特表2017-501009(P2017-501009A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-501009超音波誘導の非侵襲性血圧測定装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-501009(P2017-501009A)
(43)【公表日】2017年1月12日
(54)【発明の名称】超音波誘導の非侵襲性血圧測定装置および方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/022 20060101AFI20161216BHJP
   A61B 8/14 20060101ALI20161216BHJP
【FI】
   A61B5/02 630E
   A61B5/02 631Z
   A61B8/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-562460(P2016-562460)
(86)(22)【出願日】2015年1月2日
(85)【翻訳文提出日】2016年7月5日
(86)【国際出願番号】US2015010037
(87)【国際公開番号】WO2015103472
(87)【国際公開日】20150709
(31)【優先権主張番号】61/923,335
(32)【優先日】2014年1月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/585,717
(32)【優先日】2014年12月30日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516198684
【氏名又は名称】フライ、 ウィリアム アール.
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100111235
【弁理士】
【氏名又は名称】原 裕子
(72)【発明者】
【氏名】フライ、 ウィリアム アール.
【テーマコード(参考)】
4C017
4C601
【Fターム(参考)】
4C017AA08
4C017AC01
4C017AC05
4C017AC40
4C017CC01
4C017EE01
4C017EE15
4C601DD06
4C601DD14
4C601EE09
4C601GA01
4C601GA40
(57)【要約】
非侵襲性血圧(またはコンパートメント圧)測定デバイスは、既存の超音波プローブの上にフィットするかまたは結合するように構成された手持ちハウジングを含む。ハウジング中または上の少なくとも1つの力センサーが、ユーザがハウジングを操作するにつれてプローブによって印加された力の量を表す信号を生成する。特定の脈管またはコンパートメントがプローブの力によって閉塞されていることをディスプレイが示す時に、電子回路が力信号を圧力の推定値に変換する。プローブのハンドル部分を掴むために装置が提供されても良く、少なくとも1つの力センサーが、装置とハウジングの間に配置されたコンポーネント上または中に支持されている。コンポーネントは薄壁チューブであっても良く、各々がホイートストーンブリッジロードセルを形成する複数の歪みゲージが、コンポ―ネントの周りに円周状に配置されていても良い。電気回路が、非軸性モーメントを拒絶するために複数の歪みゲージからの信号を総和するように更に動作する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと通信している超音波プローブとの使用のために適応された非侵襲性血圧またはコンパートメント圧測定デバイスであって、
既存の超音波プローブの上にフィットするかまたは結合するように構成された手持ちハウジングと、
ユーザがハウジングを操作するにつれてプローブによって印加された力の量を表す信号を出力する少なくとも1つの力センサーと、
血管またはコンパートメントがプローブの力によって閉塞または変形されていることをディスプレイが示す時に、信号を圧力測定値に変換するように動作する電子回路と、
を含むデバイス。
【請求項2】
超音波プローブがハンドル部分を有し、デバイスが、
プローブのハンドル部分を掴むための装置と、
装置とハウジングの間に配置されたコンポーネントと、
コンポーネントに結合された少なくとも1つの力センサーと、
を更に含む、請求項1のデバイス。
【請求項3】
装置とハウジングの間に配置されたコンポーネントが薄壁チューブであり、力センサーが歪みゲージである、請求項2のデバイス。
【請求項4】
ホイートストーンブリッジロードセルを形成するコンポーネント上に複数の歪みゲージを含んだ、請求項3のデバイス。
【請求項5】
コンポ―ネントの周りに円周状に配置された複数の歪みゲージを含み、
電気回路が、非軸性モーメントを拒絶するために複数の歪みゲージからの信号を総和するように動作する、請求項3のデバイス。
【請求項6】
測定値は、mm/Hgでの血圧である、請求項1のデバイス。
【請求項7】
圧力測定値を表示するための数値的読み取り値を更に含んだ、請求項1のデバイス。
【請求項8】
測定値を遠隔のコンピューターに送信するための無線送信機を更に含んだ、請求項1のデバイス。
【請求項9】
超音波プローブが結合されているディスプレイ上に圧力測定値が表示されることを可能とする電子回路およびコンピューターソフトウェアを更に含んだ、請求項1のデバイス。
【請求項10】
ハウジング中に配置された再充電可能なバッテリーと、
再充電の目的でハウジングを受け取るための充電スタンドと、
を含んだ、請求項1のデバイス。
【請求項11】
力センサーと電子回路は、超音波結合ゲルに抵抗するために塗膜またはカプセル化されている、請求項1のデバイス。
【請求項12】
ハウジングが、超音波プローブのコードを受け取るための上方開口部をもったクラムシェルを含む、請求項1のデバイス。
【請求項13】
超音波プローブが、ハウジングよりも大きいヘッド部分を含み、
ハウジングが、使用中にプローブのヘッド部分に対して支えられる1つ以上の力センサーをもった下方エッジを含む、請求項1のデバイス。
【請求項14】
血圧またはコンパートメント圧を測定する方法であって、
プローブによって圧縮または変形されている脈管またはコンパートメントを示しているディスプレイに結合された超音波プローブを提供するステップと、
超音波プローブの上にフィットするかまたは結合するように構成された手持ちデバイスを提供するステップであって、デバイスが、圧縮または変形中にプローブによって印加された力の量を測定するためのセンサーとエレクトロニクスを含んだステップと、
脈管またはコンパートメントが超音波プローブの印加力によって閉塞または変形されていることをディスプレイが指し示す時に、圧力測定値を生成するステップと、
を含む方法。
【請求項15】
請求項1の手持ちデバイスを提供するステップを含んだ、請求項14の方法。
【請求項16】
脈管は、静脈または動脈である、請求項14の方法。
【請求項17】
複数のセンサーを提供するステップと、
オフアクシスロードを補償するためにセンサーからの信号を平均化するステップと、
を含んだ、請求項14の方法。
【請求項18】
プローブのハンドルを、複数の歪みゲージを含んだロードセルに堅く結合するステップを含んだ、請求項14の方法。
【請求項19】
圧力測定値を遠隔のコンピューターディスプレイに無線送信するステップを含んだ、請求項14の方法。
【請求項20】
血圧をmm/Hgで表示するステップを含んだ、請求項14の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願へのリファレンス]この出願は、2014年1月3日に出願された米国仮特許出願シリアル番号61/923,335と2014年12月30日に出願された米国特許出願シリアル番号14/585,717からの優先権を主張し、その両方の内容全体がここで引用により組み込まれる。
【0002】
この発明は、全体的に非侵襲性血圧測定に関し、特に、既存の超音波プローブへの変更を要求しない超音波誘導の装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
血管、末端コンパートメント、または腹部における圧力の測定は、患者治療の慣例的な一部である。「血圧」は、最も一般的には動脈圧を指し、それは一般的には健康な人において間接的に測定される。方法は、腕の動脈を通して脈動する血液の力を検出するために腕の周りに圧迫カフを配置することが関与する。測定値は、血液がどれほど強く左心室によって押し出されているか(収縮期血圧)と、どのように心室が次の収縮のために準備しているか(拡張期血圧)を表す。
【0004】
動脈血圧が心臓を離れる血液の圧力の測定値である一方で、心臓に入る圧力が決定的に重要であり得る。全ての静脈の血液は右心房に排出され、右心房の直ぐ外側の大静脈における圧力は、中心静脈圧(CVP)と呼ばれる。CVPは、静脈を通して右心房の中に流れている血液の容量の指標を提供する。不全な心臓では、血液は静脈に「逆流」する傾向があり、CVPが増加することを引き起こす。よって、CVP測定は、潜在的な心臓不全と低心拍出量と関連付けられたその他の状態を診断する際の重要なツールであり得る。
【0005】
CVPの素早く正確な測定値を得ることはチャレンジングである。現行の方法は、カテーテルでの侵襲的なモニタリングかまたはそれらの特定性の欠如のために限定された価値しかない値の非常に幅広い範囲を与える非侵襲的な推定のどちらかを含む。侵襲的な方法は、カテーテルを、それが右心房の近傍内であるまで大静脈に沿って通すことが関与する。圧力読み取り値は、それから静脈の内部から直接的に収集される。しかしながら、中心線を通すことは時間が掛かり、行うことが困難で、危険を伴う。針の挿入は、もし心房に偶発的に孔が開けられて肺の不注意な虚脱があれば内出血に結果としてなり得て、人工的なデバイスが身体中に置かれる時はいつでも感染症の危険性も存在する。
【0006】
初期的なカテーテル挿入を避けるために、CVPは、上大静脈を右心房への圧力計として扱うことによって推定されても良い。右心房における圧力は、静脈中の血液のカラムの高さと相関し、それは頸静脈における小さな擾乱を視覚的に同定することによって推定されることができる。しかしながら、この方法はエラーを起こしやすく、手順のために患者を物理的に配置させるプロセスは、緊急事態に良く適してはいない。
【0007】
ベッドサイドの超音波の到来により、臨床医は今日患者の評価に慣例的に超音波を使用する。超音波プローブ上に置かれた印加された圧力を測定することが可能であることにより、動脈、静脈およびコンパートメント圧が直接的な視覚化の下に測定されることができ、測定の時点における患者治療の決定のためにかまたは動向のために、より正確なデータが得られることを可能としている。
【0008】
CVP測定において補助するために心臓血管構造を視覚化するのに超音波を使用することが知られている。出版された米国特許出願番号2007/0239041は、CVPを含んだ、被験者の静脈圧の非侵襲的な測定のための装置と方法を記載している。方法は、内頸(IJ)静脈を視覚化するために超音波システムを使用する。装置は、ロードセルをもったプローブを更に含む。一旦IJが位置付けされると、オペレータは、外部圧力がIJを陥没させるのに十分であるまでプローブで首の表面上を押す。プローブ内のロードセルが印加された力の量を決定し、印加された力が静脈圧に変換される。このアプローチは超音波プローブへのいかなる変更も要求しない一方で、それは要求された操作のために装備の別のピースと両手を要求する。
【0009】
もし力センサーが、プローブの先端と被験者の皮膚の間に配置されることができれば、血圧測定は、プローブそのものによって印加された圧力だけを使って行われることができる。1つの既知の技術は、水と超音波に対して半透明なグリセリンの混合物内の石英圧力トランスデューサーで変形された超音波プローブを使用する。デバイスは、IJを陥没させるのに必要な外部圧力を記録し、この値をCVPに相関させる。しかしながら、この解決策は超音波プローブの改変を要求し、それは既存の超音波装備を使用することを希望している臨床医にとってそれを魅力的ではなくしている。
【0010】
出版された米国特許出願番号2011/0137173に記載された別のアプローチは、動脈圧測定と組み合わされたドップラー超音波プローブまたは好適の圧力トランスデューサーシステムからの信号入力を含む、血行力学的モニタリングのための血流および血圧の組み合わされた測定デバイスに存する。血圧データは、動脈ライン、肺動脈圧カテーテル、中心静脈ライン等からの侵襲的なモニタリングを通してなされた圧力測定から導出された外部ソース圧力トランスデューサーから得られる。システムは、超音波から得られたドップラーデータを圧力データと結合し、両方をモニター上に表示する。
【発明の概要】
【0011】
この発明は、既存の超音波プローブとの関係で動作する手持ちの、力を感知する計器を提供することによって、従来技術を向上する。圧力は、超音波プローブのユーザによって手持ちユニットを通して患者の皮膚に印加される。特定の脈管またはコンパートメントが十分に圧縮、閉塞または変形されていることを超音波画像が指し示す時に、プローブに印加された力が圧力読み取り値に変換されて表示される。
【0012】
発明は、非侵襲的な動脈、静脈またはコンパートメント圧測定を可能とし、既存の超音波装備は、変更無しに使われても良い。もし装備によってシネループが生成されれば、接合、脈管壁変形、または筋膜の変形を見るために画像のスクロール戻しが、その時点で取得された対応する圧力と共にレビューできる。これは、リアルタイムで超音波スクリーン上に圧力データが表示されることを許容するための超音波機械への圧力データの無線送信とソフトウェアの追加を通してなされていても良い。代替的に、掛けられた圧力を視覚的に見るのに、デバイスそのもの上での圧力の表示が使われることができる。その測定における圧力ゲージを凍結するために、デバイス上のボタンが押されることができる。一連の圧力は、スクリーン上でレビューされることができる。ソフトウェアは、圧力を平均化し、前の測定値を完全に削除するかまたは選択された測定値を廃棄する。
【0013】
発明に従って構築された非侵襲性血圧(またはコンパートメント圧)測定デバイスは、既存の超音波プローブの上にフィットするかまたは結合するように構成された手持ちハウジングを含む。ハウジング中または上の少なくとも1つの力センサーが、ユーザがハウジングを操作するにつれてプローブによって印加された力の量を表す信号を生成する。特定の脈管またはコンパートメントがプローブの力によって閉塞または変形されていることをディスプレイが示す時に、電子回路が力信号を圧力の推定値に変換する。全ての実施形態において、血管は、静脈、動脈またはコンパートメントであっても良いので、ここで使われる「脈管」はそれらのいずれを指しても良い。
【0014】
発明に適用可能なプローブは、より幅の広いヘッド部分に遷移するハンドル部分を含む。発明の一実施形態では、プローブのハンドル部分を掴むために装置が提供される。少なくとも1つの力センサーが、装置とハウジングの間に配置されたコンポーネント上または中に支持されている。好ましい実施形態に従って、コンポーネントは薄壁チューブであり、力センサーは歪みゲージである。
【0015】
より好ましい実施形態では、各々がホイートストーンブリッジを形成する複数の歪みゲージが、コンポ―ネントの周りに円周状に配置されている。回路が、非軸性モーメントを拒絶するために複数の歪みゲージからの信号を総和するように更に動作する。デバイスは、血圧の推定値を表示するための数値的読み取り値を含んでいても良く、それは好ましくは、mm/Hgで呈示される。
【0016】
システムは、血圧を遠隔のコンピューターに送信するための無線送信機を更に含んでいても良い。超音波プローブが結合されているディスプレイ上に血圧の推定値が表示されることを可能とする電子回路およびコンピューターソフトウェアが提供されていても良い。
【0017】
デバイスは、ハウジング中に配置された再充電可能なバッテリーを含んでいても良く、再充電の目的でハウジングを受け取るための充電スタンドが提供されていても良い。力センサー、電子回路およびハウジング内のその他の感知コンポーネンツは、超音波結合ゲルに抵抗するために塗膜またはカプセル化されていても良い。
【0018】
ハウジングが、超音波プローブのコードを受け取るための上方開口部をもったクラムシェルを含んでいても良い。プローブハンドルグリップの代替として、ハウジングが、使用中にプローブのヘッド部分に対して支えられる1つ以上の力センサーをもった下方エッジを特徴としていても良い。
【0019】
発明に従った血圧またはコンパートメント圧を測定する方法は、プローブによって圧縮されている身体の内部領域を示しているディスプレイに結合された超音波プローブを提供するステップと、超音波プローブの上にフィットするかまたは結合するように構成された手持ちデバイスを提供するステップを含む。デバイスは、血管またはコンパートメントが超音波プローブの印加力によって閉塞または変形されていることをディスプレイが指し示す時に、圧力測定値を生成するべく、プローブによって印加された力の量を測定するためのセンサーとエレクトロニクスを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A図1Aは、発明の好ましい実施形態の図である。
図1B図1Bは、開いた構成での図1Aの実施形態を示す。
図2図2は、力感知および処理エレクトロニクスに関する詳細を描く。
図3図3は、信号フィルタリングを含んだ、追加の回路の詳細を示す。
図4図4は、マイクロプロセッサとブルートゥース(登録商標)無線を描く。
図5図5は、電力供給回路を描く。
図6A図6Aは、充電スタンドを含んだ、発明の代替的な実施形態を示す。
図6B図6Bは、使用中の図6Aの計器を示す。
図7図7は、変形可能な拡張と歪みゲージを使った代替的なデザインを描く。
【発明を実施するための形態】
【0021】
この発明は、既存の超音波プローブと結合する血圧測定計器に存する。計器は、血管の圧縮がモニターされるにつれて、プローブに印加された力を測定する。計器は、超音波プローブの力を、それが身体に対して押圧されるにつれて、連続的に測定して、力をmm/Hgのような血圧の単位に変換する。
【0022】
図1A、1Bは、発明の好ましい実施形態の図である。計器が10に、プローブが12に、ユーザの手が14に、描かれている。プローブ12は、コード18を通してモニター20にインターフェースしている。ディスプレイ36は、患者の皮膚表面24上にプローブ12によって印加された圧力を通して陥没された血管24を示す。
【0023】
計器10の筐体は、好ましくは複数のリップル30またはグリップを強化するためのその他の特徴を含む。計器の筐体はまた、「ゼロ」ボタン32、「レコード」ボタン34および圧力ディスプレイ36のようなユーザコントロールを含む。ディスプレイ36に加えてかまたはその代わりに、圧力読み取り値が、モニター20(数値的読み取り値40)を含んだ、モニターに有線または無線で送信されても良い。
【0024】
図1Aの計器の筐体は、クラムシェルデザインであり、それは図1Bでは開いて示されている。プローブ12は、圧力が印加されるにつれて計器とプローブが1つのユニットとして動くことを確かなものとするために、フックループストラップ42をもったノンスキッドパッド40に結合されている。パッド40は、その一方で、ブロック46、48の間に配置された中空チューブ44に結合されている。図1Aに示されるようにプローブ12が表面24に対して強制されるにつれて、チューブ44に取り付けられた1つ以上の歪みゲージ201が印加された力を測定する。歪みゲージ201の出力は、下で更に詳細に記載される処理エレクトロニクスを含んだ、プリント回路基板52に転送される。
【0025】
好ましい実施形態では、力センサーは、金属チューブ44の周りに90度間隔で置かれた4つの歪みゲージを使ったロードセルとして実装される。アルミニウムであっても良いチューブ44は、好ましくは測定と関与する小さな力を測定するための感度を増加するために非常に薄い壁を提供するように加工されている。チューブの周りに円周状に
配置された複数の歪みゲージは、非軸性(モーメント)力を検出して差し引くのに使われる。
【0026】
図2−5は、処理エレクトロニクスを描くブロック図である。4つの歪みゲージ201が、4つの計器アンプ202に接続されている。4つの計器アンプの出力は、力出力信号Fzを生成するようにアンプ302において代数的に総和される。総和は、オフセントラルロード条件を拒絶する際に重要である。もしロードが純粋に軸性であれば、全ての歪みゲージチャネルが同じ出力を作成することになる。但し、もしモーメントが印加されれば、計器アンプからの出力は異なることになる。もし0度に位置する歪みゲージからの電圧が180度に位置する歪みゲージからの電圧よりも大きくなることをモーメントが引き起こせば、総和アンプはこの不正確さを自動的に修正することになる。
【0027】
総和アンプ203からの出力は、図3に示されたローパスフィルタ304に印加される。ローパスフィルタ304からの電圧は、バッファー305に印加され、それはマイクロプロセッサ206中に位置するA/Dコンバーター310に接続する信号フィルタされたZ総和信号(Fz)を増幅してフィルタする。バッファー305は、低インピーダンス出力を有し、それは、A/DコンバーターがA/D変換中にその入力においてノイズを作成するので、重要である。この低インピーダンス信号は、ノイズレベルを低減するのを助ける。追加のフィルタリングがまた、高周波数がA/Dコンバーター310に入ることから守る。
【0028】
マイクロプロセッサ206は、16ビットシグマ―デルタA/Dコンバーターと、プログラミングとデバギングのためのJTAGポート410と、32KHz結晶と、SPIバス211を介したデジタル電位差計(“pots”)207への接続のためのSPIポート211と、アンテナ212に結合されたブルートゥース無線205への接続のためのUART402をもった、極めて低電力のデバイスである。マイクロプロセッサ206はまた、ゼロおよびレコードボタン204に接続するI/Oピン409を有する。バッテリーステータスとブルートゥースステータスのインジケーターがまた提供されていても良い。
【0029】
動作では、ゼロボタンが押される時に、マイクロプロセッサがフィルタされたFz電圧値をメモリー中に格納する。超音波プローブが身体に対して押し付けられ、ユーザがこの圧力値を格納したい時に、レコードボタンが押され、この電圧値が格納される。ゼロ値とレコード値の間の違いが、身体に印加されている圧力である。
【0030】
デジタル電位差計207が、ロードセルにロードが印加されていない時に計器アンプ202をオフセットするために使われる。これは、歪みゲージが不完全で、歪みが存在しない時に小さな電圧を作成するので、必要である。この小さな電圧は、計器およびバッファー/総和アンプ203によって数百倍に増幅される。カリブレーション中に、マイクロプロセッサは、バッファーアンプからの電圧がA/D参照電圧とアナロググラウンドの中間点であるように、デジタル電位差計を順次駆動するルーティンを実行する。値はそれからマイクロプロセッサのフラッシュメモリー中に格納され、スタートアップ中にデジタル電位差計の中に装填される。
【0031】
ブルートゥース無線205は、PC上のUSBポートに接続されている小さなブルートゥース「ドングル」を介してPC(またはスマートフォンを含んだあらゆる携帯電子デバイス)に接続する。マイクロプロセッサへの一次ブルートゥース接続は、Tx(送信)、Rx(受信)、CT(送信許可)、およびRT(送信要求)である。TXとRXは、シリアルデータビッツをもった標準のUART信号である。CTおよびRT接続は、フロー制御のために使われ、それはTXとRXだけを使うのよりもシリアル通信をよりロバストにする。ブルートゥース送受信機はまた、チップをコンフィグするためのデバグポートを有し、それはデバグツールを使って達成される。PC中に装填されたカスタムアプリケーションプログラムは、ブルートゥースドングルと通信し、ブルートゥース送受信機に/からデータを送信/受信する。カスタムアプリケーションプログラムの主要な機能は、ゼロと、レコードと、mm/Hgでの圧力の表示である。
【0032】
図5は、電力供給回路を描く。エレクトロニクスは、並列に接続された2つのLiポリマーバッテリー208によって電力が与えられる。バッテリーは、オンボードチャージャー502を使って充電される。このチップは、小さな壁載置サプライまたはPCのような何らかのUSB電力から5Vを供給する、標準USBコネクタ501から電力を得る。バッテリーは、およそ3時間でフルに充電されることができる。バッテリーは、バッテリーがフルに充電された時に、充電を停止する。サプライ209は、励起のために歪みゲージに接続されたブロック306に+2.5Vを供給する。
【0033】
図6Aは、充電スタンド600を含んだ発明の代替的な実施形態を示し、図6Bは、使用中の図6Aの計器を示す。システムは、ベースユニット600によって受け取られた手持ちユニット602を含み、それは手持ちユニット602上の対応するコンタクトと協働するコンタクト605を含む。ユニット602は、ベースステーションを通して再充電された、電源としての再充電可能バッテリーを含み、それは一方においてここで記載されたようにAC電力および/または通信ネットワークにケーブル120を介して接続されている。
【0034】
図1の実施形態は、有線ポートを通して充電されたLiイオンバッテリーを使うが、図6Aに示されたタイプの充電スタンドが使われても良い。図6の実施形態では、手持ちユニット602は、上方部分604と下方部分608を含む。プローブのハンドル630を握ることとは対照的に、1つ以上の力センサーが、ハウジングの下方部分とハウジングの下部開口部よりも大きいプローブのヘッド部分632の間に配置される。そのようにして、上方部分を通してハウジングの下方部分に圧力が印加された時、ここで記載されたエレクトロニクスは、力センサーからの印加された力信号を圧力測定読み取り値に変換する。他の実施形態でのように、手持ちユニットの外側表面は、グリップを強化するためのきめまたは特徴610を含んでいても良い。
【0035】
この実施形態では、手持ちユニットは、筐体を開くこと無しに既存の超音波プローブの上にユニットが置かれることを可能とするギャップ612を含む。手持ちユニット602は、例えば、典型的なプローブの末端の裾が広がった端部よりも小さい内部ボアをもつように、摩擦を介してプローブ12に取り付けられるようなサイズとされている。代替的に、スクリュー603またはレバー606によって動作させられる内部クランプのような取り付け機構が、手持ちユニットをプローブ本体に結合するのに使われても良い。ここで開示された実施形態のいずれにも適用可能な、デバイスの超音波プローブへの取り付けは、再使用可能であるが廃棄可能であっても良い。
【0036】
ゼロおよびレコードボタンが、それぞれ620と622に示されている。他の実施形態でのように、ユニットを超音波プローブに取り付けることと、デバイスを介してそれを空中に持ち上げることは、システム(即ち、プローブ+デバイス)をゼロバランスすることを許容する。ゼロボタンは、プローブおよび/またはデバイスの重量を相殺する。構造を変形または陥没させるための圧力は、圧力取得(レコード)ボタンを押すことによって取得される。LCDディスプレイ613が、圧力測定値を示すことになる。読み取り値をセーブまたは削除するためのボタン機能は、ディスプレイプロンプトを通して作動されても良い。連続した読み取り値を得るためのプロンプトは、LCDスクリーンプロンプトとして平均化されていても良い。
【0037】
アームバンドバーコードのスキャンを通して測定値を適正な患者にリンクするために、バーコードリーダーが、ここで記載された計器のいずれか中に内蔵されていても良い。低エネルギーブルートゥースまたはその他の無線接続が、患者の電子医療記録(EMR)に、またはそれがそれからEMRにダウンロードされることができるベースステーションに、直接読み取り値をダウンロードするのに使われても良い。
【0038】
図7は、圧力が患者に印加されるにつれて僅かに曲がるオプションのフィンガーループ708をもった、変形可能なプラスチックアーム710を使う手持ちユニットのための異なる物理的な構成を描く。超音波プローブは702に描かれている。プローブ7−2への取り付けは、摩擦または接着剤を通してであっても良い。2つの歪みゲージ706(各「アーム」上に1つ)を使うことによって、アームにおける歪みの平均量と患者に印加されている対応する圧力との間に相関値曲線が形成されるであろう。このアプローチは、簡単かつ安価である上に、歪みゲージが材料における変形に非常に敏感であるので、非常に敏感であるという利点を有するであろう。1つの不利点は、取り付けをカリブレートし、2つのゲージの間の平均的な変形を取る事の必要であるかもしれない。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
【国際調査報告】