(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-540979(P2016-540979A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】固体光電子増倍管信号のアクティブパルス成形
(51)【国際特許分類】
G01T 1/20 20060101AFI20161205BHJP
H01L 31/107 20060101ALI20161205BHJP
H01L 31/02 20060101ALI20161205BHJP
A61B 6/00 20060101ALI20161205BHJP
A61B 6/03 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
G01T1/20 E
G01T1/20 F
G01T1/20 G
H01L31/10 B
H01L31/02 A
A61B6/00 300Q
A61B6/03 320R
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-533190(P2016-533190)
(86)(22)【出願日】2014年8月12日
(85)【翻訳文提出日】2016年7月12日
(86)【国際出願番号】US2014050636
(87)【国際公開番号】WO2015076880
(87)【国際公開日】20150528
(31)【優先権主張番号】14/088,124
(32)【優先日】2013年11月22日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ドリンスキー,セルゲイ
(72)【発明者】
【氏名】グオ,チャンジュン
【テーマコード(参考)】
2G188
4C093
5F849
【Fターム(参考)】
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(57)【要約】
光電事象を検出し、それに応答して短いデジタルパルスを生成するための回路を備える光電子増倍管を開示する。一実施形態では、光電子増倍管は、マイクロセルのアレイを有する固体光電子増倍管を備える。一実施形態ではマイクロセルは、入射光子に応答して、約2ns以下の持続時間を有するデジタルパルス信号を生成する。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
入射放射線に応答して光子を生成するように構成されたシンチレータ層と、
複数のマイクロセルを備える固体光電子増倍管であって、各々のマイクロセルが、シンチレータで生成した光子に応答して、約2ns以下の持続時間を有するデジタルパルス信号を生成するように構成されている、固体光電子増倍管と
を備える放射線検出器モジュール。
【請求項2】
前記固体光電子増倍管が、各デジタルパルス信号を加算して加算信号を生成するように構成されている、請求項1に記載の放射線検出器モジュール。
【請求項3】
前記デジタルパルス信号が、約0.2ns〜2nsの持続時間を有する、請求項1に記載の放射線検出器モジュール。
【請求項4】
前記デジタルパルス信号が、閾値電圧又は電流を超える最初のアナログ信号に応答して各々のマイクロセルで生成される、請求項1に記載の放射線検出器モジュール。
【請求項5】
各マイクロセルが、
最初のアナログ信号を閾値電圧又は電流と比較し、最初のアナログ信号が閾値電圧又は電流を超える場合に出力信号を生成するように構成された比較器と、
出力信号に応答してデジタルパルスを生成するように構成されたワンショット発生器と
を備える、請求項4に記載の放射線検出器モジュール。
【請求項6】
前記比較器がシュミットトリガを備える、請求項5に記載の放射線検出器モジュール。
【請求項7】
前記固体光電子増倍管がケイ素光電子増倍管を備える、請求項1に記載の放射線検出器モジュール。
【請求項8】
前記マイクロセルがアバランシェフォトダイオードを備える、請求項1に記載の放射線検出器モジュール。
【請求項9】
各固体光電子増倍管内のマイクロセルのアレイが、1mm2当たり約100〜2500個のマイクロセルを備える、請求項1に記載の放射線検出器モジュール。
【請求項10】
前記デジタルパルス信号が、正方形、三角形、ガウス又は所定の波形を備える、請求項1に記載の放射線検出器モジュール。
【請求項11】
複数のマイクロセルを備える固体光電子増倍管であって、各マイクロセルが、光学光子に曝されると最初のアナログ信号を生成するように構成されており、マイクロセルが、最初のアナログ信号と比較パラメータの比較に基づいて約2ns以下の持続時間を有するデジタル出力信号を生成するように構成されている、固体光電子増倍管。
【請求項12】
前記固体光電子増倍管が、マイクロセルで生成したデジタル出力信号を加算して各々の加算信号を生成するように構成されている、請求項11記載の固体光電子増倍管。
【請求項13】
各マイクロセルが、
第1のノードの最初のアナログ信号をサンプリングし、最初のアナログ信号を比較パラメータと比較するように構成された比較器と、
比較器で生成した出力に基づいてデジタル出力信号を生成するように構成されたワンショット発生器と
を少なくとも含む回路を備える、請求項11に記載の固体光電子増倍管。
【請求項14】
前記比較器がシュミットトリガを備える、請求項13に記載の固体光電子増倍管。
【請求項15】
前記比較パラメータが閾値電圧又は電流を備える、請求項11に記載の固体光電子増倍管。
【請求項16】
前記デジタル出力信号が、正方形、三角形、ガウス又は所定の波形を備える、請求項11に記載の固体光電子増倍管。
【請求項17】
撮像システムであって、
複数の固体光電子増倍管モジュールを備える検出器パネルであって、各々の光電子増倍管モジュールが複数のマイクロセルを備えており、各々のマイクロセルが、各々のマイクロセルで生成した最初のアナログ信号を比較閾値と比較するように構成された比較器と、比較器の出力に応答して2ns以下の持続時間を有するデジタルパルスを生成するように構成されたデジタルパルス発生器とを備えている、検出器パネルと、
検出器パネルから出力信号を得るように構成されたデータ取得回路であって、出力信号が、各々の固体光電子増倍管に対して集約されているデジタルパルスを使用して導出されるデータ取得回路と、
データ取得回路で得られた出力信号に基づいて画像を生成するように構成された画像再構成処理回路と、
画像を表示するように構成された少なくとも1つの画像表示ワークステーションと
を備える撮像システム。
【請求項18】
前記撮像システムが、陽電子放射断層撮影(PET)、単光子放射断層撮影(SPECT)撮像システム、又はX線撮像システムの1つを備える、請求項17に記載の撮像システム。
【請求項19】
前記比較器が、シュミットトリガを備える、請求項17に記載の撮像システム。
【請求項20】
前記デジタルパルスが、正方形、三角形、ガウス又は所定の波形を備える、請求項17に記載の撮像システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示の主題は、X線及び核医学撮像システムなどの撮像システムで使用する検出システム
【背景技術】
【0002】
診断撮像技術は、患者の内部構造の画像の取得を可能にし、患者の内部構造の機能及び全体に関する情報を提供することができる。診断撮像システムは、患者の組織からの放射線の放出又は送出を含む様々な物理的原理に基づいて動作することができる。例えば、X線撮像システムは、いくつかの放出源から撮像ボリュームをわたって源の反対側に配置された検出器システムの方向へX線を患者に向けることができる。ボリュームを通過し、源と検出器との間に配置された任意の材料又は組織を通過するとX線の減衰が判定され、撮像された患者又は物体の内部領域の画像を非侵襲的に形成するために使用することができる。このような減衰情報を種々の偏位角度で取得し、減衰情報と一致する深さ情報を生成することができる。
【0003】
さらに、単光子放射断層撮影(SPECT)及び陽電子放射断層撮影(PET)は、患者に投与され、分解により患者の体内の位置からガンマ線を放出させる放射性医薬品を利用することができる。放射性医薬品は通常、体内の生理学的又は生化学的プロセスに基づいて体に優先的に又は差次的に分散されるように選択される。例えば、腫瘍組織によって優先的に処理又は吸収される放射性医薬品を選択することができる。このような例では、放射性医薬品は通常、患者内の腫瘍組織の周囲に高い濃度で配置される。
【0004】
PET撮像においては、放射性医薬品は通常、患者内で分解又は減衰して電子に接触すると消滅する陽電子を放出し、プロセスにおいて反対側の方向に移動する一対のガンマ線を生成する。SPECT撮像では、放射性医薬品が患者内で分解又は減衰すると単一のガンマ線が生成される。これらのガンマ線は、各々のPET又はSPECTスキャナ内の検出機構と相互作用して減衰事象を局在化させることを可能にし、それによって放射性医薬品が患者の全体に分散されている図を提供することができる。これにより、介護者は、患者内で放射性医薬品が偏在している場所の視覚化が可能となり、したがって患者の体内にある診断的意義を持つ生理学的構造及び/又は生化学的プロセスの場所を識別することができる。
【0005】
撮像技術のの例では、入射放射線を画像形成に使用することができる有用な電気信号に変換する検出器が用いられる。特定のこのような検出器技術は固体光電子増倍管を用いており、これは入射放射線に応答してシンチレータで生成された光学信号を検出するために有用となり得る。生じ得る1つの問題は、固体光電子増倍管を用いる特定の検出器技術において、検出器の画素が固体光電子増倍管内のマイクロセルで生成したアナログ信号のロングパルスに起因して、時間分解能が乏しい信号を生成することである。しかし、デジタル固体光電子増倍管回路の使用などのこれらの問題に対処するための現在の手法は複雑であり、検出器の構成要素の製造コストを押し上げてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願第2009/121142号
【発明の概要】
【0007】
一実施形態では、放射線検出器を提供する。放射線検出器は、入射放射線に応答して光子を生成するように構成されたシンチレータ層と、複数のマイクロセルを備える固体光電子増倍管とを備える。各々のマイクロセルは、シンチレータで生成した光子に応答して、約2ns以下の持続時間を有するデジタルパルス信号を生成するように構成されている。
【0008】
さらなる実施形態では、固体光電子増倍管を提供する。固体光電子増倍管は、複数のマイクロセルを備える。各マイクロセルは、光学光子に曝されると最初のアナログ信号を生成するように構成されている。マイクロセルは、最初のアナログ信号を比較パラメータと比較し、比較に基づいて約2ns以下の持続時間を有するデジタル出力信号を生成する電子回路を備える。
【0009】
追加の実施形態では、撮像システムを提供する。撮像システムは、複数の固体光電子増倍管モジュールを備える検出器パネルを備える。各光電子増倍管モジュールは、複数のマイクロセルを備える。各マイクロセルは、各々のマイクロセルで生成した最初のアナログ信号を比較閾値とするように構成された比較器と、比較器の出力に応答してデジタルパルスを発生するように構成されたデジタルパルス発生器とを備える。デジタルパルスは、2ns以下の持続時間を有する。撮像システムはさらに、検出器パネルから出力信号を得るように構成されたデータ取得回路を備える。出力信号は、各々の固体光電子増倍管に対して集約されているデジタルパルスを使用して導出される。撮像システムはまた、データ取得回路で得られた出力信号に基づいて画像を生成するように構成された画像再構成処理回路と、画像を表示するように構成された少なくとも1つの画像表示ワークステーションとを備える。
【0010】
本発明のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読めば、よりよく理解されよう。図面を通じて、同様の符号は、同様の部分を表す。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本開示の態様に従うPET撮像システムの図表である。
【図2】本開示の態様に従う、PETデータ取得システムのフロントエンドの一例のブロック図である。
【図3】本開示の態様に従う、検出器素子の斜視図を示す図である。
【図4】マイクロセル信号生成経路の簡略化電気モデルを示す図である。
【図5】アナログマイクロセル信号を使用した信号加算の一例を示す図である。
【図6】本開示の態様に従うマイクロセル信号生成経路の回路形式図を示す図である。
【図7】本開示の態様に従うファイアリングマイクロセルの簡略化電気モデルを示す図である。
【図8】本開示の態様に従うデジタルマイクロセル信号を使用した信号加算の一例を示す図である。
【図9】本開示の態様に従うマイクロセル信号生成経路の代替の回路形式図を示す図である。
【図10】本開示の態様に従うデジタルマイクロセル信号を使用した信号加算の概略例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示によれば、放射線検出に関連して固体光電子増倍管(例えば、ケイ素光電子増倍管(SiPM))の有用性を向上させるための手法が記載される。
【0013】
上述のように、ガイガーモードで動作しているマイクロセル(例えば、単一光子アバランシェダイオード(SPAD))を組み込んだ光センサを用いる様々な放射線検出手法が存在する。これらの手法のいくつかは、核検出器において使用され得るもののような大面積デバイスにおいて実施されている。例えば、SiPMデバイスでは、各マイクロセルは、100kΩから1MΩの抵抗値を示すクエンチ抵抗器を介して読み出しネットワークに接続することができる。検出した光子がアバランシェ事象を生成すると、マイクロセルは降伏電圧まで放電され、充電電流が放電事象を定量化する測定可能な信号を生成する。通常、単一光電子(SPE)信号に関連するパルス形状は、高速の立ち上がり時間、続いて長い立ち下がり時間を有する。このようなパルスが多数のマイクロセル、例えばSiPMデバイスの画素を形成する多数のマイクロセルにわたって集約している場合に、得られた加算信号のパルス形状は、検出した光パルスを有する単一のマイクロセル応答のコンボリューションによって遅い立ち上がり時間(例えば、数10ナノ秒)を有する。したがって、所与の光パルスに対して集約した信号の立ち上がり時間が遅いことにより、これらのデバイスとの良好な時間分解能を達成することは困難である。
【0014】
1つの手法では、この問題に対処するためにデジタルSiPMが用いられている。この手法では、相補型金属酸化膜半導体(CMOS)プロセスを使用して、同一のケイ素ウェハ上に各マイクロセル(例えば、SPAD)専用の電子回路が製造される。この回路の機能は、アバランシェ事象を検出してマイクロセルを能動的にクエンチすることである。各回路は、メモリ素子(例えば、1ビット以上の素子)を有する。すべてのマイクロセルからタイムスタンプを収集するために、専用のネットワークツリーが使用される。イベント毎の検出した光子の数の情報を得るために専用の読み出しサイクルが実行されるので、各デジタルSiPM専用のデジタルコントローラを必要とする。このような手法は、不所望に複雑である。
【0015】
本明細書で論じる本発明の手法は、デジタルSiPMの複雑化を招くことなく、SiPMを使用して生成されたロングパルスアナログ信号に関連する問題を解決する。例として、一実装形態では、小型電子回路がSiPM製造中に各マイクロセルに作成される。この回路はアバランシェ現像を検出し、従来のアナログパルスとは対照的に読み出しネットワークに非常に短い(例えば、約0.2ns〜2.0ns)デジタルパルス(すなわち、「ワンショット」)を生成する。この能動的感知方法は、安定した利得、低い過剰雑音係数、及び潜在的に高い光検出効率(PDE)を確保することができる。本発明のSiPMデバイスは、高速のSPE応答、安定した利得、及び減少した感温性を提供する。さらに、本明細書で論じる本発明のSiPMデバイスの使用は、本発明のSiPMを用いる放射線検出器の簡略化した読み出し電子回路並びにより良好なエネルギー及び時間分解能を可能にする。
【0016】
本明細書で論じる陽電子放射断層撮影法(PET)もしくは単光子放射断層撮影(SPECT)撮像システムのような、又はこのようなPETもしくはSPECT撮像機能(例えば、PET/MR、PET/CT、又はSPECT/CT撮像システム)を含む複合型又はハイブリッド撮像システムのような核撮像システムの検出器の読み出しに関する。しかし、本発明のSiPMデバイスはまた、X線撮像診断法(例えば、X線透視法、マンモグラフィ、コンピュータ断層撮影法(CT)、トモシンセシス、血管造影法など)に使用される放射線検出器などの、放射線又は核粒子の検出に使用される他の種類の撮像診断法又は検出器に用いることができることを理解されたい。しかし、説明を簡単にするために、かつ具体的な実施例と関連して考察を容易にするために、核撮像システムに関連して本発明の考察を行う。
【0017】
前述を念頭に次に図面を参照すると、図1は、本開示のいくつかの態様に従って動作するPETシステム10を示している。PETシステム10は本明細書で説明され論じられるが、本発明の手法はまた、SPECT又はCT撮像システムなどの他の撮像背景において有用であり得ることを理解されたい。
【0018】
図示のPETシステム10は、検出器アセンブリ12と、データ取得回路14と、画像再構成処理回路16とを含む。PETシステム10の検出器アセンブリ12は通常、図1に示すように、撮像ボリュームの周囲に配置された多数の検出器モジュール(全体を参照番号18で示す)を含む。本明細書で論じるように検出器アセンブリ12は、モジュール18を介して、陽電子消滅事象によって生成され、かつ撮像化ボリューム内の被写体から出射されるガンマ線に応答して信号を生成するように構成することができる。特定の実施態様では、検出器アセンブリ12は、シンチレータと、光子検出電子回路とを含むことができる。検出器アセンブリ12は、PETデータを得るための任意の適切な構造及び構成のものであってもよい。例えば、図示の例のように、検出器アセンブリ12は、完全な又は部分的なリングとして構成することができる。
【0019】
特定の実施態様では、ガンマ線は、検出器アセンブリ12又は検出器モジュール18のシンチレータ内のように、検出器モジュール18内で検出され電気信号に変換され得る低エネルギーの光子に変換することができ、これはデジタル信号を出力するために調整され処理することができる。特定の撮像用途では、シンチレータに入射している放射線に応答して生成される光学光子が少ない(すなわち、低信号レベル)ことを克服するために、固体光電子増倍管(SiPM)は、シンチレータと組み合わせて信号の増幅を行うことができる。
【0020】
検出器モジュール18で生成した信号は、潜在的な同時発生事象として一対のガンマ線検出を一致させるために使用することができる。すなわち、このようなPET実装形態では、2つのガンマ線が対向する検出器に衝突する場合、陽電子消滅が2つの衝撃位置(ランダム及び散乱検出の相互作用の効果が存在しない)を結ぶ線上のどこかに生じたと判定することができる。SPECTの実装形態では、道筋情報が、検出器アセンブリに関連する視準に少なくとも部分的に基づいて代わりに推定されてもよい。収集されたデータは分類されて一体化され、画像再構成処理回路16などによる以降の処理で使用することができる。
【0021】
したがって、動作中には、データ取得回路14は、信号が撮像化ボリューム内で出射されたガンマ線に応答して生成される検出器アセンブリ12の検出器モジュール18からの信号の読み出しに使用される。データ取得回路14で得られる信号は、画像再構成処理回路16に供給される。画像再構成処理回路16は、導出されたガンマ線放出位置に基づいて画像を生成する。オペレータワークステーション26はシステムオペレータによって、説明した構成要素の一部又はすべてに制御命令を供給し、データ取得及び画像生成を支援する様々な動作パラメータを構成するために利用される。オペレータワークステーション26はまた、生成された画像を表示することもできる。或いは、生成された画像は、画像表示ワークステーション28のような遠隔ビューイングワークステーションに表示してもよい。
【0022】
PETシステム10の動作の説明と考察を容易にするために、データ取得回路14及び画像再構成処理回路16は図1では他の図示された構成要素(例えば、検出器アセンブリ12、オペレータワークステーション26、及び画像表示ワークステーション28)と別々に示されていることを理解されたい。しかし、特定の実施態様では、これらの回路の一部又はすべてが検出器アセンブリ12、オペレータワークステーション26、及び/又は画像表示ワークステーション28の一部として設けられていてもよいことを理解されたい。例えば、検出器アセンブリ12、オペレータワークステーション26、及び/又は画像表示ワークステーション28の一部として設けられる、データ取得回路14の一部で実行される、又は一部として設けられるハードウェア、ソフトウェア、及び/又はファームウェアは、本明細書に記載の様々な検出器読み出し及び/又は制御動作を実行するために使用することができる。特定の実装形態では、データ取得回路14は、本明細書で論じる検出器読み出しステップを実行するための特別に構成され又はプログラムされたハードウェア、メモリ、又はプロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))を含んでもよい。同様に、これらの読み出し機能のいくつかは、1つ以上の汎用又は専用プロセッサ及びそのようなプロセッサ上で実行するように構成された記憶されたコード又はアルゴリズムを使用して実行することができる。同様に、専用ハードウェア及び/又は回路の組み合わせは、本明細書で論じるステップを実施するために記憶されたコードを実行するように構成された1つ以上のプロセッサと共に使用することができる。
【0023】
前述を念頭に、図1に示すようなシステムの一実装形態の検出器技術を詳細に論じる。特に、PET又はSPECTシステムは、ガンマ線検出機構の一部として、検出器モジュール18内などで固体光電子増倍管(例えば、SiPM)デバイスのアレイを利用することができる。このようなSiPMデバイスは、特定の実装形態では、衝突する光子を検出するためのマイクロセル(例えば、受動的にクエンチされたガイガーモードアバランシェフォトダイオード(APD))のアレイの形態をとることができる。一般に、光子検出に使用されるSiPMデバイスは、衝突事象の時間、事象に関連するエネルギー、及び検出器内の事象の位置などの特定のパラメータについての情報を提供することができる。これらのパラメータは、SiPMによって生成される出力信号に適用される処理アルゴリズムによって決定することができる。
【0024】
一実施形態では、マルチチャネル読み出しフロントエンド特定用途向け集積回路(ASIC)は、PET(又はSPECT)システムにおいてSiPMのアレイとインターフェースする。ASICは、図1のデータ取得回路14の一部として設けられてもよいし、各SiPMをバイアスする能力と同じく各SiPMの事象のタイミング、エネルギー、及び位置に関する情報を処理システム(例えば、処理回路16)に提供するように構成してもよい。
【0025】
図2を参照すると、例えば図1のPETシステム10と共に使用することができる、PETデータ取得システム30のフロントエンドの一例を表すブロック図が示されている。PETデータ取得システム30は、検出器モジュール18及び/又はデータ取得回路14の一部として複数のSiPM40及び複数のASIC36を含むことができる。ガンマ線の相互作用に応答してシンチレータで生成された光は、SiPMによって検出され、増幅される。この例では、各SiPM40は、ASIC36と電気的に連通するアノード出力34を含む。すなわち、SiPM40の出力は、各々のASIC36への入力である。ASIC36は次いで、出力として1つ以上のタイミング信号、エネルギー信号及び/又は位置信号を供給する。ASIC36によって出力されたこれらの信号の各々は、ASIC36による処理後に各々のSiPM40から取得した情報に対応している。非限定的な例として、一実施形態では、データ取得システム30のフロントエンドは、18のSiPM40を含むことができる。しかし、他の実装形態では、他の数のSiPM40がデータ取得システム30内に存在することができる。
【0026】
特定の実装形態では、各SiPM画素40は、半導体材料としてケイ素を使用して形成されているが、他の適切な半導体材料を代わりに使用してもよい(例えば特に、SiC、AlxGa1−xAs、GaP、GaN及びその合金)。本明細書で論じるように、各SiPM画素40は、マイクロセルとも称される複数の巨視的単位を含む。例証として、単一のSiPM40が本発明の概念のいくつかを示すために図3に示されている。SiPM40上のマイクロセル46の数は通常、SiPM40の有効ダイナミックレンジを提供するには十分な数である。SiPM40の面積は、シンチレータ42に形成された1つ以上の液晶素子50を覆うには十分な面積である。しかし、SiPM40の正確な数及び密度はオペレータや他の周知の要因によって所望の画像解像度によって決定されることを理解されたい。
【0027】
図3に示すように、単一のSiPM画素40は、シンチレータ42から到達する単一の光学光子を出力信号に増幅する複数のアバランシェフォトダイオード(APD)又は「マイクロセル」46で構成されている。通常、各SiPM40は、多数のマイクロセル46(例えば、1mm
2当たり100〜2,500のAPD)を含有する。特定の実施形態では、マイクロセル46の各々は、20〜100ミクロンの長さを有することができる。一実装形態では、マイクロセル46の各々は、降伏電圧より数ボルト上の個々のガイガーモードAPDとして動作し、各マイクロセル46は他のマイクロセルのすべてと実質的に同一である。この動作モードでは、光学光子の吸収で生成した電子は、1つ以上の光子がマイクロセル46によって吸収されると、個々のマイクロセル46に限定されているアバランシェ降伏を開始する。
【0028】
各マイクロセル46は、互いに独立して機能して光子を検出する。電荷の単一の個別のユニットは、その中に吸収された複数の光子から独立してマイクロセル46から出射される。すなわち、各ガイガー降伏に対して、マイクロセル46の出力信号は実質的に同じ形状及び電荷を有することになる。一実施形態では、SiPM40などの信号が集約されるいくつかの領域上に一体化された電荷を生じさせるために、マイクロセルが並列で電気的に接続されている。マイクロセル46の加算放電電流は、所与の領域上の放射線の入射を示している。準アナログ出力は、信号が集約されている領域上の入射光子束に関する強度情報を提供することができる。
【0029】
図4を参照すると、マイクロセルがそのようなセルのSiPMアレイ内の複数のマイクロセルの1つである、マイクロセル46の簡略化電気モデルの一例が示されている。一例では、図示のマイクロセルは、アナログSiPM内でガイガーモードで動作する単一光子アバランシェダイオード(SPAD)のアレイの一部であってもよい。図示の例では、モデルは、関連するカソード52及びアノード54と、下流の負荷装置56とを有する。モデルのマイクロセル部70は、フォトダイオードに関連付けることができるようなダイオードコンデンサ58と、電流パルス66とを含む。図示の例のクエンチ回路78は、クエンチ抵抗器72と、寄生クエンチコンデンサ60とを含む。クエンチ回路78の下流には、この例では、寄生抵抗器62及び寄生インダクタ64がモデル化されている。
【0030】
このモデルにおいて図示のマイクロセルのようなマイクロセル70の個々のAPDは、約100kΩ〜約1MΩの通常の値を有するクエンチ抵抗器(R
q)72を含むクエンチ回路78を介して読み出しネットワークに接続されている。検出した光子がアバランシェ事象を生成すると、パルス電流66が生成され、マイクロセルのダイオードコンデンサC
d58は降伏電圧まで放電し、充電電流が測定可能な出力信号を生成する。単一光電子(SPE)信号の通常のパルス形状74は、高速の立ち上がり時間(すなわち、急激に上がっている箇所)、続いて長い立ち下がり時間(すなわち、ゆっくりと下がっている後部)を有する。
【0031】
図5を参照すると、従来のアナログパルス74は、SiPM画素などを介して加算のために出力される。図5では、加算は、所与の加算事象について、ファイアリングマイクロセル86だけでなく非ファイアリングマイクロセル88(信号74が出力されていない)の両方を含むことができる複数のマイクロセル上に示されている。集約信号92の得られたパルス形状は、時間分解能が乏しい検出した光パルスを有する単一のマイクロセル応答のコンボリューションによって遅い立ち上がり時間(例えば、数10ナノ秒)を有する。図示の例では、出力信号の集約は、回路寄生90を受ける可能性がある(例えば、寄生抵抗器62及び/又は寄生インダクタ64)。
【0032】
本発明の手法によれば、小型電子回路がSiPM40の製造中に各マイクロセル46(例えば、SPAD)の回路に組み込まれている。この回路はアバランシェ現像を検出し、読み出しネットワークで短い(例えば、約0.2ns〜2.0ns、約1ns以下など)デジタルパルス(例えば、「ワンショット」)を生成する。
【0033】
例として、図6を参照すると、本発明の手法に従うアバランシェフォトダイオード98を有するマイクロセル回路の一例の回路図100が示されている。この例では、マイクロセル46は、一体化された電子回路感知を組み込んでいる。この回路によれば、ファイアリングマイクロセル86からのパルス74は、従来のマイクロセルに見られるもの、すなわちゆっくりと下がっている後部を有する急激に上がっている箇所と同様である。しかし、シュミットトリガのような、ワンショットパルス発生器104が続く比較器102は、回路100に設けられて信号感知ノード108で信号を感知する。図示の例では、比較器102は、信号感知ノード108で感知された信号を閾値電圧(V
th)と比較する。すなわち、回路100は、ワンショットパルス発生器104がトリガされるか否かの判定の点から電圧モードで動作する。図示の例では、デジタルワンショットパルス発生器104は、比較器102の出力に応答してトリガされる(すなわち、信号感知ノード108の信号は閾値電圧V
thを超え、その場合にワンショットパルスを生成し、そうでない場合には何もしない)。一実装形態では、生成されたパルスは、従来は出力として与えられるアナログパルス(例えば、パルス74)の加算の代わりにいくつかの領域(例えば、SiPMの面で)にわたって加算のために与えられる短持続時間(例えば、約1ns以下)のデジタルパルス110(例えば、正方形波形)である。理解されるように、正方形波形が一例として示されているが、デジタルパルス110は、正方形でない形状、例えばガウス又は三角形波形、又は任意の他の適切な所定の波形タイプであってもよい。理解されるように、デジタルパルス110の振幅及び持続時間は、設計によって固定されている。これは、アナログパルスの振幅が温度に敏感なV
brに部分的に依存するパルス74などのアナログパルスとは対照的である。
【0034】
SiPM40に存在する複数のマイクロセル46からのワンショットパルスの加算で生成した得られた波形は、正方形(又はガウスもしくは三角形又は任意の他の所定の形状)波形(長形のアナログパルス74とは対照的に)などの短持続時間のデジタルパルス110のコンボリューションである。結果的に、加算された、又はその他の方法で集約されたデジタルパルス110は、シンチレータパルスに関連する減少した立ち上がり時間を有する短い立ち上がり時間(加算したアナログ信号とは対照的に)を有する信号出力をもたらす。
【0035】
図7を参照すると、簡略化電気モデル120が図6の回路100に対応して示されている。このモデルに示すように、信号感知ノード108で感知されたパルス74は、比較器102への入力(例えば、シュミットトリガ)として使用される。比較器102の出力は、ワンショットパルス発生器104が閾値電圧(V
th)との比較に基づいて所与の読み出し中にトリガされるか否かを決定する。トリガされる場合、ワンショットパルス発生器104は、下流の加算ノードに出力としてデジタルパルス110を生成する。
【0036】
例として、図8を参照すると、直列のマイクロセル46のアレイ(すなわち、1−N)が示されている。描写を簡単にするために、第1のマイクロセルの構成についてのみ詳細に示している。この例では、加算回路130のようなマイクロセル46の種々のデジタルパルス出力が集約されて加算され、検出器の読み出し中にSiPM40の出力として供給される。
【0037】
以上の考察は一般に電圧の動作モードに関するものであるが、他の実施形態では、電流の動作モードを用いてもよい。例として、図9を参照すると、SiPM40で使用するのに適切であり、電流モードにおける電子感知を組み込んでいるマイクロセル46が示されている。この例では、バイアス及び電流感知構成要素134が、マイクロセル46に含まれている。バイアス及び電流感知構成要素134は、図9でI
inとして示されているように、バイアスをアバランシェフォトダイオード98に与え、アバランシェフォトダイオード98を通って流れる電流を感知する。バイアス及び電流感知構成要素134は次に、電流I
outを電流比較器136に出力する。電圧比較器と同様に、電流比較器136は、バイアス及び電流センサ134から受け取った電流を閾値電流I
thと比較する。この比較に基づいて、ワンショットパルス発生器104が読み出し期間の間にトリガされるか、又はされない。トリガされる場合、ワンショットパルス発生器104はSiPM内の加算ノードへの出力として、短持続時間のデジタルパルス110、例えば、2.0ns又は1ns未満の持続時間を有する正方形(又はガウスもしくは三角形)波形を生成する。
【0038】
以上の考察を念頭に置いて、画素内で加算された集積電子回路と共にマイクロセルの概略構造が図10に示されている。この例では、画素アレイ内のマイクロセル46(1−N)は、電子回路を組み込んでおり、上述のように電圧モード又は電流モードのいずれかで動作することができる。さらに、特定の実施形態では、アレイ内の異なるマイクロセル46は、異なるモードで動作することができる。例えば、マイクロセル46のいくつかは、電圧モードで動作することができるが、他のマイクロセル46は電流モードで動作する。或いは、マイクロセル46は、いずれのモードでも動作するために必要な回路を組み込むことができ、したがってシステム又はユーザの指示に基づいて、モード間で切り換え可能である。
【0039】
この例に示すように、マイクロセル46のデジタルパルス出力110は、読み出し動作中にSiPM40内の加算回路又は構成要素に与えられてもよい。加算デジタルパルス出力は次いで、SiPM40の出力として与えることができる。
【0040】
本発明の技術的効果は、それに限定されないが、高速の単一光電子応答、安定した利得、及び減少した感温性を有するSiPMを含む。技術的効果はまた、向上したエネルギー及び時間分解能を含む。技術的効果はまた、固体光電子増倍管で使用するマイクロセルを含み、マイクロセルは、電流モード又は電圧モードで動作するデジタルパルスを出力することができる。
【0041】
本明細書は、本発明を開示するために実施例を用いており、最良の形態を含んでいる。また、いかなる当業者も本発明を実施することができるように実施例を用いており、任意のデバイス又はシステムを製作し使用し、任意の組み込まれた方法を実行することを含んでいる。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が想到するその他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、特許請求の範囲の文言との差がない構造要素を有する場合、又は特許請求の範囲の文言との実質的な差がない等価の構造要素を含む場合、特許請求の範囲内にある。
【符号の説明】
【0042】
10 PETシステム
12 検出器アセンブリ
14 データ取得回路
16 画像再構成処理回路
18 検出器モジュール
26 オペレータワークステーション
28 画像表示ワークステーション
30 PETデータ取得システム
34 アノード出力
36 特定用途向け集積回路(ASIC)
40 ケイ素光電子増倍管(SiPM)
42 シンチレータ
46 マイクロセル
50 液晶素子
52 カソード
54 アノード
56 負荷装置
58 ダイオードコンデンサ
60 寄生クエンチコンデンサ
62 寄生抵抗器
64 寄生インダクタ
66 電流パルス、パルス電流
70 マイクロセル、マイクロセル部
72 クエンチ抵抗器
74 アナログパルス
78 クエンチ回路
86 ファイアリングマイクロセル
88 非ファイアリングマイクロセル
90 回路寄生
92 集約信号
98 アバランシェフォトダイオード
100 回路、回路図
102 比較器
104 ワンショットパルス発生器
108 信号感知ノード
110 デジタルパルス、デジタルパルス出力
120 簡略化電気モデル
130 加算回路
134 バイアス及び電流感知構成要素、電流センサ
136 電流比較器
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【国際調査報告】