定した。次いで、試験前に温度74°F(23.3℃)及び相対湿度50%の温度−湿度が制御されている(CTH)室内で1日間試料を放置した。
【0106】
反応性オリゴマー(RO)の調製
321gのTDA、75gの2−HPA、及び12.0gのIOTGを、還流凝縮器、熱電対、機械的攪拌機、並びに窒素及び空気を溶液中に吹き込むガス注入口を備える4つ口フラスコに加えた。熱反応開始剤Vazo 52(0.02g)、Vazo 88(0.02g)及びLupersol 130(0.03g)の第1の充填物をフラスコに加えた。混合物を撹拌し、窒素下で60℃に加熱した。重合中に、反応混合物の温度がすばやい発熱で約150℃のピークに達した。反応ピーク後に、容器を約100℃まで冷却して、第2の充填物Vazo 88(0.02g)を追加的な3グラムのTDA中に溶解させて、1グラムのHPAをフラスコに加えた。窒素雰囲気下で反応容器を加熱して160℃で90分間保持した後、90℃まで冷却し、空気でパージした。次いで、16.0gのIEMを容器に加えて、TDA/HPAオリゴマー鎖上のペンダントヒドロキシル基と反応させ、メタクリレート官能基をポリマーに組み込んだ。空気雰囲気下で反応容器を90℃にて3時間保持してから、冷却して排出した。GPCによっての分子量を測定するために、この反応期間の最後に試料を採取した。反応性オリゴマーのMwを測定したところ、14,300dalであった。
【0107】
(実施例1)
FlackTek Inc.,Landrum,South Carolina製の白い混合用容器に、24.049gのRO、0.277gのAO−503、0.268gのIRG1076、1.799gの2−HPA、0.279gのTPO−L、及び0.028gのA174を装入することによって、接着剤組成物を調製した。容器に蓋をして、Dayton DC Speed Controlを備えるローラー上に置かれた金属製ボックスの中に入れた。次いで、金属製ボックスを約6rpmで回転させながら、IR−加熱用ランプを使用して約60℃の温度で混合用容器を一晩加熱した。次に、容器に0.048gのIOTGを加えて、FlackTek Incから入手可能なHauschild SPEEDMIXER DAC 150 FVZを3,540rpmで作動させて接着剤組成物を6分間混合した。接着剤組成物をNordson EFD LLC,East Providence,Rhode Islandから入手可能な30ccの黒色シリンジに移し、Thermo Scientific of Thermo Fischer Scientific Inc.,Waltham,MassachusettsからHERAEUS LABOFUGE 400という商標名で入手可能な遠心分離器で3,500rcf(相対遠心力)で5分間遠心分離して、実施例1を生成した。
【0108】
(実施例2〜実施例8)
実施例2〜8の接着剤組成物は、処方を変更したことを除き、実施例1と同様に調製した。各実施例の特定の処方を、表1に示す。全ての場合において、容器を回転させながら他の成分を約60℃の温度で一晩加熱した後、最後にITOG又はEGBTGを加えた。
【0109】
比較例9(CE−9)
CE−9の接着剤組成物は、IOTGを不使用としたことを除き、実施例1と同様に調製した。CE−9の特定の処方を、表1に示す。Hauschild SPEEDMIXER DAC 150 FVZを使用して、第2の混合工程を依然として使用した。
【0110】
【表2】
【0111】
実施例1〜8及びCE−9に関しては、上述の様々な試験方法を用いて、分子量(Mw)、L、a、b、曇り度(%)及び透過率(% T)をはじめとする光学特性の他、剥離接着力、引っ張り接着力及び粘度を測定した。結果を表2に示す。
【0112】
【表3】
【手続補正書】
【提出日】2016年7月8日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0112
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0112】
【表3】
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]−[39]に記載する。
[項目1]
硬化性組成物であって、
a)Mが5〜30k、Tが20℃未満の溶質(メタ)アクリロイルオリゴマーであって、
i.50重量部超の(メタ)アクリレートエステルモノマー単位と、
ii.10〜49重量部のヒドロキシル官能性モノマー単位と、
iii.1〜10重量部の、ペンダントアクリレート基を有するモノマー単位と、
iv.0〜20重量部の極性モノマー単位と、
v.0〜10重量部のシラン官能性モノマー単位と、
を含み、前記モノマー単位の合計が100重量部である、溶質(メタ)アクリロイルオリゴマーと、
b)希釈剤モノマー成分と、
c)連鎖移動剤と、
d)光開始剤と、を含む、硬化性組成物。
[項目2]
100重量部の総モノマー+オリゴマー(a)+b)を基準として0.05部〜約10部、好ましくは0.05部〜約8部、より好ましくは約0.1部〜約4部の連鎖移動剤を含む、項目1に記載の接着剤組成物。
[項目3]
50重量%未満の前記希釈剤モノマー成分と、50重量%超の前記溶質オリゴマーと、を含む、項目1又は2に記載の接着剤組成物。
[項目4]
25重量%未満の前記希釈剤モノマー成分と、75重量%超の前記溶質オリゴマーと、を含む、項目1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
[項目5]
ペンダントアクリレート基を有する前記モノマー単位が、ペンダントヒドロキシル官能基を有する前記オリゴマーと共反応性官能基を有するアクリロイル化合物との反応によって調製される、項目1〜4のいずれか一項に記載の接着剤。
[項目6]
前記共反応性官能基を有するアクリロイル化合物が、次式:
【化1】
(式中、Rは、水素、C〜Cアルキル基、又はフェニル基であり、Rは、単結合、又はエチレン性不飽和基を共反応性官能基Aに結合する(ヘテロ)ヒドロカルビル二価連結基であり、Aは、カルボキシル基、イソシアネート基、エポキシ基、無水物基、又はオキサゾリニル基である)で表される、項目5に記載の接着剤。
[項目7]
前記オリゴマーの前記(メタ)アクリレートエステルモノマー単位のアルカノールが、C〜C14の平均炭素数を有する、項目1〜6のいずれか一項に記載の接着剤。
[項目8]
前記ヒドロキシル官能性モノマーが、次の一般式:
【化2】
(式中、
は、ヒドロカルビル基であり、
は、−H又はC〜Cアルキルであり、
は、−NR−又は−O−である)を有する、項目1〜7のいずれか一項に記載の接着剤。
[項目9]
前記希釈剤モノマー成分が、アクリレートエステルモノマー単位、ヒドロキシル官能性モノマー単位、極性モノマー単位、及びシラン官能性モノマー単位から選択される少なくとも1種のモノマーを含む、項目1〜8のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[項目10]
前記希釈剤モノマー成分が、
80〜100重量部の(メタ)アクリレートエステルモノマー及び/又はヒドロキシ官能性モノマー(ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)と、
0〜30重量部の極性モノマーと、
0〜2重量部のシラン官能性モノマーと、を含み、
前記希釈剤モノマー成分の前記モノマーの合計が100重量部である、項目1〜9のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[項目11]
前記希釈剤モノマー成分が、
80〜100重量部の(メタ)アクリレートエステルモノマーと、
0〜30重量部の極性モノマーと、
0〜2重量部のシラン官能性モノマーと、を含み、
前記希釈剤モノマー成分の前記モノマーの合計が100重量部である、項目10に記載の硬化性組成物。
[項目12]
前記希釈剤モノマー成分が、
80〜100重量部のヒドロキシ官能性モノマー(ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)と、
0〜30重量部の極性モノマーと、
0〜2重量部のシラン官能性モノマーと、を含み、
前記希釈剤モノマー成分の前記モノマーの合計が100重量部である、項目10に記載の硬化性組成物。
[項目13]
(メタ)アクリレートエステルモノマー及びヒドロキシ官能性モノマー(ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)を95:5〜5:95の重量比で含む、項目10に記載の硬化性組成物。
[項目14]
前記(メタ)アクリル酸エステルモノマー成分が、2−アルキルアルカノールの(メタ)アクリレートエステルを含んでよく、前記2−アルキルアルカノールのモル炭素数平均が、12〜32である、項目1〜13のいずれか一項に記載の接着剤。
[項目15]
前記オリゴマーが、次式:
〜[Mエステル−[MOHb*−[M極性−[Mシリル−[Mアクリル
(式中、
−[Mエステル]−は、共重合体化(メタ)アクリレートエステルモノマー単位を表し、
−[MOH]−は、ペンダントヒドロキシ基を有する共重合体化(メタ)アクリロイルモノマー単位を表し、
−[M極性]−は、共重合体化極性モノマー単位を表し、
[Mアクリル]は、ペンダント重合性(メタ)アクリロイル基を有する共重合体化(メタ)アクリロイルモノマー単位を表し、
[Mシリル]は、任意追加的なシラン官能性モノマーを表し、
添字a、b、c、d及びeは、各モノマー単位の重量部を表す)で表される、項目1〜14のいずれか一項に記載の接着剤。
[項目16]
熱安定剤、酸化防止剤、静電気防止剤、増粘剤、充填剤、顔料、染料、着色剤、チキソトロープ剤、加工助剤、ナノ粒子、繊維、及びこれらの任意の組み合わせから選択される添加剤を更に含む、項目1〜15のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[項目17]
添加剤が、硬化性組成物の質量に対して0.01〜10重量%の量である、項目16に記載の硬化性組成物。
[項目18]
前記硬化性組成物の総重量に対して1〜10重量%の量で、1nm〜約100nmの平均粒径を有する金属酸化物粒子を更に含む、項目1〜17のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[項目19]
前記ヒドロキシル官能性モノマーが、前記硬化性組成物(オリゴマー+希釈剤)が、6.5×10−4mol OH/g超のヒドロキシル含量を有するような量で用いられる、項目1〜18のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[項目20]
前記オリゴマーが、断熱的重合プロセスによって調製される、項目1〜19のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[項目21]
架橋剤を含まない、項目1〜20のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[項目22]
項目1〜21のいずれか一項に記載の硬化性組成物から調製される、放射線硬化接着剤組成物。
[項目23]
光学的に透明な積層体であって、
少なくとも1つの主表面を有する第1の基材と、
少なくとも1つの主表面を有する第2の基材と、
前記第1の基材の少なくとも1つの主表面と前記第2の基材の少なくとも1つの主表面との間に配設されかつそれらの主表面と接触している、項目1〜19のいずれか一項に記載の硬化性組成物と、を含む、光学的に透明な積層体。
[項目24]
前記第1の基材、前記第2の基材、又は前記第1の基材と前記第2の基材との両方が、ディスプレイパネル、タッチパネル、光学フィルム、カバーレンズ、又は窓から選択される、項目23に記載の光学的に透明な積層体。
[項目25]
前記カバーレンズが、ガラス、ポリメチルメタクリレート、又はポリカーボネートのうちの少なくとも1つを含む、項目23に記載の光学的に透明な積層体。
[項目26]
前記ディスプレイパネルが、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、OLEDディスプレイ、エレクトロウェッティング方式ディスプレイ、及び陰極線管ディスプレイから選択される、項目23に記載の光学的に透明な積層体。
[項目27]
前記光学フィルムが、反射体、偏光子、鏡、防眩若しくは反射防止フィルム、抗破片フィルム、拡散体、又は電磁干渉フィルターから選択される、項目23に記載の光学的に透明な積層体。
[項目28]
前記硬化性組成物が、約25μm超の厚さを有する、項目23〜27のいずれか一項に記載の積層体。
[項目29]
前記硬化性組成物が、約50μm超の厚さを有する、項目23〜27のいずれか一項に記載の積層体。
[項目30]
前記硬化性組成物が、約75μm超の厚さを有する、項目23〜27のいずれか一項に記載の積層体。
[項目31]
前記基材のうちの少なくとも1つが、ポリカーボネート又はポリ(メチル)メタクリレートである、項目23に記載の積層体。
[項目32]
光学的に透明な積層体であって、
少なくとも1つの主表面を有する第1の基材と、
少なくとも1つの主表面を有する第2の基材と、
前記第1の基材の少なくとも1つの主表面と前記第2の基材の少なくとも1つの主表面との間に配設されかつそれらの主表面と接触している、項目22に記載の光学的に透明な接着剤組成物と、を含み、前記接着剤が、(350〜800nmの範囲で)約85%超、好ましくは90%超の平均光透過率を有し、500マイクロメートルの厚さを有する、光学的に透明な積層体。
[項目33]
接着剤の調製方法であって、
(i)項目1〜21のいずれか一項に記載の本質的に硬化性の組成物を提供する工程と、
(ii)前記組成物を部分重合して、部分重合した混合物を提供する工程であって、前記部分重合した混合物が、20℃にて1,000〜500,000mPasのBrookfield粘度、及び重合前のモノマーの質量に対して85〜99重量%の、モノマーのポリマーへの変換率を呈する、工程と、
(iii)前記オリゴマーの前記ヒドロキシル官能性モノマー単位の一部をペンダント重合性(メタ)アクリレート基に変換する工程と、
(iv)1種以上の、光開始剤、連鎖移動剤、及び溶媒希釈剤モノマーを前記部分重合した混合物に添加して、放射線硬化性組成物を提供する工程と、
(v)続いて、前記放射線硬化性組成物を基材上にコーティングする工程と、
(vi)前記放射線硬化性組成物を、化学線への曝露により更に重合して、前記接着剤を提供する工程と、を含む、接着剤の調製方法。
[項目34]
前記放射線硬化性組成物が、ナイフコーティング、グラビアコーティング、カーテンコーティング、エアナイフコーティング、スプレーコーティング、ダイコーティング、ドローバーコーティング、又はカーテンコーティング、又はロールコーティングによってコーティングされる、項目33に記載の方法。
[項目35]
前記放射線硬化性組成物が、ニードル、ニードルダイ、又はスロットダイを介して前記基材に点及び/又は線を適用することによってコーティングされる、項目33に記載の方法。
[項目36]
粘着付与剤を更に含む、項目33に記載の方法。
[項目37]
可塑剤を更に含む、項目33に記載の方法。
[項目38]
チキソトロープ剤を更に含む、項目33に記載の方法。
[項目39]
光学的に透明な積層体であって、
少なくとも1つの主表面を有する第1の基材と、
少なくとも1つの主表面を有する第2の基材と、
前記第1の基材の少なくとも1つの主表面と前記第2の基材の少なくとも1つの主表面との間に配設されかつそれらの主表面と接触している、項目22に記載の硬化接着剤組成物と、を含む、光学的に透明な積層体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬化性組成物であって、
a)Mが5〜30k、Tが20℃未満の溶質(メタ)アクリロイルオリゴマーであって、
i.50重量部超の(メタ)アクリレートエステルモノマー単位と、
ii.10〜49重量部のヒドロキシル官能性モノマー単位と、
iii.1〜10重量部の、ペンダントアクリレート基を有するモノマー単位と、
iv.0〜20重量部の極性モノマー単位と、
v.0〜10重量部のシラン官能性モノマー単位と、
を含み、前記モノマー単位の合計が100重量部である、溶質(メタ)アクリロイルオリゴマーと、
b)希釈剤モノマー成分と、
c)連鎖移動剤と、
d)光開始剤と、を含む、硬化性組成物。
【請求項2】
50重量%未満の前記希釈剤モノマー成分と、50重量%超の前記溶質オリゴマーと、を含む、請求項に記載の硬化性組成物。
【請求項3】
ペンダントアクリレート基を有する前記モノマー単位が、ペンダントヒドロキシル官能基を有する前記オリゴマーと共反応性官能基を有するアクリロイル化合物との反応によって調製される、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化性組成物
【請求項4】
前記希釈剤モノマー成分が、
80〜100重量部の(メタ)アクリレートエステルモノマー及び/又はヒドロキシ官能性モノマー(ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)と、
0〜30重量部の極性モノマーと、
0〜2重量部のシラン官能性モノマーと、を含み、
前記希釈剤モノマー成分の前記モノマーの合計が100重量部である、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項5】
(メタ)アクリレートエステルモノマー及びヒドロキシ官能性モノマー(ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート)を95:5〜5:95の重量比で含む、請求項に記載の硬化性組成物。
【請求項6】
前記オリゴマーが、次式:
〜[Mエステル−[MOHb*−[M極性−[Mシリル−[Mアクリル
(式中、
−[Mエステル]−は、共重合体化(メタ)アクリレートエステルモノマー単位を表し、
−[MOH]−は、ペンダントヒドロキシ基を有する共重合体化(メタ)アクリロイルモノマー単位を表し、
−[M極性]−は、共重合体化極性モノマー単位を表し、
[Mアクリル]は、ペンダント重合性(メタ)アクリロイル基を有する共重合体化(メタ)アクリロイルモノマー単位を表し、
[Mシリル]は、任意追加的なシラン官能性モノマーを表し、
添字a、b、c、d及びeは、各モノマー単位の重量部を表す)で表される、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化性組成物
【請求項7】
前記ヒドロキシル官能性モノマーが、前記硬化性組成物(オリゴマー+希釈剤)が、6.5×10−4mol OH/g超のヒドロキシル含量を有するような量で用いられる、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項8】
架橋剤を含まない、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
【請求項9】
請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化性組成物から調製される、放射線硬化接着剤組成物。
【請求項10】
光学的に透明な積層体であって、
少なくとも1つの主表面を有する第1の基材と、
少なくとも1つの主表面を有する第2の基材と、
前記第1の基材の少なくとも1つの主表面と前記第2の基材の少なくとも1つの主表面との間に配設されかつそれらの主表面と接触している、請求項1〜のいずれか一項に記載の硬化性組成物と、を含む、光学的に透明な積層体。
【請求項11】
光学的に透明な積層体であって、
少なくとも1つの主表面を有する第1の基材と、
少なくとも1つの主表面を有する第2の基材と、
前記第1の基材の少なくとも1つの主表面と前記第2の基材の少なくとも1つの主表面との間に配設されかつそれらの主表面と接触している、請求項10に記載の光学的に透明な接着剤組成物と、を含み、前記接着剤が、(350〜800nmの範囲で)85%超、好ましくは90%超の平均光透過率を有し、500マイクロメートルの厚さを有する、光学的に透明な積層体。
【国際調査報告】