(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-540940(P2016-540940A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】歯車装置軸用のころ軸受及び滑り軸受の組み合わせ
(51)【国際特許分類】
F16C 32/00 20060101AFI20161205BHJP
F16C 19/36 20060101ALI20161205BHJP
F16C 17/02 20060101ALI20161205BHJP
F16C 35/02 20060101ALI20161205BHJP
F16C 25/08 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
F16C32/00 C
F16C19/36
F16C17/02 Z
F16C35/02 Z
F16C25/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-533715(P2016-533715)
(86)(22)【出願日】2014年11月18日
(85)【翻訳文提出日】2016年5月24日
(86)【国際出願番号】EP2014074837
(87)【国際公開番号】WO2015090791
(87)【国際公開日】20150625
(31)【優先権主張番号】102013226527.1
(32)【優先日】2013年12月18日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】500045121
【氏名又は名称】ツェットエフ、フリードリッヒスハーフェン、アクチエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】ZF FRIEDRICHSHAFEN AG
(71)【出願人】
【識別番号】514011413
【氏名又は名称】ツェットエフ ウィンド パワー アントワープ エヌ ヴイ
【氏名又は名称原語表記】ZF WIND POWER ANTWERPEN N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100186716
【弁理士】
【氏名又は名称】真能 清志
(72)【発明者】
【氏名】ダーク レイマン
(72)【発明者】
【氏名】ミキエル ヴァン デン ドンケー
(72)【発明者】
【氏名】ティノ キルシュナー
【テーマコード(参考)】
3J011
3J012
3J102
3J117
3J701
【Fターム(参考)】
3J011AA20
3J011BA06
3J011JA02
3J011KA02
3J012AB04
3J012BB03
3J012BB05
3J012CB01
3J012DB20
3J012FB01
3J012FB12
3J012HB02
3J102AA07
3J102AA09
3J102BA03
3J102BA17
3J102CA16
3J102GA20
3J117AA01
3J117CA01
3J117DA01
3J117DB10
3J701AA16
3J701AA25
3J701AA42
3J701AA54
3J701AA62
3J701AA83
3J701BA77
3J701FA44
3J701GA24
(57)【要約】
風力設備用の歯車装置軸(1)は、1つの固定軸受(2,3)と、少なくとも1つの浮動軸受(4)とによって支持される。歯車装置軸(1)には、半径方向で固定軸受(2,3)と浮動軸受(4)との間に配置される少なくとも1つの歯車(5)が固定される。固定軸受(2,3)は少なくとも1列のころ軸受で構成され、浮動軸受(4)は少なくとも1列の滑り軸受で構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの固定軸受(2,3)と、少なくとも1つの浮動軸受(4)とで支持された歯車装置軸(1)であって、
半径方向で前記固定軸受(2,3)及び前記浮動軸受(4)の間に配置されるよう、前記歯車装置軸(1)に固定された少なくとも1つの歯車(5)を備え、
前記固定軸受(2,3)が、少なくとも1列のころ軸受によって構成され、
前記浮動軸受(4)が、少なくとも1列の滑り軸受によって構成されていることを特徴とする歯車装置軸。
【請求項2】
請求項1に記載の歯車装置軸において、前記固定軸受(2,3)が、予圧軸受であることを特徴とする歯車装置軸。
【請求項3】
少なくとも1つの平歯車段を有する風力設備用の歯車装置であって、少なくとも1つの平歯車段を備え、前記平歯車段が、請求項1又は2に記載の少なくとも1つの歯車装置軸(1)を有することを特徴とする歯車装置。
【請求項4】
請求項3に記載の歯車装置において、前記平歯車段が、請求項1又は2に記載の歯車装置軸としての中間軸(1)を備えることを特徴とする歯車装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の歯車装置において、前記平歯車段が、請求項1又は2に記載の歯車装置軸としての入力軸を備えることを特徴とする歯車装置。
【請求項6】
請求項3〜5の何れか一項に記載の歯車装置において、前記平歯車段が、請求項1又は2に記載の歯車装置軸としての出力軸を備えることを特徴とする歯車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は歯車装置軸用の軸受、特に風力設備を駆動する歯車装置軸用の軸受に関するものである。
【0002】
風力設備の歯車装置における平歯車段の軸を支持するための軸受として、固定/浮動軸受が一般的に用いられる。固定軸受及び浮動軸受によって転がり軸受が構成される。半径方向の力及び軸線方向の力を吸収する固定軸受は、1対の円錐転がり軸受によって構成される。これらは、予圧することによって滑りや事故の発生を防止することができる。浮動軸受としては、円筒ころ軸受が一般的に用いられる。これは予圧なしで動作される。よって、特に円筒ころ軸受は損傷を受けやすい。
【0003】
軸受を、損傷を受けないよう軸上に堅固に支持する手段として、滑り軸受を使用することできる。例えば、風力設備のための解決策として、平歯車段の全ての軸を完全に滑り軸受で支持することが既知である。この場合には、滑り軸受を固定軸受としても使用する。しかしながら、半径方向及び軸線方向の力を吸収可能な滑り軸受は非常に高価である。
【発明の概要】
【0004】
本発明の課題は、先行技術によって知られる解決策の短所を回避できる歯車装置軸用の軸受を提案することである。
【0005】
本発明は、単一の軸にころ軸受と滑り軸受を組み合わせるという着想に基づくものである。ころ軸受及び滑り軸受は、何れも長所と短所がある。従って、ころ軸受と滑り軸受の組み合わせによって短所が重なることもあり得る。しかしながら、本発明によれば、個々の軸受の短所が具現化されない軸受を実現することができる。むしろ、本発明による歯車装置軸の軸受は、一方ではころ軸受の長所、そして他方では滑り軸受の長所に基づく利点を享受するものである。
【0006】
本発明による歯車装置軸は、1つの固定軸受と、少なくとも1つの浮動軸受とで支持される。固定軸受は、半径方向の力及び軸線方向の力をプラス方向及びマイナス方向に吸収することができる。すなわち、軸の並進浮動度は全て固定軸受により制限される。
【0007】
浮動軸受は、もっぱら半径方向の力をプラス及びマイナスの両方向に吸収することができる。また、浮動軸受は、軸の並進自由度を1方向のみに制限する。浮動軸受は、固定軸受と共に各軸線に沿って軸を固定する、つまり、軸の回転軸線と直交する軸線周りでの回転自由度を制限する。
【0008】
歯車装置軸に固定された少なくとも1つの歯車は、固定軸受と浮動軸受の間に半径方向に配置される。この歯車は、歯車装置軸と堅固に連結される。歯車の回転軸線は、歯車装置軸の回転軸線と同軸である。この歯車は、好適にははすば歯車である。歯車が固定軸受と浮動軸受の間に半径方向に配置されるということは、歯車が固定軸受と浮動軸受の間の空間に存在することを意味している。特に、歯車装置軸の回転軸線に対する直交面内で半径方向に見たとき、歯車の外径は、浮動軸受の外径と固定軸受の外径との間に存在する。
【0009】
固定軸受は、少なくとも1列のころ軸受によって構成される。好適には、固定軸受はころ軸受のみによって、特に厳密には2列のころ軸受によって構成される。
【0010】
本発明によれば、浮動軸受は、少なくとも1つの滑り軸受、好適には厳密に単一の滑り軸受によって構成される。
【0011】
本発明の好適な実施形態では、固定軸受は予圧軸受として構成される。1つの予圧軸受は2列の軸受を有し、各列の軸受はそれぞれ少なくとも1つの軸線方向の力を吸収することができる。従って両方向における軸線方向の力の吸収は相互に対向して、すなわち、相互に離れたり近づいたりして行われる。好適には、2つの軸受は相互に左右対称に配置される。所望する軸受隙間又は予圧を設定するために、2列の軸受のうち、1列の軸受の軌道輪(内輪又は外輪)をその受け座に移して固定する。好適には2列の円錐ころ軸受を使用する。これらの軸受は、相互にO型に配列することもできるが、好適にはX型に配列する。
【0012】
本発明による歯車装置軸は、特に風力設備の歯車装置における平歯車段での使用に適している。また、本発明による歯車装置軸は、中間軸としても使用することができる。ここに「中間軸」とは、入力軸又は駆動軸や、出力軸又は従動軸以外の軸を指す。
【0013】
更に本発明による歯車装置軸は入力軸又は駆動軸や、出力軸又は従動軸として使用することができる。特に、入力軸又は駆動軸や、出力軸又は従動軸としての使用を、中間軸としての使用と組み合わせることも可能である。
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を更に詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】ころ軸受及び滑り軸受けで支持された中間軸を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1において、中間軸1は、右側で固定軸受によって支持されている。固定軸受は、第1円錐ころ軸受2と、第2円錐ころ軸受3とで構成されている。
【0017】
図1の左側では、中間軸1が、滑り軸受4で構成される浮動軸受によって支持されている。中間軸1は、更に歯車5を有している。図示しないが、更なる歯車が受け部6にフェザーキー溝7で固定される。中間軸1には種々の構成要素が軸線方向に配列されており、その配列は、
図1の左側から右側にかけて、下記のとおりである。
【0018】
滑り軸受4、受け座6、歯車5、第1円錐ころ軸受2、第2円錐ころ軸受3。
【0019】
第1円錐ころ軸受2及び第2円錐ころ軸受3は、歯車装置ハウジング9の肩部8と、歯車装置ハウジングにねじ止めされた軸受カバー10との間で軸線方向に固定されている。
図1では所定の隙間をもって固定されている。代替的に、隙間のない状態で、すなわち予圧下で固定することもできる。
【0020】
図1は、滑り軸受4を固定するための二通りの態様を示している。
図1の上半部に示す第1の態様において、歯車装置ハウジング9は、中間軸1の回転軸の周りに延在する環状溝11を備えることができる。この場合、滑り軸受4は、外面上で円周方向に延在する隆起部又はリッジ12を備え、この隆起部又はリッジ12は環状溝11と係合する。
【0021】
また、
図1の下半部に示す第2の態様において、滑り軸受4は、中間軸の回転軸の周りに半径方向に延在するブランジ部13によって、その一部が固定される。フランジ部13は、歯車装置ハウジング9にねじ止めされるものである。
【符号の説明】
【0022】
1 中間軸
2 円錐ころ軸受
3 円錐ころ軸受
4 滑り軸受
5 歯車
6 受け座
7 フェザーキー溝
8 肩部
9 歯車装置ハウジング
10 軸受カバー
11 溝
12 リッジ
13 フランジ部
【国際調査報告】