【課題を解決するための手段】
【0004】
従って、本発明の課題は、特に容易に操作される、音楽または口述された物語を再生するための玩具を提案することである。さらに、特に容易に操作される、オーディオ情報を再生するための装置と、画像情報、ビデオ情報または3D情報を再生するための装置またはソフトウェアを実行するための装置並びにオーディオ情報を再生するための方法と、画像情報、ビデオ情報または3D情報を再生するための方法またはソフトウェアを実行するための方法が提案される。同様に、特に、玩具または上記の装置のうちの1と協働することができる、または、上記の方法のうちの1つにおいて使用可能である識別子担体が提案される。
【0005】
本発明は、玩具の一部として若しくは装置の一部としてセンサを使用する、並びに、コントロールユニットを設けるという基本的なコンセプトに基づいている。ここでこのセンサは、自身の周辺領域内で、特性またはこの周辺の特性の変化を検出することができる。センサが自身の周辺領域内で、特定の特性またはこの周辺の特性の特定の変化を検出すると、このコントロールユニットは、所望の駆動制御を行うことができる。このようなセンサとこのようなコントロールユニットとを有している装置、並びに、上述のセンサおよび上述のコントロールユニットを使用する方法によって、特に容易な操作が可能になる。所望の情報を再生するために、若しくは、ソフトウェアを実行するために、本発明では、この周辺に、センサによって検出可能な特定の特性を与える、若しくは、センサによって検出可能な、この周辺の特性の変更を実行すればよい。これによって、本発明の特に有利な実施形態では、直接的に、所望の情報の再生若しくはソフトウェアの実行が生起される。
【0006】
本発明によって提供される、容易な操作コンセプトは、特に良好に、音楽または口述された物語を再生するための玩具において実行される。しかし、この容易な操作コンセプトが、概ね、オーディオ情報を再生するための装置においても、むしろ、画像情報、ビデオ情報または3D情報を再生するための装置においても、またはソフトウェアを実行するための装置においても利点を供することが判明している。画像情報、ビデオ情報または3D情報の再生またはソフトウェアの実行の特殊性が明記されていない限り、または、オーディオ情報の再生時にのみ関連する特殊性が明記されている限り、後続の説明では本発明を、玩具としての使用の幅広い使用領域を代表して、画像情報、ビデオ情報または3D情報の再生、または、ソフトウェアの実行の代わりに、オーディオ情報の再生の有利な使用領域に基づいて説明する。画像情報、ビデオ情報または3D情報の再生の使用領域に対しては、後続の説明においてスピーカーまたはスピーカー端子の駆動制御が記載されている場合には、これによって、画像情報、ビデオ情報または3D情報を再生するためのディスプレイまたはディスプレイ用端子の駆動制御も意図されている。ソフトウェアの実行の使用領域に対しては、後続の説明においてスピーカーまたはスピーカー端子の駆動制御が記載されている場合には、これによって、ソフトウェアを実行するためのプロセッサの駆動制御も意図されている。玩具は、オーディオ情報を再生するための装置の特別な実施形態でもある。オーディオ情報は特に、再生されるべきオーディオ情報が音楽または口述された物語であるということによって具体化される。
【0007】
本発明の装置および本発明の方法は、従来の様式のMP3プレーヤーと比較可能であるように、MP3プレーヤーに記憶された情報に基づく、オーディオ情報の再生のために使用可能である。これによって、CDの使用が回避される。これと同時に本発明は、従来のMP3プレーヤーの操作コンセプトを簡易化する。センサ周辺の特定の特性の設定若しくは特性の特定の変更の設定によって既に、本発明の有利な実施形態では、オーディオ情報が迅速に再生される。これによって、従来のMP3プレーヤーにおいてしばしば、特に子供にとって煩雑であった操作コンセプトが省かれる。従って本発明の装置および本発明の方法は特に良好に、子供用玩具での使用に適している。しかし簡易化されたこの操作コンセプトは、大人にとってもオーディオ情報を特に容易に再生することを可能にする。
【0008】
本発明の使用領域は、オーディオ情報、特に曲、口述されたテキストまたは曲と口述されたテキストとが組み合わされたものの再生である。このようなオーディオ情報の再生持続時間は、特に、有利には少なくとも10秒であり、好ましくは15秒を超え、特に有利には20秒を超え、特別に有利には25秒を超える。むしろ、特に有利な実施形態では、オーディオ情報の再生持続時間は少なくとも30秒続き、特別に有利には1分を超えて続き得る。例えば、特に有利には本発明によって再生されるべき放送劇は、しばしば、5分を超える長さを有しており、場合によっては30分以上にもなる。本発明によって再生されるべきオーディオ情報は、特に、確認信号ではない。特に、本発明によって再生されるべきオーディオ信号は、例えば第1の対象物が第2の対象物に対して正しく配向されたときに出力され得る確認応答音ではない。同様に、オーディオ情報は、特に有利には、第1の対象物が第2の対象物に近づいた時に、または、事前に定められた、第2の対象物に対して相対的な特定の位置に来たときに再生されるジングルではない。本発明は、楽曲または口述されたテキストの場合のように、再生持続時間が比較的長いオーディオ情報に関する。オーディオ情報は特に有利には、その再生時に異なる音色が非周期的な順番で再生されるようなオーディオ情報である。
【0009】
本発明の装置のスピーカーは、特に有利には、電気信号を機械的な振動(音)に変換する変換器である。
【0010】
本発明の装置が、スピーカーの代わりに、スピーカー端子を有していてもよい。これは例えば、スピコン端子、XLR端子または例えば6.35mmのジャックソケットである。コントロールユニットがスピーカー端子を駆動制御するので、コントロールユニットは、スピーカー端子にスピーカーが接続されている場合に、このスピーカーも駆動制御することができる。スピーカー端子が送信ユニットであってもよい。この送信ユニットは、無線で、例えばBluetooth
(R)を介して、または、WLAN無線網を介して、スピーカーと通信することができる。しかし、特に有利には、この送信ユニットは、WLAN無線網を用いてスピーカーと通信するのではなく、例えば、Bluetooth
(R)を介してスピーカーと通信する。同様に、この装置は、スピーカー端子として、または、画像情報、ビデオ情報または3D情報を再生するためのディスプレイ用の端子として、スマートフォンのドッキングステーションとコンパチブルな端子を有することができる。さらに、スマートフォン用のドッキングステーションが、スマートフォンの駆動制御命令に基づいて、スピーカー、または、画像情報、ビデオ情報または3D情報を再生するためのディスプレイを駆動制御するのに使用されてよい。本発明の装置が、このようなドッキングステーションとコンパチブルな端子を有しており、スマートフォンの代わりに、このドッキングステーションと接続されることによって、本発明の装置のコントロールユニットは、このドッキングステーションと接続されているスピーカーまたはこのドッキングステーションと接続されている、画像情報、ビデオ情報または3D情報を再生するためのディスプレイを駆動制御することができる。ドッキングステーションは、ケーブルによって、スピーカーまたは画像情報、ビデオ情報または3D情報を再生するためのディスプレイと接続されていてよい。しかしドッキングステーションがケーブルを用いずに、例えば無線網を介して、スピーカーまたは画像情報、ビデオ情報または3D情報を再生するためのディスプレイと接続されていてもよい。スピーカー端子または画像情報、ビデオ情報または3D情報を再生するためのディスプレイ用の端子の駆動制御の特殊性が明記されていない限り、後続の説明では、本発明は、スピーカー端子または画像情報、ビデオ情報または3D情報を再生するためのディスプレイ用の端子の駆動制御のさらなる可能性を代表して、スピーカーの駆動制御の有利な使用領域に基づいて説明されている。スピーカー端子または画像情報、ビデオ情報または3D情報を再生するためのディスプレイ用の端子の駆動制御の使用領域に対しては、後続の説明においてスピーカーまたは画像情報、ビデオ情報または3D情報を再生するためのディスプレイの駆動制御が記載されている場合には、これによって、スピーカー端子または画像情報、ビデオ情報または3D情報を再生するためのディスプレイ用の端子の駆動制御も意図されている。
【0011】
有利な実施形態では、本発明の装置は、少なくとも2つのスピーカーを有している。従って、オーディオ情報をステレオで再生することが可能になる。
【0012】
本発明の装置では、自身の周辺領域内で特性を検出することができるセンサが使用される。同様に、自身の周辺領域内で、この周辺の特性の変化を検出することができるセンサも使用可能である。同様に、自身の周辺領域内での特性の検出も、自身の周辺領域内での、この周辺の特性の変化の検出も行うことができるセンサが使用可能である。
【0013】
有利な実施形態では、センサは例えば、自身の周辺の特定の領域における磁界の強さを検出することができる。センサは、この磁界の強さに依存する信号を生成することができ、この信号はコントロールユニットに供給される。コントロールユニットが、この信号が特定の所定の値に達したことを識別すると、コントロールユニットは、センサが自身の周辺領域内で、特定の特性、すなわち磁界の特定の強さを検出した、ということを識別する。これに従って、コントロールユニットは、オーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御することができる。
【0014】
付加的な、または、択一的な実施例では、センサは、磁界強度の変化を、自身の周辺領域内で検出し、例えば、コントロールユニットに供給される信号を生成することができる。この信号は、磁界強度の変化速度または磁界強度の方向(磁界が強まっているかまたは弱まっているか)に依存している。この信号が供給されたコントロールユニットが、この変化が所定の値に達したことを識別すると、コントロールユニットは、オーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御することができる。
【0015】
付加的な、または、択一的な実施形態では、センサは、自身の周辺の特定の領域において、磁界が優先方向に対して相対的な特定の磁界方向を有することを検出することができる。特に有利にはセンサは、磁界が優先方向を有していないことを検出することができる。特に有利には、センサはむしろ、磁界の磁界方向が、優先方向に対して相対的にどのような角度で位置しているのかを検出することができる。この実施形態では、センサは、コントロールユニットに、信号によって、次のことを伝達する。すなわち、磁界の磁界方向が、優先方向に相当していないということを伝達する。この信号に基づいて既に、コントロールユニットは、オーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御することができる。択一的な実施形態では、むしろセンサはコントロールユニットに、信号を介して、磁界の磁界方向が優先方向に対してどのような角度で位置しているのかを伝達することができる。ここでは、磁界の磁界方向が優先方向に対して所定の角度で位置している場合に、コントロールユニットが、オーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御するように、設定が可能である。
【0016】
同様に、コントロールユニットがセンサの信号を評価する実施例が可能である。この信号は、優先方向に対して相対的な磁界の磁界方向の角度に依存しており、磁界の磁界方向が特定の様式で優先方向に対して変化すると、コントロールユニットはオーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御する。これは例えば、優先方向に対して相対的に特定の方向で変化した場合、または、例えば、優先方向に対して相対的に所定の速度で変化した場合、または、所定の時間を介した、優先方向に対して相対的な変化プロファイルを有する場合でもある。ここで変化プロファイルは、特に、磁界の磁界方向が優先方向に対して成す種々の角度の時間的なシーケンスである。
【0017】
センサによって検出されるべき、自身の周辺領域の特性は、本発明では、有利にはその特性に関して時間的に不変の、センサの周辺領域における電磁波の存在、または、存在している電磁波に影響を与える金属構造体等の存在でもある。センサが特定の電磁波の存在を検出することができるように構成されている実施例が可能である。これは、例えば、特定の速度、特定の強度、特定の波動インピーダンス、特定の波長および/または特定の周波数を有する電磁波の存在を識別することができる。センサが、次のように構成されていてもよい。すなわち、センサが、特定の電磁波、例えば、特定の速度、特定の強度、特定の波動インピーダンス、特定の波長および/または特定の周波数を有する電磁波に影響を与えることができる構造体を検出することができるように構成されていてもよい。センサがこのような電磁波またはこのような構造体を識別すると、センサは、このことを、信号を介してコントロールユニットに伝達することができる。付加的にまたは択一的に、センサを次のように構成することができる。すなわち、センサが、速度、強度、波動インピーダンス、波長および/または周波数を測定することができ、コントロールユニットに、信号を介して、識別された変数の各値および/または識別された各変数の変化を伝達することができるように、センサを構成することができる。センサによって識別される電磁波は、特に有利には、人間の眼に可視のスペクトルにある波長若しくは周波数を有する電磁波ではない、および/または、赤外スペクトルからの波長若しくは周波数を有する電磁波ではない。センサによって識別される、構造体による影響は、特に有利には、人間の眼に可視のスペクトルにある波長若しくは周波数を有する電磁波に関連していない、および/または、赤外スペクトルからの波長若しくは周波数を有する電磁波に関連していない。センサによって識別される電磁波は特に有利には、WLAN無線網の電磁波ではなく、特に、IEEE−802.11系の規格に従った無線網の電磁波ではない。センサによって識別される、構造体による影響は、特に有利には、WLAN無線網の電磁波に関するものではなく、特に、IEEE−802.11系の規格に従った無線網の電磁波に関するものではない。
【0018】
センサによって検出されるべき、自身の周辺領域の特性の変化は、特に有利には、電磁波の特性の変化である。上述した部分においては、特定の、有利にはその特性に関して時間的に不変の電磁波の存在が、センサによって検出されるべき、自身の周辺領域の特性として記載されたが、以降では、次のような可能性が説明される。すなわち、存在している電磁波を整合させることができ、これによって、自身の周辺領域の特性の、センサによって検出されるべき変化がもたらされ、これに基づいて、コントロールユニットが、オーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御することができる、という可能性である。電磁波は例えば、受動的なRFIDトランスポンダと通信する読み取り機器によって生成され、受動的なRFIDトランスポンダが読み取り機器の周辺領域内に搬入され、ここでその存在が電磁波を変えることによって、電磁波が変えられる。RFIDトランスポンダのこの搬入によってもたらされる、電磁波の変化は、センサによって、自身の周辺領域の特性の変化として識別される。電磁波の変化を識別することが可能であることによって、スピーカーの駆動制御に必要な本発明は、センサの周辺領域の特性の特定の変化を、無線信号若しくは変調された波を介してもたらすことができる。特に有利には、変化が識別される電磁波は、WLAN無線網の電磁波ではなく、特に、IEEE−802.11系の規格に従った無線網の電磁波ではない。
【0019】
有利な実施形態では、センサは、自身の周辺領域内の特性若しくは自身の周辺領域内の特性の変化を、この特性若しくはこの変化を生じさせる素子と直接的に電気的に接触することなく検出する。付加的なまたは択一的な実施形態では、センサは、自身の周辺領域内の特性若しくは自身の周辺領域内の特性の変化を、この特性若しくはこの変化を生じさせる素子と直接的に機械的に接触することなく検出する。これは、本発明の装置に、次のような利点を与える。すなわち、操作者が装置の比較的近い周辺における特性を所定の様式で設定しただけ、若しくは、これを所定の様式で変更しただけで、既にオーディオ情報の再生を行うことができる、という利点である。これによって、オーディオ情報を再生するために、対象物を特定の方法で、オーディオ情報を再生するための本発明の装置と接触させる必要性、キー部材等を装置内に設けられている収容部に入れる必要性、または、USBメモリスティック等を従来技術から公知の方法でUSB収容ソケットに差し込む必要性が無くなる。センサの周辺領域の特性の無接触検出、若しくは、センサの周辺領域の特性の変化の無接触検出に対して、特にアンテナ、誘導型センサ、磁界センサまたは赤外スペクトルにあるビームを検出することができる温度センサが適している。しかし、センサが容量型センサ、圧電式センサ、超音波変換器または電気化学式センサであってもよい。
【0020】
択一的な実施形態では、センサは、赤外スペクトルにあるビームを検出することができる温度センサとして構成されていない。択一的な実施形態では、センサは、アンテナとして構成されていない。択一的な実施形態では、センサは容量型センサとして構成されていない。択一的な実施形態では、センサは圧電式センサとして構成されていない。択一的な実施形態では、センサは超音波変換器として構成されていない。択一的な実施形態では、センサは、電気化学式センサとして構成されていない。択一的な実施形態では、センサは、光電子工学式センサとして構成されていない。
【0021】
本発明の装置および本発明の方法は、その操作コンセプトにおいて、次のことに基づいていてよい。すなわち、センサが特定の、具体的な特性またはこの特性の特定の変化を検出するということに基づいていてよい、若しくは、コントロールユニットがセンサから自身に供給された測定信号から、センサの周辺領域内に特定の特性が存在していること、若しくは、特性の所定の変化が存在していることを識別するということに基づいていてよい。例えば、本発明の装置および本発明の方法は次のことに基づいていてよい。すなわち、磁界が、センサの周辺領域において、磁界強度の特定の絶対値を有している、または、磁界の磁界方向が、優先方向に対して特定の角度を有しているということに基づいていてよい。しかし有利な実施形態では、本発明の装置および本発明の方法は、多数の種々のオーディオ情報を再生するために使用されるべきであり、再生されるべきオーディオ情報の選択は、センサの周辺領域における各具体的な特性の存在若しくは各具体的な、特性の変化の存在に依存すべきであるので、この実施形態では、次のような制限が生じる。すなわち制限された数のオーディオ情報だけが、再生可能である、という制限である。本発明の装置が例えば、磁界の強度がセンサの周辺領域において第1の値である場合に第1の曲が再生され、磁界の強度がセンサの周辺領域において第2の値である場合に第2の曲が再生されるように構成されている場合、装置によって再生可能なオーディオ情報の数は、次のことに依存する。すなわち、センサの、どのような最大磁界強度値およびどのような最小磁界強度値が検出可能であり、かつ、センサが検出することができるインクリメントがどの程度に細かいのかに依存する。従って、周辺の特性若しくは周辺の特性の変化は、特に、変調された波、特に電磁波、特に無線周波数領域における電磁波でもある。しかし特に、有利には、WLAN無線網の電磁波、特に、IEEE−802.11系の規格に従った無線網の波ではない。これによって、本発明の装置にとって、次のことが可能になる。すなわち、センサ周辺の特定の領域における受動的なRFIDトランスポンダの存在を検出し、オーディオ情報の再生を例えば、RFIDトランスポンダがおおよそセンサの周辺領域内に存在している場合に行う、若しくは、オーディオ情報の再生を、特定のRFIDトランスポンダが、センサの周辺領域において検出された場合に行うことが可能になる。同様に、有利な実施形態では、自身の周辺領域における、センサによって検出されるべき特性、若しくは、自身の周辺領域の、センサによって検出されるべき、この特性の変化が、能動的なRFIDトランスポンダによってもたらされる。同様に、特性として、電磁波の存在が、Bluetooth
(R)規格に従って検出される、または、電磁波の存在が、近距離通信(NFC)規格に従って検出されることが可能である。同様に、センサ周辺領域の特性の、検出されるべき変化が、Bluetooth
(R)規格またはNFC規格に従った電磁波によって提供され、センサによって検出されてもよい。しかし、有利な実施形態では、センサは、次のように構成されている。すなわち、センサが、Bluetooth
(R)規格に従った電磁波の存在または近距離通信(NFC)規格に従った電磁波の存在を検出することができず、および/または、センサが、Bluetooth
(R)規格またはNFC規格に従った電磁波の変化を検出することができないように構成されている。
【0022】
特に有利には、電磁波を介して識別子が伝送される。この識別子によって、コントロールユニットは、本発明の装置の記憶装置またはサーバーに格納されているデータセットを識別することができ、このデータセットに基づいて、オーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御することができる。特に有利には電磁波は、機能する、かつ、スピーカーの駆動制御に適しているオーディオフォーマット、例えばmpeg3またはwavにコントロールユニットによって変換可能であるデータを伝送しない。有利な実施形態では、目的は、電磁波がデータセットを識別可能にすることである。これは例えば、識別子の伝送によって行われる。しかしデータセット自体は伝送されない。択一的な実施形態では、電磁波はオーディオ情報の全データを伝送する。これによって、この装置は、センサによる相応の検出の前に装置に記憶されていなかった、オーディオ情報を再生することができる。択一的に、電磁波は、データの一部を伝送する。これは、例えば、オーディオ情報の最初の数秒または最初の数分の再生の必要なデータである。また、さらなるオーディオ情報の再生に必要なデータが、本発明の装置の記憶装置またはサーバーに格納され、識別子を介して識別される。しかしこの択一的な実施形態の有利な実施形態では、電磁波は、オーディオ情報の最初の1分、特に有利には最初の30秒、特別に有利には最初の10秒を再生するのに必要なデータの一部のみを伝送する。また、更なるオーディオ情報の再生に必要なデータは本発明の装置の記憶装置内に、または、サーバーに格納され、識別子を介して識別される。
【0023】
従って、有利な実施形態では、センサは、受動的なRFIDトランスポンダと通信する、および/または、能動的なRFIDトランスポンダと通信する読み取り機器である。択一的な実施形態では、センサはアンテナを有している。このアンテナは、変調された波を放射する、および/または、受信することができる。この波は特に、Bluetooth
(R)規格またはNFC規格に従った波である。
【0024】
この装置は載置部を有しており、この載置部の上に、対象物が継続的に配置される。ここでこのセンサは少なくとも、載置部の上方の領域において、特性またはこの領域の特性の変化を検出することができる、および/または、この装置は固定部を有しており、この固定部に、対象物が継続的に固定される。ここでこのセンサは少なくとも、この固定部の隣の領域において、特性またはこの領域の特性の変化を検出することができる。従って、対象物、例えば以降で詳細に説明する識別子担体を次のように配置することができる。すなわち、センサが特性またはこの領域の特性の変化を検出することができるセンサの検出領域内に対象物が位置するように、対象物を配置することができる。これは、次のような利点を有している。すなわち、対象物または装置をユーザーが継続的に引き留めておかなくても、対象物が検出領域内に留まることができるという利点である。この固定部は、例えば、つり下げ機構、クリック機構、磁石機構、回転機構等によって実現可能である。
【0025】
本発明の装置のコントロールユニットは、センサが自身の周辺領域内で、特定の特性またはこの周辺の特性の特定の変化を検出すると、または、コントロールユニットが、センサによって検出されたこの特性の特定の変化を検出すると、オーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御することができる。有利な実施形態では、センサは、自身の周辺領域内で特定の特性または特性の特定の変化を検出すると、コントロールユニットによって検出可能な値を有する信号を形成する。例えば、センサが、次のような場合にのみ、コントロールユニットに供給される信号を形成してもよい。すなわち、センサが自身の周辺領域内で、特定の特性またはこの周辺の特性の特定の変化を検出する場合である。このような実施形態は、次のことを生じさせる。すなわちセンサが既に評価を行い、センサが特定の特性または周辺の特性の特定の変化を検出する場合にのみコントロールユニットに信号を供給するか、または、コントロールユニットに、特定の値を有する継続的な信号を供給する、ということを生じさせる。この信号は、センサが自身の周辺領域内で、特定の特性またはこの周辺の特性の特定の変化を検出すると、特定の、他の、コントロールユニットによって検出可能な値に変えられる。付加的にまたは択一的に、コントロールユニットが評価を行うことが可能である。このような実施形態では、センサは、コントロールユニットに継続的に測定信号を供給する。コントロールユニットは次のように構成されている。すなわち、例えば、値テーブルを格納することによって、センサから自身に供給された測定信号から、このセンサの周辺領域内に、特定の特性または特性の特定の変化が存在しているか否かを識別するように構成されている。ここで、センサの周辺の特性の変化は、特定の変化の一度の発生、例えば、特定の方向におけるセンサ周辺の磁界の磁界方向の変化の一度の発生だけではなく、センサの周辺領域における特性の時間的なシーケンス若しくはセンサの周辺の特性の変化の特定のシーケンスも、特性の変化である。これは例えば、変調された波を読み出す場合または電磁波を評価する場合である。
【0026】
有利な実施形態では、センサが自身の周辺領域内で、この周辺の特性の特定の変化を、この特性の変化の特定のシーケンスの形態で検出した場合にのみ、若しくは、コントロールユニットがセンサによって検出されたこの特性の特定の変化を、この特性の変化の特定のシーケンスの形態で検出した場合にのみ、コントロールユニットは、オーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御する。変化のこのようなシーケンスは、文字列(ストリング)の様式で構成され得る。このような文字列(このようなストリング)は、例えば特定の箇所で、再生されるべきオーディオ情報に関する情報を含んでおり、別の特定の箇所で、コピーガードとしてまたは認証のために機能し得る識別ワードを含み得る。文字列の様式の変化のシーケンスが、再生されるべきオーディオ情報に関する情報は含んでいるが、この識別ワードは含んでいない場合、コントロールユニットは、スピーカーを駆動制御しない。識別ワードに対して択一的に、文字列は、コントロール装置によって、検証のために実行可能な、プログラム(ソフトウェア)の命令シーケンスであってよい。
【0027】
ある実施形態では、センサが自身の周辺領域内で、特定の特性またはこの周辺の特性の特定の変化を検出した場合、または、コントロールユニットがセンサによって検出されたこの特性の特定の変化を検出した場合、コントロールユニットは、オーディオ情報を再生するためのスピーカーの駆動制御に対して付加的に、オーディオ情報の再生の様式も変えることができる。これは例えば、再生音量である。従って、コントロールユニットは、スピーカーを、識別子担体がセンサに対して相対的に位置する角度に依存して駆動制御することができる。例えば、角度を変えることによって、再生音量を調整することができる。
【0028】
有利な実施形態では、装置は、記憶装置を有しており、この記憶装置内にデータが格納され、このデータに基づいて、コントロールユニットはオーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御することができる。このデータは特に、有利には、特定のデータフォーマット、例えばMP3フォーマットまたはWAVフォーマットのオーディオ情報を含んでいる。記憶装置が1つのオーディオ情報のデータしか有していない実施形態が可能である。本発明の装置は、このような実施形態では、次のことのために用いられる。すなわち、センサ周辺領域の特性の相応する設定時若しくはセンサ周辺領域のこの特性の変化の相応する設定時に、唯一のオーディオ情報を再生するために用いられる。このオーディオ情報の再生持続時間は特に有利には、少なくとも10秒である。有利な実施形態では、記憶装置内に、種々のオーディオ情報のデータが格納されている。特に有利には、このような実施形態では、コントロールユニットは次のように構成されている。すなわち、センサが自身の周辺領域内で、特定の第1の特性またはこの周辺の特性の特定の第1の変化を検出した場合、または、コントロールユニットがセンサによって検出された特性の特定の第1の変化を検出した場合に、コントロールユニットが、第1のオーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御するように構成されている。この再生は特に有利には、少なくとも10秒続く。また、センサが自身の周辺領域内で、特定の第2の特性またはこの周辺の特性の特定の第2の変化を検出した場合、または、コントロールユニットがセンサによって検出されたこの特性の特定の第2の変化を検出した場合に、コントロールユニットは、第2のオーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御する。この再生は特に有利には、少なくとも10秒続く。このようにして、センサの周辺領域の特性に特定の影響を与えることによって、または、センサのこの周辺の特性の変化に特定の影響を与えることによって、装置が、多数のオーディオ情報のうちのどのオーディオ情報を再生するかを設定することが可能になる。例えば、装置は、センサの周辺領域において第1のRFIDトランスポンダの存在が検出されると、特定の第1のオーディオ情報を再生し、センサの周辺領域において第2のRFIDトランスポンダの存在が検出されると、第2のオーディオ情報を再生することができる。
【0029】
有利な実施形態では、例えばオーディオブックを個々の章の形態で再生するために、若しくは、オーディオブックの個々の章を駆動制御可能にするために、オーディオ情報のデータは、別個に読み出し可能なデータシーケンスを有するデータセットとして格納されている。データセットの各データシーケンスは、有利な実施形態では、別個に読み出され、スピーカーの駆動制御に使用される。
【0030】
有利な実施形態では、この装置は、データをインターネットから受信する、および/または、データをインターネットへ送信するユニットを有している。これは特に有利には、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)、モバイルデータ無線技術、例えばLTE、UMTSまたはその先行物または後継物のためのアンテナ、または、インターネットアクセスも有しているローカルネットワークのケーブルの端子用の接続ソケット、例えば、イーサーネットケーブル用の接続ソケットである。データをインターネットから受信するユニットが存在することによって、コントロールユニットが、特定のデータフォーマットを有している、再生されるべきオーディオ情報を含んでいるデータを、インターネットからダウンロードすることが可能になる。このようにして、装置は、センサが自身の周辺領域内で、特定の特性またはこの周辺の特性の特定の変化を検出する以前、または、コントロールユニットがセンサによって検出されたこの特性の特定の変化を検出する以前に、装置内に格納されていなかったオーディオ情報を再生することができる。ここでこのコントロールユニットは次のように構成可能である。すなわち、コントロールユニットがデータをインターネットから受信し、記憶装置内に継続的に格納し、この記憶装置内に格納されているデータに基づいてオーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御するように構成可能である。付加的にまたは択一的に、コントロールユニットが、インターネットから受信したデータを直接的に、オーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御するために使用することが可能である(いわゆるストリーミング)。ここでこの実施形態は、インターネットから受信したデータの、緩衝記憶装置内での一時的な緩衝記憶も含み得る。
【0031】
特定のデータフォーマットを有するオーディオ情報含んでいるデータをインターネットから受信する実施形態では、例えば、コントロールユニットが、記憶装置内に、インターネットと接続されているサーバーの、特定のサーバーアドレスを保持し、各特定の特性または特性の各特定の変化が各識別番号に割り当てられているテーブルを記憶装置内に保持することが可能である。コントロールユニットは、このような実施形態では次のことのために構成されている。すなわち、特定の特性の識別時若しくは特性の特定の変化の識別時に具体的なサーバーと通信するため、および、特定の特性もしくはこの特性の特定の変化に割り当てられている、サーバーの識別番号を用いて、特定のデータセットをダウンロードするため、かつ、このデータから得られるオーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御するために使用するために構成されている。例えば、サーバー上には、曲のタイトルが、特定のデータフォーマットを有するデータとして格納され得る。ここで各曲のタイトル若しくはこの曲タイトルを含んでいるデータは、サーバー上に、特定の識別コードが付けられて格納されている。有利な実施形態では、本発明の装置は既に、割り当てテーブルを含んでいる。この割り当てテーブルは、特定の特性若しくはセンサの周辺領域のこの特性の変化を、統一された、または多数の、またはむしろ有利な実施形態では全ての識別番号に割り当てる。これは、サーバーのデーターバンク上でも使用される。これによって、コントロールユニットは、所期のように、データセットをサーバーからダウンロードすることができるようになる。択一的に、コントロールユニットが、検出された特定の特性若しくはこの特性の、検出された特定の変化を含んでいる情報を特定のサーバーに伝送するように構成されることが可能である。このサーバーは、インターネットと接続されている。この場合には、識別された特定の特性若しくは識別された、この特性の特定の変化の、特定のオーディオ情報への割り当てをサーバー上で行うことができる。コントロールユニットはこの場合には、再生されるべきオーディオ情報を含んでいるデータをサーバーから受信するように構成されている。サーバーはこのデータを本発明の装置に伝送する。サーバーは、このデータを、コントロールユニットから自身に伝達された特定の特性、若しくは、コントロールユニットから自身に伝達された、この特性の特定の変化に割り当てている。この実施形態は、本発明の装置内での割り当てテーブルの保持の必要性を回避し、これによって、特定の検出された特性若しくはセンサの周辺領域の特性の特定の検出された変化に基づく、オーディオ情報を含んでいる特定のデータの受信の柔軟性が高まる。このような実施形態によって、例えば、サーバーに供給されるデータセットの数を増大させることができる。ここでは、割り当てテーブルを本発明の装置のコントロールユニットにおいて調整する必要はない。
【0032】
有利な実施形態では、コントロールユニットは、オーディオ情報を再生するようにスピーカーを直接的に駆動制御するように構成されている。特に有利には、コントロールユニットに、オーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御するために、さらなる開始信号が供給される必要はない。しかしここでは、コントロールユニットがオーディオ情報を再生するためのスピーカーの駆動制御を、遅延素子によって遅らせることが可能である。
【0033】
有利な実施形態では、本発明の装置は、センサが自身の周辺領域内で、特定の特性またはこの周辺の特性の特定の変化を検出した時、または、センサによって検出されたこの特性の特定の変化をコントロールユニットが検出した時に、オーディオ情報を再生するためのスピーカーの駆動制御に操作者がコントロールユニットによって影響を与えることができる操作部材を有していない。このような実施形態では、コントロールユニットに、オーディオ情報を再生するためのスピーカーの最初の駆動制御のための命令とは異なる、別の命令を供給するために操作部材が設けられることが可能である。これは例えば、スピーカーを介したオーディオ情報の再生音量を調節するための操作部材である。
【0034】
同様に、別個に読み出し可能なデータシーケンスを伴うデータセットのデータに基づいている、オーディオ情報の再生時に、第1の章から次の章へと跳ぶために、操作部材が設けられていてよい。このような実施形態では、操作者が、オーディオ情報を再生するためのスピーカーの最初の駆動制御後に、コントロールユニットによって、この再生を中断することを可能にする操作部材が設けられていてもよい。従って、有利な実施形態では操作部材が設けられているが、コントロールユニットは、この実施形態では、オーディオ情報を再生するように、スピーカーを単独で、次のことによって駆動制御することができる。すなわち、センサが自身の周辺領域内で、特定の特性またはこの周辺の特性の特定の変化を検出することによって駆動制御することができる。ここで、操作者は操作部材を操作することはない。
【0035】
択一的な実施形態では、この装置は操作部材を有しており、コントロールユニットは次のように構成されている。すなわち、コントロールユニットが所定の信号をこの操作部材から受け取ったときにはじめて、コントロールユニットがオーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御するように構成されている。例えばこの操作部材は、オーディオ情報を再生するためのスピーカーの駆動制御に対する開始命令を与えることができる。しかし、特に有利な実施形態では、この開始命令は、オーディオ情報を再生するためのスピーカーの駆動制御の開始に必要な唯一の開始命令である。特に有利には、この実施形態では、次のことは設定されていない。すなわち、この操作部材または他の操作部材によって、コントロールユニットがオーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御する前にコントロールユニットに供給されなければならないさらなる命令信号が形成されることは設定されていない。特に有利には、装置の記憶装置内に格納されている、オーディオ情報用の多数のデータから、再生のためのデータセットを選択するための操作部材は設けられていない。特に有利にはこの実施形態では、再生されるべきデータセットは単独で、センサによって検出された特定の特性に基づいて、若しくは、センサ周辺領域の、センサによって検出された、この特性の特定の変化に基づいて、若しくは、コントロールユニットによって検出された、センサによって検出された特性の特定の変化に基づいて選択される。このような実施形態は、特に、従来技術から公知のMP3プレーヤーと比べて、操作を簡易化する。MP3プレーヤーでは、特定のオーディオ情報を再生するために、まずは、オーディオ情報が、リストから選択されなければならない。
【0036】
有利な実施形態では、コントロールユニットは次のように構成され得る。すなわち、センサが自身の周辺領域内で特定の特性またはこの特性の特定の変化を検出しなくなるとすぐに、若しくは、コントロールユニットがセンサによって検出されたこの特性の特定の変化を検出しなくなるとすぐに、コントロールユニットが、オーディオ情報を再生するためのスピーカーの駆動制御を中断するように、コントロールユニットは構成され得る。この中断は特に有利には迅速に、または、遅らされて、または、音量の漸次の低減によって引き起こされる。これによって、例えば、有利な実施形態において使用されているRFIDトランスポンダがセンサ周辺領域から離れた場合に、オーディオ情報の再生が中断される。択一的に、コントロールユニットを次のように構成することが可能である。すなわち、センサが自身の周辺領域内で、特定の特性またはこの特性の特定の変化を検出しなくなった場合でも、若しくは、コントロールユニットが、センサによって検出された特性の特定の変化を検出しなくなった場合でも、オーディオ情報の再生が継続されるように、コントロールユニットを構成することが可能である。
【0037】
有利な実施形態では、この装置は、オフ可能な、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)用のアンテナを有している。特に、オーディオ情報を再生するための本発明の装置が子供によって使用されるべき場合には、子供の周囲で生成される電磁波を低減することに関心が寄せられるだろう。このために、WLANアンテナをオフするのは有利であり得る。
【0038】
有利な実施形態では、本発明の装置は立方体状に形成されている。本発明の装置が、他の形状、例えば球状であっても、または、例えば、子供に特に好まれる、大きい対象物の形状を有していてもよい。これは例えば、船、機関車、家または象などの動物の形状である。
【0039】
有利な実施形態では、この装置は、識別子担体用の収容部を有している。これは、光学的に、触感的に、および/または、表面での凹部、例えば、窪みまたは隆起によって、見分けが付くようにされている。有利な実施形態において、この装置では、識別子担体は機械的にまたは磁気的に取り外し可能に固定されている。以降で、本発明のシステムに関連して詳細に説明されるように、本発明の装置は特に有利には、システムの一部として使用される。ここでは、この装置は、識別子担体と協働する。ここではこの識別子担体は、識別子担体がセンサの周辺領域内にある場合、または、識別子担体がセンサ周辺の特性を変える場合、および、センサがこの変化を検出することができる場合に、センサが検出することができる特性を有している。本発明の装置に、見分けが付くようにされている収容部が形成されている場合、識別子担体をこの収容部内に位置付けることが可能である。収容部を設けることによってさらに、中にセンサが配置されている領域を区切ることができ、センサのこのような周辺領域内で、特定の特性または特性の特定の変化が検出される。収容部を設けることによって本発明の装置を、有利な実施形態において次のように構成することができる。すなわち、センサが自身の周辺の特性を、収容部のこの領域においてのみ検出することができる、若しくは、この周辺の特性の変化を、収容部のこの領域においてのみ検出することができるように構成することができる。これによって、不所望な誤操作がなくなる。以降で詳細に説明される本発明のシステムでは、センサはむしろ、識別子担体がこの収容部内に配置されている場合にのみ、コントロールユニットが、オーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御するように構成されている。
【0040】
有利な実施形態では、この装置は、ロッカスイッチの形状の操作部材を有しており、この操作部材によって、オーディオ情報の再生音量に影響を与えることができる。これはこのロッカスイッチが第1の位置で第1の信号、例えばオーディオ情報の再生音量を上げるための信号をコントロールユニットに送出し、ロッカスイッチが第2の位置で、第2の信号、例えばオーディオ情報の再生音量を下げるための信号をコントロールユニットに送出することによって行われる。さらにこのようなロッカスイッチは、中立な中間位置を有している。この中間位置では、音量に影響を与える信号が、コントロールユニットに送出されない。択一的に、この装置が、オーディオ情報の再生音量を上げるための信号をコントロールユニットに伝送するための第1の操作部材を有し、さらに、この装置が、オーディオ情報の再生音量を下げるための信号をコントロールユニットに送出するための第2の操作部材を有していてよい。特に有利な実施形態では、音量の増大に影響を与える操作部材は、オーディオ情報の再生音量の低減に影響を与える操作部材よりも大きく形成されている。特に有利な実施形態では、これら2つの操作部材は、装置の基体のハウジングに取り付けられている耳の形状を有しており、例えばハウジングから突出している。これらの耳の形状の操作部材は、自身によって形成されるべき、オーディオ情報の再生音量に影響を与えるための信号を、押圧運動または曲げ運動の実行の際に、出力することができる。これは、次のような利点を有している。すなわち、ユーザーが、言語知識に頼ることなく、操作部材の機能を識別することができるという利点である。
【0041】
有利な実施形態では、本発明の装置はディスプレイを有している。このディスプレイは、特にE−Inkディスプレイであってよい。このディスプレイは、接触感応式ディスプレイであってもよい。付加的にまたは択一的に、この装置が、LEDまたはLEDシーケンスを有していてもよい。
【0042】
有利な実施形態では、この装置は、近接センサ、運動センサ(加速度センサ)、周辺光センサ、湿度センサ、傾斜センサ、GPSセンサおよび/またはジャイロセンサを有している。このようなセンサによって、コントロールユニットに対するさらなる操作命令を形成することができる。例えば、このように構成された装置は、揺さぶりを識別することができ、ここから、コントロールユニットに対する操作信号を形成する。例えば、装置の揺さぶりは、種々異なるオーディオ情報のデータをランダムな順番で再生するために用いられる。同様に、このように構成された装置は、装置に軽い打撃が左側から加えられたのか、または、右側から加えられたのかを識別することができる。これは例えば、データセット内で、次の章に跳ぶまたは前の章に跳ぶために使用される。同様に、このように構成された装置は、これが投げられたか否かを識別することができる。ここからも操作信号が形成され得る。
【0043】
有利な実施形態では、この装置はセンサを有しており、このセンサは、収容部の領域内に配置されている対象物と、この収容部との間の距離に依存した信号を形成することができる。これは、例えば超音波センサである。これによって、この装置の有利な実施形態において、スピーカーの駆動制御を信号に依存させることができ、例えば、対象物が収容部に接触しているか、または、ほぼ接触しているかに依存させることができる。さらに、これによって、付加的または択一的な実施形態において、この距離の変化に応じて、さらなる操作命令を形成することが可能である。例えば、対象物の短時間の除去および再度の据え付けを、データセット内で、次の章に跳ぶために使用することができる。
【0044】
このように構成された装置は、これが垂直方向に傾けられているか、または、水平方向に傾けられているかを識別することができる。この信号も、コントロールユニットに対する操作信号の形成に用いることができる。例えば、垂直方向の傾けは再生リスト内の誘導に用いられ、水平方向の傾けはアプリケーション間の切り替えを可能にする。
【0045】
有利な実施形態では、本発明の装置は、データ端子、例えばUSB端子を有している。このような端子を介して、例えば、有利な実施形態において、装置の一部として設けられている記憶装置に、オーディオ情報を含んでいるデータが与えられる。同様に、本発明の装置をこのような端子を介して、例えば、装置のソフトウェアを構成するために、コンピューターと接続することが可能である。
【0046】
有利な実施形態では、装置は、発泡材または他の弾性材料によって包囲されている。特に有利には、本発明の装置は、完全に、発泡材または他の弾性材料によって包囲されている、若しくは、ディスプレイを伴う実施形態では、このディスプレイの領域においてのみ、発泡材または弾性材料によって包囲されていない。一方では、この包囲によって、装置のさらなる構造部材が保護され、他方では、この包囲によって、子供が怪我から保護される。
【0047】
有利な実施形態では、本発明の装置は、エネルギー蓄積器、特にバッテリー、特に有利には再充電可能なバッテリーを有している。有利な実施形態では、本発明の装置は次のように構成されている。すなわち、バッテリーが無線で、例えば誘導式のエネルギー伝送によって充電可能であるように構成されている。これによって、充電ステーションを子供向けに形成することができる、という利点が得られる。充電ステーションは、例えば、充電のために本発明の装置をその中に置けばよいだけの充電スタンドの形態で形成される。これによって、本発明の装置のバッテリーを充電するために、子供が電気ケーブルを操作する必要が無くなる。
【0048】
有利な実施形態では、本発明の装置は、例えば常夜灯として機能するために、光を生じさせることができる。
【0049】
有利な実施形態では、本発明の装置は、ハウジングを有している。このハウジング内に、センサが次のように配置されている。すなわち、センサが特性またはこの周辺の特性の変化を検出することができるセンサの周辺領域が1mより多く、ハウジングの表面を超えて延在しないように、特に有利には150mmより多く、ハウジングの表面を超えて延在しないように、特に有利には100mmより多く、ハウジングの表面を超えて延在しないように、特に有利には50mmより多く、ハウジングの表面を超えて延在しないように、特に有利には10mmより多く、ハウジングの表面を超えて延在しないように、特に有利には5mmより多く、ハウジングの表面を超えて延在しないよう配置されている。これは、次のような利点を提供する。すなわち、コントロールユニットがオーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御するためにセンサが検出すべきである特性若しくは特性の変化が、装置のハウジングを中心にした狭い領域内でのみ識別されるという利点である。これによって誤操作が回避される。
【0050】
有利な実施形態では、この装置は、不燃性材料または難燃性材料から製造されている。
【0051】
有利な実施形態では、この装置はマイクまたは例えばマイクから到来するオーディオ信号のための接続手段を有している。これによってこの装置を音声で制御することが可能になる、または、この装置は録音可能になる。
【0052】
特に有利にはこの装置はWLANアンテナを介して無線ローカルエリアネットワークに組み込まれ、さらに、WLANアンテナを介して制御命令を受信することができ、例えばスマートフォンまたはPCを介して制御可能である。この制御命令は、有利な実施形態では、ユーザーがオーディオ情報の再生の開始に影響を与えることができる制御命令ではない。同様に本発明の装置を、遠隔操作を介して操作されるように構成することができる。
【0053】
有利な実施形態では、本発明の装置はカメラを有している。本発明の装置が例えば、常夜灯として形成される場合には、このカメラは、この装置の隣にいる子供に対する監視機能を担うことができる。これはこのカメラが例えば、スマートフォンから駆動制御可能であること、および、このカメラによって撮影された画像が、ディスプレイ、例えばテレビ、スマートフォン、または、他のモバイルディスプレイに再生可能であることによって行われる。付加的にまたは択一的に、マイクによって採取された、若しくは、接続手段を通じて供給されたオーディオ情報を、このような方法で、スピーカーまたはスマートフォンで再生することが可能である。
【0054】
同様に、WLANアンテナを介して、無線ローカルエリアネットワークに組み込まれた装置は、再生されるべきオーディオ情報を、ネットワークの他の加入者に伝送することができる。これは例えば、テレビまたは他のスピーカーへの伝送である。
【0055】
有利な実施形態では、コントロールユニットのオペレーティングシステムはFirefox OSである。有利な実施形態では、コントロールユニットのこのオペレーティングシステムを、アップデートによって更新することができる。
【0056】
有利な実施形態では、コントロールユニットは、スピーカーの駆動制御に関する情報を求め、ドキュメント化するように構成されている。この情報は、例えば、特定のオーディオ情報が再生された頻度、または、特定のオーディオ情報が再生された順番である。特に有利には、この装置は、このような情報をサーバーに伝達するように構成されている。
【0057】
有利な実施形態では、装置は、有利には電気的なコンタクトを用いずに、例えば誘電によって、後述する識別子担体に電流を供給するための手段を有している。
【0058】
本発明のシステムは、本発明の装置および識別子担体を有している。ここでこの識別子担体は、識別子担体がセンサの周辺領域内に位置している場合、または、識別子担体がセンサ周辺の特性を変化させる場合に、センサが検出することができる特性を有している。本発明のシステムの基本的な考えは、特定の識別子担体が、センサが特性若しくは特性の変化を検出することができるセンサ周辺領域内にもたらされると、コントロールユニットが、オーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御するというものである。しかし、このような場合には、特に有利な実施形態においては、この領域内への識別子担体の搬入によって既に、オーディオ情報を再生するためのスピーカーの駆動制御がトリガされるべきである。ここでは、更なる操作命令が形成される必要はない。
【0059】
本発明のシステムのこのような基本的なコンセプトは、オーディオ情報を再生するための装置の操作を容易にする。ここでは、従来技術から公知のCDプレーヤーで必要であるような、傷が付く恐れのあるCDを操作する必要はもはやない、または、従来技術から公知のMP3プレーヤーにおいて、オーディオ情報を再生するためのスピーカーの駆動制御に必要な、操作部材の複雑な一連の操作を学習する必要はもはやない。本発明の最も簡易化された実施形態では、識別子担体を、センサが特性または特性の変化を検出することができるセンサ周辺領域内に搬入するだけでよく、これによって、自動的に、オーディオ情報を再生するためのスピーカーの駆動制御がコントロールユニットによってトリガされる。
【0060】
有利な実施形態では、識別子担体はRFIDトランスポンダを有している、または、変調された波を放射する、および/または、受信することができるアンテナを有している。これによって、本発明の識別子担体は例えば次のように構成可能である。すなわち、識別子担体が、Bluetooth
(R)規格またはNFC規格を介して本発明の装置と通信することができるように構成可能である。特に、このような技術を使用することによって、識別子担体と装置との間の多様な通信手段が可能になる。特に、このような技術を使用することによって、多数の識別子を識別することが可能にする。これによって、本発明の装置において、多数のオーディオ情報から、再生されるべきオーディオ情報を選択することが可能になる。これは例えば、再生されるべき各オーディオ情報に、例えば本発明の装置内またはサーバー上に格納されている割り当てテーブルにおいて、自身の固有の識別子が割り当てられている場合である。
【0061】
択一的に、識別子担体が例えば磁石を有していることが可能である。この磁石は、識別子担体がセンサ周辺領域内にもたらされると特定の強度の磁界を形成する。同様に、優先方向とは異なる磁界方向を有する磁界を形成するために磁石を使用することができる。
【0062】
有利な実施形態では、識別子担体は磁石を有しており、この装置は、磁石が付く面を有している。択一的に、装置が磁石を有し、識別子担体が、識別子担体が磁石に付く面を有することができる。これによって、装置と識別子担体とが、取り外し可能に相互に接続される。これによって、識別子担体が装置に対する相対的な位置を失うことなく、装置を動かすことが可能になる。
【0063】
有利な実施形態では、識別子担体は、フィギュア、殊に人間のフィギュアまたは動物のフィギュアまたは空想上のフィギュアの形状を有している。特に有利には、識別子担体は、足を有するフィギュアの形状を有している。特に有利には、識別子担体が足を有するフィギュアの形状である場合には、磁石が、このフィギュアの足の中に配置されている。従って、このフィギュアは本発明の装置上に立つことができる。
【0064】
有利な実施形態では、識別子担体はフィギュアの様式で形成されているが、その上にフィギュアが立つ台座は有していない。
【0065】
有利な実施形態では、識別子担体は、装置と機械的に固定可能ではない。特に有利には、この装置および識別子担体は、識別子担体を装置と接続することができるプラグとソケットとから成るシステムを有していない。
【0066】
有利な実施形態では、操作者が、識別子担体を、その形状、彩色、表面構造および/またはその材料に基づいて、特定のオーディオ情報と関連付けすることができるように識別子担体が構成されており、センサが特性またはこの周辺の特性の変化を検出することができるセンサ周辺領域内に識別子担体がもたらされると、オーディオ情報を再生するためのスピーカーの駆動制御がトリガされる。このオーディオ情報は内容的に、ユーザーの上記の関連付けと関連している。これは例えば、フィギュアの様式で形成可能であり、フィギュアの形状と関連しているオーディオ情報の再生をトリガすることができる。例えば、このフィギュアは、Benjamin Bluemchen
(R)の形状を有し、再生されるオーディオ情報は、Benjamin Bluemchen
(R)が主人公のオーディオストーリであってよい。同様に、識別子担体を個々に整合させることができる。例えば、識別子担体を、ある人物の比較的近い環境の人物の形状を模したフィギュアとして形成することができ、再生されるオーディオ情報がこの人物によって以前に録音されたオーディオ情報であってよい。同様に、識別子担体が、科学者を模したフィギュアの形状を有しており、オーディオ情報がこの科学者による発見のコンテンツを有していてもよい。さらに、フィギュアが作曲家またはアーティストを模しており、オーディオ情報がこの作曲家またはアーティストのコンテンツを含んでいてよい。識別子担体が、曲、楽曲集(アルバム)またはプレイリストに対するオーディオ情報をトリガすることが可能である。
【0067】
付加的なまたは択一的な実施形態では、識別子担体は、他の対象物に固定することができるシールまたはモジュールとして形成されている。
【0068】
有利な実施形態では、識別子担体は、自身に記憶されたデータを変更することができるように構成されている。別の有利な実施形態では、識別子担体は、自身に記憶されたデータを変更することができないように構成されている。別の有利な実施形態では、識別子担体は、次のように構成されている。すなわち、自身に記憶されたデータを一度だけ変更することができ、その後は変更することができないように構成されている。有利な実施形態では、初めのうちは変更可能な識別子担体は、この識別子担体が特定の処理によって、変更不可能な識別子担体になるように構成されており、有利には、識別子担体を、再び、変更可能な識別子担体に戻すことはできない。この処理は、有利には、機械的な様式であってよく、例えば、特定の電気的な線路の切断または接続である。付加的なまたは択一的な実施形態では、この処理は可視光によって、不可視の電磁波(例えば無線信号、紫外光)、磁気的、電気的および/または熱的なパルスによって行われる。有利な実施形態では、識別子担体は、クリック機構によって、他の対象物、例えばフィギュア内にまたは他の対象物、例えばフィギュアの表面に固定されるように構成されている。この過程の後、対象物を全体的に、識別子担体として見なすことができる。特に有利な実施形態では、識別子担体は、機械的な処理によって、変更不可能にされるように構成されている。これを、識別子担体を対象物と結合するためのクリック機構の操作のための運動と組み合わせることが可能である。従って例えば、この処理は、対象物内へのクリックと同時に行われ得る。
【0069】
有利な実施形態では、識別子担体は、これが、誘導によって、能動的な電子部品を動かすために電流供給されるように構成されている。有利な実施形態では、識別子担体は、データメモリを供給する能動的な電子部品を含んでいるように構成されている。このようなデータメモリは、有利には不揮発性である。有利な実施形態では、データメモリは、周辺の特性の変化に対する基礎となり得る識別子および/またはオーディオ情報を提供することができるように構成されている。識別子担体に記憶されているオーディオ情報が装置に伝送されることによって、この装置は、センサが自身の周辺領域内で特定の特性またはこの周辺の特性の特定の変化を検出する以前、または、コントロールユニットが、センサによって検出されたこの特性の特定の変化を検出する以前に、装置に記憶されていなかったオーディオ情報を再生することができる。有利な実施形態では、識別子担体は、センサおよびコントロールユニットによって再びデータに変換可能である、周辺の特性の変更に適している能動的な電子部品を有している。有利な実施形態では、識別子担体は、プロセッサを有している。有利な実施形態では、識別子担体はデータ受信ユニットも含んでいる。
【0070】
識別子担体は、オーディオ情報を再生するという目的と無関係でも、有利である。データの記憶および伝送のために、一般的に、ある実施形態は、以下のものを有するように構成され得る。すなわち、
・電磁波用のアンテナと、
・少なくとも1メガバイトの記憶容量を有している不揮発性データメモリを含んでいる能動的な電気部品と、
・データを不揮発性データメモリからアンテナを介して送信することができるように構成されている送信ユニットと、
・アンテナユニットとは異なる、エネルギーを受け取り、データメモリおよび送信ユニットに給電するために充分な電流に変換して、データ送信過程に対する継続的なエネルギー蓄積器を不必要にするエネルギー受信ユニットと、
・データを、データメモリから読み出し、送信ユニットを介してこのデータを送信する準備ができている制御ユニットと、
を有するように構成され得る。特に有利には、制御ユニットは、エネルギー受信ユニットがそれに対して充分なエネルギーを供給するとすぐに無接触にデータを読み出すように準備ができており、無接触の要求に応じて、データメモリからのデータを、完全にまたは部分的に送信ユニットを介して伝送する。識別子担体の個々の実施形態の上述した態様および後述する態様は、このような一般的に使用可能な識別子担体にも転用可能である。ここで、スピーカーの駆動制御はそれぞれ、識別子担体に記憶されているデータの処理または表示に置換される。有利な実施形態では、データメモリは、少なくとも500メガバイト、1ギガバイトまたは4ギガバイトの記憶容量を有している。
【0071】
有利な実施形態では、識別子担体は次のように構成されている。すなわち、識別子担体が、センサの周辺領域内で、1つの特定の特性だけ、または、この周辺の特性の1つの特定の変化だけを形成し、これによって、コントロールユニットが特定のオーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御することだけが引き起こされるように構成されている。システムのこのような実施形態では、付加的なオーディオ情報を再生するために付加的な識別子担体が調達若しくは保持されなければならない。これによって、このような実施形態において、本発明は、従来技術のMP3プレーヤーでしばしば見られる、できるだけ多くの機能若しくはできるだけ多くのオーディオ情報を、それぞれ特定の操作シーケンスを介して、しかし、さらなる装置を加えることなく呼び出し可能であるように1つの機器内に統合するという原則から開放される。このようなMP3プレーヤーと比べて、本発明のシステムの構成では、本願に記載した実施形態において、より多くのコストがかかる。なぜなら、種々のオーディオ情報を再生するために、多数の識別子担体が保持されなければならないからである。しかし、簡易化された操作コンセプトへの需要が存在することが判明している。ここでは、識別子担体に割り当てられている1つのオーディオ情報の容易な再生のために、保持されるべき識別子担体の数は多い。例えば、この実施形態によって、玩具システムを構築することが可能になる。ここでは、フィギュア状に形成された識別子担体はそれぞれ、特定の、自身に割り当てられた曲、または、特定の、自身に割り当てられた口述された物語を識別するためだけに適している。これは、玩具のスピーカーを駆動制御することによって再生される。しかし子供は、フィギュアを選択することによって、および、簡易化された操作コンセプトに基づいて、自身で、どの曲若しくはどの口述された物語が再生されるべきかを選択することができる。この操作コンセプトでは、有利な実施形態において、識別子担体がセンサの周辺領域内で、相応する1つの特性またはこの周辺の特性の相応する1つの変化を形成すると直ぐに、曲若しくは口述された物語が迅速に再生される。1つの相応する特性またはこの周辺の特性の1つの相応する変化を形成することによって、オーディオ情報の再生のために、別個に読み出し可能なデータシーケンスを有するデータセットが識別される。これによって、例えば、この1つの識別子担体によって、オーディオブックを、個々の章の形態で識別することができ、さらに、オーディオブックの個々の章を駆動制御可能にすることができ、若しくは、連続した物語またはシリーズの個々のエピソードを識別することができる。
【0072】
特に有利には、識別子担体は、識別子担体がセンサの周辺領域内で、特性またはこの周辺の特性の変化だけを形成する様式に影響を与える操作部材を有していない。センサ周辺領域内で1つの特定の特性のみ、または、この周辺の特性の1つの特定の変化のみを形成することができるように識別子担体が構成されており、従って、コントロールユニットが特定のオーディオ情報を再生するようにスピーカーを駆動制御することだけが実現される使用ケースに、この実施形態は特に良好に適している。付加的または択一的に、識別子担体は、次のような操作部材を有している。すなわち、それによって、センサ周辺領域内で、センサによって検出される1つの特定の特性だけが形成されるのではなく、複数の特定の特性またはこの周辺の特性の特定の変化が形成され、かつ、それによって、コントロールユニットがオーディオ情報の再生の様式を変えることができる操作部材を有している。この再生の様式は、例えば再生音量、または、次のまたは前の章または曲を選択するための制御命令である。従って、識別子担体の操作部材を操作すること、例えばフィギュアとして形成されている識別子担体の腕または頭を回転させることによって、オーディオ情報の再生の様式、例えば再生音量を変えることができる。
【0073】
有利な実施形態では、識別子担体はエネルギー蓄積器を有しておらず、特に有利には、バッテリー等の継続的なエネルギー蓄積器を有していない。特に有利には、識別子担体はコンデンサを除いてエネルギー蓄積器を有していない。
【0074】
オーディオ情報を再生するための本発明の方法は、
・スピーカーまたはスピーカー端子と、
・自身の領域内で、特性またはこの周辺の特性の変化を検出することができるセンサと、
・その上に対象物を継続的に配置することができる載置部、および/または、そこに対象物を継続的に固定することができる固定部と、
・コントロールユニットと
を有する装置によって実行される。ここでセンサは少なくとも載置部の上方の領域において、特性またはこの領域の特性の変化を検出することができる。センサは少なくとも、固定部の隣の領域において、特性またはこの領域の特性の変化を検出することができる。ここでコントロールユニットは、センサが自身の周辺領域内で、特定の特性またはこの周辺の特性の特定の変化を検出した場合、または、コントロールユニットが、センサによって検出されたこの特性の特定の変化を検出した場合に、オーディオ情報を再生するようにスピーカーまたはスピーカー端子を駆動制御する。このオーディオ情報の再生は、特に有利には少なくとも10秒続く。
【0075】
画像情報、ビデオ情報、または3D情報を再生する本発明の方法は、
・画像情報、ビデオ情報、または3D情報のためのディスプレイまたはこのようなディスプレイ用の端子と、
・自身の周辺領域内で、特性またはこの周辺の特性の変化を検出することができるセンサと、
・その上に対象物を継続的に配置することができる載置部、および/または、そこに対象物を継続的に固定することができる固定部と、
・コントロールユニットと
を有する装置によって実行される。ここでセンサは少なくとも、載置部の上方の領域において、特性またはこの領域の特性の変化を検出することができる。センサは少なくとも、固定部の隣の領域において、特性またはこの領域の特性の変化を検出することができる。ここでコントロールユニットは、センサが自身の周辺領域内で、特定の特性またはこの周辺の特性の特定の変化を検出した場合、または、コントロールユニットが、センサによって検出されたこの特性の特定の変化を検出した場合に、画像情報、ビデオ情報、または3D情報を再生するようにディスプレイまたはディスプレイ用の端子を駆動制御する。
【0076】
ソフトウェアを実行するための本発明の方法は、
・ソフトウェアを実行することができるプロセッサと、
・自身の周辺領域内で、特性またはこの周辺の特性の変化を検出することができるセンサと、
・コントロールユニットと、
を有する装置によって実行される。ここでコントロールユニットは、センサが自身の周辺領域内で、特定の特性またはこの周辺の特性の特定の変化を検出した場合、または、コントロールユニットが、センサによって検出されたこの特性の特定の変化を検出した場合に、ソフトウェアを実行するようにプロセッサを駆動制御する。
【0077】
本発明の識別子担体は、本発明の装置とともに、本発明のシステム内に、または、本発明の方法内に組み込まれるのに適している。
【0078】
以降で、本発明を、本発明の単なる実施形態を表している図面に基づいて、詳細に説明する。