特表2017-501043(P2017-501043A)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-501043(P2017-501043A)
(43)【公表日】2017年1月12日
(54)【発明の名称】連続的な区分成形システムと方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 67/00 20170101AFI20161216BHJP
   B33Y 10/00 20150101ALI20161216BHJP
   B22F 3/16 20060101ALI20161216BHJP
   B22F 3/02 20060101ALI20161216BHJP
   B28B 7/26 20060101ALI20161216BHJP
   B28B 7/14 20060101ALI20161216BHJP
【FI】
   B29C67/00
   B33Y10/00
   B22F3/16
   B22F3/02 S
   B28B7/26 Z
   B28B7/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-521954(P2016-521954)
(86)(22)【出願日】2014年10月9日
(85)【翻訳文提出日】2016年6月1日
(86)【国際出願番号】US2014059814
(87)【国際公開番号】WO2015054446
(87)【国際公開日】20150416
(31)【優先権主張番号】61/889,443
(32)【優先日】2013年10月10日
(33)【優先権主張国】US
(81)【指定国】 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US
(71)【出願人】
【識別番号】516104722
【氏名又は名称】オプション 3 ソリューションズ,インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100141081
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 庸良
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100171251
【弁理士】
【氏名又は名称】篠田 拓也
(72)【発明者】
【氏名】リチャード ジェイ.ラッセル
(72)【発明者】
【氏名】マイケル エフ.ターク
【テーマコード(参考)】
4F213
4G053
4K018
【Fターム(参考)】
4F213AR07
4F213WA25
4F213WB01
4F213WL02
4F213WL32
4F213WL42
4F213WL74
4F213WL85
4G053AA01
4G053BA07
4G053BA08
4G053BD19
4G053BF04
4G053EB17
4K018CA29
4K018EA51
4K018EA60
(57)【要約】
本発明は、一連の構成要素からソリッドオブジェクトを付加製造する方法に関する。この方法は、ソリッドオブジェクトの三次元コンピューターレンダリングに基づきソリッドオブジェクトを製造するために機械を操作するプログラム組込みコンピューターを用いるアディティブファブリケーション法を利用する。各構成要素は、1つ又はそれ以上の型から製造され、型には、構成要素の状態に凝固する流体材料が充填され、構成要素は、同じプロセスで以前に製造された構成要素に付着する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソリッドオブジェクトの三次元レンダリングから前記ソリッドオブジェクトを付加製造するために機械を操作する、プログラム組込みコンピューターを使用する方法であって、
(1)支持体に対して第1の設定位置に第1の型又は第1の型群を位置付けるステップと、
(2)前記第1の型又は第1の型群の内部容積に第1の体積の流体材料を充填するステップと、
(3)前記第1の体積の流体材料を少なくとも部分的に凝固させて第1の構成要素にするステップと、
(4)前記第1の設定位置から前記第1の型又は第1の型群を取り外すステップと、
(5)第2の設定位置に第2の型又は第2の型群を位置付けるステップと、
(6)前記第2の型又は第2の型群の内部容積に第2の体積の流体材料を充填するステップと、
(7)前記第2の体積の流体材料を少なくとも部分的に凝固させて第2の構成要素にするステップと、
(8)前記第2の設定位置から前記第2の型又は第2の型群を取り外すステップと、
(9)後続の設定位置に後続の型又は後続の型群を位置付けるステップと、
(10)前記後続の型又は後続の型群の内部容積に後続の体積の流体材料を充填するステップと、
(11)前記後続の体積の流体材料を少なくとも部分的に凝固させて後続の構成要素にするステップと、
(12)前記後続の設定位置から前記後続の型又は後続の型群を取り外すステップと、
(13)前記ソリッドオブジェクトの全ての構成要素が形成されるまでステップ9〜12を繰り返すステップと、
を備える、
方法。
【請求項2】
前記型の1つ又はそれ以上が、同一である、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記型の1つ又はそれ以上が、異なるサイズ及び/又は形状を有する、
請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記型の各々に流体材料を充填するステップが、前記型の各々への前記流体材料の加圧注入によって実施される、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記型の1つ又はそれ以上が、1つ又はそれ以上の機械的インターロックを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記機械的インターロックが、ねじ、ピン、又は突出部を含む、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記型の1つ又はそれ以上が、1つ又はそれ以上のインサート品を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記流体材料が、金属、熱可塑性材料、熱可塑性複合材料、熱硬化性材料、熱硬化性複合材料、又はセラミック、を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項9】
当接する相互の構成要素が、粘着又は接着によって互いに接合される、
請求項1に記載の方法。
【請求項10】
凝固を加速するために、凝固した構成要素を加熱するための、及び/又は注入された流体材料を冷却するための、補助ノズルを利用するステップ、を更に含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項11】
付加製造プロセスで三次元オブジェクトを製造する方法であって、
3Dオブジェクトのコンピューター表現に基づいて一連の一時的囲繞体を作るステップと、
前記囲繞体の中へ材料を注入するステップと、
以前に成形されたセグメントに新しい材料を付着させるステップと、
前記囲繞体を取り外すステップと、
を含む、
方法。
【請求項12】
前記囲繞体が、プレファブ式の型の組合せによって、又は前記オブジェクトの、以前に製造されたセグメントと組み合わされた型セグメントによって、作られる、
請求項11に記載の方法。
【請求項13】
機械が、3Dモデルのコンピューター表現に基づいて適切な型とシーケンスとを自動的に選択する、
請求項11に記載の方法。
【請求項14】
材料の前記注入が、機械によって加えられた圧力によって又は重力によって行われる、
請求項11に記載の方法。
【請求項15】
注入された前記材料が、金属、金属射出成形材料、熱可塑性材料、熱可塑性複合材料、熱硬化性材料、熱硬化性複合材料、又はセラミックである、
請求項11に記載の方法。
【請求項16】
以前に成形されたセグメントへの付着が、粘着又は接着によって生じる、
請求項11に記載の方法。
【請求項17】
以前のセグメントへの付着が、粘着又は接着を追加するか否かにかかわりなく、機械的インターロック形状によって生じる、
請求項11に記載の方法。
【請求項18】
注入された前記材料が、流体状態である、
請求項11に記載の方法。
【請求項19】
注入された前記材料が、囲繞体の反転形状で凝固して、ソリッドセグメントを形成する、
請求項11に記載の方法。
【請求項20】
ノズルが、型及び製造されたセグメントの熱管理を支援するために使用される、
請求項11に記載の方法。
【請求項21】
1つ又はそれ以上のインサート品が、囲繞体に組み込まれて、1つ又はそれ以上の成形されたセグメントによって捕捉される、
請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2013年10月10日に提出された米国特許仮出願第61/889,443号の利益を請求する。
【0002】
本発明は、一般に自動射出成形に関し、特にソリッドオブジェクトを付加製造(アディティブファブリケーション)する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
アディティブファブリケーション、ラピッドプロトタイピング、及びデスクトップマニュファクチャリングは、以前に積層(又は凝固又は硬化)した材料に材料を付加することによって、典型的には層状に、ソリッドオブジェクトを製造する、比較的新しいタイプの製造を説明するために使用される用語である。ソリッドオブジェクトは、通常、まず、オブジェクトのコンピューターソリッドモデルをサブピース又は層にセグメント化することによって、製造される。次に、仮想モデルのこれらの層は、機械によって、層ごとに、仮想オブジェクト(virtual object)の実体表現(solid representation)へと、製造される。
【0004】
各方法は、固有の課題と条件とを有する。これらの方法の全てにとっての課題の1つは、ソリッドオブジェクトを製造することができる材料の、数とタイプが限られていることである。これらの方法の多くにとっての第2の課題は、伝統的な製造法(型成形、機械加工、又は鋳造など)によって製造されたオブジェクトに比べて、区分製造(piecewise fabricated)されたオブジェクトの強度が弱くなることである。各方法は、また、ソリッドオブジェクトを製造できる速度についての限界を持つ。層ごとにソリッドオブジェクトを製造する性質上、型成形及び鋳造などの伝統的製造方法に比べて、ソリッドオブジェクトを製造する速度が比較的遅くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多様な材料、例えばガラスなどの混合充填物を含む材料、を取り扱うことができる方法が、技術上必要とされている。更に、他のアディティブファブリケーション法より優れた強度を持つオブジェクトを生産するために、成形中に圧力の使用が可能な、囲繞された射出成形用型穴が、技術上必要とされている。最後に、迅速なオブジェクトの製造を可能にする、様々なサイズの型が、技術上必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記及びその他の目的及び利点は、ソリッドオブジェクトの三次元レンダリングからソリッドオブジェクトを付加製造するために機械を操作する、プログラム組込みコンピューターを使用することによって得られ、(1)支持体に対して第1の設定位置に第1の型を位置付けるステップと、(2)第1の型の内部容積に第1の体積の流体材料を充填するステップと、(3)流体材料を第1の構成要素の状態に凝固できるようにするステップと、(4)第1の設定位置から第1の型を取り外すステップと、(5)第1の構成要素に当接する第2の設定位置に第2の型を位置付けるステップと、(6)第2の型の内部容積に第2の体積の流体材料を充填するステップと、(7)第2の流体材料を第2の構成要素の状態に凝固できるようにするステップと、(8)第2の設定位置から第2の型を取り外すステップと、(9)以前に形成された1つ又はそれ以上の構成要素に当接する後続の設定位置に後続の型を位置付けるステップと、(10)後続の型の内部容積に後続の体積の流体材料を充填するステップと、(11)後続の体積の流体材料を後続の構成要素の状態に凝固できるようにするステップと、(12)後続の設定位置から後続の型を取り外すステップと、(13)ソリッドオブジェクトの全ての構成要素が形成されるまでステップ9〜12を繰り返すステップと、を含む。
【0007】
本発明の別の実施形態によれば、型の1つ又はそれ以上は、同一である。本発明の別の実施形態によれば、型の1つ又はそれ以上は、異なるサイズ及び/又は形状を持つ。本発明の別の実施形態によれば、型の各々に流体材料を充填するステップは、型の各々へ流体材料を加圧注入して実施される。本発明の別の実施形態によれば、型の1つ又はそれ以上は、1つ又はそれ以上の機械的インターロックを含む。本発明の別の実施形態によれば、機械的インターロックは、ねじ、ピン、又は突出部を含む。本発明の別の実施形態によれば、型の1つ又はそれ以上は、1つ又はそれ以上のインサート品を含む。本発明の別の実施形態によれば、インサート品は、小ねじ、又はピンを含む。本発明の別の実施形態によれば、流体材料は、金属、熱可塑性材料、熱可塑性複合材料、熱硬化性材料、熱硬化性複合材料、又はセラミックを含む。本発明の別の実施形態によれば、当接する相互の構成要素は、粘着又は接着によって互いに接合される。本発明の別の実施形態によれば、凝固を加速するために、凝固した構成要素を加熱するための、及び/又は注入された流体材料を冷却するための、補助ノズルを利用するステップを、追加される。
【0008】
本発明は、添付図面に例としてのみ示す好ましい実施形態の、以下の説明から、容易に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の1つの形態に従って製造されるプロセスにおけるオブジェクトの斜視図である。
図2】本発明の1つの形態に従って製造されるプロセスにおけるオブジェクトの斜視図であり、オブジェクトに次のピースを追加するために使用される型が、所定の場所に置かれている図である。
図3】本発明の1つの形態に従って製造されるプロセスにおけるオブジェクトの斜視図であり、次のセグメントを成形するために使用される囲繞体を作るために、型が、所定の場所に置かれている図である。
図4】新しいピースが追加された、図1のオブジェクトの斜視図である。
図5】本発明の1つの実施形態に従って使用される、複数の型の斜視図である。
図6】本発明の1つの実施形態に従って1つのセグメントの中に成形された機械的インターロック形状を有する、オブジェクトの斜視図である。
図7】本発明の1つの実施形態に従って成形されたセグメントに機械的インターロックを作成するための形状を有する、型の斜視図である。
図8】本発明の1つの実施形態に従ってオブジェクトに一体的に成形されたインサート品を有する、オブジェクトの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明は、ソリッドオブジェクトを付加製造する方法に関する。この方法は、連続的にソリッドオブジェクトの部分を付加成形するステップから成る。囲繞された容積、即ち型穴には、凝固する液体材料が充填される。型穴は、プレファブ式の型によって形成されるか、又は、最終オブジェクトが製造されるそれ以前に成形されたセグメントと当接するプレファブ式の型によって形成される。次に、流体材料が、囲繞された容積内で凝固して、付加によってオブジェクトを作る。型は、自動的に交換されて、成形されるオブジェクトの表面の1つ又はそれ以上を形成する。1つのセグメントが成形された後、型が、以前に成形されたセグメントの隣のスペースに動かされ、別のセグメントが成形される。以前に成形されたセグメントは、成形される後続のセクションのための囲繞容積の別の表面として働き、新たに成形されたセクションは、以前に成形されたセクションに結合する。
【0011】
流体材料は、熱可塑性材料、ガラス又は鉱物入りの熱可塑性材料、熱硬化性樹脂、ガラス又は鉱物入りの熱硬化性樹脂、金属射出成形に使用されるような金属粒子入り熱可塑性材料、及び/又は砂型鋳造又はダイカストに使用されるような液体金属材料、とすることができる。
【0012】
この方法は、型穴の中へ流体を供給できる機械に取り付けられた型を基本とする、付加製造方法である。流体は、その後型穴内で凝結して、より大きいソリッドオブジェクトの1つのセグメントを作る。流体は、自重送りで、又は標準的射出成形機において典型的なように、加圧して供給することができる。
【0013】
この方法では、小さいセグメントを成形するための多様な型が使用され、より大きいソリッドオブジェクトを成形する。様々なサイズ及び形状の型が、付加製造によってより大きなオブジェクトを製造するために、使用される。この方法では、型は、以前に凝固したセグメントに接触し、型穴の中の新たに付加された流体が以前に成形されたセグメントに付着するようにする。型は、固有の形状を有するオブジェクトを製造するために、インサート射出成形において行われるように、インサート品と接触させることもできる。
【0014】
所望の場合には、この方法は、型内の流体に圧力を加えて使用することができる。例えば射出成形など、このような加圧成形は、他の形式のアディティブファブリケーション法より優れた強度を持つオブジェクトを作ることができる。
【0015】
流体は型の中へ供給されるので、供給のために比較的大きいノズルを使用することができ、このプロセスが充填材料(ガラス又は鉱物又は金属粉末など)を含有する材料などの流体を利用することを可能にする。図1は、この方法を用いて製造されるオブジェクト1の部分の底面図である。製造は、適切な支持体(図示せず)の上に第1のブロック2を成形することから始まる。ブロックは、この開示において、本発明の方法の説明を簡単にするために使用される。立方体として図示するブロック2は、最終オブジェクトを構成するために望ましい単純な又は複雑な任意の適切な形状とすることができる。第1のブロック2がその上に成形される支持体は、第1のブロック2が少なくとも部分的に付着する任意の材料の表面とすることができ、本明細書において開示されるアディティブファブリケーション法で連続製造するために、オブジェクト1を支持しておくために充分なものとすることができる。支持体は、また、小さいピン、小ねじ、又はクランプなどの、機械的手段の構成とすることもでき、ブロックは、直接これらの上に、又は周りに、又は支持体を作るのに充分な程度に隣接して成形され、1つ又はそれ以上の自由度の動きを防止する。或いは、この支持体は、本明細書において開示する方法又は他の製造方法によって製造された、別のオブジェクトとすることができ、この場合、このオブジェクトに対して所望の付加をすることができる。
【0016】
製造の次のステップは、第2のブロック3を、その後第3のブロック4を、順次、1つずつ成形するステップである。ブロックを付加するプロセスは、この実施例においては13番目のブロック5まで、同一平面において順次続けられる。その後、別の層が、第1のブロック2の上に置かれた別のブロック6の追加によって開始される。製造は、層ごとである必要はなく、任意の配列又は所望のオブジェクトを製造するのに適する成形順序とすることができる。
【0017】
個別のブロックは、囲繞体を作り、この囲繞体の中へ液化材料(加圧される可能性あり)を注入し、材料が少なくとも次のブロックの製造を開始するのに充分な程度に凝固する間、囲繞体を概ね所定の場所に保持する、ことによって成形される。囲繞体は、概ね材料の凝固プロセスを助けるために必要に応じて所定の場所に保持され、部品の強度を増すために冷却時に圧力を加えて保持できる。この圧力は、典型的には射出成形工業においてパッキング圧力と呼ばれ、射出成形工業において行われるように液化材料を注入するノズルを通る圧力によって、囲繞体の壁の1つ又はそれ以上の小さい移動によって又はこれらの組合せによって、所望の圧力を発生することができる。囲繞体は、各付加部品を成形するための必要に応じて形成される。
【0018】
図1において、オブジェクト1の表面7及び8は、オブジェクト1上に次のブロックを成形するために使用される囲繞体の6つの面のうちの2つを形成する。図2は、囲繞体の3つの更なる面を形成するために使用される小さい型9を示す。この型9は、任意の材料で製造できるが、典型的には、スチール、アルミニウム又はセラミックである。型は、コンピューター制御の機械によって所定の場所に置かれて保持される。コンピューター制御の機械は、型9をオブジェクト1の適切な場所におくために必要な相対的動きを与える。機械は、成形プロセス中、必要に応じて、型9を保持するか、又は移動する。概略的には、この機械は、作られるオブジェクトの3Dコンピューターモデルを解釈するソフトウェアによって決定された適切な機械コマンドを用いてコンピューター制御される。型9は、製造されるオブジェクトの形状に応じて所望の囲繞体を形成するために必要な場合には機械が選択する多数のプレファブ式の型の1つである。型9の形状は、所望の囲繞体の1つ又はそれ以上の面を形成するために、プレート、ホイール又はストリップに取り付けられる、機械加工される又はこれによって支えられる多数の形状を持つプレート、ホイール又はストリップの一部である。
【0019】
図3は、追加の型11によって作られた囲繞体の最終表面を示す。この型は、上記の型9と概ね同じように機械によって所定の位置へ移動される。囲繞体が所定の位置に置かれたら、ブロックの成形は、図2の孔10を介してノズル12から液化材料を注入することから始まる。ノズル12は、典型的には小型射出成形機械に見られる構造を持つことができ、射出成形工業においてしばしば使用されるホットチップ又はバルブゲート式ホットランナーを含むことができる。このノズルは、液体材料が重力のみを用いて注入される漏斗でもよい。熱可塑性材料の場合、液化材料が囲繞体へ進入するとき、溶融した先端は以前に成形された材料の一部を溶融して粘着性結合を生じるために充分な程度に熱い。注入を行った後、型は、次のブロックに移るために充分な凝固が生じるまで所定の場所に保持される。所望の場合には、結合の強さを増大するために凝固中に圧力を使用できる。充分に冷却した後、型9及び11並びにノズルは、引っ込められて、コンピューターコマンドに従って次のブロックを成形する準備が整う。このように、本発明の1つの実施形態は、複数の型を同時に使用する。この実施形態によれば、オブジェクトを構成するために反復して一度に1つの型を使用する代わりに、上述のステップの全てにおいて複数の型の複数の群を利用することができる。図4は、オリジナルのオブジェクト1に新しいブロック16が所定の位置に加えられたオブジェクト14を示す。新しいブロック16は、側面15及び17を有する。
【0020】
図3は、補助ノズル13も示し、この方法では、補助ノズルは、1つ又はそれ以上使用できる。補助ノズル13は、熱又は冷却を与え、又は、個別のノズルが各々別個に使用される(図示せず)。熱は、粘着性を改良するために、既に在るプラスチックを予熱するために使用される。熱は、また、ノズル13の先端で凝固した材料を、注入前に加熱するためにも使用できる。熱は、また、熱可塑性材料又は金属材料の場合、材料の流れを促進するために、型の壁を加熱するためにも使用できる。熱は、また、熱硬化性プラスチック材料の架橋結合を助けることもできる。冷却は、囲繞体から漏出する可能性のある熱可塑性材料又は金属材料を迅速に凝固させるために使用でき、漏出は、型と部品との間の不完全な嵌合のせいで、又は、意図された排気通路を介して行われる。冷却は、オブジェクトを作るためにかかる全体時間を減少させるために、囲繞体の中の熱可塑性材料又は金属材料をより速く凝固させるのを助けるためにも使用できる。
【0021】
図5は、オブジェクトを作るために使用できるいくつかの型を示す。型18は、型自体が立方体の5つの面を形成する型である。この場合、型18の開放面は、それ以前に成形された面に又は図1において説明した適切な支持面に押圧されて、直立立方体を作る。型18の孔22は、型へ液体を挿入するためのノズルが噛み合うようにする。型19は、型18の壁24が取り除かれていて、立方体の4つの面を形成する型である。図5に示す型9は、上記でプロセスについて説明するために使用されたものであり、他の図にも示される。型20は、立方体の2面のみを形成する型である。型21は、1面としてのみ作用する型である。残りの面は、以前に成形されたピースから又は図3における型11のように他の型から作られる。
【0022】
上述のように、この技法は、注入された材料の、以前に成形されたピースとの粘着性結合に依存する。強度を増大するために、機械的インターロック形状を利用できる。これは、特に複合又は充填材料、又は重なり及び噛み合いの増大によって長い分子鎖を持つ材料に有用である。図6は、機械的インターロック形状が中に成形されているブロック26を備える、オブジェクト25を示す。図には、ねじ27及び突出部28を示す。実際の機械的インターロックの他に、粘着性結合のための表面積がある。機械的インターロックに関しては、異なる立方体に成形されたこれらの形状の多くを想定できる。充分な表面の上に適切に実施されれば、粘着性結合が全くなくても、強いソリッドオブジェクトを製造することができる。図7は、1つの実施形態に従ったこのような形状を作ることができる型29を示す。窪み31は、図6に示す円錐形ピース28を形成する。ねじ30は、図6の内ねじ27を形成する。どちらの場合も、オブジェクトを損傷することなくオブジェクトから外すために、特殊な動き、例えばねじ30の巻き戻しなど、を機械が行う必要がある。別のインターロック方法は、図示しないが、型にピンを有し、ピンは、成形エリアの中へスライドし、成形された部品に孔を形成する。これは、ねじ30と同様であるが、ねじ山を持たない。
【0023】
図8は、本発明の別の形態であり、インサート成形又はオーバーモールド成形である。図8のオブジェクト33は、図6のオブジェクト25と同様に成形される。但し、ねじ部30が型29と共に残る(図7に示すように)のではなく、ねじ30は解放されて、ブロック32内部に留まる。これは、例えば、プラスチック部品から突き出た金属製ねじを持つために有用である。これは、単純化された実施例であり、インサート成形されたオブジェクトは個別の立方体より大きくでき、任意の形状で製造できる。例えば、プラスチックは、強度を増すために大きい金属ピースの周りに付加成形できる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】