(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】特表2017-501569(P2017-501569A)
(43)【公表日】2017年1月12日
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
H01L 21/31 20060101AFI20161216BHJP
C23C 16/52 20060101ALI20161216BHJP
H01L 21/683 20060101ALI20161216BHJP
【FI】
H01L21/31 B
C23C16/52
H01L21/68 N
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-536239(P2016-536239)
(86)(22)【出願日】2014年12月10日
(85)【翻訳文提出日】2016年6月2日
(86)【国際出願番号】KR2014012123
(87)【国際公開番号】WO2015105284
(87)【国際公開日】20150716
(31)【優先権主張番号】10-2014-0003063
(32)【優先日】2014年1月9日
(33)【優先権主張国】KR
(81)【指定国】
AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,ST,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ
(71)【出願人】
【識別番号】509123895
【氏名又は名称】ユ−ジーン テクノロジー カンパニー.リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002398
【氏名又は名称】特許業務法人小倉特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジェ,ソン−テ
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジェ−ホ
(72)【発明者】
【氏名】チェ,サン−ホ
(72)【発明者】
【氏名】ユン,スン−ヒョン
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
5F131
【Fターム(参考)】
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA11
4K030FA10
4K030GA06
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4K030LA15
5F045AA06
5F045AB31
5F045BB01
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5F045DP03
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5F131EA23
5F131EA24
5F131EB81
(57)【要約】
本発明の一実施形態によると,基板処理装置は,基板に対する工程が行われる内部空間を提供するチャンバと,前記内部空間に設置されて上部に前記基板が置かれるサセプタと,前記サセプタの周りに沿って前記チャンバの側壁に形成された排気ポートの上に設置されて複数の貫通孔を有する固定プレートと,前記固定プレートの上部または下部に設置されて前記サセプタの中心を基準に回転可能であり,前記貫通孔を選択的に開閉する一つ以上のスライディングプレートと,を含む。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対する工程が行われる内部空間を提供するチャンバと,
前記内部空間に設置されて上部に前記基板が置かれるサセプタと,
前記サセプタの周りに沿って前記チャンバの側壁に形成された排気ポートの上に設置されて複数の貫通孔を有する固定プレートと,
前記固定プレートの上部または下部に設置されて前記サセプタの中心を基準に回転可能で,前記貫通孔を選択的に開閉する一つ以上のスライディングプレートと,を含む基板処理装置。
【請求項2】
前記基板処理装置は,
前記サセプタの周りに沿って配置されて前記サセプタと前記排気ポートとの間に形成される排出口の上に設置され,内面にそれぞれ形成された複数の上部排気孔及び下部排気孔を備える排気プレートを更に含む請求項1記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記固定プレート及び前記スライディングプレートの上端は前記上部排気孔の下部に配置される請求項2記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記固定プレートはリング状を有し,
前記スライディングプレートは複数の円弧状に互いに離隔配置される請求項1記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記スライディングプレートは,
前記固定プレートの上部に配置されて排出孔が貫通形成される上部プレートと,
前記上部プレートの外周面に沿って連結されて前記チャンバの側壁に沿って移動可能な磁性体を備える側面プレートと,を更に備える請求項1記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記基板処理装置は,
前記チャンバの外壁と離隔設置されて外部から遮断された移送経路を提供するハウジングと,
前記ハウジング内に設置されて前記移送経路を複数の移送区間に区画する遮断板と,
前記移送区間にそれぞれ設置されて前記側面プレートに磁力を加えて共に移動可能である磁石と,
前記遮断板と前記磁石との間にそれぞれ設置されて前記磁石に向かって弾性力を提供する弾性部材と,
前記移送区間にそれぞれ設置されて前記磁石が前記遮断板に向かって移動可能になるように油圧を提供する油圧ラインと,を更に含む請求項5記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記スライディングプレートは,前記磁石によって
前記貫通孔と前記排出孔が互いに対応する位置で連通される開放位置と,
前記貫通孔を閉鎖する遮断位置と,に転換可能である請求項6記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記基板処理装置は,
前記油圧ラインの上にそれぞれ設置されて前記油圧ラインの流量を調節する流量調節器と,
前記流量調節器とそれぞれ接続されて前記流量調節器を制御するコントローラと,を更に含む請求項6記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記チャンバは,
上部が開放されて基板に対する工程が行われる内部空間を提供するチャンバ本体と,
前記チャンバ本体の上部に設置されて前記チャンバ本体の上部を閉鎖するチャンバリッドと,を備え,
前記基板処理装置は,
前記チャンバリッドに形成されて前記内部空間に向かってガスを供給する供給ポートを有する請求項1記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板処理装置に関するものであり,より詳しくは,排気ポートの上に設置された固定プレート及びスライディングプレートを利用してチャンバの内部空間に供給されたガスが排気される流動経路を調節可能な基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置はシリコーン基板の上に多くの層(layers)を有しており,このような層は蒸着工程を介して基板の上に蒸着される。このような蒸着工程はいくつかの重要な課題を有しており,このような課題は蒸着された膜を評価し蒸着方法を選択する際に重要である。
【0003】
上記課題の第一は,蒸着された膜の「質」(quality)である。これは組成(composition),汚染度(contamination levels),欠陥密度(defect density),そして機械的,電気的特性(mechanical and electrical properties)を意味する。膜の組成は蒸着条件に応じて変更する可能性があり,これは特定の組成(specific composition)を得るために非常に重要である。
【0004】
上記課題の第二は,ウェハを横切る均一な厚さ(uniform thickness)である。特に,段差(step)が形成された非平面(nonplanar)形状のパターンの上部に蒸着された膜の厚さが非常に重要である。蒸着された膜の厚さが均一であるか否かは,段差がある部分に蒸着された最小厚さをパターンの上部面に蒸着された厚さで除した値として定義されるステップカバレッジ(step coverage)により判定する。
【0005】
蒸着に関する更に別の課題は空間の充填(filling space)である。これは金属配線(metal line)の間を,酸化膜を含む絶縁膜で充填するギャップフィリング(gap filling)を含む。ギャップは金属配線を物理的及び電気的に絶縁するために提供する。特に,このような課題のうち,均一度は蒸着工程に関する重要な課題の一つであり,蒸着工程は真空雰囲気を形成した工程チャンバ内で行われる。
【0006】
基板は,工程チャンバ内にローディングされ,シャワーヘッドは基板の上部に設置されてシャワーヘッドを介して供給された工程ガスは基板の上に蒸着されて所望の薄膜を形成する。一方,蒸着工程は排気過程と共に行われ,排気過程で蒸着を介して発生した工程副産物及び未反応ガスは工程チャンバの外部に排出される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は,側方排気方式を利用した基板処理装置を提供することにある。
本発明の更に別の目的は,均一な排気を介して基板の上に蒸着された薄膜の均一度を確保する基板処理装置を提供することにある。
【0008】
本発明の他の目的は以下の詳細な説明と添付した図面からより明確になるはずである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一実施形態によると,基板処理装置は,基板に対する工程が行われる内部空間を提供するチャンバと,前記内部空間に設置されて上部に前記基板が置かれるサセプタと,前記サセプタの周りに沿って前記チャンバの側壁に形成された排気ポートの上に設置されて複数の貫通孔を有する固定プレートと,前記固定プレートの上部または下部に設置されて前記サセプタの中心を基準に回転可能であり,前記貫通孔を選択的に開閉する一つ以上のスライディングプレートと,を含む。
【0010】
前記基板処理装置は,前記サセプタの周りに沿って配置されて前記サセプタと前記排気ポートとの間に形成される排出孔の上に設置され,内面にそれぞれ形成された複数の上部排気孔及び下部排気孔を備える排気プレートを更に含む。
【0011】
前記固定プレート及び前記スライディングプレートの上端は前記上部排気孔の下部に配置される。
【0012】
前記固定プレートはリング状を有し,前記スライディングプレートは複数の円弧状に互いに離隔配置される。
【0013】
前記スライディングプレートは,前記固定プレートの上部に配置されて排出孔が貫通形成される上部プレートと,前記上部プレートの外周面に沿って連結されて前記チャンバの側壁に沿って移動可能であり,磁性体を備える側面プレートと,を更に備える。
【0014】
前記基板処理装置は,前記チャンバの外壁と離隔設置されて外部から遮断された移送経路を提供するハウジングと,前記ハウジング内に設置されて前記移送経路を複数の移送区間に区画する遮断板と,前記移送空間にそれぞれ設置されて前記側面プレートに磁力を加えて共に移動可能である磁石と,前記遮断板と前記磁石との間にそれぞれ設置されて前記磁石に対して弾性力を提供する弾性部材と,前記移送区間にそれぞれ設置されて前記磁石が前記遮断板に向かって移動可能になるように油圧を提供する油圧ラインと,を更に含む。
【0015】
前記スライディングプレートは,前記磁石によって,前記貫通孔と前記排出孔が互いに対応する位置で連通される開放位置と,前記貫通孔を閉鎖する遮断位置と,に転換可能である。
【0016】
前記基板処理装置は,前記油圧ラインの上にそれぞれ設置されて前記油圧ラインの流量を調節する流量調節器と,前記流量調節器とそれぞれ連結されて前記流量調節器を制御するコントローラと,を更に含む。
【0017】
前記チャンバは,上部が開放されて基板に対する工程が行われる内部空間を提供するチャンバ本体と,前記チャンバ本体の上部に設置されて前記チャンバ本体の上部を閉鎖するチャンバリッドと,を備え,前記基板処理装置は前記チャンバリッドに形成されて前記内部空間に対してガスを供給する供給ポートを有する。
【発明の効果】
【0018】
本発明の一実施形態によると,チャンバの内壁に沿って形成された排気ポートの上に設置された固定プレート及びスライディングプレートを介してチャンバの内部空間に供給された工程ガスの排気流動を制御することができる。また,基板の上に供給された工程ガスの流れを制御することで,均一な薄膜を形成して基板の生産性及び品質を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の一実施形態による基板処理装置を概略的に示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態による基板処理装置を概略的に示す図である。
【
図4】
図1に示す固定プレート及びスライディングプレートを拡大した図である。
【
図5】
図2に示すスライディングプレートの待機位置を示す図である。
【
図6】
図2に示すスライディングプレートの待機位置を示す図である。
【
図7】
図2に示すスライディングプレートの作動位置を示す図である。
【
図8】
図2に示すスライディングプレートの作動位置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下,本発明の好ましい実施形態を添付した
図1乃至
図9を参照して,より詳細に説明する。本発明の実施形態は様々な形に変形されてもよく,本発明の範囲が後述する実施形態に限定されると解釈してはならない。本実施形態は,当該発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明を,より詳細に説明するために提供されるものである。よって,図面に示す各要素の形状はより明確な説明を強調するために誇張されている可能性がある。
【0021】
一方,以下では蒸着装置を例に挙げて説明するが,本発明は基板支持ユニットを備える多様な基板処理装置に応用可能である。また,以下ではウェハWを例に挙げて説明するが,本発明は多様な被処理体に応用されてもよい。
【0022】
図1及び
図2は,本発明の一実施形態による基板処理装置を概略的に示す図である。また,
図3は
図1に示すAを拡大した図であり,
図4は
図1に示す固定プレートとスライディングプレートを拡大した図である。
図1乃至
図4に示すように,基板処理装置100はチャンバ本体10及びチャンバリッド(chamber lid)20を含む。チャンバ本体10は上部が開放された形状であり,チャンバリッド20はチャンバ本体10の開放された上部を開閉する。チャンバリッド20がチャンバ本体10の開放された上部を閉鎖すると,チャンバ本体10及びチャンバリッド20は外部から閉鎖された内部空間3を形成する。また,
図2に示すように内部空間3の断面は円形であり,チャンバ本体10は両側面から陥没されて内部空間3と同じ中心を有する曲面状の陥没部を有する。後述する第1及び第2ハウジング60,70は陥没部の上に設置される。
【0023】
基板Wはチャンバ本体10の一側に形成された通路5を介して内部空間3にローディングされ,サセプタ40は内部空間3に設置される。ローディングされた基板Wはサセプタ40の上部面に置かれ,サセプタ40の下部には支持軸45が連結される。支持軸45はサセプタ40を支持し,工程進行中にサセプタ40を回転する。また,支持軸45は下部に連結された昇降手段(図示せず)に連結されて昇降する。
【0024】
シャワーヘッド30は大よそ平板状であり,チャンバ本体10とチャンバリッド20の間に設置される。よって,チャンバ本体10の開放された上部はシャワーヘッド30及びチャンバリッド20によって閉鎖される。一方,シャワーヘッド30は別途の締結部材を介してチャンバリッド20の下部面に固定され,チャンバ本体10の開放された上部はチャンバリッド20によって閉鎖される。
【0025】
供給ポート25はチャンバリッド20に形成され,工程ガスは供給ポート25を介して内部空間3に供給される。シャワーヘッド30は陥没した上部面を有し,陥没した上部面はチャンバリッド20の下部面から離隔されてバッファ空間12を形成する。工程ガスは供給ポート25を介してバッファ空間12内に取り込まれ,シャワーヘッド30を介して内部空間3に供給される。
【0026】
また,バッファ空間12にはバッファプレート35が設置され,バッファプレート35は供給ポート25を介して供給された工程ガスを1次拡散した後,シャワーヘッド30を介して再拡散して均一な工程ガスを基板Wの上に供給する。シャワーヘッド及びバッファプレートはそれぞれ複数の噴射孔32,37を有し,工程ガスはそれぞれの噴射孔32,37を有して基板Wに対して噴射される。工程ガスは基板Wの表面に移動して基板Wの表面でサセプタ40の内部に設置されたヒータを介して分解されて薄膜を形成する。工程ガスは薄膜の種類に応じて選択される。
【0027】
排気ポート15はチャンバ本体10の側壁に沿って形成される。排気プレート50はサセプタ40の周りに配置されてサセプタ40と排気ポート15の間に形成される排出孔16の上に設置される。また,排気プレート50の上には排気プレート50を貫通する上部及び下部排気孔52,54が形成され,基板Wに対する工程進行の際に発生する反応副産物及び未反応ガスは排気プレート50の上部排気孔52または下部排気孔54を通過して排気ポート15に排気される。排気ポート15は排気ライン17と連結され,排気バルブ18は排気ライン17の上に設置されて排気ライン17を開閉する。また,排気ポンプ19は排気ライン17の上に設置されて排気ライン17を介して反応副産物及び未反応ガスを外部に強制排出する。
【0028】
固定プレート80はリング状を有し,排気ポート15に沿って設置される。固定プレート80は複数の貫通孔85を有し,貫通孔85は予め設定された間隔に離隔されて形成される。スライディングプレート90は固定プレート80の上部(または,下部)に接して配置され,スライディングプレート90にも固定プレート80の貫通孔85に対応する大きさの排出孔95が形成される。スライディングプレート90は複数を互いに離隔させて配置されていてもよく,固定プレート80と同じ曲率半径を有する円弧状であってもよい。
【0029】
スライディングプレート90は排出孔95が備えられる上部プレート91及び上部プレート91の外周面に沿って大よそ垂直に起立して連結される側面プレート92を含む。側面プレート92はチャンバ本体10の陥没部に位置してチャンバ本体10の内壁に接して移動可能であり,内面に磁性体94が備えられる。チャンバ本体10の陥没した外壁に沿って両側にそれぞれ第1及び第2ハウジング60,70が設置され,第1及び第2ハウジング60,70はチャンバ本体10の内部に設置された側面プレート92の外側に沿って互いに平行に配置される。
【0030】
第1及び第2ハウジング60,70はチャンバ本体10の外壁に沿って設置され,外部から遮断された第1及び第2移送経路61,71を提供する。第1及び第2移送経路61,71上には複数の遮断板63A,63B,63C…63Hが備えられ,遮断板63A,63B,63C…63Hは第1及び第2移送経路61,71を複数の移送区間A,B,C…Hに区画する。移送区間A,B,C…Hは外部から遮断されて移送区間A,B,C…H内で発生したパーティクルが外部に流出されることを防止する。
【0031】
それぞれの移送区間A,B,C…H内には磁石65A,65B,65C…65Hが設置され,それぞれの磁石65A,65B,65C…65Hは側面プレート91に備えられた磁性体94に磁力を与えてそれぞれの磁石65A,65B,65C…65Hに対応するスライディングプレート90を移動させる。また,磁石65A,65B,65C…65Hと遮断板63A,63B,63C…63Hの間にはそれぞれ弾性部材67A,67B,67C…67Hが設置され,弾性部材67A,67B,67C…67Hは磁石65A,65B,65C…65Hに向かって対して弾性力を提供する。それぞれの移送区間A,B,C…Hには磁石65A,65B,65C…65Hが前記遮断板63A,63B,63C…63Hに向かって移動するように油圧(または,空圧)を提供する油圧ライン62A,62B,62C…62H(または,空圧ライン)が連結される。
【0032】
また,油圧ライン62A,62B,62C…62Hの上にはそれぞれ油圧ライン62A,62B,62C…62Hの流量を調節する流量調節器120(例えば,バルブやMFC(mass flow controller))が設置され,コントローラ110はそれぞれの流量調節器120A,120B,120C…120Hとそれぞれ接続される。コントローラ110は予め設定された流量調節器120A,120B,120C…120Hを制御して磁石65A,65B,65C…65Hを移送させることで,スライディングプレート90を回転して反応副産物及び未反応ガスを,排気ポート15を介して外部に排気する。
【0033】
図5乃至
図8は,
図2に示すスライディングプレートの作動過程を示す図である。
図5及び
図6はスライディングプレートの待機位置を示す図であり,
図7及び
図8はスライディングプレートの作動位置に転換された状態を示す図である。上述したように,固定プレート80の上部にはスライディングプレート90が配置されてサセプタ40の中心を基準に回転する。固定プレート80には複数の貫通孔85が形成される。貫通孔85はそれぞれ予め設定された間隔に配置され,例えば,それぞれの貫通孔85は固定プレート80の中心から11.25度の間隔に形成される。
【0034】
図5及び
図6に示すように,スライディングプレート90は円弧状であり,それぞれのスライディングプレート90は固定プレート80の中心から33.75度の中心角を有する。スライディングプレート90の中央部には排出孔95が形成され,スライディングプレート90の待機位置で貫通孔85と排出孔95がそれぞれ連通されることで反応副産物及び未反応ガスは排気ポート15に排気される。
【0035】
チャンバ本体10の陥没した両側部にはそれぞれ第1及び第2ハウジング60,70が設置され,第1及び第2ハウジング60,70はチャンバ本体10の陥没部に沿って連結されてそれぞれ外部から閉鎖される第1及び第2移送経路61,71を有する。第1及び第2ハウジング60,70はチャンバ本体10の中央に対し互いに対称の形状を有し,第1及び第2ハウジング60,70内には第1及び第2移送経路61,71を複数の移送区間A,B,C…Hに区画する遮断板63A,63B,63C…63Hがそれぞれ設置される。
【0036】
第1ハウジング60内には反時計方向に第1乃至第4遮断板63A,63B,63C,63Dがそれぞれ設置され,第1ハウジング60の移送区間は第1乃至第4遮断板63A,63B,63C,63Dによって第1乃至第4移送経路A,B,C,Dに区画される。第1移送経路Aには第1磁石65Aが備えられ,第1磁石65Aは一つのスライディングプレート90の下部に設置された磁性体94間の引力を介して第1磁石65Aが移動することで第1磁石と対応するスライディングプレート90も共に移動する。
【0037】
それぞれの移送経路(A乃至H)には磁石65が設置され,それぞれの磁石65A,65B,65C…65Hはそれぞれのスライディングプレート90に備えられる磁性体94と対応するように配置される。遮断板63A,63B,63C…63Hと磁石65A,65B,65C…65Hの間にはそれぞれ弾性部材67A,67B,67C…67Hが設置され,弾性部材67は磁石65に向かって弾性力を提供する。
【0038】
それぞれの移送経路(A乃至H)には油圧ライン(または,空圧ライン)が連結され,油圧ラインを介して磁石65に油圧を提供することで磁石65が移動する。それぞれの油圧ライン(または,空圧ライン)の上には流量(または,油圧)を調節する流量調節器120が設置され,コントローラ110はそれぞれの流量調節器120と連結されて流量調節器120を調節することで磁石65の移動を制御する。
【0039】
図7乃至
図8に示すように,磁石65が移動することで磁石65に対応するスライディングプレート90も共に移動し固定プレート80の貫通孔85を開閉する。すなわち,コントローラ110を介して予め設定された移送経路A,B,C…Hのうちいずれかの一つ以上に空圧を加えて磁石65を移動することで磁石65と対応するスライディングプレート90も共に移動可能である。よって,スライディングプレート90は待機位置から工程位置に転換されることで未反応ガス及び反応副産物の排気の流れを制御する。
【0040】
詳しくは,シャワーヘッド30を介して噴射された工程ガスは基板Wの上部に供給され,基板Wがサセプタ40によって加熱された状態で工程ガスは基板Wの表面と反応して薄膜を形成する。この際,薄膜の厚さは工程ガスの供給量に比例するが,基板Wの表面のうち少量の工程ガスが供給された部分は薄膜の厚さが薄く,多くの工程ガスが供給された部分は薄膜の厚さが厚い。よって,工程ガスが基板Wの全体の表面に対して均一に供給される場合,薄膜は均一な厚さを有する。
【0041】
しかし,薄膜の厚さは工程ガスの供給量以外にもサセプタ40の加熱温度にも比例し,基板Wの表面のうち加熱温度が低い部分は薄膜の厚さが薄く,加熱温度が高い部分は薄膜の厚さが厚い。よって,サセプタ40の加熱温度が均一である場合,薄膜は均一な厚さを有することから,全体的に均一な加熱温度を有するサセプタ40が理想的である。
【0042】
しかし,現実的に完璧に均一な加熱温度を有するサセプタ40を製造することは不可能である。特に,近年,基板Wのサイズが大型化するにつれ,サセプタ40のサイズも共に増加する傾向にある。それによって,基板W上に均一な温度分布を形成することが困難である。すなわち,基板Wを工程温度に加熱する過程で,ヒータの故障または性能低下,そしてヒータの輻射熱が局部的に不均衡になる恐れがある。
【0043】
他にも,薄膜の厚さに影響を及ぼす因子(factor)は多様であり,均一な厚さを有する薄膜を形成するためには上述した因子のうち一部を人為的に調整する必要がある。よって,本発明の実施形態では工程ガスの供給量を基板Wの部分によって人為的に不均一に調整し均一な厚さを有する薄膜を基板Wの表面全体に形成し,工程ガスの供給量は排気ポート15を介して排出されるガスの流量に比例するため,基板Wの部分によってガスの排出量を人為的に不均一に調整する。
【0044】
例えば,ダミー(dummy)基板Wを利用して薄膜を形成してから薄膜の厚さを測定する。この際,
図6に示すように,全ての貫通孔85と排出孔95を連通して基板Wの表面の各領域に面積比に応じて均一に工程ガスを供給する。次に,
図8に示すように,測定された薄膜の厚さに比例して貫通孔85と排出孔95を交互に配置することで貫通孔85を選択的に閉鎖する。よって,基板Wの表面の各領域に供給される工程ガスの供給量を調節することができる。
【0045】
すなわち,基板Wの表面の特定領域で薄膜の厚さが基準値より厚い場合,該当領域の外側に隣接した貫通孔85を閉鎖して工程ガスの量を減少させる。このような方法を介して何回かの調整過程を経ると均一な厚さを有する薄膜を形成することができ,均一な厚さの薄膜が形成された基板Wを利用して後の工程を行うことができる。
【0046】
本発明を好ましい実施形態を介して詳細に説明したが,それらとは異なる実施形態ないし実施例も可能である。よって,後述する特許請求の範囲の技術的思想と範囲は好ましい実施形態に限定されない。
【0047】
発明を実施するための形態
図9は,
図2に示す基板処理装置の変形例である。
図9に示すように,油圧方式は駆動モータ130A,130B,130C…130Hを介した駆動方式に代替されてもよい。すなわち,それぞれの磁石65A,65B,65C…65Hはそれぞれ対応する駆動モータ130A,130B,130C…130Hによって移動可能であり,駆動モータ130A,130B,130C…130Hの動力はギアなどを介して磁石65A,65B,65C…65Hに伝達される。また,それぞれの駆動モータ130A,130B,130C…130Hはコントローラ110を介して個別に制御することができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は,多様な形態の半導体製造設備及び製造方法に応用される。
【国際調査報告】