(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2016-541029(P2016-541029A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(54)【発明の名称】車載カメラおよびその製造方法
(51)【国際特許分類】
G03B 17/02 20060101AFI20161205BHJP
G03B 15/00 20060101ALI20161205BHJP
G02B 7/02 20060101ALI20161205BHJP
G03B 17/08 20060101ALI20161205BHJP
【FI】
G03B17/02
G03B15/00 V
G02B7/02 A
G02B7/02 B
G03B17/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-550933(P2016-550933)
(86)(22)【出願日】2015年1月8日
(85)【翻訳文提出日】2015年10月27日
(86)【国際出願番号】CN2015070353
(87)【国際公開番号】WO2016050008
(87)【国際公開日】20160407
(31)【優先権主張番号】201410521605.5
(32)【優先日】2014年9月30日
(33)【優先権主張国】CN
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】515298246
【氏名又は名称】蘇州智華汽車電子有限公司
【氏名又は名称原語表記】SUZHOU INVO AUTOMOTIVE ELECTRONICS CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】王 亜軍
(72)【発明者】
【氏名】増 田悟
【テーマコード(参考)】
2H044
2H100
2H101
【Fターム(参考)】
2H044AA01
2H044AB19
2H100BB02
2H100BB11
2H100CC01
2H100EE00
2H101CC01
2H101CC52
(57)【要約】
【課題】車載カメラおよびその製造方法
【解決手段】本発明は車載カメラおよびその製造方法を開示している。該車載カメラはバックケースと、フロントケースと、フロントケースに取り付けられるレンズと、バックケースに固定されるセンサと、を含む。フロントケース、バックケースはレーザー溶接を用いてフロントケースとバックケースとの間にレンズとセンサを収容するためのシールキャビティを形成させ、レンズの焦点距離はセンサとレンズとの間の距離によって調整され、センサとレンズとの間の距離はフロントケース、バックケースの溶接の高さによって調整される。本発明は、製造過程が簡単であり、製造効率が高く、産出率が高く、フロントケース、バックケースは一体型に溶接され、追加の防水部材を増加する必要がなく、外界の水分が本体内部に入ることを完全に隔絶し、フロントケース、バックケースが溶接過程において、焦点距離を常に確認して調整され、フロントケース、バックケースのレーザー溶接の高さを調節することで、各部材の公差を吸収し、それぞれの製品の焦点距離が最適状態に調整することができることを保証し、フロントケース、バックケースはレーザー溶接され、部材に対する加熱方式は光によって加熱され、そのほかの部材に影響しないというメリットを有する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサと、レンズと、バックケースと、フロントケースと、を含む車載カメラであって、該レンズは該フロントケースに取り付けられ、該センサは該バックケースに固定され、該バックケースと該フロントケースとはレーザー溶接を用いて該バックケースと該フロントケースとの間に該レンズと該センサを収容するためのシールキャビティを形成させ、該レンズの焦点距離は該センサと該レンズとの間の距離によって調整され、該センサと該レンズとの間の距離は該バックケースと該フロントケースとの溶接の高さによって調整されることを特徴とする車載カメラ。
【請求項2】
該センサはねじによって該バックケースにロックして固定されることを特徴とする請求項1に記載の車載カメラ。
【請求項3】
該レンズと該フロントケースとは一体型構造であることを特徴とする請求項1に記載の車載カメラ。
【請求項4】
該レンズと該フロントケースとは分体型構造であり、該レンズは該フロントケースに組み付けられることを特徴とする請求項1に記載の車載カメラ。
【請求項5】
該センサは基板および該基板に取り付けられる電気的結合素子を含み、該基板は該バックケースに固定されることを特徴とする請求項1に記載の車載カメラ。
【請求項6】
該センサを該バックケースに固定させるステップと、
該バックケースと該レンズを有する該フロントケースとを、レーザー溶接を利用することで該バックケースと該フロントケースとの間に該レンズと該センサを収容するためのシールキャビティを形成させ、該バックケースと該フロントケースとの溶接過程において、該レンズの焦点距離を調整するために該バックケースと該フロントケースとの溶接の高さをリアルタイムに調整するステップと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の車載カメラの製造方法。
【請求項7】
該センサはねじによって該バックケースにロックして固定されることを特徴とする請求項6に記載の車載カメラの製造方法。
【請求項8】
該レンズと該フロントケースとは一体型構造であることを特徴とする請求項6に記載の車載カメラの製造方法。
【請求項9】
該レンズと該フロントケースとは分体型構造であり、該製造方法は該レンズを該フロントケースに組み付けるステップを含むことを特徴とする請求項6に記載の車載カメラの製造方法。
【請求項10】
該センサは基板および該基板に取り付けられる電気的結合素子を含み、該基板は該バックケースに固定されることを特徴とする請求項6に記載の車載カメラの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はカメラおよびその製造方法に関し、特に車載カメラおよびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
防水、フォーカシングは車載カメラの2つの問題であり、車載カメラの製造方式は、一般的に、分注(dispensing)式、押出し式、および超音波溶接式を含む。
【0003】
1、分注式
欠陥:第一に、接着剤がレンズとケースとの間に充填されるため、製造過程において、光学軸、焦点距離の精度を保証することが困難であり、長期の使用過程において、温度、湿度が頻繁に変化し、接着剤の性能に影響し、光学軸、焦点距離、防水性能を保証することができず、第二に、接着剤の使用量が多く、凝固時間が必要であり、流れ作業に適合せず、効率が悪く、接着剤は、大量に生産する時に、それぞれの製品のレンズとケースとの間を完全に充填することを保証することが困難であり、不良率が高い。
【0004】
2、押出し式
図1に示すように、製品はゴムパッドを圧縮する方式を用いて防水され、バックケース5とフロントケース4はねじ1によって接続されてロックされ、ガスケット2を圧宿することでフロントケース、バックケースの防水を実現する。バックケース5は内部ケース6を押出し、内部ケース6はレンズ3を押出し、レンズ3とフロントケース4はO型リング7を押出することで、フロントケース4とレンズ3との防水を実現する。製品は焦点距離調整の方式を採用する。センサ8と内部ケース6とは一体に固定され、レンズ3と内部ケース6とはねじ山によって上下調整される。
【0005】
欠陥:第一に、ガスケット2は組立する時に変形しやすく、防水が失効することを引き起こし、第二に、バックケース5が下へ内部ケース6を押出する過程において、内部ケース6は力を受けて変形し、PCBAとレンズとの相対距離(焦点距離)は変化(焦点はずれ)し、画像がぼやけ、品質にひどく影響し、安定性が悪く、不良率が比較的高く、第三に、レンズ3と内部ケース6との間のトルクを制御することが困難であり、製造においてチップが発生しやすく、画像にはダークスポットが現れる。
【0006】
3、超音波溶接式
図2に示すように、センサ12とフロントケースレンズ13はねじによって一体型にロックされ、バックケース11とフロントケースレンズ13は一体型に超音波溶接される。
【0007】
欠陥:第一に、センサ12とフロントケースレンズ13の一体型構造では焦点距離調整を行うことができず、それは部材の公差による焦点距離の不良率が比較的高いからであり、第二に、バックケース11とフロントケースレンズ13は一体型に超音波溶接され、その際には機械振動によってプラスチック部品を加熱して熔融させ、2つの部材を一体型に溶接させているため、振動によってセンサ12における電子素子が損傷する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術の欠陥について、本発明の目的は車載カメラおよびその製造方法を提供することであり、それによって従来の車載カメラの防水、フォーカシングを完全に調和することができないという技術問題を解決する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は下記の技術方法により実現される。
車載カメラは、センサと、レンズと、バックケースと、フロントケースと、を含み、該レンズは該フロントケースに取り付けられ、該センサが該バックケースに固定され、該バックケースと該フロントケースとはレーザー溶接を用いて該バックケースと該フロントケースとの間に該レンズと該センサを収容するためのシールキャビティを形成させ、該レンズの焦点距離は該センサと該レンズの間の距離によって調整され、該センサと該レンズの間の距離は該バックケースと該フロントケースとの溶接の高さによって調整される。
【0010】
上記方案の更なる改良として、該センサはねじによって該バックケースにロックして固定される。
上記方案の更なる改良として、該レンズと該フロントケースは一体型構造である。
上記方案の更なる改良として、該レンズと該フロントケースは分体型構造であり、該レンズは該フロントケースに組み付けられる。
上記方案の更なる改良として、該センサは基板および該基板に取り付けられる電気的結合素子を含み、該基板は該バックケースに固定される。
【0011】
本発明は車載カメラの製造方法をさらに提供し、該車載カメラはセンサと、レンズと、バックケースと、フロントケースと、を含み、該レンズは該フロントケースに取り付けられ、該センサは該バックケースに固定され、該バックケースと該フロントケースはレーザー溶接を用いて該バックケースと該フロントケースとの間に該レンズと該センサを収容するためのシールキャビティを形成させ、該レンズの焦点距離は該センサと該レンズとの間の距離によって調整され、該センサと該レンズとの間の距離は該バックケースと該フロントケースとの溶接の高さによって調整される。なお、該製造方法は、該センサを該バックケースに固定させるステップと、該バックケースと該レンズを有する該フロントケースとをレーザー溶接を用いて、該バックケースと該フロントケースとの間に該レンズと該センサを収容するためのシールキャビティを形成させ、該バックケースと該フロントケースとの溶接過程において、該レンズの焦点距離を調整するために該バックケースと該フロントケースとの溶接の高さをリアルタイムに調整するステップとを含む。
【0012】
上記方案の更なる改良として、該センサはねじによって該バックケースにロックして固定される。
上記方案の更なる改良として、該レンズと該フロントケースとは一体型構造である。
上記方案の更なる改良として、該レンズと該フロントケースとは分体型構造であり、該製造方法は該レンズを該フロントケースに組み付けるステップを含む。
上記方案の更なる改良として、該センサは基板および該基板に取り付けられた電気的結合素子を含み、該基板は該バックケースに固定される。
【0013】
本発明は従来の分注式の車載カメラに対して、そのメリットは、製造過程が簡単であり、製造効率が高く、産出率が高い。本発明は従来の押出し式の車載カメラに対して、そのメリットは、第一に、フロントケース、バックケースが一体型に溶接され、追加の防水部材を増加する必要がなく、外界の水分が本体内部に入ることを完全に隔絶し、第二に、基板321とバックケース31とは固定され、バックケース31とフロントケース33との溶接過程において、焦点距離は常に確認して調整される。本発明は従来の超音波溶接式の車載カメラに対して、そのメリットは、第一に、フロントケース、バックケースのレーザー溶接の高さを調節することで、各部材の公差を吸収し、それぞれの製品の焦点距離が最適状態に調整することができることを保証し、第二に、フロントケース、バックケースはレーザー溶接され、部材に対する加熱方式は光によって加熱され、そのほかの部材に影響しない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は従来の押出し式の車載カメラの構成模式図である。
【
図2】
図2は従来の超音波溶接式の車載カメラの構成模式図である。
【
図3】
図3は本発明の好適な実施形態に提供された車載カメラの構成模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の目的、技術方案およびメリットをより明瞭するために、以下は具体的な実施例と図面を用いて、本発明の技術方法に対して更に詳細に説明するが、ここで記述した具体的な実施例は本発明を解釈するためのものであって、本発明はこれらの実施例に制限されない。
【0016】
図3を参照し、それは本発明の好適な実施形態を適用して提供した車載カメラの構成模式図である。該車載カメラはセンサ32と、レンズ34と、バックケース31と、フロントケース33と、を含む。
【0017】
レンズ34はフロントケース33に取り付けられ、レンズ34とフロントケース33とは一体型構造であってもよく、分体型構造であってもよい。レンズ34とフロントケース33は分体型構造である時に、該車載カメラを製造するのに該レンズ34を該フロントケース33に組み付ける必要がある。
【0018】
センサ32はバックケース31に固定され、センサ32はねじ35によってバックケース31にロックして固定される。センサ32は基板321および該基板321に取り付けられた電気的結合素子(CCD)322を含み、該基板321は該バックケース31に固定され、例えば、基板321はねじ35によってバックケース31にロックされる。
【0019】
バックケース31とフロントケース33はレーザー溶接を用いてバックケース31とフロントケース33との間にレンズ34とセンサ32を収容するためのシールキャビティを形成させ、レンズ34の焦点距離はセンサ32とレンズ34との間の距離によって調整され、センサ32とレンズ34との間の距離はバックケース31とフロントケース33との溶接の高さによって調整される。
【0020】
本発明の車載カメラは製造時に、その製造方法は、
センサ32をバックケース31に固定させ、レンズ34とフロントケース33とは分体型構造である時に、該レンズ34を該フロントケース33にさらに組み付ける必要がある。
バックケース31とフロントケース33とはレーザー溶接を用いてバックケース31とフロントケース33との間にレンズ34とセンサ32を収容するためのシールキャビティを形成させ、バックケース31とフロントケース33との溶接過程において、レンズ34の焦点距離を調整するためにバックケース31とフロントケース33との溶接の高さをリアルタイムに調整する。バックケース31とフロントケース33との溶接の高さをリアルタイムに調整してレンズ34の焦点距離を最適にさせる。
【0021】
要するに、本発明は従来の分注式の車載カメラに対して、そのメリットは、製造過程が簡単であり、製造効率が高く、産出率が高い。本発明は従来の押出し式の車載カメラに対して、そのメリットは、第一に、フロントケース、バックケースは一体型に溶接され、追加の防水部材を増加する必要がなく、外界の水分が本体内部に入ることを完全に隔絶し、第二に、基板321とバックケース31とが固定され、バックケース31とフロントケース33との溶接過程において、焦点距離は常に確認して調整される。本発明は従来の超音波溶接式の車載カメラに対して、そのメリットは、第一に、フロントケース、バックケースのレーザー溶接の高さを調節することで、各部材の公差を吸収し、それぞれの製品の焦点距離が最適状態に調整することができることを保証し、第二に、フロントケース、バックケースはレーザー溶接され、部材に対する加熱方式は光によって加熱され、そのほかの部材に影響しない。
【0022】
上記の具体的実施例は本発明の好適な実施例のみであ理、本発明を限定するものではない。上記の具体的実施例に対して色々な修正と補助または類似の手段を用いて代替することができるが、本発明の趣旨から離れず、または特許請求の範囲を超えない。
【国際調査報告】