(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-501050(P2017-501050A)
(43)【公表日】2017年1月12日
(54)【発明の名称】有機/植物材料の小片から木質ペレット等の固形顆粒の生産用プラント
(51)【国際特許分類】
B27L 11/00 20060101AFI20161216BHJP
F26B 17/02 20060101ALI20161216BHJP
F26B 19/00 20060101ALI20161216BHJP
C10L 5/44 20060101ALI20161216BHJP
【FI】
B27L11/00 Z
F26B17/02
F26B19/00
C10L5/44
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
【全頁数】28
(21)【出願番号】特願2016-535161(P2016-535161)
(86)(22)【出願日】2014年11月26日
(85)【翻訳文提出日】2016年7月8日
(86)【国際出願番号】EP2014075692
(87)【国際公開番号】WO2015078925
(87)【国際公開日】20150604
(31)【優先権主張番号】102013224204.2
(32)【優先日】2013年11月27日
(33)【優先権主張国】DE
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】516156167
【氏名又は名称】ツェベコン・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンタク・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100093056
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 勉
(74)【代理人】
【識別番号】100142930
【弁理士】
【氏名又は名称】戸高 弘幸
(74)【代理人】
【識別番号】100175020
【弁理士】
【氏名又は名称】杉谷 知彦
(74)【代理人】
【識別番号】100180596
【弁理士】
【氏名又は名称】栗原 要
(74)【代理人】
【識別番号】100195349
【弁理士】
【氏名又は名称】青野 信喜
(72)【発明者】
【氏名】ディツェル・ヴァレリー
【テーマコード(参考)】
2B241
3L113
4H015
【Fターム(参考)】
2B241DA01
2B241DA12
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4H015AA12
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4H015BB03
4H015BB06
4H015BB10
4H015CA03
4H015CB01
(57)【要約】
エネルギー生成プラント等の消費設備への自動供給に適した有機物の材料の小片から木質ペレット等の固形顆粒を生産するプラントにおいて、エネルギー効率の良い熱回収を特徴とするペレット冷却装置が開示されており、プラントは材料を加え、調製し、乾燥し、押圧し、冷却し、排出する手段を備えている。少なくとも上記手段のいくつかは個々の搬送可能な容器(700)に少なくとも部分的に配置され、プラントの少なくとも主要部分としてモジュールのように組み立てられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機物および/または植物由来の材料の小片から木質ペレット等の固形顆粒を生産するプラントであって、
材料を供給する供給手段(1)と、材料を調整する調整手段(2〜4)と、材料を乾燥する乾燥手段(6)と、材料を押圧する押圧手段(11)と、材料を冷却する冷却手段(12)と、材料を排出する排出手段(16)とを備え、
前記供給手段(1)、前記調整手段(2〜4)、前記乾燥手段(6)、前記押圧手段(11)、前記冷却手段(12)、および前記排出手段(16)は、プラントの少なくとも大部分用のモジュールのように組み立てることができる個々の搬送可能な容器(700)内に少なくとも部分的に配置され、
少なくとも前記冷却手段(12)は、シャフト・クーラー(712)として設計された場合、完全に容器(700)内に配置されることを特徴とするプラント。
【請求項2】
有機物および/または植物由来の材料の小片から木質ペレット等の固形顆粒を生産するプラントであって、
材料を供給する供給手段(1)と、材料を調整する調整手段(2〜4)と、材料を乾燥する乾燥手段(6)と、材料を押圧する押圧手段(11)と、材料を冷却する冷却手段(12)と、材料を排出する排出手段(16)とを備え、
前記供給手段(1)、前記調整手段(2〜4)、前記乾燥手段(6)、前記押圧手段(11)、前記冷却手段(12)、および前記排出手段(16)は、プラントの少なくとも大部分用のモジュールのように組み立てることができる個々の搬送可能な容器(700)内に少なくとも部分的に配置され、
前記冷却手段(12)の冷却媒体出口から加熱された冷却媒体が供給され、冷却された冷却媒体が取り出されて前記冷却手段(12)の冷却媒体入口に供給され、加熱された加熱媒体が取り出されて熱消費部(9)の加熱媒体入口に供給され、熱消費部(9)の加熱媒体出口から冷却された加熱媒体が供給される構成の熱バッファー貯蔵タンク(14)を備えることを特徴とするプラント。
【請求項3】
有機物および/または植物由来の材料の小片から木質ペレット等の固形顆粒を生産するプラントであって、
材料を供給する供給手段(1)と、材料を調整する調整手段(2〜4)と、材料を乾燥する乾燥手段(6)と、材料を押圧する押圧手段(11)と、材料を冷却する冷却手段(12)と、材料を排出する排出手段(16)とを備え、
前記供給手段(1)、前記調整手段(2〜4)、前記乾燥手段(6)、前記押圧手段(11)、前記冷却手段(12)、および前記排出手段(16)は、プラントの少なくとも大部分用のモジュールのように組み立てることができる個々の搬送可能な容器(700)内に少なくとも部分的に配置され、
前記供給手段(1)、前記調整手段(2〜4)、前記乾燥手段(6)、前記押圧手段(11)、前記冷却手段(12)、および前記排出手段(16)のうちの少なくとも1つが垂直向きの長手軸心を持つ容器内に配置されることを特徴とするプラント。
【請求項4】
有機物および/または植物由来の材料の小片から木質ペレット等の固形顆粒を生産するプラントであって、
材料を供給する供給手段(1)と、材料を調整する調整手段(2〜4)と、材料を乾燥する乾燥手段(6)と、材料を押圧する押圧手段(11)と、材料を冷却する冷却手段(12)と、材料を排出する排出手段(16)とを備え、
前記供給手段(1)、前記調整手段(2〜4)、前記乾燥手段(6)、前記押圧手段(11)、前記冷却手段(12)、および前記排出手段(16)は、プラントの少なくとも大部分用のモジュールのように組み立てることができる個々の搬送可能な容器(700)内に少なくとも部分的に配置され、
少なくとも1つの容器が容器シェルを有し、
前記供給手段(1)、前記調整手段(2〜4)、前記乾燥手段(6)、前記押圧手段(11)、前記冷却手段(12)、および前記排出手段(16)のうちの1つの少なくとも1つの構造要素(411)が少なくとも部分的に容器シェルの1要素であることを特徴とするプラント。
【請求項5】
請求項1から4のうちのいくつかの請求項の任意の組合せであるプラント。
【請求項6】
請求項1から5のいずれかに記載のプラントであって、容器(700)は20フィートまたは40フィート容器の、または他の標準的容器の寸法を有することを特徴とするプラント。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載のプラントであって、容器(700)は複数のフレーム部分(415)を備えたフレーム(414)を有し、フレーム部分(415)間の開口(417)が壁(711)によって塞がれず、および/またはフレーム部分(415)間の開口(417)が壁によって塞がれることを特徴とするプラント。
【請求項8】
請求項4および7に記載のプラントであって、手段(12)の少なくとも1つの構造要素が容器(706)の少なくとも1つの壁および/またはフレーム(414)の少なくとも1つのフレーム部分(415)の要素であることを特徴とするプラント。
【請求項9】
請求項8に記載のプラントであって、手段(12)の少なくとも1つの側壁(411)が容器(700)の1つの壁の要素であることを特徴とするプラント。
【請求項10】
請求項1から9のいずれかに記載のプラントであって、乾燥手段(6)は、水平向きの長手軸心を有する1つ以上の容器内に配置されるベルト・ドライヤーであり、および/または冷却手段(12)が垂直向きの長手軸心を有する容器(700)内に配置されることを特徴とするプラント。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載のプラントであって、下記の手段、つまり加え手段(1)、ふるい(2、4)、湿式パルプ製造機(3)、バッファ・計測タンク(5)、乾燥手段(6)、乾式粉砕機(8)、コンディショナー(9)、ミキシングスクリュー(10)、押圧手段(11)、冷却手段(12)、熱バッファー貯蔵タンク(14)、貯蔵手段(13)、あるいは材料加え手段(16)、のうちの少なくとも1つが完全に容器(700)内に収容されることを特徴とするプラント。
【請求項12】
請求項1から11のいずれかに記載のプラントであって、下記の手段、つまり加え手段(1)、調製手段(2、3、4)、乾燥手段(6)、押圧手段(11)、排出手段(16)、のうちの少なくとも1つが水平向きの長手軸心を有する容器内に配置され、および/または下記の手段、つまり中間貯蔵器(3)、冷却手段(12)、あるいは貯蔵手段(13)、のうちの少なくとも1つが垂直向きの長手軸心を有する容器(700)内に位置する
ることを特徴とするプラント。
【請求項13】
請求項1から12のいずれかに記載のプラントであって、シャフト・クーラー(712)は、互いに間隔をあけて平行に配置され、その水平パイプ部分(401)間の距離の2分の1だけ高さがずれている複数のパイプ蛇行部を備え、それによって、パイプ蛇行部によって形成されたシャフト・クーラー(712)のシャフト(300)を材料が通過しながら、パイプ蛇行部(403)の水平パイプ部分(401)によって水平一方向と他方向と交互に屈折されることを特徴とするプラント。
【請求項14】
請求項13に記載のプラントであって、各蛇行部の水平パイプ部分(401)が垂直バー(404)によって互いにつながれていることを特徴とするプラント。
【請求項15】
請求項1から14のいずれかに記載のプラントであって、シャフト・クーラー(712)は、シャフト(300)内の材料の充填高さを調整するための調節可能な開口横断面を持つ排出床(350)を下端に有し、および/またはシャフト・クーラーは、種々のシャフト(300)に材料を均等に分配するための給送装置(200)を上端に有することを特徴とするプラント。
【請求項16】
請求項2から13のいずれかに記載のプラントであって、熱バッファー貯蔵タンク(14)は、冷却された冷却媒体用ドレインを下端に、加熱された加熱媒体用出口を上端に、加熱された冷却媒体用入口を上端に、および冷却された加熱媒体用入口を下端に持つ階層化された貯蔵タンクであることを特徴とするプラント。
【請求項17】
請求項16に記載のプラントであって、熱バッファー貯蔵タンク(14)は、クーラー(12)の加熱された冷却媒体用の冷却媒体入口につながれたエントランスを有し、冷却された冷却媒体用のエントランスにつながれた排出部を有する熱交換器(102)を備えた階層化された貯蔵タンクであり、熱バッファー貯蔵タンク(14)は、熱消費部(9)の加熱媒体入口につながれた加熱された加熱媒体用の出口を上端に有し、熱消費部(9)の加熱媒体出口につながれた冷却された加熱媒体用の入口を下端に有することを特徴とするプラント。
【請求項18】
請求項16に記載のプラントであって、熱消費部は材料の小片を調整する手段(9)またはプラントの別の熱消費部であることを特徴とするプラント。
【請求項19】
請求項1から18のいずれかに記載のプラントであって、クーラー(12)は蒸気および残留蒸気を排出する手段に接続され、熱回収がその排出手段へ統合されることを特徴とするプラント。
【請求項20】
請求項1から19のいずれかに記載のプラントであって、それぞれが容器(200)内に完全に配置された複数の乾燥手段(6)を備え、および/または容器(200)内に完全に配置されたシャフト・クーラー(712)として設計された複数の冷却手段(12)を有することを特徴とするプラント。
【請求項21】
請求項1から20のいずれかに記載のプラントであって、容器(700)が下記の媒体と流れ:つまり高圧電流、低圧電流、制御電流、給水、圧縮空気、排気、冷却液、熱媒体、湿潤素材、乾燥素材、おがくず、ペレットおよび細粒、の少なくとも1つのための特定のインターフェースを備えることを特徴とするプラント。
【請求項22】
請求項1から21のいずれかに記載のプラントであって、容器が水平方向にグループになって、および/または垂直方向にグループになって配置されることを特徴とするプラント。
【請求項23】
請求項1から22のいずれかに記載のプラントであって、容器(700)から分離して配置された迅速設置式のサイロまたは急速設置式のホールとして設計された少なくとも1つの貯蔵手段(3、7、13)を備えることを特徴とするプラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エネルギー生成プラント等の消費設備への自動供給に適した有機物および/または植物由来の材料の小片から木質ペレット等の固形顆粒を生産するプラントに関し、それはプラントの少なくとも一部用としてモジュールのように組み立てることができる個々の搬送可能な容器に少なくとも部分的に配置される、材料を加え、調製し、乾燥し、押圧し、冷却し、排出する手段を備える。
【背景技術】
【0002】
木質ペレットは、のこぎり又はかんな屑、木材チップ、木材シュレッダー材料等の副産物、あるいは材木・森林産業の廃棄物からなるロッド形の顆粒である。有機物および/または植物由来の材料の小片からなる他の固形顆粒は、例えば麦わら、ヒマワリの種殻、オリーブの種およびオリーブの絞りかす、米殻、そして例えば農業および食品産業からの他の生物残留物から生産することができる。
【0003】
木質ペレットの生産では、供給された材料は、交換、乾燥および調製によるペレット化に準備される。ペレットは準備され材料を圧縮して作られる。そのためには、望まれるペレット径に応じた穴を備えたダイスで圧縮するエッジ・ランナー・プレスが使用される。材料に含まれるリグニンは、調製時あるいは押圧工程時それぞれの加熱によって放出され、個々の木材パーティクルを互いに接合する。木材に存在するリグニンに加えて、付加的な接着剤を使用することができる。ダイスから分離したペレットの繊維をナイフが所望長さに切断する。その後、ペレットは冷却されて凝固する。
【0004】
有機物または植物由来の材料の小片から木質ペレット等の固形顆粒を生産するプラントは、特定の場所についての個別プロジェクトとして技術事務所またはプラント建設業者によって計画、展開されるのが一般的である。その過程で、異なるメーカーからの機械やアセンブリが統合され、それぞれの状況に応じてケースバイケースでインターフェースおよび材料の移動が案出される。このことにより、組立ての際の改変・改良と、システム稼働中に高騰する稼働コストがしばしば必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】欧州特許第EP1 849 851号
【特許文献2】独国特許第DE10 2006 061 340号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来のペレット製造プラントの難点は、基本設計、細部設計および建築上の点検サービスを設置現場で行なわなければならないから投資コストが高いことである。これは、個々の注文(時には1回限りの生産)が伴われるので、コストリスクを増大させる。更に、改変を必要とする異業種間の接点に関する問題がある。各プラントで、プロセスの最適化により安全な運用管理を確立しなければならない。これらは個々に計画されたプラントなので、スペア・パーツを備えるための費用が高い。現場管理プロジェクトは長い立案および準備過程を必要とする。加えて、長い組立て期間と不確かな立上げ期間がある。
【0007】
EP1 849 851 A2は、立ち上げとその後の稼働が簡単かつ経済的とされ、搬送も可能な、粉砕木材から木質ペレットを生成する装置を記載している。それは、変更された処理量などの新しい要件に容易に適応可能である。この目的のために、装置はホッパー、プレス、クーラーおよび除粉手段を取り付けるための支持パネルあるいは支持ラックを備えたフレーム組立て台を有する。フレーム組立て台にカバーパネルを取り付けることができる。フレーム組立て台およびそれに取付け可能なプラント部品は、所定のスループットを持つ搬送可能な生産モジュールを構成する。必要に応じて、スループットを増加させるために、これらの生産モジュールの複数を、各生産モジュールのプラント部品の寸法を変更せずに、組み合わせることができる。一つの難点は、プラント全体を一体物として搬送したり、複数の完全な生産モジュールを組み合わせることによりニーズに適合することが非常に面倒なことである。
【0008】
DE10 2006 061 340 B3は、付加、乾燥、圧縮および吐出用の少なくとも1つの組立モジュールを備えた木質ペレット生産設備を記載している。組立モジュールは、国際標準の容器(12または20フィートの容器)内のそれぞれが機能的アセンブリの垂直配列で導入される。水平および/または垂直の列を形成する複数の容器が電気および/または空気媒体線によって互いに接続され、容器のうちの1つは現地で利用可能な媒体源に連結可能である。準備された組立モジュールから成るプラントの容易で迅速な組立ては有利である。プラントは、容易に異なる場所へ移動することができ、現地で一定期間静止していればよい。難点は、搬送時に互いから分離され、使用場所で互いに連結されなければならない複数の積み重ねられた容器の上方で乾燥シャフトが垂直に延びるということである。他の難点は、カウンターエアクーラーの限られた出力と、木材粉塵の吸入および分離のための大きなエネルギーを必要とすることである。これは容器によるもので、ペレットは上から充填することができ、それを通って冷却空気が下から流れることができ、冷却の後にペレットはその下端から排出される。他の難点は、組立モジュールのスペース配分と提案された設置で、それは火災の際の損害のリスクを増大させ、消火を困難にする。特に、余分な発電エネルギーの供給により硬化用容器内の素材を加熱するといった高エネルギー使用も不利である。
【0009】
このような背景に対して、本発明の目的は、より少ない努力で搬送することができ、設置でき、異なる場所へ移動でき、エネルギーが最適化された動作を可能にする、木質ペレット等の固形顆粒を生産するプラントを作成することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
その目的は請求項1の特徴を備えるプラントで達成される。
【0011】
有機物および/または植物由来の材料の小片から木質ペレット等の固形顆粒を生産する発明によるプラントは、
材料を供給する供給手段と、材料を調整する調整手段と、材料を乾燥する乾燥手段と、材料を押圧する押圧手段と、材料を冷却する冷却手段と、材料を排出する排出手段とを備え、供給手段、調整手段、乾燥手段、押圧手段、冷却手段、および排出手段は、プラントの少なくとも大部分用のモジュールのように組み立てることができる個々の搬送可能な容器内に少なくとも部分的に配置され、少なくとも冷却手段は、シャフト・クーラーとして設計された場合、完全に容器内に配置される。
【0012】
目的は請求項2の特徴を備えるプラントでも達成される。
【0013】
有機物および/または植物由来の材料の小片から木質ペレット等の固形顆粒を生産する発明によるプラントは、材料を供給する供給手段と、材料を調整する調整手段と、材料を乾燥する乾燥手段と、材料を押圧する押圧手段と、材料を冷却する冷却手段と、材料を排出する排出手段とを備え、供給手段、調整手段、乾燥手段、押圧手段、冷却手段、および排出手段は、プラントの少なくとも大部分用のモジュールのように組み立てることができる個々の搬送可能な容器内に少なくとも部分的に配置され、冷却手段の冷却媒体出口から加熱された冷却媒体が供給され、冷却された冷却媒体が取り出されて冷却手段の冷却媒体入口に供給され、加熱された加熱媒体が取り出されて熱消費部の加熱媒体入口に供給され、熱消費部の加熱媒体出口から冷却された加熱媒体が供給される構成の熱バッファー貯蔵タンクを備える。
【0014】
目的は請求項3の特徴を備えるプラントでも達成される。
【0015】
有機物および/または植物由来の材料の小片から木質ペレット等の固形顆粒を生産する発明によるプラントは、材料を供給する供給手段と、材料を調整する調整手段と、材料を乾燥する乾燥手段と、材料を押圧する押圧手段と、材料を冷却する冷却手段と、材料を排出する排出手段とを備え、供給手段、調整手段、乾燥手段、押圧手段、冷却手段、および排出手段は、プラントの少なくとも大部分用のモジュールのように組み立てることができる個々の搬送可能な容器内に少なくとも部分的に配置され、供給手段、調整手段、乾燥手段、押圧手段、冷却手段、および排出手段のうちの少なくとも1つが垂直向きの長手軸心を持つ容器内に配置される。
【0016】
目的は請求項4の特徴を備えるプラントでも達成される。
【0017】
有機物および/または植物由来の材料の小片から木質ペレット等の固形顆粒を生産する発明によるプラントは、材料を供給する供給手段と、材料を調整する調整手段と、材料を乾燥する乾燥手段と、材料を押圧する押圧手段と、材料を冷却する冷却手段と、材料を排出する排出手段とを備え、供給手段、調整手段、乾燥手段、押圧手段、冷却手段、および排出手段は、プラントの少なくとも大部分用のモジュールのように組み立てることができる個々の搬送可能な容器内に少なくとも部分的に配置され、少なくとも1つの容器が容器シェルを有し、供給手段、調整手段、乾燥手段、押圧手段、冷却手段、および排出手段のうちの1つの少なくとも1つの構造要素が少なくとも部分的に容器シェルの1要素である。
【0018】
1つの好適実施例によれば、プラントは必要に応じて請求項1から4のうちの任意の請求項の特徴を備える。任意の請求項の特徴のすべての組合せは発明の一部である。いかなる2つの請求項の特徴の組合せも、いかなる3つの請求項の特徴の組合せも、4つすべての請求項の特徴の組合せも発明の要素である。
【0019】
これらの解決策はすべて、機械、凝集体、輸送手段、制御装置および/またはプラントの他の構成要素を収容する容器に基づく。容器は、個々に搬送し、プラントの大部分として組み立てることができる。1つの容器あるいは複数の容器が一緒にプラントの1ユニット(モジュール)を形成する。プラントのモジュールは特に、材料を加え、調整し、乾燥し、押圧し、冷却し、排出する手段などである。発明は、標準化された容器から成る標準化されたモジュールを提供することを可能にする。
【0020】
容器は、開発の現状に相当するプラントの構成要素を装備することができる。構成要素は容器にしっかりと取り付けられることが望ましい。使用される種々の機械および電気部品は少数のタイプにしぼることができる。構成要素を選択し組み立てる際に、エネルギー効率と品質を最適化し保証することができる。ユニットは高度に組立て式に、またはそれぞれ即時使用可能にプラントで生産可能である。容器は、プラントから使用場所へ、あるいは前段階の使用場所から新しい使用場所へ、レール、道路または水路によって経済的に輸送可能である。使用場所の各条件や必要性によって、容器はモジュール化への取組みに基づいて完全なプラントへ組み込まれる。設置レイアウトは各使用場所に対して柔軟で適応可能である。
【0021】
第1解決策では、搬送と組立ての努力を減らし、シャフト・クーラーとして設計された冷却手段(クーラー)をたった1つの容器内に完全に配置することにより必要なスペースを減らす。第2解決策では、最小の努力で搬送、設置することができるペレット化プラントを作成し、それは、熱消費部に熱を供給する熱バッファ貯蔵タンク(バッファ貯蔵タンク)内のクーラーからの熱回収によりエネルギーが最適化された動作を可能にする。第3解決策では、垂直向き長手軸心を持つ容器中への手段の組込みが、他の状態では複数の容器に分散され、現場で組み立てられなければならないドライヤー、クーラーあるいは他の長手の構成要素の搬送の容易さ、経済的組立て、および省スペース配置を促進する。プラントの必要な設置面積は、垂直向きの長手軸心により縮小される。第4解決策では、容器シェルの一体設計とその中に配置される手段により材料と重量が節約され、これにより搬送の容易さ、経済的組立て、および省スペース配置が促進される。
【0022】
発明による解決策は、インターフェースの問題なしで組み立てることができ、最新の開発状態に相当する、証明され、試験済みの、協調的な構成要素を収容する容器から成る標準化されたプラントの生産を可能にするという長所を持つ。個々の構成要素の特別生産は省略できる。
【0023】
プラントはほとんど構造上同一であり、標準化された制御システムが好適なので、モデル・プラント(マスター)を使用してシステムを起動する前に人材を訓練し習熟させることができる。運用管理の安全性は、構成要素および構成要素の予防保全の最適化により高められる。現場でのスペア・パーツの備蓄は、常に同じのブランドをより少数使用し、本部の倉庫を使用することにより減少させ、あるいはそれぞれを最適化することができる。現場でのプロジェクト管理の立案と準備の段階は著しく減らされる。同様に、長い現場での組立て時間が短縮される。基本設計、詳細な立案および建築上の点検サービスの大半が省略されるので、投資コストも減らされる。大量生産または小量連続生産からの技術が固定価格で提供されえるので、投資のコストリスクが減少する。
【0024】
1つの好適実施例によれば、容器は20フィートまたは40フィート容器の、または他の標準的容器の寸法を有する。これは利用可能な搬送手段を用いて容器を搬送するには好都合である。1つの好適実施例によれば、容器は標準的容器の特徴(積重ね性、可搬性、相互結束など)を備える。他の実施例によれば、容器は、開放壁または1つ以上の閉鎖壁を持つフレーム構造である。フレーム構造は複数のフレーム部分から成るフレームを有する。フレーム構造が開放された場合、フレーム部分は壁で塞がれない開口によって包囲される。フレーム構造が閉鎖された場合、フレーム部分間の開口は壁によって塞がれるか、それぞれ閉鎖される。部分的に開放され部分的に閉鎖されたフレーム構造を持つ混成形態も発明の要素である。フレーム構造が立方体であって、フレーム部分が立方体の縁を形成することが望ましい。
【0025】
フレーム構造の設計は重量とコストを低減する。加えて、プラントの組立て、動作および保守点検を容易にする。
【0026】
代案として、容器は閉鎖壁を備えた従来の標準容器である。1つの実施例によれば、容器は縁で連結した壁によって形成される。壁および/または互いに隣接した壁の連結は、容器の角および/または縁によって補強されてもよい。
【0027】
容器が開放壁を持つフレーム構造として設計されている場合、フレーム部分は容器シェルを形成する。容器が1つ以上の閉鎖壁を持つフレーム構造として設計されている場合、フレーム部分とそれを塞ぐ壁は容器シェルを形成する。容器が縁で互いに接続された壁から成る箱として設計されている場合、壁は容器シェルを形成する。第4解決策では、容器内に少なくとも部分的に配置された手段の少なくとも1つの構造要素は、容器スリーブ・シェルの要素である。その手段は、材料の小片を加え、調整し、乾燥し、押圧し、冷却し、排出する手段のうちの1つである。1つの好適実施例によれば、その手段の少なくとも1つの構造要素は、少なくとも1つの壁および/またはフレームの少なくとも1つのフレーム部分の要素である。他の実施例によれば、手段の少なくとも1つの側壁および/または少なくとも1つのフレーム部分は、容器の壁および/またはフレーム部分の要素である。例えば、冷却対象の顆粒が冷却される部屋に接するクーラーのクーラーハウジングの少なくとも1つの側壁は、容器の壁の要素であるか、あるいは容器の全壁を形成する。他の例では、ドライヤーのハウジングまたは熱バッファー貯蔵タンクの少なくとも1つの側部は、容器の壁の要素か、あるいは容器の全壁を形成する。好ましくは、手段の複数の側壁は、同時に容器の壁かあるいはその要素である。
【0028】
他の実施例によれば、乾燥手段は、水平向きの長手軸心を有する1つ以上の容器内に配置されるベルト・ドライヤーである。これは容器に囲まれたエリアを最適利用可能にする。他の実施例によれば、冷却手段は垂直向きの長手軸心を有する容器内に配置される。特に冷却手段がシャフト・クーラーとして設計される場合、これは容器に囲まれたエリアを最適利用可能にする。
【0029】
他の実施例によれば、下記の手段、つまり加え手段、ふるい、湿式パルプ製造機、バッファ・計測タンク、乾燥手段(バス・ドライヤーなど)、乾式粉砕機、コンディショナー、ミキシングスクリュー、押圧手段、冷却手段(シャフト・クーラーなど)、熱バッファー貯蔵タンク、貯蔵手段、あるいは材料排出、のうちの少なくとも1つが完全に容器内に配置される。上記手段は、単一の容器だけに収容するために十分にコンパクトに設計することができる。これらの手段の複数を単一の容器に収容してもよい。大きなプラントは、それぞれが個別の容器に収容され、同時に作動される複数の同じ手段を備え得る。
【0030】
他の実施例によれば、プラントは、完全に1つの容器に各々配置されるシャフト・クーラーとして設計された複数の冷却手段を有する。これは、標準化された容器を使用する、特に高い生産性を備えたプラントに適している。
【0031】
他の実施例によれば、下記の手段、つまり加え手段、調製および押圧手段、生産物排出手段、のうちの少なくとも1つが水平向きの長手軸心を有する容器内に配置される。他の実施例によれば、下記の手段、つまり中間貯蔵手段、あるいは貯蔵手段、のうちの少なくとも1つが垂直向きの長手軸心を有する容器内に収容される。上記手段はそれぞれ、水平向きまたは垂直向き長手軸心を有する容器内に収容されるのに適している。
【0032】
他の実施例によれば、シャフト・クーラーは、互いに間隔をあけて平行に配置され、その水平パイプ部分間の距離の2分の1だけ高さがずれている複数のパイプ蛇行部を備える。パイプ蛇行部は垂直向きであることが望ましい。パイプ蛇行部によって形成されたシャフト・クーラーのシャフトを材料が通過しながら、パイプ蛇行部の水平パイプ部分によって水平に1方向と他方向と交互に屈折される。シャフト・クーラーは、木質ペレットや他の固体の流込み可能な生物燃料をかなり有効に節約的に(特に粉塵の生成や大量の排気を回避して)冷却し、小さい設置面積およびスペース要件を持つ。
【0033】
他の実施例によれば、各蛇行部の水平パイプ部分が垂直バーによって互いにつながれている。垂直バーはパイプ蛇行部の安定性を高める。加えて、それらは均等な冷却に有利なように材料を導き、熱交換面を拡大する。
【0034】
パイプ蛇行部は例えば、バーが間に挿入される屈曲パイプで形成される。他の実施例によれば、パイプ蛇行部およびバーは、(例えば深絞りプロセスまたはハイドロホーミング・プロセスによって)加工された金属板や、平板鋼製の公知のパネル・ラジエーターと類似した、互いに接続された金属板で形成される。
【0035】
他の実施例によれば、シャフト・クーラーは、シャフト内の材料の充填高さを調整するための調節可能な開口横断面を持つ排出床を下端に有し、および/またはシャフト・クーラーは、種々のシャフトに材料を均等に分配するための給送装置を上端に有する。シャフト・クーラーは、排出床および/または給送装置によって非常に効果的に作動させることができる。
【0036】
他の実施例によれば、冷却手段の冷却媒体出口から加熱された冷却媒体が供給され、冷却された冷却媒体が取り出されて冷却手段の冷却媒体入口に供給され、加熱された供給媒体が取り出されて熱消費部の加熱媒体入口に供給され、熱消費部の加熱媒体出口から冷却された供給媒体が供給される構成の熱バッファー貯蔵タンクが利用可能である。消費部のための冷却媒体から吸収される熱エネルギーを使用することによりプラントの特にエネルギー効率の良い動作が達成される。熱交換器の必要熱量が変動する場合、熱バッファー貯蔵タンクは効率的なプラント動作を促進する。
【0037】
他の実施例によれば、熱バッファー貯蔵タンクは、冷却された冷却媒体用ドレインを下端に、加熱された加熱媒体用出口を上端に、加熱された冷却媒体用入口を記載された2つの出口の間に、そして冷却された加熱媒体用入口を加熱された加熱媒体用出口と加熱された冷却媒体用入口との間に持つ階層化された貯蔵タンクである。熱バッファー貯蔵タンクは、加熱技術で使用されるタンクのような公知の階層化貯蔵タンクでもよい。この実施例では、冷却回路と加熱回路は、階層化貯蔵タンクを介して互いに接続され、冷却媒体は同時に加熱媒体である。この実施例は比較的単純である。
【0038】
他の実施例によれば、熱バッファー貯蔵タンクは、クーラーの加熱された冷却媒体用の冷却媒体入口につながれたエントランスを有し、クーラーの冷却媒体入口につながれた排出部を有する熱交換器を備えたバッファー貯蔵タンクであり、熱バッファー貯蔵タンクは、熱消費部の加熱媒体入口につながれた加熱された加熱媒体用の出口を上端に有し、熱消費部の加熱媒体出口につながれた冷却された加熱媒体用の入口を下端に有する。この設計では、冷却媒体と加熱媒体の回路は互いに分離している。これは、クーラーにおいて強く加熱された冷却媒体の蒸発を必要に応じて防止するために、冷却回路に過剰圧力を設定することを可能にする。
【0039】
他の実施例によれば、熱消費部は材料の小片を調整する手段(コンディショナー)、または木質ペレット等の固形顆粒を生産するプラントの別の熱消費部である。熱消費部の熱要件は、特に使用される出発原料の変化あるいは異なるスループットによって変動し得る。
【0040】
他の好適実施例によれば、冷却回路および/または加熱回路は循環ポンプを有する。循環ポンプを調整することによって、クーラーでの材料冷却、あるいはコンディショナーでの材料の加熱、それぞれを調節することができる。
【0041】
他の実施例では、防火および消火システムの使用が提供される。防火システムは例えば温度センサー、スパーク検出器およびスパーク消火器を有する。消火システムは例えば窒素貯蔵器と吹出し系を含む窒素充満系を含む。窒素は、排出床(長孔付き床)を通って下から仮に導入される。
【0042】
他の実施例によれば、クーラーは蒸気および残留蒸気を排出する手段に接続される。
【0043】
他の実施例によれば、クーラーは蒸気および残留蒸気を排出する手段に接続され、熱回収がその排出手段へ統合される。これは、プラントの熱効率をさらに高める。
【0044】
他の実施例によれば、容器が下記の媒体と流れ:つまり高圧電流、低圧電流、制御電流、給水、圧縮空気、排気、冷却液、熱媒体、湿潤素材、乾燥素材、微細物質、ペレットおよび細粒/ふるい分け材、の少なくとも1つのための特定のインターフェースを備える。特定のインターフェースはプラントの容器のモジュール組立またはそのかなりの部分を単純化する。
【0045】
他の実施例によれば、容器が水平方向または垂直方向に少なくとも1つのグループになって配置される。これは、異なる構成要素間の連絡線の複雑さを減らし、省スペース収容を促進する。
【0046】
他の実施例によれば、少なくとも1つの貯蔵手段が、容器から分離して配置された迅速設置式のサイロまたは急速設置式のホールを備える。迅速設置式のサイロまたは急速設置式のホールを使用することは特に経済的である。加えて、容器から分離した迅速設置式のサイロまたは急速設置式のホールは、防火・防爆のために有効である。
【0047】
以下、典型的な実施例の添付図を参照して本発明をさらに説明する。図中:−
【図面の簡単な説明】
【0048】
【
図3】熱回収の第2バージョンの部分概略図を示す。
【
図6】シャフト・クーラーのパイプ蛇行部の側面図を示す。
【
図7】シャフト・クーラーのパイプ蛇行部の正面図を示す。
【
図8】シャフト・クーラーの別のパイプ蛇行部の正面図を示す。
【
図9】シャフト・クーラーの概観図(外観図)を示す。
【
図10】シャフト・クーラーの概観図(内部図)を示す。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は発明の典型的な実施例を概略的に表現している。プラントの異なるモジュール800〜808が破線で囲まれている。好ましくは、モジュールはプラントの構成要素を収容した1つ以上の容器から成る。これは、本例ではモジュール800、801、802、804、805および807、808に該当する。本例で、モジュール803および806はサイロである。
【0050】
おがくず等の素材がトラックで配送され、素材受取り部1に搬入される。素材は現場で品質あるいはそれぞれ特徴によって分類されて貯蔵され、例えばホイール・ローダを使用して適切な混合物でプラントに供給されてもよい。
【0051】
プラントでは、素材はふるい2で分別され、大きな破片は湿式パルプ製造機3で柔らかくされ、細かい破片はバッファ・計測タンク5に加えられる。湿式パルプ製造機3で柔らかくされ、ふるい4を通過した後の細かい破片もバッファ・計測タンク5に加えられる。
【0052】
その後、ドライヤー6で乾燥されてから、貯蔵サイロ7で中間貯蔵される。次に、乾式粉砕機8へ測定運搬され、そこで材料は最適の粒径に粉砕される。その後、材料はコンディショナー9による押圧用に準備される。接着剤が供給されてもよいミキシングスクリュー10を通り抜けた後に、準備された素材はプレス11に入る。
【0053】
プレス11での押圧プロセスに続いて、高温のペレットはクーラー12で冷却され、貯蔵サイロ13へ導入されて貯蔵される。冷却プロセスから放出された熱は、熱バッファー貯蔵タンク14を経て測定された状態でコンディショナー9へ供給される。貯蔵された後に、ペレットは包装設備15で小さな包装にされるか、あるいは積込み設備16でバルク材として直接積み込まれる。
【0054】
ペレットの冷却と放出熱の利用は
図2を参照して説明する。
【0055】
クーラー12内の熱交換面を介して、ペレットからの熱は熱媒(水または熱媒油)へ伝導され、熱バッファー貯蔵タンク14へ運ばれる。熱バッファー貯蔵タンク14内で、高温の熱媒は上昇し、低温の熱媒は下へ沈む。準備された素材をコンディショナー内で予熱、調製するために必要に応じて、熱媒から熱エネルギーが伝導される。熱バッファー貯蔵タンク14は階層化されたタンクとして設計されていることが望ましく、シーケンス開始の際に温度を上げるために電気加熱ロッドまたは他の外部ヒーターを随意に装備することができる。
【0056】
代替の熱回収を
図3を参照して説明する。
【0057】
クーラー12内の熱交換面を介して、ペレットからの熱は熱媒A(水または熱媒油)へ伝導され、熱バッファー貯蔵タンク14へ運ばれる。その過程で、熱媒Aはクーラー12と熱バッファー貯蔵タンク14を通じて閉回路内を移動し、クーラー12と熱バッファー貯蔵タンク14を通る閉回路からの熱媒Bと直接に接触しない。必要な供給量は循環ポンプ101によって確保される。
【0058】
熱媒Aとして水を用いる設計バージョンでは、供給量を増加させることによってパイプ系でのいかなる蒸気生成をも防止するよう、循環ポンプ101の調整が行われる。別の設計バージョンは、蒸気の生成を防ぐために動作にわずかな過剰圧力を与える。この場合、熱交換器とラインの耐圧設計が提供される。
【0059】
熱バッファー貯蔵タンク14では、熱エネルギーが、チューブ熱交換器102によって熱バッファー貯蔵タンクのタンク内の熱媒B(水)に伝導される。準備された素材をコンディショナー内の平板熱交換器103で予熱、調製するために必要に応じて熱エネルギーが伝導される。必要な送出スピードは循環ポンプ104によって確保される。
【0060】
熱バッファー貯蔵タンク14は階層化されたタンクとして設計されていることが望ましく、シーケンス開始の際に温度を上げるために外部ヒーター(電気加熱ロッド等)105を随意に装備することができる。熱バッファー貯蔵タンク14の大きさおよびシステム制御は、クーラー12からの熱を一度に確実に取り出せるように構成される。
【0061】
シャフト・クーラー(
図9および
図10を参照)として設計されたクーラー12の設計と機能を
図4〜
図10を参照して説明する。
【0062】
高温のペレット(約90〜100°C)110は、箱形のクーラー・ハウジング410のカバー壁412の注入口100を通じて導入され、クーラー・ハウジング410の4つの側壁411内の平行かつ垂直のシャフト300の上方のカバー壁の下に配置されたドラッグ・チェーン・コンベヤ200で分散される。シャフト300より下の可動の長孔付き床350は シャフト300が満たされるまで閉じられたままである。冷却液450が熱交換器本体400によって案内され、ペレット110の熱エネルギーを吸収する。ペレット110は、連続的に均等にシャフト300内下方へと滑り込み、その速度は長孔付き床350のギャップ・サイズによって規制される。長孔付き床350を通り抜けた後、冷却されたペレット110は排出漏斗720によって排出スクリュー500に供給され、そこから排出される。排出漏斗720はクーラー・ハウジング410の下端に隣接する。カバー壁410の開口600は、高温のペレット110から蒸気、残留蒸気を放出する役目をする。更に、検査フラップ416がカバー壁412に設けられている。
【0063】
熱交換器本体400の設計が
図4〜
図8に示されている。
【0064】
熱交換器本体400は連結している曲がりくねったパイプ系として設計されている。熱交換器本体400は平行な水平パイプ部分401を有し、それらの端部は配管エルボ402によってつながれてパイプ蛇行部403を形成する。更に、隣接した水平パイプ部分401間に垂直バー404が設けられている。
【0065】
熱交換器本体400の2つのグループ405、406が設置され、異なるグループ405、406の熱交換器本体400の水平パイプ部分401は、各熱交換器本体400の2つの隣接する水平パイプ部分401間の距離Dの2分の1だけ互いからずれている。これは、シャフト300内のペレット110の横移動と接触面の拡大をもたらす。同時に、シャフト300内でのペレット110の釣り合った循環が生じ、冷却の均一性を高める。
【0066】
各パイプ蛇行部403は、その下端が下端マニホルド44で、上端が上端マニホルド441で終わる。下端マニホルド440は、クーラー12の側壁411中に下端開口442を持ち、それは冷却媒体入口となっている。上端マニホルド441は、クーラー12の側壁411中に上端開口443を持ち、それは冷却媒体出口となっている。冷却液450は、下端開口442を通ってクーラー12に入り、上端開口443を通ってそこから出る。
【0067】
プラントの1つ以上の構成要素は、水平または垂直向きの容器に完全に収容される。1つ以上の容器が、プラントのモジュール800〜808を形成する(
図1を参照)。
【0068】
図9および
図10は、完全なシャフト・クーラー712を収容した垂直向き容器700を示す。クーラー・ハウジング410の側壁411およびカバー壁412は、同時に容器700の外壁である。側壁411は容器700の下端まで延びることが望ましい。容器700は下端に底壁413を有することが望ましい。容器700はフレーム414を有し、側壁411、カバー壁412および床壁413が、フレーム414のフレーム部分415間の側部で、少なくとも部分的に囲まれたフレームを形成する開口417内に保持されることが望ましい。クーラーハウジング410および容器700の壁411、412とフレーム部分415との一体設計により、容器700の耐力構造要素は同時にクーラー12の要素であり、そのことは材料と重量の節約になる。
【0069】
図4、
図9および
図10によれば、制御キャビネット730、740が、冷却されたペレットを排出スクリュー500に供給する排出漏斗720の両側の容器700内スペースに配置される。エネルギーおよびデータ用のインターフェース750が制御キャビネット730、740に設けられる。その箇所の容器700の壁に検査フラップまたは検査開口731、741が設けられることが望ましい。
【符号の説明】
【0070】
1 … 素材受取り部
2 … ふるい
3 … 湿式パルプ製造機
4 … ふるい
5 … バッファ・計測タンク
6 … ドライヤー
7 … 貯蔵サイロ
8 … 乾式粉砕機
9 … コンディショナー
10 … ミキシングスクリュー
11 … プレス
12 … クーラー
13 … 貯蔵サイロ
14 … 熱バッファー貯蔵タンク
15 … 包装システム
16 … 積込み設備
100 … 注入口
101 … 循環ポンプ
102 … パイプ熱交換器
103 … パイプ熱交換器
104 … 循環ポンプ
105 … 外部ヒーター
110 … ペレット
200 … ドラッグ・チェーン・コンベヤ
300 … シャフト
350 … 長孔付き床
400 … 熱交換器本体
401 … 水平パイプ部分
402 … 配管エルボ
403 … パイプ蛇行部
404 … 垂直バー
405 … グループ
406 … グループ
410 … クーラー・ハウジング
411 … 側壁
412 … カバー壁
413 … 床壁
414 … フレーム
415 … フレーム部分
416 … 検査フラップ
417 … 開口
440 … 下端マニホルド
441 … 上端マニホルド
442 … 下端開口
443 … 上端開口
450 … 冷却液
500 … 排出スクリュー
600 … 開口
700 … 容器
712 … シャフト・クーラー
720 … 排出漏斗
730 … 制御キャビネット
731 … 検査開口
740 … 制御キャビネット
741 … 検査開口
750 … エネルギーおよびデータ用インターフェース
800〜808 … モジュール
【国際調査報告】