特表2017-501027(P2017-501027A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特表2017-501027剛性アセンブリを固定するためのリアクタ床コンポーネント
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-501027(P2017-501027A)
(43)【公表日】2017年1月12日
(54)【発明の名称】剛性アセンブリを固定するためのリアクタ床コンポーネント
(51)【国際特許分類】
   B01J 8/24 20060101AFI20161216BHJP
   C10G 11/18 20060101ALN20161216BHJP
【FI】
   B01J8/24 321
   C10G11/18
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-536748(P2016-536748)
(86)(22)【出願日】2014年10月20日
(85)【翻訳文提出日】2016年8月1日
(86)【国際出願番号】US2014061307
(87)【国際公開番号】WO2015084504
(87)【国際公開日】20150611
(31)【優先権主張番号】14/097,827
(32)【優先日】2013年12月5日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】390023630
【氏名又は名称】エクソンモービル リサーチ アンド エンジニアリング カンパニー
【氏名又は名称原語表記】EXXON RESEARCH AND ENGINEERING COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100100158
【弁理士】
【氏名又は名称】鮫島 睦
(74)【代理人】
【識別番号】100156085
【弁理士】
【氏名又は名称】新免 勝利
(74)【代理人】
【識別番号】100138885
【弁理士】
【氏名又は名称】福政 充睦
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・フランク・タメラ
【テーマコード(参考)】
4G070
4H129
【Fターム(参考)】
4G070AA03
4G070AB06
4G070BB32
4G070CA16
4G070CB17
4G070DA11
4G070DA21
4H129AA02
4H129DA04
4H129GA04
4H129LA05
4H129LA06
4H129NA39
(57)【要約】
リアクタ床コンポーネントは、基礎格子と剛性構造と固定具とを含む。基礎格子は、間隔dだけ相互に間隔を開けて配置される支持プレートを有し、この支持プレートは、各支持プレートがある角度に配置される状態において、ある高さを有する。剛性構造は、前記間隔の倍数だけ離して配置されると共にある角度に配置される第1構造プレートと、反対向きの角度で固定され、かつ配置される第2構造プレートとを有する。第2構造プレートのそれぞれは、対応する支持プレートの上端部に係合するための水平の広がりを有し、かつ、第1構造プレートのいくつかは、前記剛性構造の基礎格子に対する第1方向における水平の動きを防止するために、前記水平の広がりの下側に延びる長さを、隣接する支持プレートと重なり合う関係において有する。固定具は、前記剛性構造を、第1方向に反対の第2方向における動きに対して、格子に固定するように配置される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間隔dだけ相互に離して等しく配置される実質的に平行な複数の支持プレートを有する基礎格子であって、前記実質的に平行な複数の支持プレートは、それぞれ垂直高さhを有し、各支持プレートが鉛直線に対して角度αで配置されている、基礎格子と、
間隔dの倍数だけ相互に離して配置される実質的に平行な複数の第1構造プレートであり、角度αで配置される複数の第1構造プレートと、前記第1構造プレートに固定されると共に、前記第1構造プレートに対して反対向きの角度α’で配置される実質的に平行な複数の第2構造プレートとを有する少なくとも1つの剛性構造であって、第2構造プレートのそれぞれは、その下端部に近接して、対応する支持プレートの上端部に係合するための水平の広がりを有し、かつ、前記第1構造プレートの少なくともいくつかは、前記剛性構造の前記基礎格子に対する第1方向における水平の動きを防止するために、前記水平の広がりの下側に延びる長さを、隣接する支持プレートと少なくとも部分的に重なり合う関係において有する、少なくとも1つの剛性構造と、
前記剛性構造を、少なくとも、前記第1方向に反対の第2方向における水平の動きに対して、前記基礎格子に固定するように配置される少なくとも1つの固定具と、
を含む、リアクタ床コンポーネント。
【請求項2】
リアクタ床コンポーネントが、前記基礎格子と前記少なくとも1つの剛性構造との間において、実質的に一定の断面積を有する1つ以上の流路を画定する、請求項1に記載のリアクタ床コンポーネント。
【請求項3】
前記角度αが鉛直線に対して約15〜45°の間である、請求項1に記載のリアクタ床コンポーネント。
【請求項4】
前記角度αが鉛直線に対して約30°である、請求項3に記載のリアクタ床コンポーネント。
【請求項5】
前記実質的に平行な複数の第1構造プレートが、前記間隔dの1の倍数だけ離して配置される、請求項1に記載のリアクタ床コンポーネント。
【請求項6】
前記反対向きの角度α’が、前記角度αと実質的に同じ角度であるが、鉛直線に対して前記角度αと反対向きである、請求項1に記載のリアクタ床コンポーネント。
【請求項7】
各支持プレートが幅wを有し、さらに、前記水平の広がりが、前記支持プレートの幅にほぼ等しい長さを有する、請求項1に記載のリアクタ床コンポーネント。
【請求項8】
前記少なくとも1つの剛性構造が複数の剛性構造を含み、各剛性構造は少なくとも1つの隣接する剛性構造に係合する、請求項1に記載のリアクタ床コンポーネント。
【請求項9】
前記剛性構造が、前記少なくとも1つの隣接する剛性構造に係合するために、その頂部部分に沿って配置される水平のバーを含む、請求項8に記載のリアクタ床コンポーネント。
【請求項10】
前記少なくとも1つの固定具が複数の固定具を含み、前記基礎格子が、その端部に沿うフレーム部材を含み、前記フレーム部材が、対応する固定具をその中に受け入れるための複数の開口を有している、請求項1に記載のリアクタ床コンポーネント。
【請求項11】
前記リアクタ床コンポーネントが、1つ以上の隣接するリアクタ床コンポーネントと組み合わせて結合されるように構成される、請求項1に記載のリアクタ床コンポーネント。
【請求項12】
前記リアクタ床コンポーネントの組合せを組み立てた場合、平面図において、円形形状が画定される、請求項11に記載のリアクタ床コンポーネント。
【請求項13】
前記基礎格子が、選択された支持プレートによって、その中に画定される開放区域を有する、請求項1に記載のリアクタ床コンポーネント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(背景)
(開示される対象物(又は主題)の分野)
本開示の対象物は、リアクタ床のコンポーネントに関し、具体的には、剛性のアセンブリを多相反応床容器の内部に固定するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
(関連技術の説明)
流動接触分解(fluid catalytic cracking:FCC)プロセスは石油および石油化学の変換プロセス用として用いられる。このプロセスは、炭化水素含有原料の効率的かつ選択的な接触分解を提供できる。例えば、細かい触媒粒子を、流動化して、熱的に活性な条件の下での強い接触によって原料と混合することが可能であり、それによって、一般的には低分子量の「分解された(cracked)」製品が生産される。FCCプロセスは、少なくとも部分的には、使用済みの触媒を連続的に再循環して再生し、大量の炭化水素含有原料を処理し得るという点から有用である。
【0003】
FCCプロセスにおいては、高分子量の原料が、最も有利には流動接触分解ユニットのライザリアクタ内において、流動化された触媒粒子と接触する。原料および触媒間の接触は、所要の製品の種類に応じて制御できる。原料の接触分解においては、所要の製品の形成を増大し、かつ軽質ガスまたはコークスのような望ましくない製品の形成を低減するために、温度および触媒循環率を含むリアクタ条件を調整できる。
【0004】
種々の流動接触分解のリアクタライザおよびリアクタ容器の設計が利用可能である。例えば、ある流動接触分解リアクタは、短い接触時間の分解の構成を利用している。この構成の場合は、軽質の炭化水素ガスのような低価値の製品の生産増大と、分解触媒上へのコークスの堆積の増大とをもたらす可能性がある過度の分解を抑えるために、触媒は、限られた時間、流動接触分解装置の原料と接触する。
【0005】
別のタイプの流動接触分解の構成は、リアクタライザの分解の構成を利用している。この構成においては、触媒は、リアクタライザにおいて流動接触分解装置の原料と接触することができ、触媒および炭化水素の反応生成物は、触媒および炭化水素の混合物がリアクタライザから流動接触分解リアクタの中に流入した後すぐに分離できる。多くの異なる流動接触分解リアクタの設計が公知である。例えば、ある設計は、炭化水素のリアクタ生成物から触媒を分離するために、リアクタに対して内部配置される機械式サイクロンを利用している。この分離プロセスは、触媒および炭化水素間のライザ後の反応を低減でき、かつ、分解された炭化水素製品を、さらなる処理のために使用済み触媒から分離できる。使用済み触媒は、再生して、反応プロセスに再導入できる。
【0006】
FCCリアクタにおいて分解された炭化水素製品から分離された触媒は、触媒を、通常FCC再生装置の容器に給送して「再生触媒(regenerated catalyst)」に再生できる時間まで、「使用済み触媒(spent catalyst)」と見做すことができる。このプロセスにおいては、FCC製品の大部分から分離された後の触媒上の残存炭化水素層をほとんどまたはすべて除去するために、使用済み触媒を、ガス流れストリッピングセクションに通すことができる。続いて、この「ストリッピング処理された(stripped)」触媒を、使用済み触媒ライザを経由してFCC再生装置に給送し、そこで、使用済み触媒を酸化しかつ残存炭化水素およびコークスを焼尽して、使用済み触媒を再生触媒に転化することができる。
【0007】
ストリッピングセクションは、「構造化充填材(structured packing)」または「ストリッピング棚(stripping shed)」として知られる1つ以上の剛性の構造を含むことができる。この剛性構造は、平坦な金属プレートまたは金網から形成できるが、この金属プレートまたは金網は、流れの径路を作出するために、かつ、その中の触媒と接触し得るガス流れの量を増大するようにその全域にわたる所要の表面積を設けるために、所定のパターンに配置できる。このストリッピングセクションは、さらに、ガス流れからの圧力並びに反応床容器内部の他の力による剛性構造の動きを防止するために、1つ以上の支持構造を含むことができる。しかし、従来型の支持構造は、剛性構造を通る触媒およびガス流れの流路の障害になって、システムにおける好ましくない圧力損失を生み出す可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そのため、改良型のリアクタ床コンポーネントと、反応床容器内における動力学的乱流に抵抗するために剛性構造を反応床容器内の固定するシステムおよび方法であって、反応システムを貫通する触媒の流れを増大するために圧力損失が低減された改良型流路を提供するシステムおよび方法とに対する必要性が依然として存在している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(要旨)
本開示の対象物の目的および利点を以下に述べるが、これは、以下の記述から明らかになると共に、本開示の対象物を実践することによって習得されるであろう。本開示の対象物のさらなる利点は、本明細書、請求項および添付の図面に具体的に表現される方法およびシステムによって認識され、会得されるであろう。
【0010】
これらおよび他の利点を実現するため、そして、具現化されかつ概括的に記述される本開示の対象物の目的に従って、本開示の対象物は、リアクタ床コンポーネント(reactor bed component)を含む。このリアクタ床コンポーネントは、間隔dだけ相互に離して等しく配置される実質的に平行な複数の支持プレートを有する基礎格子を含む。この実質的に平行な複数の支持プレートは、各支持プレートが鉛直線(又は垂直線)に対して角度αで配置される状態において、垂直高さhを有する。このリアクタ床コンポーネントは、さらに、間隔dの倍数だけ相互に離して配置される実質的に平行な複数の第1構造プレートであって、角度αで配置される複数の第1構造プレートと、その第1構造プレートに固定されると共に、第1構造プレートに対して反対向きの角度で配置される実質的に平行な複数の第2構造プレートとを有する少なくとも1つの剛性構造を含む。第2構造プレートのそれぞれは、その下端部に近接して、対応する支持プレートの上端部に係合するための水平の広がり(部分)を有し、かつ、第1構造プレートの少なくともいくつかは、前記剛性構造の基礎格子に対する第1方向における水平の動きを防止するために、前記水平の広がりの下側に延びる長さを、隣接する支持プレートと少なくとも部分的に重なり合う関係において有する。このリアクタ床コンポーネントは、さらに、前記剛性構造を、少なくとも、第1方向に反対向きの第2方向における水平の動きに対して、基礎格子に固定するように配置される少なくとも1つの固定具を含む。
【0011】
例えば、ここで具現化するように、このリアクタ床コンポーネントは、前記基礎格子と前記少なくとも1つの剛性構造との間に、実質的に一定の断面積を有する1つ以上の流路を画定できる。各支持プレートは、鉛直線に対して約15〜45°の間の角度αで配置でき、いくつかの実施形態においては、その角度αを鉛直線に対して約30°とすることができる。実質的に平行な複数の第1構造プレートは、間隔dの1の倍数だけ離して配置できる。反対向きの角度は、角度αと実質的に同じ角度であるが、鉛直線に対して角度αと反対向きにすることができる。各支持プレートは、幅wを有することができ、水平の広がりは、支持プレートの幅にほぼ等しい長さを有することができる。
【0012】
いくつかの実施形態においては、前記少なくとも1つの剛性構造が複数の剛性構造を含むことができ、各剛性構造を少なくとも1つの隣接する剛性構造に係合できる。剛性構造は、少なくとも1つの隣接する剛性構造に係合するために、その頂部部分に沿って配置される水平のバーを含むことができる。前記少なくとも1つの固定具は、複数の固定具を含むことができ、前記基礎格子は、その端部に沿うフレーム部材であって、対応する固定具をその中に受け入れる複数の開口を有するフレーム部材を含むことができる。
【0013】
さらに、ここで具現化するように、このリアクタ床コンポーネントは、1つ以上の隣接するリアクタ床コンポーネントと組み合わせて結合(又は接合)されるように構成できる。リアクタ床コンポーネントのこの組合せを組み立てた場合、平面図における円形形状のような所望の形状が画定され得る。基礎格子は、選択された支持プレートによってその中に画定される1つ以上の開放区域(又はオープンゾーン)を有することができる。
【0014】
上記の一般的な説明および以下の詳細な記述は、いずれも、例示的なものであって、特許請求される本開示の対象物のさらなる説明を提供するように意図されていることが理解されるべきである。
【0015】
本明細書に組み込まれ、かつその一部を構成する添付の図面は、本開示の対象物を図解し、そのさらなる理解を提供するために添付されたものであって、この図面は、本明細書と共に、本開示の対象物の原理を説明するのに役立つ。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、従来型のリアクタ床コンポーネントを示す平面図であって、図解および本開示の対象物との比較のための図である。
図2A図2Aは、図1の線2−2に沿う分解縦断面図であり、リアクタ床コンポーネントを図解する図である。
図2B図2Bは、組み立てられた図2Aのリアクタ床コンポーネントの縦断面図である。
図3A図3Aは、本開示の対象物の例示的実施形態による例示的リアクタ床コンポーネントの分解縦断面図である。
図3B図3Bは、組み立てられた図3Aのリアクタ床コンポーネントの縦断面図である。
図3C図3Cは、図3Bの範囲3Cの詳細図である。
図4A図4Aは、図3Aのリアクタ床コンポーネントの分解斜視図である。
図4B図4Bは、組み立てられた図4Aのリアクタ床コンポーネントの高い位置から見た斜視図である。
図4C図4Cは、図4Bの範囲4Cの詳細図である。
図4D図4Dは、組み立てられた図4Bのリアクタ床コンポーネントの拡大斜視図である。
図4E図4Eは、組み立てられた図4Aのリアクタ床コンポーネントの例示的組み合わせの高い位置から見た斜視図である。
図5A図5Aは、図3Aのリアクタ床コンポーネントのアセンブリを示す側面からの斜視図である。
図5B図5Bは、図3Aのリアクタ床コンポーネントの例示的剛性構造の高い位置から見た斜視図である。
図5C図5Cは、図5Aのリアクタ床コンポーネントの隣接する例示的剛性構造の部分前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
以下、添付の図面に図解された本開示の対象物の種々の例示的な実施形態を詳細に参照する。本開示の対象物の構造と、対応する運転方法とを、システムの詳細な説明と関連付けて記述する。
【0018】
本開示の対象物は、一般的には、リアクタ床コンポーネントと、例えば構造化充填材またはストリッピング棚のような剛性構造を、例えばリアクタ床容器内に固定するシステムおよび方法とに関する。本明細書において具現化するように、このリアクタ床容器は、流動床リアクタ、あるいは、炭化水素を触媒から分離するのに使用するための1つ以上の剛性アセンブリを有する充填床リアクタとすることができる。流動床リアクタに関するさらなる詳細および流動接触分解(FCC)プロセスの他の態様については、米国特許第8,349,170号明細書、米国特許出願公開第2011/0240526号明細書および米国特許出願公開第2011/0315603号明細書に記載されており、これらの特許文献の記載内容は、参照によってその全体が本願に組み込まれる。
【0019】
本明細書中、本開示の対象物に従って、リアクタ床コンポーネントは、概して、基礎格子と、1つ以上の剛性構造と、1つ以上の固定具とを含む。基礎格子は、間隔dだけ相互に離して等しく配置される実質的に平行な複数の支持プレートを有する。この実質的に平行な複数の支持プレートは、各支持プレートが鉛直線に対して角度αで配置される状態において、垂直高さhを有する。各剛性構造は、間隔dの倍数だけ相互に離して配置される実質的に平行な複数の第1構造プレートであって、角度αで配置される複数の第1構造プレートと、その第1構造プレートに固定されると共に、第1構造プレートに対して反対向きの角度で配置される実質的に平行な複数の第2構造プレートとを有する。第2構造プレートのそれぞれは、その下端部に近接して、対応する支持プレートの上端部に係合するための水平の広がり(部分)を有し、かつ、第1構造プレートの少なくともいくつかは、前記剛性構造の基礎格子に対する第1方向における水平の動きを防止するために、前記水平の広がりの下側に延びる長さを、隣接する支持プレートと少なくとも部分的に重なり合う関係において有する。各固定具は、その剛性構造を、少なくとも、第1方向に反対向きの第2方向における水平の動きに対して、基礎格子に固定するように配置される。
【0020】
図面において、同じ参照符号は、各図を通して同一の要素または機能的に類似の要素を示すが、添付の図面が、すべて本開示の対象物に従って、種々の実施形態を詳しく図解しかつ種々の原理および利点を説明するのに役立つ。比較のため、従来型の支持アセンブリの例示的実施形態が図1〜2Bに表現されており、一方、説明および図解用として、但し制限用としてではなく、本開示の対象物によるリアクタ床コンポーネントの例示的実施形態が図3A〜5Cに示されている。本開示の対象物が、流動接触分解プロセスにおける円形床リアクタ用のリアクタ床コンポーネントに関して記述されるが、当業者は、本開示の対象物が図示された実施形態に限定されないこと、および、この構成要素を、任意の適切なチャンバ内の任意の適切な剛性構造の固定用として使用し得ることを認めるであろう。
【0021】
本開示の対象物と比較すると共に、本開示の対象物を図解するために、図1〜2Bに示す従来型のリアクタ床コンポーネントを参照すると、リアクタ床コンポーネント1000が、基礎格子20によって支持される翼構造10を含む。この方式によって、基礎格子20は、翼構造10が組み立て高さの下部に落下するのを防止する。例えば、図2A、2Bに示すように、基礎格子20と反対側の方向への翼構造10の動きを制限または防止できるように、従来型の押し下げアセンブリ30を用いることができる。押し下げアセンブリ30は、翼構造10の頂部を固定するように配置される構造梁90を形成するために、少なくとも1つのプレートを含むことができる。例えば、図1に表現するように、圧力容器の外殻80を平行な態様に横切ってその全域に及んでリアクタ床コンポーネント1000の実質的に全断面をカバーするためには、複数個の押し下げアセンブリ30が必要になるであろう。この押し下げアセンブリの梁30は、種々の終端位置70において圧力容器の外殻80に接合できる。構造梁90の全長は、圧力容器の外殻からの平均距離を維持するために変化する可能性がある。
【0022】
運転中は、リアクタ床は、上向きの乱流を受けることがあり得る。すなわち、乱流の力が、基礎格子20を貫通して翼構造10に上向きに流れることがある。従って、押し下げアセンブリ30は、翼構造10に加えられるこのような乱流の力に打ち勝つように構成される。しかし、翼構造10に対する押し下げアセンブリ30のサイズおよび位置のために、リアクタ床コンポーネント100を通る流路40が制限され、閉鎖され、あるいは別の形で遮断されることがあり得る。これは、前記のように、リアクタ床の性能を低下させる可能性がある。
【0023】
さらに、例えば図2A、2Bに示すように、基礎格子20は、リアクタ床コンポーネント1000が組み立てられた時に翼構造10の傾斜プレート12に当接または係合する垂直のプレート22を含む。その結果、その垂直プレート22と傾斜プレート12との間に生じる接合部50が、流路40をさらに制限し、またはその障害になる。
【0024】
さらに加えて、押し下げアセンブリ30のサイズによってリアクタ床の内部容積が消費され、そのため、装入触媒用として利用できる容積量が低減される可能性がある。また、押し下げアセンブリの存在によって、圧力容器から構造梁90を取り外すことなく圧力容器を検査、修理または移動する能力が妨げられ、または妨害される可能性が生じ、そのため、特殊な治具およびその治具用のより大きな容器アクセス開口を使用することによるコストの増大が生じる可能性がある。
【0025】
ここで、図3A〜3Cに図解する実施形態を参照すると、リアクタ床コンポーネント1010が、等しい間隔dだけ相互に離して配置される平行な支持プレート112を有する基礎格子110を含む。平行な支持プレート112は、それぞれ、垂直高さhまで延びており、従って、各平行な支持プレートの高さh全体に及ぶ水平の基準平面を画定できる。各平行な支持プレートは鉛直線に対して角度αに配置される。例えば、かつ制限なしに、各平行な支持プレートを、鉛直線に対して約15〜45°の範囲内の角度αに配置でき、いくつかの実施形態においては、角度αを鉛直線に対して約30°とすることができる。この配置においては、基礎格子110を、以下に詳述するように、構造化充填材またはストリッピング棚のような1つ以上の剛性構造のための予備支持体とすることができる。
【0026】
例えば図3A〜3Cに示すように、リアクタ床コンポーネント1010は、支持プレート112の間隔dの倍数だけ相互に離して配置される実質的に平行な第1構造プレート102であって、平行な支持プレートの角度αに配置される第1構造プレート102を有する剛性構造100を含む。例えば、本明細書において具現化するように、上記間隔dの倍数は1とすることができ、その結果、第1構造プレート102のそれぞれを間隔dだけ離して配置でき、支持プレート112の対応する1つのプレートに対応させることができる。代わりの方式として、各第1構造プレート102を、間隔dの別の倍数、例えば2、3または他の適切な数の倍数だけ離して配置できる。この場合は、第1構造プレート102のそれぞれを、それぞれ、別の第1構造プレート102から離して配置でき、その際、その間に、2個、3個または任意の適切の個数の支持プレート112が配置される。
【0027】
剛性構造100は、第1構造プレート102に固定される実質的に平行な第2構造プレート104であって、第1構造プレート102に対して反対向きの角度に配置される第2構造プレート104をさらに含む。例えば図4A〜4Eに示すように、かつ本明細書において具現化するように、第1構造プレート102および第2構造プレート104は、第1構造プレート102が剛性構造100の長さに沿って交差パターンにおいて第2構造プレート104と交互になるように、組み合わせ模様に配置できる。さらに、本明細書において具現化するように、第2構造プレート104の反対向きの角度α’は、第1構造プレート102の角度αに等しいが、鉛直線に対して反対向きの方位にすることができる。意図する用途に適していれば、第2構造プレート104に対して別の角度を使用することも可能である。
【0028】
図3A〜3Cに示すように、剛性構造100の基礎格子110に対する望ましくない動きを制限または防止するために、剛性構造100を基礎格子110に係合させることができる。例えば、1つ以上の第2構造プレート104が、その下端部に近接して水平の広がり106を含むことができ、この水平の広がり106は、剛性構造100の基礎格子110に対する下向きの動きを防止するために、すなわち剛性構造100をその上に支持するために、水平の基準平面に沿って、対応する支持プレート112の上端部116に係合できる。本明細書において具現化するように、そして図3Cに示すように、各支持プレート112は幅w1を有することができ、前記水平の広がり106は、支持プレート112の幅w1に近似的に等しい長さを有することができるが、それは、例えば、乱流を回避もしくは最小化するように、好ましくは露出した端部を形成することなく、対応する支持プレート112の上端部116の実質的にすべてに係合させるためである。
【0029】
さらに、少なくとも一方向における水平の動きを防止するために、第1構造プレート102のいくつかまたはすべてが、例えば図3Aに示すように、前記水平の広がり106の下側に延びる長さ108を有することができる。その結果、水平の広がり106が支持プレート112の上に支持された状態において、第1構造プレート102のその長さ部分108が、隣接する支持プレート112と少なくとも部分的に重なり合うように、上端部116によって規定される水平の基準平面の下部に延び込むことができ、いくつかの実施形態においては、例えば図3Bに示すように、実質的に完全に重なり合うことができる。この方式によって、角度αに配置されると共に隣接する支持プレート112と重なり合う第1構造プレート102が、剛性構造100の基礎格子から上方への持ち上がりと、剛性構造100の基礎格子110に対する第1方向x1における水平の動きとを防止できる。
【0030】
例えば図3A、3Bおよび4Aに示すように、基礎格子110は、固定具120を受け入れるための1つ以上の開口115を含むことができる。この固定具120は、剛性構造100を、少なくとも、図3Bに示すように第1方向x1に反対向きの第2方向x2における水平の動きに対して基礎格子110に固定するように配置される。例えば、本明細書において具現化するように、そして図4Aに示すように、多数の開口115を、固定具の装着部材118を形成する基礎格子110の少なくとも一方の端部に沿って実質的に一列状に配置できる。同様に、各剛性構造100は、例えば、基礎格子110の固定具の装着部材118に対応する剛性構造100の端部に配置される1つ以上の水平の広がり108に、1つ以上の開口105を含むことができる。このため、固定具の装着部材118を均等かつ一列状にすることができ、従って、従来型のコンポーネントに比べて、固定用ハードウェアの組み込みを容易にし得ると共に、リアクタ床コンポーネント1010の上部からの固定用ハードウェアの検査を容易にできる。追加的にまたは代替的に、開口115を、基礎格子110の1つ以上の付加的な辺に沿って配置でき、各剛性構造は、例えば、基礎格子110の辺に対応する剛性構造100の辺に沿って配置される水平の広がり108内に、1つ以上の開口105を含むことができる。
【0031】
図4A〜4Eに表現するように、そして、図4Eに表現するような平面図における円形形状を有するリアクタ床用のリアクタ床コンポーネント1010を参照すると、基礎格子110が実質的に台形のフレームを有することができ、その場合、アーチ状のフレーム部材が台形の脚部材を第1端部において接合し、真直フレーム部材が、台形の脚部材を、第1端部と反対側の第2端部において接合する。固定具の装着部材118は、基礎格子110のその真直フレーム部材に沿って配置できる。追加的にまたは代替的に、固定具120用の開口115を、基礎格子の辺に沿って、および/または、基礎格子110のアーチ状のフレーム部材に沿って配置できる。基礎格子110および剛性構造100用の別の形状を設けることも、リアクタ容器の形状に応じて可能である。
【0032】
本開示の対象物に従って、少なくとも1つのリアクタ床コンポーネント1010がリアクタ容器の内部に配置される。しかし、本明細書において具現化するように、複数のリアクタ床コンポーネント1010を組み込んで組み合わせて使用することも可能である。例えば、図4A〜4Eに表現するように、リアクタ床コンポーネント1010を、1つ以上の隣接するリアクタ床コンポーネント1010と接合するように構成することが可能である。図4Eに表現するように、リアクタ床コンポーネント1010の組合せが組み立てられると、円筒状の形状(すなわち平面図における円形形状)を画定できる。本明細書において具現化するように、リアクタ床コンポーネント1010の基礎格子110を、リアクタ床コンポーネント1010の基礎格子110の辺の脚に近接する隣接のリアクタ床コンポーネント1010の基礎格子110と直接的にまたは間接的に接合できる。この形態においては、基礎格子110のそれぞれのアーチ状の部分は、リアクタ床コンポーネントの組合せの結果生じる円形形状の扇形を画定でき、組み合わされたアーチ状の基礎格子110は、リアクタ床コンポーネントの組合せ体の外側部分を画定する。
【0033】
それぞれが一部分を画定する実質的に同じ剛性構造100の他に、1つ以上の付加的な基礎格子110を設けて付加的なリアクタ床コンポーネント1010を形成できる。例えば、図4Eに表現するように、1つ以上の内側のリアクタ床コンポーネント1020が、リアクタ床コンポーネントの組合せ体の内側の部分を画定できる。本明細書において具現化するように、内側のリアクタ床コンポーネント1020の基礎格子110は、各ベースおよび各辺が実質的に真直のフレーム部材によって画定される実質的に台形の形状を有することができる。この場合、各辺および一方のベースは、外側のリアクタ床コンポーネント1010の基礎格子110の真直な端部のベースに当接し、もう一方のベースは、隣接する内側のリアクタ床コンポーネント1020の対応するベースに当接する。例えば、図4Eに表現するように、リアクタ床コンポーネントの組合せ体1060は、組合せ体1060の外側の部分を画定する6個の外側のリアクタ床コンポーネント1020と、組合せ体1060の内側の部分を画定する2つの内側のリアクタ床コンポーネント1010とを含むことができる。僅か2種類のコンポーネントが組合せ体を形成しているが、コンポーネントの任意の組合せが可能である。2つ、3つ、4個または5個以上の外側のリアクタ床コンポーネントを使用することが可能である。内側のリアクタ床コンポーネントの個数および形態は、外側のリアクタ床コンポーネントの個数に基づいて決定されるであろう。例えば、ただ2つの外側のリアクタ床コンポーネントを使用する場合は、内側のリアクタ床コンポーネントは不要である。また、内側のリアクタ床コンポーネントが円形の形態を有し得ることも考えられる。このような配置の場合には、外側の床コンポーネントは、内側のリアクタ床の形体に合致する内側部分を有することになるであろう。
【0034】
リアクタ床コンポーネント1010、1020は、その幾何学的形状によって所定位置に保持される。付加的な固定具は必要でない。さらに、外側のリアクタ床コンポーネント1010は、圧力容器80の内部において、溶接なしで所定位置に保持される。リアクタ床コンポーネント1010、1020のモジュール方式の組合せによって、組合せ体を、相対的に小型の部品を用いて製造および組み込むことが可能になり、これによって、大型の従来型システムに比べて組み込みの煩雑さを低減できる。さらに、従来型のコンポーネントに比べてリアクタ床コンポーネント1010、1020の複雑さが全体的に低下しているので、製作、組み込み、ユニットの維持および材料のコストを、従来型のコンポーネントに比べて低減できる。
【0035】
さらに、例えば図4A〜4Eに示すように、リアクタ床コンポーネント1010、1020のいくつかまたはすべてが、それぞれその中に開放区域180を含むことができる。この開放区域180は、図4Aに示すように、開放区域180の周囲に配置される選択された支持プレート112、および/または、開放区域180の周囲を形成するように構成される選択された支持プレート112によって画定できる。開放区域180は、さらに、開放区域180を取り巻く環状のフレーム部材であって、選択された支持プレート112に接合される環状のフレーム部材によって画定できる。また、さらに、開放区域180に合致する範囲においては、剛性構造100を、構造プレート102、104を含まないものにすることができる。このため、開放区域180は、付加的な内部容器ハードウェア用の、リアクタ床コンポーネント1010、1020を貫通するアクセス路を提供できる。内部容器ハードウェアとしては、例えば、圧力容器内に組み込まれるサイクロンの導管を挙げることができるがこれに限定されない。開放区域180を図示の環状の形状に限定することは意図されていない。むしろ、三角形、長方形、正方形および他の多角形を含む他の幾何学的形状が考えられるが、これに限定されない。このような開放区域を、例えば、作業員の入口、配管または導管の通路、熱井戸および流動床技術に関連する他の構成要素用の開口として利用し得ることが考えられる。
【0036】
図5A〜5Cに表現するように、少なくとも1つの剛性構造100が、複数の剛性構造100を含むことができる。各剛性構造100を、少なくとも1つの隣接する剛性構造100に係合させることができる。例えば、1本の水平のバー190を、剛性構造100の端部に沿って配置でき、この方式によって、図5Aに示すように、また本明細書に述べるように、外側の一組の剛性構造100を、基礎格子110に順次に連続して組み込みかつ固定できる。続いて、内側の一組の剛性構造100’を、水平のバー190を内側の剛性構造100’の端部に沿って組み込むことによって、外側の組の剛性構造100に組み込みかつ固定できる。
【0037】
再度、図3A〜3Cを参照すると、リアクタ床コンポーネント1010は、基礎格子110を貫通し、かつ剛性構造100を上向きに貫通する流路140、150を画定する。流路140、150は、流路全体を通して実質的に一様な幅w2を有することができる。この方式によって、リアクタ床コンポーネント1010の流路140、150を通過する圧力損失、すなわち全圧力容器システムを通過する圧力損失を低減でき、これによって、圧力容器のストリッピング区域を通過する被ストリッピング処理触媒の収量を改善できる。
【0038】
剛性構造100および基礎格子110、従ってそれらから構成されるリアクタ床コンポーネント1010は、金属(好ましくは、コンポーネントが圧力容器と同様の膨張係数を有するように周囲の容器と同じ材料)から形成することが望ましい。冷間流れの試験用途においては、コンポーネントをプラスチックから作製し得ることが考えられる。
【0039】
本明細書においては、本開示の対象物を好ましい実施形態に関連付けて説明したが、当業者は、本開示の対象物の範囲から逸脱することなく、本開示の対象物に種々の変更および改良を加えることが可能であることを認めるであろう。さらに、本開示の対象物の一実施形態の個々の特徴を、本明細書において説明し、あるいはその一実施形態の図面において示し、他の実施形態においては示していないが、一実施形態の個々の特徴は、別の一実施形態の1つ以上の特徴、または、複数の実施形態からの特徴と組み合わせ得ることが明らかになるべきである。
【0040】
本明細書に記述するアセンブリは、流動床技術を利用する石油精製の任意のリアクタシステムまたはプロセスにおいて利用できる。本開示の対象物を種々の流動床技術と関連付けて使用し得ることが考えられる。この流動床技術としては、(i)無水フタル酸、酢酸ビニル、アクリロニトリル、二塩化エチレン、クロロメタン、無水マレイン酸、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびo−クレゾールの少なくともいずれかの調製、(ii)Fischer−Tropsch合成、(iii)残渣油接触分解(resid cat cracking)、(iv)次の転換反応、すなわち、メタノール・ツー・オレフィン(MTO)、メタノール・ツー・芳香族(MTA)、メタノール・ツー・パラキシレン(MTP)、メタノール・ツー・ガソリン(MTG)、メタノール・ツー・ディーゼル油(MTD)、合成ガス・ツー・オレフィン、合成ガス・ツー・芳香族、合成ガス・ツー・パラキシレン、石炭・ツー・オレフィン、石炭・ツー・芳香族、ベンゼンおよび/またはトルエンのメタノールによるメチル化あるいはDME・ツー・芳香族、ベンゼンおよび/またはトルエンのメタノールによるメチル化あるいはDME・ツー・パラキシレン、トルエンのMEB(メチルエチルベンゼン)へのエチル化、ベンゼンのDEB(ジエチルベンゼン)へのエチル化、バイオガス・ツー・オレフィン、バイオガス・ツー・芳香族、および、バイオガス・ツー・芳香族の内の少なくともいずれか、が含まれるが、これに限定されない。
【0041】
以下に特許請求される特定の実施形態に加えて、本開示の対象物は、以下に特許請求される従属的特徴および以上に開示した特徴の任意の他の可能な組み合わせを有する他の実施形態にも関する。すなわち、従属請求項に提示され、かつ、以上に開示される特定の特徴は、本開示の対象物の範囲内で、相互に別の方法で組み合わせることが可能であり、従って、本開示の対象物は、任意の他の可能な組み合わせを有する他の実施形態にも特定的に関すると認められるべきである。すなわち、本開示の対象物の特定の実施形態に関する以上の記述は、例示および説明目的用として提示されたものである。本開示の対象物の開示された実施形態が網羅的であること、あるいは、本開示の対象物を開示された実施形態に限定することは意図されていない。
【0042】
(追加の実施形態)
実施形態1
間隔dだけ相互に離して等しく配置される実質的に平行な複数の支持プレートを有する基礎格子であって、前記実質的に平行な複数の支持プレートは、それぞれ垂直高さhを有し、各支持プレートが鉛直線(又は垂直線)に対して角度αで配置されている、基礎格子と、
間隔dの倍数だけ相互に離して配置される実質的に平行な複数の第1構造プレートであり、角度αで配置される複数の第1構造プレートと、前記第1構造プレートに固定されると共に、前記第1構造プレートに対して反対向きの角度α’で配置される実質的に平行な複数の第2構造プレートとを有する少なくとも1つの剛性構造であって、第2構造プレートのそれぞれは、その下端部に近接して、対応する支持プレートの上端部に係合するための水平の広がり(部分)を有し、かつ、前記第1構造プレートの少なくともいくつかは、前記剛性構造の前記基礎格子に対する第1方向における水平の動きを防止するために、前記水平の広がりの下側に延びる長さを、隣接する支持プレートと少なくとも部分的に重なり合う関係において有する、少なくとも1つの剛性構造と、
前記剛性構造を、少なくとも、前記第1方向に反対の第2方向における水平の動きに対して、前記基礎格子に固定するように配置される少なくとも1つの固定具と、
を含む、リアクタ床コンポーネント。
【0043】
実施形態2
リアクタ床コンポーネントが、前記基礎格子と前記少なくとも1つの剛性構造との間において、実質的に一定の断面積を有する1つ以上の流路を画定する、実施形態1のリアクタ床コンポーネント。
【0044】
実施形態3
前記角度αが鉛直線に対して約15〜45°の間である、実施形態1または2のリアクタ床コンポーネント。
【0045】
実施形態4
前記角度αが鉛直線に対して約30°である、実施形態3のリアクタ床コンポーネント。
【0046】
実施形態5
前記実質的に平行な複数の第1構造プレートが、前記間隔dの1の倍数だけ離して配置される、実施形態1〜4のいずれか一項のリアクタ床コンポーネント。
【0047】
実施形態6
前記反対向きの角度α’が、前記角度αと実質的に同じ角度であるが、鉛直線に対して前記角度αと反対向きである、実施形態1〜5のいずれか一項のリアクタ床コンポーネント。
【0048】
実施形態7
各支持プレートが幅wを有し、さらに、前記水平の広がりが、前記支持プレートの幅にほぼ等しい長さを有する、実施形態1〜6のいずれか一項のリアクタ床コンポーネント。
【0049】
実施形態8
前記少なくとも1つの剛性構造が複数の剛性構造を含み、各剛性構造は少なくとも1つの隣接する剛性構造に係合する、実施形態1〜7のいずれか一項のリアクタ床コンポーネント。
【0050】
実施形態9
前記剛性構造が、前記少なくとも1つの隣接する剛性構造に係合するために、その頂部部分に沿って配置される水平のバーを含む、実施形態8のリアクタ床コンポーネント。
【0051】
実施形態10
前記少なくとも1つの固定具が複数の固定具を含み、前記基礎格子が、その端部(又は縁部)に沿うフレーム部材を含み、前記フレーム部材が、対応する固定具をその中に受け入れるための複数の開口を有している、実施形態1〜9のいずれか一項のリアクタ床コンポーネント。
【0052】
実施形態11
前記リアクタ床コンポーネントが、1つ以上の隣接するリアクタ床コンポーネントと組み合わせて結合されるように構成される、実施形態1〜10のいずれか一項のリアクタ床コンポーネント。
【0053】
実施形態12
前記リアクタ床コンポーネントの組合せを組み立てた場合、平面図において、円形形状が画定される、実施形態11のリアクタ床コンポーネント。
【0054】
実施形態13
前記基礎格子が、選択された支持プレートによって、その中に画定される開放区域(又はオープンゾーン)を有する、実施形態1〜12のいずれか一項のリアクタ床コンポーネント。
【0055】
本開示の対象物の本質および範囲から逸脱することなく、本開示の対象物の方法およびシステムに種々の変更および変形を加え得ることは、当業者に明らかであろう。従って、本開示の対象物は、添付の請求項およびその等価物の範囲内にある変更および変形を含むことが意図されている。
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図5A
図5B
図5C
【国際調査報告】